舌切り雀のお宿で春のはしりのタケノコを @千葉県

2010年3月27日
昨日、ブラジルのメディア(新聞&別館)の取材で出かけた先は....

民宿ひらさわ
房総丘陵のまんなか、大多喜町平沢地区。山里ののどかな風景をたどり、わき道を小高い山へ少し登った先に、竹林に囲まれた目指す場所があった。築100年は越えるという農家屋敷の大きな屋根は昨年まで茅葺きだったとか。「昔はあちこちに茅場というのがあったわけですが、今では茅を確保するのも容易じゃないですから」と、ご主人が残念そうに言っていた。(左奥の別棟が食事処)

みごとな孟宗竹(モウソウチク)の林
ご主人の山口哲夫さんは、ひとりで5町歩(5ヘクタール)の竹林を管理している。最盛期ともなれば早朝から一日中、タケノコ掘りや林床の掃除(落ち葉などを掃除してタケノコを見つけやすくする)に追われて食事を取る暇もないそうだ。昭和12年のお生まれと聞いたけれど、私など到底及ばぬ健脚さ。

タケノコの季節が終われば、こんどは大急ぎで1町歩ある田んぼの作業に取りかかる。「お客さんには自分のところの米を食べてほしいですからね」と山口さん。竹炭焼きや環境教育にも長年熱心に取り組んでおられ、いま新たに庭先に大きな炭窯を建造中だ。今年じゅうに完成させたら炭焼き体験の受け入れを再開させる予定だという。人間に大事なのは「知力、体力、実行力」なのだそうだ。耳が痛いデス....。

いたいた、タケノコ
「ほら、あそこに1本あるよ」との言葉に、え、どこどこ、と探しても私の目では見つからない。「ほらここ」と、ほんのすこーしだけ落ち葉が盛り上がったところを山口さんが手で払うと、ひょっこりと顔を出した。

「イノシシとの競争ですよ」と山口さん。夜のうちにイノシシがほじくり回してタケノコを食べ荒らして行くのだそうだ。このようにきれいに管理された竹林ではイノシシも活動しやすいのだろうなあと、うちのあたりのヤブと化した竹林を思い浮かべて、ため息。

来る途中の集落の田畑は、イノシシ除けに、どこもかしこもトタン板や網や電気柵で囲まれていた。房総半島のイノシシは、いったん絶滅したあと狩猟のためにと人が放したものが増えたらしい。農地は放棄され野山は荒れ、狩猟者も減って、数のコントロールを失ったけものたちが跋扈する。竹林の手の付けようもないヤブ化も同根だ。

たとえば、山口さんのようなタケノコを掘る人がひとり引退するだけで、いったいどれだけの面積がたった数年ほどで拡大する竹ヤブに呑み込まれてしまうことだろう。もともと竹林は、人間の手で、人間が利用するために植えて増やした“人工的な環境”だ。ならば管理し続けなければならない。さあ、どうする皆さんっ!

タケノコ掘りのコツ
曲がった先が向いているほうの側の土を掘るとよいのだそう。
山口さんは忙しくてそばに付いていられないけれど、宿泊のお客さんの中には、自分たちで山に入って掘って楽しんでいく人も多いそうだ(掘って持ち帰る分の代金を支払う)。

イボイボの白いのがよい
まだ季節が少し早いので小ぶりでかわいらしい。
タケノコは掘りたてがおいしいのは、空気に触れると反応してエグミ成分が生じてしまうから。山口さんちの竹林は粘土質で、つまり土がふかふかしていない。土中で空気に触れずに育つことから、エグミのない甘いタケノコになるそうだ。

店で買うときは、根元のイボイボのところが赤くないのがあれば、それを選ぶといいと教えてもらった。そのほうがエグミが少ないそうだ。また「朝堀りがいい」と良く言われるけれど、朝掘っても昼掘っても特にかわらないそうな。流通上、午後に掘ったものは店に並ぶのが翌日になってしまうという事情から出て来た表現なのかもね。

庭の畑の菜の花と、ほだ木で育てたシイタケが台所に運ばれて、お昼のごちそうに。

ここは舌切り雀のお宿?? 食事処の窓の景色に息をのむ。

次々とタケノコづくしの手料理が運ばれて来る。(まだまだ来ますよ~)

タケノコの刺身。
シャクシャクとした歯触りと甘み。まるでなにかの果物のよう。

タケノコの天ぷら。
本日は菜の花、ふきのとう、シイタケをお供に。

タケノコの唐揚げ。
こういう食べ方ははじめて。おいしかった。

タケノコのホイル焼き、ユズ味噌添え。
春らしき一品。ほっこりしました~。

ほかにも箸休めのタケノコの甘酢漬けがおいしかった。これから初夏にかけて毎日タケノコを掘って食べて掘って食べてする日々が始まるので、さっそくマネしてみたい。竹ヤブ整備のコツも教えていただいた。がんばらねば!

竹林のまわりにマムシグサがたくさん咲いていた。
あたりの車道わきの山肌には、あちこちに、もうキブシの花が満開。
これから入れ替わり立ち替わり次々と花が登場してくる季節だ。気が急くなぁ。

民宿ひらさわ
千葉県夷隅郡大多喜町平沢1124 TEL:0470-84-0130
・宿泊:3室
・ランチ:11:30-14:00 前日までに要予約
 たけのこ会席:3150円(税込み) 3月中旬~5月はじめ頃まで
 そのほかの季節は山菜料理など

 大多喜町の中心部から車で15分ほど、勝浦や天津小湊あたりからは20分ほど
Text & Photo by 
百一姓blog

自然に囲まれた中で採れたてのタケノコを頂けるなんて素敵なお宿ですね〜!室内から臨む竹林がまさに物語の世界のようですね。

ウーマンエキサイト編集部 はぴこ

  • ブログに投稿
フェラーリやランボルギーニのスーパーカー!>>

関連旅とお散歩


人気のキーワード

>>旅とお散歩のキーワードをもっと見る

ピックアップ
現在の賛同数:
facebook
Facebook
instagram
instagram
twitter
twitter
ピックアップ
上へ戻る

Copyright © 1997-2017 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.