月間500~600本以上配信されるマンガ記事のなかから、今年ママたちに最も読まれたマンガ作品を発表する「べビカレマンガ大賞」。マンガのテーマ別にTOP5を発表します。今回は「病気・障害マンガ」から、受賞作品1位から5位を発表します!お子さんやママ自身の病気、障害に関するマンガ。先天性異常を持ったお子さんの妊娠~出産エピソードや、産後うつ、脳症など貴重な体験談マンガがよく読まれていました。全話無料でイッキ読みできますので、ぜひチェックしてみてくださいね! 病気・障害マンガ TOP51位娘が脳症になったとき作者:和田フミ江 ■あらすじ上のお子さんが3歳のある朝、大量の嘔吐を。小児科で胃腸の風邪と診断され、ただの風邪かと思っていたら急性脳症になっていることが判明し……。これは娘さんが脳症と判明してからの闘病中のお話です。 2位病名は『産後うつ』です作者:ぼめそ ■あらすじぼめそさんの次女・はなちゃんを出産してから1カ月後、産後うつになったときの体験談マンガです。 3位2歳児の手術入院作者:咲花 ■あらすじ息子のはるくんが2歳のとき、保育士に「いびき」について指摘が! 病院を受診すると、鼻の道を塞ぐほど大きなアデノイドが見つかって……!? はるくんが2歳で手術・入院することになったときのお話です。 4位口唇口蓋裂ちゃん、育ててます作者:じぇにこ ■あらすじじぇにこさんが第一子妊娠中、おなかの赤ちゃんが口唇口蓋裂と診断された!親の葛藤や悩み、罪悪感……さまざまな壁にぶつかりながら、子どものために懸命に奔走! 出産後の治療の経過や娘さんの成長をリアルに描いた実録マンガです。 5位先天性異常を持った娘を妊娠出産した話作者:ちょるり ■あらすじ妊娠中のある日、突然医師から告げられた娘の病気「口唇口蓋裂」。病気をもって生まれてくる赤ちゃんを迎えるために、心の準備や情報収集をしていく過程を綴ります。 「病気・障害マンガ」部門1位は、和田フミ江さんの連載マンガ「娘が脳症になったとき」でした。ただの風邪かと思いきや、「急性脳症」と診断されしまった娘さん。和田フミ江さん夫婦も、突然のことに驚き涙を流していました。子どもの脳症について、知っておきたい方にぜひ読んでいただきたい作品です。 そのほか、産後うつのお話や、口唇口蓋裂のお子さんのお話などがベビーカレンダーではよく読まれていました。 ベビーカレンダーでは「病気・障害マンガ」のほか、「ママ友トラブルマンガ」、「妊娠・出産マンガ」など毎日たくさんのマンガを配信中! ぜひ読んでお気に入りのマンガを探してみてくださいね♪
2022年11月14日今回のお話は、口唇口蓋裂の娘、くぴこちゃんを妊娠してから、今に至るまでの思い出を振り返ります。くぴこちゃんが生まれた当初は情報も乏しく、不安な日々でいっぱいでした。そして、出産後は新たな悩みや葛藤が生まれることに……。しかし、さまざまな苦難に悩みながらも、家族一丸となって乗り越えていったのでした。そんなじぇにこさんが今、思うこととは一体……?口唇口蓋裂の娘から、たくさんのことを学び…娘を妊娠して初めて知った「口唇口蓋裂」という病気。 娘が生まれた当初は情報が乏しく治療について知りたくても、知ることができなくて、不安でいっぱいでした。 口唇口蓋裂もひとえに症状も程度も異なります。 一人ひとりが同じ病気でも違い、多くの情報のなかで誰かと比べるのではなく、目の前の治療に向けて1つの参考になればと思い、この連載を続けてきました。 程度も違えば、受け入れ方も当事者ごとに違います。 お医者さんの言う「治る」と当事者本人が受ける「治る」という感覚が違い、そのどちらでもない保護者はどのようにあるべきかなのか……。 そもそも病気とは何なのか。そして、治療とは……? 親として向き合う口唇口蓋裂と、当事者の治療の歩みが重なることはないかもしれません。 ですが、少しでも寄り添えるように、親子、夫婦、家族なりの答えを悩んで探して導き出していくことが大事だと感じます。 どんな病気もケガもひとりで耐えるのはつらい。 寄り添って向き合って手を添えながら、娘の口唇口蓋裂の治療が少しでも良いほうにあればいいなと思います。 1つひとつが改善につながるように、「親としてできる限りのことをしたい」その気持ちは娘を産んだときからずっと変わりません。 娘にとっても、私たちにとっても、口唇口蓋裂という病気だけが、家族の思い出のすべてではないこと。 家族でたくさん経験を乗り越え、楽しい思い出を重ね、大切にしていくことが、治療の励みに繋がっていくように思います。 それが影響しているのかわかりませんが、今のところ娘にとって口唇口蓋裂の症状や治療について大きな問題は特にないそうです。 娘のもともとの性格や環境も手伝っているのかもしれませんが、治療や手術のたびにご褒美が出ることなど明るく話しながら、今も元気に治療を続けてくれています。 多様性をうたう昨今、娘を産んだ当時よりも情報は大きく広がり、口唇口蓋裂だけではなく、いろいろな病気や個人の事情を目にして知る機会に恵まれるようになりました。 同じ病気や怪我でも1人ひとり異なることが、当たり前だと柔軟に受け入れられ、理解に繋がるように……。 私たち親子の経験が、誰かの参考に少しでもなれば幸いです。これまでお読みいただき、本当にありがとうございました。 ◆「口唇口蓋裂ちゃん、育ててます」の連載は、これで終了になります。長きに渡り、ご愛読くださった皆様、どうもありがとうございました! 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年10月25日今回は口腔外科の診察に行ったときのお話です。先生が「小学校に上がった後、手術が必要ですね」と言うと、くぴこちゃんの口からは「また手術するの?嫌だな……」と本音が飛び出してしまって……!?「また手術するの?」娘が本音を言い始めて…生まれてすぐから毎月のように通っていた口腔外科。 口唇手術、口蓋裂手術、修正手術と経て口腔外科に通う頻度も変わり、6歳になってからは診察も3カ月1回になりました。 矯正歯科で作られたフェイスマスクをつけるようになって1年。 上の顎も下の顎も同じくらいの位置になり、やや受け口気味だった歯並びが整ってきました。 この1年娘が慣れない矯正器具をしっかりつけて、改善に努めている姿勢を先生はとても褒めてくれました。 しかし……。 レントゲンでみると、娘の上顎左側の部分の骨の一部が欠損しているのが、ハッキリとわかり、小学校にあがったあとに骨移植の手術は避けられない。 レントゲンを元に説明する先生の言葉を聞いて、娘が思わず「手術はもう嫌だ」と落ち込みます。 すると先生は娘の目線に合わせてこう言いました。 先生は「半分は嫌で、半分が楽しみみたいな感じだから、それを聞くとワクワクしない?」と冗談めいて話すと、娘も「手術はワクワクしないよ!」と突っ込みを入れてさきほどの空気ががらりと和やかになり2人は談笑します。 娘の目線に合わせて説明する先生の様子からこれまで私たち保護者主体で動いてきたことが、当事者の娘も含めた治療へと進みだしたことを感じました。そして、先生は改めて私たち夫婦に目を向けてこう続けました。 口唇口蓋裂治療のために、今までも何度も乗り越えてきた手術。 次の手術は、より難しく、娘にとっても家族にとっても乗り越える課題が多く、そしてその後もまだまだ治療は続いていく……とのことでした。 今後自覚をもって治療に向かわなくてはならない娘に待ち構えている試練を親としてどう支え向き合うべきか、その不安と心配な気持ちはずっと拭えません。しかし「乗り越えることが多いかもしれないけど、前向きなこともある」という言葉には小さな希望を感じて、とても勇気づけられました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年10月18日レチナをつけて登園すると「どうしたの?」とお友だちからたくさん質問されることで、少しうんざりしていたくぴこちゃん。早速じぇにこさんは幼稚園の先生にも相談することに……。すると、園側もじぇにこさんの要望を快く聞いてくれて、少し様子をみることになったのですが……!?レチナをつけての幼稚園生活、その後…幼稚園でのレチナの生活に慣れず、レチナ(※1)をつけて登園することにへきえきしている娘。 娘の周囲のことや園での様子について密に連携を取れるようにと、さっそく幼稚園の先生にも伝えて相談しておきました。 ありがたいことに幼稚園側も快く受け入れてくれて、全教員で共有し、娘を見守り、必要があれば介入し、その都度連絡してくれると言ってもらえるということで、ひとまず様子を見ることに。 (※1)レチナ:鼻の形を維持する目的で使用するシリコン製の装具 その後しばらくは娘や園から問題などを聞くことはありませんでしたが、ある日娘を幼稚園に迎えに行った際、クラスのお友だちが私に話しかけてきました。 私は子どもたちの目線に合わせて、娘のレチナについて簡単に説明しました。 すると子どもたちは……? このことが直接のきっかけになったのかはわかりませんが、これ以降、マスクを外して過ごしていても、「レチナについて聞かれることがなくなった!」と、元気な様子で帰ってきてくれるようになりました。 幼稚園からも娘がお友だちと元気に仲良く遊んでいるとのことで、心配するような状況は起きることはありませんでした。幸いにも今回は深刻なことにはなりませんでしたが、年齢を重ねれば重ねるほど今回のようにはいかないかもしれません。 そのときに娘がひとりで抱え込まないように、親として寄り添ってあげられるように娘との関係の大切さを改めて実感した出来事でした。2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年09月27日今回は、レチナをつけての幼稚園生活が始まったころのお話です。入院生活を終えると、幼稚園の年長さんに進級したくぴこちゃん。手術の効果をしっかり継続するため、レチナを鼻に装着して幼稚園に生活を送ることになったのですが、そこで問題が発生してしまい……!?周囲の反応に落ち込む娘入院生活を終えて、春休みも明けたころ、娘は幼稚園の年長さんに進級しました。 手術の効果をしっかり継続するため、レチナ(※1)を鼻に装着し、テープで止めてさらに落としてなくすのを少しでも防ぐため、できるだけマスクをつけて生活するように娘に言い聞かせます。 幼稚園にもその旨を了承してもらい、新しい生活が始まりました。 (※1)レチナ:鼻の形を維持する目的で使用するシリコン製の装具 幼稚園が始まってしばらくしたある日、娘が元気のない様子で帰ってきました。幼稚園が大好きで今まで元気のない様子で帰ってきたことが一度もなかったので、何があったのか事情を聞くと……? 幼稚園でお友だちからレチナについて聞かれるのが嫌だという娘。 幸いにもからかわれるというような雰囲気ではなく、「それ、どうしたの?」と何度も聞かれることにへきえきするようで、落ち込んでいるようでした。レチナにより今までとは幼稚園生活が少し違うというのは娘にとっては、大きな問題です。 レチナを付けて幼稚園に行くのが嫌だと言う娘ですが、レチナをつけなければ今回の手術の効果は得られません。 治療の継続と娘が安心して幼稚園で過ごすために何ができるかずっと考えて、まず娘の目線に立ってその気持ちを受け止めようと思いました。 娘がレチナをつけて登園するのが嫌だという気持ちは決して否定しないと、同意しながらも、「その思いを友だちに正直に言ってみてはどうか?」と提案してみました。娘にとっては思いがけない答えだったようで、私の言葉にビックリして目を大きくしていました。 手術の成果を維持するためにはレチナを取って生活することはできない。 しかし、どうしても目立ってしまい本人が嫌だと思う気持ちは否定しない。 「私も本当はつけたくないけれど、手術をしてくれた先生とのお約束だからつけている」自分の気持ちに嘘をつかないでその気持ちをそのまま、お友だちに伝えてみることで、周囲への理解が広がるかもしれない。また、娘から聞くお友だちの様子から、例えば、絆創膏やギプスをしているお友だちを心配するように「どうしたの?」と聞いてきたのかもしれない。 娘も私の帝王切開のおなかの傷を見るたびに「それどうしたの?」と聞くことがあり、「それはいじわるな気持ちで聞いてきたわけじゃないでしょ?」と。 「多分それと同じ気持ちで”どうしたのかな?”って気持ちで聞いているかもしれないよ?もし、それでも嫌な思いをしたり、悲しい気持ちになったらまたママに話してほしい」と伝えました。 退院時やその後の外来で、レチナについて先生から強く念押しされていたので、レチナをつけなければいけないというのは、娘も身に染みてわかっていたはずです。 しかし、治療は必要だけれどこの状況をどうしたらいいのか悩んで、私に伝えるかどうか葛藤し、落ち込んでいたようでした。 幼稚園での様子やレチナへの本当の気持ちなどを正直に言ってくれたことを改めて娘に感謝すると、話し終えたころには落ち込んだ様子も消え、笑顔を見せてくれました。今回、娘が私を信頼して正直に気持ちを話してくれたことがとてもうれしかったです。2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年09月20日今回は、入院から8日が経ち、退院の許可がおりたときのお話です。先生から「術後の経過も問題ないので退院しても大丈夫です」と言われ、喜ぶくぴこちゃんとじぇにこさん。しかし、もう一方でじぇにこさんの頭には不安がよぎっていました。さて、その不安とは……!?退院の許可がおり、娘の退院が決まったけれど…?入院から8日、先生から退院の許可がおりました。 退院の際に先生からは鼻の修正のためおこなった手術の効果を維持するため「退院後、レチナは1日中つけることを約束してほしい」と念を押されました。 これまで幼稚園に通う日中の間はレチナをはずして過ごしていたので、春休み明けに年長さんになる幼稚園生活でどういうものになるか、一抹の不安がよぎります。 そしてもう1つ……。 今回の手術は今までに比べると大きなものではありません。 しかし本人が初めて自覚して受けた手術は、身に染みるほどショックだったのだと思います。 私にとっても赤ちゃんのときから怖い、痛いと訴えていた娘の思いが、はっきりと言葉となって強く伝わってくるものでした。最後の診察を待っている間に「もう手術はしたくない」と、今回の手術についてひと言つぶやく娘。 しかし本人の意思とは裏腹に次におこなう手術の予定は、ずっと前から決まっている……。 そのことをその場ですぐに告げることは、私にはできませんでした。 口唇口蓋裂の治療について、本人からはっきりと出た言葉により、まだ控えている手術や治療について言うのはやめて、まずは本人の思いを受け止めてこれからも寄り添ってあげようと思いました。 そして「とても怖かった」とつぶやく娘を見て、”今回乗り越えたものを無駄にしてはいけない”という思いのほうが強くなり、まずは先生との約束通りレチナの徹底を心がけること、これまで以上にしっかり口唇口蓋裂の治療に向き合うことを決めました。2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年09月13日今回は、情報交換を交わすことで安心感が生まれるとじぇにこさんが感じたときのお話です。今回の修正手術をおこなった際、じぇにこさんのほかに組の赤ちゃんを連れたご家族が利用していました。そんなある日、相部屋のお母さんから話しかけてきてくれたのですが……!?情報交換を交わすことで生まれる安心感今回の修正手術で利用した大部屋の病室。 私たち親子のほかに2組の赤ちゃんを連れたご家族が利用されていました。 術後元気になってからは娘の体調を見ながら、待合室やキッズルームで過ごすことが多かった私たちでしたが、ある日相部屋のお母さんから話しかけてきてくれました。 聞くと2日前に赤ちゃんが初めての口唇手術だったそうで、私たちも同じ口唇口蓋裂で入院していることを知ったお母さんは少し驚いていました。 口唇口蓋裂は人それぞれ治療の範囲や回数、内容も異なるのであくまで参考程度として娘にも確認しながら、私たちが見て経験してきた治療のことを話していきました。 一生懸命話を聞いているお母さんの姿も、かつて娘の口唇手術で不安だった自分と重なって他人ごとには感じられず、私たちの経験がもしかしたらお母さんの何かの助けや参考になるかもしれないと思い答えられる限り答えました。 また娘からも幼いながら会話に参加して、当事者ならではの病院についての率直な思いを話してくれました。 小さいながらも当事者本人から話を聞いたお母さんも、少し緊張がほどけているように見えて、ここでも娘の成長を強く感じました。 口唇口蓋裂は程度の違いや治療内容、各担当の先生や病院の方針など、個々に異なることがたいへん多く、一概に言い表すことは難しいです。 しかしこうした同じ疾患のお母さんたちとの交流は参考になることが多く、私たちもそのおかげで次の治療に対する心構えなどを持つことができました。 私たちの話がすべて直接的な協力にはならないかもしれませんが、同じ病院に通っている娘からの率直な意見はお母さんの安心に繋がったようで、私たちも穏やかな気持ちになりました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年09月06日今回は、口唇口蓋裂の治療を続けていくために大切なことについてのお話です。2回目の口蓋裂手術を終えた子のお母さんから、話を聞く機会に恵まれたじぇにこさん。しかし、想像以上に大変な様子に、とても心配で不安な気持ちになってしまったのです。また、「親としてわが子をどうやって励まし、どう支えているのか」という点に疑問を持ったじぇにこさんは、早速お母さんにその質問を聞いてみることに。すると……!?口唇口蓋裂の治療を続けていくために大切なことは… 今回わが家でもおこなったように、本人が選んで買った新しいパジャマや欲しがっていたゲームソフトなど、入院中や手術後のご褒美や楽しみとしてそろえたりして、モチベーションを保ったそうです。 娘さんも学校のお友だちとのやりとりも手伝って、少しずつ明るさを取り戻していると聞き、ひと安心。 また術後落ち着いたらGWに旅行など、家族全員で楽しめることなども計画しているようで、そのお母さんもとても楽しみにしているようでした。 2回目の口蓋裂手術を終えても、まだまだ治療は続いていく……。 親としてできる限りのことはしてあげたい。でも当事者も家族もこの口唇口蓋裂にだけにしばられるのはつらすぎるから、楽しみは積極的に作ると話してくれました。 その後、ちょうど処置を終えた娘さんとくぴこも手術室から戻ってきたので、そのお母さんにお話をしてくださったお礼を伝え、私たち親子はHCU(高度治療室)へと向かいました。 「当事者も家族も口唇口蓋裂だけに縛られないようにする」 その言葉は以前口唇口蓋裂の交流会で、当事者の小林えみかさんが「口唇口蓋裂は私のすべてではない」と話してくれたことにも通じていて、とても励まされる言葉でした。 娘がこの疾患だけに捉われることなく、さまざまな発見や挑戦ができるように、意識や関係、思い出を重ねて築くことが、親としてもとても大切だなと改めて思いました。 くぴこにとっても、まぴこにとっても、私たち夫婦にとっても、口唇口蓋裂だけに縛られない経験や生きがいが今後の治療の励みになる。 それを家族で繋ぎ、支え合えるような関係や環境を作っていく。 決して簡単ではないけど、私なりにそのためにできることをしていきたいと、そう強く感じました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年08月23日口唇口蓋裂で生まれてきた娘、くぴこちゃんを育てているじぇにこさんの育児マンガです。今回はくぴこちゃんが抜糸処置を受けたときのお話です。今回の抜糸処置は、先生の提案で麻酔を使用した方法で処置をおこなうことが決定。手術室前でくぴこちゃんを見送るじぇにこさん。娘の落ち着いた様子に安堵するのですが、この後じぇにこさんの気持ちを不安にさせる出来事が起こってしまうのでした……。娘を見送り、ベンチで処置が終わるのを待っていると…?術後6日目、安全のため処置室ではなく、手術室で麻酔を使用して抜糸を受けることになったくぴこ。 手術室まで行くと、今回は看護師さんがぬいぐるみを持って気を引いてくれたおかげもあり、泣かずに室内へ入って行きました。 30分ほどで終わると聞いていたので私は病室には戻らず、手術室から下りてくるエレベーターから近い病棟エントランスのベンチで娘の帰りを待つことに。 すると隣から、同じくお子さんの付き添いで入院しているというお母さんが、声をかけてくれました。 そのお母さんのお子さんも口唇口蓋裂でわが家と同じく、赤ちゃんのころから口唇口蓋裂の修正手術を乗り越えたとのこと。 さらに、今回2回目の口蓋裂手術を受けたばかりと聞いて、思わずビックリ!! 前回の口蓋裂手術のときに担当の先生から、くぴこは口蓋裂手術を2回に分けておこない、2回目は上顎前方の硬口蓋の部分にある鼻腔と口腔が通じている隙間を塞ぐ手術と、口唇口蓋裂の子の多くは硬口蓋部分の骨が欠損しているため、本人の骨の一部を使い(多くは腸骨部分)、歯茎部分へ移植する手術をおこなうと説明を受けました。 それを聞いたときもかなり驚いたのですが、実際それを終えた当事者の様子は、付き添いの親御さんから見ても想像を以上のものだったようで…… 手術自体もさることながら、春休みなどの長期休みの期間は、病院も中高生を優先して手術をおこなううため予約が埋まりやすく、今回の手術のため、娘さんは小学校の春休みも前倒しの形で入院したので、ご本人はそれをとても嫌がったそう。 また、術前術後と付き添いの立場から見ても、2回目の口蓋裂手術は当事者にとって今までの手術とは受ける負担が、身体面にも精神面にもとても大きいように感じたそうです。 小さいころとは違って思春期にもさしかかってきての手術なので、とにかく看病と本人の心のケアをとても気にしていると話してくれました。 5歳になり、物事の理解が赤ちゃんのころとは比べ物にならないくらい進んだ娘にとって、今回比較的簡単なものだと言われていた修正手術ですら、今までの手術以上に気力の回復に時間がかかってしまったことを考えると、教えてもらった2回目の口蓋裂手術に不安な気持ちを感じずにいられませんでした。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年08月16日口唇口蓋裂で生まれてきた娘、くぴこちゃんを育てているじぇにこさんの育児マンガです。無事に鼻の修正手術を終えたくぴこちゃん。術後は手術の精神的なショックから、一時期体調を崩してしまったくぴこちゃんですが、ママがおもちゃのご褒美をプレゼントしたことをきっかけに、その後は順調に回復していきました。しかし、ここでまた1つ問題が! 2日後に抜糸処置を控えていたのですが、そのことを伝えると、激しく拒否されてしまって……!?朝の処置で大暴れする娘。先生からある提案をされて…ご褒美による効果もあって、その後は着実に体調を回復しつつあったくぴこ。 吐き出すショックも乗り越え、ごはんもしっかり食べ、笑顔をたくさん見せてくれるようになりました。 しかし、唯一朝の処置だけはそうはいかず……。 鼻に縫い付けている糸の周りをただ洗浄するだけでも、首を振って怖がり、しまいには足を投げ出して、体ごと暴れ出すという事態に……。 私やスタッフさんに抑えられながら、ようやく終えるといった繰り返しでした。 術後4日目が過ぎると、いよいよ鼻に縫い付けているレチナ(※1)の抜糸処置が迫っているのですが、この状況では難しく、先生からこう提案されました。 (※)レチナ:鼻の形を維持する目的で使用するシリコン製の装具。 毎回涙も汗もたくさんかきながら、激しく拒絶して暴れる娘の姿を見ると、処置室での抜糸処置は暴れて怪我をしそうで、実は心配をしていた私。 それは先生も同じだったようで、麻酔によってくぴこちゃんが眠っている間に、手早く処置したほうが本人も怖い思いをせずに済むし、そのほうが安全だと言ってくださいました。 しかし、ここで問題が……! 娘に伝えたところ、案の定猛烈に拒否! 激しくハッキリと拒否されてしまったのです。 しかし、5分足らずの鼻周辺の洗浄が我慢できない娘が、10分程度の抜糸処置に耐えられるとは思えません。 内容がどうであれ、「手術が怖い」という娘の意見にも同意しながら、私は持参した娘の落書き帳を使い、退院が1日伸びても手術室での抜糸が娘にとって、どうメリットがあるのかなどを絵に描いたりして、できるだけわかりやすく説明しました。 すると、しぶしぶといった感じで、少しずつ納得していく様子を見せてくれるように……! こうして治療について一緒に考えることができるようになったんだなと、改めて娘の成長をしみじみ感じました。 それと同時に、説明のときに「修正手術のときより怖くない」と書いた部分が、どうしても引っかかったらしく、ここだけは真剣な顔で、「ママ怖いものは怖いからね! これは直して!」と、強く訴えてきたので、その姿にもたくましい成長を感じて、修正をしました。小さいころは手術のことも抜糸などの処置も怖がらせないように、ごまかしながらおこないましたが、成長とともにいろいろとわかってきたことで、もうごまかしは通用しないのだなと思いました。 また、処置の説明は訳もわからず、納得できない状況よりも、本人の心の準備など受け入れできる体制づくりのためにも、娘が理解できるようにおこなうことが大切だと強く実感。 さらに、手術や処置がどれだけ必要なものであっても、娘の本心をしっかり聞き、その気持ちを否定せず、本人が納得して受けられるようにすることも大事だなと思いました。2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年08月09日口唇口蓋裂で生まれてきた娘、くぴこちゃんを育てているじぇにこさんの育児マンガです。無事に鼻の修正手術を終えたくぴこちゃんですが、微熱から高熱を繰り返してはぐったりとした状態が続いていました。しかし、術後3日目にして、ようやく熱が36.6度と落ち着きを見せ始めます。ただ、ここである問題が発生! なんと手術のショックから、くぴこちゃんが精神的に不安定になってしまい、食事が一切食べられなくなってしまったのです……!術後のショックが続く娘に、効果を発揮したのは…? 今回口腔内の処置はおこなっていないものの、食事の進みが良くなく、先生いわく「しっかり食事をとれないと点滴が抜けない」と言われてしまいました。 好きな食べ物でもいいので食事をとるように言われたので、好物のパンや少しでも食べやすい物をと買いそろえてみたりもしました。 しかし……。 手術のときに麻酔の管が喉を傷つけた影響で、術後しばらく血が混じった分泌液を吐いたことが、娘にとって精神的なショックとして尾を引き、食べ物を口にするのが怖くなってしまったそうなのです。 プリンやゼリー、ヨーグルトなど好物やのど越しの良いものなど提案しても、なかなかその気になってくれず、精神的なものに対してどうしたらいいか悩んだ結果、最後の切り札に打って出ました。 術後に遊ぼうねと約束していたご褒美のおもちゃ。 しかし、手術が終わった直後から娘は、熱でもうろうとし、痛みや気力のない状態が続いていたので、出しそびれていたご褒美がここにきて、ようやくお目見えすることに!「これは点滴を打った状態では遊びづらいと思う……」とさりげなく伝え、お医者さんから許可をもらい点滴を外すためにには、まずは食事をしっかりとろうと励ましました。 出された病院食をすべて完食し、先生からの許可も無事に下りて点滴もあっという間に抜けてしまいました! 交流会で出会った当事者からのアドバイスとはいえ、おもちゃでつっているのが少しばかり気が引けていたのですが、おもちゃひとつでこんなにもあっさりとモチベーションが変わり、ようやく笑顔を見せてくれたことに驚きました。 これまで泣くかぐったりして覇気がなかった娘にようやく笑顔が戻って、私もとてもうれしかったです!! くぴこの気持ちが上向きになる様子を見て、「病は気から」という言葉に思わず感心しました。 また、私自身もその姿に安心することができたほか、ご褒美の効果は私たち親子にとっては想像以上に療養中の良い足がかりとなることがわかりました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年08月02日口唇口蓋裂で生まれてきた娘、くぴこちゃんを育てているじぇにこさんの育児マンガです。今回は無事に鼻の修正手手術を終えたくぴこちゃん。術後は、無事HCU(高度治療室)を出て、病室に戻ることができました。しかし、くぴこちゃんの様子がなんだかおかしくて……!?術後のショックからか、なかなか娘の容態が落ち着かず… 術後直後はまだ麻酔の影響が残っていたようで食事も通らず、せめてお水をと、口に含ませてみてもすぐに吐き戻したり、さらにその日の夜は熱が上がり坐薬を入れたり、就寝時間をこえてもうなされたりして、落ち着かない時間が続きました。 術後当日は仕方ない……。 そう思って看病をしながら、娘の容態が落ち着くのを待ちました。 翌日も朝から元気はなく食事もままならず、熱も上がったり下がったり。 娘はつらい様子でぐったりと横になっている状態でした。 先生いわく、今回の手術は難しいものではないようでした。 手術前の看護師さんの説明でも、1歳のころに受けた口唇手術に近い内容で、当時よりも体が大きくなった分安全性も増して、前回の口蓋裂の処置ほどの心配は少ないと聞いていたのですが、一向に落ち着くことのない娘の様子に気が気ではなく……。過去2回の手術後に比べると、術後2日を過ぎても安定しない熱や食事状況、まったく気力が戻る様子のない娘の状態を見ると、聞いていた内容の割には回復に時間がかかっているように思えました。 手術で最善をつくしてくれた先生方には感謝しつつも、実際本人の負担は私の思っている以上に大きなものだったようで、今回の手術は5歳の娘にとって、大変ショックだったのだなと痛感しました。2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年07月26日口唇口蓋裂で生まれてきた娘、くぴこちゃんを育てているじぇにこさんの育児マンガです。無事に鼻の修正手手術を終えたくぴこちゃん。今回は、手術を担当した先生から説明を受けたときのお話です。手術を終え、運ばれたHCU(高度治療室)のベットの上で、思いのたけを吐き出したくぴこちゃんは、次第に疲れて眠ってしまいました。すると、執刀してくださった担当医の先生が部屋に入ってきて……?執刀医の先生が様子を見に来てくれて… 先生はくぴこの様子を確認すると、今回おこなった手術について、くわしく説明をしてくださいました。 変形してほとんど鼻腔が倒れてしまっていた左側の鼻を切り、Uの字に内側へと入れ込んだところを縫い止め、さらにレチナ(※)を鼻腔へ縫い付けて固定し、鼻の形を整えるという手術でした。 先生いわく、今回の修正手術は赤ちゃんのときにおこなった口唇手術に近く、前回の口蓋裂手術にくらべると難しいものではなかったとのことでした。 しかし……。 (※)レチナ:鼻の形を維持する目的で使用するシリコン製の装具。 2回目の口蓋裂手術からは、少しずつ取り組めるようになったものの、これまでレチナを安定してつけ続けることができませんでした。 それが原因で、想像以上に早く娘の鼻腔が変形してしまい、今回の修正手術となったので、すごく後悔しました。レチナをつける生活は見た目的にも目立ってしまうため、今度年長さんになる娘に幼稚園にいる間もレチナをつけさせなければいけないと考えると娘本人がそれを受け入れてくれるのか……。 また、周囲の反応はどういう反応になるのかを考えてしまい、とても気にかかりました。 しかし、レチナをつけないということが後々大きな影響を与えることを考えると、これまで以上に使命感を強く感じ、今度こそ強い意思で退院後のレチナを徹底しなければ!と、心に決めました。2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年07月19日口唇口蓋裂で生まれてきた娘、くぴこちゃんを育てているじぇにこさんの育児マンガです。今回は無事に鼻の修正手手術を終え、病棟に戻ってきたくぴこちゃんとじぇにこさんのやり取りについてのお話です。朝一番で鼻の修正手術を終えると、病棟に戻ってきたくぴこちゃん。じぇにこさんの姿を見つけると、精一杯に手を伸ばし、目からは一気に涙が溢れてしまって……!?手術を終え、戻ってきた娘から本音が飛び出して… レチナを鼻に縫い付けた状態で、それまでキョトンとしていた娘が私を見つけると、娘の目から涙が一気に溢れ、手を伸ばしました。 ストレッチャーからHCUのベッドへ移動すると、私に抱き着いてすぐに口から真っ赤な分泌液を口から吐き出します。 15分ごとに様子を見に来る看護師さんに怯えていたくぴこ。 だんだん麻酔が切れてくると、処置による発熱、定期的に吐き出される血の混じる唾液や、気持ち悪さ、点滴などこの状況に対する怒りや理不尽さを強く感じ、涙をたくさん流しながら泣きじゃくりました。 少し暴れそうなところをしっかりと抱きしめ、今まで抑え込んでいたくぴこの本音をただただ聞き入れます。 今回の手術がこれまでのなかでも安全性が高いとはいえど、どんなに説明を受けて本人になりに一生懸命理解しようと努めても、実際身に起こったことのショックは周りが思うよりも、本人にとってはどうしようもなくつらいことなんだと強く感じました。 これから何度この光景を見るのだろう……。 そして口唇口蓋裂の治療が続く限り、娘もこんな思いを繰り返していくのだろうと思うと、親として胸が痛くなります。 今まで言葉にならなかった娘の病気に対する心からの思いを聞き、せめて親として娘のこの悲痛な思いを受け止めていかなくてはと強く思いました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年07月12日口唇口蓋裂で生まれてきた娘、くぴこちゃんを育てているじぇにこさんの育児マンガです。鼻の修正手術が決まったくぴこちゃん。いよいよ手術当日を迎えることに。消灯から起床時間まで十分に休み、朝の回診も問題なく、いよいよ手術室へと呼ばれました。しかし、そこでくぴこちゃんの本音が思わず飛び出してしまって……!?手術当日、ずっと我慢していた思いが溢れ出して… 黄色の手術着に着替え、本番の緊張を感じとった娘を抱っこしながら手術室まで行くことに。 向かうまでの間に手術が終わったら映画や、行きたがっていたテーマパークも行こうなど、声をかけながら手術室の扉の向こうに一緒に入りました。 名前を確認し医療用のキャップをつけ手術台に上がった途端、あっという間に心電図や血圧、酸素測定器を指につけられ、「麻酔をかけます」と声をかけられました。 それまで静かに様子を見ていた娘が私の腕をつかみ、大粒の涙をぽろぽろと流して思いのたけを訴えました。思わずつられて泣きそうになるのをこらえて、娘のおでこをなでながら「大丈夫だよ、眠くなるだけだよ、大丈夫」と声をかけて必死になだめました。 麻酔が効いたところを見送ると、看護師さんに促され手術室を出ました。 修正手術をすると決まったときから、不安な気持ちを本当にギリギリまで我慢して、ようやく悲痛な思いを訴えたのだろうと思うと、とても胸が締め付けられました。 病院のみなさんを信頼している今、以前よりも私もずいぶん落ち着いていられるようにもなりましたが、手術の程度に関わらず娘を見送る瞬間は何度経験しても理屈では割り切れない感情にかられます。未知の不安に直面するギリギリまで我慢していた娘の悲痛な思いをしっかりと受け止め、娘が戻ったあとしっかりサポートできるようにと自分を奮い立たせて、娘の帰りを待ちました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年07月05日口唇口蓋裂で生まれてきた娘、くぴこちゃんを育てているじぇにこさんの育児マンガです。鼻の修正手術が決まったくぴこちゃんですが、いよいよ明日手術をおこなうことになりました。今回は手術する前日に、じぇにこさんとくぴこちゃんのやり取りしたときのお話です。不安と向き合う姿に娘の成長と健気さを感じた術前前夜いよいよ明日は手術。 手術開始は朝9時から、時間通りならば午前中には戻ってこれるとのこと。 手術内容としては、赤ちゃんのときに受けた口唇手術に近い処置なので、当時よりもくぴこが大きくなった分安全性も上がっていると、看護師さんから説明を受けました。 その後も小児科診察や術前の言語訓練を挟み、歯科衛生士さんからの入院中と術後の歯磨き指導、麻酔科の先生による説明などが続きました。 各担当からの説明を受けるたびに、当事者であるくぴこにもきちんと説明するように努めました。 本人がよくわかっていない状況だと、より不安になると思ったからです。それを「うんうん」と一生懸命聞くくぴこ。 私は説明を続けます。 今までは手術室の入り口で見送るまででしたが、麻酔をかける直前までそばにいられることを説明すると、それまでなんとなく聞いていた娘の表情が変わり、驚いていました。 あとは当日を迎えるだけ。そのまま就寝時間になり、眠る間際に娘がぽつりとこう呟きました。 最初の口唇裂の手術も3年前の口蓋裂手術のときも、手術室に入る不安いっぱいの娘の泣き顔は、私も今でも忘れられません。 まだ小さくて状況もよくわからないまま、手術室へとひとり入って行ったくぴこが当時のことを改めて振り返り、初めて言葉にしてくれました。 赤ちゃんのときは不安にさせないように、直前まで手術についてはぼかしていましたが、5歳になったことで、病院からの説明を伝えるたびに以前よりも物事の理解ができるようになったと、その成長に感心していました。 今回の手術は以前までのものに比べれば安全性も上がっているものではありますが、それでもやはり本人にとっては言いしれない不安と立ち向かうことに変わりありません。 「ママ明日一緒にいてね。手をつないでてね」とすがる姿はとても健気に感じました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年06月28日口唇口蓋裂で生まれてきた娘、くぴこちゃんを育てているじぇにこさんの育児マンガです。鼻の修正手術が決まったくぴこちゃん。いよいよ入院の日を迎えることに。受付を済ませると身体検査をおこない、病棟に向かいます。そのとき、ひとりの看護師さんが「くぴこちゃん大きくなったね!!」と話しかけてきてくれて……!?看護師さんの言葉で、入院初日の緊張がほぐれて… 今回で3回目の入院。3年前に手術を終えたばかりで、そんなに大きく変化などはなく、看護師さんからも「もう知ってることばかりだよね」と和やかな空気のなか、くぴこを見た看護師さんがこう言いました。 その看護師さんは、なんとくぴこのことを覚えていてくれていたのです! 定期的に診察のある口腔外科の担当医の先生や、言語の先生とは違い、口唇口蓋裂で入院・手術する子がたくさんいるなかで、娘のことを覚えていてくれる人が入院病棟にいらっしゃったことにビックリしました。 前回も前々回の手術でもくぴこが頑張っていた様子や、またくぴこの目線に合わせてそれまでの頑張りをもとに、「今回の手術も大丈夫」と励ましてくれました。 そして、そんな看護師さんの温かい言葉にうれしさを感じました。 くぴこも看護師さんに励まされたおかげで入院初日の緊張がほぐれたようで、この日は終始にこやかに過ごしていました。 最初の入院のときは少し怖いイメージがあった病院も、通い続けてもう5年。 看護師さんやお医者さんたちもくぴこの治療をしっかり見てくれて、さらに応援してくれていることを知り、病院への信頼が生まれ親子で心強く感じました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年06月21日口唇口蓋裂で生まれてきた娘、くぴこちゃんを育てているじぇにこさんの育児マンガです。鼻の修正手術が決まったくぴこちゃん。今回は術前検査を終え、入院まで1週間となったときのお話です。インフルエンザが最も猛威を振るう季節だったので、感染対策を徹底しながら入院に臨んでいたというじぇにこさん。そんなある日、くぴこちゃんが「おなかが痛い」と言い出したため、かかりつけの小児科医に行くことになったのですが……!?入院に対する言葉にできない不安が体の不調に表れてしまい… 病院へ行くと、「ストレスによる胃腸不良かもしれない」と診断され、整腸剤を処方されました。 思っている以上に、娘の手術に対するしてのストレスが大きいことを知り、せめて少しでもリラックスできることはないか相談しました。 すると……!? そこで、くぴこが赤ちゃんのときに買ったベビーマッサージの本を引っ張り出し、ネットなども利用し、その日から簡単なマッサージを続けたところ、心なしかくぴこの表情も柔らかくなりました。 腹痛も整腸剤の効果もあったようで、症状がすぐに落ち着いていきました。 また、くぴこだけでなく、1歳のまぴことの時間も積極的に作って、一緒に過ごすようにしました。 他愛もない時間や一緒にお昼寝をしているときなど、ささやかながら癒されることができて、私自身もリラックスして過ごすことができました。 今まで、過去の度重なる入院延期や娘の手術に対する心配など、術前から入院するまでの時間はずっと緊張と不安な思いばかりで、私自身がまった全く余裕がない状態でした。いつの間にかそれがくぴこにも伝わり、それがくぴこの心身にも影響していたのかもしれません。 まぴこと過ごす時間があったおかげで、それがとても緩和されたように感じました。 入院準備に追われながらも、子どもたちとの触れ合いやコミュニケーションを一番にして過ごすことで、今までよりもリラックスした状態で入院に備えることができたのは、私自身も驚きの発見でした。 また、赤ちゃんのときとは異なり、くぴこも物心つく年齢となりましたが、不安をまだうまく言葉にできず、それが身体に表れたことで、親として今まで以上に娘の気持ちをケアする必要も強く感じました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年06月14日口唇口蓋裂で生まれてきた娘、くぴこちゃんを育てているじぇにこさんの育児マンガです。今回は鼻の修正手術が決まったくぴこちゃん。しかし、入院するタイミングと幼稚園のイベントがかぶってしまい、欠席することに。楽しみにしていた発表会に出られなかったことで、くぴこちゃんはかなり落ち込み、手術のモチベーションが低下。そんな娘を見たじぇにこさんは、「少しでも励ますことはできないかな」と考えるのですが……!?手術のために我慢と不安、●●作戦でモチベ上げ!やらなくてはいけないと頭でわかっていても、手術に対する不安が隠せないくぴこ。さらに入院は春休みに入る少し前のため、年中さんの3月の発表会に出られないなどで、より一層入院・手術に対するモチベーションも下がってしまい、とても落ち込んでしまいました。 落ち込む娘をどうにか励ますことはできないか……。 そう考えたときに、以前参加した交流会で口唇口蓋裂当事者の方から、聞いたあるアドバイスを思い出しました。 以前参加した口唇口蓋裂の交流会で手術へのモチベーションを上げる方法。 それは、「ささやかでも乗り越えた先に楽しみが待っていること」だと当事者の方が教えてくれました。 以前から気に入っているアニメの電子おもちゃを手術後のご褒美として用意しました。 こうしたところで、目前に迫った入院や手術への不安がすべてなくなるわけではありません。 でも新しいDVDや絵本など、入院生活をすこしでも楽しくいられるアイテムを見せていくと、乗り越えた先に少しでも楽しみが待っているというのがうれしいようで、娘の顔も少しほころんでいきました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年06月07日口唇口蓋裂で生まれてきた娘、くぴこちゃんを育てているじぇにこさんの育児マンガです。今回はくぴこちゃんの鼻の修正手術に関するお話です。鼻を形成するための手術が決まりました。そして、とうとう術前検査の日を迎えることに。緊張から心が落ち着かないじぇにこさん。「しっかりくぴこを支えるぞ!」そう心に誓い、検査に臨んだのですが、意外な展開にじぇにこさんは驚いてしまって……!?しっかり娘を支える! と意気込んだけれど…?年が明けて、修正手術を受けるための術前検査を受ける日を迎えました。 今まで手術よりも多く経験してきた術前検査ですが、何度経験しても緊張に慣れません。 しかし、検査を受ける娘本人が一番それを感じているはず! 過去の検査で怖がって泣いていた姿を思い返し、しっかりしなくては!と娘を励まし検査に臨みました。ところが……!? 採血では涙を見せたりもしましたが、常に抱っこしていて受けていた前回までの術前検査とは違い、検査のほとんどをひとりでこなしている娘をただ見守るだけに。 最初は戸惑いながらも、「終わったよ!」と元気に戻ってくる姿に、娘の成長を感じました。 前回の術前検査は2歳のとき。 その間に幼稚園に入り娘も成長しているというのは頭ではわかっていましたが、生後5日目から通っている病院での姿をずっと見てきたので、よりいっそう成長を大きく感じました。 私は本当に付き添っているだけの状態でしたが、1日かけての術前検査も無事終わり……。 担当医の先生からも許可が下りたことで、あとは入院・手術に臨むだけとなりました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年05月24日口唇口蓋裂で生まれてきた娘、くぴこちゃんを育てているじぇにこさんの育児マンガです。今回は、くぴこちゃんの鼻の形成のための手術をおこなうことが決まったときのお話です。手術することが決まり、日程については先生から「年明けの春休みごろおこないましょう」と言われました。しかし、先生の言葉を聞いたくぴこちゃんは「やだなぁ。手術しなきゃだめなのかなぁ」と反応。そんな娘を見て、じぇにこさんが取った行動は……?修正手術の日が決定したけれど… 明確になった予定日を聞いて、初めて娘が「手術しなきゃダメなの?」と疑問を投げかけます。 私は、言葉で口唇口蓋裂に対して娘に説明しても伝えきることは難しいと思いました。 そして、どうしようかと悩んだ結果、娘が生まれたときの写真やアルバムを使いながら、今回の手術について5歳の娘にも理解できるよう、できるだけ簡単に説明をしてみることに。 初めての口唇裂手術、翌年の口蓋裂手術。 赤ちゃんのころからこれまでに、撮った5000枚以上の娘の写真には、たくさんの思い出とともに、今の娘に繋がっている治療の過程がしっかり残っています。 口唇裂手術前の自分の姿をまじまじと見ながら「痛そう」と言う娘。 「このときはホッツ床(※1)を使ってミルクを飲んでいたけど、お口にこすれてできもの(潰瘍)ができたりして、痛いこと事たくさんあったと思う。でも、この写真をみると、乗り越えてちゃんと大きくなってくれたから本当にすごいねってパパもママもずっと思うんだよ」と、これまでの手術や治療について説明していきました。 どの治療もいまだに鮮明に覚えているくらいに、その一つひとつをこれまで小さな体で乗り越えてきてくれたことも、一緒に思い出すと、自然と尊敬と感謝がこみ上げるほどです。 (※1)ホッツ床(しょう):口の中の型を取って作るプラスチック製のプレート。上あごの口蓋裂部分を覆うことで、哺乳を助けたり、舌の機能を正常化することができる。 本当は、やるかやらないかを決められる修正手術。 でも、今度の手術を終えることで、今よりもお鼻での呼吸がしやすくなり、なによりもこれから学校に通うときに、今よりも楽しく過ごせる時間が増えるのなら、受けてほしいとママは思っていると、今回の手術に対しての私の率直な考えを娘に伝えました。 プレッシャーにならないようにと言葉をできるだけシンプルに選んでも、手術を受ける本人からしたら、やはり怖いものは怖い。 その気持ちも存分に汲んで、どうしても嫌となれば、いざとなったら担当の先生とも相談して、様子を伺おうと覚悟もしていたのですが……。 どう伝わったのかははっきりわかりませんでしたが、娘の手術に対する考えが少し頭によぎったようで、たくさんの写真を見ながら「頑張ってみようかな」と小さな声が出ました。 手術までこの気持ちが浮き沈みすることを考慮し、あとは寄り添って見守ることにしました。2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年05月17日口唇口蓋裂で生まれてきた娘、くぴこちゃんを育てているじぇにこさんの育児マンガです。くぴこちゃんと同じ、口唇口蓋裂のことで悩む人たちと交流できる会に参加することを決めたじぇにこさん。交流会の最後に、主催のえみかさんが当事者として口唇口蓋裂に対する正直な思いと、この笑みだち会での活動について語ってくれました。交流会を終えて知った親として大切なこと ”口唇口蓋裂を持っていても明るく生きている人がいる” そう伝えたくて発信してきたけど、同じ当事者さんからは「公にすることではない」など否定的な意見も多いのが現状です。 口唇口蓋裂をに対してどんなに明るくふるまっても、手術を繰り返すたびに感じる痛みや理不尽だと思うこともたくさんあります。 そのたびにネガティブな思いを抱えて、ときには家族とぶつかったりしました。 だけど、口唇口蓋裂に対してネガティブな意見も含めて捉え方は自由だし、だからこそ、自分らしく口唇口蓋裂向き合っていきたいです。 えみかさんは、そうな風に話していました。 口唇口蓋裂が抱える問題には、長引く手術や治療のほかに、「見た目問題」と言われる審美的な事情が含まれることが多いです。 この問題は当事者はもちろん、おなかの赤ちゃんが口唇口蓋裂と診断されたときに調べた先でショックを受ける保護者も少なくないと思います。 実際私自身もそうでした。 でも生まれてきた娘はとてもかわいいくて、私にとってはかけがえのない存在です。それは生まれた直後からずっと確信していることです。 しかし保護者と当事者でこの見た目問題に関して、そしてお医者さんが治るという意味と当事者が治ったと感じる温度差があるのは否めない、どうしても埋められない大きな溝があるのは確かです。 保護者としてできるサポートにも、いつか限界がきてしまうかもしれない。 おなかの赤ちゃんに口唇口蓋裂があると妊娠中に診断されてから、健康に産んであげられないという気持ち、手術や治療のたびに痛々しい姿を目にするとその都度、申し訳ない気持ちを感じていても、当事者である娘の苦悩は本当の意味でわかってあげられない。 それを責められる日がくると思うと、当事者の本音に触れる機会のある交流会への参加は少し怖い、そう思っていました。 しかし、えみかさんをはじめ当事者のみなさん、えみかさんのご家族の様子や、参加された同じ当事者家族のみなさんのさまざまな意見や考え方に触れたことで、口唇口蓋裂に対する気持ちを100%の理解することは誰しもできない。 ただ、それでも歩み寄り、向き合い安心できる環境や気持ちを当事者にもたらすことが、家族としてできる最も大切なことだととても深く学ぶことができました。 口唇口蓋裂が娘のすべてではない。それをまずは家庭から育んでいくことが大切であると気づけたおかげで、この病気に対しての捉え方が参加する前よりも、重く捉えることが少なくなりました。 今日遊んだ子のなかにも、自分と同じ治療をしている子がいたことに娘も驚きながら、「そうなんだ! みんなと遊んだよ! 楽しかった!」と笑顔でいてくれたことも含めて、私にとっても大変有意義で励みになった交流会でした。 (えみかさんの笑みだち会は、現在はオンラインにて交流会をおこなっています) 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年05月10日口唇口蓋裂で生まれてきた娘、くぴこちゃんを育てているじぇにこさんの育児マンガです。くぴこちゃんと同じ、口唇口蓋裂のことで悩む人たちと交流できる会に参加することを決めたじぇにこさん。じぇにこさんが疑問に思っていた「友だちへのカミングアウト」について、主催者であるえみかさんのお母さんが答えてくれました。当事者への質問! お友達へのカミングアウトについて事前アンケートの話題を終えて、参加者から当事者への質問へと話題が移りました。 娘が口唇口蓋裂について知ったうえで、今度はそれを娘の口からお友だちにカミングアウトすることに、相手の反応次第で本人が傷ついてしまうかもしれない。また、本人の口から周囲にカミングアウトすることは控えたほうがいいのでは?と私自身は考えていたですが、さきほどの当事者の意見を聞いて、隠すことで傷つくことも考えたら、どのように言葉をかけたらいいのかわからない……。 私の質問に対して、主催のえみかさんのお母さんが、当事者の保護者としての経験をもとにこう話してくれました。 「必要であれば周りに口唇口蓋裂への理解の働きかけをかけるなど、わが子を守る気持ちで寄り添うこと」と、えみかさんのお母さんからアドバイスを受けました。 また、こういったトラブルなどにも対応できるために、最も必要な基本的なことを聞いてハッとさせられます。 当事者と保護者。 一番近くて実は一番わかりあうのが難しいのでは……? そう思っていたことも、えみかさんとお母さんのは乗り越えてきたのだろうなと思うと、わが家もこうありたいなと望みたくなります。 また、他の当事者の方々も各々の経験をもとに、いろいろとアドバイスしてくれました。 口唇口蓋裂を受け入れてくれるかどうかは、残念ながらそれは相手次第になります。 否定的な意見もありますが、受け入れてくれる人はいるというとても親身な言葉に、ずっと不安だった気持ちに少し希望が持てました。 娘が生きていく世界でまずは娘の一番の味方でいたい。 そう強く思えました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年05月03日口唇口蓋裂で生まれてきた娘、くぴこちゃんを育てているじぇにこさんの育児マンガです。くぴこちゃんと同じ、口唇口蓋裂のことで悩む人たちと交流できる会に参加することを決めたじぇにこさん。交流会は和やかな雰囲気で始まりました。(会場の雰囲気はもっと深刻なものになるのでは……?)と想像していたじぇにこさんだったので、心のなかでホッと安心するのでした。参加者の考えと当事者の思い各々あいさつを終え、いよいよ交流会がスタート! まずはインターネットで申し込んだ際に回答した事前アンケートのなかで、一番質問が多かったテーマを取り上げて、参加者や当事者の意見を話し合います。 わが家の場合も以前からそのことで悩んでいたので、同じ気持ちの人が多いことにびっくり。 当時娘は手術を怖がっているものの、自分がなんの病気なのかをいまいちわかっていないという様子でした。 本人が口唇口蓋裂について何か気づくまでは、こちらからいきなり説明するのはかえって不安にさせるかもしれないと思うと、本人へ口唇口蓋裂についていつ伝えるか夫とともに悩んでいたので、この話題はとても興味深く耳を傾けました。 参加者のなかにも同じ気持ちの人がいたり、きちんと病気を伝えて説明している人もいたりしてその事情はさまざま。 また当事者の経験談からは、家族内で口唇口蓋裂の話題そのものがもはやタブーだったという方もいれば、口唇口蓋裂だけど治るとオープンに説明を受けて納得したという声もあり、年齢や当事者の性格だけに関わらず、家庭の状況など伝え方だけでもいろいろな意見があり、どの経験談もとても関心がもてるものばかりでした。 この話題の最後に、ご自身の経験や多くの当事者から寄せられる意見を見てきた主催のえみかさんから強いメッセージがあり、今でも胸にとても強く残っています。 口唇口蓋裂を変にごまかしたり、ぼやかされたりすることはかえって当事者を傷つける、伝えるときは本人の気持ちに寄り添いながら、隠さず、少しずつよくなることを伝えて安心させてほしい。 この言葉は説得力が強く、病院でも聞けない貴重な意見だととても印象に残りました。 娘が口唇口蓋裂に対して強く疑問を持ったときにどのように対応するべきか、避けられない問題としてずっと不安に思っていたことだったので、今回の当事者の説得力のある言葉を聞いて、心の準備ができるという点でも、どの意見もとても参考になりました。 また、個々の症例や治療が異なっていても、向き合う問題は共通なんだということも知ることができました。 さらに、考え方はそれぞれ違っていても、同じように悩んで向き合っている人たちの意見が聞けたのはとても刺激的だったし、私にとってすごく意味のある時間を過ごすことができました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年04月26日「口唇口蓋裂ちゃん、育ててます」180話。引き続き、くぴこちゃんの修正手術を決意したときのお話です。修正手術をおこなうことを伝えると、「うーん、怖いなぁ」と反応したくぴこちゃん。その反応を見たじぇにこさんは"本当にこれでいいのか"と、悩んでしまいます。そんなとき、ネットを口唇口蓋裂の当事者や家族と交流できる会があると知ります。修正手術をおこなうことに対して迷いのあったじぇにこさんは、交流会に参加してみることに……!ヒントを求めて交流会への参加を決意!2018年、親子で初めて口唇口蓋裂の交流会へ参加しました。 今回の交流会の主催は、2015年にテレビでご自身の口唇口蓋裂について公表された小林えみかさんが代表を務める任意団体(2021年現在はNPO法人)「笑みだち会」。 口唇口蓋裂をもつ当事者同士やその家族の交流、口唇口蓋裂についての理解のため活動されていて、現在もオンラインでの交流会を中心に活動を続けています。 私も当時のテレビで小林さんを知った1人でした。 会場につくと……? わが家のように口唇口蓋裂当事者の家族だけでなく、おなかの赤ちゃんが口唇口蓋裂なので今後の参考に来られた妊婦さんや、口唇口蓋裂の当事者として参加された方などさまざまな人が参加していました。 一方子どもたち達はというと……? 大人たちの難しい話や神妙な雰囲気のなか娘が退屈しないか心配していましたが、別室で保育士さんにみてもらいながら、年の近い子たちとあっという間に打ち解け、楽しそうに遊んでいたので、主催の方の配慮にとても感謝しました。 各々自己紹介を済ませていよいよ交流会がスタート! 「この交流会は口唇口蓋裂に関する経験談や悩みなど、当事者や保護者それぞれの視点や思い、それを参考に皆さんの今後の治療などの参考にしてもらう以外にも、今回集まった方々の繋がりを作るきっかけになればと思い開催しました」という交流会の趣旨を説明され、和やかに始まりました。あまり公にすることのない口唇口蓋裂のイメージから、会場の雰囲気がもっと深刻なものになるのではと想像して緊張していたのですが……。 実際には、病院以外の場所でこんなにもさまざまな立場から口唇口蓋裂に向き合っている人が集い、私たち家族以外にもこの病気について少しでも深く知りたいという人たちが多くいることが心強く感じられて安心しました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年04月19日「口唇口蓋裂ちゃん、育ててます」179話。前回のお話でくぴこちゃんの修正手術について悩んでいたじぇにこさん。しかし、夫婦で話し合い手術を受けることを決意。そして、そのことをくぴこちゃんに伝えるのですが……?ヒントを求めて交流会への参加を決意!悩みに悩んで、修正手術を受けると決めたその日――。 娘に手術を受けることと、その理由を簡単に説明しました。 娘のために決めたとはいえ、実際受けるのは娘自身。 いくら必要な手術だとしても、娘にとっても怖いというのは当然です。 怖いというものの、嫌だとまで強く言わないところが、健気に状況を飲み込もうとしているようで、私自身その場では娘の言葉を受け止めることしかできませんでした。 翌日以降娘はいつもの調子に戻り、特別落ち込んだ様子などはなく、普段通りの日常を過ごしていましたが……。 私は「怖い」と思いを吐露した娘のことが気にかかり、本当にこれでいいのかという迷いが日に日に強くなりました。 夫とも相談し合っても彼も同じ思いなので、結局悩みが振り出しに戻ります。手術を受けることがどんなに重要だと頭でわかっていても、時間が経つごとに悩みが増していきました。 しかし、そんな解決の糸口が見えないままの状態が続いたある日、とある口唇口蓋裂の交流会があるという情報をネットで知りました。この交流会では、当事者やその家族の経験談、さらに悩みなど相談しあえることもできるとのこと。 今まで入院のときに、その場に居合わせたお母さんたちとの簡単な交流はありましたが、こういった集いの場に参加する機会は一度もありませんでした。 交流会で修正手術への迷いに対して何かヒントがもらえるかもしれない。 また、娘自身も自分以外にも同じ病気をもっている子がいることを知ることで、何か気付きがあったり、励みに繋がるかもしれない……。 そう思うと、いてもたってもいられなくなりました。 そして、交流会に参加してみることに。 今回の手術に関しての問題は、家族だけでの解決は難しいと判断し、当事者本人やその家族の方々の経験談から得るものがあるかもしれない……。 そんな希望をもって、親子で初めて口唇口蓋裂交流会への参加を決めました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年04月12日「口唇口蓋裂ちゃん、育ててます」178話は、くぴこちゃんの左側のお鼻が倒れてしまったときのお話です。先生に相談すると、「修正手術で整えたほうがいい」と言われるのですが、じぇにこさんはある理由から悩んでしまって……??慣れない矯正器具。思わず娘の口から本音が…幼稚園に通うようになり1年が過ぎ、年中さんになったくぴこ。 登園の間は失くさないようにレチナを外していたのですが、家でレチナをつけるだけでは間に合わないようで、左の鼻がまた大きく倒れたように形が崩れてきてしまいました。 それは日に日に目立ってきているように思えて、ある日、口腔外科の先生に相談しました。 (※)レチナ:鼻の形を維持する目的で使用するシリコン製の装具。 口腔外科の先生からは、修正手術をすることで形を整えることができると提案されます。 修正手術のことは口唇裂、口蓋裂の手術のときに、患者さんのお母さんたちから聞いて知っていました。 しかし、それをいつごろおこなうのかなど、詳しいことは知らなかったので、ここで提案をされて驚きました。 さらに……。 修正手術をおこなうかどうかは特別な場合を除き、ほとんどは両親の希望によるものだという説明を受け、手術をする・しないの選択が保護者である私たちにゆだねられることに、ものすごく動揺しました。 手術を受けると選択しても、実際受けるのはくぴこ本人。 さらに、まだ幼いまぴこのことや、以前に先生から口唇口蓋裂の手術においてはできれば回数は少ないほうが良いと説明を受けたことなど、いろいろな考えがよぎります……。 何よりも今までと違い今回の手術は、娘が怖い思いを鮮明に覚えてしまうことを考えると、その場ですぐに答えられませんでした。しかし、今の鼻の形状では今以上に周囲の反応に敏感になってくると思うと娘のこの先の長い学校生活に支障が出てくるかもしれない。倒れた左側の鼻の形のままでいいのか……とそれも娘のためだとは思えません。 診察時にはすぐに答えられず、会計を終えるまで悩みに悩んで、夫とも相談し、選択した答えは……!? 何が一番娘にとって良い選択なのか、かなり悩みましたが、お鼻の形をこのままにするというのは決して良い選択とは思えず、娘の未来が少しでも良いものになりますように……という思いで、修正手術を受けることを選択しました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年04月05日「口唇口蓋裂ちゃん、育ててます」177話は、前回に引き続き、歯科矯正治療についてのお話です。くぴこちゃん専用の矯正器具が完成したのはいいものの、矯正器具をつけての生活がスタートします。すると、ある日くぴこちゃんの口から本音が飛び出して……!?慣れない矯正器具に娘の本音が…!新しい治療のため、矯正装置をつける生活が始まりました。 日中は特に変わりはありませんでしたが、夜になると鼻にはレチナ(※1)とそれを固定するテープ。口の中には矯正器具、お顔にはワイヤー状のフェイスマスクといろいろとつける必要があります。 そしてそんなある日、娘がひと言呟きます……。 (※1)レチナ:鼻の形を維持する目的で使用するシリコン製の装具。 ぽつりぽつりとうなだれながら、わずらわしい装置に対しての本音を呟きますが、それでも歯科矯正の先生の説明が丁寧で娘にもわかりやすかったこともあり、子どもながらに矯正装置をつける意義を一生懸命納得させているようでした。 今まで言われるがままだった娘の治療に対する言葉を聞き、胸が痛くなります。 しかし、それは初めて聞く娘の治療に対する本当の気持ちでした。 口唇口蓋裂の治療に対する初めての娘の本音。 今までも十分頑張ってくれている娘に、治療の理由を説いたり、無下に応援するのではなく、まずは娘の気持ちを受け止めることが大切だと思いました。 胸は痛みましたが、娘が自分の気持ちを正直に教えてくれたことに安心しました。 直接の解決に繋がることは少ないかもしれませんが、治療における娘の本当の気持ちがちゃんと吐き出せるように、娘の言葉や思いを否定しない、それは今でもとても大切にしています。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年03月29日「口唇口蓋裂ちゃん、育ててます」176話は、前回に引き続き、歯科矯正治療についてのお話です。くぴこちゃん用の矯正器具が完成したのですが、その見た目が想像していた物とだいぶ違って……??矯正装置が完成!その見た目にちょっとビックリしたけど…?初めて矯正歯科を受診し、型取りをしてもらった後日、矯正器具が完成しました! 診察室に呼ばれ、実際矯正器具をつけた娘を見たところ、想像していた物と違って思わずビックリ! 驚く私に先生は丁寧に娘に使用する矯正器具について説明してくれました。 上顎を前に引っ張るゴムの力は徐々に強くしていきながら、どちらも半年から1年を目安につけていき、時間をかけて上顎の成長を誘導していきながら、かみ合わせの状態を改善していくのだそうです。 想像していたもの(一般的によく見るマルチブランケット)とだいぶ違い、最初フェイシャルマスクをつけた状態があまりに大がかりに見えたので、親子でびっくりしましました。 しかし、この治療がこれからの娘の口唇口蓋裂の治療や言語、将来にも大きく影響していくと聞き、とても重要なものだということを知りました。 成長や治療状態に合わせて装置も変わり、矯正器具が壊れた場合やメンテナンスなど、細かい経過を見ていく必要があるので、口腔外科や言語と同じくこれから定期的に通いつつ、長期の治療が始まります。 口腔外科、言語治療、そして新たに矯正歯科、他にも口唇口蓋裂の影響で患っている滲出性中耳炎の治療のための耳鼻科など、口唇口蓋裂という病気が多方面からの治療が必要なことを改めて実感しました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2022年03月22日「口唇口蓋裂ちゃん、育ててます」175話は、前回に引き続き、歯科矯正治療についてのお話です。5歳になったくぴこちゃは本格的な歯科治療を始めることに。その際、先生が現状のお口の状態を説明してくれました。口唇口蓋裂における歯科矯正の重要性とは?娘が5歳のころから、歯科矯正治療を開始することになりました。 まずは頭部のレントゲン(横顔)と口元周辺のレントゲンを撮影したうえで、先生が娘の口元の状態を説明してくれました。 当時は気付かなかったのですが、4歳~5歳のころの娘の写真を見てみると、口唇口蓋裂のある左側を中心とした上唇周辺が凹んだ感じに見えます。 娘は上顎の成長が下顎よりも遅れている影響が出ているので、それを改善するために矯正器具を使っていくのですが、治療内容を初めて聞いたときすごく驚きました。 頭蓋骨のプレートが動く作用を矯正装置でうまくコントロールして、顎の成長を誘導していくと聞き、手術もしないでそんなことができるのかと人体の神秘を感じ、とても驚きました! 口唇口蓋裂の影響により、上顎の成長が下顎よりも遅れて受け口になりかけていたということを知り、心配で戸惑いましたが……。 歯科矯正をおこなうことで改善していくと知り、改めてこの治療の重要性を理解しました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター じぇにこ
2022年03月15日