宝物は足下にあり!?北海道
[ 2010年1月12日 ]

朝日新聞を読んでいたら、【足下に宝物】【ないものねだり決別】の文字が目に飛び込んできました。今までの地方のあり方を反省し、これからの地方再生に取り組んでいる過疎の町を取り上げた記事でした。『我が意を得たり!』とはこのことでしょうか。私もずーーとそう思っていました。地方都市では大方、古いモノを壊して、「え!?」と思うような不釣り合いなエセ豪華な建物だけを造ってきたことを悲しく見ていたからなのです。今、町を元気にするためのお手伝いをしている北海道勇払郡厚真町(あつまちょう)にも、このことは当てはまると思い、町の【足下にある宝物】について考えてみました。昨年末、その【宝物】に相当する“遺跡発掘”をしているチームをお訪ねしました。発掘したモノを集め修復したり、資料を作っている場所は雪の中にありました。そこの責任者でもある町の教育委員会の乾さんがご案内くださいました。


この町には旧石器時代の木炭のかけらから、縄文時代の土器、先住民族であるアイヌ民族の残した金属製品や刀、首飾りのような装飾品やお墓の跡まで、かなりの埋蔵文化財があるとのこと。平成14年からは厚幌ダム建設工事に伴う発掘が本格的に始まり、5月~10月末は発掘作業、11月~4月末まではそれらの資料整理とまとめ、修復などを行っているとのことでした。
土器のかけらを、このように分類して・・・


貼り合わせて、元の形に近づけて再現するようです。見るのは簡単、でもここま調べて破片の関連性を見つけるなんて・・・その細やかな情熱に感動させられました。それを手に持って鑑賞させてもらえるのです!こうすると形の感じがしっかり受け止められます。


鉄の鍋、これは鹿との物々交換で手に入れたものだそう。刀も同様にして得たモノだそうです。今は農作物を荒らすので嫌われている鹿も、当時は食べられるし、毛皮は使えるしと、貴重な資源だったようです。それと、どうやって人が行き来していたんでしょうか。ますます興味が沸いてきます。


首飾りの一部「玉」も、墓の中から見つかっています。これは本州や大陸との交易を示す貴重な資料だそうです。

でもただ掘っているだけでは掘りすぎて、お墓を見つけることができないはずなのに、見つけられるのは何故?と伺ったところ、まず十字に溝を掘って地層を確認するのだそうです。古い地層の上に、突然新しい地層の土があったら、そこは以前掘ったということになるので、堀り方を変えるそうです。遺跡初心者の私も理解できました。基本になる地層はこんな感じだそう。

この町は川が上流から下流まで流れていて、それに沿って山奥まで遺跡がある貴重な地域だそうです。北海道そのものとアイヌ民族の歴史がわかることも重要なことだそうです。遺跡を通して、この町のことをより深く知ることができるのです・・・と熱く語ってくださる乾さんの話に私も引き込まれてしまいました。土器に模様があることも文化度の高さを示しているようです。

遺跡に何の興味がなくても、土器の破片を細かく分類整理していたり、それを復元していたり、貴重な埋蔵品が、大切に分類されている、こういう現場を見るとその奥深さに引き込まれることよくわかりました。レストランでも「オープンキッチン」があると、より美味しいレストランと思えるように、このような遺跡の発掘品も、『分類され復元される現場』そのものを展示場にすればよいのです!立派な博物館はいらないのですね。ライブな現場で、熱く語ってくれる人がいさえすれば、それが一番!そうすれば私が感じたワクワク感が皆に伝わるのだと思いました。本当に【宝物】は足下にありました。
- Text & Photo by
- 今澤知江の くらし「カワイイ!」レシピ
- 関連キーワード
-
国内
北海道
勇払郡
遺跡
- この記事をひろめる