GSアライアンス株式会社がアルミニウム硫黄電池(二次電池)を開発
■研究の内容
本研究においては負極にアルミニウム、正極に硫黄 - 炭素複合体、電解質にイオン液体や深共晶溶媒を用いて、アルミニウム硫黄電池のラミネートセルを試作しました。現時点において、正極中の硫黄の重量に対して、通常の室温大気下、0.025Cの充放電下において初期容量約950 mAhg-1、100サイクル後には容量は約200 mAhg-1となっています。サイクル特性の向上は今後の課題です。また電圧が低く(実際に作成したラミネートセルの開回路電圧は約0.9V)、リチウムイオン電池のそれと比べると低めになり、また印加電流も低めになってしまうのが課題です。
しかしながら、電池容量は大きく、安全で、安くなり得るので、初期段階からのEV用途などへの検討は困難なものの、今後、加速的に成長すると思われる大電流を必要としないが、長時間の電力を必要とするようなセンサー、IT向けの電源などへの用途が期待できます。
国内外の研究機関や大学において、容量の少し小さいアルミニウムイオン電池、アルミニウム硫黄電池の研究開発はあるものの、早い実用化を見据えて実際のアルミニウム硫黄電池をラミネートセルまで作成し、商業的に展開を試みているのは世界初(※当社調べ)