昭和とバブル、平成不況を経て、今なお、たくましく生き延びる猫がいます。
生まれは遠く江戸の昔までさかのぼれますが、長生きしたからといって、行灯(あんどん)の油を舐めるでもなく、ひたすら飼い主に福を招きよせるけなげな猫だったりします。巷ではそれを招き猫と呼ぶんですけれども。
さて、業界筋によるとここ10年ほど前から招き猫の姿に変化があらわれたのだとか。
きっかけは、バブル崩壊後のこと。福を招くお手手がぐんぐんと伸び始めたのだそうです。不況時の招き猫は、少しでも遠くの福をかき集めようと、お手手が長いのが特徴。同時に耳も大きく、全体的に大ぶりな造りのものが好まれるのだとか。
昔ながらの招き猫が、お顔の横くらいに手を挙げるとしたら、平成タイプの招き猫は、頭の上どころか耳より高いところから「おいで、おいで」をしているんですって。
しかも片手じゃ物足りないのか、「人を招く」左手、「お金を招く」右手の両方を上げる「欲張り猫」なんてのも出てきちゃったそうです。
同時に白や黒のみならず、黄色ににピンク、ブルーと、柔道着もびっくりのカラー展開に。イマドキの招き猫は、風水カラーくらい余裕で対応しちゃいます。
冒頭の画像に挙げた、ちび招き猫いちごぐるみちゃんなどは、食べてしまいたいほど可愛いらしいんですが、もはや猫なんだか、たらこキューピーなんだかわかりません。長い時をかけて育まれてきた、フォーマットをあっさり却下して、彼ら(彼女ら)はどこへ行こうとしてるんでしょう。天井知らずの不況を前に、猫たちがどのような変身を遂げるのか、これからも興味は尽きません。
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(逢坂杏)
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