「イヤイヤ期」はいつやってくる?2歳になって身構えていたけれど……Upload By プクティ世間一般で良く耳にするイヤイヤ期は、家でも外でも関係なく癇癪を起こし、本人の気持ちを落ち着かせるのにとても手こずるという印象でした。わが家の長男も、イヤイヤ期が始まる頃とされている2歳になり、いつイヤイヤが始まるのかと身構えていたのですが……。Upload By プクティ意外にも、長男のイヤイヤ期が始まる気配は全くありませんでした。確かに、洋服の素材にこだわったり、まぶしい光が苦手だったりと、感覚の過敏さからパニックを起こすことはありました。しかし、日常生活で癇癪を起こしてどうしようもないという場面にはなかなか出合いませんでした。比較的いつも落ち着いていて大人しく、いろいろなところに出かけても苦労しないので、2人きりで遠出することなどもできていました。そのため、長男はすごく育てやすい子だなと感じていたのです。育てやすかったはずの長男が、幼稚園入園で豹変!?Upload By プクティそんな長男が幼稚園に入園したとたん、「集団行動ができず、椅子に大人しく座れなかったり、教室を飛び出してしまったりして指示が聞けない」と先生から指摘され、家庭での様子と全く違うことに非常に驚きました。Upload By プクティ幼稚園で指摘されたことがきっかけで、知能検査や病院での診察を受けた結果、長男は軽度の知的障害(知的発達症)と診断されました。今思い返してみると、イヤイヤ期がなかったのは、感情表現の乏しさや自己主張の苦手さといった、発達の凸凹や遅れによるものだったのかも?と思うところもあります。現在の長男の様子と、イヤイヤ期真っ盛りの次男を見て思うことUpload By プクティその後、長男は療育を受けながら、より本人の特性に合った保育園への転園も経験しました。5歳になった今は、集団に合わせた行動がずいぶんとできるようになり、椅子に座って長時間集中するようにもなりました。感覚過敏も以前より落ち着いてきて、パニックを起こすことなく過ごせるようになってきました。ちなみに、長男と3歳差で生まれた次男は、今のところ保育園で発達の遅れを指摘されることもなく、むしろクラスで一番に先生の指示に従って行動できると聞いています。しかし、家では絶賛イヤイヤ期で、激しい自己主張に悩まされているところです。同じように育てていても、子どもの発達の仕方はそれぞれ違って、その子なりのペースで成長しているのだなあ……と感じるこの頃です。執筆/プクティ(監修:森先生より)イヤイヤ期の時期や、イヤイヤが出る場面、イヤイヤが分かりやすいかどうかなど、その子の性格によってさまざまです。一般に、自分の気持ちを自分で分かるようになったり、他人に伝えることができるようになるとイヤイヤ期は落ち着いてきます。イヤイヤ期は、子ども自身の意思や、「自分でやりたい」といった自立心のあらわれとして大切なものです。イヤイヤ期が激しいからといって心配する必要はありません。また、逆に、イヤイヤ期がない、分かりにくい、遅いからといって心配する必要もありません。イヤイヤ期が目立たないとしたら、「本人からしたら特にこだわりポイントではない」とか「伝えなくても家族はやりたいことを分かってくれている」など、イヤイヤを発動させる必要がないのかもしれません。イヤイヤ期がないからといって「自分の意思がない」ということではありませんし、遅いからといって発達が遅いという話でもないので、安心してくださいね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月05日小1から行き渋り、小3で母子登校できるようになったけど現在小学6年生のわが家の長女『姉子』は、小学2年生の時にASD(自閉スペクトラム症)と母子分離不安と診断され、小学4年生の時に知的ボーダー、場面緘黙と医師から言われています。姉子は、赤ちゃんの頃から繊細なところはあったものの、幼稚園の時は楽しく園生活を送っていました。しかし、小学校へ入学するとすぐに、登校前に泣き出したり、腹痛や頭痛を訴えたりして、行き渋りをするように。そして、1年生の時の個人懇談で担任の先生から発達検査を受けることをすすめられ、すぐに発達支援センターへ相談に行き、2年生になってすぐWISCを受けました。結果はかなり凸凹があり、これまで相当しんどい思いをしてきたことが分かりました。でも、検査を受けたことで姉子の特性や困り事を知ることができたので、「上手にサポートできれば学校生活も楽しめるかもしれない」と、前向きにとらえていたところで、まさかの転勤。さらにコロナ禍で環境が大きく変わったことにより、転校先で姉子はまた行き渋るように……。転校先の学校では、別室登校や母子登校など姉子のペースでスモールステップを繰り返し、学校にいる時にも少しずつ笑顔が見えるようになってきました。しかし……。登校できるようになってきた矢先の転勤、転校姉子が3年生になり、転校先の学校にもやっと慣れてきたところで、またしても転勤!霧の中でなんとか小さな光を見出して進んでいた道の前に、まるで高い壁ができたような気分でした。当然と言えば当然ですが、姉子の心はスタートラインに戻ってしまいました。前の学校の時と同じように母子登校でスモールステップで……とやってみましたが、そう簡単には行かず、また家にこもるようになりました。そこで、私から姉子への登校刺激やアプローチを一旦全部ストップしてみました。学校には行かないけれど先生方や相談機関とは密に繋がり続けて、相談先はしっかり確保することを意識しました。学校の支援に関する情報は集めておいて、いつでも動ける状態を保ちつつ、「お母さんと一緒に好きなことをしようよ」という生活に変えてみることにしたのです。Upload By スパ山「お母さんと好きなことをしようよ」という生活にしてみると一緒にゲームをしたり、お菓子づくりをしたり、おしゃれなカフェに行ったり。そして、頃合いを見て、学校行事のお便りをさりげなく貼っておくなどして時々ほんの少~し匂わせていきました……(笑)。すると、姉子が給食の献立を見て「え~、おいしそう」と話したのです。学校について姉子から触れてくれたことに飛び上がるほどうれしかったのですが、そこは落ち着いて「ほんとだね~おいしそうだね~」とだけ答えました。姉子が完全に学校を拒否してるのではないと分かって私は安心しました。Upload By スパ山大きなきっかけは、弟の特別支援学級への入学その年の秋頃、ASD(自閉スペクトラム症)がある弟が新1年生として、姉子と同じ小学校の特別支援学級へ入学することが決まりました。そして、入学前に弟と私で特別支援学級を見学しに行くことになりました。しかし、当日、夫の仕事の都合がつかず、姉子とまだ小さい次女と2人だけで留守番をさせるのも心配だったので、結局姉子も次女も一緒に連れて行くことに。放課後の誰もいない時間に、私と子どもたち3人で見学に行きました。姉子にとっては数ヶ月ぶりの学校です。どうなるかとハラハラしていたら、「ここが靴箱だよ」「廊下は走らないんだよ」と弟と妹に教えてあげるなど、お姉さん風を吹かせ始めたのです。拍子抜けしてひっくり返りそうでした(笑)。特別支援学級の先生方もとても優しく、私たちが安心して見学できるように細やかな配慮をしてくださいました。最初は少し不安そうにしていた姉子ですが、帰る頃には先生とすっかり仲良くなって「また遊びに来てね」と言われ「うん!」と答えていました。その光景を見た時に、「姉子も特別支援学級の教室ならもしかして通えるのでは……?」と私は思ったのでした。Upload By スパ山不登校の娘、特別支援学級への転籍に向けて。母、動きます!私は、学校をお休みしていた間にもしっかり繋がっておいた相談機関に行き、見通しが立たないことを不安がる姉子に、しっかり伝えられるように特別支援学級の情報を集めました。学校にも相談に行き、特別支援学級への転籍について話し合いました。そして、弟の2回目の特別支援学級見学の時、姉子に「また一緒に行く?」と聞いてみたら、「うん!」と笑顔つきで返事が返ってきたのです。そこで、慎重に慎重を重ねてゆっくりと、明るい雰囲気を保ちつつ、希望すれば特別支援学級に姉子も弟と一緒に通うこともできると話しました。姉子の反応は「へ~」という感じでしたが、表情は明るかったです。Upload By スパ山小4への進級目前、娘が登校の意思を。そして、特別支援学級へと転籍弟の入学式の少し前、姉子が急に登校の意志を示しました。驚いた私は思わず「へ!?どこに!?」と聞いてしまいましたが、姉子は「○○学級(特別支援学級)に」とにっこりして答えてくれました。こうして、4年生に進級すると同時に姉子は特別支援学級へ転籍することになりました。霧がかかって壁に阻まれていた道がまた見えたようでした。そこからは以前培ったスモールステップで、焦らず諦めずゆっくりゆっくり、2年の母子登校を経ながら学校生活を取り戻していきました。Upload By スパ山6年生になった今は6年生になった現在は、母子分離不安の症状も落ち着いて、私がいなくてもほとんどの時間を特別支援学級の教室で過ごしています。また、通常学級へ交流に行ったり、調子の良い時は、3年生になった弟と1年生の妹と一緒に3人で下校したりすることもあります。委員会やクラブ活動に参加したり、下級生の面倒をみたりしているそうで、その成長っぷりに私は驚かされています。姉子のおかげで、私もたくさんの発見と学びがあり、めちゃくちゃ反省もしました……。姉子が疲れているときは「休もうよ、大丈夫だよ」と、必要以上の不安を感じることなくどっしり構えることができるようにもなりました。もしまた進む道が見えなくなっても、壁がドーンと現れたとしても、「想定内だ」と、心づもりしておき、いつでも子どもたちをサポートできるように見守っていきたいと思っています。執筆/スパ山(監修:藤井先生より)スパ山さんがお子さん3人を育てながら、転勤を繰り返し、試行錯誤されていた様子が伝わってきました。不登校のお子さんにどのように接したら良いか分からない、という方への希望のメッセージですね。読ませていただき、ありがとうございます。今では特別支援学級に行くことができるようなった姉子さんは、スパ山さんの母子登校2年のサポートがあり、弟さんの入学などをきっかけに、学校は行っても大丈夫かもという安心に繋がっていたのだと思います。これからまた環境の変化があるかとは思いますが、休んでも大丈夫だった今回の経験が、これからの姉子さんの成長を支えていくものになると思いました。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月04日話しかけてもほとんど無視。質問には答えてくれない。アニメのセリフや誰かの口癖ばかりを繰り返す。どれが息子の本当の言葉なの?1歳半のたーちゃんが話すことができる意味のある単語は「ワンワン」のみでした。そしてオウム返しやクレーン現象など気になる行動も増えていき、私はたーちゃんの発達やほかのお子さんとの違いに悩んでいました。たーちゃんは2歳になっても、人とのコミュニケーションへの興味が薄いようでした。私や夫が話しかけても無視して、黙々と玩具で遊び続けていることがほとんどでした。リアクションも何もないたーちゃんに話しかけ続けることを、虚しいと思ってしまうこともありました。Upload By みかみかん一方でひとりごとは多く、単語は少しずつ増えていきました。よく見ているアニメのキャラクターのセリフや、私や夫がよく言う言葉の一部を真似していました。しかし、これもエコラリアなのかなと思ってしまい、私はその様子を微笑ましく思うことができませんでした。無表情で機械的にぶつぶつと呟く様子を見ていると、たーちゃんが本当にしゃべりたいことは何なのだろうと考えてしまいました。当時の私は、そうした言葉はたーちゃんの本当にしゃべりたいことではないのではないかと感じていました。心のこもった言葉を聞きたい、そう思っていました。何を話しても無視して、感情がこもっていない言葉を繰り返すたーちゃんに、温かなコミュニケーションを感じられずに、焦りと不安ばかりが募っていきました。Upload By みかみかん3語文が出てうれしい!しかし、自分の気持ちを言葉にするのは難しく、トラブルも……たーちゃんは2歳半で初めて3語文が出ました。普段はほとんど単語しか話さないたーちゃんが屋根の雨どいを見て、「ここみずでてくる」と言って私を驚かせました。しかしこの頃も、自分の気持ちを表したり伝えたりすることは苦手なようでした。Upload By みかみかん例えば、見ていた動画を「おしまいだよ」と言って消すと、たーちゃんは怒って泣いて暴れて、パニックになることがありました。「いやだ」も「もっと」も「みたい」も言うことができないたーちゃんのことを、私はもどかしく思っていました。根気強く「おしまいだよ」と私が言うと、たーちゃんは「まい!」と手を叩いて、それでも泣き続けていました。今思えば、たーちゃん自身も、うまく気持ちを言葉にできない中、なんとか気持ちを落ち着かせようと頑張っていたのかもしれません。また、赤ちゃんの頃から教え続けてきたベビーサインをこの頃もまだ使っていました。「おいしい」時には頬をポンポンと掌で叩いてみたり、「ちょうだい」と言いたい時には掌の上にもうひとつの手を重ねてトントンと叩いて表してくれました。ですが、児童館や公園で会うお友達には通じないこともありました。「かして」のひとことがどうしても言えずに、結局玩具を横取りしてしまい、私が間に入る時もありました。Upload By みかみかんこういう時には「かして」と言うんだよと何度も教えても先に手が出てしまうので、夫と私は対応に困り果てていました。人の多い時間帯には公園に行かないようにしたり、よく会うお友達の保護者の方には発達が気になっていることを打ち明けたりしました。気になるところはあるけど、お話が上手になってきた3歳になったたーちゃんの課題は、「うん」「ううん」が言えないことでした。自分の気持ちを表すのがやはり難しいようで、思っていることと違うことを答えてしまうこともしばしばありました。それでも、無視ばかりだったたーちゃんが、何かリアクションをしようとしてくれることがうれしかったです。たーちゃんのおしゃべりの基本はエコラリアからでした。誰かの真似をそっくりそのままコピーするようにして覚えていきました。なので、しゃべり方に抑揚がなく感情がこもってないように聞こえたり、その場に合わない言い方だったり、やけに大人びた口調だったりします。これは4歳の今でも変わりません。ですが、たーちゃんが自分で努力して手に入れた大切な言葉なのだと思えば、そういった細かいことは気にならなくなってきました。どんな表現でも、たーちゃんとコミュニケーションができるというのは、これまでを振り返るとすごい成長だと思いました。4歳になった息子と会話できるのが楽しい!Upload By みかみかん現在、4歳のたーちゃんはとてもおしゃべりです。今日幼稚園であったことをたくさん話してくれますし、公園でお友達と楽しそうにお話もしています。たーちゃんの発達に対して悲観的だった昔の私に、今のたーちゃんの様子を見せてあげたいです。ゆっくりでも、ちょっと変わっていても、ちゃんとたーちゃんは自分のペースで成長しているんだよと教えてあげたいです。そして、周りのお子さんと比べずに、もっと穏やかにたーちゃんの成長を見守ってあげられたら……と思います。しかし、当時の自分も不安や心配で悩んでいる中、根気強くたーちゃんに声をかけ続けたと思います。頑張っていたね、と昔の自分を褒めてあげたいです。この記事が、発語について悩んでいる保護者の皆さんの応援になれば幸いです。執筆/みかみかん(監修:新美先生より)ことば・会話の成長に伴う変化について詳しくお聞かせくださりありがとうございます。発語がゆっくりだったり、独特だったりすると、保護者として心配になったり、言いたいことが伝えられないゆえの関わり方の難しさがあったりしますよね。たーちゃんの場合、3歳ぐらいまではしゃべれる言葉はあっても会話になりにくかったり、気持ちを伝えるのが難しかったりしたけれど、4歳になったらいろんなお話をしてくれるようになったのですね。ことば・コミュニケーションの発達は、言語面の発達と、対人面、他者と関わることへの興味が育ってくるかの影響を大きく受けます。このため他者と関わることの面白さに気づいて、他者への興味が育ってくると、それまで獲得していた語彙を使って急速にコミュニケーション自体が増えてくることがあります。本人にとって楽しいと思える関わりを増やしていくことが、コミュニケーション面にもよい影響を与えるかもしれません。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月04日自閉症小4長男と電車にのって買い物へUpload By taeko12月のある土曜日のことです。クリスマスプレゼントが決まらず、サンタさんへの手紙を書けずにいた長男のミミ(小学4年生)。おもちゃをたくさん扱っているお店に見に行けば、欲しいものが見つかると思い、翌日の日曜日に次男のふー(幼稚園年長)も一緒におもちゃ屋さんへ行かないかと誘いました。いつもならお出かけを嫌がる傾向があるミミですが、この時は「行くー!」とウキウキして珍しく誘いに乗って来てくれて、私もうれしい気持ちになりました。「座りたいのに!生きるのつらい!」電車移動中もミミからは小さな不満がたくさん出て……翌日は早めに身支度開始。思ったよりスムーズに支度できたため、早めに駅に着きました。10分ほど駅のホームで待つことになったのですが、ここでミミは「ヒマ」と早速マイナスモード。私も(もう文句が出た……)とがっくり。ですが、ここで次男のふーが「しりとりしよー」と提案してくれ、みんなでしりとりをしてなんとか雰囲気は良くなりました(ホッとしました)。到着した電車は混雑していたため座れませんでした。ミミは電車の中で読もうと図鑑を持ってきていたのですが、椅子に座れないと読めないと思ったのでしょう。悔しい気持ちが口から出てしまいました。「座りたいのに!生きるのつらい!」周りに聞こえるような大きな声だったので、私はびくっ!(なんでこんなことで怒るの……)と不満に思いつつも「あと2駅で乗り換えだよ。すぐ着くよ」、「(電車内モニターの天気予報を見て)ほら、今日晴れだって」とミミの気持ちが切り替えられるように、話をそらしました。Upload By taekoその後電車を乗り換えたのですが、そこでも椅子は空いていません。「本読もうと思ったのに!」と、またまた大きめの声で不満を言うミミに私は空いているドア前スペースを見つけ「ここに寄っ掛かれば読めるよ」と穏やかに提案、ミミは立ちながら本を見ることで、落ち着くことができました。Upload By taeko全てに対して文句が止まらない⁉私もイライラモヤモヤ……!Upload By taeko50分ほどで目的地に到着……したのですが、その日はおもちゃ屋さんでイベントがあったようで、入場整理をしていたためすぐに入れませんでした。Webサイトでもっと調べておけば良かった……!「もう最悪!何で入れないんだよ」とミミはまたまたマイナスモード。私も心の中では全てに対して文句ばかりいうミミにイライラモヤモヤ……。10分ほどでようやくお店に入れた時はホッとしました。お店ではお目当てのおもちゃが見つかり喜ぶミミ。「このおもちゃをサンタさんにお願いする!」と言う笑顔のミミを見ていると私も心がなごみます。ふーはミミとは別のおもちゃコーナーを見たいとのことで、ミミには「この場所にいてね、私とふーは、あっちの〇〇のコーナーにいるから」と伝え、ふーにつき添いました。ふーのお目当てのおもちゃがある場所からもミミがいる場所を見ることができるので、そばを離れても大丈夫だろうと思ったのです。ですが……。ミミがいない⁉シクシク泣き続けた50分の帰路しかし、少し目を離したらミミの姿が見えません!「迷子になった⁉」と私はふーを連れて店内をあちこち探しました。お店は広く、混雑しているのでなかなか見つかりません。「どうしよう!」不安になりながらお店のあちこちを探したところ、5分ほどでようやくミミを発見!「良かった!」と思わずミミを抱きしめました。その時、ふーがミミに対して「もー!どこ行ってたの?」とちょっと怒った口調で言いました。するとミミはふーを『どんっ!』と叩いてしまいました。ミミも私たちを探して不安な気持ちだったのに、ふーから責められたことが怒りにつながってしまったのでしょう。泣き出したふーに私は「『見つかって良かったね』っていうんだよ」、ミミには「叩いちゃダメだよ」と言うと、今度はミミも泣き出しました。お店で泣き続ける二人、私の心は疲れ果ててしまいました……。その後、ふーはおやつを食べて機嫌を直したのですが、ミミは帰宅するまでずーーっとシクシク……。歩いていても電車の中でもシクシク……、帰路の50分間ずっと涙をこぼしていました。私は(私の心が態度に出てしまっていて、それが子どもに伝わって不安にさせているのかもしれない……)とも反省しました。Upload By taeko「外出なんてしなきゃよかった!」とも思うけれど、いつか「お出かけは成長のもと」だったと言える日が来る!やっと帰宅しても、しばらくは座り込んでシクシク泣いていたミミ。それでも、30分ほど過ぎた頃にテレビを見だして、夕ごはんを食べたらすっかりいつも通りのミミになりました。夜、その日を思い返しながら「遠くに行くといつもケンカになるな……。本当に嫌だな……」、「本当に外出なんてしなきゃよかった……」と疲れ切った私。でも、少しずつ少しずつ「子どもなんだから揉めるのは当たり前」、「兄弟ゲンカしてもそこから学んで成長すればいい」と思えるようになり、「ミミがサンタさんに手紙を書けたし、お店に行って良かった!」と前向きにとらえることができました。今は外出してもトラブルばっかりですが、いつか「お出かけは成長のもと」だったと思えたらいいなと思います。執筆/taeko(監修:初川先生より)兄弟連れてのお出かけエピソードをありがとうございます。電車内の混雑、着いた先での待ちなど、お出かけはどう予想しても予想しきれない事柄がありますね。ふーくんのしりとり発案など、一緒だからいいことも、はぐれたあとの素直な一言(「どこ行ってたの?」)によるミミくんの涙も、いいこともそうでないことも起きますね。はぐれてしまったときは、お互いにとても心細かったことと思います。ミミくんからしたら、不安でいて(もしかしたら二人を探しに動いてしまったかもしれず)、さらに責められたら泣けてくるのも自然なことでしょう。ミミくんの気持ちもふーくんの気持ちも当然そうだろうというところで、挟まれた保護者はより慌ててしまうかもしれませんね。お出かけにしても、きょうだいのもめごとにしても、さまざま気持ちや事情が分かってしまうし、ましてやお出かけだと周囲の目も気になったりして、保護者としては緊張が高まるシーンですね。お疲れ様でした。子どもたちが成長してゆき、そしてお出かけ自体に慣れてゆき、「お出かけは成長のもと」と思える日はきっと来ることと思います。また、個人的にはミミくんがおもちゃ屋さんで欲しいものを見つけられたのがよかったなと感じました。選択肢がありすぎて(刺激がありすぎて)選べない・決められない子もいるだろう、そして、逆に欲しいものが見つからなくても大変だったろうと思うので、ミミくんは選べる子なんだなと感じました。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月03日ADHDの高校生。自己管理の苦手さから、部活の人間関係でトラブルに……イライラを親にぶつけてくるようになりましたQ:ADHD(注意欠如多動症)と診断されている高校生の子どもがいます。部活動をしていますが、自己管理が苦手で遅刻や休みが多くなっています。そのことを同級生や先輩から注意されたり、いじられたりすることが精神的な負担となっているらしく、家で親に対しイライラをぶつけてくるようになりました。自立を促さなければいけない年齢だと思いますが、保護者としてどのように関わっていけばよいでしょうか。A:人間関係に関するストレスや精神的な負担などについては、スクールカウンセラーなども含めて、安心して相談できる場所や人の確保が大切になるでしょう。自己管理については、本人の努力だけで補うことが難しい場合もあるので、スマートフォンやタブレットの活用などについても検討してみましょう。Upload By 発達障害のキホン思春期になると、障害特性からくる苦手さから心理的ストレスが高まり、不安や抑うつ傾向が強くなる子どももいます。思春期では保護者に相談しにくいことも増えていくかと思います。スクールカウンセラーなども含めて、安心して相談できる場所や人を確保していくことも大切になってくるでしょう。自己管理については、本人の努力だけで補うことが難しい場合もあるので、スマートフォンやタブレットのスケジュール管理アプリや、電子タグのような市販されている忘れ物防止グッズなどを使いこなせるように教えていくことも一つの方法です。学校での合理的配慮として、メモを取る時間がかかる場合は写真を撮らせてもらう、連絡帳の代わりにアプリを使うことなども考えられます。高校段階においては、スマートフォンやタブレット機器の持ち込みが制限されている学校も多いので、使用方法などについては学校との話し合いが必要かと思います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年03月03日「みて・さわって・きいて—感じてあそぶスヌーズレン・ラボ」シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]にて2024年3月5日(火)~3月10日(日)まで開催Upload By 発達ナビニュース年齢や障害の有無、国籍に関わらず、さまざまな体験が楽しめる展示企画「みて・さわって・きいて—感じてあそぶスヌーズレン・ラボ」が、渋谷区にあるシビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]にて2024年3月5日(火)~3月10日(日)の期間で開催されます。1970年代のオランダにて、重度の知的障害がある方のレクリエーションとして始まった「スヌーズレン」。スヌーズレンとは、オランダ語の「くんくん匂いをかぐ」と「うとうとする」という2つの言葉をあわせた造語で、障害がある人ができるだけ感じ取りやすく、リラックスできるように、光や音楽、感触や食感、そして、さまざま香りを体験できる素材を揃えた環境で行われる取り組みです。今回の展示企画では、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の五感に、前庭覚・固有受容覚を加えた7つの感覚を楽しめる3つのラボがオープン。デジタルテクノロジーを活用した「センサリーラボ」には、ハイハイ前の赤ちゃんや重度障害がある子どもも楽しめるブランコや、幻想的で優しい光や色、音などで構成されたコーナーなどが設置されます。身体や感覚器を使う「イマーシブラボ」は、身体機能に関わらず誰もが楽しめることをめざす体験型コンテンツです。ホッとひと息できる「アレコレアジワウラボ」では、おいしいコーヒーや紅茶、みんなで一緒に食べられるインクルーシブスイーツも登場!障害やさまざまな特性がある方がカフェでのサービスを担います。障害がある人もない人も、大人も子どもも楽しめる本展示企画。感情を豊かに表現し、言葉に頼らない“感じるコミュニケーション”を体験することで、互いに理解し合うインクルーシブな環境づくりを考えるきっかけとなるのではないでしょうか。会期中、関連イベントとして3月6日(水)、7日(木)にワークショップ「香りで探す“私”の感情」が、3月8日(金)にはトークイベント「もっとインクルーシブに遊び・育ち・はたらく」も企画されています。<詳細>会期:2024年3月5日(火)~3月10日(日)会場:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT](東京都渋谷区宇田川町3-1 渋谷東武ホテルB2F)開館時間:13:00~19:00 ※ファミリータイム11:00~13:00入場料:無料※クリックすると、発達ナビのWebサイトから「みて・さわって・きいて—感じてあそぶスヌーズレン・ラボ」のページに遷移します。障害のある作家を対象とした国際アートアワード「HERALBONY Art Prize 2024」開催中。3月15日(金)までエントリー受付中Upload By 発達ナビニュースアートを起点に新たな価値や文化の創造を目指す福祉実験カンパニーの株式会社ヘラルボニーが、障害のある作家を対象とした国際アートアワード「HERALBONY Art Prize 2024(ヘラルボニー・アート・プライズ)」を新たに創設し、2024年1月31日(水)〜3月15日(金)の期間にてアワードへの公募を受け付けています。才能ある多くの作家たちのキャリアの芽生えに貢献する芸術賞として創設された「HERALBONY Art Prize 2024」。本アワードの審査員には、金沢21世紀美術館のチーフ・キュレーターの黒澤浩美さんをはじめ、東京藝術大学長の日比野克彦先生など、国内外から文化・芸術分野の専門家を迎え、その視点から異彩を放つ作家を新たに見出していきます。そして、作家たちのさらなる活躍を後押しし、その才能を広く発信していくことを目的とされています。アワードへの応募期間は2024年1月31日~3月15日(金)までとし、特設サイトからエントリーが可能です。4月中旬に1次審査(画像審査)で通過作品が選出され、その後の2次審査(現物審査)にてグランプリと企業賞が選出されます。そして、8月上旬には受賞者及びファイナリストの作品が一堂に集結する展覧会や授賞式などの関連イベントの開催が予定されています。作家を志望される方はこの機会にチャレンジを、独創的な応募作品たちを直接目で見て、体感したい方は8月の展覧会へ足を運んでみてはいかがでしょうか。■応募要項応募対象者1. 国内外で活躍を志望する、障害(※)のある作家※障害者手帳をお持ちの方2. 作家本人または所属団体等による応募申し込みが可能です。(1)作家本人(2)親権者(作家が未成年の場合)(3)親族・保護者(4)後見人(5)作家が所属する福祉施設その他団体3. 国籍・年齢・性別及びプロフェッショナル・アマチュアを問いません。応募期間:2024年1月31日(水)~3月15日(金)まで応募方法:公式Webサイト上の専用応募フォームにて■展覧会概要受賞者及びファイナリストの作品を展示予定会期:2024年8月10日(土)~ 9月22日(日)会場:三井住友銀行東館1F アース・ガーデン(東京都千代田区丸の内1-3-2)主催:株式会社ヘラルボニー応募および詳細は特設Webサイトをご参照ください※クリックすると、発達ナビのサイトから『HERALBONY Art Prize 2024 』のWebサイトに遷移します。3月21日は世界ダウン症の日!2024年のポスターテーマは「 思いこみを想いなおそう。 」Upload By 発達ナビニュース3月21日は「世界ダウン症の日」として2011年に国連で制定されました。翌年の2012年3⽉21⽇から「世界ダウン症の⽇」に向けてダウン症のある⼈たちがその⼈らしく、安⼼して暮らしていけるよう、世界各地で啓発イベントが毎年行われています。公益財団法人日本ダウン症協会(JDS)では、世界ダウン症の日がある3月を「ダウン症啓発月間」とし、情報発信や啓発に取り組んでいます。その活動のひとつとして、2013年から毎年啓発ポスターを制作。趣味や仕事、さまざまなことに取り組むダウン症のある人たち、赤ちゃんから大人までいきいきとした表情を捉えた写真が中心のポスターとなっています。2024年のポスターテーマは、「 思いこみを想いなおそう。 」。思いこみや先入観は、誰かを傷つけてしまうだけでなく、繋がり合うことや自分自身の可能性すら閉ざしてしまうことも。何かを決めつけてしまう前に、そこにいる人を想うこと、そして、豊かな個性の先にある「わくわくする可能性」を想ってみようというメッセージが込められています。2024年のポスターモデルは、長野県伊那養護学校高等部に通う3年生の清水一哉さん。ボッチャの試合で活躍する清水さんの、いきいきとした姿が映し出されています。そして、モデルの撮影をしたのは、ダウン症がある写真家、川田たいしさん。1996年に働く障害者フォトコンテストへ出品した「頑張って」が特別賞を受賞。その後、数々の賞を受賞し、展覧会も多数開催しています。JDSでは、啓発活動としてこのポスターを無料で全国へ配布し、掲示をお願いしています。このポスターをあなたの学校や会社、地域の掲示板などに貼ることで、ダウン症について知るきっかけが広がっていくのではないでしょうか。※クリックすると、発達ナビのサイトから「世界ダウン症の日2024啓発ポスター」のページに遷移します。才能あふれる若きピアニストたちが出演!パラアーティストによる『ユースフルコンサート 2024 』3月29日(金)横浜ラポールシアターにて開催Upload By 発達ナビニュース横浜市港北区の障害者スポーツ文化センター横浜ラポールラポールシアターにて『ユースフルコンサート2024』が、2024年3月29日(金)に開催されます。出演するピアニストはさまざまなコンクールへの出演・受賞経験がある5名のパラアーティストです。出演者の桑名翔英さんは、療育手帳重度判定のASD(自閉スペクトラム症)があり、鶴見養護学校卒業後、現在は特例子会社にて勤務している22歳。ピアノ歴は12年、気が優しく力持ちだそうで、その性格を表すかのような優しい音色が特徴的です。ASD、知的発達症、ADHD(注意欠陥多動性症)がある佐藤匠さんは7歳よりピアノを始め、現在はピアノ歴11年。心に響く音を伝えることを大切にしているアーティストです。現在は就労継続支援B型事業所で働きながら、ピアノレッスンに通い、国際音楽コンクールなどにも出演。日々、舞台で演奏するのを楽しみにしているそうです。4歳でASDと知的発達症と診断を受けた現在21歳の萩原温さんは、小学校入学後よりピアノを習い始め、ピアノ歴は14年。障害がありコミュニケーションが苦手な人たちも、定型発達の人たちと同じように、好きなことや楽しいと思うことがあり、それを糧に日々生きているとたくさんの人たちに感じてもらいたいという思いを抱く佐藤さん。精力的にコンサートやイベント、コンクールに参加し、受賞歴も多数。現在26歳の橋爪遼星さんは、10歳で指一本で一音を弾くことからピアノをスタート。複雑な譜読みが得意だそうです。ASDとADHD、トゥレット症候群で、サヴァン症候群でもあるのだとか。鎌倉養護学校卒業後、社会福祉法人で焼き菓子をつくる仕事をしながら、週末はいろいろな場所でピアノコンサートを開いています。2018年12月、ニューヨークで開かれた国際障害者ピアノコンクールにて発達障害部門で「銅賞」を受賞。医療的ケア児として家庭と病院との連携の乳幼児期を過ごした日比基就さんは、生後数日後に心臓病の根治術と気管切開術を続けて受けました。4歳前に抜管に成功してからも困難が続き、声の発生や言葉の習得に努めましたが、知的発達症とASDの診断を受けました。ピアノとの出合いは5歳。当時通っていた幼稚園のグループレッスンがきっかけだとか。リトミックから少しずつピアノレッスンに移行し、個人レッスンを小学3年生から受け始め現在に至ります。当日の演奏曲は、ベートーベンの『月光 第1楽章』やショパンの『英雄ポロネーズ』などクラッシックの有名曲から、『春の歌』や『幻想曲さくらさくら』など春の訪れを感じさせるものまで。入場は無料で、年齢や障害のあるなしなどに関わらず、どなたでも観覧できます。春の一日、才能あふれる若きピアニストたちによる音色に、心を満たされるひと時となるのではないでしょうか。日時:2024年3月29日(金)開場13:30開演14:00(15:30 終了予定)会場:障害者スポーツ文化センター横浜ラポールラポールシアター(横浜市港北区鳥山町1752)料金:入場無料予約:不要※当日直接会場へ来場ください出演者(※五十音順):桑名翔英、佐藤匠、萩原温、橋爪遼星、日比基就問い合わせ:障害者スポーツ文化センター横浜ラポール文化事業課TEL 045-475-2055/FAX 045-475-2053※クリックすると、発達ナビのサイトから『ユースフルコンサート 2024』のページに遷移します。オールマイノリティプロジェクト主催公開シンポジウム 「『どうして上手くいかないの?』当事者とともに考えるこれからの発達障害の支援のあり方」2024年4月7日(日)開催Upload By 発達ナビニュース千葉大学子どものこころの発達教育センターの大島郁葉教授(臨床心理士/公認心理師)が代表をつとめるオールマイノリティプロジェクトが主催する公開シンポジウム 「『どうして上手くいかないの?』当事者とともに考えるこれからの発達障害の支援のあり方」が2024年4月7日(日)にオンラインにて開催されます。支援のスキルには、被支援者のニーズをまず「理解する」ということが大切です。しかし、被支援者を「理解する」というプロセスは、支援スキルの中では、あまり重要視されてはいないかもしれません。そして、この被支援者を「理解する」ことの壁としてあるのが「バイアス(偏見)」ではないでしょうか。今回のシンポジウムでは、さまざまな視点から、支援者が被支援者を理解する過程において、支援者側のどのようなバイアス(偏見)が支援の壁となり得るのか、そして、どのような解決方法があるかについて学び、話し合います。当日は、主催の千葉大学子どものこころの発達教育研究センターの大島郁葉教授による開会挨拶「当事者とともに考えるこれからの発達障害の支援のあり方」に続き、東京大学先端科学技術研究センター准教授の熊谷晋一郎先生による基調講演「当事者とともに考える、支援における不均衡とこれからの支援のあり方」を予定。また、発達障害がある当事者の方や、一般社団法人UNIVA 理事の野口晃菜氏、翻訳家の高橋璃子氏、厚生労働省から西尾大輔氏が参加するパネルディスカッションなども行われます。当事者やご家族だけではなく、発達障害者支援に関心のある皆さんにもおすすめのイベントです。開催日時:2024年4月7日(日)13:00~16:10開催方法:オンライン参加費:無料対象者:発達障害の当事者やご家族の方、発達障害の支援に関わる方、発達障害者支援に関心のある方申込期限当日参加:2024年4月7日(日)12:00まで見逃し配信:2024年5月7日(火)12:00まで<見逃し配信>開催1~2週間後に配信を開始。視聴期限は2024年6月7日(金)23:55までアクセシビリティ対応:情報保障などのアクセシビリティ対応が必要な参加者の方は、2024年3月15日(金)までに下記の問い合わせ先へ問い合わせ先:オールマイノリティプロジェクトE-mail:amp2022.jpn@gmail.com※クリックすると、発達ナビのサイトからpeatixの「『どうして上手くいかないの?』当事者とともに考えるこれからの発達障害の支援のあり方」チケット申し込みページに遷移します。【東京都】令和6年度からフリースクール利用料を月2万円助成の方針を公表Upload By 発達ナビニュース昨年度、東京都内の公立小中学校では、不登校の児童や生徒はおよそ2万7000人にのぼりました。この人数は、統計を取り始めて以来、最多と言われています。そのような現状のなか、東京都では、学校以外の学びの場の選択肢を増やす目的で、令和6年度からフリースクールなどの利用料について最大月2万円の助成をする方針を公表しました。学校生活に馴染めず生きづらさを抱える子どもたちが、自分らしくありのままで成長できるように、学び方や居場所の多様な選択肢を創出することを目的とされています。対象は義務教育段階の不登校状態にある都内在住の児童・生徒です。都は、保護者に対しフリースクールなどについての勉強会を開くことも予定しています。また、フリースクールなどの活動を充実させる取り組みなどに対し、施設へ最大500万円程度の補助金を支給することも検討されています。なお、この取り組みは、「フリースクール等の利用者等支援事業(助成金)」として東京都より1月26日に公表されました。利用料助成の実現は、2月20日から開催される東京都議会において予算案が可決されたのちに、正式に事業化となる予定です。制度の詳細については、新年度に入ってから周知される見込みとのことです。※クリックすると、発達ナビのサイトから「東京都子供政策連携室」のホームページに遷移します。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年03月02日中学、高校、大学受験、不登校問題、子育ての転機など2024年2月に公開した読者体験談をまとめてご紹介!みなさんからお寄せいただいたエピソードを発達ナビの連載ライターさんなどのイラストをつけて、コミックマンガエッセイ化した『発達ナビ 読者体験談』。今回は、2024年2月に公開した読者体験談をまとめてご紹介いたします。2月に公開された体験談のテーマは・発達障害子育て、わが家の転機・重度障害のわが子の困った行動・特性がある子の中学、高校、大学受験など。みなさんのリアルな声をお届けします!2024年2月に公開した読者体験談中学受験をすることになったASD(自閉スペクトラム症)の男の子。面談では「ぜひうちに!」と言っていた志望校の先生ですが、お子さんの発達障害を知ったとたんに態度が一変して……。2024年4月から施行される「障害者差別解消法」改正によって、「合理的配慮」の提供義務が私立学校にも適用されます。監修の森先生のあたたかいコメントもぜひご覧ください。高校1年生のASD(自閉スペクトラム症)、LD・SLD(限局性学習症)の息子さんの高校受験。全日制を目指していたのですが、勉強は自己流、しかもいじめっ子も同じ高校を志望していることを知って、志望校を通信制へ変更しました。すると、勉強をやめてしまって……。高校受験の様子や、通信制へ入学後の生活は?通信制を目指す方は必読です。ADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の公立高校普通科へ通う2年生の娘さん。義務教育期間中は、スクールカウンセリングや担任との臨時の個別面談など手厚い支援がありましたが、高校に入ると支援が不足してしまったそうです……。そんな娘さんの高校受験、そして大学選びにいたるエピソードです。居住地域に自閉症・情緒障害特別支援学級がなかったため、小学校は通常学級へ入学したAAAさんのお子さん。ですが学校から「ほかの子と違う対応をすることは特別扱いだからできない」「配慮はできない」と言われてしまい、このままではダメだと1年生の2学期から自閉症・情緒障害特別支援学級のある学校通うため引っ越し、転校しました。転校先の様子は?息子さんの困った行動に先生は?AAAさん曰く「つらいことが多かった子育て」の中でついに転機が訪れたエピソードです。知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)の小学6年生のお子さん。発語がなく言葉で伝えることができないので、息子さんが何をしたいのか、何が理由なのかわからないことがありますよね。そんなそんな息子さんがある「困ったこと」をしているのが発覚!お母さまはどうされたでしょうか?就学相談で特別支援学級入学することになった境界域の年長の息子さんが、児童発達支援へ通うことになりました。不器用で強い劣等感をおぼえていた息子さんが、どんな支援をうけてどう変わったか、具体的に教えていただきました!あなたのリアルな体験談を投稿してみませんか?体験談募集中!読者体験談では、発達ナビ読者のみなさんのエピソードを募集しています。現在の募集テーマはこちらです。・障害告知でのトラブル・パートナー(夫婦) との間でのトラブル・両親(義両親)、親族などの間でのトラブル・進学・受験関係でのトラブル・冠婚葬祭関連でのトラブル・お子さまの反抗期、思春期でのトラブル・お子さまの自傷でのトラブル・お子さまの学習関係でのトラブル・不登校、行き渋りでのトラブル・お子さまとゲームの関わりでのトラブル・子さまの不器用さでのトラブル・ママ友や、ほかの保護者の方とのトラブルでのトラブル・ご近所関係でのトラブルお寄せいただいたエピソードの中から数作品、発達ナビの連載ライターさんなどにコミックマンガエッセイ化していただき、発達ナビで公開いたします!あるあると共感をよぶエピソードから、ハッとしたエピソード、誰にも相談できないお悩みや、ママ友トラブルまで、さまざまな「困った」エピソードをぜひ教えてください。みなさんのリアルな体験談は、ほかのみなさんにとってとても参考になるものです。ご応募は以下の応募フォームよりお願いいたします!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年03月02日わが家の娘、マユユについてわが家の長女マユユは、4歳の元気な女の子。現時点での診断は、軽度知的障害(知的発達症)とASD(自閉スペクトラム症)です。社会性や言語が凹のタイプでコミュニケーションの難しさがあります。3歳すぎから療育に通い始めました。とくに・切り替えの苦手さ・人との関わりの苦手さ(目が合いにくい、順番を待てない)などが目立つタイプ。発語や理解にも遅れがあるので、癇癪も多いほうです。なお、トイトレは絶賛難航中……。Upload By サチコ赤ちゃんの頃のマユユ【0歳~1歳半健診まで】マユユが赤ちゃんの頃は、健診では『問題なし』ばかりでした。しかし、1歳半健診で初めて『発達が遅れているかもしれない』と(私にとっては)予想外の指摘を受けることになります。マユユが0歳の頃から睡眠や食事に難しさを感じていたものの、その頃の私は「子どもってこんなに大変なのか」くらいの気持ちでした。小さな子と接する機会もなく、定型発達の子どもの発達についても知らなかったからです。今思えば特性が強く出ていたと思いますし、思い当たることだらけなのですが、知識もない私はまったく気づけないまま「クールで意志の強いタイプかも」と思いながら育児を続けていました。そんな私にとって、1歳半健診での出来事はまさに衝撃。あの時の保健師さんの「あれ?」という様子はいまでも忘れられません。そしてその後、待てども待てども発語や指さしは出てこず……。目線もあまり合わない、クレーン現象ばかりの娘に「私のこと、おかあさんと思ってる?」と悶々とする日々の始まりでした。Upload By サチコ公園でのつらい記憶【2歳の頃】発語がないまま2歳になり、発達相談に通いながら自宅保育をしていたころは、誰かと一緒に遊ぶ・指さしながら楽しくお散歩!なんて夢のまた夢。危険が少なそうで見守りやすい、順番待ちが発生しない(できない)、ブランコは無いほうが良い(動いてても突入するので危険すぎる)など、とにかく”ちょうどいい”公園探しに明け暮れていました。公園へ行っても1時間くらいで切り上げたいけど、長いと5時間くらいいたことも。しかもひたすらマユユを追いかけながら安全確認と周囲への気配りが必須でした。Upload By サチコ「おしまい」もすんなりできないマユユは、ほぼ毎回癇癪を起こしながらの帰宅。娘がじたばた抵抗するのでベビーカーに乗せきれず、絶望し私まで泣いてしまったこともあります。居合わせた優しいママさんに心配されたことも多数ありました……。当時のマユユには、優しい声かけや小さい子への切り替え術!のようなものは基本的に通じなかったので、その優しさすらも無下にしているようで申し訳なく、私はとにかく人目がつらかったです。Upload By サチコ療育に繋がってからの変化【3歳の頃】私が『療育』や『児童発達支援』を知ったのはマユユが3歳になる直前の頃でした。いちばん悩んでいて、少し娘と離れる時間もほしい気持ちもあった2歳の時期に療育に繋がれなかったことは、今でもとても後悔しています。こんな様子のマユユでしたが、その後小集団の療育に通い始めてから大きく成長しました。爆発的に成長!とはいかないのですが、療育などの関わりで3歳頃に全体(発語、指さし、人との関わり方など)が0→1になり、それから少しずつ増えていっている感覚です。0の期間が長かったぶん喜びが大きかったです。以前は「こんな様子がいつまで続くの? もしかしたらずっとこのままなの?」と不安ばかりでしたし、実年齢との差に落ち込んでばかりでした。気持ちが焦って「なんでできないの」と強く教えようとしてしまったこともあります。でも年齢の目安通りではなくても、ちゃんと成長していると”分かった”ことが今の私を支えています。とあるアニメ映画の影響もあってか、最近ようやく私が『おかあさん』という存在だと気づき始めた……かも?Upload By サチコこの経験が誰かに届くことを願ってSNSやブログでは、リアルではなかなか出会えない障害がある子どものママさんパパさんのお話をよく目にします。私自身もそのお話に共感し、1人じゃないと助けられてきたひとりです。私とマユユの体験が、誰かに届くことを願って記事を書いていきます。少しでも心のよりどころになれたらうれしいです。執筆/サチコ(監修:森先生より)「できることが0→1になる、0の期間が長かった」というお言葉、同意できる方も多いのではないでしょうか。お子さんの中での能力が育つ期間、できることが目に見えてあらわれるまでの期間が長く感じられるというケースは少なくありません。たとえばしゃべることができるようになるまでには、言葉が脳に蓄えられ、他者に伝えたいと思うように社会性が発達する必要があります。0の期間は、どうしても焦る気持ち、不安な気持ちがわいてきますよね……。まだ見た目にはあらわれていないだけで、お子さんの中ではしっかりと蓄えられていると信じて、「人とのやりとりが楽しい」と思えるような経験をたくさんさせてあげてくださいね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月01日北海道児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス北広島教室は「嫌なこと・苦手なことを克服するために頑張る」ではなく「楽しいからやる」、「やりたい!」というお子さんの自発的な行動を大切にしている教室です。できないことをできるようにする訓練ではなく、楽しい遊びとして、お子さん自身の中にある能力を可能な限り引き出すことを目指し、保育士・幼稚園教諭 作業療法士などの資格を持ったスタッフが全力でサポート。JR千歳線「北広島駅」から徒歩5分の場所に位置し、さらに駐車場も完備。公共交通機関でも車でも通所がしやすい環境も整っています。北海道の児童発達支援をもっとみる神奈川県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報JR東海道本線「戸塚駅」より徒歩4分と、アクセスしやすい場所にあるコペルプラス戸塚教室。同教室では、瞳が輝くような楽しい支援を通して、お子さんがもともと備えている力を引き出すことを心がけています。そして、「できないことをなくす」のではなく「できることを伸ばす」ことで、自分の個性を認め、何事にも前向きに取り組む姿を目指しています。スタッフは全員、お子さんの発達に関するさまざまな知識を持つ児童指導員の有資格者。お子さん一人ひとりの成長や、自己肯定感の育成を日々全力でサポートする教室です。神奈川県の放課後等デイサービスをもっとみる神奈川県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス海老名門沢橋教室は、JR相模線「門沢橋駅」より徒歩4分の場所に位置し、さらに敷地内には駐車場を2台完備。電車でも車でもアクセスしやすい教室です。2000種類を超えるたくさんの教材を使って、お子さんに合った発達支援を提供。教材一つひとつには、「聞く」「色」「事物名称」など、課題が設定されており、お子さんが楽しみながら学べる環境が整えられています。Upload By 発達ナビ施設情報コぺルプラス鶴見生麦教室では、お子さんの可能性を最大限引き出すために、一人ひとりの発達過程の姿に寄り添い、個別または小集団のレッスンを提供しています。お子さん自身が自分の個性を認め、何事にも前向きに取り組む姿を目指して支援を実施。2000種類以上の多種多様な教材を通じ、楽しく学ぶことができる環境が整っています。また、保護者の方はマジックミラー越しに、レッスンに取り組むお子さんの表情や姿を見ることができます。神奈川県の児童発達支援をもっとみる埼玉県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報コペルプラスジュニア新井宿教室では「できないことに対する訓練」ではなく、できないことの背景に存在する課題に焦点をあて、「能力を引き出すための発達支援」を行う教室です。お子さんの発達過程の姿に寄り添い、個別または小集団のレッスンを提供。お子さんや保護者の方の要望や困り事に耳を傾け、 楽しく遊びながら学ぶ中でできることを増やしていきます。そして、園や学校、家庭で自分らしく過ごしてしていくためのスキルを身につけられるようにサポートをしています。Upload By 発達ナビ施設情報東武スカイツリーライン・伊勢崎線「草加駅」から徒歩3分の場所に位置するコペルプラスジュニア草加教室。行動分析学を取り入れた小集団クラス制を採用し、必要に応じ個別支援も行っています。「できないことをなくす」のではなく「できることを伸ばす」ことで、自分の個性を認め、何事にも前向きに取り組む姿を目指しています。2000種類以上のオリジナル教材を使用して、楽しく遊びながらできることを増やしていき、園や学校、家庭で自分らしく過ごしてしていけるようにサポートする教室です。埼玉県の放課後等デイサービスをもっとみる埼玉県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス新井宿教室は、埼玉高速鉄道「新井宿」駅より徒歩2分と公共交通機関から通所しやすい場所にある教室です。また、提携駐車場も用意されており、車での通所も可能です。スタッフは保育士や幼稚園教諭、児童指導員など全員が有資格者。お子さんの発達に関するさまざまな知識を持ち合わせ、お子さん一人ひとりの成長や自己肯定感の育成を全力でサポートしています。さらに、充実した発達支援を届けるための研修を積極的に実施し、お子さんの成長をサポートするためのスキルを磨き続けているそうです。Upload By 発達ナビ施設情報東武鉄道東上本線「東松山駅」より徒歩2分の場所に位置するコペルプラス松山教室では、お子さんの好きなことや得意なことをさらに伸ばし、自己肯定感を高めることを大切にしています。そして、自己肯定感を高めることで、お子さんが不得意なことにも挑戦し、不得意なことを補っていけるような発達支援を行っています。児童発達支援と放課後等デイサービスの多機能型事業所である同教室は、お子さんの発達過程の姿に寄り添い、個別支援または集団支援を提供。教室内には、大きな窓があり、開放的な広いお部屋でのびのびと粗大運動をしたり、集団での活動など、楽しく学びながら過ごすことができる環境が整えられています。埼玉県の児童発達支援をもっとみる栃木県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス小山喜沢教室では、「できることが増えるのは世界が広がること、楽しいことが増えること」を合言葉に、お子さんが自らの力で幸せになれる姿を目指しています。日々の支援は、お子さんの自己肯定感を育むところからスタートし、「自分には力がある!」「いろんなことにチャレンジしたい!」と感じるセルフイメージを育てることを大切にしているそう。また、保護者の方が送迎がしやすいように、駐車場は5台分のスペースが用意されているのも特徴です。Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス小山駅前教室では、「いまのままでもいいんだよ」という考え方を大切に、お子さんの個性を尊重し、保護者の方の気持ちにも寄り添い、お子さんにとっても保護者の方にとっても安心できる場所になることを心がけています。日々の支援では、お子さん一人ひとりの発達段階に合わせ、自己肯定感を育てていく「楽しい発達支援」を提供。たくさんの教材で遊びながら「やりたい!」「楽しい!」「できた!」と、お子さん自身が達成感を感じられるようにサポートをしています。栃木県の児童発達支援をもっとみる愛知県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス一宮教室は、名鉄「一宮駅」、JR東海道本線「尾張一宮駅」より徒歩10分の場所にある教室です。また、敷地内に駐車場も用意されており、車での通所も可能です。スタッフは保育士や幼稚園教諭、児童指導員など全員が有資格者。お子さんの個性を尊重し、一緒に楽しみながらレッスンを行い、楽しい遊びを通して、お子さんの興味を増やしたり、良いところを伸ばしたりできる発達支援を目指しています。保育園や幼稚園など就園のことや日々の子育てのことなど、無料体験レッスンで相談も可能。お子さんの成長で気になることがある方は、問い合わせしてみてはいかがでしょうか。愛知県の児童発達支援をもっとみる岐阜県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報「お子さんには『できた!』を、保護者の方には『ほっ』とできる安心をお渡ししたい。」そんな想いを抱き支援を提供する、てらぴぁぽけっと岐阜瑞穂教室は、2024年1月にオープンしたばかりの児童発達支援教室です。陽が差し込む明るい教室では、保育士・幼稚園教諭・特別支援学校教諭・児童指導員など、専門資格を持ったスタッフが、0~6歳のお子さんを対象にマンツーマンの個別の支援と小集団の支援を提供。また、毎月第3土曜日の午前中には「てらぽけサロン」という子育て支援の場を開設し、おしゃべり会や子育てに役立つ講座なども開催しています。岐阜県の児童発達支援をもっとみる静岡県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス静岡栄町教室では、幼児教育一筋30年で培った実績をもとに、2000種類にも及ぶ教材を用意し、お子さんをめぐるさまざまな課題を共に見つめ、サポートしていきます。保護者の方の相談にも応じながら、お子さん一人ひとりに寄り添った最適な支援を通して、お子さんが持つ無限の可能性を引き出し、笑顔輝く幸せな明るい未来を目指し支援を行っています。「できないことに対する訓練」ではなく、できないことの背景にある課題に焦点をあて「能力を引き出すための発達支援」を心がけているそうです。教室へのアクセスは、静岡鉄道静岡清水線「日吉町駅」より徒歩4分、JR東海道本線「静岡駅」より徒歩7分。交通公共交通機関でも通所やすい場所に位置する教室です。静岡県の児童発達支援をもっとみる大阪府放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報コペルプラスジュニア堺菩提教室は、南海電鉄高野線「初芝駅」より徒歩14分の場所にある小学生のお子さんを対象とした放課後等デイサービスです。元気と笑顔あふれるスタッフたちは、保育士や幼稚園教諭、児童指導員など全員が有資格者。お子さんの発達に関するさまざまな知識と経験を持ち合わせ、お子さんたちのキラキラ輝くような笑顔をたくさん引き出すべく、日々スキルを磨き続けているとか。教室内は、明るく開放感あり、お子さんの集中力を高め、豊かな学びを得るのに最適な環境が用意されています。大阪府の放課後等デイサービスをもっとみる大阪府児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス住道教室は、JR片町線(学研都市線)「住道駅」から徒歩5分の場所にある0歳から就学前のお子さんを対象とした教室です。支援プログラムは、ソーシャルスキルトレーニング、コミュニケーショントレーニング、ペアレントトレーニングなどを提供。使用するオリジナル教材は、なんと2000種類以上あるのだそう。多種多様な教材を通じて、お子さんの集中力を高め、豊かな学びの環境を届けています。保護者の方は、レッスンの様子をマジックミラー越しに見ることができ、お子さんの表情や成長の瞬間を感じることができるのも特徴です。Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス寝屋川教室は、京阪電気鉄道京阪本線「寝屋川市駅」より徒歩5分の教室です。お子さんの個性を尊重し、保護者の方の気持ちにも寄り添い、帰る時には「楽しかった」「来て良かった」と思える教室づくりを心掛けているそうです。スタッフ1名とお子さん1名で行う【個別支援】クラスと、スタッフ1名に対し2名から6名のお子さんとソーシャルスキルを培う【小集団支援】クラスを設定。各クラスの支援内容や実際のレッスンなどは無料体験レッスンで体感できるとのことです。大阪府の児童発達支援をもっとみる兵庫県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報2023年6月1日にオープンしたコペルプラス甲子園教室では、瞳が輝くような楽しい発達支援を通して、お子さんが自発的に取り組み、自ら能力を発揮していく姿をサポートしています。「できないことをなくす」のではなく「できることを伸ばす」ことで、お子さん自身が自分の個性を認め、何事にも前向きに取り組める姿を目指しています。オリジナル教材は2000種類以上。たくさんの教材を使い、お子さんの可能性を引き出すことができるよう、スタッフは研修を通し、お子さんの成長をサポートするために必要なスキルを磨いているそうです。兵庫県の児童発達支援をもっとみる滋賀県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報JR琵琶湖線 「瀬田駅」南口を出てすぐの場所にあるコペルプラス瀬田教室。同教室では、お子さんの個性を尊重し、保護者の方の気持ちにも寄り添い、お子さんも保護者の方も安心して通える場所となるように努めている教室です。2000種類以上のオリジナル教材を用意し、お子さん一人ひとりの発達段階に合わせた楽しい発達支援を提供。そして、スタッフと共にたくさんの教材で遊びながら、「やりたい!」「楽しい!」「できた!」と実感できるように、お子さんの成長をサポートしています。滋賀県の児童発達支援をもっとみる奈良県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス五位堂教室は、近鉄「五位堂駅」北口の階段を降りてすぐの場所にあり、駅からのアクセスがよく、電車で通所しやすい教室です。お子さんが成功体験を積み重ねて、自己肯定感を高めていく姿を目指して行われる発達支援では、2000種類以上のオリジナル教材を用意。さまざまな感覚や幅広い認知を育てるための多種多様な教材を通じ、お子さんの集中力を高め、豊かな学びの環境を届けています。さらに、保護者の方はレッスンの様子をマジックミラー越しに見ることができ、お子さんの取り組む様子や表情、成長の瞬間を一緒に感じることが可能です。奈良県の児童発達支援をもっとみる広島県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報多機能型事業所リバティ己斐は2024年1月にオープンした児童発達支援・放課後等デイサービスの多機能型事業所です。「考える・楽しく遊ぶ・働く・学ぶ」というテーマのもと、児童発達支援管理者や児童指導員が支援を提供。お子さん一人ひとりの発達特性に沿った個別指導、社会性を育む集団支援、運動を通じた感覚統合支援や、小学生以上のお子さんにはITを取り入れたレッスンも実施しています。送迎サポートは市内全域、またその他地域まで柔軟に対応できるとのことですので、気軽に問い合わせてみてはいかがでしょうか。広島県の放課後等デイサービスをもっとみる山口県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス下関教室は、JR山陽本線「長府駅」からサンデン交通バス「下関市立美術館・関門医療センター前」より徒歩2分の場所に位置しています。また、駐車場も多数用意されているので、車での通所も可能です。同教室では、お子さんや保護者の方の要望や困り事に耳を傾け、一人ひとりに合った個別支援計画を作成し、個別または小集団のレッスンを提供。レッスンを通じて、お子さん一人ひとりに寄り添いながら、可能性を引き出せるようにサポートをしています。そして、お子さんと保護者の方が遊び感覚で訪れるような、楽しい雰囲気の教室を目指しているそうです。山口県の児童発達支援をもっとみる宮崎県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス宮崎駅前教室は、JR日豊本線「宮崎駅」より徒歩5分、宮崎交通バス「高千穂通り2丁目停留所」より徒歩1分の場所にある教室です。同教室では、「できるようにする」ことを目指すのではなく、「そのままのあなたを愛しているよ」と、お子さんの今の姿を認めることを第一に考えているのだそう。安心感をもらったお子さんは、「成長したい」という本能的な欲求から、一人ひとりが持つ「学ぶ力」を最大限に発揮していけるという願いが込められています。日々の支援では、2000種類以上のオリジナル教材を使い、お子さんの集中力を高め、豊かな学びの環境をつくることを大切にしているそうです。宮崎県の児童発達支援をもっとみる沖縄県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報関東・名古屋・関西などを中心に展開するリィスポーツスタジオが沖縄に初進出!デジタルを取り入れた支援や、マンツーマンの運動支援などで運動を習慣化し、「脳」「神経系」「体幹」「言語」「ソーシャルスキル」「ボディコントロール」の発達を促していきます。運動部で全国大会出場の経験もある児童指導員や保育士など専門性の高いスタッフに、福祉経験や福祉資格を豊富に持つスタッフが加わり、明るく楽しい指導を目指しています。オープンは2024年3月を予定。内覧や見学会は2月中旬より受付中です。沖縄県の児童発達支援をもっとみる「もっと施設の情報を詳しく知りたい!」「見学をしてみたい!」と思ったら、Webからもお問い合わせが可能です。施設情報ページでは、掲載されている施設の情報を地域ごとに検索して見ることができますよ。
2024年02月29日次女の場合、場面緘黙について知らない担任の先生がほとんどだった場面緘黙疑いの1年生、診断された2年生から6年生の今まで、5名の担任の先生にお世話になってきた次女。その中で、場面緘黙について知っていた先生は、1年生の時の担任の先生だけでした。この先生に、次女が学校で、クラスメイトと話せなかったり、動けなくなったりしてしまうこともあると教えていただき、スクールカウンセラーと面談をすることになりました。そこで次女は場面緘黙疑いとなり、その後の支援を始めていくきっかけになったので、その時の担任の先生にはとても感謝しています。その後次女は転校し、現在の学校では、場面緘黙について知っている先生はいませんでした。進級時の引き継ぎは……?次女が場面緘黙と診断された2年生の時、場面緘黙のことは担任の先生にお伝えし、進級時に学校へ提出する書類にも記載していました。しかし、3年生になって新しい担任の先生とお話ししたところ、場面緘黙についてご存じではありませんでした。たまたまかな……?と思いましたが、4年生への進級時も新しい担任の先生は次女の場面緘黙について知らず、ここでやっと、「私のほうでなにかアクションを起こさないと、特性などについて自動でうまいこと引き継がれるわけじゃないのか……!」ということに気がついたのでした。Upload By まりまりUpload By まりまりその都度、担任の先生に私のほうから説明していたこの頃は通級指導教室(ことばの教室)なども利用していなかったので、学校とのやり取りは、ほぼ担任の先生のみと行うといった感じでした。そのため、進級時には、場面緘黙についての説明や、前年はどう配慮していただいていたか、今後どうしていきたいかなど、私のほうから担任の先生に直接お伝えし、相談する必要がありました。……が、これがなかなか気をつかうものでした。どの程度お願いして良いのか、無理なことを言っていないか、先生はどのくらい理解があるのか、どう思っているのか、うるさい親と思われていないか……。Upload By まりまりなんとか、継続した支援にできないものかな……と思っていました。引き継ぎ問題、解決の糸口は……この引き継ぎ問題が、通級指導教室(ことばの教室)を利用し始めたことで、一気に解決しました!ことばの教室の利用時に、学校側で(保護者と相談のもと)個別指導計画を作成してくれました。そこには本人・保護者・担任の願いや年間指導目標、目標達成のための学習活動、その達成の状況や所見などが記載され、共有されます。最初見た時に、個別指導計画の存在を知らなかったので、こんなことしてくれるんだ!と驚きました(と同時に、もっと早くこれに出合えていれば……!とも思いました……)。さらに、ことばの教室の担当の先生からは「進級時、新しい担任の先生に、保護者の方から特別伝えておきたいことはありますか?」と聞いていただいて、今まで自分でやっていたことを考えると、本当に助かるな~とありがたさしかなかったです。Upload By まりまり通級指導教室(ことばの教室)に通い始めてからの進級次女が4年生の終わりから通級指導教室に通い始めて、5年生の進級時。新しい担任の先生も、次女の担任になるまでは場面緘黙について知らなかったそうですが、個別指導計画による引き継ぎだけでなく、事前に通級指導教室の先生と直接話してくださっていて、場面緘黙に関する知識がある状態でお話できたのでとてもやりやすかったです。Upload By まりまり毎年進級の時には、「またいろいろ言わなくちゃいけない……」「かなり気をつかうな……」と負担を感じていましたが、進級時に連携をしていただけるようになったおかげで、このストレスから解放されました。また、今までの担任の先生がやってきてくださったことや、次女の状態を正確に次の担任の先生へ伝えられるようになったので、私にとっては良いことしかありませんでした。その後、5年生から6年生時の進級は、担任の先生が変わらなかったので、さらに助かる状況でした……!このように切れ目のない支援を積み重ねてこられたおかげで、中学進学時にもとても役立ちそうで良かったです。執筆/まりまり(監修:藤井先生より)年度変わりの今の時期、来年度の先生にどのようにお子さんのことを引き継いだら良いのか、と悩まれている親御さんのヒントになるコラムをありがとうございます。就学前には、教育委員会に就学相談を受け、その際に就学支援シートを提出されてお子さんの様子を引き継がれる方もいます。次女さんの場合は、通級指導の先生作成の個別指導計画と、通級指導の先生と担任の先生が直接話されたのが良かったのですね。通級指導教室(東京都など一部の自治体では特別支援教室)・特別支援学級の先生、スクールカウンセラー、支援コーディネーターの先生と連携をとるのも良い方法です。また、医学的な配慮が必要な場合には、主治医意見書を学校に提出し、それを通じて学校と対話をするのも良いと思います。環境が変わっても、切れ目ないサポートがあるとお子さんも安心して過ごせますね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年02月29日お小遣いは1年に1回ASD(自閉スペクトラム症)の太郎には、小学6年生の正月からお小遣いを渡しています。お小遣いを渡すタイミングは年に1度、お正月のタイミングのみです。その時に1年分のお小遣いをまとめて渡しています。今は中学2年生なので、今年の正月で3回目のお小遣いを渡しました。お小遣いを渡そうと思ったきっかけUpload By まゆん小学6年生の夏に太郎は初めて友達と外へ遊びにでかけました。遊びから帰宅した太郎が初めに口にした言葉が「お母さん!町で猫がカゴに入っていて、募金箱に千円を入れてきた!」でした。数千円しか渡していなかったうちの千円を太郎は募金に使ったのです。私はその行動に「なんて優しい子なんだろう」とは思わず、逆に不安感と危機感をおぼえました。それを募っていたのがどのような団体なのか分からないこと、小学6年生の太郎が千円という私からしたら大きな金額を募金に使ったこと。募金をする金額などの価値観は人それぞれではあるとは思いますが、私は募金に使用した金額を聞いて太郎の金銭感覚を養わなければと思いました。私は太郎にこう言いました。「今度から、募金をするときはお母さんがいる時にしよう」「千円という金額は、お母さんは大きすぎる気がする。太郎が自分で稼ぐようになったら、いくらでもしていいから、それまではお母さんと相談してから募金しよう」真剣な顔で私が言うと、太郎も少し固くなりながら「うん!分かった!もうしない!」と、どこまで真意を理解しているかどうかは分かりませんが、そう返事がありました。そして、金銭感覚を養うために、お小遣いを渡すことを決めました。1年に1回と決めた理由では次になぜ一年に一回のお小遣い制になったのか。主に3つの理由があります。Upload By まゆん理由その1:元同僚がお子さんにそうしていたと聞いて良いと思ったから元同僚のお小遣い事情について聞いた時に「年に1回まとまった現金を渡しているだけ」と答えがきて衝撃を受けました。私の中のお小遣いは毎月渡すものという考えがあったからです。そもそも年に1回にまとまったお金を渡して一気に使ってしまうのではないか?そういう考えもありました(私なら使いそう)。衝撃でしたが、よく考えてみると1年先までの使い道を考える力もつくのでは?というか太郎に使い方を教えるいい方法なのでは?と思った記憶があります。理由その2:お金の見える化が視覚優位な太郎にはピッタリだと考えたから太郎は視覚からの情報を得ることを得意としています。逆に目に見えないものの理解を不得意としています。そこを理解した上で現金が目の前にあった方が太郎も1年間の計画を立てやすいだろうと考えました。理由その3:お年玉のありがたさを感じ、使い道を考える機会になると考えたからまとまった現金の準備はお年玉のタイミングを利用しています。太郎は親戚が多く、ありがたいことにそれなりの金額になります(ここはあえて金額の詳細は伏せておきます)。そこに少し足した金額が太郎の1年間のお小遣いとなっています。環境に感謝です。お年玉が1年間のお小遣いと認識づけることで「お年玉」がどれだけありがたいものなのかを理解できるいい機会になるなとも思っています。太郎のお金の使い方についてさて、これで本人が管理できるのかというと完全にはできません。祖母と私と太郎で定期的に残金を数えています(お金を使うタイミングがある時もその都度)。そしてお金の使い方ですが、好きな物に惜しみなく利用しています。とはいえど、やはり残金が見えているため計算をしている太郎をよく見かけます。「えーと、1750円足す1750円はああ」という風に。Upload By まゆん好きな物が出てきたり物欲が出てきたりしたのがここ1年ほどの間だったので、お小遣い制度導入のタイミングはちょうど良かったと感じています。今のところ、お小遣いがなくなってきつくなることはなく、逆に余りが出て翌年に繰り越しできている状況です。次はキャッシュレス?現代社会はキャッシュレスの時代。現金でのお金の使い方を覚えたらキャッシュレスも試してみようかと考えています。視覚優位であるため恐らくキャッシュレスでの金銭管理は困難なのでは?と思う面もあるのですが、やってみないと分からないのでとにかくチャレンジです。急に本人にキャッシュレスでの管理を任せるのもリスクがあると思うので、ゆっくりとお試し期間を設けながら進めていきたいです。時代に合わせつつも、太郎の個性を活かしながら社会に適応していけたらと思っています。執筆/まゆん(監修:森先生より)お子さんの特性を理解されて、将来を見据えてしっかりとしたお考えで教育されていますね。実際、発達障害の傾向がある方では、お金の管理が苦手な方は少なくありません。欲しいものがあると衝動的に買ってしまったり、計画的に使うことが難しくて生活費が足りなくなってしまったり、ゲームやギャンブルにのめり込んでお金を使い切ってしまったり……ということがあります。自立する時までには、長期的なお金の管理を自分でできるようになることが必要です。一ヶ月ごと、一年ごとなど期間を決めて一定額のお小遣いを渡して、「計画的に使わないとあとで自分が困る」という経験をつむことに意味があります。また、視覚優位なタイプですと、「現金」や「残高」は管理できるけれどクレジットカードを打ち出の小槌のような感覚で使ってしまうというパターンもありますので、子どものうちにキャッシュレスも経験しておくのは重要ですね。今のうちにいろいろな経験をして自分の傾向を理解しておけば、自立してから「クレジットカードは使いすぎてしまいそうだから限度額を低くしておこう」といった工夫もできます。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月28日思いがけない難所にぶち当たるいよいよ3歳半健診を迎えた長男あー。関門は健診当日を迎える前にすでに用意されていた……それは視力検査と聴力検査!わが自治体では、時間短縮のためか当日の緊張による検査拒否回避のためか、「視力検査と聴力検査は自宅で済ませてきてください」というルールがあります。聴力検査は、一定の距離からささやき声で話しかける声が聞こえているか。視力検査は、あらかじめ配布されていた紙を見てこれまた一定の距離を空けて質問に答えられるか……というもの。まず聴力検査。多分聴こえてる……んだろうけど答えてくれない!どっか行っちゃう!待って!行かないで……(涙)!そんで視力検査、これまたどっか行っちゃう!ようやく引きつけても……聞かれている意味が分からない?のか答えてくれない……(白目)。というわけで戦う前からボロボロとなり、白紙で提出したのでした……(でもどうにかなった)。Upload By よいこ3歳半健診会場で、同年齢の子どもたちの落ち着きっぷりに衝撃3歳半健診の会場に行って驚いたのは、なんと言ってもほかの子どもたちの落ち着きです。幼稚園でも同年齢の子どもを見ているけれど、幼稚園は彼らにとっていわばホーム。思い思いのびのび過ごしているので、わんぱくだったり時に大人の言うことを聞かなかったり、そんなことはよくある光景……。 ということもあって、当時の幼稚園で、あーはそこまで目立っていなかったんですね。それがいつもと異なる空間に放り出されたら……。ほかの子どもはいつもと違うことに少し緊張しているし、社会性が芽生え始めている頃なのでかしこまりがちなんです。おとなしく、親御さんの隣で座って待っている。絵本なんか読んだりしてね。一方のあーは……いつもと違うところ、というのはあーにとってはパニックのトリガー。テンションマックスになりその辺を走り回る……。絵本やお絵かきでごまかそうとしても全然収まってくれない!やっと座ってくれたと思ったら、だらーんと椅子から崩れ落ち(体幹が弱い)、だらしなく見える……。もう……お母さん穴があったらダイブしたい……(号泣)Upload By よいこ健診はスムーズに進み、いよいよ小児科の先生の診察へ……そんなあーですが、意外と健診自体はこなせるタイプです。要は待つ、とかそういう「何もない時間」が耐えきれないわけで、3歳半健診で聞かれる「この色は何色ですか」みたいな問診には落ち着いて答えられるんですよね。内科系の診察も全部パスしていました……(注射など痛いことがなければ大丈夫なのです)。Upload By よいこ複雑な思いと全身疲労を抱え、最後に迎えた小児科の先生の診察。私は思い切って先生に言いました。「発達に不安があるんです」すると先生は、「なるほど。電車の名前とかいっぱい言ったりする?」とたずねてきました。電車……の名前は言わない……言わないぞ!言わない!これは……この子は違うのでは!?私の中にほんの一瞬、ほそーい光が差した次の瞬間のことでした。あーが壁に貼ってある大好きなアニメキャラクターのカレンダーに張り付いて、そこにいるキャラクターの名前をはじから全部言い出したのです(キャラクター多すぎアニメで、ぎっしりキャラクターが描かれているデザインだった……)!そんなあーを見て、先生はニコッと笑って「発達相談に回すね」とおっしゃったのでした。……そうですよね、知ってた!!!もろくも崩れ去った母の小さな希望はさておき……いよいよ、3歳児健診で絶対すると決めていた、発達相談に臨むことになったのでした。Upload By よいこ執筆/よいこ(監修:鈴木先生より)どの親御さんにとっても、ご自身のお子さんの障がい受容は難しいものです。「障がい者」というレッテルを貼られたくない気持ちがあります。私はASDを障がいではなく「特性」だと日頃から保護者の方にはお伝えしています。将来的に、その特性を生かした仕事ができればいいので今日から一緒に向き合っていきましょう、とお話しします。不安を持った親御さんにも、そしてお子さんにも寄り添って診察していくことが重要なのです。困っていることを一つひとつ解決へ導き、ストレスのない生活が親子で送れることを願っています。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月28日「学校の理解を得るために」小学生編Upload By 丸山さとこ現在中学生の息子コウは神経発達症があります。そのため、小学校から中学校にかけて、スクールカウンセリングを利用したり担任の先生に支援をお願いしたりすることがありました。今回は、これまでに受けた支援や個別面談について振り返りました。小学校就学前の息子コウは、主にASD(自閉スペクトラム症)の特性が目立っていました。集団に対する指示が分からない、指示の意図を読み取りにくい、共同注意ができない……などの理由により、集団行動が難しい状態でした。そのため、入学後は個別の声かけや視覚支援(次の予定を壁や黒板に掲示するなど)を行っていただいていました。コウと合理的配慮について話し合う場として、小学校入学後に通常学級の担任の先生と個別の面談を行う機会をいただきました。それに際し、資料として療育園から頂いた個別支援計画書をもとに『特性・考えられる困りごと・園や家庭でのフォロー』についてA4の紙にまとめたものを持っていきました。また、2歳ごろからの成長記録や支援方法について書かれたサポートブックも持参しました。サポートブックには、私が書いた成長や対応の記録のほか、保健センターや療育園での面談の記録などもファイリングしてあったため、面談の際の資料としてとても役に立ちました。Upload By 丸山さとこ小学校入学後すぐに担任の先生と面談をする機会をいただいたこと、スクールカウンセリングの利用を始めたことはよかったと思います。学校との連携をとりやすくなりました。毎月1回利用していたスクールカウンセリングでは、特に目立ったトラブルはないときも現状の報告や相談を行うようにしていました。トラブルが起きるとしばらくはその対応に追われるため、日常で気になることが相談できないからです。ただ、スクールカウンセラーの先生により方針や考えはさまざまなため、対応をお願いしても難しい場合はあると思います。その場合は、医師やソーシャルワーカーなど学校外のアドバイスを参考にしたり、仲介をお願いしたりすることもありました。Upload By 丸山さとこまた、小学校で過ごす6年を通じて主に受けていた合理的配慮は、『集団への声かけでは指示が通らないときの個別の声かけ』でした。そのほかの支援に関しては、学年によってさまざまな状態でした。クラス全体へ支援する形で『宿題と持ち物の一覧表』を毎週いただいていた学年もあれば、「もう〇年生なので、自己管理をしていく段階です」として、机の中を確認するよう声かけをしていく形で過ぎていった学年もありました。手厚い支援を受けられた年度の方がコウは安定する傾向があり、翌年の支援が薄いとコウの崩れ方が大きいこともありましたが、その差も含めて『どのような支援が有効なのか』という実績なので、記録をとっておくことが大切であると感じました。「学校の理解を得るために」中学生編中学校入学時は、卒業した小学校の先生からのすすめもあり通常学級の担任の先生と面談を行いました。面談にあたり、診断書とWISCの検査報告書をコピーして持っていきました。検査報告書には『全体的な知的発達水準・指標得点の特徴・支援方法』などの項目が分かりやすくまとめられていたため、大変助かりました。Upload By 丸山さとこ一般的には中学校のほうが厳しくなるとされており、小学校の先生方もそれを前提として指導されていました。そのため、「中学校の活動についていけるだろうか、人間関係のトラブルは起きないだろうか」と不安でしたが、コウは意外にもスムーズに中学生活に馴染んでいきました。コウも周囲の児童も年齢が上がってきたことで、小学生の頃より他人と距離を取ることが上手になっていったようです。授業参観などでコウの様子を見ていると、周囲を見ていないために自分本位な振る舞いをしているときがあります。「これでよくトラブルにならないな!」とハラハラしますが、月に1回利用しているスクールカウンセリングにて都度相談できるため、ある程度は焦らずに見守ることができています。Upload By 丸山さとこまた、小学校と中学校で、学校の先生の理解や配慮に大きな違いはないと感じています。中学でも先生からの声かけなどのサポートはしていただいています。強いて言えば、中学校より小学校のほうが指導が厳しく徹底していた印象はあります。早期によい習慣を身につけることや、中学に向けて自己管理能力を育てていくことなど、小学校だからこその『タイムリミットのある教育環境の厳しさや難しさ』があったのかもしれません。一方、中学校は進路選択などの大きな節目が最終学年にはあるものの、『自己管理も含めて自己責任』というムードが強いなと思います。Upload By 丸山さとこ10代の半ばに差し掛かっていく頃ということもあり、徹底して生徒を指導するよりも、成長を信じて見守る部分があると感じます。その分、中学校の通常学級では細やかな配慮は求めにくいところもあるかもしれません(地域や学年によって違いはあると思います)。宿題に関しても、小学校のように先生から徹底して確認することはない代わりに『ただ本人の成績が下がるだけ』というシビアさがあるのが中学校らしさであると感じています。とはいえ、自己責任として放置されているわけではなく、「宿題はきちんと出しなさい」「前よりは出そうとしているのは分かる。でも、まだ十分ではないからもっと頑張ろうな」と普段の学校生活の中でフィードバックをしていただいています。そのことはコウの記憶にもしっかり残っており、励みになっているそうです。執筆/丸山さとこ読者の皆さんからの質問をもとにお聞きしましたそれでは、発達ナビみんなのアンケート「連載ライターのみなさんに聞いてみたいこと大募集!」にお寄せいただいた質問をもとに、丸山さとこさんの体験を教えていただきました。※お寄せいただいた質問については、一部編集部にて編集していますーー発達の特性などについて理解をしてもらいにくい先生には、どのようなコミュニケーションを取っていましたか?丸山さとこさん:先生にご理解いただくのが難しいときは、医師から診断書の形で所見を書いていただいたり、スクールカウンセラーの先生からもお伝えしていただいたりしていました。また、話し合う際には、お互いに見えている景色が違うことを念頭に置いた上で、できるだけ対立した立場にならないように心がけてコミュニケーションを取りました。それでも、どうしてもご理解いただけない場合は「今学年は仕方がない」と割り切って、別室登校も視野に入れつつ家庭でのサポートに努めるようにしていました。ーー公立中学校での合理的配慮はどんなことが行われていますか?丸山さとこさん:公立中での合理的配慮としては、席を前の方にしていただいたり、個別に声をかけていただいたりしています。持ち物の置き忘れや、机の中の整理整頓などの『確認を促す声かけ』を特にお願いしています。また、スクールカウンセラーの先生から他校での具体的な合理的配慮の事例を教えていただき、前例として担任の先生にお伝えしつつ「必要になった際は改めてご相談させてください」とお願いしています。ーー相性がよくないと感じる同級生との関係をどうしていますか?丸山さとこさん:小学校の頃は、段階に分けて対応していました。まずは、息子本人が距離を持つように気をつける。それでもトラブルが続いていたら担任の先生に介入していただくようにしていました。難しい場合もありましたが、中学生になってからはトラブルになる前にお互いに距離を取っているようです。(監修:初川先生より)コウくんの小学校中学校での理解を求めるコツのシェアをありがとうございます。具体的で参考になる事柄がいっぱいありましたね。小学校入学後の面談から始まっていましたが、入学前に相談に行くこともできます。新入生保護者会でそうしたアナウンスがある場合(心配なことがある方はご連絡くださいなど)もありますのでよく説明を聞いていただければと思いますし、ない場合は終了後に先生方に声がけして聞いてみる(別日に面談できるか聞いてみる)のもいいと思います。また、サポートブックに関しては、保護者が独自につくるのも素晴らしいですが、自治体によってはそうしたフォーマットを用意しているところもあります。就学相談の担当部署、あるいは園の先生に聞いてみるとよいでしょう。面談の際にはそうしたお子さんの得意不得意やあると助かる配慮・手立てについてまとめられたものがあると、言い忘れてしまうことなどもなく心強いでしょう。入学後の生活の中で、お子さん本人が育つことでできるようになる面、先生方の手立てによってできていること、なかなかうまくいかないことなど出てくると思いますので、それを「記録に取っておく」ことはその後の支援を検討するうえで大切だと思います。スクールカウンセラーとの相談や、あるいは通級を利用している場合は通級の先生との面談など、さまざまな方の視点で成長を見守ってもらえることはとてもよいと思います。担任の先生は主に集団の中でのお子さんをよく見てくださり、スクールカウンセラーは心理の立場から保護者からの話を聞き、場合によってはお子さんの実際の様子を見てそれが今どんな状態であるかを解説したり、その後の手立てについての助言をしたりすることと思います。小学校と中学校の違いは、先生方のスタンスが違うというよりも、求める子どもの像が中学校のほうが高いものを求めてゆく(義務教育の完成を目指している)というところが大きいと思います。中学校の先生方のほうが厳しく感じられるかもしれませんが、ある意味分かりやすくはあります。生徒にも評価基準を伝えてあり、何が良くて何がよくないかが分かりやすい環境です。そして小学校時代よりも子どもたちも成長しています。大人が子どもに対して細やかに配慮するというよりも、子ども自身が自分の得意不得意を理解しながら必要なことは自ら申し出られること、困ったら自分で先生方に伝えられることを目指してゆく時期になります。そのあたりで保護者の方が戸惑われることもありますが、保護者の方にとっては、徐々に手を放していく練習だと思っていただくとよいかと思います。そうしたところでの保護者としての不安やその準備段階におけるいろいろ(本人がなかなか言い出せないものを学校に知らせて大人の間で共通理解を持つなど)をスクールカウンセラーとの間などで扱っていけるとよいでしょう。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年02月27日発達障害のある子どもの個性的な行動、どうやって褒める?注意したほうがいい?「平均」や「常識」にとらわれず、子ども一人ひとりにあった育て方が大事だと思っている方は多いと思います。ですが、子どもが個性的すぎる行動をしている……こんな時、保護者としてそれを手放しで褒めていいのか、注意したほうがいいのか悩まれることもあるのではないでしょうか。子どもの個性的な行動にどのように声を掛ければいいのか、どのように褒めたらいいのか、ケースごとに見てみましょう。ケース:ミニカーをひたすら並べて遊んでいるときUpload By 専門家体験談発達障害のあるお子さんは、ちょっと変わった遊び方をすることがあります。この例のように、ミニカーを走らせるのではなく、何台も何台もきれいにひたすら並べて遊ぶことも。大人がこれを見ると「ミニカーって走らせて遊ぶものじゃないの?」といった常識にとらわれてしまい、良かれと思ってそのような遊び方をお子さんにうながしてしまうことがありませんか?しかし、それでは子どもの個性を認めず、保護者側の常識を押しつける形になってしまうと思います。子どもがミニカーを並べることを楽しんでいるのならば、それが子どもが「好き」で「興味」があり「楽しい」遊び方なのです。それを理解して、そのまま「長く並べたね」と声をかけるのが大切ではないでしょうか。子どもが一番自信をつけるのは自分が好きなことなどを褒められた時です。特に、本人がやりたいことを達成して少し興奮をしているような時に、その達成感に共鳴するような形で「やったね」と軽く褒めるのがいいでしょう。ケース:頑張っても忘れ物をしてしまう子ども。頑張る努力を褒めたらプレッシャーに?Upload By 専門家体験談このお子さんはADHD(注意欠如多動症)で不注意の特性があります。努力しても忘れ物をしてしまうことが多いようですが、本人はまあいいかと深刻にはとらえていません。ただここで、母親が「頑張ってるけど今回は忘れちゃったんだよね」「次はきっとできるよ」と褒めて励ましていたところ、これがお子さんにとってプレッシャーとなってしまったようです。「努力を褒めることはいいこと」と言われますが、このお子さんのように「まあいいか」と切り替えられるタイプなら、毎回声掛けする必要はありません。見守っていて、たまたまうまくいったときに「よかったね!」と声をかけるくらいがいいですね。褒め方のポイントは?5つの褒め方のヒント褒め方は、そのお子さんにあったものかどうかが大事です。それを見極めるポイントは「褒めたときに喜ぶかどうか」。お子さんの様子を観察して、褒め方を変えてみましょう。また以下の5つのヒントも参考にしてみてください。子どもがまだ小さく、保護者やまわりの人から声をかけられることを喜ぶ場合は、あまり深く考えず、「よくできたね」「えらいね」とどんどん褒めていいでしょう。やがて子どもが成長するにつれ褒めてもうれしそうではないと感じるようになったら、なんでもかんでも褒めることはやめて、子どもが達成感などを感じているときに共鳴する形で褒めましょう。この頃には保護者とお子さんの間に信頼関係のようなものができていますので、露骨に褒めるのではなく、さりげなくつぶやく言葉も褒め言葉になります。子どもがやりたいことをやっているときにボソッと「やるじゃん」「イェイ」「やったね」と声をかけるくらいでいいでしょう。褒め方のヒント1、2での年齢は目安です。学童期になっても褒められると無邪気に喜ぶ子どももいるので、子どもの様子を見て褒め方を考えましょう。ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんの場合は、遠回しな表現が伝わりづらいことがあります。「すごいね」「やるじゃん」よりも「(ミニカーを)長く並べたね」「(積み木を)高く積めてすごいね」と、お子さんの行動を具体的に褒めましょう。ADHD(注意欠如多動症)のお子さんの場合は「できていなくても頑張ったことを褒める」と間違ってはいけないというプレッシャーなど間違ったメッセージになってしまう場合があるので、過程よりなんとかなった結果を見て「結果オーライ!よかったね」といった褒め方がおすすめです。自分はミスが多い、周りに手伝ってもらったりお騒がせすることもあるけれど、みんなで相談すればなんとかなるという考え方を得て、「人の助けを借りればなんとかなる」「最後には帳尻が合う」という感覚を持てれば、のびのびと育っていくことができるでしょう。褒めるときに動作も組み合わせると子どもが達成感を持ちやすくなる場合があります。達成感だけでなく相手と共感しやすい、活動を切り替えやすいというメリットも。ただ、子どもが嫌がる場合は無理にやることはありません。「子どものやりたいこと」と「保護者がやらせたいこと」が違うことは多々あります。私は「子どもは自発的に伸びていく芽であり、それを見つけてそのまま伸ばすことが大事」だと考えています。「こう育ってほしい」と思って褒めるのではなく、お子さんの特性はそのままに、子どもの個性を伸ばす褒め方をしていけるといいですね。マンガ/吉田いらこ前の記事はこちらUpload By 専門家体験談(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年02月27日発達障害の診断の流れとは?発達障害の診断は以下のような流れで行われます。1.診察、問診子どもの場合は、保護者に子どもの普段の様子、症状、困り事や、生育歴についての問診を行います。また、遊びの空間などで子どもを遊ばせるなどの行動観察も行われます。2.検査等必要に応じて知能検査、発達検査などの検査を行います。質問紙を用いた評価を行うこともあります。発達障害と似たような症状を引き起こす身体疾患が疑われる場合には、血液検査、聴力検査、脳波検査、頭部画像検査を行うこともあります。3.診断診察、問診、検査の結果を踏まえ、診断基準に沿って総合的に判断されます。発達障害の検査方法にはさまざまなものがあります。知能検査知能の水準あるいは発達の程度を測定した検査です。主な知能検査法として以下のようなものがあります。・田中ビネー知能検査V・WPPSI-III知能検査・WISC-V知能診断検査・WAIS-IV知能検査・KABC-II参考:知能指数 / IQ(ちのうしすう)|e-ヘルスネット発達検査発達検査とは、子どもの認知面・言語面・運動面などの発達の度合いを調べる検査です。主な発達検査法として以下のようなものがあります。・新版K式発達検査・遠城寺式乳幼児精神発達検査・津守・稲毛式乳幼児精神発達診断法・日本版Bayley-III乳幼児発達検査・ASQ-3・KIDS乳幼児発達スケール・ブラゼルトン新生児行動評価法・日本版デンバー式発達スクリーニング検査質問紙等また、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)の評価には以下のような質問紙が用いられる場合もあります。・SDQ・CBCL・MSPA・Vineland-IIASD(自閉スペクトラム症)の評価には以下のような質問紙が用いられる場合もあります。・M-CHAT・PARS-TR・自閉症スペクトラム指数(AQ)ADHD(注意欠如多動症)の評価には以下のような質問紙が用いられる場合もあります。・ADHD-RS・QCD子どもの知能検査・発達検査には主に「WISC-V」 、「田中ビネー知能検査V」、「新版K式発達検査」がよく使われます。このコラムでは、・発達障害の診断を受けるメリット、デメリットは?・療育や合理的配慮は診断がないと受けられない?・発達障害は何歳くらいから診断される?など、発達障害の診断についてのギモンを専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。【医師回答】発達障害の診断を受けるメリットは?デメリットはあるの?合理的配慮や療育、診断される年齢などここからはさくらキッズくりにっく院長・小児科専門医の藤井明子先生に、発達障害の診断についての質問にお答えいただきます。Q:年中の子どもがいます。3歳児健診のときに「要観察」と言われましたが、抵抗感がありお医者さんにはかかっていません。最近幼稚園でトラブルなども増えてきて、受診を悩んでいますが発達障害があるか診断を受けるには何科にかかったらいいのでしょうか?診断を受けることのメリットやデメリットなども知りたいです。A:年中の4、5歳頃になると、集団生活での様子で気になることがでてきます。まずは、かかりつけの小児科の先生に相談してみましょう。発達障害かどうかは、一般の小児科で診てもらえる場合もありますが、難しい場合には発達外来をおこなっている小児科、療育センターなどで相談するとよいでしょう。診断を受けることで、お子さんの気になる行動の背景が分かり、対応の仕方を親御さんと園の先生の間で共有しやすくなります。また、学年が変わったり、転園したりと環境が変わったときにも、相談がしやすくなります。発達障害の症状は、環境によって変わってくることもあります。デメリットというほどではないかもしれませんが、あるときには診断がついたが、あるときにはそこまで強くないと言われたなど、発達障害があるのか否かを困惑される場合があります。発達障害の診断の有無だけでなく、今現在お子さんが落ち着いて過ごせているかどうかを同時にみてあげていくことがとても大切です。Upload By 発達障害のキホンQ:年長の子どもがいます。小学校での合理的配慮をお願いしたいのですが、診断がないと配慮してもらえないのでしょうか?A:診断がなくても合理的配慮はお願いできます。令和3年に障害者差別解消法が改正され、合理的配慮の提供が義務化されました。小学校での合理的配慮の提供にあたっては、お子さん、親御さん、小学校との間の「建設的対話」を通じて相互理解を深め、共に対応案を検討していくことが重要になります。たとえば、音楽の授業の音が気になるので、イヤーマフの装着を可能とするなどです。対応の仕方などは、お子さん一人ひとりによって違ってくるため、学校の先生との連携がとても大切になっていきます。参考:障害を理由とする差別の解消の推進|内閣府Upload By 発達障害のキホンQ:2歳の子どもがいます。発達に遅れがあり療育に通いたいのですが診断がないと通えないのでしょうか。A:診断がなくても、発達の遅れに対して療育が必要という医師からの意見書があれば、児童発達支援施設に通うために必要な通所受給者証を取得でき、療育に通うことは可能です。発達の遅れについて、まずはかかりつけ医に相談してみましょう。Upload By 発達障害のキホンQ:年少の子どもがいます。ADHD(注意欠如多動症)ではないかと思っているのですが、何歳くらいから診断されるのでしょうか?A:ADHD(注意欠如多動症)は、幼少期より寝つきがわるい、落ち着きがなく目が離せないなどの症状がありますが、診断されるのは年中以降であることが一般的です。多動、衝動性がなく、不注意のみの場合には、小学校での忘れ物・なくし物が目立つことで気づかれ、小学校入学以降に診断を受けます。ASD(自閉スペクトラム症)は、早いお子さんでは1歳半健診で言葉の遅れを指摘されることがあります。さらに、アイコンタクトがない、あやし笑いに反応しないなどコミュニケーションの遅れを認めた場合、1歳から診断されます。言葉の遅れは顕著ではないが、集団生活の苦手さ、興味の偏りが顕著といった症状から気づかれる場合には、園などの集団生活をおくる3歳から4歳以降より診断されます。SLD(限局性学習症)は、小学校入学後、一定の学習機会があるにもかかわらず、学習の定着が顕著に遅い場合に、検査などで診断されます。早い場合で小学1年の夏以降くらいで診断がされます。あくまで診断される年齢は一般的な目安ですので、お子さんの発達・知的能力によっても個人差があります。ご心配なことがあれば、この年齢に達してなくても、かかりつけ医に相談することをお勧めいたします。Upload By 発達障害のキホン(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年02月26日赤ちゃんの頃から少し変わった子タケルに発達障害の可能性があることは、以前から私にはぼんやりと分かっていました。なぜなら、私は学生の時に心理学を受講していたので、少しは知識があったからです。「妙に大人びた仕草をしたり、音にすごく敏感だったり、些細なことで激しく泣くところは高機能障害とか自閉症に似ているな。でも1歳前後で言葉も出ているし障害というほどではないのかな?」と思っていました。Upload By 寺島ヒロタケルは2000年生まれ。『発達障害者支援法』の公布は2004年です。「喋れる自閉症」、その後しばらく「アスペルガー症候群」と呼ばれる自閉症のことを、私はまだ知らなかったのです。(※アスペルガー症候群は当時の名称です。現在ではASDに統合されています)。参考:発達障害者支援法とは幼稚園で強くなった違和感3歳で幼稚園の年少組に入ると、タケルが周囲の子どもたちと異なる行動や反応を示すことが目につくようになりました。常にそわそわと体を動かし、一時もじっとしていません。ほかの子どもたちの近くにはいますが、一緒に遊ぶことはなく、砂場で山をつくる、ボールプールを必ず3回潜る、滑り台も必ず3回すべる……などの自分の決めたルーティンを黙々とこなしていました。Upload By 寺島ヒロ先生の指示も聞いていないことが多く、しばしば「おうちでちゃんと、しつけしていますか?」というような事を言われていました。しかし、タケルはおうちでは普通……いえ、むしろとても良い子なのです。タケル自身は幼稚園でもちゃんとやりたいし、やっているつもりなのに、なぜか周囲とずれてしまう、私からはそういう感じに見えました。「しつけとか指導とかそういうことではないのではないか?」という思いが、また頭をもたげてきました。しかし、行政や保健所の子育て相談などに相談しても、はっきりとした診断やサポートを受けるには至りませんでした。3歳児健診で心配なところを訴えるも……幼稚園に通い始めて数ヶ月しかたっていませんでしたが、明らかにほかの子どもたちと様子が違うと感じていた私は、生まれてからこれまでの事をできる限り振り返って、詳細なイラスト入りの育児日記を書いて持参し、3歳健健診に臨みました。しかし、「高機能障害か自閉症では?」と言う私の言葉を受けての検査は、簡単なIQテストと「クレーン現象」などの顕著な行動のチェックに留まり……結局「特に異常は見られない」ということになりました。担当の医師からも「自分のしつけがうまくいかないことを障害のせいにしてるのでは?親がちゃんと教えてあげれば大丈夫」と言われました。その言葉に少し安心もしましたが、同時に強い不安も感じました。タケルは記憶力が非常に良く、教えられたことは本当によく覚えているのです。私は、タケルが23歳になる今に至るまで、何かを二度教えたことはありません。幼稚園でも先生の言ったことを全部聞いていないのではなく、一対一で言われたことは覚えているし、内容も理解しているのです。親の私たちが教えていることが「十分ではない」と言われれば否定はできません。ですが、やはり「そういうことではないんではないか?」と思えました。そして「医師や子育ての専門家にも分からない事例だとしたら何なんだ?」と不安は深まるいっぽうでした。診断を受けるきっかけは2007年の発達相談その後、6歳で受けた就学時健康診断でも「問題なし」とされ、タケルは小学校では通常学級に通うことになりました。しかし、そわそわと動き回るのは相変わらずで、クラスメートとも一方的に自分の話したいことを話すばかりで親しくなれません。そのうえ、大きな音がしたり、教室移動で取り残されたりすると、どうしていいか分からなくなって学校を脱走して帰って来てしまうのです。学校の周りの道は車通りも多いので、私はとっても心配でした!Upload By 寺島ヒロ転機になったのは2007年の発達相談会です。2004年に公布された『発達障害者支援法』を根拠として、私たちの住んでいた地域でも新体制での発達相談会が始まりました。その発達相談会に参加した結果は、私が感じていた違和感を裏づけるものでした。タケルにはアスペルガー症候群(当時の名称。現在はASD(自閉スペクトラム障害)に統合)の傾向があることがその場で告げられ、療育センターにも繋いでもらうことができました。分かってもらえた!という喜びもしかしたら、子どもが発達障害だと言われると、つらい、悲しい、ショックだ……と感じられる親御さんも多いのかもしれません。しかし、私の場合は「やっと分かってもらえた!」「これで一歩解決に近づいた!」という喜びのほうが大きかったような気がします。当時は妹のいっちゃんも生まれたばかり。抱っこの嫌いないっちゃんをベビーカーに乗せて、いつ泣き叫び始めるかとヒヤヒヤしながら、学校から居なくなったタケルを探し回るのが日常だったのです。発達障害の診断を受けて、通級指導教室に通えるようになったタケルは、それ以降「脱走」しなくなりました。執筆/寺島ヒロ(監修:藤井先生より)貴重な経験のコラムをありがとうございます。「親がちゃんと教えれば大丈夫」と言われ少しの安心と、強い不安を感じられ、その後発達相談に行かれたのですね。言葉の遅れはなく、個別では落ち着いてるように見え、集団生活が苦手、コミュニケーションが苦手である場合、3歳健診ではお子さんの困りごとが見えにくい場合があります。就学前健診も問題なしでも、学校に入学後、集団生活が苦手、こだわりが強い、友達関係がうまくいかないなどあれば、専門機関に相談することをおすすめいたします。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月26日放課後等デイサービスって何?わが家の長男は現在小学6年生。発達障害グレーゾーンで特別支援学級に通っています。私が放課後等デイサービス(以下、放課後等デイ)について初めて知ったのは長男が年長の時、当時通っていた療育センターでした。ある日、長男の担当のソーシャルワーカーさんが「お母さんはお仕事されていますよね。長男くんが小学校に入学したら学童保育を利用される予定ですか。ところで、放課後等デイってご存知ですか?放課後等デイは障害のある子どもが利用できる福祉サービスなんですよ。放課後の居場所としても利用できますよ。利用を希望される場合は、まずは受給者証を取得してくださいね」と教えてくれました。当時私は会社員だったので、長男が小学生になったら放課後の過ごし方をどうしようかと悩んでいました。「そんな福祉サービスがあったなんて知らなかった……。放課後等デイ、いいかもしれない!」と思い、さっそく放課後等デイ探しと受給者証の手続きを進めました。(ちなみに長男は発達障害グレーゾーンですが、受給者証の取得はできました。お住まいの市区町村によって異なるかもしれません)。Upload By 星河ばよ発達グレー長男の放課後デイ探し、わが家が決めたポイントはわが家が決めたポイントは以下の5つでした。1.学校から近いか(長男が一人で歩いて行ける距離か。道中危なくないか)2.土曜日も開室しているか(土日も仕事のため、せめて土曜日は開いていてほしい)3.夜は7時ごろまで開室しているか(残業になっても多少は大丈夫か)4.先生は厳しすぎないか(先生が厳しいと長男が行きたがらないだろうと思い、先生が子ども達にどんなふうに接しているのかなどを確認しました)5.長男が活動を楽しんでできそうか(交通安全や電話の取り方など、週ごとにテーマに沿ったトレーニング時間があるので気に入りました)長男が楽しんで通えそうかということと、私の仕事の都合を考えて決めました。夫は帰宅が遅く、仕事が休みの日にしかお迎えを頼めなかったためです。ちなみに、放課後等デイによっては送迎ありのところも少なくないようです。送迎ありだと保護者も何かと助かりますよね。探した結果、長男の学校の近辺にたまたま希望どおりの放課後等デイが見つかったので、ホッと胸をなでおろしました。Upload By 星河ばよ放課後等デイに通って6年、現在の長男は低学年の頃の長男は放課後等デイで過ごしている時は、たいていちょっと不機嫌でした。おそらく学校の後に行くため、疲れからくるものなんだろうと思います。長男は私が会社員を辞める時まで毎日通い、私が家にいるようになってからは週1~2程度のペースで通っています。5、6年生になると学校では6時間授業が週4日あるので、平日は5時間授業の日だけ通っています。放課後等デイに親しい友だちがいるようで、行くと楽しそうです。長男が通っている施設の活動は、週ごとに決まったトレーニングのほかに、月に2~3回程度イベントがあります。遠足に行ったり、お菓子をつくったり、クリスマス会があったりと内容はバラエティ豊かだと思います。また、支援者の先生と親とで、年に1回ほど面談があります。そこで、1年間の子どもの発達について確認したり、悩んでいることや今後の進路などの相談に乗ってもらっています。長男にとっても親にとってもとても有難い存在の放課後等デイ。しかしそんな放課後等デイで長男は大きなトラブルを1度だけ起こしたことがありました。それはまた別の機会にお話しできたらと思います。Upload By 星河ばよ学校外にも頼れる先生がいる心強さ放課後等デイには以前まで小学校の先生だった人や、先生を目指している人など、いろんな先生がいらっしゃいます。私としても、長男のことで悩んだ時に相談できる先生が学校以外にもいて、とても心強いです。療育センターで教わらなかったらずっと知らなかったかもしれません。放課後等デイの先生方には、いつも感謝しています。執筆/星河ばよ(監修:初川先生より)放課後等デイを知ったきっかけ、選び方、長く利用してみての思いのシェアをありがとうございます。放課後等デイはさまざま特色ある活動をするところ、療育的な要素の強いところなど事業所によって違います。対象としているお子さんも障害の重いお子さんから通常学級で過ごす子が多く通うところまでさまざまあります。まずは受給者証を申請する際に地域の情報をうかがったり、先輩保護者さんから聞いてみたりなど情報収集から始まると思います。また、地域によってはどこも定員いっぱいであるところもあるのではと思います。ばよさんが書かれていた通り、放課後の時間帯は、お子さんたちは疲れているので学校とはまた違う様子を見せることも多いです。職員の方は地域の福祉や同じような障害種の方のその後の進路などについて経験知・実践知をお持ちの方もいらしたりします。学校とは別にお子さんについてよく見てくださり相談できる相手ができるという意味でも心強いですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年02月25日ADHD(注意欠如多動症)とは?ADHDは注意欠如多動症とも呼ばれていて、「不注意」「多動性」「衝動性」といった特性によって日常生活や園での活動などに困難が生じる発達障害の一つです。不注意では「人の話を最後まで聞けない」「一つの作業に集中し続けることが難しい」、多動性では「落ち着きがなく常に動いている」「席にじっと座っていることが難しい」、衝動性では「おしゃべりが止まらない」「思いついたことをすぐ実行する」などの特性があります。特性の表れ方は人によって異なっており、不注意が表れやすいタイプ、多動性と衝動性が表れやすいタイプ、不注意と多動性、衝動性が混在しているタイプと主に3つに分けられています。ADHD(注意欠如多動症)の診断は上記のような特性が6ヶ月以上、家庭と園など複数の場所でみられ、実際に困り事が発生していることなどが条件となっています。また、特性が12歳未満で表れていることも診断の条件となっています。しかし、4歳、5歳頃の子どもにとって、集中が途切れたり、思いつきで行動したりするなどはよくあることで、この頃に診断することは難しく、小学生以降に診断を受けることが多いと言われています。ADHD(注意欠如多動症)の原因はまだ明確になっていませんが、遺伝は要因の一つだと考えられています。また、脳内の神経伝達物質の異常、低出生体重、頭部の怪我、脳の感染症なども要因としてあげられています。それらの要因が複雑に関係し、相互に影響し合うことで、ADHD(注意欠如多動症)の発症リスクが高まると言われています。ADHD(注意欠如多動症)は脳機能の偏りによるもので、治るというものではありません。そのため、ADHD(注意欠如多動症)の特性と周りの環境をうまく合わせていく環境調整を行って、園などで困り事が軽減するような対策をしていくことになります。また、服薬によって特性の表れ方を和らげる方法もあります。低年齢の子どもの場合、主なADHD薬のなかで処方できるものはありません。今後の服薬については主治医と相談して対応を決めていきましょう。参考:注意欠如・多動症(ADD,ADHD)|MSDマニュアルプロフェッショナル版4歳、5歳児頃から表れるADHDの特徴とは?多動?落ち着きがないだけ?気になるサイン4歳、5歳の子どもは、保育園や幼稚園の年中や年長にあたり、友達との会話を楽しんだり、ルールを決めた中で遊んだりとできることも増えてくる時期です。そのため、ADHD(注意欠如多動症)の子どもは園での活動や友達との関係で困り事が生じる傾向がみられるようです。ここでは特性ごとによくみられる特徴を紹介します。不注意・保育士が話していることを最後まで聞けない・遊んでいる最中にほかのことに気を取られることが多い・保育士から指示された課題を最後まで続けることができない・よく物をなくしたり、忘れたりする・集中力が必要なことを嫌がる多動・衝動性・落ち着きなくそわそわ動いたり、身をよじったりしている・席に座る場面でじっと座っていることができない・話を聞く場面で走り回ったり、おしゃべりをしたりする・保育士の話をさえぎってしゃべりだす・ほかの子どもが何かしようとするのを遮る・ほかの子どもが使っているおもちゃを横から取ってしまう・順番を待つことができずに割り込む・保育士の指示は聞いていても自分のしたいことを優先するただし、4歳、5歳頃にはこのような行動が多くみられるため、ADHD(注意欠如多動症)かどうかを判断するのは難しく、診断自体は7歳頃に受けることが多いと言われています。参考:第2章(子どもの発達)に盛り込むことが考えられる事項(たたき台案)|厚生労働省参考:注意欠如・多動症(ADHD)|MSDマニュアル家庭版参考:注意欠如・多動症(ADD,ADHD)|MSDマニュアルプロフェッショナル版もし子どもが友達との関係や課題への取り組みなどで園でトラブルを起こした際は、どのように対応するといいか紹介します。対応方法としては、環境調整、声かけの工夫、生活の安定などがあります。環境調整子どもの特性を考慮して困り事が生じないように周りの環境を調整していく方法のことです。例えば、気になるものがあると課題に集中できない子どもには、席を一番前にしたり、パーテーションをつけたりして、視界に入る情報を減らすといった方法があります。ほかにも、じっと座っていることが苦手な子どもには、動いていい時間と静かに座っている時間を明確に分けることでメリハリをつけて実行しやすくする方法もあります。また、子どもの安全を考えて急に走り出しても危険がないように、ぶつかると危ないものをあらかじめ撤去しておくことも環境調整の一つです。声かけの工夫できたことをほめて好ましい行動を増やしていく方法のことです。順番を待つことができたら「待ててえらいね」「最後までよくがんばったね」などと、具体的にできたことをほめていくことで、子どもが次からもその行動をする動機をつくっていきます。また、「ちゃんとしなさい」という漠然とした表現でなく、「背中を椅子につけて座る」といった具体的に分かりやすい表現で伝えることも大切です。生活の安定ADHD(注意欠如多動症)の子どもは生活習慣が乱れやすいため、1日のスケジュールを決めて行動するようにすると生活が安定し、そのことが心身の安定にもつながると言われています。スケジュールを決める際には子どもの意見も考慮することや、イラストなど視覚的に分かりやすい方法で伝えていくと取り組みやすくなります。また、園と家庭の情報共有も重要です。家庭で実行して、子どもが落ち着いたり集中できたりしたことを園に伝えることで、園でも同様の対応をしていくことができます。その逆に園で効果があったことを家庭に共有していくことも可能で、情報共有することで子どもに対する効果的な対応を増やしていくことができます。そのほかの対応として、ペアレント・トレーニングの一つである「親子相互交流療法(PCIT)」などもあります。PCITは1970年代にアメリカで考案されたプログラムで、子どもと保護者の絆を強め、より良い行動につなげていくというものです。一部の医療機関などで実施しているので、気になる方はご確認ください。参考:PCITJAPANADHD(注意欠如多動症)の子どもの行動に焦点をあて、その特徴を理解し、それに対して効果的な対処法を親が学ぶペアレントトレーニングは、ADHD(注意欠如多動症)の治療法として認識されています。肯定的な注目などのスキルを親が手にし、親の行動のあり方を変えることにより、ADHD(注意欠如多動症)を持つ子どもとの関係性が改善し、良い親子関係へと転換していきます。服薬ADHD(注意欠如多動症)は服薬によって特性を和らげる方法もあります。よく使用される薬としてはコンサータやストラテラ、インチュニブ、ビバンセなどがありますが、これらは6歳以上に処方される薬のため、4歳、5歳の子どもには用いられません。詳しいことは主治医とご相談ください。4歳、5歳児に表れることの多いADHDの特性をチェックUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐにADHD(注意欠如多動症)と診断されるわけではありません。子どもの発達が気になったらどこに相談すればいい?子どもにADHD(注意欠如多動症)の傾向がみられたり、園でトラブルがあったりして悩んでいる場合は、専門の機関に相談する方法もあります。相談することで心が楽になったり、対応方法が分かったり、状況を踏まえてほかの支援機関を紹介してもらえたりとさまざまな利点があります。子どもに関して相談できる場所として以下のような機関があげられます。保健所・市区町村保健センター保健所や保健センターは地域の保健衛生に関する専門機関です。子どもの障害についても相談することが可能で、保健師などの専門家による相談対応や医療機関、支援機関の紹介などを行っています。かかりつけの小児科小児科医は診察などをするだけでなく、子どもの発達に関して相談することもできます。これまでの子どもの様子も知っているため、状況に応じてほかの医療機関の紹介などをしてもらえます。児童発達支援センター障害のある子どもへ、日常生活や集団生活に必要なスキルなどを習得するための支援を行っている専門機関です。児童発達支援センターでは支援のほかにも子どもの発達に関する相談も受けつけています。発達障害者支援センターADHD(注意欠如多動症)などの発達障害のある方本人や家族を対象に、幅広い支援を行っている専門機関です。状況に合わせたアドバイスをもらえるほか、医療機関や支援機関の紹介も行っています。また、診断を受けていなくても相談可能です。就学相談今後就学に不安がある方は、「就学相談」を受けることもできます。就学相談とは障害や発達が気になる子どもにどのような進学先が合っているかを、専門家と保護者で相談しながら決めていくことです。就学相談を受けるにはお住まいの地区の教育委員会に申し込む必要があります。気になる方は一度問い合わせてみるといいでしょう。参考:困ったときの相談先|厚生労働省まとめADHD(注意欠如多動症)は不注意、多動性、衝動性という特性のある発達障害のことで、4歳、5歳頃だと「席に座っていられない」「落ち着きがなく常に動いている」「ほかの子のおもちゃを取ってしまう」などが困り事としてよくみられます。ただ、上記のような行動はこの年頃の子どもにはよくみられるので、判断がつかずに悩んでいる保護者の方もいると思います。気になる様子があったら、園と連携して環境を調整していくことや、子どもとの関わりを工夫していくことが大事です。また抱え込んでしまうのではなく、身近な専門機関に相談することも検討してみてください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年02月24日発達の遅れ……集団で受けたくない3歳児健診わが家の長男けんとは1歳半健診の時に、言葉が出ていませんでした。落ち着きがなく、気になるものを見つけては歩き回り、保健師さんとのやりとりも全くしない息子。私は周りの子たちとの違いに落ち込み、発達相談を受けることにしました。発達相談をきっかけに、市の保健センターで行われている親子教室へ通い始め、支援が繋がっていきました。年少からは地域の幼稚園ではなく、市が運営する発達支援施設への入園を決意。同じ頃に発達外来を受診し、ASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けました。Upload By ゆきみけんとの特性を理解したい気持ちは大きいけれどなかなか難しく、頭を悩ませていた日々。そんな頃に3歳児健診がありました。正直、行きたくありません。なぜなら、2歳6ヶ月頃に行われた集団歯科健診で、けんとと周りの子たちとの違いに落ち込んだ記憶もまだ鮮明に残っていたからです。当時私たちが住んでいた地域の3歳児健診では、内科の健診項目は、保健センターにて集団で受けるか、市が指定する小児科で受けるかを自分で決められました(※お住まいの自治体によって制度は違います)。「集団では受けたくないな」と思い、わが家は小児科で受けることに。けんとのかかりつけ医が、健診を受けられる指定病院の中に入っていたので、けんとが慣れているかかりつけ医にて3歳児健診の予約を入れました。母子手帳の3歳児健診の項目を読んでみるとUpload By ゆきみ3歳児健診へ行く前に、母子手帳に書いてある3歳児健診前にするチェック項目を読んでビックリ!私が想像していたよりも、当時のけんとはチェックに〇がつけられないことに気がつきました。・自分の名前が言えますか・ままごと遊びができますか・手を使わずにひとりで階段をのぼれますか・衣服の着脱をひとりでしたがりますか……などと書いてありましたが、ほかの項目も含め、けんとはできないことが多かったのです。けんとはその頃、単語で話す程度。さらに構音障害があり、「あ・い・う・え・お」の母音のみでの発音だったので聞き取りづらく、母親の私には何を言っているか理解できていましたが、周りの人には理解できない状態でした。また、ひとり遊びが多く、身体を動かすのも苦手。3歳児健診でも、1歳半健診の時のようにできないことが多いのかなと想像し、憂鬱になってしまいました。3歳児健診のお知らせを読んでいくと、身体測定のほかに、聴覚検査や視力検査、検尿もあるとのこと。「できる気がしない……」と不安だらけでしたが、お知らせの中に、「C」の形がどっちを向いているかを指差しで答えるという視力検査の練習用紙が入っていたので、数日前から少し練習してから3歳児健診へと向かいました。予想通り、3歳児健診で引っかかったのはけんとは気になるものを見つけると、入ってはいけない場所へでも入ってしまい、触ってはいけないものでも触ってしまうので、気が抜けず、当時は一緒に外出するのがとにかく大変でした。けんとの3歳児健診の時、弟は1歳。けんと1人だけでも病院に連れていくのが大変だったのに、「弟もいたら無理だ……」と思い保育所の一時預かりを利用し、弟を預けました。Upload By ゆきみ3歳児健診を受ける場所は、いつも行き慣れているかかりつけ医を選んだため、けんとは警戒することなく、病院へ入ることができました。しかし、私が受付で提出物を出している間に、気になるものを見つけたけんとは、一直線に走り出し、制御不能状態に。提出物をすぐ出せるように準備してからのぞんだ受付でしたが、そういうわずかな数秒だけも気が抜けませんでした。名前を呼ばれ、身長などの計測が始まりました。しかし、どこかへ行こうとしたりして、まっすぐ立たないけんと。じっとしているのがイヤだったようで、とうとうグズりだしてしまいました。でも、看護師さんも一緒に頑張ってくださり、無事に身長体重を計ることができました。「C」の向きを指差しする視力検査は、家で練習した成果なのか、無事にできてホッとひと安心。結果的に、3歳児健診で指摘を受けたのは「身長(低身長で、成長曲線から下にはみ出していた)」、「言語面」、「運動面」など……。私の予想通りでした。1歳半健診と3歳児健診、両方指摘を受けたが当時、すでに低身長については総合病院を受診済みで、発達外来では自閉スペクトラム症と診断を受けていました。さらに市の発達支援施設に通っていることを医師に伝えていたので、3歳児健診を終えたあと、特に新たに何かをするということはありませんでした。3歳児健診はやはり大変でしたが、慣れているかかりつけ医で受けられたのは、けんとにとっては良かったなと感じました(※お住まいの地域によって異なります)。1歳半健診を終えたあとは、相談できる人が周りにおらず、どうしたらいいのか不安でいっぱいになりました。しかし3歳児健診を受けた時は、発達外来で医師、発達支援施設で保育士さん、言語療法士さん、作業療法士さんなど、専門職の方たちにも相談できる環境にいました。そして、私もけんとの特性を受け入れ始め、向き合っているところでした。1歳半健診、3歳児健診、どちらも発達の遅れがあり指摘を受けたけんとですが、私が感じた違いは「相談できる人」の存在。不安はもちろんたくさんありましたし、けんとが小学2年生となった現在もたくさんあります。でも、発達に関する相談ができる人が周りにいることは、昔も今も……私の心の支えになっています。Upload By ゆきみ執筆/ゆきみ(監修:室伏先生より)3歳児健診でのけんとくんのご様子や、ゆきみさんのお気持ちを共有くださりありがとうございました。ゆきみさんに相談できる人という心の支えがあること、私もうれしく思います。療育の意義というのは、ご本人へのアプローチももちろん大事なのですが、ご家族さんが困っていることを相談でき、ご家族さん・お子さん双方にとってよりよい関わり方を知ることができたり、孤独感や不安を抱きやすいご家族の心の拠り所としての側面も大きいと感じています。発達外来もそうですね。発達に関して不安に思っていることはあるけれど、個人差の範囲かもしれないし……、診断や検査結果を聞くのも怖いし……などなど、相談をためらわれることもあるかもしれません。そのようなお気持ちをご家族の方がお話ししてくださることも少なくありません。ご家族の方のお気持ちやご希望なども含めて、発達外来や発達支援センターなどに一度ご相談してみてくださいね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月23日無料の参加登録受付中!発達が気になるお子さまの成長を応援するオンラインセミナーが3/10(日)開催決定Upload By 発達ナビアライアンス プログラムもうすぐ春休み!楽しみに思う気持ちがある一方で、新学期への不安がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。新学期に向けた準備は何をすればいいの?長期休みは、ずっとゲームをやっていて心配……わが子に合った学びの方法が知りたい!自己肯定感を育むために、保護者ができることは?そこで発達ナビでは、発達が気になるお子さまとそのご家族が、ご自宅で気軽に役立つ情報を得られる機会をお届けするため「オンラインまなびフェスタ2024」を開催します!発達が気になるお子さまを応援する専門家・企業によるセミナーやQ&Aをご用意し、少しでも毎日の生活のお役に立てたらと思っています。当日は豪華16セミナーの中から、お子さまやご家族のお悩み・知りたいことに合わせてご視聴いただけます。・日時:2024年3月10日(日)9:30~15:30(予定)・参加費:無料・形式:You Tube Live配信・参加方法:事前申込必須。下記ボタンよりお申し込みください。・内容:専門家講演、発達が気になるお子さんを応援する企業によるセミナー、当日参加者限定のプレゼント抽選会専門家セミナー:発達が気になるお子さんを支える、商品・サービスのご紹介Upload By 発達ナビアライアンス プログラム大好評企画、鳥取大学大学院教授で臨床心理士の井上雅彦先生によるトークライブを開催。これからの季節、多くのお子さまに環境の変化が訪れ、親子共に不安に思うことや気になることが多くある時期ですよね。この時期ならではのテーマを中心に、これまで多く寄せられてきた保護者の皆さまのお悩みにお答えしていきます。セミナー当日も、視聴者の方からリアルタイムで質問やお悩みを受け付けますので、ぜひご参加ください。※時間の都合上、すべてのご質問を取り上げることは難しい場合もございます井上雅彦 先生鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授/LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー応用行動分析学をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム不登校や特性ゆえに学校から離れたお子さまは、ほかのお子さまと同じように勉強をすすめるのが難しい時期もあります。しかも焦る親の気持ちも知らず、子どもはゲームに熱中するばかり。講師の私は中学2年生で不登校。40歳を目前にADHDの診断を受けました。当事者目線として思うこと、そして不登校や特性のある当事者、親、識者など400人以上に取材してきた経験からお話ししたいと思います。発達障害の特性ごとにどんな勉強法が向いているのか。不登校や特性ゆえに学校から離れたお子さまが、どのように勉強を再開させたのかの実例、心に傷を負っている場合の対応についてお話しします。石井しこう 氏不登校新聞の代表。『不登校新聞』とは「当事者の声に寄り添う」をモットーに、日本で唯一の不登校に関する新聞として、98 年に創刊。 以来1000 名を超える不登校・ひきこもり当事者経験者の声を掲載。2022年からは不登校の親専用コミュニティ「親コミュ」を設立。自身も中学生で不登校を経験しており、不登校新聞にかかわり続けている。近著に「フリースクールを考えたら最初に読む本」(2022年/主婦の友社)Upload By 発達ナビアライアンス プログラムお子さまが自分らしく自信をもって人とやりとりをし、社会参加ができるようになるためには、幼少期からその基礎となる力をつくることが大切です。 基礎がつくられることで、お子さまは年齢が高くなるほど社会参加に必要な多くのことを意欲的に学べるようになります。保護者としてどのようなサポートができるか、家庭でできる“ちょっとした工夫”や関わり方、環境調整についてお話しします。日戸由刈 先生相模女子大学人間社会学部教授、博士(教育学) 横浜市総合リハビリテーションセンター 発達精神科外来にて20年間心理士として勤務後、同センター児童発達支援事業所「ぴーす新横浜」園長を務める。2018年より現職。公認心理師、臨床心理士、臨床発達心理士。日本生命は、群れ全体が協力しあって子どもを育てるペンギンのように、子育ての壁や不安のない社会を、みんなで手を取り合ってつくっていきたいとの想いから、「NISSAYペンギンプロジェクト」を始動しました。HPやSNSでは、ほっこり学べる子育てあるあるマンガを発信しています。詳細は「NISSAY ペンギンプロジェクト」で検索ください。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム企業コラボセミナー:発達が気になるお子さんを支える、商品・サービスのご紹介発達が気になるお子さまの成長を応援する企業の皆さまにも協賛をいただき、多様なセミナーをお届けいたします。育児や療育、学習、普段の暮らしをより豊かにする商品・サービスをご紹介いただきますので、ぜひご期待ください!今回ご参加いただく企業の皆さまをご紹介いたします。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム発達の心配事や不登校でお悩みのご家庭と向き合う無学年式教材「すらら」。延べ3万人以上※のご家庭に対し、勉強だけでなく子育ての相談事もサポート、親向けの大人気講座「ほめビリティ ペアレンティング」は2023年のトライアル期間を経て、いよいよ今年4月に正式リリース。本講演では、繊細で不安が強く、無気力になってしまうお子さま、挑戦したい気持ちはあっても、不安になる気持ちとうまく向き合えないお子さまなどを持つ保護者の皆さまへ、実際に「ほめビリティ ペアレンティング」に参加した方の事例を交えながら関わり方についてお伝えしていきます。※(株)すららネット調べUpload By 発達ナビアライアンス プログラムUpload By 発達ナビアライアンス プログラム発達が気になるお子さまとの関わりにおいて、得意や「好き」を引き出し、育んでいくことが大切ですが、一方で適切な声かけが分からず、悩むことも多いかと思います。お子さまへの関わり方を考えるにあたって大切な、5つのポイントを分かりやすくお話しします。講演は、幼児教室コペル代表講師の大坪可奈がお届け。30年間で1万人以上のお子さんやそのご家族と関わり、日常で実践できるような声かけ方法や、お子さん一人ひとりに合わせて支援を考える保護者向け勉強会などを日本全国で行っています。Upload By 発達ナビアライアンス プログラムUpload By 発達ナビアライアンス プログラム子どもの心を捉えて離さないゲーム。なぜそんなに夢中にさせるのか?手放せないゲームとどう関わっていくといいのか?登壇するのは、これまで不登校・発達特性のあるお子さまとそのご家庭を2,000以上支援してきた子育てコンサルタント。「好き」の力が原動力となったSOZOWスクールでの事例や、子育てや学びに「夢中」を活かすヒントをご紹介します。Upload By 発達ナビアライアンス プログラムUpload By 発達ナビアライアンス プログラム重い、開けにくい、中の荷物がぐちゃぐちゃになる……発達が気になるお子さまにとって、長く使えて楽しく学校に通うことができるランドセルはどのようなものでしょうか?70年以上、すべてのお子さまに笑顔でランドセルを背負う夢を届ける努力を重ねてきた株式会社協和が、お子さまの「できた」を育むオーダーメイドのランドセルを開発。お子さまの体に合わせたカスタマイズや、実際にオーダーメイドのランドセルを使った親子のお話をご紹介します。さらに、皆さまから事前に寄せられたお声やご質問にもお答えします。Upload By 発達ナビアライアンス プログラムUpload By 発達ナビアライアンス プログラム英語やプログラミングは学校での必修科目となり、すべての子どもたちが学ぶようになりました。しかし、そもそもなぜこれらの学習は必要なのでしょうか?一人ひとり「好き」や「得意」はさまざま。お子さまの興味関心を引き出し、主体的に楽しみながら力を育んでいくには、その子にあった環が必要です。これからの社会を生き抜くために必要な学習の意義と、お子さまの好き・得意を伸ばしていくための環境について解説します。Upload By 発達ナビアライアンス プログラムUpload By 発達ナビアライアンス プログラム興味関心や発達段階はさまざまな中で、お子さまにどのように接したらいいか悩む方も多いのではないでしょうか。本セミナーでは、お子さまの主体性や自己肯定感を育む関わり方、探究学習の方法を具体的に解説します。 そして、実際にその学習が体験できるスクールもご紹介。コラボレーター(先生)も登場し、実際の様子や内容についてご紹介するパートも!発明家になりきって、ワクワクとやりたいことを見つけ、試行錯誤しながらやり抜く力や主体性を育みます。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム参加者向けの楽しい企画も!発達が気になるお子さんの役に立つ商品を抽選でプレゼント!イベントをより楽しんでいただくための企画もご用意しています。発達が気になるお子さまに役立てていただける商品を、当日参加いただいた方の中から抽選でプレゼント!Upload By 発達ナビアライアンス プログラム「キボット」は、さまざまな特性のある子が楽しく学べる、文字のないキーボードトイ。パソコンが初めてでも楽しくタイピングができます。「キボット」のキーボードにはアルファベットがなく、カラフルな色形のキーキャップが備わっていて、これが専用タイピングソフトと同期する仕組みです。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム2021年から開催し今回で7回目となる、多様な選択肢と出合える、発達ナビの「オンラインフェスタ」。「家庭学習」「習い事」「進路選び」「学用品」など、幅広い切り口で多くの専門家の方々や協賛企業にお集まりいただき、のべ2万名を超える保護者の皆さまにご参加いただいて大きな反響をいただきました。【ご参加いただいた皆さまのコメント】・新たな情報を知ることができた。このような機会は多くないので困ったとき悩んだ時の解決へのヒントとして利用できたら良い。・今、知りたい情報が聞けてよかった。チャットのコメントをみて保護者の皆さんの思いも知ることができたので、とてもよかった。・1日で知りたい情報が沢山得られて良かった。習い事の紹介も子どもが、興味をもてたみたいなので、始めてみようと思います。この春も、保護者の皆さまの疑問や不安に寄り添った情報をお届けします!ご自宅からお気軽にご参加ください。たくさんの方のご参加を、心よりお待ちしております。
2024年02月22日市から届いた3歳児健診のお知らせ。それを見て驚いた理由とは……Upload By 鳥野とり子私が住んでいる市では3歳過ぎの時に健診があります。わが家にも息子が3歳を過ぎた頃に健診のお知らせが届いたのですが、そのお知らせを読んで衝撃が走りました。・検尿の提出・家で視力検査を実施・発達チェック項目検査に行く前からハードルが高い……。検尿も視力検査もできる気がしなかったので市に電話をして相談したところ、「無理せずできる範囲で良い」と言っていただいてひと安心。できるところまで頑張ってみようと思い、息子ができそうな方法を調べることにしました。3歳児健診の最大のハードル!?【尿検査】。採尿パックのおかげで無事に採尿完了!Upload By 鳥野とり子3歳の時点で息子はトイレトレーニング(トイトレ)が完了していませんでした。だいぶトイレでできるようになっていましたが、まだおむつを履いていて時々おむつにおしっこをしている状態だったのです。何度か朝イチに採尿できないかチャレンジしてみましたが失敗の連続で、おしっこを紙コップに採取するのは難しい状況でした。どうすれば採尿ができるかインターネット検索した結果、採尿パックという素晴らしいアイテムを見つけたのです!意外と知られていないアイテムかもしれませんが、本当に便利でした。イラストのようにペタっと貼って、あとはおしっこが出るまで放置しておくだけ。おしっこをしたら袋の中に溜まるようになっているので、これを吸い上げて採尿完了!トイレでおしっこが出るのを待ち構えなくて良いのでめちゃくちゃ楽ちんでした。自宅の近くで売っているお店を見つけることができなかったので、私はインターネットショップで購入しました。有料で分けてくれる小児科もあるそうなので、かかりつけの小児科に聞いてみるのも良いかもしれません。子どもの採尿に困ったら採尿パック、おすすめです。自宅で視力検査なんてできる気がしなかったけれど……Upload By 鳥野とり子次に困ったのは視力検査。3歳児でも答えられる鳥や魚のイラストが描いてある表が同封されていました。この表を壁に貼って、子どもに2メートル程離れた所に立って表を見てもらい、親が差したものを答える方式でした。簡単にできるように思えたのですが……。イラストに興味がない息子は片目を検査しただけで飽きてしまい、その後は何度チャレンジしても検査できず。興味のないことに取り組むのが難しい息子は、この頃はたった数分でも集中することができませんでした。結局、自宅での視力検査はあきらめて当日健診会場で検査してもらうことにしました。できない項目が多くて凹んだ発達チェックUpload By 鳥野とり子健診時に提出する問診票の記入は別に難しいものではありませんが、発達に特性がある子どもの保護者にとっては少し酷だなあと思いました。発達に関する項目にチェックをつける作業は【わが子の発達の遅れと向き合う】ことなのでちょっと凹みました。別に完璧にできることを求められている訳ではないのですが、項目には平均的な3歳児ができることが書かれているので、現実を突きつけられた気分になってしまうのです。息子は運動発達がかなり遅れていたので、運動発達の項目はチェックができる項目が少なくて、私はしょんぼりしてしまいました。いざ3歳児健診会場へ!そこで驚きの光景が‼Upload By 鳥野とり子3歳児健診当日、会場入り口で受け付けを済ませてまず身体測定するために更衣室に通されました。そこで驚きの光景が!なんと、そこにいる10名以上の子がみんなパンツを履いていたのです。オムツを履いているのは息子だけ。「あぁ、もうみんな日中パンツで過ごしているのね……」と、私はショックを受けました。会場の職員さんいわく「いつもはオムツを履いている子もけっこういるんだけど、今日はたまたまパンツの子ばっかりみたい」と言っていましたが、私にとってこの光景はなかなか衝撃的なものでした。各検査は無事にできたけど、視力検査は……Upload By 鳥野とり子どうなることかと緊張していましたが、身体測定、運動能力チェック、聴力測定、歯科健診はスムーズに終わりました。しかしここで息子の集中力が限界を迎えてしまい、視力検査は途中からグダグダで最後までできず……。職員さんがかなり工夫して頑張ってくれましたが測定できないまま終了して、後日眼科に行くことになりました。「全部この健診会場で済ませてしまえたら楽だったのにな」と思いましたが、なんと後日眼科に行ったおかげで、息子は少し弱視だということが判明しました。集中力がないおかげで弱視が判明するという、まさに怪我の功名のような結果になりました。できないことは多いけれど、成長を感じた3歳児健診Upload By 鳥野とり子ほかの子にはできて息子ができない数々のことを目の当たりにして少し凹んだりもしましたが、1歳半健診の時とは比べ物にならないくらいに心身ともに成長していました。少し落ち着きがなかったり待ち合いで動き回ったりはしたけれど、ちゃんと順番を待てたし、泣いたりせずに検査を受けられてすごいなと感動することのほうが多かったです。そして、やや弱視ということも分かったので、3歳児健診に行って本当に良かったと思いました。発達が遅いとこういう集団の健診は気が引ける方もいらっしゃるかもしれませんが、専門家に悩みを相談して意見を聞けたり、サポートを受けられる窓口を紹介していただけたりするので、発達についてまだどこにも相談できずに抱え込んでいる方は健診で相談してみてもいいかもしれませんね。執筆/鳥野とり子(監修:森先生より)お子さん自身の成長に目を向けることができていて素晴らしいです。健診はテストではありません、「できるか、できないか」で点数をつける場ではないのです。「ほかの子との比較」をついついしてしまうかもしれませんが、お子さんの成長は本当に人それぞれなので、比較して気にする必要はありません。重要なことは、「お子さんにとってどんなサポートができるか」ということ。そのための健診です。気になることがあったら気軽に専門家に相談してみましょう。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年02月22日進学校を志望したADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の診断がある中学3年生の娘小学校1年生のときADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けた高校2年生の娘がいます。小学校入学から現在まで通常学級に所属しています。義務教育期間中は、心配事があるときはスクールカウンセリングや担任との臨時の個別面談などで手厚い支援を受けてきました。ですが、高校に入り支援が薄くなったように感じています。娘は、中学3年生の夏休みを利用して、公立や私立の高校をいくつか見学し、志望校を自分で決めました。第一志望の学校は進学校だったため、娘の内申点ではチャレンジになるとのこと。それでも娘は「この高校に進学したい」という意志を貫きました。そこからは塾や自宅で熱心に勉強を頑張っていました。ただ、ADHDの特性からか、集中力に欠ける面があり、テストも凡ミスが多く……。親としては、本人の本来の実力を発揮できたら、中学の定期テストや高校受験も、また違ったものになったかもしれないという思いがついてまわりました。受験票忘れ、集合時間に間に合わず……。なんとか受けた試験でもパニック発作が!そして迎えた受験当日、朝から受験票を忘れたり、駅での集合時間に間に合わなかったりと、トラブルが多々ありました。しかし最大のトラブルは、試験中にパニック発作が起きてしまったことです。思うように実力を発揮できなかったと大泣きしながら帰宅した娘……。詳しいことを聞いても本人もパニックを起こしていたので「分からない……」と。頑張っていた娘を見ていたので、どう声をかければいいか分かりませんでした。Upload By ユーザー体験談その後、娘は第二志望の公立高校を受験しました。なんとか気持ちを切り替えて落ち着いて挑むことができ、無事合格。そちらへ進学することになりました。高校では支援は薄い?担任から「スクールカウンセリングは辞退してほしい」と言われ……公立高校に進学して思っていることは、担任の先生によるところもあると思いますが、全体的に支援の手が薄いことです。入学時、担任の先生に「娘の発達障害の特性をお伝えしたい。配慮、支援をお願いしたい」と話したのですが、「その時その時、適宜お話ししましょう」と言われ、そのまま話は流れてしまいました。娘のパニック障害についても話してみても、先生はピンとこない表情……。Upload By ユーザー体験談また、スクールカウンセリングを月一回依頼しましたが、担任の先生からは「ほかにカウンセリング希望者が多数いるんです。娘さんは通院されているので、そちらでフォローしてもらえませんか?」と言われてしまいました。病院は遠く、受診日とカウンセリング日を別日にするという決まりがあり、土日に模試がある娘は病院のカウンセリングを受ける時間がありません。高校側に、病院でのカウンセリングが難しいことを伝えたのですが、学校でのカウンセリングは辞退してほしいの一点張り。結局娘はカウンセリングを受けることができていません。2年生になり担任になった先生は、1年生の時と違い家庭から連絡すると、きめ細やかな応答をしてくださる方で安心しました。ただし、それでもこちらからアクションを起こさないとフォローはありません。例えば、内服薬を開始したことなどを私から電話で伝えていますが、定期的な交流や伝達はないのが現状です。障害学生支援を利用する?しない?大学の支援センターからの温かい言葉大学進学については漠然としたイメージしかないようだった娘ですが、高校1年生でとある大学のオープンキャンパスに参加してみたところモチベーションが上がり、「英語を勉強したい!」と大学進学を決意。高校2年生になると留学にも興味を持ち始め、大学は留学ができて、英語の教員免許(中・高)取得ができるところを希望し、志望校を探しだしました。その頃、私は発達障害のセミナーに参加し、障害学生支援について学びました。こんな手厚く見てくれる大学があるのかと思った私は、娘がオープンキャンパスに参加した大学について調べ、娘とその情報を共有しました。最初は「私は障害をクローズして進学と就労をしたい」と葛藤していた娘ですが、数ヶ月後「○○大学に進みたい。この大学は、オープンキャンパスに行ったときから自分の個性や希望に合った大学と感じていたの。あと、お母さんが調べてくれたように、支援が手厚いのも魅力」と大学の障害学生支援を利用することを決意したようです。Upload By ユーザー体験談志望大学を決めた娘が塾の先生に相談したところ、「この大学一本に絞って、推薦入試、一般入試と全て受けるつもりで受験対策をしていきましょう」とアドバイスをもらいました。学校の担任の先生からも応援いただいています。また、娘はこの大学のオープンキャンパスに2年連続参加しており、その事は大学の支援センターで把握されていました。そこで、支援センターの担当の方へ、娘が単願受験を決めたことをお伝えすると、「受験前にぜひ面談させてください。受験時からフォローする必要性があれば対応します」とおっしゃってくださいました。また、「今後志望の学部を絞れたら、学部長と面談の機会を設けましょう、もし学部が決められなかったとしても、気になる学部を教えてください」とも言われています。Upload By ユーザー体験談こちらの大学は支援が手厚く、大学生活から就労まで、教員がマンツーマンで支援してくださるそうです。娘は塾に通いつつ、本人が学びたい大学を目指して懸命に勉強しています。もともとネガティブ思考で、自分の発達障害に負い目を感じていた娘が、自分の進路を切り開いていく姿をまぶしく感じています。娘に合った環境で羽ばたいていけるよう、私も応援し続けたいと思います。イラスト/星河ばよ※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。(監修:井上先生より)来年度(令和6年4月1日以降)から公的施設や公立学校以外の私立学校や事業所でも「合理的配慮の義務化」が施行されます。一方、こちらのコラムのように公立高校でもまだ合理的配慮がシステムとして浸透していないところもあると思います。義務教育段階である中学校までは保護者が支援ニーズを学校側へ伝えて合理的配慮を検討してもらう流れがあります。しかし、高校、大学となるにしたがって、本人からの支援ニーズの訴えが必要とされるようになってきます。高校段階はその入口として重要な時期だと思います。今回の読者さんのように大学受験など目標を定めながら、オープンキャンパスで直接本人が大学スタッフと話をする機会を作ることで、自身が支援の必要性を認識したり決められるようにしていくことが大事だと思います。大学スタッフの側からしても受験前に相談していただけるほうがありがたいです。受験前の相談は不安とおっしゃる方もおられますが、これが合否に影響することはありません。オープンキャンパスでのポイントは、志望先の学科やコースに実技、実習、実験などが卒業要件になっている場合、その内容を詳しく担当教員に聞いていただきたいということです。本人の持っているイメージと入学後の実際のギャップに悩んでしまう学生が多くいます。入学後の転科は困難な場合もありますし、合理的配慮においては希望する配慮や支援がすべて実現できるとは限らないことも考慮しておく必要があるでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年02月21日わが家の3きょうだいをご紹介!はじめまして、「ねこじまいもみ」です。 わが家は3人の子どもたちと夫と私の5人家族です。ブログやSNSなどで、特に長女や長男のエピソードを描く活動をしています。発達ナビではブログやSNSで描いていないような、発達障害に関する内容も紹介していけたらと思っています。今回はわが家の子どもたちを紹介します。・2012年生まれ長女わっち(繊細)・2014年生まれ長男まっち(自閉スペクトラム症)・2020年生まれ次男おちび(言葉ゆっくり) 繊細な小5の長女「わっち」長女は本当に成長の早い子でした。月齢平均と比べて、歩行もおしゃべりも歯が抜けるのも、とにかく何もかもが早い。さらにおしゃべりも達者で、2~3歳ぐらいの頃には「大人っぽい考え方をするんだなぁ」と感じていました。そして、赤ちゃんの頃はよく泣き、あまり寝ない子でした。夜も何度も起きることがあり、それが年長まで続きました。11歳の今も夜中によく目を覚ましてしまうことがあります。そんな長女をとても繊細な子と、私が感じたのは幼稚園の年少ぐらいからでした。唇をかんだり、髪を抜いたり、チックがでたり……ストレスを感じると、そういった症状でよく表れることに気づきました。Upload By ねこじまいもみ長女が成長するにつれ、彼女の行動や言葉からも大人っぽさと同時に繊細な部分を、親としてより感じています。長女は人の気持ちがよく分かり、私が考えもしないところまでよく考えているんだと思います。自分に関係のない場面でまで傷ついてしまったり……。そして、長女自身もそんな自分のことをよく分かっているようです。疲れた時には一人で黙々と絵を描くことが自分を癒す時間だそうです。見守るところや手を貸すところを考えながら、スキンシップや話をたくさんすることなどを心がけています。Upload By ねこじまいもみ自閉スペクトラム症の小3長男「まっち」長男は現在小学3年生です。ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けたのは3年生の夏でした。赤ちゃんの頃はあまり泣かず、声も小さくいつも寝ている……という静かな子でした。実はそれは先天性甲状腺機能低下症の影響だということが、生後1ヶ月ごろに分かったのです。現在経過は良好で投薬なしで年に一度検査に通っています。長男は言葉も歩行も月齢平均くらいの発達でしたが、2歳ぐらいからこだわりの強さを感じるようになりました。また、同じ直線を行ったり来たり走るという行動も始まりました。そして、人見知りで1人遊びが好きで、何かの世界に入り込みとても楽しそうという印象でした。しかし、長男の行動に私が困るといったことは特になく、こだわりや行ったり来たりなども少しは気になるけど「子どもならではの行動なのかな?」と思っていました。ホーム/23-小児の健康上の問題/小児における内分泌系の病気/新生児の甲状腺機能低下症参考:新生児の甲状腺機能低下症 | MSDマニュアル家庭版よりUpload By ねこじまいもみそんな手のかからないと思っていた長男に私が奮闘し始めたのは、年長になった頃に始まった、登園しぶりからでした。 とにかく激しくて……。担任の先生からの助言もあり、年長の時に初めて受診をして発達検査を受けました。その時は、診断名はつかず「様子を見る形で大丈夫」と言われ……私は「考えすぎだったのかな」と思いました。小学校に入学したあとも登校渋りがみられ、たびたび不登校に。語彙が発達してきたこともあって、長男が登校を渋る理由が小さい頃から感じていた常同行動やこだわり、感覚の敏感さ、集団行動の苦手さが関係してくることに明確に気づいていったのでした。そして、小学3年生になり、もう一度受診をして発達検査を受けたところ、自閉スペクトラム症と診断されました。今は長男のペースでいろんなことに取り組み、良いところが伸ばせるように試行錯誤の日々を過ごしています。Upload By ねこじまいもみ発語がゆっくりな年少の次男「おちび」末っ子次男は歩行も発語もきょうだいのなかで1番ゆっくりでした。そして1番社交的です。行動面については本当にしっかりしていて、周りをよく見て理解していました。発語はなくても上手に意思を伝えてくれていたので、特に私が困ると感じたことはありませんでした。しかし、1歳半から3歳目前まで、言葉の伸び代があまり感じられず療育へ行くことを決めました。Upload By ねこじまいもみ発達検査では問題なく、理解力もあるとのことでした。ただ、比較的マイペースな性格らしいので「こんな風に導いてあげるといいよ」と発達外来の先生に教えていただきました。 そしていろんな刺激をもらえるといいなと思い、3歳児クラスでの幼稚園入園を決めました。現在3歳10ヶ月。まだ質問に答えたり、長い会話が成立しないこともありますが、毎日少しずつ成長を感じています。失敗しても何度も挑戦する次男に私はいつも励まされています。Upload By ねこじまいもみこのように3人バラバラの個性で毎日楽しく刺激的な日々を送っています。今後のコラムでは、それぞれが乗り越えてきたこと、昔と今の違い、発達の特性や日常で私が感じたことなどを詳しく描いていけたらと思っています。 どうぞよろしくお願いします。執筆/ねこじまいもみ(監修:初川先生より)きょうだい3人それぞれのご紹介をありがとうございます。個性や得意不得意がそれぞれ違う3人の成長する中でのさまざまなエピソード、いもみさんの思いのシェアを楽しみにしています。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月20日年長でついに通所受給者証を取得できた息子。児童発達支援を受けることに現在6歳の息子は3歳9ヶ月でDQが80で境界域といわれました。年長の6月に再度検査を受けたところ、DQ82となりました。医療機関で診断を受けていないので、息子に発達障害があるかどうかはまだ分かりません。ですが、就学相談をし息子が一番過ごしやすい環境はと考えた結果、地元の小学校の知的障害特別支援学級へ進級することにしました。そして通所受給者証を取得し児童発達支援に申請をし、ついに通えることになりました。障害児支援利用計画を作成。体験レッスンなどを経て2ヶ所の児童発達支援へまず、障害児相談支援事業所で息子の状況を聞き取ってもらい、「障害児支援利用計画」を作成してもらいました。そして、年長の間受ける児童発達支援だけでなく、小学校進学後もお世話になれそうな放課後等デイサービスを探したり、気になる施設は体験を受けに行ったり、これまでに知らなかった場所へいろいろ出向きました。そして現在2ヶ所の児童発達支援で発達支援を受けています。週1回ずつ違う施設に通うのは時間も労力もかかります。始める前は躊躇したところもありましたが、実際に始めてみるとすごく価値がありました。2施設の良さがそれぞれにあって、それが両方とも今の息子にも私にも合っていたと思います。劣等感が強かった息子が自信を回復してきている……!息子はお絵かきや運動などで不器用さがあったり、抽象的な話や複雑な話への理解が心もとないところがあります。年長になったあたりから、そのことに劣等感を抱いているような発言が増えてきました。お絵かきや字の練習を「へただからやりたくない」と言ったり、自宅で数字やお金の簡単な勉強をやろうと誘うと「ぼく、苦手だから」と言ったりするのです。またときどき「ぼくって頭が悪いのかな?」と聞かれることがあって、親としてはつらく感じることもありました。Upload By ユーザー体験談ですが、児童発達支援では、自分と似たタイプのお友達と小グループで、あるいは先生とマンツーマンでプログラムにゆっくり取り組めるので、自信を回復しているように見えます。息子と同じように多動性やこだわりが見られる同い年の男の子2、3人と仲良くなりました。家では嫌と言ったら聞かないところがあったり、園では消極的な態度も見られるようですが、療育先では、お友達におもちゃを「順番に使おうよ」と言ったり、うっかり息子にぶつかってしまったお友達に「そんなに謝らなくていいよ、痛くなかったから」と言ったり、今までに見られなかった一面を見せているようです。Upload By ユーザー体験談プログラムは、お友達と一緒に工作をしたり、バランスボールなどを使って体を使った遊びをしたり、神経衰弱などのゲームをしています。マンツーマンのプログラムでは、床一面に散らばった数字の書かれたカードを1から20まで順番に拾っていく(先生と競争で)など体を使いつつ視覚を鍛えるものや、「こんな場面ではどう思う?」といった問いに対して、「いらいら」「しょんぼり」「にこにこ」などと書かれたカードを選ぶゲームもしていました(このゲームは、息子にはちょっと難しい様子でした)。また、複数の質問カード(お昼ごはんは何を食べた?今日はどうやってここまで来た?など)をめくりながら、先生と交替で質問し合って回答するといったものもありました。息子が積極的に物事に取り組む様子を見ると、胸が熱くなりました。Upload By ユーザー体験談思っていた以上に孤独や不安感を抱えていたことに気づいた私。そして息子の言動への新しい気づきも私自身も、児童発達支援の先生方に関わっていただけたことで、救われる面が多々ありました。これまで自分が息子の子育てで孤独感や不安感を抱えていたことに気づきました。児童発達支援では保護者のケアにも力を入れてくださっている印象で、先生方の傾聴力を感じています。息子の家庭での様子について細やかな聞き取りを行ってくださり、私の話が長くなってしまっても、「息子さんに関する情報を、少しでも多く知りたい」といった前向きな姿勢で聞いてくださいます。息子の発達のことを夫や実家の母に話していると、「それは考えすぎでは?」などと、途中で打ち切られてしまうこともしばしばだったので、話を聞いてもらえただけでずいぶん癒されたのを覚えています。それから、療育先で先生が準備してくれていたゲームを息子がやりたがらず、教室をうろうろすることがあったのですが、「わがままですみません!」と言う私に、先生が「あれはきっと、今から何をさせられるのか、自分がゲームの内容を理解できるかどうか、といったことが不安だったんだと思います。息子さんは、今日やることを書いたボードをしっかり見て、何度も確認してくれているので、視覚支援があると不安感を軽減できるかもしれませんね」と教えてくれました。私が「わがまま」「自由気まま」と思っていた息子の行動の裏に、まさか「不安」があるとは思っていなかったので、大きな気づきになりました。Upload By ユーザー体験談児童発達支援で恵まれた出会いに感謝。大切なことを教えてもらえました児童発達支援のプロの方々の子どもへの関わり方には、大きな学びがありました。息子のつじつまの合わない気まぐれな発言にもトコトンつき合う先生の粘り強さや、注意が逸れてしまった息子を、息子が気づくまで口出しせず、じっと待つ先生の姿に、大切なことを教えられています。家庭内ではここまで丁寧に関われていないな、と反省すると同時に、だからこそこうした場での積み重ねに大きな意味を感じています。児童発達支援でさまざまな出会いに恵まれたおかげで、息子は人と関わることが好きな子に育っています。今後もその良さを大切にして、来年から始まる小学校生活を楽しんで欲しいです。イラスト/カタバミエピソード提供/苗(監修:鈴木先生より)児童発達支援でやっていることがそのまま小学校でも引き継がれるといいですね。小学校の教育方針は各地域の教育委員会に委ねられています。児童発達支援と教育委員会とが連携していれば引継ぎは可能かと思われます。また、DQがボーダーレベルですが、5歳を過ぎたらIQテストができるのでそろそろIQテストを受けてみてはいかがでしょうか?記憶や処理などの詳しいIQが分かり、細かな教育の配慮ができるはずです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年02月19日ADHD(注意欠如多動症)とは?ADHD(注意欠如多動症)は、「不注意」「衝動性」「多動性」という特性があり、日常生活に困難を生じる発達障害の一つです。5~15%の子どもにADHD(注意欠如多動症)があるという調査もあり、家庭や園などでさまざまな困り事が見られることがあります。ADHD(注意欠如多動症)の子どもは、不注意特性によって「集中が続かない」「話を最後まで聞けない」、多動性・衝動性特性によって「常に体を動かしている」「順番を守れない」などの特徴が表れることがあります。症状の表われ方によって3つのタイプがあり、不注意傾向が強いタイプ、多動性・衝動性傾向が強いタイプ、どちらも表れるタイプと分かれています。ADHD(注意欠如多動症)の原因はまだはっきりとは分かっていませんが、遺伝などの傾向もあると言われています。診断は症状が6ヶ月以上続いていることや、症状が2つ以上の場所(家庭と園など)で表われていることなどの基準があり、保護者が書いた質問票や子どもの様子を参考にして医師により判断されます。ADHD(注意欠如多動症)はあくまで特性であって治るものではなく、環境調整や服薬によって困り事が出ないように対処します。参考:注意欠如・多動症(ADHD)|MSDマニュアル家庭版参考:ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療|e-ヘルスネット3歳児頃から表れるADHDの特徴とは?違和感や発達の遅れ、気になるサイン子どもは3歳頃には、手を使わずに階段の昇り降りができたり、三輪車に乗れたり、ごっこ遊びができるようになったりと心身が成長します。また、園などでほかの子どもたちと集団行動することも増えていきます。そういった状況の中で表れてくるADHD(注意欠如多動症)の特徴を紹介します。ADHD(注意欠如多動症)の特徴は4〜5歳頃までに表れると言われていますが、3歳頃の年齢の子どもは活動的でじっとしていられないことも珍しくありません。合併症として睡眠障害(入眠障害・中途覚醒)の症状も見られることもあります。実際にADHD(注意欠如多動症)の診断は小学校入学後の7歳頃に受けることが多いと言われています。次に挙げる特徴に当てはまっても、必ずしもADHD(注意欠如多動症)とは限りません。3歳頃に表れる不注意の特徴例・一つの遊びに集中することが難しい・気になるものがあるとすぐ気がそれる・保育士や保護者の話を最後まで聞くことが難しい・遊びで使った道具の片づけが苦手・園などでよく物をなくす・話したことを忘れることが多い3歳頃に表れるの多動性・衝動性の特徴例・手足を絶えず動かしている・席にじっと座っていることが難しい・急に話し出したり、走り出したりすることがある・静かにしている場面でも話したり動いたりすることがある・友達と遊んでいても順番を待てないことがある・友達のおもちゃを取ってしまうことがある3歳頃になると園でも集団行動をする機会が多くなり、それに伴う困り事も表面化してきます。ですが、座って話が聞けないなどは3歳頃の子どもにはよくみられることなので、それだけでADHD(注意欠如多動症)の傾向があるとは言えません。気になる様子が複数あり心配な場合は、後ほど紹介する専門機関に相談しましょう。ADHD(注意欠如多動症)の特性があると突発的な行動や集団活動でのトラブルなどが多くみられます。ただ、子どもは意図して問題となる行動を起こしているわけではありません。そのため、「落ち着きなさい」「順番を守りなさい」などとっても、本人もどう直していいのか分からず、「自分はなんでできないんだ」と自己否定につながってしまいます。そういった状況が続くと、気分が落ち込んだり、不安感がコントロールできなくなったりして、精神的な症状が表れる可能性もあります。ADHD(注意欠如多動症)の子どもへの対応としては、環境調整や行動への介入、薬物療法によって困り事を減らしていくことが有効です。環境調整とは、困り事が表われないように特性に合わせて周りの環境を整えていくことです。例えば、席でじっとしていられない子どもには、周りに気が散るものが目に入らないような席に変えることや、「5分だけ座っていようね」など短い時間で区切るなどの方法があります。また、行動への介入とは環境調整によって席に座ることができたときに「座れて偉いね」「最後までできたね」など、できた行動を褒めていくことです。そうすることで、望ましい行動を増やし、望ましくない行動を減らしていく効果があると言われています。また、療育を受けることも有効です。ほかにも、急に走り出しても危なくない場所で遊ぶことや、ハサミなど不注意によって怪我につながる道具を使わないといった、危険に対する環境調整をしていくことも子どもの安全を守るうえで重要です。薬物療法では、ADHD(注意欠如多動症)の症状を緩和する薬が処方されます。代表的なものとして、コンサータ、ストラテラ、インチュニブ、ビバンセなどがありますが、主に6歳以上に使用が認められているため、3歳児には処方しません。随伴する症状として、睡眠障害があるために寝かしつけや、日中の活動に支障がある場合には、漢方薬などを使用することもあります。参考:3歳児健康診査|奈良県医師会参考:注意欠如・多動症(ADHD)|MSDマニュアル家庭版参考:ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療|e-ヘルスネット3歳児に表れることの多いADHDの特性をチェックUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐにADHD(注意欠如多動症)と診断されるわけではありません。子どもの発達が気になったらどこに相談すればいい?3歳頃の子どもの発達が気になった時に相談できる窓口を紹介します。まず、保健センターで実施している3歳児健診の際に相談することが可能です。3歳児健診では子どもの発達の様子を医師によって見てもらうことができるため、不安なことがある保護者はその際にADHD(注意欠如多動症)についても相談してみるといいでしょう。また、健診とは関係なく、保健センターにADHD(注意欠如多動症)について相談することもできます。予約が必要な場合もありますので、あらかじめWEBサイトなどをご確認ください。ほかにも子どもの発達について相談するには以下のような場所があります。・児童家庭支援センター・児童相談所・児童発達支援センター場所によっては対面ではなく電話などで相談することもできますので、確認したうえで相談しやすい場所を利用しましょう。参考:困ったときの相談先|厚生労働省参考:3歳児健康診査|三鷹市まとめADHD(注意欠如多動症)は3歳では診断は難しいですが、3歳児は身体の発達や集団活動の増加などによって、それまでとは違った困り事が表れてくることがあります。この頃に「ADHD(注意欠如多動症)かもしれない」と感じる保護者も多くいると思われます。ADHD(注意欠如多動症)の困り事は特性によって起こるため、むやみに叱ったり言い聞かせても困り事がなくなるわけではありません。また、叱られ続けることで自己否定が強くなり、精神的な症状につながる可能性もあります。ADHD(注意欠如多動症)の子どもには、環境調整や行動への介入によって困り事を減らしていくことが有効と言われています。気になる様子があったら3歳児健診の際や、自治体の窓口などに相談し、適切な対処をしていくことが大切です。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年02月18日ADHD(注意欠如多動症)とは?ADHD(注意欠如多動症)とは「不注意」「多動性」「衝動性」という特性がある発達障害の一つです。それぞれの特性を簡単に説明します。・不注意:一つのことに集中し続けることが困難・多動性:じっとしていることができずに常に動いている・衝動性:思いついたことを考えずに実行するADHD(注意欠如多動症)の子どもはこれらの特性と周囲の環境が合わないことで、さまざまな困りごとが生じると言われています。また、子どもによって不注意が強く表れるタイプ、多動性と衝動性が強く表れるタイプ、どちらも混在しているタイプと3つのタイプに分類されています。ADHD(注意欠如多動症)の原因については、さまざまな研究が進められていますが、まだはっきりとは解明されていません。脳内の神経伝達物質であるドーパミンなどの機能異常が関係していると考えられており、遺伝的要因や環境要因などが相互に影響し合い、ADHD(注意欠如多動症)の症状として表れているのではないかと言われています。診断は専門の医師によって行われ、年齢に比較して不注意などの特性が強く表れていることや、複数の環境で困りごとが生じていることなどが基準となっています。また、ADHD(注意欠如多動症)は特性によるものであり、治すという概念ではなく、環境調整や薬物療法などで困りごとが表れないようにしていくという形で治療が行われます。参考:注意欠如・多動症(ADHD)|MSDマニュアル家庭版参考:注意欠如・多動症(ADD,ADHD)|MSDマニュアルプロフェッショナル版参考:ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療|e-ヘルスネットADHD(注意欠如多動症)の特徴は2歳児頃から表れる?違和感や発達の遅れ、気になるサインADHD(注意欠如多動症)の特徴は4歳、5歳頃から表れることが多く、7歳頃から診断されることが多いと言われています。しかし、2歳頃から特徴が表れることもありますので、この後紹介していきます。2歳頃になると子どもはボールを投げたり、ジャングルジムに登れるようになったり、簡単な問いかけには言葉で答えるようになるなど、できることが増えていきます。それにともないイヤイヤ期と呼ばれる自己主張が激しくなる時期にも差し掛かります。この時期に表れるADHD(注意欠如多動症)の特徴は以下のようなものがあります。2歳頃に表れる不注意の特徴例・指示に従わずに物事をやり遂げられないことが多い・ほかに気になるものがあるとすぐ気がそれてしまう・物をなくしたり忘れることが多い・話しかけられても聞いていないように見える・使ったおもちゃを片づけることが苦手2歳頃に表れる多動性・衝動性の特徴例・ずっと話しかけてくる・友達のおもちゃを一方的に取り上げることがある・エンジンで動かされているように活発に動く・手足を動かしたり身をよじる動作が多い・周囲を確かめずにいきなり走り出すことがあるADHD(注意欠如多動症)があると以上のような特徴がみられることがあります。ただ、これらの特徴は、この時期の定型発達の子どもにもよくみられるため、気になる様子がある場合も自己判断せずに専門家に相談するようにしましょう。参考: 0歳児から2歳児の発達過程|東京都教育委員会参考:注意欠如・多動症(ADHD)|MSDマニュアル家庭版ADHD(注意欠如多動症)の子どもはわざと周囲が困ることをしているのではありません。じっとしていることができないときに、「じっとしていなさい」「なんで動くの?」と叱っても、子どももどうしていいか分からなくなってしまいます。そして、叱られることが多くなることで自己否定の気持ちが強くなってしまい、自尊心が下がってしまう恐れもあります。そのため、特性を理解したうえで適切に対応していく必要があります。子どものADHD(注意欠如多動症)の対応としては、環境調整、行動への介入、薬物療法といった方法があります。まず、環境調整とは、特性に応じて困りごとが起きないように環境を整える方法です。例えば一つの遊びに集中できない子どもの場合は、部屋のカーテンを閉めたりほかのおもちゃを隠したりと、視界に入る刺激を少なくします。また、外で急に走り出す子どもには、道路の近くで遊ばない、広い公園で遊ぶようにするなど危険が少ない状況をつくるというのも環境調整の一例です。次に、行動への介入とは、望ましい行動は積極的に褒め、望ましい行動を促していく方法です。例えば、話を最後まで聞けたときは「しっかり聞けたね」などどういった行動が良かったかを具体的に褒めていきます。ただし、2歳児だとまだ物事の良し悪しを理解することが難しい可能性もあるため、行動の介入よりは環境調整により危険を少なくしていく方法を取ったほうがいい場合もあります。最後に薬物療法ですが、服薬により不注意などの特性を緩和していくことができると言われています。ADHD(注意欠如多動症)の治療薬としてコンサータやストラテラなどが処方されることがありますが、基本的には6歳以上の子どもに用いられ、2歳児には処方されません。詳しいことは主治医に相談してみましょう。参考:ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療|e-ヘルスネット2歳児に表れることの多いADHDの特徴をチェックUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐにADHD(注意欠如多動症)と診断されるわけではありません。子どもの発達が気になったらどこに相談すればいい?2歳児は、定型発達の子どもの場合も落ち着きがないことはよくあります。特徴にあてはまる行動があっても心配しすぎることはないでしょう。しかし、気になる様子があって心配な場合は専門家に相談することも検討してみましょう。保育園に通っている場合は、まずは担当の保育士に相談してみるといいでしょう。子どもの普段の様子も考慮して、アドバイスやほかの相談先について教えてもらえるかもしれません。そのほかにも、子どもの発達が気になる際の相談先には以下のような場所があります。・保健センター・児童相談所・児童家庭支援センター・地域子育て支援センターまとめ2歳児におけるADHD(注意欠如多動症)の特徴やサインについて紹介してきました。2歳児は成長によって行動範囲が広がってくることや、イヤイヤ期と呼ばれる自己主張が激しくなる時期であることもあり、ADHD(注意欠如多動症)の特徴と似た行動がみられるようになります。そのため、気になる様子があっても判断することが難しく、悩んでいる方もいらっしゃると思います。そういったときは一人で抱え込まずに相談することが大切です。相談先は、身近な保育者への相談や専門機関の窓口などがあります。また、電話での相談ができる機関もありますので、まずは相談しやすい場所から問い合わせてみるといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年02月17日小麦粉がだめ……ならば、大好きなお米でできた米の粉⁉感覚過敏で偏食、こだわり強めの娘は、白いものしか食べられません。白いもの以外を拒否するため、病院で栄養失調を指摘されたこともあり、私はとても困り果てていました。そんななか、「娘も自分で料理をつくったら食に興味を持ってくれるのでは?」と祈るような気持ちで始めた娘との料理。最初は、娘が触らなくても作れるスプーンでまぜまぜ野菜入りカップケーキや、ハサミでちょきちょき野菜切りなどをお手伝いしてもらっていましたが、もう一歩、自分の手でこねたりして作るものにも挑戦させてみたいと思うようになりました。そうすれば、クッキーなどのおやつをはじめ、パン、ピザなどの粉もの、ハンバーグなどもできるようになるからです。しかし、保育園でも、ぐちゃぐちゃするのがイヤなのか、小麦粉粘土になかなか触れないようです。先生方が一生懸命に、「楽しいよ~」とアピールしているとは聞いていましたが、ちょっとつんつんするだけで、ぷいっとしてしまうそう。以前ご紹介したように、娘は大の白米好き。「みぃちゃんは、はくまいしじょーしゅぎなの」といってまわるほど、白いお米が大好き。小麦粉は何度か触らせようとしたものの、ぜんぜん触りません。そこで、農協に一緒に行って、お米が米粉になる工程を見せてその米粉でパンやピザやクッキーを作ることを試みました!お米からできていることを強調したのが正解だったのかもしれません。「大好きなお米を粉にしたんだよ」といいながら、まず、さらさらの米粉を触ってもらうと、にっこり。やった~~、第1歩は大成功だっ!と、母はめちゃくちゃ喜んでしまいました。この後に難関が待っているとも思わずに……。米粉でもギャン泣き……。でも成功のヒントは「見通し」にあった!さらさらの米粉に水を足して粘土のようにねりねりすると、怒り出し、泣き出してしまうを繰り返し初回はピザまでたどり着けず……。さらにおなかがすいてギャン泣きしてしまったので、結局その日は、炊き立ての白米を食べて終わり。こんなことが何度か続きました。なんでこんな簡単なことがうまくいかないのかなぁ~と悩んでいたのですが、仕事中にスタッフにプロジェクト全体像の説明をしているときに、「もしかしたら、ピザをつくろうとしていることが分からないのではないか?」とふと思いました。そこで、帰りの電車の中でピザをつくる絵を描いて、「こんな風にやるとこういうのができるんだよ」というのを、順をおって説明してみました。そうしたら「分かった」といって協力してくれようとしたのです。さらに、ピザには、ソーセージとチーズをのせて食べてみたいということまで、提案してくれたのです!全体像がわからないと、道中にどんなことをしていいのかが予測できないからイヤなのか!自分で具材とかが決められて、自分好みにつくれるというのも、あらかじめ伝えられるとやってみようと思うのか!と、やっと分かったのでした。新米母でごめんなさい……。その後、娘が米粉に触るようになったときに「ぽろぽろでぺたぺたじゃないっ!」といっていたことから、米粉は小麦粉の生地よりべたつきが少ないのも、娘が米粉をこねられるようになった理由のようにも思います。Upload By 秋山ゆかり今回は、そんな感覚過敏の娘が喜んでつくってくれるようになった「米粉ピザ」をご紹介します。感覚過敏の子どもが作れる&食べられる「米粉ピザ」・米粉ピザの材料(小さめのピザ2枚:幼児が食べてちょうどいいくらいの量です)※親子で食べる場合は米粉300g~400gになるように3~4倍するとちょうどいいと思います。・米粉100g(大さじ11杯)・片栗粉大さじ1・ベーキングパウダー小さじ1/2・オリーブオイル小さじ2(オリーブオイルでなくてもオイルなら何でもいいです)・水100ml・塩少々・のせる具材はお好みのものを!娘は偏食なので、彼女が「食べる」といったものをまずのせて喜んで食べてくれるようになってから、「いろどりがいいほうがおいしく見えるよ」といって、葉物やトマトなどを1つずつ追加していきました。火の通りにくいお野菜やお肉をのせる場合は、あらかじめ火を入れておいてください。野菜をぜんぜん食べなくて、以前紹介したレンコンパウダーなどの野菜パウダーを使用する場合は、混ぜた分だけ水分量を増やせばOKです(小さじ1程度なら水分を増やさなくてもできます)。保育園から帰宅してからスタート!30分で仕上げます!Upload By 秋山ゆかりUpload By 秋山ゆかり1、はかりではなくスプーン計量を使うことで、子どもでも計量しやすいです。2、米粉を使うことで、小麦粉よりもべたつかないので、触れる確率がアップします。3、自分でのせたい食材をコントロールできるので、食べてくれる率がアップします。4、イーストではなくベーキングパウダーを使うので、発酵を待つ必要がありません。5、薄くつくることで、かりっとした触感になります。6、米粉は水分量次第で触感がもっちりになったり、かりっとします。お好みにあわせて水分量を加減してください。Upload By 秋山ゆかり米粉ピザがきっかけて、泥遊び、小麦粉をこねるなどができるようになっていきました!初回は失敗しましたが、ピザをつくる全体像を見せたことで娘が理解できたのか、最後まで一生懸命につくってくれました。できあがったものもおいしかったようで(自分の好きなものしかのせていないからというのもあります)、完食!以後、米粉ピザはわが家の定番になりました。Upload By 秋山ゆかりピザがつくれるようになってしばらくしたタイミングで、練り切りづくりをやってみました。白玉粉の原料はもち米だからです。この練り切りは本当に上手にできたと親戚中に褒められて、娘はとても自慢げで満足そうな顔をしていました。Upload By 秋山ゆかりUpload By 秋山ゆかりこの練り切りがものすごく褒められたことをきっかけに、また、子どものお料理本をいろいろと借りてきて、パンやナンなどの小麦粉の世界を写真で見て「こういうのもやってみたい!」と思うようになったことも大きいと思います。この後、米粉だけでなく、小麦粉も触れるようになっていき、パンやナンも家でつくって焼くようになりました。Upload By 秋山ゆかりそれだけでなく、泥遊びなど以前ならば嫌がっていたこともどんどんできるようになっていきました。さらに、できるだけでなく、とっても楽しめるようになっていったので、小麦粉粘土で挫折しなくてよかった!と思っています。この成功体験から、新しい物事に取り組むときには、全体像を娘も親も納得する形で共有することを心がけています。また、できないことでもやり方を工夫することでできるようになっていくというのが娘も私も分かったので、「違う方法を考えてみない?」と相談しながら、試行錯誤ができるようになったのがこの米粉ピザづくりのメリットだったと思います。何かひとつでも皆さまのご参考になれば幸いです!執筆/秋山ゆかり(監修:井上先生より)料理に限らず、好きな遊びをしている時は気になる音や感触があっても大丈夫など、「好みの活動」に注意が集中することで感覚過敏性が緩和する場合があるようです。今回はべたつきの少ない米粉を選び、調理という好きな活動の中で苦手な作業である「手でこねること」を練習することができました。さらにトッピングを自分で選ばせたり全体像を説明したりといった工夫もうまくはまったと思います。また、計量スプーンを使うというのもお子さんにとって分かりやすかったと思います。私も大学院生の時に発達障害があるお子さんへの調理指導スキルの獲得についての研究をしたことがあります。その時有効だったのは、料理のステップを示したレシピカードとつくり方ビデオでした。当時はピザトーストの入門編としてチーズトーストを導入していたことを思い出しました。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年02月17日なぜ指しゃぶりをするの?いつから始まる?子どもの発達について解説指しゃぶりは実は胎児の頃から始まっています。その後も乳幼児期にかけて多くの子どもに見られますが、成長と共に次第に減っていき、小学校に入る前にはほぼ見られなくなるといわれています。指しゃぶりをする理由や頻度は年齢によって異なります。胎児期:胎児の指しゃぶりは生まれたあとに母乳を飲むための練習としての役割を持っているといわれています。乳児期:生後2~4ヶ月は口の近くに来た指を無意識に吸っています。生後5ヶ月頃になると物の形状や味、感触などを口に入れることで学習していると考えられています。幼児期前半(1~2歳):手指の発達が進み、積み木やぬいぐるみなどで遊ぶことが増えると昼間の指しゃぶりは減り、退屈なときや眠いときなどに見られるようになります。幼児期後半(3歳~就学前まで):子どもの世界が広がり、外で友達と遊ぶようになるとますます指しゃぶりは減っていきます。学童期:基本的に指しゃぶりはなくなります。参考:小児科と小児歯科の保健検討委員会著「指しゃぶりについての考え方」小児保健研究 第65巻(2006)第3号P.513~515指しゃぶりをやめないのはストレスや愛情不足?いつまでにやめる?悪影響はある?具体な対応方法を解説指しゃぶりは子どもの生理的な行動で、成長と共に自然と減少していくものです。しかし、年齢に対して頻繁に指しゃぶりが見られると、心配な保護者の方もいらっしゃるかと思います。「愛情不足だと指しゃぶりが増える」と聞いたことがあるかもしれません。指しゃぶりは、子どもが心細いときや不安を感じているときなどに、気持ちを落ち着けるために行うことがあると考えられています。しかし、子どもが不安などを感じるのは自然なことなので、それだけで愛情不足といえるわけではありません。指しゃぶりが気になる場合、大人が無理にやめさせようとすると、子どもの不安な気持ちを高めてしまうこともあり得ます。そのため、子どもと一緒におもちゃを使って遊ぶなど、指しゃぶりをしなくてもいい状況をつくる工夫をしていきましょう。ほかにも、外でたくさん遊んでエネルギーを発散させるなど、生活環境の変化で改善する場合もあります。一時的に指しゃぶりが減っていても、子どもの不安が高まったタイミングで再開することも考えられます。そういった場合、例えば寝るときには手を握りながら声をかける、寝つくまで寄り添う、お気に入りのぬいぐるみと一緒に寝るなど、指しゃぶりをしなくても安心できる工夫をしていきましょう。また、「指しゃぶりをすると歯並びが悪くなる」と聞いたことがあるかもしれません。指に吸いだこができてしまうほどの強い指しゃぶりや、長期間の指しゃぶりが続いていると、前歯が突出したり隙間が空いたりなど歯並びへの悪影響が懸念されます。歯並びが悪くなると、さらにさまざまな影響が出る可能性があります。前歯が出ていることで口が閉じづらくなると、口呼吸が多くなりがちになります。その結果、口腔内が乾燥しやすくなり、虫歯や口臭の原因にもなります。また、言葉の発音がうまくできなくなる可能性も指摘されています。目安として4歳を過ぎても指しゃぶりが続いている場合は、かかりつけの小児科医や歯科医、臨床心理士などに相談してみましょう。参考:小児科と小児歯科の保健検討委員会著「指しゃぶりについての考え方」小児保健研究 第65巻(2006)第3号p.513~515指しゃぶりは発達障害や発達の特性と関係がある?指しゃぶり自体は多くの子どもに見られる行動ですが、発達障害や発達に特性がある子どもの場合は、自己刺激行動の一つとして行うことがあると考えられています。自己刺激行動とは、自分自身に刺激を与える行動のことで、自分の身体や物をたたく、ひもなどをぐるぐる回す、同じ場所を走り回るなどがあり、指しゃぶりもその一つである可能性があります。自己刺激行動が起きる原因として、覚醒状態の維持や急な感情への対応、手持ちぶさたの解消などが考えられています。また、五感から受ける刺激を過剰に感じる「感覚過敏」、反対に刺激を感じづらい「感覚鈍麻(どんま)」といった特性が背景にある場合もあるといわれています。指しゃぶりがあるだけでは、発達に特性があると判断はできませんが、ほかにも心配なことがある場合は、子どもの発達に関する機関に相談してみるといいでしょう。参考になるアドバイスや支援を得られるかもしれません。身近な相談先として、かかりつけの小児科発達障害者支援センター児童相談所児童発達支援センターなどがあります。相談しやすい場所に問い合わせてみるといいでしょう。参考:青木康彦、野呂文行著「ASD児における自己刺激行動と同様の感覚を産出する玩具の好みと強化価に関する検討」『行動分析学研究』35巻 (2020) 1 号p.11-20指しゃぶりの原因や年齢の目安を知り、家庭での関わり方を工夫…それでもやめられないときは専門家へ相談を指しゃぶりは胎児の頃から始まる生理的な行動で、成長と共に減っていき小学校に入る前にはなくなることが多いといわれています。4歳以降も指しゃぶりが持続する場合には、子どもが不安になりがちだったり、遊ぶ時間が少なく退屈しがちだったりと、子どもの精神状態や生活環境が影響している可能性も考えられます。指しゃぶりが気になるときは無理にやめさせるのではなく、手を使った遊びを一緒にしたり、寝るときに手を握ったりと工夫していくといいでしょう。また、発達障害や発達に特性があると、自己刺激行動として指しゃぶりをしている可能性があります。指しゃぶりの強さや期間などによっては、歯並びに悪影響が出ることも懸念されます。家庭で工夫してもなかなかやめられない場合には、専門機関に相談してみるといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年02月16日新生児の頃から抱っこしないと寝られず、泣きっぱなしだった娘わが家の娘、しぇーちゃん(現在9歳)は2歳4ヶ月でASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。娘は産院を退院したその日から、寝具に置いて1時間も寝ることができない子でした。生まれた瞬間から背中センサーが搭載されていたようで、ほぼ寝かせておくことができなかったのです。立って抱っこをして揺らしながら寝かしつけ、寝入るまで40分は泣き続けます。ようやく寝入ったと思い寝具に置くと、すぐに起きてしまうので、そうすると最初からまたやり直しです。怖くなって、私は娘を寝具に置けなくなっていました。幸い実家に帰省していたので、実母が抱っこを代わってくれることもありました。1人でお世話をしていたら、産後1週間足らずで産後うつになっていたかもしれないと思います。母乳もミルクも拒否!離乳食も食べてくれず、保健師さんに相談したけれどUpload By マミヤまた、娘は生まれてすぐから食欲がありませんでした。新生児の頃は哺乳力が弱く、母乳は拒否。ミルクにすれば飲んでくれるのかと思い、すぐに母乳からミルクに切り替えましたが、たった20cc飲むのに20分かかっていました。1歳児健診で離乳食を食べないことを保健師さんに相談したところ、卒乳を勧められました。アドバイス通りにやってみると、卒乳はすんなり終わりました。きっとミルクが好きではなかったのだと思います。しかし、卒乳しても離乳食を食べるようにはならず、悩む日々は続きました。普通食になっても偏食がひどく、食べられるものが限られていました。偏食や食の細さについては、9歳になった今も続く悩みです。歩き始めてから変化が!しかし、別の困り事が出てきて……Upload By マミヤ相変わらず寝るのが苦手で泣いてばかりいた娘ですが、1歳になる頃、自分で歩行できるようになってからは、寝る前に泣かないことが増えてきました。歩き疲れてコテンと寝てくれるようになったのです。私は「ならば公園デビューだ」と意気揚々とお出かけしました。しかし、娘は公園の手前のマンホールや砂利の場所で動かなくなってしまいました。なんとか公園へ連れて行けても次の課題が出てきました。娘は家に帰るとなると全力で泣いて嫌がるのです。今思えば切り替えの悪さからきていたのですが、毎回鮮魚のように暴れて泣く娘を脇に抱えて帰りました。「公園から帰りたくない」と言って嫌がり泣くのは5歳頃まで続きました。5歳になると大暴れすることはなくなり静かに泣くようになりましたが、同級生が素直に帰宅する中で娘の切り替えの悪さはピカイチでした……。しかも、その公園には週5回は行っているのにもかかわらずです。「生まれた時からイヤイヤ期」だった娘。9歳になった今振り返るとUpload By マミヤこうして娘のイヤイヤ期を考えてみると、「生まれた時からイヤイヤ期」がしっくりきます。きっと、とても苦手な感覚や、どうしようもなく我慢できないことがたくさんあって、それを赤ちゃんの頃から一生懸命伝えてくれていたのかもしれません。なので、成長するにつれて、徐々にイヤイヤが落ち着いていったのかなと思います。また、年中の終わり頃に切り替えの悪さで泣くことがなくなってから、育児がとても楽になりました。言葉が出てくる、信頼関係が成り立つ、コミュニケーションがきちんと成立する、交渉ができる……というスキルを得る度に、娘は泣いて怒ることはなくなりました。そう考えると、娘には育児書に書いてあるような普通のイヤイヤ期はきておらず、娘なりのペースで、情緒面の成長がすすんできたのだなと思います。執筆/マミヤ(監修:新美先生より)イヤイヤ期というと、一般的には2歳頃、自我が発達して自分がああしたい、こうしたいという意思が芽生えるも感情コントロールがまだ十分でない時期に出てきます。イヤイヤ期も個人差が大きいので、お子さんによっては時期や現れ方がまちまちで、目立たない方もいます。しぇーちゃんの場合は、イヤイヤ期というよりも、記事の最後にマミヤさんがとても分かりやすくまとめて下さったように、もともとの感覚の偏りやこだわりの強さ・許容幅の狭さから、「イヤ」と感じることが多かったのが、お子さんに適した環境整備や、見通し支援、お子さん自身の発達に伴い理解できること、伝えられる手段が増えて、適切にコミュニケーションが取れるようになり、泣いて怒らなくてもよくなったという過程ですね。これはマミヤさんや周囲の方々が、しぇーちゃんに合った関わりを十分していただいた経過だと思いました。生まれ持って泣かれることが頻繁で難易度の高い子育てといえるタイプだったかもしれませんが、適切な関わりをすることで、しぇーちゃんも健やかに成長し、「楽になった」と感じられるようになったのはすごいなぁと思いました。素敵なエピソードを聞かせていただきありがとうございました。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月16日幼稚園入園と同時に表れてきた息子の困り年少の4月から幼稚園に入園した息子。まず先立って心配だったのがトイレのこと。トイレトレーニングがなかなかうまくいかず、難航していた息子。なんとか入園式の5日前にトイレで排尿ができるようになり、入園式には布パンツで行けました。しかし心配事はほかにも……。まず息子は幼稚園のエントランスにある掲示物が気になって、登園してもなかなか上履きに履き替えられませんでした。息子の幼稚園にはさまざまなポスターや、かわいらしい壁面飾り、ときには天井にぶら下がるような飾りも掲示してあります。息子は朝登園するたびにそれらに釘付けになり、なかなか上履きに履き替えられませんでした。Upload By ネコ山息子の幼稚園は通園バスで登園するのではなく、毎朝幼稚園のエントランスまで保護者が送っていきます。年少の靴箱の前で私は何度も外靴を脱ぐように促すのですが、息子の耳には入っていないようす。息子に触れながら話しかけたり、大きめの声で声かけしたりしましたが掲示物に見入っている息子は「今それどころじゃないんですけど?」のような表情で掲示物に見入り、取り合ってはくれません。最終的には先生と一緒に靴の履き替えを促したり、そばにいたお友達と一緒に行こうと声かけするなどをして、毎朝なんとか年少の部屋まで送り出していました。Upload By ネコ山壁面飾りや掲示物に夢中で……というと、3歳児のあるあるエピソードのように感じますが、毎朝毎朝幼稚園に行くたびに上履きに履き替えるというただそれだけのことに、親としてこんなにも労力がいるとは思ってもいませんでした。幸い息子は入園当時、行きしぶったり母親である私と離れることを不安がったりするタイプではありませんでした。行きしぶりや母子分離不安ならまだ理解がしやすいのですが、ただ上履きを履き替えるだけのことでこんなにも手こずるとは思ってもみませんでした。結局、年少の1年間は毎朝、上履きに履き替えることに時間がかかっていました。また「今日は幼稚園で何したの?」と聞いても、私が聞きたいような「お砂場した」や「ねんどした」などの活動内容を答えてはくれず、いつも「おにくたべた」とお昼ごはんのメニューを答える息子。息子は幼稚園でやっていけているのだろうか……不安がつのっていきました。幼稚園、最初の個人面談では入園して3ヶ月後に、担任の先生と初めての個人面談がありました。息子は幼稚園でやっていけているのか……不安な気持ちの中、思い切って息子の幼稚園での様子を聞いてみました。すると、お友達の名前をすぐに覚える、お友達の名前を呼んでコミュニケーションをとっている、絵が上手で同級生はまだ顔だけか頭足人を描くことが多いけど息子は胴体がある絵を描くことができている、など予想以上に担任の先生は息子のことを褒めてくれました。Upload By ネコ山担任の先生が息子のいいところを見つけてくれていることに、ひと安心しました。しかし、毎朝上履きの履き替えがスムーズにいかないこと、また、1歳の頃から多動でその印象が強いことから集団生活でやっていけているのか、私は不安が拭えていませんでした。思い切って「発達的にはどうですか?」とうかがうと「朝の登園の様子なども、3歳児という幼さからなのか、発達によるものなのかまだ分からない」とのこと。続けて「気になるようだったら発達センターを紹介しますが、まずは3歳児健診を受けてみてもいいかもしれません」と、『受診目安は3歳半過ぎてから』と(私の住む自治体では)なっている、まだ受けていなかった3歳児健診を奨められました。何も指摘されなかった3歳児健診。しかし幼稚園では……幼稚園の個人面談から2ヶ月後、3歳児健診を受けました。1歳半健診では「様子見」と言われた息子。今日こそ、息子の発達について指摘される……。問診票には、発達障害のスクーニングと思われるような内容もあり、息子は多くの項目に当てはまっていました。医師の診察・問診では、イスに1人で座って問診を受け答えする息子。問診票を提出しましたが、息子は発達について何も指摘されずに3歳児健診が終わりました。確かにイスに一人で座って、先生とも受け答えできていたので、問題ないとの判断だったのでしょうか……。担任の先生のその旨を伝えると、少し驚いた表情をしたような気がしますが、それ以上は何も言われせんでした。私は絶対に発達について指摘されると思っていたので、医師にそれを全く触れられないことに意表を突かれ、むしろ自分が『息子は発達障害』だと思い込んでいただけなのでは……? ホッとすると同時にうれしささえ感じていました。しかし、夏休みが終わり2学期に入ると、息子は日に日に幼稚園での癇癪が激しくなっていきました。「やっぱり発達障害があるのかな……」と、私は再び不安になっていくのでした。執筆/ネコ山(監修:新美先生より)掲示物に目を奪われて没頭してしまうというのは、自閉スペクトラム症の特性のあるお子さんでしばしばみられることですね。ですが、今回のエピソードをうかがうと、朝の登園の時にそれが顕著に目立ったということからは、おそらく視覚刺激に没頭しやすいという特性がある上に、入園して慣れない集団生活の場にこれから入っていくという朝の園のエントランスで、掲示物に没頭することで、ある種の現実逃避というか、尻込みする気持ちの表れともいえるのかもしれないと思いました。「行きしぶり」というような分かりやすく「行きたくない」と伝えるのではなくても、家を出るときにこだわりが発揮されて時間がかかる、登園の道のりで何かに没頭してしまう、今回のように保護者との別れ際でフリーズしてしまうというようなエピソードの多くは、本人なりの集団生活への不安や抵抗感が反映されていることも多いです。とはいえ、健診の場ではそうした些細な本人の特性ある行動は気付いてもらえないことも多く、保護者としては振り回されたりやきもきすることも多いですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年02月16日