一般社団法人 ACC(英文名:All Japan Confederation of Creativity、東京都港区、理事長:小郷 三朗)は、クリエイティビティにまつわる様々なコンテンツを発信するイベント「TOKYO CREATIVE CROSSING(クリクロ)」( )を、2023年11月1日(水)、2日(木)に開催いたします。4年目となる本年度も、全コンテンツをオンライン配信いたします。本イベントの視聴は無料で、事前にご登録いただけましたらどなたでも参加可能です。TOKYO CREATIVE CROSSING当日は、当団体が毎年開催する「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS(ACC賞)」のグランプリ他、全入賞作品発表をはじめ、日本を代表するクリエイターらによるトークセッション、業界を問わず活躍する若手がアイデアを競う「ACCヤングコンペ」の公開プレゼンテーション、若者のまだ見ぬ才能に光を当てる「YOUNG TALENT SHOWCASE(ヤンタレ)」などが行われます。業種・業界の領域を超え、多様な人々が繋がり、学べる、アイデアのヒントがいっぱいの2日間をお楽しみいただけます。なお、イベントの詳細につきましては「TOKYO CREATIVE CROSSING(クリクロ)」特設サイトにて随時更新いたします。皆様のご参加をお待ちしております。【イベント概要】・イベント名: 「TOKYO CREATIVE CROSSING(クリクロ)」・日程 : 2023年11月1日(水) 10:00~17:302023年11月2日(木) 10:00~16:15※イベント後には、アーカイブ配信も予定しております。※セッションごとの参加が可能です。※実施内容や時間は変更になる可能性がございます。・会場 : オンライン配信・対象者 : どなたでも参加可能※一部ACC会員社限定のコンテンツがあります。・参加費 : 無料・参加方法 : 事前登録制※2023年9月29日(金)より、Webサイトにて参加登録が可能です。※参加はWebによるライブ配信の視聴のみです。・Webサイト : ・主催 : 一般社団法人 ACC( )■「TOKYO CREATIVE CROSSING(クリクロ)」ってどんなイベント?1. リアルタイムで発表されるACC TOKYO CREATIVITY AWARDS2023 63rd ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSの、全9部門・全カテゴリーのグランプリ/ゴールド/シルバー/ブロンズを当日発表。2. 時代を代表するクリエイターによるトークセッション広告業界に留まらない越境したクリエイティブのオープニングから、部門ごとの審査委員トーク、そして審査委員長たちによるクロストークまで、ヒントが詰まったトークセッションをご用意。3. 業界を問わず多様なフィールドで活躍する若手が競い合う、ACCヤングコンペ今年は株式会社 福島民報社協賛で、30歳以下を対象としたヤングコンペを開催。一次・二次審査を勝ち残ったファイナリストが、「若者の地元離れと離職を防ぐコンテンツと情報発信」をテーマに競い合います。当日は最終プレゼンテーションをライブで実施し、その模様から結果発表まで配信いたします。4. 各賞の発表前にショートリスト作品が閲覧可能。プレゼンテーションも公開!ACC賞各部門ショートリスト作品の映像・音声・ボードなどを、イベント開催前からチェック可能。また、クリエイティブイノベーション/マーケティング・エフェクティブネス部門では最終プレゼンテーションの様子も公開。※マーケティング・エフェクティブネス部門のプレゼンテーションは、ACC会員社のみ視聴可能です。5. クリエイティブ業界の個性的な若者に光を当てる「YOUNG TALENT SHOWCASE(ヤンタレ)」個性溢れる35歳以下の若手クリエイターを募集し、審査を経て選出された10組を、特別プログラムとして紹介します。ACC賞の審査委員から選抜された経験豊富なクリエイター2名がメンターとなり、対話を通じて若手の個性を深掘り、仕事に生かすためのディスカッションを行います。その他、「TOKYO CREATIVE CROSSING」および、「2023 63rd ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」に関しての詳細は、各特設サイトをご覧ください。■「TOKYO CREATIVE CROSSING」: ■「2023 63rd ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」: 【一般社団法人 ACCとは】ACCは、よいCMの制作と放送の実現に寄与することを目的として、1960年に活動を開始。広告主・広告会社・制作会社・メディアの4業種のメンバーを中心に構成され、業種の枠を超え、グローバルな視点から日本のクリエイティビティの発展に貢献すべく活動しています。■法人概要名称 : 一般社団法人 ACC (All Japan Confederation of Creativity)所在地 : 〒105-0003 東京都港区西新橋 2-4-2 西新橋安田ユニオンビル6階URL : 設立 : 平成5年6月(社団法人の設立)※ACCの前身・CM合同研究会の発足は昭和35年1月目的 : クリエイティビティの発展に資する事業を行うことにより、日本の産業のさらなる振興と文化・芸術の向上に寄与することを目的とする。<事業内容>ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSの実施。ACC年鑑の発行、DVD・CD版の制作。ACC会報紙や書籍を発行して、会員および一般に広く紹介し、ACCの活動に対する理解を促進する。セミナーや講演会、作品発表会の開催を通じてクリエイティブ表現の質的向上を促進する。ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS入賞作品に関するデータベースの制作。関係資料を収集・分類・整理する。広告関係団体等との共通認識および相互理解を促進する。【ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSとは】「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」は、テレビ、ラジオCMの質的向上を目的に、1961年より開催されてきた広告賞「ACC CM FESTIVAL」を前身とし、2017年よりその枠を大きく拡げ、あらゆる領域におけるクリエイティブを対象としたアワードにリニューアルしました。名実ともに、日本最大級のアワードとして広く認知されており、総務大臣賞/ACCグランプリはクリエイティブにたずさわる人々の大きな目標となっています。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年09月29日株式会社DOSOは、富士山麓に位置する街、山梨県・富士吉田市で、人とクリエイティビティが交わるカフェ「FabCafe Fuji(ファブカフェ フジ)」を2022年11月6日にオープンいたします。キービジュアル富士吉田市は、緑豊かな景観と富士山から流れ落ちる清涼な水の恵みによって、1000年以上続く織物の町として栄えてきました。現在では、クリエイターやアーティストとのコラボレーションで、新たな織物の価値創造に挑んだ機屋展示・アート展の開催など、伝統を繋ぎ革新を続ける街としても注目を集めています。そんな富士吉田の街に誕生するのが「FabCafe Fuji」です。FabCafeとは、「Fabrication(ものづくり)」をテーマにおいたカフェで、現在世界に13店舗を展開しています。「FabCafe Fuji」では、人が集うカフェという空間に、リソグラフ等のデジタルものづくりマシンを設置、スペシャルティコーヒーに近郊の食材を使ったフードやスイーツ、ベジタリアンメニューも用意し、自然に優しいエシカルを意識したこだわりの「食」を提供しながら、織物産地である富士吉田市の「テキスタイル」を中心としたものづくりや様々なクリエイティブコミュニティも育んでいきたいと考えています。富士山を望む本町通りに構える店内は、カフェの他にアートや建築、テキスタイルなどの図書コーナー、リソグラフを楽しめるスペースやコワーキングスペースも併設しています。今回、オープンを記念して、これまでDOSOが地域の機屋とのコラボレーションで展示してきたファブリックなどの特別展示も開催します。FabCafe Fujiの空間を通して、地元の方はもちろん、国内外からお越しいただく1人1人にとって心地よい時間を過ごしていただける空間を提供して参ります。カフェで一息しながら、アーティストや作品との新たな出会いをお楽しみください。URL: カフェ前の通りからの風景■メニュー自家製ソーセージを使用したメニューを中心に、スパイスカレーやラザニア、発酵食、ベジタリアンメニューなどを用意。エシカルを意識したこだわりの「食材」を使用したフードを提供いたします。朝食プレート 825円(税込)(予価) イングリッシュマフィン,サラダ,卵,ベーコン,スープホットドッグ 946円(税込) 自家製ソーセージのホットドッグキャロットケーキ 605円(税込)【珈琲】ドリップコーヒー 550円(税込)、水出し珈琲 550円(税込) カフェラテ(牛乳/オーツ) 583円(税込)【発酵】コンブチャ 660円(税込)、和紅茶ベース 660円(税込)【自家製ドリンク】季節のシロップジュース 660円(税込)、クラフトコーラ 660円(税込)【お茶】和紅茶 605円(税込)、ハーブティー 605円(税込)ほか■店内の様子店舗面積は約53坪、約20席を用意する。店内はカフェスペースのほか、アートや建築、テキスタイルなどのライブラリーやリソグラフを楽しめるクリエイティブスペース、コワーキングスペースとしてもご利用いただけます。店内は、フレキシブルに空間を使えるように、軽やかで開放的な空間に。改装前の空間1改装前の空間2■オープン記念展示FabCafe Fujiオープンを記念して、これまでDOSOが地域の機屋とのコラボレーションで展示してきたファブリックなどの展示(古市 × Watanabe Textile × DOSOによるカーテン展示)と2021年に開催されたFUJI TEXTILE WEEKの写真展を開催します。古市さん × Watanabe Textile × DOSOで制作したカーテン展示を開催。カフェで一息しながら、作品との新たな出会いをお楽しみください。会期 :2022年11月6日(日)~11月13日(日)開場時間:8:00~17:00 ※FabCafe Fujiの営業時間に準じる※詳細は10月下旬にHPにて掲載予定。展示作品イメージ■FabCafeとは?FabCafeは、世界中に拠点を持つクリエイティブコミュニティです。人が集うカフェに、3Dプリンターやレーザーカッター等のデジタルものづくりマシンを設置。“デジタル”と“リアル”の壁を自由に横断し、未来のイノベーションを生み出します。地域のクリエイターやアーティスト、企業とともに、食、アート、バイオ、AIから教育まで、ものづくりの枠を超えたラボ活動も行っています。 FabCafeロゴグローバルに広がるFabCafe▼Fab Serviceリソグラフなどを使って、自由に「デジタルものづくり」をお楽しみいただけます。リソグラフは、理想科学工業が生み出したシルクスクリーン印刷などと同じ、孔版印刷のデジタル機器です。1色ごとに版をつくり、内部の印刷ドラムに巻きつけ、紙を通して印刷を行います。印刷インクの発色が美しいのが特徴です。機械に2つドラムが入るので、1回の通紙で同時に2色の印刷が可能。シルクスクリーン印刷よりもスピーディーに刷れるため、アートプリントのほか、ZINEやポスターやチラシなどにも向いています。アートプリントイメージZINEイメージ◆ 店舗概要店舗名 : FabCafe Fuji(ファブカフェ フジ)所在地 : 山梨県富士吉田市下吉田3-5-16 Webサイト : Facebook : Istagram : 問合せ窓口: info@fabcafefuji.com 営業日 : 8:00~17:00定休日 : 火曜日席数 : 約20席■運営:株式会社DOSO地方をより面白く、先人たちの価値を継承し、次の世代に伝えること。株式会社DOSOは、空き家をリノベーションによって蘇らせ、価値を継承し、新たな価値を作り、その場所に新たな風景を作ることを目的とし、Saruya Hostel、Saruya Artist Residencyを2015年から運営してきました。この街には、1000年続くテキスタイルがあり、産業という伝統の新たな形へのサポートと、地域に暮らす人々や訪れてくる人々に、美味しい食べ物と、創造する楽しみを共有できる空間を提供したいと思っています。おいしい食事と一緒に、カフェに並ぶ本や、定期的に開催されるイベントなど、FabCafe Fujiの空間を通して、訪れる人々や働くスタッフの日々の生活が楽しくなって欲しいと思っています。Saruya HostelSaruya Hostel Annex 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年10月20日10月6日から8日(太平洋夏時間)にかけての3日間、米カリフォルニア州ロサンゼルスにあるロサンゼルスコンベンションセンターおよびノキアシアターにおいてAdobe Systems主催のクリエイティブカンファレンス「Adobe MAX 2014」が開催された。本稿では、2日目に行われた基調講演の様子をレポートする。2日目の基調講演は、4名の著名なクリエイターによるクリエイティビティをテーマにした講演となった。登壇したのは、写真家であり映画製作者でもあるAmi Vitale氏、デジタルイラストレーターのJason Seiler氏、パロディ音楽の第一人者であるコメディアンの’Weird Al’ Yankovic氏、ドキュメンタリー作家のLee Hirsch氏。このスタイルの基調講演は前回開催のAdobe MAX 2013から導入されたもので、クリエイティビティが主要なテーマとなったことによる新しい試みである。ホスト役を務めたアドビのゼネラルマネージャーDavid Wadhwani氏は、「作品だけでなく、その背景にも目を向け、そしてそこにある素晴らしいストーリーを皆さんにもシェアしていただきたい」と参加者に呼びかけている。○人と人とをつなぐストーリーを伝えたいAmi Vitale氏は、世界の様々な場所で活動するドキュメンタリー写真家であり、ジャーナリストであり、またドキュメンタリー制作者としての顔も持つ。「単に写真や映像を撮影して見せるだけではなく、その対象の背景にあるストーリーを理解し、それを切り取って伝えたい」というのが、彼女の信念である。そんなVitale氏が良い写真を生むために常に意識していることは、「ちょっとした感情を大切にすること」、そして「視野を狭めないこと」だという。目の前の出来事に集中すると周りを見ることを忘れてしまいがちになるが、そのようにして視野が狭くなると、クリエイティビティが阻害され、良い作品にはならないからだ。ストーリーを伝える上でも、視野を広く保つことは重要である。Vitale氏がガザ地区で活動していたときのこと。紛争が行われている地区からそれほど離れていない場所で、若い男女の結婚式が行われていた。それを見たときに、この紛争は自分とは遠く離れた世界で起こっているのではなく、すぐ身近で起こっていることなのだと気付いた。そのときから、人と人とをつなぐストーリーを伝えようと考えるようになったという。また、Vitale氏はカシミール地方に3年ほど暮らしていた経験がある。インドとパキスタンの間で紛争が耐えない地域だ。イスラム教の国であるため、女性の立場は弱い。しかし、長く暮らしたことで、実は彼女達が非常にたくましく、強い心を持って生きていることを知ったという。また、地元の人々と心を通わせることで、外では戦争が起きていても、人々の心には温かいものが流れているということも実感できたとのこと。そのことを世界の人々に伝えたいと彼女は語った。最後にVitale氏は、人工飼育されたパンダを野生に返す活動を取材したときのエピソードを紹介した。パンダを野生に返すには野生に慣れさせる訓練が必要で、そのために施設では全ての飼育員がパンダの格好をして活動している。「人と人がつながるストーリーを伝えたいと思ってきましたが、パンダと飼育員のつながりを目の当たりにしたときに、強い気持ちさえ持てば人と動物でも同じようにつながることができることを確信しました。そして、その気持ちがクリエイティビティの源になるのだと思います」(Vitale氏)○苦労することで自分にしかないものを生み出せるJason Seiler氏はデジタルツールを使って多くの絵画作品を手掛けてきたアーティスト。TIME誌の表紙にローマ法王ベネディクト16世のイラストを載せたことなどは特に有名だ。Seiler氏の話によると、彼自身は写真などの素材を使うことなく、純粋に手書きのみで作品を作ることにこだわっている"古典的なタイプ"のアーティストであり、最初はデジタルツールを使うことにも抵抗があったという。しかし技術が進歩してデジタルツールでも良い作品が作れるようになったことで、これならば実用に堪えられると判断して導入することになった。とはいえ、決して楽をするためにデジタルを導入したのではなく、イラストを描く手法はそれまで通り筆を使って描くのと変わっていないと強調する。ではなぜデジタルが良いのだろうか。それは現実の筆や絵の具では簡単ではなかったことを短時間でできてしまうことだという。例えば色を決める場合、何色もの絵の具を混ぜ合わせて試行錯誤しながら最適な色を探す必要があるし、一度作った色と全く同じ色を再現するのも非常に困難だ。このような作業にかける時間をデジタルであれば大幅に短縮できる。また、絵の具が乾く時間を待つ必要がないので短い時間でたくさんの絵を描くことが可能だ。このことは絵を学ぶ若いアーティストにとっても大きなメリットである。若い頃のSeiler氏にとって時間は大きな課題だった。イラストの仕事はスピードが求められることも多く、寝る時間も惜しんで描くことも少なくなかったが、それでも1日にできる作業量には限界があった。ディジタルツールによって作業の時間は大幅に短縮できたが、この若い頃の経験によって自分にしかない作品が生み出せるようになったという。Seiler氏は語る。「アーティストになるために、いつも苦労しているということは一番重要です。苦労することで自分にしかないものが生み出せるようになるからです。他のアーティストの作品と区別がつかないようではいけない思います」最後に同氏は、TIME誌の表紙用に法王の絵を描いたことについて、どのような手法でそれを行ったのかを説明してくれた。同氏のポリシーに従って写真は一切使っておらず、すべて手書きで行ったという。何枚かの写真を参考にして構図を決め、鉛筆でラフを描き、ブラッシングをして、色を塗り、そこからは細部と全体を交互に見ながら仕上げていく。レイヤーは基本的にひとつしか使わない。これは極めて古典的な手法であり、デジタルだからといって特別なことは何もしていないという。「昔ながらの筆と絵の具で描くのも、デジタルで描くのも、そこに大きな違いは無く、両方の良いところを組み合わせてオリジナルの作品を生み出すことが重要です」と、Seiler氏は締めくくった。○ピークのときは喜びすぎず、悪いときも落ち込みすぎない3人目のスピーカーである’Weird Al’ Yankovic氏はインタビュアーとともに登場し、インタビュースタイルでの講演を行った。同氏はパロディ音楽の第一人者として知られており、ヒット曲の替え歌やパロディ曲を多数リリースしている。今年7月にリリースされた14枚目のアルバム『Mandatory Fun』は、The Billboard 200でコメディアルバムとしては初の1位を記録した。今もコメディアンとして第一線を走り続けているYankovic氏だが、そんな彼がコメディを志したエピソードが興味深い。飛び級のため12歳で高校に通っていた同氏は、教師から将来就きたい職業を聞かれた。そこでコメディに強い興味を持っていた同氏は、プロのコメディアンになりたいことを伝えたが、教師は、それはきっと無理だから建築家になったらどうかとアドバイスしたという。このアドバイスに従って大学で建築の学位まで取ったものの、結局自分が本当にやりたいことではないため情熱を持つことができなかった。それから、本当にやりたいことであったコメディにチャレンジしてみる決心をし、今に至ったとのことだ。遠回りをしたが、本当にやりたいと思っていたことに足を踏み出した結果、大きな成功を納めることができたわけだ。Yankovic氏は、パロディ音楽だけでなく様々なことにチャレンジしている。例えば最近では児童向けの絵本なども手掛けているが、このようなチャレンジは、常に新しい表現方法を模索し続けている結果だと同氏は言う。とはいえ、全てがうまくいくわけではない。そのような状況でモチベーションを維持する方法を聞かれた同氏は次のように答えた。「天気が完全に予測できないように、人生も先のことは分かりません。そこでピークのときにも喜びすぎず、悪いときにも落ち込みすぎないようにしている」Yankovic氏の話の中でもうひとつ興味深かったのは、同氏がパロディ曲をリリースする際にはできる限り元ネタとなったアーティストの許可をもらうようにしているということである。パロディは公的に認められた表現方法であり、許可をもらわなくても法律上の問題はない。Yankovic氏がわざわざ許可を取るのは、アーティストへの感謝と尊敬の気持ちを持つためと、無用に他人を怒らせるのを避けるためだという。「アーティストのおかげでパロディが成り立っているわけですから、常に感謝しなければならないと考えています。私はできるだけ正当な形でパロディをやっていきたいと思っているのです」と同氏は語った。その一方で、彼自身はレコード会社に対して正当な対価を求めて訴訟を起こしたりもしている。これはアーティストの地位を守るために必要な闘いだったとのこと。作風から考えると意外な気もするが、アーティストとして極めて真摯な姿勢で作品ぬ向き合っていることが伺えた。○クリエイティブは世界の子供を救えるか最後のスピーカーはドキュメンタリー作家のLee Hirsch氏。同氏が制作した最初の作品「Amandla!: A Revolution in Four-Part Harmony」は、南アフリカのアパルトヘイトとの闘いを記録したドキュメンタリー映画だった。この映画は、アパルトヘイトと闘う人々にとって音楽がどのような重要な役割を演じたのかを訴えかける内容。17歳で両親の反対を押し切って単身南アフリカに渡ったHirsch氏が多くの困難の末に完成させた話題作である。Amandla!で人権問題に一石を投じたHirsch氏、今は子供のいじめ問題に取り組んでいるという。自身が子供の頃にいじめで苦しんだ経験を紹介し、次のように語った。「いじめられていた当時、何を言っても私の声は周りには届かないと思っていました。なぜいじめられている子供の声を聞いてもらえないのか疑問に感じていました。大人になった今は、いじめに苦しむ子供達に声を与えたいと考えるようになりました。それで始めたのが『The BULLY Project』です」The BULLY Projectは、Hirsch氏の映画『BULLY』を元に始められた、いじめ被害に遭っている子供達を支援するプロジェクトである。映画では、親にも学校にも助けてもらえずに苦しむいじめられっ子達が、インターネットを通じて繋がり、お互いに励まし合って声を上げ続け、次第に立ち直って行く様子が克明に記録されている。基調講演ではそのうちのいくつかの場面が上映されたが、短いながらも心に突き刺さる内容だった。The BULLY Projectは今も続いており、アドビもスポンサーとして参加している。「いじめは子供の社会の小さな問題ではなく、非常に深刻な人権問題です。ある子供から、この映画を観たことがきっかけで、目の前で行われているいじめを止めたという話を聞きました。そこで、これを100万人の子供に観せることができたらどうなるだろうかと考え、The BULLY Projectを立ち上げました。様々な協力を得て多くの子供達にこの映画を見せることができています。皆さんにもぜひ協力していただきたくて、今日はここに来ました」最後にHirsch氏は、創作活動についての考え方として「生活のためなどの事情もあるでしょうが、とにかく信念をもって自分が輝く創作をしましょう」と訴えかけた。Amandla!は完成までに10年の歳月を費やしたそうだ。その間には、制作会社が倒産し、資金が尽きて南アフリカを出られないような時期もあったという。その経験を踏まえて同氏は次のように語った。「創作というのは本当に大変なことです。しかし、それによって得られる勝利は小さなもので十分だと思っています。ある人から、あなたの映画で救われた、と言われました。この一言こそが、言葉では表現できない大きな喜びなのです」
2014年10月14日