オフスキンケアでどんな敏感肌でも美肌に4月19日、アトピー性皮膚炎経験者で化学者のかずのすけ氏による新刊「どんな敏感肌でも美肌になれる! オフスキンケア」が発売された。同書はどんな敏感肌の人でも美肌を手に入れられるというスキンケアの解説書で、価格は1,404円(税込)で、KADOKAWAより発売中である。化学者が考案した新発想スキンケア幼児期にアトピー性皮膚炎を患っていたかずのすけ氏は、現在でも体質そのものに変化はないと語る。それでも現在、かやみや肌トラブルなど一切のアトピーの症状に悩まされていないのは、化学者として、独自のスキンケア法を編み出し、実践しているからだという。著者はこれまでも「改訂版 化学者が美肌コスメを選んだら・・・じつは10秒で見抜けます」など、コスメやスキンケアに関する著作を発表しており、この新刊が6冊目。美容師やメイクアップアーティストなどが語らない化学者ならではの視点が好評を博している。新刊「どんな敏感肌でも美肌になれる! オフスキンケア」では、スキンケアの基本や用語、敏感肌のスキンケア、コスメの選び方、敏感肌克服のための生活習慣などを解説。また、また、コスメの成分一覧表も掲載されている。(画像はKADOKAWAのサイトより)【参考】※どんな敏感肌でも美肌になれる! オフスキンケア
2018年04月25日だんだんと暖かくなってきましたが、やはり朝晩の冷え込みは辛いですよね……。そんなときは、ゆっくりと湯船に浸かって身体を芯から温めるのはどうでしょうか?今回は「身体がポカポカになる」「汗が大量にでる」「乾燥が気にならなくなった」「旦那の加齢臭がなくなった」などと口コミで人気上昇中の「酵素風呂」についてご紹介します♡酵素入浴剤を使えば、自宅でも簡単に酵素パワーを体感することができちゃいますよ!酵素風呂とは?酵素風呂とは、自然界に存在している「微生物」の力を借り、微生物が発酵するときに発生する熱を利用した温浴法です。一般的に「酵素風呂」といえば、専門スパや施設などで「身体全体をオガクズの中に沈める」といった方法。身体を芯から温めることのできる酵素風呂はリラクゼーション効果にも優れていますが、酵素風呂を行っている施設はまだまだ少ないのが現実です。それに、1度の温浴で5,000円程度かかってしまうため、毎日続けることはなかなか厳しいといったデメリットも……。とはいえ期待できる効果はかなり魅力的で、酵素風呂利用者から寄せられる「デトックス効果が抜群」「冷えが改善された」「肌がきれいになった」等々の口コミが後を絶ちません。身体を温めることは「人間に備わっている免疫機能を保つ」ことにもつながるとされていて、酵素風呂は今まさに注目を集めている入浴方法なんです。酵素風呂の効果身体を芯から温めてくれる酵素風呂……♡ここでは、酵素風呂に入ることで期待できる嬉しい効果についてまとめてみたいと思います!身体の内側からじんわり温まる自然界に生きる微生物の働きによって、身体の隅々まで温めることができる「酵素」の力。新陳代謝が活発になることで血流が促進され、身体の隅々までムラなく温まります。身体が温まるだけでなく、その優れた「保温効果」も見逃すことができません!・翌朝までポカポカが続く・真冬でもお風呂上がりが寒くないなど、酵素風呂は保温効果の高さで定評があるんですよ。ツルツル卵肌に酵素の働きによって身体の中に溜まった老廃物・余分な塩分・有害物質などを汗と共に体外へ排出。すると、きれいでサラサラになった血液が体内の隅々に循環し、細胞に栄養を届けることができます。栄養をしっかりともらった細胞は生き返り、若々しく元気な肌へとつながりますよ。年齢に負けない体質へつながる血液循環がよくなることで現れる変化は、なにもお肌に限ったことではありません。血液は「酸素や栄養を各機関に運ぶ」という重要な役割があることから、その働きを十分に行えることができれば「年齢に負けない体質」「元気ハツラツ」といった体質改善にも役立つでしょう◎古くなった角質を除去酵素の種類にもよりますが、酵素の多くには「古くなった角質を自然に除去してくれる」という嬉しい働きがあります。30代以降、お肌や身体にも変化が起こりやすいANGIE世代の女性には、「ターンオーバーの乱れ」「ホルモンバランスの変化」などによって古い角質が溜まってしまいやすい傾向があります。毎日の入浴で身体を温めつつ、同時に「角質ケア」ができるとしたら素敵だと思いませんか?体臭軽減にも効果あり?酵素には強い分解作用があるため、加齢臭の原因となっている「皮脂の酸化臭」を取り除いてくれるのだとか!薬用の酵素入浴剤などの記載事項を見てみると、「効果効能:ニキビ」となっているものも多く、酵素の分解作用が余分な皮脂や脂の分解につながっているのが確認できます。自宅で簡単酵素風呂♪おすすめ酵素入浴剤酵素風呂がいいのはわかったけど……「近くに施設がない!」「高くて続けられない!」という人のために、ここでは天然酵素が配合された「酵素入浴剤」をご紹介します◎通常の入浴剤に比べればお値段はしますが、その効果は目を見張るものが!!浴用ビコーゲン-BAmazon洗浄成分である「パパイン酵素」が配合されたビコーゲン-Bは、我が家のマストアイテムとして定着している酵素入浴剤!お肌に潤いを与えてくれる「米ぬかエキス」も配合されているため、真冬でもボディークリームいらずなんです。そしてこのビコーゲン、なんといっても「身体を芯から温めてくれる」働きが素晴らしい。ビコーゲンを入れた湯船に10分ほど浸かれば、ベッドに入った後もずっと「ポカポカ」が持続するんだから驚きです!さらに私が驚いたことといえば…パパイン酵素の働きによる「角質除去効果」です。そもそもパパイン酵素とは、タンパク質・糖質・脂質という3大栄養素を分解する酵素で、数ある酵素の中で「最も優れた酵素」といわれるくらい強力な分解力を持った酵素です。パパイン酵素が分解するのは「古くなった角質」「余分な皮脂」ということで、ガサガサに固まった私のかかとのはみごとにツルッツル♪靴下や布団に引っかかるくらいに荒れていた私のかかとちゃんは、ものの2ヶ月ほどでストッキングでも全く引っかかることのないスベスベ肌になったのでした!まさか、子どもの乾燥肌対策のために購入した酵素入浴剤がこんな形で役に立ってくれるなんて……。いい忘れていましたが、私がこのビコーゲンを購入しようと思ったきっかけは「アトピー肌の子ども」のためなんです。ビコーゲンの口コミでは「アトピー肌が落ち着いた」「痒がらなくなった」というレビューが多く、初めは半信半疑で注文しましたが、今では子どもも「黄色いの入れないと痒くなるよ〜」なんていってくるほど!ビコーゲンは医薬部外品の薬用入浴剤なので、特に肌が弱い人・冷えが気になる人には最適です◎つるぽかAmazonこちらは、名前が可愛らしい「米ぬかと海藻から作った植物酵素液」です。米ぬかは保湿成分として有名ですし、海藻には豊富なミネラルが含まれているので、お肌にいいことは一目瞭然ですよね。つるぽかは乳酸菌と酵母菌のみによって発酵させたものなので、「発酵臭が気になる」といった声がきになるところですが……愛用者からは「肌が白くなった」「ポカポカに温もる」といった満足の声が寄せられています!そして、つるぽかは2009年の発売以来、なんと「15万本以上」もの売り上げを上げていることからも、酵素入浴剤として優れたポテンシャルを持っている商品といってもいいでしょう。実は、今あるビコーゲンがなくなったら「つるぽかも試してみたいな〜」なんて浮気心がでてきている今日この頃です。酵素入浴剤はこんな人におすすめ!・夏でも手足が冷たい・背中のニキビがなかなか治らない・腰痛持ちだ・肩こりがひどい・肌荒れが気になる・かかとや手がひび割れている・疲れが取れない・入浴しても汗がでにくい・体臭が気になる・老廃物を排出したいなどなど、酵素入浴剤はさまざまなお悩みを抱えている人にオススメです。スパや専用施設で行う酵素風呂と違い、毎日手軽に行うことができる「酵素入浴剤」で、身体の芯からポカポカ体験してみませんか?酵素入浴剤で美と健康を維持♡子どもの乾燥肌+アトピーによる痒みを軽減してあげたくて、調べに調べてたどり着いた「酵素入浴剤」という答え。結果的には子どもの肌の痒みもほとんどなくなり、私のかかとも旦那さんの気になる匂いにも効果テキメンでした♡血液循環をよくして流れを整えれば、きっとお肌のトーンもパッと明るく変化していくはずですよ!参考:酵素浴えん、株式会社カナイ酵素新和化學研究所
2018年03月22日「ガザガサ肌」「皮膚の硬化」「肌荒れやかゆみ」など、乾燥が原因で発症してしまう皮膚のトラブルは年齢にかかわらず誰にでも起こり得るものです。そんな辛~い乾燥による症状が現れ始めた場合、私ならすぐに「皮膚科」を受診しちゃいます!皮膚科の先生は「皮膚のことを知り尽くしたプロフェッショナル」なので、自分で試行錯誤するよりも、サクっと先生の指示に従った方がいいと私的には思っています◎そこで今回は、辛い乾燥肌さんにおすすめの「皮膚科医が推奨する保湿スプレー」をご紹介。皮膚科で処方してもらうスプレーは保険適応なので、高価な保湿ローションを買うよりもお得になる場合だってあるんですよ~♡えっ!こんな簡単なケアでいいの?敏感肌におすすめの保湿方法とは「極度の敏感肌だ」「アトピー性皮膚炎を患っている」という人は、肌の水分量が低いだけでなく、潤いを閉じ込めるバリア機能も低下しているものです。そんな肌タイプの人は、乾燥や肌荒れで皮膚科に通院しているという人も少なくありませんよね!実際、私の子どもも極度の乾燥肌&アトピー体質なので、季節関係なく真夏でも皮膚科へ通院している状況です……。何年も皮膚科へかよっているうちに、皮膚科によって処方される薬や保湿剤は異なっても「保湿のベースとなる成分」にはある共通点があることが分かってきました◎皮膚科で処方される保湿剤の種類を大まかに分類すると……・ワセリン系・ヘパリン類似物質系・尿素系という3つの異なる成分に分けられます。上記3つの成分のうち最も刺激性の低いものは「ワセリン」ですが、ワセリンの働きは「表面を保護して水分の蒸散を防ぐ」だけ。水分量が不足している乾燥肌さんは、「ワセリンよりも保湿ローションが欲しいんだっ!」と思ってしまいがちですよね?しかし実は、敏感肌の人は「保湿ローションの刺激によって」肌荒れを引き起こしてしまうこともあるのだそう……。肌の炎症がひどいときは、湯船に浸かった後「肌に少し水滴が付いている状態」のまま、ワセリンで肌を保護してあげるといいみたいです◎「ワセリンだけかぁ……絶対カサカサになりそう~」なんて初めは半信半疑だった私ですが、皮膚科の先生の指示通り「お風呂上がりすぐのワセリン」を実行してみると……。なんと1週間ほどで、あれだけガサガサだった子どもの肌が、みるみると肌本来の潤いや活力を取り戻していくではありませんか!これにはさすがに驚いて、「敏感肌の人こそ塗り過ぎないシンプルなケアが大切なのかもしれない……」なんて思うようになった私。ちなみに、ワセリンとひと口にいってもその種類はさまざまです。我が子に処方されたワセリンは「プロぺト」といって、ワセリンのなかでも純度が高く、敏感肌の人におすすめなんだそうですよ!皮膚科医おすすめの優秀保湿スプレー「敏感肌はできるだけシンプルなスキンケアを!」とはいっても、30代以降で化粧水を全く使用しないというのも、正直不安なところです。ということで、ここでは皮膚科医おすすめの保湿力抜群のスプレーをご紹介します◎ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%こちらは我が家で欠かすことのできない保湿スプレーです!この保湿スプレーをシュっとすれば、どんなに粉を噴いていようが、どれだけ乾燥していようがお構いなし◎あっという間に潤ってモチモチのお肌にしてくれるスプレーです。逆さにしても使用できるので、手の届きにくい背中などへもストレスなく塗布することができちゃいます!外用薬なのでもちろん市販では売られておらず、「皮膚科」「医療機関」などで処方箋をもらう必要あります。ヘパリン類似物質外用泡状スプレー0.3%アトピー肌や乾燥肌だけではなく、傷の治癒目的でも処方されることが多い「ヒルドイド」がありますが、こちらのスプレーはヒルドイドのジェネリック医薬品として販売されている「ビーソフテン」という外用薬の新製品です。ビーソフテンは優れた保湿効果が特徴的ですが、このスプレーはなんと「泡タイプ」という新感覚の保湿スプレーで、顔はもちろん体にも使用することができます♪泡ででてくるので伸びがよく、液ダレしないところも使用しやすいですよね!それよりなにより「保湿力が高くてお肌がモチモチになる」と、港では噂になっているほどですよ。やっぱり薬用・医薬品は保湿力が違う!先ほどご紹介した「皮膚科医がおすすめする保湿スプレー」のなかで度々登場してきた「ヘパリン類似物質」という成分ですが、この成分は薬用・医薬品にしか配合することが許されていない、乾燥に効く有効成分なんです◎これこそが「薬用・医薬品の保湿効果は優れている!」といわれる理由でもあり、乾燥が進行している人に皮膚科の受診をすすめることにもつながっているというわけ!ヘパリン類似物質には「血液の凝固を抑制する」という作用の他にも、「肌に含まれている水分が外に逃げないようにしてくれる」という、乾燥肌さんには嬉しい働きが確認されていますよ。ヘパリン独特の「血を固めない」という特性は血行促進作用にもなっていて、傷の回復を早めてきれいな肌にしてくれるんだとか♪皮膚科で処方された保湿スプレーを使用している人のなかからは、「もう普通の化粧水は使えない!」「乳液がいらないくらいに潤う!」という意見も挙がっているほどです。皮膚科で処方してもらえれば「1本1,000円程度」で手に入れることができるので、乾燥でお悩みの人は皮膚科へ受診されてみてはいかがでしょうか?保湿スプレーは手作りできるって知ってた?「余計な成分が入っていると肌荒れを引き起こしてしまう」なんていう超敏感肌さんには、自分で作る「手作り保湿スプレー」もおすすめです◎そもそも保湿化粧水の原料をざっくりご説明すると、「精製水+グリセリン」であることがほとんどです。グリセリンとは保湿成分のことで、肌に必要な潤いが逃げないようにしてくれるもの。そしてこの「精製水」「グリセリン」は、ドラッグストアで気軽に購入することができるってご存知でしたか?精製水とグリセリンを100均などで購入したスプレーボトルに入れれば、あっという間に手作り保湿剤の完成です。「香りも少しは欲しいな…」という人のために、デリケートな肌にも使用できる「エッセンシャルオイルを使用した手作り保湿スプレー」の作り方をお伝えするので、ぜひ作ってみてくださいね◎【カモミールローマン保湿ローション】用意するものカモミールローマン精油2滴、ホホバオイル1ml、精製水49ml作り方1.ビーカーにホホバオイルとカモミールローマン精油を2滴入れ、ガラス棒でよく混ぜる。2.精製水を加えてよく混ぜ、遮光瓶に移す。3.冷暗所で保管し、1ヶ月を目安に使い切る。かゆみや湿疹に効果的な「カモミールローマン」の精油を使用した、香り高い手作り保湿ローションです。使用する際は「瓶をよく振って、コットンにたっぷりとローションを含ませる」ことをお忘れなく◎ここでは保湿効果を与えるためにホホバオイルを加えていますが、もちろんグリセリンに替えてもOKですよ!いかがでしたか?乾燥による症状がお肌に現れている場合は、自力でなんとかしようとせずに、専門家の意見を取り入れることもひとつの方法です◎自分に合った保湿剤が見つかれば、今までの悩みが嘘だったかのように「モチモチ肌」へとつながっていくはずですよ!参考:ドクターシーラボ、「アロマテラピー図鑑」主婦の友社/佐々木薫
2018年03月19日「美しい肌」は誰もが手にしたいもの。そもそも「美肌」とは、医学的には「ニキビやかゆみなどの皮膚トラブルがなく」、そして「キメが整った」状態です。美しい肌を手にするために、さまざまな化粧品を試したり、エステに通ったりとケアをしている人は少なくないでしょう。しかし、美肌のために最も重要なケアをお忘れではないでしょうか。それは「睡眠」です。睡眠不足が肌によくないことは、感覚的におわかりの方がほとんどだと思います。しかし、わかっていてもつい軽視してしまいがち。実際にアメリカで行われた調査では4割近くが、睡眠時間が7時間以内の慢性的な睡眠不足であることが明らかになっています。近年のスマートフォンの普及によって、睡眠不足の傾向はさらに進行していると言われています。ここでは、そんな肌と睡眠の密接な関係についてご紹介したいと思います。読んだらきっと寝る前のスマートフォンを制限しようと思うはずですよ。■睡眠が足りていないと肌はどうなる?まず、肌の仕組みについて。肌は日々生まれ変わっていて、それは「ターンオーバー」と呼ばれています。サイクルは年齢や季節などによって多少異なりますが顔の場合およそ1カ月。ターンオーバーが正常に行われていると、肌の表面の凹凸は少なく、キメの整った「美しい肌」が作られます。つまり、正常なターンオーバーが美しい肌の絶対条件ともいえます。睡眠は、このターンオーバーに影響を及ぼします。具体的には、主に睡眠中に分泌される「成長ホルモン」が関与します。成長ホルモンには、日中に受けた紫外線や乾燥などのダメージを修復したり、肌に必要な栄養素を血流にのって運ぶことでターンオーバーを促進したりする効果があります。そのため睡眠不足の場合、紫外線などのダメージからなかなか回復できなくなってしまいます。紫外線はシミ、しわやたるみの原因となります。実際にある研究では、睡眠が不十分な人は十分な人と比べてシミ、しわ、たるみのサインが多く見られたという報告があります。睡眠不足が肌の老化を招いてしまうのです。さらに、睡眠不足だと、肌の免疫機能にも影響が出てきます。免疫を担うホルモン「コルチゾール」は、 肌で起こっている炎症を抑えてくれる頼もしいホルモンです 。コルチゾールがうまく分泌できないと、アトピー性皮膚炎や湿疹、またニキビがひどくなることがこれまでの研究でわかっています。コルチゾールは本来、深夜〜明け方にかけて分泌量が増えますが、睡眠が不十分な場合、その分泌量のバランスが崩れてしまいます。すると乾燥や肌の刺激を感じやすくなり、ちょっとした肌荒れを招いてしまいます。■睡眠は「1日7時間」以上とりたい睡眠がいかに重要か、ご理解していただけたでしょうか。それでは、具体的にどのような睡眠が理想的なのでしょうか。睡眠にはおよそ1時間半ごとのサイクルがあり、まず浅い眠り(レム睡眠)から始まり徐々に深い睡眠(ノンレム睡眠)に入り、また浅い睡眠(レム睡眠)に戻ります。美肌ホルモンである成長ホルモンは、深い眠り(ノンレム睡眠)のときに多く分泌されることがわかっています。特に眠りが深くなるのは第2サイクル目まで。つまり、入眠後3時間でいかに深い眠りにつけるかが最も重要です。全体の睡眠時間としては、多くの論文で6〜7時間以下を睡眠不足と位置づけていることから、7時間以上が十分な睡眠時間といえるでしょう。忙しい人でも、少なくとも6時間半は確保したいところです。良質な睡眠を確保するには、毎日同じ時間帯にベッドに入り、睡眠のリズムを作ることが大切です。環境作りも重要で、寝間着や枕、カーテンなどを変えるだけで寝付きが変わってきます。中には、寝る前にお酒を飲むのを習慣にしている人もいるかもしれません。寝る前のアルコール摂取は睡眠の質を低下させることがわかっているため、おすすめできません。食べ物も、寝るときに食事内容が胃に残っていると深い睡眠を得られないため、寝る3時間前には終わらせるようにしましょう。夜のデザートにはヨーグルトがおすすめです。ヨーグルトは腸内環境を改善する効果があり、腸内環境を整えることで睡眠の質を高めるということが研究によって明らかになっています。たかが睡眠、されど睡眠。軽視せずになるべく質の高い睡眠が十分に取れるよう、あなたも「睡活(すいかつ)」、さっそく始めてみませんか。Text/小林智子小林智子さんプロフィール皮膚科医。ドクターレシピ監修。日本医科大学卒業。名古屋大学大学院皮膚病態学にてアトピー性皮膚炎について研究。2015年よりアメリカ Northwestern大学でポストマスターフェローとしてアトピーなど小児皮膚科の臨床研究に従事。 食事と健康に関してレシピや情報などを医学的な立場から発信する「ドクターレシピ」の監修を行う()。 <著書>『皮膚科医が実践している極上肌の作りかた』(彩図社) <所属>日本皮膚科学会、日本アレルギー学会、日本美容皮膚科学会、日本抗加齢医学会、米国レーザー学会
2018年02月16日我慢できずに、つい手が伸びてかいてしまう頭皮のかゆみ。毎日シャンプーをしているのにかゆみがおさまらない場合、かゆみを止めるために医薬品を活用したり、皮膚科を受診するという手段があります。しかし、日々のケアが必要な頭皮に起こることは、日常的に行っているケア方法を確認することも重要です。ただし、かゆみや痛みなどが激しい場合、またその他の異常を感じる場合は、皮膚病の可能性があるので、すぐに皮膚科を受診しましょう。頭皮のかゆみに対する市販薬はいくつかありますが、かゆみの原因に合っていないものを使用すると、かえって頭皮のかゆみやフケを悪化させる可能性も考えられます。まずは頭皮のかゆみの原因をおさえ、市販薬や皮膚科で処方される薬の種類を解説します。あわせて、洗髪方法やシャンプー剤の見直しといった日常の正しいセルフケアも押さえておきましょう。頭皮のフケやかゆみが起こる原因とは頭皮にかゆみやフケといったトラブルが起きる原因は、頭皮の乾燥や皮脂の過剰分泌、病気などさまざまです。原因次第では、頭皮のかゆみを改善するために皮膚科を受診するほうがよい場合もあるため、まずはどのようなことが頭皮のかゆみの原因となるのか解説します。頭皮の乾燥頭皮は皮脂の分泌が盛んで乾燥しにくいイメージがあるかもしれません。しかし、頭皮も顔や腕などの肌と同じく乾燥する場合があります。頭皮が乾燥しているときには、パラパラ、かさかさしたフケが出て、かゆみが出やすくなります。毎日丁寧に髪を洗っているのにこのようなフケがおさまらない場合、頭皮が乾燥している可能性が考えられるでしょう。頭皮が乾燥する原因のひとつとして、頭皮の洗いすぎがあげられます。フケを気にするあまり必要以上にシャンプー(洗髪)すると、肌を保護するのに必要な油分(皮脂)まで落としてしまうのです。皮脂は本来、肌を刺激から守るバリアの役割を担っています。その皮脂が不十分になることで、頭皮が外部からの刺激に敏感になり、かゆみを感じやすくなるのです。なお、シャンプーのしすぎのほかに、加齢や紫外線の影響など、さまざまなことが頭皮の乾燥を招く原因としてあげられます。皮脂の過剰分泌や汚れの付着頭皮の皮脂が過剰に分泌されることが原因で、かゆみが起こる場合もあります。どのような人の頭皮に存在している常在菌の一種の「マラセチア」というカビが皮脂をエサに増殖することで、頭皮にかゆみを感じるようになるのです。また、このようなときにはベタベタした脂っぽいフケが出るのも特徴的です。また、何日も洗髪できない日が続いたり、すすぎ残しが頭皮に残ったりして頭皮が清潔ではない状態も、同じく頭皮のかゆみやベタベタしたフケといった頭皮トラブルの原因となります。なんらかの病気による頭皮のかゆみなんらかの病気によって頭皮のかゆみが生じる場合もあります。頭皮にかゆみを起こす可能性がある病気として、主に以下のものがあげられます。接触性皮膚炎肌に合わないシャンプーや整髪料が刺激となったり、アレルギー反応を引き起こしたりして頭皮にかゆみが出ます。原因となっているシャンプーなどを使い続ける限り、症状も続く可能性があります。アトピー性皮膚炎アトピー性皮膚炎の方は肌のバリア機能の働きが弱く、刺激の強いシャンプーや紫外線、雑菌などの外からの刺激でかゆみを引き起こしやすい傾向があります。かゆみが強く、かきむしって細菌に感染してしまうケースも見られます。頭ジラミ頭ジラミとは頭皮に寄生する虫のことです。昔の病気という印象を持っている方も多いかもしれませんが、国立感染症研究所によると、1994年度以降は頭ジラミの発症件数が増加傾向を示しているとされています。[1]このように、病気が頭皮のかゆみを引き起こしている可能性も考えられます。頭皮のかゆみを感じたら、「ただかゆいだけだから」と放置せず、皮膚科を受診しましょう。フケやかゆみに効くとされる薬の種類頭皮のかゆみやフケといった頭皮トラブルがある場合、効果を期待できる薬はその原因によって異なります。ここでは、頭皮のかゆみやフケに効果が期待できる市販薬の種類のほか、皮膚科を受診したときに処方される薬について解説します。頭皮のかゆみやフケに効果が期待できる市販薬市販薬の中で頭皮のかゆみやフケへの効果を期待できる薬は主に2種類です。抗ヒスタミン系の塗り薬ステロイドの塗り薬それぞれに期待できる効果や注意点を簡単に解説します。抗ヒスタミン系の塗り薬抗ヒスタミン系の塗り薬は、ヒスタミンというかゆみのもととなる物質の作用を阻害するほか、ヒスタミンが生成されるのを抑えることで、かゆみにアプローチする薬です。頭皮のかゆみやフケの根本的な対策というよりは、思わず掻いて傷をつけたり、皮膚の炎症を悪化させたりすることを防ぐために使用するものと考えられます。また、保湿作用もあるため、乾燥による頭皮のかゆみへのアプローチもできます。抗ヒスタミン薬の成分として、ジフェンヒドラミン塩酸塩などがあげられます。ステロイドの塗り薬ステロイドには、炎症を抑える作用や湿疹をしずめる作用があります。ステロイドは、強さによって5段階のランクがあります。市販されているのは3番目に強い「ストロング(Strong)」、それより弱い「ミディアム(Medium)」、一番弱い「ウィーク(Weak)」の3種類です。ステロイドと聞くと「副作用」のイメージが強い方もいるかもしれません。確かにステロイドには長期的な使用などによって副作用が出る可能性があります。しかし、皮膚の状態に合ったランクのステロイドを使用することで、肌の炎症が1週間ほどでよくなります。そうなったら、ステロイドの塗り薬をやめましょう。ただし、市販のステロイドを1週間ほど使用しても症状が改善しない場合は、ステロイドの使用をやめて皮膚科に相談してください。頭皮のかゆみやフケで処方される薬頭皮のかゆみやフケで皮膚科を受診すると、以下のような薬が処方されます。抗真菌薬ステロイドそれぞれについて簡単に解説します。抗真菌薬真菌(カビ)の繁殖を抑制する作用のある薬です。フケやかゆみの原因となるマラセチアなどのカビの繁殖を抑えることで、かゆみやフケに対するアプローチを行います。ケトコナゾールといった成分があげられます。ステロイド病院では、症状に合わせて「ストロンゲスト(Strongest)」や「ベリーストロング(Very Strong)」といった強いステロイドが処方されることもあります。強ければ強いほど皮膚への刺激も強くなるため、塗る場所や塗り方、使用期間などを医師にしっかり確認して使うことが大切です。皮膚科では、頭皮のかゆみやフケの原因を見極め、それに応じた薬の処方などの治療を行ってくれます。原因に応じた対策をとらないと症状や頭皮環境が悪化することも考えられます。頭皮のかゆみやフケに対して自己判断で市販薬を使い続けたりせず、1週間ほどで改善しなければ皮膚科にかかるようにしましょう。頭皮のかゆみ対策となる洗髪方法・シャンプー剤の選び方頭皮の乾燥や汚れの付着のほか、過剰な皮脂が頭皮のかゆみの原因となっている場合、シャンプーの選び方や洗い方を工夫することで改善する可能性も考えられます。ただし、頭皮が乾燥しているのに皮脂が過剰な場合のケアを行ったり、頭皮のベタつきが気になる方が洗浄力のマイルドなシャンプーを使用したりすると、かえって悪化する原因にもなりますので、注意が必要です。自己流のケアを少し続けてもかゆみが改善しない場合や悪化する場合には、皮膚科で相談することをおすすめします。まずは、正しいシャンプーの仕方を解説します。正しいシャンプー(洗髪)の方法頭皮が乾燥している場合も、皮脂が過剰になっている場合も、シャンプーの仕方や髪の乾かし方を見直すことで改善する可能性があります。正しいシャンプーの仕方のポイントを以下にまとめました。まずはお湯だけでしっかりと洗い流す(予洗い)ガシガシと強くこすったり、爪を立てたりしないしっかりシャンプーを泡立て、泡を頭皮になじませる指の腹を使い、力を入れすぎないように洗う下から上へ向けて手を動かして洗うすすぎはぬるめのお湯ですすぎ残しがないよう入念に行う全体的に、頭皮に必要以上に力をかけないようにしながら、頭皮をやさしくマッサージするイメージでシャンプーをしましょう。また、髪を乾かすときにも気をつけたいポイントがあります。タオルドライは頭皮をやさしく押さえて水分を吸い取るドライヤーで8割くらいまで乾かす自然乾燥に頼ってしまうと、頭皮に雑菌が繁殖しやすくなります。しかし、しっかりと乾かしてしまうと頭皮が乾燥してしまう可能性もあるため、8割くらい乾かすイメージがちょうどよいでしょう。乾燥による頭皮のかゆみ対策シャンプー選び頭皮の乾燥がかゆみの原因になっていると思われる方で、1日に複数回シャンプーをしている場合は1日1回以下にとどめましょう。また、使用するシャンプー剤を見直す場合は、配合されている界面活性剤に注目します。シャンプーに含まれる界面活性剤は、大まかに以下の3つに分かれます。高級アルコール系シャンプー洗浄力が比較的強めです。成分表示の前の方に「ラウリル硫酸Na(ナトリウム)」「ラウレス硫酸」といった記載がある場合は高級アルコール系シャンプーです。石けんシャンプー石けん素地を使用したシャンプーで、洗浄力が高く皮脂もしっかり落とします。肌への刺激は少なめですが、洗い残しが頭皮に残るとかえって頭皮トラブルの原因となる場合もあります。アミノ酸系シャンプー3つのタイプの中でも洗浄力がマイルドなため、一般的に肌の敏感な方でも使いやすいシャンプーといわれています。「ココイル」「グルタミン酸」「メチルアラニン」「メチルタウリン」などがつく成分が成分表示の前方にあれば、アミノ酸系のシャンプーと言えるでしょう。頭皮の乾燥が気になる方には、アミノ酸系のシャンプーがおすすめです。洗浄力がマイルドで必要な皮脂まで落とさずに洗えることから、頭皮が乾燥しにくいためです。皮脂の過剰分泌による頭皮のかゆみのシャンプー選び皮脂の過剰分泌などが頭皮のかゆみの原因となっている場合、乾燥している場合とは異なるシャンプーの選び方のポイントがあります。ベタベタした脂性フケの場合は、フケやかゆみの原因菌の増殖を抑えたり、炎症を抑えたりする効果が期待される医薬部外品のシャンプーを試してみるのがおすすめです。なお、脂性フケの改善には食生活の見直しも期待できます。揚げ物やスナック菓子といった脂質の多い食べ物を多くとっていると、皮脂の分泌が活発になる傾向があるため、思い当たる場合は量を控えることをおすすめします。まとめ頭皮のかゆみやフケに対して、薬によるアプローチ方法は大きく2つに分けられます。頭皮のかゆみなどを起こしている原因へのアプローチかゆみなどの症状に対するアプローチ市販薬の場合、2つ目の症状に対するアプローチはできますが、原因へのアプローチは難しい部分があります。市販薬を使って1週間ほど様子を見ても頭皮のかゆみが改善しない場合は、早めに病院を受診しましょう。また、薬以外のアプローチ方法として、生活習慣の見直しがあげられます。シャンプーを変え、洗髪方法を見直すとともに、食事の内容もふり返ってみると頭皮の環境が改善されるかもしれません。今回解説した髪の洗い方やシャンプー選びを実践してみてください。参考文献[1]"シラミ症とは" 国立感染症研究所. 監修:芳賀菜未香
2017年12月20日クリスマスや忘年会など、イベント盛りだくさんの冬。人と会う機会が増えるこの時期は、いつもより美肌でいたいのが女性の本音ですよね。しかしその一方で、肌悩みも増える季節。冷たい風で肌が乾燥したり、寒さから血行が悪くなって肌の明るさが気になったりする人も多いのではないでしょうか。肌には過酷な季節……。冬はスキンケアの頑張りどき!そんな肌に過酷な季節を美肌で乗り越えるためのポイントは、「スキンケアにあります」と話すのは、南青山にあるスキンナビクリニック院長・服部英子先生。表参道に期間限定でオープンしている「NAVISION」の美肌カウンセリングスクエアのイベントに登壇した服部先生。冬のおすすめスキンケアは、「いつものケアにワンステップ足してあげること」だといいます。「冬の乾燥対策には、化粧水や乳液をいつもより多めに使用してみてください。肌のうるおい感がアップするはずです。普段の化粧水と乳液だけではカサつくという人はクリームや、パックをプラスするのも良いですね」(服部先生)また、最近ではスペシャルケアのような感覚で美容医療を受ける人も増えているそうで……。「美容医療というとメスを使った手術を想像する人も多いかもしれませんが、最近はケミカルピーリングやシミ取りレーザーなど、日常生活にほとんど影響なく手軽にキレイになれる方法がたくさんあるんですよ」(服部先生)と、イベントや特別な日のスキンケアのひとつとして、美容医療という選択肢があることも教えてくださいました。美肌作りは今を知ることから。肌チェックで肌状態を知ろう!実は私も、冬になって肌の元気のなさを実感している一人……。「NAVISION」の美肌カウンセリングスクエアでは、資生堂の美容皮膚研究から生まれたスキンケアブランドによる肌状態のチェックと、結果に応じて美容皮膚科医に必要なケア方法をアドバイスしてもらえると聞いて、早速試してみました♪肌状態のチェックでは、首に測定機器をあてて肌の水分量や明るさなどを測り、目尻でシワの深さを測ってもらいます。私の肌状態はこのような結果に。うるおいはまずまずのようですが、アトピー体質のせいかバリア機能が著しく低く、また、肌の明るさもかなり低いという結果になりましました。最近、首のアトピーがひどくなり皮膚科に行ったばかりだったので納得の結果です!さらに画像では、シワの深さをリアルに確認することも可能。青色に近づくほどシワが深いと判定します。私は目の下がオレンジ色になっており、これはややシワっぽくなっている証拠。確かに目の下の小ジワに悩んでいます!肌悩みに合わせて、必要なケアをチョイス♪測定後は、結果と自分自身が感じている肌悩みに応じて、この冬を美肌で乗り切るための方法や、具体的にどんなアイテムを使えば良いかというアドバイスをいただきます。小ジワとハリのなさが弱点だという結果が出た私。改善のためにおすすめされたのは、クリームと目元用のパックです。※画像は「ナビジョン レチノシューティカル」(左)、「ナビジョン HAフィルパッチ」(右)左側のクリームには、肌のハリ感アップに期待ができるレチノールが配合されています。右側の目元用パックは、なんと!ヒアルロン酸が針状に固めてあるのだそう。パックすると細かな針からヒアルロン酸がジワ〜ッと浸み出して、ふっくらとした目元に導いてくれるといいます。季節によって異なる肌悩み。いつも元気な肌でいるためには、一年中同じケアをするのではなく季節と悩みに合わせて足したり引いたりすることが大事なんですね。そのためにはまず、自分の肌が今どんな状態かを知ることが重要!冬の肌悩みが気になる人は、ぜひ「NAVISION」の美肌カウンセリングスクエアを訪れてみてくださいね。■「NAVISION」美肌カウンセリングスクエア開催期間:2017年11月21日(火)〜27日(月)場所:表参道ヒルズ1階イベントスペース(表参道Rスタジオ)
2017年11月21日アレルギーになりやすい人というのは、他人とどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、アレルギーが起こるメカニズムや体質の改善方法について見てみましょう。アレルギーにかかりやすい人の特徴アレルギーは、どのような人が発症しやすいのか解説します。アレルギーとは身体には、外部から侵入してきた異物を体外へ排出して、身体を守るための免疫機能というものがあります。正常に反応していると、この免疫機能は身体に害を与えることは少ないとされています。ですが、体質によっては免疫機能が特定の物質に過剰な反応を見せてしまうことがあります。そして、それによってさまざまな弊害を受けてしまうことをアレルギーと呼んでいます。アレルギーのメカニズムアレルギーを引き起こす物質のことをアレルゲンといいます。アレルゲンには、食べ物ほこり、ダニ花粉金属などさまざまなものがあります。このアレルゲンが体内に入り込んだときに、アレルゲンを排除するために抗体を作り出します。この抗体をIgE抗体といいます。IgE抗体は、次に再び体内にアレルゲンが入り込んだときに、IgE抗体が肥満細胞と結合して刺激を与えます。それにより肥満細胞からヒスタミンが産生されて、アレルギーの症状が引き起こされます。代表的なアレルギー代表的なアレルギーについては、主に以下があります。アトピー性皮膚炎強いかゆみを発する皮膚湿疹が起こるアレルギーです。湿疹ができる場所は、年齢や個人によってさまざまです。気管支喘息気道が炎症を起こしてしまい、狭くなって、アレルギーによる刺激によって発作が起こる症状です。呼吸困難や喘鳴(ぜいめい)などが特徴とされています。アレルギー性鼻炎鼻の粘膜においてアレルギー反応が起こり、鼻水やくしゃみ、鼻づまりを引き起こすアレルギーです。日本においては、スギ花粉などに悩まされる人が多いとされています。アレルギーにかかりやすい人アレルギーにかかりやすい人の条件として、主に以下のようなことが考えられます。体内でIgE抗体が作られやすい人アトピー素因を持っている人都会に住んでいる疲労やストレスが多い偏食傾向アレルギー体質とはアレルギー体質というのは、アレルギー症状を発症しやすい人のことをいいます。特に、アレルギーになりやすい人の場合、乳幼児から14歳くらいまでに、アトピー性皮膚炎気管支喘息アレルギー性鼻炎などのアレルギーに次々とかかってしまうとされています。そのため、早期に治療をするために早めに医療機関へを受診することが望ましいでしょう。アレルギー体質は治るの?アレルギー体質は治すことができるのでしょうか。アレルギー体質の完治について見てみましょう。完治することはできないアレルギー症状というのは、体質的なものが関係しているとされています。症状が目立たないほど和らいだり、再び発症したりをくりかえすことが多いようです。体内のIgE抗体がなくなることはないため、完治は非常に難しいといわれています。コントロールはできる近年の医療技術の進歩によって、アレルギーの起こる原因などについては、解明されていることが多くなってきました。そのため、アレルギーに悩まされているほとんどの人は、医師の指導の下で症状をコントロールすることができるとされています。そして、日常生活において差し支えのないレベルを維持することができるため、アレルギーでない人と同レベルの生活をすることも難しくありません。アレルギー体質の改善方法アレルギー体質の改善策については、以下のような方法が考えられます。対症療法アトピー性皮膚炎などに悩まされている場合は、対症療法として外用薬であるステロイド薬やかゆみ止めの内服薬が処方されることが多いです。さらに、気管支喘息やアレルギー性鼻炎の場合、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬なども処方されることが多いです。ただし、あくまでも対症療法ですので、根本的な解決とならないことが多いです。体質改善アレルギー体質が促進されていると考えられる場合、疲労をとるストレスを解消する偏食せずバランスよく食事を摂るなどを意識することで、アレルギー症状が緩和される場合があります。アレルゲンの少ない場所に行くアレルギー反応が起こりやすかったり、花粉症に悩まされたりしている場合は、アレルゲンの少ない場所に移動することで症状が緩和されることがあります。たとえば、都会で喘息に悩んでいた人が、空気がきれいな場所に引っ越すと改善されたというケースもあります。どうしても改善されない場合は、アレルゲンが少ない場所へ行くことも方法のひとつとして考えてもいいでしょう。監修:大利昌久
2017年11月20日食物アレルギーのひとつである卵アレルギーには、アトピー性皮膚炎喘息アレルギー性鼻炎といった症状がみられます。卵アレルギーの原因となっているものは何か、検査方法や治療方法などについて見てみましょう。卵アレルギーとは卵アレルギーは、食物アレルギーのひとつで、卵に含まれているタンパク質に身体の免疫機能が反応してしまうことによって起こると考えられています。卵に対してアレルギー反応があらわれる人は多いといわれており、食物アレルギーの代表格とされています。卵アレルギーの原因アレルギー反応は、免疫が過剰反応してしまうことで起こります。通常は、アレルギーの原因となる抗原が体内に入ったときにIgG抗体を作り、次に抗体が侵入しないように免疫を高めます。しかし、抗原に対してIgG抗体ではなくIgE抗体が作られ、次に抗体が侵入したときにヒスタミンなどの化学伝達物質が出されることによってアレルギー反応みられるといわれています。卵アレルギーの場合の抗体は、オボアルブミンとオボムコイドであると考えられています。人によっては、オボアルブミンに強く反応する場合と、オボムコイドに強く反応する場合とがあるといわれています。卵アレルギーの症状卵のオボアルブミンやオボムコイドによってアレルギー反応があらわれた場合、喘息アレルギー性鼻炎アトピー性皮膚炎などがみられます。症状が出やすいのは消化器が未熟な乳幼児といわれていて、年を重ねて消化器の発達が進むことで症状がなくなっていくこともあります。ただし、症状が改善せず、少量の卵にも過剰に反応してしまい、アナフィラキシーショックを起こす場合もあります。アナフィラキシーショックは、呼吸困難意識が遠のく皮膚症状消化器症状など複数みられるもので、命に関わる重篤な症状なので注意が必要です。場合によっては、医師に対処用の薬を処方されることもあります。卵アレルギーの検査病院では問診を行い、卵を食べた量アレルギー反応が出るまでの時間反応が治まるまでの時間などを答えます。IgE抗体を明確にするために、ブリックテストスクラッチテスト20分間パッチテストなどの皮膚テストを行うこともあります。また、一度卵アレルギーがみられたのに、その後、アレルギー反応がない人1年以上アレルギー反応がなかったという人などは、実際に食べてどう反応するか調べる食物経口負荷試験を行い検査するといわれています。卵アレルギーの治療どのくらいの卵を食べることで、アレルギー反応があらわれるのか正確に判断し、必要最小限除去しながら食事療法を行い、できれば最終的に食べられるようにしていきます。アナフィラキシーショックがある場合は、卵の摂取を完全に控えるようにします。たとえ、完全に卵を除去してしまっても、動物性や植物性のタンパク質を、別の食材から摂取できれば、栄養面には心配ないと考えられているので安心してもよいでしょう。調理でも、卵の使い方には工夫をするとよいでしょう。たとえば、揚げ物の衣やハンバーグのつなぎに卵を使用しないで調理することができます。ただし、加工食品の場合は卵アレルギーに配慮して作られているものばかりではないため、食品表示をよく確認すると安心です。また、卵は加熱処理によりアレルゲンが低下し、反応が出にくくなるといわれています。卵で、アナフィラキシーショックを起こしたことのある人アナフィラキシーショックを起こす可能性が高い人は、食事療法の対象外であり、さらに、アドレナリン自己注射器を処方し、アナフィラキシーショックが起きたときに自分でアドレナリンを注射して症状を和らげていくこともあります。アナフィラキシーショックが心配な方は、医師に相談しましょう。まとめ卵アレルギーを引き起こすといわれている抗体には、オボアルブミンとオボムコイドの2つがあります。加熱によって凝固しやすいものとそうでないもの、どちらに強く反応するかに個人差があることから、食事療法の方法は異なります。栄養価が高いといわれている卵だけに、完全除去となると栄養面の不安を覚える人もいるかもしれませんが、代替えできる食品・食材はさまざまにあるため、医師に相談しながら健康を損なわずに対処していきましょう。監修:大利昌久
2017年11月14日アレルギーの症状に悩んでいる人は多く、年々、患者数は増加しているといわれています。アレルギーとはどのような原因で、どのような症状が起きてしまうのか詳しく見てみましょう。アレルギーとはアレルギーの定義は、免疫反応に基づく生体に対する全身的または局所的な障害と定められています。なんらかの外的な刺激があった際に、身体は免疫反応によって刺激を排除しようとしますが、特定の物質や現象に対してこの反応が過剰に起きてしまうことでアレルギー症状があらわれます。免疫反応を起こす物質や現象は抗原と呼ばれ、アレルギーの原因を意味するアレルゲンと呼ばれる場合も多いです。アレルギー症状には、抗原の反応によって短時間で症状がでる即時型と、遅発、遅延型と呼ばれる種類が存在しています。アトピー性皮膚炎喘息蕁麻疹花粉症鼻炎これらのアレルギー症状は即時型で、生命に危険のあるアナフィラキシーショックも即時型の分類となります。一方、遅延型のアレルギー症状は、発症まで数時間や数日かかる場合もあり、こちらは細胞や細菌を原因とした内臓への症状が中心となります。臓器移植による拒絶反応などもこの一種とされています。アレルギーが起こるメカニズム一般的な即時型のアレルギー症状には、IgEと呼ばれる抗体が大きく関与しています。このIgE抗体が、皮膚腸粘膜気管支粘膜鼻粘膜などに存在しているマスト細胞と結合した状態で抗原と接触すると、細胞からかゆみや炎症の原因となるヒスタミン、ロイコトリエンなどの化学伝達物質が放出されてアレルギー症状を起こすようになります。このため、IgE抗体はアレルギー症状を起こす有力な要因と考えられています。アレルギーの主な原因アレルギー症状を起こす抗原となる可能性があるものには、以下のようなものがあげられます。抗原となるものは人によって大きく異なり、種類も大変多くなりますので、あげられたもの以外でアレルギー症状が起こる可能性もあります。食品食品は、子供に多く見られるアレルゲンですが、大人にもアレルゲンとなるケースがあります。卵乳製品(牛乳など)穀物(小麦、そば)豆類(ピーナッツ、大豆など)特に、これらの食品でアレルギーを起こす人が多く、甲殻類(エビ、カニ)、魚介類(青魚や貝など)、果実類などでアレルギー症状があらわれる場合もあります。ハウスダスト近年患者が増えており注目されているアレルゲンです。ダニダニそのものだけでなく、死骸やフンが生体以上に強力なアレルゲンとなります。湿度の高い環境などで繁殖しやすいといわれています。カビ、細菌湿気などによってほこりの中にカビが繁殖する場合があり、空気中に胞子をまくことでアレルゲンとなります。ほこりや他のハウスダストは細菌が原因となることもあり、ダニのエサとなるほかアレルゲンとなる場合もあります。ペットの毛室内でペットを飼っている家庭も増えていますが、抜けたペットの毛自体がアレルゲンとなる場合もあるほか、ダ二のエサとなり繁殖を助長することもあります。ペットを飼っている場合は特に掃除などを徹底するべきでしょう。花粉などの吸収性物質花粉症は、もっとも身近なアレルギー症状といえるでしょう。鼻炎の症状だけでなく、皮膚のかゆみや湿疹などがある場合もあります。大気汚染などによるアレルギー症状も花粉と同様です。金属などの接触刺激金属と汗が反応して、接触している皮膚に炎症や湿疹を起こす金属アレルギーや、天然ゴムの成分が皮膚に症状を起こすラテックスアレルギーなど、特定の物質に接触することでアレルギー反応が出る場合もあります。化粧品などの化学物質によって接触刺激が起こる場合もあります。薬剤によるアレルギー内服薬や注射などによって体内に入った薬がアレルギーを起こす場合もあり、これは遅発、遅延型の症状があらわれます。症状が重症となりやすいので、服用している薬や過去に服用した薬を把握するようにして症状がある場合は、すみやかに医師や薬剤師に相談することをおすすめします。アレルギーの主な症状アレルギー反応としてあらわれる症状にはさまざまなものがありますが、代表的なものとして、以下のようなものがあげられます。症状は必ずしも単一ではなく、いわゆるアレルギー体質と呼ばれるアレルギー素因の多い人の場合は複数の症状を併発することも少なくありません。アレルギーに対しては、医療機関での適切な治療が第一ですが、自分のアレルゲンをあらかじめ知っておくことでアレルゲンをできるだけ避けることが可能です。症状を完全に抑えることは困難な場合もありますので、なるべくアレルゲンに触れないよう注意するべきでしょう。アレルギー性気管支炎ハウスダストや花粉など吸収性の物質がアレルゲンとなる場合が多く、気管支や気道が炎症を起こして腫れてしまい呼吸がスムーズにできないことで息苦しくなります。せきやたんが出るなど風邪(かぜ)と間違えやすい症状ですが、適切な対処を行わないと気管支喘息などに発展する場合もあります。アレルギー性鼻炎花粉症の代表的な症状ですが、ハウスダストや食物によって起こります。激しいくしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状があらわれ、のどの痛みや頭痛なども併発して日常生活に支障が出る場合も珍しくありません。アレルギー性結膜炎鼻炎と併発するケースも多く、目の表面の結膜にアレルゲンが付着する事で炎症を起こし、激しい目のかゆみ、充血、涙が出る、異物感がある場合などがあります。アトピー性皮膚炎皮膚に湿疹が起こり、強いかゆみを感じるほか、皮膚がカサつくなど、皮膚の保護機能が低下する症状をあらわします。全身どこにでも症状が出る可能性があり、重症化すると腫れやただれ、皮膚の肥厚などが起きることもある深刻な症状です。蕁麻疹境界がはっきりとした、円形に盛りあがる皮疹が発生します。大きさはさまざまで、強いかゆみをともないチクチクとした感触がある場合もあります。アトピー性皮膚炎による炎症湿疹と混同されることも多いですが、蕁麻疹の症状は、出たり消えたりをくりかえすことが多いのが特徴です。監修:大利昌久
2017年11月09日アトピー性皮膚炎はアレルギーと同じだと考えている方もいるのではないでしょうか。本来は、アトピー性皮膚炎はアレルギーと同じものではありません。アレルギー性皮膚炎は、特定の原因物質(アレルゲン物質)に接触すると起こる皮膚炎です。ここでは、アトピーとアレルギーの違いについて見てみましょう。アトピーはアレルギーではないのかアトピー性皮膚炎とは、かゆみをともなう湿疹が身体のさまざまな部分にできることが特徴です。皮膚が乾燥しやすく、皮膚のバリア機能が弱いため、外からの刺激に敏感な状態となっています。皮脂の分泌も少ないため皮膚の水分が蒸発しやすく乾燥してしまうといわれています。一方、アレルギー性皮膚炎は、原因物質といわれるアレルゲンにくりかえし接触することで皮膚に炎症が起こる症状のことを指しています。アトピー性皮膚炎と混同しやすいですが、複合的な要素が絡み合って原因が単純なものではないアトピーと違って、アレルギー性皮膚炎は、アレルギーの原因となっている刺激を排除してしまえば比較的治療しやすいといわれています。症状として現れる湿疹は、アトピー性皮膚炎と似ているために、見た目だけではどちらの症状であるかを判断することは難しいです。アレルギー性皮膚炎とはアレルギー性皮膚炎の原因はさまざまで、しかも人によって原因物質は異なります。毒性のあるものや刺激物が原因物質としてあげられます。多く見られるものには、植物があり、うるし銀杏アロエなどにアレルギー反応があることが知られています。女性は、アクセサリーなどの金属と触れていることが多いため、金属アレルギーを持つ人が多いといわれています。金属アレルギーが重症化すると手のひらや足の裏にも症状が出ることがあり、小銭などの金属にも反応してしまうこともあります。その他にも、化粧品やシャンプーなどの化学成分下着やマフラーなどの繊維湿布や軟膏などの外用薬が原因となることもあります。アレルギーの原因となる物質に接触すると、触れた部分が赤くブツブツとした紅斑(こうはん)になる、皮膚が盛り上る湿疹の丘疹(きゅうしん)が出る、水ぶくれである水疱(すいほう)になります。「かぶれ」と呼ばれる症状です。かゆみや痛みがある場合があります。アトピー性皮膚炎とは強いかゆみや湿疹があることが多く、特に乳幼児に発症しやすい病気です。近年では大人にもアトピーの症状を持つ人が増えています。アトピーの原因はさまざまあり、生まれつきの体質や環境食べ物不規則な生活習慣などが関係していると考えられています。治療法が確立されていないためによくなったかに見えても、再び症状が悪化することがあり、症状のくりかえしが特徴として見られ、悩まされている人が多い病気です。アトピー性皮膚炎の症状額や目や口の周り、体幹などにかゆみのある湿疹がよく見られます。乳児の場合は、最初に湿疹が頭部に現れて、だんだんと下の方へ移っていき、四肢関節に湿疹が出てくるようになります。幼少期では、頸部、関節に多く湿疹が出てくるといわれます。成人の場合は、上半身に頻発することが多くなります。アトピー性皮膚炎の原因と対処法アトピー性皮膚炎の原因には、食べ物よりもハウスダストやダニ、カビなどが原因となることが多いと考えられています。ダニが棲みつきやすいといわれるじゅうたんやカーペットを減らすことが有効です。また、ダニは湿度が55%以上になると繁殖しやすくなるため、湿度を下げるダニのエサとなる食べこぼしの始末定期的に部屋の掃除こまめに布団を乾燥させる部屋の空気を入れ替えるをするようにしましょう。アトピー性皮膚炎のケアは保湿が大切アトピー性皮膚炎の治療の目標は、症状を上手くコントロールしていくということが大切です。そのためには、薬を使用して湿疹やかゆみの症状を抑えましょう。皮膚のバリア機能が弱い状態なので刺激物が症状を悪化させやすくします。日常的にスキンケアをしっかりと行ってください。スキンケアでは、おもに保湿に重点を置いてください。セラミドヒアルロン酸コラーゲンなどの保湿成分が有効でしょう。また、炎症がひどい場合は、軟膏類や乾燥している部分にクリーム類を使用することをおすすめします。紫外線によりアトピーを悪化させやすくなるため、外出の際は日焼け止めなどで対処しましょう。監修:大利昌久
2017年11月06日赤ちゃんが発症するアトピーは、乳児アトピー性皮膚炎と呼ばれています。海外を含めた皮膚科の統計によると、生後6か月の頃までに発症したアトピー性皮膚炎は、2歳を迎えるあたりでいったんは症状が治まるといわれています。しかし、自然治癒するものと病院に行かずに放っておくと、症状が悪化して時には重症化する場合もあります。ここでは、赤ちゃんのアトピーについて対処法を見てみましょう。赤ちゃんのアトピーの原因赤ちゃんがアトピー性皮膚炎を引き起こす主な原因には、以下のようなものが考えられます。母乳に含まれる食物アレルゲンダニ・ハウスダストなどのアレルゲン入浴時の石けんやボディソープなどに含まれる成分皮膚にもともと付着している細菌空腹やおむつ交換などストレスの影響乾燥肌汗による皮膚の炎症有害化学物質(環境基準に定めれたもの)赤ちゃんのアトピーと乳児湿疹の違いとは赤ちゃんの肌トラブルは、乳児湿疹と呼ばれています。乳幼児の肌は、外気などからの有害物質を寄せつけないバリア機能の働きがまだ未熟であると考えられています。このバリア機能が弱いことで、さまざまな肌トラブルを発症します。機能の未熟さが原因だとされています。生後すぐの赤ちゃんの肌は、しっとりとした肌質ですが、徐々に乾燥していきます。おむつかぶれや、あせもなども乳児湿疹に含まれます。そして、そのような症状が長引くことでひどい湿疹になり、アレルギー検査などを行った結果、アトピー性皮膚炎と診断されることがあります。アトピーが現れる時期についてアトピー性皮膚炎は、症状が現れやすい時期があります。赤ちゃんや子供の年齢により皮脂の分泌量が異なり、症状にも違いがみられます。赤ちゃんの時期ですと、生後2〜3か月頃からアトピー性皮膚炎の症状が確認できます。症状があらわれやすい部位頭部や顔など赤ちゃんの手が触れる範囲耳の付根の部分。ただれてしまうと「耳切れ」と呼ばれる症状になる。足首、ひじなど関節部分季節も関係しているアトピー性皮膚炎は、季節が影響するといわれています。日本の夏は、ジメジメと蒸し暑いのが特徴です。そのような環境では、汗っかきな赤ちゃんにとっては、とても不快な状況といえるでしょう。化膿している患部に汗や蚊にさされるなどの刺激を受けることで、ますます分泌量も増えてジクジクとなり症状が悪化しやすくなります。また、冬場では、空気が乾燥することで、肌も乾燥してカサカサの状態になりやすく、症状が悪化しやすいといわれています。赤ちゃんのアトピーの対処法赤ちゃんに必要なケアを見てみましょう。自宅でできるケアが大切アトピー性皮膚炎の症状が見られる場合には、早めに小児科などを受診しましょう。小児科は、トータルで子供のケアを担当しており、必ずしも皮膚科である必要はありません。病院では、まずは血液検査を行い、食物アレルギーなのか、アレルギー性の炎症なのかを判断します。食物アレルギーが原因であれば、食べ物などの食事制限で、アレルゲンを除去することが必要です。肌も清潔にすることが大切です。汗をかいたらこまめに濡れたタオルなどで拭き取ります。赤ちゃん用のベビーソープなどは安全面でも有効だとされています。大人と同じボディソープや石けんでは、香辛料などが含まれていることが多いため控えましょうまた、身体を洗うときには、柔らかいガーゼや手のひらでやさしく洗ってあげることと、石けんが残らないようにしっかり洗い流すことが大切です。監修:大利昌久
2017年09月19日アトピーの治療については、根本的に治療できる方法が確立されていません。症状に合わせて薬物などによる対症療法が有効と考えられています。また、治療だけでなくスキンケアなどを併用することも求められます。ここでは、アトピーの治療について見てみましょう。アトピーの肌の状態とはアトピーの肌は、皮膚のバリアが低下し、皮脂の分泌量も極端に低下し、皮膚が乾燥した状態にあります。皮膚のバリア機能の役割は、表皮の上にある角質層が持っています。通常、皮膚のバリアをつかさどる角質層には、外部からの刺激を軽減し、細菌などの侵入を防ぎ、乾燥を防ぐために必要な水分を逃さないようにする働きがあります。しかし、バリア機能が低下すると、少しの刺激だけで皮膚炎になりやすくなります。その皮膚炎がアトピー性皮膚炎に該当します。アトピー性皮膚炎については『アトピー性皮膚炎とは』 (で解説しています。アトピーになりやすい人の特徴アトピーになりやすい要因は、さまざまにあります。考えられる要因のひとつに、遺伝があげられます。簡単にいえば、家族および親族がアトピーを持っている場合、自分もアトピーになりやすいということです。もうひとつは、病歴です。気管支喘息やアレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちひとつ、もしくは複数にかかったことがある場合、アトピーになりやすいといわれています。これらをアトピー素因といい、持っている人がアトピーになりやすいと考えられています。しかし、アトピー素因を持っていても、アトピーになる人とならない人が存在し、逆にアトピー素因を持っていない人でも、アトピーになるケースがあります。アトピーになる原因アトピーの原因は数多くあり、特定するのは困難です。考えられる原因には、アレルギーや外部からの刺激、そして内部からの刺激が考えられます。アレルギーは、花粉やダニなどのほか、食品によるアレルギーによって皮膚炎が発症することもあります。外部からの刺激については、身の回りのある洗剤や化粧品、洗顔料、シャンプーやボディソープなどがあげられます。内部からの刺激は、主に生活習慣の乱れです。生活習慣の乱れによってストレスがたまり、そのストレスが要因となって、アトピー性皮膚炎を発症する可能性もあります。アトピーの詳しい原因については『アトピー性皮膚炎になる原因』 (で解説しています。アトピーの治療の考え方アトピーの肌を根本的に治す方法は、現時点では存在しないといわれています。考え方としては、症状はない、もしくはあっても軽微で、日常生活に問題がなければ、薬物治療は必要としないといわれています。一方、軽い症状は続いても悪化して慢性化するのは極めてまれだという考えもあります。治療の目的は、症状をコントロールして、日常生活に支障をきたさない状態を維持することです。しかし、重要なのは治療ではなく、日常的なケアを行って予防することにあります。基本的には、上述した原因を避け、刺激を与えず、保湿剤などで肌にうるおいを与えることで、予防に期待が持てるでしょう。そして、重要なことは、清潔な肌を保つことです。清潔を維持するためには入浴が欠かせません。また、肌着や衣服など身に着けるものすべてを清潔に保つように心がけましょう。入浴法については『アトピーの方にオススメの入浴方法』 (で解説しています。アトピーの治療方法治療は、薬物療法、スキンケア、そして悪化因子の検索と対策を中心に行っていきます。主に行われるのは、薬物療法です。薬物療法の目的は、炎症を抑えることにあり、すでにアトピー性皮膚炎を発症している場合は、皮膚科でステロイド外用薬が処方されることがほとんどです。スキンケアについては、上述していますが、主に保湿剤を使用します。アトピー肌は、肌の水分量や皮脂の分泌量が低下し、乾燥しやすい状態にあるため、乾燥を防ぐために保湿剤が有効とされています。治療薬と保湿剤については『アトピー治療に使う内服薬の種類』 (で解説しています。悪化因子の検索と対策についてですが、簡単にいえば、アトピーの原因を突き止めるために検査し、原因をみつけたら、その原因に向けた対策が行われます。しかし、原因は数多くあるため、特定するのは困難であり、原因と考えられることを、ひとつずつ改善していくことを心がけましょう。監修:大利昌久
2017年09月18日アトピーの原因は数多くあると同時に、その原因を特定するのは困難だといわれています。アトピーになりやすい人の特徴や、考えられるアトピーの原因などについて見てみましょう。アトピーになりやすい人の特徴アトピーになりやすい人の多くが、アトピー素因を持っているといわれています。アトピー素因とは、家族や親族がアトピーを持っている、アトピーに関連する病歴を持っている、IgEという抗体が産生しやすいとかなどを意味します。これらをまとめると、遺伝的な要因が考えられます。IgEは、花粉など害を与えない物質を有害物質とみなし、過剰に産生して攻撃し、アトピーを引き起こし、悪化させることがあります。しかし、その人がアトピー素因を持っていても、なる人とならない人がいます。逆にアトピー素因を持っていない場合でもなるケースもあります。アトピー素因を持っている人は、絶対にアトピーになるのではなく、アトピーになりやすい体質と考えてください。IgEについては『プラセンタの効果(6)花粉症』 (で解説しています。アトピーになる原因アトピーの原因は、現在でも明確にわかってはいません。なぜなら、アトピーの原因は数多くあり、その原因を見つけ出すのが困難なためです。考えられる原因をいくつかあげて、改善方法も含めて見てみましょう。皮膚バリアの低下表皮の一番上にある角質層は、皮膚バリアとしての役目を持ち、外部からの刺激を守っています。角質層は角質細胞と細胞間脂質で構成されています。細胞間脂質に、セラミドと呼ばれる主成分が含まれており、そのセラミドが少なくなることで、皮膚バリアの機能が低下し、肌が乾燥します。肌が乾燥すると、外部からの刺激を受けやすい状態になり、少しの刺激でも皮膚炎になることがあります。アトピーの肌は、水分保持能力が低下して、肌が乾燥しやすい状態にあるため、保湿が欠かせません。保湿することによって、肌の水分保持能力を維持し乾燥を防ぐことで、皮膚炎の予防につながります。保湿は、継続的に行うようにしましょう。アレルギー花粉やハウスダスト、その他にダニやカビなどが要因となって、アトピーになることがあります。花粉を防ぐ方法のひとつに、マスクをするなどがあげられます。マスクをすることによって、花粉以外にも、空気中に待っているとされるハウスダストやダニ、カビなどの侵入を防ぐことにつながります。また、マラセチア菌という肌の常在菌のひとつが原因としてあげられます。マラセチア菌は、皮脂をエサに繁殖することでかゆみなどを発生させ、頭皮にできた場合は皮膚炎も発生させます。食べ物によるアレルギーも含まれますが、ハウスダストと比べると、食べ物で発生したというケースは少ないとされています。アレルギーについては『アトピー性皮膚炎になる原因』 (で解説しています。生活習慣の乱れ不規則な生活や偏った食事などが続くことによって、アトピーが発症すると考えられます。生活の乱れを改善し、栄養バランスのとれた食事をしっかり摂るようにしましょう。アトピーが悪化する原因アトピーをさらに悪化させる原因があります。考えられる原因をいくつか見てみましょう。化粧品普段使っている化粧品が刺激物となり、アトピー性皮膚炎などを引き起こす要因になることがあります。症状が現れたときは化粧を控えるほうがよいでしょう。アトピー肌の化粧品選びについて『アトピー肌の化粧品選び(10)ファンデーション』 (で解説しています。入浴身体が不潔であるとアトピーを悪化させる要因になるため、入浴で清潔にすることが求められます。しかし、入浴する際にも注意することがあります。具体的には、シャンプーやボディソープ、さらに洗顔料などがあげられます。これらが刺激となってアトピーを悪化させる要因になる可能性があるため、できるだけ低刺激のものを使用しましょう。そして、入浴後は肌が乾燥しやすい状態にあるため、やわらかいバスタオルで身体の水分を拭き取り、ていねいに保湿するようにしましょう。理想的な入浴方法については『アトピーの方にオススメの入浴方法』 (で解説しています。保湿剤については『アトピー肌の保湿ケアのために知りたい3種の保湿成分』 (で解説しています。その他アトピーを悪化させる要因は数多くあります。アトピー予防に求められることは生活環境です。よい生活環境とは、規則正しい生活、家の中を常に掃除して清潔に保つ、栄養バランスのとれた食事などがあげられます。また、ストレスをためこまないことも重要です。監修:大利昌久
2017年09月17日老若男女問わず、アトピーを持っている人は数多く、アトピーに悩まされている人も数多くいると考えられます。アトピーとは、どのような疾患なのかを知り、原因を突き止めて改善していくことが大切です。ここでは、アトピーになりやすい人の特徴や原因、治療などについて見てみましょう。アトピーとはアトピーの特徴は、肌の水分保持能力が低く、肌が乾燥しやすいことがあげられます。簡単にいえば、その人が持つ肌のバリア機能が低下した状態にあるということです。肌のバリア機能が低下すると、外部からの刺激を受けやすく、細菌などによって感染しやすい状態といえます。肌の構造は、上から順に、表皮、真皮、皮膚組織の3層に分かれ、外部などからの刺激を守る役目を持っているのは、表皮の一番上にある角質層になります。角質層とは、レンガで例えるなら、角質細胞がレンガで、レンガとレンガを接着させるものが細胞間脂質になり、細胞間脂質の主成分である「セラミド」によって、肌のバリア機能を維持しています。そのセラミドが不足することによって、肌のバリア機能が低下し、その結果、アトピー性皮膚炎になりやすい状態になると考えられます。セラミドについては『セラミドの皮膚内での役割』 (で解説しています。アトピーになりやすい人の特徴アトピーになりやすい人の特徴は、その人がアトピー素因を持っているかということにあります。具体的には、家族や親族にアトピーを持っている人がいることや、既往歴がある、IgE抗体が産生しやすいなどがあげられます。家族など親族にアトピーを持っている場合、遺伝的な要因によってアトピー性皮膚炎が発症することがあると考えられます。アトピーの既往歴とは主に、気管支喘息、アレルギー性鼻炎や結膜炎、アトピー性皮膚炎のいずれかが、すでに発症したことがある、または複数の疾患を発症したことがあることを意味します。IgE抗体とは、身体の中で作られる抗体の一つで、その抗体が活発に働き、産生することにより、アトピーを悪化させる要因になります。また、アトピー素因を持っている人でも、アトピー性皮膚炎になる人もいれば、ならない人がいます。逆にアトピー素因を持っていない人でもアトピー性皮膚炎になることもあります。現時点で、なぜアトピー性皮膚炎が起きるのかについて、明確に判明していないといわれています。IgEについては『アトピー反応が起きるメカニズム』 (で解説しています。アトピーの原因アトピーの原因はさまざまですが、実は「まだわかっていない」という程度にとどまっています。考えられる原因の多くが、ダニや花粉などのアレルギーとされていますが、アレルギーとなる原因物質が多くあり、環境も含め、上述した遺伝的な要因のことも考えると、なにが原因でアトピーになっているのかを突き止めることが難しいと考えられるからです。その原因の中に、生活習慣の乱れなども含まれています。日常生活でみると、たとえば、食器を洗うときに洗剤や、入浴のときにシャンプーやボディソープ、女性であれば化粧品などが刺激物となって、アトピーを悪化させる要因につながることも考えられます。原因については『こんなにあった!アトピーが悪化する原因』 (で解説しています。アトピーの症状乾燥によるかゆみが主な症状でもあります。かゆみにともなって赤く腫れ、ブツブツしたように皮膚が盛り上がり、カサブタなどができることがあります。乳児は顔や頬(ほお)を中心に症状が現れますが、成長して小児期になると、症状は首の裏やひざ・ひじなどの関節部分にも現れ、成人になると、同様の症状を持ちます。また、乳児などで悩まされたアトピーが消えたと思ったら、成人になってアトピーになったというケースもあります。大人のアトピーについては『大人のアトピー性皮膚炎の原因と対策・ケア方法』 (で解説しています。アトピーの治療現時点で根本的な治療法は存在しないといわれており、治療は症状を抑える対症療法が主体となります。主な治療は、ステロイド外用薬を使った薬物療法となります。炎症を抑えて症状を緩和させることを目的にし、原因の一つとされる皮膚の乾燥は、乾燥した皮膚にうるおいを与えるために保湿剤を使用し、乾燥を防ぐようにします。治療だけでなく、日常的なケアも重要となってきます。治療の継続は大切ですが、日常的なケアも併用して行うことで、予防にも効果は期待できるとされています。考えられる原因を一つひとつ改善していくことが大切です。治療については『アトピー治療に使う内服薬の種類』 (で解説しています。監修:大利昌久
2017年09月16日皮膚の表面が刺激を受けると、「湿疹」とよばれるできものが現れます。形状は、赤い斑点状であったり、ポツポツしたものだったりとさまざまです。原因として、金属や食物アレルギー、免疫機能の低下、ストレスなどがあげられますが、ここでは、ストレスが原因となっている湿疹に注目して見てみましょう。湿疹とストレスの関係皮膚の表面にさまざまな刺激が加わると湿疹ができるとされます。花粉や金属に対するアレルギーがある人の場合、そうしたものに触れるとアレルギー反応として湿疹が現れますが、汗や衣服と皮膚の摩擦も湿疹を引き起こす刺激になることがあります。特に、アレルギー体質でもないのに急に湿疹が現れた場合、皮膚が本来持っているバリア機能が低下している可能性があります。ストレスがその原因となっていることがあるため注意が必要です。強い不安や緊張といったストレスが脳に伝わると、脳はストレスを和らげようとして「ストレスホルモン」を分泌するよう指令を出すと考えられています。ストレスホルモンの一種であるコルチゾールは、血糖値を上昇させ、脳の働きをよくする働きがあるといわれています。しかし、つねにストレスがかかっている状態が続くと、ストレスホルモンが過剰に分泌されます。実は、コルチゾールには、免疫力を低下する働きもあり、分泌量が増えると身体にとってマイナスとなってしまうのです。コルチゾールが作られるときにはビタミンCが使われます。皮膚をつくる組織のコラーゲンには、ビタミンCが欠かせないため、コルチゾールの過剰な分泌はコラーゲンの生成にも影響を与えるとされます。さらに、コルチゾールは男性ホルモンの分泌を促して皮脂を出やすくしたり、成長ホルモンの分泌を抑制して、皮膚をはじめとする身体のさまざまな組織の再生を阻害したりします。つまり、コルチゾールが過剰に分泌されると皮膚の状態が悪化する可能性があるのです。本来は、血糖値を上げ、脳の働きを活性化させる働きを担うコルチゾールですが、大きなストレスが原因となり、皮膚のコンディションを乱す方向に働いてしまうことがあります。弱っている皮膚に刺激が加わることで、湿疹が現れます。また、ストレスによるホルモンバランスの乱れにより、過剰に分泌されるホルモンとしてヒスタミンがあげられます。このホルモンも皮膚に大きく影響を及ぼします。皮膚が刺激を受けると、肥満細胞からヒスタミンが分泌されて知覚神経に働きかけ、「かゆみ」というかたちで皮膚の刺激が脳に伝えられます。一方、知覚神経の末端からは神経ペプチドという神経伝達物質が放出され、神経ペプチドが肥満細胞を刺激します。肥満細胞は、ヒスタミンをさらに分泌してかゆさを増幅させ、「かゆさを感じてかきむしると、さらにかゆくなる」という悪循環に陥ってしまいます。アトピー性皮膚炎とストレスの関係と症状化粧品や衣類、金属など皮膚に接触したものが原因で現れる接触性湿疹、皮脂の分泌が進み皮膚を刺激することで起きる脂漏性湿疹、首やひじ、ひざなどにでき、かゆみをともなうアトピー性皮膚炎など、湿疹にはいくつかタイプがあります。なかでも、アトピー性皮膚炎は原因のひとつにストレスがあげられます。ここでは、アトピー性皮膚炎とストレスについて解説します。アトピー性皮膚炎は、顔や首、手足の関節などにかゆみをともなった赤い湿疹が現れる皮膚疾患です。湿疹ができると、かゆさから引っ掻き、また湿疹ができるということをくりかえして、慢性化すると皮膚が硬くなってしまいます。原因がアレルギーである場合と、そうでない場合があり、非アレルギーの原因にストレスも含まれます。ストレスは、皮膚のコンディションを悪化させて刺激への反応を敏感にするとされています。薬によって皮膚の機能を回復させる治療と並行し、ストレスを溜めない生活を送る工夫をすることも大切です。湿疹に強い皮膚を作るためのストレス解消法心身ともに健康でいるために、ストレスを溜めないことはとても重要なことです。また、皮膚のコンディションを整えるうえでも、ストレスの解消は有効と考えられています。気分や体調に合わせて取り組めるストレス発散法をいくつか持っておくといいでしょう。ストレスを解消したいと思ったときに参考になる解消法をご紹介します。運動ウォーキングなどの有酸素運動がおすすめです。軽く汗をかく程度の運動を習慣づけましょう。人との交流友人や家族と食事をしたり、お酒を飲んだりして、楽しい時間を持つのもよいでしょう。話をすることでストレス発散の効果が期待できるでしょう。休息ぐっすり眠り、休養を取って疲れをとるほか、ヨガをしたり自然の中でリラックスしたりするのもよいでしょう。気持ちの切り替え今の環境から離れることで、気持ちを切り替えることも大切です。旅行はもちろん、部屋の模様替えをすることも気分を一新することにつながるでしょう。娯楽テレビや映画、カラオケに行くなど、自分自身が楽しいと思えることを、思う存分に満喫するのもおすすめです。創作楽器を演奏する、絵を描くなど創造的な作業に没頭することもストレス解消につながるでしょう。監修:田中奏多
2017年09月15日アトピー性皮膚炎は、多くの場合、子供のころに発症しますが、身体の成長にともない思春期を迎えるころには治るといわれています。しかし、症状が慢性化すると大人になっても改善されず、再発することがあります。ここでは、大人のアトピーの特徴について見てみましょう。大人のアトピーの原因大人のアトピーの原因は、以下のことが原因と考えられます。アレルギーの原因物質石けんや化粧品細菌などの刺激物に触れたこと汗をかいた状態でそのまま過ごす炎症部分をかきむしるまた、アトピーの原因は一つではなく、免疫反応に過剰に反応するアトピー要素をもつ体質や、皮膚のバリア機能の低下など、いくつかの原因が重なり合って発症すると考えられています。その他、大人のアトピーは、ストレスや生活習慣が関係していることも特徴です。不規則な生活や偏った食生活を続けると、皮膚の新陳代謝が正しく行えず、外部の刺激から身体を保護するバリア機能が低下してしまいます。さらに、不安、緊張、不満などの精神的ストレスは、免疫力を低下させるため、アトピーの悪化を招く原因にもなります。特に、ストレスはホルモンバランスを崩してヒスタミンという物質を増やし、知覚神経に働きかけて神経ペプチドなどの神経伝達物質を放出することで、皮膚の炎症が強くなると考えられています。大人のアトピーの症状アトピーの代表的な症状は、身体の左右対称に皮膚炎が現れますが、発症する年齢によって症状に違いがあります。消化器管の発達が未熟な乳児期は、かゆみをともなう赤い湿疹や、ブツブツと皮膚が盛り上がる丘疹(きゅうしん)、ジクジクした湿疹などの症状が現れます。幼児期以降になると、皮膚は乾燥してゴワゴワした状態に変化して、かゆみが増してきます。大人のアトピーでは、肌の乾燥やゴワゴワが進行して、皮膚が厚くなりやすいことが特徴です。大人のアトピーは、上半身に現れることが多く、顔にできた赤い発疹がなかなか引かず、小さなブツブツと皮膚のただれが混在したり、首の皮膚炎が慢性化した場合は、色素沈着を起こすこともあります。さらに、大人のアトピーは免疫力の低下から、単純ヘルペス感染を引き起こすこともあるため合併症に注意が必要です。大人のアトピーの治療アトピーを発症したときは、皮膚炎を引き起こすものや症状を悪化させる原因を取り除く治療が行われます。皮膚のバリア機能を高めるスキンケアでも症状が改善しない場合は、皮膚科での薬物療法が必要になります。アトピーの薬物療法では、ステロイド外用薬と抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の内服薬が基本とされますが、タクロリムス外用薬を使用することもあります。ステロイド外用薬は、効き目の強さで5段階に分かれており、軟膏、ローション、テープなど薬の種類もさまざまです。ステロイド外用薬を選ぶときは、症状の程度、身体の部位、年齢などに考慮して選択し、症状が改善してくると薬の変更が検討されます。タクロリムス外用薬は、過剰に起こる免疫反応を抑える働きがあるとされ、ステロイド外用薬で症状が改善しない場合や、ステロイドの副作用が心配されるときに選択されることがあります。また、内服薬で使用される抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬には、炎症を抑えてかゆみを止める効果が期待できますが、内服薬だけでアトピーの改善は難しく、補助的に外用薬と組み合わせて使用されることが多いようです。大人のアトピーの再発について大人のアトピーは、子供のころに発症し、成長するにつれて治っていたものが再発するケースが多く、再発後は治りにくいことが特徴です。大人になってアトピーを発症した場合は、薬物療法として主にステロイド外用薬を使用し皮膚の炎症を抑え、症状が改善してくると保湿剤に切り替える治療が行われます。そして、アトピーが再発した場合は、再びステロイド外用薬を使った治療を行うことになり、根本的な改善は難しく、ステロイド剤の副作用を引き起こす可能性もあります。大人のアトピーの改善策大人のアトピーを改善するためには、以下の3つが基本となります。皮膚の炎症を引き起こす原因物質を知り遠ざける皮膚のバリア機能を高めるためのスキンケア専門医による適切な薬物療法これらの治療法は、どれも重要な要素であり、症状に合わせて対処することが再発の予防につながるといわれます。大人のアトピーを改善するためには、医師や家族と連携をとりながら、生活習慣の見直しも含めた治療が大切です。アトピーの改善をめざす食生活アトピーの改善には、皮膚を健康な状態に保ち免疫作用を整えるための食事がポイントです。皮膚のバリア機能を高めるためには、タンパク質ビタミンミネラルなどを中心に、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。反対に、香辛料などの刺激物砂糖や脂肪の多い食品アルコールなどは控えましょう。これらの食品を食べ過ぎると、かゆみが増してアトピーの症状を悪化させる可能性があります。また、免疫作用が正常に働くためには、乳製品や食物繊維が含まれる食品を積極的に摂り、便秘を予防して腸内環境を整えるようにしましょう。監修:小谷和弘
2017年09月14日さまざまな要因によって引き起こされるアトピー性皮膚炎ですが、完治にむけた治療方法や改善策について見てみましょう。アトピーになりやすい人の特徴アトピー性皮膚炎になりやすい人は、アトピー素因を持っていることがあります。アトピー素因とは、家族や本人にアレルギー性鼻炎や気管支喘息、結膜炎、アトピー性皮膚炎のいずれか、または複数の既往歴があること、あるいは、IgE抗体と呼ばれる免疫にかかわるタンパク質を生成しやすい要因などがあげられます。アトピー性皮膚炎の原因は、アレルギー的な素因に加え、皮膚のバリア機能が低下することにより生じるといわれています。アトピーは完治できるか否かアトピー性皮膚炎は、完治することができます。特に、幼小児期までに治しておくことが重要といわれています。皮膚の症状を適切にケアすることでバリア機能の低下を防ぎ、結果としてアトピー性皮膚炎の症状は治っていきます。しかし、ある年齢(おおむね6歳)までスキンケアを怠ると、バリア機能が低下しているため、さまざまなアレルゲンが皮膚を通して侵入し、アレルギーが発症しやすくなります。その結果、だんだん治りにくい状態になっていくと考えられています。以前は、アレルギーがあるからアトピーになると考えられていましたが、現在では、アトピーを放置すると食物アレルギーを獲得しやすくなると考えられています。アトピーの治療法アトピー性皮膚炎の治療方法は、症状によって薬物療法や、皮膚炎の症状から生じた異変に対してのスキンケア、悪化因子の特定や対策などが基本ですが、人それぞれの症状や程度などを考慮して適切に組み合わせた治療が行われます。遺伝的な素因を含むアトピー性皮膚炎は、さまざまな原因によって現れる疾患であり、現時点において疾患そのものを完治させる治療法は確立されていません。しかし、疾患が発症した部位では、皮膚の炎症によってさらなる皮膚バリア機能が低下することや、刺激に敏感になること、掻くことの刺激によって起こる湿疹の悪化などの悪循環が生じます。それを制御するためにも、薬物療法で炎症を抑えることは、アトピー性皮膚炎に対する悪化因子を減少させることになるといわれています。薬物療法アトピー性皮膚炎の薬物療法としては、以下のような外用薬や内服薬の処方が考えられます。抗炎症外用薬現時点においては、アトピー性皮膚炎の症状である炎症を十分に鎮めるために処方される薬剤で、科学的にも安全性や有効性が検討されている薬剤としてステロイド外用薬やタクロリムス軟膏が考えられます。ステロイド外用薬アトピー性皮膚炎の主な処方薬としてステロイド外用薬がありますが、アトピー性皮膚炎の炎症に対して、十分に鎮静作用が認められる薬剤だといえます。ステロイド外用薬には、作用の強い順にストロンゲスト、ベリーストロング、ストロング、ミディアム、ウィークに分類され、炎症や皮疹の重症度に適したランクの薬剤を正しく選択し、適切な量を必要な期間で外用することが重要とされています。ステロイド外用薬には、クリームや軟膏、ローション、テープ剤などさまざまな形があり、部位や症状によって選択が可能です。ステロイド剤に関して副作用を心配される方も多いようですが、適切に外用すれば全身的な副作用は少なく、安全性が認められています。また、局部的な副作用においては、毛細血管の拡張や皮膚萎縮、多毛、ステロイド潮紅、ステロイドざ瘡、皮膚萎縮線条(ひふいしゅくせんじょう)、真菌・細菌・ウイルス性皮膚感染症の悪化などが現れることもあります。しかし、皮膚萎縮線条を除いてほとんどの場合はステロイドの外用を中止することや適切な処置をすることで軽快するとされています。タクロリムス軟膏タクロリムスは、副作用の心配などからステロイド外用薬での治療が困難なアトピー性皮膚炎の症状に対しての有効性が期待できます。しかし、使用上、ステロイド外用薬にはない制約や、粘膜やただれた皮膚などには使用できず、効果にも限界があるなどのデメリットがあるとされています。また、ウイルス感染症や細菌による皮膚二次感染などが考えられるなど、安全性が確保できていない理由から、妊婦や授乳中の女性、2歳未満の小児は使用しないようにしましょう。プロアクティブ療法再燃をくりかえすアトピー性皮膚炎に対して、症状の発現が急激に生じる時期を外用薬などによって落ち着かせた後に、保湿外用薬などによるスキンケアを続けながら、ステロイドやタクロリムス外用薬を週に2回程度定期的に使用します。このようにすることで、症状が落ち着いた状態を維持する治療法とされています。内服薬かゆみに対して、外用薬との併用が考えられます。抗ヒスタミン剤かゆみで皮膚をかいてしまうことから皮膚炎が悪化したり、感染症を引き起こしたり、眼合併症などを誘発する危険性があるため、外用薬の補助的な療法として抗ヒスタミン剤を服用しかゆみを緩和させることがあります。シクロスポリン欧米の多くの国において、アトピー性皮膚炎に対しての有効性が認められているシクロスポリンですが、日本では強い炎症をともなう重症の成人アトピー性皮膚炎の患者に対してのみ使用が承認されています。顔面の紅皮症や顔面の難治性紅斑などに有効で、かゆみも軽快するとされています。しかし、長期使用での安全性は認められていないため、症状が軽減した後には外用薬での治療のみに切り替えることが大切だと考えられています。漢方薬皮膚科で処方が可能な漢方薬の内服薬として、消風散(しょうふうさん)や補中益気湯(ほちゅうえっきとう)があります。ステロイド外用薬の使用で軽快が見られない場合や、疲れやすかったり、根気が続かなかったりなどの漢方でいう気虚が見られる場合に、ステロイド外用薬と併用して処方されることがあります。アトピーの改善策アトピー性皮膚炎は、かゆみが激しく掻くことで悪化する疾患とされているため、かゆみを誘発する因子を排除することが大切です。皮膚の汚れや発汗、乾燥、掻き壊しなどで発症や悪化がみられるため、皮膚を清潔に保ち、保湿や保護をすることが改善に繋がると考えられます。皮膚を清潔に保つアトピー性皮膚炎の予防・改善には、汗や汚れなどをシャワーや入浴、濡れたタオルで拭くなどによってすみやかに排除し、皮膚を清潔に保つことが大切です。皮膚の保護や保湿アトピー性皮膚炎の改善には、ドライスキンを解消するための保湿や、掻き壊さないように保護することが大切です。入浴やシャワーの後に、症状にあわせた外用薬の塗布や皮膚を掻かない工夫が必要とされています。監修:米田明弘
2017年09月13日さまざまな原因によるアレルギー反応によって、皮膚に炎症が引き起こされるアレルギー性皮膚炎は、原因物質の特定が難しく、免疫や遺伝が関係することや治療にステロイドを使用することがあるなど、上手くつきあうことが必要な疾患です。ここでは、アレルギー性皮膚炎について詳しく見てみましょう。アレルギー性皮膚炎とは一般に、アレルギー性皮膚炎とは、アレルギー性の炎症によって生じる湿疹皮膚炎と考えられ、代表的な疾患として接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などが知られています。アレルギー性皮膚炎の原因ウイルスや細菌など、身体にとって刺激や危険となる異物が体内に侵入した場合に、異物を攻撃する仕組みを免疫反応と呼びます。この免疫反応が、普段は身体にとって無害な物質や、微量の異物に過剰反応を起こし、反対に自分の身体を攻撃してしまう病態のことをアレルギーといいます。本来は、異物とはならない自身の身体の成分や構成細胞などに対して、自己免疫疾患と呼ばれるアレルギー反応を起こすこともあります。アレルギー性皮膚炎の場合には、以下のような物質などが刺激の原因と考えられます。本来は害にならないと考えられる物質化粧品や洗剤、薬品など環境に関する物質植物やハウスダスト、ペットなど長時間肌に触れる物質衣類や金属(ネックレスや指輪)などまた、アレルギー性皮膚炎の中でもアトピー性皮膚炎においては、自身や家族にアレルギーが起きやすい体質を持っていることを「アトピー素因を持っている(ある)」といいます。アレルギー反応は、アレルギーを引き起こす抗原やアレルゲンと呼ばれる異物や物質と、それに対応するヒトの細胞や免疫防御成分などの反応様式により4タイプの型に分類され、アレルギー性皮膚炎に関係する型としては、I型(即時型)やIV型(遅延型)が考えられます。I型(即時型)免疫にかかわるタンパク質のIgEや、免疫反応や炎症などの生体防御機構にとって重要な役割を担う肥満細胞が関係することで、15〜30分ほどで発症すると考えられ、重症型においてはアナフィラキシーショックになることがあります。代表的な疾患として、蕁麻疹や花粉症、喘息、そば・ナッツ・蜂毒アレルギーなどがあります。IV型(遅延型)48時間が反応のピークといわれ、抗原から刺激を受けて分化され、その抗原に対して反応を生じる感作Tリンパ球が主体となるアレルギー反応と考えられます。ツベルクリン反応もこの反応に基づいており、代表的な疾患として、接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、薬疹などがあります。アレルギー性皮膚炎の症状皮膚にアレルギー性の炎症が起こり、かゆみをともなった紅斑や丘疹、湿潤などが混在すると考えられます。接触性皮膚炎の症状には、原因となる刺激物が接触した部分としなかった部分で、はっきりとした境界が見えるという特徴があります。また、アトピー性皮膚炎の特徴には、皮膚の炎症が左右対称に現れることや、患者の年齢により発症する部位が変わることがあげられます。特に、成人の場合には、顔や首、背中など手が届きやすく、くりかえし掻いてしまう部位に症状が重い皮膚炎が現れやすい傾向があるようです。アレルギー性皮膚炎の治療アレルギー性皮膚炎の治療において、抗原やアレルゲンなど発症原因を特定し、排除や除去に努めることがもっとも大切だといわれます。湿疹が生じた場合は、時間をさかのぼって、原因となる物質を突き止めることに努めましょう。アレルギー性皮膚炎の場合は、いつ、どこに、どのようなときに湿疹が生じたかをその都度メモしておくことで、原因を特定しやすくなると考えられます。しかし、原因を特定できないことも多く、原因が判明したとしても完全に日常生活から取り除くことが難しいケースも多くあります。そのような理由から、アレルギー性皮膚炎の症状を軽減させるために、対症療法が主体になる場合があります。代表的な対症療法には、ステロイド外用薬を塗布する治療法や、内服薬として抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を使用する方法などがあげられます。また、生活習慣の改善や正しいスキンケアによっても、症状を改善できることが多いとされています。患部を掻き壊すことによって炎症がより悪化し、さらなるかゆみが生じることも考えられます。掻くことによる刺激を与えないようにすることが大切です。アレルギー性皮膚炎の予防アレルギー性皮膚炎を予防するには、原因物質を排除したり、避けたりすることが大切です。どうしても接触しなければならない場合には、手袋をはめるなど肌を守る工夫が必要でしょう。また、皮膚の免疫力をあげることも重要です。バランスのよい食事や規則正しい生活習慣を心がけましょう。乾燥や紫外線も肌の大敵だと考えられるため、保湿をしたり日焼け止めを塗ったり、長袖を着用するなどの対策も有効です。監修:小谷和弘
2017年05月01日酒さ様皮膚炎(しゅさようひふえん)とは、顔面に赤みやほてりが現れて赤ら顔になるアトピー性皮膚炎に似た症状を持つ皮膚疾患だといわれ、主にステロイド外用薬を長期間使用することによって発症すると考えられています。また、病名に「酒」の文字が入っていることから、飲酒が原因の病気と間違えられやすいのですが、アルコールが原因で発病する疾患ではありません。酒さ様皮膚炎について詳しく見てみましょう。酒さ様皮膚炎とは酒さ様皮膚炎とは、主にステロイド外用薬を顔面へ使用することによって発症する副作用(医原性)からなる顔面紅斑で、時にタクロリムス外用薬でも生じると考えられます。顔面の表皮が薄くなることや毛細血管の拡張、自覚症状をともなわない丘疹、膿疱が生じることが多いといわれます。ステロイドを外用した場合のすべてに発症するわけではなく、発病する素因を持つ患者に現れるものとされています。アトピー性皮膚炎の症状と似ており、30〜50歳くらいの女性に特に多く見られる疾患といわれます。病名に酒という文字がありますが、アルコールなどが原因の疾患ではありません。酒さ様皮膚炎の原因酒さ様皮膚炎は、ステロイド外用薬を長期で顔面に外用することが原因で発症すると考えられます。ステロイド外用薬を顔面に使用した患者全てに発症するのではなく、思春期から成人期の長期に渡って顔面にステロイド外用を行っている患者や、ステロイド外用薬を中止後、かゆみをともなわないびまん性である浮腫性紅斑などの急激なリバウンド現象として現れる場合が多くあります。その他にも、体質やこするために起きる刺激、紫外線、皮膚の常在微生物などの影響が考えられます。酒さ様皮膚炎の症状顔面に長期にわたってステロイド外用薬を連用した部分に、原因不明の紅斑や丘疹、膿疱、毛細血管拡張などが生じ、ほてりや赤み、熱感をともなうといわれます。かゆみは軽く、血管が細かい糸状に見えて症状が進むとブツブツとしたニキビ様の膿疱が現れることもあります。ステロイドを中止することで、一過性の症状が増悪した後に治るケースが多いとされています。酒さ様皮膚炎の治療酒さ様皮膚炎の治療には、数か月程度の治療期間が必要といわれます。治療開始の前には、他の疾患と区別するために皮膚をわずかに切り、病理検査をすることもあります。検査結果によって、酒さ様皮膚炎だと判明した場合には、基本的にステロイド外用薬の外用を中止します。しかし、ステロイド外用薬などを中止することによって、リバウンド症状である顔全体の熱感や皮疹の悪化、腫脹などが3週間から3か月程度現れ、忍耐が必要になります。リバウンドで悪化が認められたときには、入院治療が効果的だとも考えられています。アトピー性皮膚炎を合併する場合には、ステロイド外用薬を中止することで離脱症状だけではなく湿疹の悪化が見られることもあるため、慎重に離脱治療を行うことが必要です。酒さ様皮膚炎の治療において、ステロイド外用薬の外用の中止とともに、以下のような薬物治療やレーザー治療、または光治療が考えられます。薬物治療薬物での治療として、塩酸ミノサイクリン(薬剤名)やロキシスロマイシン(薬剤名)などの内服薬や、アゼライン酸外用やメトロニダゾール外用などを併用することが考えられます。その他にも、ナジフロキサシンやクリンダマイシンなどの外用薬が処方されることもあります。酒さ様皮膚炎の発症中は、皮膚のつっぱりなどの症状が見られることもあり、白色ワセリンなどが外用として処方される場合もあります。また、ほてりが強く出る場合には冷却することで症状が緩和されるといわれます。レーザー治療、光治療顔面の皮膚に細かい血管が現れる症状は薬での治癒が困難だといわれます。その場合の治療法として、pulsed dye laserやintense pulsed lightなどの治療が効果的と考えられます。酒さ様皮膚炎の予防酒さ様皮膚炎の予防には、顔を刺激しないことが重要です。石けんの使用は医師の判断に従い、洗顔時にはやさしく洗ってそっと拭き、刺激を抑えた方法を心がけましょう。また、長時間入浴することや暖房の効いた暖かい部屋に長時間いると赤みが増すため避けましょう。飲酒やたばこ、刺激物を食べることで血管が拡張し、顔の赤みがさらに強くなることが考えられるため控えましょう。紫外線は有害だといわれるため、普段から日焼け止めの使用を心がけましょう。もしも、ステロイド外用薬の使用中に少しでも異変を感じた場合には、すみやかに医療機関へ受診することが重要です。放っておくことで症状が悪化することもあるため注意しましょう。監修:小谷和弘
2017年05月01日さまざまな原因で発症するアトピー性皮膚炎は、漢方で治療する方法も選択肢として有効と考えられます。アトピー性皮膚炎の漢方治療について、詳しく説明します。アトピーに対する漢方の考え方漢方と西洋医学はどちらも原因療法ではありますが、アトピー性皮膚炎に対する西洋医学の考え方は、原因や皮膚のみに目標を絞って局部的な治療に力点をおいているとされています。それに対して、漢方では局部的に皮膚のみの治療よりも体全体の活力を増強させ、健康体として調和をとるという考え方を主眼におくといわれます。アトピー性皮膚炎において重要な漢方の要素皮膚は内臓を映す鏡ともいわれていますが、アトピー性皮膚炎において重要とされる内臓は、漢方理論の五行学説では「脾(ひ)」や「肺」、「腎」にあたると考えられています。肺漢方では肺が皮膚をつかさどるとされています。そのため、アトピーを考えるときに、まずは肺について考えるといわれています。皮膚は呼吸をしており、漢方において呼吸機能を担っている肺の系統に含まれるとされています。肺の機能としては、粛降(しゅくこう)や宣発(せんぱつ)と呼ばれる全身に清らかなものを巡らせ、排泄物や老廃物を体の外に排出する働きがあると考えられています。このことから、漢方では排泄物を体外に排出する臓器の大腸も肺に属すといわれます。また、肺は空気などに体外から触れる臓器とされています。そのため、花粉やウイルスなどの異物から体を防御する場所と考えられていますが、この体を守る(バリア)機能がうまく働かないと風邪(かぜ)をひく場合や花粉症などのアレルギー疾患が生じることがあります。また、大腸の機能が低下すると、排泄物の排出がうまく行われないために、咳や肌荒れなどの症状が現れやすくなるといわれます。脾脾は、食事などで摂取した飲食物の消化や吸収により、血や気の元となる栄養分を得る胃腸の活動を行う場所と考えられています。脾は肺を養う場所でもあり、脾の機能が低下することで肺の働きが衰えることがあります。また、ストレスや暴飲暴食などによって、消化吸収が正常に行われなくなると便秘や下痢が引き起こされる可能性があります。腎腎は漢方において、水分の調節をはじめ骨や骨髄、ホルモン分泌などをつかさどっています。腎の働きが低下することで水分のバランスが損なわれて体が乾燥したり、反対にむくみが生じたりします。また、腎の機能が衰えることで脊髄において白血球などに代表される免疫細胞の生成に異常が起き、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の慢性化やそれ以外のアレルギー疾患が生じることがあります。漢方でみるアトピーの原因アトピーが発症する要因には、体質的な要因と環境的要因があるといわれ、体質的な要因としては、アトピー素因があることや皮膚バリアの低下が考えられます。また、環境的要因には、アレルゲンと呼ばれるアレルギーを起こす物質の存在や化粧品やシャンプーや石けんなどの洗浄剤、衣類などの外部刺激、睡眠不足や疲労、ストレスなどがあるといわれます。アトピーの原因には、年代によっても変化があると考えられ以下のような特徴があります。乳児期乳児期の胃腸は、消化吸収が弱いためミルクや母乳を吐いたり、便秘や下痢をしたりしやすく消化力の弱さからタンパク質がアミノ酸に分解することができないといわれます。そのため、未消化で分子の大きい物質がアレルゲンになっていると考えられます。また、乳児期は肌が弱いことや免疫機能が整っていないことも原因のひとつになっているといわれています。つまり、乳児期のアトピー性皮膚炎においては、未発達の未熟さが原因になると考えられています。幼児期〜小児期幼児期から小児期は体の機能の発達してくるため、アトピー性皮膚炎が新たに発達することが少ないといわれる時期です。発症する場合の主な原因としては、ハウスダストや胃腸の弱さからくる食物などが考えられます。青年期〜成人期青年期から成人期は、これまでアトピーの兆候が全くない人でも発症することがあります。この時期は、乳児期とは異なり健全な胃腸機能をもつことが多いため、原因としては疲労やストレス、睡眠不足などの生活習慣などがあげられます。ほかにも、過度の飲酒や喫煙などの嗜好品、食生活の偏りも原因となる可能性があります。また、部屋の掃除が行き届いていないことや生活環境の変化によるアレルゲン、副腎の機能が低下することなども原因と考えられています。アトピーの漢方治療とは漢方には、標治(ひょうち)といわれる症状の抑制に対して即効性が期待できる処方や、根治(こんち)といわれる体質の根本的な改善することを目指した処方があるとされます。これらを症状に応じて組み合わせることで、アトピー性皮膚炎がでにくい体質を構築し、根本的な治癒をめざします。漢方でアトピー性皮膚炎の根本的治療を考えた場合には、皮膚だけではなく全身の症状を観察して全身に作用するための漢方薬が処方されるといわれ、皮膚を治療するために消化器系や肺へ働く漢方薬を使用することがあります。皮膚の症状を軽減するだけでなく他の症状にも作用することが期待されるため、漢方の治療は外側からだけでなく内側からの改善が期待できると考えられています。監修:小谷和弘
2017年05月01日アトピーになりやすい人はアトピー素因を持つことが特徴とされています。皮膚を清潔に保ち、保護や保湿をすることに加え、食事を見直すことで改善が見込めるといわれています。アトピーを改善する食事や皮膚への対策について見てみましょう。アトピーになりやすい人の特徴アトピーになりやすい人の大きな特徴として、アトピー素因を持つことがあげられます。アトピー素因とは、家族や本人にアレルギー皮膚炎や気管支喘息、アレルギー性結膜炎の既往歴があることや、両親にアトピー性皮膚炎の既往歴があるなどの遺伝的要素を持つこと、IgE 抗体を生成しやすい要素を指すといわれています。IgE 抗体とは、アレルゲンと結合することによって、肥満細胞から炎症を生じさせる化学伝達物質を放出させてアレルギー反応を発症させるタンパク質とされています。アトピーを改善する食事アトピーの改善には、油の摂り方が重要と考えられ、摂取する油の種類に注意が必要です。アトピーに影響をおよぼす油や食品には以下のものがあります。αリノレン酸αリノレン酸を多く含む食品には、えごまなどの野菜や果物、青魚や海草類などがあります。油では、あまに油やエゴマ油、しそ油などがあり、αリノレン酸の油にはアトピー抑制効果を持つと考えられます。また、DHAやEPAのサプリを摂取することも、アトピー性疾患の改善に効果があるとされています。オレイン酸調理油にはアトピー性疾患において中立で酸化しにくい、オレイン酸を含有しているオリーブオイルを使用しましょう。しかし、オリーブオイルの加熱使用にはアトピー性疾患を悪化させるトランス脂肪酸が発生することがあるため天ぷらなどの揚げ物での調理は控えて、できるだけ少なめに使用することをおすすめします。動物性の食品魚魚に含まれるEPAやDHAはアトピー喘息の抑制や改善効果があると考えられます。特に、EPAの摂取によってアトピー性の疾患の予防や改善に期待が持てます。EPA、DHAの作用アトピー性皮膚炎や喘息、花粉症などの抑制や脳の活性化、血液さらさら効果、脳血栓や動脈硬化の予防、コレステロール低下作用などが考えられます。EPA、DHAを多く含む魚は主に青魚であり、いわしやサバ、アジなどがあります。玄米アトピー性の疾患の改善や予防効果が期待できる主食として玄米があげられます。玄米は体内の酵素を豊富にすることや白米よりもマグネシウムは6倍、ナイアシンは14倍多く含まれておりアトピー性疾患の予防や改善に有効であると考えられます。アトピーを改善するために避けたい食事リノール酸必須脂肪酸であるリノール酸は、大豆油、コーン油、ベニ花油などに含まれています。酸化しやすくアトピー性疾患を悪化させる危険性もあるため調理油としての使用は控えましょう。リノール酸は、通常の食事で不足になることはなく、必要量の約6倍摂っているといわれます。マーガリンマーガリンは、化学溶解剤のヘキサンによって抽出されてトランス脂肪酸が大量に含有される油に水素を添加し、固体化させた消化に悪く身体にとって危険な油と考えられます。欧米諸国では、マーガリンは毒物の扱いを受けており、食べ続けることでアトピー性皮膚炎や喘息の発症が悪化する可能性があります。また、最近の研究において、トランス脂肪酸はアトピーを含むアレルギー性の疾患だけでなくさまざまな健康被害への関与が明らかになっています。動物性の食品肉肉に含まれるアラキドン酸には、アトピー性皮膚炎や喘息を悪化させるといわれています。アトピーの改善策アトピー性皮膚炎の改善策として、皮膚を清潔に保ちスキンケアなどで保湿することによって皮膚の機能異常を正すことが大切です。毎日の入浴やシャワーで皮膚を清潔に保つ強くこすらないように気をつけて、汗や汚れをすみやかに落としましょう。清潔といっても、石けんの使用する程度で十分とされています。消毒薬などによる清潔と誤解しないようにしましょう。皮膚に付着しているさまざまな物質や真菌、細菌などを取り除くためにも入浴やシャワーは有効とされています。石けんやシャンプーは洗浄力の強いものは避け、洗い残しのないように十分にすすぐことが大切です。しかし、タオルなどでゴシゴシと擦りながら洗うことは皮膚を刺激するため控えましょう。また、高い温度のお湯はかゆみを誘発することがあるので避け、入浴後にほてりを生じさせるような入浴剤や沐浴剤を使用しないように心がけましょう。肌の保湿や保護皮膚の保湿や保護を目的とした外用薬は皮膚の乾燥を防止することに有効とされています。必要に応じて入浴やシャワーの後に塗布しましょう。その際の外用薬は使用感が好みのものを選んでも構いませんが、製品によって接触性皮膚炎を引き起こすことも考えられるため、症状の経過を注意し観察しながら使うことが大切です。また、軽い皮膚炎は、保湿や保護を目的とした外用薬の使用だけでも改善することがあります。その他の改善策新しい肌着を着用するときは、使用する前に洗濯をしましょう。洗濯の際の洗剤はできるかぎり界面活性剤の含有率が低いものを使用しましょう。患部を掻かないように短く爪を保つことや、包帯や手袋などで保護することも有用だと考えられます。また、適温や適湿などの室内環境を整えることもアトピー性皮膚炎の改善に大切な要素といえるでしょう。監修:小谷和弘
2017年05月01日アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が衰えることによって、炎症や乾燥、かゆみなどの症状が現れるといいます。そのようなアトピー性皮膚炎の症状の改善に効果がある薬について、詳しく解説します。アトピーの症状人の皮膚に備わる機能には、熱や痛みを感じる役割を担う知覚作用や、発汗などによって行われる体温調節機能、細菌などの外敵やさまざまな刺激が体内に入り込まないように防御したり、体の中から体液が出ないように守ったりするバリアとしての役割などがあると考えられます。表皮のいちばん外側に存在する角層が皮膚のバリア機能を担っていますが、アトピー性皮膚炎の皮膚はこのバリア機能が衰えているといわれます。また、アトピー性皮膚炎の皮膚は、細胞間を埋める脂とされる角質細胞間脂質や水分を抱えこむ天然保湿因子などが減少していることが多く見られます。バリア機能が衰えた状態の皮膚では、水分が体の中から蒸散しやすく、本来なら体内に入ってこない有害な抗原刺激が体の外側から侵入しやすい状態になっていることが考えられます。その抗原刺激が、異物の侵入を察知した免疫細胞と結びつくことでアレルギー性の炎症を生じさせる物質を生成し、アトピー性皮膚炎の炎症を起こすとされています。そのうえ、バリア機能が衰えている皮膚はかゆみを感知する知覚神経が表皮まで到達し、少しの刺激にもかゆみを感じて掻き壊しやすくなります。掻くことによって、バリア機能がさらに悪化するという負のスパイラルに陥ることがあります。アトピーの薬の種類と効果アトピー性皮膚炎の治療薬として、以下のような抗炎症外用薬や内服薬が処方されることがあります。抗炎症外用薬アトピー性皮膚炎の炎症を鎮静する外用薬として、安全性や有効性が十分に考慮されている薬剤としてステロイド外用薬やタクロリムス軟膏(カルシニューリン阻害外用薬)が考えられます。<ステロイド外用薬>ステロイド外用薬は適切に使用することで、アトピー性皮膚炎の炎症に対して年齢にかかわらず、確実かつすみやかに鎮めることが可能な薬剤だといえます。ステロイドは、薬効の強い順にストロンゲスト、ベリーストロング、ストロング、ミディアム、ウィークの5ランクがあり、皮膚炎の重症度に合わせたランクの薬剤を正しく選択し、適切に使用することが大切です。また、アトピー性皮膚炎の重症度には、重症、中等症、軽症、軽微の4段階あり、症状の重症度によってステロイド皮膚炎のランクを選択するとされています。薬剤の形状には、クリーム、軟膏、ローション、テープ剤などがあり、症状の状態や部位によって選択します。・重症激しい炎症によって皮膚が腫れ上がる腫脹(しゅちょう)やむくみ、ただれ、皮膚がジクジクした状態である浸潤(しんじゅん)、炎症をくり返すことによって皮膚がゴワゴワに乾燥した状態である苔癬化(たいせんか)をともなう紅斑、皮膚の表面が細かくはがれてフケ状に落ちる状態である鱗屑(りんせつ)の激化、かさぶた、直径1cm以下で皮膚面から隆起する発疹の丘疹(きゅうしん)の多発、水疱、数多い掻き壊し痕など、皮膚炎の症状が激しい状態をさします。使用するステロイドのランクは、ベリーストロングやストロングが処方され、ストロンングクラスでも効果が確認されない場合にはその部位のみに限定的にストロンゲストランクのステロイド外用薬を使用することがあります。・中等症中等度未満の紅斑や鱗屑、丘疹、掻き壊し痕などの症状が主体とされ、ステロイド外用薬のランクはストロングやミディアムクラスの処方が考えられます。・軽症乾燥や軽度の鱗屑、紅斑などが主な症状で、ステロイド外用薬は主にミディアムクラス以下のランクが選択されることが一般的です。・軽微乾燥症状が主体で、炎症はあまり見られない状態とされ、外用薬はステロイドを含まないものの処方が考えられます。<タクロリムス(カルシニューリン阻害外用薬)>副作用の心配からステロイド外用薬を使用できなかったアトピー性皮膚炎の症状に対して、有効性が高いとされています。薬効の強度には限界があることや使用上における制約があるなど、安全性や使用に関して不安定な要素が見られます。内服薬アトピー性皮膚炎の治療薬はステロイド外用薬やタクロリムスなどの抗炎症外用薬が主体で、内服薬は補助的な療法とされています。<抗ヒスタミン薬>アトピー性皮膚炎のかゆみの鎮静に対して処方されることがあります。<シクロスポリン>具体的に難治性の紅斑や紅皮症などに有効で、投与した後はすみやかにかゆみが軽減するといわれます。<ステロイド内服薬>激しい炎症や重症、最重症のアトピー性皮膚炎に使用されることがあります。<漢方薬>国内で一般的な皮膚科が処方できる漢方薬として消風散(しょうふうさん)や補中益気湯(ほちゅうえっきとう)があり、前者は抗炎症外用薬の治療で皮膚炎が改善しない場合に処方され、後者は疲れやすかったり、体がだるかったりするときなどに処方されることが考えられます。薬を使用する際の注意薬を使用する際は、副作用の危険性も考慮して使用しましょう。特に、ステロイドの治療においては医師の指導が重要です。外用薬を使用する際は、指示を受けた部位に回数や量を守って塗布しましょう。自己判断で医師の指示なく別のかゆみがある部分に塗ることや、指定の期間以上に外用を続けることはやめましょう。反対に医師の指示なく使用を中止することも避けるべきで、使用をやめた時点で症状がぶり返すことや悪化することも考えられます。また、治療の途中に副作用が疑われる症状が見られる場合には、すみやかに主治医に相談することが大切です。監修:大久保真
2017年04月23日さまざまな原因で発症するアトピー性皮膚炎の因子のひとつに肌の乾燥が考えられますが、予防や改善、悪化を防ぐためにも肌の保湿は重要だといわれます。アトピー性皮膚炎を悪化させないための保湿について、詳しく解説します。アトピーになる原因アトピー性皮膚炎は多因子性疾患だといわれるようにさまざまな原因があり、ほこりやダニ、室内環境などの住環境や、気候や大気汚染、花粉などの自然環境、食事やストレス、体質などの生活習慣や遺伝にかかわるもの、その他にもペットや植物などの日常生活の中のさまざまな因子の影響が考えられます。生活環境の中にあるたくさんの因子から影響を受けてアトピー性皮膚炎は発症や悪化をするといわれるため、ひとつの因子に絞って対策をしてもアトピー性皮膚炎の改善には繋がらないことが多いとされています。現実に、ストレスを受けた場合にアトピー性皮膚炎が発症したり、特定の食品を食べて悪化したりということもありますが、その場合は積み重なったたくさんの因子のいちばんうえに新しい因子が付加されて症状が引き起こされた現象ともいえます。同じ刺激でも、時によって症状が出たり出なかったりするのは、そのような理由が考えられます。アトピー性皮膚炎は単一の原因で発症するのではなく、多因子性の疾患であることへの理解が大切です。アトピーが悪化する原因アトピー性皮膚炎が発症する原因がさまざまにあるように、悪化する原因も数多くあり無意識に症状を悪化させている場合も考えられるため注意が必要です。汗をかいたままにして肌を不潔にしたり、かゆみに対して掻きむしったり、シャンプーや石けん、化粧品や洗剤などが刺激物となって症状が悪化することも考えられます。また、脂っこい食事やチョコレート、香辛料、スナック菓子などの食品や、たばこやアルコールなどの嗜好品などを摂取することもアレルゲンを取り入れている可能性があり、悪化の原因となることがあります。ダニや花粉、ハウスダスト、カビ、ペットの毛などのアレルゲンが多い住環境での暮らしも、アトピー性皮膚炎を悪化させてしまうことが考えられます。定期的な掃除で部屋を清潔に保つことや、ダニの繁殖を防ぐために室内の湿度を下げて空気の入れ替えなどをすることが大切です。アトピーと保湿の関係乾燥肌がアトピー性皮膚炎を誘発するといわれ、皮膚のうるおいを保つことがアトピー性皮膚炎の予防や改善にとって重要です。皮膚のうるおいを保つには、皮脂や角質細胞間脂質、天然保湿因子が必要といわれますが、アトピー性皮膚炎が発症した皮膚にはこれらの物質が不足していることが報告されています。そのような理由によって、肌の外から不足した物質を補うためのスキンケアが大切です。スキンケアとは、皮膚を清潔に保ち保湿をすることですが、治療ではなく皮膚をケアすることで、バリア機能を高めて正常に保つことが目的と考えられます。アトピー性皮膚炎の皮膚の特徴アトピー性皮膚炎が発症した肌は角質層に問題があることが多く、水分の保持力が弱いため乾燥しやすく、外部からの刺激や異物を防ぐ役割を担うバリア機能が衰えているため炎症を生じやすいといわれます。水分保持力とバリア機能の低下アトピー性皮膚炎が発症した皮膚の角質層は、細胞間脂質の主成分のセラミドが健康な皮膚よりも減少している傾向があります。肌のバリア機能や水分保持力は、セラミドが主成分の細胞間脂質がおよそ80%を担っており、NMFと呼ばれる天然保湿因子がおよそ18%、残りの約2%は皮脂といわれます。そのような理由から、セラミドが不足すれば乾燥しやすく異物や刺激に弱い皮膚になると考えられます。皮膚を保湿することは、アトピー性皮膚炎の症状の緩和や改善、予防にとって重要な要素だといえます。肌の保湿のしかたアトピー性皮膚炎を起こしている肌には保湿が必要と考えられますが、大きく分けて2通りの保湿方法があります。皮膚の表面の保護アトピー性皮膚炎の肌に必要な保湿として、しっかりと皮膚の表面を保護するタイプの保湿剤の使用が考えられます。このような保湿剤には、皮脂膜のように肌の表面を覆って異物の侵入や水分の蒸発を防ぎます。肌の表面を保護する代表的な保湿剤に白ワセリンがあります。ローションタイプやクリームタイプなどさまざまにあり、医療機関の処方に限らず市販のものを使用することでも同じ効果が得られます。高価なものを少量ずつ使うよりも、肌に合うものを惜しまず多めに使うことが必要な場合もあります。皮膚の水分を保持アトピー性皮膚炎の肌は乾燥しやすく水分量が低下しているため、肌に水分を与えて保持する保湿が必要です。このタイプの保湿剤は以下のように3つに分類されます。<外気の水分の吸着>外気に存在する水分を吸着して保湿する成分を配合した保湿剤ですが、湿度の低い場合には保湿力が発揮できないことがあります。代表的な成分にグリセリンやアミノ酸類があります。<水分を抱えこむ>角質層や肌の表面で水分を抱えこんで保湿を促す保湿成分ですが、代表的な成分にヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンなどがあります。<水分をはさみ込む>角質層の細胞間脂質の層の間に水分はさみ込んで保湿する成分で、強い保湿力を持つといわれます。代表的な成分にセラミドや水素添加大豆レシチン、スフィンゴ脂質などがあります。この中でもアトピー性皮膚炎に有効な保湿成分はセラミドと考えられますが、セラミド配合のスキンケア剤を選ぶ場合には、「ヒト型セラミド」や「天然セラミド」などのヒトの皮膚にあるセラミドと同じ構造をもつセラミドが配合されたものを選択しましょう。監修:大久保真
2017年04月23日Lily’S ~organic cotton~Lily’S ~organic cotton~では、アトピー患者目線で開発した「ノンストレスオーガニックコットンリブキャミソール」「ノンストレスオーガニックコットンリブ長袖」を新発売。タグや縫い目がストレスにならないよう、外側に出すなどの工夫を凝らした、低刺激なインナーだ。2017年3月13日より、販売を開始している。開発者の思い皮膚疾患を持つ人にとって、タグや縫い目が肌に触り、チクチクと痛痒くなってしまうことはよくあることだ。開発者もアトピーを経験しており、肌にいいものを追求した結果、オーガニックコットンにたどり着いた。しかしながら、オーガニックコットンを使用したインナーの場合、デザインがシンプルなものが多く、「着たい」と思わせるかわいいものがなかったという。このようは背景から「本当に自分が着たいと思える、低刺激でかわいい肌着をつくる」ことを目標とし、今回の商品ができあがった。商品の特徴同商品は、縫い目や、ブランドタグが外側についているため、チクチクしない。ウエスト周りのタグは、返し縫いをしていないため、簡単に取り外すことが可能だ。素材はオールシーズン使用できるリブ素材。伸縮性が大きく、締め付け感がない。それでいて、体にほどよくフィットするのが特徴だ。首ぐりも大きく、脱ぎ着が楽だ。(画像はLily’S ~organic cotton~HPより)【参考】※アトピー・脱ステロイド経験者がつくる低刺激なオーガニックコットンインナー販売開始。
2017年03月22日赤ちゃんのおむつ替えに必ず必要になるおしりふき。汚れやばい菌を綺麗に拭きとって清潔に保つために必要不可欠なママのアイテムです。おしりだけでなく、手や体拭きにも使用することができる便利なものですが、種類が豊富で悩んでしまうという方も多いですよね。そこでこの記事では、おすすめの詳しく紹介していきます。おしりふきを正しく選びたい!悩めるママたちおしりふきといっても種類が豊富で悩んでしまう方も多いです。成分やパッキングされている形がそれぞれ異なっており、何が良いのかわからないという初心者ママもいらっしゃるはずです。選ぶ中で重要なポイントになるのが、「刺激」。できるだけ低刺激のものを選ぶようにするとよいでしょう。赤ちゃんの肌は非常に敏感で、少しの刺激でも赤く腫れたり、かぶれることがあります。成分を確認しながら低刺激の優しいものを選ぶようにしましょう。また毎日使うものなので、手軽に持ち歩ける必要もあります。お家で使うおしりふきと、外出先で使うおしりふきは分けておくと良いでしょう。その他、シートの布の厚みや、素材もポイントになってきます。流せるタイプであれば、緩いうんちが出た場合、くるんでそのまま流せるので、こうした利便性が高いものも良いです。おしりふき徹底比較!おすすめ4選悩めるママもこれぜひ検討してみてください。おすすめのおしりふきを紹介していきます。Super 新生児からのおしりふき赤ちゃん本舗が発売しているこのおしりふきは、水が99%と成分へのこだわりが感じられます。限りなく不純物を除去したこのおしりふきは、純度100%の水で構成されています。防腐剤、殺菌剤の使用料も極力減らすことで、赤ちゃんの肌にも優しい作りになっています。おしりふきは水に近づけることが一番だという考えのもとに作られた商品です。デリケートな肌を健やかに保ってくれるヒアルロン酸も微量に含まれています。ノンアルコーツで、無香料、弱酸性なので安心で、先輩ママからの支持も高いです。新生児からずっとこれを使用しているという方もいます。グーン肌にやさしいおしりふきグーンから発売されているおしりふきもおすすめです。精製水を99%使用しているので、安心です。また水分放出量が高いので、洗い流すようにすっきり拭き取ることができるようになっています。シート自体も波型に加工されており、こびりついた汚れをさらっと拭き取ることができます。こすらずに使用することができるので、赤ちゃんの肌にも優しいです。赤ちゃんのおしりふきおもいやりシート西松屋から販売されているおしりふきは、コスパの良さと成分の良さが魅力です。基布はレーヨン素材を採用しており、柔らかく肌にも優しくなっています。水が99.5%使用されているので安心です。弱酸性で、もも葉エキスも配合されているため、おしりがしっとり潤います。トイレに流すことはできませんが、肌に優しくコスパが良いのでママからも人気です。あかちゃんにやさしいおしりふきコットンおしりふきの中でもシートのものを紹介してきましたが、コットンも良いと話題になっています。こちらのおしりふき用コットンは、脱脂綿を使用しています。肌が弱く、シートタイプのものを使用しても腫れてしまうという方におすすめです。1枚が大判のコットンなのでカットして使うこともできます。コットンの場合はぬるま湯で湿らせてから使用します。これだとアトピーや肌荒れがある赤ちゃんでも、かぶれにくいのです。外出にも持ち歩きやすいので、肌が弱い赤ちゃんにはこのコットンがぴったりです。赤ちゃんに合わせておしりふきは選ぼう赤ちゃんによって、肌の強い子、弱い子がいます。成分は赤ちゃんの体質に合わせて選ぶようにしましょう。アトピーなどでとても敏感な子には、水99%のものを使用してもかぶれてしまう場合があります。またシートの硬さが苦手な子もいるので、特にデリケートな子にはコットン素材のおしりふきが良いかもしれません。持ち歩くときもコットンのものは気軽に持ち歩くことができるので、ネット通販などでまとめ買いしておくとお得です。新生児期から使用できると書いているものは、特に肌に優しい作りになっており、拘って作られています。育児の間はずっと使えるものなので、最初にまとめて購入しておきましょう。
2017年01月18日冬の肌悩みといえば、やっぱり乾燥。顔だけでなく、手やスネなんかも乾燥してカサカサ・・・ひどい時には痒くなってしまうことも!!全身にたっぷり、ケチケチすることなく塗れるコスパの良い保湿クリームを教えます。保湿の基本適量をちゃんと塗ること保湿の基本はずばりこれ!!保湿系のアイテムは、塗り過ぎも塗らな過ぎも、その効果を減少させてしまいます。「美容に良い」と言われている成分をたくさん含んでいる高額なスキンケアコスメをケチケチ塗ってもその効果は残念ながらあまり期待できません。大切なのは!「適量をしっかり塗ること」なのです。そこで、全身に適量を思い切ってぬることができる!!コスパの良い保湿クリームを紹介していきたいと思います。コスパ良し!!の保湿クリーム「~1,500円」※サイズ、店舗により値段が変動します。1.ヒルドイド出典:医療総合サイトQLife(キューライフ)より小児科、皮膚科で処方してもらえる保険適用の処方薬です。元々は「皮膚の乾燥を防ぎ、血行をよくする塗り薬」であり、アトピー・乾燥・しもやけ・傷治療などの場合に処方されているのだとか。ゆえに、もちろん真冬の乾燥肌にも使えます。お値段は病院により異なりますが、保険適応ですから、安価と言えるでしょう。2.ニベア ニベアクリーム出典:@cosmeよりプチプラな保湿クリームと言えばやはりこれ!!全身に使えるクリームです。一大ブームメントを巻き起こしたため記憶に新しい人もいるのでは?ブームのみで終わらなかったのは、やはり、その実力を体感している方が大勢いるからでしょう。スクワラン・ホホバオイル配合で、潤いを持続させてくれます。3.ヴァセリン オリジナル ピュアスキンジェリー出典:@cosmeよりこちらもコスパよし!!な保湿クリームという面ではスルーするわけにはいかない人気アイテムです。唇、お顔、ボディー、爪先のケアなど、幅広く使えます。4.ちふれ ボラージ クリーム出典:@cosmeよりプチプラ価格でメイクアップコスメが人気のちふれは保湿クリームも可愛いお値段なのに優秀でした!!皮フ保護成分ボラージオイルをはじめ、抗炎症成分グリチルレチン酸ステアリル、保湿成分チョウジエキスやシソエキス、ヒアルロン酸などを配合。全身に使えます。コスパ良し!!の保湿クリーム「1,500円~」5.アンブリオリス アンブリオリス モイスチャークリーム出典:@cosmeより元々はパリの皮膚科専門医が処方した1本のクリームが発祥。トリートメント効果・保湿効果に優れているため敏感肌さん、乾燥肌さんに古くから愛されています。保湿クリームとしてのみでなく、化粧下地としても使用可能。6.セタフィル モイスチャライジング クリーム出典:@cosmeより濃厚なのにベタつかないのが人気の秘密。ヴァセリンの油分の多さやニベアの重さに納得をしていない方はこちらがおすすめです。肌本来の保湿力と水分保持力をサポートしてくれるあめ、乾燥を防げます。もちろん顔だけでなくボディーにも使える処方です。アトピーにお悩みの方の使用率も高いのだとか。7.キュレル 潤浸保湿フェイスクリーム出典:@cosmeより話題の保湿成分「セラミド」を配合しているのにお手軽価格のため、敏感肌さん・乾燥肌さんに広く愛されています。弱酸性・無香料・無着色・アルコールフリー・アレルギーテスト済みという安心処方。なお、こちらはフェイス用のクリームです。顔にも身体にも、お値段のことを考えずに適量塗ることができるのに、安心な処方や魅力的な成分の含まれているクリームはこんなにたくさんあるのです。高価なクリームはもちろんそれなりの成果が期待できますし、使うだけで気持ちから綺麗になれる素晴らしいアイテム。だけど、ケチをして少量しか塗ることができないようでは意味がありません。特別なスケジュールの前以外の普段使いには、これらを有効活用してみてはいかがでしょうか。
2016年11月20日こんにちは。心理食育インストラクターのSAYURIです。空気が乾燥し始めると症状が強くなると言われるアトピー性皮膚炎。自分にアトピーがあると、「子どもに遺伝したら……」と不安になる人も多いようです。そこで今回はNPO法人予防医療推進協会の理事でアトピーアドバイザーとして全国で公演活動や2,000人を超えるメルマガ会員さんにアトピー情報を発信している、桑野やすし氏にお話を伺いました。●アトピーは遺伝するってホント?桑野氏によると、『「アトピーは遺伝するのか?」については、いくつもの研究・調査があるようですが、概して「遺伝する 」と言ってよいでしょう。研究によって幅がありますが、片親がアトピーの場合で30〜50%程度、両親ともアトピーの場合で50〜80%程度の子どもがアトピーになると言われています。日本皮膚科学会の『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版』にも、アトピー素因の一つとして“家族歴”が記載されていますね。遺伝が重要なファクターだと認識されているということです。僕自身3か月の息子がいますが、いずれ彼にもアトピーが発症することを覚悟しています。今できることとしては、3つあると思って実践しています』とのこと。以下に桑野氏が実践している対策法をご紹介します。●子どものアトピー発症に備えた対策●(1)保湿をこまめに丁寧に乳幼児期の子どもの肌は非常に乾燥しやすいので、カサついていたらすぐに保湿。化粧水と乳液の組み合わせで行っています。離乳食が始まったら、食事前に口の周りにワセリンを塗って、食品が口周りの皮膚に付着しないよう保護する こともお勧めします。●(2)動物園や牧場へ行く家畜などの動物が身近にいる環境で育つと、アレルギーの発症率が5分の1になるという研究があります。さすがに家畜は飼えませんが、動物園や牧場へは連れて行ってあげようと思っています。●(3)親の食卓での振る舞いを見直すアトピーの子どもさんの多くは早食いで姿勢が悪い。そうすると消化・吸収に負担がかかります。ですから、姿勢良く、ゆっくり食べるという習慣を身に着けさせる ことが大切。そのためには、ご両親がそういう食べ方を実践する必要があるわけです。子は親の姿を真似しますからね。一口ごとに箸を置いてよく噛み、食事中は席から立たない。落ち着いた食卓を築いてください。●親が心の準備をしておくことも大切また同氏によると、親の心の準備も大切とのこと。桑野氏がこれまで数多くのアトピーのお子さんを見てきた中で、アトピーの子どもを持つ親のメンタルについても以下のようにお話しされています。『アトピーのお子さんを抱える家族を見ていると、多くの場合、子どもよりも親の側に心理的な不安定さが見え隠れしています。親が自分を責めていたり、わが子を過剰に“かわいそう”に感じていたり、周囲の目が気になってアトピーであることを隠そうとしていたり。そういう心の“ぐらつき”があると、それは子どもにも伝わります。そうすると、ストレスの影響で症状が悪化・長期化する こともありますし、親子関係にしこりを残す ことにもなりえます。「アトピーになってもならなくても、この子に幸せがたくさん降り注ぐことを祈っていよう」というくらいの心の準備をしておきたいですね。遺伝する確率が高いということは、“準備ができる”ということです。お子さんがいる方も、これからという方も、今からできることがあると思います』----------いかがでしょうか。自分がアトピーであったり子どもにアトピーがあったりすると、どうしても不安やつらい気持ちが大きくなりがちですが、桑野氏のアドバイスによって少しでも心が軽くなればと思います。【取材協力/アトピーアドバイザー・桑野やすし】・アトピー改善アドバイザー 桑野やすし オフィシャルブログ●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)●モデル/神山みき(れんくん)
2016年11月17日東京駅から1時間20分の越後湯沢!子連れ旅行で頭を悩ますのが「移動」です。移動が長すぎると飽きてぐずるッ!!!!!騒がしくなるッ!!!!!他のお客さんに迷惑かけるッ!!!!!…というわけで、新幹線や特急で1時間程度のところはかなり重宝します。新潟というと、ちょっと遠いイメージですが、越後湯沢までは約1時間20分。実は結構近いんです。東京駅から上越新幹線に乗り込んで、高崎を過ぎ、上毛高原を過ぎ、「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」を体感できる長い長いトンネルを抜けると、まもなく越後湯沢。初雪を迎えた頃からは、まさに突如目の前に現れる雪国の感動を味わえるのですが、秋の連休が多い今の時期もかなりオススメ。窓の外には黄金色の田んぼが広がり、青く高い秋の美しい青空に映えているのが見えてくることでしょう。今回は、子連れ新潟旅行でおさえたい「外湯」と「アート」、必ず乗ってほしい「現美新幹線」についてレポートします♪「外湯めぐり」と「アートめぐり」がオススメここで越後湯沢観光するなら、「外湯めぐり」や「アートめぐり」が楽しめます。湯沢温泉には5つの外湯があり、5カ所めぐりと2400円のところ1500円で楽しめるオトクなチケットも販売されています。我が家の次男はひどいアトピーがあり、国内旅行に行く際は「温泉のあるところ」と決めています。泉質にもよりますが、温泉に浸かるとアトピーがグッとよくなることがあり、本人も温泉好きなので外湯めぐりができる観光地は重宝です。また足湯スポットもあります。歩き疲れたら足湯、気持ちいいですよ♪次は「アートめぐり」のご紹介。越後妻有地域(十日町市、津南町)では3年に1回『大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ』が行われているため、いろいろなところにアート作品が飾られています。ただ見るだけのアートではなく、触れられたり、遊べたりする作品が多いので、子どもも楽しめるはず。いたるところに名作や力作があるので、こちらはぜひ調べてみることをオススメします。また、この地域には、宿泊施設に変身した廃校となった小学校や、ジェームズ・タレルの作品『光の館』など、「泊まってアートを楽しむ」ところもあるため、一泊するのもオススメ。ちなみに、私が新潟に行ったとき、「泊まりたい!」と思ったところはココ。よく調べていけばよかった!■光の館光のアーティスト、ジェームズ・タレルの作品。瞑想のためのゲストハウスで、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』の中から構想を見出したそう。天井が開くのですが、畳の部屋から見上げる美しい空が最高なんです。■うぶすなの家茅葺き民家を「やきもの」で再生したレストラン&宿泊施設。■秋山郷結東温泉 かたくりの宿明治17年に開校し平成4年に廃校となった小学校が宿泊施設に。ぬくもりのある木造の校舎に泊まれるワクワク感を味わえます♪いざ、『現美新幹線』へ乗車!…と、越後湯沢温泉郷を楽しんだ後は、いざ『現美新幹線』に乗ってみましょう♪現美新幹線が走るのは「越後湯沢」←→「新潟」。この新幹線、子どもはきっと大歓声なはず!鉄道に興味のないママも、鉄道好きのパパもきっと楽しめるはず。世界最速芸術鑑賞というキャッチフレーズを掲げる新幹線で、すべての車両が“アート仕立て”になっているんです。まず、子連れが夢中になるのがお座敷タイプになっている“プラレール車両”!1両全部プラレールなんです。もちろんこれもアート作品の一部。触っても遊んでもOKなアートだから嬉しいですよね。プラレール好きな子だと、ここで遊んでいるだけで終点まであっという間…という状態になってしまいそうですが、他の車両も楽しみたいですよね。自由席はソファ席になっていて、アニメーション作品を見られる車両も。燕三条にある「つばめカフェ」がプロデュースしたおしゃれなカフェもあるので、大人はコーヒーとスイーツをソファ席でのんびり食べて、子どもは遊ぶ…なんて楽しみ方も少し大きな子どもならできそうです。また、特筆すべきなのが、「指定席」。なんと元グリーン車の車両なんです。1列4席と広々で、足元には足置きがあり、カーペットもフカフカ。ちょっとオトクにグリーン車を体験できちゃうんです♪この新幹線に関しては、乗ってみたらその感動が必ず伝わるはず!私自身も、またすぐ乗りたーーいとなった新幹線でした♪おいしいモノと温泉がいっぱいの新潟♡さて、『現美新幹線』で新潟に到着したら、楽しみたいのがグルメです。日本海の新鮮で美味しい魚、新米、日本酒を存分に味わいましょう。秋はなんといっても「ノドグロ」の季節。東京では目玉の飛び出るような高級魚ですが、地場なら多少オトクに味わえます。その他、サザエや南蛮エビも旬。日本酒にもぴったりです。あ、でも、魚沼産のコシヒカリにも合うんですよね……。また、鮮魚センターにいくと、新鮮な魚介類が売られているんですが、去年のシルバーウィーク最終日、そして夕方に足を運んだところ、ズワイガニが1杯900円に値下がりしていた!もちろん買いましたとも。2杯も。発砲スチロールに入れ、氷を詰めれば、東京まで充分持ちます。最後のお土産は魚市場をチョイスするといいかも!新幹線好きの男児ならハマることなしの現美新幹線。乗り物好きキッズたちを連れて、アートで美味しい秋旅はいかがでしょうか?
2016年09月29日女性の「きれい」の源は、腸でできている!?健康なこころとからだでいるために、重要な役割を担っていると言われている腸。今回は、特に「女性の美容」に腸がどのような影響を与えているのか、一般社団法人「日本美腸協会」代表理事の小野咲さんにお話をうかがいました。腸が不健康だと、本物の「美」は手に入らない!【腸が健康だとどうなるの?】1.顔色が明るくなり、肌にツヤが出る。髪の毛にハリ、コシが出る2.全身のあちこちに固まったコリが解消される3.姿勢が良くなる4.睡眠の質があがる5.栄養分がからだにしっかりと吸収される6.花粉症やアトピーも治ったりする腸の健康は、女性の美容にとって良いこと尽くし!まさに「美の好サイクル」を生み出す器官と言えそうです。「腸が健康だと、全身の血の巡りが良くなります。またしっかりと栄養を吸収することができるので、からだ中に良い栄養分を送り出すことができるようになります。その効果、顔色はワントーン以上明るくなり、肌は潤ってツヤが出てきます。また、女性の命とも言われる髪の毛にはハリやコシが出て、全体的に活き活きとした印象になります。さらに、健康な腸には弾力があり、あるべき場所に自ら収まることができるので、自然と背筋が伸びて姿勢も良くなります。また、腸が健康だと眠りを誘う睡眠ホルモンの「メラトニン」が生成されるので睡眠の質もあがるので疲れの残らないからだになり、毎日をハツラツと過ごすことができます。少し時間はかかりますが、花粉症が治ったり、アトピーを改善することもできるんですよ」メイクやファッションでどんなにきれいに着飾ったとしても、その美しさは一時的なもの。さらに歳を重ねるごとに、毛穴の開きや小ジワ、肌のくすみやたるみなど、隠したい「粗」のレベルはあがっていく一方。そんな粗隠しのために高価な化粧品や装飾品を購入するよりも、「からだの内側から輝く本物の美しさ」を引き出す腸の健康づくりに注力した方が、断然「美」の成果を得ることができそうです。腸が健康だと、幸せになれる!?さらに腸の健康は美容に良いだけでなく、精神的にも良い影響があるとか。「腸には、幸せホルモンと呼ばれる“セロトニン”を分泌する機能も備わっています。セロトニンがしっかりと分泌されている人は幸福感で満たされているので、ストレスによる暴飲暴食をしませんし、物事を常にポジティブに捉えることができるようになります。腸が健康な状態であれば、精神的にも安定した毎日を過ごすことができますよ」何と、体内で分泌されるセロトニンの90%以上が腸で生成されているとか!腸が汚れていたり元気がなくなると、このセロトニンが分泌されにくくなってしまい、落ち込みやすくなったりストレスが蓄積されていく原因にもつながるそうです。裏を返せば、腸が健康であれば、内側から輝く本物の美しさを手に入れ、ポジティブでハッピーな毎日を送れるということです!今日から美腸生活を始めよう美容にもこころの安定にも効く腸の健康。では一体どうすれば健康的な腸をつくることができるのでしょうか。腸の健康に良い食事を心がけよう1.1日1.2〜1.5リットル以上(夏場はプラス500ml)の水を飲む2.ネバネバ食材などで水溶性の食物繊維をたっぷり摂取する3.酸化した油や、加工品、スイーツは極力控える「身長160cm未満の場合は最低1日1.2リットル、160cm以上の場合は1.5リットル程度のお水を飲むことを推奨しています。夏場は代謝があがって汗もかくので、プラス500mlの水を飲むようにしてください。納豆やオクラ、めかぶなどの水溶性の食物繊維を含むネバネバ食材などを意識して食べることも大事。腸の中で、食物繊維が老廃物を集めるホウキのような役割、お水がその集めた老廃物を流す役割を担ってくれるので、食事とお水で腸を掃除するようなイメージです」また酸化した油や加工品、スイーツは腸にとって負担がかかり、腸の動きをにぶくしてしまう食材となるので、極力摂らないようにするのがおすすめだそうです。腸の動きを活発にする運動をしよう1.お腹を伸ばすようなストレッチや伸びをする。足をあげる運動で腸腰筋を鍛える2.股割りストレッチ3.お腹のツボ押し(朝晩各1回。詳しくは4本目にて)「元気がない腸は動きがにぶくなってしまっているので、まずは腸を動かすための刺激を加えることから始めてみてください。加えて腸腰筋を同時に鍛えることで、腸を正しい位置にキープすることができ、腸の正常運転をサポートすることにつながります」腸を刺激するときに大事なのは、リラックスした状態で行い、気持ち良いなと感じる程度の力加減で行うこと。また、ハードな運動は興奮のスイッチをONにしてしまい、腸の動きを止めてしまう原因になるのでNGとのこと。とにかく落ち着いた気持ちでゆったりと臨むことが、効果を得られる秘けつだそうです。女性に美にとって欠かせない「健康な腸」。本物の美しさとこころの平和を求めたいならば、まずは健康な腸づくりから始めてみてはいかがでしょうか。【小野 咲】一般社団法人「日本美腸協会」代表理事。「腸から始まる体質改善No.1美腸エステティックGENIE(ジニー)」トップセラピスト。大学を卒業後、看護師として小児科や便秘外来での経験を経て美腸のためのエステサロンを青山と恵比寿に立ち上げる。自身が長年便秘を煩っていた経験も生かしながら、腸を健康にして美しくなるための知識やケア方法を広めている。
2016年08月03日長男を見ていると、「よくここまでアレルギーが出てくるものだ」と落胆を超えて感心してしまう。今わかっているだけで十数種類の食物アレルギー、ハウスダスト・犬猫アレルギー、花粉症、軽度のアトピー。風邪をひくと咳がひどくなり、喘息の疑いもある。つい先日も新たなアレルゲンがわかったばかり。年齢とともによくなるものもあれば、悪くなるものもある。子どものアレルギーで悩むママに我が家の話を聞いてほしい。今までのアレルギー遍歴まずは長男のアレルギー遍歴をザッとご紹介しよう。生後7ヶ月 ヨーグルトを食べた後、口の周りにプツプツと赤い発疹が出て受診。 「卵、乳製品、小麦、ピーナッツ」にアレルギーが判明。全除去。 1歳半 小麦解除(食べられるように)。 2歳半 「山芋」を食べて嘔吐。アレルギー判明。 3歳 数値では出ていなかった「イクラ」で発症。その後検査するも、やはり数値は出ない。 4歳 「ハウスダスト、犬、猫アレルギー」判明。 7〜10月のみ原因不明の顔の発赤、頭のかゆみ、夜のみ咳が出るようになる。 5歳 乳製品解除。 「パイナップル」を食べて口の中が痒くなり判明。 「スギ、ヒノキの花粉症」判明。 5歳半 「りんご、オレンジ、キウイ、メロン、アーモンド、くるみ、ヘーゼルナッツ、ココナッツ」判明。一般的にアレルギーの多い「卵、乳製品、小麦、大豆」の数値は年々減少している。いっぽうで「ナッツ類」は上がっており、「果物類」は今まで食べられていたが5歳からアレルギーを発症(この2つは花粉症との関連性が高いと言われている)。医師には「まだ調べていないだけで、他にもアレルギーや花粉症はあるでしょう」と言われた。1番大変なのは子どもだけど…アレルギーが分かったときは正直戸惑った。何をどう気を付ければいいのか…知識が全くないことが1番怖かった。アレルギーで大変なのは誰よりも子ども自身。それを踏まえた上で、親自身もキツいときがあると度々思う。1番大変だったのは、原因不明の顔の発赤が出た去年の夏。決まって夕方18時過ぎに出るのだが、その時間家にいるのは私と長男、当時5ヶ月の次男だけ。「赤ちゃんを抱えて何か発作でも起こったらどうしよう」と気が気ではなかった。それ以外の日常生活でも、外食や旅行は常に緊張を伴う。子どもを預けることもほとんどない。アトピーのために洗剤や服を変え、ハウスダストが判明してからは掃除機や寝具を変え、夏季は床や布団の掃除機がけに毎日追われる生活。「お金も、時間も、労力もかかる」のがアレルギー児をもってわかったことだ。また、周囲の大人に「わかってもらう」ことがまだまだ難しい。身内でさえ、「これくらい大丈夫」と言われて発症したこともある。食物はもちろん、ハウスダストも言いかたによっては相手の機嫌を損ねる可能性もあるため、実家・義実家への説明は慎重かつ丁寧に行った。これが友人関係と広がっていくと、また難しいものなのだ。難しくて切ない、子どもへの対応それでも1番心が傷むのは子どもへの説明かもしれない。小さい頃は食べなければ良かっただけだが、5歳ともなれば自分がアレルギーだとわかるし、好きだったフルーツも食べられなくなった。動物大好きな長男だが、大好きな猫を飼うのもガマンしているし、動物園も短時間で済ませないといけない。子どもをのびのび育てるのがモットーな筆者だが、アレルギーがあるということは「ガマンを強いる」ということだなとつくづく思う。もちろん体や時に命に関わることだから本気で止めるが、子どもに対しての説明も難しいし、何より切ないのだ。TVをつければ卵の歌をやっていて、「ボクは食べられないから卵料理がわからないなぁ」と彼は言う。親として何と答えればいいのか…何度考えただろうか。同じ時間を過ごすなら、上を向こうよく「アレルギーは大きくなれば治る」と言われるが、息子の場合にそれは当てはまらない。実は夫がアレルギー持ちで、長男とほぼ同じ種類のアレルギー・花粉症・アトピーを持っているからだ。やっと乳製品が解除になった直後、フルーツで発症したときは文字通り肩を落とした。夫を見る限り、魚卵・フルーツ・ナッツは長男が大人になっても続くだろう。「一生モノ」と決まっているなら、下を向きながら付き合っていくのでは辛過ぎる。同じ時間を過ごすならばせめて上を向いてアレルギーと付き合っていこう。できる限りの除去と防御策を心がけること、まずはこれで子どもを守る。あとはアレルギーで子どもにガマンを強いている分、他の部分で好きなことをさせてあげたい。動物がダメなら昆虫や魚を飼うなど別の視点を広げることもできる。アレルギーにより和食中心になったり、以前より健康に気をつけるようになったが、親からすれば「子どもに長生きさせてもらっている」と考えることもできる。元が大雑把な筆者も家をキレイに保つ習慣ができた。アレルギーと一生付き合わなければいけないのは、親よりも子ども自身。親が下を向いていては子どもはもっと悲観するだろう。だからこそ上を向きながら、時に落ち込み、時に前向きに付き合っていこうと思う。ライター:宮野 茉莉子
2016年08月02日