爆発的なヒットが生まれず、安パイだったはずの胸キュン映画やコミックの実写化も低調だった昨年の日本映画界。一方で『あゝ、荒野』をはじめ、個性的で頼もしい秀作が数多く生まれており、重要な転換期を迎えているのも確か。“面白いこと”が起こりそうな予感だ。★日本映画に風穴を白石和彌監督の“突破力”に期待!2018年、最も活躍が期待されるのが白石和彌監督。長編2作目となる『凶悪』(2013年公開)で注目され、『日本で一番悪い奴ら』も絶賛された俊英は、昨年『彼女がその名を知らない鳥たち』でその評価を確固たるものにした。魅力は「共感なんていらない」とばかりに、人間の奥底に潜む闇を暴く“突破力”だ。そんな白石監督は、ピエール瀧&リリー・フランキーの「凶悪」コンビと再タッグを組む『サニー 32』(2月17日公開)、柚月裕子氏の小説を実写化した『孤狼の血』(5月12日公開)が相次いで公開される。早くも前者は賛否両論、後者には絶賛の声があがっており、持ち味の突破力は健在。閉塞した日本映画界に、風穴を開けてくれることは間違いなさそうだ。★海外作品のリメイク、新たなトレンドに?邦画の新たなトレンドとして、注目を集めそうなのが海外作品のリメイク。『銀魂』の大ヒットで勢いに乗る福田雄一監督の新作『50回目のファーストキス』(6月1日公開)は、2004年にアダム・サンドラー&ドリュー・バリモア主演で公開された同名ハリウッド映画のリメイクにあたる。オリジナル版の舞台であるハワイでオールロケを敢行し、現地で天文学の研究をするプレイボーイの大輔(山田孝之)、事故の後遺症で、毎晩記憶がリセットされるヒロイン・瑠依(長澤まさみ)が不器用な恋愛模様を繰り広げる。これは面白そう!日本でもロングランヒットを記録した韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』を、同作の大ファンである大根仁監督がリメイクする『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(8月31日公開)も期待したい一作だ。★細田守監督『未来のミライ』が照らす、アニメ界の未来とは?『サマーウォーズ』『バケモノの子』で知られる細田守監督、3年ぶりの新作となる『未来のミライ』が7月20日に全国公開される。甘えん坊な4歳の男の子「くんちゃん」が、未来からやってきた妹の「ミライちゃん」と出会うファンタジックな“兄妹”の物語だ。昨年末に開かれた製作発表会見で、細田監督は「4歳の男の子に妹ができて、妹に両親の愛を奪われた兄が、愛を求めてさすらい旅立つストーリー」だと説明し、「独自な面白い作品になる予感がしている」と手応えを示している。2016年に新海誠監督の『君の名は。』が国民的なヒットを記録し、長編アニメに対する映画ファンのニーズも大きく様変わりした中、同じくオリジナルの世界観を追求し続ける細田監督が、どんな未来を照らすのか期待は高まるばかりだ。とりあえず、ケモノじゃなくて良かった!(text:Ryo Uchida)
2018年01月03日映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』が、2018年3月30日(金)に全国で公開。トロント国際映画祭で絶賛を集め、アカデミー賞では主演男優賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。名優ゲイリー・オールドマンがチャーチルに主演は、クリストファー・ノーランによるバットマンシリーズでもお馴染みの、名優ゲイリー・オールドマンだ。ストーリーは、実話を元にしており、チャーチルの首相就任からダンケルクの戦いまでの知られざる4週間を描いていく。ノーラン監督の映画『ダンケルク』とセットで見るとより楽しめるかもしれない。ゲイリー・オールドマンは、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』での演技が認められ、ゴールデン・グローブ賞のドラマ部門の主演男優賞を受賞し、次のようにコメントした。「ウィンストン・チャーチルは"自分の好みはとても簡単だ。最高のものさえあててくれれば満足する"と言いましたが、クリスティン・スコット・トーマス、リリー・ジェームズ、ベン・メンデルソーンをはじめ、私は最高な人々に囲まれました。素晴らしいメイクアップチームにも感謝します。あなたの芸術は誰にも真似するができません」なお、ゲイリー・オールドマンは、アカデミーで主演男優賞を受賞した。30年以上にわたってハリウッドの一線で活躍し名優と言われてきたが、アカデミー賞の受賞は初めてとなった。アカデミー賞では6部門にノミネート第90回アカデミー賞では、ゲーリー・オールドマンの主演男優賞、メイクアップ賞、作品賞、美術賞、撮影賞と計6部門にノミネートされ、主演男優賞、メイクアップ賞を受賞した。チャーチルそっくりの特殊メイク - 立役者は辻一弘『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』では、ゲーリー・オールドマンが、特殊メイクでチャーチル首相に変身。本人そっくりに見えると話題になっている。特殊メイクでチャーチル首相に変身させたのは辻一弘だ。彼は、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』『メン・イン・ブラック』などの人気作品のメイクを手掛けてきたほか、アダム・サンドラーの『もしも昨日が選べたら』、エディ・マーフィーの『マッド・ファット・ワイフ』ではアカデミー賞にノミネートされている特殊メイクの実力者。なお、本作では、3度目のノミネートにして初めて、アカデミーメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。メイクアップ賞を受賞したのは日本人初のこと。脇を固める豪華キャストチャーチルを支える妻クレメンティーンはクリスティン・スコット・トーマス。『イングリッシュ・ペイシェント』『フォー・ウェディング』が代表作で、演技派女優だ。秘書エリザベス役は、『ベイビー・ドライバー』『シンデレラ』と話題作に出続けるリリー・ジェームズ。国王ジョージ6世にベン・メンデルスゾーン(『名もなき塀の中の王』)を配役。監督はジョー・ライト監督は、若くして手掛けたした『プライドと偏見』で一躍脚光を浴びその後、『つぐない』『アンナ・カレーニナ』などでメガホンをとったイギリスの秀才ジョー・ライト。脚本は、『博士と彼女のセオリー』でアカデミー賞候補となったアンソニー・マクカーテンが担当した。あらすじ第二次世界大戦の初期。ナチスドイツの勢力は拡大し、フランスは陥落するのではないかという状況になっていた。イギリスにも侵略の脅威が徐々に迫る。連合軍がダンケルクの海岸で窮地に追い込まれる中、ヨーロッパの運命は新たに就任したばかりのイギリス首相のウィンストン・チャーチルの手にゆだねられた。ヒトラーとの和平交渉か、あるいは徹底抗戦か?この時、チャーチルは究極の選択を迫られる。議会の嫌われものだったチャーチルは、どう選択したのか?いかに世界の歴史を変えたのか?作品詳細『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』公開日:2018年3月30日(金)原題:Darkest Hour監督:ジョー・ライト出演:ゲイリー・オールドマン、クリスティン・スコット・トーマス、リリー・ジェームズ、スティーヴン・ディレイン、ロナルド・ピックアップ、ベン・メンデルソーン2017年/イギリス/125分配給:ビターズ・エンド/パルコ(C)2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.
2017年12月03日ドリュー・バリモアとアダム・サンドラーがハワイを舞台に共演したロマンティック・コメディを原案に、山田孝之と長澤まさみが10年ぶりに共演を果たす映画『50回目のファーストキス』が、2018年6月1日(金)に公開されることが決定。『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』などの福田雄一監督が、初めて王道ラブストーリーに挑む。■あらすじハワイのオアフ島。ツアーガイドのバイトをしているプレイボーイの大輔は、ある日、カフェで瑠依という明るくて魅力的な地元の女性と出会う。2人はたちまち意気投合し、次の日も会うことに。でも、翌朝会った瑠依は、大輔のことをまるで覚えていない。瑠依はかつて事故に遭い、新しい記憶がひと晩でリセットされてしまうという後遺症を抱えていた。そんな彼女に本気になった大輔は、毎日、“初対面”の瑠依をあの手この手で口説き落とす。2人は毎日恋に落ち、毎日ファーストキスをくりかえすことになるのだが…。■“セカチュー”ブームを巻き起こした山田孝之&長澤まさみが恋人役に原案は、いまも熱狂的なファンをもつロマンティック・コメディの傑作『50回目のファースト・キス』(2004/ピーター・シーガル監督)。本作で、毎日恋におちる大輔と瑠依を演じるのは、いずれも日本映画界には欠かせない存在である山田さんと長澤さん。映画での共演は『そのときは彼によろしく』(’07)以来、実に10年ぶり。かつて、山田さんはTV版、長澤さんは映画版の『世界の中心で、愛をさけぶ』に出演し、「セカチュー」ブームを巻き起こした2人が、恋人役でタッグを組む。「勇者ヨシヒコ」『闇金ウシジマくん』シリーズなど多数の代表作をもち、俳優として特異なスタンスを築いてきた山田さんは、今回満を持して“王道ラブストーリー”に帰還!山田さんが演じる大輔は、ハワイでツアーガイドのアルバイトをしながら天文学の研究をしているという設定。あとクサれのない恋愛が信条のプレイボーイだが、瑠依にひと目惚れし、実は一途で真面目な一面を見せていく。“男が惚れる・山田孝之”が、本作ではユーモアと大人の色気を炸裂させながら、優しい包容力で全女性の心を虜にするに違いない。また、日本アカデミー賞5度の受賞を埃、演技派女優としてますます磨きがかかる長澤さんが演じる瑠依は、記憶障害を抱えながらもそのことさえも覚えていられず、明るくけなげに生きているチャーミングな女性。『銀魂』での弾けっぷりも記憶に新しいところだが、本作で見せる破壊的な可愛さは『モテキ』以来!?あの“笑顔”に、またしても全国民が恋をする!さらに、秘められた悲哀の繊細な表現には、涙を誘われるはず。脚本・監督を務めるのは、今年も映画『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』の2本が公開、見事2017年「ヒットメーカー・オブ・ザ・イヤー」にも輝いた福田監督。コメディ街道をひた走ってきた“コメディの王者”が、本作で初めて渾身の“ラブストーリー”に挑む。福田監督は、長年の盟友・山田さん、そして『銀魂』で初顔合わせとなった長澤さんとともに、オリジナル映画の舞台でもあるハワイでオールロケを敢行。最高にロマンティックなロケーションで繰り広げられる、数々のキスシーンも見どころとなりそうだ。■キャスト&監督コメント山田さんは「脚本を読む度に、こんなに笑って、こんなに泣いたのは初めてではないだろうか。ラブストーリーとして素晴らしく感動的で、コメディとして素晴らしく面白い」と福田監督の脚色を絶賛、「完成作を見たときも涙が止まらないことが想像できる。そして劇場を後にする際、我々は思うだろう。『福田雄一に泣かされたことが少し納得いかない』と」と、盟友らしいコメントを寄せる。また、長澤さんは、「福田監督には『銀魂』でお世話になりましたが、真面目にコメディがやれたら楽しそうだなと思っていたので、願ったり叶ったり」とコメント。「山田さんとは10年前に映画でご一緒させていただいてから共演する機会がほぼなかったので、再共演できる事がとても嬉しい気持ちでいっぱいでした」と語り、「絶対に面白くなるであろう作品に出会えたことが嬉しく、撮影が終わって早くたくさんの人に見て欲しいという思いが募る一方です」と期待を込めている。そんな2人に、福田監督は「気心知れた山田くんと長澤まさみちゃんはまさにイメージ通り」と太鼓判。「ハワイでの撮影は丸々1か月でしたが、あっという間でした」とふり返る。初めてのラブストーリー挑戦となるが、「あの(コメディ映画『裸の銃を持つ男』の)ザッカー兄弟が『ゴースト/ニューヨークの幻』をやっているように、ギャグコメディばかりやってきたこのチームでラブストーリーやってるだけで新鮮で楽しくて仕方ない」と手応えを感じている様子。「ちなみに僕、初めて撮影中、モニター観ながら泣きましたし、編集してまた泣きました」とも明かしている。『50回目のファーストキス』は2018年6月1日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:50回目のファーストキス 2018年6月1日より全国にて公開© 2018 『50回目のファーストキス』製作委員会
2017年11月07日アダム・サンドラー、ベン・スティラー、ダスティン・ホフマンが、めんどくさい親子を演じるホームコメディ『マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)』。Netflixで全世界同時配信が始まったが、米映画レビューサイトRotten Tomatoesでは93%の高評価で、早くも賞レースで有力視されている。気難しい父に振り回される一家をユーモアたっぷりに描くのは『ヤング・アダルト・ニューヨーク』、『フランシス・ハ』の才人ノア・バームバック。現代人の抱える悩みを軽妙に描き、次世代のウディ・アレンとの呼び声も高い。5月のカンヌ映画祭では、Netflix作品として初めてコンペ入りしたことで「配信作品は映画なのか?」という議論を呼んだ話題作だ。舞台はニューヨーク。彫刻家の父ハロルド(ダスティン・ホフマン)が家を売ると言い出し、3兄妹が久しぶりに集合する。長男ダニー(アダム・サンドラー)と長女ジーン(エリザベス・マーヴェル)が冴えない毎日を送る中、異母兄弟の弟マット(ベン・スティラー)だけは会計士として成功しており、会ってもぎくしゃくするばかり。一方、ハロルドも芸術家として過小評価されていることに不満で、イライラしてばかり。家の売却と共に、家族はバラバラになってしまうかに見えたが…。自分勝手な父親に振り回されつつ、実は似たもの同士の息子たち。特に、弟にコンプレックスを持つ専業主夫のダニーを演じるアダムの演技が絶妙で、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされるのは決まったも同然だろう。ジーン役のエリザベス・マーヴェルも「ハウス・オブ・カード 野望の階段」の国務長官と同じ人とは思えぬ、名演技を見せている。一流になれなかった人間は、どう気持ちの折り合いをつけるのか。愛情をうまく示せない家族は、どうやり直すのか。脚本も手がけるバームバックは、このテーマについてこう語る。「成功の定義、というものに興味があった。彫刻家として成功するなんて、100万人に1人しかいない。長男のダニーは夢は諦めたけど、娘にとっては素晴らしい父親で、その意味では十分成功しているに気づいていない。僕だって主流の監督じゃないけれど、自分の好きなように映画を作ることが出来ている。そんなことを投影しているんだ」。また、劇場ではなくNetflixでの配信を選んだことに対しては「元々、インディーズ映画として16ミリ・フィルムで低予算で撮っていたところ、Netflixが編集段階で資金を出してくれたんだ。だからあくまで映画として作っているし、機会があれば大きなスクリーンで観てほしいとは思う」と心情を明かした。ダニーを演じるアダムは、バームバック作品は初めて。「前からノアの映画に出たくて、ようやく実現したんだ。そしたら170ページもの脚本が届いて驚いた。でも素晴らしい脚本だから、撮影前に全部頭に叩き込んだんだ。僕が演じるダニーの娘は大学で遠くへ行ってしまうが、うちの子もいつか巣立つと思うと、淋しくてしょうがないよ」。一方、『ヤング・アダルト・ニューヨーク』などバームバック作品の常連ベンは「僕はアダムと正反対で、セリフは直前に覚えるけどね(笑)。でも、この映画には共感する部分が多い。僕もアダムも子どもがいて、親を看取る経験をしてきたし、すごく共感できたんだ。それに父親がダスティンだなんて、超クールだよ」と語った。名優ダスティンが、せこくて傲慢だが愛嬌のある父ハロルドを演じて、大いに笑わせてくれる。「ハロルドという人物について、ノアと話し合ううち、『おや、これはまるでうちの父親じゃないか』と気づいたんだ。最初は全然そう思わなかったけれど、似た部分がとても多かった」。ほかにもハロルドの現在の妻を演じるエマ・トンプソン、『ヤング・アダルト・ニューヨーク』にも出演したアダム・ドライバーが、登場シーンは少ないものの印象的な芝居を見せる。なぜ、題名に<改訂版>(英語ではNew and Selected)がつくのかは観てのお楽しみ。家族の物語は、そう簡単には終らないのだ。(text:Ayako Ishizu)
2017年10月25日福田雄一監督率いる“福田組”には多数の常連俳優がいる。「福田組の風神・雷神」と自他ともに認めるムロツヨシ&佐藤二朗は代表的存在だが、俳優・賀来賢人も、舞台・ドラマ・映画と幅広いジャンルの福田監督作品に出演し、強い個性を発揮している一人だ。特に最新作『斉木楠雄のΨ難』で演じた、硬派なヤンキーながらその事実をひた隠しにしている高校生・窪谷須亜蓮は劇中、強烈な爪痕を残すほどのインパクトを与えた。スマートで端正なマスクを備えたイケメン俳優が果敢に挑む「コメディ」という表現──そこには彼の熱い思いがあるようだ。■思い描いていたものと全然違った俳優人生俳優業をはじめてから約10年の歳月が流れたが「最初に思い描いていた現実とは、全然違いますね。いまごろは土地4個ぐらい持っているつもりでしたから(笑)」と爽やかな表情で語った賀来さん。それでも「良い出会いに恵まれて地道にやってきた印象はあります。そのなかでコメディというやりたいジャンルも明確になってきたし、苦手分野も減ってきて、ちょっとずついろいろな筋肉がついてきた実感はあります」と現在の状況を冷静に分析する。賀来さんが“やりたい”と感じたコメディ。笑いがあるからこそ、そのほかのヒューマンな感情が生きる。理想はアダム・サンドラーやジム・キャリーのようにコメディを演じつつも、感情に訴える演技に深みがある俳優だという。その意味では、福田監督作品への出演は、賀来さんにとって非常に大きな出来事だった。「コメディにこだわりを持たれている方ですし、福田監督は『もっともっと』という欲が強いので、どうにかして現場では監督を笑わせようという気持ちが強くなります。監督が笑ってくれれば合格という思いで臨むのですが、ご一緒する回数を重ねるごとにハードルは上がるので、恐怖心は増します」と常に向上心を持って臨まなければいけない現場が、賀来さんのコメディ俳優としての筋肉を増大させているという。■最初からバケモノばかりの現場こうした恐怖心は最初の出会いからあったようだ。「初めてご一緒したのが『スマートモテリーマン講座』という舞台だったのですが、いきなりヤスケン(安田顕)さんとの共演で、そのあとの『モンティ・パイソンのスパマロット』でも、ユースケ(・サンタマリア)さんや、池田成志さん、皆川猿時さんら“演劇モンスター”の方々との芝居だったんです。そんなバケモノたちと一緒にやるにも関わらず、自分のなかでは胸を借りるのではなく、同列でやるんだという意気込みもあったので、恐怖心とプレッシャーはすごかったんです」。厳しいプレッシャーのなか場数を踏むことにより、賀来さんのコメディ適性は開花し、数々の作品で印象に残る演技を披露していく。ドラマ「スーパーサラリーマン左江内氏」で演じた池杉、通称“ウィケ杉”は、視聴者に強烈なインパクトを与えた。「これまでもコメディをずっとやって来たのですが、舞台だけではなく、映像でもしっかり表現できたのは自分のなかでも大きかったです」と“賀来=コメディができる俳優”という認識を多くの人に広めた。■負けたくない――貪欲に笑いを追求する姿勢そんななか、前述したように映画『斉木楠雄のΨ難』では、賀来さん演じる窪谷須亜蓮は、圧倒的な存在感を示す。「福田監督からは『ヤンキーと普通の人とのギャップをうまく作りたい』という話をされていたので、最初に怒っているときの顔をやってみたんです。そうしたら採用してくださったので、そこをベースに誇張していきました」とキャラクター造形について語った賀来さん。また、強烈なキャラクターを作り出した背景には、共演者たちの存在も大きかったという。「基本的に共演者はみんな仲間ですが、モチベーション的には“誰よりも自分がおもしろくやってやる!”という気持ちで作品に臨んでいるので負けたくないですね」と貪欲に笑いを追求する姿勢をみせつつも、初の福田組となる主演の山崎賢人に対しては「すごく朴訥とした俳優さんです。良い意味で癖がなく、真面目で作品に対して熱い思いがある。彼のこと嫌いな人はいないだろうなと思うぐらい、好青年でみんな好きになっちゃいますよね」と絶賛するなど、ほかの俳優へのリスペクトは忘れない。■橋本環奈はずっと見続けたい女優さんさらに、福田組2度目の参戦となった橋本環奈については「実は福田監督から『橋本環奈というとんでもなくヤバい逸材を見つけたらから、賢人も見てくれ』と言われていたんです。監督は普段そういうことをあまり言わない人なので、すごく楽しみだったのですが、出来上がった作品を観て『あそこまでしっかりコメディを成立させられるのはすごいな』と思いました。今後も福田作品で見続けたい女優さんですね」と刺激になったことを明かす。「ノンストップで笑いが起きて、しかもそれを90分にまとめ1本の話に成立させているという、他に類をみない作品が出来上がりました」と賀来さんは本作の見どころを語ると「コメディって映像で表現すると監督によっておもしろさの種類がまったく変わってくると思うのですが、その意味で僕は福田監督には絶対的な信頼があるので、これからもご一緒させてもらえるようにしっかり頑張っていきたいです」と気を引き締めていた。(text: Masakazu Isobe/photo:You Ishii)
2017年10月23日パックマン、ドンキーコング、スペースインベーダー、ギャラガ…世界じゅうで愛される日本のゲームキャラクターたちが“地球侵略”――その独創的なアイデアと映像で大ヒットした映画『ピクセル』が9月15日(金)日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」で地上波初放送される。本作は日本から生まれ世界を席巻した80年代の人気ゲームキャラクターたちがゲーム会社の枠を超えて初めて集結する実写ハリウッド映画。30数年前、NASAは宇宙人との交流を夢見て、“人間”や“地球”を深く知ってもらうための紹介映像を宇宙に向けて発信。その中には当時、大流行していたゲームの映像も送られていた。ところが、それを受信した宇宙人は、友好のメッセージではなく挑戦状と受け取ってしまったから、さあ大変。彼らは地球が発信したゲームキャラクターを模し、現代の地球を侵略しにやってきた!だが、そんな彼らの弱点を見抜いたのは、当時ゲームチャンピオンの名をほしいままにしていたが、いまは“ただの大人”になった最強の元・ゲームオタクたち。果たして彼らは、バクバクと街を食べまくる「パックマン」の暴走を止めることができるのか? 「ドンキーコング」から次々と放たれる“樽”攻撃をかわし、ゲームをクリアできるのか…?ゲームのキャラクターが地球に攻めてくるという奇想天外なストーリーに『ハリー・ポッターと賢者の石』『ホーム・アローン』などヒット作を世に送り続けてきたクリス・コロンバス監督をはじめとしたハリウッドの精鋭スタッフが本気で挑んだ“ゲーム”愛溢れる本作。少年時代、アーケードゲームの世界大会で“世界一”に挑戦したほどのゲームの達人である主人公のサム・ブレナー(アダム・サンドラー)のボイスキャストには柳沢慎吾が起用。その声の演技にも注目だ。80年代、ゲームに熱中した世代はもちろん、当時のゲームを知らない世代もその映像の独創性にハマること間違いなし。攻撃したものをカクカクとブロック状に“ピクセル化”させる独特の映像世界を存分に楽しんで。金曜ロードSHOW!『ピクセル』は9月15日(金)21時~日本テレビ系で放送。(笠緒)■関連作品:ピクセル 2015年9月12日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開(C) 2015 CTMG, Inc. All Rights Reserved. **ALL IMAGES ARE PROPERTY OF SONY PICTURES ENTERTAINMENT INC. FOR PROMOTIONAL USE ONLY. SALE, DUPLICATION OR TRANSFER OF THIS MATERIAL IS STRICTLY PROHIBITED.
2017年09月14日ダスティン・ホフマン、ベン・スティラー、アダム・サンドラー、エマ・トンプソンらが豪華共演し、今年のカンヌ国際映画祭でも話題を呼んだNetflixオリジナル映画『マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)』(原題『The Meyerowitz Stories(New and Selected)』)が10月13日(金)より配信決定。さらに、この愛すべき家族が登場する特別映像が公開された。本作は、年老いた芸術家の父親ハロルド(ホフマン)のお祝いのために家に帰ってきた3人の兄妹ダニー、マシュー、ジェーンが、彼との関係に折り合いをつけようと悪戦苦闘。彼らが大人になっても大きな影響力を持つ父親との葛藤、そして家族の絆を描いたホームコメディ。監督は、『イカとクジラ』で2005年のサンダンス映画祭で監督賞と脚本賞を受賞し、アカデミー賞脚本賞にもノミネートされ、『フランシス・ハ』『ヤング・アダルト・ニューヨーク』などを手がけてきたノア・バームバック。主演は、ダニー役にサンドラー、マシュー役にスティラーというハリウッドのキング・オブ・コメディアンといっても過言ではない2人。この夢の競演は、まさに映画ファン必見。そのほか、舞台作品で活躍するエリザベス・マーヴェル、『美女と野獣』も記憶に新しい名女優エマ・トンプソン、そして父親ハロルド役を演じるのは、映画史に残る名優ダスティン・ホフマンという豪華な顔ぶれ。ハリウッドの大御所キャスト陣と“次世代のウディ・アレン”とも称されるバームバック監督が贈る愛すべき家族の物語は、ポン・ジュノ監督『オクジャ/okja』と共に、今年の第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にNetflixオリジナル作品として初めて正式出品され、世界を賑わせたばかり。誰もが共感できる世代間ギャップが笑いを誘い、家族の愛と厄介さに心温まる、秋にぴったりの物語となりそうだ。『マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)』は10月13日(金)よりNetflixにて全世界同時配信。(text:cinemacafe.net)
2017年08月30日先日、「Forbes」誌から“世界で最も稼いだ女優”ランキングが発表され、見事1位を獲得したエマ・ストーン。22日(現地時間)、同ランキングの俳優版が発表になり、トップに立ったマーク・ウォールバーグの収入がエマの2.5倍以上あることが明らかに。映画界で問題になっている“男女間の収入格差”が証明された形だ。マークは『トランスフォーマー/最後の騎士王』や『Daddy’s Home 2』(原題)の出演料をメインに約74.8憶円(6,800万ドル)を得て、昨年1位だったドウェイン・ジョンソンからトップの座を奪った。ドウェインは過去の人気ドラマ「ベイウォッチ」のリメイク映画『Baywatch』(原題)と、アメリカで12月に公開を控える『Jumanji: Welcome to the Jungle』(原題)の出演料を含む、合計約71.5憶円(6,500万ドル)で2位につけた。3位はドウェインと『ワイルド・スピード』シリーズで共演し、不仲が報じられたヴィン・ディーゼルで約60憶円(5,450万ドル)。4位は約56億円(5,050万ドル)のアダム・サンドラー、5位は約54憶円(4,900万ドル)のジャッキー・チェンだった。約28億6,000万円(2,600万ドル)を稼ぎ出し、女優ランキングの1位に輝いたエマは、俳優ランキングと総合すると上から15番目のポジションに位置している。14位は、『ラ・ラ・ランド』でエマと共演したライアン・ゴズリングだった。(Hiromi Kaku)
2017年08月23日ジム・ジャームッシュ監督がトム・ヒドルストンを主演に迎えた前作『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』から4年。昨年のカンヌ国際映画祭を湧かせた、アダム・ドライバー主演の最新作『パターソン』が8月26日(土)より公開される。このほど、ジャームッシュをはじめ、名だたる監督たちを魅了してやまないアダムの場面写真が一挙に到着した。ニュージャージー州パターソンに住む、バスの運転手パターソン。彼の1日は、朝、隣に眠る妻ローラにキスをしてから始まる。いつものように仕事に出かけ、乗務をこなす中で、心に浮かんだ詩を秘密のノートに書きとめていく。仕事の後は妻と夕食をとり、愛犬マーヴィンと夜の散歩。バーへ立ち寄り、1杯だけ飲んで帰宅し、また妻の隣で眠りにつくーー。本作は、そんな代わり映えのしないパターソンの日々を、ユニークな人々との交流と、思いがけない出会いとともに描きだす7日間の物語。主人公のパターソンを演じるアダムといえば、J・J・エイブラムス監督『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(’15)でカイロ・レンを演じ、世界的にその名を知られるようになった。1983年、カリフォルニア生まれの34歳。名門ジュリアード音楽院を卒業後、TVシリーズや舞台で活躍していたが、2012年からのドラマ「GIRLS/ガールズ」で注目を集めはじめ、エミー賞にもノミネート。合わせて、メジャーからインディペンデントまで有名監督の話題作に相次いで出演する。スティーヴン・スピルバーグ監督『リンカーン』の端役から、ノア・バームバック監督『フランシス・ハ』『ヤング・アダルト・ニューヨーク』、コーエン兄弟監督『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』のほか、マーティン・スコセッシ監督『沈黙-サイレンス-』では、主人公ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とともに日本を訪れる宣教師を演じていたことも記憶に新しい。今年12月には、ライアン・ジョンソン監督『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』で再びカイロ・レンを演じることでも話題。さらに、スティーヴン・ソダーバーグ監督『Logan Lucky』(原題/’17)、テリー・ギリアム監督『The Man Who Killed Don Quixote』(原題/’18)が控えている。いまやハリウッドの名監督たちが、最も熱い視線を送る俳優の1人となったアダム。そして今回、ジャームッシュ監督独特のオフビートな作風がカンヌで絶賛を受けた本作から解禁となるのは、バスの運転手で詩人でもある主人公パターソンを演じるアダムの初公開写真。朝起きて、仕事に向かい、夜は愛犬マーヴィンと散歩がてら、行きつけのバーでビールを1杯。自宅には詩の本が並び、大好きな詩を綴り、時には詩を愛する少女と話をする。愛しい妻と一緒に映画鑑賞をし、妻が好きな詩の1編を読むことも…。アダムは寡黙ながらも温かく、存在感あふれる演技で、第42回ロサンゼルス映画批評家協会賞、トロント映画批評家協会賞で主演男優賞を受賞している。『パターソン』は8月26日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2017年07月29日ゴジラとキングコングの戦いを描く映画『ゴジラVSコング』(2020年5月22日全米公開予定)の監督を、アメリカ版『デスノート』のアダム・ウィンガードが務めることが決定した。ザ・ハリウッド・レポーターが報じた。ウィンガード監督は、『サプライズ』や『ザ・ゲスト』などのスリラー映画を手掛け、最近では『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999)のリブート版『ブレア・ウィッチ』(2016)を担当。また、Netflix製作の『デスノート』の制作が終了したばかりだ。レジェンダリー・エンターテイメントとワーナー・ブラザースが手掛ける同作の詳細は明らかになっていないものの、『GODZILLA ゴジラ』(2014)と『キングコング: 髑髏島の巨神』(2017)を掛け合わせた作品になり、ゴジラとキングコングが最も強いモンスターを決める戦いを繰り広げるストーリーになると言われている。「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの脚本を手掛けるテリー・ロッシオが、ほか6人の脚本家たちと共に同作品のストーリーを作り上げていくことになる。『GODZILLA ゴジラ』の続編となる『ゴジラ:キング・オブ・ザ・モンスターズ』にはカイル・チャンドラー、ヴェラ・ファーミガ、チャールズ・ダンス、ミリー・ボビー・ブラウンらが出演することが決定しており、こちらも制作中。第1弾作品の監督を務めたギャレス・エドワードに引継ぎ、マイケル・ドゥハティが同作品の監督を務めることになっており、ドゥハティはザック・シールズとともに脚本も担当している。(C)BANG Media International
2017年06月02日開催中の第70回カンヌ国際映画祭。今年、カンヌを席巻しているのが、動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」の作品だ。コンペティション部門に、ポン・ジュノ監督の『オクジャ』と、ノア・バームバック監督の『The Meyerowitz Stories(New and Selected)』(原題)の2本が入っている。いずれも作品の評価は高いものの、オンラインでしか観られないものを映画と認めるべきか、否か、という大論争が巻き起こっているのだ。特にスーパーピッグをめぐる『オクジャ』は星取り表でも上位3本に入るほど好評で、主演のティルダ・スウィントンの女優賞の声も聞かれる一方、ブーイングも出るなど、まさに問題の矢面に立たされている格好。『The Meyerowitz Stories』(原題)も、気難しい父親(ダスティン・ホフマン)にふり回される息子たち(アダム・サンドラー、ベン・スティラー)の反目と和解を笑いの中に描いた、愛すべき映画となっている。「Netflix」問題は映画祭開幕前から白熱しており、カンヌ側は今年は特例としてコンペ入りを認めたものの、来年以降はコンペ入りの条件にフランス国内での劇場公開を義務づけると発表した。というのも、フランスでは映画のストリーミング配信はフランス国内公開から3年後という規正があるからだ。同時に、劇場の興行収益から映画支援団体CNC(国立映画センター)に一定額を支払う規定があるが、劇場公開をしない「Netflix」はこの支払いを回避してもいる。映画祭初日17日の審査員団会見では、審査委員長ペドロ・アルモドバルが「劇場で観られない映画に、賞をあげたくない」と爆弾発言をした。これに対し、同じく審査員のウィル・スミスは「Netflix」を擁護。アルモドバルはその後、この発言は撤回して、公正な審査を行うと宣言、ポン・ジュノ監督に会った際には謝罪もしたという。果たして審査員団は、この2本に対してどのような結果を下すのか。審査結果は28日(現地時間)夜、発表される。(photo / text:Ayako Ishizu)(text:Ayako Ishizu)
2017年05月26日アダム・クーパー主演の『SINGIN’ IN THE RAIN ~雨に唄えば~』(演出:ジョナサン・チャーチ)が4月3日、東急シアター・オーブにて開幕した。ミュージカル『SINGIN’ IN THE RAIN ~雨に唄えば~』チケット情報「ジーン・ケリーを越えた」と評されたクーパーの名演が、日本の演劇ファンを魅了したのは2014年の来日公演だった。今回はその絶賛を受けて実現した特別な再演である。クーパーを始めとするメインキャストを英国オリジナルキャストで揃えたプレミア・ステージに、3階席までを埋め尽くした観客の期待が集中。その熱気のなか、古き良きハリウッドの匂いを連れたアンサンブルの軽やかなダンスでショーがスタート。セレモニーのシーンで白ハット、白コート姿のクーパーが優雅に現れると、客席から歓迎の拍手が沸き起こった。背景となるのは映画がサイレントからトーキーへ移ろうとする時代。映画業界の奮闘をコミカルに描きながら、クーパー扮する人気スター俳優ドン・ロックウッドと駆け出し女優キャシー(エイミー・エレン・リチャードソン)の恋がロマンチックに綴られる。スクリーン映像を巧妙に差し挟んだ演出が功を奏し、場内を何度も沸かせるが、やはり一番の見どころはとびきり華やかに繰り出されるダンスシーンだ(振付:アンドリュー・ライト)。クーパーはスターながらつねに好奇心でときめく少年のような親近感をにじませて、キャシーとの奇妙な出会いから、再会した彼女をからかう一連の流れを小粋なステップで表現。さらに親友コズモ(ステファン・アネリ)との見事に息の合ったタップダンスで興奮をあおる。コズモのソロ・ナンバー『メイク・エム・ラフ(笑わせろ)』に至っては、アネリの超絶軽妙なパフォーマンスが劇場内の誰をも破顔にした。多幸感に包まれるなか、ドン、キャシー、コズモによる『グッド・モーニング』のナンバーへ。ミュージカル映画作りに心躍らせる3人が、全身全霊でステージを駆け回る様はなんとも爽快!歌い、踊り終えてバッタリと倒れる3人に向けて拍手喝采が鳴り止まない。ショーストップを引き起こすほどの盛り上がりにクーパーが嬉しそうな笑みをこぼし、コミカルに手振りで客席の熱狂を抑え、芝居を続行する一幕が見られた。そして待望の、12トンもの雨が降り注ぐ名シーンに突入。前回以上に大胆に客席へ向けて水しぶきを蹴散らすクーパーは、観客との呼応を心から楽しんでいるように見える。歓喜の叫びが起こるたびに、しなやかな体躯がエレガントに躍動した。幸せな笑みを増幅させて進行するドラマは、クライマックスで思わぬ感動の涙を誘い出す。その瞬間、観客も彼らの味方として登場人物になれるのだ。開幕前のインタビューでクーパーが語っていた、「人生に対して肯定的になれる作品」という言葉の意味を強く実感。観終わった後に駆け出したくなる、そんな晴れやかな余韻をぜひ劇場で体感してほしい。公演は4月30日(日)まで。取材・文上野紀子
2017年04月10日アダム・クーパー主演のブロードウェイ・ミュージカル『SINGIN’ IN THE RAIN 雨に唄えば』が、2年半ぶりに東急シアター・オーブに再登場する。2014年秋の前回公演が絶賛を博し、期待の声が高まって今回の再来日公演が決定した。しかもクーパーを始めとするメインキャストは、英国オリジナルキャストを再集結させての特別な日本公演である。聞けばキャスト、スタッフ陣は東京にて再会し、滞在しながら4月3日(月)の開幕へ向けてブラッシュアップ稽古を進めているという。来日キャストによるブロードウェイ・ミュージカルの稽古を、都内某所で見学する。そんな異例にして貴重な体験が叶うこととなった。ミュージカル「SINGIN’ IN THE RAIN ~雨に唄えば~」チケット情報稽古場のスペースいっぱいに舞台面が設えられているので、“かぶりつき”と言われるほどの近距離から稽古を眺めることに。引き締まった体躯のキャスト陣によるウォーミングアップの光景だけでも圧倒される。演出助手の合図ですぐさま幕開きから通し稽古がスタートした。Tシャツやスパッツなどの稽古着スタイルでも、アンサンブルのキレのある動き、生き生きとした表情がパーティー・シーンの豪華さを存分に伝えてくる。アダム・クーパーもトレーニングウェアの上に白のハット、白のコートを着て、映画スターのドン・ロックウッドとなって登場。本番の端正なスーツ姿とはひと味違ったコミカルさや愛嬌を感じるのは、稽古場ならではのお得感か。クーパー自身も非常にリラックスした様子で、ヒロインのキャシー(エイミー・エレン・リチャードソン)との偶然の出会いと、その後の再会で彼女をからかう一連のシーンを、悪戯っぽい微笑みを浮かべて小粋に演じてみせる。一幕で早くも興奮に拍車をかけるのは、相棒コズモ役のステファン・アネリとの息の合ったタップ・ダンスだ。ハット・チェンジも鮮やかに、クーパーとアネリの信頼が見てとれる軽やかなステップは見応え十分。観る者の頬を緩ませるアネリの演技は、ソロ・ナンバー『メイク・エム・ラフ(彼らを笑わせろ)』でその愛すべき魅力が炸裂した。共演者もスタッフも、稽古場中の人間が幸せな笑顔で彼を見つめている。ドン、キャシー、コズモによるナンバー『グッド・モーニング』は、映画の印象を忠実に残しながら、舞台ならではの新たな躍動感に惹きつけられるシーンだ。快活な滑り出しから、後半にはドンとキャシーの距離がぐっと縮まってロマンチックムードに一変。クーパーとリチャードソンの熱いやりとりにうっとりとさせられる。そしてドンが雨の中、恋の喜びに歌い踊るあの名シーンへ。客席に向けて水を蹴散らす仕種をするクーパーの表情は、実に晴れやかだ。本番はここで12トンもの雨が降るのか…と想像してさらに昂揚が高まる。今回の取材で、クーパーが「ドンの、脆さも含めた人間らしさを見てほしい」と語っていた。その言葉通り、ハリウッドを舞台とした心浮き立つ華やかさだけでなく、夢や恋に揺れる登場人物たちへの愛着、共感も強く沸き起こる作品である。彼が約束してくれた「魔法のような体験」を、次はぜひ本番の舞台で確かめなくてはならない。再追加公演も決定。取材・文上野紀子
2017年03月28日アダム・クーパー主演のミュージカル『SINGIN’ IN THE RAIN ~雨に唄えば~』が、3年ぶりに再び日本にやってくる。名優ジーン・ケリーの同名映画を原作に、2012年にロンドン・リバイバルとして登場した人気ミュージカルだ。本作で「ジーン・ケリーを超えた」と評されるほどの絶賛を受けたクーパーが、前回2014年の来日公演に引き続き、今回も主人公ドン・ロックウッドに扮して魅惑のステップを披露する。ミュージカル『SINGIN’ IN THE RAIN ~雨に唄えば~』チケット情報「再演が実現して本当に幸せに感じていますね。ドン・ロックウッドのようなキャラクターはめったに出会えない役なので」ハリウッド映画がサイレントからトーキーへ移ろうとする時代を背景に、人気スター俳優ドンと駆け出し女優キャシーの恋、映画業界の舞台裏を爽快に描いたストーリー。とびきり艶やかで、コミカルで、ロマンチックなダンスシーンが全編を駆け巡る、観る者を必ずや笑顔にする作品だ。マシュー・ボーンの『スワンレイク』の成功で日本でも多くのファンを持つクーパーが、前回同様に来日公演に限って復活。つまり、アダム・クーパーの『SINGIN’ IN THE RAIN』は日本でしか見られないプレミア・ステージなのだ。「お客様には、ドンというキャラクターの“旅”を感じていただけたらと思っています。彼は映画スターとして周囲から過度に評価され、自分はベストだと思い込んでいた人間です。しかしキャシーとの出会いによって謙虚さを学び、人生の新たな側面を見るようになり、彼女のキャリアを支えたいと考えるようになります。ドンの人間らしさ、そして脆さも表現していきたい。キャシーが彼の無防備な姿を見ることで、観客の皆さんも好感を持って応援したくなる……私が演じるドンはそんな人物です」一番の見どころは映画でもおなじみの名シーン、雨の中をドンが歌い踊るタイトルナンバーだ。12トンもの雨が降り注ぐステージで、クーパーが客席に向けて豪快に水を蹴り上げると、熱い歓声が沸き起こる。「ドンの恋に落ちた喜びを最大限に表しているナンバーなので、私自身が楽しむこと、その瞬間を生きることを心がけています。あとは、転ばないように気をつけることかな(笑)」前回の来日時には「これが最後かも」と言っていたが、今回は「これが最後じゃないといいな。そんな希望を持っています」。スーパーダンサーが自信の笑みで再挑戦する当たり役、その生の感動を雨の飛沫とともにぜひ受けとめたい。「絶対に忘れられない、魔法のような体験を皆様にお届けしたい。必ず人生に対して肯定的になれる、そう信じられる作品です」なお、好評につき追加公演(4月23日(日)17:30の回)が決定。また、2月19日(日)14時半からBS-TBSにて『大ヒットミュージカル!「雨に唄えば」の魅力舞台裏徹底レポート』を、3月4日(土)15時半からTBSにて『天海祐希が嫉妬した 12トンの雨が降る!?ミュージカル「雨に唄えば」公開直前SP』をそれぞれ放送予定。チケット発売中。取材・文上野紀子
2017年02月17日4月3日(月)より上演されるミュージカルLION PRESENTS『SINGIN’ IN THE RAIN~雨に唄えば~』の製作発表が行われ、主演のアダム・クーパーとスペシャルゲストの天海祐希が登壇した。【チケット情報はこちら】同作はミュージカル映画の名作『雨に唄えば』の舞台版で、2012年にロンドンのウエスト・エンドで上演。2014年には、ウエストエンドでのオリジナルキャストであるアダム・クーパーが特別出演した日本公演が実現。観客を大いに魅了し、会場となった東急シアターオーブでの海外招聘ミュージカルでは過去最高の動員記録を樹立した。今回は、アダム・クーパーをはじめとするメインキャストを英国オリジナルキャストで再演する。会見でアダムは「日本に来られて嬉しい。色々な場でよく言っていますが、第2の故郷だと思っています」とコメント。作品、そして何よりアダム・クーパーの大ファンと語る天海は、作品について「見ていてワクワクする話。見終わったあとにとっても幸せな気持ちになれますし、どこかで必ず1度は聴いたことがある曲が沢山流れて、自分も踊れるんじゃないかと思わせるくらい引き込まれます」と解説。アダムも天海の解説にうなずきながら「最高にハッピーになれるお話。普遍的な魅力があります。あとは大量の水が降ってくるところは見所ですね」と語ると、天海も「想像を遥かに超える量です!」と話した。アダムと天海が語った、舞台上に降り注ぐ雨の量はおよそ12トン。「全て僕の頭に降ってくるんです(笑)。そのシーンでは転ばないように気をつけています」とアダムが語ると、天海は「衣装は水を含むと凄く重くなる。その衣装を着て、表情も変えずに軽やかに踊るのは本当に凄いことだと思います」と話した。天海はほかにも、大ファンであるアダムについて「ダンスが素敵。ステージに立つと、ここにいらっしゃるよりもっと大きく見えて、投げかけた手先が見ているこちらまで飛んでくるんじゃないかと思わせるくらい。(笑)。ステージ全体の空気を動かしながら踊られるので、是非生で観ていただきたい」と語った。アダムは「普通、パフォーマーは繰り返しのものはやりたくないと思うものなのですが、私自身が感動できる、そしてお客様の反応が素晴らしかったという意味で、何度も再演したいと思える数少ない作品のうちのひとつです。若い方から年配の方まで楽しめます。以前お客様に“どんな気持ちで劇場へ来ても、ハッピーになって帰れる作品”と言っていただいたのがとてもうれしかったのですが、私も舞台の上でハッピーな気持ちになっているので、観ていただいたお客様にも同じ気持ちになっていただきたい」と同作をアピールした。ミュージカルLION PRESENTS『SINGIN’ IN THE RAIN~雨に唄えば~』は4月3日(月)から30日(日)まで東京・東急シアターオーブにて上演。チケットは発売中。
2017年01月25日ジョニー・デップが不名誉なランキングの第1位に選ばれてしまった。それも2年連続で…。「Forbes」誌が発表した「ギャラをもらいすぎている俳優」ランキングは、最近の主演作品3つ(最低2,000スクリーンで公開されているものに限定)のギャラと、その映画の興行収入を比較。ジョニーはギャラ1ドルあたり、興行収入が2.80ドルだった。今年公開されたジョニー主演の大作と言えば『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』だが、アメリカでの公開日と、元妻のアンバー・ハードが裁判所に求めていたジョニーへの接見禁止令が認められたのがほぼ同時期だったことが、興行収入に大きく影響を与えたようだ。来年は『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』が公開に。3年連続で「ギャラをもらいすぎている俳優」のトップに立つことはないと願いたい。2位以下のランキングはこちら。2位…ウィル・スミス(5ドル)3位…チャニング・テイタム(6ドル)4位…ウィル・フェレル(6.50ドル)5位…ジョージ・クルーニー(6.70ドル)6位…アダム・サンドラー(7.60ドル)7位…マーク・ウォルバーグ(9.20ドル)8位…レオナルド・ディカプリオ(9.90ドル)9位…ジュリア・ロバーツ(10.80ドル)10位…ブラッドリー・クーパー(12.10ドル)(Hiromi Kaku)
2016年12月08日『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のアダム・マッケイが、ディック・チェイニーの伝記映画を手がけることになった。2017年後半の公開を目指し、マッケイはすでに脚本も書き上げたという。キャスティングはこれからなされるところだ。プロデューサーには、『マネー・ショート』を製作したブラッド・ピットも再び名を連ねる。その他の情報ジョージ・W・ブッシュの副大統領を務めたチェイニーは、34歳の時に、史上最年少で大統領首席補佐官となったり、国防長官を務めたりもしたパワフルな政治家。次期副大統領のマイク・ペンスも、彼をお手本と呼んでいる。『マネー・ショート』でシリアスな映画に挑戦するまで、マッケイは、『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事〈デカ〉!』など、ウィル・フェレル主演のコメディ映画をヒットさせてきた。『マネー・ショート』は作品部門を含む5部門でオスカーにノミネートされ、マッケイは脚色部門で受賞している。文:猿渡由紀
2016年11月24日コートメール(COTE MER)とアダムハヴァ バイ シェプフング(Adam Havve By Schöpfung)とのコラボレーションライン「アダムメール(Adam MER)」がセレクトショップ・ヌビアン ハラジュクの限定ストアで展開される。期間は2016年11月3日(木)から6日(日)まで。アダムハヴァ バイ シェプフングは、「ファッション」「音楽」「アート」の三要素をミックスしたデザインが特徴。また、中世後期のヨーロッパの貴族にみられる、壮麗な装飾品などを現代のスタイルに落とし込んでいるブランドだ。コートメール2017年春夏コレクションのランウェイショーで発表された、アダムハヴァとのコラボレーションライン「アダムメール」のウェア5点は、ストリート一色に染まっていながら、ヴィンテージリメイク風のデザインが目に留まる。パーカーの片方の袖にデニムを使用したデザインや、迷彩柄のロングTシャツは袖の部分のみチェック柄に。また、Tシャツには両ブランド名を融合させたロゴを刻んだ。ウェアはいずれもロングスリーブを取り入れている。さらに期間中は、モデルとしてランウェイに登場した、ドーベルマンインフィニティのスウェイ(SWAY・劇団EXILEの野替愁平)とのコラボレーションアイテムも展示される予定だ。【詳細】Adam MER POP UP SHOP期間:2016年11月3日(木)〜6日(日)場所:ヌビアン ハラジュク住所:東京都渋谷区神宮前3丁目21−7営業時間:11:00〜21:00TEL:03-6447-0207
2016年10月30日陶芸家のアダム・シルヴァーマンによる展覧会「Blue」が、11月5日から21日まで渋谷ヒカリエ8階の8/ART GALLERY/Tomio Koyama Galleryにて開催される。ファッションブランド・エクストララージ(X-LARGE)の創設メンバーとしても知られるアダム・シルヴァーマンは、02年より陶芸家としての活動を開始。これまでに、新しいものを生み出すエネルギーを余すことなく秘めた作品多くを生み出してきた。作品は研磨されておらず、大地から採掘されたばかりの鉱物のような神秘的な存在感を放っているのが特徴。また、シルヴァーマンは陶芸という分野にとらわれることなく、古典的かつ現代的な表現方法を旺盛に探究し、焼成の過程でおきる偶発的な造形も作品に昇華させた。大学で建築を学び、コルビュジエをはじめとする20世紀の偉大な建築家に多大な影響を受けた幾何学的かつあたたかみのある陶芸作品は、近代建築にも通じると言われている。小山登美夫ギャラリーで4度目となる今回の展覧会のテーマは“青”。青色や、様々な青の組み合わせ、重なりにフォーカスした作品の他、すべての青をすっきりさせる真っ白な作品が数点展示される。同展についてシルヴァーマンは、「今回出展する作品の多くは、普段制作を行っているロサンゼルスのスタジオで制作しましたが、数点は大西洋にほど近く森林の緑の中に佇む、ロサンゼルスとは光、空気、色全て異なるロード・アイランドの夏のスタジオで制作しました。また、夏にロード・アイランドを訪れる前に創作を始め、ロサンゼルスに戻った後に仕上げた作品も何点かあります。 そしてロード・アイランドから戻ってから、秋に制作したものもあります。異なる様々な青色の陰影は、海や空、そしてその2つの間の広がり、また、花や鳥、魚、虫、鉱物といった自然との強い関連性を持っています」と語っている。【展覧会情報】「Blue」会場:8/ART GALLERY/Tomio Koyama Gallery住所:東京都渋谷区渋谷2-21-1会期:11月5日~21日時間:11:00~20:00入場無料
2016年10月25日俳優のベン・スティラー(50)が、2年前に前立腺がんと診断されていたことを明かした。医者に前立腺がんと診断された際、ベンはその予期せぬ診断にあっけに取られたという。4日にラジオ局シリウスXMの『ザ・ハワード・スターン・ショー』に出演したベンは「予期していなかったよ。そんなこと考えたこともなかったんだ」「まずはじめに一体何が起きるのかわからなかった。だからすごく怖かったね。全てが止まってしまったよ。だって将来何があるのかわからないから、映画に出演する計画も立てることができないからね」と当時の胸中を語った。ベンが前立腺がんの闘病生活について明かすことを決めた理由は、前立腺がん抗原検査を受けることへの意識を高めるためだという。妻クリスティン・テイラーとの間に娘エラ(14)、息子クイン(11)を持つベンは「前立腺がん抗原検査について話したかったんだ。このテストによって僕の人生は救われたと思うからね」「死亡する原因となるがんの中でこれは2番目なんだけど、完治することのできる可能性が高いがんの1つでもあるんだよ」と続ける。そんなベンは、『スクール・オブ・ロック』のマイク・ホワイトが脚本を手掛け、ブラッド・ピットの製作会社プランBがプロデュースを務める新作コメディ映画『ブラッズ・ステイタス』に出演することが決まっている。同作品の中でベンは、幸せな家庭を築き、素晴らしいキャリアを持ちながらも昔の同級生の生活に嫉妬心を抱く主役のブラッドを演じる。その一方でベンは、ダスティン・ホフマンとアダム・サンドラーと共演した『ザ・マイロウィッツ・ストーリーズ』の撮影が終了したばかりだ。(C)BANG Media International
2016年10月06日クイーン+アダム・ランバートの来日追加公演が9月21日(水)に東京・日本武道館で行われることが決定した。これは、すでに開催が発表されていた9月22日(木・祝)、23日(金)公演がソールドアウトした事から決まったもの。【チケット情報はこちら】クイーン+アダム・ランバートは、イングランドのロックバンド、クイーンのオリジナルメンバー、ブライアン・メイ、ロジャー・テイラーに、アメリカの歌手、アダム・ランバートが加わったバンド。各国のフェスでヘッドライナーを務めているほか、これまで世界各地で70を超える公演を開催。ライブのチケットは軒並みソールドアウトを記録している。チケットの一般発売に先駆けて、チケットぴあでは最速先行抽選プレリザーブを実施中。受付は8月7日(日)午後11時59分まで。■クイーン+アダム・ランバート LIVE IN TOKYO 2016追加公演日時:9月21日(水)開場18:00 / 開演19:00会場:日本武道館(東京都)料金:SS席 40000円(グッズ付) / S席 16500円 / A席 14500円 / B席 12500円※未就学児童は入場不可。
2016年07月29日ベン・スティラー&ナオミ・ワッツの40代夫婦と、アダム・ドライバー&アマンダ・セイフライドの20代カップルの交流とギャップを、リアルな会話とポップなユーモアで描く大人のロマンティック・コメディ『ヤング・アダルト・ニューヨーク』。このほど、この豪華キャスト陣が監督ノア・バームバックの魅力について語る特別映像が解禁となった。ニューヨーク・ブルックリンで暮らす、“若いつもり”の40代と“成功したい”20代のカップル。ジョシュはドキュメンタリー映画監督だが、もう8年間も新作を完成させていない。いつの間にか、人生にも妻コーネリアとの関係にも何かが欠けてしまったように感じていた。そんなときに出会ったのが、“ヒップスター”を地で行く20代のカップル、ジェイミーとダービー。生き生きとしてクリエイティブかつアクティブな彼らに刺激を受けるのだが…。本作の監督を務めたノア・バームバックは、才気に溢れた脚本家としても活躍する。まずはウェス・アンダーソン監督作『ライフ・アクアティック』の脚本をアンダーソンと共同で担当したことで注目を浴び、2005年に監督・脚本を手掛けた『イカとクジラ』では、アカデミー賞脚本賞にノミネート、全米映画批評家協会賞などの脚本賞を総なめに。その研ぎ澄まされた人間観察力と、シニカルだが軽妙な語り口、何より登場人物たちに対する温かな眼差しで、“ポスト ウディ・アレンの大本命”との称号も手に入れている。今回解禁となったのは、そんなバームバック監督の魅力を豪華キャストが語る、貴重なメイキング風景も収めた映像だ。「人間の心の機微をばっちり捉えている」と語るのは、『ベン・スティラー 人生は最悪だ!』(‘10)に続いて2度目のタッグとなったベン・スティラー。また、『フランシス・ハ』(‘12)に続く出演となったアダム・ドライバーも、「ノアは失敗してもいいって思わせてくれるし、自由で心地のいい現場にしてくれたんだ」と、瞳を輝かせながら語り、監督との厚い信頼関係を伺わせる。また、バームバック監督作品初出演となる女性陣も、その脚本力を絶賛しており、アマンダ・セイフライドは「いろんな俳優がノアと仕事をして、俳優としての自分の最高の部分を引き出してもらっている。みんな彼と仕事がしたいの」と最上級の賛辞を贈っている。次回作には、同じくベン・スティラーを主演にアダム・サンドラー、エマ・トンプソン、ダスティン・ホンマンと錚々たる顔ぶれが出演する『Yeh Din Ka Kissa』(原題/‘17)が控えているバームバック監督。ハリウッドを代表する俳優たちがこぞって絶賛する、その手腕を劇場で確かめて。『ヤング・アダルト・ニューヨーク』はTOHO シネマズ みゆき座ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年07月25日ベン・スティラーが『Brad’s Status』に主演の交渉をしているようだ。監督は『スクール・オブ・ロック』『ナチョ・リブレ/覆面の神様』の脚本を手がけたマイク・ホワイトで、脚本も書き下ろした。その他の写真主人公ブラッド(スティラー)は、仕事も家庭も順調だが、学生時代の同級生のように成功しなかったという劣等感をもっている。大学進学を控える息子を、志望校の見学に連れて行くべく東海岸を旅行したブラッドは、その劣等感と立ち向かうことになるという物語らしい。撮影は9月にスタートする。スティラーの最新作は、監督と主演を兼任した『ズーランダー2』。最近、ノア・バームバックの次回作『The Meyerowitz Stories』を撮り終えたところ。共演はアダム・サンドラー、ダスティン・ホフマン。文:猿渡由紀
2016年07月14日80年代の音楽が彩る、『はじまりのうた』ジョン・カーニー監督による最新作『シング・ストリート未来へのうた』。このほど、「マルーン5」のアダム・レヴィーンが手がけ、自ら歌い上げた主題歌「GO NOW」の日本語歌詞入りミュージック・ビデオが解禁となった。1985年、歴史的な不況に突入したアイルランドのダブリン。サエない日々を送っていた14歳の少年コナーがバンドを組み、ストリートや海辺でミュージック・ビデオのゲリラ撮影を重ねるうちに、ひと目惚れした年上の女の子との切ない恋と、それぞれが家庭に問題を抱えたメンバーたちと友情が加速していくさまを、たっぷりの80年代サウンドともに描き出す。解禁となった主題歌「GO NOW」のミュージック・ビデオは、アダムのアフレコ映像とともに、本編映像が鮮やかに切り取られたものとなっている。大人びた美しさを放つラフィーナにひと目惚れし、猛アタックしながら、音楽に没頭する主人公の少年コナー。アダムの歌声とアコースティックなサウンドに乗せて、ラフィーナとの淡い恋模様が映し出され、バンドを組み、演奏していく中でコナーが成長する姿も垣間見せる。『はじまりのうた』で映画初出演し、カーニー監督と意気投合したアダムは、本作ではキャストではなく、主題歌として関わることになった。「最初に映画を見たときは、この映画の音楽にどういう形で関わるか全くわかりませんでした。単純にひとつの映画として楽しみ、すごく好きになりました」とアダムは語る。カーニー監督の半自伝的作品ともいわれているが、自身の青春期とも重なる部分は大きかったようで、「(パール・ジャムの)エディ・ヴェダーみたいな髪型にしたくて、『ニルヴァーナ』のバンドメンバーなりたくて、90年代初期のすごかったバンドのボーカルになりたくて。曲まで作って、彼らみたいな音楽をやろうとしたけど、ひどい出来で。でも、若いときはそうやって自分のヒーローたちを真似ることによって創造性が育まれるんだ」と語り、「この映画を見たときに、これがあまりにも正確に描かれていて驚いたんだ。若くて、音楽に夢中で、彼らみたいなルックスになりたくて、彼らみたいな音楽を書きたくて、彼らのように女の子たちを射止め、女の子たちのハートをつかむ歌詞が書きたくて。全てに夢中だった。このことがちゃんと映画で再現されていて、言葉にできないくらい完璧だったんだ」と続けた。「素晴らしい映画だよ」と何度も言葉にするアダムは、「80年代の音楽は型にはまったイメージを抱いている人が多いけど、80年代には素晴らしい音楽があった。この映画はその素晴らしさに着目している。メジャーな音楽も…デュラン・デュランは衝撃的だった。素晴らしい音楽やファッションや、そのときに起こっていたムーヴメントの全てを生み出した。だけど決して、その時代をパロディーにした映画には感じない。80年代をありのままに撮影したかのようにリアルに描かれているんだ」と、本作の魅力について熱く語りながらも、「彼の映画の中で一番とは言い難い。なぜなら僕は前作に出ているからね(笑)」と、嫉妬心からか(?)対抗意識を燃やしていた。『シング・ストリート未来へのうた』は7月9日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年06月23日クイーン+アダム・ランバートの来日公演が9月22日(木・祝)、23日(金)に東京・日本武道館で行われることが決定した。【チケット情報はこちら】クイーン+アダム・ランバートは、イングランドのロックバンド、クイーンのオリジナルメンバー、ブライアン・メイ、ロジャー・テイラーに加え、アメリカの歌手、アダム・ランバートが加入。新生クイーンとしては、初のロックの殿堂・日本武道館公演となる。各地のフェスティヴァルでヘッドライナーを務め、世界各地で開催した70公演以上のチケットがソールドアウトとなり、これまでライヴに訪れた観客数は優に100万人を超える圧巻のパフォーマンス。ヒット曲満載のパフォーマンスは必見!絶対にお見逃しなく!今回の来日決定に際し、「何と素晴らしい機会だろう。45年間以上も世界各地をツアーしてきた今、アジアで全く新しい地に降り立つことになった。クイーンはアダムと活動することで新しいエネルギーと生命力を得た。各地の皆さんの笑顔が見られるのを楽しみにしているよ」(ブライアン・メイ)。「アジアの素晴らしい各都市に、クイーンとして訪れるのが本当に楽しみだ」(ロジャー・テイラー)。「近頃はアジアに訪れる機会があったので、クイーンとの公演でアジアを再訪できることにワクワクしている。記憶に残るショウを皆さんにお届けするよ」(アダム・ランバート)とコメントを寄せている。チケットの一般発売に先駆けて、チケットぴあでは先行抽選プレリザーブを実施中。受付は6月21日(火)午後11時59分まで。■クイーン+アダム・ランバートLIVE IN TOKYO 20169月22日(木・祝)開場 18:00 / 開演 19:009月23日(金)開場 18:00 / 開演 19:00会場:日本武道館(東京都)料金:S席 16,500円 / A席 14,500円 / B席 12,500円 / SS席 40,000円※SS席はグッズ付き、数量限定の良席です。※未就学児童入場不可※チケットはお一人様1枚必要です。
2016年06月15日歌手のアダム・ランバートは、自身の声に3,000万ポンド(約48億円)もの保険金をかけているのだという。何かがあって歌声に影響が出て稼ぐことができなくなった時を想定して2012年にこの保険を掛け始めたというアダムは、声で生計を立てていることからこの行動が思慮深いことだと考えているそうだ。「僕の声はパンとバターのように毎日の生活に必須なものだから、それに保険をかけなきゃならないのさ。ジェニファー・ロペスはお尻に保険をかけているだろ? 声で自分は生計をたてているからね」と語った。そんなアダムは、クイーンのブライアン・メイとロジャー・テイラーとともに行ったツアーを成功させており、今の自身のいる状況について、「こんな状況がこれほど長く続くとは予想していなかったんだ。ブライアン・メイとロジャー・テイラーがただ僕に本当によくしてくれていて、協力してくれるし、曲についてもいっぱい自由を与えてくれているんだ。全てを望むことはできないよ」と話す。クイーンとアダムは、今年6月に開催される英ワイト島音楽祭のヘッドライナーを務めることが決まっており、以前ブライアンは故フレディ・マーキュリーもアダムが歌うクイーンの曲を気に入るだろうと称賛。「ワイト島音楽祭でのクイーン出演は、長年先延ばしになっていたことなんだ。俺らの人生のこの時点でそれをチャレンジするなんてどんなに素晴らしいことかって思うよ。アダム・ランバートっていう新しい血が投入されたクイーンは、2016年この伝説のステージをやるぜ。フレディもさぞ気に入っただろうな。待ちきれないね」と胸をふくらませている。(C)BANG Media International
2016年02月12日Forbes誌がギャラをもらいすぎている俳優のトップ10を発表した。2015年6月以前の3つの主演作の興行成績と、それらに対してその俳優が受けたギャラを見比べ、ギャラ1ドルに対して見返りはいくらだったかを試算したもの。その他の情報デップの『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』の北米興行収入がわずか770万ドル。『トランセンデンス』も、わずか2300万ドル(製作費は1億ドル)で、彼がもらった1ドルに対し、見返りは1ドル20セントだった計算になる。2位は、デンゼル・ワシントン。ワシントンはギャラ1ドルに対し見返りは6ドル50セントで、1位と2位の間には大きな開きがある。3位はウィル・フェレル。それ以下はリーアム・ニーソン、ウィル・スミス、クリスチャン・ベール、チャニング・テイタム、ブラッド・ピット、ベン・アフレック、トム・クルーズの順。過去2年はアダム・サンドラーが1位だったが、サンドラーがNetflixと特別の契約を結んだため、今年はこの評価の対象になっていない。文:猿渡由紀
2015年12月24日『スター・ウォーズ』シリーズ最新作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(12月18日公開)で新悪役カイロ・レンを演じた俳優アダム・ドライバーがこのたび、キャラクターの制作過程や役作りなどを明かした。『スター・ウォーズ』シリーズには、ダース・ベイダーというだれもが知る悪役が登場するが、新たなる3部作の第1弾となる本作では、ダース・ベイダーを受け継ぐ者として、赤い十字型のライトセーバーを操るカイロ・レンが登場する。J.J.エイブラムス監督は、カイロ・レンのキャラクターについて、「ただの悪役として描いても面白くないと思い、どうすれば見る人にとってキャラクターが魅力的に映るのか考えた。そこで極悪な面がある一方で葛藤する姿を描いたんだよ。口ひげがあるような悪役ではなく、不完全な悪役に見えるようにね。実はレンはダークサイドの偉大な存在になりたがっているのさ」と、苦悩を見せることで人間味あふれる魅力的なキャラクターにしたと明かしている。そしてこのたび、カイロ・レンを演じたアダム・ドライバーが、役作りについてコメント。「僕はいつも役作りをする時に頭で考えて、役の人物の感情を徹底的に考えようとするタイプなんだ。でも今回はマスクを着用したり、ファイト・シーンで棒を使ったり物理的に触れるものが多くて、そこから想像を膨らませることができたよ」と振り返った。また、「J.J.とは時間をかけて話し合ったんだ」と明かし、「彼にはカイロ・レンの設定が細かくあったけれど、最後は僕なりにカイロ・レンを解釈した」と説明。「それは自分本位で身勝手な"悪"ではなく、悪いことでもそれを正義と信じている"悪"を持っている人物だと思った。道徳を振りかざして自分を正当化するゆがんだ人物として演じたよ」と続けた。ダース・ベイダーを受け継ぐカイロ・レンを演じたアダムは、『スター・ウォーズ』が世代を超え愛され続けいている理由についても、「『スター・ウォーズ』には誰もが共感できる家族の愛や友情をテーマにしているんだ。そういう普遍的なテーマがシリーズ全体を通じて感じられる。今回もそれは受け継がれていて、僕らもいつもキャラクターに人間性を注ぎ込むことから始めたよ」と自分なりの解釈を語った。(C) 2015Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved
2015年12月05日米BOX OFFICE MOJOは9月25日~9月27日の全米週末興業成績を発表した。2012年公開の『モンスター・ホテル』の続編となる『Hotel Transylvania 2』が1位に初登場。前作に引き続き、ゲンディ・タルタコフスキが監督を、アダム・サンドラー、セレーナ・ゴメス、アンディ・サムバーグらが声優を務める。吸血鬼メイヴィスと人間のジョナサンとの間に産まれた子どもを、健全な吸血鬼としての教育に取り組む様子を描く。2位『マイ・インターン』も初登場。ニューヨークのファッション業界を舞台に、キャリアウーマンとしてファッションサイトのCEOを務める主人公が、"シニア"インターンとして雇用された人生経験豊富な70歳の男性従業員の出会いを通して成長していく姿を描いた人間ドラマ。『レ・ミゼラブル』でアカデミー賞助演女優賞を受賞したアン・ハサウェイが主役を、ロバート・デ・ニーロがシニア従業員を演じている。前週トップの『メイズ・ランナー2: 砂漠の迷宮』は3位に、『ブラック・スキャンダル』は2位から5位に、『ヴィジット』は3位から6位にランクダウン。『エベレスト 3D』は5位から4位に浮上した。その他9位『グリーン・インフェルノ』が初登場。前作『ホステル2』から約6年ぶりにメガホンを取ったイーライ・ロス監督による新作で、飛行機事故で奇跡的に生き残った学生たちがジャングルで食人族に遭遇。そこから展開するサバイバルホラーだ。10位『Sicario(原題)』は、前週圏外からの初のトップ10入り。アメリカとメキシコの国境地帯で繰り広げられる麻薬組織と警察の攻防を、『プラダを着た悪魔』『ヴィクトリア女王 世紀の愛』のエミリー・ブラント主演で『灼熱の魂』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が描くクライムムービー。
2015年09月28日2015年9月12日、13日の全国映画動員ランキングは、人気ゲームキャラクターが地球を侵略する様を描いたハリウッド映画『ピクセル』(全国312館)が初登場でトップに輝いた。その他の画像/映画動員ランキング本作はアダム・サンドラーが主演し、『ハリー・ポッター』のクリス・コロンバスが監督を務めたエンターテインメント大作。ゲームキャラの外見をしたエイリアン種族による地球侵略に、レトロゲーマーたちが立ち向かう様を描く。ランキングには『ピクセル』のほか、週末に封切られた新作3本がランクイン。東野圭吾の小説を江口洋介、本木雅弘の共演で映画化した『天空の蜂』(全国311館)は3位に。コリン・ファース×マシュー・ヴォーン監督によるスパイアクション映画『キングスマン』(全国217館)は6位。そしてロック様ことドウェイン・ジョンソンが主演するディザスター超大作『カリフォルニア・ダウン』(全国217館)は9位に入り、先週は4本だった洋画勢が7本ランクインする結果になった。『ピクセル』公開中
2015年09月14日