11月15日より配信中のNetflix映画『アースクエイクバード』。リドリー・スコットが製作総指揮をとり、ウォッシュ・ウェストモアランドが監督を務め、さらに数々の賞に輝き、『リリーのすべて』で第88回アカデミー賞で助演女優賞も受賞したアリシア・ヴィキャンデルが主演を務める。第32回東京国際映画祭に特別招待作品として出品もされた同作に、主要キャストとして抜擢されたのが、EXILE/三代目J Soul Brothersの小林直己だ。日本在住経験のある作家 スザンナ・ジョーンズ原作の小説を実写化した同作は1980年代の東京を舞台にしており、日本に住むイギリス人女性リリーとみられる死体が発見されたことから、主人公のルーシーに容疑がかけられ、そこに絡む日本人カメラマン禎司の姿も浮かび上がっていく。この禎司を演じた小林は、アメリカで数々のオーディションを受け、メインキャストとして名を連ねることになった。前回のインタビューでは小林がハリウッドで得た新たなものの見方や、役作りについて話を聞いた。後編となる今回は、オーディションの経験から感じたものから、小林の根本にある思い、そしてEXILEとしての現在について話が及んだ。○■「忘れられたくない」が根本に――以前、直己さんに話を聞いたときに、オーディションや自己紹介では三十秒の間に、すべてを伝えないといけないと言われていたのが印象に残ってるんです。海外で一緒に仕事をしたいプロデューサーがいたとしたら、「小林直己です。1年で100万人を動員するツアーをやっていて、1回の公演で5万人の前でパフォーマンスしています。役者としては、アリシア・ヴィキャンデルと共演していて、マーシャルアーツや刀を使ったアクションもできます。こんなことで貢献できるから一緒にやりませんか」と言ってカードを渡すんです。一方で、日本ってとてもハイコンテクストなカルチャーで、言わずともわかるとか、慮ることが素敵とされてもいます。それはこの国の素晴らしい一面でもありますけど、他の国では同じとは限らない。だから言葉で伝えて、お互いに相手に利点を感じて一緒にやっていく。そういう経験で改めて感じることもあったんです。実は、自己紹介の場で僕のストロングポイントとして伝わるのは、「よろしくお願いします」と言ったときの自分から発せられるものだったりとか、椅子がゆがんでいるときに無意識で直してるところだったりとか、特別何かをしよう、何かを見せようとしていないときに出る自分らしさや、日本人らしさみたいなものかもしれないなと。その背景には、東アジアの歴史の中で生まれた雰囲気もあるんだろうなと。『アースクエイクバード』にも、アジアの湿ったセクシーさというものも滲み出ていただろうし、「自分が今、持っているものが素晴らしいんだ」と思えたことで、自分を受け入れるきっかけにもなりました。だから、今は自己紹介の30秒で頑張って何かになろうとするのではなくて、「僕はこういう人間です。なんかあったら一緒にやりましょう」という、そんな感じです。――そんな過程があって出演したのが『アースクエイクバード』だと思いますが、初めての海外での作品が、ここまでの規模で、その中でも主要なキャストに選ばれると想像していましたか?もちろん、していなかったです。今回が英語主体で演じる初めての役なんですが、リドリー・スコットがプロデュースで、ウォッシュ・ウェストモアランドという素晴らしい作品を手掛けてきた監督と、オスカーに輝いたアリシア・ヴィキャンデルに、様々な作品に出演してきたライリー・キーオという人たちと作品で関われたのはとても幸運でした。僕自身、個人的に脚本に思い入れがあったので、役者としても個人としてもやりたかったんです。それは、これまでやってきたダンスも、自分から何かを伝えたいという思いから始めたことだし、もっと言うと、幼いときから「忘れられたくない」という気持ちがあったんです。自分自身も何かを見てインパクトを受けたことを今でも覚えているから、そんな風に僕も誰かにインパクトを与えられたら、永遠に残るものになれるのかな、と。今もそれが果たせたとは思ってはいませんが、満足できる作品に出演できたのはとても幸運なことだと思います。――以前、直己さんの「忘れられたくない」という思いについて語っているのを聞いて、そのときに「今はどうですか?」って尋ねたら、「今も朝起きたら真っ先にそのことを考える」と言われていたのがものすごい残っていて。今も毎日思いますね。ずっとそうなんだろうと思います。その気持ちがあるからこそ踊ったり、ものを作ったり、芝居をしようと思うし、その気持ちがなくなったら僕は表現することをしなくなると思います。○■「手放したくない」と残ったもの――今、LDHの方に話を聞くことがあると、皆さん企画を出したりするということが当たり前に行われているというのを感じます。ただ、以前はそういう感じでもなかったのではいかと思ったのですが、どんな風に変化していったんでしょうか。この間、TETSUYAともそんなことを話したんですけど、今年で僕らはEXILEに入って10年目なんですね。今は来年のパーフェクトイヤーに向けて準備をしているところなんですが、この10年、特に最初は24時間、365日、本当に一分一秒まで、自分は「どうEXILEであるべきか」「どう貢献すべきか」と、EXILEのことしか考えてなかったんです。でも、ある日、「本当にEXILEに貢献できているのかな」と心にかかって。これはEXILEが凄いと言いたいわけではなくて。EXILEはEXILEのやり方で、社会に貢献しようとしていて、僕らのようなパフォーマーは、「人が笑顔になることをしたいから、EXILEに貢献したい」と思っていたんですが、ある時、自分が「ぜんぜん貢献していないな」と思ったんですね。EXILEのメンバーはみんなすごく才能がある人ばかりなのに、努力をやめないんです。そうなると、「最初から差があるのに、どんなに努力しても近づけないじゃん」「俺じゃなくても大丈夫なのかな」という気持ちになってしまいました。――そんな時期もあったんですね。人間って、会社や組織にいたら、「このままこの場所でやっていけるのか」と思うときがあると思うんです。僕にも、EXILEにいて叶った夢も叶わなかった夢もある。やりたいけどやれないこともあった。「ここは誰かに任せよう」と思うことも出てきた中で、「これだけは手放したくない」と思ったのが、僕にとっては英語と芝居で、その頃から変化していきました。それまではグループに甘えていたし、自分から企画を出そうということも全くなかったし、とにかく鍛えてすごい踊りをしたり、ただがむしゃらに目を閉じたままで暗闇をダッシュすればよかったし、そうしていることで貢献できているシステムをメンバーが作ってくれていたんです。でも、がむしゃらに走るのは次の世代の役割に代わって、ぱっと目を開けたとき、「ここはどこだ? 次はどうするんだ?」と思って。そしたら、SHOKICHIやTETSUYAが、新たなことを始めようとしていたんです。――それは同時期にあったんですか?僕は遅い方だったと思います。SHOKICHIの姿を見て、始まったのかもしれない。SHOKICHIはそのとき、「自分のやるべきことは、改めて音楽と向き合うことだ」と思って、ソロデビューやライブをやりたいということを企画書に書いて出していました。そういう姿を見て、曲も作れないし、歌も歌えない、俺は何なんだろうというところから、何をするか発想したのかもしれないです。――HIROさんに「EXILEになれ」と言われたというエピソードもありましたが、それも経てたどり着いた感じでしょうか?そうですね。EXILEに入って3年目にATSUSHIから「改めてメンバーの夢を教えてほしい」という提案があったんです。グループはみんなの夢を叶える場所だし、そのことがグループの未来への力にもなるということからの提案でした。それで、長テーブルに座ったメンバーがひとりひとり夢を言っていったんですね。そのとき、ATSUSHIは「歌の力で病気を治したい」と言っていたし、SHOKICHIは「EXILEのストロングポイント になりたい」と言っていました。僕は、夢自体はたくさん持っていると思うんです。でも、覚悟を持ってEXILEで叶えたい夢を言うメンバーの中で、俺の夢でみんなに言えるものってあるのかなと思ったら、何も言えなくて。「すみません、皆さんみたいに語れる夢はないです」と言いました。 そのときにHIROから「もっとEXILEになったほうがいいんじゃないか 」って言われたんですね。それは、EXILEがどうこうということではないと思うんです。社会の中で覚悟を持ってやるというだけの話で。そうなると、知らなきゃいけないことももっと増えるだろうし、意見しないといけないところでは意見しないといけなくなるかもしれない。でも、それは自分の覚悟があるからだ、というところにたどり着きました。■小林直己EXILE/三代目J SOUL BROTHERSのパフォーマーとして全国ライブツアーなど精力的にアーティスト活動を行う。パフォーマー以外に役者としても活動し、舞台にも積極的に参加。劇団EXILE公演のほか、2013年2月より行われた『熱海殺人事件40years’ NEW』(つかこうへい作・岡村俊一演出)で大山金太郎役を熱演。各方面より好評を得る。2017年からは俳優として本格的に活動をはじめ、『たたら侍』(2017年)、『HiGH&LOW』シリ ーズなどに出演。Netflixオリジナル映画『アースクエイクバード』(2019年)も11月15日より配信スタート。日本ならず、アメリカにおいても俳優として活動の場を広げている。
2019年11月20日リドリー・スコットが製作総指揮を務め、日本を舞台にしたNetflix配信映画『アースクエイクバード』でEXILE、および三代目 J SOUL BROTHERSのパフォーマーである小林直己がハリウッドデビューを果たした。これまでも舞台や映画、ドラマへの出演はあったが、グループの他のメンバーと比べて多かったわけではない。「なぜ突然、ハリウッドデビューを?」と驚く向きも多いかもしれないが、そこにはここ数年の周到な準備、何よりも彼自身の強い意志があった。「世界の誰もが知るような存在になりたい」――。静かに、強い決意をもってそう語る小林に話を聞いた。この15年ほど、ダンサーとして活動してきた。「感じている思いや伝えたいこと、叫びたいことってなかなか形にならなくて、うまく伝わらず、みんな、苦労していると思うけど、自分にはその手段としてダンスがフィットした」劇団EXILEの公演には2007年から参加し、ここ数年は映画『たたら侍』、『HiGH&LOW』シリーズなどにも出演。そこで「芝居というものが、自分がこれまでやってきた表現の延長上にあるんだということを実感した」という。「もともと、言葉で伝えるのが苦手だからダンスをやっていたはずなのに(笑)、それでも芝居と出会ったときに“あぁ、これは自分にとってのもうひとつの大事な表現方法なんだ”と感じました。芝居でなきゃ表現できないことがあるんですよね。本腰を入れてやりたいと感じて、ここ3年ほど言語とアクティングのトレーニングを積んできました」2017年にはアメリカ進出の拠点となるLDH USAが設立され、自身もスタッフとして配属された。ちなみに今回の『アースクエイクバード』への出演はオーディションによるもの。ここ数年、いくつもの作品のオーディションに挑戦しており、出演までこぎつけた最初の作品が本作だった。日本在住経験のあるスザンナ・ジョーンズの小説を原作に、オスカー女優のアリシア・ヴィキャンデルを主演に迎え、『アリスのままで』のウォッシュ・ウェストモアランド監督が映画化した本作。1980年代の東京を舞台に展開する恋愛サスペンスで、小林は、アリシア演じる主人公の英国人女性・ルーシーが恋に落ちるカメラマンの禎司を演じた。小林はこれまでに受けてきたオーディションで出会ったどの役よりも、本作の禎司に共感を覚え「自分の俳優としてのキャリアにとってという意味だけでなく、人生に必要な役――この役を通して、新しい自分に出会ったり、過去の後悔を取り戻せるんじゃないか?という思いになった」と語る。そうした強い思いが通じたのか、複数回のビデオオーディションを通じての監督とのセッションを経て、禎司役を見事に勝ちとった。一体、禎司という男のどこに惹かれたのか?「彼の純粋さですかね? 自分を表現するのが上手ではなく、ミステリアスに見えるけど、決してそうじゃない。彼自身の価値観を持っていて、自分なりの真実を求めようとしているんですよね。カメラのレンズを通したときにだけ心を開くことができて、カメラは彼の鎧であり、唯一、心をさらけ出せる窓なのかなと思いました」役を作る上で、事前に監督と話し合いを重ねた上、自分なりの方法を模索していった。「監督のウォッシュはこの1980年代にちょうど日本に留学していたそうで、この時代の日本の描写、禎司という男の心理などについてもいろんな話をしました。僕に禎司という男をシェイプする自由を与えてくれたので、すごくありがたかったです。原作小説で、禎司は鹿児島出身とあったので、自分で鹿児島に行って、禎司が見たであろう風景を見たり、街を歩いたりもしたし、撮影の半年ほど前にオリンパスの1980年代のモデルのカメラを買って、東京の街を撮り始めました」ルーシーを演じたアリシアと実際に現場で対峙し、学んだことも多かった。「本当に“素晴らしい”のひと言でした。技術的なことはもちろんですが、何より驚いたのが集中力の切り替えの早さ。現場で和やかに笑いながら話をしていたかと思うと、カメラが回った瞬間にスイッチを入れたかのようにルーシーの目になるんです。あの集中力が役柄の深さを生んでいて、数々の作品で活躍してきた“力”でもあるんだなと思いました」。EXILEのメンバーとして、毎年のようにドームツアーを行ない、100万人を超える観客を熱狂させてきた。そんな成功の中にあって、常に自分を表現する場所、多くの人の心に自分の存在を刻みつける方法を探してきたという。「小さい頃からなぜか“ひとに忘れられたくない”という恐怖とも言える思い、“自分を知ってほしい“”覚えていてほしい”という思いが強烈にあるんです」と語る。だがなぜ日本ではなく、アメリカを拠点に活動しようと思ったのか? 30代を超えてほとんどの人が自分のことを知らない土地でゼロからオーディションを受けるより、知名度を活かして日本で役者としての地位を確立させようとは思わなかったのか? そんなこちらの問いに対し「残念ながら、日本ではあまりチャンスがなかったんですよ(苦笑)」と意外な答えが返ってきた。「日本で活動したいという思いはもちろんありました。数年前に30歳になって、多くの人が“これから仕事をどうしていこうか?”“家族は?”とか考える時期でもあると思います。僕も“残りの時間で自分は何ができるのか?”と考えたとき、尊敬する仲間がいる、大好きなEXILEというグループにこの先も居続けるには、自分は何をしたらいいのか?と考えたんです。当時、他のメンバーと自分を比べたり、自分の人気なども含めて、ひとりの人間としての小林直己と商品としての小林直己という存在を混同していたところもあって、そこで(なかなか日本での俳優としての活動の場が与えられず)自分を否定されたように勝手に感じていたこともありました。でも、“できないことはできない”と諦めがついたところもあるし、逆に“できることは諦めたくない”という思いにも至って、俳優として世界一を目指すくらいじゃないと、メンバーのみんなを驚かせることも、自分のことを“忘れてほしくない”という思いも果たせないと思って、この気持ちをモチベーションにして頑張ろうと思ったんです」海外に出ることで、日本では自分さえも気づいていなかった自身の魅力に気づかされる部分もあったという。「インターナショナルなクルーと仕事をする中で、自分にしか与えられないものを出さなきゃいけない。それは何だろう?と思ったとき、実は日本で生まれ育って、自然と身に着けてきたものが武器になってるんだなと気づきました。佇まいや、アジア系の俳優特有の“湿った色気”みたいなもの、自分の中ではコンプレックスとして捉えていた部分さえ“それ素晴らしいね”と言ってもらえて、すごく勇気と自信をもらいました」。今後について尋ねると、リドリー・スコットとのやりとりに触れつつ、意気込みを明かしてくれた。「最初に撮影後にLAで会ったときは、『ブラックレイン』のときの高倉健さんや松田優作さんの話を聞かせてくれたんですが、先日、ロンドンで会ったときは“素晴らしかったよ。映画に必要な存在感がキミにはある”とおっしゃってくださったんです。光栄でしたし、それを聞いて“これからがスタートだな”と思いました。世界的な影響を持つ俳優になりたいと思います」取材・文:黒豆直樹撮影:稲澤朝博Netflixオリジナル映画『アースクエイクバード』劇場公開中11月15日よりNetflixにて配信中
2019年11月19日11月15日より配信中のNetflix映画『アースクエイクバード』。リドリー・スコットが製作総指揮をとり、ウォッシュ・ウェストモアランドが監督を務め、さらに数々の賞に輝き、『リリーのすべて』で第88回アカデミー賞で助演女優賞も受賞したアリシア・ヴィキャンデルが主演を務める。第32回東京国際映画祭に特別招待作品として出品もされた同作に、主要キャストとして抜擢されたのが、EXILE/三代目J Soul Brothersの小林直己だ。日本在住経験のある作家 スザンナ・ジョーンズ原作の小説を実写化した同作は1980年代の東京を舞台にしており、日本に住むイギリス人女性リリーとみられる死体が発見されたことから、主人公のルーシーに容疑がかけられ、そこに絡む日本人カメラマン禎司の姿も浮かび上がっていく。この禎司を演じた小林は、アメリカで数々のオーディションを受け、メインキャストとして名を連ねることになった。今回は小林のインタビューを行い、2回にわたり同作への思いや、EXILEへの思いを紹介していく。○■多くのノワールと反転した構造に――『アースクエイクバード』の中で直己さん演じる禎司はとても謎めいていて、ルーシー(アリシア・ヴィキャンデル)とリリー(ライリー・キーオ)がその魅力に惹かれないと物語が成立しないという重要な役でしたね。原作を読んでも脚本を読んでも、禎司はずっと重しのように存在していたので、その存在感に対して意識はしていました。ただ、禎司をどう演じようと考えたというよりは、どれくらい禎司のことを知ったらいいのかというところからアプローチをしました。禎司は日本人カメラマンの役なので、実際に写真を撮りはじめるところから始めて。というのも、自分もダンスを15年間やってきて、「積み重ねた時間は嘘をつかないな」と感じていたので、禎司を演じるにあたっても実際に写真を撮り始めることで、暗室で現像している時間がにじみ出るのではないかと思ったんです。――禎司が生まれたと言われる鹿児島にも行ったそうですね。行きました。彼が生まれ育った鹿児島に行って過ごして感じたことが、セリフひとつの説得力に関わってくるのかなと思ったので。原作の禎司にはほとんどセリフがないんですよ。監督のウォッシュ・ウェストモアランドと撮影が始まる前にLAで食事をしたんですけど、そのときに日本人の精神性や文化について、「こういうことは言わないんじゃないか」ということから、僕自身のバックグラウンドについても話しました。その中から彼がワードを抽出してくれて、禎司の精神性を表すカギとなるセリフになっていました。ウォッシュが僕を認めてくれて、僕に自由にシェイプすることを与えてくれたというか。だから、そうやって演じた結果が、仰ってくださったような謎めいた存在感に繋がってるとしたら、アプローチとして間違ってなかったなと思います。――直己さんが禎司を知って突き詰めていくのと同時に、観客には彼のことがわからないという感覚が絶対に必要なわけで、そのあたりはどう考えていましたか?僕も台本を読んで「禎司って何なんだろう」と考えたとき、人によっては 禎司はミステリアスだったりクローズマインドに見えるかもしれないけれど、彼自身には確固たる価値観があって、彼の追っている真実があると思ったんです。それをオープンにしないだけ、もしくは不器用なだけか、おそらくその両方だと思ったんですね。僕もどちらかというと禎司に近いタイプで、全てを話すわけじゃないし、そうすることのほうが尊いし、「伝わるものだけ伝わればいい」と思っていた方の人間だったので、そこに関しては、何を見せようとか、ここを隠そうとかは考えずに、「禎司として生きたらどうなるんだろう」ということに興味を持っていました。そのためには向き合いたくないことにも向き合わないといけないからタフな経験をしましたけど、それは僕の人生にとっても役者としても大きな挑戦であり、成長させてももらいました。――禎司を見て、これはファム・ファタールではないかと思ったんですね。もちろん、オム・ファタールという言葉があるのも知った上で、役割としてはファム・ファタールがやってきたことではないかと。この話自体が、ノワールスリラーでもあるんですけど、多くのノワール作品って、主人公がいて、出会う相手の謎を解いていくうちにいろんなことが明らかになっていく。だいたいがその主人公は男性で、出会う相手が女性であり、謎めいたファム・ファタールであったりすると思うんですけど、今回の『アースクエイクバード』の場合は、主人公がルーシーという女性で、彼女が出会う謎めいた男性が禎司になっている。その構造が面白いし仕掛けだなと思います。僕も改めて出来上がった作品を見て気づいたところですね。――反転しているということですね。演じているときには、その視点は意識してなかった感じですか?そうですね。でも行間から意味深さを感じていました。台本を読み終わったときに感じたのが、教会のでっかいパイプオルガンから出る低い音が通奏低音みたいに鳴ってるような感覚で。それは禎司から発せられてるのか、ルーシーからなのかは分からないけれど。日本という特殊な環境の中に、ルーシーがどんどん入り込んでいく中での禎司の役割は意識していました。○■時代性を感じた作品に――同じ時期に『その瞬間、僕は泣きたくなった−CINEMA FIGHTERS project−』の主演作『海風』も公開になったわけで、この2作を見たら、直己さんが演じた蓮と禎司のふたりに共通して「弱さ」のようなものが感じ取れました。自分の芝居のスタイルは、メソッド・アクティングというやり方で、過去の経験、記憶、感覚を使うものなんです。だから演じるときには自分に向き合わないといけない。そもそも映画って、映画を通して、自分自身の人生を見てるところがあると思うんです。僕は、抱えている過去や後悔があって、それを解消したいからこそ、一日一日、いい日になればいいなと思って生きてると思ってて。そういったことが、蓮にも禎司にも共通していました。もしかしたら、それは僕自身の哲学なのかもしれないですね。だから、他の人が蓮や禎司をやってもまったく違うものになっていたかもしれないし。特にふたりともに、母性 に対しての複雑な過去を持っているし。もちろん、そこから何をするのかは違うにしても、確かに共通するものはあるかもしれないですね。――それと、蓮も禎司も女性に頭をなでられているシーンがあって。直己さんは、『HiGH&LOW』シリーズで不死身の源治を演じてたりもすることもあって、強いイメージを持ってる人も多いと思うんですよ。でも、ここへきて、それとは違う役が続くのは2人の監督がそういう部分を引き出したいと思う視点があったのかなと。そうなのかもしれないですね。それと、時代性もあるのかもしれない。女性の社会的な立場が変化していて、性別、男性性や女性性に縛られない表現の中で、魂が寄り添う姿を描くときに、社会の規範やルールでだけは描けなくなっていると感じます。でも、人間なんてそもそもそういうもんだと思うんです。社会の規範やルールは、集団生活をするために生まれたものでしかないですから。そういう時代性があぶりだされている作品が、世界中で見られるNetflixで作られているのも興味深いなと思います。――直己さんが今の時代で、関心のあることって何になりますか?『アースクエイクバード』では、Netflixに、リドリー・スコットの制作会社スコット・フリー、そしてインターナショナルなクルーがいて、それぞれバックグラウンドや言語や文化が違う人たちとものを作りました。その経験を通して、改めて自分が日本という国で特殊な見方をしてたんだなって気づいたんです。例えば性別であったり出自であったりとか、そういうことに関して、目が開くような体験もありました。言葉を使うときにも、言いたい言葉も、言いたくない言葉も出てきました。例えば男性性や女性性で単純に物事を語りたくないし、「日本人として」と いう 言い方もあれば、「日本で生まれて育って日本語を使って生活をしてきた」という言い方もあると考えるようになりました。でも、だからこそ、何が好きで何が嫌いなのか、それが核になるということも、この撮影の経験を通して感じたし、そんなやり取りを『アースクエイクバード』の中でもしていると思うんです。■小林直己EXILE/三代目J SOUL BROTHERSのパフォーマーとして全国ライブツアーなど精力的にアーティスト活動を行う。パフォーマー以外に役者としても活動し、舞台にも積極的に参加。劇団EXILE公演のほか、2013年2月より行われた「熱海殺人事件40years’ NEW」(つかこ うへい作・岡村俊一演出)で大山金太郎役を熱演。各方面より好評を得る。2017年からは俳優として本格的に活動をはじめ、「たたら侍」(2017年) 「HiGH&LOW」シリーズなどに出演。Netflixオリジナル映画「アースクエイクバード」(2019年)も11月15日より配信スタート。日本ならず、アメリカにおいても俳優として活動の場を広げている。
2019年11月18日リドリー・スコットが製作総指揮を、アリシア・ヴィキャンデルが主演を務める映画『アースクエイクバード』がNetflixでの配信を開始する。本作は1980年代の日本を舞台に展開されるミステリアスなドラマを描いているが、脚本と監督を務めたウォッシュ・ウェストモアランドは、本作最大のミステリーは「主人公ルーシーの心の中」だと語る。ウェストモアランド監督は英国で生まれ、テレビやドキュメンタリーの世界で活躍した後、私生活上のパートナーでもあるリチャード・グラッツァーと共同で映画『アリスのままで』を監督した。若年性アルツハイマーを発症して自分が誰なのかわからなくなる恐怖とたたかう主人公を描いた本作は高い評価を得て、主演のジュリアン・ムーアにオスカーをもたらしたが、授賞式の後、グラッツァーは筋萎縮性側索硬化症(ALS)でこの世を去る。その後、ウェストモアランドはキーラ・ナイトレイを主演に迎え、夫の抑圧に屈することなく自分の進むべき道を見出していく女性を描いた映画『コレット』を発表。彼が本プロジェクトに参加したのは、それよりも少し前だ。「今から2年ほど前にスコット・フリー・プロダクションズのプロデューサー、マイケル・A・プルスさんが声をかけてくれて本を手渡されたんです。“あなたが気に入ってくれる話だと思うのですが”って。それは1989年の日本が舞台の物語で、実は僕も89年に日本で暮らしていたんですよ。それが始まりでした」プルスが手渡したのは、同じく日本在住経験のある英国人作家スザンナ・ジョーンズが書いた小説『アースクエイク・バード』だった。彼はプロジェクトへの参加を決めて、脚本執筆に取りかかった。本作の冒頭、日本で暮らす外国人女性ルーシーは警察から聴取を受けている。彼女の友人リリーが行方不明になり、その容疑がかけられたのだ。刑事の執拗な取り調べにルーシーは毅然とした態度で語りだす。自身の哀しい過去を振り切るために異国の地・東京にやってきた彼女はある日、写真撮影を愛する日本人テイジに出会う。やがて彼女は友人から紹介された女性リリーと行動を共にするようになり、ルーシーとリリー、そしてテイジは不思議な三角関係に発展していく。映画は、行方不明になったリリーはどこに行ったのか?そして犯人は一体誰なのか?を探る展開になってはいるが、ウェストモアランド監督は「それは物語の表層的なものに過ぎません」と言い切る。「私は原作になった小説を読んで“東京ノワール”を描くことができる可能性を感じました。僕の考えるノワールは、通常のスリラーとは違って、犯罪、確固たるスタイル、そして心理描写……この3つがミックスされたものです。ですから、この作品も犯人は一体誰なのか?は表層にあるかもしれませんが、一番のミステリーは、主人公ルーシーの心の中=心理状態です。この作品は、ルーシーの抱えている哀しみや罪悪感、罪を償おうとする道のりを描く物語だと最初から考えていました」本作では、アリシア・ヴィキャンデル演じるルーシーの過去や心情が少しずつ明らかになっていく。必死に生きているだけなのに、彼女の周囲では悲しい出来事が起こり、自身も回復できないほどの心の傷を負ってきた。ウェストモアランド監督は劇中でサスペンス的な状況を描く際にも主人公の表情の微細な変化や心理描写を意図的に優先して描いている。「ルーシーの瞳の奥にあるもの、つまり彼女が本当は何を感じているのか描くことが本作の最大の目的でした。ですから、ストーリー上で何らかの危機やサスペンス的な出来事が起こった場合も、観客が向き合うのはあくまでも彼女の内面であり、彼女の過去なわけです」過去に囚われて自分を見失ってしまったルーシーを描く本作を監督は「トリロジー(三部作)のひとつ」だと説明する。「『アリスのままで』はアルツハイマーを患って自分のアイデンティティを手放したくない女性が“未来”への恐怖と向き合う話でした。『コレット』の主人公は、力を持った夫の下で自分のアイデンティティを作り出そうと“現在”の自分と向き合います。そして本作では、自分の新しいアイデンティティを生み出すために“過去”に対する恐怖心と対峙する女性の物語です。どれもジャンルも違うし、コンテクスト(文脈)は違いますが、人生の中で起こるさまざまな出来事の中で、自分というものを手放したくないともがく主人公を描いた三部作だといえるでしょう」なぜ彼は同じ主題を描き続けるのか?そこにはウェストモアランド監督自身の想いや経験が大きく影響している。「私はイングランドの北部で生まれて、ゲイの男性として生きてきました。しかし、幼い頃は自分が何者なのか見つける際に手助けしてくれる人がまったくいない状態で育ち、成長する中で自分が何者なのか改めて見出していく喜びを経験しました。だから僕の映画に登場する主人公たちは、自分が何者なのか?を自分で探して、自分で手にしていく人たちなのかもしれません。そして、ご存知かもしれませんが、私は4年ほど前にパートナーを病気で失いました。私は時間が経った現在もなお、哀悼の気持ちを抱え続けています。『アースクエイクバード』の物語に出会った時、私は現在の自分が向き合っている感情と同じようなものを発見したのです。その点で本作は自身の視点や世界観が、これまでで最も表現できたと思っています」前に進みたいのに進めない、自分を見つけ出したいのに何かが障害になっている。そんな状況を描くために本作では“アースクエイクバード”が象徴的に登場する。タイトルにもなっているこの鳥は、劇中でテイジが語ったところによると、地震が発生した後にだけ鳴く鳥らしい。思い返してみると地震は予告なく人々を襲い、私たちの日常を揺さぶる。家具や家財道具は揺れてガタガタと音を立て、人々は何の準備もないまま恐怖の中に放り込まれる。そして地震は予告なく止み、静寂が戻ってくる。しかし、それは地震が起こる前とまったく同じ状況だろうか?アースクエイクバードは本当に存在するのか?それは本当に鳥の鳴き声なのか?それとも過去や恐怖がエコーのように自分を取り巻いているのか?「その通りです!アースクエイクバードは存在するのかもしれないし、ルーシーの頭の中で鳴いているだけの存在なのかもしれないのです!本作は全編を通じて、ふたつの視点が並行して描かれています。ひとつはとても理性的で現実的な視点。そしてもうひとつは超自然的な視点です。リリーとルーシーの間に心理学的な転移が起こったり、手相から未来が占われたりと、ルーシーは超自然的な状況に巻き込まれながら、理性的な視点を手放したくなくてもがくわけです。つまり、アースクエイクバードが存在するかしないかは……観る人次第というわけです(笑)。ちなみに本作ではサウンドミックスにも細心の注意を払っていて、本当に小さな音も入れてあります。観ていただく際は、耳をそば立ててみてください!」異国の地に逃げるようにしてやってきた女性がさまざまな事件や危機的な状況に立ち向かう本作は、主人公の内面へと深く分け入っていくミステリアスな作品になった。あなたの耳には“アースクエイクバード”の鳴き声は聞こえるだろうか?Netflix映画『アースクエイクバード』本日より独占配信開始
2019年11月15日Netflix映画『アースクエイクバード』が11月15日(金)からの全世界同時配信に先駆け、10月29日(火)に第32回東京国際映画祭の特別招待作品として上映。主演のオスカー女優アリシア・ヴィキャンデルと監督のウォッシュ・ウェストモアランドが来日し、共演者の小林直己と共に記者会見に参加した。本作は、日本在住経験のあるイギリス人作家スザンヌ・ジョーンズによる同名ミステリー小説を、『ブレードランナー』『エイリアン』シリーズの巨匠リドリー・スコットが製作総指揮、『アリスのままで』『コレット』のウェストモアランドが監督をつとめて映画化。舞台は1989年の東京。日本に住む外国人女性リリーが行方不明になり、その友人だったルーシーに容疑がかけられる。この日、記者会見では「おはようございます」(ウェストモアランド)、「皆さん、こんにちわ。今日は本当にありがとうございます。日本に戻って来れて嬉しいです」(ヴィキャンデル)と来日した2名が日本語で挨拶すると、小林さんは「Hi,everyone.」と英語で挨拶した。小林直己「アリシアはとても箸の使い方が上手」完成した作品を「私にとって特別な作品」と語るウェストモアランド監督も日本在住経験があり、「日本に来た外国人が、どういう気持ちになるかが、描かれている作品です」と紹介。アリシアも「“西洋で観たことがないような独創的な作品だ”と監督に電話をかけました。日本では、出会う方々が皆さん、素晴らしかった」とふり返ると、小林さんは「日本を尊重する監督、キャスト、クルーと仕事ができて嬉しいです。英語を話す作品を素晴らしい皆さんと撮影できて光栄です」と語った。劇中では多くの日本語も披露しているアリシア。「先程の短い日本語の挨拶でも緊張してしまったのですが、撮影現場は、安心して話せる環境でした。もともとスウェーデン語が母国語なので、英語で演技するのは直己さんと同じでチャレンジです」と語り、「日本語を話すということは、日本の文化を知ることだと思いました。おソバを食べたり、日本の文化を体験して、たくさんの冒険をしました」とコメント。すると、小林さんが「アリシアはとても箸の使い方が上手でした」と明かした。さらに、『アリスのままで』でジュリアン・ムーア、『コレット』でキーラ・ナイトレイと組んできたウェストモアランド監督は、「本作のルーシー役には、すぐにアリシアを思い浮かべました。必ず彼女ならこの役を引き受けてくれると思っていました。彼女は日本語だけでなく、チェロも習得したんです」と明かす。小林さん演じる日本人カメラマン・禎司と三角関係になる、「ルーシーと真逆のキャラクター」リリー役を演じたライリー・キーオについても「スカイプで話してエネルギーを感じました。ルーシーとリリーの明暗をうまく演じ分けてくれていると思います」と言及した。「役者を続けた方が良い」リドリー・スコットが太鼓判これまで、役者として『たたら侍』や『HiGH&LOW』シリーズに出演してきた小林さんだが、本作でついにハリウッドデビュー。「禎司は日本人として、共感するところがありました。日本の文化や日本人の価値観について、ウォッシュとたくさん話して役作りをして、アリシアともたくさん役を超えて役者として話しました」と語り、「ロンドン映画祭で、製作総指揮を務めたリドリー・スコットと会って『映画にとって必要な存在感があるから、役者を続けた方が良い』と言われました」と打ち明ける。本作で演じる禎司は、アリシア演じるルーシーをモデルにするカメラマンで、ダンスシーンも登場する。「禎司が何を撮りたいのか?を考えて撮影しました」と小林さん。「ダンスも向き合う時間が必要です。なので、カメラとも向き合うために禎司が使用している1980年代のオリンパスのカメラをフィルムで撮影して、現像もしました」という。また、「ダンスは、大好きなシーンで、あのシーンは物語にとって、とても重要なシーンです。監督から黒澤明監督の『酔いどれ天使』から衣装や踊りのスタイルをインスパイアされたシーンだと言われました」と語った。アリシア、小林直己は「ストーリーを目で語れる方」そんな小林さんについて、アリシアは「事前に監督から直己のことを聞いていました。どれだけ準備をしたんだろうと感じました。英語で演技をするという大きなチャレンジもありましたが、直己はいつも禎司のようにカメラで撮影していました」とコメントし、「目の奥にストーリーがある方だと感じました。ストーリーを目で語れる方だと。お互いに助け合いました」と“恋人”を称賛。ウェストモアランド監督も「直己さんのオーディションを見て、激しさや、複雑さ、闇、いろいろな要素があって彼に“スターパワー”があると思いました」と絶賛を贈った。Netflixでは190か国以上で世界配信される本作。「できるだけリアルに日本の1989年を描きたかった」というウェストモアランド監督は、「プロダクションデザイナーの種田陽平さん、ヘアメイクの吉原若菜さん、衣装デザイナー小川久美子さんといった多くのコラボレーターたちに協力してもらいました。とにかくストーリーをリアルに描きたかった」と語り、タランティーノ作品などでも知られる種田氏ら日本有数のスタッフとのコラボに手応えを覗かせていた。『アースクエイクバード』は11月8日(金)よりアップリンク渋谷・吉祥寺ほかにて劇場公開。11月15日(金)よりNetflixにて全世界独占配信開始。(text:cinemacafe.net)
2019年10月30日第32回東京国際映画祭の特別招待作品に選出されたNetflixオリジナル映画『アースクエイクバード』(11月15日全世界同時配信予定)の記者会見が29日、東京・六本木アカデミーヒルズ内で行われ、主演を務めたオスカー女優アリシア・ヴィキャンデル、共演の小林直己(EXILE/三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)、ウォッシュ・ウェストモアランド監督が登壇。アリシアと監督が、小林の俳優としての才能を称賛した。日本在住経験のあるイギリス人作家スザンヌ・ジョーンズによる同名ミステリー小説を映画化した本作の舞台は東京。日本に住む外国人女性リリーが行方不明になり死体となって発見され、その友人であったルーシーに容疑がかけられる。この2人の女性の間にはミステリアスな日本人カメラマン禎司(テイジ)の存在が。主人公ルーシーを、『リリーのすべて』(16)で第88回アカデミー賞助演女優賞を受賞したアリシア・ヴィキャンデル、リリー役には、ライリー・キーオ、そして2人の女性を翻弄する禎司役を俳優としても活躍中の小林直己が演じた。小林は「自分が生まれ育った国である日本を題材にした素晴らしい映画、そして、日本に対して尊重する気持ちを持ってくれている監督、キャスト、クルーのみなさんと仕事ができたことをとてもうれしく思っています」とあいさつ。本作で英語に挑戦したが、「自分にとって初めて英語を中心にしゃべる役がこの作品で、みなさまとともに作れたことが光栄ですし、この作品は日本で生まれ育った方、日本語を使う方、日本に興味を持ってくれている方の興味をそそる内容になっているので、ぜひ多くの方に観ていただきたい」と語った。また、日本時間11日に開催された「第63回ロンドン映画祭」に参加した際、製作総指揮を務めた巨匠リドリー・スコットから「映画にとって必要な存在感が君にはあるから続けたほうがいい」と声をかけてもらい、監督とアリシアからも「また仕事をしよう」と言ってもらえたことを明かし、「日本語も英語も使いながら、こららも2人を追いかけて挑戦していきたいなと思います」と今後も海外に挑戦していく意欲を見せた。アリシアは、小林について「リハーサルで会って驚いたのは、どれだけ準備をされてきたのか、深く掘り下げていたことにまず感心しました」と話し、「彼の目の奥にストーリーがある。ストーリーを目で語れる。これは俳優として大事なことだと思う」と称賛。監督は「禎司役はなかなか決まらなかったが、直己さんのオーディションを見て、『彼だ!』って決めた。彼の中には非常に激しい部分、闇の部分、複雑な部分、いろんな要素がある」と語り、「彼にはスターパワーがある」と太鼓判。小林は2人の言葉に「すごく光栄です」と感激していた。
2019年10月29日リドリー・スコット製作総指揮、アリシア・ヴィキャンデル主演の東京を舞台にしたサスペンス・ミステリー、Netflixオリジナル映画『アースクエイクバード』から、予告編とキービジュアルが到着した。第32回東京国際映画祭に特別招待作品として選ばれた本作は、日本在住経験のあるイギリス人作家スザンヌ・ジョーンズによる同名ミステリー小説の映画化。日本に住む外国人女性リリーが行方不明になり、死体となって発見。友人ルーシーに容疑がかけられるが、この2人の女性の間にはミステリアスな日本人カメラマン禎司の存在が…というストーリー。到着した予告編では、アリシア演じるルーシーとライリー・キーオ演じるリリーが一緒に過ごす姿が映し出される。リリーとは反対に派手な印象のルーシー。気の合いそうに見えない2人だが、来日して間もないリリーは、ルーシーに悩みを相談するなど慕っているよう。しかし、ルーシーがリリーに自身の恋人・禎司(小林直己)を紹介すると、2人の仲は急接近。そしてリリーは行方不明になってしまう…。バックに流れる音楽と相まって、ミステリアスな予告編となっている。またキービジュアルでは、カメラのファインダーの中からこちらを見ているルーシー、リリー、禎司の3人の姿に、「目を背けていれば、知らずに済んだのに」という意味深なコピーが添えられた。Netflixオリジナル映画『アースクエイクバード』は11月15日(金)独占配信開始。(cinemacafe.net)
2019年10月10日アリシア・ヴィキャンデル主演、「EXILE」小林直己も出演するNetflixオリジナル映画『アースクエイクバード』が、10月から始まる「第32回東京国際映画祭」の特別招待作品として出品が決定。本作の配信日も11月15日(金)に決定した。巨匠リドリー・スコットが製作総指揮を、『アリスのままで』のウォッシュ・ウェストモアランドが監督を務める本作は、日本在住経験のあるイギリス人作家スザンナ・ジョーンズによる同名ミステリー小説の映画化。舞台は東京。日本に住む外国人女性リリー(ライリー・キーオ)が行方不明になり、死体となって発見される。その友人ルーシー(アリシア・ヴィキャンデル)に容疑がかけられるが、この2人の女性の間にはミステリアスな日本人カメラマン禎司(小林直己)の存在が…。今回到着した場面写真には、日本の蕎麦屋で手を取り合って見つめ合うルーシーと禎司の姿が切り取られている。また今回、この「第32回東京国際映画祭」に合わせて、アリシアとウェストモアランド監督が来日、そして小林さんと共に映画祭に参加する。Netflixオリジナル映画『アースクエイクバード』は11月15日(金)独占配信開始。「第32回東京国際映画祭」は10月28日(月)~11月5日(火)の期間で六本木ヒルズほかで開催。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflixオリジナル】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflixオリジナル】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング
2019年09月11日『ブレードランナー』や『エイリアン』シリーズの巨匠リドリー・スコットが製作総指揮を務める、Netflix オリジナル映画『アースクエイクバード』は、日本を舞台にしたサスペンスミステリー。この度、その配信開始日が11月15日(金)に決定した。また、それにあわせて場面写真が公開された。本作は、日本在住経験のあるイギリス人作家スザンナ・ジョーンズによる、英国推理作家協会賞・最優秀新人賞を獲得した同名ミステリー小説の映画化作品だ。舞台は東京。日本に住む外国人女性リリーが行方不明になり、ある日死体となって発見される。リリーの友人ルーシーに容疑がかけられるが、このふたりの女性の間にはミステリアスな日本人カメラマン禎司(テイジ)の存在が……。この度公開された場面写真では、日本の蕎麦屋で手を取り合って見つめ合うルーシーと禎司の姿が確認でき、謎めいたふたりの関係を連想させる。異国で暮らす女性の揺れ動く心理を繊細な描写で描いた本作は、東京と新潟・佐渡島で撮影された美しい映像にも注目。監督は『アリスのままで』の ウォッシュ・ウェストモアランドが務める。主人公ルーシーを演じるのは、『リリーのすべて』で第88回アカデミー賞助演女優賞を受賞したアリシア・ヴィキャンデル。リリー役は、日本でも大きな話題となった『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』のライリー・キーオが担当。そしてふたりの女性を翻弄する禎司役には、EXILE 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのリーダー兼パフォーマー、俳優としても活躍中の小林直己が演じる。本作は、第32回東京国際映画祭に特別招待作品として出品が決定しており、開催にあわせて主演を務めるアリシア・ヴィキャンデル、ウォッシュ・ウェストモアランド監督が来日、小林直己と共に映画祭に参加することが決定している。Netflixオリジナル映画『アースクエイクバード』11月15日(金)独占配信開始
2019年09月11日オスカー女優アリシア・ヴィキャンデルが主演を務めるNetflix オリジナル映画『アースクエイクバード』が、11月15日に配信スタートすることが決定し11日、アリシアと EXILE/三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの小林直己の場面写真が公開された。本作は、日本在住経験のあるイギリス人作家スザンナ・ジョーンズによる同名ミステリー小説の映画化で、ジョーンズは本作でミステリー小説界において権威のある賞の1つ、英国推理作家協会賞の最優秀新人賞(01)を受賞した。舞台は東京。日本に住む外国人女性リリーが行方不明になり、ある日死体となって発見される。その友人であったルーシーに容疑がかけられるが、この2人の女性の間にはミステリアスな日本人カメラマン禎司(テイジ)の存在が。このたび公開された場面写真は、日本の蕎麦屋で手を取り合って見つめ合うルーシーと禎司をとらえたもので、謎めいた2人の関係を連想させる。異国で暮らす女性の揺れ動く心理を繊細な描写で描いたサスペンス・ミステリーの本作は、東京と新潟・佐渡島で撮影された美しい映像も見どころだ。製作総指揮は『ブレードランナー』や『エイリアン』シリーズの巨匠リドリー・スコット。監督は『アリスのままで』(15)のウォッシュ・ウェストモアランド。主人公ルーシーを演じるのは、『リリーのすべて』(16)で第88回アカデミー賞助演女優賞を受賞したアリシア・ヴィキャンデル。リリー役には、『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』(15)などに出演しているライリー・キーオ。そして2人の女性を翻弄する禎司役を、『たたら侍』『HiGH&LOW The Movie 2 End of Sky』で俳優としても活躍中の小林直己さんが演じる。また、第32回東京国際映画祭に特別招待作品として出品されることが決定。アリシアとウォッシュ・ウェストモアランド監督が来日し、小林直己と共に参加することも決定した。
2019年09月11日