映画 ”I vicere'
[ 2008年1月2日 ]


カターニア・サンベネディッティーニ修道院の前のダンテ広場。
ちょっとすさんだところだけれど、なぜかたたずみたくなるのは、
パラッツオの色と木の影のせい?
映画 "I vicere'" のウゼダ家が、住んでいた屋敷として、撮影された
ビスカリ邸をでて、カターニアの街にでると・・・・

まずは、映画の中で、何度か登場したドウオモ。
これは、さすがに、私でもわかった;)

映画の中には、シチリアのあやつり人形、プーピを見る場面も。
今でも、シチリアに残るプーピのお芝居。
今でこそ、ツーリスト向けだけれど、もちろん当時は、庶民の娯楽。

夜のドウオモは、大好きな光景のひとつ。
なんとなく、ぶらぶらするのが気持ちいい。
ガス灯だった、150年前は、今より、ずっと薄暗かっただろうけれど、
それでも、やっぱり、今と同じようにみんなぶらぶらしてたのでしょうか。
この変わらぬ壮大な光景を見ながら・・。

広場に面したこの建物は、1700年から、現在まで変わらず市役所。
主人公のコンサルボが、このバルコニーで演説。

ドウオモの近くにあるこの門まで、昔は海でした。
いくどとなく、くぐったこの門、
映画を見終わって、カターニア出身のイタリア人と歩いていると

「ここに
UZEDA って書いてあるんだよ」
よく見ると、”
Porta Uzeda (ポルタ・ウゼダ)"の文字が。
この門は、映画の主人公、ウゼダ家に、捧げられた門だったのでした。

いつも大勢の人でにぎわうカターニアの大通り、Via Etinea (エトネア通り)に
あるこのサン・ミケーレ教会の中も

主人公コンサルボが、愛した女性をひっそり見つめた場所。

メイン通りを少し離れ、このクロチフェリ通りは、

カターニアのなかで、たくさんの教会、修道院が昔のまま残る大好きな地域。
映画でも、多くの場面が、撮影されました。
車も立ち入り禁止で、心穏やかに歩けます。
修道院は、外部から、見ることができないように、
窓には、網の目のような、鉄格子が、ついています。

ずっと泥棒よけかと思っていました。

そして、そんな修道院のひとつは、
映画の中では、結婚式の場面として使われ、

当時、修道女たちは、この網の張った窓から、顔を見られずに、
礼拝に来ている人をのぞくことができたのです。

修道院を出て、また少し歩くと、
この坂は、主人公のコンサルボが、襲われた道。

そして、このぼろきれは、何かと思ったら・・・
映画撮影にさい、電線を隠すために、かぶせられた跡だった。

発砲スチロールで隠された跡も・・・・。
なかなか、よく出来ている。大道具さんの苦労がしのばれます。
へえー、映画って、こうして撮るんだ。
こうして、現代のアラ(?)を隠して、1800年にタイムトリップさせちゃうんだ、
うまいことやるねえ~と感心しつつ・・・・
でも、誰もが思うでしょう。
なんでこのままにして帰っちゃうの?
撮影が終わったら、片付ければいいのに・・・。
遠足は、家に帰るまで、っていわれたじゃーないか? (←関係ないか)
そして、間違い探しじゃないけれど、
こんなふうに、150年昔へ。
でも、街並みは、ほんと変わってないんですね。
やはり、看板がないのが、いいんでしょうね。
カターニアの僻地だった、サンベネディッティーニ修道院
さらに、どんどん歩くと、
主人公のコンサルボが、幼年時代、青年時代をすごした
サンベネディッティーニ修道院へたどりつきます。

第2次世界大戦で、米軍により破壊された正面。
もともと、
サンベネディッティーニ修道院は、
ニコロージという、エトナ山のふもとの村にあったのですが、
環境があまりにも苛酷だったため、病人が、続出。
カターニアのこのサンベネディッティーニ修道院は、
その病人を、収容しておくところでした。
ニコロージに比べると、暖かく、居心地がよかったため、
結局、みんなここにうつってしまったらしい。
(何事も無理はいけない。
寒いのは、誰でもつらいですから;)
今でこそ、ここも街の中心から、すぐだけれど、
昔は、ここでも、十分、僻地だったのです。

日曜日は開いているのですが、
おなかがすいたので、バールで、ちょっとお菓子をつまんでいるうちに、
閉まってしまいました;) ということで、外から。
いつか、もっと早い時間にいってみよう。

修道院の前の、ダンテ広場。
長々と、散歩してしまいましたが、
いつの日か、日本で上映されて、万が一、カターニアに来るような人が
いらっしゃいましたら、ぜひ、1800年代の趣がそのまま残る
この映画のコースを歩いてみてください。
カターニアのまた違った表情、
そして、喧騒にうもれがちな、歴史の深さを
感じられると思います。
教会の開いている日曜日がおすすめ。
車も少なく、普段の喧騒が、うそのようですし。
それにしても、やっぱり映画は、本当に楽しいもの。
”I Vicere’”が、イタリア映画史のひとつに残ることを期待して。
- Text & Photo by
- イタリア料理スローフード生活

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