くらし情報『温泉紅藻から触媒効率の高いクエン酸シンターゼを発見明治大学大学院農学研究科 西井麻貴・小山内崇准教授らの研究グループ』

2023年3月15日 14:00

温泉紅藻から触媒効率の高いクエン酸シンターゼを発見明治大学大学院農学研究科 西井麻貴・小山内崇准教授らの研究グループ

10-100 mMのKClと1-10 mMのMgCl2存在下でCmCS4活性を測定した結果、両金属塩に対して濃度依存的にCmCS4活性が低下しました。そこで、50 mM KClと5 mM MgCl2存在下においても、CmCS4のオキサロ酢酸とアセチルCoAに対する触媒効率を調べました。その結果、阻害剤のKClおよびMgCl2存在下においても、CmCS4の触媒効率は、3種のシアノバクテリアのものより高いことが明らかになりました (図2)。
以上の研究から、CmCS4は、オキサロ酢酸およびアセチルCoAに対して高い触媒効率を示すことが分かりました。好酸性の藻類は、細胞質のpHを中性に保ち、酸性環境へ適応するため、大量のATP (エネルギー) を消費することが報告されています。そのため、酸性環境で生育するシゾンは、クエン酸回路酵素の触媒効率を高めることで、クエン酸回路を介してATPを大量に生産している可能性が考えられます (図3)。

3.今後の期待
本研究は、真核藻類のCSの生化学的な性質を明らかにしました。本研究の成果は、真核藻類におけるCSの触媒効率や金属塩による阻害、クエン酸回路への炭素の流れなどの知見を提供します。

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