日々の暮らしの中で、あなたの心と体は常に「色」に守られていることをお気づきでしょうか。健康、美容、ファッション、インテリア、人間関係・・・人の心は「色」で動かされているといっても過言ではありません。いま着ている服、メイク、インテリアなどは、あなたのライフスタイルが作り出したもの。自分で選んだにもかかわらず、しっくりときていないとしたら、あなたの中の「色センサー」に誤作動があるのかもしれません。「日々選ぶ色が、あなたの体調や気分を整え、人生をよい方向へと導いてくれます。『色』選びに無関心のままでいるのはもったいない。女性(人)が輝くためには、『色を五感で感じること』がとても大切です」そう語るのはカラーキュレーター®の七江亜紀さん。「いまの自分に必要な色を知り、色の力を借りて心と体をフラットに保てるようになれば、とことん落ち込んでしまう前に気分を変えて、立ち上がることができます。また、色をきっかけに感性も柔軟になり、オンナ度も確実にアップしていきますよ」(七江さん)そこで、アラフォー女子におすすめの「色」の取り入れ方を、七江さんに伺いました。オンナっぷりを上げるなら、「赤」と「キラキラ」を女子力をあげてくれる色といえば真っ先に「ピンク」が思い浮かびます。ピンク色の「若返り効果」や「女性らしい気持ちにさせてくれる」作用は絶大です。しかし、どちらかというと母性よりの「やさしい女性らしさ」、「包容力のある女性らしさ」の印象でもあります。「もっと積極的に “イイ女” になりたい!と願うならば、断然『赤』がおすすめです。赤は一瞬で人を惹きつける魔法の色。赤い口紅やネイルなどでもよいのですが、場に合わなかったり、赤いネイルを嫌う男性も多いかも。そこで、まずは『インテリア』として取り入れるのがおすすめです」(七江さん)「ただし、赤は刺激が強く、理性よりも感情に働きかける色。理性的な判断ができなくなるので使いすぎは禁物です。家族と暮らすスペースに赤が多いと、喧嘩がおきやすくなるので気をつけましょう。最初から面積を大きくとるのではなく、小物やお花などで二か所くらいに。アクセントとして取り入ることから始めてみてください」(七江さん)スリッパ、クッション、ケトル、鍋、家電など、ポイントとして赤を取り入れるとよいでしょう。少量でもお部屋のなかではとても目を引き、私たちの脳にいい色の刺激を伝えてくれます。また、赤い花を飾るならバラ、ダリア、スイートピー、ガーベラなどがおすすめです。一輪でも存在感があり、凛とした佇まいを感じさせてくれます。とくに鏡台の横に飾るとメイクやお肌のケアにも気合いが入り、美意識が上がりやすくなります。まさに強い意志を持ち、自立したイイ女の象徴なので、自然と美意識も上がっていくのだとか。シルバーやゴールド、キラキラも◎また、シルバーやゴールド、クリスタルなどキラキラしたものもオンナ度をあげてくれます。シャンデリアやクリスタルの取っ手が付いたチェスト、フレームにラメやラインストーンを使ったミラーなどもおすすめです。「キラキラは女性の『ツヤ感』の象徴です。ほんの少しでも、見ているだけで『キレイになりたい!』というオンナ心を呼び覚ましてくれます」(七江さん)「黄色」で便秘も改善?!昔から便秘改善には「黄色」を見ると効果的、という話があります。これはインドのチャクラの考え方からきているとの説も。一方では、黄色はトイレのコーディネートに向いている色とも言えます。実際に、胃腸薬のパッケージにも黄色を使っているメーカーを多くみかけますね。ではなぜ、胃腸には黄色がよいのでしょうか。「黄色は胃腸を活発に動かす色でもあるので、脳と体もお通じへと向かいやすくなります。青などの寒色系は、血液をキュッと締め、見た人に冷たく感じさせる色です。女性ならば、トイレは暖色系をおすすめします。また、便秘の大きな要因のひとつに『ストレス』があげられます。仕事などで緊張感が続くと脳からお通じのサインが出にくくなるのです。トイレのような小さな空間を真っ白にコーディネートすると、緊張感を誘うことになるので気をつけましょう」(七江さん)七江さんのおすすめは、やや黄色がかった「アイボリー」。脳もリラックスして腸も活発に動く色なのだそう。もう少し色を置きたいのなら、黄色の置きものやスリッパなどの小物で取り入れてみましょう。人間関係にも「色」を味方につけてそりが合わない、意見をきいてもらえない、嫌がらせをされている、無視される・・・そんなときは「色」の力を借りて対処するのもひとつの方法です。イライラする人がそばにいる時は…例えば、細かいことにうるさい人がそばにいるとき。その嫌味な口調が聞こえてくるだけで、ついつい自分もイライラしてしまうもの。そんなときは「青」の小物で気持ちのクールダウンを。ターコイズのブレスレットや青のスマートフォンケース、ペンなどがあなたに冷静さを取り戻してくれます。嫌がらせを避けたい時は…誰かに嫌がらせをされてしまう場合は、あなたがおとなしく見えることが原因のひとつかもしれません。普段、ベージュなどの控え目な色を着ているひとなら、黒縁のだてメガネや黒のバングルなどをプラスしてみて。これは上司にからかわれるのを避ける、物申すときなどに効果的です。少量でも「黒」がもつ威圧感は絶大なのです。うまく利用してみて。イライラした相手と話す時は…相手がイライラしているなと思ったら「緑」や「白」の洋服で対応しましょう。中間色の緑、リセットを表す白はどちらも相手に余計なことを「考えさせない」色なのです。なんとなく「ま、いいか」という気持ちにさせてくれます。面倒なことを押し付けられたくない時…用事を言いつけられたくないときは「グレー」がおすすめです。グレーの服を着ている日は、目立たず、周囲に埋没していられます。相手の目をかいくぐることができるでしょう。一方でグレーは、白と黒の中間色なので「喧嘩を止める」、「言い争いをやめさせる」という効果もあります。「色」を受け入れたあとにおきる、「変化」を愉しもう!仕事をしている女性の多くは、普段の洋服の色がどうしても黒、白、グレーなどの無彩色や、ベージュ、アイボリー、紺などのベーシックカラーが中心になりがちです。「無難だから」、「合わせやすいから」、「あまり考えなくていいから」というのが選ぶ理由でしょう。「わたしのコンサルでは、カラー診断でそれぞれのお客様に似合う色を探り、取り入れ方を提案しています。『色を受け入れる』ことは、実は非常に困難なこと。『そんな派手な色は着られない』、『着たことがないからわからない』、『似合うはずがない』などと、戸惑う方が殆どです。なんらかの理由をつけて新しい色から目をそむけるのです。結局、最後まで受け入れられずにコンサル途中で終わってしまう方もいます。でも、新しい色を受け入れた方は、少しずつ変化していきます。そう、自分の『色』を変えるということは、自分の『思考回路』に変化がおきるということでもあるのです」(七江さん)たまたま誰かから勧められて「あ、そういう色もいいかな」と思えた場合、これはあなたが変わり始めているということです。抵抗なく新しい「色」をとりいれていくことで、新しい運気が訪れるでしょう。そして、自分が変わっていくと同時に、まわりの人たちも「こんな色を着こなせる女性は素敵だな」と感じてくれるかもしれません。「色」を通して、一瞬であなたの内面にも興味をもってもらえる、これはとても素敵なできごとです。ぜひ、自分に合うここちよい「色」を探して、春に向けて「新しい自分」を見つけてみませんか?七江亜紀 プロフィールカラーキュレーター® 企業やビジネスパーソンを対象とし、ファッション、食、インテリア等ライフスタイル全般のカラーコンサルティング、ブランディングを行う。「色」を視覚だけに頼らず五感すべてを通してイメージできるように、さまざまなものの価値向上を図る。また多くのメディアにて監修、大学や講習会でも講師業を行う。クチコミで広まったサロン「Lustre(ラスタ)」には全国から多くの女性たちが訪れている。 参考書籍:『色が教えてくれること ~人生の悩みの9割は「色」で解決できる』(大和書房)
2015年03月09日