2022年9月22日 16:00
開催迫る♪3年ぶりに海外より参加「アジア オーケストラ ウィーク2022」
盛期ロマン派の手法を用い、独立に至る歴史をコンパクトに描いたフィリピン版ミニ《我が祖国》である。そしてザルツブルクで学ぶマニラ生まれの15歳の天才チェリストの弾くエルガーは、この国の音楽文化の層の厚みをあらためて感じさせてくれるだろう。
フィリピンから北上した沖縄にも、独自の魅力的な音楽文化が存在する。2000年に地元音楽家を中心に結成され、創設以来大友直人が率いる琉球交響楽団は、音楽的な成果を着実に上げている注目株だ。地域に密着した音楽のあり方を真剣に実践し、創作ばかりかホール運営でも先駆的活動を行った作曲家中村透の沖縄伝統楽器と西洋オーケストラのコラボ作品は、この団体の他には実質演奏不可能な本場モノ、聞き逃せない貴重な機会だ。
トリを務めるのは、更に北上した朝鮮半島から「ソウルのN響」たるKBS交響楽団。世界に向け著名ソリストを排出する韓国音楽界の地力が、20世紀後半を代表する作曲家ユン・イサンの重厚深遠な交響曲第2番の楽譜に炸裂する。
(音楽ジャーナリスト渡辺和)
■アジア オーケストラ ウィーク 2022
10月5日(水) マニラ交響楽団
10月6日(木) 琉球交響楽団
10月7日(金) KBS交響楽団
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