前作『人生はビギナーズ』(’10)で、75歳でゲイであることをカミングアウトした自らの父親と自分自身の関係を描いたマイク・ミルズ監督。6年ぶりの新作『20センチュリー・ウーマン』は、自身が生まれ育った故郷カリフォルニア・サンタバーバラを舞台に、今度は自らの母親をモデルに“母と息子”の物語を完成させた。本作で、赤髪のパンキッシュな写真家アビーを演じるグレタ・ガーウィグに注目した。お互いを必要としているのに、うまく表現できない、愛情深いシングルマザーと反抗期の15歳の息子。そんな母と息子の関係と、彼らを助ける2人の個性的な女性たちとの特別な夏を、パンク・ロックなどの当時のカルチャーと共にユーモアを交えて爽やかに描き出す本作。『フランシス・ハ』で注目され、今年『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』など出演作が続くグレタが演じるのは、アネット・ベニング演じるシングルマザー、ドロシアの家でルームシェアをする20代の写真家アビー。『地球に落ちてきた男』でデヴィッド・ボウイが演じた宇宙人トーマス・ジェローム・ニュートンに影響されたという真っ赤なショート・カットとロックなファッションが印象的なキャラクターで、ミルズ監督の実姉がモデルとなっているという。15歳の少年ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)に、初めてのロックやフェミニズム、恋の教訓を教えるカッコイイ姉貴である一方、子宮頸がんと診断され、ニューヨークから戻ってきた挫折感を抱えている複雑な女性だ。自身もアートや音楽が好きでニューヨークに上京し、演劇界に飛び込んだグレタは、「カリフォルニア出身者がニューヨークのアートシーンに加わりたいと思う気持ちはよく分かるの。私がそうだったから。でも、アビーは、彼女の持つスピリット、闇、エッジィさが収まる場所がカリフォルニアにはないと感じて脱出したのに、病気で挫折し、戻らなければならなくなった。それはとてもつらいことだったと思う」と深い共感を語り、撮影では演じながら泣いてしまったこともあったという。ミルズ監督とグレタは、アビーというキャラクターに影響を与えたであろう人物についても話し合った。たとえば、セクシーで中性的な魅力を持つ「トーキング・ヘッズ」のベーシスト、ティナ・ウェイマス、「ブロンディ」のシンガーでロック界のピンナップガール、デボラ・ハリー。また、写真家シンディ・シャーマン、フェミニストの芸術家バーバラ・クルーガー、パンク詩人で歌手のパティ・スミスもグレタが自主的に参考にした。「パンク・ガールがとてもセクシーだったのは、『私はホットよ。でも、あんたのためじゃない』という言葉」とグレタは言う。「彼女たちの魅力は、デンジャラスな部分にあったと思う」。さらに、グレタは年代物のカメラを何か月も持ち歩き、1978年以降に録音されたいかなる音楽も聴かないというルールを自分に課し、1977年に登場した女性パンクのための初めてのヘアカラー“マニックパニック”で髪も染めるなど、徹底したこだわりを見せた。劇中では、「LOU REED」(ルー・リード)「DEVO」(ディーヴォ)とロゴが入ったハンドメイド風のロックTシャツや、赤や黄色の原色のシャツとパンツ、カラータイツをあわせ、アクセサリーは着けないマニッシュでパンクなスタイルでアビーというキャラクターを見事に表現したグレタ。パンク・ロックにあわせて激しく踊る彼女の姿も、鮮烈な印象を与えている。『20センチュリー・ウーマン』は6月3日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:20センチュリー・ウーマン 2017年6月3日より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2016 MODERN PEOPLE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2017年05月21日ビームス(BEAMS)が、マイク・ミルズ監督の最新作「20センチュリー・ウーマン」の公開を記念して、5月27日(土)にコラボレーションアイテム等を発売する他、6月2日(金)からは、監督が2017年春の来日時に撮り下ろした初公開の写真展を実施する。前作「人生はビギナーズ」から早6年、マイク・ミルズ監督の最新作「20センチュリー・ウーマン」が6月3日(土)より全国で公開される。この作品は監督自身の母親をテーマに描いた、母と息子のラブストーリーで、第89回アカデミー賞脚本賞にもノミネートされた話題作。映画の公開に先駆けて、5月27日(土)より本作と<BEAMS BOY>のコラボレーションTシャツとトートバッグを、全国のBEAMS各店およびBEAMS公式オンラインショップにて発売。グレダ・ガーウィグが演じるパンクな写真家アビーが、劇中で撮影した写真をフィーチャーしたTシャツ3型とトートバッグ2型がラインナップ。写真下には、“I’m going to need a story.(私たちには物語が必要なの)”という印象的なアビーのセリフがレイアウトされている。また、同日より「ビームス ウィメン 渋谷」では、コラボレーションアイテムに加えて、映画のサウンドトラックCDとBEAMS限定のポスターも展示販売する。サウンドトラックCDは、原宿「ビームス レコーズ」およびBEAMS公式オンラインショップでも購入可能。映画公開前日の6月2日(金)からは、原宿の「トーキョー カルチャート by ビームス」にて、マイク・ミルズ監督が今春の来日時に撮り下ろした東京の風景写真をエキジビション形式で紹介。そして、岡本仁氏が編集し<TOKYO CULTUART by BEAMS>が発行するフリーペーパー『ART FOR ALL』には今回、マイク・ミルズ監督のインタビューが掲載される。コラボレーションアイテム発売日:2017年5月27日(土)取り扱い店舗:全国のビームス各店(一部店舗を除く) / BEAMS公式オンラインショップ■Tシャツ(ウィメンズ) 各¥5,800(税抜)■トートバッグ各¥4,500+税関連イベント1:POP UP SHOP『20センチュリー・ウーマン』ポップアップショップ開催期間:2017年5月27日(土)〜6月11日(日)開催場所:ビームス ウィメン 渋谷東京都渋谷区神南1-14-7 2F TEL 03-3780-550 11:00〜20:00 会期中無休コラボレーションアイテムのTシャツとトートバッグに加え、限定ポスター(全8種類各¥8,000+税)とサウンドトラックCD(¥2,400+税)も販売。2:EXHIBITION写真展「I WANT TO SEE THIS MODERN WORLD. TOKYO PHOTOS BY MIKE MILLS」開催期間:2017年6月2日(金)〜6月7日(水)開催場所:トーキョー カルチャート by ビームス東京都渋谷区神宮前3-24-7 3FTEL 03-3470-325111:00〜20:00会期中無休プロモーションのために6年ぶりに来日したマイク・ミルズ監督。彼が写した東京の風景を展示し、フリーペーパー『ART FOR ALL』を配布します。また、サウンドトラックCD(¥2,400+税)を販売。写真は展示のみで販売はございません。サウンドトラックCD発売日:2017年5月24日(水)価格:¥2,400(税抜】取り扱い店舗:・ビームス レコーズ東京都渋谷区神宮前3-25-15 1FTEL 03-3746-078911:00〜20:00不定休・BEAMS公式オンラインショップ関連イベント開催中は、「ビームス ウィメン 渋谷」および「トーキョー カルチャート by ビームス」でも販売。映画「20センチュリー・ウーマン」1979年のサンタバーバラを舞台に、15歳のジェイミーが母親でシングルマザーのドロシアと、「息子の教育を手伝って欲しいの」とドロシアから頼まれた写真家のアビー、幼なじみのジェリーという3人の女性と過ごしながら成長していくひと夏を描く。第89回アカデミー賞脚本賞ノミネート作品。6月3日(土) 丸の内ピカデリー/新宿ピカデリーほか全国公開。監督・脚本:マイク・ミルズ出演:アネット・ベニング、エル・ファニング、グレタ・ガーウィグ、ビリー・クラダップ2016年/アメリカ/英語/119分/アメリカンビスタ/カラー/5.1ch/原題:20TH CENTURY WOMEN/ 日本語字幕:髙内朝子/PG-12/ 配給:ロングライド
2017年05月21日アネット・ベニング、エル・ファニング、グレタ・ガーウィグら各世代の実力派女優たちを迎え、『人生はビギナーズ』のマイク・ミルズ監督が自身の母親をテーマに描く6年ぶりの新作『20センチュリー・ウーマン』。その待望の予告編とメインビジュアルが解禁となった。1979年、サンタバーバラ。シングルマザーのドロシアは、思春期を迎える息子ジェイミーの教育に悩んでいた。ある日、ドロシアはルームシェアで暮らすパンクな写真家アビーと、近所に住むジェイミーの幼なじみで友達以上恋人未満の関係である、ジュリーに「複雑な時代を生きるのは難しい。彼を助けてやって」とお願いする。15歳のジェイミーと、彼女たちの特別な夏がはじまった――。本作。第89回アカデミー賞では、脚本賞でマイク・ミルズが初ノミネートされたことも話題となった本作。前作『人生はビギナーズ』では自身のゲイの父親を描き、絶賛を受けたミルズ監督は、今度は、激動の70年代末期を舞台に自身の母親をテーマにする。自由奔放な母親役を演じるのは、第74回ゴールデン・グローブ賞において主演女優賞(ミュージカル/コメディ部門)にノミネートされたアネット・ベニング。また、ルームシェアをしているパンクな女性カメラマンには、『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』など出演作が続くグレタ・ガーウィグ、そして『ネオン・デーモン』のエル・ファニングが大人びた幼なじみのジュリーに、新人の美少年ルーカス・ジェイド・ズマンが監督の分身ともいえる少年ジェイミーを鮮烈に演じ、『スポットライト 世紀のスクープ』『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』のビリー・クラダップも名を連ねている。今回解禁した予告編では、アメリカのロックバンド「トーキング・ヘッズ」による1978年リリースの楽曲「The Big Country」をバックに、アネット演じるシングルマザーが思春期の息子の“教育”を2人の女性に依頼する。音楽、性…思春期のひと夏の日々を、彼女たちと過ごしたシーンが盛り込まれ、アネット演じる息子を育てる母親として思いも…。エルが演じる、ジュリーの“魔性すぎる幼なじみっぷり“にも要注目。また、本日3月28日(火)にはミルズ監督がプロモーションとしては『サムサッカー』以来、実に11年ぶりとなる来日を果たし、イベントなどに登壇する。『20センチュリー・ウーマン』は6月3日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:20センチュリー・ウーマン 2017年6月3日より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2016 MODERN PEOPLE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2017年03月28日『人生はビギナーズ』でゲイの父親を描き、絶賛を受けたマイク・ミルズ監督が、今度はアネット・ベニングを主演に自身の母親をテーマにした『20センチュリー・ウーマン』。このほど、その公開日が6月3日(土)に決定し、ミルズ監督がアカデミー賞脚本賞にノミネートされている本作から、ティザービジュアルと30秒特報が解禁となった。1979年、サンタバーバラ。シングルマザーのドロシア(アネット・ベニング)は、思春期を迎える息子ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)の教育に悩んでいた。ある日、ドロシアはルームシェアで暮らすパンクな写真家アビー(グレタ・ガーウィグ)と、近所に住む幼馴染みでジェイミーとは友達以上恋人未満の関係、ジュリー(エル・ファニング)に「複雑な時代を生きるのは難しい。彼を助けてやって」と頼む。15歳のジェイミーと、彼女たちの特別な夏がはじまった――。マイク・ミルズが自身の母親をテーマに描く、6年振りの最新作となる本作。第89回アカデミー賞では脚本賞(オリジナル)において自身初のノミネートを受けている。自由奔放なシングルマザーを演じ、第74回ゴールデン・グローブ賞ミュージカル/コメディ部門主演女優賞にノミネートされたのは、アネット・ベニング。さらに、『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』のグレタ・ガーウィグ、『ネオン・デーモン』のエル・ファニングといった各世代を代表する女優が集結。また、監督の分身ともいえる少年ジェイミーを演じた新人の美少年、ルーカス・ジェイド・ズマンの瑞々しい演技も絶賛を受けており、『スポットライト 世紀のスクープ』のビリー・クラダップらも脇を固めている。今回解禁された30秒特報では、77年にデビューした「トーキング・ヘッズ」をバックに、それぞれのキャラクターととともにアネット演じる母の人柄がわかるシーンが随所に盛り込まれている。15歳の少年が3人の女性たちと過ごしながら成長していくひと夏の物語が、ミルズ監督独特のシュールなユーモアと映像センスによって紡がれていく。なお、3月末にはミルズ監督のプロモーション来日も予定されているというから、引き続き注目していて。『20センチュリー・ウーマン』は6月3日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年02月16日“『ドライヴ』を越える衝撃”、“レフン版『ブラック・スワン』”ともいわれる現在公開中の『ネオン・デーモン』。公開週ではミニシアターランキング1位を獲得し、全国で満席続出という大盛況ぶりの中、SNSでは賛否分かれるクチコミで騒然となっている。そんな本作で主演を務めるエル・ファニングのみならず、姉ダコタ・ファニングも美しく成長を遂げている。ハリウッドセレブの美女姉妹としては、メアリー=ケイト&アシュレイに女優のエリザベスのオルセン姉妹や、ケンダル&カイリー・ジェンナーに父親違いのカーダシアン姉妹などが知られている。その中でも、いま一番ホットなのが、このエルとダコタのファニング姉妹だろう。ソフィア・コッポラ監督の『SOMEWHERE』、J.J.エイブラムス監督の『SUPER8/スーパーエイト』などで注目を集め、ディズニー『マレフィセント』のオーロラ姫で大ブレイクしたエル。その透明感あふれる奇跡のような美しさで世界中を魅了し、本作を手掛けたニコラス・ウィンディング・レフン監督も「カメラが恋する美しさ」と絶賛を贈る。また、4つ歳の離れた姉ダコタは『I am Sam アイ・アム・サム』で世界中を感動の渦に巻き込み、その類まれなる才能は当時、数々の映画祭で高い評価を受けた。これまで映画業界を中心に活躍してきたが、近年のハリウッドの潮流にならってかTVドラマに初出演することが決定。サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイ、リアーナらとともに、女性版『オーシャンズ11』こと『Ocean’s Eight』(原題/18年公開)にも出演する。また、エルもベン・アフレック監督・主演『夜に生きる』、アネット・ベニング主演『20センチュリー・ウーマン』の日本公開が控えており、待機作も続々。2人でファッション誌の表紙を飾り、普段からお互いにプレゼントを贈り合うという仲の良さで知られる、美しすぎるファニング姉妹。かつては、ジブリの名作『となりのトトロ』でサツキ(ダコタ)とメイ(エル)の英語版吹き替えをつとめたこともある。世界が一番目を離せない美女姉妹そろっての活躍には、今後も注目しておきたいところだ。まずは、大ヒットスタートを果たし、早くも話題沸騰中の『ネオン・デーモン』だ。ファッション業界を舞台に、“美”に執着する悪魔のような女たちの残酷な悲劇に圧倒される人が続出する中、今回、新たな場面写真が到着。エルの“悪魔級”の美しさを堪能してみて。『ネオン・デーモン』はTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ネオン・デーモン 2017年1月13日より全国にて公開(C) 2016, Space Rocket, Gaumont, Wild Bunch
2017年01月21日第74回ゴールデン・グローブ賞において作品賞、および主演女優賞(ミュージカル/コメディ部門)にノミネートされたアネット・ベニング主演『20TH CENTURY WOMEN』の邦題が、『20センチュリー・ウーマン』に決定。6月に日本公開される。本作は、前作『人生はビギナーズ』(’10)で、自身のゲイの父親を描き絶賛を受けたマイク・ミルズ監督が、今度は自身の母親をテーマに描いた6年振りの待望の新作。主演のアネットは、思春期の息子ジェイミーの成長に悩む愛情あふれるシングルマザーの母親ドロシーを熱演し、ゴールデン・グローブ賞をはじめ各賞でノミネート。また、ジェイミーの同級生役で『ネオン・デーモン』『夜に生きる』のエル・ファニング、ドロシーの家に間借りするパンクな写真家役に『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』のグレタ・ガーウィグと、いま旬の注目女子も顔を揃える。アネットは、過去に『アメリカン・ビューティー』『キッズ・オールライト』などでアカデミー賞に4度ノミネートされるも受賞に至らず、オスカー無冠の名女優として知られている。本作ではキャリア最高の演技と絶賛されており、5度目のノミネートにして、ついに念願の初受賞となるのか、いまから期待がかけられている。1979年のアメリカ・サンタバーバラを舞台に、アネット、エル、グレタが体現する“20世紀を生きた女性たち”の物語にこれからも注目していて。『20センチュリー・ウーマン』は6月、丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年01月19日年が明け、いよいよ本年度アカデミー賞に向けた映画賞レースは本格化。とはいえ、日本公開がまだまだ先の作品が多く、現状ではピンときていない人も多いのでは?いまのところ、ライアン・ゴスリング×エマ・ストーン×『セッション』監督で贈るミュージカル『ラ・ラ・ランド』、ブラッド・ピット製作総指揮で貧困やドラッグ、LGBTに斬り込んだヒューマンドラマ『ムーンライト』、マット・デイモン製作総指揮で盟友ベンの弟ケイシー・アフレック主演の『マンチェスター・バイ・ザ・シー』といった作品が前哨戦を牽引しているが、本年度アカデミー賞はとりわけ女優部門が華やかとなりそうなのだ。日本でも高い人気を誇る若手演技派から、注目の新星、ベテランまで混戦模様となっている。■主演女優賞には人気実力派がひしめくまず、主演男優賞では、『Manchester by the Sea』のケイシーや『ラ・ラ・ランド』のライアン、『Hacksaw Ridge』(原題)のアンドリュー・ガーフィールド、『ラビング愛という名前のふたり』のジョエル・エドガートン、『Fences』(原題)のデンゼル・ワシントン、『はじまりへの旅』のヴィゴ・モーテンセン、『ハドソン川の奇跡』トム・ハンクスといった顔ぶれが、おおかた揃いつつある。ライアンと並んで数多くのノミネートを受けているのが、『ラ・ラ・ランド』エマ・ストーンだ。一昨年は、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた。トム・ハンクスが『ハドソン川の奇跡』の記者会見中にもかかわらず絶賛したことでも話題を呼んだ同作は、エマが「ヴェネチア映画祭」で女優賞を受賞し、快進撃が始まった。「キャバレー」でブロードウェイデビューも果たしているエマでも、歌とダンスを猛特訓したという。L.A.を舞台にし、オーディションに落ち続けても女優になる夢をあきらめないという役柄は、アカデミー会員でなくても共感を集めること必至。そんなエマと、おそらく対抗することになりそうなのが、『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』のナタリー・ポートマン。ノミネートされれば、自身が受賞した『ブラック・スワン』以来、2度目。誰もが一度は目にしたことがある1963年11月22日のJFK暗殺のその後、ファーストレディとして、妻として、母としての“ジャッキー”の4日間に迫っていく。ナタリーは外見はもちろん、英語のアクセントや歩き方まで見事“ジャッキー”を再現しているという。だが、『ザ・マスター』など4度の助演女優賞+『アメリカン・ハッスル』での主演女優賞ノミネートを誇る、『メッセージ』エイミー・アダムスにもそろそろオスカーを獲らせてあげたいような…。ゴールデン・グローブ賞(コメディ/ミュージカル部門)は2年連続受賞しているが、オスカーが無冠なのは意外ですらある。同作では、『ブレードランナー』も控えるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のもと、突然飛来した謎の知的生命体とコミュニケーションを試みる言語学者に。多様性を受け入れない“不寛容さ”が世界的問題となる中、どんな“メッセージ”を彼女が伝えようとするのか、気にならずにいられない。■今年は何か違う!?多彩な顔ぶれに注目さらに、無冠のベテランにも注目したい。まず、『人生はビギナーズ』のマイク・ミルズ監督が自身の母親をテーマに描いた半自伝的作品『20TH CENTURY WOMEN』(原題/6月公開)のアネット・ベニング。激動の70年代を軽やかに生きた女性を体現したアネットは、キャリア最高の演技と絶賛を受けている。アカデミー賞にノミネートされれば、『キッズ・オールライト』以来6年ぶり実に5度目。加えて、ポール・ヴァーホーヴェン監督初のフランス語映画『Elle』(原題/夏公開)から、フランスの実力派イザベル・ユペールの初ノミネートもあるかも。作品はカンヌをはじめ高い評価を得ているが、アカデミー外国語映画賞の候補からは漏れてしまったため、イザベルのノミネートに期待する。また、昨年は「白いオスカー」と物議を醸し、ボイコット騒動などもあったが、今年は少し風向きが異なりそうだ。『ラビング愛という名前のふたり』で夫(ジョエル・エドガートン)と深い愛で結ばれた妻を演じた新星ルース・ネッガは、まず主演女優賞候補に入るだろう。デンゼルの監督&主演作『Fences』で妻を演じたヴィオラ・デイヴィス、作品賞候補の筆頭株『ムーンライト』のナオミ・ハリス、さらにNASAに協力していた天才黒人女性を描く『Hidden Figures』(原題)から主演タラジ・P・ヘンソンほか、助演にオクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイのうち誰かがノミネートされるかもしれない。ちなみに同作の音楽は、ファレル・ウィリアムズが務めている。助演女優賞といえば、ほかに『マンチェスター・バイ・ザ・シー』からミシェル・ウィリアムズ、『LION/ライオン~25年目のただいま~』からはニコール・キッドマン、『20TH CENTURY WOMEN』からはグレタ・ガーウィグなど、世代も個性もさまざまな女優たちが揃いそう。助演男優賞候補としては、『ムーンライト』で主人公の少年の面倒を見る麻薬ディーラーを演じたマハーシャラ・アリ。続いて、Netfilx配信中『最後の追跡』からジェフ・ブリッジスとベン・フォスター、『LION/ライオン』デヴ・パテルなどが上げられる。(text:cinemacafe.net)
2017年01月03日映画『20センチュリー・ウーマン』が、2017年6月3日(土)全国で公開される。監督は、『人生はビギナーズ』のマイク・ミルズ。前作では、監督自らの父親との関係を題材に、突然父親にゲイを告白された男性が、自らの人生も見つめ直していく人間ドラマを独特な感性と映像表現で描いた。今回は、“自身の母親”をテーマに、1970年代後半の南カリフォルニアで愛と自由を探し求める3人の女性たちの生き方を描く。注目は母親を演じたアネット・ベニング。本作での彼女の演技はキャリア史上最高と言われるほどだ。その他、『フランシス・ハ』のグレタ・ガーウィグ、『ネオン・デーモン』のエル・ファニングといった、各世代を代表する女優が集結。監督の分身とも言える少年ジェイミーを演じた新人の美少年、ルーカス・ジェイド・ズマンの瑞々しい演技も高い評価を得ている。第74回ゴールデン・グローブ賞では、作品賞(ミュージカル/コメディ部門)、主演女優賞(ミュージカル/コメディ部門)の主要2部門にノミネート。また、第89回アカデミー賞においては『20センチュリー・ウーマン』で、マイク・ミルズが脚本賞(オリジナル)にノミネートされた。マイク・ミルズのオスカーノミネートは初。彼は今回のノミネートに関して次のように述べている。「脚本を書くってなんて大変なのでしょう!だからこそ、このようにアカデミーから認められるのはとても光栄なこと。このパーソナルな映画を作ることができて幸運ですし、本作が人々の共感を呼ぶことにはとても意味がある。驚くほど才能豊かなアネット・ベニング、エル・ファニング、グレタ・ガーウィグ、ビリー・クラダップ、ルーカス・ズマン、そしてたくさんの愛情と知性で、ストーリーとアイデアに命を与えてくれたすべての人々。彼らなしでは私の脚本は完成しなかった。そしてスタッフのみんな!!彼らはストーリーを再現してくれた、私の大切なファミリーです。真の友人であるプロデューサー、そして脚本を信じてくれたアンナプルナとA24がいなければ実現しなかったでしょう」。【作品情報】『20センチュリー・ウーマン』原題:20TH CENTURYWOMEN公開日:2017年6月3日(土)、丸の内ピカデリー/新宿ピカデリーほか全国公開監督:マイク・ミルズ出演:アネット・ベニング、エル・ファニング、グレタ・ガーウィグ、ビリー・クラダップ配給:ロングライド(c)2016 MODERN PEOPLE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.■ストーリー1979年、サンタバーバラ。シングルマザーのドロシア(アネット・ベニング)は、思春期を迎える息子ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)の教育に悩んでいた。ある日ドロシアはルームシェアで暮らすパンクな写真家アビー(グ レタ・ガーウィグ)と、近所に住む幼馴染みで友達以上恋人未満の関係、ジュリー(エル・ファニング)に「複雑な時代を生きるのは難しい。彼を助けてやって」とお願いする。15歳のジェイミーと、彼女たちの特別な夏がはじまった。
2016年12月16日来年1月に決定する第74回ゴールデン・グローブ賞のノミネート発表が12日早朝(現地時間)、ロサンゼルスのビバリー・ヒルトン・ホテルで発表になり、オスカー前哨戦で健闘中の『ラ・ラ・ランド』が最多7部門でノミネートされた。アナ・ケンドリック、ローラ・ダーン、そしてドン・チードルがプレゼンターを務めたノミネーション発表では、『セッション』のデイミアン・チャゼル監督がライアン・ゴズリングとエマ・ストーンを主演に迎えた『ラ・ラ・ランド』が作品賞、監督賞、主演男女優賞をはじめ7部門で候補となり、『ムーンライト』が6部門、『Manchester by the Sea』(原題)が5部門でノミネートされた。映画部門の候補は以下の通り。最優秀作品賞ドラマ部門『Hacksaw Ridge』(原題)『最後の追跡』『Manchester by the Sea』(原題)『LION』(原題)『ムーンライト』ミュージカル・コメディ部門『20th Century Women』(原題)『デッドプール』『マダム・フローレンス夢みるふたり』『ラ・ラ・ランド』『シング・ストリート未来のうた』最優秀男優賞ドラマ部門ケイシー・アフレック(Manchester by the Sea/原題)ジョエル・エドガートン(ラビング)アンドリュー・ガーフィールド(Hacksaw Ridge/原題)ヴィゴ・モーテンセン(はじまりの旅)デンゼル・ワシントン(Fences/原題)ミュージカル/コメディ部門コリン・ファレル(ロブスター)ライアン・ゴズリング(ラ・ラ・ランド)ヒュー・グラント(マダム・フローレンス!夢見るふたり)ジョナ・ヒル(War Dogs/原題)ライアン・レイノルズ(デッドプール)最優秀女優賞ドラマ部門エイミー・アダムス(メッセージ)ジェシカ・チャステイン(Kiss Sloane/原題)イザベル・ユペール(Elle/原題)ルース・ネッガ(ラビング)ナタリー・ポートマン(ジャッキー/ファーストレディ最後の使命)ミュージカル/コメディ部門アネット・ベニング(20th Century Woman/原題)リリー・コリンズ(Rules Don’t Apply/原題)ヘイリー・スタインフェルド(The Edge of Seventeen/原題)エマ・ストーン(ラ・ラ・ランド)メリル・ストリープ(マダム・フローレンス!夢見るふたり)最優秀助演男優賞マハーシャラ・アリ(ムーンライト)ジェフ・ブリッッジス(最後の追跡)サイモン・ヘルバーグ(マダム・フローレンス!夢見るふたり)デヴ・パテル(Lion/原題)アーロン・テイラー・ジョンソン(Nocturnal Animals)最優秀助演女優賞ヴィオラ・デイヴィス(Fences/原題)ナオミ・ハリス(ムーンライト)ニコール・キッドマン(Lion/原題)オクタヴィア・スペンサー(Hidden Figures/原題)ミシェル・ウィリアムズ(Manchester by the Sea/原題)最優秀監督賞デイミアン・チャゼル(ラ・ラ・ランド)トム・フォード(Nocturnal Animals/原題)メル・ギブソン(Hacksaw Ridge/原題)バリー・ジェンキンズ(ムーンライト)ケネス・ロナガン(Manchester by the Sea/原題)最優秀脚本賞デイミアン・チャゼル(ラ・ラ・ランド)トム・フォード(Nocturnal Animals/原題)バリー・ジェンキンズ(ムーンライト)ケネス・ロナガン(Manchester by the Sea/原題)テイラー・シェリダン(最後の追跡)最優秀アニメーション映画賞『Kubo and the Two Strings』(原題)『モアナと伝説の海』『My Life as a Zucchini』(原題)『SING/シング』『ズートピア』最優秀外国語映画賞『Divines(原題)』(フランス)『Elle(原題)』(フランス)『Neruda(原題)』(チリ)『The Salesman(原題)』(イラン/フランス)『Toni Erdmann(原題)』(ドイツ)最優秀作曲賞『ムーンライト』『ラ・ラ・ランド』『メッセージ』『Lion』(原題)『Hidden Figures』(原題)最優秀歌曲賞“Can’t Stop the Feeling!”(Trolls)“City of Stars”(ラ・ラ・ランド)“Faith”(SING/シング)“Gold”(Gold/原題)“How Far I’ll Go”(モアナと伝説の海)ゴールデン・グローブ賞の結果発表は来年1月8日(現地時間)発表になる。(text:Yuki Tominaga)
2016年12月13日インディペンデント・スピリット賞のノミネーションが発表になった。最多ノミネーションは、『Moonlight』と『American Honey』の6部門。作品部門には、この2作品のほかに、『Manchester by the Sea』『ジャッキー』『Chronic』が候補入りした。その他の情報主演男優部門の候補は、ケイシー・アフレック(Manchester by the Sea)、デビッド・ハレウッド(Free in Deed)、ヴィゴ・モーテンセン(Captain Fantastic)、ジェシー・プレモンズ(Other People)、ティム・ロス(Chronic)。主演女優部門の候補は、アネット・ベニング(20th Century Women)、イザベル・ユペール(Elle)、サーシャ・レーン(American Honey)、ルース・ネガ(Loving)、ナタリー・ポートマン(Jackie)。監督部門の候補は、アンドレア・アーノルド(American Honey)、バリー・ジェンキンス(Moonlight)、パブロ・ラレイン(Jackie)、ジェフ・ニコルズ(Loving)、ケリー・リチャード(Certain Women)。今年の賞レースでフロントランナーと考えられている『ラ・ラ・ランド』は、2000万ドル以上の予算がかかっているため、資格外となった。受賞発表はオスカー前日の2月25日。文:猿渡由紀
2016年11月24日ゴッサム・アワードのノミネーションが発表になった。最多の4部門でノミネートされたのは、ケネス・ローナガン監督の『Manchester by the Sea』。今年のサンダンス映画祭でプレミアされ、その後の映画祭でも高い評価を集めてきた作品だ。その他の情報ローナガンは脚本部門でも候補入り。ケイシー・アフレックは男優部門、子役のルーカス・ヘッジスはブレイクスルー俳優部門にノミネートされた。その他の作品部門の候補作は、リチャード・リンクレイターの『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界は僕らの手の中に』、バリー・ジェンキンスの『Moonlight』、ケリー・リチャードの『Certain Women』、ジム・ジャームッシュの『Paterson』。アフレック以外の男優賞候補は、アダム・ドライバー(『Paterson』)、ジェフ・ブリッジス(『Hell or High Water』)、ジョエル・エドガートン(『Loving』)、クレイグ・ロビンソン(『Morris from America』)。女優部門候補は、ケイト・ベッキンセール(『Love and Friendship』)、アネット・ベニング(『20th Century Women』)、イザベル・ユペール(『Elle』)、ルース・ネガ(『Loving』)、ナタリー・ポートマン(『Jackie』)。受賞発表は11月28日。文:猿渡由紀
2016年10月21日アネット・ベニング、ジェイミー・ベル、ヴァネッサ・レッドグローブ、ジュリー・ウォルターズが、『Film Stars Don’t Die in Liverpool』で共演することになった。原作は、英国人俳優ピーター・ターナーのメモワール。物語はオスカー女優グロリア・グラハムの人生の末期に焦点が当てられるようだ。その他の情報グラハムには4度の離婚歴があり、ターナーは彼女の若き愛人だった。1981年、グラハムが末期の乳がんを患っていることを宣告される。その時、グラハムが頼りにしたのがターナーだった。グラハムは57歳で亡くなっている。監督は『ラッキーナンバー7』のポール・マクギガン。製作は『007』シリーズのプロデューサー、バーバラ・ブロッコリ。撮影は今週、リバプールでスタートする。ベニングの次回作は、チェーホフの『かもめ』。共演はシアーシャ・ローナン、エリザベス・モス。ベルの次回作はアクション映画『6 Days』。文:猿渡由紀
2016年06月28日【相談者:30代女性】私の彼は、仕事や私生活において非常にいい加減な性格です。将来のことを考えて少しでも良くしようと努力をしているのですが、なかなかうまくいきません。参考になる映画はありますか?----------みなさん映画は観てますか?恋愛jpで映画のアドバイスを担当しております利根川です。担当といっても映画を勧めるのが僕の仕事で、お悩みと同じような経験をしている映画や1シーンをお勧めし、少しでも答えのヒントになればと思いご紹介させていただきますね。さて、“ダメ男の改善”ですね……。これはね、男も女もですが結局そばにいる人次第 ……なんですけどね。でも、確かに距離が近い分、言うことを聞いてくれない……ということはあるかもしれません。そんなとき、彼が信頼している人がもしそばにいれば、その方に助言をお願いするのが良いと思います。では、ひとつ参考になる映画をご紹介いたします。●『Dearダニー 君へのうた』発売元・販売元/株式会社KADOKAWA価格:3,800円+税発売元・販売元:株式会社KADOKAWA(C) 2015 Danny Collins Productions LLC.●ストーリー絶頂期をとうに過ぎたロックスターが手に入れた、43年前に届くはずだったジョン・レノンからの手紙。その手紙に書かれたメッセージに心動かされ、一度も会ったことのない息子とその家族たちとの絆を取り戻そうとする、音楽と人生の愛に溢れた必涙の感動作。アカデミー賞受賞のアル・パチーノの名演を、数々の名曲が彩る。----------2015年のアメリカ映画で、監督・脚本は『塔の上のラプンツェル』などの脚本もやられていたダン・フォーゲルマン、主演に僕も大好きな名優アル・パチーノ先生。本当に素敵な年の取り方をされていて……カッコイイなぁー。共演にアネット・ベニング、ジェニファー・ガーナー、良い俳優陣が揃ってます。脚色はあるとしても、実話を元にされた映画なんです、凄いですねー。だってさ、ジョン・レノンから手紙 ですよ……、最高過ぎでしょ!そりゃね、人生変わるわ!奇跡のような話でね、あったかくなる映画なんですねー。しかもね、サントラが全編ジョン・レノンなんです。そのシーンに合った名曲が続いているわけです。歌詞を見るとグッと意味が深くなる んですがね……本当の話……僕はねジョン・レノン大好きなんですよ。義務教育時代からひたすら聴いて生きてきたから、映画見ながら全然関係ないところで涙ぐんでました(笑)。まぁ、それは置いておいて、そんな人生が変わった彼のちょいちょい素敵な名言をご紹介しましょう。●『Dearダニー』元ダメ男名言(1)~ダニー~**********ジェニファー:「なんで来たの?」ダニー:「人生を変えようと思って……遅すぎないとそう願ってる」**********●『Dearダニー』元ダメ男名言(2)~ダニー〜**********ダニー:「愛してるよメアリー……今のは、業界用語で気に入ってるって意味だよ」**********●『Dearダニー』元ダメ男名言(3)~ダニー~**********メアリー:「あなたの諦めないとこが好き」ダニー:「頑張る価値があるから」**********----------いかがでしたでしょうか。ダメ男を変えたのは、彼が唯一崇拝していたジョン・レノンの手紙でした。自分を変えるのにこれ以上の理由はないわけです。男ってプライドの生き物なんですね、前にも言ったかもしれないけど。理屈でなんか絶対屈服したくないわけです。特にパートナーの理屈はね(笑)。合っていても、嫌なんですね。プライド的にね。そこに込める思い(理由づけ)がないと、自分を曲げる着地点になんてならない わけです。でも、そばに尊敬するような方がいればね、意外と素直に聞くわけです。待ってましたくらいにね。理屈がわかっていないわけではないのでね、めんどくさい生き物ですねー(笑)。彼が尊敬する方がそばにいれば、その人を使うのが一番早いですね。いないとなると……彼の着地点(理由づけ)を一緒に作ってあげてくださいな。最後にね、今回のキーになるジョン・レノンの名手紙で締めましょうか。素敵過ぎでしょ。●ジョン・レノンからの手紙**********ジョン:「ダニー・コリンズ君、ヨーコと記事を読んだよ。金持ちで有名になることで、君の音楽は堕落しない。堕落させるのは君自身。君はどう考えるかな、ダニー?音楽と自分自身に忠実であれ。ジョンより」**********あとは映画観て笑って、泣いて、感じて、きっとヒントがあると思いますよ。ハッピーエンド目指して……。現実は映画よりも映画っぽい。利根川でした。●ライター/利根川建一(映画専門家)
2016年05月18日エル・ファニングとアネット・ベニングが『20th Century Women』に出演することになった。舞台は1979年のサンタバーバラ。ティーンエイジャーの息子をもつ母親が、子育てのために、ふたりの女性からアドバイスをもらおうとするという物語らしい。ベニングは母親、ファニングは、息子の友達を演じる。監督は『人生はビギナーズ』のマイク・ミルズ。脚本もミルズが書き下ろした。撮影は今年後半、南カリフォルニアでスタートする予定。ファニングの次回作は、ナオミ・ワッツ、スーザン・サランドン共演のコメディ『Three Generations』と、ブライアン・クランストン共演の伝記映画『Trumbo』で、いずれも年内に北米公開される。ベニングは、最近、夫ウォーレン・ビーティが監督するタイトル未定の作品を撮り終えている。文:猿渡由紀
2015年05月15日『アーティスト』のミシェル・アザナヴィシウス監督が、“いま”だからこそ描く映画『あの日の声を探して』。本作の舞台となったチェチェン紛争を描くにあたり、主人公の“声を失った”少年・ハジを演じたのは、オーディションで選ばれたチェチェン出身の10歳のアブドゥル・カリム。このほど、映画を観た者ならば誰もがその魂を揺さぶられる、彼の力強いダンスシーンがシネマカフェに到着した。いまこの瞬間も世界のどこかで起きている戦争と、多くのものを失った者たちの悲しみや苦しみを、子どもの目線から見事に描くミシェル監督の渾身の一作といえる本作。アカデミー賞「助演女優賞」ノミネート、カンヌ国際映画祭「主演女優賞」受賞のベレニス・ベジョがミシェル監督と再タッグ、『アメリカン・ビューティー』などでアカデミー賞ノミネートのアネット・ベニングという実力派女優が揃う中、アブドゥル・カリムは目の前で両親を亡くし、失意の中で声までも失いながらも、生きることは決してあきらめないチェチェンの少年を感情豊かに堂々と演じきっている。このほど、少年ハジが見せる圧巻のダンスシーンの本編映像が到着。両親を亡くし、姉とも乳飲み子の弟とも離ればなれになり、ひとり彷徨う少年ハジに手を差し伸べた、EU職員の女性キャロル(ベレニス・ベジョ)。最初は心を閉ざしていたハジは、キャロルと暮らしを共にしていくうちに、少しずつ心を開いていく。あるとき、キャロルが忘れ物に気づき自宅に戻ろうとすると、そこにはハジが「ビージーズ」の「You Should Be Dancing」をかけながら、ひとり、力強く踊る姿が。キャロルは何も言わず、そんな彼を見守っている。チェチェン民族は幼いころから皆、踊りに親しんでいる民族であり、踊りは過酷な状況下で救いの術となるもの。ハジにとってこの踊りこそが、自分の感情を解き放つ瞬間であり、その姿は生命のきらめきと力強さを感じさせ、見る者の心を揺さぶっていく。ミシェル監督はこのシーンについて、「トラウマを受けた子どもたちが、自分で表現方法を生み出していくということはとても大事。ハジにとってそれはダンスだった。こういった子たちがアーティストや芸術家になることも多い。そのステップが描かれる重要なシーンです。また、彼が踊るのはチェチェンの民族舞踊なのですが、僕はチェチェン人なのだという意思も感じさせるシーンとなっています」と語っている。一方、ハジを演じたアブドゥルは、チェチェン生まれではあるが、実はダンスは初めての体験だったそう。幼い彼にとってはダンスの練習が大変だったことが、撮影で最も記憶に残っていると明かしている。とても初挑戦とは思えない、キレキレのダンスで自分の思いを雄弁に語るシーンを、まずはこちらからご覧あれ。『あの日の声を探して』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:あの日の声を探して 2015年4月24日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開(C) La Petite Reine / La Classe Américaine / Roger Arpajou
2015年05月06日『アーティスト』でオスカーを獲得したミシェル・アザナヴィシウス監督が、長年温め、どうしても描きたかったと明かしている映画『あの日の声を探して』が、本日4月24日(金)より公開となる。いまも、世界のどこかで起きている戦争を子どもの目線から切り取ったミシェル監督の渾身の一作には、ひと足早く本作を鑑賞した著名人を始め、一般の観客の多くからも感動のコメントが続々。中でも、日本映画界が誇る山田洋次、大林宣彦という2人の巨匠が絶賛の声を寄せていることが分かった。ミシェル監督は本作で、『アーティスト』でアカデミー賞「助演女優賞」にノミネートされたフランスの実力派女優ベレニス・ベジョと再タッグ。同じく『アメリカン・ビューティー』などでアカデミー賞ノミネート経験のあるアネット・ベニングも参加する中、主人公の少年・ハジには、チェチェン出身の10歳の少年をオーディションから選出。演技も初挑戦となったアブドゥル・カリム・ママツイエフくんは、戦争で両親を亡くし、失意の中で声までも失いながら、生きることは決してあきらめない、切なくもピュアな少年を堂々と熱演した。本作をいち早く鑑賞した山田監督は、『男はつらいよ』シリーズ終了後20年ぶりとなる“家族”の喜劇映画『家族はつらいよ』の公開が控えているが、「戦争はかくも残酷であり、人と人との絆はかくも真実だということを、鮮やかに描き出した文句なしの傑作」とコメント。また、『この空の花長岡花火物語』『野のなななのか』などで3.11や戦争の傷跡を描いてきた大林監督は、「戦争を記憶し、伝えるためにこそ、映画は発明された。人間が人間らしく生きるための切実な“糧”だ。必見!」と、その熱い想いを言葉にした。さらに、試写会に参加した観客たちからも高い評価を得ている。本作に対する満足度を聞いてみると、80%以上の人が高い満足度を示し、中には「200%」と答える観客もいたほど。「いま、見るべき、知るべき映画。見てよかった」(30歳・女性)、「胸につきささる映画でした。ハジの泣きそうな笑顔が忘れられない」(50歳・女性)、「映画の力を信じている監督の作家としての姿勢が素晴らしい」(49歳・男性)、「戦争映画は好きではないけれど、これは本当に素晴らしい映画でした」(38歳・女性)と、アブドゥルくんや監督に対しても絶賛のコメントが多く寄せられた。ミシェル監督は、「ニュース番組で映る悲惨な状況に陥っている人たちの姿は虚像のようで無力感を感じる。だから映画でそれに実像を与えたかった。無関心でいることはいくらでもできる。しかし、戦争を引き起こす引き金は無関心でもあると思う。だからまずは関心をもつことが世の中と意識を変える第一歩なのではないか」と語っている。その想いに呼応するように「感動しました。無関心は罪だと感じました。」(26歳・女性)、「テレビの中の世界と思いがちな戦争や紛争。現実にあることを決して忘れてはいけない」(64歳・女性)、「これが現実社会で起こっていること。目をそむけてはいけない」(38歳・男性)、「戦争は人生を変える」(41歳・女性)など、本作から“戦争”がより“自分事”となったという声も上がっている。クリント・イーストウッド監督『アメリカン・スナイパー』が本国だけでなく、日本でも大ヒットを記録し、イスラム国(IS)による日本人人質事件やチュニジアで起こった襲撃事件など、日本でも対テロや“戦争”が問題となっている昨今。ミシェル監督が、「この映画が、人々の胸を打つ、苦しんでいる人に対して他人事ではなく共感を寄せる映画であってほしいと願っています」と明かしているように、本作に込めた想いを劇場でも受け取ってみてほしい。『あの日の声を探して』はTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:あの日の声を探して 2015年4月24日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開(C) La Petite Reine / La Classe Américaine / Roger Arpajou
2015年04月24日CG全盛の現代に、白黒無声映画『アーティスト』でアカデミー賞「作品賞」「監督賞」ほか5冠を獲得したミシェル・アザナヴィシウス監督の最新作『あの日の声を探して』が、いよいよ4月24日(金)より公開となる。本作で重要な役どころを演じ、人間味あふれる貫禄ある演技を見せるハリウッドの実力派女優アネット・ベニングに注目した。ミシェル監督が、1948年にアカデミー賞4部門ノミネートされたフレッド・ジンネマン監督『山河遥かなり』から着想を得て、公私にわたるパートナーであるフランス女優ベレニス・ベジョと再タッグを組んだ本作。紛争の中で両親を亡くし、失意の底で声までを失ってしまう主人公の少年ハジには、オーディションで選ばれた素人のチェチェンの少年が抜擢され、生きることを決してあきらめない、ピュアな少年を堂々と演じきっている。全編手持ちカメラで、チェチェンに隣接するグルジアロケを敢行し、徹底したリアリティを追求した本作で、孤児院の院長として迷える者たちの心をつなぐヘレン役を演じているのが、『キッズ・オールライト』での「主演女優賞」ノミネートを始めアカデミー賞4度のノミネートを誇るアネット・ベニングだ。プライベートでも積極的に政治活動を行っているアネットは、本作に挑むにあたり、チェチェン紛争やそれをとりまく現状に関して、膨大なリサーチを行ったそうで、「信念を持った女性を演じるのは楽しかったわ」と語る。また、「『アーティスト』は素晴らしい映画ね。その監督がこんなに難しい映画を準備していると聞いて、とても感銘を受けたわ。こんな企画に身を投じるなんて、ミシェルは勇敢よ」と、ミシェル監督を絶賛。続けて、「ベレニス(・ベジョ)も同じね。2人はプロ意識が高いけど、私と同じで、楽しむのも好きなのよ。彼らは人生を愛し、世界に関心を持っている。私も同じよ。一緒に素晴らしい時間を過ごせた。こんな重要な映画に出られたことを本当にうれしく思うわ」と語り、監督&主演女優のタッグに敬意を示した。一方、ミシェル監督もアネットについて、「彼女はヘレンという人物に役以上のものをもたらしてくれた。彼女は一流の女優であるだけでなく、スターだ。女性の地位について責任ある描き方をしたいと思っていたので、彼女と一緒にそれができてうれしかった」と絶賛。また、ベレニスも、「アネットが現場に現れると、一気に本物の映画セットらしくなったわ。俳優は皆、忍耐力を発揮し、いろいろ試したり、監督の指示や相手役に応じて調整を図ったりするようになったり、突然、現場がスムーズに動き始めたの」と撮影の様子をふり返りながら、「あれこそアメリカ人のパワーね。撮影現場に遊びに来た友達みたいで、誰の邪魔もせず、1日も早くチームに溶け込もうとしていたわ。準備も万全だった」と続ける。「彼女は膨大な量の書籍を読み、たくさんのドキュメンタリーを見ていたのよ。それは皆をびっくりさせるほどだった。とても感心したわ。彼女は主題をよく理解していたわね。この映画に参加できることを誇りに思ってくれていると感じたわ。誰もが彼女の魅力に圧倒された。素晴らしい人だし、共演できて誇らしかったわ」と語り、社会にも一石を投じた本作に対するアネットの尽力と存在感を称えた。劇中では、誰にでも手を差し伸べる聖女のような人物でなく、むしろ過酷な現状に疲れ果てた人間らしい一面を持った人物・ヘレンを、リアルさと説得力をもって演じるアネット・ベニング。その貫禄の演技は、スクリーンで確かめてみて。『あの日の声を探して』は4月24日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:あの日の声を探して 2015年4月24日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開(C) La Petite Reine / La Classe Américaine / Roger Arpajou
2015年04月13日2011年、現代に古き良き白黒無声映画を蘇らせた『アーティスト』でアカデミー賞「作品賞」「監督賞」ほか全5部門を受賞し、その比類なき才能を全世界に知らしめたミシェル・アザナヴィシウス監督。彼が公私にわたるパートナーである『アーティスト』『ある過去の行方』のペレニス・ベジョと再タッグを組んだ最新作『THE SEARCH』(原題)が、『あの日の声を探して』として4月24日(金)より日本公開されることが決定。公開に先立ち、3月18日(水)、19日(木)にミシェル監督が3年ぶりに来日することも発表された。1999年、ロシアに侵攻されるチェチェン。両親を殺され、声を失った9歳の少年ハジ。たったひとりで放浪する彼は、ある日、EU職員のキャロル(ペレニス・ベジョ)に拾われる。上げるべき声を失った彼が伝えたかったこととは?彼は生き別れた姉弟と再び会うことはできるのか…?ミシェル監督が、1946年にアカデミー賞4部門ノミネートされたフレッド・ジンネマン監督作『山河遥かなり』から着想を得て製作した本作は、『アーティスト』で新進女優役を好演しアカデミー賞「助演女優賞」ノミネートなど高い評価を受けた、実力派女優の妻ベレニスと再タッグ。さらに、『キッズ・オールライト』などでアカデミー賞ノミネートのアネット・ベニングなど実力派が揃う中、主人公の少年ハジには、オーディションから演技未経験のチェチェンの少年を抜擢。両親を亡くし、失意の中で声までも失いながらも、生きることを決してあきらめない切なくもピュアな少年をみずみずしく、堂々と演じきっている今回、幼い子どもが自分よりも幼い子を抱きかかえる儚げな姿と共にみせる、力強い眼差しが印象的なポスタービジュアルも、併せて到着。全編手持ちカメラでグルジアロケを敢行し、徹底したリアリティを追求しただけに、「私が監督として立ちたい場所にある作品」という監督の力強い意思が感じられる、魂をゆさぶる感動作を創りあげている。『あの日の声を探して』は4月24日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年02月03日映画『アーティスト』のミシェル・アザナヴィシウス監督の新作『あの日の声を探して』が4月24日(金)より公開されることが決定し、ポスタービジュアルが発表された。アザナヴィシウス監督は、映画公開に合わせて、3月18日(水)と19日(木)に来日する。その他の画像本作は、アザナヴィシウス監督が、1946年にアカデミー賞4部門にノミネートされた名作『山河遥かなり』から着想を得て製作した人間ドラマで、1999年、ロシアに侵攻されるチェチェンを舞台に、両親を殺され、声を失った9歳の少年ハジが辿る運命を描く。「私が監督として立ちたい場所にある作品」とアザナヴィシウス監督が語る本作は、グルジアでのロケを敢行し、全編手持ちカメラを用いて、徹底的にリアリティを追求した作品になっているという。オーディションで選ばれた素人のチェチェンの少年が主人公ハジを演じ、『アーティスト』のベレニス・ベジョ、『キッズ・オールライト』のアネット・ベニングら実力派俳優が脇を固めている。『あの日の声を探して』4月24日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国順次公開
2015年02月03日『キッズ・オールライト』『アメリカン・ビューティー』のアネット・ベニング、『スノーピアサー』『めぐりあう時間たち』のエド・ハリス、そして今年8月に突然この世を去ったロビン・ウィリアムズが共演を果たした大人のラブストーリー『フェイス・オブ・ライフ』。このたび、2015年2月7日(土)に日本公開が決定し、予告編が解禁となった。30年間連れ添った最愛の夫ギャレット(エド・ハリス)を、突然の事故で亡くしたニッキー(アネット・ベニング)。同じく伴侶を亡くした友人ロジャー(ロビン・ウィリアムズ)と、喪失感について語り合い、互いを慰め合って、なんとか時をやり過ごしてきた。だが、人生最悪の日から5年経ったある日、夫婦で通った思い出の美術館で、夫とそっくりな男性トム(エド・ハリス 二役)と出会う。ニッキーは忘れていた恋の予感に胸を躍らせるが、無意識のうちに夫の面影をトムに重ねていた。失った時間を取り戻すかのように、新しい恋に夢中になるが――。主演は共にアカデミー賞に4度ノミネートを誇る、名優エド・ハリスとアネット・ベニング。長いキャリアを持つふたりだが、意外にも共演は今回が初めて。本作でベニングは、深い悲しみに沈む妻、新しい恋に心躍らせる女、娘のグチを聞く母と、さまざまな顔を見せる。一方のハリスも、一人二役に挑戦。幸せな結婚生活を送り、建築家として成功した自信あふれるギャレットと、離婚をきっかけに絵を描くことをやめた、繊細で心優しいアーティストのトムを見事に演じ分けている。また、今年8月に他界したロビン・ウィリアムズの出演も見逃せない。ニッキーの友人として冗談をいいながら、密かに彼女を想うロジャーを好演。彼のやさしい眼差しをスクリーンで見届けたい。監督、脚本は、監督デビュー作『The Chumscrubber』(原題)でモスクワ国際映画祭観客賞を受賞したアリー・ポジン。本作は、彼の母親が亡くなった父親そっくりな男性を町で見かけたという実話を基にしている。恋の喜びや愛する人を失った悲しみを理解できるのは、さまざまな経験を重ねてきた大人だからこそ。名優3人が織り成すアンサンブルは、“もしも…”から生まれた不思議でリアルな大人のためのラブストーリー。人生に迷った大人がやっと見つけた恋の結末は?年を重ね臆病になってしまったけど、心のどこかでまた恋がしたいと思っている人は、まずはこちらの予告編をご覧あれ。『フェイス・オブ・ラブ』は2015年2月7日(土)より有楽町スバル座、シネマート新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年12月03日【相談者:20代男性】付き合って1年経つ彼女がいます。うまくいっているのですが、彼女はとても自由で自分勝手で、なかなか僕の想いが伝わっていないんじゃないかと最近不安です。どうすればいいでしょうか?*****みなさん映画は観てますか?恋愛jpで映画のアドバイスを担当しております利根川です。担当といっても映画を薦めるのが僕の仕事で、お悩みと同じような経験をしている映画や1シーンをお勧めし、少しでも答えのヒントになればと思いご紹介させていただきますね。ご質問ですが、自由気ままな彼女さんなんですね、素晴らしいことだと思いますよ。でも、自分に振り向いてくれないのは確かに寂しいですね。付き合っているとはいえ……ね。それでは、そんなあなたにとっておきの映画を1本ご紹介いたしますね。●『ルビー・スパークス』発売元/20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン2012年アメリカの、フランスっぽい映画ですね。監督は、ジョナサン・デイトンとヴァレリー・ファリスの夫婦監督、この2人は『リトル・ミス・サンシャイン』なんかもやってましたね。この監督好きな映画ファンの方々多いんじゃないですか、少し独特なんですよ。出演はポール・ダノ(カルヴィン役)、そしてゾーイ・カザン(ルビー役)。ちなみにゾーイ・カザンは、この映画の脚本も描いてますね。両親共に脚本家で、おじいちゃんは監督、映画にどっぷり染まった家庭で育ったら本人は脚本も描いちゃうし、女優もやっちゃった……という感じのようで(笑)。ちなみにこのおじいちゃん、名作『欲望という名の電車』とか『エデンの東』なんかつくった凄い監督さんです。「絶望という名の地下鉄」じゃないよ。脇役も豪華ですよ、いったいどこにいたのかアントニオ・バンデラス、相変わらず濃いですね。アネット・ベニング、スティーヴ・クーガンなどなど。●ストーリーちょいとラブストーリ&ファンタジーなんですね。でも恋愛のテキストとしては、世の男性諸君よく見ておいてください。カルヴィン、天才作家として華々しくデビュー → そしてスランプ!なんとか抜け出そうと、理想の女の子「ルビー・スパークス」を主人公にした小説をかきはじめたところ……、朝起きたらルビー本物が家に出現!WHY?タイプライターを叩いて、思い通りの女の子へ。「どんどん自分の理想に近づけようとする彼と、彼の理想の近づいていく彼女」、これ以上ない程幸せに暮らす2人だったが……そんな感じの話ですね。タイプライターで叩くと、どんどん思い通りにルビーが変わるんですよ。「(微調整)フランス語しゃべれるルビー」とか打つと、フランス語しゃべれるようになってるし。簡単に云うとね、タイプライターで思い通りの彼女を作れるわけです!おめでとう~!●ルビー・スパークスのプロフィールオハイオ州出身デイトン出身の26歳。初恋はH・ボガード、J・レノン(※すでに死んでると聞いて泣いた)。教師と寝て退学になった、美術かスペイン語の。運転免許もPCも持ってない。ミドルネームが大嫌いで、いつも弱者を応援する。日常的なことが苦手で、請求書の開封も忘れる。元彼は49歳、その前はアルコール依存症。変化があると感じてる探している……新しい何かを。さて、本来のルビーはあんな性格ですが、ではカルヴィンの方は?こんな不思議な恋がうまくいくのかどうか……、このまま2人の恋を時系列で。●カルヴィンとルビー恋の時系列※(微調整)はカルヴィンが打ったタイプライターの文。【1】出会った当初、このままのルビーでいて欲しい……という想いでタイプライターを封印・カルヴィン以外の世界を知り、自由気まま(ルビー本来)に遊びだす。【2】タイプライターの封印を解き、ルビーの性格を調整【3】(微調整)『カルヴィンなしではルビーは生きていけない』・食事中も手を握って離さない・目をみないと泣き出してします・一緒に寝ている時もトイレすらいかせてもらえない・どこに行くのもついてくる・車を運転していてもくっついたまま・電話に出るため手を離したら……泣き出す【4】(微調整)『ルビーは楽しくはしゃいだ』・毎日、常にテンション高め、楽しそうなルビー・会話にならないカルヴィン:「旅に出ようと思う一人で、遠いところに……」ルビー:「手紙ちょうだいね(笑)。手紙大好き」カルヴィン:「やっぱ家に引きこもってもいいや」ルビー:「なら枕で砦作りましょ(笑)」【5】(微調整)『感情のおもむくままに喜んだり悲しんだり』・外出予定があるのにTVに夢中でケンカ・お洒落な男性に口説かれ、ちょっと悪乗りルビー:「あなたって本当に堅物ね」カルヴィン:「他の男と下着姿でプールにいたろ!(※悪乗り)」ルビー:「あなたが私を束縛するから!勝手にルールを決めて私が1つでも破ると私に失望する」カルヴィン:「僕のルールを知りたい?他の男をその気にさせるな」ルビー:「それって私の責任?」カルヴィン:「君が色目を使えば男はその気になる」ルビー:「あなたの思い通りになんてならない(出て行こうとするルビー)」カルヴィン:「どうかな……」【6】ルビーにタイプライターで調整できることを見せ付ける(独占欲一挙公開!)・逃げ出そうとするルビー・タイプライターを使って部屋から出さないカルヴィン・泣き出すルビー【7】ルビーを失ったと初めて気づくカルヴィン・部屋から逃げるルビー【8】(微調整)『ルビーは家を出るとすぐ過去から解放された、彼女は自由になった』*****いかがでしたでしょうか。完璧な彼女を作ろうとした彼と、彼が望む彼女に(勝手に)なってしまう恋人のお話ですね。自分の思い通りに彼女を調整しようとするほど、恋愛ではなくなっていってしまうんですね。要注意ですよ!【8】で、初めて本当の恋をカルヴィンはしたのかもしれませんね。でもね、このあとの結末が良いんですよ、このまま終わるわけないじゃないですか。カルヴィンはね、なんとタイプライターからMacのPCに機種変しました(笑)。おめでとう~!ま、そもそもなぜタイプライター選んだのか買うところから見たかったけどね。「コレください……」って。そしてね、再会するわけです、ルビーにね。堅物タイプライターからMacに変わった彼はどうなるんでしょうかね。最後に、監督達は夫婦なんですが、実はこのカルヴィンとルビーも、そもそもリアルに付き合ってます。余談ですが(笑)。ん?前にも書いた気が……。あとは映画観て笑って、泣いて、感じて、きっとヒントがあると思いますよ。ハッピーエンド目指して……。現実は映画よりも映画っぽい。利根川でした。(ライタープロフィール)利根川建一(映画専門家)/映画アドバイザー。TV番組編集の仕事を経て株式会社MMCにて年間2000件以上の映画祭・映画会・上映会の作品アドバイスや映像についての業務に約10年間に渡り、携わっている。現在は映画好きのための映画ではなく、映画祭や上映会を成功させるために、様々な人が共感できる映画を観る視点・用途・テーマに合わせたアドバイスを行う。「映画で人が豊かになれば」という思いで日々尽力している。
2013年05月16日『リトル・ミス・サンシャイン』(’06)で世界中を熱狂させたジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス監督による6年ぶりの新作『ルビー・スパークス』がこの冬、日本でも公開となる。そしてこのたび、本作のとびきりキュートな予告編がどこよりも早くシネマカフェに到着した。天才作家として華々しくデビューしながら、その後10年もの間スランプに陥っているカルヴィン。極度の低迷期を脱するため、夢で見た素敵な女の子“ルビー・スパークス”を主人公にした小説を書き始める彼の前に、現実となったルビーが現れる。タイプライターを叩いて、思い通りの女の子を作り上げるカルヴィンと、彼の手でますます魅力的になっていくルビー。フィクションと現実を行き来するロマンティックな恋が描かれる。類稀な才能をもちつつ、あれこれ思い悩み前に進むことができない主人公・カルヴィンを演じるのは、『リトル・ミス・サンシャイン』、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』で卓越した演技を見せた若手屈指の実力派ポール・ダノ。そして、カルヴィンを翻弄するキュートな“彼の創作物”ルビーを、現在製作中の『The F Word』(原題)でダニエル・ラドクリフの相手役の座を見事掴みとった期待のニューカマー、ゾーイ・カザンが演じる。実はポールとゾーイは、プライベートでもセレブ・カップルとして注目を集める2人。本作で脚本を執筆したゾーイは、シナリオを書きながら、恋人であるポールに内容を話すようになり、次第に2人はお互いを主人公とその相手として考えるようになっていったそう。このことは撮影の際にも重要なポイントとなったようで、ファリス監督からは「出会いや初めてのキスなど、2人は実際に自分たちが経験したことを、今回の役柄でシェアしてくれたの」とロマンチックなエピソードが明かしている。カルヴィンの破天荒な母親・ガートルード役を『キッズ・オールライト』でアカデミー賞にノミネートされたアネット・ベニング、その恋人でスピリチュアルな生き方を志向する自由人・モート役をアントニオ・バンデラスが演じるなど腕利きの俳優たちが集結した本作。今回公開となった予告編では、突如現れたルビーにカルヴィンが翻弄されていくさまが描かれているが、これだけでもそのポップでガーリーな世界観、そしてルビーという女の子の魅力は十二分に伝わってくるはず。カルヴィンはルビーを思いのままに書きかえることができるのだが、決して思い通りにならないのが恋のゆくえ。果たして、カルヴィンは恋の奇跡を起こすことができるのか?ちょっぴり風変わりで、切なくもロマンチックなラブストーリーをまずはこちらの予告編からチェックしてみて。『ルビー・スパークス』は12月15日(土)よりシネクイントにて公開。※こちらの予告編映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:リトル・ミス・サンシャイン 2006年12月23日よりシネクイントほかにて公開TM & ©2006 Twentieth Centry Fox. All rights reserved.ルビー・スパークス 2012年12月15日よりシネクイントにて公開© 2012 Twentieth Century Fox
2012年10月09日今年4月に日本公開されたゴールデングローブ受賞作『キッズ・オールライト』が、劇場では公開が叶わなかった“オリジナルバージョン”で11月25日(金)にDVD発売されることが決定した。その他の写真本作は、女性同士のカップルとその子どもたち、そして彼らの父親を主人公に、家族内に起こる様々ま出来事と人生の機微をコミカルに描いた人間ドラマ。ジュリアン・ムーア、アネット・ベニング、マーク・ラファロら米映画界を代表する演技派俳優たちが絶妙なアンサンブルを見せるほか、『アリス・イン・ワンダーランド』のミア・ワシコウスカ、『ダレン・シャン』のジョシュ・ハッチャーソンら注目の若手キャストの出演も話題を呼び、ゴールデングローブ賞では作品賞を受賞。さらにアカデミー賞、NY映画評論家協会賞など各国の映画賞でノミネート/受賞を果たした。本作は今春に日本でも公開されたが、一部のシーンを映倫が問題視したことから交渉を重ねた後にやむをえずカットして公開した。しかし、本作は同性愛や新しいカタチの家族をモチーフに、いつの時代も変わらない人間の愛情や家族の関係を真摯に描いた作品で、問題となったシーンも煽情的な効果や話題作りを狙った場面ではなかった。それだけに今回のDVD化で公開時にカットされた場面を含む“オリジナルそのまま”のバージョンを観賞できるのは、映画ファンにとって朗報といえるのではないだろうか。DVD『キッズ・オールライト〈オリジナルバージョン〉』11月25日(金) セル・レンタル同時リリースセル 3990円(税込)発売・販売元:アミューズソフト(C) 2010 TKA Alright, LLC All Rights Reserved.
2011年08月26日アカデミー賞各賞が決定しました。やはり、『英国王のスピーチ』は堅かったですね。主要4部門を、さらりと獲ってしまいました。個人的には、「ナタリー・ポートマンが獲ってよかったな」、「やっぱり『ブラック・スワン』は好き嫌いが激しいのかな」というのが感想。まだ、アカデミー賞ノミネート作品を観ていない映画ファンの方々は、今後どんな感想を持つのでしょうか。さて、受賞者たちの話はさておき、ここでは恒例のファッション・チェックをしていきましょう。敏腕スタイリストたちの活躍により、年々、オスカーのファッションは洗練されてきていて、かつてのように、多くの俳優たちが“ワースト・ドレッサー”に名を連ねることもなくなりました。演技している姿よりも、本人の方が素敵。やはり、そう言われたいはずですしね。でも、話題としては、少し不思議な姿をしているセレブの方が、盛り上がるのですけれど。それにしても、受賞者たちというのは、“獲りそうな雰囲気”というのを、受賞前から醸し出しているものですね。有力と言われても、受賞してみるまでは分からないのが賞というもの。演技を評価し、アカデミーの好み、受賞者の傾向、社会背景などを考えながら、毎年いろいろな人がオスカーの行方を予想するのですが、そんなことはさて置き、今回、その姿を見た途端に「これは獲るな」と確信したのが、メリッサ・レオとナタリー・ポートマンでした。メリッサ(右上)は、白い総レース×ゴールドのフルレングスドレス。胸元に深く切れ込みが入り、前スリットもかなりしっかりと入ったもので、どう見ても堂々たる淑女。その風格で、他の候補者を圧倒しているように見えました。彼女は2度目のオスカーノミネートですが、いずれの役もいわゆる社会の底辺にいる白人女性の役。前回の『フローズン・リバー』では生活に困り、犯罪に手を染める女性で、今回の『ザ・ファイター』では、ボクサー兄弟のヒステリックな母親を演じていました。いずれも、授賞式に登場した彼女とは別世界に住む人々。スクリーンのあの人が、本当にこの人なの?と目を疑うほどの変身ぶりでした。その変身ぶりは、前回の授賞式でも見てはいましたが、今回はケタが違いました。すでに授賞式経験者だからなのかもしれませんが。単にキラキラしているというのとは違う。勝者のオーラとでも言いましょうか、どこかがほかの美女たちと違うのです。本人も、結果を知らないはずなのに不思議ですね。でも、授賞式でうっかり“Fワード”を言ってしまうあたりに、ひと味違うレディぶりが伺えて面白かったです。もうひとつの例は、ナタリー・ポートマン。どちらかと言えば、地味にさえ思えるパープルのドレスを選んだ彼女。オフショルダーで肌を見せたデザイン、胸元にあしらわれたビジューやたっぷりとしたドレープ、フルレングスの丈がフォーマルな雰囲気を醸し出していますが、上半身だけ見る限りでは、ちょっとしたおしゃれ着としていけそうなほど、ドレス自体に肩の力の抜けた雰囲気がありました。ところが、彼女の姿を見てすぐに受賞の予感が。『ブラック・スワン』で出会った振付師との第一子を懐妊したことで、すでに“大賞受賞”級の喜びがあったわけですから、勝者の風格があったのも当然なのでしょうか。ライバルにアネット・ベニング(スパンコールたっぷりのドレスを着用)、ニコール・キッドマン(白い肌×白いドレスで決めたおしゃれ番長)がいたにも関わらずですから、やはり気のせいではないでしょう。それにしても、妊婦さんというのは、ことのほか美しいですね。個人的には、レッドカーペットに映える色の方が良かったし、パープル以外に彼女の肌により似合う色があったと思うのですが、この際、最上級のおめでた続きで、ドレスの色のことなど、どうでも良さそうです。そういえば、かつてグウィネス・パルトローやケイト・ブランシェット、サンドラ・ブロックが受賞したときも、そんな予感を覚えましたから、まんざら、単なる偶然というわけでもなさそうです。さて、来年はドレス姿からの受賞予想はどうなるでしょうか。授賞式には、数々の美男美女が登場しましたが、やはりこういう華やかな場では男性はあくまでも引き立て役。女性の私ですら、女優ばかりに目が行きます。ホストであるアン・ハサウェイのお色直しの回数の多さも驚きでしたし、次々に登場するプレゼンターのばっちり決まった姿も眼福でした。ヒラリー・スワンク、ケイト・ブランシェット、スカーレット・ヨハンソン、リース・ウィザースプーン…。そんな中で、お気に入りを見つけました。それは、ミラ・クニスのファッション。『ブラック・スワン』で官能的な演技を見せた彼女ですが、グラマラスなイメージを保持しつつ、エレガントにラベンダーカラーのドレスを着こなしていました。他の誰よりも、モード感たっぷり。ちょっとランジェリーを思わせるデリケートなレース使いと、美しいドレープのドレスは、女優ならではのアイテムでした。同じパープル系でも、共演者のナタリーの選んだ色と比べると、格段に洗練された雰囲気が。おバカTVコメディ「アシュトン・カッチャーの70’sショー」への出演(個人的には好きですけれど)や、マコーレー・カルキンとの長いお付き合いは、すでに過去のもの…。「アシュトン・カッチャーの70’sショー」でのジャッキー役が嘘のように、いまは妖艶な27歳に。妖艶な美貌のみならず、そのファッションセンスでも注目を集めていますが、今後は、女優としてもトレンドセッターとしても、磨きがかかっていくことでしょう。来年は、どんな顔ぶれが登場し、どんなファッションを披露してくれるのか、早くも楽しみです!(text:June Makiguchi)特集 2011アカデミー賞 Vejar / © A.M.P.A.S.Darren Decker / © A.M.P.A.S.■関連作品:ブラック・スワン 2011年5月13日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2010 Twentieth Century Fox.フローズン・リバー 2010年1月30日よりシネマライズほか全国順次公開ザ・ファイター 2011年3月26日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 RELATIVITY MEDIA. ALL RIGHTS RESERVED.■関連記事:『ナルニア』初登場1位!オスカー4冠『英国王のスピーチ』も異例の大ヒットスタートN・ポートマンディオールデザイナー、J・ガリアーノの人種差別発言に嫌悪感を表明【オスカー総括】『英国王…』が横綱相撲30〜40代監督席巻で世代交代の波?【アカデミー賞】レッドカーペットファッションチェック!〜ホワイト編〜【アカデミー賞】レッドカーペットファッションチェック!〜レッド&パープル編〜
2011年03月02日『英国王のスピーチ』が作品賞をはじめとする4冠に輝き幕を閉じた第83回アカデミー賞。『英国王のスピーチ』と『ソーシャル・ネットワーク』の一騎打ちが注目を集めたが、終わってみれば主要部門での直接対決を制し、『英国王のスピーチ』が賞レース全体で見ても“横綱相撲”を見せた格好。昨年はキャサリン・ビグローが女性として初めて監督賞を受賞したことが話題となったが、今年の受賞者および候補作を眺めてみると、ハリウッドの新たな波が浮かびあがってくる?まずは主要各部門をふり返り!俳優部門では助演男優賞、女優賞をクリスチャン・ベイル&メリッサ・レオの『ザ・ファイター』の2人が獲得。ちなみに2人の実際の年齢差は13歳なのだが、劇中では2人は母と息子という間柄を演じており、見事“母子”受賞を果たした。『フローズン・リバー』で一昨年のオスカーで主演女優賞にノミネートされたメリッサにとっては、50歳にして念願のオスカー受賞。一方、激しい役作りで知られるクリスチャンだが、意外にもオスカーノミネートは今回が初めて。今後、主演男優賞も含め、オスカーの常連となりそうな予感が…。“鉄板レース”と言われた主演男優賞は、予想通りコリン・ファースに栄冠が。コリン同様2年連続ノミネートの昨年の覇者ジェフ・ブリッジスに3年前の助演男優賞受賞者ハビエル・バルデム、『ソーシャル・ネットワーク』のジェシー・アイゼンバーグに今年の司会も務めたジェームズ・フランコと例年にもれず実力者が顔を揃えたが、今年ばかりは文句なしでコリンが受賞。『英国王のスピーチ』では、コリン演じるジョージ6世と彼を献身的に支える妻(ヘレナ・ボナム=カーター)の姿が印象的だが、役柄そのままに壇上でさらりと愛する妻への感謝を口にするところはさすが!主演女優賞も大方の予想通り『ブラック・スワン』のナタリー・ポートマンの手に。ゴールデン・グローブ賞でドラマ部門とミュージカル・コメディ部門とで女優賞を分け合った『キッズ・オールライト』のアネット・ベニングを推す声も根強くあったが、終始、賞レースを引っ張ったナタリーが初の戴冠。アネットは三度目の正直ならず。脚本部門は脚色賞を『ソーシャル・ネットワーク』、オリジナル脚本賞を『英国王のスピーチ』と二強が分け合った。残念だったのは『インセプション』のクリストファー・ノーラン。その緻密な世界観の構築に対し、監督賞として推す声も多かったが候補作に含まれず、オリジナル脚本賞でのノミネートとなった。この処置には一部のファンから怒りの声が上がっていたというが、結局、“最後の砦”であったオリジナル脚本賞でも受賞はならず。とはいえ、『インセプション』は視覚効果賞、音響編集賞、録音賞、そして撮影賞とスタッフ部門を中心に最多タイの4冠獲得は立派のひと言!改めてこの作品の質の高さを見せつけた。そして、作品賞および監督賞は『英国王のスピーチ』(トム・フーパー監督)が獲得。直前まで予想が割れたこちらの部門。作品賞に関しては、オスカー会員として投票権を持つプロデューサーや監督が選出する米プロデューサー組合賞や全米監督協会賞を受賞した『英国王のスピーチ』が獲得する流れを重視する声が多かったが、それでも監督賞だけでもデヴィッド・フィンチャー(『ソーシャル・ネットワーク』)が獲るのでは?という予想も多かった。そうなると第78回で作品賞を『クラッシュ』が、監督賞を『ブロークバック・マウンテン』のアン・リーが獲得して以来となる、別々の作品による作品賞と監督賞受賞だったが、ふたを開けてみれば両部門とも『英国王のスピーチ』に。『ソーシャル・ネットワーク』は先述の脚色賞に加え、編集賞、作曲賞とスタッフ部門では受賞したものの、作品、監督、主演男優という主要部門ではことごとく『英国王のスピーチ』との直接対決で苦杯をなめる結果に。賞レースの序盤を圧倒的な強さで牽引したが、やはり後半失速した感が否めない。「Facebook」の誕生の背景という物語の内容はもちろん、演出の部分でもフィンチャーの切れ味の鋭さが目立った本作だが、アカデミー会員を唸らせる、という意味では正攻法のドラマ『英国王のスピーチ』の後塵を拝した。ちなみに部門数では『英国王のスピーチ』と『インセプション』が最多タイの4部門、続いて『ソーシャル・ネットワーク』が3部門を獲得。『トイ・ストーリー3』、『アリス・イン・ワンダーランド』がそれぞれ2部門で受賞している。10部門ノミネートされたコーエン兄弟による西部劇『トゥルー・グリット』は無冠に終わった。また、今回の監督賞候補者の5組6名のうち、フィンチャーとダーレン・アロノフスキー(『ブラック・スワン』)の2人が40代で、トム・フーパーにいたっては、1972年生まれでいまだ30代!確実にハリウッドの世代交代は進んでいると言えそう。さて、来年はどんな新星が現れるのか?いやいや、ベテラン勢の逆襲にも期待!すでに今日この瞬間から来年に向けた過酷な賞レースは始まっているのだ。<第83回アカデミー賞受賞結果一覧>作品賞:『英国王のスピーチ』監督賞:トム・フーパー(『英国王のスピーチ』)主演男優賞:コリン・ファース(『英国王のスピーチ』)主演女優賞:ナタリー・ポートマン(『ブラック・スワン』)助演男優賞:クリスチャン・ベイル(『ザ・ファイター』)助演女優賞:メリッサ・レオ(『ザ・ファイター』)オリジナル脚本賞:『英国王のスピーチ』脚色賞:『ソーシャル・ネットワーク』長編アニメーション映画賞:『トイ・ストーリー3』短編アニメーション映画賞:『ザ・ロスト・シング』(原題)長編ドキュメンタリー映画賞:『インサイド・ジョブ』(原題)短編ドキュメンタリー映画賞:『ストレンジャーズ・ノー・モア』(原題)撮影賞:『インセプション』編集賞:『ソーシャル・ネットワーク』視覚効果賞:『インセプション』録音賞:『インセプション』音響編集賞:『インセプション』美術賞:『アリス・イン・ワンダーランド』メイクアップ賞:『ウルフマン』衣装デザイン賞:『アリス・イン・ワンダーランド』短編実写映画賞:『ゴッド・オブ・ラヴ』(原題)作曲賞:『ソーシャル・ネットワーク』歌曲賞:「僕らはひとつ」(『トイ・ストーリー3』)外国語映画賞:『イン・ア・ベター・ワールド』(原題/デンマーク)特集 2011アカデミー賞 Yada / © A.M.P.A.S.Rick Salyer / © A.M.P.A.S.■関連作品:トゥルー・グリット 2011年3月18日よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開© 2010 PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.ウルフマン 2010年4月23日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.アリス・イン・ワンダーランド 2010年4月17日より全国にて公開© Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.インセプション 2010年7月23日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Warner Bros. Ent. All Rights Reservedソーシャル・ネットワーク 2011年1月15日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved.トイ・ストーリー3 2010年7月10日より全国にて公開© DISNEY/PIXARザ・ファイター 2011年3月26日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 RELATIVITY MEDIA. ALL RIGHTS RESERVED.ブラック・スワン 2011年5月13日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2010 Twentieth Century Fox.英国王のスピーチ 2011年2月26日よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開© 2010 See-Saw Films. All rights reserved.第83回アカデミー賞 [アワード]© Bob D’Amico/ABC■関連記事:【アカデミー賞】レッドカーペットファッションチェック!〜ダークカラー編〜【アカデミー賞】レッドカーペットファッションチェック!〜ホワイト編〜【アカデミー賞】レッドカーペットファッションチェック!〜レッド&パープル編〜【アカデミー賞】作品賞は『英国王のスピーチ』で決着!計4冠で賞レース制す【アカデミー賞】『英国王のスピーチ』コリン・ファースが予想通りの主演男優賞!
2011年02月28日開催が迫るアカデミー賞授賞式を彩る、豪華プレゼンターの面々が続々と発表!スカーレット・ヨハンソンにジュード・ロウ、ロバート・ダウニー・Jr.、さらには自身も主演女優賞にノミネートされているニコール・キッドマンなどが出席。芸達者なスターたちが今年もユーモアたっぷりの演出に乗って楽しませてくれそうだ。昨年の授賞式では、ベン・スティラーが『アバタ―』の真っ青メイクを施して登場したり、逆に登場がうわさされていたサシャ・バロン・コーエンが、そのあまりに過激な内容ゆえに出演がキャンセルになったりと大いに話題を呼んだが、今年もとにかく豪華な面々が集結!2年前の授賞式で司会を務め、作品賞候補作をミュージカル仕立てで紹介したヒュー・ジャックマンも今年はプレゼンターとして参戦。このとき、ヒューと一緒に舞台でダンスを披露したアン・ハサウェイが今年はジェームズ・フランコと共に司会を担当するが、今年も司会2人が歌って踊ることは発表されており、注目を集めそう。ロバート・ダウニー・Jr.とジュード・ロウの『シャーロック・ホームズ』コンビも出席。ジュードは昨年も出席の予定だったが、急遽、キャンセルとなっており今年はリベンジできそう?ほかにジョシュ・ブローリンの出席も決定。自身は選から漏れたものの、出演作の『トゥルー・グリット』は、作品賞を含む10部門にノミネートされている。ぜひとも『トゥルー・グリット』が候補に入っている部門でプレゼンターを務めてほしいところだが…。女優陣ではスカーレット・ヨハンソンに、2005年公開の『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』で主演女優賞を受賞しているリース・ウィザースプーン、2度の主演女優賞に輝くヒラリー・スワンク、さらにケイト・ブランシェットも参加することが決定。先述の通り、自身も主演女優賞にノミネートされているニコール・キッドマン、アネット・ベニングもプレゼンターを務めることに。また、昨年度の主演男優賞受賞者が主演女優賞を発表することから、2年連続で主演男優賞にノミネートされているジェフ・ブリッジスもプレゼンターに。彼らにとっては自分の部門の発表をドキドキ待ちつつ、プレゼンターもこなすという忙しい日になりそう。この豪華な面々、特に女優陣がどのようなドレスで登場するのか?実は、プレゼンターの衣裳は「オスカーズ・デザイナー・チャレンジ」と名付けられた、ドレスのデザインを競い合うコンテストによって決定するのだ。新進のデザイナーたちがそれぞれ手掛けたイヴニング・ドレスのデザインを、一般の投票で競うこちらのコンテスト。勝者となったデザイナーのドレスを、授賞式当日、プレゼンターを務める女優陣が着用する。当日のレッドカーペットで、実際に女優陣がドレスを着用して登場することで勝者が発表される。授賞式裏で行われるもうひとつの激しい戦いも注目を集めそうだ。各賞の受賞者、受賞作も気になるが、授賞式を見ながら“ベストプレゼンター”を選んでみては?さらに、プレゼンターとは別に参加が発表されているセリーヌ・ディオン、グウィネス・パルトローらゲストによるパフォーマンスも要チェック!特集 2011アカデミー賞■関連作品:シャーロック・ホームズ 2010年3月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2009 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITEDトゥルー・グリット 2011年3月18日よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開© 2010 PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.アバター 2009年12月23日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2009 Twentieth Century Fox. All rights reserved■関連記事:14歳のオスカー候補が来日!授賞式のスピーチの練習は「まだよ(笑)」本年度アカデミー賞ノミネート『トゥルー・グリット』試写会に10組20名様ご招待英国アカデミー賞開催。やはり強い『英国王のスピーチ』が7部門を制覇ナタリー効果?『ブラック・スワン』全米1億ドル超え確実!オスカー候補は軒並み好調【シネマモード】2010年のオスカー、その後…
2011年02月25日いよいよ、近づいてきましたね、アカデミー賞授賞式。毎年、ノミネートされる作品や俳優、スタッフたちは違えども(いや、俳優やスタッフには常連もいますが…)、常に気になってしまうのが女優賞。男同士の闘いよりも、女同士の闘いの方が、どうしても大きな火花が散っていそうなイメージがあるもので、つい舞台裏を面白く想像してしまうのです。誰かが、誰かのドレスの裾をふんづけていたりしないのかなとか(笑)。でも、以前公開されたドキュメンタリー映画『デブラ・ウィンガーを探して』で、キアラ・マストロヤンニが「女優同士でも、結構仲がいい」というような発言をしていたけれど、それも本当なのでしょう。女優たちは、互いに競う心は持ちながらも、尊敬し合い、共演したいと思いながら、切磋琢磨して素晴らしい演技を見せ、ひいては素晴らしい作品を作っていくのでしょう。例えば、今回アカデミー賞の主要4部門にノミネートされた『キッズ・オールライト』。製作の初期段階から参加していた主演女優、ジュリアン・ムーアが、相手役としてぜひにと、直接e-mailを送った相手がもうひとりの主演女優、アネット・ベニング。監督、そしてジュリアンの期待に応え、アネットは2人の子供を持つレズビアンのカップルの大黒柱を堂々と演じ、どんな家族にも起こりうる問題を抱えながらも、家族を守ろうとする母ライオンのような強さと、愛する者を失いそうになる現実に怯える繊細な女性の両面を表現しました。特に後半の演技は、恐ろしいほどの迫力に満ちていて、ちょっとゾッとしたほど。そして、見事に4度目のアカデミー賞ノミネートとなりました。ゴールデン・グローブ賞では、アネット、ジュリアンともに主演女優賞候補になりましたが、アカデミー賞ではアネットのみが候補に。それでもジュリアンはアネットを誘ったことを後悔などせず、アネットのノミネートを心から喜んでいるのでは、と勝手に思っています。ノミネートの常連ではあるものの、未だ無冠のアネットが受賞したら、やはり無冠のジュリアンとどのように喜びを分かち合うのかも見ものでしょう。一方、彼女の強力なライバルとなるのが、ナタリー・ポートマン。『ブラック・スワン』でバレエダンサー役に挑んだ彼女。「白鳥の湖」で、白鳥役と黒鳥役を演じわける難しさを体現しました。少女のような純真さを残した女性が、孤独な闘い、表現の可能性への挑戦に明け暮れる中で、あせり、ライバルへの憧れと嫉妬、芸術への献身によって我を失っていく様を、壮絶な心理劇として極限のレベルで表現しています。観ているうちに、役になりきれず追い詰められながら、やがて狂気に囚われていくヒロインの心に次第に魅せられていくのですが、クライマックスでは言いようもない感情の波に襲われます。ひとことで言うと、とにかく臨場感のすさまじい作品。この作品が持つ独自性、独創性、映画的表現力が場面を追うごとに心をぐいぐいと掴んでくるのです。そのすさまじさには、ナタリーの存在なしには到達できなかったはず。バレエダンサー役として説得力を持つ体づくりや動きはもちろん、自らが持つ純真なイメージを払拭するそら恐ろしいほどの捨て身の演技は、文句なくオスカー級。注目の2人、どちらが獲っても文句なしです。また、助演女優賞でのノミネートではありますが、私が気になる女優がひとり。ヘレナ・ボナム=カーターです。ここのところ、こってりとした化粧や妙な仮装がお似合いだった彼女ですが、今回『英国王のスピーチ』で見せたのは、英国史上最も内気な国王・ジョージ6世を優しく支える妻・エリザベス役。最初に登場したシーンでは、「そうそう、普通の役もできる人だったんだ」と思ってしまいました。ロンドン生まれ、上流階級出身として知られる彼女ですが、ぴったりすぎる英国淑女役は、決して“普通”ではないのですが、久々に正統派の演技を見せられて、しみじみと彼女が良い女優だったことを思い出したのでした。先日、とあるメディアで「オスカー女優たちの離婚率が高い」という記事を見つけて、なるほどと思ったのですが、私が今回注目したアネット、ナタリー、ヘレナ・ボナム(ティム・バートンとパートナー)が受賞した際には、ぜひそんなことにならないようにと願いつつ、賞レースのゆくえを見守ることといたしましょう。(text:June Makiguchi)© Todd Wawrychuk / cA.M.P.A.S.特集「2011年 第83回アカデミー賞」■関連作品:キッズ・オールライト 2011年4月29日より、渋谷シネクイント、TOHOシネマズ シャンテ、シネリーブル池袋ほか全国にて公開© 2010 TKA Alright, LLC All Rights Reservedブラック・スワン 2011年5月13日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2010 Twentieth Century Fox.英国王のスピーチ 2011年2月26日よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開© 2010 See-Saw Films. All rights reserved.■関連記事:コリン・ファース、『マンマ・ミーア!』は「出演作ベスト3の1本」と発言【ハリウッドより愛をこめて】オスカーに輝くのは…トム・ハンクスがスピーチの指導?働き女子の心得vol.3英国王室ロマンスに胸キュン、その“裏側”をお勉強!英国大使館で『英国王のスピーチ』上映!王子婚約で沸く英国王室も本作に感動英国アカデミー賞開催。やはり強い『英国王のスピーチ』が7部門を制覇
2011年02月23日みなさん、こんにちは!今回も温かくて陽気、そして“ハプニングが絶えない”街、ロサンゼルスからニュースをお届けしますよ。先日、私たちは大事な、大事な一日を迎えました。そうです、アカデミー賞のノミネートが発表されたのでした。幸運にも、当日、私はその発表が毎年行われるサミュエル・ゴールドウィン・シアターに行く機会をもらったのですが、それはそれは貴重な体験となりました。まず、会場に各国からのマスコミ陣が現れる3時半頃に会場に到着するため、私は深夜2時に起床することに。会場に着いてセキュリティ・チェックを終えると、全員に大層な朝食がふるまわれ、会場の扉が開くまでみんなはそれを堪能しながら待ちました。そして4時45分を回り、扉が開くと、一同が一気に席に向かってダッシュ!それからしばらく待ち、5時半になると、遂に昨年のアカデミー賞助演女優賞を受賞したモニークと映画芸術科学アカデミー(AMPAS)の代表が登場するやいなや、即座に主要部門である、作品賞から監督賞、主演男優・女優賞、助演男優・女優賞、外国映画賞のノミネートを発表していきました。長時間待った挙句、発表式はたったの15分!あまりの短さに呆気に取られました。さて、今回作品賞に候補入りしたのは10本。『トゥルー・グリット』に『Winter’s Bone』(原題)、『キッズ・オールライト』、『ブラック・スワン』、『英国王のスピーチ』、『トイ・ストーリー3』、『インセプション』、『ザ・ファイター』、『127時間』、そして私のお気に入り『ソーシャル・ネットワーク』。いまのところ、全米メディアの映画評では圧倒的に『ソーシャル・ネットワーク』の受賞が有力視されていますが、他のカードも侮れません。実際、票を握るアカデミー会員の方々は英国王室を題材とした作品は大好きですし、ここ最近では『トゥルー・グリット』の評判も上昇中。どちらかが『ソーシャル・ネットワーク』の受賞を阻む、というのもあり得ますね。主演男優賞ではオスカー女優でもある妻ペネロペ・クルスとの間に息子が誕生し、パパになったばかりのハビエル・バルデム、昨年の覇者ジェフ・ブリッジス、ジェシー・アイゼンバーグ、今年の授賞式のホストのひとり、ジェームズ・フランコ、そして最有力のコリン・ファースが候補入り。5人共とっても素晴らしい俳優ですが、正直なところ、コリンの受賞は間違いないのではと思います。『英国王のスピーチ』で見せた演技は、主演男優賞を受賞したゴールデン・グローブ賞然り、大絶賛を浴びてきていますが、まだその嵐が止まるようには思えません。一方、主演女優賞はもう少し混戦となりそうです…。候補入りしたのは、ナタリー・ポートマン、アネット・ベニング、二コール・キッドマン、ジェニファー・ローレンス、そしてミシェル・ウィリアムズの5人。私の予想はずばり、アネットとナタリーの一騎打ちです!アネットは(今回を含め)アカデミー賞に4回ノミネートを果たしているのですが、残念ながらこれまで無冠。同情票が集まりそうですが、ナタリーに至ってはここまで主演女優賞を総なめにしてきているので、オスカーも同様になるのでは、と思います。ちなみに、面白いことに、これまで妊娠中にノミネートされた女優は全員、勝利しているという事実もあるんです。次に助演男優賞にノミネートされたのは…、ジョン・ホークス、ジェレミー・レナー、マーク・ラファロ、ジェフリー・ラッシュ、そして一歩先頭を走るクリスチャン・ベイル。同部門も実に多才な俳優が集結しましたが、いまのところクリスチャンが最も受賞に近そう。そして、助演女優賞にはこの5人がノミネート。エイミー・アダムス、ヘレナ・ボナム=カーター、ヘイリー・スタインフェルド、ジャッキー・ウィーヴァー、そしてメリッサ・レオです。同部門では、『ザ・ファイター』からエイミーとメリッサの2人がノミネートされているわけですが、残念ながらこれはオスカーでは災いと言うべきもの。同一作品で2人の役者がノミネートされると、どちらも受賞しないというのが殆どなのです。その理由は分かりませんが…、往々にしてそうなんです。しかし、いまのところメリッサが同部門では最も有力とされているのですが。また、もうひとり注目したいのが、14歳という若さで才能にあふれる、ヘイリーです。本来ならば、彼女は“主演女優”部門にノミネートされるべきなのですが、おそらく映画の配給元が、二コール・キッドマンやナタリー・ポートマンと同じ土俵では戦うのを避けるためにヘイリーを“助演女優”部門に推したのだと思います。正直、全部門の中でも最も予想がつかない部門ですが、金のトロフィーはこの素晴らしい女優たちの誰が手にしてもおかしくありません。他にも沢山の部門がありますが、最後に監督賞の候補をチェック。ダーレン・アロノフスキー、デヴィッド・O・ラッセル、デヴィッド・フィンチャー、トム・フーパー、そしてコーエン兄弟です。おそらく今年のノミネーションの中で、最も“非難”を浴びているのがこの監督賞ですが、その理由は、『インセプション』を手がけたクリストファー・ノーランがノミネートされていなかったから。事実、ノミネート発表の数分後に、ツイッター上でノーラン監督のファンたちが怒りをぶつけていたそうです。こちらもいまのところ、独走している人はいないため、混戦となりそうで楽しみですね。私は、『ソーシャル・ネットワーク』のデヴィッド・フィンチャーが受賞するのでは、と思ってますが。授賞式は2月27日。あなたは誰に票を投じてみますか?(text:Lisle Wilkerson)特集 2011アカデミー賞(英語原文)WELL,As always I am reporting from the sunny and warm and "happening" city of Los Angeles...And today was a BIG day for us. Why, you ask??!!!? It was the day for the Academy Award nominations to be announced!!!!I had the wonderful opportunity to go to the Samuel Goldwyn Theater, which is in the Academy of Motion Picture Arts and Sciences.And it was QUITE the experience! First of all, I had to be up at 2:00am., in order to get to the venue at 3:30, which is when media from around the world starts arriving.And once I got through the security check, there was a big breakfast spread for everyone to enjoy while we waited for the theater to open its doors.Then around 4;45a.m. the doors opened, and it was a media rush as everyone scrambled to find seats.At 5:30 a.m., Academy Award winner M’onique and the president of the Academy of Motion Picture Arts and Sciences both gave a short greeting and immediately started listing out the nominated films/people for some of the top categories...which included Best PIcture, Best Director, Best Actor and Actress, Best Supporting Actor and Actress, along with Best Foreign Film.I was amazed that with all that waiting, the nominations event itself only took about 15 min!!!So the nominations go as follows...Best Picture..this year this category had 10 nominees...Winter’s Bone, True Grit, The Kids Are All Right, Black Swan, The King’s Speech, Toy Story 3, Inception, The Fighter, 127 Hours, and the current favorite for Best Picture...The Social Network.So far, in the US media and among critics, they are saying that The Social Network is definitely the film to beat in this category...however there ARE a few wild cards...Academy voters LOVE anything having to do with the royal monarchy...and True Grit is currently riding very high on momentum, which means that either of these might be able to overturn the favorable Social Network.For Best Actor, Javier Bardem (who just became a first time father, welcoming a son with his wife Academy Award winning actress Penelope Cruz), Jeff Bridges (last year’s winner), Jesse Eisenberg, James Franco (this year’s co-host of the Academy Awards), and the man to beat...Colin Firth. Now honestly, I can’t really see any of the other men winning...even though they are all phenomenal actors. Colin Firth has been receiving kudos for his role in King’s Speech ever since the Golden Globes, and I just can’t imagine it ending now.Best Actress...now this COULD be a bit more difficult...we have Natalie Portman, Annette Bening, Nicole Kidman, Jennifer Lawrence, and Michelle Williams. In my opinion, the race is between Annette Bening and Natalie Portman. Ms. Bening has been nominated four times for an Academy AWard, and has yet to pick up a Golden Statue. So she is probably the sentimental favorite..HOWEVER Natalie Portman has been the one picking up the awards for Best Actress so far, so I have a feeling that Oscar night will be the same. Also...another fun fact...every actress that has been nominated WHILE pregnant has always won!Now Best Supporting Actor nominees....John Hawkes, Jeremy Renner, Mark Ruffalo, Geoffrey Rush, and the current frontrunner, Christian Bale.This category, once again, has an incredibly versatile group of actors...however, Christian Bale is, most definitely, the man to beat.Best Supporting Actress...Amy Adams, Helena Bonham Carter, Hailee Steinfield, Jacki Weaver, and Melissa Leo. So for this category, there are two (Amy Adams and Melissa Leo) who are representing the film "The Fighter"...which unfortunately is usually a curse on Oscar night. If you have two actors from the same film nominated in one category, it almost never goes to either of them. Not sure why...but that is usually what happens. Until now, however, Melissa Leo has been the actress most favored to win this category. Then you have the very young and talented Hailee Steinfield, who really should be in the "Best Actress" category...however, I guess the movie studio decided that she wouldn’t be able to match up to the Nicole Kidmans and Natalie Portmans of the world. So they decided to submit her for Best Supporting Actress. Honestly, I feel that out of ALL the categories, this is the one that will be the most unpredictable one come Oscar night. The Golden Statue could go to ANY ONE of these amazing actresses.Last, but not least, the directors category...Darren Aronofsky, David O. Russell, David Fincher, Tom Hooper, and the Coen Brothers.Probably one of the biggest "snubs" in the nominations this year is the fact that Christopher Nolan was not nominated for this category for his directing of "Inception".In fact, only minutes after the nominations were announced, Twitter was abuzz with many Nolan fans angry at the fact that he was missing from the list of nominees.This category is also going to be very interesting to watch, because there is no real frontrunner...however I have a feeling that David Fincher will take the Golden Statue for his directing of The Social Network.So readers, who are you rooting for on February 27?■関連作品:英国王のスピーチ 2011年2月26日よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開© 2010 See-Saw Films. All rights reserved.ソーシャル・ネットワーク 2011年1月15日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved.インセプション 2010年7月23日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Warner Bros. Ent. All Rights Reservedブラック・スワン 2011年5月、TOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2010 Twentieth Century Fox.トゥルー・グリット 2011年3月18日よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開© 2010 PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.127時間 2011年6月、公開© 2010 Twentieth Century Foxザ・ファイター 2011年3月26日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 RELATIVITY MEDIA. ALL RIGHTS RESERVED.トイ・ストーリー3 2010年7月10日より全国にて公開© DISNEY/PIXARキッズ・オールライト 2011年4月29日より、渋谷シネクイント、TOHOシネマズ シャンテ、シネリーブル池袋ほか全国にて公開■関連記事:LiLiCoが今年のアカデミー賞を大胆予想!作品賞はずばり…【シネマモード】2011年、注目なのは誰?快進撃止まらぬ『英国王のスピーチ』、全米映画俳優組合(SAG)賞も制覇これでオスカー受賞は確実!?『英国王のスピーチ』が全米監督協会賞受賞ナタリー・ポートマンにコリン・ファース、オスカー候補たちが喜びのコメント発表
2011年02月02日第83回アカデミー賞の候補が25日未明(現地時間)にロサンゼルスで発表され、『英国王のスピーチ』が作品賞、監督賞、主演男優賞をはじめ最多12部門にノミネートされた。続いてコーエン兄弟の『トゥルー・グリット』が10部門、現在日本でも大ヒット公開中の『ソーシャル・ネットワーク』、渡辺謙も出演した『インセプション』が8部門の候補に挙がっている。まず目を引くのが『英国王のスピーチ』の大躍進。ここまで“オスカー前哨戦”と呼ばれた映画賞では『ソーシャル・ネットワーク』の圧勝ムードだったが、先日発表された第22回アメリカ製作者組合(PGA)賞では、映画部門の作品賞にあたるダリル・F・ザナック賞を受賞。ちなみに昨年、作品賞を含むオスカー6冠に輝いた『ハート・ロッカー』(キャスリン・ビグロー監督)も同賞を受賞している。また、10部門にノミネートされたコーエン兄弟の『トゥルー・グリット』はゴールデン・グローブ賞では候補ゼロだっただけに、ダークホースとして不気味な存在…つまり、今年のアカデミー賞は予想以上の混戦模様なのだ。主演男優賞は、すでにゴールデン・グローブ賞を受賞しているコリン・ファース(『英国王のスピーチ』)が最有力か。今年の授賞式司会を務めるジェームズ・フランコ(『127時間』)や、ジェシー・アイゼンバーグ(『ソーシャル・ネットワーク』)といった若手俳優の受賞にも期待したい。ちなみにこの3人は実在の人物を演じており、近年の傾向から、受賞の可能性は高いはず。『トゥルー・グリット』のジェフ・ブリッジスは、昨年の『クレイジー・ハート』に続き、2年連続でオスカーを手にできるか?授賞式の華である主演女優賞は、ゴールデングローブ賞の「ドラマ部門」と「ミュージカル・コメディ部門」を分け合ったナタリー・ポートマン(『ブラック・スワン』)、アネット・ベニング(『キッズ・オールライト』)の一騎打ち。その他、ニコール・キッドマン(『Rabbit Hole』)、ジェニファー・ローレンス(『Winter’s Bone』)、ミシェル・ウィリアムズ(『ブルーバレンタイン』)が候補に挙がった。主演女優賞より予想が難しいのが、助演女優賞。ゴールデン・グローブ賞を受賞したメリッサ・レオ(『ザ・ファイター』)をはじめ、同じ作品で候補になったエイミー・アダムス、ヘレナ・ボナム=カーター(『英国王のスピーチ』)など強力なメンツに加えて、現在14歳のヘイリー・スタインフェルド(『トゥルー・グリット』)も侮れない存在。過去の受賞者をふり返っても、最もサプライズが多い賞だけに大きな注目が集まる。助演男優賞には、ゴールデン・グローブ賞を獲得したクリスチャン・ベイル(『ザ・ファイター』)が順当にノミネート。主演のマーク・ウォールバーグが候補から漏れたこともあり、雪辱を晴らしたいところだ(ちなみにウォールバーグは製作者として作品賞候補に名を連ねた)。対抗馬はマーク・ラファロ(『キッズ・オールライト』)とジェフリー・ラッシュ(『英国王のスピーチ』)。公開当初から評論家筋の評価を得ながら今回、ノミネート数を伸ばすことができなかったベン・アフレック監督の『ザ・タウン』から、ジェレミー・レナーが堂々ノミネートされた。さて監督賞だが、またしてもクリストファー・ノーラン監督(『インセプション』)が落選!娯楽性と芸術性を兼ね備えた傑作を生み出す“天才”もアカデミー会員からは敬遠されがちなのか。その代わりと言っては何だが、コーエン兄弟が監督賞候補になった。これはこれで順当なのだが…。デヴィッド・フィンチャー(『ソーシャル・ネットワーク』)、トム・フーパー(『英国王のスピーチ』)、デヴィッド・O・ラッセル(『ザ・ファイター』)はゴールデン・グローブ賞に続き、ノミネートを果たした。外国語映画賞では『告白』(中島哲也監督)が惜しくも落選。また、アニメ映画賞の審査対象作品15本に残っていた『サマーウォーズ』も最終候補に残ることはできなかった…残念!発表と授賞式は2月27日(現地時間)にコダック・シアターで行われる。【第83回アカデミー賞ノミネート一覧】<作品賞>『ソーシャル・ネットワーク』『英国王のスピーチ』『127時間』『インセプション』『トイ・ストーリー3』『ブラック・スワン』『ザ・ファイター』『キッズ・オールライト』『トゥルー・グリット』『Winter’s Bone』(原題)<監督賞>デヴィッド・フィンチャー『ソーシャル・ネットワーク』ダーレン・アロノフスキー『ブラック・スワン』トム・フーパー『英国王のスピーチ』デヴィッド・O・ラッセル『ザ・ファイター』ジョエル&イーサン・コーエン『トゥルー・グリット』<主演男優賞>コリン・ファース『英国王のスピーチ』ジェシー・アイゼンバーグ『ソーシャル・ネットワーク』ジェームズ・フランコ『127時間』ハビエル・バルデム『BIUTIFUL』(原題)ジェフ・ブリッジス『トゥルー・グリット』<主演女優賞>ナタリー・ポートマン『ブラック・スワン』アネット・ベニング『キッズ・オールライト』ニコール・キッドマン『Rabbit Hole』(原題)ジェニファー・ローレンス『Winter’s Bone』(原題)ミシェル・ウィリアムズ『ブルーバレンタイン』<助演男優賞>クリスチャン・ベイル『ザ・ファイター』ジェフリー・ラッシュ『英国王のスピーチ』ジェレミー・レナー『ザ・タウン』ジョン・ホークス『Winter’s Bone』(原題)マーク・ラファロ『キッズ・オールライト』<助演女優賞>メリッサ・レオ『ザ・ファイター』『英国王のスピーチ』エイミー・アダムス『ザ・ファイター』ヘレナ・ボナム=カーター『英国王のスピーチ』ヘイリー・スタインフェルド『トゥルー・グリット』ジャッキー・ウィーヴァー『Animal Kingdom』(原題)<脚色賞>『ソーシャル・ネットワーク』『127時間』『トイ・ストーリー3』『トゥルー・グリット』『Winter’s Bone』(原題)<オリジナル脚本賞>『インセプション』『キッズ・オールライト』『ザ・ファイター』『英国王のスピーチ』『Another Year』(原題)<長編アニメーション賞>『トイ・ストーリー3』『ヒックとドラゴン』『イリュージョニスト』作曲賞『ヒックとドラゴン』『ソーシャル・ネットワーク』『英国王のスピーチ』『127時間』『インセプション』歌曲賞「We Belong Together」『トイ・ストーリー3』「If I Rise」『127時間』「I See the Light」『塔の上のラプンツェル』「Coming Home」『Country Strong』(原題)<外国語映画賞>※英題『BIUTIFUL』(メキシコ)『DOGTOOTH』(ギリシャ)『IN A BETTER WORLD』(デンマーク)『INCENDIES』(カナダ)『Outside the Law』(アルジェリア)■関連作品:127時間 2011年6月、公開© 2010 Twentieth Century Foxキッズ・オールライト 2011年4月29日より、渋谷シネクイント、TOHOシネマズ シャンテ、シネリーブル池袋ほか全国にて公開ザ・ファイター 2011年3月26日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 RELATIVITY MEDIA. ALL RIGHTS RESERVED.トイ・ストーリー3 2010年7月10日より全国にて公開© DISNEY/PIXARトゥルー・グリット 2011年3月18日よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開© 2010 PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.ブラック・スワン 2011年5月、TOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2010 Twentieth Century Fox.英国王のスピーチ 2011年2月26日よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開© 2010 See-Saw Films. All rights reserved.ソーシャル・ネットワーク 2011年1月15日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved.第68回ゴールデン・グローブ賞 [アワード]第83回アカデミー賞 [アワード]■関連記事:ナタリー・ポートマンにコリン・ファース、オスカー候補たちが喜びのコメント発表【ハリウッドより愛をこめて】ゴールデン・グローブ賞の舞台裏&オスカーの見どころオスカー作品賞の結果を占うアメリカ製作者組合賞は『英国王のスピーチ』が受賞2010年映画ファンが選ぶベストムービー洋画大作を抑えあの邦画がNo.1に輝く!キャリー・マリガンら実力派俳優陣が紡ぐ哀しい運命『わたしを離さないで』予告編到着
2011年01月26日みなさん、こんにちは!私はいま、アイダホ州にあるボイシという寒さの厳しい街に来ています。この街に滞在して6日が過ぎますが、いま私は通販サイト「Amazon.co.jp」でベストセラーになった、リン・ハーディー著のファンタジー小説「Prophecy of the Flame」のオーディオブックを製作しているんです。本作は、ひょんなことで現実の世界から魔法の世界へと飛ばされた5人の見知らぬ人々が、不思議な力を与えられて「Cuthburan王国」を守るため旅に出る、というストーリーです。ちょうど、シリーズの一作目の収録を終えたところです。スタジオでの収録の合間に、ゴールデン・グローブ賞の中継も見逃しませんでした。今年の賞レース最初の大きなイベントで、展開された人間ドラマはとてもおもしろいものでした。毎年、ゴールデン・グローブ賞はハリウッドの由緒あるホテル、ビバリー・ヒルトンホテルで行われます。みなさんは、ゴールデン・グローブ賞は俳優たちがテーブルに着席して会食をする唯一の表彰式だと知っていますか?そのため、酔っ払ったセレブに出くわすこともあり、表彰式をさらに盛り上げるなんてことも!幸い(みなさんにとっては残念かもしれませんが)、表彰式でのお酒絡みのトラブルはほとんどなかったようです。しかし、中には表彰式の司会者に“トラブル”を感じていた人も…。司会を務めたのは、全英・全米で大ヒットしたTVドラマシリーズ「The Office」のクリエイター、リッキー・ジャーヴェイス。例えば受賞プレゼンター、ブルース・ウィリスを“(元妻デミ・ムーアの現在の夫)アシュトン・カッチャーの父親”と紹介するなど、少し“行き過ぎた”冗談と感じた人もいるよう。それでも、視聴率では昨年と同じぐらいの高い数字が出たようで、局の重役は最終的な結果に満足していることでしょう。レッドカーペットでは、今年のドレスの流行は、色に表れていたようで、さわやかなピンクとグリーンが流行色のようでした。私のお気に入りはオリヴィア・ワイルド(『トロン:レガシー』、「Dr.HOUSE」)が着ていたドレス。彼女は煌びやかな、たっぷりとしたブラックとゴールドのロングドレスに身を包み、ゴールドのピンヒールで登場しました。さて、話題を受賞者に移しましょう。クリスチャン・ベイルがマーク・ウォールバーグの主演作『ザ・ファイター』で助演男優賞を受賞し、同じく本作で注目を集めた共演のメリッサ・レオが助演女優賞を受賞しました。2月27日に発表されるアカデミー賞もこの2人が有力なのではないかと思います。そしてコリン・ファースが主演男優賞、ナタリー・ポートマンが主演女優賞をそれぞれドラマ部門で受賞しました。圧倒的なパフォーマンスを見せているコリンとナタリーとあって、迫るアカデミー賞でも彼らのライバルと成り得る人はいないのではないかと思います。また、『キッズ・オールライト』のアネット・ベニングがミュージカル・コメディ部門主演女優賞が受賞しましたが、もし、オスカーの主演女優賞で唯一、ナタリーのライバルがいるとしたら、それはアネットではないでしょうか。『キッズ・オールライト』はミュージカル・コメディ部門の作品賞も受賞しています。そして、注目作『ソーシャル・ネットワーク』が作品賞、脚本賞、監督賞、作曲賞、の4冠に輝き、オスカー受賞に向けて一歩リード、『トイ・ストーリー3』がアニメーション映画作品賞を受賞しました。うわさではピクサーは『トイ・ストーリー3』の作品賞にノミネートされるよう、かなりアピールしているそうですよ。簡単ではないと思いますが、もしこのアニメーション傑作が作品賞を受賞したら素晴らしいと思いませんか?気になるノミネートは1月25日(現地時間)に発表されるので、引き続き追っていきますね!(text:Lisle Wilkerson)(英語原文)Hello everyone!! I am writing you this article from freezing Boise, Idaho here in the United States.I am here for six days, doing an audiobook project for an Amazon.co.jp Best-selling book, "Prophecy of the Flame", written by well-known writer Lynn Hardy (www.lynnhardy.com). It is quite the fascinating story about 5 strangers who get pulled out of their world and put into a world of sorcery. They go on a journey in which they are given supernatural powers in order to save the kingdom of Cuthburan. And we just finished doing the recording for Book 1 of the series.During our breaks from recording in the studio, I got to watch the Golden Globes live on television. And it was been quite interesting to watch as the drama unfolds in the first big awards ceremony of the season. Every year the Golden Globes takes place in one of the "old hollywood" hotels, at the Beverly Hilton. And, for those of you that DON"T know...the Golden Globes is the only awards ceremony where the actors are sitting down to dinner and drinks....SO sometimes, needless to say, you run into a celebrity who has had one too many drinks...making this awards ceremony all that much more exciting! Well, fortunately (or maybe for viewers, unfortunately) there was not much "alcohol-generated drama. However, there were quite a few people that were...shall we say..."unhappy" with the host of the Golden Globes, Ricky Gervais (also the creator of the big UK/US hit tv series "The Office"). Some people found his jokes "a little too much"...such as when he introduced award presenter Bruce Willis as "dad of Ashton Kutcher" (the current husband of his ex-wife, Demi Moore).However, according to ratings, the show got as many viewers as last year, so I am sure the network executives were happy with the final outcome.As for the red carpet, the main trend in dresses this year seemed to be COLOR...which is quite refreshing....especially PINK and GREEN. I think my favorite dress/outfit, however, was worn by actress Olivia Wilde (from "Tron" and tv series "House, M.D.". She showed up in a beautiful black and gold "bling bling" long flowing dress with wonderful gold spikey high heels.Now onto the awards... Christian Bale walked away with the Golden Globe for "Best Supporting Actor" for his role in the Mark Wahlberg film "The Fighter", and "Best Supporting Actress" was taken by his colleague from "The Fighter", relatively unknown actress Melissa Leo. I have a very strong feeling that these two may be walking away with Oscars come FEb. 27th. Two other sure bets for an Academy Award nominations Colin Firth and Natalie Portman, both walked away with "Best Actor in a Drama" and "Best Actress in a Drama" respectively. In fact, I really don’t see anyone beating those two at the Academy AWards, because they are most definitely on a ROLL! Annette Bening won the "Best Actress Golden Globe- Musical or Comedy" for her role in the indie film "The Kids Are All Right". (If there is ANYONE that will take the "Best Actress" Oscar from Natalie Portman, then it will be Annette Bening)"The Kids Are All Right" also won the "Best Picture-Musical or Comedy".Another crowd favorite "The Social Network" won "Best Screenplay", "Best Director", "Best Original Score", and"Best Picture-Drama"...making it another strong favorite for Oscar night.Toy Story 3 was the winner of "Best Animated Film". Rumors have it that Pixar is campaigning VERY HARD to make sure that "Toy Story 3" is in the list for "Best Picture" at this year’s Academy Awards. Now this RARELY happens, but wouldn’t it be nice to see such a well-done and family friendly ANIMATED film win the biggest award in the film industry?I will be at the Academy Awards nomination event on Jan.25th, so I will make sure to report on that as well.■関連作品:トイ・ストーリー3 2010年7月10日より全国にて公開© DISNEY/PIXARソーシャル・ネットワーク 2011年1月15日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved.キッズ・オールライト 2011年GW、渋谷シネクイントほか全国にて公開ザ・ファイター 2011年3月26日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 RELATIVITY MEDIA. ALL RIGHTS RESERVED.Dr.HOUSE [海外TVドラマ]トロン:レガシー 2010年12月17日より全国にて公開© Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.■関連記事:オスカー作品賞の結果を占うアメリカ製作者組合賞は『英国王のスピーチ』が受賞2010年映画ファンが選ぶベストムービー洋画大作を抑えあの邦画がNo.1に輝く!キャリー・マリガンら実力派俳優陣が紡ぐ哀しい運命『わたしを離さないで』予告編到着英国アカデミー賞ノミネーション発表、『英国王のスピーチ』が最多14部門で候補にJ・ギレンホールは新恋人同伴?M・ダグラスは完全復活。G・グローブ賞こぼれ話
2011年01月24日