『明治緋色綺譚』が織りなす、クールイケメンと前向き幼女のプラトニックな関係
70年代のマンガは乳首が解禁じゃなかったせいなんですかね。オスカルさまとか、よくすっぽんぽんで衝撃的に考え込んだりしてましたが、全身つるりとしてたので、なんだか漫画における人の裸って、ああいうもんだと思っているみたいです。
そういう意味でも、完全なプラトニックものはとても安心できます。そして、女子高生でも性を描くのが当たり前になってしまった今、主人公は第二次性徴前にしとかないとプラトニックにしにくいのかもしれません。
『明治緋色綺譚』は、文明開化の明治時代、とっても頭のいい津軽というイケメンと、鈴子というこれまたとても頭のいい童女が、鈴子の住む場所でなんやかんや揉める話です。
そしてふたりは、ご近所の小さな悩み事を解決しているうちに、どんどん大きな事件に関わるようになっていきます。
鈴子は、姉と一緒に遊郭に売られていた没落華族の娘です。彼女を遊郭に売り飛ばしたのは、実の兄・春時。
このへんの人間関係が作品のキモです。
ちなみに私、病んでる人が好きなので、春時兄さんは好みです。病んでるといっても少女漫画なので、面倒くさいことは言いません。
津軽がまたかっこいいんです。幼女を遊郭から身請けしたにもかかわらず、色気めいた感情は一切なし。