4月8日、日本銀行総裁の黒田東彦総裁が退任する。2013年から10年にわたりアベノミクスを支えてきた元大蔵官僚の黒田氏。後任は経済学者の植田和男氏となる。「植田氏は学者ではありますが、机上の空論ではなく、日銀の審議委員を務めていた経験もあり、“量的緩和策”を理論面で支えた実務家といってよいでしょう」そう解説するのは経済評論家の加谷珪一さんだ。アベノミクスの柱がこの量的緩和策だった。長く続いたデフレからの脱却という名目で、日銀はインフレ率2%の目標を掲げ “お札をばんばん刷ってきた”。「日銀は国債を大量に買うことで、その代金として日本円を金融機関に大量に供給してきました。金融機関はお金があるから融資しやすいし、企業は設備投資を整えて事業を拡大できる。これで経済が改善するという触れ込みだったのですが、もともと日本経済は疲弊していて、思うように成長できませんでした」一方、国債の残高はふくらんでいった。さらに、近年の世界的なインフレで世界各国が金融引締め策をとるなか、日本が量的緩和策を続けることで、急激な円安を招き、国内のインフレにも歯止めがかからなくなっている。「植田氏の表面的な人物像からは“黒田路線を継承する流れ”のように受け取られています。しかし、これまでの植田氏の発言や論文を分析すると、量的緩和策に前向きでありつつも、やりすぎはよくない、際限なく国債を発行する危険性などを指摘しており、現実主義者でもあります」市場に出回るお金が増えると金利が下がる。現在、日本は異常な低金利のなかにある。「かつて、金利は2~3%は当たり前で、バブル時代は7~8%もありました。しかし、現在はほぼゼロです。それでは銀行は融資しても稼げません。この異常な低金利から脱却するため、まず新総裁は長期金利0.5%を1%ほどまでに誘導するのではないか……。これが最大の関心事となっています」■住宅ローン3千万の人は年5万8000円も支払いが増える金利が上がれば、インフレの抑制になるが、かじ取りは難しい。「クレディスイスの経営不安やシリコンバレー銀行の破綻のように、海外では金融緩和から脱却することで、副作用が起きています。日本では長らくゼロ金利が常態化。無金利で融資を受けられていた中小企業のなかには、金利が上がることで倒産の危機に直面するケースもあるでしょう。そもそも国の借金は1千兆円ありますが、金利が1%となると利息は10兆円です。5兆円の防衛費を増額するために四苦八苦なことからも“たかが金利1%”と侮れないのです」こうした経済情勢の変化は家計にどのような影響を与えるのか。まず、懸念されるのが住宅ローンへの影響だ。「長期金利が0.5%から1%に上がった場合、現在2%前後の固定金利型の住宅ローンは、2.5%前後に引き上げられる可能性があります。すでにローンを組んでいる人は、返済額は変わりませんが、新たに住宅を購入する人は同じ物件を買うにしても、月々の支払い額、総支払い額が増えてしまいます」一方、日銀が直接的にコントロールできる短期金利。長期金利がスムーズに上がれば、こちらが上がるのはしばらく先になりそうとのことだが、「ソフトランディングできなければ、2年前後で短期金利が上がる可能性もあります」生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんが語る。「住宅ローンの変動金利は短期金利に連動しているため、ローン返済中の人は、月々の返済額が高くなることもありえます」かりに短期金利が0.5%上がると、どのくらい負担が増えるのか。「10年前に返済期間35年で3000万円のローンを組んだ場合で単純計算すると、変動金利が0.4%なら月の返済は7万6557円ですが、0.5%上がって0.9%となると月の返済額は8万1370円と、4813円の増額に。年間にすると、約5万8000円も負担が増えるのです」■金利引き上げでもインフレは続く可能性本来はインフレを抑制する効果が期待できる金利引き上げ。だが、食品や日用品の物価上昇には歯止めがかからないかもしれない。「金利が上がれば、企業は利息を返さなければなりません。長らく続くゼロ金利になれた企業にとっては厳しい状況。賃金を上げたり、コスト高のなかで儲けを出すには、物の価格を上げるしかありません」(加谷さん)さらなる懸念が老後資金の影響だ。金利が上がることで、利息の返済に苦しみ、経営が悪化する企業も出てくる。「そうなれば株価が下がります。iDeCoのような株価に連動した積立投資をしている人にも影響が出ます」(加谷さん)また、200兆円近くもの年金積立金の半分を株式運用しているGPIFの損失も大きくなる。実際に2022年4月から12月までに、7兆3000億円を超える損失を出しているのだ。「そもそも公的年金の積立金の半分を、リスクある株式投資で運用しているのは日本くらい。将来の年金財源の不安要素です」こうした事態に陥らないためにも、植田新総裁の手腕、そして政府の経済対策が問われるのだ。
2023年04月06日史上空前の超低金利が続く日本。今年4月には大手銀行の定期預金金利が0.01%から、0.002%に引き下げられた。そんななか、安倍晋三前首相の政策継承を掲げて、菅義偉新内閣が発足。ちまたでは「アベノミクス終焉で金利が上がる」なんてウワサも流れるが、本当に金利は上がるのか、そして家計にはどんな影響が及ぶのかーー。そこで「お金の知識は必ずその人を守ってくれる」と話す元国税局職員のライター・小林義崇さんに、家計防衛に欠かせない“金利の基本”を教えてもらった。【Q1】大手銀行の預金金利が同じなのはなぜ?「銀行は元々、お金をたくさん集め、そのお金に利子をつけて貸すことで利益を得ていました。だから、他行より高い預金金利をつけて、たくさんお金を集めたいと思うのが本来の姿です。ただ、集めたお金は銀行独自で保管しておらず、日本銀行(日銀)に預けています。となると、日銀が設定する金利の影響を受けて、銀行預金の金利が決まります。日銀の金利はどの銀行にも同じなので、結果として銀行の預金金利はどこも横並びになりがちなのです」【Q2】ネット銀行はどうして金利が高いの?「日銀の金利は同じなのですが、ネット銀行は店舗を構えず、従業員も少ないので人件費も安い。こうしたコストが低いため、大手銀行より預金金利を多少高くすることができるのです」【Q3】アベノミクスの「異次元の金融緩和」ってなに?「日銀が市中にあるお金の量を大幅に増やした施策です。出回るお金の量が増えると、企業などがお金を借りやすくなるため金利は下がり、逆にお金の量が減ると借りにくくなって金利は上がります。’13年4月、日銀の黒田東彦総裁が『お金の量を2倍に増やして社会にお金を回し、2年で物価を2%上げる』と宣言しました。結果、株価は上がりましたが、物価は上がらず。そのため景気がよくなった実感は少なかったのです」【Q4】「マイナス金利」ってどういう状態のこと?「銀行が日銀にお金を預けると、金利が付きます。これは私たちの銀行預金と同様です。ですが、’16年1月以降、日銀は銀行のお金を預かる際、預金の一部の金利をマイナスにしました。預けたら金利が付くのではなく、逆に金利分を徴収されるのです。日銀にお金を預けると損なので、銀行が手元のお金を積極的に貸し出し、社会にお金が回るようにするのを狙ってのことでした」銀行預金もマイナスになるの?「いいえ、マイナス金利は日銀と銀行間のこと。私たちの銀行預金がマイナス金利にはなりません」【Q5】菅新政権発足で金利は上がるの?「『金利が上がる』という専門家もいるようですが、私は現状維持だと考えます。金利は景気がよくなると上がるものですが、これから急に景気がよくなる兆しは残念ながらありません。また、物価が暴走的に上がる『ハイパーインフレ』が、日本で起こるとも考えづらい。超低金利の状態は続くと思います」【Q6】東京五輪開催後に金利はどうなるの?「オリンピック後は景気が悪くなるとよく言われます。景気が悪化すると金利は下がるのが常ですが、今の金利はこれ以上、下がりようのない状態です。そのため、大きくは変わらないでしょう」連日流れる金融関係のニュース。家計を守る一助にするために、その仕組みについて基本は押さえておこう!「女性自身」2020年10月13日号 掲載
2020年10月05日連日ニュースで耳にするものの、きちんと説明するのが意外と難しいのが「金利」の話。家計を守るための知識として、いまさら聞けない基本をおさらいしておこうーー。史上空前の超低金利が続く日本。今年4月には大手銀行の定期預金金利が0.01%から、0.002%に引き下げられた。そんななか、安倍晋三前首相の政策継承を掲げて、菅義偉新内閣が発足。ちまたでは「アベノミクス終焉で金利が上がる」なんてウワサも流れるが、本当に金利は上がるのか、そして家計にはどんな影響が及ぶのか……。そこで「お金の知識は必ずその人を守ってくれる」と話す元国税局職員のライター・小林義崇さんに、家計防衛に欠かせない“金利の基本”を教えてもらった。【Q1】そもそも「金利」ってなに?「金利とは、利子や利息のことです。住宅ローンなどお金を借りるときの金利は、低いほうが助かりますよね。借りる立場からすると、超低金利はありがたい金利といえます」(小林さん・以下同)超低金利はよくないのでは?「反対に、貸す立場、つまり銀行に預けるときなどは、超低金利は利息がほとんどゼロに近い、悪い金利です。金利の善しあしは、立場によって変わるものなのです」【Q2】金利が上下すると生活への影響は?「金利が低いと、私たちは住宅ローンをはじめお金が借りやすくなります。ただし、コロナ禍で収入が減った人もいるので、金利だけで判断できない部分もあります。同時に、超低金利下では、銀行に預けてお金を増やす、ということは極めて難しくなります。バブル期にあった利率が8%の定期預金なら、元本を約9年で倍にできましたが、今の0.002%だと倍になるまでじつに3万6,000年かかります。そのうえ手数料などを払ったら、元本が目減りすることもしばしば。銀行はもはや“金庫”でしかありません。お金を増やすには別の手段が必要でしょう」【Q3】住宅ローンは固定と変動どちらを選ぶべき?「住宅ローンの金利は今、全期間固定で1%前後。変動なら0.5%が中心です。3,000万円を35年ローンで借りた場合の総返済額は、固定と変動で約300万円違います。3年前はおおよそ変動が1%、固定が3%だったので、同じ借入額だと約1,300万円の差がありました。固定金利が下がって変動金利に近づいているので、総返済額の差も縮まっています。このように単純比較すると、変動金利は総返済額が少なくいい金利なのですが、『変動金利がこのままずっと変わらない』ことはありえません。景気などに合わせて、変動金利は上がることがあり、固定金利よりも高くなる可能性もゼロではありません」それでは、35年もの長期ローンを考えると、固定金利が安心?「ただし今後、金利が多少上下することはあっても、急に大きく上がるとは思えません。今は変動金利を選ぶのが正解でしょう」【Q4】「ゼロ金利」ってどういうこと?「日本銀行(日銀)は、銀行を相手にお金の貸し借りを行う銀行の元締です。その日銀が、銀行にお金を貸す金利を’99年から限りなくゼロに近づけたのがゼロ金利政策です。私たちの預金金利がゼロ、という意味ではありません」なぜ、そんな施策が必要なのか?「銀行が日銀からゼロ金利でお金を借りれば、一般の企業や人々にも低金利で貸せるようになるからです。社会全体がお金を借りやすくなって、お金が回る。そうして景気を上げようという施策でした」連日流れる金融関係のニュース。家計を守る一助にするために、その仕組みについて基本は押さえておこう!「女性自身」2020年10月13日号 掲載
2020年10月05日をこれからトレードする上で、必ず学んでおきたいのが「エントリーポイント」です。なんとなくトレードするのではなく、エントリーポイントを学ぶことで、トレードの勝率を上げることができるからです。そこで、今回はエントリーポイントの正しい見つけ方や、私が考えるエントリーポイントを紹介していきます。エントリーポイントの考え方まず最初に申し上げたいのが「必ず勝てるエントリーポイント」は存在しません。また、効果的なエントリーポイントは、相場・時代によって異なります。以前は有効であったエントリーポイントが、今通用するかどうかは分かりません。そのため、この記事でおすすめする「エントリーポイント」は、あくまで現在、勝てる確率が高いと想定されるエントリーポイントのことだと認識していただけたらと思います。それでは、まずは具体的なエントリーポイントを学ぶ前に、エントリーポイントに関する心構えを見ていきましょう。エントリーポイントは確率で考えるいついかなるときも絶対に勝てる「エントリーポイント」はありません。そのため、エントリーポイントを見つけるにあたっては、確率で考えることが大切です。どういうことかと言うと、100%勝てるエントリーポイントを探すのではなく、例えば[勝てる確率75%:負ける確率25%]のエントリーポイントを見つける、といった感じです。確率で考えることができれば、負けも想定しているため損切りをしっかりできますし、負けの確率に併せてポジションサイズも調整できます。「エントリーポイントは何%の確率で勝てるのか・負けるのか」と考えるクセをつけるようにしましょう。勝ち負けはエントリーポイントだけでは決まらないエントリーポイントはもちろん重要です。だからこそ、この記事ではエントリーポイントをテーマに掲げています。しかし、エントリーポイントだけでは勝ち負けは決まらず、決済タイミングも重要であることもまた事実です。勝っているトレーダーは利益確定や損切りが非常にうまいです。一方で、特に初心者は損切りがなかなかできず、塩漬け状態になってしまうこともしばしばあります。また、逆に考えると「ある程度エントリーポイントを間違えたとしても、決済でうまく逃げられること」もあります。理想のエントリーポイントを追い求め過ぎると、いつまで経ってもエントリーできない可能性もありますので、そういう方は「多少エントリーを間違えたとしてもうまく逃げてやる」くらいの気持ちでもいいかもしれません。エントリールールを設けないと成長できないエントリーポイントを見つける際には、エントリールールを設ける必要があります。なぜなら「エントリールールを設けずにエントリーする=なんとなく上がりそうだから(下がりそうだから)エントリーする」ということになり、負けてしまった場合の検証作業が進まないためです。トレードに負けてしまう理由は、エントリーか決済のタイミングか、または両方が間違っていたからにほかなりません。エントリールールを設ければ、エントリーの何が間違っていたかを検証し、エントリールールを改善していくことができるのです。エントリーポイントの正しい見つけ方さて、それでは私が考えるエントリーポイントの正しい見つけ方を2つ見ていきましょう。トレンド方向のエントリーポイントを探す個人的にはトレンド方向に沿ってエントリーポイントを探し、エントリーすることをおすすめします。理由は、レンジ相場で「下で買って、上で売る」というトレードの方が、難易度が高いと考えるからです。過去のチャートでレンジ相場の部分を見ると「ここで買って、ここで売ればいいじゃん」と思えて、簡単そうに見えます。しかし、実際は1秒先も分からない状況でトレードしなければいけません。また、いつかは必ずレンジ相場はブレイクします。そのため、ある程度トレンドが発生したときに絞ってエントリーポイントを探り、エントリーをして利益を伸ばすことをおすすめします。レンジ相場:一定の価格帯を上下する相場テクニカル指標を組み合わせて判断するテクニカル分析に使用するテクニカル指標は数多くあります。パッと挙げるだけでも移動平均線、ボリンジャーバンド、一目均衡表、RSIなどなど。これらのテクニカル指標を組み合わせて、売買シグナルが一致したタイミングがエントリーポイントです。なお、テクニカル分析には、移動平均線などトレンドを分析する「トレンド系」のテクニカル指標と、ストキャスティクスなど逆張りに有効な「オシレーター系」のテクニカル指標の2種類があります。組み合わせとしては、「トレンド系+トレンド系」もしくは「トレンド系+オシレーター系」を使うことをおすすめします。(オシレーター系のみの組み合わせの場合、トレンドが出たときに対応できないため)テクニカル指標はインジケーターとも言います。必ず根拠を持ってエントリーをするエントリーポイントを見つけてエントリーをする際にぜひ心掛けていただきたいのが、「必ず根拠を持ってエントリーをする」ということです。その理由を2つ見ていきましょう。[adsense_middle]決済タイミングが分からなくなる根拠を持ってエントリーしないと決済タイミングが分からなくなり、最悪の場合、塩漬けもしくはロスカットになってしまいます。なんとなく大丈夫そうだという理由で、スキャルピングで数十銭の利幅を狙ってエントリーしたとします。その直後に急に不利なレートに動いても、なんとなくエントリーしたため「また戻ってくるんじゃないか」という根拠のない希望が生まれて決済せず、結果ロスカットになってしまうこともあり得ます。根拠を持ってエントリーすれば、その根拠が崩れたときが決済タイミングですので、塩漬け・ロスカットになることはありません。負けたとしても、納得がいく精神的な話ですが、個人的な経験上、根拠を持ってエントリーすると、負けたとしても納得がいきます。なぜなら負けたときの根拠もはっきりとするためです。例えば、「ブレイクアウトしたから買う。しかし、だましだったら負ける。」→「損切り」→「だましだったから負けたんだな」という風に思えるのです。負けたときの根拠を見つけられれば(それが正しいか正しくないかは置いておいて)、検証作業をすることもできますので、エントリーする際には根拠を持つようにしましょう。だまし:テクニカル分析において、売買シグナルと逆の動きをすること。エントリーポイントのタイミング4選最後に、エントリーポイントとして参考にしていただきたいタイミングを4つ紹介していきます。もちろん、100%利益を上げられるわけではありませんが、確率としては高いと言われているポイントです。ぜひこの4つのタイミングを自分なりに活用していただけたらと思います。金融政策の転換時金融政策の転換時には、大きく一方向にトレンドが形成される傾向があります。一番分かりやすいのは、2013年4月から始まった「アベノミクス」の第一の矢・「金融緩和」ではないでしょうか。日本銀行が市場にお金をどんどん供給していったため、しばらく円安トレンドが形成されました。ただし、金融政策の転換は頻繁に起こるものではありません。そのため、金融政策の転換時にエントリーする、もしくはトレンドに沿って長期保有する際に大きな効果を発揮します。一方で、短期トレードをする場合には、金融政策のトレンドを大きな流れとして頭に入れつつ、テクニカル分析をしてトレードすることをおすすめします。ブレイクアウトブレイクアウトをしたタイミングもエントリーポイントになります。ブレイクアウトとは、節目のラインを越え、大きく伸びる動きのことです。画像:著者作ブレイクアウトは例えば、上記のような動きを指します。赤線のような節目となるライン(上の図では上値抵抗線)を越えたあとに、大きく一方向に伸びていくことがしばしば起きます。節目のラインは多くの投資家が意識をしており、ポジションがたまっています。そのためラインを抜けると、たまっていたポジションも巻き込んで、大きな動きになる可能性があるのです。節目のラインは、相場の高値・安値や、ラウンドナンバーと呼ばれるキリの良い数字(100.00や105.00など)に引かれることが多い。ただし、だましの場合もあります。そのため、例えば節目のラインを越えたとしてもすぐに飛びつかず、第1波を見送り、その後の動きから、レートがブレイクアウトした方向に動くことを確認してからエントリーをしても、個人的にはいいと考えます(ただし、その場合は利益確定幅は大きく取らない)。直近高値(安値)を越えたとき直近高値(安値)を越えたとき、トレンド方向の売買へ仕掛けてみてもいいでしょう。出典:著者作成上の図は、直近高値を越え、上昇トレンドを形成していることを示しています。赤丸が直近高値を越えたときの「買いエントリーポイント」です。上がってきたので少し怖い気もしますが、直近高値を越えてきたということはトレンドが発生している可能性が高いので、買いエントリーを検討しましょう。一方で、高値を抜けた直後にトレンドが終わる可能性もあります。そのため、その後トレンドが続くかどうか、しばらくは値動きをしっかり確認しましょう。三角持ち合い後のブレイクを狙う三角持ち合いとは、下記画像のように、値動きが徐々に収斂していき、チャートの形が三角形になるパターンを指します。画像:著者作三角持ち合いの場合、値動きが収斂してもみ合った後に、大きく動き出す場合があります。トレードではこの特性を利用してエントリーしていきましょう。例えば上の図の場合、どんどん安値を切り上げていきながら、チャートが三角形に収まっています。三角持ち合いの典型的なパターンです。もみ合いを抜けたら(ブレイクしたら)、上方向へ大きく動く可能性が高いため、ブレイク後の赤丸でエントリーをします。ただやはり、だましもあります。そのため慎重な方は、ブレイクを確認してからエントリーしてもいいと思います。FXのエントリーポイントに関するまとめFXトレードで利益を上げるためには、「エントリーポイントをどこにするか」がポイントです。しかし、エントリーポイントに絶対はありません。今回紹介したエントリーポイントも、もしかしたら、あなたには合わないかもしれません。ただ、もしエントリーポイントに悩んでいる、もしくはこれからFXトレードをするという方なら、今回紹介したエントリーポイントを実践の中で活用・改善し、そしてより高確率で稼げるエントリーポイントを見つけていただけたらうれしいです。
2020年10月03日アベノミクスにより異次元の金融緩和政策が取られる中で、これ以上下がることはないと思われた金利に、さらにマイナス金利が導入されました。これにともない、メガバンクや地方銀行で金利の引き下げが行われ、一部の金融機関では「お金を預けると手数料がかかる」といった制度を検討しているとの話も聞かれます。一方、信用金庫の中には、こうした流れとは逆行して金利を引き上げているケースもあることをご存知でしょうか。メガバンクや地方銀行の多くが金利を引き下げる中、なぜ信用金庫は高い金利でお金を預かることができるのでしょうか。本記事では、信用金庫の金利が高い理由について見ていきたいと思います。金融機関の預金金利の仕組み金融機関の預金金利はバブル以降下がり続けており、現在では利息を目的にお金を預けるという方はほとんどいないのではないでしょうか。例えば、2020年9月時点におけるみずほ銀行の預金金利は、年利0.001%となっています。これは、仮に100万円を1年間預けても、10円(税引き前)しか利息を受け取れない計算です。金融機関は、預金に対してなぜ利息を支払えるかというと、預かったお金を企業に貸し出して金利収入を得たり、市場で運用して利益を得たりしているからです。政府が金融緩和政策を取っているのは、金利を低くすることで企業が金融機関からお金を借りやすくするといった目的がありますが、一方で金融機関が得られる金利が少なくなると、預金に対して支払える利息も少なくなることになります。マイナス金利の導入とその効果また、冒頭でお伝えしたとおり、2016年にはマイナス金利政策が取られることになりました。金融機関は、預金者から預かったお金のうち、すぐに運用しないものについては日本銀行の口座に預けますが、マイナス金利が導入されたことにより、金融機関は日本銀行に預けたお金に応じて金利を支払わなくてはならなくなりました。こうすることで、日本銀行の口座にお金を寝かしておくのではなく、企業への貸出や市中での運用を活発にして経済活性化を目指す狙いがあります。一方、金融機関が預金者からお金を預かるとき、日本銀行の口座に預けると金利を支払わないといけないのにも関わらず、預金者には利息を支払う必要があります。こうした中、多くの金融機関では預金金利のさらなる引き下げを検討するほか、一部の金融機関では預かったお金に対して手数料を請求するといったことを検討するケースも出てきています。信用金庫が預金金利を高くできる理由政府が金融緩和政策を取る中で、金融機関の多くは預金金利の引き下げを検討していますが、信用金庫の中には逆に金利を引き上げたというケースも見られます。金融機関の仕組み上、通常であれば金利の引き下げを検討するのが順当ですが、こうした信用金庫はなぜ金利を引き上げられるのでしょうか?高金利とはいえ利率が高すぎるわけではない例えば、ある信用金庫が0.1%の高金利で定期預金を受け付ければ、多くの方がお金を預けたいと思うのではないでしょうか。先ほどのみずほ銀行の預金金利と比べれば、実に100倍お得にお金を預けることができます。しかし、高金利とはいえ0.1%程度であれば、100万円預けて1年間運用したとしても、利息は1,000円(税引き前)程度です。信用金庫は相対的に金利が高いとはいえ、利率で見れば高すぎるわけではないという点は押さえておきましょう。メインバンクにしてもらうことが狙いこうした信用金庫では、高金利でお金を預かる代わりに、公共料金の自動振替や給与振り込み口座にしてもらうなど、預金者にとってのメインバンクにしてもらうという狙いがあります。預金者の内、何割かが金利数%でローンを利用すれば収支が成り立つといったことも少なくないはずです。預貯金が集まり過ぎる心配が少ない信用金庫は地域の発展のために存在するもので、営業エリアを大きく拡大することは基本的にありません。このため、金利を高く設定したとしても、メガバンクや地方銀行のようにお金が集まりすぎるという心配は少ないといえます。信金中央金庫で運用できる金融機関は活用していない資金を日本銀行の口座に預けますが、信用金庫は信用金庫にとっての日本銀行にあたる、信金中央金庫にお金を預けることができます。信金中央金庫は金利を公表していないため、具体的な金利は分かりませんが、マイナス金利は導入していません。このため、一般の金融機関のように「お金を預かれば預かるほど負担が大きくなる」という心配もないのです。信用金庫の定期預金金利はどのくらい?ところで、信用金庫は具体的にどのくらいの金利でお金を預かっているのでしょうか?ここでは、2020年9月時点で高金利で定期預金を預かっている信用金庫について、いくつかご紹介していきたいと思います。[adsense_middle]岡崎信用金庫(おかしんインターネット支店)まずは愛知県岡崎市にある岡崎信用金庫で取扱いのある「オカザえもん定期預金」です。こちらは岡崎信用金庫のおかしんインターネット支店限定で、1年もの預金金利を0.27%で預けられる商品となっています。インターネット支店ということもあり、店舗の賃料負担などがない点や、インターネット支店で口座開設してもらうことを目的としたキャンペーンであること等が、高金利の理由でしょう。本キャンペーンは2020年9月30日に終了する予定となっています。また、これと同じようなキャンペーンがほかの信用金庫でも実施されています。豊田信用金庫 とよしんインターネット支店:0.270%(2020年9月30日迄)しずおか焼津信用金庫 しずしんインターネット支店:0.230%(2020年9月30日迄)豊橋信用金庫 インターネット支店:0.200%(2020年9月30日迄)尼崎信用金庫(ウル虎支店)尼崎信用金庫は兵庫県尼崎市にある信用金庫で、ウル虎支店はネット専用の店舗です。尼崎信用金庫(ウル虎支店)では、1年から5年までの定期預金について金利0.200%で預かっています。5年定期で金利0.200%というのはほかであまり見ません。長期的に使用しない資金がある方におすすめだといえるでしょう。播州信用金庫(夢みらい支店)播州信用金庫は兵庫県姫路市にある信用金庫で、1年定期預金の金利が0.102%となっています。上記でお伝えした信用金庫と比べると、金利はやや低くなっていますが、播州信用金庫の場合は期間限定のキャンペーン金利でない点がポイントだといえるでしょう。過去には期間限定のキャンぺーン金利で、0.25%といった高金利で定期預金を預かっていた期間もあるようです。なお、夢みらい支店は播州信用金庫のネット専用支店となっています。ネット銀行も高金利で預けやすい本記事では、信用金庫が高金利で預金を受け付けていることが多い理由と具体的な金利についてお伝えしていますが、信用金庫以外に、ネット銀行も高金利でお金を預かってくれるケースが多くなっています。これにはどのような理由があるのでしょうか?店舗負担のない金融機関通常、店舗のある金融機関だと毎月店舗の賃料を支払う必要がありますし、そこで働く行員の人件費や各種設備費用等を負担する必要があります。一方、ネット銀行の場合はこれらの負担がないため、高い金利で預金を集めることができるといえます。先程ご紹介した、高金利でお金を預かっている信用金庫の支店もすべてネット支店であり、これと同じ理由だといえるでしょう。信用金庫はなぜ金利が高いかに関するまとめ金融緩和政策により多くの金融機関では預金金利が引き下げられていますが、こうした中で信用金庫では逆に預金金利を引き上げるケースがよく見られます。これには、営業エリアの問題や信金中央金庫の存在があることは本記事でご紹介したとおりです。少しでも高金利でお金を預けたいと考えている方は、まずはお住まいのエリアにある信用金庫に問い合わせしてみてはいかがでしょうか。
2020年10月02日「アベノミクスは買いだ」世界にそう喧伝していた安倍晋三首相。だが、8月28日の辞任会見で「アベノミクス」という言葉は最後まで使わなかったーー。『アベノミクスの終焉』の著書がある同志社大学商学部の服部茂幸教授が話す。「アベノミクスが中途半端で終わったことを表しています。アベノミクスは、日本銀行が国債をたくさん買い入れることにより、市中に大量の通貨が供給され、金利は下がり、企業活動が活発化。物価の上昇とともに賃金も増え、消費も拡大すると謳っていました。その景気回復へのシナリオはすべて頓挫したのです」7年8カ月も続いた第2次安倍政権の根幹政策だったアベノミクス。その実態を検証しよう。■公的資金で株高支える安部首相は株価上昇を理由に、景気回復を強調するが……。『ツーカとゼーキン知りたくなかった日本の未来』の著者である弁護士の明石順平さんはこう語る。「新型コロナウイルスの影響で経済が大きく低迷しているのに株価がまったく下がっていないのは、日銀と年金という公的マネーで買い支えているからです。年金積立金を管理・運用しているGPIFは、’14年に資産運用割合を変更して、大量に年金資金を株式市場に投入しました。さらに日本銀行はETF(上場投資信託)の購入を増やし続け、今年5月には時価ベースで保有額は31兆円を超えました」3月時点で日銀は東証一部全体の約6%の株を保有しており、近く一部上場企業の“最大の株主”になる見込みだ。好景気を演出する(図解:ウソ6)ための官製相場なのだ。これは危険な兆候であると、明石さんはこう続ける。「株価を維持しようと日銀は躍起になっています。やめようにも、株価が暴落するため売れません。しかも日銀による大量購入を前提に市場が築かれているため、この構図が崩れた瞬間に、株価は急降下。日銀はETF評価損で大赤字になり通貨危機が起きてもおかしくはありません」最後に服部さんが語る。「アベノミクス失敗の原因をコロナ禍に求める人がいますが、’18年10月には景気が後退局面に入っていたことが今年7月になって明らかになりました。成長率も1%程度と低く、効果がなかったんです。国民はアベノミクスという幻想から目を覚ますべきです」しかし、自民党総裁選への出馬会見(9月2日)で菅義偉官房長官は「アベノミクスをしっかりと引き継いで、前に進めていきたい」と語った。悪夢は“スガノミクス”として引き継がれていくのか。「女性自身」2020年9月22日 掲載
2020年09月10日「アベノミクスは買いだ」世界にそう喧伝していた安倍晋三首相。だが、8月28日の辞任会見で「アベノミクス」という言葉は最後まで使わなかったーー。『アベノミクスの終焉』の著書がある同志社大学商学部の服部茂幸教授が話す。「アベノミクスが中途半端で終わったことを表しています。アベノミクスは、日本銀行が国債をたくさん買い入れることにより、市中に大量の通貨が供給され、金利は下がり、企業活動が活発化。物価の上昇とともに賃金も増え、消費も拡大すると謳っていました。その景気回復へのシナリオはすべて頓挫したのです」7年8カ月も続いた第2次安倍政権の根幹政策だったアベノミクス。その実態を検証しよう。■物価上がるも賃金下がり『ツーカとゼーキン知りたくなかった日本の未来』の著者である弁護士の明石順平さんはこう語る。「確かに、物価は上昇しました。消費者物価指数は’12年から’19年までに7.2%、食料品に限っては約11%も急上昇。ところが、物価が上がっても名目上の賃金はほとんど変わっていません」賃金が上がっても、それ以上の勢いで物価が上がっていれば、買えるものは少なくなり、実質的に賃金が減っているのと変わらない。’12年から、物価の影響を考慮した実質賃金指数は5度にわたり下落している。アベノミクスで“給料”は上がる(図解:ウソ1)どころか、下がったのだ。安倍首相は“雇用の改善によって賃金の低い新規雇用者が増えて、平均を押し下げた”と主張してきたが……。「だったら名目賃金も下がるはずですが、こちらは下がっていない。明らかな嘘です。仮にそれが本当なら、新規労働者が増え続ける限り、実質賃金が下がるということになりかねない」(明石さん)さらに、これらの数字すらかさ上げされた可能性がある。’18年から調査対象の「常用労働者」の定義が変えられていたのだ。「『常用労働者』から賃金の低い日雇労働者を除外した。結果、平均賃金は高くなりました。そんなことまでして、アベノミクスの失敗をごまかそうとしたんです。本来、賃金が上がり、続いて自然に物価が上がるというのが正しい経済成長。物価上昇を目標としているアベノミクスは最初から誤っているのです」(明石さん)給与が下がった一方で、負担は増えた。今年3月、財務省は、税や社会保険料などの負担が所得に占める割合である「国民負担率」が過去最高となる44.6%になる見通しだと発表。それにともない手取りである可処分所得が減り続けている。アベノミクスで生活が豊かになる(図解:ウソ2)ことを期待した多くの国民を裏切ってきたのだ。前出の服部さんが語る。「アベノミクス失敗の原因をコロナ禍に求める人がいますが、’18年10月には景気が後退局面に入っていたことが今年7月になって明らかになりました。成長率も1%程度と低く、効果がなかったんです。国民はアベノミクスという幻想から目を覚ますべきです」しかし、自民党総裁選への出馬会見(9月2日)で菅義偉官房長官は「アベノミクスをしっかりと引き継いで、前に進めていきたい」と語った。悪夢は“スガノミクス”として引き継がれていくのか。「女性自身」2020年9月22日 掲載
2020年09月10日7年8カ月も続いた安倍政権。その象徴的だった政策がアベノミクスだ。だが、庶民から生活が楽になったという声はほとんど聞こえない。それもそのはず、嘘で塗り固められ政策だったのだーー。「アベノミクスは買いだ」世界にそう喧伝していた安倍晋三首相。だが、8月28日の辞任会見で「アベノミクス」という言葉は最後まで使わなかった。『アベノミクスの終焉』の著書がある同志社大学商学部の服部茂幸教授が話す。「アベノミクスが中途半端で終わったことを表しています。アベノミクスは、日本銀行が国債をたくさん買い入れることにより、市中に大量の通貨が供給され、金利は下がり、企業活動が活発化。物価の上昇とともに賃金も増え、消費も拡大すると謳っていました。その景気回復へのシナリオはすべて頓挫したのです」7年8カ月も続いた第2次安倍政権の根幹政策だったアベノミクス。その実態を検証しよう。■消費も雇用も低迷した「消費は緩やかな上昇傾向」と安倍政権は主張し続け(図解:ウソ3)、消費税の増税が強行された。『ツーカとゼーキン知りたくなかった日本の未来』の著者である弁護士の明石順平さんはこう語る。「しかし、民間消費の総額である実質民間最終消費支出は、’14〜’16年にかけて3年連続下落。これは戦後初のことです」2度の消費税増税もあり、消費は低迷し続けている。国内消費が6割を占めるGDP(国内総生産)だが、こちらの数値がかさ上げされている(図解:ウソ4)可能性がある。’16年12月、内閣府はGDPの算定方法を“国際標準の基準値”へ改訂している。「しかし、国際標準とは関係のない『その他』という項目を操作して、アベノミクス以降のGDPを大きく膨らませました」(明石さん)過去のGDPも新基準で計算し直され上昇したが、アベノミクス以降のほうが明らかに上昇率は大きくなっているのだ。辞任会見で安倍首相は「雇用の回復」を強調していたが……。「就業者数は増加していますが、それとともに増えるはずの就業者全体の労働時間はほぼ横ばいです。その理由は、急増している派遣や契約、パートなどの非正規雇用の労働時間が短くなっていることにあります」(前出・服部さん)“安定した雇用”(図解:ウソ5)はまったく回復していない。最後に服部さんが語る。「アベノミクス失敗の原因をコロナ禍に求める人がいますが、’18年10月には景気が後退局面に入っていたことが今年7月になって明らかになりました。成長率も1%程度と低く、効果がなかったんです。国民はアベノミクスという幻想から目を覚ますべきです」しかし、自民党総裁選への出馬会見(9月2日)で菅義偉官房長官は「アベノミクスをしっかりと引き継いで、前に進めていきたい」と語った。悪夢は“スガノミクス”として引き継がれていくのか。「女性自身」2020年9月22日 掲載
2020年09月10日住宅ローン減税は、マイナス金利の導入により非常に低い金利を維持している住宅ローン金利に対し、さらに税金の還付を受けられるというもので、住宅取得を考えている方にとっては非常にうれしい制度です。制度の適用要件自体はそこまで難しいものではないのですが、ちょっとしたことで適用を受けられなくなる場合がある点に注意が必要です。本記事では住宅ローン減税について、その仕組みや適用条件、手続き方法などをわかりやすく解説していきます。住宅ローン減税(住宅ローン控除)の仕組みまずは、そもそも住宅ローン減税とはどのようなものなのか、その仕組みや意味について解説していきたいと思います。住宅ローン減税制度とは住宅ローン減税とは、一定の条件を満たしたうえで、住宅ローンを組んで住宅を購入した場合に利用できる制度で、「最大13年間、住宅ローン年末残高の1%、所得税と住民税から控除を受けられる」というものです。住宅ローン年末残高の1%ですから、例えば住宅ローン年末残高が3,000万円あった場合には、3,000万円×1%=30万円分となり、30万円×13年間=360万円相当の税額控除を受けられます(ただし、4,000万円が上限)。冒頭でお伝えしたように、日本ではアベノミクスにより異次元の金融緩和政策が取られており、金利はずっと低い水準を維持したままです。特に、住宅ローンの中でも金利の低い変動金利では、金利が1%を切るものも多く、場合によっては利息を払うどころか、還付のほうが多い状況を生み出すこともできるようになっています。住宅ローン減税は効果の高い税額控除所得税の計算において、住宅ローン控除以外にも医療費控除などいくつかの制度が用意されています。これら控除は所得控除と税額控除に分類されます。税金の計算についてざっくりお伝えすると、収入から経費を差し引いた所得から各種控除を差し引いたものに税率をかけて、納税額を算出します。所得控除の場合、収入から経費を差し引いた所得から控除しますが、税額控除の場合、税率をかけた後の課税所得金額から直接控除できるため、非常に納税額の軽減効果の高いものとなっています。簡単に表すと、100万円の所得がある方に10%の税率で税金が課される場合、10万円の所得控除だと100万円ー10万円×10%=9万円が納税額となりますが、10万円の税額控除であれば100万円×10%ー10万円=0円と計算できるのです。そもそも所得税や住民税を納めている必要がある住宅ローン減税は所得税と住民税に対する減税のため、そもそも所得税や住民税を納めていなければ還付を受けることはできません。なお、住宅ローン減税はここ数年拡充がなされていますが、これは消費税の増税に対する、住宅取得者の負担緩和という側面があります。住宅取得時には、住宅ローン減税以外にすまい給付金を受けることができますが、こちらは所得が高いほど給付額が小さくなっています。つまり、すまい給付金の規定より所得が少ない方は、すまい給付金で消費税の増税分のカバーを受けることができ、一方で所得の高い方はすまい給付金を満額受けられない代わりに住宅ローン控除の恩恵を受けやすくなっているのです。住民税からの控除限度額は13.65万円なお、住宅ローン減税では減税対象額について、最初に所得税から差し引いた後、なお残額がある場合には住民税から差し引かれますが、住民税からの控除額については13.65万円という限度額が設けられています。例えば、3,000万円の住宅ローン年末残高がある方が、所得税10万円、住民税20万円納めている場合、減税を受けられるのは所得税10万円、住民税13.65万円となり、合計23.65万円しか減税を受けられない計算となる点に注意が必要です。住宅ローン減税(住宅ローン控除)の対象や適用要件住宅ローン減税の適用を受けるには、適用要件を満たす必要があります。ここでは、住宅ローン減税の対象や適用要件を見ていきましょう。[adsense_middle]住宅ローン減税の主な適用要件住宅ローン減税の基本的な適用要件としては、以下のようなものが挙げられます。マイホームであること床面積が50㎡以上であること住宅ローンの借入期間が10年以上であることいずれもそこまで難しい要件ではないといえるでしょう。しかし、注意しなければならないこともあります。自ら居住する必要がある住宅ローン減税の適用を受けるには、取得した住宅に取得の日から6カ月以内に自ら居住し、引き続き年末まで住み続ける必要があります。このため、別荘やセカンドハウスの場合には住宅ローン減税を利用することはできません。ただし、単身赴任の場合など、やむを得ない場合には申請すれば適用を受けられるという制度が設けられています。この場合、取得の日から6カ月以内に親族が住まなければならないことになっています。面積要件は壁芯面積と内法面積の違いに注意床面積については壁芯面積と内法面積の違いについて理解しておく必要があります。壁芯面積とは、壁の中心線を結んだ部分の面積のことで、内法面積とは壁の内側を結んだ面積のことを指します。このため、壁芯面積は内法面積より広い面積で表されることになります。注意しなければならないのは、登記簿謄本などでは内法面積で面積が記載されるのにも関わらず、マンションのパンフレットなどでは壁芯面積で記載されていることがあるということです。住宅ローン控除の適用要件は内法面積で判断されるため、マンションのパンフレットに記載の壁芯面積では適用要件を満たしていたのに、実際には内法面積では50㎡を満たしていなかったということがないようにしなければなりません。繰上返済で総借入期間が10年を切ると適用要件を満たさなくなる住宅ローンの借入期間については、控除を受けている間、ずっと借入期間が10年以上なければならない点に注意が必要です。住宅ローンは借入の途中で繰上返済することができますが、繰上返済の結果、すでに返済した期間と残りの期間が合計で10年を満たさなくなると、その年以降の住宅ローン控除は受けられなくなってしまいます。新築・中古双方で利用できる住宅ローン減税は新築だけでなく中古住宅も適用対象となります。ただし、中古住宅については「耐震性能を有している」必要があります。耐震性能を満たしているかについては、築年数が規定の年数以下となっているか、一定の証明書を取得している必要があります。住宅ローン減税の築年数に関する要件中古住宅で住宅ローン減税の適用を受ける場合、以下の条件を満たしておく必要があります。耐火建築物以外の建物(主に木造住宅)の場合、築20年以内であること耐火建築物(主にRC造のマンション等)の場合、築25年以内であること上記を満たしていない場合、次の証明書を取得しなければなりません。耐震性能を有していることを証する証明書耐震性能を有していることを証する証明書には以下のようなものがあります。耐震基準適合証明書既存住宅性能評価書(耐震等級1以上)既存住宅売買瑕疵保険に加入するいずれの場合も、証明書の取得には費用がかかることがあるため、事前にどの証明書を取得するとよいのか、また証明書を取得するための費用はいくらかを確認しておくことが大切です。マイホームを売却したときの特例と重複適用できない住宅ローン減税について注意しなければならないこととして、マイホームを売却したときの特例と重複適用できないということが挙げられます。不動産を売却すると、その利益額に応じて税金を納める必要がありますが、マイホームを売却したときには3,000万円特別控除など、税額を安く抑えるための特例がいくつか用意されています。こうした特例と、住宅ローン減税は重複適用できないことになっています。つまり、マイホームを売却して新しく住宅を購入するようなケースで、マイホームを売却したときの特例の適用を受けていた場合、新しく購入する住宅では住宅ローン減税の適用を受けられないのです。マイホームを売却したときの特例の内、3,000万円特別控除は所得から3,000万円を差し引ける効果の高い特例となっているため、この特例の適用を受けるのと、住宅ローン減税の適用を受けるのとどちらを選べばよいかを慎重に判断する必要があるといえるでしょう。住宅ローン減税(住宅ローン控除)の手続き住宅ローン減税の適用を受けるにはどのような手続きを取る必要があるのでしょうか?ここでは、住宅ローン減税の適用を受けるための手続きについて解説していきます。取得した年の翌年に確定申告する住宅ローン減税の適用を受けるためには、住宅を取得した年の翌年2月16日~3月15日までの間に、税務署で所得税の確定申告の手続きをする必要があります。特にサラリーマンの方の場合、毎年会社が源泉徴収されていることから、確定申告の手続きをどのようにすればよいか分からないと不安に思う方も多いようです。とはいえ、会社から交付される源泉徴収票と、住宅ローンを組んだ金融機関から送付される住宅借入金等特別控除証明書を持って、税務署で手続きするだけなのでそこまで難しいものでもありません。あらかじめ税務署でIDとパスワードを交付してもらえば、自宅でインターネットを使って確定申告することもできるようになりました。なお、自営業の方の場合、いつもの確定申告の金額から、住宅ローン減税の控除額を差し引くだけなので特に身構える必要もないでしょう。ちなみに、所得税の確定申告をすれば、住民税の控除については自動で計算してくれます。2年目以降は会社で源泉徴収してもらえるサラリーマンの方の場合、住宅ローンを組んだ翌年に確定申告してしまえば、後は毎年会社にお願いして源泉徴収で済ませてしまうことができます。ただし、源泉徴収を実施していない会社や自営業の方の場合、2年目以降も確定申告する必要があります。住宅ローン減税の条件に関するまとめ住宅ローン減税の適用を受けるための条件や適用対象、注意点などをお伝えしました。住宅ローン減税は非常にお得な制度であるだけに、うっかり条件を満たさない住宅を購入してしまったといったことのないよう、本記事の内容を事前によく確認しておくようにしましょう。
2020年07月23日住宅ローンは35年など数十年に及ぶ返済ということもあり、借入額をいくらにするのか迷うものです。金融機関が住宅ローンでいくら融資してくれるかは年収により決まりますが、実際のところ、年収に対してどのくらいの借入をするのがよいのでしょうか。本記事では、住宅ローンの借入可能額の計算方法などに触れながら、年収と適正額のベストバランスについてご紹介していきたいと思います。住宅ローンの借入額はいくらくらいがいい?住宅ローンを組むと数十年にわたり、毎月返済していくことになりますが、年収に対してどのくらいまで借入してよいものなのでしょうか?借入できる金額を目安にしてはいけない年収に対していくらまでなら借りてよいかという疑問に対し、明確な答えはありません。これは、生活費や食費など毎月かかる費用がどのくらいかといったことや、貯蓄額など家庭によって大きく異なるからです。一方、金融機関に審査を申し込むと、「年収○○万円なら□□万円まで借入できる」という借入可能額は明確に計算できることから、この数字を1つの目安とする方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、実際のところ、金融機関の借入可能額を目安にすると負担が大きくなることが多いです。借入可能額については、あくまでも自分の年収で借りられる最大額でしかないという意識を持ち、住宅ローン借入額の適正額を決める際の目安にしてはいけないということをまずは覚えておくとよいでしょう。住宅ローンの借入可能額の計算ここで、住宅ローンの借入可能額の計算方法を見ていきたいと思います。住宅ローンの借入可能額の計算では、返済負担率と審査金利の2つが用いられます。返済負担率とは返済負担率とは、住宅ローンとそのほかのローンを含めて、年収に対していくら返済しているのかを表すものです。例えば、年収400万円の方が住宅ローンを借りると、住宅ローンの返済額で8万円/月、自動車ローンなどそのほかのローンで2万円/月返済する場合、返済負担率は以下のように計算されます。{(8万円/月+2万円/月)×12カ月}÷400万円×100(%)=30%返済負担率については、金融機関ごとに上限が定められており、その上限を超える金額は原則として借入できないこととなっています。例えば、住宅金融支援機構のフラット35の場合、年収400万円未満の場合で返済負担率の上限は30%、年収400万円以上の場合で返済負担率の上限は35%と定められています。つまり、上記ケースでは返済負担率35%まで借りられることとなり、借入可能額の基準はクリアすることになります。住宅ローン以外のその他ローンに注意返済負担率についてポイントとなるのは、住宅ローン以外のローンも対象となることです。自動車ローンやウェディングローン、教育ローンなどを返済中の方は返済負担率の計算に入れる必要がありますし、ほかにも携帯電話の分割費用や奨学金なども対象となります。これら借入情報については、自己申告ではありますが、審査時には個人信用情報をチェックされるため、申告漏れがあったらばれてしまいます。なお、そのほかのローンについては、自己資金などで住宅ローン実行時までに完済することができれば、返済負担率の計算から除外できます。審査金利とは返済負担率の計算上、住宅ローンの返済額を求める際には、住宅ローンの適用金利ではなく、金融機関ごとに定められた審査金利が用いられます。審査金利は金融機関ごとに異なりますが、3%程度で設定されることが多いようです。例えば、住宅ローンの適用金利が1%で審査金利が3%という金融機関の場合、35年の借入で毎月2万円ほど返済額が異なるのが一般的です。借入可能額の計算上、審査金利は重要なポイントとなります。フラット35の審査金利は住宅ローンの適用金利住宅金融支援機構のフラット35の場合、審査金利は住宅ローンの適用金利と定められており、このことから民間の金融機関と比べて高い借入可能額としやすくなっています。フラット35の場合、場合によっては年収の10倍程度を借入できる計算となることもありますが、冒頭でお伝えしたとおり、借入できるからといって満額まで借りてしまうと、返済が厳しくなってしまうことが少なくありません。年収と毎月返済額の適正額は?年収に対して、住宅ローンの毎月返済額の適正額はいくらくらいなのでしょうか?[adsense_middle]返済負担率20~25%を目指すまずは、返済負担率を20~25%に収めることを目指してみましょう。実際には、年収や年齢、家族構成などによって適正額は異なるのですが、目安としてこの辺りを意識しておくと余裕を持った資金計画を組みやすくなります。例えば、年収400万円の方の場合、返済負担率20%だと年間80万円の支払いで、おおよその毎月返済額は7万円ほどとなります。7万円/月というと、金利1%、借入期間35年の場合で2,500万円程度の借入となる計算です。月々の収入と支払額を把握しよう上記で借入額の目安について、返済負担率をおおよそ20~25%程度に収めるようお伝えしましたが、実際には年収により税負担や社会保険料などが異なるため、注意が必要です。上記は目安として考えつつ、実際に借入額を決めるときは、毎月の収入と支出を洗い出して計算してみるようにしましょう。手取り収入の把握まずは、手取り収入がどのくらいかを把握することから始めます。手取り収入については、預金通帳を見れば毎月の額を把握できるので、まずは確認してみましょう。毎月の費用の把握次に、食費や水道光熱費、携帯電話などの通信費で、月額いくらの費用がかかっているかを大雑把に書き出し、その合計額を求めます。こうして、手取り収入から毎月の費用を差し引き、そこから住宅ローンの返済額を差し引いたら手元にいくら残るかを求めてみましょう。実際には、想定外の費用が発生することも少なくないため、この段階ではかなり余裕を持った資金計画を立てることをおすすめします。年齢や家族構成によっても適正額は異なる年齢また、年齢や家族構成によっても適正額は異なります。例えば、年齢については、30歳で住宅ローンを組むのと、50歳で住宅ローンを組むのとでは計算が大きく変わってきます。というのも、住宅ローンの多くは完済時年齢を80歳前後とする必要があり、50歳の借入だと最長でも30年しか借りることができません。また、65歳で定年退職することを考えると、退職後に住宅ローンをどのように支払っていくのかも考えないといけません。家族構成家族構成については、子どもが何人いて、教育費にどのくらいの費用がかかるかも計算しておく必要があります。とはいえ、ここまで計算するのは一般の人にはなかなか難しいことでしょう。詳細に計算したければ、FPに相談してライフプランニングをしてもらうことをおすすめします。借入可能額いっぱいの借入でも問題ないという考え方もある一方、借入可能額いっぱいの借入でも問題ないという考え方もあります。住宅ローンは、一般的にすべてのローンの中で最も金利が低く設定されています。金融機関からすると、住宅ローンを貸すだけでは人件費などを考えると貸すだけ赤字になると考える人もいるほどです。アベノミクスによる異次元の金融緩和やマイナス金利の導入により金利は下がり続けており、1%以下の金利で借りられることも少なくありません。住宅ローン控除で借りれば借りるほどお得になる?さらに、政府により、住宅取得を積極的に行ってもらう目的で、住宅ローンを組む際にさまざまな特典を受けられるような制度が設けられています。具体的には、住まい給付金や住宅ローン控除が挙げられますが、ここでは特に住宅ローン控除について取り上げたいと思います。住宅ローン控除とは、借入してから13年間、住宅ローン年末残高の1%について所得税や住民税から控除を受けられるというものです。先述のとおり、住宅ローンの金利は1%を切るものも多い中、住宅ローン控除で1%分の還付を受けられるとなると、場合によっては「借りれば借りるほどお得」という状態になるのです。ただし、住宅ローン控除で受けられるのはあくまでも所得税や住民税に対する控除で、これらはそもそも年収がある程度高く、所得税や住民税を納めていないと還付は受けられません。サラリーマンの方は、職場から交付される源泉徴収票で納税額を計算できるので、確認してみるとよいでしょう。借りたものは返さないといけないとはいえ、当たり前ではありますが、住宅ローンで借りたお金は返さないといけません。借りれば借りるだけお得だからといって、例えば無駄に設備にお金をかけるなど、不要な分も借りてしまうのは問題です。手持ち資金が豊富にある場合に、手持ち資金を手付金として入れるのではなく、手元にお金を残しておくといった使い方ではおすすめできますが、手持ち資金がないのにも関わらず多額の借金をしてしまっては、借入後の生活が厳しくなる可能性が高いです。金利1%程度に対して、税金の還付で1%受けられるからといって、無駄に融資額を大きくするのではなく、あくまでも収入に対していくら返済していく必要があるのかを、なるべく余裕のある水準で計算しておくようにしましょう。その際には先述のとおり、1つの目安として、年収に対する返済負担率を20~25%に収められるかどうかを基準にしておくことをおすすめします。住宅ローン借入額の目安に関するまとめ住宅ローン借入額の目安についてお伝えしました。年収に対していくらまで借りてよいかについては、すべての家庭に当てはまる便利な公式などはありません。1つの目安として、返済負担率20~25%程度に収めることを目標にするとともに、より詳しくは、収入と支出の把握や、年齢や家族構成を元にしたライフプランニングを作成するなどして計算していくことをおすすめします。その際には、FPなど専門家に相談してみるのも1つの方法です。
2020年07月06日金融商品には、資産を増やすチャンスがあるのと同時に資産を減少させるリスクもあります。投資に関する情報には様々なものがありますが、本当に大事なのは原理原則です。金融商品の中でも投資信託で資産運用を行う方が多いと思われます。そこで、どれくらいの方が投資信託を保有し損失を出しているのか紹介した上で、運用に失敗しないための原理原則について今回は記載してみたいと思います。投資信託で損失を出している投資家の割合投資信託を購入することのできる金融機関で一番身近なのは、銀行だと思います。その銀行で投資信託を保有しているお客さまの6割は運用損益がプラスで、4割がマイナスです。証券会社ではこの1年で運用損益が改善されており、資産運用会社は下がっているものの今でも高い水準を保っています。しかし、銀行ではほとんど変化がありません。「顧客本位の業務運営」の取組成果の公表状況P4個人の方は銀行で資産運用すると損をする確率が高い?そうであるからと言って必ずしも銀行で投資信託を購入するのが損とは限りません。どの金融機関で購入するとよいかどうかは、その人によって異なります。資産運用以外も含めた総合的なお金の相談ができるところは、銀行を利用するメリットです。一方で、証券会社等と比べ、投資信託等の資産運用商品の品揃えが少なく提案力にもバラツキが生じ得る点は、銀行を利用するデメリットです。ポイント1:投資目的を決めてから投資を実践する一般社団法人投資信託協会ホームページ 専門家に学ぶ 投資信託実践編 第3回 長期投資のメリットとは投資期間の決め方投資期間は、投資目的を満たすために必要な金額を決めてから、以下の計算式でシミュレーションして決めるとよいでしょう。必要金額=投資金額×投資期間×投資利回り投資利回りが5%を超える場合はある程度高リスクで積極的な資産運用が必要になりますので、この数値以下で考えるのがおすすめです。これらの計算はモーニングスター社の金融電卓を利用すれば、簡単に計算することができます。モーニングスターホームページ 金融電卓ポイント3:分散投資する金融庁ホームページ 投資の基本 分散投資ポイント4:運用にかかる手数料の安い投資信託を選ぶ資産運用で失敗しない第四のポイントは、低コストの投資信託を選ぶことです。投資信託の種類には、資産運用のプロが目利きで投資銘柄を選びパッケージ化したアクティブ型と、市場の指数と同じような値動きをするよう設計したインデックス型の2種類があります。このうち、低コスト運用であるインデックス型の投資信託を選択するのが原則です。アクティブ型の投資信託を選んではいけない理由投資のプロが銘柄を選ぶ手間がかかる分、アクティブ型の投資信託はインデックス型よりも手数料、特に資産運用中に毎年かかる信託報酬という手数料が割高になる傾向にあります。プロが選ぶなら手数料を加味したとしても、運用益が出て利益が出るようにも思えます。しかし、相場を毎年当て続けるのはプロでも至難の業です。一時的に利益が出ても長い目で見ると大損する可能性が高く、一般的にはおすすめすることはできません。アクティブ型の投資信託の運用成績の悪さは昔から言及され続けているアクティブ型の投資信託がインデックス型の投資信託の運用成績に劣後することは、最近になって判明したことではありません。30年以上前から資産運用の先進国のアメリカで言われています。「敗者のゲーム」という資産運用の古典的名著があり、この著者によりアクティブ型の投資信託のパフォーマンスの悪さについて言及されています。ご興味のある方は読んでみて下さい。Amazonポイント5:理解できない商品に投資しない資産運用で失敗しない第五のポイントは、自分が理解できない商品に投資をしないことです。当たり前に思われるかもしれませんが、これも投資で失敗する主要因です。投資の世界では、難しいカタカナの用語や世間のトレンドワードがたくさん出てきます。こういう言葉が商品説明のパンフレット等に掲載されていると、理解できなくても「何となくよさそうだ」と感じてしまいがちです。投資信託の理解度を確認する方法投資信託では、商品性や手数料、リスクなど投資をする上での重要情報が目論見書に網羅されています。ご自身で投資をしてみたいと感じる銘柄があったら、必ずこの目論見書を確認して、疑問に感じる点や不明な点がないか確認しましょう。そして、そういう事項があれば、金融機関に問い合わせてして納得するまで聞いてみることをおすすめします。それでも理解ができないときはここまでやって理解できない事項があったり不安に感じる商品であれば、ご自身の投資には不向きな商品だと考えてよいでしょう。きっぱり諦めて他の銘柄への投資の検討をおすすめします。またこうなるということは、ご自身の投資の知識が不足していることも考えられます。わからない用語は逐一調べてみたり毎日ニュースを見たり、日々の積み重ねも大事です。ご自身の勉強もできる範囲内でやってみて下さい。実際に投資を実践する際の注意点以上は投資を行う前の時点での注意点です。投資は実行して終わりではなく、その後の管理もあります。自分に合った銘柄や投資手法を選択しても、その後の管理が不十分であれば大きな損失を被るおそれがあります。そこで、次に投資を実行している際のポイントについても以下記載します。[adsense_middle]他人のアドバイスを鵜呑みにしないまず大事なのは、他人のアドバイスを鵜呑みにしないことです。金融機関の営業担当者との接点がある方であれば、担当者から保有している投資信託を他の商品に乗り換えしないか、提案を受けることがあるはずです。この場合、乗り換えにも各種手数料が発生することや、他の商品に変えて運用成績が必ずよくなるとは限らないことを、しっかり認識しておく必要があります。周囲の雑音に惑われない相場が下落局面になれば、マスコミ等により不安感を煽るような報道が行われがちです。アベノミクス等でここしばらく、かなり資産運用しやすい環境にありました。ただ、最近は雲行きが怪しくなってきており、先行きに不安を感じる報道が増えていくことも予想されます。今のコロナウィルスに関連した報道にもその傾向が感じられます。こういうときに恐怖心で資産を動かさないことを、今から肝に銘じていくことも非常に重要です。資産の管理を怠らない投資信託の価格は毎日チェックする必要はありませんが、毎月、少なくとも数か月に1回は確認して放置しないようにしましょう。そして、価格が下がった場合にどこまで保有を続けるかを決めて実践することも大事です。基本的には、購入後に目標金額に到達するまでは解約しないのが原則ですが、あまりに価格が下落するようであれば最悪解約も必要です。心身の健康も大事にする上記の3つを実践するにはメンタル面も重要な要素になります。ここをおろそかにすると、恐怖心に駆られ投資判断をしたり、相場下落局面で資産価格のチェックを怠るといった行動に表れます。心身の健康をおろそかにしないことが資産運用においてとても大切です。具体例心の健康面でいえば、人の少ない場所で静かに過ごす時間、自然に触れる時間を作ることが大事です。後は瞑想やマインドフルネスも有効です。イライラすることが多いとき、気持ちがざわつくというときは、こういったリフレッシュをしてみましょう。食事では、植物性たんぱく質のあるものを意識的に摂取することを大切にし、睡眠は時間の長さだけでなく就寝時間と起床時間のばらつきをなくすことも大切です。投資信託で損する原因&対策に関するまとめ投資信託で資産運用を行う上で、知識面でたくさんのことを知っておく必要はありません。上記のような最低限理解しておくべき原理原則を大事にして実践することが重要です。細かい投資のテクニックに走らずに、原理原則を守って投資を行うことをぜひ心掛けてみて下さい。
2020年03月20日「財務省が’20年度の『国民負担率』を公表しましたが、過去最高の44.6%となる見通し。これは昨年10月に消費税が10%に引き上げられたことが大きな要因です。国民負担率とは、税金と、年金や健康保険などの社会保険料が所得に占める割合のこと。負担率が上がれば、使えるお金が減ることになります。実は、’12年12月に第2次安倍政権が発足して以降、国民負担率は上がり続けています」そう語るのは「暮らしと経済研究室」主宰の山家悠紀夫さんだ。’12年には39.7%だった国民負担率は、’20年には44.6%に。なんと12%も増えたことになる。負担が増えただけではない。給料そのものが安倍政権のもとで減り続けていると語るのは、京都大学大学院教授の藤井聡さんだ。「物価の上がり幅に、賃金の上昇が追いつきません。物価の影響を考慮した『実質賃金』は年々、下がっているのです。昨年10月の消費税増税のために、実質賃金はより下落します。今年のサラリーマンの実質賃金は、’12年と比べて10%近く減ることになるでしょう」安部首相がよく実績として誇るのが株高だ。’12年には約1万円だった株価を2万円台に乗せた。株価上昇はアベノミクス効果と安倍首相は胸をはるが、京都大学大学院教授の藤井聡さんはこう見ている。「日本の株式市場そのものが“粉飾決算”のようなものです。年金資金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、’14年に国内株式の投資比率を12%から25%に引き上げました。また、日本銀行も政策で国内の株を大量に買っている。上昇した株価はいわば官製相場なのです」両者が国内株式に出資した金額は合計66兆円超で、その割合は東証一部の時価総額の11.2%に上る。仮に、株が暴落した場合、将来の年金資金が目減りしていく可能性もあるのだ。さらに、アベノミクスの柱のひとつだった「女性活躍」も、前進していない。政府は’20年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にすると宣言していたが、管理職や国会議員に占める女性割合も遠く及ばない。ほかにも、第2次安倍政権下で本当によくなっているのか、怪しい数字はたくさんある。■雇用【完全失業率】’12年:4.3%→’19年:2.4%【非正規者数】’12年:1,816万人→’19年:2,165万人【うち女性の数(%)】’12年:1,249万人(69%)→’19年:1,475万人(68%)失業率も下がり「年金の支え手が500万人も増えた」と誇示する安倍首相だが、実際に増加した雇用の7割は不安定で低賃金の非正規雇用。そのうちの多数が女性だ。■企業【倒産企業数】’12年:1万855(2013の値)→’19年:8,383【休廃業・解散企業数】’12年:3万4,800(2013年の値)→’19年:4万3,348「アベノミクスで減った」と強調する倒産企業数だが、実際は倒産する前に自主的に事業活動を停止した「休廃業・解散企業数」が激増している。■女性活動【ジェンダーギャップ指数(総合)】’12年:101位/135国中→’19年:121位/153国中【管理職に占める女性比率】’12年:10.6%→’19年:13.9%(2018年の値)【女性衆議院議員の数(割合)】’12年:38人(7.9%)→’19年:47人(10.1%)【女性参議院議員の数(割合)】’12年:44人(18.2%)→’19年:56人(22.9%)’20年に女性管理職30%以上とする“国際公約”はまったく達成できず。世界の男女格差を分析して算出したランキング「ジェンダーギャップ指数」では過去最低の121位。とくに政治分野のランキングでは144位に。女性国会議員も衆議院で約1割、参議院でも約2割と低水準なら納得だ。■報道【世界報道自由度ランキング】’12年:22位→’19年:67位首相と大手メディア幹部が会食を繰り返し、報道に干渉しているという話も。■国防【防衛費】’12年:4兆6,453億円→’19年:5兆2,574億円経済政策も頓挫しているなか、防衛費は6年連続で過去最高を記録。※厚生労働省「一般職業紹介状況」、総務省「労働力調査」、厚生労働省「賃金構造基本統計調査100人以上規模」、東京商工リサーチ「2019年休廃業・解散企業」動向調査、国境なき記者団「世界報道自由度ランキング」などから本誌作成。同志社大学の教授で、政治学者の岡野八代さんが語る。「安倍首相は女性の雇用者を増やしたと誇りますが、実際は収入の落ち込みで、それまで働いていなかった人たちが、不安定で低賃金の非正規やパートで働かざるをえなくなっただけ。首相が語ってきた“女性がいきいきと働く社会”がいまだ実現できていないことは誰の目にも明らかです」安倍政権3,000日ーー。そろそろメッキが剥がれてきたようだ。「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載
2020年03月17日ついに3,000日に達する長期政権となった安倍政権。われわれの生活はどう変わったのか。“アベノミクス”を打ち出した第2次政権下の変化を数字で追ったーー。「財務省が’20年度の『国民負担率』を公表しましたが、過去最高の44.6%となる見通し。これは昨年10月に消費税が10%に引き上げられたことが大きな要因です。国民負担率とは、税金と、年金や健康保険などの社会保険料が所得に占める割合のこと。負担率が上がれば、使えるお金が減ることになります。実は、’12年12月に第2次安倍政権が発足して以降、国民負担率は上がり続けています」そう語るのは「暮らしと経済研究室」主宰の山家悠紀夫さんだ。’12年には39.7%だった国民負担率は、’20年には44.6%に。なんと12%も増えたことになる。実際に、税金と社会保険料を引いた後の手取りである“可処分所得”を「生活マネー相談室」家計コンサルタントの八ツ井慶子さんに試算してもらうと……。「年々、可処分所得は減っています。いま年収500万円の人は、’12年に同じ年収をもらっていた人に比べて、自由に使えるお金が年3万3,000円も減っているのです」苦しいのは現役世代だけではない。厚生年金の平均支給額も’12年と比べて月5,500円も減っている、一方、食品の物価は11.4%上昇した。■年金(※「日本年金機構の主要統計」と「2015年基準消費者物価指数」より。厚生年金保険〈第1号〉受給者の平均年金月額〈国民年金額を含む〉)【厚生年金の平均月額】’12年:15万1,374円→’19年:14万5,895円(※2019年9月の数字)【消費者物価指数(食品)】’12年:93.6%→’19年:104.3%「安倍政権のもと、年金の支給額上昇を抑制する『マクロ経済スライド』が2度発動されました。今後も、物価や賃金が上昇しても、年金の支給額は抑えられることになります」安部首相が実績として誇ってきたのが株高だ。’12年には1万円以下に落ち込んでいた日経平均株価を2万円台まで上昇したのだが……。京都大学大学院教授の藤井聡さんはこう見ている。「日本の株式市場そのものが“粉飾決算”のようなものです。年金資金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、’14年に国内株式の投資比率を12%から25%に引き上げました。また、日本銀行も政策で国内の株を大量に買っている。上昇した株価はいわば官製相場なのです」両者が国内株式に出資した金額は合計66兆円超で、その割合は2019年3月末時点で東証一部の時価総額の11.2%、その後も買い入れを進めてきた。現在の世界同時株安によって、日経平均株価は1万7,000円ほどに落ち込んだが、日銀やGPIFがどの程度の含み損を抱えているのか、今後どこまで拡大するのか、まだ不透明な状況だ。そもそも、株価が上がっても、日本は一向に経済成長をしていなかったという。「ある一定期間に国民全員がどれだけの価値を生み出したかを示すGDPの実質成長率は、安倍政権下では’13年こそ2.0%でしたが、その後は1%台と0%の年が交互に並ぶような低成長。他国と成長率を比べてみると、’12年でも成長率の順位は136位でしたが、’19年には172位まで落ち込みました」(山家さん)日本を除く多くの国がGDPを増やすなか、日本は長らく横ばいの状態が続いている。最大の原因は「2度の増税による国内消費の落ち込み」(藤井さん)だという。経済協力開発機構(OECD)加盟国に限っても、各国が平均賃金を’12年から5%程度、韓国に至っては13%伸ばしたなか、日本の賃金はまったく増えなかった。安倍政権は訪日外国人によるインバウンド消費を増やしたことを実績としてきたが……。「訪日外国人が増えたのは安倍政権の成果でもなく、海外の国々が順調に成長しているなか、取り残された日本が、相対的に“モノが安い”国になっただけ。しかも、内需をないがしろにして外需に頼ってきたつけが、新型コロナウイルスによる訪日外国人の激減で現れようとしています」(藤井さん)「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載
2020年03月17日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「反緊縮」です。先に借金を減らすか雇用をまず生むか日本は揺れている。現在、世界で「反緊縮(財政)」を支持する声が広がっています。緊縮財政とは、増税や公共投資の削減により、国の支出を減らして財政を縮小することです。経済危機に陥ったギリシャは、EUから緊縮財政を促され、公共工事や公務員の数を減らしました。そうして赤字国債の発行を抑え、国の借金を減らそうとしたのです。しかし、緊縮財政にすると失業者が増え、国民の消費は冷え込み、経済がよいほうに転じません。それよりも、まず先に国はお金を投入して公共工事をガンガン増やす。そうすれば、労働力、資材、業者が必要になり、新たな雇用が生まれます。長期工事になれば、ホテルや食堂の需要も喚起されます。緊縮財政よりも「反緊縮」財政策をと、いま、アメリカやフランスなどでも反緊縮ムードが高まっているのです。日本では、2013年のアベノミクス第1第2の矢で、大胆な金融緩和と大規模な公共投資を掲げていました。雇用をまず生んでから消費の活性化を狙う、いわば反緊縮策でした。ところが、日本の慢性的な財政赤字に、国際社会から「そんなに負債を抱えて大丈夫?」という指摘がなされました。IMF(国際通貨基金)によると、日本の債務残高は、GDP比で237.7%。ドイツの58.6%やアメリカの106.2%に比べてダントツの多さ。財政健全度ランキングでは最下位の188位でした。そこで、安倍政権は、2020年度までにプライマリーバランス(基礎的財政収支)を黒字にすると約束。緊縮財政に転じ、「だから、安心して日本に投資してください」とアピールしました。しかし、目標達成は難しく、期日は延期されました。日本の借金は、国債を発行してまかなわれています。国債を購入しているのは日本銀行や民間の銀行。ほぼ日本人なので、国全体でみれば、借金を増やしても同等の資産が日本に貯まるため、財政破綻はしないと考えられています。しかし、国債を買う日本人は減少傾向。一方、高齢化により医療費や社会保障費は嵩み、国の借金は膨らむばかり。借金を返したいのなら、増税ではなく反緊縮に舵を切れと、れいわ新選組などが主張しているのです。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。映画『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)が3月7日公開。※『anan』2020年1月15日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年01月09日「安部首相が’12年にアベノミクス政策を提唱して以降、物価は上がり続けています。その上がり幅に賃金上昇が追いつかず、『実質賃金』はマイナスを示す月が多かったのですが、’19年に入って以降は、会社(雇用主)から支払われる賃金額を示す『名目賃金』もマイナスを示す月が増えました。この流れは’20年も変わらないでしょう」’20年の社会とお金の動きについて、こう語るのは、経済評論家の加谷珪一さん。「’19年10月の消費増税前後の小売業の販売額を前年同月と比較してみると、9月の『駆け込み需要』による9.2%増から、10月はいきなり7.1%減と、大きく落ち込みました。前回’14年の増税時は、前の月が11%増で、増税当月が4.3%減でしたから、今回のほうが増税の影響を大きく受けたといえます。年末商戦から年明けにかけても『消費冷え込み』傾向が続くでしょう」消費の大きな低迷を受けて、物価は上昇率こそ緩やかになったが、上昇傾向に変わりはないと加谷さん。逆に、物価の変動を考慮した、給料の実質的な価値を示す「実質賃金」ばかりか、実際にもらえる金額である「名目賃金」までマイナスになる月が増えてきていて、かなり厳しい状況は続くという。「名目賃金もマイナスで発表され始めた要因としては、会社が募る『早期退職』に手を挙げて大幅に収入減となったり、50代以降などに管理職から外れる『役職定年』で、それまでの収入を維持できず、ガクンと落ちたりする人が、増えていることも大きいでしょう」そんな経済苦境のなか、’20年は続々「お金関連の法律」が施行されていくというから、見過ごすわけにはいかない。1月から4月までの主な「お金関連の法律」は次のとおりだ。■1月【所得税改正】年収850万円超のサラリーマンは増税に!「1月に施行の改正所得税法では、給与所得控除が一律10万円引き下げ、その上限も220万円から195万円まで引き下げで増税に。逆に基礎控除は38万円から10万円引き上げで48万円と減税になります。10万円の引き下げと引き上げで相殺されるようですが、年収850万円超の人はトータルでは増税になる。たとえば年収1,000万円だとおよそ3万円増税となります」(加谷さん)会社員の給与所得控除は年金受給者の「公的年金等控除」に該当。この公的年金等控除も「一律10万円引き下げられ増税となりますが、基礎控除が48万円に増えて減税となる関係で、年金額が前年と同じなら、ほとんどの人は影響ありません」(ファイナンシャルプランナー・中村 薫さん)■3月【月末でプレミアム商品券の使用期限終了】「期限が3月末ですので、それ以後が無効。払い戻しもありませんので注意して、用途をよく考えて使い切りましょう」(中村さん)■4月【「同一労働同一賃金」施行】正社員の家族手当・通勤手当などが削られる!別名「パートタイム・有期雇用労働法」の施行で「派遣社員などの非正規社員の賃金が段階的に上昇すると思われます。しかし、正規社員水準まで引き上げるのは難しいので、格差是正を名目に正社員の各種手当(家族、通勤、単身赴任、寒冷地、年末年始出勤など)が削減される可能性があります。まずは大企業で’20年4月に施行され、中小企業は’21年4月に施行予定です」(加谷さん)加谷さんの試算では、『年収400万円の非正規社員』は今後3年間で120万円ほど年収がアップし、『520万円』になる可能性があるという。【「働き方改革関連法」が中小企業にも適用】サラリーマンの残業代は減ることに!’19年4月に施行された働き方改革関連法の「残業時間の上限規制」。現在は大企業のみだが、’20年4月からは中小企業にも適用される。「結果として中小企業社員の残業代は減ることになるでしょう。『同一労働同一賃金』のガイドラインでは非正規社員と正規社員の賃金格差は埋まりませんので、必然的に正規社員の給与が減らされる。たとえば各種手当を50%カットし、この『残業時間の上限規制』で残業代も50%減額、さらに業績不振でボーナスが10%ダウンとなると、年収600万円の正社員世帯で年間41万円、つまり『7%年収減』の可能性が出てきてしまいます。これで正規社員の年収は559万円となり、非正規社員の年収520万円との格差が解消されるということにはなるのですが……」(加谷さん)お金のニュースを知って、“家計の未来”に向けて備えよう!「女性自身」2020年1月1日・7日・14日号 掲載
2020年01月01日「安部首相が’12年にアベノミクス政策を提唱して以降、物価は上がり続けています。その上がり幅に賃金上昇が追いつかず、『実質賃金』はマイナスを示す月が多かったのですが、’19年に入って以降は、会社(雇用主)から支払われる賃金額を示す『名目賃金』もマイナスを示す月が増えました。この流れは’20年も変わらないでしょう」’20年の社会とお金の動きについて、こう語るのは、経済評論家の加谷珪一さん。「’19年10月の消費増税前後の小売業の販売額を前年同月と比較してみると、9月の『駆け込み需要』による9.2%増から、10月はいきなり7.1%減と、大きく落ち込みました。前回’14年の増税時は、前の月が11%増で、増税当月が4.3%減でしたから、今回のほうが増税の影響を大きく受けたといえます。年末商戦から年明けにかけても『消費冷え込み』傾向が続くでしょう」消費の大きな低迷を受けて、物価は上昇率こそ緩やかになったが、上昇傾向に変わりはないと加谷さん。逆に、物価の変動を考慮した、給料の実質的な価値を示す「実質賃金」ばかりか、実際にもらえる金額である「名目賃金」までマイナスになる月が増えてきていて、かなり厳しい状況は続くという。「名目賃金もマイナスで発表され始めた要因としては、会社が募る『早期退職』に手を挙げて大幅に収入減となったり、50代以降などに管理職から外れる『役職定年』で、それまでの収入を維持できず、ガクンと落ちたりする人が、増えていることも大きいでしょう」そんな経済苦境のなか、’20年は続々「お金関連の法律」が施行されていくというから、見過ごすわけにはいかない。4月から9月までの主な「お金関連の法律」は次のとおりだ。■4月【マクロ経済スライド発動で年金減!】「現役世代の人口減少に合わせて年金の給付額が変わるのが『マクロ経済スライド』。’19年に4年ぶりに発動されましたが、物価の上昇に比例した給付額にならず実質的には『減額』でした。’20年も2年連続の発動が確定的。物価は緩やかに上がっているものの、給付額は横ばいになる可能性が高く、『年金減額』が’20年も続くことになります」(加谷さん)【「つみたてNISA」の期間延長】「最大20年間、非課税投資枠の上限が年間40万円で続けられる、積み立て型の少額投資非課税制度。’37年までだった期限が5年間延長され、’23年までに投資をスタートすれば、20年間の非課税投資期間を確保できます」(加谷さん)【大学の授業料無償化スタート】「大学授業料無償化は『年収380万円以下』の低所得者世帯が対象となっていて、授業料が最大70万円(私立)、54万円(国公立)免除、入学金が最大28万円免除になります」(加谷さん)【遺産相続における「配偶者居住権」の新設】「超高齢社会で、残された配偶者も高齢ということが増えています。その生活保障を図る意図などから、『配偶者居住権』が設けられました」こう話すのは弁護士の松下真由美さん。「相続人が高齢の妻と娘で、2,000万円の価値の家と2,000万円の預貯金の計4,000万円が遺産だとします。現行法では妻が家に住み続けるためには2,000万円の家を相続する必要があり、それだけで法定相続分(遺産の2分の1)となって、預貯金は1円も相続できません。これが改正相続法では、配偶者居住権が仮に1,000万円の価値だと、預貯金も1,000万円相続できることになります」【月末でキャッシュレス決済のポイント還元終了】「2%や5%の還元がなくなると、消費税が10%になった実感が湧くはず。ポイント還元終了前に、駆け込みでまとめ買いをするなら、失敗しないよう計画的に」(ファイナンシャルプランナー・中村 薫さん)■7月【夏のボーナスは期待薄】家電買い換えは“待ち”が正解。そのぶん貯蓄や投資へ「’20年3月期の企業業績は、多くが『減益』となる可能性が高い。経団連が『終身雇用の見直し』を打ち出し田植えでの春闘となるので、夏のボーナス支給額交渉の見通しは厳しいですね。家電などの小売店側は、東京オリンピック前の『いまがラストチャンス!』などと、大画面テレビなどAV機器を売り込んでくるでしょうが、’20年前半は買い控えたほうがいいでしょう」こう話す加谷さん。好機は冬のボーナス時と見る。「五輪後の不況をメーカーも小売店も危惧していますので、冬商戦は安くなるはず。そこまで大型家電購入は“待ち”でいいでしょう」■8月【東京オリンピックが終わると……】消費低迷による不景気で、さらなる収入減の悪循環に「物価の上昇は依然続いています。しかし賃金はその上昇分についていけず、’19年は『名目賃金』もマイナスという月が多かったんです。’20年は『同一労働同一賃金』や『残業代カット』などで、社員の賃金がさらに下がると見込まれますので、そのぶん、消費は低迷する可能性が大きいと思います」こう消費の低迷傾向を見通す加谷さんだが、一方の不動産価格は、次のように捉えている。「’19年からマンションは売れ残り物件が出ているので、完全に販売不況と言えるのですが、首都圏のマンションは、まったく下がる気配を見せません。その理由は、資材価格、建設コストの高値が続いていることに加え、首都圏や地方中核都市への人口流入は加速していて、まだマンションが『足りない』状態だから。デベロッパーは『時間をかければ高値で売り切れる』と考えているんです」高値が続く「都市部の物件」と、下落が止まらない「郊外の戸建て」で、不動産価格の二極化が進むとみている。【マイナンバーカードで25%ポイント還元スタート】「マイナンバーカード所有者に、9月から『25%ポイント還元を行う』と政府が発表しました。期間は’21年3月までといわれていますが、詳細はまだわかりません。発行のためにかかる手間に加え、個人情報流出の恐れも考慮すれば、『25%還元』というアメが甘いかどうか……考えるべきですね」(加谷さん)お金のニュースを知って、“家計の未来”に向けて備えよう!「女性自身」2020年1月1日・7日・14日号 掲載
2020年01月01日家計簿をつける最大のメリットは「何にどれくらい使っている?」という“家計のいま”がわかること。そして、「この先、何が起こる?」を知っておくことは、“家計の未来”に向けての備えとなるのです。「安部首相が’12年にアベノミクス政策を提唱して以降、物価は上がり続けています。その上がり幅に賃金上昇が追いつかず、『実質賃金』はマイナスを示す月が多かったのですが、’19年に入って以降は、会社(雇用主)から支払われる賃金額を示す『名目賃金』もマイナスを示す月が増えました。この流れは’20年も変わらないでしょう。1月の『所得税法改正』で年収850万円超のサラリーマンは増税となり、4月の『同一労働同一賃金』施行によって各種手当は順次カットされ、『働き方改革関連法』の中小企業への適用により、結果的に残業代は減ることになる。さらに東京オリンピック後に懸念される“五輪後不況”の影響など、『1年間を通してのお金の動き』を見通しておくことが必要です」’20年の社会とお金の動きについて、こう語るのは、経済評論家の加谷珪一さん。さらには、マクロ経済スライドの再発動で、年金が「実質的に減額される見通し」だという。まさに八方塞がりの状況にダメ押しするように、経団連の’20年春闘方針も発表されたという。「中西宏明会長が『終身雇用などの日本型雇用を見直す方針』を打ち出しました。つまりこれは『終身雇用制度の終わりの始まり』宣言です。こうなると春闘の争点は。賃上げどころではなくなります。’20年は夏冬のボーナスも、期待できそうにありません」これまでの夫の頑張りは認めてあげたいものの、終身雇用は保障されなくなるし、いまもらえている給料も、今後は当てにならなくなりそうだ。そんな絶望的な1年に向けて、加谷さんは「発想の転換」と「新しい試み」のヒントをくれる。「政府は『一億総活躍社会』とうたって、65歳以上も働くことを前提に、年金支給システムの改訂や医療費の負担増など、国民が『もらえるお金』を減らし、『負担額』を増やしていくでしょう。その流れは超高齢社会では変わりようがありません。そこで、夫婦そろって『長く元気で働き続ける人生』を再設計しましょう。夫は定年後も再就職や自営などで“次の姿”を描き、これまで専業主婦だった妻も、アルバイトやパートをして、徐々に働くことを始めていくべきです。同時に、年金による老後保障を減らす代わりに政府が打ち出している、『つみたてNISA』などの投資にもトライを。定年までコツコツ続ければ、運用テクニックも格段に磨かれるはずです」’20年を「主婦もバリバリ働く」「投資を始める」元年にするのが、家計を守るためには必要だ。「女性自身」2020年1月1日・7日・14日号 掲載
2019年12月31日「安部首相が’12年にアベノミクス政策を提唱して以降、物価は上がり続けています。その上がり幅に賃金上昇が追いつかず、『実質賃金』はマイナスを示す月が多かったのですが、’19年に入って以降は、会社(雇用主)から支払われる賃金額を示す『名目賃金』もマイナスを示す月が増えました。この流れは’20年も変わらないでしょう。1月の『所得税法改正』で年収850万円超のサラリーマンは増税となり、4月の『同一労働同一賃金』施行によって各種手当は順次カットされ、『働き方改革関連法』の中小企業への適用により、結果的に残業代は減ることになる。さらに東京オリンピック後に懸念される“五輪後不況”の影響など、『1年間を通してのお金の動き』を見通しておくことが必要です」’20年の社会とお金の動きについて、こう語るのは、経済評論家の加谷珪一さん。「’19年10月の消費増税前後の小売業の販売額を前年同月と比較してみると、9月の『駆け込み需要』による9.2%増から、10月はいきなり7.1%減と、大きく落ち込みました。前回’14年の増税時は、前の月が11%増で、増税当月が4.3%減でしたから、今回のほうが増税の影響を大きく受けたといえます。年末商戦から年明けにかけても『消費冷え込み』傾向が続くでしょう」消費の大きな低迷を受けて、物価は上昇率こそ緩やかになったが、上昇傾向に変わりはないと加谷さん。逆に、物価の変動を考慮した、給料の実質的な価値を示す「実質賃金」ばかりか、実際にもらえる金額である「名目賃金」までマイナスになる月が増えてきていて、かなり厳しい状況は続くという。「名目賃金もマイナスで発表され始めた要因としては、会社が募る『早期退職』に手を挙げて大幅に収入減となったり、50代以降などに管理職から外れる『役職定年』で、それまでの収入を維持できず、ガクンと落ちたりする人が、増えていることも大きいでしょう」そんな経済苦境のなか、’20年は続々「お金関連の法律」が施行されていくというから、見過ごすわけにはいかない。「さらに、10%への消費増税の“目くらまし”のように実施されたプレミアム商品券は3月末、キャッシュレス決済によるポイント還元は6月末で、それぞれサービス期間が終了してしまします」お金に関する明るい材料はないのだろうか?8月から開催予定の東京オリンピック・パラリンピックは「五輪景気」を呼び起こす起爆剤とはならない?「ゼネコンなどによる関連事業への需要は、すでに出尽くした状態で、これから好転する動きはありません。むしろ、『五輪後不況』のほうが憂慮されるんです」「女性自身」2020年1月1日・7日・14日号 掲載
2019年12月30日「与党が消費税10%の増税を掲げる一方、それに野党はオール反対とわかりやすい選挙でした……。この選挙結果は、格差が急激に拡大する最悪のシナリオの序章になるかもしれません」こう語るのは、経済アナリストで獨協大学経済学部教授の森永卓郎さんだ。7月21日に投開票が行われた参議院選挙で与党が多数を占めた。これにより10月から消費税は8%から10%に引き上げられることがほぼ確実となった。「安倍晋三首相は選挙中もアベノミクスによる経済成長の実績を強調していましたが、その実態は、格差を拡大させただけです」そう語るのは、立命館大学経済学部教授の松尾匡さん。社会保障や介護・教育分野などに大胆に政府支出を求める「反緊縮」を唱えてきた松尾さんが、こう続ける。「安倍政権になってから“世界でいちばん企業が活躍しやすい国”とのスローガンを掲げ、大企業に有利な政策を始めました。’90年代には5割だった法人税の税率が、’18年には3割を切るまで引き下げられました。所得税においても富裕層に対する優遇措置をおこない。’70年代に75%だった最高所得税率は、安倍政権になって45%になっています。その一方、5割を超える人が“生活が苦しい”と答えています。アベノミクスが、富裕層と庶民の格差を大きくさせてきたのは明らか。しかも、参院選の結果を受けて、これまでの政策はこれからも続くでしょう」今後、その格差が広がっていくのは確実だと森永さんはみている。「1億1,000万円以上投資可能の資産を持つ億万長者は急増し、’17年に国内に約316万人。その数は前年から9.4%も増えており、今後も増加していくことが予想されます。ところが庶民の実質賃金は累積で4%下がっています。富裕層が庶民の所得を奪う形で、いっそう、金持ちになっていくでしょう」持てる者と持たざる者の差が開いていく状況をさらに悪化させるのが、アメリカとの貿易交渉だという。元・神戸大学大学院教授で「暮らしと経済研究室」主宰の山家悠紀夫さんが語る。「再選を目指し、これから本格的に選挙戦を繰り広げるトランプ大統領としては、日米貿易交渉での成果を自国民に示したいところ。一方、トランプ大統領に参議院選挙の影響を考慮されて“参院選後にやろう”と交渉を延ばしてもらった安倍首相。勝敗はおのずと見えています」森永さんも、日米貿易交渉の見通しは暗いと警鐘を鳴らす。「昨年9月の日米首脳会談のあと、安倍首相は“ウインウインの関係を築く合意”だと自賛しましたが、実態は惨敗です。アメリカが日本から輸入する自動車に25%の関税をかけると脅され、日本はTPP(環太平洋経済連携協定)に参加する国と同じ水準まで関税を下げることを約束してしまったのです。日本は自動車を守るために、農業を生け贄に差し出すことになるでしょう。アメリカから安い農産物が入ってくるようになれば、日本の農業や畜産業は壊滅してしまいます」日米貿易交渉によってもたらされる格差は経済だけではないと松尾さんが語る。「農業が立ちゆかなくなると、地方はますます疲弊します。若者は都会を目指し、東京の一極集中が進むことに。安倍政権が頼みの綱にする東京五輪も地域格差を拡大します。東京オリンピック・パラリンピックまでは、首都圏に人も仕事も集中。東京にいると、しばらくの間は、消費増税の景気の落ち込みは感じにくいかもしれません。しかし、五輪特需の恩恵を受けられない地方経済は衰退に拍車がかかります」
2019年07月25日与党の勝利で、引き続き推し進められるアベノミクス。不況に入りつつあるいま、広がり続ける格差はどうなるのか。消費増税も含め、私たちの家計にどんな影響があるのか専門家に聞いた。「与党が消費税10%の増税を掲げる一方、それに野党はオール反対とわかりやすい選挙でした……。この選挙結果は、格差が急激に拡大する最悪のシナリオの序章になるかもしれません」こう語るのは、経済アナリストで獨協大学経済学部教授の森永卓郎さんだ。7月21日に投開票が行われた参議院選挙で与党が多数を占めた。これにより10月から消費税は8%から10%に引き上げられることがほぼ確実となった。元・神戸大学大学院教授で「暮らしと経済研究室」主宰の山家悠紀夫さんはこう語る。「所得の低い人ほど負担が重くなる消費税は、税にとって最も大切な原則である、所得に応じて税を負担する『応能負担』に反する不公平税制です。増税後は消費が落ち込み、物価が下落し、企業業績も悪化。社員の賃金が減らされるため、さらに消費が冷え込む“デフレ・スパイラル”に陥ります。そのしわ寄せは庶民にいくのです」社会保障や介護・教育分野などに大胆に政府支出を求める「反緊縮」を唱えてきた立命館大学経済学部教授の松尾匡さんもこう語る。「海外の状況も悪化しています。米中貿易戦争に、イラン情勢による原油高の懸念、泥沼化する日韓関係など、世界経済が不透明なとき。これまで日本経済を支えてきた外需に期待できません。そんな状況での増税は、風邪のひきはじめに冷水に飛び込むようなもの。とくに体力の弱い商店、中小企業は、消費税が上がっても価格に転嫁できません。自腹を切るしかなくなり経営が悪化。倒産したり廃業したりするケースも増加します。それにともない、職を失う人も増えていくでしょう」森永さんが語る。「消費増税以外にもアベノミクスのさまざまな政策が積み重なり、’08年のリーマンショック以上のダメージを日本経済に与える可能性も。現在は全世代の失業率が2%台と安定していますが、’08年のレベルまで悪化していくことが考えられます。倒産件数も、リーマンショック級の悪い数字を示すことになるでしょう」老後の生活を支える年金の手取り額も減っていくと、山家さんはこう予想する。「年金の手取り額は、額面から国民健康保険料や介護保険料が引かれます。不況による財政悪化で社会保険料がアップするなど、悪条件が重なると手取りで月5,000~6,000円減っていくことも考えられます。さらに、物価が上がっても年金が増えない『マクロ経済スライド』が続くことで、今後も年金受給額を減らしていくことが予想されます。政府は、低年金者向けに最大年6万円を給付する増税対策をするようですが、焼け石に水となるでしょう」未曽有の大不況は待ったなしの状況のようだ。「消費税対策として、安倍政権は消費増税分をポイントで還元するなどの対策を立てています。しかし、その多くが1年ほどの期限付き。東京五輪の特需も含めて、高い“崖”を作っているようなもの。五輪が終われば、日本全体がその高い崖から一気に真っ逆さまです」と松尾さん。最後にこう語る。「庶民は『年金2,000万円不足問題』があったことで、消費を抑えて貯蓄を増やそうとしています。そのうえで、景気が悪くなると、さらに消費を減らすので不況を悪化させてしまうのです。不況のスパイラルから脱するには、一般庶民にもっとお金が回るような、格差をなくす政策が必要です」庶民に厳しい政策がこれからもとられるのか、注視する必要がある。
2019年07月25日「与党が消費税10%の増税を掲げる一方、それに野党はオール反対とわかりやすい選挙でした……。この選挙結果は、格差が急激に拡大する最悪のシナリオの序章になるかもしれません」こう語るのは、経済アナリストで獨協大学経済学部教授の森永卓郎さんだ。7月21日に投開票が行われた参議院選挙で与党が多数を占めた。これにより10月から消費税は8%から10%に引き上げられることがほぼ確実となった。「安倍晋三首相は選挙中もアベノミクスによる経済成長の実績を強調していましたが、その実態は、格差を拡大させただけです」そう語るのは、立命館大学経済学部教授の松尾匡さん。社会保障や介護・教育分野などに大胆に政府支出を求める「反緊縮」を唱えてきた松尾さんが、こう続ける。「安倍政権になってから“世界でいちばん企業が活躍しやすい国”とのスローガンを掲げ、大企業に有利な政策を始めました。’90年代には5割だった法人税の税率が、’18年には3割を切るまで引き下げられました。所得税においても富裕層に対する優遇措置をおこない。’70年代に75%だった最高所得税率は、安倍政権になって45%になっています。その一方、5割を超える人が“生活が苦しい”と答えています。アベノミクスが、富裕層と庶民の格差を大きくさせてきたのは明らか。しかも、参院選の結果を受けて、これまでの政策はこれからも続くでしょう」安倍政権の政策が景気を回復させるのならいいのだが、すでに景気悪化の兆候が出てきている。今年に入って、アベノミクスの成果といわれてきた「新規求人数」が減少。松尾さんがこう指摘する。「下落しているのは新規求人数だけではありません。’18年11月ごろからあらゆる経済指標からみても景気が後退しています。とりわけ消費意欲を示す『消費者態度指数』が9カ月連続で下落しているのが気がかりです。購買意欲が冷えているうえに、消費税の増税が追い打ちをかけることで、ますます格差が広がってしまうのです」元・神戸大学大学院教授で「暮らしと経済研究室」主宰の山家悠紀夫さんもこう語る。「所得の低い人ほど負担が重くなる消費税は、税にとって最も大切な原則である、所得に応じて税を負担する『応能負担』に反する不公平税制です。増税後は消費が落ち込み、物価が下落し、企業業績も悪化。社員の賃金が減らされるため、さらに消費が冷え込む“デフレ・スパイラル”に陥ります。そのしわ寄せは庶民にいくのです」松尾さんもこう語る。「海外の状況も悪化しています。米中貿易戦争に、イラン情勢による原油高の懸念、泥沼化する日韓関係など、世界経済が不透明なとき。これまで日本経済を支えてきた外需に期待できません。そんな状況での増税は、風邪のひきはじめに冷水に飛び込むようなもの。とくに体力の弱い商店、中小企業は、消費税が上がっても価格に転嫁できません。自腹を切るしかなくなり経営が悪化。倒産したり廃業したりするケースも増加します。それにともない、職を失う人も増えていくでしょう」今後、所得がどれだけ下落するのか山家さんに予想してもらった。「厚生労働省の『国民生活基礎調査』の世帯所得のなかでも、より実態に近い中央値を見ると、第2次安倍政権が発足してから9万円も減っているのです。これに消費増税が追い打ちをかけると、最悪のケースで世帯所得は100万円も下落してもおかしくありません。中央値とは、全体のちょうど真ん中の値。つまり半数の世帯が年収320万円以下になってしまうのです。所得が下がる世帯が多いにもかかわらず、自民党の公約を見ても格差対策と言えるものはほとんどありません」与党の勝利で、引き続き推し進められるアベノミクス。不況に入りつつあるいま、広がり続ける格差はどうなるのか。
2019年07月25日10月の消費増税前、最後の国政選挙が行われようとしている。自民党の公約に、消費税10%への増税が明記されたなか、自民党内から増税の凍結を求める声を上げ続ける議員がいる――。「いまの景気状態で、消費税の増税が強行されれば、家計への影響は計り知れません。日本経済も間違いなく悪くなってしまいます」こう警鐘を鳴らすのは、政権与党の自由民主党内で、「消費増税の凍結」を一貫して主張してきた西田昌司参議院議員(60)だ。10月に予定されている消費税の10%への増税。7月21日に投開票が行われる参議院選挙では、「老後2,000万円不足」問題と同様に大きな争点になることは間違いない。そんななか、今回の参院選で3期目を目指す西田議員が、6月25日に本誌の取材を受け、消費増税反対の声を上げた。税理士を経て、京都府議を5期務めた後、’07年から参議院議員に。国会で「政治とカネ」の問題を鋭く追求する姿勢などから、“国会の爆弾男”の異名がある西田議員は、消費増税が日本経済をどん底に突き落とすと考えている。「アベノミクスで、景気はよくなっています。ただ、いちばんの問題は賃金が上がっていないこと。雇用が増えて、ようやく賃金も上がろうとしている局面で、消費税を10%にすれば、個人が消費に使えるお金が減ってしまいます」軽減税率の対象となるのは、持ち帰りの食料品など、一部の品目だけ。購入する店舗の規模によって、還元率が2%か5%かで変わる、ポイント還元も’20年6月末までの期間限定だ。「多くの人が外食や家族旅行などの消費を控えるようになるでしょう。これまで1カ月に1度だった外食が、2カ月に1度になれば、当然景気は悪くなりますよね。外食産業もお客さんが来なくなれば、そこで働く従業員にお金を払えなくなる。つまり、雇用が減り、給与も減る。すると、さらに個人消費が減ってしまう。こうした、負のスパイラルが日本中に拡大してしまうんです」だが、財務省が“国の借金”と表現する国債などは、現在1,000兆円ほどある。消費税の増税を行わなければ、将来世代にツケを回してしまうのではないか。「そもそも、国は中央銀行(日本銀行)を通して、通貨を発行することができます。いくら国債を発行しても、財政破綻することはありません」国債の信用度は金利の低さに現れる。現在の日本国債の金利は、0.1%という超低金利だ。「デフレ下のいまこそ、どんどん国債を発行すべきだと考えています。すると、通貨の量が増えるわけですから、物価が上昇するインフレになります。まずはデフレ脱却が最優先です。そして、目標とするインフレ率が達成されてから、消費税の増税を行えばいいのです」デフレ脱却のためには、個人の所得が上がる必要がある。「企業の業績がよくて、株価がそこそこ高くなっても、従業員に給料として還元されないから、個人消費が増えない。さらに、働き方改革で残業代が減って、家庭に入る給料総額も少なくなっています。これでは、デフレから脱却できるはずはありません」なぜ、給与が上がらないのか。「企業が稼ぎを人件費に回す割合を示す『労働分配率』は下がり続けています。一方、企業が蓄えている内部留保は増え続け、いま440兆円以上にもなりました。問題なのは、それで自社株買いを進め、株価を上げていることです。株価が上がったり、配当が増えると、“ご褒美”として、経営者の報酬が上がる仕組みになっています。つまり、株主と一部の経営者だけに利益が分配されて、一般の従業員にいきわたらない」だから、「企業が得ている利益を国民に分配することがデフレ脱却のために重要」だと西田議員は強く主張する。「私は内部留保に税金をかけろとずっと言っているんです。あるいは法人税率をもっと上げるべき。その増税分を社会保障費や子育て支援などの予算に回していけばいい。そうなれば個人所得も増えて消費も増えます」こうした富の再分配は、政治の本来の役割だという。だが、日本を含め、多くの国がこの役割を放棄してきたというのだ。「ここ20~30年、世の中を席巻してきた新自由主義、市場原理主義のままでは、もうダメなんです。市場に任せればうまくいくという考えは、人を幸せにしないどころか、一部の金持ちと多くの貧困層をつくり出し、東京のような大都市の繁栄と、地方の疲弊をもたらしてきただけでした。それを変えるためには政府が介入して、長期的な計画を見据えた予算を組む。企業の論理ではなく、税を企業側から取って、国民に分配する。そのために、消費増税は凍結し、国債を発行してデフレ脱却を図るべきなのです」こうした考えは、すでに安倍首相にも直談判しているというから、西田議員の本気度がわかる。「私の意見はおおむね理解してくれています。ただ問題なのは、財務省に洗脳されている人たちが圧倒的に多いから、安倍首相も舵を切りにくいのだと思います」じつは、自民党内にも、消費税の増税に反対している議員は多いという。「ホンネでは私と同じ意見の議員は多数いる。ただ、『いまさら言えない』『決めたことを変えるのはいかがなものか』という理由で、声を上げにくいのでしょう」西田議員は、行政の暴走を止めるのが、政治家の大切な役割だと考えている。「だから私は党内から、消費税の増税は凍結、延期すべきだと声を上げ続けます。まだまだ諦めずに戦いますよ」
2019年07月04日「いまの景気状態で、消費税の増税が強行されれば、家計への影響は計り知れません。日本経済も間違いなく悪くなってしまいます」こう警鐘を鳴らすのは、政権与党の自由民主党内で、「消費増税の凍結」を一貫して主張してきた西田昌司参議院議員(60)だ。10月に予定されている消費税の10%への増税。7月21日に投開票が行われる参議院選挙では、「老後2,000万円不足」問題と同様に大きな争点になることは間違いない。そんななか、今回の参院選で3期目を目指す西田議員が、6月25日に本誌の取材を受け、消費増税反対の声を上げた。税理士を経て、京都府議を5期務めた後、’07年から参議院議員に。国会で「政治とカネ」の問題を鋭く追求する姿勢などから、“国会の爆弾男”の異名がある西田議員は、消費増税が日本経済をどん底に突き落とすと考えている。「アベノミクスで、景気はよくなっています。ただ、いちばんの問題は賃金が上がっていないこと。雇用が増えて、ようやく賃金も上がろうとしている局面で、消費税を10%にすれば、個人が消費に使えるお金が減ってしまいます」軽減税率の対象となるのは、持ち帰りの食料品など、一部の品目だけ。購入する店舗の規模によって、還元率が2%か5%かで変わる、ポイント還元も’20年6月末までの期間限定だ。「多くの人が外食や家族旅行などの消費を控えるようになるでしょう。これまで1カ月に1度だった外食が、2カ月に1度になれば、当然景気は悪くなりますよね。外食産業もお客さんが来なくなれば、そこで働く従業員にお金を払えなくなる。つまり、雇用が減り、給与も減る。すると、さらに個人消費が減ってしまう。こうした、負のスパイラルが日本中に拡大してしまうんです」だが、財務省が“国の借金”と表現する国債などは、現在1,000兆円ほどある。消費税の増税を行わなければ、将来世代にツケを回してしまうのではないか。「そもそも、国は中央銀行(日本銀行)を通して、通貨を発行することができます。いくら国債を発行しても、財政破綻することはありません」国債の信用度は金利の低さに現れる。現在の日本国債の金利は、0.1%という超低金利だ。「デフレ下のいまこそ、どんどん国債を発行すべきだと考えています。すると、通貨の量が増えるわけですから、物価が上昇するインフレになります。まずはデフレ脱却が最優先です。そして、目標とするインフレ率が達成されてから、消費税の増税を行えばいいのです」自国通貨を発行できる政府は、ハイパーインフレにならない限り、財政赤字を心配する必要はないという考えは、MMT(現代貨幣理論)として、世界中で注目されている。「日本は900兆円もの国債を発行していながら、破綻しないどころか金利が下がってきた。これを財務省はどう説明するのでしょうか?財務省は現実を見てほしい」デフレ脱却のためには、個人の所得が上がる必要がある。「企業の業績がよくて、株価がそこそこ高くなっても、従業員に給料として還元されないから、個人消費が増えない。さらに、働き方改革で残業代が減って、家庭に入る給料総額も少なくなっています。これでは、デフレから脱却できるはずはありません」財務省は、“すでに軽減税率などの準備を進めているので、いまさら消費増税を延期したら、大混乱になってしまう”として、反対意見を封じ込めようとしている。「先の大戦では、米国と戦うのは危ないとわかっていながら、日本は戦争に突き進んでいきました。“決まったから、やめられない”では大日本帝国陸軍と同じ。もちろん、凍結による混乱はあるかもしれないが、実際に経済が悪くなることを考えれば、どちらの混乱のほうがいいでしょうか」
2019年07月04日6月3日に金融庁の金融審議会が発表した「高齢社会における資産形成・管理」の報告書について、波紋が巻き起こっている。報告書のなかで“100年安心”とうたわれていた年金について「年金だけでは老後の資金を賄うことができないために95歳まで生きるには夫婦で2,000万円の蓄えが必要になる」とし、現役期から「つみたてNISA」や「iDeCo」などを用い資産形成するよううながす文言があったのだ。くわえて金融庁のトップである麻生太郎氏(78)が資産について「今のうちから考えておかないかんのですよ」などと持論を展開。そうした態度に「無責任すぎる」といった声が上がっていた。かつて“100年安心”とうたわれていた年金。そのキッカケとなったのは04年当時、自民党とともに連立政権にあった公明党の提唱した「年金100年安心プラン」だ。そのプランについて、公明党・池添義春議員(60)は11年に自身のホームページでこう説明していた。【1】保険料は18,3%を上限に2017年まで段階的に引き上げ、それ以上保険料が上らないようにした【2】もらえる年金はモデル世帯で現役世代の手取り収入の50%を確保池添氏は「2009年の財政検証(年金財政の5年後との「定期健診」)でも、今後、100年にわたり、50%台を維持できると試算されています」とも明かしている。また04年4月当時、自民党・森英介厚労副相(70)も「100年後でも絶対大丈夫ということを申し上げます」と衆議院厚生労働委員会で発言している。「手取り収入50%確保」のはずが「2,000万円の貯蓄が必要」に……。当時から「年金100年安心プラン」にはその試算を疑う声が上がっていたが、さらに追い討ちをかけたのが年金積立金をもとに安倍政権が“株”に手を出したことだったという。今年2月、社会保険労務士の北村庄吾氏は本誌でその点に触れている。金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)によると年金積立金とは、保険料のうち年金の支払いなどに充てられなかったもの。GPIFは公式ホームページで「この積立金を市場で運用し、その運用収入を年金給付に活用することによって、将来世代の保険料負担が大きくならないようにしています」とつづっている。しかし北村氏は第2次安倍政権以降、「GPIFがリスクの高い運用制度となった」としてこう明かしていた。「もともと、GPIFはリスクの低い国内債券を中心に積立金を運用してきました。ところが、14年10月から、株式投資の割合を大幅に引き上げたのです」現代は超低金利時代であり、国内債券では運用益を見込めない。そのため、株式の割合を増やしたというのが建前だという。しかし……。「GPIFの豊富な資金を株式市場に投入することで、株高を演出しようとする狙いもありました。つまり、アベノミクスの成長戦略として、年金積立金に手をつけたということです」(北村氏)もくろみは成功し、当時1万4,000~1万5,000円台を推移していた日経平均株価は2万円を超えた。しかし株高には誘導できたものの、年金資金は株価や為替変動といったリスクにさらされることに。そして15年度には中国株が暴落し、GPIFは5兆円の運用損を負う。さらに18年には10月の世界同時株安の影響を受けて、約15兆円もの損失を出した。そんな安倍政権について北村氏は「多くの国では、基礎年金の積立金は、安全性の高い国債で運用されています。こんな“ギャンブル”みたいなやり方には、問題があると言わざるをえません」と、その稚拙な運用方法を強く非難していた。第一次安倍内閣は07年の参議院議員選挙の際、「消えた年金問題」について「最後の1人まで探し出す」という公約を掲げていた。だが14年に2,000万件が見つからないまま、事実上の打ちきりとなっている。
2019年06月07日テレビでは軽減税率の特集が組まれ、コメンテーターが日本の財政赤字の多さを強調する……。増税やむなしと思っているそこのあなた、財務省にだまされています!そこで識者が緊急提言・10月消費税10%はいますぐ凍結を!■「軽減税率も弱者を救わない」古賀茂明・元経産省官僚「消費税の増税前に、政府にはやるべきことがあります」そう語るのは、元経産省官僚の古賀茂明さんだ。増税には2つの理由から反対している。「1つ目は、いまだに無駄遣いや既得権益を守る政治が続いていることです」メディアでも大きく取り上げられた、安倍総理の地元・下関と、麻生副総理の地元に近い北九州を結ぶ「下関北九州道路」を例に、古賀さんが続ける。「安倍政権になって、このような“忖度道路”や凍結されていたダムの建設復活が目立ちます。さらに、“国土強靭化”の名の下に、全国で無駄な道路建設などの公共事業が怒涛の勢いで増えている。こんなバラマキを続ければ、たとえ税収が増えたとしても、財源が足りなくなり、さらなる増税が必要になります。増税とバラマキのスパイラルに陥るのです」2つ目の理由は、景気が低迷している中での増税が、さらなる景気悪化を招くことだという。「政府はアベノミクスの成果を強調し、戦後最長の好景気と喧伝していますが、実感できていない人は多く、企業も、米中やインバウンド旅行客頼み。つまり、増税に耐えられる経済になっていません。毎月、ギリギリで家計をやりくりしている家庭では消費時の増税で老後の貯蓄すらできなくなって不安が募り、財布の紐を締める。消費は減退し、企業の業績が悪化すれば、ボーナスや給与カットにつながる悪循環になります」消費税は、所得に占める消費の割合が高い一般家庭のほうが、割合が低い富裕層よりも影響を大きく受けてしまう。そのため、日々の食材など、生活必需品に関しては8%のまま据え置く軽減税率などの策を政府は用意しているが。「軽減税率は低所得者対策だといいますが、まったく逆です。たとえば、一般家庭で100グラム100円の鶏肉を300グラム買う場合、300円に対して2%である6円が軽減されることに。しかし、100グラム1,500円のステーキ肉を300グラム買う富裕層は、90円も軽減される。金持ち優遇の政策と言われても仕方ない。軽減税率を止めて、その分を貧困層に回すべきではないでしょうか」さらに、地方自治体ごとに、たとえば2万円で2万5,000円分の商品券に換えられるプレミアム商品券の導入も検討されているが……。「公明党が好きな政策ですよね。商品券によって一時的に消費は増えたとしても、もともと購入する予定だったものを先買いするだけ。さまざまな経済学者による分析でも、経済効果はほとんど得られないという結論です。参院選を前に、安倍総理も非常に悩んでいるはずです。増税すれば景気は腰折れするし、延期すればアベノミクスは失敗だとばれてしまう。前向きに捉えれば、増税見送りはまだあり得るということ。諦めてしまうには早すぎます」
2019年05月16日テレビでは軽減税率の特集が組まれ、コメンテーターが日本の財政赤字の多さを強調する……。増税やむなしと思っているそこのあなた、財務省にだまされています!そこで識者が緊急提言・10月消費税10%はいますぐ凍結を!■「増税で軍備が増強される」浜矩子・同志社大大学院教授「GDP(国内総生産)に対して、借金が2.5倍もある日本の財政状況は、立て直す必要があります。いずれ消費税の増税はやむを得ないと思いますが、安倍政権での増税には強く反対します」経済学者で、同志社大学大学院教授の浜矩子さんは語気を強める。「安倍首相は、ことあるごとに『強い日本を取り戻す』と発言しています。たとえば、’15年に“アベノミクスと外交、安全保障政策は表裏一体”と、経済を強くして、国防費を増やすという主旨の発言もしています」昨年9月、トランプ大統領は安倍総理との会談後に「日本はすごい量の防衛装備品を買うことになった」と発言。その後、1機100億~150億円もするF35戦闘機を、アメリカから105機も購入する予定であることが明らかになった。「世のため、人のための増税なら理解できますが、私には、安倍首相は“富国強兵”を目指しているとしか思えません」今年10月に幼児教育・保育無償化が始まるが、これも消費税の増税を見越したものだ。「もともと社会保障と税の一体改革のために増税するといわれていたのに、教育無償化することに目的が広がってしまった」子育て世帯にとってはうれしいことだが、懸念があるという。「私は、タダより怖いものはないと思っています。政府がより教育に干渉し、森友学園のように、教育勅語を暗記させるような教育が全国に広がることを警戒します。このような“21世紀版大日本帝国”を目論んでいるとしかみえない現政権による増税には反対です」だが一方で、日本の財政への懸念もある。「不測の事態に陥ったとき、国民や企業をレスキューするのが、国の役割です。そのためにわれわれは税金を払っているのに、現状では、むしろ国が苦しいからといって、国民がレスキューを強いられる。こんなばかな話はありません。本来の役割を果たせるような財政に立て直すことが急務です」その一つの方法が、消費増税ではあるが、一定の“条件”がなければならないという。「同時進行的に、お金のあるところから税金を集めることです。たとえば個人所得税率の上限は、もともと75%あったのが、今や45%に引き下げられています。増税とともに軽減税率をするのであれば、“重増税率”もあるべきです。明らかに富裕層しか買わないような物品には80%、90%の税率をかけてもいいでしょう。一方、食材などの生活必需品などは0%にするなど、強いグラデーションを付けることが必要だと考えています」
2019年05月16日テレビでは軽減税率の特集が組まれ、コメンテーターが日本の財政赤字の多さを強調する……。増税やむなしと思っているそこのあなた、財務省にだまされています!そこで識者が緊急提言・10月消費税10%はいますぐ凍結を!■「税率UPで深刻不況に」岩田規久男・前日銀副総裁《国の借金1,100兆円=1人当たり885万円-財務省》(2月28日時事通信)こんな報道が目に入ると“将来の子どもにツケを回したくない”と考えて、10月に予定されている消費税の増税もやむを得ないと思う人も多いのではないか。4月28日に発表された読売新聞の世論調査でも、45%が増税に賛成しているという結果だった。「しかし国の借金は、国債という形で、国民や企業の資産になっています。家庭に例えると、夫が妻のへそくりを借りているようなもの。家計の中で、お金は減っても増えてもいません。日本が外国から借金している金額はごくわずかで、ほとんど国民からの借金ですから、家庭内の借金と同じで、『いま消費増税しないと財政破綻する』というのは誤った考えです」こう語るのは、昨年3月まで日本銀行副総裁を務めた、学習院大学名誉教授の岩田規久男さんだ。安倍政権下で、まさに日本の金融政策の中枢にいた岩田さんは消費税増税に強く反対している。消費税はこれまでも、日本経済に大打撃を与えてきたという。「’97年に3%から5%への増税の直後に消費が落ち込んだとき、財務省はアジア通貨危機が原因と主張しましたが、デフレになろうとしているときの増税が原因でした」デフレ下で増税すると、消費が落ち込み、企業の業績が悪化し、賃金はさらに減る。それがさらなる消費の落ち込みを招き、収入減、失業者の増加、年金不安など、深刻なデフレ不況を招くのだという。「私が副総裁に就任した’13年3月、アベノミクスが始動したころを振り返っても同じです。当時、日銀が大胆な金融緩和に舵を切り、株価が上がり、利益を得た人が消費するなど、景気は上向きつつありました。ところが、せっかくデフレ脱却のロケットが打ち上がったのに、まだ軌道に乗らない’14年に8%への増税を断行し大失速。家計の消費が一気に冷え込み、デフレ脱却が遠のいたのです」その後、’16年後半から世界経済が好調で、輸出企業が収益をあげることで、なんとか持ちこたえることができた。「こうした“他力”もあり、現在、ようやく’13年の増税前までに消費が回復しようとしています。そんななか、増税を行えば、また同じ過ちを犯してしまいます」消費税は、収入に対する消費の割合が大きい低所得者ほど、苦しむ仕組みだ。特に、日本は“消費税に弱い国”だという。「年金受給者は4,000万人以上います。1人当たりの年金支給額の平均は’18年度で約136万円。1カ月11万円ほどなんです。また、1カ月の平均賃金が24万円ほどの非正規労働者も、2,010万人もいます。年金生活者でも裕福な家庭や貯蓄がある家庭もありますが、日本人の半数近くが“消費税弱者”であるといえます。だからこそ、増税はせずに、物価上昇率2%を目標に金融緩和を続け、経済成長を促し、消費を拡大させるべきなのです」菅義偉官房長官は、「リーマン・ショック級の金融危機がない限り増税する」と明言しているが。「消費増税そのものがリーマン・ショック級の危機になりえる。かつて、安倍晋三首相は『デフレ脱却なくして、増税はしない』と話しましたが、今こそ初心に立ち返ってほしいです」
2019年05月16日「公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、’18年10月~12月期の運用実績で、14兆8,000億円もの運用損を出していたことがわかりました。これは現在の方式で運用を開始した’01年以降で、最大の“赤字額”です。それまで165兆円あった積立金が、150兆円まで目減りしてしまいました。積立金は、保険料、国庫負担に次ぐ、年金の原資です。年金の危機といっても過言ではありません」そう警鐘を鳴らすのは、年金博士として知られる、社会保険労務士の北村庄吾さんだ。私たちの老後を支える大事な年金積立が“大溶解”している。GPIFは、厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行う独立行政法人で、年金基金のなかでは世界最大の資産を持つ。現在、公的年金は現役世代の払う保険料を、高齢者に分配する“賦課方式”を取っているが、少子高齢化がより進むと、現役世代の負担が大きくなりすぎてしまう。そこで、将来的には積立金を少しずつ取り崩して制度を維持する予定になっている。GPIFはそのための積立金を運用し、少しでも増やすという役割がある。GPIFがリスクの高い運用制度となったのは、第2次安倍政権になってからだという。「もともと、GPIFはリスクの低い国内債券を中心に積立金を運用してきました。ところが、’14年10月から、株式投資の割合を大幅に引き上げたのです」(北村さん、以下「」内は同)国内債券での運用割合を60%から35%に半減させて、高い運用益が見込まれるがリスクも高い株式での運用割合を24%から50%に倍増させた。現在は超低金利時代。国内債券では運用益を見込めないために、株式の割合を増やしたというのが建前だが……。「GPIFの豊富な資金を株式市場に投入することで、株高を演出しようとする狙いもありました。つまり、アベノミクスの成長戦略として、年金積立金に手をつけたということです」もくろみは成功し、当時1万4,000~1万5,000円台を推移していた日経平均株価は2万円を超えた。「株高には誘導できましたが、年金資金は株価や為替変動のリスクに今まで以上さらされるようになったのです。’15年度には中国株の暴落の影響もあって、GPIFは5兆円の運用損を出しました。そして今回、昨年10月の世界同時株安の影響を受けて、約15兆円もの運用損を出していたことが発覚しました。多くの国では、基礎年金の積立金は、安全性の高い国債で運用されています。こんな“ギャンブル”みたいなやり方には、問題があると言わざるをえません」それでもGPIFは’01年からの累積の黒字額が56兆6,745億円あると喧伝している。だが、実は’14年10月以降に積み上げた黒字額は、この“大損失”で半減し、現在15兆4,000億円になった。ふたたび今回のような損失を引き起こせば、すべて消し飛んでしまうことになる。今回の“大損失”は私たちの年金にどのような影響を与えるのだろうか。今後、保険料率が引き上げられたり、厚生年金の加入義務対象者が拡大されたりするなどの可能性が考えられる。さらに影響は保険料率だけにとどまらない。まず考えられるのは、受給開始年齢の繰り下げだ。北村さんは、現在50歳で今年の4月1日までに誕生日を迎えない女性、そして49歳以下の女性は年金の受給開始年齢が68歳に引き上げられるだろうと考えている。すでに、実質的な受給額のカットは進行している。今年、マクロ経済スライドが4年ぶりに発動された。「かつては物価が上昇した場合、年金額も同じように上昇する決まりでした。しかし、それでは受給額がどんどん増大し、年金制度が持ちません。そこで、マクロ経済スライドという仕組みが誕生しました。物価が上昇しても、年金の上昇率を抑える仕組みです。物価の伸び率から、調整率0.9%を引いた値しか年金額は増えないのです」物価の上昇に対して、年金額の上昇が抑えられるので、実質的な年金受給額カットになる。「たとえば、物価が1%上がった年でも、年金額は調整率を引いた0.1%ほどしか上昇しません。仮にこうした状況が10年続けば、物価の上昇に追いていかれて、もらえる年金の価値が10%ほど減ったのと同じ状態になるのです」年金受給開始年齢の繰り下げや、マクロ経済スライドなどによって、北村さんは生涯もらえる年金の価値は、現在よりも15%ほど下がると予測している。有効な対策はあるのだろうか。「もはや公的年金だけを当てにして人生設計をするのは危険な時代です。個人型確定拠出年金(iDeCo)などで、節税をしながら、受け取れる年金額を増やすなどの努力が必要になるでしょう」時の政権や、国の都合で、どんどん消えていく私たちの年金。もはや自己防衛するしか策はないようだ。
2019年02月21日「公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、’18年10月~12月期の運用実績で、14兆8,000億円もの運用損を出していたことがわかりました。これは現在の方式で運用を開始した’01年以降で、最大の“赤字額”です。それまで165兆円あった積立金が、150兆円まで目減りしてしまいました。積立金は、保険料、国庫負担に次ぐ、年金の原資です。年金の危機といっても過言ではありません」そう警鐘を鳴らすのは、年金博士として知られる、社会保険労務士の北村庄吾さんだ。私たちの老後を支える大事な年金積立が“大溶解”している。GPIFは、厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行う独立行政法人で、年金基金のなかでは世界最大の資産を持つ。現在、公的年金は現役世代の払う保険料を、高齢者に分配する“賦課方式”を取っているが、少子高齢化がより進むと、現役世代の負担が大きくなりすぎてしまう。そこで、将来的には積立金を少しずつ取り崩して制度を維持する予定になっている。GPIFはそのための積立金を運用し、少しでも増やすという役割がある。GPIFがリスクの高い運用制度となったのは、第2次安倍政権になってからだという。「もともと、GPIFはリスクの低い国内債券を中心に積立金を運用してきました。ところが、’14年10月から、株式投資の割合を大幅に引き上げたのです」(北村さん、以下「」内は同)国内債券での運用割合を60%から35%に半減させて、高い運用益が見込まれるがリスクも高い株式での運用割合を24%から50%に倍増させた。現在は超低金利時代。国内債券では運用益を見込めないために、株式の割合を増やしたというのが建前だが……。「GPIFの豊富な資金を株式市場に投入することで、株高を演出しようとする狙いもありました。つまり、アベノミクスの成長戦略として、年金積立金に手をつけたということです」もくろみは成功し、当時1万4,000~1万5,000円台を推移していた日経平均株価は2万円を超えた。「株高には誘導できましたが、年金資金は株価や為替変動のリスクに今まで以上さらされるようになったのです。’15年度には中国株の暴落の影響もあって、GPIFは5兆円の運用損を出しました。そして今回、昨年10月の世界同時株安の影響を受けて、約15兆円もの運用損を出していたことが発覚しました。多くの国では、基礎年金の積立金は、安全性の高い国債で運用されています。こんな“ギャンブル”みたいなやり方には、問題があると言わざるをえません」それでもGPIFは’01年からの累積の黒字額が56兆6,745億円あると喧伝している。だが、実は’14年10月以降に積み上げた黒字額は、この“大損失”で半減し、現在15兆4,000億円になった。ふたたび今回のような損失を引き起こせば、すべて消し飛んでしまうことになる。「しかも、株式市場に明るい材料はありません。相場は1年先を見て動くもの。現在はオリンピック特需のおかげで、建設事業が活況ですが、今年の秋にはすでにオリンピック後を見据えて、相場が冷え込むと予想されています。それならば、株価が下がる前に売り切ってしまえばいいと思うでしょうが、GPIFの株の保有数は莫大なため、日本全体の株価にも影響を与えてしまう。つまり、株価の暴落を招きかねないので、軽々に売ることもできないのです」アベノミクスの株高演出のために使われた結果、わずか3カ月で15兆円が消失してしまった公的年金。時の政権や、国の都合で、私たちの年金がどんどん消えていく――。
2019年02月21日将来の年金制度を支える積立金。アベノミクスの株価演出のために使われた結果、15兆円がわずか3カ月のうちに消失してしまった。その果てに待っているのは――。「公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、’18年10月~12月期の運用実績で、14兆8,000億円もの運用損を出していたことがわかりました。これは現在の方式で運用を開始した’01年以降で、最大の“赤字額”です。それまで165兆円あった積立金が、150兆円まで目減りしてしまいました。積立金は、保険料、国庫負担に次ぐ、年金の原資です。年金の危機といっても過言ではありません」そう警鐘を鳴らすのは、年金博士として知られる、社会保険労務士の北村庄吾さんだ。私たちの老後を支える大事な年金積立が“大溶解”している。GPIFは、厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行う独立行政法人で、年金基金のなかでは世界最大の資産を持つ。現在、公的年金は現役世代の払う保険料を、高齢者に分配する“賦課方式”を取っているが、少子高齢化がより進むと、現役世代の負担が大きくなりすぎてしまう。そこで、将来的には積立金を少しずつ取り崩して制度を維持する予定になっている。GPIFはそのための積立金を運用し、少しでも増やすという役割がある。GPIFがリスクの高い運用制度となったのは、第2次安倍政権になってからだという。「もともと、GPIFはリスクの低い国内債券を中心に積立金を運用してきました。ところが、’14年10月から、株式投資の割合を大幅に引き上げたのです」(北村さん、以下「」内は同)国内債券での運用割合を60%から35%に半減させて、高い運用益が見込まれるがリスクも高い株式での運用割合を24%から50%に倍増させた。現在は超低金利時代。国内債券では運用益を見込めないために、株式の割合を増やしたというのが建前だが……。「GPIFの豊富な資金を株式市場に投入することで、株高を演出しようとする狙いもありました。つまり、アベノミクスの成長戦略として、年金積立金に手をつけたということです」もくろみは成功し、当時1万4,000~1万5,000円台を推移していた日経平均株価は2万円を超えた。「株高には誘導できましたが、年金資金は株価や為替変動のリスクに今まで以上さらされるようになったのです。’15年度には中国株の暴落の影響もあって、GPIFは5兆円の運用損を出しました。そして今回、昨年10月の世界同時株安の影響を受けて、約15兆円もの運用損を出していたことが発覚しました。多くの国では、基礎年金の積立金は、安全性の高い国債で運用されています。こんな“ギャンブル”みたいなやり方には、問題があると言わざるをえません」それでもGPIFは’01年からの累積の黒字額が56兆6,745億円あると喧伝している。だが、実は’14年10月以降に積み上げた黒字額は、この“大損失”で半減し、現在15兆4,000億円になった。ふたたび今回のような損失を引き起こせば、すべて消し飛んでしまうことになる。今回の“大損失”は私たちの年金にどのような影響を与えるのだろうか。「積立金は100年かけて、少しずつ取り崩していって、現役世代の保険料アップの抑制に役立てることになっています。少子高齢化によって、現役世代が毎月支払う厚生年金の保険料率は上がり続け、’17年には給与額の18.3%という水準になりました。しかし、厚労省は、保険料率を26%まで上げないと、将来的に年金を維持できないと試算しています。積立金は、その差額を埋めるという役割があるのです」今後、保険料率が引き上げられたり、厚生年金の加入義務対象者が拡大されたりするなどの可能性が考えられる。さらに影響は保険料率だけにとどまらない。’16年2月の衆院予算委員会で、GPIFが’15年に出した巨額の損失について問われた安倍晋三首相は、「想定の利益が出ないなら、当然、支払いに影響する。給付に耐える状況にない場合は、給付で調整するしかない」と答えた。アベノミクスのための“ギャンブル”の失敗のツケは、私たちの年金で払わされるのだ。まず考えられるのは、受給開始年齢の繰り下げだ。「選挙に影響が出るので、参院選後の秋の通常国会で、法案が提出される可能性が高い。現在の受給開始年齢である65歳が、68歳まで上げられるのは、まず間違いないと思います。過去に受給開始年齢が引き上げられた例からみると、’64年4月1日よりも前に生まれた女性は現状の65歳のままです。しかし、そこから段階的に年齢が引き上げられ、’68年4月2日より後に生まれた方は受給開始年齢が68歳になると予想しています」北村さんは、現在50歳で今年の4月1日までに誕生日を迎えない女性、そして49歳以下の女性は年金の受給開始年齢が68歳に引き上げられるだろうと考えている。
2019年02月21日