2024年4月11日 13:00
GSアライアンスが、再生材料であるブラックマスから作る環境に優しいサスティナブルなリチウムイオン電池用正極材料を開発
GSアライアンス株式会社(本社:兵庫県川西市、代表取締役:森 良平博士(工学))は、廃棄回収されたリチウムイオン電池から取り出した再生材料であるブラックマスを元に、環境に優しいサスティナブルな正極材料を開発しました。
ブラックマスから合成した正極材料
■ポイント
1. ブラックマスとは、リチウムイオン電池から取り出されるリサイクル材料で、見かけは黒い粉体であり、コバルト、ニッケル、マンガン、リチウムなどのレアメタルを多く含んでいます。
2. リチウムイオン電池に必要なコバルト、ニッケルなどのレアメタルの産出はロシア、中国、アフリカ、南米などの特定の地域に偏在しており、政治的供給不安や価格変動のリスクが常にあります。よって、これらの金属資源をリサイクルすることが重要です。
3. 現在では、ブラックマスから硫酸、塩酸などの危険な化学物質を用いてコバルト、ニッケルなどの金属を抽出して、再びリチウムイオン電池の正極とするなどの検討が行われていますが、この工程は作業員に対して危険で、機械設備、環境にも負担がかかり、コストも高くなります。
4. このような危険な化学物質を一切用いずに、ブラックマスから独自のシンプルな工程により正極を合成しました。