意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「イラン“ヒジャブ”抗議デモ」です。ヒジャブを発端に広がる反政府運動。深刻な人権問題。昨年9月イランにて、ヒジャブ(スカーフ)のかぶり方が不適切と、22歳のクルド人女性マフサ・アミニさんが風紀警察に拘束され、3日後に死亡しました。これに対する抗議デモが拡大し、世界中のセレブリティが女性の自由と人権をSNSで訴えました。イランでは、9歳以上の女性は、国籍や宗教を問わず公共の場では、髪の毛を覆うヒジャブと体の線を隠す服の着用が法律で義務付けられています。事件のあと、イランの抗議デモは国内各地で膨れ上がり、当局はデモ参加者のうち、治安部隊に危害を与えた2人の男性を死刑に処し、2人目は公開処刑を行いました。昨年12月半ばの段階で約1万8000人が拘束され、治安部隊との衝突などにより約490人が亡くなっています。カタールで開かれたサッカーW杯では、イランの選手やサポーターがデモへの連帯を示し、国歌を歌いませんでした。国内でも、プロサッカー選手のアミル・ナスル・アザダニさんがデモに参加したことで拘束され、長期の懲役刑にあたる罪に問われています。イランの国民的俳優のタラネ・アリドゥスティさんは、抗議活動に加わった人を死刑にすることに異を唱え、反革命と暴動を支援する虚偽の情報を拡散した罪で、12月半ばに警察に逮捕されました(※1月4日に釈放)。10月にイスラムの女性に取材したところ、イスラム教の経典コーランでは、女性が男性を誘惑するようなきっかけを作ることが禁じられていますが、ヒジャブのかぶり方まで制約されているわけではないと話していました。つまりこれはとても政治的な意味合いの強い問題です。独裁的な政治家たちが国の統治を強めるために、ヒジャブに言いがかりをつけているのであり、イスラムの教えによるものではありません。民主的な運動で国家体制が崩れることを警戒する統治者が、締め付けを図っているのです。イスラム教そのものに対して、世界で誤解や偏見を生みかねないことを、その方は懸念されていました。イランの男性中心の政治の権力構造が、ヒジャブ着用の問題に表れているということに目を向けてほしいと思います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~)が放送中。※『anan』2023年2月8日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年02月04日プラダは、フレグランスコレクション「インフュージョン ドゥ プラダ」から、明るく華やかな「イラン」の香りとユニークな調和やコントラストを表現した「バニラ」の香りを発売します。「インフュージョン ドゥ プラダ」は、鮮やかで、洗練された技術力によって構成される絶妙な香りのコレクションです。伝統的な調香テクニックを再解釈したユニセックスでモダンな表現で、ライトでありながら個性的で目新しい香りの体験を提案します。製品概要「インフュージョン ドゥ プラダ イラン オーデパルファム」煌びやかな太陽の香り太陽のエッセンスを抽出したような華やかさ。甘く優美なイランイランを、ナチュラルなベルガモットとスパイシーなカルダモンが照らすフローラルのフレグランス。シトラスが弾けるようなフレッシュで高揚感のある香り。太陽とイランイランを象徴するレモンイエローのキャップがボトルに彩りを添えます。OLFACTIVE FAMILY: フローラル、ソーラー、スパイシーNOTES: ベルガモット、カルダモン、イランイラン、サンダルウッド「インフュージョン ドゥ プラダ バニラ オーデパルファム」ミステリアスな融和に浸る香りスモーキーなバニラの香りにシトラスが彩りを。バニラビーンズを割った瞬間に溢れ出すスモーキーな甘さに、光り輝くベルガモットと弾けるようなネロリが鮮やかなコントラストをもたらす、フローラルアンバーの香り。ブラウンのレザーキャップはバニラビーンズを表現しています。OLFACTIVE FAMILY: フローラル、アンバー、ウッディーNOTES: ベルガモット、ネロリ、バニラ、アンジェリカシード2022年8月18日(木)新発売インフュージョン ドゥ プラダ イラン オーデパルファム 100mL 1万6,500円インフュージョン ドゥ プラダ バニラ オーデパルファム 100mL 1万6,500円*すべて税込み、メーカー希望小売価格
2022年08月17日銀座のランドマークとして知られる和光本店。その時計塔は二代目で、1932年に竣工されました。今年2022年はその竣工から90年とともに、株式会社 和光が設立されて75年という年でもあります。 その時計塔90年を記念して、イランのソレマニエ・フィニィ工房が特別にデザイン・制作したペルシャ絨毯をご紹介します。時計塔90年限定品 税込209万円(絹100%、約80×105cm、本店地階)シルクスマック織絨毯「Yadegar(記念)」ソレマニエ・フィニィ工房が時計塔90年からイメージしたワード「繁栄」。そこから美しい水を連想し、草木染のシルクを用いてブルーを基調とした絨毯を織りあげました。時計塔の意匠よりアラベスク(唐草)模様を配し、中央には、メソポタミア時代より聖なる木として崇められてきたナツメヤシの木をモチーフにした、パルメット文様がデザインされています。繁栄・永続への想い、そして時計塔90年の歴史とこれからの歩みを表現した一品。時計塔90年限定品 税込77万円(ウール100%、約97×145cm、本店地階)ウールパイル織絨毯「Tarikh(歴史)」和光本店の窓の格子のモチーフをイメージしたデザイン。制作地であるイラン・カーシャーンの伝統的な文様に加えて、永遠を意味する蔦文様と、華やかな花と糸杉の文様を添えました。縁には本店の窓に使用されている唐草文様を、魔除けの龍と蛇に見立ててデザイン。ほかにも子孫繁栄のシンボルとされるザクロの柄を加えました。オーダー期間:6月10日(金)~8月28日(日)オーダーから納品まで:約1.5年時計塔90年限定品 各 税込7万1,500円(ウール100%、約40×40cm、左から時計回りに、白茶、青、グリーン、赤茶、本店地階)ウールパイル織クッション「Saat(時計)」和光本店 晴海通り側の大窓にあしらわれている装飾文様をベースに、トルクメン族の伝統柄であるギュル文様を融合させたデザインのクッション。【ソレマニエ・フィニィ工房とは】イラン中心部のカーシャーンにある工房。化学染料で染められ、量産されたペルシャ絨毯が流通する中、伝統技法の手紡ぎ・草木染の絨毯を100年ぶりに復活させました。厳選された上質な羊毛で織られた絨毯は弾力性に富み丈夫。代々受け継いで使いたいサステイナブルな絨毯を制作しています。【お問い合わせ先】本店地階 〒104-8105 東京都中央区銀座4丁目5-11 (03)3562-2111(代表)ホームページ時計塔90年特設サイトインスタグラムライフスタイル専用インスタグラム企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2022年06月11日いまや私たちの日常生活から切り離せなくなったものと言えばソーシャルメディアですが、まもなく公開を迎えるオススメ作品は、その光と闇をサスペンスフルに映し出した注目のイラン映画『英雄の証明』。そこで、各国で高い評価を受けた話題作で主演を務めたこちらの方にお話をうかがいました。アミル・ジャディディさん【映画、ときどき私】 vol. 468イランの名匠アスガー・ファルハディ監督の最新作で、借金を返せなかった罪で投獄されている主人公ラヒムを演じているアミルさん。劇中では、ある出来事をきっかけに一躍“英雄”として注目されるいっぽうで、SNSによって広まった噂に翻弄されていく男の姿を見事に演じています。今回は、役作りの裏側や現場の様子、そして日本への思いについて語っていただきました。―まずは、本作への出演を決めた理由から教えてください。アミルさん一番は、やはりファルハディ監督の作品であったからですね。以前から彼とは一度仕事をしてみたいと思っていましたし、彼の演出からはいろいろなことを学べるだろうと感じたので、すぐに出演することを決めました。―とはいえ、ファルハディ監督といえば、イランが世界に誇る映画監督の一人なので、その作品で主演を務めることに対するプレッシャーもあったのではないでしょうか。アミルさんそれよりも、彼と一緒に仕事ができることがうれしかったですし、彼との現場を楽しみたいという気持ちのほうが大きかったので、特にプレッシャーのようなものはありませんでした。あとは、自分が演じるラヒムのキャラクターを気に入っていたというのも、大きかったですね。今回のように、監督も演じたキャラクターも好きな作品に参加できたのは、とても幸運なことだったと感じています。演じるのではなく、キャラクター自身を生きている―実際に現場を経験してみて、ほかの監督にはないような演出方法や印象に残っているアドバイスはありましたか?アミルさんイランにはとても偉大な映画監督が多いので、もちろん一人ずつ違いはありますが、ファルハディ監督の映画に出演して気がついたのは、演技に関して役者任せではないということ。自分で脚本を書いているからというのもありますが、役者にディテールまできちんと説明したうえで、僕たちの演技を非常に細かく見てくれる姿勢はほかの監督とは違うところかもしれませんね。僕自身、これまで細部まで気を配って役作りをしていると自分で思っていましたが、ファルハディ監督との現場を経て、より深いところまで考えるようになりました。―なるほど。今回はリハーサルに数か月もの時間をかけたそうですが、具体的にはどういったところに力を入れて役作りされていたのかお聞かせください。アミルさんカメラの前で行うリハ以外に、舞台となったシラーズの方言を覚えるため、僕はその土地で生活を送りました。実際にいろいろな話を自分で見聞きしたかったので、普通に暮らしている方々と友達になり、元看板職人であるラヒムと近い職業である大工やペンキ屋さんのところで数日間バイトをしたこともあったほど。とにかくラヒムというキャラクターを自分の体になかに入れたかったので、街のなかでさまざまな人からたくさんのヒントをもらうことを意識していました。―その過程で、苦労されたことや難しかったシーンはどのようなことでしょうか。アミルさんいま話したように、僕はキャラクターを自分の体のなかに入れて、その人自身を生きようとするタイプ。つまり、演じている意識はないので、「演じるうえでここが難しかった」というのは言えないんです。ただ、生きていればつらいときも楽しいときもあるものなので、そういう意味で大変だったのは、ラヒムの息子が父親をかばうためにある撮影に応じようとする場面。そこは、僕自身ではなくて、ラヒムとして一番つらい瞬間だったと思います。SNSで正義の意味が変わることは最悪のケース―心が引き裂かれるような非常に印象的なシーンでした。また、ラヒムという人物のとらえ方については観る人によって、英雄か、それともペテン師かにわかれると思いますが、アミルさんはどのように受け止めましたか?アミルさん僕はラヒム自身ですよ。ということは、自分で自分のことをペテン師とは言わないですよね(笑)。―確かにそうですね。劇中でも描かれているように、ラヒムという人物を判断するうえで大きく関わってくるのが、ソーシャルメディアの存在。ソーシャルメディアの登場によって、社会が求める正義や英雄像が変化しているのと感じることもあるのでは?アミルさんそうですね。ただ、ソーシャルメディアによって正義の意味が変わってしまうというのは、最悪なケースだと思っています。とはいえ、すでに僕たちの生活はSNSと深く関係していますから。正直言って、これはあまり喜ばしいことではないと感じています。―良くも悪くも、ソーシャルメディアには人生を変えてしまうほどの力があると思いますが、ご自身はソーシャルメディアとどのように付き合っていますか?アミルさん僕はもし自分が俳優ではなかったら、ソーシャルメディアとはまったく関わっていなかったかもしれません。でも、いまの人々がどういう考えを持っているのだろうかといったことを知ったうえで役作りをするので、いろいろな情報を手に入れるためにも必要とせざるを得ない状況ではありますね。そういう意味では、いまの僕にソーシャルメディアを非難するのは難しいと思います。日本はいつも心のなかにある好きな国―いよいよ日本で公開を迎えますが、日本に対しての印象を教えてください。アミルさん僕が出演している映画が東京国際映画祭で上映されたことはありますが、残念なことに僕はまだ日本には行ったことがありません。にもかかわらず、以前からなぜか日本のことは心のなかにあり、好きな国なので、日本に関するニュースなどはいつもチェックしているほど。日本のみなさんは、優しくて穏やかな方が多い印象なので、ぜひ日本を訪れたいと思っています。―ちなみに、日本でしてみたいことはありますか?アミルさん僕はもともと他国の文化を積極的に取り入れるようにしているので、日本に行ったら昔の文化が残っているところを訪ねてみたいです。あとは、偉大な黒澤明監督の国でもあるので、ぜひ日本の観客のみなさんの反応を見たり、いろいろな人と話したりしたいなと思っています。そして、最終的には、お寿司をたくさん食べたいですね(笑)。―ぜひ、お待ちしています!それでは最後に、日本の観客へ向けてメッセージをお願いします。アミルさんまずは僕たちが作った映画を観ていただき、みなさんがラヒムの目を見て、彼と関係を持っていただけることを願っています。そして、日本の方々の心にもこの作品が伝わってくれたらうれしいです。インタビューを終えてみて……。俳優だけでなく、テニスプレイヤーとしても活動しているため、忙しい合間を縫って取材に答えてくださったアミルさん。劇中の雰囲気とはがらりと変わっていたのも印象的でしたが、役に対する真摯な姿勢やファルハディ監督との充実した現場の様子が手に取るようにわかりました。いつか来日されたら、また日本での経験や印象などについておうかがいしたいです。緻密なストーリー展開に引き込まれる!諸刃の剣とも言えるソーシャルメディアが引き起こすリアルな現実と、それによって生まれる葛藤が観る者の心を震わせる傑作。イランならではの社会背景を見せつつ、現代を生きる私たちなら誰にでも起こりうる問題を突き付ける本作は、まさにいま観るべき1本です。取材、文・志村昌美ストーリー借金を返せなかった罪で投獄されている元看板職人で服役囚のラヒム。借金さえ返済すればすぐにでも出所できる状況のなか、彼の婚約者が偶然拾ったのは、17枚の金貨が入ったバッグだった。彼らにとって、それはまるで神からの贈り物のように思えたが、いつしか罪悪感を抱き始めたラヒムは、金貨の落とし主にバッグを返却することを決意する。すると、ささやかな善行がメディアで大反響となり、ラヒムは“正直者の囚人”という美談の英雄に祭り上げられていく。未来への希望に胸を膨らませているとき、SNSである噂が広まり、疑惑の眼差しを向けられたラヒムを取り囲む事態は一変しまうのだった……。胸がざわつく予告編はこちら!作品情報『英雄の証明』4月1日(金)よりBunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー配給:シンカ©2021 Memento Production - Asghar Farhadi Production - ARTE France Cinema
2022年03月30日映画といえば、“時代や社会を映す鏡”とも言われていますが、イランから届いたのは、死刑制度や冤罪問題を背景に描いた傑作サスペンス。ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品されたのをはじめ、世界各国で高く評価されている衝撃作をご紹介します。『白い牛のバラッド』【映画、ときどき私】 vol. 455テヘランの牛乳工場で働きながら耳の聞こえない幼い娘ビタの育てるミナは、1年前に夫が殺人罪で死刑に処せられてしまい、シングルマザーとして暮らしていた。いまなお喪失感に囚われている彼女だったが、夫ではなく別の人物が真犯人だったという信じがたい事実を裁判所から告げられる。深い悲しみに襲われたミナは、賠償金よりも担当判事の謝罪を求めるが門前払いされてしまう。そんななか、救いの手を差し伸べたのは、夫の旧友と称する中年男性レザ。ミナとビタ、レザの3人はいつしか家族のように親密な関係を育んでいくが、レザはある重大な秘密を抱えていた。その罪深い真実を知ったとき、ミナが最後に下した決断とは……。世界的な評価を得ているものの、本国イランでは政府の検閲によって正式な上映許可が下りていないという問題作。そこで、イラン社会の不条理に鋭く切り込んだ本作について、こちらの方々にお話をうかがってきました。ベタシュ・サナイハ監督 & マリヤム・モガッダム監督良質な映画が生まれる国として知られているイランで、“新たな才能”として注目を集めているサナイハ監督(写真・左)とモガッダム監督(右)。私生活でもパートナーのおふたりが、共同監督を務めるのは本作で2度目となります。今回は、主演も務めたモガッダム監督がミナに込めた思いや死刑制度が抱える問題、さらにイランと日本の共通点などについて語っていただきました。―イランは死刑執行件数が世界2位となっていますが、さまざまなリサーチを行う過程でイランの死刑制度にはどのような問題があると感じましたか?モガッダム監督イランの死刑制度に対する私たちの意見は、映画を観ていただければわかる部分もありますが、“社会の暴力”をより増やしてしまうものが死刑制度なのではないかと思っています。そういった観点から、この映画では死刑制度が生み出してしまうかもしれないひとつの結果を描くことにしました。まず問題となるのは、冤罪によって罪のない人が命を落としてしまう可能性があること。人間なので、どうしても間違いを犯すことはあると思いますが、死刑制度という法律にはそういった“バグ”があると考えています。―死刑制度を取り上げようと思ったきっかけなどもあったのでしょうか。モガッダム監督実は、父が政治犯として処刑されてしまったこともあり、私にとっては身近な題材だったので、長年温め続けていました。この作品を制作するにあたって、死刑制度に関係のあるさまざまな人たちにリサーチをしましたが、その過程で「これはイランだけでなく、死刑制度があるすべての国にいる人々の物語なのではないか」と考えるようになっていったのです。日本でもよく見られるテクニックを取り入れたかった―本作に登場する白い牛は、「死を宣告された無実の⼈間」を表しているのだとか。そのほかにも劇中でメタファーやダブルミーニングを込めたシーンがあれば、教えてください。サナイハ監督まず白い牛についてもう少し詳しく説明すると、コーランのなかにある牛の章が罪や罰に関するすべてのもとになっているので、今回使用することにしました。イスラムの世界では神に牛を捧げる儀式もあるほど、牛は無垢や謙虚さの象徴とされていますから。そういう意味もあり、白い牛を無実で処刑される人のシンボルにしたいと考えました。モガッダム監督娘のビタをろう者にしたのは、イスラムの女性たちの声が世界や権力者に届いていないこと、そして彼女たちの声が聞こえないものとされていることを意図したかったからです。あと、ミナが口紅を塗るシーンが2回ありますが、そこで表しているのは、彼女が芯の強い女性であること。彼女の強さや自身を鼓舞する気持ちを表現するためのメタファーとして入れています。サナイハ監督そのほかにも、今回は建築の要素を効果的に使っており、特にこだわったのは、窓やドアのフォルム。それらは登場人物たちに新鮮な空気が吹き込むような造りになっていますが、そこでは彼らがつかもうと手を伸ばしている“自由への道のり”を意味しています。これらのメタファーは、日本文化や文学のなかでもよく見られるものだと思いますが、イラン文化でも同じようなところがあるので、こういったテクニックを自分たちの映画にも用いたかったというのが私たちの意図です。―また、本作ではイランのシングルマザーが置かれている状況に驚かされました。国際的に活躍されているモガッダム監督は、どのような思いでミナ演じられましたか?モガッダム監督本作では、物語とともに「イランで女性として生きることはどういうことなのか」というのをリアルに見せたいと思っていました。イランではいまだに男尊女卑なところがありますが、同じような状況の国はたくさんあるので、そういった社会で女性が暮らしていくことの大変さや不公平さ、そして女性が抱える葛藤は表現したいと考えていました。2つの国が刺激し合えているのは、素晴らしいこと―先ほど、本作には日本文化でも見られるテクニックを使われたとのことでしたが、日本から影響を受けている部分などもあるのでしょうか。モガッダム監督私はまだ日本へは行ったことがありませんが、いつか絶対に行きたいと思っている国のひとつ。文化的にもイランと日本には近いものを感じるので、非常に興味を持っています。サナイハ監督実は、僕は8歳のときに家族と東京に1か月ほど滞在したことがあるんですが、とても素敵な街ですし、日本の文化が大好きです。特に、影響を受けているとすれば、それは日本のクラシックな映画ですね。ストーリーテリングに詩的な要素を入れることを大事にしているところに、日本映画とイラン映画の共通点を感じていますが、これは映画作りにおいては非常に重要な部分だと考えています。実際にそれらは小津安二郎監督や黒澤明監督、そしてアッバス・キアロスタミ監督にも共通しているのではないかなと。最近の日本の映画作家たちに受け継がれている資質だと思いますし、イランでもバハラーム・ベイザー監督は黒澤監督の影響を強く受けていると感じるほどです。そんなふうに2つの国がお互いに刺激し合いながら映画を作っていることは、本当に素晴らしいことだと思っています。―これからもそうあり続けてほしいですね。それでは最後に、日本の観客へ向けてメッセージをお願いします。サナイハ監督死刑制度というルールが生む痛みは、日本とイランが共通して抱えているものだと考えているので、ぜひそういったことを含めてこの作品を観ていただきたいです。溢れ出る感情に締め付けられるサスペンスとして秀逸でありながら、日本人として決して目を背けてはいけない“社会の闇”を突きつける本作。母として女性として強く生きようとするミナの姿と衝撃のラストは、観る者の心を激しく揺さぶり、さまざまな問いを与えてくれるはずです。取材、文・志村昌美胸がざわめく予告編はこちら!作品情報『白い牛のバラッド』2月18日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開配給:ロングライド
2022年02月16日第74回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞した、イランの巨匠アスガー・ファルハディがSNS時代に放つヒューマン・サスペンス『英雄の証明』。この度、拾った金貨を返却した“正直な囚人”ラヒムが、支援を受けるためチャリティ協会の舞台に息子と登壇するシーンの本編映像が解禁された。日常の中に生じた小さなひび割れのような出来事が人生を根底から揺るがす事態に発展していく様を、サスペンスフルかつ情感豊かに描出することに長けたファルハディ監督は、本作ではSNSやメディアの影響力に着目。人間の倫理観を問う普遍的で、現代的なテーマに踏み込んだ。今回解禁となったのは、美談の英雄に祭り上げられていく主人公ラヒムの姿を捉えた本編映像。刑務所に服役しているラヒムは、休暇中に拾った金貨を返却したことがマスコミで話題となり、「正直者の囚人」と讃えられ、借金返済に向けたチャリティ協会主催の支援会が開かれた。ラヒムは息子と一緒に舞台に立つと、たくさんの寄付や新しい職の支援があることを伝えられ、立派な盾を渡される。喜びを隠せないラヒムだったが、「私は金貨を売る誘惑に駆られました」と正直に告白。しかし売りに行った店で数々のハプニングがあり、「これは何かの啓示で、私の行いは誤りであり、金貨は返すべきなのだと」と、金貨を返すに至った思いを話すと、その行いに感銘を受けた支援者たちから「素晴らしい」との声と共に大きな拍手が起こっているが…。まさに、物語の行く末を予感させるシーンとなっている。『英雄の証明』は4月1日(金)よりBunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:英雄の証明(2021) 2022年4月1日よりBunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテほか全国にて公開© 2021 Memento Production - Asghar Farhadi Production - ARTE France Cinéma
2022年02月16日第71回ベルリン国際映画祭金熊賞と観客賞ノミネートのイラン映画『白い牛のバラッド』(英題:Ballad of a White Cow)が来年2月より公開されることが決定。併せて場面写真も解禁となった。愛する夫を死刑で失い、ろうあの娘を育てながら必死で生活するシングルマザーのミナ(マリヤム・モガッダム)。1年後に突然、夫の無実が明かされ深い悲しみに襲われる。賠償金よりも判事に謝罪を求める彼女の前に、夫の友人を名乗る男レザ(アリレザ・サニファル)が現れる。ミナは親切な彼に心を開き、3人は家族のような親密な関係を育んでいくが、2人を結びつける“ある秘密”には気づいていなかった…。罪と償いの果てに、彼女が下した決断とは?本作は第71回ベルリン国際映画祭で金熊賞、観客賞にノミネートされ数々のメディアで取り上げられるなど熱狂を呼び、イランの名匠に並ぶ新たな才能と高く評価された。監督を務めたマリヤム・モガッダムとベタシュ・サナイハは、2018年の『The Invincible Diplomacy of Mr Naderi』(英題)に続き、本作が2度目の共同監督。モガッダム監督は脚本と主演も兼任し、シングルマザーとして娘を育てようと奮闘しながら、理不尽な社会に立ち向かう主人公の女性・ミナを演じきった。強さと弱さを併せ持ったリアリティ溢れるその姿は「孤独と決断の葛藤の間で揺れ動くミナの役を見事に演じている」(―Festival Scope)「モガッダムは素晴らしいの一言に尽きる」(―Cineuropa)と絶賛の声が上がっている。イランは死刑執行数が中国に次いで世界第2位の国(アムネスティ・インターナショナル調べ)である。第70回ベルリン国際映画祭金熊賞受賞で話題を呼んだ『悪は存在せず』など、近年、死刑制度をテーマにした映画が数々と作られており、世界的にも関心が高まっている。なお、本作はイラン政府の検閲により正式な上映許可が下りず、自国では3回しか上映されていない。厳罰的なイランの法制度を背景に、社会の不条理と人間の闇をあぶりだした本作は、いまや世界的に少数派である、死刑制度が存在するここ日本でも、大きな問いを投げかけることだろう。また、女性、とくに未亡人が生きづらい敬虔なイスラム社会で、判事に謝罪を求め続けたミナが、真実にたどり着いたときに下した決断は、あらゆる観客の脳裏に焼き付くはずだ。また、併せて場面写真も解禁。ミナの背後に近づく人影、車内にいるミナとレザの神妙な面持ちが印象的な姿や、ミナが娘とともにいるシーン、無機質な牛乳工場で働く様子など、サスペンスフルな雰囲気が伝わってくる場面が切り取られている。理不尽に立ち向かう女性の姿を巧みに描いた本作。緻密な心理描写、そして緊張感あふれる音と映像で描かれる、極上のサスペンスとなっている。『白い牛のバラッド』は2022年2月18日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:白い牛のバラッド 2022年2月18日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開
2021年12月20日イラン・テヘランの警察当局は、写真共有サービスInstagramを通じて、2人の赤ちゃんを売却しようとした疑いで3人の男を逮捕したと発表した。赤ちゃんのうち1人は生後2カ月、もう1人はわずか生後20日だったという。英BBCなどが報じている。逮捕された男の1人は「貧しい家庭から少額で赤ん坊を買い取った」「より良い未来を提供できる家庭に渡す」と話しており、赤ちゃんは約2,000ドルで転売されることが決まっていた。3人のアジトに踏み込んだ警察が赤ちゃんを発見し、福祉施設に引き渡したという。イラン国内において困窮する妊婦が赤ちゃんを「売る」ケースは今に始まったことではなく、’16年には当時の家族・女性問題担当大臣が「貧困、薬物中毒、児童婚、家がないなど様々な理由から、赤ちゃんを売る女性が増えている」と問題提起していた。今年初めには、貧しい妊婦に入院費を肩代わりすると持ちかけ、出産後に赤ちゃんを奪っていった男女のグループが逮捕されている。テヘラン警察のフセイン・ラヒミ署長によると、「近頃はInstagramで赤ちゃんを売買するケースが急増しつつあり、監視を強化したところ、今回の3人が浮上した」とメディアに話している。
2020年06月25日警察の黒人に対する差別に抗議する運動が続いているアメリカでは、連日のように市民によるデモが行われています。こうした中で、黒人男性が白人警官の命を救うという出来事がありました。2020年6月21日、ペンシルベニア州の路上でパトカーと一般車両が追突する事故が起きました。海外メディア『WTAE』によると、家の中で衝突音を聞いたデイラン・マクリーさんは急いで外に出ました。すると彼の家の目の前で事故が起きていたのです。そこでデイランさんは警察官のジェイ・ハンリーさんがパトカーの車内に閉じ込められ、「動けない!」と助けを求めているのを発見。さらにその時、車の下から炎が上がっていたといいます。デイランさんは直ちにパトカーに駆け寄り、その場にいた別の警察官と協力してパトカーのドアをこじ開けて、ジェイさんを救出しました。その直後、パトカーは炎上したということです。ジェイさんは足にケガをしましたが命に別状はなかったそうです。その場にいたトーマス・コレンチック警部補によると、デイランさんは「彼(ジェイさん)を死なせるわけにいかない!」といっていたのだとか。トーマスさんはそれを聞いて「言葉ではいい表せない気持ちになった」と笑顔で話しています。デイランさんは『WTAE』の取材で、ジェイさんを助けた理由について語っています。人の命だからね。世界ではたくさんのクレイジーなことが起きているけど、俺の人生も最高とはいえないけど、人の命の価値は分かっている。命には代わりがないんだ。今日は父の日だ。彼に子供がいるかどうかは知らないけど、彼がいてくれることを喜ぶ家族がいるはずだ。彼が家に帰れて嬉しいよ。WTAEーより引用(和訳)警察への反発が強まる中で起きた、黒人男性が白人警官の命を救うというこの出来事は多くのメディアで報道され、デイランさんの勇気ある行動に対して称賛の声が相次いでいます。また海外メディア『People』によると、デイランさんは2016年に不法に逮捕され、1年間も服役していたのだそうです。そんな経験をしたにもかかわらず、警察官を救った彼の優しさには称賛の言葉以外見つかりません。「人の命には代わりがない」というデイランさんの言葉が、多くの人の心に響いていることを願います。[文・構成/grape編集部]
2020年06月24日第70回ベルリン国際映画祭が3月1日(現地時間)に閉幕した。最高賞であるコンペティション部門の金熊賞には、イラン出身モハマド・ラスロフ監督作『There Is No Evil』(英題)が選ばれた。同作は死刑制度をテーマとした作品。ラスロフ監督作は今作以前の作品が問題視され、イランからの出国を禁じられているため、今作に出演もしている娘のバランが代わりにトロフィーを受け取った。次点の銀熊賞は、イライザ・ヒットマン監督が17歳の少女を主役としてアメリカ国内における中絶問題を描いた『Never Rarely Sometimes Always』(原題)に贈られた。今年はエンカウンターズ部門という新部門が設けられた。公式サイトによると、この部門では「映画界における新しい声や多様性のある物語やドキュメンタリーをサポートする」とのこと。3人の審査員によって最優秀作品賞、最優秀監督賞、審査員特別賞が選ばれる。初の最優秀作品賞には、加瀬亮や本木雅弘が出演する『The Works And Days (of Tayoko Shiojiri in the Shiotani Basin)』(原題)が選ばれた。アメリカ、スウェーデン、日本、イギリス合作。C・W・ウィンター&アンダース・エドストロームがメガホンを取った。京都の集落で27週間かけて撮影されたドキュメンタリー調の作品。480分の長編で、3回の休憩をはさんで上映されたという。(Hiromi Kaku)
2020年03月02日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「イランVSアメリカ」です。イランは日本と関係の深い国。現状に目を向けて。今年に入り、イランとアメリカの緊張関係が急速に高まりました。イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官が、イラクを訪問中の1月3日に、アメリカのドローンを使った空爆により殺害されました。イランは報復措置として、8日にイラクの米軍基地をミサイル攻撃しましたが、それ以上の戦いは望まないと、双方手打ちとなりました。ところが、同日、ウクライナ旅客機がテヘラン近郊で墜落。最初は事故と発表されていましたが、のちにイラン軍による誤射だったことが明らかに。これにより外国人を含む176人の民間人の命が奪われました。イランとアメリカの関係は、オバマ政権時代に改善しかけていました。2009年から8年かけた粘り強い交渉の末、イランの核開発を平和裡に制限させることに成功。代わりに経済制裁を解除する予定でした。歴史的に意味のある合意だったのですが、トランプ政権はそれを白紙に戻してしまいました。前大統領の功績をすべて覆そうとするトランプ大統領。イランに強硬な態勢をとっているのも、秋の大統領選を意識しての行動といわれています。一方、日本とイランは親密な関係にあります。事件後、安倍首相はすぐさまイランに飛び、アメリカと中東の仲介役になろうと働きかけています。日本はイランから、石油や天然ガスを多く輸入していますから、有事にそれらが入らなくなれば、日本の社会は回りません。アメリカに気を使い、中東地域に海上自衛隊を派遣しましたが、目的はあくまで情報取集で、攻撃のためではないことを強調しました。しかし、自衛隊は専守防衛、武器の使用を禁じられています。そんな状態で隊員の安全は守られるのでしょうか?もう一つ注目すべきは、イラン国内で起きている反政府デモです。発端は昨年11月の石油価格の高騰。政府の制圧で300人以上の人が亡くなったとの報道も。そして、ウクライナ旅客機墜落で真実を隠蔽しようとしたことから、国民の不満は再燃。言論統制されているイランで政府に反発を示すのは命がけの行為です。それほど不満が溜まっている状態であることを、みなさんにも知っていただけたらと思います。ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。映画『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)が3月7日公開。※『anan』2020年3月4日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年02月27日おめでたいはずの新年。米軍によるイランのソレイマニ司令官殺害をきっかけに、アメリカとイランの間で緊張が高まっています。アメリカは、日本にいながらにして「身近な国」である一方、イランについては、今回の件で「行ってはいけない危ない国」というイメージを持った方も多いのではと感じます。しかし、イランは知る人ぞ知る魅力のある国。今回は、2度のイラン旅行を経てすっかりイランの虜となった私が、観光地としてのイランの魅力をお伝えします。※現在、外務省海外安全ホームページでは、イランの大部分が「レベル3渡航中止勧告」となっています(2020年1月12日時点)【魅力①】ひたすらに美しい世界遺産の宝庫イランには、世界史の教科書にも登場するような、歴史的に重要な文化遺産が数多く存在しています。こちらは、古代遺跡『ペルセポリス』。砂漠にそびえる巨大な遺跡群に圧倒されます。紀元前331年にアレクサンダー王によって陥落し、廃墟となりました。イランの首都テヘランにある『ゴレスタン宮殿』は、18世紀末から20世紀初頭にかけて栄えたカジャール朝の宮殿。2013年に文化遺産に指定されていて、博物館として宮殿見学ができます。イランのなかでも、古く美しいモスクがたくさんあるのが、古都イスファハン。日本でいう京都にあたる街です。イスファハンでぜひ訪れたいのが、かつて「世界の半分」とも言われ、今では市民の憩いの場となっている『イマーム広場』です。こちらの写真は、イマーム広場の南にそびえる『マスジェデ・ジャーメ』(王様のモスク)。イスラム建築の最高峰と言われていて、青を基調とした美しい壁面装飾は必見です。イマーム広場の東にある『マスジェデ・シェイフ・ロトゥフォッラー』は王族専用だったモスク。小さいながらも神々しさを感じさせます。そのほか、イマーム広場を見渡せるアーリー・ガープ宮殿も有名な観光スポットです。世界遺産ではありませんが、こちらはイラン南西部のシーラーズにある『ハンマーメ・ヴァルキール』。“ピンクモスク”の名で知られ、窓一面にステンドグラスがはめ込まれた美しいモスクです。午前中には、外から差し込む日光がステンドグラスを通過し、カラフルな光がモスク内を彩ります。このように、イランには、時間を忘れて見入ってしまう美しい歴史遺産や建築物が溢れています。【魅力②】日本人に合うおいしい食事イランの食事は、基本的に優しい味付け。辛いものや脂っこいものが少なく、日本人が食べやすいメニューが多いのが特徴です。こちらは、イランでよく見かけるのがイラン式ケバブ。日本でよく見かける、巨大な肉が回っているタイプはトルコ式で、イランのケバブは大きな焼鳥形式です。焼鳥のように焼いたり、ひき肉にして串焼きにしたお肉を、ご飯と一緒にいただきます。こちらは、イランのパン。食感が違う4種類のパンは、どれも朝食でよく出てきます。柔らかいチーズやニンジンのジャム、ハチミツが添えられることが多く、特にチーズが絶品!あまり知られていませんが、現地に住む方によると、イランの農作物は基本的にオーガニックなのだそう。野菜も果物もお米も非常においしく、何より安心して食べられるのはうれしいです。イランの北部、ラシュトはオリーブの産地。ラシュトのバザールに行くと、これでもかと大量のオリーブが並んでいました。ほとんど臭みがない「にんにくのピクルス」もラシュトの名品です。レストランでは出てきませんが、特においしいのが家庭料理。写真のように、レーズンやくるみ、豆を入れて炊きこんだご飯や、イラン風のおこげを作って食べるミートソーススパゲッティ(マカロニ)など、ほっぺたが落ちそうになる激ウマ料理ばかりです。しかし残念ながら、これらの料理はレストランやホテルではお目にかかれません。私は宿泊先のゲストハウスでランチやディナーを頼んだ際にいただきました。ゲストハウスに宿泊し、オーナーに「食べてみたい」と頼むと作ってもらえるかもしれません。【魅力③】親日で優しいイランの人たちイラン人はとても親切で人懐こく、「サラーム(こんにちは)」と挨拶すると、ニコッと笑って「どこから来たの?」と気さくに話しかけてくる人が多いです。長距離移動のバスや電車で隣に乗り合わせた人とは、「仕事は何しているの」「兄弟はいる?」と翻訳アプリを駆使しながらの会話が始まり、最後に「私の家にこれから来ない?」なんて誘われることも。私自身、いつの間にか現地の友達がたくさん増えていて、別れた後もこまめにメッセージをくれています。また、イランには親日家が多く、「日本から来ました」「私は日本人です」と言うと、「ジャーポン!!」と目を輝かせ、「日本も日本人も大好きだよ!」と大歓迎してくれたのを覚えています。ひとり旅でも寂しさを感じることのない国私がイランに行くかどうか悩んでいた頃、世界1周旅行をしたことがある人に「イランはどんな国でしたか?」と尋ねたことがあります。するとその人からは、「涙が出そうなくらい素朴で優しい人ばかりの国。最高だよ」という答えが返ってきました。私は、実際にイランを旅してみて「まさにその通り」だと実感しました。道でガイドブックを開けば、誰かが「どこに行きたいの?」と声をかけてきてくれるイランでは、ひとりでもあまり寂しさを感じることなく過ごせるように思います。今はアメリカと緊張状態にあるため、イランの大部分が「レベル3渡航中止勧告」(2020年1月12日時点)となっていますが、レベルが引き下げられたときには、また訪れたいと願っています。
2020年01月12日国や文化が変われば、社会における女性の立場も大きく異なるもの。そこで、3世代の女優の人生をもとにイランが抱える“闇”に迫る注目作『ある女優の不在』をご紹介します。今回は、その背景について、主演を務めたこちらの方にお話をうかがってきました。写真・大内香織(ベーナズ・ジャファリ)イランの人気女優ベーナズ・ジャファリさん!【映画、ときどき私】 vol. 280今回、劇中では本人役として出演しているジャファリさん。自殺をほのめかす女優志望の少女から“遺言動画”を受け取ったことがきっかけとなり、本作を手がけるジャファル・パナヒ監督とともに彼女を探す旅に出るところから映画は始まります。そこで、来日を果たしたジャファリさんに、フィクションでありながらドキュメンタリーの要素も含む本作の裏側とイランの俳優たちの知られざる現状などについて、語っていただきました。―まずは、この作品に出演することになった経緯を教えてください。ジャファリさんオファーを受けたのは、海外旅行から帰国して空港に到着した夜のことでした。編集の方から「パナヒ監督の映画に出ませんか?」とお電話をいただいたんです。そのときに、撮影のスケジュールを聞いたら、「明日からです」と言われて非常に驚きましたが、以前からパナヒ監督の作品に対しては尊敬の念を持っていたので、すぐに脚本を読み、次の日の朝には撮影に出ました。―かなり急展開な始まりだったのですね。とはいえ、準備期間もなく、しかも本人役での出演に対して躊躇することはなかったのでしょうか?ジャファリさん実は、こういった役を演じるのは、私にとっては初めてのことではありませんでした。まずは20年以上前に、イランで発生した大地震で被害を受けた遺跡でドキュメンタリーのような映画を撮ったときのこと。そこでは、崩壊した建物のなかにあった油と人のにおいが残っていた毛布を頭にかぶせられ、「自分自身を演じなさい」と監督に言われたこともありました。そのほかにも、女優が職業のキャラクターを演じたこともあったので、そういう意味でもいままで演じた役と今回の役はそこまでかけ離れたものだと感じることはなかったんだと思います。やりとりはすべて即興的に行われていた―なるほど。ちなみに、セリフに関しては、ほとんどがアドリブですか?ジャファリさん事前にもらっていた脚本には細かいセリフは書かれておらず、それぞれのシーンとポイントになる会話が書かれているだけでした。ただ、今回はパナヒ監督自身も本人役を演じていたので、現場で話し合って即興的なやりとりを一緒にしています。とはいえ、登場する村人たちは素人なので、彼らには「こういう話をしてほしい」と伝えたうえで考えながら作っていくという流れでした。―パナヒ監督といえば、イランを代表する監督のひとりでありながら、作品の内容が反政府的と見なされて2度の逮捕、さらには2010年から20年間にわたって映画製作・脚本執筆・海外旅行・ インタビューを禁止されています。それでも、映画作りを続けるパナヒ監督は映画界にとっても唯一無二の存在だと思いますが、ジャファリさんから見た印象は?ジャファリさん私が好きなのは、パナヒ監督の作品には、昔から女性を平等に見ている目線があるところです。彼は、女性に理不尽なことが起きていることを問題視して映画を作っているので、すごく尊敬していますし、学ぶことがたくさんある監督だと思います。―ただ、ジャファリさんはパナヒ監督の作品に出演したことで、イラン政府当局から呼び出されたそうですが……。ジャファリさん呼び出されたことは事実ですが、イランの俳優にとっては、あまり特別なことだとは感じていません。というのも、日本やほかの国とは違って、イランの俳優にはエージェントがいないので、すべて自分でやらなければいけないからです。もちろん、それによって今回のようなさまざまな対応や経済的なこと、契約のやりとりなど、すべてを自分でしなければいけないのは大変なことではありますが、その代わりに自由があります。つまり、どんなに小さな役でも、「脚本が素晴らしいから」とか「この監督の作品には絶対に出たいから」と思えば、何でも自分で決めることができるんです。しかも、イランでは男優よりも女優のほうがギャラが高いんですよ。イランでは女優のほうが自由がある―ハリウッドですら女優のギャラが男優よりも安いことがいまだに問題となっているだけに、それは驚きです。イランではなぜ逆なのですか?ジャファリさん私にも正確な理由やどのくらい違うのかについて、はっきりとはわかりませんが、それは女性に対する尊敬かもしれないですね。たとえば、女優は「このくらいだったら受けます」と自由に言うことができますし、同じレベルの俳優の場合、女優よりも男優のほうが安いというのが一般的です。―とはいえ、劇中でも描かれているように、イランでは女性が女優になることに対して、偏見があるようですが、ご自身も同じような経験をされたのでしょうか?ジャファリさん私が子どものころに「女優になりたい」と言ったとき、母はすごく怒っていましたが、いまはそういうことも少なくなってきていて、逆に親が子どもを俳優にさせたいと思って私に演技を教えてほしいと頼んでくることもあるほどです。それは、そのほうが子どもが幸せになれると思っている人や、本当は自分が俳優になりたかったけどなれなかったから子どもにその夢を託した人が増えてきているからだと思います。―ということは、この映画で描かれているような状況は少なくなってきていると。ジャファリさん私はそう感じてはいますが、もうひとつの理由は、映像が身近なものになったからかもしれません。いまはデジタルの世界になったことで、人々は簡単に自分の映像を撮ったり、見て楽しんだりできるようになりましたよね?それによって、昔のように映像に出ている人たちと自分たちとのギャップが狭くなっているんだと思います。ただ、こういう人たちが増えていくと、「私たちのように俳優として長年やってきた人間たちはどうなってしまうんだろう」という不安も感じているところです。そういう意味では疑問もたくさんありますし、この状況がいいのかどうかも、いまはわかりません。実際、本作に出てくるマルズィエは、「女優になりたい」というよりも、「有名になりたい」ほうのタイプだと私は思っています。デジタル化によって感じている危機とは?―つまり、デジタル化が進んだことによって、「役者になりたい」ではなく、「有名になりたい」と思っている若者が増えているように感じているということですか?ジャファリさんそうですね。なので、私は演技を教えている生徒には、「自分が映画のポスターに載ったりすることは、忘れてください」と必ず伝えています。こういったことは、いまの若者の性格なのか、それとも自信のなさからきているものなのか、私にもわかりませんが、彼らは自分の映像を見ることに満足し、自分自身を示す場所を探しているのかもしれません。たとえば、「俳優としてもっとうまくなりたい」とか「もっと高いハードルを超えて俳優として世界に出ていきたい」という思いがあれば別ですが、「有名になるために俳優になりたい」と俳優を軽く見ている人がいるのなら、それは違うと思っています。―村の人々が芸術を軽視するようなシーンは劇中でも見られましたが、映画には作品を通じて現状を訴えたり、変えたりする力があると思っています。ご自身が女優として伝えていきたいと考えていることは?ジャファリさん私が女優である意味のひとつは、自国の文化を紹介すること。それは、映画の内容としてだけではなく、私の生き方や仕草、服装などでも見せることができると思っています。私は海外の映画祭に自分の作品が出ることを目指しているところもありますが、それは国外の人たちにイランの文化や考え方を知ってほしいからです。そうやってほかの国の女優や女性たちとコミュニケーションを取れることはうれしいことですし、私もイランの女性としての在り方について話せることが喜びであり、願いでもあります。なので、私は単なる“お飾り女優”にはなりたくないですし、ただきれいなドレスを着て映画祭のレッドカーペットを歩きたいとは思いません。それよりも、いろいろな国の女優が集まったときには、それぞれの文化や考え方について話し合い、これから自分たちの国の映画界をどうするべきか、といった会話をすることのほうが私は好きなんです。ただ、ほかの国から学んだことを自国の女性たちに伝えたいと思っても、私ひとりの力では難しいので、それには政府の力が必要だと考えています。テクノロジーに頼らず自分の生き方を選ぶべき―素晴らしいお考えだと思います。では、最後にananwebの女性読者へ向けてもメッセージをお願いします。ジャファリさん1980年代に起きたイラン・イラク戦争のときには、『おしん』が何度も放送されていたので、私にとって日本人女性というと、いまだにおしんのイメージしかないんですよね(笑)。なので、いまの日本の女性たちについてはあまりわからないですし、女性と男性をわけて話したくないというのもあるので、全体に向けてお話することになりますが、日本は文化が豊かな国で、とても品の高い国民性だと感じています。そして、ひとつのことをきちんと対応してから次のことへ向かう姿勢は、いろいろなことを一度にしようとしてしまう私にとっては、尊敬しているところでもありますね。なぜなら、水でも同じところに一滴一滴落とし続ければ、石にも穴を開けることができますから。日本人にはそういった素晴らしい精神があるので、私が何かをアドバイスできる立場ではないと感じています。ただ、テクノロジーがどんどん進化するなかで、それに食われてしまっている部分もあると思うので、そこに関しては抵抗したほうがいいかもしれませんね。自分たちの豊かな文化があることは忘れてはいけないですし、そこから学ぶこともたくさんあるので、テクノロジーに頼るのではなく、できるだけ自分なりの生き方を選んでいったほうがいいとは思っています。インタビューを終えてみて……。映画の雰囲気とは異なる魅力をまとっているジャファリさん。政府当局に呼び出されても動じることのない芯の強さと信念の高さを持ち合わせており、カッコイイ佇まいには思わずしびれてしました。本作で見せる圧倒的な存在感もお見逃しなく!観客に問いを投げかけ続ける必見作!現代を生きるイランの女性たちが味わっている苦しみや葛藤に、同じ女性としてさまざまな感情が湧き上がる本作。イランの名匠が危険を冒してでも描きたかった女性たちの姿と、映画に対する情熱をぜひ受け取ってみて。ストーリーイランの人気女優ジャファリのもとにある動画メッセージが届く。そのなかでは、見知らぬ少女マルズィエが女優になる夢を断たれたことに絶望し、自殺を試みていたのだった。あまりにも深刻な内容にジャファリは衝撃を受け、友人で映画監督のジャファル・パナヒ監督とともに、イラン北西部の村へと向かうことを決意する。そこで待ち受けていたものとは……。心をかき乱される予告編はこちら!作品情報『ある女優の不在』12月13日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開配給:キノフィルムズ©Jafar Panahi Film Production
2019年12月11日2018年の第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で脚本賞を受賞した、イランの名匠ジャファル・パナヒ監督最新作『ある女優の不在』。この度、予告編と場面写真が解禁となった。本作は、2010年より20年間の映画製作禁止令を命じられながらも、決して権力には屈しない姿勢で作品を発表し続けているパナヒ監督の最新作。過去、現在、未来の3つの時代をシンボリックに体現する3人の女優をめぐる深遠なドラマを映像化し、2018年の第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で脚本賞を受賞した。今回解禁された予告編では冒頭2カット目でスマホサイズの縦型の画面が提示され、そこにはある少女がロープで首を吊って自殺をしようとしているショッキングな姿が映し出されている。将来女優になるという夢を終えず絶望に追い込まれた少女マルズィエは、「この動画を女優のベーナズ・ジャファリさんに送って」という言葉を残し、自殺を図った。衝撃的な自殺動画を送りつけられたジャファリは真相を確かめるため、友人である映画監督ジャファル・パナヒと共に、少女が住むイラン北西部の村を訪れる。しかし2人に待ち受けていたのは、歓迎とは程遠い村人たちの冷ややかで厳しい反応だった。やがてジャファリとパナヒは、イラン革命後に演じることを禁じられた往年のスター女優シャールザードにまつわる悲劇的な真実を探りあてていく…。表現の自由を訴え続けるパナヒ監督が本作に込めたメッセージとは…?映像を通して伝わってくる表現者の悲痛な叫びに心揺さぶられる予告編となっている。また、劇中にはイラン北西部の曲がりくねった道のショットが幾度となく登場する。その一寸先も見通せない険しい道は、イラン映画史をふり返ったパナヒ監督がそれぞれの時代における芸術家たちの苦難を象徴的に映像化したもの。そこには、フィクションとドキュメンタリーの垣根を軽々と超え、豊かな余白やメタファーによって観る者の想像力を刺激してやまないパナヒ監督の作家性が凝縮されている。予告編と同時に場面写真4点も解禁。ジャファリが1人暗闇で佇む姿や子どもたちにサインを求められ笑顔で応える姿、パナヒ監督と並んで路上に座る姿などを収めている。『ある女優の不在』は12月13日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2019年10月12日イランの少女更生施設を舞台に、強盗、殺人、薬物、売春といった罪を犯した少女たちに迫り、第66回ベルリン国際映画祭アムネスティ国際映画賞を受賞したドキュメンタリー映画『少女は夜明けに夢をみる』から、予告編が解禁となった。イランを代表するドキュメンタリー作家で、小津安二郎、アッバス・キアロスタミ、ロベール・ブレッソンの作品群から映画を学んだというメヘルダード・オスコウイ監督が、撮影許可に7年もの歳月をかけて完成させた本作。予告編では更生施設で過ごす、ときに無邪気な少女たちの姿とともに、彼女たちが犯した罪についてのインタビューカットが連なっていく。世界30か国以上の映画祭で上映され、多くの賞を受賞した本作には、世界中の少女たちが経験し、抱えている本源的な“痛み”が描かれている。少女たちはなぜ罪を犯さなければならなかったのか?家族に裏切られ、社会に絶望してもなお、家族の愛を求め、社会で生きていかざるをえない少女たち。「見えない存在(インビジブルピープル)」として疎外されてきた少女たちとオスコウイ監督が築き上げた強固な信頼関係と親密な時間から生まれたドキュメンタリーとなっている。あらすじ雪が黒い土や建物を覆う、クリスマス前の少女更生施設。雪が降り積もり、無邪気に雪合戦に興じる、あどけない少女たち。その表情は、ここが高い塀に囲まれ、厳重な管理下におかれた更生施設であることを感じさせないほど瑞々しい。やがて少女たちが施設に入ることになった背景が、彼女たち自身の言葉によって、解き明かされていく。むごい虐待に耐えかねて父親を殺してしまった少女。叔父の性的虐待からのがれて、家出をし、生きるために犯罪を繰り返す少女。幼くして母となり、その夫に強要され、ドラッグの売人となった少女…。義父や叔父による性的虐待にさいなまれ、あるいはクスリよって崩壊した家庭は、少女たちにとって安息の場所ではありえない。ストリートにも家庭にも自らの居場所がない少女たち。その心の嗚咽が問いかける。少女たちの罪の深さと、人間の罪深さとを――。『少女は夜明けに夢をみる』は11月2日(土)より岩波ホールほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2019年09月28日前回に引き続き、イランの砂漠の街ヤズドから「なにこれ、かわいい!」を連発したくなるカフェと「日本でもよく見るアレ」を見つけたお話を。 砂漠の街ヤズド。楽しみ方は人それぞれ 「砂漠でしょ!」「ゾロアスター教の歴史でしょ!」様々な目的を持って、たくさんの人がこの街を訪れます。 わたしの今回の目的は…そう、かわいいカフェ巡りです。土色の壁の小道を歩き進めると、カフェがポツリポツリと現れます。 例えばこんなルーフトップカフェ。 手作りの品を展示販売するアートギャラリーとカフェを併設した、ドキドキが止まらないお店です。 もっと歩いていくと、こんなカフェも。 絨毯屋さんに併設されたこのお店は、中庭に大きなザクロの木が!初めて木になるザクロを見ました。 そして見つけた、今回の1番のお気に入りとは…? 日本の冬の代名詞がイランにも! そう、コタツカフェ! 高い建物があまりないヤズド。モスクや街並みを眺めながら、暖かなコタツでぬくぬく。 屋外でコタツに入ったのは初めての経験です。ちなみに、イランでコタツは「コルスィー」と呼ばれているそう。 毎日ここに通い、温かいチャイを飲みながら楽しい時間を過ごしました。 砂嵐が来そうだというアドバイスのもと入った屋内も、オシャレな空間。 首都テヘランよりもゆっくりとした時間が流れていました。 アクティブに観光するもよし、気分を変えてお店を楽しむも良し。イランの楽しみ方は人それぞれ。 さて、イランは3月下旬にイラン暦の新年を迎えます。2度目のイランのお正月。 今年はどんな年越しになるでしょうか。
2019年03月25日最近、ヤズドという砂漠の街にちょっと旅行に行ってきました。 そこで見つけたのは、印象的な街並みとあたたかな雰囲気のかわいいお店たち!今回はその様子をご紹介します。 初めて訪れた街ヤズド。行ってみたらこんなところだった ヤズドは、イランの地図の真ん中らへん、テヘランから南に下った場所にある、イランの中でも歴史の古い都市です。ゾロアスター教の中心地でもあります。 その街並みは、スターウォーズに出てきそうなイメージの世界観…とでも言いましょうか。土色の壁、青い空、小さな路地が続きます。 楽しみ方は人それぞれ。 ゾロアスター教の歴史を辿るもよし、車を走らせて砂漠に向かうもよし、ただただ、いつもと違う街並みをお散歩するもよし。 お散歩をしている中で出会ったのはこんなお店。 なんとこれ、この近くの大学生が作った作品が並ぶ雑貨屋さん。手作り感があって、ここにしかないものに心が惹かれます! ワイヤーとガラスで出来たステンドグラスのような壁掛けの絵。イランらしく、ザクロがたくさん並んだり、小鳥が描かれています。 お買い物をひとしきり楽しんだあとはまた街歩き。 日本の4倍以上の土地が広がる大国イラン。街が変わるとまた、人も変わり、景色も変わり、文化も変わる。 異国に来たかのような変化を楽しむ旅行となりました。 text:Mami Yamada
2019年03月06日テヘランの冬は寒く、わたしの住む北のエリアでは雪が降ることもしばしば。イランも日本と同じく四季があり、季節の移り変わりを楽しむことができます。 今回は、イランで採れる魚や野菜から季節の風景をお伝えします! 気になるイランでの食材調達事情とは? イランでの買い物は、通常・大規模スーパー(大規模なコストコのようなお店、ショッピングセンター地下の大きなお店)・独立型の中規模スーパー・八百屋さん・コンビニのような地域のお店・バーザール・道端の物売りの人から買う(!)など、選択肢が多くあります。 お野菜は年中種類がとても豊富で、味も◎!お肉お魚は、鮮度が気になるため生食はあまりしませんが、色々な種類から選択することができます。 イランで日本食を作りたい、そんな時は? 今日は和食が食べたいな…お魚の気分かも! そんな日は「ベフジャットアーバード」と言う名の小さなバーザールに足を運びます。日本人には「サブジーバーザール」と呼ばれ親しまれているちょっと変わったバーザール。今回は、「ベフジャットアーバード」この写真付きで詳しく紹介します。 ベフジャットアーバードは、いわゆるアジア圏の中国、韓国、日本人が多く訪れるバーザールです。 ここ以外では輸入品を取り扱う高級なお店でしか目にすることのない、アジア系の調味料やインスタント食品、日本米や、和食に使いそうな生鮮品が並びます。 冷蔵庫には、味噌や納豆、キムチ、作りたての豆腐もコンテナーに並んでいます。 今回は…わたし、ついに買いたかったあのお魚を購入しました! そう、鰆です! 鰆やクエ、ヒラメやスズキなど、日本と全く同じ種類ではないかもしれませんが、同じような見た目の魚がたくさん並んでいるのです。 日本語が流暢なパーズーキーさんが「鰆!シンセン!コレガイイヨ!」そういうものだから、お買い上げ。 買った魚は、「三枚おろし?二枚おろし?鱗は取る?カマはいる?皮はどうする?切り身はどのサイズ?」細かに質問をしてもらいながら気持ちのいいスピードで処理をしてもらえます。 鰆も三枚おろし、腹骨をすいてもらって、切り身に。アラと中骨の部分も汁物に使うから!と綺麗にパッキングしてもらいました。おまけでマス(イクラ付き)も購入! 帰りのタクシーまでお店の人たちが荷物を持って行ってくれるほど優しく、丁寧なお店です。 -- さて、買った食材で料理を!ちなみにイランでは、和食レストランは寿司ロールがほとんど。日本人がやっているお店は今のところ見つけていません。 なので、家で楽しむ和食は格別!今回は、買ってきた鰆の切り身で西京焼きを作ったり、マスの筋子からイクラの塩漬けを作ったり。大根はマヨネーズ和えのサラダに! 買ってきた生鮮品と、日本から持ってきた保存のきく調味料や乾物で、いつも色々な料理を楽しんでいます。 お弁当にしたり、おうちごはんに活用したり。 日本人経営の日本食レストランのないイランですが、おうちで努力して日本の味を楽しむ、、そんなイラン生活2年目の冬のある日でした。 text:Mami Yamada
2019年02月24日“朝ごはんを通して世界を知る”をテーマに、世界各地の朝ごはんを2ヶ月ごとに特集するレストラン「ワールド・ブレックファスト・オールデイ(WORLD BREAKFAST ALLDAY)」。2月、3月の新メニューは、イランの朝ごはん。かつてはペルシャと呼ばれ、3世紀頃から東西の文化が交わるシルクロードの中継地として栄えてきた国、イラン。日本のようにはっきりとした四季のある風土が特徴で、山岳地帯や砂漠地帯もある一方、豊かな穀倉地帯が広がっている。イスラム教国家ゆえ、豚肉を食べないなど戒律に沿った食習慣があるイランでは、ペルシャ料理と呼ばれる独特の食文化が根付いている。食材は、生産量が世界一のサフランやローズウォーター、シナモンやディルなどが主。そして朝ごはんの主役はナン。ナンの種類もいくつかあるが、今回ワールド・ブレックファスト・オールデイが提供するのは、厚みのある「バルバリ」というもの。それに、ハーブやニラなどの生野菜を、「パニール」という白いフレッシュチーズや生クリーム、ハチミツなどと一緒に挟んで食べる。付け合わせには、野菜とハーブがたっぷり入ったオムレツ「ククサブジ」を。その他にも、イランの伝統的なドリンクやデザートなど、朝ごはん以外のメニューもこの機会に味わってみてほしい。ワールド・ブレックファスト・オールデイは外苑前店と原宿店の2店舗で営業中。イランのごはんが食べられるのは、2月5日から3月31日まで。期間中は、イランの料理教室や、食文化について学べるワークショップ、ミニコンサートなどさまざまなイベントが予定されている。
2019年02月05日今回で、中東イランでの2度目の年越し。イランでは、西暦ではなくイラン暦で生活をするため、クリスマスや年末年始感はあまりありません。2019年1月1日は、イラン暦では1397年10月11日。あと2ヶ月ほど経つと、年末年始の慌しさがやってきます。 そんなイランですが、日本のクリスマスやお正月を祝うことに似た、冬の大イベントがあるんです!それが1年で1番長い夜に行われる「シャベヤルダー」という行事。 今回は、冬の景色とともに古くから伝わるイランのお祝いを紹介します。 イランではクリスマスではなく冬至を祝う? イランでは冬至の前日の夜を「ヤルダー」「シャベヤルダー(ヤルダーの夜)」といい、お祝いをします。 冬至は1年で1番夜の長い日。すなわち「明日から次第に昼が長くなっていく」ことから、イランでは古くから「光が闇に勝利する日」と考えられ「太陽の生誕」を祝う風習があるそうです。その長い夜の終わりを祝い、太陽の生誕の朝まで続くイベントを「シャベヤルダー」と呼びます。 シャベヤルダーが近くなると街のあらゆる場所で「赤いフルーツ」が綺麗に飾られたものをよく目にするようになります。 イランでおなじみのザクロ、そしてスイカ。そして名産のナッツ類がずらり。 赤いフルーツは「太陽」を象徴しているらしく、必ずシャベヤルダーの飾りで目にします。これらを食べることで、寒い冬も、健康に元気に過ごせますよう、という願いを込めているそう。 いよいよシャベヤルダー当日!イランの家族はどう冬至を過ごす? シャベヤルダー当日。イラン人は、家族や仲のいい友人を集めて家でお祝いをしたり、外で集まって食事をしたりして、お祝いをします。シャベヤルダーの形は様々。比較的伝統的な形のシャベヤルダーにお邪魔することができたので、写真とともにご紹介! 会場は友人のおうち!そこに、家族(イランの家族の定義はとても広く、日本で言う親族の集まりのようになります。)や友人が続々と集まります。 お飾りもバッチリ。横にはクリスマスツリーも一緒に。 人が集まると、まずはみんなで夜ご飯。イランの伝統的な料理をいただきます! ごはんを食べながら、みんなで他愛のない話をし、夜が更けるのを待ちます。踊ったり歌ったりしながら、長い夜を過ごします。(踊るのが好きなイラン人。踊りは欠かせないようです!) そして、もちろん飾るだけではなく、赤いフルーツを食べます。すいかをお母さんにいただきパクリ。 「味はどう?あまい?すっぱい?」と尋ねるイランの友人。「甘いよ」と答えると、にっこりし「恋人との暮らしも甘いものになるさ」と告げられるのでした。 この時点で既に時計は2時近く。シャベヤルダーは長い夜を大切な人と過ごすイベント。朝まで続くと言われています。 そして3時を迎えたころ、友人のお父さんが詩集の朗読を始めました。イランの有名な詩人「ハーフェズ」の詩集から、ランダムにページを開き、そこに書いてある詩の内容から、これから先の日々を占う習慣があるそうで、みんなで詩の朗読を聞きます。 驚いたのは、シャベヤルダーの夜は小さな子供も一緒に長い夜を楽しむということ。日本人のわたしたちは耐性がなくこのあたりで脱落するのでした。 前述しましたが、シャベヤルダーの過ごし方の形は様々。日本のお正月のように、形は変化すれど、お祝いをする心や、考え方は変わらないことに通ずるものを感じました。 おまけですが、外国人が暮らすエリアではクリスマスの飾りを目にすることもあります。撮影時期は1月過ぎでしたがフォトスポットのようになっていました! ちょっと変わったイランの年越し。そこには、文化と家族や友人との繋がりを大切にするイラン人の暮らしが垣間見えるイベントがあるのでした。 さて、雪も降り寒さの厳しいテヘランでの暮らしも2年目。遅くなりましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします! text:Mami Yamada
2019年01月23日2018年ももうすぐ終わり。早いもので、中東生活を始めて1年が経ちました。 今日はそんなわたしが、前回に引き続きイランから飛行機で1.5時間!旧ソ連、ジョージア(旧グルジア)の首都トビリシ旅行の様子をお伝えします。 前回記事はこちら。 今回は、旅行のお楽しみ!ジョージアグルメを紹介します。初めて訪れた国ですが、全体的に日本人好みなごはんが多い印象でした。香草をよく使用し、ビールやワインなどのお酒がついつい進んでしまう、そんなトビリシごはんがたくさんありました! かわいい形のパン!その名も「ハチャプリ」 現地の言語でプリはパンを表すそう。ハチャプリは、かわいい形の焼きたてパンにチーズや卵、バターが入ったもちもちサクサクパンです。 サイズは様々。わたしが頼んだハチャプリは大きくて、ふたりでも食べきれないほどでした。レストランはもちろん、パン屋さんでもよく目にしました。 写真は、古くから街にあるパン屋さん。暗い階段を降りた先に大きな焼き場を持つお店を見つけました。 冷えた体を温めるピリ辛すっぱいスープ「ハラチョー」 牛肉にトマトベースのスープ、そこにお米が入ったピリ辛でちょっと酸っぱいスープ、「ハラチョー」。 アクセントにパクチーがパラパラと。メインの食事をいただく前に、必ずこのスープを頼んでしまうほど、わたしにはピッタリはまりました!煮込んだ牛肉がほろほろで、さっぱり、でも少し辛くて体がポカポカしてくる。日本人にもウケそう!でも、あまり日本ではない組み合わせ。そんなスープです。 ジョージアといえば!肉汁たっぷりの「ヒンカリ」 ジョージアといえば、よく写真をみるのがこのヒンカリ。 香草の効いた、肉汁たっぷりの大きめの小籠包のような食べ物でした。ふるふるの皮をつまんで、少し皮を噛んで、中から溢れる肉汁を逃さず口の中へ!人気の理由がわかる、見てかわいい、食べて美味しいヒンカリでした。 わたし的ナンバーワン。ビールが止まらない酒泥棒「オジャクリ」! ジョージアに来てみてびっくり、お酒がとても種類豊富でお手軽な値段なんです。 500mlの大きなグラスの生ビールがごくごく進んでしまう、そんな相棒の料理の名前は「オジャクリ」!カリカリジューシーな豚肉(豚肉、牛肉どちらもありました)と玉ねぎ、たっぷりのニンニクとジャガイモが合わさったジョージア流のジャーマンポテト。ホクホク、ごくごくのループが止まりません!ハマってしまったわたしは、滞在中毎日オジャクリを注文してしまうのでした…。 他にも美味しいごはんはたくさん!それはもう、書ききれないほどです。 そんなグルジア。ワインの歴史が長く、街のあらゆる場所に自然にワイン専門店が並びます。 伝統的なカメのような容器で作ったワインをはじめ、テイスティングしきれないほどのワインが歓迎してくれます。目安の価格を伝えると、様々紹介してもらえます。(1000円以下のものから、高価なものまで本当にたくさん!)飲み比べをしながら、好きなボトルを選ぶのも、旅の楽しみかもしれません。 ワイン屋さんで購入したワイン、お菓子を並べてお部屋でパーティー。そんな自由な旅も時にはありかも。 思い出すと、またすぐに行きたくなっちゃう!ジョージアは、日本からアクセスは悪いけれど、魅力溢れる素敵な国なのでした。 Text:Mami Yamada
2018年12月29日中東テヘラン暮らしを始めてもうすぐ1年。 日本からはちょっと遠いけれど、イランからは近い、そんな国がいくつかあります。いつか行ってみたい!そんな国に行ってみよう!今回はそんな記事をお送りします。 行き先は、テヘランのイマームホメイニ国際空港から直行便で1.5時間!ジョージア(旧グルジア)の首都トビリシです。 ジョージアは北にロシア、南にトルコ、アルメニア、アゼルバイジャンが隣接する旧ソ連の一国です。小さな、日本から遠く離れた国ジョージア。 今回の旅先の決定ポイントは3つ・ゆっくりしたい!(ひたすらゆっくり!)・ごはんが美味しい!(特に豚肉が食べたい)・お酒が美味しい!(出来ればあまり高くないのが希望) イスラム教の国イランに住んでいると、豚やお酒がない暮らしになるので、リフレッシュの旅をしたかったわたし。ジョージア、実は温泉とワインがとても有名らしく、望みを叶えてくれるステキな場所でした。 一見変わった、ゆったりした、美味しいものがいっぱいの旅レポートです! ゆっくり過ごしたい街、トビリシ。温泉と自然で癒される、優雅な時間を トビリシの街の名前の由来にも、温泉が関係するほど、昔より温泉が大事にされてきたそう。 海外で温泉は初めて!本当にお湯は温泉なのかな…と不安になりながら温泉があるというエリアに向かいます。 ちいさな丸い建物がポコポコと見えてきます。実はこれが、ひとつひとつ温泉になっていました!(なんと丸いポコポコは温泉の屋根!)公衆浴場とプライベートバスがあり、今回はプライベートバスへ。 中には何部屋かの個室(温泉)があり、内側から鍵がかかります。 個室の中には温泉が!そして、アカスリマッサージ用の台とシャワー、小さなサウナ、休憩用のテーブルと椅子が付いていました。 硫黄の香り!熱めのお湯は気持ちよく、ゆったりリラックスできます。水着着用ではなく裸で入る温泉なので、気分は日本です。なんと湯上りのビールまでフロントに用意されていて…!!日本より少し寒い気温のジョージアの今の季節に、心も体も温まるとてもいい温泉でした。 温泉を上がって、さあ観光!とは行かないのが、何もしない旅の醍醐味。ホテルでゆっくりしながら、数日間かけて近くの自然や綺麗な建物を楽しみました。 街を一望できるテレキャビンにのったり。 壮大な教会を観に行ったり。 新しい建物が建設されていく中、ふと横を見ると廃墟がならぶ街並みから、旧ソ連を感じることが多くありました。 何をするでもない、ゆったりした時間を過ごす旅。何もしない贅沢を満喫する旅。 今回は街の風景をご紹介しました。長くなってしまったので、次回はグルジアの食とお酒を!日本人にも馴染みやすい、美味しいグルジアグルメを満喫した話を紹介します。 それでは! text:Mami Yamada
2018年12月13日イランでごはん、何食べてるの?よくそんな質問をもらいます。 もちろん、お家で料理はしますし、時々外食もします。…そういえば!イランに来て、デリバリーフードを頼む機会が増えました。 今回はテヘラン生活をする中で重宝している、フードデリバリーアプリについてご紹介! イランのフードデリバリーサービス事情 日本でもここ数年、1つのアプリ、サービスからたくさんのお店のメニューをチョイス出来るフードデリバリーアプリが普及していると思います。 元々なんでも持ち帰り、デリバリーは当たり前!なイランですが、最近は日本と同じような複数の店舗の選択肢からメニューをチョイスできるフードデリバリーアプリケーションが大人気! 基本的にペルシア語表記なのですが、写真も多くなっていますし、操作の方法がわかりやすいので、ペルシア語のアルファベットと簡単な単語がわかれば利用できるのではないかな?と思います。 中身は…なんと昼や夜だけでなく、朝ごはんの注文も可能!また、料理もジャンルごとに分かれていたり、レストラン系・カフェ系・スイーツ系といった区切りかたでも見ていくことができます。 頼んだものは、レストランが調理・パッキング→snapp foodのドライバーがピックアップ→配達という流れでお家に到着。 イラン料理はもちろん お寿司が届いたり 朝ごはんメニューが届いたり デザートのスムージーやアイスクリーム、ケーキまでアプリ1つでお家まで宅配可能です。 カフェドリンクも、デリバリー用に可愛くて溢れないパッケージにしているお店がいくつか。 日本のデリバリーほど時間は正確ではないですし、日によってクオリティはまちまちですが、今日は何も作りたくない!なんていう日にとても役に立つサービス。ランチにちょっと注文しよう、ちょっとコーヒーとケーキを注文しよう、そんな風に気軽に注文し、お家で充実ごはんが可能なんです。 ここ数ヶ月でまた利用が広がっているようで、掲載店もどんどん増えていく、今ホットなイランのフードデリバリーアプリ。なんだか今日はやる気が出ない、外にも出て行く気力がない、そんな日のおうちごはんを支える心強い味方です。 実はタクシーアプリも便利で利用が進む国イラン。またいつかの機会に紹介します! Text:Mami Yamada
2018年11月30日5度近くまで気温の下がった11月のはじまり。もこもこのコートに厚めのヒジャブを巻いて、寒さに耐えながら焼きたてのパンを買いに行く。 そんな冬の始まりの朝の光景を、イランの首都テヘランからお届けいたします! イランでの朝ごはん、なに食べる? フルーツを食べる人、スープを飲む人、オムレツを焼いてパンを食べる人。イランも日本と同じで、色々な朝ごはんの形があります。 わたしが好きなのは、焼きたてのパンを買いに行って、おうちで食べること!日本のお洒落なベーカリーとはまた異なるお店の姿が、テヘランの日常にはあります。 今日はイランのイケメン(笑)がナンを作る様子、地域のパン屋さんを写真とともに紹介します。 イランのパン、おススメは焼きたてのナン! ペルシア語で、パンはナンと呼びます。 お洒落なベーカリーもありますが、もっと人々の生活に密着しているのがナンバーイーと呼ばれるナン屋さん。1つ数10円の焼きたてのナンを毎日購入することができるんです。 ナン屋さんは、店舗によって作りはマチマチですが、ざっくりと説明すると ・捏ねた生地を伸ばし形作る机・ナンを焼く釜・焼けたナンを置く台と簡素な作りです。 そんなナン屋さん、焼きたてパリッパリのナンを求めて、朝早くから大賑わい! 手際よくナンを捏ねて、伸ばして、ごまを振って、釜に入れ、焼けたらどんどんと取り出す。あっという間にナンが焼きあがる様は、見ていてとても楽しく、待ち時間があっという間に感じるほど。 焼けたナンは大きくて、思わず写真をパシャり。帰り道に、手でちぎりながらサクサク、パクパクと食べ歩きしてしまうくらいいい香りがします。 朝早い時間には朝ごはん用のナンを買いに来る人たちが、正午過ぎからは昼ごはん用、そして夜も晩ごはん用のナンを買いに来る人たちが、店の前に並ぶ光景をよく目にします。 これは夜の様子。 買ったナンは、朝はチーズやジャムをつけたり、オムレツを乗っけたり。それからスープにつけたり。 昼や夜はケバブと一緒に食べたりも。 そんな格安グルメのナンですが、焼きたての味は最高!買うまでの時間も楽しむことができる、おススメのイラングルメです。 こんなナン屋さんなら、寒い朝も頑張れるかも!なんてことを思いながら、ほとんどの日は家から出るのが億劫なわたしでした…。 Text:Mami Yamada
2018年11月16日人生では居場所を見失ってさまよってしまうこともありますが、女性として自立するうえではそういう経験もときには必要なこと。そこで、今回ご紹介するのは、愛に翻弄されながらも成長していく女性を描いた話題作です。それは……。NYの日本人コミュニティが舞台の映画『MAKI マキ』!【映画、ときどき私】 vol. 200ニューヨークにある日本人高級クラブでホステスとして働くマキ。英語も話せないままアメリカ人の彼氏を追いかけて日本を飛び出したが、いまはクラブのボーイであるトミーと同棲していた。クラブ内での恋愛は禁止されていたため周囲には秘密の関係。しかし、マキはトミーとの子を妊娠していたのだった。そんなマキの異変に気が付いたのは、クラブのママでもあるミカ。トミーに不信感を募らせ、動揺していたマキをいたわり、優しい言葉をかけていたが、実はミカにはある思惑があった。はたして、マキの運命はどうなってしまうのか……。ananweb読者たちと同世代の女性が主人公ということもあり、興味を持っている人もいるかと思いますが、今回は本作の舞台裏などについて、こちらの方にお話を聞いてきました。それは……。イラン出身のナグメ・シルハン監督!新鋭女性監督として注目を集めているシルハン監督ですが、本作が長編2作目。これまで日本に10回ほど来たこともあるという日本通の監督から見た日本の魅力や撮影秘話などについて、語っていただきました。―今回は日本人女性が主人公で、アメリカの日本人コミュニティが中心に描かれていますが、このストーリーはどのようにして生み出されたものなのでしょうか?監督私自身がイラン出身のアメリカ育ちということもあり、アメリカに住んでいる外国人の気持ちがよくわかるというのがまずありました。あとは、昔から日本映画が大好きで、日本の文化にも興味があったので、「これを映画の題材にすれば、もっと日本に触れることができるんじゃないか」と思ったんです。―そういった思いもあって、あえてアメリカに住むイラン人ではなく、日本人を描こうと思ったのですか?監督1作目でカナダに住むイラン人の物語を撮っていたこともあり、同じようなものを作るのはおもしろくないなと感じていたというのもありますね。そのうえ、アジアのなかで、私にとって一番興味があったのが日本。自分で研究することによって、とても勉強になると思いましたし、私はチャレンジすることが大好きなんです。―同じ異国に住む女性として、マキに自身の経験などを反映したところはありましたか?監督半分くらいはそういう部分もありました。でも、マキのように「自分が何をしたいのかわからない」といった経験はみなさんもしているんじゃないでしょうか?それは海外か自分の国に住んでいるかは関係なく、そういう思いを抱いている人はたくさんいるはずです。権力を振りかざす女性は世界中どこにでもいる―原田美枝子さんが演じるクラブのママであるミカは、権力で他人を支配するような女性でしたが、モデルになった人もいたのでしょうか?監督ママさんみたいな人はいろんなところにいますよね(笑)。リサーチのために日本のホステスクラブにもたくさん行き、いろいろな方と出会いましたが、こういう女性はけっこういるんだなと思いました。「こういう女性」というのは、50代、60代で権力を振りかざしていたり、「権力者になりたい」と思う女性のことですが、日本だけでなく、どこに行ってもいるものですよ。私が昔住んでいたイランやイタリア、フランス、そしてアメリカで出会った数々の女性をイメージして書きました。だから、私も人生ではたくさんのママさんに会っていますね(笑)。ちなみに、フランスにいたときにあるプロダクションの会社で働いていましたが、そこのボスが女性で本当にママさんと同じような動作や話し方をする人でした。それから、そういう女性はなぜかだいたい若い男の子が好きなんですよね(笑)。―では、世界中にいるミカのような女性を集結して描いたんですね(笑)。監督そうですね。だから、ある意味この作品は、ママさんのような女性に対するリベンジみたいなものかもしれないです(笑)。でも、私はこの作品のミカは好きなキャラクターなので、嫌いではないですよ。―私も海外に留学していたときに、どの国にも日本人のコミュニティがあることを知りましたが、監督の目にはどのように映っていましたか?監督日本人はコミュニティという名の“巣”を作って、そのなかに集まっているという印象を受けました。たとえば、アメリカのホステスクラブにいる日本人女性のなかには、2~3年アメリカにいても英語がしゃべれない人もいましたが、巣のなかにいるだけで外のことを知らずに帰国する人もいるんですよね。そういう人たちは、いったいどういう利益を求めて海外にいるんだろうと思いながら、見ていたこともありました。今回の撮影で日本人の心に近づくことができた―以前、監督はニューヨークで日本人コミュニティと親しくしていたこともあったそうですが、その際に驚いたことなどがあれば教えてください。監督一番印象に残っているのは、グループのなかに入ろうとしても、日本人以外はなかなか入れないようなところがあることですね。でも、この映画を作るにあたって日本人のエキストラの方もたくさんいたので、この作品のおかげで少しずつ日本人の心に近づいていくことができたと思います。―ちなみに、イラン人のコミュニティというのは、どのようなものですか?監督もちろんイラン人コミュニティもどこにでもありますし、同じように自分たちだけで固まって、楽に感じている人もいますよ。だから、これは日本人特有なことではないと思います。―監督は日本がとても好きだということですが、師匠であるアミール・ナデリ氏の影響で日本に興味を持ち始めたのですか?監督ナデリ監督に会う前から、日本の映画をたくさん観ていましたし、日本の音楽も聴いていたので、日本にはとても興味がありました。なぜ日本に惹かれたかというと、非常に深いところで物事を見ていて、芸術的にも繊細であるにも関わらず、ひけらかすことなくすごく控えめで、デリケートなところを感じたからです。―今回、日本のキャストたちと仕事をしてどのように感じましたか?監督まず、ミカ役の原田美枝子さんとお仕事ができることはとても光栄なことであり、とても楽しみなことでもありました。というのも、以前の作品でも、今回の作品でも、出演者はほとんど素人で、原田さん以外はプロの俳優が少なかったからです。だからこそ、「偉大な監督たちとお仕事をしている原田さんと一緒にできるんだろうか」みたいなことを思ったりもしました。でも、原田さんはとても素晴らしい方なので、現場ではたくさんのことを学ぶことができたと思います。原田さんがいたからこそ、この作品ができた―確かに、ベテランである原田さんが存在するだけで、そのシーンに緊張感が走って重みを増すような感じはありました。監督劇中では舞台のような雰囲気を感じる場面もありましたが、それは原田さんの大きな存在感があったからこそ。彼女のパワーのおかげでそういったシーンを撮ることができたと感じています。今回、原田さんには事前に脚本も読んでもらいましたが、最初から参加すると言ってくださいました。そのあと、出資集めやキャスト選びに時間がかかり、撮影に入るまで1年近く間が空いてしまったのですが、原田さんは一度もやめると言うこともなく、ずっと待ってくださったのです。それは私にとっては大きなことでしたし、一番のいい思い出でもあります。原田さんがいたからこの作品ができたところもあるので、まるで天使のような存在でした。絶対に良い映画になると信じてくれた原田さんのおかげで、とても心強かったです。―マキ役のサンドバーグ直美さんとトミー役のジュリアンさんは長編映画初だったそうですが、キャスティングしたきっかけを教えてください。監督まず、マキとトミーはセットで考えないといけないと思っていました。つまり、何よりもこの2人のケミストリーが合わなければ、すべてが壊れてしまうと感じたからなんです。今回は先にジュリアンと会いましたが、そのときに「あなたに合いそうなお友達はいない?」と何となく聞いたところ直美を呼んでくれました。その後、2人と初めてカフェであった瞬間、「この2人だ!」と確信してお願いすることにしたんです。ポルノ映画と勘違いされて追い出されそうになった(笑)―今回は、低予算ということもあり、短期間の撮影では難しいことも多かったと思いますが、一番苦労したのはどんなことでしたか?監督クラブでの撮影はとにかく大変でした。というのも、本物のホステスクラブを借りていたので、私たちが撮影することができたのは営業以外の時間でのみ。そのため、営業が終わる朝5時に入って、夕方の6時までに終わらせないといけなかったので、セッティングしては元に戻すというのを毎日繰り返していました。それが本当にきつかったですね。あとは、マキが別荘に行くシーンも、1本分の映画と同じような内容を3日間で撮らないといけなかったので、違う意味で大変だったシーンです。とはいえ、全部大変でしたね……。―そのなかで、何かハプニングが起きたりしたことはなかったですか?監督実は、マキのアパートは友達から借りていたのですが、そこのオーナーがポルノ映画を撮っていると勘違いして、追い出しにきたことがありました(笑)。どんなに違うと言っても、わかってもらえず、毎日のように言われ続けて大変でしたね。原田さんもいたので、とても恥ずかしかったです。「絶対に負けない」という気持ちを受け取って欲しい―この作品を通じて、ananwebを読む日本の女性たちにも感じて欲しいことがあればメッセージとしてお願いします!監督若い人たちに伝えたいのは、がんばればどんな願望も手に入れられるんだという勇気を与えられる映画だということ。それは「絶対に負けない」という思いを持ったマキやトミー、そしてミカからも感じることだと思いますが、カメラの後ろにいるスタッフたちも同じような気持ちでこの作品を作ったので、そういうところはみなさんにも感じて欲しいと思っています。女性の持つ強さを感じずにはいられない!大人の女性として新たな一歩を踏み出すことの大切さを感じさせてくれる本作。欲望と孤独が渦巻く大都会ニューヨークで、愛を求めて生きる女性の姿に、思わず自分を重ね合わせてしまう人もいるはずです。それぞれの思いが交差する予告編はこちら!作品情報『MAKI マキ』11月17日(土)より、ユーロスペースほか全国順次ロードショー配給:ユーロスペース
2018年11月16日10月も半ば。季節の変わり目のテヘランは、めずらしく数ヶ月ぶりに雨の日が続きました。夏の間は全くと言ってもいいほど雨が降らないイラン、雨とともに、一気に秋が深まってきました。 そんな今回は、テヘランのお出かけスポットを紹介します! テヘランの山はプチデートスポット? ここはテヘランの北部に位置する「タジュリーシュバーザール」から少しの時間で行ける「ダルバンド」という山です。車の排気ガスや工場の煙などで大気汚染の進むイラン。灰色の空気の中を乗合タクシーで進むこと5分、10分で目的地に到着です。 すぐ麓にあるバーザールや大通りと比較すると、人も少なくなり、空気もほんの少しひんやりと、そして澄んで綺麗になります。家族でお出かけをする姿、また男女が仲良く歩く姿をよく目にします。 服装も、山に登れば登るほど、少しずつ開放的になるのが興味深いところ。山の斜面を少しずつ登っていくと、レストランやカフェが軒を連ねます。 イラン料理(ケバブ屋が多い)を提供するお店、紅茶とシーシャ(水タバコ)を提供するお店などさまざま。絨毯の上に靴を脱いで座るお店が多いのも、イランの雰囲気を感じられていいなといつも思います。 お店によっては、簡単なテントのようにひとつひとつの席を区切ってあることも。プチ・プライベートな空間で、それぞれ寛ぐことができるのが魅力のひとつ! そして、夜は少し濡れた路面が店舗の灯りに照らされてロマンチックな雰囲気に。 観光客よりも現地の人が多く訪れるスポットですが、車で5分、開放的な山は、麓の人混みから逃れた開放的な空間としておススメです。 text:Mami Yamada
2018年10月27日今年も、あのフルーツが美味しい季節がやってきた! イランは40度近くまで気温の上がる夏を超え、少しずつ秋の足音が聞こえてくる季節になりました。そんな秋の始まりとともに、今年もあのフルーツが美味しい時期が。イランと言えば…そう、ザクロ! イランのザクロは◯◯が違う! 夏の暑い気温に耐え、イランの寒暖差の激しい高地で育ったザクロは秋の始まりとともに、とても美味しい季節を迎えます。日本でも稀に目にするザクロですが、イラン産ザクロは全く別物といってもいいほどの違いがあります。 片手で収まらないほどのサイズ感、甘さとほのかな酸味はイランの暑い雨が降らない乾燥した夏に耐えたからこそ成し得るものなのです。そんなザクロ、お店では他のフルーツと同様、山盛りになって陳列されていることが多いです。 白いザクロ、赤いザクロ、そして幻の黒ザクロ! 最近八百屋さんに足を運ぶと、たくさんのザクロが並んでいました。 上の写真は皆さんもご存知の赤いザクロ。 そしてこちら、白いザクロ。店員の方いわく、白ザクロの方が酸味が強いんだそうです。 たくさんあるザクロの中から、優しい店員さん方が美味しいザクロを選んでくれます。美味しいサインは何?と尋ねると、「皮が薄くてパンパンで、丸いものでなく5角形に角ばっているもの。それが食べ頃のサインだよ」と。 オススメしていただいたザクロは、さっそくお家でお試し!ナイフを入れたあと、水を入れたボールでバラバラにしながら皮から外していきます。 朝からとても贅沢な朝ごはんの完成!フルーツが安く、四季折々で季節のものを味わえるのがイランのいいところ。 また、お店では生搾りジュースやアイスのトッピングにしたりも。 そんなザクロですが、実は世界の中で、イランの一部地域で、更に限られた期間しか収穫されない珍しい種類があるんです。それが真っ黒な皮のザクロ!去年1月、イランに初めて訪れた冬に、運良く購入することができました。 それ以降、黒ザクロはないの?と色々なお店で尋ねても出会えていません。日本でも、黒ザクロを使用したジュースは高値で販売されているそう。 今年の冬は久しぶりに出会えるといいな!そんなことを思いながら、赤いザクロと白いザクロでビタミン補給をするわたしなのでした。 テヘランから、秋そして冬へと移り変わる様子をこれからもお届けします。 text:Mami Yamada
2018年10月22日こんにちはMamiです。今回は前回に引き続き、実際に買ってみてよかったイラン・中東土産のあれこれをご紹介! 前回はイランの食品系土産をご案内しましたが、今回は、絨毯だけじゃない!イランのおしゃれなインテリアについて紹介します。 インテリア好きにおすすめ!手書きの繊細な技が光る伝統工芸品「ミーナーカーリー」 ミーナーカーリーって何?と知名度は低い商品かと思います。まずはこちらの写真を見てください!ペルシアを感じる模様でとってもかわいいんです。銅のお皿や器に手書きで加工をされた伝統工芸品。 中東といえば・・・そうモスクの内側の柄にそっくりなんです。サイズは様々で、小皿サイズのものから、壁掛けサイズのお皿、花瓶や時計仕様のものまで。 全部が手書きなので、まったく同じものがないという点もおすすめポイント。バーザールやモールなどで多く取り扱われています。自分にあう1皿を見つけるのも旅のお楽しみ! ダイニングを彩る、銀色の雑貨たちが可愛い! ミーナーカーリーのように、イランのバーザールでよく見かける銀色の雑貨。 お皿や花瓶、ティッシュ入れなど、繊細な印象の品が並びます。実はこの銀色の商品の名前がわからずなんと紹介していいのやら…。ただ、とってもかわいいんです! 実際に日本に連れて帰った我が家のダイニングのお写真はこちら。 白を基調にしたお部屋にぴったり!購入したのはシルバーのものですが、同じ構造のピンク色のものも販売されていました。持ち帰る際にキャリーケースに入れても、割れるものではないので大丈夫!と現地の店員さんは話していました。 ちなみにこちらもミーナーカーリーと同じレベルの値段感。お手頃サイズで、変わっているけれど使えるものをお土産に探している方にお勧めです。 自分用のお土産にも!壁掛け絨毯 イランといえば…そう!ペルシア絨毯です。 帰国した際に日本の百貨店でペルシア絨毯を見る機会があったのですが、値段を見てびっくり!それに比べると、やはり現地購入はとてもお得な印象です。 ペルシア絨毯屋さんは町中のいたるところにあります。サイズ感も様々。 リビングに敷くような大きな3メートル級のものはもちろん、玄関マットになるようなもの、使い勝手のいい1メートル半程度のものなど、選択肢は尽きません。 最近では比較的安価な遊牧民の絨毯、「ギャッペ」も若い層に特に人気が出ているようです。 その中で私が今回紹介したいのが、壁掛け絨毯!絨毯って敷くものじゃないの?という声も多いのでは? 敷くのはもちろん、飾るのも可愛いんです! 小さなものだとA3サイズ程度のものも多く取り扱われています。お値段は1~5万程度から。本格的なシルクの絨毯をインテリアの一部に取り入れるのもおすすめです。 お店では、これくらいのサイズが欲しい、何色が好き、こんなイメージで、などを伝えながらたくさん見せていただくのも楽しい旅の時間の使い方。 私も、チャイを頂きながら1日中絨毯を見せてもらいました!英語、時には日本語を話す店員さんがいる店もあります。 中東旅行の思い出に、小さなペルシア絨毯もとってもおすすめです。 次回はイランの秋模様をお届けできればと思います。それでは! text:Mami Yamada
2018年09月27日9ヶ月ぶりに日本に帰国することになり、日本で待つ家族や友人へのお土産探しに明け暮れる日々。なんて良いタイミング!今回はイランのお土産物を紹介します。 わたしがいつも買って帰るもの。そして、わたしの母が今年の春にイランに訪れた際に購入したもの。その中から、実際に買ってみたら良かったものを紹介していこうと思います。 「中東の風を、日本にお届けするギフト」と題して色々と載せていきます! 目次:_________1.世界イチのピスタチオ!みんなが絶賛する大粒ピスタチオ 2.世界最高級のイラン産サフラン! 3.インテリア好きにおすすめ!手書きの繊細な技が光る伝統工芸品 ミーナーカーリー 4.インテリア好きにおすすめ 2!ダイニングを彩る可愛い銀の雑貨 5.自分用のお土産にも!壁掛け絨毯_________ 1.世界イチのピスタチオ!みんなが絶賛する大粒ピスタチオ 実はイラン、ピスタチオの世界トップクラスの生産国なんです!街中の路面店、バーザール、ショッピングモールの中にも、たくさんのピスタチオ屋さんが並びます。 お店の中はこんな感じ。ほとんどのお店でなんと試食し放題!色んな種類のナッツを食べ比べすることができます。 ピスタチオ、アーモンド、くるみ、他にも日本ではあまり見ない種類のものまで。味も、シンプルなもの、塩っけのあるもの、ピリ辛、酸っぱいものなどたくさん。 ドライフルーツも一緒に販売しているお店も多いです。グラム数、いくつほしいかを伝えると、店員さんが袋に詰めてくれます。 イランのピスタチオは大粒!縦長いもの、丸々としたもの、色んな種類があります。お気に入りが見つかるまで試食していくのも楽しいポイント。 わたしは、いつも大きなキャリーケースの半分をピスタチオで埋めて帰ります。大体1年はもつよ!とイラン人は言いますが、日本はイランと比較して湿度が高くなるので、早めに召し上がった方が美味しいかもしれません。 2.世界最高級のイラン産サフラン! イランと言えばサフランの名産地!他中東圏でもサフランは収穫されますが、最高級品として並べられているのがイラン産サフランです。 「マシュハド」という、イランの宗教都市で採れるサフランが高級だよー!と教えていただきました。(他にも色々な産地はあるかもしれません) イランでは、サフランは色々なお店で販売されています。先程紹介した、ナッツ屋さんやバーザール、スーパーやサフラン専門店など。スパイス屋さんでも販売されています。 見た目もかわいく、中東ならでは。また、とても軽いのでオススメなお土産の一つです。 今回は食べ物編をお送りしました!次回は、伝統工芸品、装飾品を紹介します。 イラン、中東の風を日本へ!次回もどうぞよろしくお願いします。それではまた! text:Mami Yamada
2018年09月22日最近、引っ越しをしました。 すると家から近くの山に、世界最長級のテレキャビンがある!とそんな話を聞いて、いてもたってもいられず、ひとりで歩いて行ってきました。 今回はイランの山「トーチャール」をご紹介します。 世界最長のテレキャビン、頂上はなんと約3700m! テヘラン北部の繁華街から車で20分くらい。トーチャールという山があります。冬はスキー場として運営されているそう。 大きなテレキャビンが第1ステーションから、海抜約3700mになる第7ステーションまで続いています。なんと全長7.5kmにもなるのだとか。 世界最長級のテレキャビンがテヘランにあるなんて!!とびっくり。 どのステーションまで行くかで値段が異なります。チケット売り場で、今回は第2ステーションまでの往復チケットを購入! 約10分くらい、ガタつきが激しいテレキャビンに乗り込みます。ちなみに、平日の昼間に行くと、待ち時間もなく、お客さんはほぼいませんでした。 第2ステーションで約2500mの高さまで!大気汚染で曇っているのが残念ですが、テヘランの街を見下ろすことができます。 ベンチや公園があります。 山の方を見ると、トレッキングしている人が数名。真夏でも風が心地よく、ぽけーっと山や空を眺めていたくなる気候です。 なんでもこのテレキャビン、イランの革命(1979年)より前にできた年代もの。ジェットコースターのようなドキドキ感も味わうことができます。 冬のスキーシーズンにも行ってみたいなと思うほど、大きくてステキな斜面の山でした。イランにも天然のスキー場があるんだ!と、驚きです。 ちなみに、テレキャビンで下まで降りると、フードコートやジュース屋さん、アイスクリーム屋さん、ジェットコースターのようなアトラクション、そしてバンジージャンプなどがありました。今度はジェットコースターに乗って景色を見るぞー! 友人から聞いた話では、夜は夜景が綺麗なのでデートにオススメとのこと。 四季や時間帯によってさまざまな顔を持つトーチャール。次はまた別の顔を見にいきたいなと思います。 それでは! text:Mami Yamada
2018年08月29日