国立がん研究センター(国立がん研)は11月9日、膵がん早期診断の血液バイオマーカーを発見したと発表した。同成果は、国立がん研 創薬臨床研究分野 本田一文 ユニット長の研究グループらによるもので、11月9日付の英オンライン科学誌「Scientific Reports」に掲載された。同研究グループはこれまでに、血液中に存在するタンパク質「apoA2 アイソフォーム」が膵がんや膵がんリスク疾患の患者で低下することを質量分析の結果から発見・報告していたが、今回、米国国立がん研究所(NCI)との共同研究においても、健常者に比べ早期膵がん患者でapoA2 アイソフォームが低下していることが確認された。また、既存の膵がんバイオマーカーである「CA19-9」と比べて高い精度でI期、II期膵がんを検出できることも確認。この結果からNCIは、apoA2 アイソフォームが膵がんにおける信頼性の高い血液バイオマーカーになりうる可能性があると評価している。また従来、apoA2 アイソフォーム濃度を計測するためには高価な機器を必要とする質量分析を用いた測定法しかなかったが、今回、同研究グループは、apoA2 アイソフォーム検査を実用化するために簡便な検査法の開発に取り組み、検査キット「Human APOA2 C-terminal ELISA kit(研究用試薬)」の作製に成功した。同検査キットで国内多施設共同研究で集められた膵がんを含む消化器疾患患者と健常者の血液検体を測定し、その判別性能を検討したところ、CA19-9に比べ、より高精度に早期膵がんを検出できたという。また、CA19-9が反応しない膵管内乳頭粘液性腫瘍や慢性膵炎などの膵がんリスク疾患も高い精度で検出。さらにapoA2 アイソフォームとCA19-9との組み合わせにより、早期膵がんの検出率はさらに向上した。今後、国立がん研と神戸大学などが協力し「apoA2 アイソフォームを用いた膵がん模擬検診」が開始予定。この模擬検診を含めたさらなる研究により、apoA2 アイソフォームの検査が本当に早期膵がんや膵がんリスク疾患を適切にスクリーニングでき、検診に実用化できるかどうかを確認していくという。また、同検査キットは研究用試薬であるため、体外診断薬としての承認を得ることも目指していく。
2015年11月10日国立がん研究センター(国立がん研)は11月4日、18歳未満の子供をもつがん患者とその子どもについて調査し、国内で1年間に新たに発生する患者とその子どもの人数などの全国推定値を明らかにしたと発表した。同調査では、2009年1月~2013年12月までの5年間に、初めて国立がん研中央病院に入院した20歳~59歳までのすべての患者を対象に、同居する18歳未満の子どもの有無と人数、子どもの年齢・性別、および患者自身の罹患したがんの種類について、電子カルテ上より集計された。さらに、これを2010年地域がん登録データおよび2011年院内がん登録データと突合させ、国内で1年間に新たに発生する患者とその子どもの人数などを推定した。この結果、国内全体では、1年間に新たに発生する18歳未満の子どものいるがん患者の数は5万6143人、またその子どもたちの数は8万7017人と推定された。これを2010年の人口構成データに当てはめると、1年間に自分の親が新たにがんと診断された子どもの割合は全体の約0.38%となる。また、ひとつのがん診療連携拠点病院においては、1年間におおよそ82人の18歳未満の子どもを持つがん患者と128人の子どもたちが新たに発生していることがわかった。18歳未満の子どものいるがん患者ががんと診断された平均年齢は、男性46.6歳に対して、女性43.7歳。がんの種類は、男性では胃がん(15.6%)、肺がん(13.2%)の順に多く、女性では乳がん(40.1%)、子宮がん(10.4%)の順に多いという結果になった。また、親ががんと診断された子どもの平均年齢は11.2歳であり、子どもの年齢の上昇とともに人数が増えていくことがわかった。
2015年11月04日熊本大学は11月2日、皮膚がんの一種である血管肉腫のがん細胞では、本来は別々であるはずの遺伝子が融合していて、その融合遺伝子ががんの発生に関わっていることを発見したと発表した。同成果は熊本大学生命科学研究部・皮膚病態治療再建学分野の神人正寿 准教授らの研究グループと、北里大学の共同研究によるもので、11月1日に科学誌「Cancer Research」に掲載された。血管肉腫は血管やリンパ管の細胞から発生し、皮膚上では年配の人の頭部にできることが多い。発見されづらく、リンパ節や内蔵に転移していってしまうが、放射線療法や化学療法などの治療が効きづらいため、新しい診断法と治療法の開発が必要とされている。がんの主な原因としてがん遺伝子の変異があるが、今回の研究では、血管肉腫のがん細胞では通常の遺伝子変異とは異なり、NUP160とSLC43A3という本来とは別々の遺伝子が異常に融合してしまっていることを発見。この「NUP160-SLC43A3融合遺伝子」は染色体の一部が切り取られ、別の染色体にくっついた結果2つの遺伝子が融合して作られると考えられており、融合遺伝子が陰性の患者と比べて、がんの進行が早い可能性があるという。また、NUP160-SLC43A3融合遺伝子をマウスに注射したところ、がん化したため、がんの発生との確認が確認されたほか、NUP160-SLC43A3融合遺伝子を血管肉腫の細胞から除去すると血管肉腫の細胞の数が減少したため、治療につながる可能性も確認された。融合遺伝子はこれまで白血病や悪性リンパ腫などのがんでも発見されており、融合遺伝子を検出することで高精度・高感度の診断が可能となる。肺がんの一部ではすでに遺伝子検査が保険適応となっており、融合遺伝子の働きを阻害する薬剤が高い治療効果を発揮していることから、今回の血管肉腫における融合遺伝子の発見は、皮膚がんの原因の解明だけでなく、簡単な診断や特効薬の開発にもつながることが期待される。
2015年11月02日国立がん研究センター(国立がん研)は10月29日、「国際がん研究組織(IARC)」が、ソーセージなどの加工肉や豚や牛などの肉(赤肉)などに発がん性がある、との報告を10月26日に行ったのを踏まえ、日本人における赤肉および加工肉の摂取量と大腸がん罹患リスクについての見解を公開した。IARCの実施した今回の評価は、10カ国、22人の専門家によるもので、その評価は全世界地域の人を対象とした疫学研究(エビデンス)、動物実験研究、メカニズム研究からなる科学的証拠に基づく総合的な判定となっている。結果としては、加工肉について「人に対して発がん性がある(Group1)」と、主に大腸がんに対する疫学研究の十分な証拠に基づいて判定されたほか、赤肉については疫学研究からの証拠は限定的ながら、メカニズムを裏付ける相応の証拠があることから、「おそらく人に対して発がん性がある(Group2A)」との判定がなされた。こうした判定は2007年にも世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究協会(AICR)が、赤肉、加工肉の摂取が確実に大腸がんのリスクを上げるとの評価報告を行っており、赤肉は調理後の重量で週500g以内、加工肉はできるだけ控えるように、と勧告していた。IARCの評価の基となった全世界地域の論文の赤肉摂取の範囲はおおむね1日あたり50~100gで、中には200g以上と高い地域もあったが、2013年の国民健康・栄養調査による日本人の赤肉・加工肉の摂取量は1日あたり63g(うち、赤肉は50g、加工肉は13g)で、世界的に見ても摂取量の低い国の1つにあたるという。同センターでも2011年に、国内の45~74歳の男女約8万人を対象に赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて追跡調査を行った結果を発表している。結果の内容としては、例えば、女性では毎日赤肉を80g(調理前の重量。調理後は20%程度重量が減少)以上食べるグループで結腸がんのリスクが高く、それ以下の摂取量ではリスク上昇はみられなかったほか、男性では鶏肉も含む肉全体では摂取量の最も高いグループでリスク上昇がみられましたものの、赤肉では特に関連はみられなかったとしている。また、加工肉については男女ともに関連はみられなかったともしており、結論として、大腸がんの発生に関して、日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉や加工肉がリスクに与える影響は無いか、あっても、小さいと言えるとしている。また、同センターにて、さまざまな生活習慣とがんとの関連について日本人を対象とした研究を基にIARCやWCRF/AICRによる報告書の手法を準用して評価を行ったところ、加工肉と大腸がんとの関連については、「可能性あり」との判定であり、海外に比べて弱い判定結果となるとする。今回のIARCの判定は、あくまで大腸がんを主体としたものであり、健康全般を考慮した場合、赤肉はたんぱく質やビタミンB、鉄、亜鉛といった健康維持にとって有用な成分をたくさん含んでいるほか、飽和脂肪酸も摂りすぎは動脈硬化、その結果としての心筋梗塞のリスクを高めるものの、少なすぎると脳卒中(特に、出血性)のリスクを高めることも分かっており、日本においては心筋梗塞より脳卒中の罹患率の方が高いことから、総合的にみても、今回の評価を受けて極端に量を制限する必要性はないと言えると同センターではコメントしている。なお、同センターでは、生活習慣要因の判定結果を基に、現状において推奨できる科学的根拠に基づくがん予防法「日本人のためのがん予防法」を提示しており、そこで定められた健康習慣全般に気を配ることが大切であり、食事要因については「塩蔵品を控えること」「野菜・果物不足にならないこと」「熱い飲食物をとらないこと」を目標に定めている。
2015年10月29日国立がん研究センター(国がん)は10月19日、腹腔鏡手術支援ロボットの開発を行うA-Tractionを国立がん研究センター発ベンチャーとして認定したと発表した。国がんでは、同センターの役職員が得た知的財産権や研究成果などを活用するために設立したベンチャー企業からの申請に対し、研究成果の活用が期待できると判断した企業を国立がん研究センター発ベンチャーとして認定している。初めて認定されたのはがん免疫療法の研究開発を行うノイルイミューン・バイオテックで、A-Tractionは2社目となる。腹腔鏡手術支援ロボットは米Intuitive Surgicalのda Vinciがほぼ独占している状況にある。日本でも研究開発が進んでいたが、製品化までのハードルが高く大手企業が参入しにくいことなどから、製品化という点で世界から後れをとっているのが現状だ。2015年8月に設立されたA-Tractionはベンチャーというフットワークの軽さを生かして世界に対抗できる手術支援ロボットを製品化し、より質の高い手術を実現することを目的とする。今回の認定を受けて同社は「手術支援ロボットの開発を通じて、日本の腹腔鏡手術の精度と安全性を向上させ、より多くの患者さんに質の高い手術を受けていただけるよう、邁進してまいります」とコメントしている。
2015年10月19日国立がん研究センター(国がん)は9月14日、全国のがん診療拠点病院の177施設約17万症例を対象とした、主要5部位のがんの5年相対生存率を公表した。相対生存率とは、がんと診断された場合に、治療でどのくらい生命を救えるかを示す指標。5年相対生存率であれば、あるがんのうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体で5年後に生存している人の割合に比べてどの程度低いかで表される。今回発表されたのは2007年にがん診療拠点病院で治療を開始した患者の5年相対生存率。発表によると、全がんの5年相対生存率は64.3%、各部位で見ると胃が71.2%、大腸が72.1%、肝臓が35.9%、肺が39.4%、女性乳房が92.2%だった。合わせて都道府県別のデータも発表されたが、データの安定性を高めるために、予後把握率90%以上かつ集計対象が50例以上の施設が2施設以上ある都道府県のデータのみ公表しており、単純に比較することはできない。また、年齢分布や病期なども集計しており、国がんは「年齢の分布、病期、手術の割合などで生存率は変わってくる。そうした要素を見ながら分析していただくことに今回のデータの意義がある。各都道府県が分析を通じて、例えば検診の受診率を上げるための取り組みを検討するなど、対策を立てるためのベースとしてほしい」としている。集計するにあたっての課題もあり、生存状況も把握するために地方自治体に外部照会が必要となった際に、個人情報保護などを理由に協力を拒む自治体もあったという。この点については2016年診断例からは全国がん登録が実施され、各施設での生存確認調査がより円滑になると期待されている。なお、2016年診断例の集計結果が公表されるのは2023年の予定で、2022年の発表までは現状の課題を抱えることになる。2008年症例分以降は、都道府県別では主要5部位以外も集計・公表をする方向で検討を進めているほか、施設別生存率を公表する方針だが、国がんは「施設別相対生存率では数字のばらつきがより顕著になる。数字の安定性・相対生存率の意義に関する理解を深める必要がある」としている。
2015年09月15日DeNAは8月27日、同社の子会社であるDeNAライフサイエンスが提供する遺伝子検査サービス「MYCODE」の新たなメニューとしてがんに特化した「がんパック」を追加し、同日より提供開始すると発表した。また、説明会では、提供開始から1周年を向かえた同サービスのこれまでのあゆみを振り返るとともに、今後の展望を明らかにした。「がんパック」は「MYCODE」で提供されている全てのがん38項目を対象としており、「項目数が多くて見きれない。もっと特化したものがほしい」とうユーザーの要望を実現したものとなっている。通常価格は14800円(税別)だが、9月30日までの期間限定で9800円(税別)の特別価格で販売される。なお「がんパック」を購入すれば、「MYCODE」で提供している生活習慣病をはじめとするその他の項目についても、検査後に追加購入することが可能だ。「MYCODE」では、他にもユーザーの声をきっかけとしたサービスを追加していく予定で、「結果をどう捉え、結果を踏まえてどう行動すればいいのかわからない」という意見を受けて、検査後に管理栄養士とTV電話を通じて50分の詳しいアドバイスを受けられるサービスを2980円で9月下旬から提供開始する。さらに、最新の遺伝研究に関する論文に基づいた検査結果のアップデートが今秋に予定されているほか、自分の祖先を調べることができる「ディスカバリー」の検査結果から提供しているオリジナルキャラクター「ゲノミー」を活用したエンターテイメントコンテンツの充実や、遺伝子に関わる研究を幅広く紹介する、ユーザー参加型の新コンテンツを9月中旬から提供するなど、サービス内容の拡充を今後も続けていくとした。2014年8月12日にサービスを開始しして以来、最大280項目の検査結果を提供する「ヘルスケア」をメイン商品として、その簡易版である「ヘルスケアLite」、上述の「ディスカバリー」を展開し、このラインアップに今回「がんパック」が加えられたわけだが、同サービスはまだこれからといった段階にある。そもそも、遺伝子検査市場というのは法整備の面を含めて未成熟で、その点についてDeNAライフサイエンスの大井潤社長は「今は市場の立ち上げに向けて頑張っている。競合各社と『競争』ではなく『共創』をしている段階だ」と説明する。一方、サービスそのものの品質には大きな手応えを感じており、「(検査を受ける前と受けた後で)半分くらいの人が食事を気にするようになったとアンケートに答えている。また、タバコでも10%の人が禁煙を始めた。この10%は結構高い数値で、我々の検査の意義を表している数値といえる。」(大井社長)。実際、「MYCODE」で高リスクと判定されたことがきっかけで、食道がんが見つかった例もあるという。ユーザーに気づきを与えることで健康意識を高め、さまざまな病気の予防につなげるという同サービスのコンセプトが実現しているだけに、ビジネスとして成長していくためには認知度と信頼性が重要になってくる。認知度向上のための取り組みとしては、神奈川県で来年1月末まで20歳以上の県民を対象に「ヘルスケア」と「がんパック」が4割引で購入できる事業を開始しているほか、DeNAベイスターズと連携したプロモーションを展開する。また、医療機関・スポーツクラブとの連携を通じて販売チャネルを増やすと同時に、ユーザー側の遺伝子リテラシーの向上を促進する。一方、信頼性の面ではプライバシーや分析の質、結果の科学的根拠、情報提供の方法など、消費者が安心して遺伝子検査を受けられるような環境整備が必要となる。国内では2004年に個人遺伝情報保護ガイドラインが経済産業省により制定されているほか、2006年に発足し、DeNAライフサイエンスも参画しているNPO法人個人遺伝情報取扱協議会(CPGI)が今年の秋ごろに自主基準認定制度の運用を開始する予定だ。
2015年08月28日味の素は8月7日、同社のがんリスクスクリーニング検査「アミノインデックス(AICS)」が、膵臓がんの早期発見に対応したと発表した。AICSは、味の素と臨床検査会社であるエスアールエルが2011年より共同で提供している検査で、血中アミノ酸濃度バランスの変化を解析・指標化し、胃がんや肺がんなどのリスクを調べることができる。検査に要する血がわずか5mlと少量なことから、体に負担の少ないスクリーニング検査となっており、2015年7月現在で956の医療機関で受診可能となっているほか、地方自治体の住民検診に採用されるなど普及が進んでいる。これまでは胃がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん(男性のみ)、乳がん(女性のみ)、子宮・卵巣がん(女性のみ)という6種類のがんを対象としていたが、膵臓がんが新たに加えられた。これは、味の素と大阪府立成人病センターの片山和宏 副院長を中心としたグループとの多施設共同研究による成果で、膵臓がん患者360名と健康な人8372名の血中アミノ酸濃度バランスの変化を解析した結果、膵臓がん患者の血中アミノ酸濃度バランスが有意に変化していることがわかった。また、手術可能な段階の患者でも進行がん患者と同様の変化を示すことが判明し、その変化を解析する事で、膵臓がんの早期発見技術の開発が可能となった。膵臓がんは早期の発見が難しく、切除手術も長時間となり患者への負担が大きいだけでなく、腫瘍が2cmを超えると周囲へ浸潤して取りきれないことがあるなど、治療が極めて難しいがんとして知られているだけに、AICSによる膵臓がんの早期発見が可能となり、より効果的な治療につながることが期待される。
2015年08月07日国立がん研究センターはこのほど、全国のがん診療連携拠点病院409施設で2013年の1年間にがんと診断された患者の診療情報を集計し、その結果を明らかにした。同集計は2007年分から開始し、今回で7回目の集計となる。今回は、全国のがん診療連携拠点病院で2013年1月1日~12月31日までの1年間、院内がん登録された診療情報を集計した。自施設で診断または他の病院で診断された後、自施設に初めて受診した、すべてのがんおよび脳腫瘍の患者数を示す「全登録数」は、409施設で65万6,272例だった。これは日本全体のがん罹患(りかん)数の約70%にあたる。全登録数は、2009年からは毎年増加している。男女計の部位別の登録割合を見ると、最も多いのは「大腸」(14%)で、次いで「胃」(12%)、「肺」(11%)、「乳房」(10%)、「前立腺」(8%)と続いた。男女別で見ると、男性の5大がん(胃、大腸、肝臓、肺、前立腺)は、2007年の集計以来、初めて大腸が胃を上回り最多となった。女性の5大がん(胃、大腸、肝臓、肺、乳房)では、乳房と大腸が胃と肺の登録数に比べて増加の傾きが急になっている。上位10部位の登録数においては、子宮頸部と膵臓(すいぞう)が順位を上げ、肝臓と子宮頸部の順位が逆転した。また、膀胱(ぼうこう)がランク外になり膵臓が9位(前回11位)に順位を上げている。同調査の集計結果は、ウェブサイト「がん情報サービスがん登録・がん統計」でも公開している。
2015年08月06日国立がん研究センターは7月16日、肺がんの中でも特に難治性が高い肺小細胞がん110例の全ゲノム解読を実施したと発表した。同成果は同センターが愛知県がんセンターの研究グループとともに参画した、独ケルン大学が主導する16カ国の研究機関からなる国際共同プロジェクトによるもので、英科学誌「Nature」に研究成果に関する論文が掲載された。肺小細胞がんはほとんどが進行がんとして発見され、ゲノム解析に適する手術試料が得られにくい。そのため、今回の研究では、各国の研究機関からこれまでに集めた肺小細胞がんの試料を集結させて解析。肺小細胞がんで高頻度に不活性化している遺伝子群を同定するなどの成果が得られたという。今後、同研究で得られたデータを活用することで肺小細胞がんの新たな治療・診断法の開発につながることが期待される。
2015年07月17日いまや、2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで亡くなる時代。しかし、実はその半分近くが予防できることもまた事実。そう明かしているのは、『がんにならないのはどっち?』(秋津壽男著、あさ出版)の著者。これまでにも『長生きするのはどっち?』(あさ出版)などのベストセラーを送り出してきた医師ですが、今回はがんをテーマに、知っておきたいことを二択の質問形式でまとめているわけです。最大のポイントは、正しい情報に基づいた予防法に取り組めば、がんの9割は予防できるということ。そのためにおぼえておきたい2つのことを、第3章「『がん習慣』のどっち」から引き出してみたいと思います。■1:「日傘をさす」と「日焼け止めを塗る」皮膚がんになる習慣はどっち?「太陽からの紫外線を浴びると、皮膚がんになる」、これは正しい情報だそうです。理由は、紫外線を浴びると、皮膚の遺伝子が傷つくから。遺伝子の傷は通常2日ほどで修復されますが、このとき遺伝子のプログラムが誤って修復され、皮膚がんになることがあるというのです。また美容面では、「肌の色が黒くなる」「長年大量に浴び続けることによってメラニンが過剰につくられ、シミやソバカスとなる」といったことも懸念されるとか。そこで美容面を気にして、日傘をさす、帽子をかぶる、日焼け止めクリームを塗るなどの対策をしている女性も多いことでしょう。しかし、これらのなかで「日焼け止めクリーム」はオススメできないと著者。なぜならほとんどの日焼け止めクリームは、それ自体に皮膚がんを起こす「酸化チタン」という成分が含まれるから。最近はこの問題が知られるようになり、自然化粧品のメーカーなどで酸化チタンや化学化合物を使用しないUVケア製品が販売されるようになったといいます。どんな成分が使われているか、しっかりチェックしたいところです。■2:「ランニング」と「ウォーキング」がんに対する免疫を下げるのはどっち?健康のため、習慣的に運動やスポーツを行なっている人も多いと思いますが、意外なことにランニングやテニスなどのスポーツは、がんを抑制するNK(ナチュラルキラー)細胞の活性を低下させる恐れがあるのだそうです。免疫細胞の仲間であるNK細胞は、体内をパトロールしながら、がん細胞やウイスルに感染した細胞を見つけると攻撃してくれる優秀なボディーガード。しかしその働きは、激しい運動のストレスによって低下してしまうのだというのです。たとえば、2時間半のランニング後にNK細胞の活性が50~60%低下したという報告もあるとか。つまり、激しい運動はからだの免疫力を低下させるということです。ただし、まったく運動をしない場合もNK細胞の活性は下がるので注意が必要。自分にとって無理のない適度なペースで、楽しみながらウォーキングする程度が、もっともNK細胞を活性化させるといいます。*このように、がんについての知識がわかりやすく解説されています。予防の意味でも、ぜひ目を通しておきたい一冊です。(文/印南敦史)【参考】※秋津壽男(2015)『がんにならないのはどっち?』あさ出版
2015年07月16日MSDは6月22日、国立がん研究センター(国がん)と「SCRUM-Japan(Cancer Genome Screening Project for Individualized Medicine in Japan:産学連携全国がんゲノムスクリーニング)」に基づく遺伝子変異スクリーニングに関する共同研究契約を締結したと発表した。「SCRUM-Japan」は、国立がん研究センターが、個々のがん患者に最適な医療を提供することを目的に、全国の医療機関、製薬企業と協力して実施するがん遺伝子異常スクリーニング事業。大規模な遺伝子異常のスクリーニングにより、希少頻度の遺伝子異常をもつがん患者を見つけ出し、遺伝子解析の結果に基づいた有効な治療薬を届けること、ならびに複数の遺伝子異常が同時に検出できるマルチプレックス診断薬を臨床応用することをミッションとしており、特定の異常が見つかった患者は、対応する治療薬の臨床試験へ参加できる可能性がある。また、患者の遺伝子情報と診療情報は、治療選択の参考として用いられるほか、匿名化処理された後にデータベースに登録され、新たながん診断・治療薬の研究開発のために2次利用される。なお、MSDでは、今回の事業参加を通じて、個別のがん患者に最適な治療薬の開発が期待されることを踏まえ、がん領域における研究・開発を推進していきたいとしている。
2015年06月23日肥満の人と、10年間喫煙を続けた人。どちらががんになりやすいと思いますか?答えはなんと、肥満の人なのです!がんの最大の原因は、あと10年で喫煙よりも肥満になるだろうと専門家は予測しています。がんの研究者は、抗がん剤に頼る化学療法だけではなく、食事や運動療法によって予防に努めるべきだと主張。肥満はがんを発症するリスクを高めるだけではなく、死亡率さえ高めます。それにも関わらず、WHOは英国の成人肥満率が2030年までに、1/4から1/3まで上昇すると予測しています。こうした肥満の恐ろしさについて、イギリスのニュースサイト『Daily Mail Online』の記事を参考にまとめました。■肥満はがんの死亡率を上げるボストンのハーバード・メディカル・スクールの研究員、ジェニファー博士が率いる研究チームは、肥満とがんとの関連を3年にわたって研究しました。すると20年前の生活と比べると、がんの原因において肥満が占める率が上昇していることがわかったのです。これは人々が、肥満が心臓病や糖尿病にリスクがあることは知っていても、がんのリスクやがんの死亡率を上げていることは認識していないためだと指摘されています。■肥満対策はまだ不十分な状況政府は過去10年間で、タバコ税の引き上げや公共施設での喫煙を禁止するなど、喫煙については幾つもの対策を取ってきました。しかし肥満についての対策は根付いているとは言えません。がんに対する喫煙対策は万全でも、肥満対策はまだ不十分と言えるでしょう。ハーバード大学の研究者は、肥満は乳がん、前立腺がん、大腸がん、子宮頸がんを含むさまざまな腫瘍のリスクを上昇させていると言います。彼らの研究によると、がんと診断された時に肥満であった女性患者は、乳がんの死亡率が75%であることがわかりました。また、肥満率がとても高い女性は、子宮がんを発症する確率が普通の女性の6倍以上でした。別の研究では、がんと診断された後でも積極的に運動をして脂肪を落とした患者は、生存率が2倍にアップしたことがわかっています。以上の結果から、研究者は、人々には基礎的な食事療法と運動プログラムこそ重要であると主張しているのです!■喫煙よりも肥満を改善すべきニューヨークのマウントサイナイ病院のパメラ・グッドウィン博士も、喫煙よりも肥満ががんの原因となっていると主張しています。肥満は体内のホルモン量を変化させてしまい、結果としてがんになりやすい体になってしまうというのです。実際に肥満ががんの治療を妨害し、患者の回復を妨げているとグッドウィン博士は言います。次世代のがんの原因は、肥満ではなく喫煙であると確実に言えることでしょう。喫煙者がタバコをやめるのは重労働ですが、肥満にならないために食事の改善をするのは容易いことです。がんは恐ろしい病気。がんの発症率を確実に上げてしまう肥満体にならないように、今できる食生活の改善から始めましょう。甘いものを摂りすぎず、適度な食事量を守りましょう。適度に運動もできれば、より健康な生活を送れますね。(文/和洲太郎)【参考】※Obesity will cause more cancers than smoking in ten years-Daily Mail Online
2015年06月15日国立がん研究センター がん予防・検診研究センターはこのほど、健診ツール「5つの健康習慣によるがんリスクチェック」をホームページで公開した。○チェック後は改善シミュレーションも可能「がんリスクチェック」は2011年4月に開設。「がんと循環器の病気リスクチェック」を公開して以降、男性を対象とした「大腸がんリスクチェック」「脳卒中リスクチェック」を公開。今回新たに5つの健康習慣によるがんリスクチェックを加え公開した。いずれのチェックも10問以内の簡単な設問で構成され、短時間でチェックすることができる。5つの健康習慣によるがんリスクチェックは、45歳から74歳の男女が対象。「禁煙」「節酒」「塩分控えめ」「運動習慣」「適正BMI」の5つの健康習慣をどれだけ守っているかを診断し、今後10年の間にがんに罹るリスクを算出する。チェックを進める中で5つの健康習慣の知識が得られ、リスクチェックの後に改善シミュレーションにもトライできる。
2015年06月15日国立がん研究センター(国がん)がん予防・検診研究センターは6月12日、2011年に開発しWeb上で公開していた、生活習慣などに関する質問に答えることでがんなどの発生リスクを算出する診断ツール「がんリスクチェック」に、新たに「5つの健康習慣によるがんリスクチェック」を追加したと発表した。がんリスクチェックは、チェックを進める過程で、生活習慣の改善によるがん予防の実践への動機づけを行い、がん罹患率の減少を目指すことを目的に開発、公開されているもの。新たに追加された5つの健康習慣によるがんリスクチェックは、45歳から74歳の男女が対象で、「喫煙」、「飲酒」、「食習慣(塩分)」、「運動習慣」、「肥満度(適正BMI)」の5つの健康習慣について、現在の習慣を続けた場合、今後10年の間にがんに罹るリスクを算出するというものとなっている。チェックを進める中で、5つの健康習慣の知識が得られるほか、リスクチェックの後に、改善シミュレーションにもトライすることもできるという。
2015年06月12日「三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE」の岩田剛典、今市隆二、登坂広臣が5月21日(木)、東京スカイツリーで行われたサマンサティアラジュエリーの新CMお披露目会に登場した。以前より公開されていたCMは、サマンサティアラの新作ジュエリーを選ぶ岩田さん、今市さん、登坂さんの姿が印象的な映像。相手の喜ぶ顔を想像しながら選ぶ姿に、多く女性が虜になった。今回イベントでお披露目されたのは新しく撮影されたCM。ホテルのスウィートルームで撮ったという新CMがスクリーンに映し出されると、「ちょっとダンディな感じで…照れますね」と今市さん。もし彼女とホテルでこのシュチュエーションになったら?の問いには岩田さんは少し考えながらも「ちょっと先にシャワー浴びてくるわ」と話すと、悲鳴のような歓声が。それを聞いた登坂さんは「そしたら俺は『後でシャワー浴びるわ』にするわ。がんちゃんが先に浴びるなら…後にするよ」と仲の良さを示した。最後には、東京スカイツリー開業3周年の3にちなんで三代目カラーのブルーに染まると同時に、集まったファン全員に配られたペンライトもブルーに。メンバーの3人も感激した様子だった。(text:cinemacafe.net)
2015年05月22日東京海上日動あんしん生命保険はこのたび、7月2日より新がん保険「がん治療支援保険NEO」(正式名称:がん治療支援保険NEO(無解約返戻金型))および「がん診断保険R」(正式名称:がん診断保険(無解約返戻金型)健康還付特則 付加)を発売すると発表した。昨今、医療技術の進歩により、正常細胞を傷つけにくい放射線治療や副作用の少ない抗がん剤など、がん治療の選択肢が増えるとともに、これらの治療方法を併用するケースも増えているという。同社は、このような最新の治療実態を踏まえて保障の充実を図るとともに、顧客の要望にあった自在性のあるプラン設計を可能とする「がん治療支援保険NEO」を新たに開発したという。また、発売以来好評を得ているという「メディカルKit R」と同様の仕組みをがん保険にも導入した「がん診断保険R」を開発した。この商品は終身にわたって保険料を払込むことで月々の保険料負担を抑えつつ、70歳までの保険料合計額から診断給付金合計額を差し引いた残額を契約者に戻す機能を備えており、業界初という商品としている(5月同社調べ)。同社は、2007年9月発売の「がん治療支援保険」の発売以来、経済的な支援にとどまらず、予防から罹患時の心のケアまで顧客を総合的にサポートする「お客様をがんからお守りする運動」を展開しきたという。同新商品の発売により、これまで以上に「お客様をがんからお守りする運動」を強化していくとしている。○商品の特長がん治療支援保険NEOa.抗がん剤治療特約の改定:抗がん剤治療は、治療期間が長期にわたるケースが多く、がん治療の中でも金銭的な負担の大きい治療方法。昨今では副作用の少ない抗がん剤が増え、抗がん剤治療を受ける患者様も増えている。そのためこのたびの改定では、万一の際に、より多くの顧客が金銭的な不安なく、抗がん剤治療を受けられるよう、対象となる抗がん剤の範囲を拡大し、保険料を引き下げたb.悪性新生物初回診断特約の新設:初めて悪性新生物(上皮内がんは対象外)と診断された場合、診断保険金を支払う。最新の治療方法は高額なものもあり、複数の治療方法を組み合わせるケースも増えている。金銭的な不安を抱えずに、最良の治療方法を選択できるよう、初回のがんに対する保障を低廉な保険料で手厚くカバーできるc.上皮内がんの診断給付金支払の改定:最新の治療実態を踏まえたa.b.の特約により、金銭的負担の重いケースに備えることができる改定を実施した上で、高額な治療費がかかることの少ない上皮内がんについては、診断給付金の支払いを保険期間を通じて1回とする(支払う診断給付金額は100%)がん診断保険R同商品は同社が2013年1月に発売した医療保険「メディカルKit R」と同様の仕組みを、がん保険にも導入した新商品。なお、「メディカルKit R」は、発売以来、販売件数40万件を突破した(3月末現在)a.70歳までの保険料がリターン(Return):70歳まで、診断給付金の支払いがない場合、払込みした保険料が全額、健康還付給付金として戻ってくる。70歳までに、診断給付金の支払があった場合でも、払込みした保険料が支払った診断給付金の金額を上回るときは、その差額が戻ってくるb.一生涯のがん保障を加入時のお手頃な保険料でリザーブ(Reserve):診断給付金の支払いがなく、払込みした保険料を健康還付給付金として全額受け取った場合、万一がんと診断確定され診断給付金を受け取った場合、いずれも保険料は加入時の金額のまま変わらず、保障を一生涯続けることができる○商品概要保障内容がんに対する保障を確保する。また、各種特約を顧客のニーズにあわせ付加できる保険料例
2015年05月19日武田薬品工業(武田薬品)と国立がん研究センター(国がん)は5月8日、研究開発に関する契約を締結したと発表した。両社は今後、研究者や医師の交流を促進し、がんの発症メカニズムなどの基礎研究を進展させ、得られた成果を臨床開発研究へ応用していくことで新たな治療オプションの探索を進めていく。また、武田薬品は、国がんが進めている産学連携全国がんゲノムスクリーニング事業「SCRUM-Japan」に参画する。「SCRUM-Japan」は全国の医療機関と製薬企業とが協力して実施するがん遺伝子異常スクリーニング事業。同事業で構築される遺伝子情報と診療情報を合わせたデータベースにアクセスすることで、新たな医薬品の研究開発を加速させることができるとしている。武田薬品は「国がんの臨床研究における知見と、当社の保有する技術基盤を融合させることで、より早く、革新的な治療を患者様と医療関係者の皆様にお届けできるものと期待しています」とコメントしている。
2015年05月11日国立がん研究センターはこのほど、コーヒーと緑茶摂取に関する全死亡リスクおよびがんや心疾患、脳血管疾患などの死亡リスクとの関係について明らかにした。同センターは、コーヒーと緑茶摂取と死亡リスクについて検討するため、多目的コホート研究を実施。多目的コホート研究では、40~69歳の男女約9万人を対象として1990年または1993年から2011年まで追跡調査した。調査から得られた結果をもとに、緑茶とコーヒーの習慣的摂取と全死亡およびがんなどの主要死因死亡リスクとの関連を調べたという。約19年(平均)の追跡期間中に1万2,874人が亡くなったが、その内訳は5,327人ががん、1,577人が心疾患、1,264人が脳血管疾患、783人が呼吸器疾患、992人が外因による死亡だったとのこと。結果を解析したところ、緑茶を一日1杯未満飲むグループを基準として比較した場合、一日5杯以上摂取したグループの全死亡リスクは、男性が「0.87」、女性が「0.83」となっており、それぞれ13%、17%もリスクが低下していることになる。また、摂取量が増えるにつれてリスクが下がる「負の相関」が見られていた。死因別では、がん死亡との関連は男女とも見られなかったが、心疾患による死亡は男女ともリスクが低くなっており、脳血管疾患と呼吸器疾患については男性でのみ低いという結果だった。緑茶摂取で心疾患などによる死亡リスクの低下が確認された理由について、同センターは緑茶に含まれ、血圧や体脂肪、脂質の調整作用があると言われる「カテキン」の効果によるものではないかと推定している。コーヒー摂取と死亡リスクの関連についても、同コホート研究による追跡調査から明らかになっている。研究開始時のコーヒーを飲む頻度に関する質問への回答から、調査対象者をコーヒーを飲む量に応じて5グループ(「ほとんど飲まない」~「一日5杯以上飲む」)に分類し、その後の全死亡およびがんや心疾患などによる死亡との関連性を調べた。その結果、コーヒーをほとんど飲まないグループを基準として比較した場合、一日3~4杯飲むグループの全死亡リスクが最も低くなっていた(0.76)。すなわち、コーヒーを1日3~4杯飲む人の死亡リスクは、全く飲まない人に比べ24%低いことになる。また、飲む量が増えるほど死亡リスクが下がる傾向があることも統計的に有意だった。死因別についても心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患については、コーヒー摂取による有意なリスク低下が見られた。同センターは、血糖値を改善し、血圧を調整する効果があるとされているクロロゲン酸や、血管内皮の機能を改善する効果があるとされているカフェインがコーヒーに含まれていることが、今回の結果につながったのではないかと推測している。ただ、同センターは「一日4杯までのコーヒー摂取は死亡リスク低下と有意な関連があることが示唆されました」とする一方で、「この研究で用いた質問票では、缶コーヒー、インスタントコーヒー、レギュラーコーヒーを含むコーヒーの摂取頻度を尋ねており、またカフェインとカフェイン抜きコーヒーを分けてはいませんので、この点をご留意ください」としている。なお、詳細は国立がん研究センターのホームページで確認することができる。※画像はすべて国立がん研究センターより
2015年05月07日国立がん研究センター がん対策情報センターはこのほど、2015年のがん罹患(りかん)数と死亡数の予測を明らかにした。がん情報の総合サイト「がん情報サービス」で公開している。同予測の「罹患数」とは、新たにがんと診断されるがんの数のことで、「死亡数」はがんで亡くなる人の数を指す。同センターでは、2015年の予測がん罹患数は98万2,100例(男性56万300例、女性42万1,800例)で、2014年の予測値より約10万例増加すると予測した。部位別で見ると、大腸がんと前立腺がんの罹患が増加し、男性では前立腺が最多となっている。同センターでは、2014年予測値と比べて罹患数が増加した要因として、高齢化とがん登録精度の向上を挙げている。前立腺がんの増加も、PSA(prostate specific antigen: 前立腺特異抗原)検診の普及が寄与していると考えられている。死亡数は、37万900人(男性21万9,200人、女性15万1,700人)。2014年の予測値より約4,000人の増加で大きな変化はないという。部位別で見ると、全体では大腸の順位が上がっているが、男女別での順位変動はなく2014年と同様の傾向にある。1980年頃からのデータと比較すると、罹患数、死亡数とも胃がんと肝臓がんの順位が下がり、肺がんと大腸がんの順位が上がっている。胃がんは高齢化の影響を除くと罹患数・死亡数は少ない傾向にあるが、高齢化の影響で増加または横ばいとなっているという。前立腺がんとともに、女性の乳がんの罹患率も高い(乳がんのデータは2003年以降)。なお、予測精度は主要部位の5年間の予測について、実測値と比較することで検証されているが、予測不能な要因などにより誤差が伴う場合もある。また、前立腺がんの罹患は、検診の動向などによって変動がありえるとのこと。
2015年04月30日国立がん研究センター(国がん)は4月28日、2015年に新たにがんと診断される患者の数(罹患数)と死亡数の予測を発表した。この予測値は地域がん登録数による1975~2011年の推計、人口動態統計がん死亡数1975~2013年の実測値、および将来推計人口をベースに算出されたもので、2014年より公開されている。まず、予測がん罹患数は98万2100例(男性:56万300例、女性:42万1800例)で、2014年予測値より10万例増加した。部位別罹患数では、大腸がん、前立腺がんの罹患が増加し、男性では前立腺がんが最多となった。国がんは罹患数の予測値が増加した要因として、高齢化やがん登録精度の向上などを挙げた。一方、死亡数については37万900人(男性:21万9200人、女性:15万1700人)と予測され、2014年の予測値から約4000人増、2013年の実測値からは約5000人増となった。部位別では肺、大腸、胃、膵臓、肝臓の順に死亡数が多いという予測となった。
2015年04月28日国立がん研究センターは4月2日、乳がんの脳転移にがん細胞から分泌される微小な小胞エクソームが関わっていると発表した。同成果は分子細胞治療研究分野の富永直臣 研修生、落合孝広 分野長の研究グループによるもので、4月1日付けの米科学誌「Nature Communications」電子版に掲載された。乳がんは比較的予後の良いがんとして知られる一方、治療後、長期間を経て脳転移が認められることがある。脳への転移は予後に大きな影響を及ぼしQOLを著しく低下させるが、そのメカニズムについてはわかっていなかった。同研究では、がん細胞が分泌する直径約100nmの顆粒(エクソーム)が、脳血管で物質透過を制限しているBBBという生体バリア構造を破壊していることを突き止めた。エクソームに含まれるmiR-181cというマイクロRNAがBBBの構造を変化させた結果、バリア機能が失われ、がん細胞が容易にBBBを通過し、脳転移を引き起こしていると考えられるという。がんの脳転移メカニズムを明らかにした今回の成果は今後、早期発見および新規治療法の開発への応用が期待される。
2015年04月02日国立がん研究センターはこのほど、日本のがん罹患(りかん)数・率の最新推計値を公表した。同推計値は、国立がん研究センター がん対策情報センターが2011年にがんに罹患(りかん)した全国推計値を算出したもの。集計元のデータは、地域のがん対策に役立てるため、都道府県が1975年より登録している「地域がん登録」のデータで、2011年分においては40県(2010年は30県)が登録を行ったという。この登録数の増加と登録精度の向上により、従来の罹患数・率だけではなく、各都道府県における主要部位の標準化罹患比(※)および標準化死亡比(※)を算出し、それを地図上に示す試みを今回初めて実践したという。※年齢構成の異なる集団間の罹患数・死亡数の比較に用いられる方法で、標準とする人口集団と同じがん罹患率であるとしたら、その集団で何人のがん患者が発生するかを予測し(期待値)、実際の罹患数(死亡数)をその期待値で割ったものが、標準化罹患(死亡)比となる。集計結果による2011年の全国のがん罹患数は下記の通り。■男性49万6,304人■女性35万5,233人■合計85万1,537人同センターによると、2010年の推計と比較した各部位の罹患数は、男性のみ変化があったという。2010年時に4位だった「前立腺」が今回は2位となっている一方、女性は順位変動がなかった。各部位の標準化罹患比は下記の通り。厚生労働省の「平成23年人口動態統計月報年計」において、男性の「死亡数・死亡率」(人口10万対)が最も高かった「肺がん」。今回の集計では、男性では北海道と青森県、また近畿圏で、標準化罹患比と標準化死亡比ともに高く共通した分布が見られた。 女性では男性ほどの偏りは見られなかったが、北海道および近畿以西で罹患、死亡ともに多い点は共通していた。男女共に一定規模で死亡数が多い「胃がん」に関しては、標準化罹患比は、男女共に日本海側の県に集中している傾向が見られた。 標準化死亡比よりも、標準化罹患比においてその傾向が強く出ていた。女性に多い乳房および子宮がんのデータも公表された。女性の乳房に関しては、はっきりとした地域の偏りは見られなかった。罹患数が増えているという前立腺も、地域による偏りは確認されなかった。同センターは今回の発表について、「罹患比と死亡比との差異や、地域差を観察することで予防、早期発見、治療を含む都道府県がん対策に役立てられます」としている。なお、詳細は同センターでも公開している。
2015年03月27日機能性食品「AHCC」の研究・製品化などを行っているアミノアップ化学は17日、女性特有の病気である「子宮頸がん」の基礎知識をはじめ、子宮頸がんの予防効果が期待できるAHCCの最新研究結果や予防方法のアプローチなどをまとめたニュースレター「AHCC通信 Vol.3」を発行した。子宮頸がんは、毎年約3,000人以上が亡くなっているといわれる深刻な病気。とりわけ、がんの中でも330代までの若い患者が多く、重症になると子宮摘出など大がかりな手術が必要となり、妊娠をすることができなくなったり、手術後の障害も多いといわれている。また、がんになっても進行するまで無症状であることが多く、予防・早期発見には若いうちから定期的に子宮がん検診を受けることが大事とのこと。子宮頸がん患者の99%は、HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染していることから、HPVが原因ウイルスであると考えられている。HPVは女性の約80%が知らない間に感染しているといわれ、20~40代の若い年齢での感染者数が増加しているとも言われている。こうした子宮頸がんに対して、予防効果が期待されているのが「AHCC」だ。AHCC(Active Hexose Correlated Compound : 活性化糖類関連化合物)は、シイタケ属に属する担子菌の菌糸体培養液から抽出されたα-グルカンに富んだ植物性多糖体の混合物。健康食品・サプリメントとして、日本のみならず、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、オセアニアなど広範囲で販売されており、現在では統合医療の一手段としても取り入れられている。2014年10月29日に米国・ヒューストンで行われた「第11回アメリカ癌統合医療学会(SIO2014)」においては、「ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染した女性にAHCCを投与するとウイルスが死滅する」という研究結果も発表され注目を集めている。HPVを除去する医薬品は未だ開発されていないため、この研究では更に大規模な試験を計画しており、AHCCの作用とHPV死滅の因果関係解明が期待されている。なお、3月28日に神戸学院大学にて「ハイリスクHPV感染に対するAHCCによる治療の可能性」に関するセミナーが行われるほか、大阪大学にて「サプリメントの臨床応用への薬剤師の役割」に関する講演が29日に実施される予定となっている。
2015年03月23日リプロセルは3月9日、国立がん研究センター(国がん)とヒト正常上皮細胞とがん細胞の培養試薬に関する共同研究契約を締結したと発表した。同研究では、これまで樹立や培養が困難だった各種がん細胞および正常上皮細胞を安定的かつ高効率に培養することが期待される。同社は「上皮細胞向けの培養試薬は身体のさまざまな部位に存在する、あらゆる上皮細胞を対象としております。また、がん細胞向けの試薬も、がん研究の障害であった培養の困難を克服する画期的なものであります」とコメント。次世代シーケンサーを用いた臨床検査事業におけるがん診断サービスへの取り組みに着手しているとした。
2015年03月11日国立がん研究センターは3月10日、次世代シーケンサーによるマルチプレックス診断パネルを取り入れた産学連携がんゲノムスクリーニング「SCRUM-Japan」を立ち上げたと発表した。同事業は、これまで実施してきた肺がんが対象の「LC-SCRUM-Japan(2013年開始)」および大腸がんが対象の「GI-SCREEN-Japan(2014年開始)」という2つの全国規模のゲノムスクリーニングネットワークを統合したもの。実施期間は2015年2月~2017年3月31日を予定しており、4500例の登録を目指す。現時点ではアステラス、協和発酵キリン、アストラゼネカなど計10社が契約を締結済みで、今後数社増える予定だという。また、医療機関側は全国で計200施設が参加する。患者の検体からがんのドライバ遺伝子を特定し治療薬を分子レベルから検索するクリニカルシーケンシングでは、各遺伝子ごとに有効な治療薬を検索すると時間がかかる。同プロジェクトでは、米サーモフィッシャーサイエンティフィックが開発した「Oncomine Cancer Research Panel(OCP)」というマルチプレックス診断パネルを採用。OCPは140種以上の遺伝子を同時に解析できるほか、微量検体から解析することができるというメリットがある。「SCRUM-Japan」では、全国の医療機関で収集した検体を遺伝子解析し、治療の標的となる特定の遺伝子に異常を持つがん患者を発見する。異常が発見された患者は対応する治療薬への臨床試験へ参加できる可能性もあり、新たな治療機会を得ることができる。収集された患者の遺伝子情報と診療情報は、治療選択の参考として用いられるほか、匿名化された上でデータベース化され、今後のがん研究に活用されることになる。今後、「SCRUM-Japan」を通じてマルチプレックス診断薬の臨床応用の実現や、有用な治療手段のない希少な遺伝子異常を持つ患者に新たな治療選択が提供可能となることが期待される。
2015年03月11日目的にあわせたサイト設計が決まり、実際の制作にとりかかりはじめたWeb制作会社新人社員の「りん」。早速、制作を始めるときに気をつけなければいけないことを、わかる人にしかわからない小ネタをはさんでくる上司「はやせ」に聞いてみることにしたのでした。はやせさーん、今いいですかー?ごめん! 今ランニングマンの練習してるんでちょっと待ってて!(ランニングマン?! 手足が長くて胸毛が生えてる芸人の?!)お、おまたせー…。やっぱがんちゃんのようにはいかないか……それで、どしたの?クライアントのWebサイトを、実際に制作し始めているんですが、このままザクザク作っていっていいのでしょうか?何か注意しなきゃいけないこととかありますか?そうだねー。最悪の事態を回避できるように、最初に仕込んでおくべきことがあるんだよね。制作していて一番最悪なことってなんだと思う?えーと……上司がわかりにくいギャグを言いまくっていて、からみにくくて仕事が進まないことですかね?うんっ(はーと)冗談です(半分本気だけどな! )ワープロソフト(表現古っ)や表計算ソフトとかでもそうなんですけど、何か作っている時に「あれ? パソコン立ち上がらない? しかもハードディスクのところから超イヤな音してるんですけど?」とか「あ、やばい。いろいろ変えて上書き保存したら見事に壊れたし、元に戻せなくなったし!!」みたいなことが起きると最悪ですね。そうだね。もし仮に納期まであと少しのときに、開発サーバーで9割型完成しているにもかかわらず「サーバーのデータふっとんだー!! ぎゃあーーーーー」みたいなことになったら、クライアントにも大迷惑かけるし、自分たちも寝ずの作業になっちゃうよね。そうですね……想像しただけでぞっとしますね……。そうならないようには、どういう方法をとるのがよいですか?そうだね。そういうときは……「バージョン管理システムぅーーー(ドラ◯もん風)」だよ、の◯太くんっ。(……は?)バージョン管理システムってなんですか?いろいろ作業していく上で、「誰が」「いつ」「なにを変更したか」を管理できるシステムなんだ。作業した履歴を残していきながら進めるから、「この時の状態に戻したい」とか「この状態のものを分岐して新しいものを作る」など安全にできるんだ。あとは、別サーバーなど作業環境とは異なるところに情報を残していくから、万が一作業環境のデータが壊れたとしてもすぐ復旧できる。それに「誰が」の部分では、複数人で一つのものを管理することに適しているような仕組みがあったりするよ。そういう仕組があれば、万が一のときも「オッス! オラ、データ復旧のために7つのボールを集めにいってくるぜ! 」みたいなことにならなくて済みそうですね。有名なバージョン管理システムとしては、Subversionや最近だとGitなんかがよく使われるね。あとは、Gitの仕組みを利用した、誰でもプログラムコードやデザインデータなどを保存・公開することができる「GitHub(ギットハブ)」というWebサービスもあって、Webサービス開発やWeb制作にもよく使われているね。もちろん、公開するといっても有料で非公開のプロジェクトも作れるから安心。ほかにも、同じようにGitを使ったサービスとして、「Bitbucket」というのも有名かな。(せっかくボケてみたのに、スルーされたよ……)なるほどー。サーバーにインストールして使うだけじゃなく、バージョン管理システムにもWebサービス型があるんですね。世の中クラウドクラウドいうわけですね。それじゃ、実際にCMSを使ったWebサイト制作に使うには、どういったものをバージョン管理していけばいいと思う?うーんと、CMSのテンプレートやJavaScriptなどのライブラリファイル、画像ファイル、可能なら加工した元ファイルとかも管理したいなぁ……。そうだね。CMSのテンプレートなんかはプログラム的なところがあるから、確実にバージョン管理したいね。画像の管理に関して言うと、元ファイルなんかは容量も大きいし、実際にサイト上で使う画像だけを管理したほうがいいかな。それじゃ、実際にMovableType.netにあるGitHub連携機能を例に、説明してみようか。はい、お願いします!「プルルー、プルルー(電話の音)」あ、ごめん。電話かかってきたみたい。「はい。え? 牛と電車が追突して電車が動かない? 分かった!迎えにいくわ」あー、今日は用事できちゃったから、続きはまた今度ね。ごめんねー。わかりました。また明日よろしくお願いしますー。牛が轢かれた? どこの田舎? など、仕事とは関係ない疑問が残りつつも、バージョン管理の大切さを知ったりん。実際はどうやるのかなーと妄想しながら帰宅するのであった。次回は、実際にGitHub連携で管理する具体的な方法の例をご紹介します。○執筆者紹介早瀬将一シックス・アパートにて、主にWebサービス型CMS「MovableType.net」の製品企画を担当しています。個人活動として、大学時代から音を中心としたインタラクティブ作品を制作。音に限らない作品やソフトウェアも作ってます。詳しくはWebで!
2015年02月24日国立がん研究センターは1月29日、国際共同ゲノムプロジェクト「国際がんゲノムコンソーシアム(IGC)」において、胃がん、胆道がんのプロジェクトを新たに立ち上げると発表した。IGCは、世界各国を通じて臨床的に重要ながんを選定し、国際的な協力のもと少なくとも各500例の高解像度のゲノム解析を行い、がんのゲノム異常の包括的カタログを作成、網羅的がんゲノム情報を研究者間で共有・無償公開することでがんの研究および治療を推進することを目的としている。現在、アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、南北アメリカの17カ国が参画し、73種のがんについてプロジェクトが進められており、日本では国立がん研究センター、理化学研究所、東京大学が共同で、肝細胞がんを対象とした研究が行われている。新たにスタートする胃がんは、日本において罹患数が最も多いがん腫で、大規模なゲノム解析を行うことで、分子治療・診断開発を目指した日本人特有のゲノム異常の同定することなどを目標とする。胆道がんは東アジアで特に頻度が高いことが知られており、国立がん研究センターでは2013年11月には新規FGFR2融合遺伝子を標的とする臨床試験が計画されるなど成果を挙げている。今回さらに徹底的な解析を行うことでさらなる治療標的の同定とその臨床開発を進めていくほか、同じく胆道がんプロジェクトが始まったシンガポールとも協力して発がん要因の解明を目指すとしている。
2015年01月29日国立がん研究センターは1月20日、肺がんの悪性化に関る新たな分子メカニズムを解明したと発表した。同成果は、同センター難治進行がん研究分野の江成政人 ユニット長らの研究グループによるもので、米国科学アカデミー紀要に掲載された。同研究では新たに、肺がん細胞から分泌される因子によってがん周辺間質の主要な細胞である線維芽細胞のがん抑制因子p53の発現が抑制されることを発見。p53の発現が低下した線維芽細胞では、TSPAN12というタンパク質が増加し、線維芽細胞とがん細胞との細胞間接触依存的に肺がん細胞の浸潤能および増殖能を促進していることが判明した。さらに、TSPAN12は分泌性因子であるCXCL6の発現を誘導し、これら線維芽細胞由来の分泌性因子も肺がん進展に協調的に働くことも明らかとなった。今後、TSPAN12およびCXCL6はがん周辺の間質の有用な治療標的となり得ると考えられ、これらのタンパク質に対する抗体、ペプチド、低分子化合物などが、既存の抗がん剤との併用で治療効果をもたらすことが期待される。
2015年01月20日石原さとみ&松下奈緒が“美人姉妹”を演じていることで話題の木曜劇場「ディア・シスター」(フジテレビ)。この度、間もなく最終回を迎える本作に「EXILE」NAOTOがプロスケートボーダーとして出演することが決定。石原さんを想う櫻庭永人役で出演している「EXILE/三代目J Soul Brothers」のメンバー・岩田剛典とドラマ初共演を果たすことが明らかになった。高校生時代、デビュー戦でいきなり優勝した櫻庭永人(岩田剛典)は、若くして将来を有望視されていたが、その後スケートボード界からは姿を消していた。第5話で再びプロになるため大きな大会に出場するも、出番直前に思いを寄せる美咲(石原さとみ)が妊娠していることを兄の宗一郎(田辺誠一)から告げられ、動揺してリタイアしてしまう。そして11日(木)に放送される第9話で再び訪れた大きな大会。美咲との関係も紆余曲折あった中で、再度挑戦することになった大会の会場で、先輩・桑名(NAOTO)に声を掛けられ…。今回、NAOTOさんが演じるのは、岩田さん演じる永人が、尊敬してやまない日本屈指の有名プロスケートボーダー・桑名。「EXILE」のパフォーマーで「三代目J Soul Brothers」のパフォーマー兼リーダーも務めるNAOTOさんは、岩田さんと“後輩先輩”というありのままの関係で出演しているのだ。友情出演での飛び入りが決まったNAOTOさんは、「チームメートのがんちゃんが頑張っている『ディア・シスター』は僕も拝見しています! そのドラマにまさか自分が出演するとは思ってもみませんでした(笑)」と驚きをみせながらも、「こんな大役をいただけて光栄です」と喜びを語った。さらに、岩田とはテレビドラマでは初の共演となることについて「同じ画面の中で“がんちゃん”と“なおと”でなく接しているのはとても新鮮」とコメント。一方、“後輩”の岩田さんは共演に際して「照れくさいですけど、めちゃくちゃテンション上がっています」と嬉しい気持ちを吐露。ほかの「EXILE」や「三代目J Soul Brothers」のメンバーのことを聞かれると「僕たち2人の共演シーンを見てどう思うのか気になりますね。気を抜くことなく無事に乗り切りたい」と気を引き締めていた。いよいよクライマックスを迎える本作。岩田さんとNAOTOさんの共演シーンはもちろん、石原さん演じる美咲に「結婚しよう」と優しく告白する姿が予告編に映し出されておりファン必見となりそうだ。ドラマ「ディア・シスター」は、毎週木曜22時~フジテレビにて放送。(text:cinemacafe.net)
2014年12月11日