2024年3月現在、麻しんウイルスによる感染症である『麻しん(はしか)』が世界的に流行。日本でも、海外からの帰国者などから感染報告が相次いでおり、症状が疑われる場合は、医療機関に相談するよう呼びかけられています。子供の頃に感染し、自然に免疫を獲得するか、ワクチンを2回以上接種していることが予防に有効とあり、接種の有無を確認する人もいるでしょう。@menminosabuakaさんも、はしかが流行し始めてから、母親にワクチン接種の有無を確認した1人。その時のエピソードをX(Twitter)に投稿したところ、反響が上がりました。はしかのワクチン接種を母親に確認したら?はしかが流行し、心配になった投稿者さんは、ある日「私、麻しんと風しんのワクチンを打った?」と母親に聞きました。すると、母親からは「麻しんは1回打ってるよ!風しんは1歳の時に罹ったから打ってないよ」という回答とともに、母子手帳のページの写真が送られてきたとか。そこには『風しん』に罹った記録とともに、投稿者さんの満1歳の頃の成長が記されていたのですが…その内容にツッコミを入れずにはいられませんでした。なぜなら…。ずいぶんとゆっくりな発達…!母親は月齢を記入するつもりが、間違えて年齢の欄に記入してしまったようです。その結果、『テレビやレコードなどの音楽に合わせて身体を動かすのが、9歳』、『「おいで」や「ちょうだい」といった言葉を理解するのが、11歳』になっていました!きっと、投稿者さんの母親は家事と育児で疲労がたまっていたのでしょう。記入欄こそ間違えているものの、我が子の成長がしっかりと記録されている母子手帳からは、愛情も感じますね。ツッコミどころ満載な母子手帳には、「笑いが止まらん…涙が出てきた」「想像したら面白すぎる」など、爆笑する人が続出。さまざまなコメントが寄せられています。・ツッコミどころがありすぎて…。おおらかな子育てってことですね。・爆笑して過呼吸になりそうでした。朝からありがとう、お母さん。・声を出して笑っちゃった。つたい歩きだけめっちゃ早かったんだな…。・お母さんお疲れだったんですね。ほほ笑ましいです。子供の成長記録が記されている母子手帳は、もしかすると『子育て中の親の様子』も垣間見れるものなのかもしれません…![文・構成/grape編集部]
2024年03月21日《はしか、欧州急増し世界的に流行ワクチン接種減影響か、日本でも》3月2日、共同通信は、欧州を中心に世界各地ではしか(麻疹)の感染が拡大していると報じた。日本でも、3月8日東京都内で、20代女性の感染が報告、この患者は、3月1日に大阪府で発表した事例と同じ国際便の飛行機に搭乗していた。ナビタスクリニック立川の内科医・久住英二さんが語る。「WHO(世界保健機関)によると、欧州で発生したはしか患者数は、2022年は約950人でしたが、2023年には4万2千200人と、45倍にも急増しています」その原因と考えられるのが、コロナ禍によって6千100万回分のワクチン接種の機会が失われたことなどがあげられる。「また、ワクチンに対するネガティブな情報などにより、接種をためらう人が少なくないのではないでしょうか。ただし、はしかは集団の95%に免疫がなければ流行してしまう危険性があり、本来2回受けるワクチン接種率のわずかな低下でも影響が出る可能性があります。実際に患者が急増している欧州では、2019年の1回目のワクチン接種率は96%でしたが、2022年には93%に、2019年の2回目の接種率は92%でしたが、2022年には91%に減っています。このわずかな差で、大流行が起きているのです」(久住さん、以下同)それほど感染力が強いのが、はしかの特徴なのだ。■インフルエンザの9倍もの感染力が!「空気感染するため、換気が行き届かない建物の中に1人感染者がいれば、建物にいる全員が感染する可能性があるほどです。マスクで予防することもできません。基本再生産数を見ても、新型コロナは1人の感染者から3人程度、インフルエンザは2人程度に感染しますが、はしかは12〜18人に感染します。単純計算するとインフルエンザに比べ6〜9倍の感染力があるといえます」そのため、世界では定期的に局所的な、小規模な流行が発生してきた。「2015年、アメリカのカリフォルニア州では、ディズニーランド来園者などから、はしかが流行。流行した地域のワクチン接種率は、わずかに下がっていたと報告されています」日本国内でも、感染例が報告されている。2016年には関西空港の空港職員などが集団感染した。2018年には台湾から沖縄観光に来た1人から、沖縄で流行。このとき名古屋では、沖縄旅行をした男性から女性が感染するなどして、愛知や東京などにも感染が広がった。また、コロナ禍のなかの昨年4月、インドから帰国した男性が、発熱などの症状を訴え、はしかに感染していることが判明。同患者と同じ新幹線に乗り合わせた30代女性、40代男性への感染も相次いで確認されている。「ワクチン接種や自然感染をせず、免疫を持っていなければ、ほぼ100%感染します」そのワクチンも、2000年4月2日以降に生まれた人は2回接種をしている可能性が高いが、1972年9月30日以前に生まれた、今年52歳以上となる人は、1回もワクチン接種をしていない可能性が高い世代だ。また1972年10月1日から2000年4月1日までに生まれた人は1回接種の世代となる。「多くが自然感染しているはずですが、免疫を持っていない、また十分でない人は要注意です」■特効薬がないので治療は対症療法だけはしかは10日ほど潜伏期間があり、初期症状は普通の風邪と同じで、せきや鼻水、発熱など。「発症3日目くらいから症状が強まり、40度を超す熱が出たり、結膜炎を起こしたり、全身にぶつぶつと赤い発疹が出てきて、1週間ほどで治ります。インフルエンザに対するタミフルのような特効薬はないため、治療は高熱が出れば解熱剤を服用するなど、対症療法となります」また、国立感染症研究所の資料によると、約30%の患者が合併症を発症するという。その半数を占めるのが肺炎。「肺炎は高齢者の場合、死亡することもあります。脳炎を起こせば、錯乱したり意識レベルが低下したり、最悪、死に至ります」1千例に1人は脳炎を起こすといわれている。さらに、患者10万人に1人の割合で起こる亜急性硬化性全脳炎は、はしかに感染して7〜10年ほどで発症する中枢神経疾患。「治療薬はなく、発症後は知能障害や運動障害が進行し、数カ月から数年で死亡します」妊婦も要注意。感染すると、重症化しやすく、30〜40%の確率で早産や流産、死産となるというデータもあるのだ。「はしかの死亡率は0.1%程度といわれています。ただし、コロナ禍でも経験したとおり、感染が爆発的に広がると医療崩壊が起きて、死亡率が上昇します。2019年、フィリピンではしかが流行した際には、死亡率が3.2%だったと報告されています」日本でもコロナ禍で人との接触が限られ、手洗いやアルコール消毒の習慣が続いているため免疫力が落ちているので、感染すれば症状が重くなることも考えられるという。「過去2回のワクチン接種や感染歴がわからない人は、抗体検査やワクチン接種を検討しましょう。自費の場合、抗体検査は5千〜8千円ほど、ワクチン接種は1回あたり9千円〜1万1千円ほどです」“はしかのようなもの”と若気の至りとして扱われているはしかだが、決して甘く見てはいけない病気なのだ。
2024年03月14日「はしかは感染力が非常に高く、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症するといわれています」5月16日の会見で、このように警鐘を鳴らしたのは加藤勝信厚生労働大臣。4月下旬、日本国内で3年ぶりにはしかの感染が確認されたのだ。「4月27日、インドから帰国した男性が、発熱などの症状を訴え、はしかに感染していることがわかりました。その男性は4月23日に、新神戸から東京までの新幹線に乗車していたのですが、同じ新幹線に乗り合わせた30代女性、40代男性への感染も5月12日に相次いで判明したのです。新たに感染した40代の男性は症状が出た後の5月4日にも三島から新横浜までの新幹線に乗車していたため、そこからの感染拡大も懸念されています」(全国紙記者)さらに、5月15日、神戸市でもはしか患者が確認された。こうした報道にふれても、はしかは現在では“過去の病気”“子供がかかる病気”と捉えている人は多いのではないだろうか。だが、五良会竹内内科小児科医院の五藤良将先生はこのように受け止めている。「日本でも’16年に関西空港の空港職員を中心に流行。’18年には沖縄観光に来た台湾人から、沖縄県内での流行に発展しました。このときには、名古屋でも沖縄旅行をした男性から女性が感染するなど、愛知や東京などにも感染が広がっています。今回のケースも、新幹線内で感染が確認されたことが不安材料です。ゴールデンウイークで人の移動が多かったので、感染がこれ以上、広がらなければいいのですが」五藤先生がこうした懸念を抱くのは、はしかが非常に強い感染力を持つためだ。国立感染症研究所の資料によると、免疫のない集団に一人発症者がいた場合、二次感染するのはインフルエンザなら1〜2人だが、はしかの場合は12〜14人も感染するというのだ。「単純計算すると、インフルエンザの10倍ほどの感染力の強さといえます。実質、ワクチン接種や過去に自然感染して免疫を持っていなければ、ほぼ100%感染する病気です」(五藤先生、以下同)ひとたび感染すれば、無症状患者はほとんどおらず、90%以上が発症するという。「潜伏期間は10日から12日ほど。カタル期といわれる初期段階では、風邪症状が起き、2〜4日は38度前後の熱が出たり、せき、くしゃみ、鼻水、目やにや目の充血などの症状が出ます。このカタル期の感染力が強いのですが、風邪と同じ症状のため、はしかかどうか見分けがつきません」特徴的なのは、一度熱が下がった後、再び熱が上がり、発疹期に入ること。「コプリック斑という、頰粘膜にできる白いぶつぶつが出始めたり、体中に細かい赤い発疹がつながるように広がります。基本的に薬はないので、対症療法となります。一般的には、風邪薬にも利用される、カロナールといわれるアセトアミノフェンが処方されます」はしかで怖いのは、約30%の患者が合併症を発症することだ。とくに合併症の半数を占めるのが肺炎だ。「肺炎は高齢者の場合、死亡することもある病気です。また1千例に0.5人から1人と頻度は低いものの、脳炎の合併症も起こります。ウイルスが脳に入ることで意識障害が起きたり、最悪の場合は死に至ります」■マスクでは感染を防げないさらに国立感染症研究所の資料によると、患者10万人に1人に起こる合併症として、亜急性硬化性全脳炎が挙げられている。はしかに感染して2年から10年で発症する中枢神経疾患で、知能障害や運動障害が進行し、6カ月から9カ月で死亡するという。「また、要注意なのは妊婦。はしかに感染すると、重症化したり、30%から40%の確率で早産や流産を起こすといわれています」大人にとっても無関係ではないはしか。マスクでの予防はできないという。「通常の風邪のウイルスよりも小さいため、一般的なマスクでは透過してしまうのです。また、接触感染、飛沫感染ばかりでなく、空気感染もします。はしかの場合、感染者の周囲には長時間ウイルスが漂い、拡散されるので、感染者と離れていても、同じ部屋にいれば感染リスクがあるのです」唯一の予防手段はワクチン。現在では定期接種になっているため“打った”と思い込みがちだが、世代によっては接種していない場合もある(右下表参照)。たとえば’72年9月30日以前に生まれた人、つまり現在50歳以上の人は、1回もワクチン接種をしていない可能性が高い。ただし、はしかは一度感染すると終生免疫が続くといわれているため、はしかに感染したことがあるかをチェックしよう。感染歴のない人は要注意だ。また、’72年10月1日から’00年4月1日までに生まれた人は、1回はワクチンを接種している可能性が高い。ただし、国は感染の経験がなければ2回目の接種を推奨している。「過去の感染歴や接種記録がわからない場合は、3千円ほどの抗体検査で、どれだけ抗体を持っているのか調べる方法があります。ワクチン接種をしていない人、抗体が少ない人は、これを機にワクチン接種を。8千円から1万円ほどで受けられます」一人一人が免疫を持つことで集団免疫ができ、流行を防げるのだ。
2023年05月25日小児がかかりやすい、ウイルス感染症のひとつである「はしか」。春から夏までは患者が増えることもあり、ワクチンが切れかけている大人がかかる場合も。ここでは、風邪と間違って判断しやすい「はしか」のセルフチェック方法をご紹介します。該当する症状が多い場合は、すぐ医療機関を受診しましょう。■はしかにかかりやすい年齢と時期・1~2歳(母親からの免疫が切れる時期)・10~20歳後半(ワクチンの効果が薄くなった時期)■かかりやすい季節、場所・初春~初夏・保育所、幼稚園、学校、職場など人が多く集まる場所。患者が出ると、他の人にも伝染する可能性があるため、自宅や病院で療養が必要■主な症状1.3~4日程度、重い風邪のような症状がでる。(38度以上の高熱、せきや鼻水)2.高熱が若干落ち着き、口の奥の方に白い水泡(コプリック斑)がでる。3.再び高熱が出て、顔や首、胸や背中などに細かく赤い発しんがでる。4.1の症状がでてから1週間程度で熱が下がり、発しんが黒くなってくる。(色素沈着後次第に回復)風邪に非常に似ていますが、大きな違いはコプリック斑や赤い発しんがでること。また、免疫が下がることで合併症を引き起こすこともあり、そうなると回復までに時間がかかることもあります。■どうすれば治る?風邪と同じく特効薬はないので、安静に療養することが大事です。医療機関で薬などをもらったら、ゆっくり休むようにしましょう。自己判断で病院に行かないままでいると治るまでに時間がかかり、症状も重くなりがちです。大人の場合、寝不足やストレスなどで体の免疫力が低下しているときは特に注意しましょう。■「はしか」に予防法はある?「はしか」はワクチンを接種していると高い確率で予防できます。小児は1歳を過ぎたらはやめに接種しておくといいでしょう。また、女性が妊娠中に「はしか」にかかると、流産の危険性が高くなると言われています。不安な場合は妊娠する前にワクチンを接種しておきましょう。・感染症情報センター 麻疹(はしか)■海外に行く場合は予防接種を近年大人の「はしか」が増えているため、小児以外でも予防接種を受けるケースが増えています。「はしか」は世界的に流行する可能性があり、国によっては患者が多くいる地域も。そのため海外に行く場合は、予防接種を事前に受けておくといいでしょう。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年03月28日