松尾スズキがシアターコクーン芸術監督に就任して初となる新作ミュージカル「フリムンシスターズ」が10月24日ついにBunkamuraシアターコクーンにて初日がスタートし、その際の舞台写真が到着した。11月23日(月・祝)まで東京公演が行われたあと、11月28日(土)からはオリックス劇場にて大阪公演がスタートする本作。出演者は、シアターコクーン初登場となる長澤まさみをはじめ、秋山菜津子、皆川猿時、栗原類、オクイシュージ、村杉蝉之介、池津祥子、猫背椿、笠松はる、片岡正二郎、阿部サダヲら個性豊かなキャストが揃い、美しくも混沌とした松尾さんならではの世界へ誘う。10月24日の初日、まず舞台には派手に着飾ったドラァグクイーン姿の皆川さんが登場。そこは、彼女が建てた新宿2丁目の上空に浮かぶ劇場「テアトル・ド・モモ」――。皆川さん演じる信長がストーリーテラー的な立場となり、今回の物語は幕を開ける。そして舞台装置が動き、西新宿の小さなコンビニで働くちひろの部屋、薄汚れた狭いアパートの一室が登場。ちひろは無気力で猫背、住み込みでなぜか無給、そして時々店長と寝る毎日を過ごしている。舞台上には巨大な白い円錐形状の身体を持つバスタオルおじさんが立ち尽くし、ボートに乗った黒人が通り過ぎたりするが、これは彼女にしか見えない存在だ。さらに西新宿の少し離れた別の場所にいたのは、かつての大女優みつ子と、その同志として彼女をサポートする親友のオカマのヒデヨシ。自分の車で妹をはね、その後別れた夫に娘の親権を取られて心を病んでしまったみつ子がヒデヨシと共に偶然、ちひろが店番中のコンビニを訪れたことで3人は出会い、その運命を共にすることとなる。ちひろを演じるのは長澤さん。前半の無気力ぶりから、大ファンのみつ子に出会い生気を取り戻していくギャップが激しく、そのコントラストに観客は魅了された。みつ子役の秋山さんは、笑いを差し込んでいく間が絶妙。ヒデヨシ役の阿部さんは、キャラクターが持つチャーミングさはもちろんのこと、歌の表現力の豊かさからも客席の空気を力強く動かしていた。松尾さんは、このコロナ禍の影響で時間が生まれて歌詞を書くことが出来たからこそ、当初の音楽劇の予定が“新作ミュージカル”となったと語っており、曲数は20曲以上と多く、インパクトのある言葉もたくさん耳に残る。また二幕は、予想が何度も何度もいい意味で裏切られ、そのワクワクはエンディングまでずっと転がり続ける。本作はファンタジーでありながら、マジックリアリズムでもあり、ハードボイルドのようでもありながら、しかしやはり喜劇なのだ。COCOON PRODUCTION 2020「フリムンシスターズ」東京公演は~11月23日(月・祝)Bunkamuraシアターコクーンにて上演中、大阪公演は11月28日(土)~12月6日(日)オリックス劇場にて上演。(cinemacafe.net)
2020年10月26日10月24日〜11月23日(月・祝)Bunkamura シアターコクーンにて上演される、COCOON PRODUCTION 2020『フリムンシスターズ』が初日を迎えた(大阪公演:11月28日(土)〜12月6日(日)オリックス劇場)。本作は2000年のミュージカル『キレイ -神様と待ち合わせした女-』でシアターコクーンに登場をして以降、シアターコクーンで人間の弱く繊細な部分をむき出しに描いた作品をコンスタントに発表してきた松尾スズキが、シアターコクーン芸術監督に就任後初の書下ろしとなる新作ミュージカル。シアターコクーンに初登場となる長澤まさみをはじめ、秋山菜津子、皆川猿時、栗原類、オクイシュージに、村杉蝉之介、 池津祥子、猫背椿、笠松はる、片岡正二郎、そして大人計画の看板俳優・阿部サダヲなど個性豊かなキャストが出演する。記念すべき初日の舞台には、暗転と同時に銅鑼の音が響き、ドラッグクイーン姿の皆川が登場。皆川演じる信長が語り部となって物語はスタートする。舞台装置が動き、奥から西新宿の小さなコンビニで働くちひろの薄汚れた狭いアバートの一室が現れる。ちひろは無気力で猫背、なぜか無休で働き、時々店長と寝る毎日を過ごしているという不思議な女性。舞台上には、巨大な白い円錐形状の身体を持つ“バスタオルおじさん”が立ち尽くし、ボートに乗った“黒人”が通り過ぎたりするが、どうやら彼らはちひろにしか見えない存在のよう。彼女は沖縄のユタ=霊能力者の血が流れており、特殊能力の持ち主なのだ。さらに、西新宿の少し離れた別の場所には、かつて自分の車で妹をはね、その後別れた夫に娘の親権を取られて心を病んでしまった元・大女優のみつ子と、彼女を“同志”としてサボートするオカマの親友、ヒデヨシがいた。ふたりはある日偶然、コンビニで店番中のちひろと出会い、その運命を共にすることになる。ちひろを演じる長澤は前半、生きているのか死んでいるのかわからないくらいの無気力ぶりを見せるが、みつ子に出会ってからは徐々に生気を取り戻していく。その影と輝きのコントラストが観客を魅了するのだ。みつ子を演じるのは、秋山。大女優としての存在感はあるが、間に差し込まれる笑いが松尾作品ならでは。また、ヒデヨシというチャーミングな役柄を阿部が表現豊かに動かし、物語を彩っていく。さらに、ちひろをストーカーのように見つめる奇妙な少年・ジョージを演じた栗原の不思議な存在感、語り部だけではなく別の役でも印象的だった皆川、バスタオルおじさんや英国人演出家役の村杉、劇団員平目川や謎の韓国人ソヨン役の池津、コンビニ店長の妻どてみ役の猫背といった大人計画劇団員たちも強烈な個性を放っていた。曲数は20曲以上と多く、登場人物のバックボーンが歌詞で綴られる。今回音楽を担当した渡邊崇や、振付を手がけた井手茂太は、どちらも松尾演出の舞台作品に参加するのはこれが初めて。それ故にこれまでの松尾作品とは少し色合いが変わっている。音楽には沖縄音階を取り入れられており、音の組み合わせや重なり具合が面白さを生み出していた。本作は悲しみややるせなさを感じる一方で、どこか幸福感やワクワクがエンディングまで続く。最後には喜劇として着地し、希望の光がふと胸に灯る『フリムンシスターズ』。『キレイ -神様と待ち合わせした女-』と同様、名作となるであろう本作をぜひ劇場で見届けてほしい。【公演詳細】COCOON PRODUCTION 2020『フリムンシスターズ』東京公演:10月24日(土)〜11月23日(月・祝)Bunkamura シアターコクーン大阪公演:11月28日(土)〜12月6日(日)オリックス劇場ライブ配信日:11月12日(木)17:45 OPEN/18:30 START※20分間途中休憩あり配信メディア」SPWN(スポーン)/WOWOWメンバーズオンデマンド上演時間:計3時間30分<1幕1時間35分/2幕1時間35分(途中休憩20分)>公式 HP:
2020年10月26日10月24日(土)よりBunkamuraシアターコクーンにて上演が決定している、COCOON PRODUCTION 2020『フリムンシスターズ』。この度、SPWN(スポーン)とWOWOWメンバーズオンデマンドにて、本舞台の一夜限りのライブ配信が決定した。本舞台は、2000年のミュージカル『キレイ-神様と待ち合わせした女-』でシアターコクーンに衝撃的な登場をして以来、シアターコクーンの空間を存分に遊び尽くしながら、人間の弱く繊細な部分を剥き出しに描く作品をコンスタントに発表してきた松尾スズキが、シアターコクーンでは4年半ぶり、シアターコクーン芸術監督に就任後初の書下ろしとなる新作ミュージカル。松尾がミュージカルを書き下ろすのは、『キレイ-神様と待ち合わせした女-』以来、実に20年ぶりとなる。出演は長澤まさみ、秋山菜津子はじめ、皆川猿時、栗原類、オクイシュージに、村杉蝉之介、池津祥子、猫背椿、笠松はる、片岡正二郎、そして阿部サダヲなど個性豊かなキャストが揃い、美しくも混沌とした松尾ならではの世界へ、観客を誘う。東京・西新宿のコンビニでバイトをしながら無気力に暮らす女、彼女が昔から憧れていたかつての大女優、自称「2億円のオカマ」のゲイ、自殺願望を持つ青年、さらには足の不自由な女優の妹、謎のバスタオルおじさんなど“狂った人間=フリムン” が次々と登場し、過去や現在の様々な出来事が連鎖していく。一夜限りのライブ配信は、11月12日(木)18:30の回にてSPWN(スポーン)とWOWOWメンバーズオンデマンドで行われる。ライブ配信終了後もアーカイブ配信での視聴が可能。開幕前から話題を集める本作を、自宅で気軽に楽しむことができる。COCOON PRODUCTION 2020『フリムンシスターズ』11月12日(木)18:30SPWN(スポーン)、WOWOWメンバーズオンデマンドにて配信
2020年09月17日この秋、上演予定の松尾スズキ作・演出舞台「フリムンシスターズ」より、米山舞の描き下ろしイラストによるメインビジュアルと、全キャストが発表された。本作は、松尾さんのシアターコクーンでは4年半ぶり、シアターコクーン芸術監督に就任後初の書き下ろしとなる作品。故郷・沖縄での忌まわしい過去を記憶から消し去り、東京の西新宿で暮らす女、そこで出会う絶不調のミュージカル女優、女優の親友のゲイ、自殺願望を持つ青年、さらには足の不自由な女優の妹、謎のバスタオルおじさん、激しめのオカマなど、“狂った人間=フリムン”が次々と登場し、歌って踊る傑作エンターテインメント。出演には、シアターコクーン初登場となる長澤まさみ、『108~海馬五郎の復讐と冒険~』で主人公の友人役を演じた秋山菜津子。2人は2017年に松尾さんが上演台本・演出を務めた「キャバレー」以来の共演で、女同士の友情物語を体現する。また、大人計画の看板俳優・阿部サダヲがこの物語に奥行きを与える。「また松尾さん独特の世界観を味わえると思うと、嬉しさが込み上げてきます」と期待する長澤さんは、「尊敬する先輩方に囲まれてきっと幸せな時間になるんだろうなと、お稽古が楽しみです。シアターコクーンは初めての劇場ですが、舞台観劇で度々訪れている馴染みのあるところなので伸び伸びとやれたらと思います」と意気込む。秋山さんは「今回演じる役は、以前、松尾さんが監督された映画に出演させていただいたときに演じた役柄に通ずるところもあるようで、楽しみです。そこにどのくらいミュージカルの要素が絡んでくるんでしょうね。まずは台本を読むこと、そして稽古場でみなさんに直接会ってお稽古することが今から楽しみで仕方ありません」とワクワクしている様子。そして阿部さんは「まず、久しぶりにお客さんの前に立てることが、本当に嬉しいです!そして僕にとっては2016年『ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン』以来の新作!長澤まさみさんと秋山菜津子さんと僕の3人の女の友情物語ですって…女の!?…楽しみです!」とコメントしている。3人のほかにも、皆川猿時、栗原類、オクイシュージら、松尾作品常連キャストに加え、村杉蝉之介、池津祥子、猫背椿、笠松はる、篠原悠伸、山口航太、羽田夜市、笹岡征矢、香月彩里、丹羽麻由美、河合優実、片岡正二郎と総勢18名の個性豊かなメンバーで贈る。作・演出を手掛ける松尾さんは「実は、女同士の友情を描いた話が昔から好きで。それで今回は長澤さんと秋山さんとのバディものにしようと思いついたんです」と今回の物語のきっかけを明かし、「でも二人組だけでは淋しい気がして、阿部のオネエと女優の秋山さんとそのファンの長澤さんという三人組の物語になりました。当初の予定では“音楽劇”を作るはずが、自粛期間にあまりにも時間があったもので歌詞や構成を考える時間がたっぷりあったことから“ミュージカル”としての新作、ということになりました(笑)」と変化していったと話している。なお、本公演のチケットは、東京公演が9月19日(土)、大阪公演が10月11日(日)より発売スタートする。また、本舞台開幕直前の10月上旬、シアターコクーンの過去の名作を映像で楽しむ「COCOON Movie!!」がスタート。コクーンの舞台上に巨大スクリーンを吊り、人気作を一挙上映。その第1弾として、<芸術監督名作選>と題し、歴代芸術監督の作品群から音楽要素にあふれた刺激的な作品がラインアップされている。COCOON PRODUCTION 2020「フリムンシスターズ」は10月24日(土)~11月23日(月・祝)Bunkamuraシアターコクーンにて、11月28日(土)~12月6日(日)オリックス劇場にて上演。「COCOON Movie!! 芸術監督名作選」は10月6日(火)~11日(日)開催。(cinemacafe.net)
2020年07月17日10月24日(土)よりBunkamuraシアターコクーンにて上演が決定しているCOCOON PRODUCTION 2020『フリムンシスターズ』のメインビジュアルと、作・演出の松尾スズキ、出演の長澤まさみ、秋山菜津子、阿部サダヲのコメントが公開された。2000年のミュージカル『キレイー神様と待ち合わせした女ー』で登場をして以来、シアターコクーンの空間で、人間の弱く繊細な部分を剥き出しに描く作品を演出してきた松尾スズキ。本作『フリムンシスターズ』はシアターコクーンでは4年半ぶり、シアターコクーン芸術監督に就任後初の書下ろしとなる。物語の主人公は、故郷・沖縄での忌まわしい過去を記憶から消し去り東京の西新宿で暮らす女。彼女はそこで、絶不調のミュージカル女優、女優の親友のゲイ、自殺願望を持つ青年、さらには足の不自由な女優の妹、謎のバスタオルおじさん、激しめのオカマなど“狂った人間=フリムン” と出会う。そんな個性豊かなキャラクターを演じる全キャストが公開された。まずは『キングダム』や『MOTHER マザー』など、新たな境地に挑み続ける長澤まさみ。今年女優デビュー20周年を迎える彼女が満を持してシアターコクーンに初登場する。そして、松尾スズキが監督・脚本・主演を務めた映画『108~海馬五郎の復讐と冒険~』で主人公の友人役として存在感を放った秋山菜津子。2017年松尾が上演台本・演出を務めた『キャバレー』以来の共演を果たす2人が女同士の友情物語を体現する。また、大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』の主演をはじめ、多くの話題作に出演する大人計画の看板俳優・阿部サダヲ。同じく大人計画の俳優で、大河ドラマ『いだてん』や『あなたの番です』などに出演する皆川猿時、近年舞台でも精力的に活躍する栗原類、オクイシュージなど、松尾作品の常連ともいえる豪華俳優陣に加え、村杉蝉之介、池津祥子、猫背椿、笠松はる、篠原悠伸、山口航太、羽田夜市、笹岡征矢、香月彩里、丹羽麻由美、河合優実、片岡正二郎、と総勢18名の個性豊かなキャストが集結し、松尾スズキが演出する世界観を彩る。●作・演出:松尾スズキ コメント実は、女同士の友情を描いた話が昔から好きで。それで今回は長澤さんと秋山さんとのバディものにしようと思いついたんです。でも二人組だけでは淋しい気がして、阿部のオネエと女優の秋山さんとそのファンの長澤さんという三人組の物語になりました。当初の予定では“音楽劇”を作るはずが、自粛期間にあまりにも時間があったもので歌詞や構成を考える時間がたっぷりあったことから“ミュージカル”としての新作、ということになりました(笑)。●長澤まさみ コメントまた松尾さん独特の世界観を味わえると思うと、嬉しさが込み上げてきます。しかも今回は、友情の物語になるそうで、それも楽しみです。尊敬する先輩方に囲まれてきっと幸せな時間になるんだろうなと、お稽古が楽しみです。シアターコクーンは初めての劇場ですが、舞台観劇で度々訪れている馴染みのあるところなので伸び伸びとやれたらと思います。●秋山菜津子 コメント松尾さんの新作の舞台に出るのは久しぶりですし、しかもシアターコクーンの芸術監督になってから初の新作ということですし、大変光栄で有難いです。今回演じる役は、以前、松尾さんが監督された映画に出演させていただいたときに演じた役柄に通ずるところもあるようで、楽しみです。そこにどのくらいミュージカルの要素が絡んでくるんでしょうね。まずは台本を読むこと、そして稽古場でみなさんに直接会ってお稽古することが今から楽しみで仕方ありません。●阿部サダヲ コメントまず、久しぶりにお客さんの前に立てることが、本当に嬉しいです!そして僕にとっては2016年『ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン』以来の新作!長澤まさみさんと秋山菜津子さんと僕の3人の女の友情物語ですって…女の!?…楽しみです!COCOON PRODUCTION 2020『フリムンシスターズ』●東京公演日時:2020年10月24日(土)~11月23日(月・祝)場所:Bunkamuraシアターコクーン●大阪公演2020年11月28日(土)~12月6日(日)場所:オリックス劇場
2020年07月17日結成30周年を迎えた、日本のロック・シーンで熱狂的なファンを獲得し、ミュージシャンからリスペクトを集める、the pillowsのアニバーサリーイヤープロジェクト「Thank you, my highlight」の企画のひとつとして制作された映画『王様になれ』が、シネマート新宿ほか全国で順次公開されている。この度、公開から4日間で、シネマート新宿では何度も満席状態となるなど、大ヒットスタートを果たしたことが分かった。各劇場からも問い合わせが相次いでおり、公開後に17館の上映が決まるなど、さらなる拡大公開が期待されている。現在の館数は40館(セカンド上映含む)となっている。「不器用ながらも成長していく主人公の姿にピロウズの曲が合わさるとさらに心に響いて、久々に青春映画で泣いた」「最近よくあるステージ側の音楽映画ではなくて、ファン側の物語にとても共感した」「ピロウズファンというわけではなかったが、音楽に救われ共に過ごしてきた人たちにはとても響く映画で感動した」などピロウズファンのみならず、映画ファン、音楽ファンからも熱いコメントが多数寄せられている。また劇場物販のパンフレットも売り切れ続出のため増刷が決定したほか、主人公がバイトするラーメン屋にちなんだ“ラーメンどんぶり”も異例の売れ行きで完売していたが、近日再販されることが決定した。本作は、ボーカル山中さわおの原案を映画化し、the pillowsはもちろん、 GLAYやストレイテナーのメンバーをはじめ、豪華ミュージシャン陣が「本人役」で出演する。若手演技派俳優として注目を集める岡山天音が、もがきつづける主人公を、祐介が弟子入りを懇願するカメラマン・虻川塁を岡田義徳が演じている。俳優であり舞台演出家のオクイシュージ初監督作に、『火花』『ナラタージュ』の撮影:福本淳×照明:市川徳充をはじめとするスタッフが結集。挿入歌&主題歌で流れるthe pillowsの曲のみならず、劇伴も山中さわおが担当している。『王様になれ』公開中(全国順次公開)
2019年09月20日9月16日に結成30周年を迎えたthe pillowsがアニバーサリーイヤープロジェクトの一環として制作した映画「王様になれ」が、9月13日から全国で順次公開されていく。9月14日にシネマート新宿で「公開記念舞台挨拶」が開催され、原案と音楽を担当したthe pillowsのリーダー 山中さわお、監督のオクイシュージ、主演を務めた岡山天音が登壇した。【チケット情報はこちら】舞台挨拶の冒頭で山中は「本当に実現したんだな...。2017年冬にアニバーサリーに何をしようかなといろいろ考えて、映画を作ってみたいとオクイ監督に相談に行ったんです。本当に実現して上映が始まって、そしてこんなに集まってくれてるじゃないか!嬉しいです」とライブMCを彷彿させる表現で感謝を伝えた。俳優として活躍し、今回が初メガホンとなるオクイは「(撮影にあたり)さわおくんのインタビューとか全部読んだんですけど、その中で“自分がボールを投げる相手が興味ない方はいくら投げても受け止めてくれない。でも地に足が着いてないとむやみに投げてしまう。そして勝手に傷ついてしまう”という言葉があったんですけど、この映画を誰に向けて作ればいいんだろうとずっと考えているときにすごくその言葉が残っていて。今日ご覧になってくれた皆さんの中で何かが響いた方はきっとその方に向けてこの映画を作ったんだと僕は思っています。その受け取ったボールを誰か身近に居る受け取ってくれる方に投げてもらって、少しずつでもこの映画が広がっていくといいなと思います」とコメント。そして岡山は「長編映画単独では初主演で、僕の人生にとっても一度しかない機会がthe pillowsさんの記念すべき作品であったことを本当に嬉しく思います。節目に作られた作品だからこれから皆さんの節目に観返したくなるような映画になってくれたら嬉しいなと思います」と語った。最後に山中は「自分の“あっ、これは強みだな”と思うのは、神経質なところもあるんだけど鈍感力もあって。映画を作りたいとか鈍感力があったから怖いもの知らずで、出来るはずだと決断した。若いときに“オレは絶対才能がある”と思って、今その頃の音楽を聴いたらひどい曲、ひどい歌唱力で才能なんか感じられないんだけど、その勘違い力、鈍感力がちょうどよくあった。今回も今思ったらすごい無謀なことだけど、キャスト、スタッフの方に助けていただいて、というよりその人の力が99%で出来たなという感じでした。その鈍感力をもってアニバーサリーライブの横浜アリーナに立ちたいなと思ってます」と締めた。映画「王様になれ」は全国の映画館で順次公開中。そして10月17日(木)には横浜アリーナで記念公演も控えている。the pillowsのとびきり素敵な30周年をじっくり味わって欲しい。取材・文:浅野保志(ぴあ)
2019年09月17日松尾スズキが初めて監督・脚本・主演を全て務める映画『108~海馬五郎の復讐と冒険~』。“いいね!の数だけ女を抱いて復讐”という前代未聞のR18映画に、中山美穂、坂井真紀、大東駿介、LiLiCoらが出演することが分かった。本作は、名脚本家として成功している海馬五郎が、ある日、元女優の妻・綾子の浮気をSNSの投稿によって知ってしまったことから、“いいね!”の数だけ女を買いまくる、煩悩丸出しで前代未聞の復讐劇。そんな海馬の妻で元女優の綾子を、近年では「黄昏流星群 人生折り返し、恋をした」が話題となった中山美穂が演じることが決定。“ドクタースネーク”というコンテンポラリーダンサーとの2ショット写真をSNSに投稿したことがバレ、海馬を激怒させてしまう綾子。不思議な魅力を放つ年下ダンサーに身も心も奪われていく綾子を大胆に演じ、大人の魅力をたっぷりと披露する。「松尾監督がこの作品を構想中の頃、咄嗟に私に演らせて下さいと申し出てしまったのです」と自ら手を挙げたという中山さん。「監督は実現できるかどうかと笑いながら仰っていましたが、それから1年待たずに私達は撮影に挑んでいました。楽しくて仕方のない現場でした」と撮影をふり返り、「とにかく笑える内容です。そしてせつない。私に演らせて頂けたことに感謝しています」と作品についてコメントしている。また、海馬のプレイボーイの友人・糸井役に、劇団「ハイバイ」を軸に劇作家、演出家、俳優として活動する岩井秀人。海馬の友人でパニック障害持ちの女優・砂山を、紀伊國屋演劇賞などを受賞し名だたる演出家から厚い信頼を寄せられる秋山菜津子。岩井さんは「メジャーな作り手の誰もかれもが『コンプライアンス』を気にし、テレビの前の主婦までもが『この表現、誰かに文句言われないのかしら?』と呟くようなご時世に、『よくぞこんな映画を作った!』と言われることでしょう。でも本来『表現』って、『ワレワレの外側』にあるものに手を伸ばすためのものなのだし、そのことを思い出させてくれる作品です」と映画についてコメント。秋山さんは「撮影が終わって『この映画を秋山さんの代表作にして下さいね。』と松尾監督に言われたんですけど…嬉しいようなちょっと複雑な気分でした。あ、観て頂ければ分かると思うんですけど(笑)」と語っている。そして、海馬の妹役を坂井真紀。海馬に綾子の動向をリークし続ける売れない女優役に、ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」に出演した堀田真由。復讐計画に手を貸すド派手なホスト役に、「新・ミナミの帝王」『曇天に笑う』の大東駿介。自分の価値を絶対に落としたくない高級風俗嬢役に『リバーズ・エッジ』の土居志央梨。そのほか、栗原類、LiLiCo、酒井若菜、福本清三、乾直樹、オクイシュージ。さらに宍戸美和公、村杉蝉之介といった「大人計画」お馴染みの俳優陣も参加する。『108~海馬五郎の復讐と冒険~』は秋、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:108~海馬五郎の復讐と冒険~ 2019年秋、全国にて公開予定©2019「108~海馬五郎の復讐と冒険~」製作委員会
2019年05月16日“ゾンビ”をテーマに、さまざまなジャンルの精鋭たちが、珠玉のパフォーマンスを披露する『ゾンビフェス』。好評を博した昨年に引き続き、今年は『ゾンビフェス THE END OF SUMMER 2018』として、8月27日(月)、東京・CBGKシブゲキ!!で上演される。そこで本公演のホストである入江雅人に話を訊いた。【チケット情報はこちら】ゾンビをこよなく愛し、ゾンビもののひとり芝居を数多く創作してきた入江。そんな入江にとって念願だったのが、この『ゾンビフェス』の開催だ。「去年、自分の出番じゃない時は客席で観ていたんですが、やっぱり面白かったですね。“こんなのない感”がとにかくすごくて。今年はさらにジャンルの幅を広げて、よりフェス感を強めていこうと思っています。これだけのジャンルの、しかもゾンビものが観られるフェスなんて、きっと世界中どこにもないと思いますよ」そう入江が言うように、今年は一気にジャンルを拡大。入江のひとり芝居はもちろん、ダンス、演劇、コント、無声映画活弁、スタンダップコメディ、落語と、豪華なラインナップが実現した。「コントのかもめんたるさんは僕が大好きな芸人さんですし、ダンスの入手杏奈さんやスタンダップコメディの清水宏あたりは、かつて僕が一緒にやらせてもらった人たち。そういう意味では安心感はすごく大きくて。それぞれの演者さんが目的のお客さんでも、違うジャンルの演目を観たらどれも絶対に楽しい、そんなラインナップだと思います」さらに今回こだわったのが、塚本功によるライブ演奏。「塚本くんには“夏の終わり”をテーマに演奏してもらおうと思っています。すごくソウルフルな歌と演奏で、これがとにかくすごい。みんなぶっ飛ぶと思いますよ」「いつかはロメロさん(※『ゾンビ』などゾンビ映画の先駆者として知られるジョージ・A・ロメロ監督)的なポジションになれたら」と笑うほど、入江のレパートリーにゾンビものは多い。数だけで言えば、ロメロ監督をもしのぐほどだとか。そんな数ある入江のゾンビ作品の中でも、絶対に外せない1本が『帰郷』だ。「毎年やっても胸にくる作品ですからね。我ながらすごいなと (笑)。落語の『芝浜』みたいな感じで、夏の終わりに『ゾンビフェス』があって、最後に『帰郷』をやる。そんなことが根づいていけばいいなと思いますし、それまでは頑張って続けていきたいですね」笑えて、切ない、そんな唯一無二の『ゾンビフェス』。忘れられない夏の一夜になるはず。そのほか出演者には、オクイシュージ&野口かおる(演劇)、坂本頼光(無声映画活弁)、立川志ら乃(落語)。チケットは発売中。取材・文:野上瑠美子
2018年07月19日昨年結成15周年を迎えた劇団鹿殺しが、記念碑的作品と位置付ける、『電車は血で走る』(2008年、2010年)と『無休電車』(2013年)を6月、同時上演。東京・本多劇場での3週間ロングランに加え、大阪・サンケイホールブリーゼで初の公演を行う。座付き作家である丸尾丸一郎は、「劇団として何かもうワンステップ突き抜けていかないといけないと思って」と挑戦の意図を語る。劇団鹿殺し チケット情報『電車~』では“演劇”という夢を追い続けてきた男たちの現実と挫折と希望を、『無休~』ではそんな彼らの5年後を描き出す。その姿は紆余曲折を経てきた鹿殺しそのものでもあり、丸尾は「僕がものすごく悩んでいた時期に、自分のことをさらけ出して書いた作品。鹿殺しのすべてが詰まっています」と振り返る。そして「不器用なまでにさらけ出していて、今読むと恥ずかしい言葉もあります。でもそれが役者の体に乗り移ると、ちゃんと胸に届く言葉になるんですよね」と、作品が成長していくことへの嬉しい発見も明かした。そんな鹿殺しについて「すごくタフですよね。常に走り続けている、まさに電車って感じ」と表現するのは、劇団本公演への参加は初めてながら、OFFICE SHIKA PRODUCE『竹林の人々』(2015年)で丸尾作品は経験済みの小澤亮太。台本を読んでまず思ったのは、「耳に残る言葉が多いこと」だったと言う。「人生って挫折の繰り返しだと思うんです。僕もそうですが、勝っている奴よりも、負けている奴の方がずっと多い。それでもみんな、少しの光を目指して、何とか這い上がっていこうとする。だからこそ多くの人がこの作品に共感し、突き刺さる言葉も多いんじゃないのかなと思います」。小澤は自らの役どころについても、「当てはまる部分が多い」と分析。その言葉を受けて、「小澤っぽい」と丸尾は笑う。「僕は小澤のそういう人間味が溢れているところが大好きなんですよね。すごく優しいし、人間として豊かだし。今回そんな小澤の嘘のない言葉を、舞台上でうまく引き出すことが僕の仕事だと思います」。この取材の前日までは、2週間のプレ稽古を実施。すでに手ごたえはばっちりだと言う。そしてそのプレ稽古を支えたのは、丸尾が「ミスター・ストイック!」と断言するオクイシュージ。小澤もオクイの存在には大いに刺激を受けたようで、「プレ稽古の段階で2作通せるとは思っていなかったので、まさに驚きのミスター・ストイック効果(笑)。すごく勉強になりましたし、みんなをいい方向にまとめてくださったと思います」と本作への想いを新たにした。丸尾、小澤の言葉に共通するのは、「立ち止まっている人が、次の一歩を踏み出す機会になるかもしれない作品」だということ。彼らの情熱が、観客の心を揺さぶる日は近い。公演は6月2日(金)から18日(日)まで東京・本多劇場、6月23日(金)から25日(日)大阪・サンケイホールブリーゼにて。取材・文:野上瑠美子
2017年04月25日松尾スズキ×松田龍平という『恋の門』以来のタッグが贈る映画『ジヌよさらば~かむろば村へ~』。松たか子、阿部サダヲ、二階堂ふみ、西田敏行ら豪華キャストにも期待が集まる本作だが、熱烈なファンも多い松尾ワールド全開の愉快でシュールな予告映像が到着した。元銀行員のタケ(松田龍平)はお金恐怖症。都会の生活で、現金に触るだけで失神してしまうという前代未聞の深刻な状態に陥った彼は、仕事を辞め “ジヌ(東北地方の方言でお金のこと)”を一銭も使わない生活を送るため、過疎化が小さな寒村“かむろば村”へやってくる。ところがそこで暮らす村人たちは、村長(阿部サダヲ)以下、ひと癖もふた癖もある、あまりにも濃く不思議な人々ばかり。なんとか村での生活に慣れたその頃、村に怪しい風体の男・多治見(松尾スズキ)がやってきて…。いがらしみきお原作の人気漫画「かむろば村へ」を俳優、演出家として活躍する鬼才・松尾スズキが映画化。主演を務めるのは、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞するなど、人気・実力ともに日本映画界を牽引する存在と言える松田龍平。今回到着した予告編では、お金恐怖症のタケがキャラクターの濃い村人たちに翻弄されながらも、自らの生き方をつかみとろうとする姿が独特のテンポで描かれおり、初解禁となった「OKAMOTO’S」の手掛ける主題歌「ZEROMAN」の疾走感がより一層映像を盛り上げる。90秒強の短い時間の中で、西田敏行、松たか子、二階堂ふみを始め、阿部サダヲ、村杉蝉之介、伊勢志摩、荒川良々、皆川猿時、片桐はいり、オクイシュージなど、個性派俳優たちが入れ代わり立ち代わり顔を見せる様はもう圧巻の一言!舞台・映像作品と幅広いフィールドでカルト的な人気を誇る松尾さんの手腕にぐいぐい引き込まれてしまう。果たしてタケは望みどおりの「なにも売らない、なにも買わない、ただ生きていく」生活を平和に送ることが出来るのか?田舎の現実を織り交ぜながらも、誰も見たことのないあたたかくてシュールな世界を描く本作。混迷する現代に放つ、ちょっと不思議なエンターテインメントとして必見の一本となりそうだ。『ジヌよさらば~かむろば村へ~』は4月4日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年02月18日