『親なるもの 断崖』が突きつける、モノ扱いされた女性たちの絶望
遊郭に売られた少女たちの生きざまが辛すぎる…!
『新装版 親なるもの 断崖』
(曽根富美子/宙出版 ミッシィコミックス)全2巻
先日、海外で十数年ぶりに痴漢に遭いまして、腹の底から怒りがわき上がっています。まさか今さらそういう対象になるとは思ってもみなかったので油断してました。
で、「久しぶりに痴漢被害に遭ったわ」と知り合いの男性に文句言ったら、「女として認められて嬉しいんじゃないの?」と言われて耳を疑いました。無神経なイメージでもない人から言われたので、なおさら衝撃です。あんなもの嫌悪感と屈辱以外の何ものでもないのですが……。
最近、スマホでネットを見てると、やたら『親なるもの 断崖』という漫画の広告が目に入りませんか。
しかも「お前は女郎だ!」とか「男に抱かれるためだけに生きながらえてるおらたちはなんなんだ。牛か?馬か?それ以下だべ」とかいう辛そうで悲しそうな場面がバンバン出てきて、気になって仕方がない人がいっぱいいるみたいですね。
知恵袋で質問の嵐です。
ええ、私もそのひとり。買って読んでみましたよ。
舞台は、昭和初期の室蘭。松恵、お梅、武子、道子の4人は東北から遊郭に売られてきた少女たちです。