おだやかな自然の香り≪草喰 なかひがし≫
[ 2009年 11月 24日 ]

京都に出かけていくと、時間的にいって、最初のイベントは昼食、ということになりがち。
今回もその例にもれることはなかったのですが、この日の「京都で最初のごはん」は、あらゆる意味でリッチなものとなりました。
しばらく前から友人しのちゃんと「行ってみたいねぇ」と語り合っていた、京都でもとても人気が高いというお店、「草喰(そうじき) なかひがし」。
今回、ちと苦労しましたが* なんとか予約が取れたので、れんげさん、よしりんさんもお誘いして出かけてきました。
写真枚数の多い、長い記事になってしまいましたが、よろしければお付き合い下さい。

銀閣寺にほど近いお店は、実にさりげないたたずまい。
人数が少なければ1階のカウンター席、私たちのように4人ぐらいのグループになると、2階のお座敷へ通されるようです。
写真は撮るわ、あれこれかしましいわ、の私たちには、個室のお座敷席がぴったりでした。

大人気のお店で、最近ミシュランの星ももらっているようなところなのですが、お店の方々の雰囲気はとても気さく。
一方私たちはといえば、最初に出された見事な八寸と小鉢を前にすでに興奮気味。


さて、お料理。
写真ばっかり撮っている私の隣で、久しぶりのブログ登場・しのちゃんにまたしても書記をお願いしました(いつもすまぬ〜)。
◆小鉢(口取):柿、とんぶり、ぎんなんのきな粉酢あえ
「なかひがし」のお料理は自然の素材を活かしたものが多く、この柿も自然になったものを使っておられます。畠のキャビアと言われるとんぶりといい、三杯酢にきな粉をまぜたきな粉酢といい、スタートからすでに、珍味、美味の連続。きな粉、ほんのり香ばしい^^

◆八寸:丹波黒豆の枝豆、鮎のテリーヌ・3年ものの味噌をはさんだ紅白蕪、木の葉がれい、戻りガツオの生節の山椒煮、金時人参の醍醐まぶし、生栗の揚げたもの、
ブロッコリ、ムカゴおこわ
・・・つくづく、しのちゃんのメモ取り能力の高さに感服ですが。
醍醐、というのは牛乳を6時間ほど煮詰めてそぼろ状にしたものだとか(見えてませんが)。
色どりも楽しく盛り付けられた小さな食べ物たちのひとつひとつに、どれほどの手間と時間がかけられているかを思うと、気が遠くなるようです。
されど素材は自然の空気を吸い、光を浴びて育ったもの。
「見事な味付け〜♪」というのとはどこか違う、淡白なようでシンプルなようで、でも何だかしみじみかみしめたくなるような野菜や魚たちなのでした。

◆お椀:とち餅の亥の子餅と菊菜の白味噌仕立て
11月といえば亥の子餅・・・ですが、私はあれはてっきり和「菓子」だと思っておりました。
また、菊菜とは、季節が巡れば京都でも春菊と呼ばれるもの――関東じゃ年中春菊じゃ。
季節感あふれるお椀ものです。
(「あの、お客さま、冷めないうちに召し上がって・・・」と心配された私たちでした。)

お飲み物は・・・?
最初はシャンパンを頂いたのです・・・銘々、フルートに一杯ずつぐらい?
それから日本酒を。伏見の「英勲」。甘口・辛口では言い表せぬ、「旨口」だとか。
(まあ、香りのよい辛口ってあたりで^^。)
お猪口はお好きなものをお選び下さい、と――さて、私が選んだのはどれでしょう。

「お米がごはんに変わる瞬間をどうぞ」と、差し出された「煮えばな」のごはん。
「これがお米のアルデンテというものね!」と感心しきりでしたが、その次は――
◆焼き物:子持ち鮎の幽庵漬け
TOP画像でアップにしておりますが、まるで真ん中に光るオレンジ色のものは、宝石のよう。
大原育ちの鶏卵の初ものを味噌漬けにしたもの、なんですけどね。
添えてあるのは赤大根の幽庵漬けや、ポップコーン、じゃなくってポップもち米。

くるんだ朴葉を開けば子持ち鮎。
子持ち鮎というより、親持ち鮎ですか、というくらい、卵が多い〜。
決して濃い味ではないのですが、香ばしくて・・・なんちゅか、タンパク質が美味。

◆向付:昆布じめ鯉の細造り
画面からはずれてしまっているのですが、辛味大根おろしと、煮こごりと鯉の皮が添えられています。
醤油は蜜柑の果汁で割ってあります。添えられているさまざまなハーブ類は、季節で変わるものだそうです。

◆炊き合わせ:雑茸の炊き合わせ
聖護院大根、里芋、蕪の中抜き、小豆の生姜添え。
中抜きっていうのは・・・え〜、間引きってありますよね。あれをもう少し育ってから行うものですね。だから、ミニ蕪みたいな形になっております。
味はホント、淡白。草の香り、みたいなものが立ち上ります。
し、しかし、生姜を全部混ぜてしまったのはちと辛かった(T_T)。

◆杓子菜と天然椎茸の含め煮
これは・・・進肴になるんでしょうか。
ちょこっと見えている赤い実は「ガマズミの実」だそうで。初めて食べました。
杓子菜は川越の漬物屋さんでも見かけるかな。これまた素朴な薄味。

◆ご飯:赤万願寺唐辛子ペーストを載せた唐辛子の小鉢、めざし、香の物を添えて。

これ、赤いペースト部分は間違いなく万願寺唐辛子でちっとも辛くないんですが、下の緑の唐辛子も万願寺唐辛子かなぁ・・・不明ですが。でも、辛くはありません。おしたし、ですかね。

めざし一匹。
載せてあるお皿は、「なかひがし」十周年を記念して作ったといういわし雲柄のお皿。
大空を悠々と泳ぐ大魚のごときめざし一匹。うーん、カッコいい。
あまり苦くもない、味は穏やかなめざしでありました。

そして、土鍋のご飯がおこげになる頃を見計らって、お店の方がよそって下さるこちら。
これに、イギリス産マルドン塩(以前
コチラでも)をふりかけて頂きます――冷めてくると、ちと固い(だから喋ってないで早く食べましょう)。
飲むわ撮るわ喋るわで、なかなか食べない私たちの、長すぎる昼ごはん。
ようやくデザートに到達した頃には、他のお客さんはすべて帰られており、階下のカウンターにどうぞ、ということになりました。
板さんたちはすでに夜の仕込みを始められておられたようです^^;きゃー

◆水物:大四郎柿と人参の葉のシャーベット
柿は皮まで食べられ、上にちょこんと載ったブドウはこれも自然のもの(だからタネが大きい!)。
あま〜い柿に、さっぱりしたシャーベット。
日本一と称される「なかひがし」昼コースの最後はさらりとした締めでした。
この日のコースは5,000円(飲み物別)。
金額だけ見れば贅沢ですよね。
が、これもまた、他で節約してでも頂きたい、と思わせる見事なお料理の数々でした。
野山に自然に育つ草や実が、今は贅沢な食材としてもてはやされる。
思えば奇妙なことながら、自然の香りはやはり豊かで優しいものでした。
12時の予約で始まった昼食でしたが、お店を出る時時計を見ると、午後3時でした。
* なかひがしの予約のこと。
電話予約の場合は、予約したい月の前月1日の午前8時から電話を受け付けておられます。
これがなかなかつながりません!
が、まあ、人気ミュージシャンのコンサートチケット取り電話をかけたことある方なら大丈夫かな。私も、なんだか懐かしかったです^^;
草喰 なかひがし
京都府京都市左京区浄土寺石橋町32-3
075-752-3500Text & Photo by ここから
カメラマンに書記までいて、本格的な取材並みの力の入れようですね!どれも素材の味が堪能できそうな素敵なお料理。すごい人気というのも納得です。
ウーマンエキサイト編集部 はぴこ








