こんにちは! 助産師のREIKOです。ママの産道を通って赤ちゃんが生まれてくる経腟分娩の過程で、急いで赤ちゃんを出産させなければいけなくなったときの手段として、前回、鉗子分娩についてお話しさせていただきました。 今回は、もう1つの手段である「吸引分娩」について、私が働いていた病院を例にお話ししたいと思います。 吸引分娩で使う器具はどのようなもの?吸引分娩の際には、吸引カップという器具を使います。吸引カップには、金属製の金属カップとプラスチック製のソフトカップがあります。それぞれ、さまざまサイズがあり、状況によってどのカップにするのか、サイズはどうするのかを医師が決めて使います。 この吸引カップにチューブと吸引器を接続して使います。ソフトカップのほうが扱いやすいこともあり、私が働いていた病院では、吸引分娩のときにはソフトカップが多く使われていました。 吸引分娩になるケースって?吸引分娩も鉗子分娩同様、ママの疲労などでお産が進まなくなってしまった、赤ちゃんが降りてくる向きが違っていてお産が進まない、赤ちゃんに苦しいサインが出ているなど、赤ちゃんを急いで出産させなければならないケースで選択されます。 吸引分娩も、子宮口が全開大したあと、吸引分娩が可能な位置まで赤ちゃんが下がってきているなどの条件が必要です。逆子ちゃんや赤ちゃんが向いている方法によっては、吸引分娩ができないことがあります。 吸引分娩だと、赤ちゃんはどのようにして生まれるの? 吸引分娩は簡単にいうと、吸引カップを赤ちゃんの頭に装着し、吸引圧をかけて赤ちゃんを引っ張り出すお産の方法です。 吸引カップを装着する位置や吸引圧によっては、吸引カップが赤ちゃんの頭から外れてしまうことがあります。しかし、吸引をかける時間や回数に関するルールがあり、それを超えると吸引分娩は中止となり、鉗子分娩や帝王切開など、ほかの方法をとる必要が出てきます。 吸引分娩のリスクって? 吸引分娩も、吸引カップをママの産道に入れてお産するということもあり、お傷が生じる恐れがあります。しかし、鉗子分娩のときよりは、大きな傷ができるということはあまりなかったように思います。 赤ちゃんの頭に吸引カップを装着して吸引圧をかけるので、ほかのお産より生まれた赤ちゃんの頭に「頭血腫(ずけっしゅ)」を生じることが多かったように思います。頭血腫は吸引によって、赤ちゃんの頭の骨の膜が剥がれ、そこに血液が溜まってしまう状態です。 頭血腫は、血液が自然に吸収されるのを待ちますが、日に日に大きくなることがあり、その影響で黄疸が強く出る可能性もあります。そのため、頭血腫のある赤ちゃんは毎日、頭血腫の大きさや黄疸の状態などを注意深く観察していました。 お産の方法はいろいろあります。イメージ通りにいかないこともあるかもしれませんが、どんなお産であれ、ママと赤ちゃんの安全と健康が第一だと私は思っています。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー(通常分娩) 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2019年05月07日出産後の育児に備えて赤ちゃんのグッズはおむつや肌着など準備をしたけれど、ママ自身の産後の体の準備については病院にお任せで何が必要かよく分かっていない、という方も少なくないのではないでしょうか。そんな産前・産後のママに絶大な支持を得ている『お産セット』。お産セットには分娩直前から産後すぐに必要な衛生用品が全て揃っていて、入院前や入院時に産院からもらえることが多いようです。 ベビーカレンダーの調査では、このお産セットについて97%のママが満足していると答え、なくてはならない存在であることが判明しました。また、67%が使用したと答えたのが『dacco』のお産セットでした。 これが『dacco』のお産セットです! ママが出産に“必要なアイテム”が揃ってる♡分娩直前~産後に使用する、衛生用品一式を詰め合わせたセット。専門医が使う、分娩時に必要な医療材料や、ママがすぐに使える産褥ショーツ、お産用パッド、母乳パッドなどがセットになっています。(※セット内容は産院によって異なります) さて、気になるママたちが選んだ活躍したアイテムの第3位をみてみましょう。 活躍したアイテム第3位は…「お産セットバッグ」!「本当に役に立った『dacco』のアイテム」アンケートでは、産褥(さんじょく)パッド、産褥ショーツに続いて「お産セットバッグ」 が856票の第3位となりました。 ©オオサキメディカル株式会社 『dacco』/お産セット用バッグ 不織布製 産後も使えると高評価! 軽い素材なのに強度は◎ファスナーを閉めることができるので、中身が飛び出す心配もナシ。使いやすさやデザインに、とことんこだわった不織布製のトートバッグです。さまざまなシーンに対応してくれるので、退院後も愛用者がたくさんいるようです。 『dacco』のお産セットバッグを使用したママたちの声 「帰省時など子どもの育児用品を持ち運ぶのに利用している。」 「お産後も沐浴用のバッグとして利用していて便利。サイズがちょうどいい。」 「産後も使い道満載です!」 「丈夫でたくさん入るし、ファスナーで口が閉じられるので非常に重宝しています。」 「意外と荷物がバラバラになりがちだが、軽いのにファスナーもついていて、入院中、部屋が乱雑にならずに済んだ。いまだに自宅でベビー用品のストック入れとして活躍中。」 お産セットバッグの中身ではなく、今回はバッグそのものという驚く結果となりました。このバッグ、軽くて丈夫である点や、ファスナーがついているなど、ママたちの使い勝手を考慮されて作られているのが伺えます。カラーやデザインがシンプルな点も、お部屋に置いておくのにも持ち運ぶのにも使いやすく、好評な理由につながっているのかもしれませんね。ママたちの必需品であるお産セット、出産予定の産院に何がもらえるか事前に確認して、効率よく出産・入院の準備をしたいですね! <調査概要>調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「ベビーカレンダー アプリ」によるアンケートにご応募のあった、産院・クリニック出産経験者。調査期間:2018年2月26日〜2018年3月1日 調査件数:2,476件(「ファーストプレゼントキャンペーン」回答者数:2,131件/「ベビーカレンダー アプリ」ユーザー回答者数:345件)※投票数は複数回答可能でカウントしています。 ※参考:ベビーカレンダー「97%のママが必要と回答!「お産セット」知っていますか?」「本当に役に立った『dacco』のお産セットの中身ベスト5」
2019年04月28日こんにちは! 助産師のREIKOです。お産のときの痛みといえば、「陣痛」を真っ先に思い浮べる方も多いのではないでしょうか? しかし、お産のときには陣痛以外の痛みもあるんです。そこで今回は、お産のときの「痛み」についてお話ししたいと思います。 まずは陣痛についておさらい!陣痛は、赤ちゃんがママの産道を通って生まれてくる「経腟分娩」に欠かせない要素の1つです。陣痛というのは自分の意思とは関係なく、繰り返し起こる子宮の収縮のことをいいます。陣痛は起こる時期によって、呼び方が変わります。 妊娠陣痛妊娠中に起こる不規則な弱いおなかの張りで、痛くないことが多いです。妊娠後期になるとよくみられます。 前駆陣痛出産が近付くころに生じる、不規則で軽い痛みを伴うことの多いおなかの張りです。もしかして陣痛!? と思われる方も多々いらっしゃいますが、おなかの張りの間隔が不規則であること、途中でなくなってしまうことが特徴です。 分娩陣痛俗にいう「本陣痛」のことですが、本陣痛というのは医学用語ではありません。分娩陣痛は、1時間に6回以上、あるいは10分おきに来る規則的なおなかの張りをいいます。お産が進むにつれ、間隔も痛みの強さも増していきます。 後陣痛出産後に起きる子宮収縮で、妊娠前の子宮に戻そうとする役割をしています。 陣痛以外の痛みって!?陣痛の痛みは、下腹部から腰の辺りが痛くなることが多く、陣痛が収まるとなくなります。しかし、陣痛以外にも子宮口が開くときの痛み、産道や会陰が圧迫されたり、伸びたりする痛みが生じます。これらの痛みをひっくるめて、「産痛(さんつう)」といいます。 痛みの感じ方というのは、人それぞれで、産痛を自覚しない方も、最初から痛みを訴える方もいらっしゃいます。産痛は、最初は下腹部から腰のあたり、そして下腹部から下半身、最後は会陰の周辺と痛む場所が移動していきます。これも、お産が順調に進んでいるかの判断材料となるんですよ。 その痛み、どうにかならないの?お産のときに、なるべく痛い思いをしたくないという方がほとんどなのではないでしょうか? 先ほどお話ししたように、痛みの感じ方は人それぞれ。でも、痛みを和らげることができたらいいですよね。 やはり、お産に対する不安や恐怖心が強いと、痛みが増すといわれています。まずはリラックス! ママが安心できる環境づくりが大切です。そのほかにも、薬剤を使う方法、呼吸法やマッサージ、痛みのある部分を温めるなど、痛みを和らげる方法はたくさんあります。 次回は、産痛を和らげる具体的な方法について、お話ししたいと思います。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー(通常分娩) 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2019年04月26日一生に数回あるかという貴重なお産。自分にあった環境でなるべく穏やかに出産したいもの。最近は「どんなお産にしたいか?」という理想のお産を尋ねられ、なるべく意向に沿った出産をさせてくれるという産院が増えました。出産を控えたママさんたちが思うのは、どんな出産になるのか…ということ。今回は、わたしのバースプランについて、思い通りにできたこと&できなかったことを、お話します。バースプランってどんな内容?私の場合は、妊娠8〜9ヶ月頃に産院からアンケート用紙が配られ、バースプランを聞かれました。内容は・陣痛室、分娩室の雰囲気・立会や面会・出産への正直な気持ち・産後の授乳の方法や育児方針・その他要望など。回答を書く欄が大きかったので思ってることをしっかり伝えられました。このアンケートによって、出産を目前にして、一度しっかりと自分のお産について考えるように。このようなアンケートが事前にされない病院は、看護師さんなどに「バースプランを提出していいですか?」と相談してみるのもいいかも。どのようなお産ができるのか、自分がどんなお産を希望しているのかを、出産する産院と「擦り合わせ」するよい機会になりました。わたしの場合、こんなことを書きましたまず陣痛室、分娩室の雰囲気。私は陣痛中に好きな音楽が聞きたかったので、CDをかけたいと書くと、「プレーヤーはあるので、CDを持ってきてくれれば大丈夫です」とのこと。しかし実際は、陣痛が痛すぎて音楽すらすんなり入ってこずイライラ(笑)。かけてもらった音楽はすぐに消してもらいました。いくら好きな音楽とは言え、JPOPやロックでなく、気持ちが穏やかになれるヒーリングミュージックなどなら少しは聴けたかも…といまになって思います。初めてのお産で、なにもかも勝手がわからないということも伝えたら、出産の流れやどんなものを用意すると便利か、なども丁寧に教えてもらえました。痛みを軽減させるためのテニスボールは、病院で貸してもらえるなどの情報も!他にも、簡易ベッドやソファの有無など、設備面についても聞いておくといいと思います。実際の陣痛室や分娩室などを見せてもらえる産院もあるので、事前に見ておけば出産当日の想像がつきやすいと思います。次に立会や面会。余裕のない姿を見られたくなかったり、気を遣うから長居してほしくない…などという気持ちはおかしなことではありません。特に立会は、すごい格好で苦しんでる中、想定外の人に勝手に入ってこられたりしたらと思うとゾッとするので、事前に誰が入ってくるのか決めて伝えておくと◎。面会についても、産後すぐは身体のあちこちが痛く、疲れ切っている状態なので無理は禁物です。制限があるということにしたり看護師さんからも伝えてもらうようにすれば、角を立てずにコントロールできますので、立会や面会については事前によく考え、伝えておくことをオススメします。私の場合、私が直接アポをとった人以外がもしきたらお断りしてもらうよう伝えておきました。実際に出産後貧血になってしまい、誰かに会えるような気分ではなかったので正解でした。また出産への正直な気持ちとして、「痛みが怖い、不安」という面があることも伝えました。産院として万全な体制を整えていることを説明してもらい、少し気持ちが落ち着きました。ネットで怖い助産師さんの話を見て怖気づいていたので、「その時がきたら、なるべく優しく声掛けしてもらいたい」という要望も伝えておきました。産後のこともきちんと確認を産後の授乳の方法や育児方針についても、大切なことなのでどうしたいか考えておきたいですよね。授乳も完全母乳でいきたいのか、無理せずミルクも使いたいのか…など看護師さんと相談して共有しておきました。私の場合なるべく母乳を直接あげたかったけれど、息子がうまく直飲みできなかったので、搾乳して哺乳瓶であげるという形になりました。入院中に看護師さんと相談しながら自分や赤ちゃんに合った方法を考えていくのは一番良いことなのかもしれませんが、事前に伝えておいたことで、産後休んでる時に看護師さんがミルクをあげられたなども「え?」という事態が起こらずに済んで良かったと思います。こんなことも、リクエストしていいの?その他の項目では、「実際の胎盤が見てみたい!」と書いたら、産後に看護師さんがそれはそれは立派な胎盤を部屋まで持ってきてくれました。すごく、新鮮そうでびっくり。ここから息子に栄養を送っていたのかと思うと感慨深いものがあり、記念に写真を撮っておきました!医療行為もあり、すべての希望が通るかは別ですが、「へその緒を旦那さんに切らせたい」など希望する方もいるそう。出産が特別な思い出になるように、気になることはどんな小さなことでも伝えてみるのがよいと思います。また、私はバースプランでは書かなかったのですが、産後すぐにママのところに赤ちゃんを連れてきて授乳させるという「カンガルーケア」をやってくれました。母子の絆を深めたり、母乳育児に入りやすくする効果があるとか…。何より、生まれたての我が子を連れてきてくれたのはすごく嬉しかったです。絶対に希望するという方は先に伝えておいてくださいね。全て思い通りにいかなくても…、お産は素晴らしい体験!バースプランの希望は、病院の方針によっては通らないこともあります。私は出産中の写真を撮りたいと言ったのですが、医療行為中なのでNGとされてしまいました。真剣に仕事をしているお医者様や助産師さんの気が散らせてしまうかもしれないし、「赤ちゃんが出てきたらたくさん撮ろう」と思うことに。それに出産はママにとっても赤ちゃんにとっても命がけの行為。すべての希望が思い通りにいくなんてできませんよね。理想のお産でなくても、本当に感動する素晴らしいもの。なるべくママの理想に近づけてくれるよう、こちらからも産院と出産についての話を重ね、思い描くバースプランを話し合えれば後悔がないと思います。バースプランの内容はともかく、お医者さんや看護師さんを心から信頼し、その日を臨むのが一番大事なことなのかも。今妊娠中のママさんたちは、出産について色々考えたりリサーチしたり…。出産がどのように進むか、期待と不安でいっぱいな方は、ぜひ「バースプラン」を考えてみて。どんなお産であれ、子どもと出会えた喜びは変え難いもの。最高の時間を過ごせることを祈っています♪
2019年03月11日「陣痛」と一口に言いますが、なんのためにあるかご存知ですか? 今回は陣痛についてと出産がどうやって進んでいくかと一緒に考えていきましょう。■陣痛とは、子宮の筋肉の収縮陣痛とは、自分ではコントロールできない子宮の筋肉の収縮で、痛みのある陣痛発作と、収縮がおさまる陣痛間欠を繰り返す状態のことです。痛みがずっと続くわけではなく、「あいたたた……」と痛みが波のように押し寄せては、すーっとひいてしばらく平気な時があり、またしばらくすると波のように痛みが押し寄せる、というのを繰り返します。さてこの陣痛、なんのためにあるのでしょう。それは、「出産を進めるため」に欠かせないものだからです。少し詳しく解説していきましょう。■お産のはじまり~分娩第1期~さて、いよいよお産が近づいてくると、陣痛が周期的にやってくるようになります。陣痛の周期が10分以内、もしくは1時間に6回以上の陣痛がやってくるようになったらお産の始まりです。始まりの頃は、まだ痛みもあまり強くなく、陣痛発作も長くありません。下腹や腰が痛いと感じますが、我慢ができる程度です。長さも20〜30秒程度。しかし、徐々に陣痛発作の時間が長くなり(60秒程度)、陣痛間欠も短く(2分程度)なってきます。この時期の陣痛の働きで、赤ちゃんが出て来る子宮頸管はしっかりと伸ばされ、子宮口が徐々に開いていきます。赤ちゃんがいよいよ出て来るための準備が進むのです。ちなみに、私が一番辛かったのがこの第1期の終わり頃。赤ちゃんが下に降りて来る刺激で、勝手にいきみそうになる反射が起きるのです。「い、いきみたい……!」このいきみ逃しが本当に辛かったのです。しかし、赤ちゃんの出口になる子宮口がしっかり開かないと、いかにいきんでも赤ちゃんは出てこれません。助産師さんや先生が「いきんでいいよ」と言ってくれるまで、いきむのはできる限り我慢です。しかし我慢しようにも勝手にいきみそうになるのです……! うう、本当にきつかった……。この分娩第1期は初産婦さんで12時間程度、経産婦さんで6時間程度です(個人差がありますよ)。■いきんで赤ちゃんを産むよ~分娩第2期~さあ、子宮口が全開大したら、分娩台に移動していよいよ赤ちゃんを産みます!(経産婦さんの場合は、もう少し準備をします)ここまでくると、陣痛もさらに強く長くなります。この子宮収縮はなんのためにあるのでしょうか? それは赤ちゃんを外に出してあげるためです。しかし、陣痛だけでは赤ちゃんは出てきません、お母さんのいきみ(怒責)による「腹圧」も必要になってきます。最初はどういきんでいいかわからないかもしれません、陣痛の波と一緒にいきみ、力をどちらにかければいいか、助産師さんの声をきいてください。大丈夫、やっているうちにできます。呼吸法の練習も、ママさん学級などで教わると思いますので、前もって練習してみてくださいね。吐くことに意識を向けてあげてください。この分娩第2期は、初産婦さんで1〜2時間程度、経産婦さんで30分~1時間程度かかります。さあ、いよいよ赤ちゃんとご対面です!■赤ちゃんを産んでも終わりじゃないよ~分娩第3期~おめでとうございます、赤ちゃんが無事に産まれました!しかし、まだ終わりではありません。まだ子宮の中には胎盤や臍帯(へそのお)などが残されています。陣痛もまだ終わりません。子宮が収縮する事で、これらの胎盤などを出すのです(とはいえ、分娩2期の陣痛とは比べ物にならない弱い陣痛ですので、余裕のある方も多いと思います)。後産、という言い方もしますね。これが終われば、お産は終了です。お疲れ様でした…!分娩第3期は20〜30分程度かかります。後陣痛の話出産が終わった後も、不規則に産褥期にお腹の張りや痛みを感じることがあるでしょう。これは後陣痛と呼ばれます。これは、出産後の出血を止めたり、赤ちゃんを入れるために伸びた子宮を戻すためにあります。一般に、経産婦さんの方が強い傾向があります。■まとめ陣痛と一口に言いますが、実は出産のためにとても重要な働きをしていることがおわかりいただけたでしょうか。痛い、きつい、もういやだ!どんどん余裕がなくなるかもしれませんが、ちょっと今回の話を思い出してもらえたら、「今このあたりだから、ゴールはあの辺だ……!」と思えるかもしれません。私も分娩第1期で、分娩室のベッドで一人唸りながら、どれだけ「もう、もう子宮口全開大してるんじゃないの……?! 誰か、内診に来て……!」と念じたことか……。いや、念じるだけじゃなくて、我慢できずにナースコール押しちゃいましたけどね…。ゴールは必ずあります。あなたが元気な赤ちゃんと会えることを、心からお祈りしています!■まんがで読む! みんなの出産特集>> この記事の著者■相川晴(HAL)内科医。研修中にうつ病を発症し、数年間の療養生活を経て復帰。病気の間支えてくれた医師の男性と結婚。某地方都市で夫、4歳の娘と暮らす。自身の出産・育児の日々をもとに、医学的なエビデンスを交えて女性の健康・育児情報などをブログやTwitter、連載コラムで発信中 ◆参考サイト・ 杉野 法広. 研修医のための必須知識C.産科疾患の診断・治療・管理16.正常経腟分娩の管理,日本産婦人科学会雑誌, 2004, vol 56, no. 6, p112-118 ・ 杉野 法広. 研修コーナーD.産科疾患の診断・治療・管理 3.分娩の生理・産褥の生理, 日本産婦人科学会雑誌, 2007, vol 59, no. 10,p637-638
2018年09月24日こんにちはライターのいるみです!妊娠中は産院で行われる勉強会や雑誌、ネットなどでお産について勉強しある程度お産についてイメージを固めたりしました。お産を経験されたみなさんも、ある程度調べてお産にのぞまれたと思います。さてみなさんは、思い通りの出産ができましたか?わたしはというと……今回は1人目と2人目のお産の時のお話しを紹介します!頭ではどうすればいいかわかっていたのですが、いざ陣痛が来ると想像以上の痛さ で実践することができませんでした。個人差はあると思いますが陣痛から出産までって長いですよね……。その長い時間ずっと助産師さんが付き切りというわけにもいかないので『何かあったら呼んでくださいね!』と陣痛室に夫と2人きりに……(夫は描いていませんが居ます!!)夫は励ましてくれたり、痛い所をさすってはくれるのですが肝心の子宮の広がり具合を見ることはできないので私は、早く産んで楽になりたいがあまりに産むまで何回も助産師さんを呼んでしまいました。(……申し訳ないです。)いつまで耐えればいいのか、ゴールが見えなくて不安な私を優しく励ましてくれた助産師さんには本当に助けられました!!そして、みなさんのおかげで無事第1子を出産することができました!!(分娩所要時間約12時間)(分娩所要時間約8時間)「どうしてこんなに変わったの!?」とお思いの方も多いでしょう!わたし自身も描いていて『まるで別人じゃん!!』と思いました。なぜこんなにも頑張れたのか考えてみたのですが多分『痛さの限界を知っていた 』というのが大きかったのではないでしょうか。一人目の時はいつ終わるかわからない痛みに怯えていましたが、2人目となるとなんとなくどれ位我慢すればいいかわかっていた ので頑張れたのではないかなぁ……と思いました。陣痛中にスクワットや病院内を歩いたりするとお産が進むとよく聞きますが分娩台に上がってから産むまでにさらに体力を使うので、ペース配分には注意が必要です!最後に1人目で色々と後悔が残るお産をしてしまった私ですが2人目を産んでやっとほんの少しお産についてわかったような気がしました。こらから初めてお産をされる方はあまり理想を求めすぎず、無理のないお産をしてくださいね!●ライター/いるみ
2017年12月05日こんにちは、保育士でライターのyossyです。近年、出産をするにあたって産院に『バースプラン 』を提出する人が増えています。バースプランというのは、お産や入院に関する計画書のこと。たとえば、陣痛・分娩時の医療行為や立ち合いについて、産後すぐのカンガルーケアについて、入院中の授乳・沐浴指導についてなどなど……。しっかりバースプランを立てておくことで、さまざまなメリットがあるのです。ここでは、バースプランを立てるメリットと、上手な立て方についてご紹介しましょう。●バースプランは立てることに意味がある!バースプランはあくまで“計画書”なので、実際には計画通りにいくとは限りません。たとえば、「会陰切開をしないで欲しい」とバースプランに書いていても、切開せずにいたらひどく会陰が裂けてしまうような場合、切開せざるを得ないでしょう。「入院中は母子同室で」と書いていても、想像以上に産後のママの体調が悪く、母子別室にしたくなるケースも考えられますね。「計画通りいかないなら、立てなくてもいいんじゃない?」と思うかもしれません。でも、バースプランを立てることで、以下のようなメリットがあります。・自分の理想に近いお産がしやすくなる(医療者も介助しやすくなる)・お産への心構えができ、不安が軽減する・家族での話し合いをしたり、自分自身を見つめたりするきっかけになる自分自身がどうしたいのか、どういうことが不安なのかをしっかりバースプランに書いておけば、医療者からフォローしてもらいやすくなるでしょう。また、いざお産のときになってから、家族間で揉めてしまうケースもあります。どういうお産が理想なのか を家族でしっかり話し合っておくことで、家族内の意見を聞くきっかけにもなりますね。●恥ずかしがらなくてOK! 思っていることを正直に出産にはデリケートな問題がたくさんつきまといます。プライベートな内容に関わってくることもあるでしょう。しかし、言いづらいことこそ、はっきり言っておいたほうがいいものです。読み手である医療者の立場を考えて書くことはもちろん大切ですが、はっきりと自分の言葉で書くことが重要。「恥ずかしい」とか、「こんなこと書いて怒られないかな……」などと思う必要はありません。バースプランに書いたことを叶えるのが難しければ、医師や助産師、看護師等からその旨説明があるでしょう。希望が叶わない場合は残念ですが、事前にできないことの説明 が受けられていれば、納得しやすいものです。バースプランは本当に人それぞれですが、以下のような要望を伝える人もいます。参考までに見てみましょう。【バースプランの例】・可能なら剃毛や会陰切開をしたくない・自分の力で頑張りたいので、できるだけ陣痛促進剤は使わないでほしい・夫と実母以外は病室に入れないでほしい(特に○○は問題行動を起こすので絶対に入れないでほしい)・痛みが不安なので、無痛分娩や和痛分娩にしてほしい・分娩/陣痛時に音楽をかけたい・陣痛中にアロマを焚きたい・夫が立ち会えなくて不安なので、助産師さんにたくさん励まして欲しい・産後すぐに自分で赤ちゃんをカメラ/ビデオで撮りたい・胎盤を見てみたい・上の子にへその緒を切らせてあげてほしい●バースプランは「絶対」ではないお産の進み具合やママ・赤ちゃんの体調によって、急きょ医療行為が必要になるケースもあります。また、特に初めてのお産であれば、想像と現実が異なるケースもあるでしょう。バースプランが「絶対」だとは思わないほうがいい ですね。バースプランの内容を変更したくなれば、遠慮なく言って構いません。また、そもそもバースプランを提出できない産院もあります。特に、ハイリスクな妊産婦を受け入れている病院の場合、個人個人の希望に合わせる余裕がないケースが多いものです。バースプランで細かい要望を出したい場合は、対応してもらえる産院を早めに探しておくといいですね。【参考リンク】・バースプラン(BIRTHPLAN) | 高田医院()●ライター/yossy(フリーライター)●モデル/前田彩(桃花ちゃん)
2016年11月19日初めての妊娠では不安なこと、心配なことがたくさんあるでしょう。特に出産予定日が近づいてくると、お産に対する不安が日に日に増してくるはず。痛みはどれくらいなのか、お産はどういうタイミングで始まるのか、一層不安が募るばかりではないでしょうか。そこで今回は、これから初めての出産を迎えるママに向け、お産が近づいたことを知らせる、ママの体の変化やサインについてまとめてみました。■お産が近づくサインや自覚症状は人それぞれ一般的に、「おしるし」「陣痛」「破水」の3つがあれば、お産が始まる兆候だといわれています。しかし、それより前に「そろそろ産まれますよ~」と、お産が近づきつつあることを知らせるサインがいくつかあります。今回紹介するのは、そうしたサインについてです。ただし、体質や性格がそれぞれ違うように、お産が近づくサインも人それぞれです。その中でも、比較的主要なサインは以下の6つです。■もうすぐお産がくるサイン(1)お腹が張る赤ちゃんが外の世界に産まれ出ようとすると、だんだん下へ下へと赤ちゃんは下がっていきます。赤ちゃんが降りてくることでママのお腹は張りやすくなり、息苦しさを感じたり呼吸が荒くなったりすることがあります。■もうすぐお産がくるサイン(2)胃が楽になる出産が近づき、赤ちゃんが降りると、今まで子宮により圧迫されていた胃の不快感がなくなり、楽になります。それにより食欲が増加することもあるので、これまでと比べて食欲が増していると感じたなら、いつお産になっても良い準備をしておきましょう。■もうすぐお産がくるサイン(3)おりものの量が増える妊娠中は通常よりもおりものの量が多くなりますが、お産が近づいてくると、より一層おりものの量が増加します。おりものには、赤ちゃんが産道から出やすくなるための円滑剤のような働きがあり、お産が近づくと特に水っぽいおりものが出やすくなります。■もうすぐお産がくるサイン(4)トイレの回数が増える赤ちゃんが大きくなっていることで、だんだんトイレに行く回数が増えてきます。時には、尿意はあるのにおしっこが出ないというケースもあるでしょう。これは、膀胱が子宮で圧迫されることによる症状。トイレの回数が最近特に増えた気がする、と感じるならば、出産が近いサインかもしれません。■もうすぐお産がくるサイン(5)腰や足の付け根が痛くなる赤ちゃんが大きくなり、下に下がってくることで、恥骨や足の付け根部分、腰などにも大きな負担がかかります。不規則だったり、慢性的だったり、痛みの症状や度合いはそれぞれ違うようですが、足の付け根に痛みを感じるようになったら、いつお産になってもよいように、準備を整えておきましょう。■もうすぐお産がくるサイン(6)赤ちゃんの胎動が少なくなる赤ちゃんは生まれるタイミングが近づくと、下に下がって頭を骨盤にぴったりとはめるため、動きがだいぶおとなしくなります。それまで活発だった胎動が、急に弱まったなと感じた時は、お産が近づいている証拠です。そのほか、お腹に不規則な痛みを感じるようになった(前駆陣痛)もお産が近い兆候です。中にはこれらの自覚症状がまったくないまま陣痛を迎える人もいるので、一概には言えませんが、「こういったサインがあるかもしれない」ということを念頭に置いておくと、いざという時、役に立つでしょう。正期産(妊娠37~41週)に入ったら、いつ始まってもいいのがお産です。今のうちに、陣痛が始まったときの心構えをメモして、壁や冷蔵庫などの目につくところに貼り付けて、常に目にしておくのもよいかもしれませんね。
2015年04月09日11月3日は「いいお産の日」。出産の現状を知り、少しでもより良い物に変えるためのムーブメントとして、妊娠・出産・育児について語り合い、体感することができるイベントが全国各地で開催されている。10月29日(土)には、東京・青山にて、今年で6回目となる「いいお産の日in青山 2011」が開催。今年は被災地の子育ての現状や、子連れ出勤に関するトークなど、注目のプログラムが多数用意されている。「いいお産の日in青山 2011」のテーマは、ずばり“快適お産おっぱいライフ”。当日は、多彩なゲストを迎えるトークショーをはじめ、親子で楽しめる様々なワークショップも予定されている。中でも注目は、東日本大震災をテーマにしたトーク。ゲストに大船渡市の子育て中の女性と、被災されたお母さんたちのためのサロンを開いている助産師の方を迎え、被災地の子育ての現状について聞く。被災現場で子どもたちを守った生の体験談は、私たちに多くの教訓やメッセージを届けてくれるだろう。また、お産をめぐるこれからの動きとして注目したいのが「子連れワークスタイルサミット」。子連れ出勤を実践している女性と、それをサポートする社労士の方が登壇し、仕事と子育てを切り離さずに生きるライフスタイルについての現状と可能性について語り合う。子育て中の方に限らず、全ての女性にとって、これからの生き方を考えるきっかけになりそうだ。昨年開催された「いいお産の日in青山 2010」の様子この他にも、授乳ショー、親子で踊って楽しむベビーリトミック、ママさん写真教室、誕生学コーナーなど、興味深いイベントやブースがずらり。この機会にぜひ、家族で会場に足を運んでみよう。「いいお産の日in青山 2011」日時:2011年10月29日(土)13:30〜16:30 会場13:00(予定)会場:東京ウィメンズプラザ ホール入場料:無料(一部体験イベントを除く)取材/池田美砂子
2011年10月25日