第93回アカデミー賞授賞式が4月26日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターとユニオン駅の2つの会場で開催され、作品賞にクロエ・ジャオ監督の『ノマドランド』が輝いた。第77回(2020年)ベネチア国際映画祭で最高賞にあたる金獅子賞を皮切りに、第45回トロント国際映画祭で最高賞の観客賞、第78回ゴールデングローブ賞で作品賞と監督賞を受賞。第74回英国アカデミー賞でも、作品賞をはじめ最多4部門に輝いていた。オスカー前哨戦で圧倒的な存在感を示した“大本命”が、今年のアカデミー賞でも順当に作品賞を手にし、コロナ禍に揺れた映画賞レースにおいて有終の美を飾った。なお、女性監督の作品がアカデミー賞の作品賞に輝くのは、キャスリン・ビグロー監督の『ハート・ロッカー』(第82回)以来2度目となる。ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション「ノマド漂流する高齢労働者たち」を映画化したロードムービー。リーマンショックの影響で、長年住み慣れた家を失った60代の女性が“現代のノマド(遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩く姿を、アメリカ西部の雄大な自然を背景に描いた。誇りを胸に、自由に生きる主人公には、コロナ禍に苦悩する世界中の観客から強い共感が寄せられていた。受賞コメントクロエ・ジャオ監督プロデューサー陣、フランシス・マクドーマンドを代表してご挨拶します。他の候補者の皆さんにもお礼を申し上げます。フォックス・サーチライト・ピクチャーズ、原作者のジェシカ・ブルーダー、そしてノマドの皆さん。多くの人たちのおかげで、この作品が完成しました。皆さんは真実の優しさを示してくれました。プロデューサーも務める主演のフランシス・マクドーマンドぜひ、大きなスクリーンで見てください。仲間を連れて映画館に行き、隣にも観客がいる状況で。ウルフにこの映画を捧げます(オオカミの鳴き声をまねて、雄たけび)(text:cinemacafe.net)■関連作品:ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開© 2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2021年04月26日『ゴースト/ニューヨークの幻』でアカデミー助演女優賞を手にしてから30周年を迎えたウーピー・ゴールドバーグが、「Variety」誌の取材を受けた。エミー賞、ゴールデングローブ賞、アカデミー賞(オスカー)、トニー賞のエンタメ界で重要な4つの賞を全て獲得し、「EGOT」を達成済みのウーピー。現在は執筆業に取り組んでおり、「地球を本気で救おうとしているスーパーヒーローの黒人のおばあさん」を主人公とした映画の脚本を書いていると明かした。「子どもの頃から、スーパーヒーローが大好き。いつだって地球を救ってくれるでしょう。でも、誰が本当に地球を救ってくれるか知っている?黒人のおばあさんなの」。映画化が実現されるか現時点では不明だが、ファンはおもしろい反応を見せている。「それは『伝記映画』って呼ばれるものだよ」「自伝を書いているってことだよね」と、ウーピー自身のスーパーヒーローぶりを示唆する声や、「マーベルの映画やコミックに、年老いたスーパーヒーローが出てこないのはなぜなのかと疑問に思っていたところ」「そういう映画を作るべきだとずっと思っていたからうれしい」とこれまでになかった新しいスーパーヒーロー映画への期待の声など、ウーピーを支持するツイートが多数寄せられた。(Hiromi Kaku)
2021年04月23日英国アカデミー賞が発表された。作品賞に輝いたのは、『ノマドランド』。今作ではさらに、クロエ・ジャオが監督賞、フランシス・マクドーマンドが主演女優賞、ジョシュア・ジェームズ・リチャーズが撮影賞を受賞した。主演男優賞は『ファーザー』のアンソニー・ホプキンス。助演男優賞は『Judas and the Black Messiah』のダニエル・カルーヤ、助演女優賞は『ミナリ』のユン・ヨジュン。イギリス映画賞は『プロミシング・ヤング・ウーマン』。脚本賞は『プロミシング・ヤング・ウーマン』、脚色賞は『ファーザー』だった。文=猿渡由紀『ノマドランド』公開中
2021年04月12日日曜日(現地時間)、英国アカデミー賞(BAFTA賞)がバーチャル開催された。クロエ・ジャオ監督作の『ノマドランド』が作品賞、監督賞を含む4部門を受賞。ジャオ監督は英国アカデミー賞史上、監督賞を受賞した2人目の女性であり、初の有色人種女性という偉業を達成した。なお、監督賞を受賞した初の女性は、2010年のキャスリン・ビグロー(『ハート・ロッカー』)。ジャオ監督は「この賞を、ノマディックコミュニティの人たちに捧げたいです。彼らは、生活の中に私たちを快く受け入れてくれましたから。夢、葛藤、深い尊厳について共有してくれたのです。年を重ねるということの美しさーー私たちが慈しみ、祝福すべき旅路を教えてくれたことに感謝します」とスピーチした。主演男優賞のアンソニー・ホプキンス(83)は、同賞の史上最年長受賞者となった。「テレグラフ」紙によると、本人は受賞するとは全く予想していなかったそうで、オンラインでの授賞式を見ずにウェールズのホテルで絵を描いていたという。主な受賞者・受賞作品は以下の通り。作品賞『ノマドランド』監督賞クロエ・ジャオ『ノマドランド』主演男優賞アンソニー・ホプキンス『ファーザー』主演女優賞フランシス・マクドーマンド『ノマドランド』助演男優賞ダニエル・カルーヤ『Judas and the Black Messiah』助演女優賞ユン・ヨジョン『ミナリ』オリジナル脚本賞『プロミシング・ヤング・ウーマン』エメラルド・フェンネル英国作品賞『プロミシング・ヤング・ウーマン』(Hiromi Kaku)■関連作品:ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開© 2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2021年04月12日ゴールデングローブ賞・エミー賞を総なめした超絶人気ドラマ「ブレイキング・バッド」シリーズの続編映画となる『エルカミーノ:ブレイキング・バッド ムービー』のブルーレイ&DVDセットが3月3日(水)よりリリース。この度、シリーズのクリエイターにして、本作で初の映画監督を務めたヴィンス・ギリガンが製作秘話を語る特典映像の一部が公開された。本作は、「ブレイキング・バッド」のその後を描く物語で、ドラマの主人公・ウォルターと一緒に“ブルーメス”を製造する相棒として、シリーズファンからの人気が高いジェシー・ピンクマンを主人公に描かれる。アーロン・ポールがシリーズに続きジェシー・ピンクマンを演じ、シリーズの生みの親であるヴィンス・ギリガンが脚本と映画初監督に挑んだ。シリーズファン垂涎もののイースターエッグ(小ネタ)も満載。この度公開されたのは、ブルーレイの特典映像に収録される「絵コンテと映像の比較」より「川辺のジェシーとマイク」の冒頭部分。実際に撮影用に作成、使用したギリガン流の絵コンテも公開されている。映画監督初挑戦となったギリガンが、物語を映像化する際に行うこと、ギリガン流の準備の仕方、絵コンテの書き方、現場で行うことなどを解説。実際のシーンと絵コンテを比べて解説しており、その絵コンテの細かな描写は見応え十分。ブルーレイには全部で3シーン分が収録。ブルーレイ&DVDセットに収録される特典映像には、このほかにもギリガン監督とアーロンによる音声解説や、メイキング映像、未公開シーンなど、ここでしか見られない映像が合計1時間以上収録されている。なお、ブルーレイ&DVD発売を記念し、3月5日(金)21時より『エルカミーノ:ブレイキング・バッド ムービー』同時視聴会、「みんなでエルカミーノ」の開催が決定している。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ブレイキング・バッド [海外TVドラマ]【Netflix映画】エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE 2019年10月11日よりNetflixにて全世界同時配信開始
2021年01月31日『第44回日本アカデミー賞』の優秀賞が27日に明らかになり、授賞式の司会を務める羽鳥慎一、シム・ウンギョンがコメントを寄せた。日本アカデミー賞協会が主催する「第44回日本アカデミー賞」は、昨年度に劇場公開された映画の作品賞や主演男優賞、主演女優賞、新人俳優賞などを表彰するもの。今回は2019年12月16日~2020年12月31日までに公開され選考基準を満たした作品(日本映画154作品、外国映画210作品)に対し、日本アカデミー賞協会会員(3,953名)の投票が行われた。3月19日にグランドプリンスホテル新高輪にて開催される第44回の授賞式に先立ち、正賞15部門各優秀賞、および新人俳優賞が決定。授賞式では、羽鳥慎一(昨年に続き2回目)と、外国人俳優で初の最優秀主演女優賞を受賞したシム・ウンギョン(『新聞記者』で第43回最優秀主演女優賞受賞)が司会を務め、受賞者を迎える。○羽鳥慎一 コメントこの賞は、映画に関わる今年1年の総決算、1年に1度のお祭りなんだ」と去年お伺いしました。今年もそのお祭りに進行役・サポート役として携わらせていただきます。緊張はしますが、晴れの舞台を特等席で観られるという、こんな素晴らしい機会に立ちあうことができます。普段、集うことができない第一線の俳優さんが一堂に会します。去年、「この方々はこういう関係性なんだ」と感じることができました。今年も間近ででそれぞれの俳優さんの知られざる関係性を知ることができるのがとても楽しみです。○シム・ウンギョン コメント今年も素晴らしい作品が多いので、受賞者の皆さんにお会いして、お話をお伺いするのを楽しみにしています。昨年、本当に貴重な賞をいただいて、未だに感謝の気持ちや喜びがあふれています。今年は司会者として授賞式に参加します。司会を務めるのは人生で初めてですので、しっかりと言葉を届けられるように、日本語の勉強を頑張っております。よろしくお願いします。○『第44回日本アカデミー賞』の主な受賞作品・受賞者※作品名は対象作品・優秀作品賞『浅田家!』『男はつらいよ お帰り 寅さん』『罪の声』『ミッドナイトスワン』『Fukushima 50』・優秀アニメーション作品賞『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『映画 えんとつ町のプペル』『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』『ジョゼと虎と魚たち』『STAND BY ME ドラえもん 2』・優秀監督賞内田英治『ミッドナイトスワン』河瀨直美『朝が来る』土井裕泰『罪の声』中野量太『浅田家!』若松節朗『Fukushima 50』・優秀主演男優賞小栗旬『罪の声』草なぎ剛『ミッドナイトスワン』佐藤浩市『Fukushima 50』菅田将暉『糸』二宮和也『浅田家!』・優秀主演女優賞小松菜奈『糸』永作博美『朝が来る』長澤まさみ『コンフィデンスマンJP プリンセス編』『MOTHER マザー』倍賞千恵子『男はつらいよ お帰り 寅さん』広瀬すず『一度死んでみた』・優秀助演男優賞宇野祥平『罪の声』妻夫木聡『浅田家!』成田凌『窮鼠はチーズの夢を見る』星野源『罪の声』渡辺謙『Fukushima 50』・優秀助演女優賞江口のりこ『事故物件 恐い間取り』黒木華『浅田家!』後藤久美子『男はつらいよ お帰り 寅さん』桃井かおり『一度も撃ってません』安田成美『Fukushima 50』・新人俳優賞服部樹咲『ミッドナイトスワン』蒔田彩珠『朝が来る』森七菜『ラストレター』岡田健史『望み』『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』『弥生、三月-君を愛した30年-』奥平大兼『MOTHER マザー』永瀬廉『弱虫ペダル』(C)日本アカデミー賞協会
2021年01月27日1月26日、第44回日本アカデミー賞の優秀賞が選ばれ、優秀作品賞に『浅田家!』『男はつらいよ お帰り 寅さん』『罪の声』『ミッドナイトスワン』『Fukushima 50』の5作品が選ばれた。コロナ禍による映画館休業などを考慮し、今回は2019年12⽉16⽇(⽉)〜2020年12⽉31⽇(⽊)までに公開され、選考基準を満たした作品(⽇本映画154作品、外国映画210作品)に対し、⽇本アカデミー賞協会会員(3953名)の投票が実施された。今回は⽻⿃慎⼀と、昨年外国⼈俳優で初の最優秀主演⼥優賞を受賞したシム・ウンギョンが司会を務め受賞者を迎える。羽鳥は、「今年も間近ででそれぞれの俳優さんの知られざる関係性を知ることができるのがとても楽しみです」とコメント。シム・ウンギョンは「司会を務めるのは⼈⽣で初めてですので、しっかりと⾔葉を届けられるように、⽇本語の勉強を頑張っております」と意気込みを語っている。なお、授賞式は3⽉19⽇(⾦)にグランドプリンスホテル新⾼輪にて開催される。優秀賞受賞者や新⼈俳優賞受賞者が⼀堂に会し、優秀賞の中から最優秀賞が発表される。第44回日本アカデミー賞の主な受賞結果は以下の通り。■優秀作品賞『浅田家!』『男はつらいよ お帰り 寅さん』『罪の声』『ミッドナイトスワン』『Fukushima 50』■優秀アニメーション作品賞『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『映画 えんとつ町のプペル』『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』『ジョゼと虎と魚たち』『STAND BY ME ドラえもん2』■優秀監督賞内田英治(『ミッドナイトスワン』)河瀨直美(『朝が来る』)土井裕泰(『罪の声』)中野量太(『浅田家!』)若松節朗(『Fukushima 50』)■優秀主演男優賞小栗旬(『罪の声』)草彅 剛(『ミッドナイトスワン』)佐藤浩市(『Fukushima 50』)菅田将暉(『糸』)二宮和也(『浅田家!』)■優秀主演女優賞小松菜奈(『糸』)永作博美(『朝が来る』)長澤まさみ(『コンフィデンスマンJP ブリンセス編』)長澤まさみ(『MOTHER マザー』)広瀬すず(『一度死んでみた』)■優秀助演男優賞宇野祥平(『罪の声』)妻夫木 聡(『浅田家!』)成田 凌(『窮鼠はチーズの夢を見る』)星野 源(『罪の声』)渡辺 謙(『Fukushima 50』)■優秀助演女優賞江口のりこ(『事故物件 恐い間取り』)黒木 華(『浅田家!』)後藤久美子(『男はつらいよ お帰り 寅さん』)桃井かおり(『一度も撃ってません』)安田成美(『Fukushima 50』)■優秀脚本賞内田英治(『ミッドナイトスワン』)中野量太/菅野友恵(『浅田家!』)野木亜紀子(『罪の声』)前川洋一(『Fukushima 50』)山田洋次/朝原雄三(『男はつらいよ お帰り 寅さん』)■新人俳優賞服部樹咲(『ミッドナイトスワン』)蒔田彩珠(『朝が来る』)森 七菜(『ラストレター』)岡田健史(『望み』『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』『弥生、三月-君を愛した30年-』)奥平大兼(『MOTHER マザー』)永瀬 廉(『弱虫ペダル』)【授賞式司会者からのコメント】<⽻⿃慎⼀(第43回授賞式に続き2回⽬)>「この賞は、映画に関わる今年1年の総決算、1年に1度のお祭りなんだ」と去年お伺いしました。今年もそのお祭りに進⾏役・サポート役として携わらせていただきます。緊張はしますが、晴れの舞台を特等席で観られるという、こんな素晴らしい機会に⽴ちあうことができます。普段、集うことができない第⼀線の俳優さんが⼀堂に会します。去年、「この⽅々はこういう関係性なんだ」と感じることができました。今年も間近ででそれぞれの俳優さんの知られざる関係性を知ることができるのがとても楽しみです。<シム・ウンギョンさん(第43回授賞式にて、『新聞記者』で最優秀主演⼥優賞受賞)今年も素晴らしい作品が多いので、受賞者の皆さんにお会いして、お話をお伺いするのを楽しみにしています。昨年、本当に貴重な賞をいただいて、未だに感謝の気持ちや喜びがあふれています。今年は司会者として授賞式に参加します。司会を務めるのは⼈⽣で初めてですので、しっかりと⾔葉を届けられるように、⽇本語の勉強を頑張っております。よろしくお願いします。【「第44回⽇本アカデミー賞 授賞式」実施概要】実施⽇:3⽉19⽇(⾦)会場:グランドプリンスホテル新⾼輪 国際館パミール司会:⽻⿃慎⼀、シム・ウンギョン副賞協⼒:ブルガリ協賛:サラヤ 横井定
2021年01月27日全米映画批評家協会賞が発表された。作品賞に輝いたのは、『ノマドランド』。今作ではほかに、クロエ・ジャオが監督賞、フランシス・マクドーマンドが主演女優賞を受賞した。主演男優賞は『ザ・ファイブ・ブラッズ』のデルロイ・リンドー。助演男優賞は『サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ〜』のポール・レイシー、助演女優賞は『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』のマリア・バカローヴァ。脚本賞は『First Cow』のイライザ・リットマンだった。文=猿渡由紀『ノマドランド』3月26日(金)公開
2021年01月11日ゴールデングローブ賞を主催するハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)が、映画『Minari』を作品賞ではなく外国語映画賞の選考対象とすることを発表。ルル・ワン監督、フィル・ロード監督、ダニエル・デイ・キム、シム・リウなど多くの映画人から批判が上がっている。ゴールデングローブ賞の作品賞の選考対象となるには、全編を通して少なくともセリフの半分以上が英語でなければならないというルールがある。これに則り、HFPAは『Minari』を“外国語映画枠”に当てはめたのだろう。しかし、『Minari』は韓国語を話すキャラクターたちが主役ではあるものの、韓国からアメリカ・アーカンソー州に移民してきた一家を中心に描き、監督はアメリカ人のリー・アイザック・チョンだ。HFPAを批判した1人のワン監督は、「私は今年、『Minari』ほどアメリカらしい映画を観ていません。これは、“アメリカ”を舞台に、移民一家がアメリカン・ドリームを追い求める物語。英語話者であるというだけでアメリカ人だとみなす時代遅れなルールは、本当に変える必要があります」と『Minari』を作品賞の選考対象にするべきだとツイッターで主張している。『シャン・チー』(原題)でMCU初のアジア人ヒーローに抜擢されたシム・リウは、「念のために言っておきますが、『Minari』はアメリカ人のフィルムメーカーが脚本を書き、監督し、アメリカの製作会社がプロデュースしたアメリカ映画で、主役はアメリカ人、舞台はアメリカです」と『Minari』がいかにアメリカらしいアメリカ映画であるかを説いた。(Hiromi Kaku)
2020年12月24日日曜日(現地時間)、第46回ロサンゼルス映画批評家協会賞が発表された。作品賞を受賞したのは、Amazonのアンソロジー映画『Small Axe』。同協会賞の歴史において、複数の映画で構成されたアンソロジー映画が作品賞を受賞したのは初めて。同作はエミー賞や全米映画俳優組合賞などでは、「リミテッド・シリーズ」部門で選考される模様だ。主演男優賞には、今年8月に結腸がんのため43歳で亡くなったチャドウィック・ボーズマンが選ばれた。遺作である『マ・レイニーのブラックボトム』での好演が話題となっており、これから開催される数々の授賞式でのノミネーションや受賞が予想されている。主な受賞リスト作品賞受賞:『Small Axe』(スティーヴ・マックイーン監督)次点:『ノマドランド』(クロエ・ジャオ監督)監督賞受賞:クロエ・ジャオ監督(『ノマドランド』)次点:スティーヴ・マックイーン監督(『Small Axe』)主演男優賞受賞:チャドウィック・ボーズマン(『マ・レイニーのブラックボトム』)次点:リズ・アーメッド(『サウンド・オブ・メタル-聞こえるということ-』)主演女優賞受賞:キャリー・マリガン(『Promising Young Woman』)次点:ヴィオラ・デイヴィス(『マ・レイニーのブラックボトム』)助演男優賞受賞:グリン・ターマン(『マ・レイニーのブラックボトム』)次点:ポール・レイシー(『サウンド・オブ・メタル-聞こえるということ-』)助演女優賞受賞:ユン・ヨジョン(『Minari』)次点:アマンダ・サイフリッド(『Mank/マンク』)脚本賞受賞:『Promising Young Woman』(エメラルド・フェンネル)次点:『Never Rarely Sometimes Always』(エリザ・ヒットマン)(Hiromi Kaku)
2020年12月21日ヨーロッパ映画賞の作品賞に、デンマークの『Another Round』が選ばれた。今作ではさらにトマス・ヴィンターベアが監督賞と脚本賞(共同脚本家と一緒に受賞)、主演のマッツ・ミケルセンが男優賞を受賞している。この映画はロンドン映画祭、サンセバスチャン映画祭でも受賞しており、次のオスカーでも健闘しそうだ。女優賞は『Undine』のパウラ・ベーア、ドキュメンタリー賞はルーマニアの『Collective』が受賞した。文=猿渡由紀
2020年12月14日『デッドプール』第3弾がいよいよ製作初期段階に入ったようだ。昨年、20世紀フォックスを傘下に持つ21世紀フォックスがディズニーに買収された。そのため、20世紀フォックスの作品で、過激さが売りの1つである『デッドプール』の続編を作ることに、ディズニーがGOサインを出すかに注目が集まっていた。そしてついに先日、主演のライアン・レイノルズがこの1か月、多くの脚本家たちと『デッドプール』第3弾について意見を交わしていたことが明らかになった。「Deadline」などによると、ライアンと製作陣はアニメ「Bob’s Burgers」(原題)のウェンディ&リジー・モリノー姉妹の案が気に入ったとして2人を起用したとのこと。2人は脚本家・製作総指揮を務めている同アニメで、2017年にエミー賞を受賞している。今作は初めてマーベル・スタジオがライアン&『デッドプール』チームと組む作品で、同スタジオのCEOケヴィン・ファイギも参加する。関係者によれば、今作も前2作と同様にレイティングは「R指定」を想定しているという。監督については、前作のメガホンを取ったデヴィッド・リーチは実写版『マリアビートル』などの撮影で2021年いっぱい予定が詰まっているため、新たに起用される模様。(Hiromi Kaku)■関連作品:デッドプール2 2018年6月1日より全国にて公開© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved
2020年11月24日2019年に「POSE/ポーズ」でエミー賞主演男優賞(ドラマ部門)を受賞した俳優のビリー・ポーターが、長編映画監督デビューすることが明らかになった。タイトルは『What If?』(原題)で、脚本は同じく今作が長編デビューとなるアルヴァロ・ガルシア・レクオーナが担当する。「Variety」誌が報じた。ストーリーの中心となるのは、ある男子高校生とトランスジェンダーの女子・ケルサ。男子高校生がSNSにケルサへの想いを書き込むと、ネット民は男子の恋を応援する。そうして2人は高校最後の年に想像もしていなかった関係を築くことになるのだった…。ゲイであることをオープンにしているビリーは、「あらゆるタイプの人々のあらゆるストーリーを伝え、ハリウッドの新しい空間の一部になれることに、ものすごくワクワクしています」とコメントを発表。LGBTQのアクティヴィストでもあるビリーは、昨年のアカデミー賞でタキシードドレスを着用し、話題に。以降、様々なイベントで奇抜・個性的・華麗な衣装を着て登場し、常に注目の的となっている。今作は、MGMが8月に再び立ち上げた「オライオン・ピクチャーズ」の初作品。「オライオン・ピクチャーズ」では、これまで取り上げられてこなかった人たちに焦点を当て、作品を製作するという。(Hiromi Kaku)
2020年11月19日村上春樹の短編小説「ドライブ・マイ・カー」が映画化。同作は第94回アカデミー賞にて日本映画初となる作品賞、脚色賞に加えて監督賞、国際長編映画賞にノミネートされる快挙を達成。そして、2022年3月28日(月)に開催された第94回アカデミー賞 授賞式にて、国際長編映画賞を受賞した。日本映画が同部門を受賞するのは滝田洋二郎監督の『おくりびと』以来13年ぶりだ。村上春樹の短編小説が「ドライブ・マイ・カー」映画化村上春樹が2013年に発表した短編小説「ドライブ・マイ・カー」。舞台俳優の家福(かふく)を主人公に、亡き妻の記憶が呼び起こす深い喪失感と仄かな希望を綴ったこの物語を、『寝ても覚めても』(カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品)、『スパイの妻〈劇場版〉』(ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞)で脚本を担当した気鋭・濱口竜介が映画化する。登場人物/キャストかねてから『ドライブ・マイ・カー』の映画化を切望していたという濱口のもとに集まったのは、実力を備えた豪華キャスト達。『サイレント・トーキョー』『奥様は、取り扱い注意』の西島秀俊を主演に、『ロマンスドール』の三浦透子、『さんかく窓の外側は夜』の岡田将生、『ノルウェイの森』の霧島れいかが、メインキャラクターを演じる。主人公・家福悠介(西島秀俊)舞台俳優・演出家。脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていたが、秘密を残したまま妻は死去。そして、演劇祭で演出のため、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで、寡黙な専属ドライバーみさきに出会う。家福の希望へと一歩踏み出す心の機微を、西島秀俊が繊細に表現する。渡利みさき(三浦透子)主人公・家福の愛車を運転するドライバー。寡黙でありながら、芯のある女性。みさきと過ごすことで、家福は目を背けていたあることに気づかされていく…。⾼槻耕史(岡田将生)家福の妻・音と親密そうな気配を漂わせる 俳優。物語を大きく動かすキーパーソン。家福⾳(霧島れいか)秘密を抱えたままこの世を去った、家福の妻。脚本家。日本映画史上初、第94回アカデミー賞で作品賞&脚色賞にノミネート映画『ドライブ・マイ・カー』は、第94回アカデミー賞にて作品賞・脚色賞・監督賞・国際長編映画賞の全4部門にノミネート。作品賞・脚色賞にノミネートに日本映画がノミネートされるのはアカデミー賞史上初の快挙となり、映画史に新たな歴史を刻む作品となった。なお、監督賞ノミネートは1986年の黒澤明監督映画『乱』以来、国際長編映画賞は2019年の是枝裕和監督映画『万引き家族』以来となる。第94回アカデミー賞で国際長編映画賞『おくりびと』以来13年ぶり3月28日(月)開催の第94回アカデミー賞 授賞式で、映画『ドライブ・マイ・カー』は国際長編映画賞を受賞。日本映画が同部門を受賞するのは滝田洋二郎監督の『おくりびと』以来13年ぶりだ。<濱口竜介監督 国際長編映画賞 受賞コメント>Thank you very much. Ohh..You are the Oscar.アカデミーの皆さまへ感謝いたします。ヤヌスフィルムとサイドショウとワーナーメディア150とシネティック、この映画をアメリカに持ってきてくれてありがとう。ここにいる出演者のみなさんに感謝します。⻄島秀俊さん、岡田将生さん、霧島れいかさん、パク・ユリムさん、ジン・デヨンさん、アン・フィテさん、ソニア・ユアンさんおめでとうございます!また、ここに来れなかった出演者のみなさんにも感謝します。特に赤いSAAB900を見事に運転してくれた三浦透子さんに感謝します!みなさん獲りました!第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞なお、第74回カンヌ国際映画祭では、日本映画として初となる脚本賞を受賞。また授賞式を前に発表された同映画祭の独立賞である国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞)、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞も獲得した。国際映画批評家連盟賞を日本映画が受賞するのは黒沢清監督『回路』以来20年ぶり。また、AFCAE賞は、これまでにパルムドール受賞作『パラサイト 半地下の家族』などの受賞歴がある名誉ある賞だ。第79回ゴールデングローブ賞で非英語映画賞受賞(旧外国語映画賞)また第79回ゴールデングローブ賞においては、<非英語映画賞受賞(旧外国語映画賞)>を受賞。日本映画として、同映画賞の外国語映画賞にノミネートされる日本映画は、是枝裕和監督『万引き家族』(2019)以来3年ぶりの出来事であり、受賞は62年ぶりだ。第56回全米批評家協会賞では、作品賞、監督賞(『ドライブ・マイ・カー』『偶然と想像』の2作品に対して)、脚本賞、主演男優賞の主要4部門を受賞。第45回日本アカデミー賞8部門で優秀賞第45回日本アカデミー賞では、作品賞を含む最多8部門で最優秀賞を獲得し、賞レースを席巻した。<映画『ドライブ・マイ・カー』あらすじ>舞台俳優であり、演出家の家福悠介。彼は、脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていた。しかし、妻はある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう――。2年後、演劇祭で演出を任されることになった家福は、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーみさきだった。喪失感を抱えたまま生きる家福は、みさきと過ごすなか、それまで目を背けていたあることに気づかされていく…。◆作品詳細映画『ドライブ・マイ・カー』公開日:2021年8月20日(金) TOHO シネマズ日比谷ほか全国ロードショー監督・脚本:濱口竜介出演:西島秀俊、三浦透子、岡田将生、霧島れいか原作:村上春樹「ドライブ・マイ・カー」2013年初出、短編小説集『女のいない男たち』(文春文庫、2014年)所収配給:ビターズ・エンド
2020年11月01日史上最年少でエミー賞ドラマ部門主演女優賞に輝いたゼンデイヤ(「ユーフォリア/EUPHORIA」)が、ロニー・スペクターの伝記映画に主演する模様だ。『ミッドサマー』や『レディ・バード』など個性的な映画を生み出してきた制作会社「A24」と、『ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語』を製作した「ニュー・リージェンシー」が、ロニーが執筆した自伝「Be My Baby」の映画化権を獲得。ピューリッツァー賞作家のジャッキー・シブリーズ・ドゥルーリーに脚本執筆を希望しているという。ロニー・スペクター(本名ヴェロニカ・ベネット)は、1960年代に活躍した女性歌手グループ「ザ・ロネッツ」のリード歌手。「Variety」誌によると、今作はロニーの初期のキャリア――特に「ザ・ロネッツ」を組んで「フィレス・レコード」と契約するまでの過程に焦点を当てるという。また、ロニーと同レーベルの創設者フィル・スペクターの結婚、離婚、自身の音楽の権利を取り戻すためのバトルについても描かれるとのこと。プロデューサーは『ラ・ラ・ランド』のマーク・プラット。ロニー本人も製作総指揮として携わる。ロニーのマネージャーのジョナサン・グリーンフィールド、ゼンデイヤも製作総指揮に名を連ねる。(Hiromi Kaku)
2020年09月30日2020年9月20日、アメリカ、ロサンゼルス-第72回エミー賞の授賞式がリモートにて開催され、史上最年少での受賞を果たした女優のゼンデイヤがブルガリを纏い、登場しました。「ユーフォリア/THE EUPHORIA」にてドラマシリーズ部門主演女優賞に輝いたブルガリのブランドアンバサダーであり女優のゼンデイヤのデコルテに色鮮やかな煌めきをもたらしたのは、総計130カラット超えのアメシストを7石に、ルベライト、ダイヤモンドをあしらったネックレスとダイヤモンドのスタッズピアスでした。総ダイヤモンドのリング3点、エメラルドとダイヤモンドをあしらったリング1点がレイヤードに重ねられた指先には、華やかな輝きが溢れました。着用ジュエリー企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年09月24日9月21日(日本時間)に第72回エミー賞の受賞作品が発表された。このエミー賞において、スターチャンネルが放送・配信を手がける作品は、計23部門で受賞を獲得。また、Amazon Prime Videoチャンネル 「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」で全話配信中の『ある家族の肖像/アイ・ノウ・ディス・マッチ・イズ・トゥルー』でリミテッドシリーズ部門の主演男優賞に輝いたマーク・ラファロのインタビューコメントが公開された。さらに、スーパーヒーローが実在する世界線を描くSFドラマ『ウォッチメン』が本シーズンで完結するリミテッドシリーズながら、前評判に違わぬ高い評価を集め、作品賞、脚本賞、主演女優賞など主要部門を含む、計11部門を受賞し、今年最多受賞となる快挙。そして、「BS10 スターチャンネル」で吹替版が11月19日(木)より放送予定の『キング・オブ・メディア2』も昨年に続き健闘を見せ、ドラマ部門の作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞など計7部門受賞。こちらも放送予定の、ドラッグやセックス、バイオレンスなどに溺れるティーンネイジャーがソーシャルメディア社会で生きる姿を描く『ユーフォリア/EUPHORIA』がリミテッドシリーズ部門で、主演のゼンデイヤが初受賞にして主演女優賞を最年少受賞。そのほかメイクアップ賞、オリジナル歌曲賞と計3部門を受賞した。さらに、絶賛配信中で9月29日(火)放送予定の、実際の巨額横領事件の全貌を描き、ヒュー・ジャックマンが主演を務めて話題となったHBO FILMS『バッド・エデュケーション (2019)』はテレビムービー部門で作品賞を獲得。このほか、昨年劇場公開されたSTAR CHANNEL MOVIES作品『アポロ11 完全版』も、ノンフィクション部門において編集賞、音響効果賞、録音賞で3部門受賞を獲得した。『ある家族の肖像/アイ・ノウ・ディス・マッチ・イズ・トゥルー』で、見事主演男優賞に輝いたラファロのインタビューコメントは以下の通り(本インタビューはエミー賞受賞前に実施されたもの)。ーーウォーリー・ラムの原作『この手のなかの真実』について最初は知らなかった。ウォーリー・ラムと僕の著作権エージェントは同じ人でね。映像化権の取得が可能になった時に大物たちが続々と獲得に動いたんだけれど、ウォーリーが「マーク・ラファロはこの企画に興味あるかな?」と言ってくれたんだ。著作権エージェントが僕にそのことを話してくれたんだけれど、僕はその時まだ原作を読んでいなかった。週末に原作を読んでとても感動して共感を抱いたし、素晴らしいドラマになるだろうと思った。でも、ドラマ化することをウォーリーが望むかどうか分からなくてね。それで彼に会って、「素晴らしい小説だった。あなたはすごい才能の持ち主だ」と伝えてから、「映画化したら、この小説の良さを十分に活かせないと思う。連続ドラマにするべきではないか」と言ったんだ。ウォーリーが僕のアイデアに賛成してくれたので、次に「デレク・シアンフランスを監督に起用したらどうかな?」と提案してみた。ウォーリーはそのアイデアも気に入ってくれて、僕に映像化権を与えてくれた。その後、僕はエージェントやマネージャーたちと各局にドラマ化の打診をしに行った。そのうちに僕は自分で製作を手がけてみようと思い始めたんだけれど、やれるかどうか自信が持てなくてね。僕のマネージメント・チームはとても協力的で、なかでも特にマーガレット・ライリーが強く背中を押してくれたんだ。マーガレットは「あなたはもう何年も製作をやっているんだから、今までと同じようにやればいいのよ。企画を開発したり、いろいろな人たちと共同作業をしたりして、最高の人材を雇い、自分のクリエイティブな欲求に従えばきっとうまくいくわ」とマーガレットは言ってくれた。おかげで、無事にドラマ化にこぎつけることができたよ。ーーこの物語のどんな点に共感?僕はイタリア系移民の子孫なんだ。僕の先祖はとても貧しく、新たな人生を始めるためにイタリアからアメリカにやって来た。祖父がアメリカで塗装業を始め、労働者階級だった一家はイタリアの伝統を捨てて必死になってアメリカ人になろうとした。彼らにとっては、家族がすべてだった。だから、家族の精神疾患とか家庭内で起きた劇的な出来事とか、家族の秘密は家庭の中だけで守り通した。僕には弟がいて、僕たちは“イタリア人の双子”と呼ばれていたんだ。弟は僕が1歳にもなっていない時に生まれたからね。僕たち兄弟は、家族がすべてだと信じて育ってきた。家族というものは、お互いの良いところも悪いところも見ているし、素晴らしい面も醜い面も知っている。だから、僕は原作を読んだ時に「この物語に登場するのは僕が一緒に育ってきた僕の知っている人々で、彼らは僕が知っている階級の人たちだ」と思ったんだ。誰もああいう人たちの物語を語ろうとはしないけれど、彼らのような人たちこそが一般的なアメリカ人であり、アメリカの様相なんだ。この物語に共感したのは、僕も家族がすべてだと思って育ってきたし、双子同然の弟がいたからだろうね。ーー双子の役を演じることに、やりがいと同時に不安は?どうしようもないほどビビったよ。40代後半だった頃はめいっぱい虚勢を張って積極的に仕事に取り組んでいたけれど、52歳になる頃には役者としての自信も男としての自信も、とにかくありとあらゆる自信を失っていたからね。自信のない状態が当たり前になっていたから、うまくやり通せるかどうか以前より心配するようになっていたんだ。ーーどうやって不安を乗り越えた?こういう企画に取り組むうえで、デレクは最高のパートナーだった。彼は役者のそういう弱さを求める監督で、「そうか、君はそんな風に感じているんだね。よし、その感じで撮影してみよう。きっと素晴らしいものになるぞ」と言ってくれるんだ。「君が感じている通りに演じてくれ。まずはそこから始めよう。そのうち、ほかの何かが生まれるかもしれないから」ってね。基本的に、僕たちは毎日そんな感じて撮影していた。僕が不安だと言えば、彼は「トーマスも不安なんだ」と言ってくれるし、「自分が何をしているのか分からない」と僕が言えば「ドミニクも自分が何をしているのか分かってないからね」と答えてくれる。僕たちは常に、その時のリアルな感情を重視して撮影していたんだ。その時の感情に向き合うことができ、役者を的確に導いてくれるデレクのような監督がいれば、失敗することはない。山に登るのではなく、ふと気づいたら自分が山になっているような感じだね。そんなわけで、僕はドミニクとトーマスが感じているように、不安とか自分はできそこないだという思い、それに自信のなさとか、自分の感じていることをすべて役に取り入れながら演じたんだ。ーー不安を役作りに取り入れたということ?そうだね。ーードミニク役を演じた後、トーマス役の肉体的な役作りをするために6週間の中休みがありましたが、その間の心境について宙ぶらりんの状態だった。ドミニク役は演じ終えたけれど、ひるんでしまうような日々が待ち受けていたからね。ドミニク役を演じている間も、先のことが不安でたまらなかった。撮影中は監督やスタッフ、それに共演者たちとずっと一緒にいたから、その不安から逃れることができた。週末は自宅に帰ったけれど、休みは1日だけだった。金曜の夜に帰宅して、土曜は家族と一緒に過ごし、日曜の朝に撮影現場に戻って、その日に撮影するシーンの台本を20~30ページほど読んで準備をした。そんな仕事中心の禁欲的な生活が続いた後に、突然6週間も家に帰っていいことになったんだからね。僕は途方もなく気の重い毎日が待ち受けていることを知りながら家族のもとに帰ったわけだけれど、その段階でもトーマス役をどう演じればいいのか、まだ分からなかった。あれこれ考えたり試したりして役作りをしてみたけれど、やはりどうすればいいのか分からなくてね。そんな状態のまま、僕は毎日ひたすら食べ続けていた。デレクに「食べてるかい?」って聞かれたから、「おいおい、僕は52歳なんだぜ。こうやって食べ続けるなんて、いいアイデアだとは思えないね。心臓に負担がかかるだろうから」と言い返したよ。でも彼は、「いいから食べ続けて」と言ったんだ(笑)。デレクに「トーマス役をどう演じればいいか分からない」と言ったら、彼は「食べ続けるだけでいい。あとのことは自然と何とかなるよ」と答えた。実際、その通りだったよ。僕は撮影前に、妄想型統合失調症を患っているテクニカル・コンサルタントと一緒に、数百時間、いや、数千時間を費やして、統合失調症に関するインタビューの映像を見たんだ。統合失調症についての説明や、患者の日常生活、それに様々な薬が彼らに与える影響などについて人々が語っている映像をね。僕はそのすべてを頭に入れたけれど、結局のところ統合失調症はトーマスの人格ではないんだ。それは、すでに人格を形成したひとりの人間に付加された障害に過ぎない。だから、トーマスがどういう人間なのか追求することが何よりも重要だった。トーマスとドミニクは対等で、トーマスはドミニクと対照をなす存在だ。デレクはそこをよく理解していて、そのシーンに何が必要か常に指示してくれた。僕たちはそういうプロセスと理解を共有しながらドミニクの人物像を作り上げ、観客が好きになれるような人物を作っていったんだ。ーー撮影を経て、自分の不安や懸念を払しょくすることはできたか?僕は今回、これまでと違う経験をしたと思う。以前は気づいていなかったけれど、僕はすべてを出し切らないようにしていたんだ。ほんの少しだけ残しておけば、失敗した時に「全部を出し切ったわけじゃないからな」と自分に言い訳をすることができるからね。自分では全部出し切っているつもりだったけれど、役者として演技をしていると自分の演技を観ることもあるし、観客が自分に何を求めているか感じ取るようになったりもする。人間はみんなそうだけれど、自分なりのやり方があるし、居心地よくいられる安全地帯もある。人は自分の安全地帯を見つけたら、そこから出ようとしない。僕もそこにとどまって、快適に過ごしてきた。でも、デレクはそれを許してはくれないし、そんなことはどうでもいいタイプなんだ。彼は「今のはマーク・ラファロらしい素晴らしい演技だったね。私はそのマーク・ラファロらしい演技が好きだし、見ていたいと思うけれど、違うこともやってみないか。もっと掘り下げてみよう。私はダメな君も見てみたいんだ」なんてことを言うんだ。快適でいられる自分なりのやり方を使わずに演じるなんて、そんな準備はできていないから、やればやるほど期待値に達していないような気がしてしまう。だから、ある時点から自分を空っぽにして、すべてを出し切るようにした。役にどっぷり浸かれば、目指すところにたどりつける。そうすることができたのは、デレクと彼の演出のおかげだね。
2020年09月23日日本時間9月21日(月・祝)に第72回エミー賞の授賞式がリモートで開催。ドラマシリーズ部門主演女優賞にノミネートされていた「ユーフォリア/EUPHORIA」のゼンデイヤが史上最年少で受賞を果たした。新型コロナウイルスの影響により“オンライン授賞式”となった今回は、米ロサンゼルスのマイクロソフトシアターにいる司会のジミー・キンメルとノミネートされた俳優・スタッフたちの自宅をリモートでつなぐ形で行われた。作品別で本年度最多26部門にノミネートされていたHBO「ウォッチメン」がリミテッドシリーズ部門を席巻し、最多11部門で受賞。一人二役を演じたマーク・ラファロがHBO「ある家族の肖像/アイ・ノウ・ディス・マッチ・イズ・トゥルー」で主演男優賞を獲得。A24×HBOの「ユーフォリア/EUPHORIA」で主人公ルーを熱演したゼンデイヤが、24歳という史上最年少でドラマシリーズ部門主演女優賞を受賞した。同賞ではアフリカ系女性としても史上2人目の受賞となった。また、放送局・動画配信サービス別ではNetflixが最多160ノミネーションを獲得していたが、Netflixにて配信中のカナダドラマ「シッツ・クリーク」がコメディシリーズ部門を総ナメにした。第72回エミー賞主な受賞結果【ドラマシリーズ部門】作品賞「サクセッション」(キング・オブ・メディア)主演男優賞ジェレミー・ストロング「サクセッション」(キング・オブ・メディア)主演女優賞ゼンデイヤ「ユーフォリア/EUPHORIA」助演男優賞ビリー・クラダップ「ザ・モーニングショー」助演女優賞ジュリア・ガーナー「オザークへようこそ」【コメディシリーズ部門】作品賞「シッツ・クリーク」主演男優賞ユージン・レヴィ「シッツ・クリーク」主演女優賞キャサリン・オハラ「シッツ・クリーク」助演男優賞ダニエル・レヴィ「シッツ・クリーク」助演女優賞アニー・マーフィー「シッツ・クリーク」【リミテッドシリーズ/テレビムービー部門】リミテッドシリーズ作品賞「ウォッチメン』主演男優賞マーク・ラファロ「ある家族の肖像/アイ・ノウ・ディス・マッチ・イズ・トゥルー」主演女優賞レジーナ・キング「ウォッチメン」助演男優賞ヤーヤ・アブドゥル=マーティン2世「ウォッチメン」助演女優賞ウゾ・アドゥーバ「Mrs.America」(原題)テレビムービー作品賞「バッド・エデュケーション」【コンペティション部門】作品賞「ル・ポールのドラァグレース」第72回エミー賞授賞式は、9月26日(土)23時~FOXチャンネルにて字幕版が独占放送。(text:Reiko Uehara)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2020年09月21日アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが、2024年の第96回アカデミー賞から適用する、作品賞についての新しい応募資格を発表した。「Academy Aperture 2025」と銘打った、多様性と包括性を推進する新基準に基づいたものだという。アカデミーの会長デヴィッド・ルービンとCEOのドーン・ハドソンの声明によれば、新基準は「私たちの業界において、長く続く促進剤となり、本質的な変化になるだろう」と自信を見せている。作品賞の応募資格は、大きく分けて4つ(基準A~D)あり、そのうち少なくとも2つをクリアしていなければならない。また、基準A~Dの中にも複数の条件があり、これらの1つないしは全てを網羅しなければならない。たとえば基準A「スクリーン上の表現、テーマ、物語」には、A.1からA.3までの条件があり、そのうち2つを満たしていることが必要だ。A.1は主演または重要な助演俳優の少なくとも1人がアジア人、黒人、ラテン系、その他少数民族であること。A.2は二番手または脇役の少なくとも30パーセントが、「女性、少数民族、LGBTQ+、障害者」の2つを占めていること。A.3はストーリー展開、テーマ、物語が「女性、少数民族、LGBTQ+、障害者」に沿った内容であること。その他、出演者だけでなく、スタッフや見習い生、インターンなどについても条件を明示し、全体的にまさに「多様性と包括性を推進する」内容となっている。(Hiromi Kaku)
2020年09月09日初監督作品としてサンダンス映画祭をはじめ59の賞を総なめし、第91回アカデミー賞&第71回エミー賞にWノミネート、さらにオバマ元大統領が2018年の年間ベストに選んだ傑作ドキュメンタリー『行き止まりの世界に生まれて』。監督をつとめたのは、現在のアメリカの象徴「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」育ちの中国系アメリカ人、ビン・リューだ。ビン・リュー監督は8歳になるまでに、中国からアラバマ州、カリフォルニア州と転々とし、働き口を見つけた母と共に移り住んだのが、本作の舞台でもあるイリノイ州ロックフォードだった。ロックフォードは、2013年の米紙「フォーブス」の発表した“全米最も惨めな都市ランキング20”で3位、2019年「ウォール・ストリート」が発表した“全米最も危険な都市ランキング25”で8位になるほどの治安の悪い地域。20世紀初めから70年代にかけて栄えていた鉄鋼や石炭、自動車などの産業がグローバル化が進み、金融やITにとって変わったことで衰退し、アメリカの繁栄から完全に見放された「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」に位置する街のひとつでもある。環境の不安定さはそこに住む人たちの心も蝕み、犯罪や暴力、薬物が日常的に横行する場所でもある。この場所で、ビン監督の母は暴力を振るう男と結婚し、彼もまた義父から言われのない暴力を受けることになった。やがてビン監督はスケートを始めたことで、滑る場所、仲間が彼にとっての拠り所で家族となり、そしてスケートでつけた傷の痛みが 彼自身をコントロールする術となっていった。劇中に登場するキアーや、ザックもそれぞれに問題を抱えた家庭で暮らしていたことで、同じように自然と仲間となった。ビン監督はインタビューで「自分には他の人と比べてスケボーの才能がなかった」と語っている。その代わりに、仲間の姿を撮りためた大量のスケートビデオがきっかけで映像に興味を持つようになり、19歳の時にシカゴに引っ越し、フリーランスの撮影助手として活動。23歳で国際映画撮影監督組合に入り、ジョン・トール、マシュー・リバティーク、ウォーリー・フィスターなどの巨匠撮影監督のもとで劇映画やテレビシリーズの撮影部で働くことになった。初監督作の題材として、昔のビデオの中に映るキアーやザックの父親との確執にテーマをおくことにしたビン。さらに、撮った映像を見返し編集する過程で、2人の姿に自身の義父との関係と同じものを見つけた彼は、友人2人に焦点をおきながらも自身も映画の中に登場させることを思いついた。こうしたビン監督の活動に数々の若手ドキュメンタリー作家を輩出するカルテムキン・フィルムが協力し、何度も編集を重ねて本作が完成したのだ。今作は当時28歳の若手ドキュメンタリー作家の初監督作として脚光を浴び、さらに類い稀なポテンシャルで第91回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ノミネートを果たした。アカデミー賞受賞式の日、ビン監督と、キアー、ザックはタキシードに身を包み再会。心が壊れそうな経験をしながらも、自身の過去や仲間の苦しみと向き合い、それを世界が唸る傑作として発表したのが本作、ということになる。『行き止まりの世界に生まれて』は9月4日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:行き止まりの世界に生まれて 2020年9月4日 新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開© 2018 Minding the Gap LLC. All Rights Reserved.
2020年08月16日今年のエミー賞授賞式は、新型コロナウイルスの影響により、「バーチャル開催」されることが決定したという。司会も兼任するジミー・キンメルを含むプロデューサーたちが候補者に送付した手紙によって明らかになった。「予想していたとは思うのですが、9月20日はロサンゼルスのマイクロシアターに来てくださいとはお願いしません。今年の授賞式はそれでもテレビ界最大のイベントにしたいのです。だから、私たちがあなたのもとに伺います!」と書かれている。技術者、プロデューサー、ライターによって構成されたプロチームが候補者たちの家、もしくは候補者たちが希望する場所で撮影するのだという。今年は「このような時世なので、候補者たちだけでなく自宅で鑑賞する視聴者たちにとっても、もっとリラックスできて、おもしろくて、楽しめる時間を作り出したい」といい、「記憶に残る夜を保証します」と意気込み十分な様子。いつもはタキシードやきらびやかなドレスで目を楽しませてくれるセレブたちだが、今年はドレスコードにも変化が。「フォーマルな装いがよければ、ぜひどうぞ。でも、もしあなたがいるところが午前3時のイギリスなら、ブランドのパジャマを着てベッドで撮影をしたいかもしれませんね!」と自由度の高いドレスコードを認めている。従来とは全く異なるエミー賞が見られそうだ。(Hiromi Kaku)
2020年07月30日第72回エミー賞(R)のノミネート作品が、現地時間7月28日に発表された。この度、スターチャンネルが放送・配信を手掛ける作品が、計72ノミネートを獲得した。放送チャンネルにおいては、一昨年、昨年に続き、今年もスターチャンネルが日本国内最多ノミネートを獲得したことになる。作品別では、スーパーヒーローが実在する世界線を描くSFドラマ『ウォッチメン』が本シーズンで完結するリミテッドシリーズながら本年度最多の計26ノミネートを達成したのをはじめ、Amazon Prime Videoチャンネル 「スターチャンネルEX-DRAMA & CLASSICS-」(以下「スターチャンネルEX」)で昨日28日(火)より配信開始されたばかりの注目TVシリーズ『アイ・ノウ・ディス・マッチ・イズ・トゥルー』が、リミテッド・シリーズ ドラマ部門の主演男優賞(マーク・ラファロ)にノミネート。さらに、現在スターチャンネルEXにて配信中の『キング・オブ・メディア2』も、昨年に続き大健闘の計18ノミネート。主演男優賞では、メディア王である父親ローガン・ロイ役のブライアン・コックスと、その息子ケンダル・ロイ役のジェレミー・ストロングが“親子ノミネート”を果たした。同じくスターチャンネルEXにて配信中の大人気シリーズ最新シーズン『ウエストワールド シーズン3』は助演男優賞(ジェフリー・ライト)、助演女優賞(タンディ・ニュートン)をはじめ計11ノミネート。なお『ウエストワールド シーズン3』の吹替版は9月にスターチャンネルEXおよびBS10 スターチャンネルで放送予定。来月8日からスターチャンネルEXで独占配信の始まるHBO®初のリアリティーショー『WE‘RE HERE ~クイーンが街にやって来る!~』は今年初登場にして作品賞にノミネート。また、実際の巨額横領事件の全貌を描き、ヒュー・ジャックマンが主演を務めて話題となったHBO FILMS®『バッド・エデュケーション(2019)』は主演男優賞など計2ノミネート。昨年スターチャンネルが独占日本初放送を実施、ドラッグやセックス、バイオレンスなどに溺れるティーンネイジャーがソーシャルメディア社会で生きる姿を描く『ユーフォリア/EUPHORIA』は計6ノミネート。主演女優賞のゼンデイヤは本作で“エミー賞”初ノミネートを果たした。同じく昨年の放送作品でニコール・キッドマンとリース・ウィザースプーン製作総指揮W主演による大人気ミステリードラマの続編『ビッグ・リトル・ライズ2』は、大物女優が居並ぶ中でも“怪演”で大きな話題を呼んだメリル・ストリープとローラ・ダーンが揃って助演女優賞にノミネートされるなど、計5つのノミネートを獲得している。このほか、昨年劇場公開されたSTAR CHANNEL MOVIES作品『アポロ11 完全版』(配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES)が、ノンフィクション部門において監督賞をはじめ計5ノミネートを得た。今回のノミネート作品のうち『キング・オブ・メディア』『ウエストワールド』『ユーフォリア/EUPHORIA』『アウトサイダー』の4作は、8月2日(日)に「BS10スターチャンネル」にてそれぞれシーズン1の第一話が《無料》一挙放送される。そして、この度のノミネートにあわせ、『アイ・ノウ・ディス・マッチ・イズ・トゥルー』の主演男優賞にノミネートされたマーク・ラファロと、監督デレク・シアンフランスのインタビュー映像も公開された。
2020年07月29日第72回エミー賞のノミネーションが発表された。放送局・動画配信サービス別の結果としては「Netflix」が最多160ノミネーションを獲得し、首位に立った。この数字はエミー賞史上、最多。昨年は「HBO」が137でトップだったが、今年は107ノミネーションで「Netflix」に大きく差を付けられ2位に沈んだ。動画配信サービスに参入して間もない「Disney+」は19、「Apple TV+」は18、コンテンツは全て10分未満の短編であるというユニークな試みを行う「Quibi」も10ノミネーションと健闘。番組別では「ウォッチメン」(26)、「マーベラス・ミセス・メイゼル」(20)、「オザークへようこそ」(18)、「キング・オブ・メディア」(18)、「マンダロリアン」(15)、「シッツ・クリーク」(15)、「サタデー・ナイト・ライブ」(15)、「ザ・クラウン」(13)が上位に。ここ数年、賞レースで必ず話題に上る「俳優部門の候補者が白人ばかり」という問題も、エミー賞では解消されつつあるようだ。「Variety」誌によると、今年のエミー賞の演技部門では黒人の候補者は102人中35人で、34.3パーセントを占めているという。例としては主演男優賞(ドラマ)のスターリング・K・ブラウン(「THIS IS US」)やビリー・ポーター(「POSE/ポーズ」)ら常連や、エミー賞ノミネートが初となる主演女優賞(ドラマ)のゼンデイヤ(「ユーフォリア/EUPHORIA」)など。第72回エミー賞は9月20日(現地時間)に放送予定。司会はジミー・キンメルが務める。(Hiromi Kaku)
2020年07月29日テレビ界のエミー賞(Emmy)、音楽界のグラミー賞(Grammy)、映画界のオスカー(Oscar)、演劇界のトニー賞(Tony)。世界で権威のあるこれら4つの賞を制覇した人物は、それぞれの頭文字を取って「EGOT」と呼ばれている。これまで「EGOT」を達成したのは、オードリー・ヘプバーン、ウーピー・ゴールドバーグ、ジョン・レジェンドら15人だったが、日曜日(現地時間)、『リトル・マーメイド』や『美女と野獣』『アラジン』の作曲家アラン・メンケンが16人目として仲間入りを果たした。デイタイム・エミー賞の「子ども向け番組、ライフスタイル番組、アニメ番組」部門の受賞者が発表され、メンケンが「ラプンツェル ザ・シリーズ」の「Waiting in the Wings」でオリジナル歌曲賞を受賞したのだ。すでにオスカーは8回、グラミー賞は11回の受賞歴があったメンケンは、2012年にトニー賞を受賞し、残すはエミー賞だけに。(30年以上前にエミー賞で名誉賞を受賞したことがあるが、これは対象とされていない)。2013年、2016年にノミネートされるも受賞とはならず、王手をかけてから8年越しで今回ついに「EGOT」を達成した。メンケンもツイッターで「『ラプンツェル・ザ・シリーズ』に携わってくれたすべての人を誇りに思います。私としてはついにEGOTのステータスを手に入れることができました。(実は、エミー賞は80年代にハワード・アッシュマンと名誉賞をもらったことがあるけど)なんと言えばいいのかな。光栄に思うし、うれしいし、恐れ多いです」と喜びをシェアしている。(Hiromi Kaku)■関連作品:美女と野獣 2014年11月1日よりTOHOシネマズスカラ座ほか全国にて公開© 2014 ESKWAD - PATHE PRODUCTION - TF1 FILMS PRODUCTIONACHTE / NEUNTE / ZWOLFTE / ACHTZEHNTE BABELSBERG FILM GMBH - 120 FILMSアラジン(2019) 2019年6月7日より全国にて公開© 2018 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
2020年07月28日第72回を迎える米テレビ界最高峰の栄誉「エミー賞」授賞式の模様を、海外ドラマ・エンターテインメント専門チャンネル「FOXチャンネル」にて日本独占放送。ノミネート作品は現地時間7月28日(火)にアメリカで発表される。エミー賞とは、米国テレビ芸術科学アカデミー主催で毎年アメリカのテレビ業界で功績を残した番組に与えられる賞。米テレビ界最高峰の栄誉とも称され、アワードの行方には毎年世界中から大きな注目が集まっている。昨年の第71回エミー賞では、「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章がドラマシリーズ部門作品賞を受賞するなど有終の美を飾り、「Fleabag フリーバッグ」がコメディシリーズ部門作品賞や主演女優賞、「チェルノブイリ」がリミテッドシリーズ作品賞を受賞。さらに、FOXチャンネルでお馴染みの「POSE」シーズン2からビリー・ポーターがオープンリー・ゲイの俳優として初めて主演男優賞(ドラマシリーズ部門)を受賞し、大きな話題となった。授賞式では名スピーチや、豪華ゲストが合間に行う圧巻のパフォーマンや受賞者のファッションなど、エンターテインメント要素が満載なのもエミー賞の魅力のひとつ。本年の司会を務めるのは、米「ABC」で最も長く続いている深夜のトークショー「ジミー・キンメル・ライブ」のホスト兼エグゼクティブプロデューサーであるジミー・キンメル。2012年、2016年に次いで今回は自身3度目、コロナ禍のテレビ業界をどんな切り口で語るのか名司会者の手腕にも注目が集まる。なお、9月の授賞式に先駆け、シーズン1が第64回エミー賞のドラマシリーズ部門作品賞、主演女優賞、主演男優賞、脚本賞などを総なめにして以来、ノミネート常連作品となっている「HOMELAND/ホームランド シーズン7」と「HOMELAND/ホームランド シーズン8」を4週連続で一挙放送。テロの脅威と戦い続ける元CIA局員キャリー(クレア・デインズ)の姿を描いた本格社会派ドラマで、現代のアメリカと国際社会にはびこる根深い問題を掘り下げる衝撃作だ。「第72回エミー賞 授賞式」は9月26日(土)23時~ほか(字幕版)FOXチャンネルにて日本独占放送。「HOMELAND/ホームランド」シーズン7、シーズン8は8月23日(日)より毎週日曜12時~FOXチャンネル「FOXイッキ見サンデーDX」にて4週連続一挙放送。(text:cinemacafe.net)■関連作品:HOMELAND/ホームランド [海外TVドラマ]
2020年07月28日第91回アカデミー賞と第71回エミー賞をWノミネート、ロッテン・トマトでは100%Freshを獲得し話題となった『行き止まりの世界に生まれて』。この度、本作の予告編が公開された。本作は、かつて栄えていた鉄鋼や石炭、自動車などの産業が衰退し、いまやアメリカの繁栄から完全に見放された「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」に位置するロックフォードが舞台。2016年の大統領選では、“夢を失った”ラストベルトの人々による投票がトランプ大統領誕生に大きな影響を与えた。ビン・リュー監督は、10代の頃から撮りためたスケートビデオと共に、閉塞感のある故郷で必死にもがく若者3人の12年間を通して、親子、男女、貧困、人種…様々な分断を見つめ、“トランプのアメリカ”の知られざる現実をも映し出す。到着した予告編では、幼い頃、仲間たちとスケートビデオを撮っていたリュー監督が「テイク・ワン」と笑顔を見せるシーンからスタート。そして、カメラ越しにキアーにビンが「親から暴力を受けたことは?」と問いかけるところから予告は一変。彼らが住む町は繁栄から見放された場所であること、それぞれに家族との不和や暴力、貧困が常に隣り合わせにあることなど、彼らの置かれた過酷な状況が少しずつ浮き彫りになっていく様子が伺える。『行き止まりの世界に生まれて』は9月4日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2020年06月22日今年のプライムタイム・エミー授賞式に、コメディアンのジミー・キンメルが決まった。2年連続でホストなしだったオスカーに続き、エミーも昨年はホストを雇わないで行ったが、今年は逆戻りとなった。キンメルは、オスカーのホストとしても評判が良かったが、オスカーにはもう戻りたくないと語っている。エミーのホストに復帰するにあたっては、エグゼクティブ・プロデューサーの肩書きも得た。新型コロナで先が見えない中、授賞式をどのような形で行うのかを決めていく上でも、彼は強い発言権を持つことになる。エミー賞の中継は、4つのメジャー局が毎年交代で行うのがきまりで、今年はキンメルが深夜トーク番組をもつABCの番(オスカーは毎年ABC)。ホストなしの昨年はFOXが中継した。文=猿渡由紀
2020年06月17日第91回アカデミー賞&第71回エミー賞にWノミネートという快挙を果たし、サンダンス映画祭をはじめ59の賞を総なめ、さらにオバマ元大統領が年間ベスト(2018年)にも選んだ傑作ドキュメンタリー『Minding the Gap』の邦題が『行き止まりの世界に生まれて』に決定、9月4日(金)より公開される。アメリカ、ラストベルト=錆びついた工業地帯の3人の若者たち「全米で最も惨めな町」イリノイ州ロックフォードに暮らすキアー、ザック、ビンの3人は貧しく暴力的な家庭から逃れるようにスケートボードにのめり込んでいた。スケート仲間は彼らにとっての唯一の居場所で、もう1つの家族。そんな彼らも大人になるにつれ、様々な現実に直面し段々と道を違えていく。カメラは、明るく見える彼らの暗い過去、葛藤を抱える彼らの思わぬ一面を露わにしていく――。何度も心が張り裂けそうになる。それでも、彼らの笑顔に未来は変えられると願わずにいられない。痛みと希望を伴ったエモーショナルな傑作ドキュメンタリーが誕生した。本作の舞台ロックフォードはかつて栄えていた鉄鋼や石炭、自動車などの産業が衰退し、いまやアメリカの繁栄から完全に見放された「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」に位置する。2016年の大統領選では、“夢を失った”ラストベルトの人々による投票がトランプ大統領誕生に大きな影響を与えた。ビン・リュー監督は、10代の頃から撮りためたスケートビデオと共に、閉塞感のある故郷で必死にもがく若者3人の12年間を通して、親子、男女、貧困、人種...様々な分断を見つめ、“トランプのアメリカ”の知られざる現実をも映し出す。「21世紀アメリカの豊かな考察」(ニューヨーク・タイムズ)、「ドキュメンタリーの新時代」(WIRED)とも評され、初監督作品にして第91回アカデミー賞&第71回エミー賞にWノミネート、サンダンス映画祭をはじめ59の賞を受賞、「ロッテントマト」100%フレッシュと全米の批評家・観客が絶賛。さらにオバマ元大統領が「感動的で、示唆に富む。ただただ惚れ込んだ」と年間ベストにも選出した。この度解禁されたポスタービジュアルには、コンクリートの道路の上をスケートボードで日の光を目指すかのように前へと進む3人の姿。メインコピーは「傷だらけのぼくらが見つけた明日――」と、彼らが未来へ向かって進むことへの微かな希望が託されたものとなっている。現在、反人種差別デモで揺れるアメリカだが、11月に控える大統領選の鍵を握るラストベルトは改めて注目を集め、本作の主人公たちの等身大の物語を通して、未来のアメリカが見えてくるだろう。『行き止まりの世界に生まれて』は9月4日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2020年06月16日エミー賞を主催する「テレビジョン・アカデミー」が、2021年3月から適用される新しいルールを発表した。先月末に「映画芸術科学アカデミー」がアカデミー賞のルールを変更したことが大きく影響した模様。今年は新型コロナウイルスの影響でほぼ全ての映画館が営業中止になったため、「映画芸術科学アカデミー」は、アカデミー賞のノミネート資格を得るための条件「ロサンゼルス郡で7日間以上上映しなければならない」というルールを一時的に廃止。劇場公開日を設定していた作品なら、デジタル配信のみでの公開でも可能と決定した。「テレビジョン・アカデミー」は声明文の中で、「映画芸術科学アカデミー」が発表したこのルール変更を支持すると表明した上で、「アカデミー賞にノミネートされた作品は、エミー賞では選考対象外とする」というエミー賞側のルール変更も明らかにした。ここ数年、特にドキュメンタリー作品の「映画」と「テレビ」の境界線があいまいとなっており、アカデミー賞とエミー賞のどちらにもノミネートされたり、受賞するという作品が増えている。昨年は「ナショナルジオグラフィック」の長編ドキュメンタリー映画『フリーソロ』がアカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を獲得し、エミー賞でも7部門受賞を果たした。(Hiromi Kaku)
2020年05月08日エミー賞受賞「HOMELAND/ホームランド」のエグゼクティブ・プロデューサーのもと、日本から山下智久がメインキャストのひとりとして出演するHuluオリジナルドラマ「THE HEAD」。この配信を記念し、グローバルに活躍の場を広げている山下さんの“原点”ともいえる紀行ドキュメント番組「山下智久・ルート66~たった一人のアメリカ」が、Huluで初配信されることになった。世界を見据えた山下智久のルーツ!26歳、初体験だらけの旅2011年11月、自ら車を運転し、シカゴとロサンゼルスを結ぶ約3,800kmの旧国道「ルート66」を走りながら、アメリカ大陸を横断するひとり旅に挑んだ当時26歳の山下さん。その記録を全12回にわたって放送したのが「山下智久・ルート66~たった一人のアメリカ」。どこへ行っても英語オンリーのコミュニケーション、次々と起こる想定外のトラブル、現地の人々とのかけがえのない出会いーー。ドラマ以外では初めてのレギュラー番組となった本番組で、山下さんはさまざまな初体験をしながら視野を広げていくことに!今回、日本人キャストは彼のみ、全編英語のセリフ、オール海外ロケというチャレンジングな条件がそろったドラマ「THE HEAD」でも発揮された“グローバルな視点とコミュニケーション能力、何があっても投げ出さない精神力”は、この旅で培われたと言っても過言ではないだろう。世界へ羽ばたく準備を進めている過程の山下さん。「THE HEAD」の現場でも愛された山下さんの人柄がしのばれる、リリー・フランキーとのスタジオトークも併せて必見。「野ブタ」に続き、過去のヒットドラマがHuluに続々登場!さらにHuluでは、山下さんが出演した2017年放送の連続ドラマ「ボク、運命の人です。」(全10話)の配信もスタート。自称「神」を名乗る謎の男(山下さん)のアドバイスを受け、運命の恋を信じた男・誠(亀梨和也)が、運命なんて信じない晴子(木村文乃)に猛アタックするラブコメディ。初のオリジナルアルバム「SI」のリリースなど、大プロジェクトを今年控える亀梨さんとのスペシャルユニット「亀と山P」が主題歌を担当したことでも、話題となった。そんな2人の息の合った芝居はもちろん、コミカルなだけでなく心温まる物語が印象的な本作。いま、前向きなパワーを求めている人たちにもオススメの1本。なお、Huluでは2005年に亀梨と山下が主演を務めた大ヒットドラマ「野ブタ。をプロデュース」(全10話)も現在3話まで配信中。高校生の修二(亀梨さん)と彰(山下さん)が、イジメられっ子の“野ブタ”こと信子(堀北真希)を、クラスの人気者へとプロデュースしていく青春シンデレラ・ストーリーは大人気を博し、亀梨さんと山下さんが「修二と彰」名義でリリースした主題歌「青春アミーゴ」もミリオンセラーに。日本テレビ系で放送された「特別編」も世間を騒がせるなど、いまなお色褪せぬ名作学園ドラマだ。「山下智久・ルート66~たった一人のアメリカ」は4月29日(水・祝)よりHuluにて配信(全12回)※7月31日まで(text:cinemacafe.net)
2020年04月28日