しっかり汗をかいた後の疲労感は、なかなか爽やかなものですよね。でも、運動したわけでもないのに「あー、疲れたっ!」と思うときの疲労感は、運動後のそれとは違います。それって脳が疲れているのではないでしょうか?睡眠は脳に対してどんな役割があるの?人の脳の重さは、だいたい体重の2%と言われています。でも、そのエネルギー消費量は体全体の20%にも及ぶそうで、その重さの割には、すごくエネルギーを要するのです。そのような脳は、仕組みも非常に複雑です。あまりにも複雑なため、まだ分かっていないこともたくさんあります。でも、睡眠が脳にとっての休息となることは明らかなようです。あなたも経験したことがあるかもしれませんが、睡眠不足だと疲れが取れないですよね。それに、それが続くようだと心のバランスも乱れがちになります。こうなると、脳はオーバーヒートして誤作動を起こしやすくなってしまいます。つまり、心の状態だけでなく、いろんな病気のリスクが高くなってしまうのです。どうすれば脳の正常な機能を保てる?体は、使った分だけ疲労物質がたまって、疲労感を感じますよね。それと同じように、脳にも老廃物がたまるのだそう。運動したわけでもないのに「疲れた!」と感じるときの疲れは、脳に老廃物がたまっているのかもしれませんね。マウスを使った実験によると、脳にたまった老廃物は、脳脊髄液が脳組織を循環することで排出されます。睡眠中は、脳細胞が60%程度収縮します。そのため、脳脊髄液が脳内をより早く、自由に流れやすいので、老廃物も排出されやすいということです。これは、昼間は活気あふれる施設が、夜になり静まり返ってから、清掃員さんを入れて掃除をするのに似ています。昼間は、お客さんがいて仕事がしにくかった清掃員さんたちも、閉館後はスムーズに動けるようになります。その結果、作業効率が上がり、施設内がきれいに保たれます。つまり、睡眠を取ることで脳の機能を正常に保つことができるんです。活動と老廃物の排出、同時に効果的にできないの?「睡眠時間はそこそこでいいから、一定の機能をずっと保てるようにはできないの?」。寝る間を惜しんでがんばっている人なら、そんな考えも浮かんでくるかもしれませんね。脳の老廃物を排出するこのシステム、起きているときも働いてはいますが、起きているときに比べ、寝ている間の活動量は10倍にもなるそうです!ですから、脳を疲れさせないためには、スローペースでぼちぼち働くよりも、メリハリを付けて働く方がいいのかもしれませんね。脳がオーバーヒートする前に、しっかり睡眠を取って老廃物を排出しましょう!Photo by CollegeDegrees360
2014年09月20日