くらし情報『カミュが『誤解』で描いた不条理に現代人はどう立ち向かうのか?』

2018年9月27日 10:00

カミュが『誤解』で描いた不条理に現代人はどう立ち向かうのか?

『誤解』稽古場より 撮影:山本祐之(東京フォト工芸)

『誤解』稽古場より 撮影:山本祐之(東京フォト工芸)


小川絵梨子が演劇芸術監督に就任した新国立劇場。新シーズンのオープニング作品として、カミュの『誤解』が文学座の新鋭・稲葉賀恵の演出で上演される。原田美枝子、小島聖、水橋研二、深谷美歩、小林勝也という実力派キャストが揃う稽古場に足を運んだ。

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田舎町でホテルを営むマルタ(小島)とその母親(原田)は、客を殺害し金品を奪うことを繰り返していた。ある日、男性客が現れ、母娘は格好の獲物と見るが、実は彼は20年前に家を出たマルタの兄・ジャン(水橋)だった…。

まずは冒頭、マルタと母親が、男性客がジャンだと気づかぬまま、殺害を計画する場面。カウンターなどの入り組んだセットは一切なく、シンプルに腰かけがあるのみ。雨音が響き、床はくすんだ木の板が敷きつめられ、中央には灰色の薄い幕が掛かっており、マルタが「雨ばかりの町、影の国」と語る雰囲気そのまま。


殺す気満々のマルタに対し、母親は乗り気になれないようで疲れた表情を見せる。母娘のなんとも暗い“綱引き”が展開するが、とはいえ、もはや後戻りできないことは母親も承知している。「そうだね、殺さなくてはいけないだろうね」

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