水波風南の人気コミックを原作に、主演の「Sexy Zone」中島健人を始め、平祐奈、「Hey! Say! JUMP」知念侑李共演で贈る『未成年だけどコドモじゃない』が、9月下旬、無事クランクアップを迎えたことが分かった。本作は、高校生同士が結婚をするという斬新な設定から物語が始まるため、普通の高校生らしい学校やデートシーンに加えウェディングシーンもあり、さらに中島さんが練習を重ねて臨んだサッカーシーンや、平さんと知念さんによる絢爛豪華なダンスシーンなどバラエティ豊かなシチュエーションでの撮影が多数行われていた。撮影は8月から行われており、キャスト・スタッフ一丸となって和気あいあいと進行していったが、そんな中ついにクランクアップ。中島さんは「自分にとってこの1か月は濃厚で濃密で、とても楽しい現場だったので、今日クランクアップを迎えてとても寂しいです。英監督をはじめ、現場全てのスタッフさんがこの作品に愛情込めている姿に感銘を受けて、自分の撮影がお休みの日にも現場に行ってしまうことがありました(笑)」と名残惜しそう。また「きっとこの作品が公開される冬、結婚ブームが来てくれるのではないかと思っています!それくらいこの作品は笑顔に溢れていました。そんな現場が作り出すラブストーリーはいままでにないくらい最高のものになっていると思います」とコメントした。毎日が新鮮だったとふり返った平さんは、「香琳として本当に毎日楽しくお芝居をさせて頂き、英監督はじめ皆さんが毎日笑顔で、たくさん支えて頂きました。香琳ちゃんはちょっとしたコメディアクションだったり、動きが多くてチャレンジすることが多かったので良い経験をさせて頂きました。思い返してみても、本当にあっという間だと感じるくらい、楽しくて最高の現場でした」と挨拶。また、「とても楽しかったです!もう少し撮影したいくらい寂しいです」と話すのは知念さん。「僕はクランクアップにふさわしいシーンで終わることが出来たので、やりきった気持ちです。自分の中にないカッコよさを見せられたと、自分自身で満足するくらい最大の“カッコいい”五十鈴なので是非ご期待頂ければと思います」と呼びかけている。そして今回、新たに追加キャストが発表!平さん演じる香琳の父・折山和紀役を高嶋政宏、母・明里役をシルビア・グラブと、本物の夫婦が両親役として初共演していることが明らかに。ほかにも、中島さん演じる尚の母・怜華役を生田智子、折山家の執事・鏑木役を村上新悟が扮している。『未成年だけどコドモじゃない』は12月23日(土・祝)より全国東宝系にて公開。(cinemacafe.net)
2017年10月03日劇作家・演出家+俳優の、刺激的で新たな出会い。シアターコクーン・オンレパートリー2017『プレイヤー』に出演する藤原竜也さんに話をうかがいました。昨年の映画『太陽』、今年9月公開の『散歩する侵略者』と、いまや演劇界のみならず、その作品が高く評価されている前川知大さん。その前川さんの戯曲を、これまた傑出した才能で新たな演劇の可能性を開拓し続けている長塚圭史さんが演出。このふたりの劇作家・演出家の刺激的なタッグに出演する藤原竜也さん。「僕のなかで、昨年、蜷川(幸雄)さんが亡くなったのはすごく大きいことなんですよね。それこそ、まだ自分が何者でもない時からずっと存在していた正確な秤を失って、これからどっちに進んでいったらいいのか、自分で考えていかなければいけなくなった。もっと広い世界、いろんな演出を見て吸収した方がいいと思う、そんなタイミングで長塚さんや前川さんという才能を持った方々とやらせてもらえる。僕がこれまでやったことがなかったようなタイプの作品ですし、35歳になって新しい気持ちで挑戦できることがありがたいし、ワクワクしますよね」同じ演劇というジャンルではあるけれど、長塚さんの稽古場は、戯曲へのアプローチの仕方から時間の使い方まですべてが新鮮だと話す。「蜷川さんの現場では、稽古初日までにみっちり台本を読み込んできて、集まった日からすぐに立って動いて、というのが当たり前だったんですが、今回は、最初の2週間ほどはテーブル稽古で、ここのセリフを発する意味は…と話し合ったり、皆で戯曲の答えを見つけていく時間がありました。そこには前川さんも同席していたんですが、作家の目の前で戯曲の解釈を話し合うのは長塚さんにとっても挑戦なんじゃないかな。それに、稽古の前のゲーム(形式の稽古)というのもとても新鮮でしたね」また、「僕が背負ってきた世界観や演劇的な技術を取り除いて、いい意味で楽にさせてくれている」とも。「長塚さんは『ご主役をいろいろやられてきた方ですけれど、そういう責めたり当てたりする芝居はしなくていいです』とか、『王室のシーンをたくさん演じてこられたとは思いますが、ここはいわゆる地方の公共劇場で、売れかけの俳優という設定ですので、ご理解ください』とかおっしゃるんですよ。言われるたびに、言い方…って思ってますけど、稽古場を盛り上げてくれてます(笑)」物語の舞台は、地方の公共劇場。そこで上演される舞台の稽古のために集められたメンバーが、とある戯曲を演じていくうち、その劇中の世界に取り込まれていくというもの。「僕らの仕事って、劇作家の言葉を自分の肉体を使って現代のお客さんに伝える役割。寺山(修司)さんの言葉を肉体化させることに必死になっていた若い頃には、戯曲の世界に自分自身を没入させるしかなくて、それは、どこか死者の言葉に取り込まれていくのと近い感覚だったのかなと思うんですよ。ただ、少しずつ経験を積んで、いまは役に没入しながらも、同時に冷静に見つめる自分もいる。そういう僕らの日常と、劇世界とをリンクさせながら、最終的に思いもよらない世界を見せてくれるのが今回の作品。稽古をすればするほど、面白くなっていってます」ふじわら・たつや1997年に蜷川幸雄演出の舞台『身毒丸』でデビュー。現在、主演映画『22年目の告白‐私が殺人犯です‐』が大ヒット中。主演ドラマ『リバース』のDVD&Blu-rayは10月25日発売。地方都市の公共劇場で、『PLAYER』という戯曲が上演されることになった。劇中劇と稽古場の2つの世界が行き来するうち、次第にその境目が曖昧になって…。8月4日(金)~27日(日)渋谷・Bunkamura シアターコクーン作/前川知大演出/長塚圭史出演/藤原竜也、仲村トオル、成海璃子、シルビア・グラブ、峯村リエ、高橋努、安井順平、村川絵梨、長井短、大鶴佐助、本折最強さとし、櫻井章喜、木場勝己、真飛聖S席1万500円A席8500円コクーンシート5500円*すべて税込みBunkamuraTEL:03・3477・3244大阪、静岡公演あり。※『anan』2017年8月9日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・小林 新(UM)ヘア&メイク・赤塚修二(メーキャップルーム)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2017年08月12日高嶋政伸(50)に第1子が誕生することを1日、スポーツ報知が報じた。 政伸は15年9月、大学病院に勤める14歳年下の医師と再婚。同紙によると、夫人はすでに安定期に入っており年内にも出産予定。両親の高島忠夫(86)、寿美花代(85)にとっては待望の初孫となる。 「政伸に先立ち、兄の政宏(51)が05年にシルビア・グラブ(42)と結婚。シルビアはその時点で舞台・ミュージカル女優として売れっ子で、次々にオファーが舞い込んでいました。そのためなかなか子宝に恵まれず、現在に至っています」(演劇担当記者) 兄に遅れること3年、政伸は08年にモデルで女優の美元(37)と結婚。東京・帝国ホテルで盛大な披露宴を行い、高嶋家の世継ぎ誕生が期待されたのだが……。 「もともと派手好きな美元は、政伸の母である寿美と合わなかったといいます。そのうち、政伸とも性格の不一致が露呈。泥沼の離婚訴訟を経て、12年にようやく離婚が成立しました」(スポーツ紙記者) 一時期は離婚訴訟のストレスなどから激太りし心配された政伸。しかしストレスから解放されたのか、13年に出演したテレビ番組では再婚願望を聞かれ「一番に考えるのは子供ですね。高嶋家の血筋が絶えちゃう。新しい出会いがあったら即、子供」と“重圧”がかかっていることをうかがわせていた。 初孫が無事に誕生したあかつきには、一族そろって「イェーイ!」と喜ぶことができそうだ。
2017年05月02日昨年10月15日に同い年の一般男性と結婚したTBSの加藤シルビアアナウンサーが4日、同局の公式ブログを更新し、第1子を妊娠したことを発表した。加藤アナは「3月31日をもって、Nスタを卒業しました」と同局系報道番組『Nスタ』を卒業したことを報告。「長年の夢だった報道の番組に携わることができ、4年間、充実した日々を過ごすことができました」と振り返り、「長い間、温かく見守っていただき、ありがとうございました」と感謝の思いを伝えた。そして、「今日は一つご報告があります。この度、子供を授かりました。現在妊娠5ヶ月で、出産予定日は9月上旬です」と第1子妊娠を報告。「お腹も徐々に膨らみはじめ、少しずつ母になる実感が湧いてきているところです。初めての妊娠・出産ということで、不安もありますが、体調第一にお仕事に取り組みたいと思います」と心境をつづり、「今後とも、どうぞよろしくお願いいたします」と呼びかけた。
2017年04月04日●なぜ最近のドラマに舞台役者が求められるのか?2016年のNHK大河ドラマ『真田丸』で、堺雅人演じる主人公・真田幸村の叔父・真田信尹を演じ注目された俳優・栗原英雄。1984年に劇団四季に入団し、ミュージカル『ライオン・キング』など名だたる作品で活躍を続け、2009年に退団してからも様々な作品に出続けている。舞台・映画で幅広く活躍していたなかで、脚本家・三谷幸喜から指名を受けて大河ドラマに出演すると、視聴者から一躍注目を浴びた。2017年3月に、ふたたびの指名を受け、新作舞台『不信』で三谷舞台初参加となる。今回は大河ドラマに出ての変化、役者として指名を受ける魅力の源など、話を伺った。○『真田丸』と同じことが起こった――今回はまた三谷さんのご指名だということですが、どういった経緯があったんですか?三谷さん演出の『ショーガール』という舞台作品に女優のシルビア・グラブさんが出ていたので、観に行ったんです。久しぶりにお会いしたので、三谷さんにご挨拶をして「お久しぶりです。『真田丸』、評判いいじゃないですか」といった話をして、「気をつけて、またいつか」とお別れして3日くらいに「新作舞台に出ませんか」と連絡がありました(笑)。『真田丸』のときも、シルビアさんと夫婦役をしていた舞台『タイタニック』を三谷さんがご覧になって、シルビアさんつてに「栗原さん、TV興味ないかな」と聞かれて、正式にオファーが来たんですよね。本当に、丸1年後くらいに同じようなことがあったので「うわあ、すごいな」と思いました(笑)。――もともと映像で活躍されている役者さんも、大河ドラマ出演はかなり大きいと思うのですが、舞台を中心に活躍されていた栗原さんは、『真田丸』に出たことで何か環境が変わったことはありましたか?Twitterのフォロワーが急激に増えました(笑)。今まであまり表に出てこなかった真田信尹公がクローズアップされて、さらに「信尹を演じている栗原という人間がいるんだ。誰なんだろう?」と、視聴者の方が敏感に感じてくれるんだと思いました。ただ出演しているときは基本的に、メイクとかつらでしたので、街で気付かれたりしないのは少し寂しいところですね(笑)。――『真田丸』撮影の中で、苦労したこと、また楽しかったことを教えてください。苦労したこと、ないですよ! すべて楽しかったです(笑)。こんな機会なんてなかなかないですから、みんなができない経験をさせてもらいました。楽しかったのは、このスタッフ・キャストで1年間できたことですね。今でも会合をやってまして、みなさん口々に「こんなに仲の良い座組はない」と言われるくらい。真田家がそういう自由な家柄なんでしょうね。○芝居の”言語”が一緒の役者たち――『真田丸』には新納慎也さんと舞台、それもミュージカル方面で活躍される俳優さんが多く、最近では月9に山崎育三郎さんも出演されます。栗原さんご自身も四季出身ですが、そういった流れはどう感じられていますか?嬉しいことですよね。なにか、真新しい印象を持ってもらえているんじゃないでしょうか? あとは今、制作をされる側も重厚なドラマを作りたいというのはあるかもしれないですよね。例えば細かくカット割りするのではなくて、長回しに撮りたいという監督さんも増えているのかな。舞台役者はそれが苦手ではないかも。何しろ、ふだんから2時間ずっと長回しで芝居をしているんですから(笑)。メインではなくても、そういう人を入れてやりたいことをやる、というのはあるんでしょうね。役者にとってはチャンスですし、どんどん増えてほしいです。――堺雅人さん、大泉洋さんなど、舞台も積極的にされている方が『真田丸』には多かったのかなという印象もありましたが、何かやりやすい空気などはありましたか?舞台の方法が体に染みついている役者さんたちがそろっていると、良い意味で楽です。自分発信だけで作っていかない、相手役と呼吸を合わせる空気があるというか。現場に入って、いざお手合わせとなった時に、相手の芝居の中で自分も変わっていける、あ・うんの呼吸はあると思います。きっと、芝居に対する言語が一緒なんでしょうね。堺さんからは「叔父上、四季には独特の台詞訓練がありますよね?僕も母音で練習をやっているんですよ」と聞かれたことがあって、そのときはどうしたら自然にできるかとか、練習方法についての技術的な話をしましたね。堺さんとは自分自身の相談もしました。疲れていて”出かける”芝居をしてしまったかもしれないときに確認したりとか。これは、本当はやってはいけない”プッシュ芝居”というもので、自分の演技がお客さんにわからないと思って、動きなどの”説明”を多くしてしまうことなんです。そんなとき堺さんに「今、俺、出かけてなかったかな?」と聞いていたりしました。●三谷幸喜とのメールは思春期のカップルみたいなやりとり○固定観念は持たずに人と接する――今度の舞台『不信』では、キャストの中で唯一、舞台の三谷作品初登場ということですが、三谷さんとはいろいろお話はされたんですか?実はまだ全然ないんですよね(※取材は12月下旬)。『真田丸』のときも、三谷さんとはメール交換もしていないし、ドラマが始まってからも、お会いしたのは2~3回。舞台でごあいさつしたときも、お互いシャイなので「どう話を転がしていこうか」みたいなところはありました(笑)。三谷さんはよく役者さんへメールをされているらしいのですが、僕は『真田丸』のときに連絡先を交換していなかったんですよ。1回お会いした時に、「(信尹は)有能なビジネスマンでやってほしい」ということはお聞きしていたのですが。だから、今回の舞台をやるにあたって、初めて交換しました。でも、メールの内容が「今日はありがとうございました。よろしくお願いします」「こちらこそありがとうございます」と、それだけですからね。思春期のカップルみたいなやりとりをしました(笑)。――周りの方からのアドバイスや、「三谷さんってこんな人だよ」という情報はありましたか?シャイな方というのはお聞きしました。ただ、僕はあまり人の評判は聞かないようにしているんです。他人から聞いた話で固定観念を持って入ってしまうのが嫌で。「この人はこうなんだな」という先入観を持たずに行こうと思っています。なるべくフラットな状態で接したいというのは、ずっとそうですね。役者にとって、何が大切かというと、「聞く力」なんですよね。相手役のセリフもそうですし、スタッフの言葉も演出家の言葉も、いかに聞けるかというのが大切だと思います。○大切なのは自分自身を認めること――もともと大きな劇団に所属されていて、今は個人として活動されていますが、一番の違いはどこにありますか?全責任を自分で負うという点です。大海原を小舟で渡りながら、スキルを磨いて、小舟のパーツを良くしていくイメージです。一方、劇団は大きな船という感覚ですが、自分もすごく大事な部分を担っていて、ちょっとでも甘さがあったら船が沈んでしまう、というイメージです。いくら船にのっていても、そこは変わりませんね。――船を進めていくコツはどんなところにあるのでしょうか。そうですね、真面目に生きることでしょうか。覚悟を決めて、腹を据えて、やると決めたらどんなこと理不尽なことでも受け入れます。事務所がだめだとか、俺の方ができるのにとか言う人もいて、実際にそういったことはあるのかもしれませんが、そこにいることを認めないと、自分自身を否定していることになってしまいます。自分で自分を信じてあげないと、乗り越えられないでしょう。――それは役者を初められたときからそういった信念があったのでしょうか?少しずつですね。劇団時代はやっぱり自分を否定したこともありました。「自分はダメだ、ダメだからやるんだ」という感じで。日本人って、一歩下がって謙虚に生きるのが美徳とされるじゃないですか。でもどんなに不安だろうが幕はあくし、自分を自分が信じてあげなくて誰が信じられるのか。「俺はやってきたんだ」と、自分を信じてあげなくてどうするの、という気持ちです。信じられないのは逆に、自分の理想像を膨らませすぎている人が多いのかもしれないですね。「こんな自分じゃない」と、過大評価している。ありのままを認めると一番楽なんですけどね。「俺ってカッコよくないんだな、たいしたことないな」と見つめながら、たいしたことのない自分を認めて自信を持つということが大切だと思いますよ。――それでは、改めて今度の舞台への意気込みを教えてください。『真田丸』を経験した三谷さんが、新たなものを書き起こしたい、ブラックな人間の機微やサスペンスの中で、先が全然見えないものを表現したいという時に、お客さんと一緒にその時間を過ごせたらなと思うんですよね。緻密に稽古をして行って、演じる自分自身も「ええ、そんなことになるの!?」と驚けたらと思っています。■舞台『不信~彼女が嘘をつく理由』三谷幸喜書き下ろしの新作サスペンス。一つの嘘がさらなる嘘を引き起こす悲喜劇を描く。出演は段田安則、優香、栗原英雄、戸田恵子。公演は東京芸術劇場 シアターイーストで3月7日~4月30日(プレビュー公演は3月4日~6日)。
2017年02月02日12月12日、都内のホテルにて、市村正親主演のミュージカル『紳士のための愛と殺人の手引き』の製作発表記者会見が行われた。報道陣と約200人のオーディエンスが注目するなか、市村をはじめとする出演者たちが舞台への意気込みを語った。ミュージカル「紳士のための愛と殺人の手引き」チケット情報冒頭でカンパニーキャストによるナンバー「なぜよく死ぬのかダイスクイス」が披露されると、プリンシパルキャストのウエンツ瑛士、柿澤勇人、シルビア・グラブ、宮澤エマ、春風ひとみが登壇。最後に現れた市村正親は、市村の顔の仮面をつけた7人の登場人物を率いての堂々たる姿だ。その7人の姿を見て市村は、「気持ち悪い……」と渋い表情を見せ、会場の笑いを誘った。日本初上陸となる本作は、2014年トニー賞4冠に輝いたブラックコメディの傑作だ。舞台は1900年ごろのイギリス。貧乏な青年モンティは、自分が大富豪の伯爵の8番目の爵位継承権を持つことを知り、莫大な財産を手に入れようと、奇妙キテレツな手を使って継承順位上位の人々を殺していく。殺されるのは、牧師や陸軍少佐、舞台女優など実に様々だが、その8人を演じ、8回殺されるのが、ただひとりの俳優、市村正親というわけだ。「ウエンツ君と柿澤君とのトリプル・キャストと聞いていたんだけど」と再び笑いを誘い、「年とともに大変な役が増えてきた。今回は正直、どうなるのか自分でも見当がつかない。コメディですが、笑いをとりに行くような作品ではなく、それぞれの道を必死に生きている、そのこと自体が端で見るとおかしい、というもの。“これは市村さんにしかできない”と言ってくださった方たちの期待を裏切らないよう、しっかり演じ、楽しいミュージカルを創れたらと思います」と抱負を述べた。「楽しく死ねたらいいな」と笑う市村を、実に8回も殺すことになるモンティ役は、ウエンツと柿澤のダブルキャストだ。「まさかレジェンドの市村さんと共演できるとは思ってもみませんでした。ダラスでこの作品を観た印象では、モンティ役は“受けの芝居”。人を殺していくなか、人との出会いのなかで心情も変わっていく。丁寧にやっていきたいと思います」(ウエンツ)、「殺人鬼、人を追い込む役を演じることが多いのですが、今度はどんな役?と尋ねたら、“人を殺します”と(笑)。でもコメディですから、たくさん笑って帰っていただきたいですね」(柿澤)。演出の寺﨑秀臣は、「日本でやる以上は、ブロードウェイでやったものをそのままやるのではなく、オリジナリティ、市村さんの良さを出していきたい。作品のもつ面白さプラスアルファで、圧倒的に面白いものができあがる、そんな期待をこめて演出していきたい」と語った。公演は2017年4月8日(土)から30日(日)まで東京・日生劇場、5月4日(木・祝)から7日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホール、その後福岡、愛知でも上演。東京、福岡公演のチケットは発売中。大阪1月15日(日)、愛知2月4日(土)一般発売開始。取材・文:加藤智子
2016年12月28日俳優の市村正親が12日、都内で行われた主演ミュージカル『紳士のための愛と殺人の手引き』製作発表会見に、柿澤勇人、ウエンツ瑛士、シルビア・グラブ、宮澤エマ、春風ひとみとともに出席した。同作は2014年にトニー賞の作品賞・脚本賞他4部門を受賞したブロードウェイ・ミュージカル。母に死なれた青年・モンティ(ウエンツ、柿澤Wキャスト)が、大富豪の貴族「ダイスクイス・ファミリー」の血を引いていることを知らされ、爵位継承権を持つ8人を次々と殺していくコメディ。市村は8役を演じ、次々と殺されていく役となる。作中では市村が早替えを行いながら8役を演じるが、会見では市村+市村の仮面をかぶった7人が登場。市村は、自分の顔の仮面を見て「気持ち悪い……」と苦笑した。そして”分身”に囲まれて「こんな顔してんだねえ。あ~あ、やだやだ。以上」と”市村節”を炸裂させた。市村を殺していくことになるウエンツと柿澤だが、ウエンツは「最高じゃないですか」と率直に感想を表し、市村から「本当に殺すなよ。僕も若いから」とつっこまれる。ウエンツは「千秋楽くらいにわからないですけど」と冗談を飛ばし、仲の良い様子を見せた。一方、柿澤は「やばいです」と対照的な様子。「隣にいるだけで心臓がバクバク」と緊張を表し、「圧力に僕の方が死んじゃうんじゃないかなって」と恐縮してみせると、市村から「いつから口がそんな達者になった」と驚かれていた。ダラスで同作を観劇済みというウエンツは自身の役を「ウケの芝居だなと思ってます」と俳優として分析。「笑いを取るような場面はなく、結果的に笑いを取ってしまう」と語り、「1幕2幕で心情が変わっていくので、丁寧にやっていく」と頼もしい姿を見せた。市村も「確かにコメディなんだけど、やってる人間が笑わそうと思ってやるのではなく、必死に生きてること自体が、はたで見てるとおかしいみたいなことがある」と同意し、「笑いを取りに行くというよりは8役を懸命に生きていきたいなと思います」と舞台への思いを語った。
2016年12月12日タレント・俳優のウエンツ瑛士が12日、ミュージカル『紳士のための愛と殺人の手引き』製作発表会見に、市村正親、柿澤勇人、シルビア・グラブ、宮澤エマ、春風ひとみとともに出席した。同作は2014年にトニー賞の作品賞・脚本賞他4部門を受賞したブロードウェイ・ミュージカル。母に死なれた青年・モンティ(ウエンツ、柿澤Wキャスト)が、大富豪の貴族「ダイスクイス・ファミリー」の血を引いていることを知らされ、爵位継承権を持つ8人を次々と殺していくコメディ作品で、市村は次々殺される8役を演じる。2016年を漢字で表すと、ウエンツは「孤独の”独”という字ですね」と一言。「ちょっとお忘れかもしれないですけど、今年の頭にWaTというグループを解散しまして。その時に市村さんからもメールをいただいて、最後の新曲の感想もたくさんいただいたんです」と市村に感謝した。そして「それぞれがクリアしたい課題を見つけていくということで始まったのが今年の頭だったで、その文字(独)ですよね」と1年を振り返った。一方、柿澤は「腱」。6月に主演ミュージカル『ラディアント・ベイビー』公演中、アキレス腱を切る怪我で、大阪公演が中止となったことを受けて選んだ。柿澤は「演劇人生の中で一番悔しい思いだったので、来年は強い”腱”を持って舞台を上演させていただいて」と2017年への抱負を述べた。また、市村は「食」の一文字を選定。2014年に早期の胃がんが発見され、胃を半分切除する手術を行ったが、2016年は「ほどほどに美味しいものを半分食べて、いい舞台にする」と、舞台につながった年だったことを語った。東京公演は日生劇場にて、2017年4月8日~30日。大阪公演は梅田芸術劇場・メインホールにて5月4日~7日、福岡公演はキャナルシティ劇場にて5月12日~14日、愛知公演は愛知県芸術劇場で5月19日~21日。
2016年12月12日TBSの加藤シルビアアナウンサーが17日、同い年の一般男性と15日に結婚したことを、同局の公式ブログで発表した。加藤は「ご報告」というタイトルで更新し、「私、加藤シルビアは、10月15日に結婚しました」と報告。お相手について「同い年の一般の方です」と明かし、「長年友人関係にありましたが、次第に惹かれ合い、自然と自分にとって大切な、かけがえのない存在になりました」と経緯を記した。そして、「生涯の伴侶を得、より一層仕事に邁進したいと考えています」と決意を新たにし、「今後ともどうぞよろしくお願いいたします」と呼びかけた。日本人の父親とポーランド人の母親を持つ加藤アナは、2008年にTBSに入社。現在『Nスタ』のキャスターを務めている。
2016年10月17日洋菓子ブランド「アンリ・シャルパンティエ」が国際的ケーキデザイナー、シルビア・ワインストックとタッグを組んだ新ブランドライン「アンリ&シルビア(Henri & Sylvia)」が登場。2016年9月7日(水)より、アニバーサリーケーキの予約が開始される。「アンリ&シルビア」は、アンリ・シャルパンティエのアニバーサリーケーキにおける最高峰ラインナップとして誕生した新ブランドライン。ニューヨークを拠点に活躍するシルビア・ワインストックは、ハリウッドセレブやロイヤルファミリーをはじめとする、多くの著名人のアニバーサリーケーキやウェディングケーキを手掛け、“世界一美しいケーキ“を作るデザイナーとして知られている。今回誕生したアニバーサリーケーキは全部で4種。シルビア・ワインストックのシグニチャーアイテムでもある、精巧な技術でひとつひとつ手作りで作られたシュガーフラワーがふんだんに飾り付けられている。中身は、シルビアのアメリカンクラシックケーキのレシピを日本風にアレンジ。最良の材料で最高の美味しさを追求する。ケーキを作り上げていく過程では、シルビアが実際に行う手法である「パレットコンサルティング」を導入。ケーキのスポンジやクリーム、花の色などを注文者と一緒に決定していく。約3,000通りの組み合わせが可能な、世界一美しいアニバーサリーケーキが、世界で一つだけの瞬間を華やかに彩る。【詳細】「アンリ&シルビア」アニバーサリーケーキ販売期間:2016年11月1日(火)〜予約開始:2016年9月7日(水)〜 ※髙島屋は9月8日(木)〜取り扱い店舗:髙島屋(日本橋・新宿・横浜・名古屋・京都・大阪)、赤坂プリンス クラシックハウス、ザ・リッツ・カールトン大阪、オリエンタルホテル 他価格:・ガトー・アン 1,400,000円+税・ガトー・ドゥ 600,000円+税・ガトー・トロワ 300,000円+税・ガトー・キャトル 120,000円+税【問い合わせ先】 銀座メゾン アンリ・シャルパンティエTEL:03-3562-2721(平日 11:00〜20:00)
2016年09月10日パリのコーヒーカルチャーを牽引するカフェ「COUTUME 青山(クチューム アオヤマ)」にて、ガレットをブーケに見立てた新グラブフード「ガレットブーケ」が、期間限定のサマーメニューとして展開中だ。「COUTUME」は、パリにサードウェーブコーヒーを根付かせたパイオニア的存在のカフェ。2014年4月に東京・青山に初上陸を果たし、現在はフランスに3店舗、日本に2店舗を展開している。青山店は、今年4月に移転リニューアルオープンし、表参道の駅近にあってショッピングを楽しむ人々や近隣のビジネスパーソンらの憩いのカフェとなっている。新メニューの「ガレットブーケ」は、フランスの郷土料理ガレットをブーケに見立てたお洒落なグラブフード。パリのガレットスタンドをイメージし、イートインと共にカジュアルなテイクアウトスタイルにもおすすめ。たっぷりの野菜に生ハムまたはサーモンを、そば粉ベースのグルテンフリーのガレットで巻き込んだ「ガレットブーケ プロシュート」と「ガレットブーケ サーモン」(ともに880円、イートインは各1,080円、+200円でドリンク付き)は、ヘルスコンシャスな人々にも大歓迎されるメニュー。期間限定のサマーメニューには、彩り豊かな夏野菜にピリっと辛いチリソースをあわせる「サマータルティーヌ」(1,080円、11時~17時はドリンク付きで1,280円)や、スライスしたローストビーツを涼やかに盛り付けた冷製カルパッチョ「ビーツカルパッチョ」(1,080円、11時~17時はドリンク付きで1,280円)が登場。そのほか、夏のフードメニューに合わせるコーヒーとして、エスプレッソをトニックやソーダで割った「エスプレッソトニック」や「オレンジゼストエスプレッソ」などのコーヒーペアリングを提案。コーヒーの美味しさが評判のチュームならではメニューにも注目したい。(text:cinemacafe.net)
2016年08月11日建替えのため8月7日をもって一時休業する渋谷パルコ パート1・3にて、休業前最後の10日間となる7月29日から8月7日まで、豪華アーティストによる展示や最終売り尽くしセール「ザ・閉店セール!」など様々なイベントが開催される。中でも注目したいのが、7月29日から8月7日までパルコミュージアム。渋谷パルコと縁の深い豪華アーティストによる展覧会を開催する。パルコミュージアムの最後の一幕として、“ラストダンス(Last Dance_)”をテーマにそれぞれのアーティストが展覧会に向けて制作した新作や、貴重な旧作からテーマに沿った作品などを展示する。絵画、グラフィック、ポスター、立体、写真、映像、音楽、衣装、エッセイなど幅広い分野の作品が集結する予定だ。また、会期中には出品アーティストをはじめ、渋谷パルコに関わりのあるアーティストたちによるトークショーやアートインスタレーション、ライブパフォーマンスなども行われる。参加アーティストは、伊藤桂司、井上嗣也、小沢健二、佐藤可士和、しりあがり寿、寺山修司、東京スカパラダイスオーケストラ、日比野克彦、森山大道、HOMME PLISSE ISSEY MIYAKE、TOMATO、Ground Y (YOHJI YAMAMOTO INC.)12組。また、8月7日の最終日に開催される「渋谷公園通りメモリアルパレード~みんなで歩こう渋谷公園通り~」では、渋谷に思い出のある人々とともに公園通りを歩き、渋谷の街、公園通りの魅力を再発見するメモリアルパレードとなっている。また特設サイトでは、オンラインで渋谷公園通りパレード動画を自分でつくることができるコラボレーションアプリを公開。アプリで参加者が自分のアイコンを作成し、特設サイトで好きな年代を選択、オンライン上でオリジナルのパレード動画を作成することができ、SNSでシェアやダウンロードすることができる。パルコ劇場では8月7日まで、1990年8月から四半世紀渡り、同劇場で様々なキャストで読み継がれてきた朗読劇の金字塔「ラヴ・レターズ」を上演。8月1日の19時からはTOSHI-LOWと大空祐飛、8月2日の19時からは柄本時生と前田敦子、8月3日の19時からはや内道彦と木村佳乃、8月4日の19時からは風間杜夫と伊藤蘭、8月5日の13時からは森崎博之とシルビア・グラブ、8月6日の13時からは勝村政信とYOU、8月7日の13時からは渡辺謙と南果歩が出演する。価格はいずれも税込5,400円。これまで渋谷パルコにて度々開催されてきた、パワフルに自分を発信する女子クリエイターによる「シブカル祭」も「シブカル<夏>祭。2016~レッツ・ラスト・ダンス~」として開催。スペイン坂広場に出現する「シブカル特区。」に8月5日から7日まで、シブカルクリエイターによるアーティーな屋台に暑い夏にぴったりのケータリングや、ここでしか手に入らないオリジナルグッズ、ダンスパーティーなどなど、夏のひとときをシブカル色に染めるとっておきのプログラムを展開する。8月3日から7日まではギャラリーXにて、過去の「シブカル祭。」に参加した女子写真家5人による写真展を開催。“渋谷”をテーマに撮り下ろした写真作品の他、同展の開催に合わせて制作した限定オリジナルZINEも登場する。また、過去5回の「シブカル祭。」すべてに参加した愛☆まどんなとLyが巨大壁画制作に挑む「愛まとLyのウォールペイント」や、公園通り広場の特設スペースを舞台にしたフリーライブイベントなども行われる。シネクイントでは8月6日、7日に、過去の上映作品の中でも特に思い出深い作品を特別上映。シネクイントのオープニング作品である『バッファロー‘66』、及びパルコ出資作品『下妻物語』をワンコイン500円にて上映する他、クロージング作品で大ヒット上映中の『シング・ストリート 未来へのうた』も上映される新旧の傑作を味わう2日間となっている。その他、渋谷パルコに縁の深い東京デザイナーズブランドによるポップアップショップや、渋谷パルコに縁の深い著名人からのメッセージの公開なども行われる他、渋谷ポップカルチャーゾーン・ジブポップやTOKYO FM スペイン坂スタジオでもスペシャルイベントが開催される予定だ。
2016年07月29日パリ発のカフェ「クチューム 青山」より、新グラブフード「ガレットブーケ」が登場。2016年7月25日(月)より発売される。フランスの郷土料理ガレットをブーケに見立てた本メニュー。パリのガレットスタンドをイメージし、イートインと共にカジュアルなテイクアウトスタイルでも楽しめる一品だ。ジェノベーゼをベースに、生ハムやルッコラ、トマト、バルサミコソースをあわせた「ガレットブーケ プロシュート」や、スモークサーモンとクリームチーズに5種のハーブや香草ヨーグルトソースを効かせた「ガレットブーケ サーモン」が展開される。さらに、期間限定のサマーメニューとして、彩り豊かな夏野菜にピリッと辛い緑唐辛子とチリソースを合わせた「サマータルティーヌ」や、スライスしたビーツが特徴の「ビーツカルパッチョ」がラインナップ。また爽やかなフードメニューにあわせるコーヒーとして、エスプレッソをトニックやソーダで割った「エスプレッソトニック」や「オレンジゼストエスプレッソ」などコーヒーの新たな楽しみ方も提案する。なお、2016年7月25日(月)から31日(日)までの1週間、「ガレットブーケ」をテイクアウトで購入すると、クイックコーヒーが無料で提供される。夏らしいフードメニューに合わせて、美味しいコーヒーも堪能してみては。【詳細】ガレットブーケ プロシュート&ガレットブーケ サーモン発売日:2016年7月25日(月) 価格:テイクアウト 各880円(税込)、イートイン 各1,080円(税込)※+200円でドリンク付き販売店舗:クチューム 青山店住所:東京都港区南青山5-9-15 OHMOTOビル1F営業時間:7:30〜21:30(21:00 L.O.)TEL:03-6418-5325■サマーメニュー提供期間:2016年7月25日(月)〜終了日未定・サマータルティーヌ 1,080円(税込)・ビーツカルパッチョとタブレのサラダ 1,080円(税込)※どちらも11:00〜17:00のランチタイムはドリンク付きで 1,280円・エスプレッソトニック 650円(税込) ・オレンジゼストエスプレッソ 650円(税込)
2016年07月25日1980年に発表された村上龍の小説『コインロッカー・ベイビーズ』が音楽劇になる。コインロッカーに捨てられ、親からも社会からも見放されたふたりの若者を描いて、今なお衝撃を与え続けているこの傑作は、舞台化によって何を伝えてくれるのか。音楽劇だからこそ届くものを、白熱の稽古場に探った。舞台『コインロッカー・ベイビーズ』チケット情報稽古場に入ると、いくつかの四角い穴が二段に積み上げられたセットがあった。のちにそれが、車になったりビルになったりするのがわかるのだが、一見すると、まさにコインロッカーであり、オープニングの場面では、まさしくそこから、この物語の主人公であるふたりの少年、ハシとキクが生まれ出る。演じるのは、A.B.C-Zの橋本良亮と河合郁人だ。ハードなロック音楽に乗せて、シルビア・グラブ、ROLLY、そして梅棒の梅澤祐介などを揃えたアンサンブルが、捨てられた赤ん坊の歌を激しく歌い踊るなか、登場するふたり。世の中のすべてを憎むかのような鋭い目が、いきなり突き刺さる。ふたりを囲むダンスも、上げる手の角度や目線など、細かく動きを調整していくことで、その意味するところが鮮明になっていく。おそらく鼓動を表していると思われる振りや、退廃的かつ挑戦的なギター音が、冒頭から痺れさせてくれる。2場からは一気に物語が進んでいく。奇跡的に生き残ったものの暴力性を制御できなかったハシとキクが特別な音治療を受けたこと、ハシがその音と母親を探し始めること、キクが不思議な少女、アネモネと出会うこと……。それらを断片的に歌と芝居で綴っていく様は幻想的で、どこかアンダーグラウンドな芝居を観ているかのような心持ちにさえなる。そのシュールさに拍車をかけるのが、アネモネを演じる昆夏美、何役か演じる真田佑馬や芋洗坂係長の、少し狂気を帯びた芝居だ。橋本と河合がほとんど目を合わさず芝居することも興味深い。同時に舞台に立ちながら、別の時空にいる場面もある。なのに、ふたりの芝居は呼応していく。そんな演劇ならではの面白さに加えて、アンサンブルがその周囲で歌い動いて、観る者の感情を揺さぶり続ける。演出の木村信司は、原作の『コインロッカー・ベイビーズ』から「僕を殺すな。殺そうとしても生き残る。そして必ず、あなたたちの前に再び現れる」という子どもの叫び声が聞こえる、と語っている。何としても生きようとするふたりの少年の叫びが、芝居になり、歌とダンスになる。これほど演劇的な作品はないと言えるのではないだろうか。舞台『コインロッカー・ベイビーズ』は6月4日(土)から19日(日)まで、東京・赤坂ACTシアターで上演。その後、福岡、広島、大阪を巡演。取材・文:大内弓子
2016年05月26日●宝塚とジャニーズの共通点1980年に発売された村上龍の小説『コインロッカー・ベイビーズ』(講談社)。発行から36年の時を経て、このたび舞台化される。乳児の頃にコインロッカーに残された青年・ハシを橋本良亮(A.B.C-Z)、キク役を河合郁人(A.B.C-Z)が演じる。昆夏美やシルビア・グラブといったミュージカル界の実力者、更にはROLLYや芋洗坂係長など豪華なキャスティングで一体どのような世界が展開されるのか。脚本・演出を務めた木村信司は、宝塚歌劇団に所属し、ふだんは「清く、正しく、美しく」を信条に舞台を作り上げている。今作にかける思い、宝塚との違いなどについて、改めて話を伺った。○宝塚では絶対にできない脚本にチャレンジした――木村さんは宝塚歌劇団の演出家ですが、今回はなぜ『コインロッカー・ベイビーズ』に関わることになったのでしょうか?頼まれて書いたわけではなかったんです。自分は宝塚をすごく愛していて「清く、正しく、美しく」という教えのもとに頑張っているのですが、「宝塚では絶対にできないような脚本を書けるんだろうか」という思いがあり、一番遠い題材を考えたときに、この作品が浮かびました。原作が出版されたときには面白いSF小説として読んだんですが、21世紀になった時に読み返して、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』と共通するところがあるなと。「僕たちを殺すな、生き残る。もう一度現れる」という子供の叫びを聞いた気がして、脚本に起こしました。2001年頃の話です。――書いたものを形にしようと動き始めたのはいつからですか?いろいろな伝手を使いまして、5年前、村上先生の手元に脚本と企画書が届きました。それから10日も経たないうちに、ぜひやってほしいという話が来まして、びっくりしましたね。「条件もそちらの思うように」というお話でした。あとになってから知ったのですが、映画界では常識となっているくらい難攻不落の著作権だったそうです。舞台化が動き出したのは、村上先生に「やってよろしい」と言っていただけたことがすべてでした。――そこはやはり脚本の力が大きかったのでしょうか。もし感じ取ってもらえたものがあったとすれば、熱だったんだろうなと思います。○その瞬間、輝くことに命をかける――主演がジャニーズの方で、木村さんは宝塚の方ですが、宝塚とジャニーズの違いは感じますか?共通点を話した方が早いかもしれません。一番の共通点は、皆、良い子だということです。舞台には正直に人柄が出てしまいますし、何を隠していても根底が出るので、見ているとよくわかります。うちのタカラジェンヌたちと同じ情熱をもって舞台にかける男の子たちだと思います。――パフォーマンスの点などではいかがでしょうか?その瞬間輝くことに命をかけるようなパフォーマンスは、共通しているところかもしれません。スキルはもちろんですが、一瞬一瞬にかける情熱が、より大きな魅力になっています。――主演のお二人の印象はいかがですか?公演も何回か見せていただいて、ジャニーズ事務所が手塩にかけて育て上げた舞台の申し子達だなと思っています。河合くんは、口調からも感じられますが、ガッツがありますよね。橋本くんは、見た目もロマンティックじゃないですか。先日の製作発表では、シルビアさんを自然とエスコートしていて、女の子がぽーっとなるのは無理もない(笑)。ライブでお客様にアピールすることをずっと勉強してきた2人ですから、これから脚本に2人の想像力を加えて、冒険していけることを楽しみに思っています。やりたいことはミーハーなこと。河合くんの曲にガッツがあった、橋本くんクールだったね、昆ちゃん可愛かった、シルビアさんの歌が心にしみた。そういったミーハーをつなぎ合わせて、お客さんに喜んでもらえるものを作りたいと思います。●入るまで、宝塚を観たことがなかった○脚本・演出家を目指したきっかけ――木村さんご自身についてお聞きします。脚本・演出家を目指したきっかけについて教えて下さい。脚本を書こうと思ったのは、小田島雄志先生訳のシェイクスピア全集を全部読んだことがきっかけなんです。それまでもずっと小説などは書いていたのですが、自分はリアルな話よりも、ロマンティックな物語に資質があるのではないかと思っていました。そこへシェイクスピア全集を呼んで「脚本家だ!」と。実は僕、少し変わった経歴なんです。"引きこもり"なんて言葉もない時代でしたが、大学に入る前の3年間、本ばかり読んで過ごしていました。シェイクスピア全集を読んだことによって、「ぜひ大学で勉強したい」と受験して、合格して入学したあとはずーっと脚本を書いていました。――そのころから、宝塚歌劇は視野に入っていたのですか?実は、入るまで観たことがありませんでした(笑)。就職活動時に台本を送ったところ、試験に通ったのですが、最初に上演された『扉のこちら』と言う作品は、宝塚を観ないままに書いた試験台本そのものなんです。宝塚歌劇について知っていたのは「男役さんという、素敵な人がいるらしい」ということだけ。イメージする素敵な人を主人公で書いてみたら通ったので、やはりもともとロマンティックな要素を持っていたのではないでしょうか(笑)。――宝塚以外の作品も書いていらっしゃるんですね。時間があくと腕が落ちて来ますので。上演するあてもないままに書いている作品も、今4~5作はありますね。これからの宝塚のためのプレゼンとして書いているものもあれば、「これは宝塚でできない」と思って書いたものもあります。アスリートと一緒で、日々の研鑽ですね。○単に観劇ではなく、経験として残るものに――宝塚歌劇団の演出家の方も、宝塚歌劇以外の外部の公演の演出をされたり、活躍されていますね。宝塚には、優秀な脚本家・演出家がたくさんいます。外部舞台に出すのは、他流試合で腕を磨いて、戻ってきたときにその経験を活かして、仕事に励んで欲しいということじゃないかと思うんです。やっぱり一定期間は人材を外に出すことにはなりますので、勉強の一貫ととらえているのではないかなと。――留学のようなイメージでしょうか。脚本家同士、演出家同士など内部の交流はあるのですか?タカラジェンヌも含めて、スタッフ皆が家族なんです。宝塚という家に住んでいます(笑)。――今回の作品は「清く、正しく、美しく」とはかなり離れた世界観ですが、演出プランの違いは出てきますか?「清く、正しく、美しく」は宝塚では絶対に外せない、大切な教えですが、僕自身の役者に対するスタンスは、宝塚で演出するときと変わりません。これまでもモーニング娘。と『リボンの騎士』、声楽家団体「二期会」と一緒に『シューベルト』など外部舞台の経験がありますが、スタンスを変えたことなく、裸のままでいって、可能性を探っていきます。――客層の違いは意識されますか? 今回は舞台を観慣れている方も多いのかなと思います。幕が開くまで、どんなお客様がいらっしゃるのかはわかりませんから。宝塚にしても、大劇場と地方公演では変わってきますから、見慣れている・見慣れていないということではなくて、お客様に何か一つの経験として残るものにしたいと思っています。単に観劇ということではなく、Experienceとして、という気持ちはありますね。音楽劇『コインロッカー・ベイビーズ』公演日程:2016年6月4日~2016年6月19日会場:赤坂ACTシアター原作:村上龍脚本・演出:木村信司音楽:長谷川雅大出演:橋本良亮(A.B.C-Z) 河合郁人(A.B.C-Z)昆夏美 シルビア・グラブ 真田佑馬 芋洗坂係長 ROLLY
2016年05月18日村上龍の同名小説を初めて舞台化した『コインロッカー・ベイビーズ』が、6月4日(土)より東京・赤坂ACTシアターで上演される。舞台『コインロッカー・ベイビーズ』チケット情報橋本良亮と河合郁人(共にA.B.C-Z)がW主演を務め、昆 夏美、シルビア・グラブら実力派が顔を揃えるこの舞台。河合演じるキクを愛する少女・アネモネを演じる昆、橋本演じるハシの子を宿す二ヴァを演じるシルビア、脚本・演出の木村信司に話を聞いた。長きにわたり宝塚歌劇団の脚本・演出を務める木村が2001年からあたためていた本作。数年前、原作者・村上龍のもとに届き「ぜひやってほしい」と実現に至った。上演の予定のなかった本作はなぜ書かれたのか。「私は宝塚歌劇団の『清く 正しく 美しく』という教えのもとにずっと(脚本を)書いてきている。宝塚歌劇団のことをとても愛しているんですけれども、2001年の当時、宝塚歌劇団では絶対にできない脚本を書きたい、書けるんだろうかと思った。それでチャレンジとして宝塚歌劇団から一番遠い作品を書いてみるか、と。自分に対する挑戦でしたね」(木村)主演のふたりについて、木村は「楽しみですね。(製作発表会見でふたりに)キスしてもらったことで伝わったのは、本物の“命がけ”。『なんでもやります』っていう気迫がないとあんなこと笑ってでもできないわけで。それはまずすごくありがたいものとして受け止めた」。河合とのキスシーンがある昆。お互い人見知りだが「(河合と)なかなか目が合わない(笑)。でも人見知りって聞いて安心しました。一番向き合う相手なので、少しずつ、河合くんと私の関係性のように、キクとアネモネの関係性を作っていければいいなと思います」。不安定なハシ(橋本)と向き合い包み込む役柄のシルビアは「(橋本が)始まる前からちゃんとこっちを向いてくれている感覚があるので、やりやすいです。好きになることがたぶん簡単だと思う。そこで母性を込めて彼を無償で愛することは浮かびますね」。「誠心誠意、命がけにならなかったらバチが当たる」と話す木村に、キャスト陣も「木村さんをはじめとする私たちの熱い想いで劇場を埋め尽くすことができたら」(昆)、「熱い想い、期待を裏切らないように取り組みたい。世界初演ですから!」(シルビア)と応える。流れる熱い空気に、必ずや面白い作品になると感じた。舞台『コインロッカー・ベイビーズ』は6月19日(日)まで、東京・赤坂ACTシアターで上演。その後、福岡、広島、大阪を巡演。取材・文:中川實穗
2016年04月28日1980年に発表された村上 龍の『コインロッカー・ベイビーズ』が初舞台化。主演に橋本良亮(A.B.C-Z)、河合郁人(A.B.C-Z)を迎え、6月4日(土)より東京・赤坂ACTシアターで上演。都内で同作の制作発表が行われ、主演のふたりのほか、昆 夏美、シルビア・グラブ、脚本・演出の木村信司が出席した。【チケット情報はこちら】発刊当時、世間を騒がせていたコインロッカー幼児置き去り事件を題材にした同作。コインロッカーに置き去りにされながらも奇跡的に生き残り、さまざまな運命を乗り越えて生きていくふたりの子供、キクとハシを描いた物語。頭よりも身体が先に動くキク役を河合が、感受性が強く後に歌手としてデビューするハシ役を橋本が務める。同作の舞台化を長年熱望していたという脚本・演出の木村信司は「これまでになかった作品に辿り着きたいと思っています。できることなら公演ではなく事件でありたいと思っている」と意気込んだ。また主演のふたりについて「ジャニーズ事務所で、ずっとライブでお客さんを楽しませるということを勉強してきた人たち。舞台の申し子だと思っています。河合くんはガッツがあって、橋本くんは見るからにロマンチックな男という印象」と語った。河合と橋本はそれぞれ自身が演じる役への印象について「台本を読んで感じたのは、ハシは凄く大人だってこと。でも臆病でキクがいないと何もできない人だと思う。音楽が好きな所や、ひとりでこなす所は自分と似ていると思いました。でも、ただひとつ大きく違うところは、同性愛者という所。僕がそこを演じられるのかは不安ですね」(橋本)。「キクは僕と正反対。キクは運動神経万能なんですが、僕は以前体力測定やったら60代前半って診断が出たくらいの運動神経なので(笑)。ただ、舞台の上だけでも、運動神経が良くて、普段と違うクールな自分を演じられたら楽しいだろうなって思っています」(河合)と語った。過激なシーンが多いことで知られる同作。河合は「昆さんとのキスシーンがあるんですが、キスシーン自体、これまでやったことがないので不安です。なんで今日も(昆が)隣にいるんだろうって(笑)」と非常に照れた様子。すると司会者からこの場でキスシーンの予行練習をしては?という提案が。「制作発表でキスする人いないでしょ?」と抵抗する河合に、橋本がキス相手に立候補。「自分も同性愛者の役作りになる」(橋本)と説得。結局、河合、橋本でのキスシーンが実現。「この制作発表の間中ずっと緊張していましたが、これで吹っ飛びました。橋本の唇は柔らかかった(笑)」(河合)。「凄い恥ずかしいです。(河合の)唇は大人でしたね(笑)」(橋本)とそれぞれ語り、会見場は笑いに包まれた。舞台『コインロッカー・ベイビーズ』は6月19日(日)まで、東京・赤坂ACTシアターで上演。その後、福岡、広島、大阪を周る。
2016年04月14日村上龍の代表作を音楽舞台化する「コインロッカー・ベイビーズ」の製作発表会見が4月12日(火)、都内で行われ、W主演を務める「A.B.C-Z」の橋本良亮と河合郁人、共演する昆夏美、シルビア・グラブ、作・演出の木村信司が出席した。原作は80年代に社会問題化したコインロッカー幼児置き去り事件を題材に、第3回(1981年)野間文芸新人賞受賞を受賞した同名小説。コインロッカーに捨てられたハシとキク、さまざまな失敗を繰り返しながら、生きるためにもがき葛藤する。橋本さんが演じるハシは、感受性が強く優しく、世界中のあらゆる音を聞こうと東京へ旅立つという役どころ。「すばらしい原作の舞台化に出演できるうれしさでいっぱい。原作を超えるお芝居と音楽をお届けしたい」と抱負を語ったが、同性愛者という設定には「大丈夫かな、演じきれるかなという不安はありますね」と本音も明かした。一方、「周りにも原作ファンが多いので、不安やプレッシャーがあります」と明かす河合さん。キクは頭よりも身体を先に動かすタイプで、「以前、番組で体力測定したら、60代前半という結果が出たので…」とこぼしたが、それ以上に「一番の不安はキスシーン。いままで経験がないので、緊張しています」と戦々恐々だ。そんな2人に対し、司会者から“キスの予行演習”というまさかの無茶ぶり!橋本さんが「やりたくないけど、役作りという意味では一石二鳥」と意を決すると、河合さんも「ちょっとリップ、塗ります。明日の新聞、大きく載せてくださいよ!」と腹をくくった様子。いざ、2人のキスが始まると、ヒロイン役の昆さんは思わず両手で口元を抑え、恥ずかしそうな表情を浮かべていた。キスを終えた2人は「大人のくちびるでした」(橋本さん)、「これで吹っ切れましたね。橋本のくちびるは柔らかい」(河合さん)とまんざらでもない様子だった。「コインロッカー・ベイビーズ」は2016年6月4日(土)から19日(日)まで、赤阪ACTシアターにて上演。(text:cinemacafe.net)
2016年04月12日アイドルグループ・A.B.C-Zの橋本良亮と河合郁人が12日、都内で行われた、舞台『コインロッカー・ベイビーズ』の会見に、共演の昆夏美、シルビア・グラブとともに出席した。同舞台は、村上龍原作のベストセラー小説を、宝塚歌劇団の演出家・木村信司が脚本・演出を担当した音楽劇で、コインロッカーに捨てられたハシ(橋本)とキク(河合)の葛藤や破壊衝動を描いていく。木村が15年間企画をあたため、原作の村上に直接脚本のOKをもらったという。舞台では河合と昆のキスシーンが予定されており、「初めてのキスシーンが不安」と言う河合のため、メンバーの橋本と予行演習をすることに。「マジ!? 制作発表でキスするやついないでしょ!?」と戸惑っていた河合だが、覚悟を決めるとリップクリームで唇を潤し、「やるからにはめっちゃ大きく載っけてください!」と話しながら準備を始める。橋本が口にした「キク、キスして。ねえ、キスしてよ」という舞台中のアネモネ(昆)のセリフを合図に、5秒間キスをした。食べ物にたとえると「ナマコ」と表現した河合は「橋本の唇、超柔らかかった」と感想を。橋本も「(河合の唇は)想像できた感じ。固そうだなと」と話した。また、河合が強めに抱き寄せたため、橋本は「女性だったら嫌いになるよ」とアドバイスを送り、河合は「アイドルだから、キスあんまり上手じゃなくていいよね!?」と弁解をした。ほか、河合から「どうしてもメンバーだったら誰がいいかだけ教えて」という質問に、橋本は「とっつー(戸塚祥太)」と回答。河合は「リアルじゃん! 確かに戸塚だったらいいかなってちょっと思うよ。五関(晃一)だって、再来月31歳だからね」と納得していた。2人のやりとりに昆は「河合さんが裏でもスタッフの方に『柔らかかった』と言っていたので、プレッシャーになりました」と話し、シルビアは「そんなに(橋本の唇が)柔らかいんだったらいくらでも」(シルビア)と意欲を見せた。これを受けて河合は「もうみんなでキスしちゃおうか! Jr.の真田(佑馬)もキスする!」とやけ気味に提案をした。舞台では過激なシーンも予定されているが、河合は「これで吹っ切れた」とコメント。最後に、橋本は舞台について「本当に死ぬ気でやらないと。誰1人も裏切りたくないので、楽しんでいただければ」と真面目な決意で締めくくった。東京公演は6月4日~6月19日、赤坂ACTシアターで行われる。ほか、福岡公演(6月24日~25日 福岡市民会館)、広島公演(6月29日 広島文化学園HBGホール)、大阪公演(7月2日~3日 オリックスホール)を予定している。
2016年04月12日川平慈英とシルビア・グラブが小粋な“男と女の物語”を歌と踊りでつづる、パルコ・ミュージック・ステージKOKI MITANI’s SHOW GIRL「ショーガール」~こんな出会いも悪くない~が、3月13日にPARCO劇場で開幕した。「ショーガール」チケット情報本作は「パルコ劇場クライマックスステージ シーズン1」ラインナップの一作品。“パルコ劇場ゆかりの作品”として上演される。パルコ・ミュージック・ステージ「ショーガール」とは、1974年から1988年までPARCO劇場(前身の西武劇場含む)にてシリーズ上演された、劇場の歴史を語る上でも欠かせない作品。故・福田陽一郎による脚本・構成・演出と、木の実ナナと細川俊之の出演で、多くの観客に愛された。三谷幸喜演出の2014年版は、「いつかは「ショーガール」のようなショーをPARCO劇場でつくる」という三谷の念願が叶ったもの。今回はそのアンコール公演となる。出演は、2014年版に引き続き川平慈英とシルビア・グラブ。福田の舞台に幾度も立ち、共演経験も多いふたりだ。今作はまず2本の短編『再会』『チキンスープ』、ショートミュージカル本編『淋しい探偵』を上演し、そのままSHOW TIMEへ。『再会』では老人と老婆のある勘違いを、『チキンスープ』では激しい料理番組を、『淋しい探偵』では探偵と依頼者の物語を描く。そしてSHOW TIMEでは誰もが聞いたことのあるポピュラーナンバーを抜群の歌とダンス、タップやユニークな楽器で楽しませ、聴かせる。前作より「すべてにおいてバージョンアップ」(三谷)したステージとなっている。「気恥ずかしくなるくらい、お洒落な舞台に仕上げるつもり」(三谷)という舞台だが、その「お洒落」も絶妙。川平が「日頃の疲れもきれいに吹き飛ばす、粋な大人のショー」、シルビアが「ニューヨークと勘違いしてしまうかも!!(笑)」とコメントする抜群のステージは、聴かせ、笑わせ、唸らせ、最後は気持ちのいい拍手を生む。平日のソワレは20時からという仕事帰りにも立ち寄りやすい時間帯。約90分の公演は濃密で軽やかで、大人の夜にピッタリのエンターテインメントとなっている。「演劇は固苦しくてどうも観る気がしない、と思っている人がまだいるとしたら、まず「SHOW GIRL」を観ること。こんなに楽しくてワクワクしてキラキラした世界がこの世にはあるんですから」(三谷)。パルコ・ミュージック・ステージKOKI MITANI’s SHOW GIRL「ショーガール」~こんな出会いも悪くない~は、3月22日(火)まで東京・PARCO劇場にて。取材・文:中川實穗
2016年03月14日川平慈英とシルビア・グラブが小粋な“男と女の物語”を歌と踊りでつづる、パルコ・ミュージック・ステージKOKI MITANI’s SHOW GIRL「ショーガール」~こんな出会いも悪くない~が、3月13日にPARCO劇場で開幕した。「ショーガール」チケット情報本作は「パルコ劇場クライマックスステージ シーズン1」ラインナップの一作品。“パルコ劇場ゆかりの作品”として上演される。パルコ・ミュージック・ステージ「ショーガール」とは、1974年から1988年までPARCO劇場(前身の西武劇場含む)にてシリーズ上演された、劇場の歴史を語る上でも欠かせない作品。故・福田陽一郎による脚本・構成・演出と、木の実ナナと細川俊之の出演で、多くの観客に愛された。三谷幸喜演出の2014年版は、「いつかは「ショーガール」のようなショーをPARCO劇場でつくる」という三谷の念願が叶ったもの。今回はそのアンコール公演となる。出演は、2014年版に引き続き川平慈英とシルビア・グラブ。福田の舞台に幾度も立ち、共演経験も多いふたりだ。今作はまず2本の短編『再会』『チキンスープ』、ショートミュージカル本編『淋しい探偵』を上演し、そのままSHOW TIMEへ。『再会』では老人と老婆のある勘違いを、『チキンスープ』では激しい料理番組を、『淋しい探偵』では探偵と依頼者の物語を描く。そしてSHOW TIMEでは誰もが聞いたことのあるポピュラーナンバーを抜群の歌とダンス、タップやユニークな楽器で楽しませ、聴かせる。前作より「すべてにおいてバージョンアップ」(三谷)したステージとなっている。「気恥ずかしくなるくらい、お洒落な舞台に仕上げるつもり」(三谷)という舞台だが、その「お洒落」も絶妙。川平が「日頃の疲れもきれいに吹き飛ばす、粋な大人のショー」、シルビアが「ニューヨークと勘違いしてしまうかも!!(笑)」とコメントする抜群のステージは、聴かせ、笑わせ、唸らせ、最後は気持ちのいい拍手を生む。平日のソワレは20時からという仕事帰りにも立ち寄りやすい時間帯。約90分の公演は濃密で軽やかで、大人の夜にピッタリのエンターテインメントとなっている。「演劇は固苦しくてどうも観る気がしない、と思っている人がまだいるとしたら、まず「SHOW GIRL」を観ること。こんなに楽しくてワクワクしてキラキラした世界がこの世にはあるんですから」(三谷)。パルコ・ミュージック・ステージKOKI MITANI’s SHOW GIRL「ショーガール」~こんな出会いも悪くない~は、3月22日(火)まで東京・PARCO劇場にて。取材・文:中川實穗
2016年03月14日一昨年の夏、PARCO劇場の伝説の舞台『ショーガール』が新キャスト、新演出でにぎやかに復活した。もとは福田陽一郎作・構成・演出、木の実ナナ&細川俊之出演で1974年から15年間にわたり上演された人気シリーズで、その元祖にインスパイアされた三谷幸喜が大いなるリスペクトを込めて再構築。三谷の絶対的な指名により誕生したのが川平慈英とシルビア・グラブの新コンビである。福田作品の持つ圧倒的な華はそのままに、小粋な笑いをふんだんに盛り込んだ三谷版『ショーガール』。大人の観客をおおいに満足させたステージが早くもこの3月、PARCO劇場に帰ってくる。舞台『ショーガール』チケット情報「前回、観に来てくださった中井貴一さんが「海外に行かなくても、こういうショーが渋谷で見られるんだ!」って言ってくださったんですよ。嬉しかった!やっぱり『ショーガール』=ロングランだから、一回こっきりじゃ許されない。そのブランドを継続していかなくてはいけないと思っています」(川平)「本編とショーで構成されたステージで、とくに歌と踊りの部分に関しては皆で一緒に作り上げた感がありましたね。作曲の荻野清子さんも含めて「もっとこうしたい」と4人で話し合ってね」(シルビア)本編と呼ばれる芝居部分は、川平扮する探偵のもとに謎の女が現れ、ある地味な女の身元調査を依頼することから始まるミステリー仕立てのラブコメディ。シルビアは謎の女と地味な女の二役を演じている。「地味な女!?うわ~三谷さん、やっぱり楽をさせてくれないな!と思いました(笑)」(シルビア)「派手だからね~…って人のこと言えない(笑)。僕の場合、ここ何年も要求されていなかった二の線を期待されましたね。ニヒルで、ハードボイルドで…という像を作り上げるのは相当大変でした」(川平)三谷がふたりを「ポジティブな見た目とは裏腹の、とてもネガティブな人たち。客観的に自分を見られる深さがある」と語っていたのは一昨年のこと。彼らの本質を突いたキャラクター設定に対して、シルビアは「人が思う以上に“気にしい”で、日本人の心を持っているんです」とうなづく。川平は「役者はだいたいネガティブでコンプレックスの塊ですよ。じゃないと向上心が生まれない」と笑いながら、さっそく「今回は楽器をやりたい!シルビアがベースで俺がギターね」と新たな野望を宣言した。シルビアも「前回、慈英がちょっとタップを踏んだから、今回は私も…。ショーをバージョンアップさせたいよね」と負けていない。ふたりの情熱がどのように進化した再演を生むのか、見届けたい。「三谷さんは単なる刷り直しが大嫌いな人。絶対に何か隠し球があると思いますよ!」(川平)公演は3月13日(日)から22日(火)まで。チケット発売中。取材・文上野紀子
2016年02月29日一昨年の夏、PARCO劇場の伝説の舞台『ショーガール』が新キャスト、新演出でにぎやかに復活した。もとは福田陽一郎作・構成・演出、木の実ナナ&細川俊之出演で1974年から15年間にわたり上演された人気シリーズで、その元祖にインスパイアされた三谷幸喜が大いなるリスペクトを込めて再構築。三谷の絶対的な指名により誕生したのが川平慈英とシルビア・グラブの新コンビである。福田作品の持つ圧倒的な華はそのままに、小粋な笑いをふんだんに盛り込んだ三谷版『ショーガール』。大人の観客をおおいに満足させたステージが早くもこの3月、PARCO劇場に帰ってくる。舞台『ショーガール』チケット情報「前回、観に来てくださった中井貴一さんが「海外に行かなくても、こういうショーが渋谷で見られるんだ!」って言ってくださったんですよ。嬉しかった!やっぱり『ショーガール』=ロングランだから、一回こっきりじゃ許されない。そのブランドを継続していかなくてはいけないと思っています」(川平)「本編とショーで構成されたステージで、とくに歌と踊りの部分に関しては皆で一緒に作り上げた感がありましたね。作曲の荻野清子さんも含めて「もっとこうしたい」と4人で話し合ってね」(シルビア)本編と呼ばれる芝居部分は、川平扮する探偵のもとに謎の女が現れ、ある地味な女の身元調査を依頼することから始まるミステリー仕立てのラブコメディ。シルビアは謎の女と地味な女の二役を演じている。「地味な女!?うわ~三谷さん、やっぱり楽をさせてくれないな!と思いました(笑)」(シルビア)「派手だからね~…って人のこと言えない(笑)。僕の場合、ここ何年も要求されていなかった二の線を期待されましたね。ニヒルで、ハードボイルドで…という像を作り上げるのは相当大変でした」(川平)三谷がふたりを「ポジティブな見た目とは裏腹の、とてもネガティブな人たち。客観的に自分を見られる深さがある」と語っていたのは一昨年のこと。彼らの本質を突いたキャラクター設定に対して、シルビアは「人が思う以上に“気にしい”で、日本人の心を持っているんです」とうなづく。川平は「役者はだいたいネガティブでコンプレックスの塊ですよ。じゃないと向上心が生まれない」と笑いながら、さっそく「今回は楽器をやりたい!シルビアがベースで俺がギターね」と新たな野望を宣言した。シルビアも「前回、慈英がちょっとタップを踏んだから、今回は私も…。ショーをバージョンアップさせたいよね」と負けていない。ふたりの情熱がどのように進化した再演を生むのか、見届けたい。「三谷さんは単なる刷り直しが大嫌いな人。絶対に何か隠し球があると思いますよ!」(川平)公演は3月13日(日)から22日(火)まで。チケット発売中。取材・文上野紀子
2016年02月29日舞台演出家・G2とパフォーマー・松尾貴史の演劇ユニット、AGAPE storeによる新作舞台『七つの秘密』が1月15日より東京・紀伊國屋ホールで上演中。【チケット情報はこちら】AGAPE storeは1998年の結成後、毎回多彩なゲストを迎え、中島らも、後藤ひろひと、倉持裕らの作品を上演。2010年に活動を休止していたが、一昨年活動を再開、同作が活動再開の第2弾公演。放送作家・映画監督としてマルチに活動する細川徹が脚本を務め、シルビア・グラブ、池田純矢、東加奈子、坂田聡、宮崎秋人、大高洋夫のキャストが松尾の脇を固める。物語の舞台はとある小さな会社。明かりの消えたオフィスで、何やら不審な動きをしているのは事務の市川(松尾)。そこに何も知らずにやってきたのは経理の川島(シルビア)。“一体なぜ、こんな時間に!? まさか自分の秘密を知られたのでは?”と互いに焦るふたり。その夜以降、ギクシャクするふたりの様子に、営業の黒木(東)は疑惑の目を向ける。そんな黒木と市川の会話をたまたま耳にしてしまった経理の鈴木(宮崎)。“えっ、あのふたりって…!?”しかし鈴木、そして課長の溝口(大高)や事務の勅使河原(池田)にもそれぞれ別の秘密があり・・・。開幕に際し、松尾は「ご来場、誠にありがとうございます。嬉しゅうございます。今回はまた、いつにも増してご覧いいただき後に何も残らない無農薬、有機農法のデトリックス公演です。もしチャンスがあれば二度、三度ご高覧頂きますと、さらにカタルシスを感じていただけることと信じて止みません。#拡散希望です」とコメントを寄せている。AGAPE store『七つの秘密』は1月24日(日)まで、東京・紀伊國屋ホール、1月29日(金)から31日(日)まで大阪・近鉄アート館で上演。現在、東京公演の当日引換券、大阪公演の前売り券が発売中。
2016年01月20日『ウエスト・サイド・ストーリー』の作詞や『Into the Woods』などで知られるミュージカル界の巨匠スティーブン・ソンドハイムによる『パッション』が10月16日(金)より東京・新国立劇場で開幕する。井上芳雄、和音美桜、シルビア・グラブ、福井貴一ら実力派をキャストに迎え、愛し、愛されることの本質を問いかける本作の稽古場に足を運んだ。ミュージカル『パッション』チケット情報本作は“愛の情熱”を意味するイタリア映画『パッション・ダモーレ』をミュージカル化したもの。恋人・クララとの愛に燃える兵士ジョルジオは赴任先で出会った病弱なフォスカから執拗で熱烈な愛をぶつけられる。当初はフォスカを冷たくあしらっていたのだが、やがて……。取材したこの日は、終盤にかけての各シーンの稽古が行われていた。一つひとつのやり取りの中で、ジョルジオの心がクララを想いつつも、命の残り火のわずかなフォスカへと、どうしようもなく揺れ動き、傾いていくさまが見て取れる。まずはミラノ駅でのクララとジョルジオのやり取り。満面の笑みでジョルジオを迎えたクララだが、彼は長期休暇をわずか4日で切り上げることを告げる。そこにフォスカの影を感じるクララ。決して愛が醒めたわけではないのに、ふたりの間には確実に、以前にはなかった溝が横たわり、互いへ向けられる愛の言葉はすれ違い、噛みあわない。井上が演出の宮田慶子と幾度も話し合っていたのがジョルジオの感情の揺れのさじ加減。クララを愛してもいるし、フォスカから離れられない気持ちもある――。宮田からはジョルジオの「わかんないんだ!」というセリフに触れ「本音で悩んでいるからこそ苦しく、哀しい」とアドバイス。続いてクリスマスパーティでジョルジオ、フォスカ、そして彼女の従兄でジョルジオにとっては上官であるリッチ大佐らが集うシーン。ジョルジオの異動の通知、クララからの手紙、クララとジョルジオのある決断、嘆き、感情の爆発――運命の歯車が一気に動き出す。ここで改めて感じさせられるのがソンドハイムによる楽曲の難易度の高さだ。リズム、音程いずれをとっても、人気ミュージカルらしからぬ、そう簡単には口ずさめそうにない曲が続くが、それでも井上をはじめ、キャスト陣は力強い歌声で感情を紡いでいく。何より、この難解さ、複雑さこそが、決してひと筋縄ではいかない入り組んだ彼らの“愛”を表しているようにも感じられる。絶望の淵でほとばしる激情、別離の哀しみの中からも伝わってくる温かみ、命が尽きようとするか弱さの中からなぜか感じられる炎のように強い愛情。それぞれが難しくも熱い愛の情熱を歌い上げていた。公演は10月16日(金)から11月8日(日)まで新国立劇場にて上演。チケットは一部日程の追加席を発売中。また。各公演当日の午前10時より新国立劇場ボックスオフィス窓口にてZ席を販売する。取材・文・撮影:黒豆直樹
2015年10月06日「ウエスト・サイド・ストーリー」の作詞や「Into the Woods」で知られるミュージカル界の巨匠スティーブン・ソンドハイムが手がけ、トニー賞4部門を受賞した傑作『パッション』の製作発表会見が9月2日に新国立劇場にて開催された。日本初演となる今回、出演の井上芳雄をはじめ、和音美桜、シルビア・グラブ、福井貴一、音楽監督の島健、演出の宮田慶子が出席し、意気込みと手応えを語った。ミュージカル『パッション』チケット情報イタリア映画「パッション・ダモーレ」を元にした本作。19世紀のイタリアを舞台に兵士ジョルジオと美しい恋人クララ、ジョルジオに恋い焦がれる病弱な女性フォスカの3人のめくるめく重厚な愛の物語が展開する。オリジナルの映画版を鑑賞したという宮田は、ヒロインなのに美しくないフォスカ像や女の執念を描いた恐ろしい物語に「衝撃的でした」と感想を漏らす。ミュージカル版の楽曲についても「ソンドハイムならではの難しさがある」と語るが、それでも「時折、身も心もとろける美しいメロディがあり、そこにハマりました。とにかくテーマは愛!恋愛をしないと言われる若者たちにぜひ見てほしい」と熱く語った。ソンドハイム作品初挑戦となる島は「誰でも口ずさめるメロディはほとんどない」とその難しさに言及するが「一見、怖いけれどロマンチックな物語を見事に表している」と難解さの奥にある魅力を語る。井上は「ミュージカル俳優を志して上京して、大学時代はこの新国立劇場でチケットもぎりのバイトをしてました」と明かし、ミュージカルに主演という形で“凱旋”を果たすことに「故郷に錦を飾る気持ちです」と感慨深げ。ジョルジオは、ふたりの女性に言い寄られる魅力的な男ということで「色香」を自らのテーマに掲げ「オープニングからセクシーです」と笑みを浮かべていた。キャスト陣からもソンドハイムの楽曲の難解さに対するコメントが続出する。井上は「何回聴いても入ってこない!」と嘆き節。3作目のソンドハイム作品出演となるシルビアも「『Into the Woods』の時は毎晩、うなされましたし、今回もすでにうなされてます」と苦笑するが「愛し、愛されることは複雑で大変だけど、素晴らしいことだと伝えたい」と語り、和音も「難しい楽曲に立ち向かい、歌いこなすことで表現できることがきっとある」と闘志を燃やす。前日には初めての本読みが行われており、その内容に「感動した」と語る福井は「やる方は難しいですが、聴く方は素晴らしいですよ。感じてもらえるミュージカルになると思います」とこの先、1か月半の稽古を経ての完成作に自信をのぞかせた。ミュージカル『パッション』は東京・新国立劇場 中劇場にて10月16日(金)より開幕。前売りは一部を除き完売しているが、9月6日(日)午前10時より追加公演のチケットを発売。取材・文・撮影:黒豆直樹
2015年09月04日井上芳雄が、1994年にトニー賞を受賞したミュージカル『パッション』で、ソンドハイム作品に初めて挑む。演じるのは19世紀イタリアの軍人で、美しい人妻クララ(和音美桜)と、自分を執拗に追いかける醜いフォスカ(シルビア・グラブ)との間で揺れるジョルジオ役。「『オペラ座の怪人』の男女逆バージョンで、僕がクリスティーヌだと思っていただけると分かりやすいかと」と解説する井上。ジョルジオは、ふたりの対照的な女性との出会いを通じて、本当の愛とは何かを探っていく。新国立劇場演劇『パッション』チケット情報「僕はふたりから同時に愛されたことも、しつこく追いかけられたことも、もちろん人妻と恋に落ちたこともないですから(笑)、経験としては全くない役。ただ、愛をダメ出しに置き換えると分かる気がするんですよ。演出家以外の方にダメ出しをされると、本当に僕のことを思って言ってくれているのか、何かほかに目的があるのかを考えたりする。それの愛情版というか、その人の愛が相手を向いているのか、それとも愛している自分自身を向いているのかを見極めるお話だと思います」その見極めの末、ジョルジオはある決断を下すわけだが、井上は「それが正解というわけではなく、僕たちは不確かな愛の定義のなかで生きているということ」とも。そうしたひと筋縄ではいかない人間の機微を描かせたら、ミュージカル界でソンドハイムの右に出る者はいない。「彼の楽曲で音が予想と違うところにいくのは、人生そのものを表しているからじゃないかな」と分析する井上にとっても、ソンドハイム作品はいつか挑戦してみたい憧れの存在だった。「クロウト受けするというか、業界内人気の高さを以前から感じていました(笑)。ミュージカル俳優の方のアルバムにもよく入っているので、僕も20代中盤くらいからコンサートでは歌ってたんですが、手応えは全くなくて。こういう歌です!ってひと言でいえないようなものすごく深い内容なので、自分にはまだまだ表現しきれないと思ったんです。今回とてもいいタイミングでお話をいただいたので、僕もそろそろソンドハイムを歌っていいぐらいになってきていると信じて挑みたいですね」そんなソンドハイムが男女の愛を真っ向から取り上げた作品だけに、セクシーなシーンも大きな見どころとなりそう。「僕も和音さんもシルビアも、普段から色気ムンムンってタイプではないと思うんですけど(笑)、女優さんはひとたびメイクをしてドレスを着るとものすごく変わるんですよね。チラシ撮影の時もおふたりともとても素敵で、女優って怖いなと(笑)。僕も舞台では、おふたりに負けないぐらい変化できたらいいですね。“セクシー”は、僕の今年のテーマでもありますから!」公演は10月16日(金)から11月8日(日)まで東京・新国立劇場 中劇場にて上演。チケットの一般前売りは8月1日(土)10時より。なお、11月6日(金)の【ぴあスペシャルデー】ではスペシャルカーテンコールが付く。取材・文:町田麻子
2015年07月07日ミズノはこのほど、ブランドアンバサダーであるマイアミ・マーリンズのイチロー選手が、2015年シーズンに使用するグラブとバットのプレミアムレプリカ品の注文受付を開始した。2015年シーズンにイチロー選手が使用するグラブは、色をこれまでのブラックから、チームカラーにあわせたスプレンディッドオレンジに変更する。軽量化のために革を薄くしながらもしっかりした形状で、一般的な外野手用と比べると軽いモデルになるという。バットの色も、これまで使用していたブラックから透明に変わる。素材は打撃時のタッチが柔らかなホワイトアッシュを使用し、形状はこれまで同様、全体的にスリムなシルエットを採用した。今回、同社が販売するレプリカも、実際にイチロー選手が使用するモデルと同じ仕様で、同じ工場で生産する。「ICHIRO SUZUKI Model2015プレミアムレプリカグラブ」は、ミズノテクニクス 波賀工場で生産。価格は11万円。「ICHIRO SUZUKI Model2015プレミアムレプリカバット」はミズノテクニクスで生産する。価格は7万円。両商品にも「Model2015」の刻印が入る。商品は受注生産。全国のミズノ野球品取扱店(直営店含む)では既に注文受付を開始しており、4月20日まで対応する。ミズノ公式オンラインショップでの受付期間は、4月7日~20日まで。※価格は税別
2015年04月03日英国客船タイタニック号の沈没事故を描いたミュージカル『タイタニック』。ピーター・ストーン原作、『NINE』『グランド・ホテル』などで知られるモーリー・イェストンの音楽・作詞で1997年にニューヨーク・ブロードウェイで初演され、同年のトニー賞では最優秀ミュージカル作品賞など5部門で受賞したこの舞台、2013年にはロンドン・ウエストエンドでトム・サザーランドの新演出版が誕生。この新演出版が日本初上陸し、現在東京・Bunkamuraシアターコクーンで上演中だ。開幕後3日目にあたる3月16日(月)の舞台を観た。新演出版ミュージカル『タイタニック』チケット情報そもそものブロードウェイ版ではタイタニック号の船体そのものを主役とするような大掛かりな舞台装置を駆使したスペクタクル・ミュージカルとして話題になっていたが、今回日本で上演されているウエストエンド版ではタイタニックに乗り合わせた人間たちに焦点が当てられた濃厚な人間ドラマになっているのが特徴。舞台装置は極めてシンプルで、ステージには船の甲板とバルコニー、そして可動式のタラップがあるのみ。このタラップや時々登場する机や椅子などの小道具などは、すべてキャストたちが自ら動かしていることも印象的だ。また、客席通路を俳優たちが行き来するため、まるで劇場全体が巨大な客船の甲板、または船室の一部のようにも思え、自分も乗客のひとりのような気持ちで物語に入りこむことができた。登場人物は全62役なのだがキャストは総勢22名で、各自が早替わりで何役も演じ分けることになっている。そのキャスト陣には日本ミュージカル界が誇る実力派が勢ぞろい。タイタニックの設計士・アンドリュース役に加藤和樹が扮するほか、鈴木綜馬、藤岡正明、戸井勝海、津田英佑、栗原英雄、シルビア・グラブ、未来優希、安寿ミラ、佐山陽規、光枝明彦、さらには古川雄大、入野自由ら若手有望株も多数参加。トム・サザーランド本人がオーディションで選んだ面々ということもあって、歌の実力は折り紙付きだ。全員で歌うナンバーの重厚さ、表現力には何度も胸を熱くさせられた。乗客や船員たちの人間関係が丁寧に描かれる第一幕、そして船が氷山に衝突してからの人々の姿を追う第二幕。そのストーリー、彼らの運命はおそらく誰もが知っている展開になるわけだが、俳優たちの説得力ある歌声と演技、シンプルだが人間の本質を徹底して突いた演出力に、ひたすら圧倒されっぱなしの約2時間半だった。ミュージカル『タイタニック』はこのあと3月29日(日)まで東京・Bunkamuraシアターコクーンで、続いて4月1日(水)から5日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで上演。チケットは発売中。取材・文:田中里津子
2015年03月17日力強くも美しい歌声で『ミス・サイゴン』のクリス役など、数々の当たり役を得てきた歌手で俳優の藤岡正明が、ロンドン発のミュージカル『タイタニック』に出演する。新演出版 ミュージカル「タイタニック」チケット情報日本では映画版や壮大なセットで話題を集めたブロードウェイ版などで知られるが、本作は英国の気鋭演出家トム・サザーランドによる新演出版。歴史的悲劇に愛や希望を見出したドラマティックな群像劇だ。「台本を読むだけでも様々な人間の考えや思いが交錯していて、どの目線から見ても物語が成立する。最初にひどいと思った人物も、2度目にその人の立場で物語を読み解くと、痛いほど気持ちが分かったり。悪者がいない。地球上に住む60億人すべての人間の共感に値するものが、絶対にあるんじゃないかな」物語は『NINE』や『ファントム』を手掛けたモーリー・イェストンが紡ぎ出す名曲の数々に彩られる。藤岡が演じるガテン系の機関士バレットにも、恋人へ捧ぐ見せ場のナンバー『プロポーズ/輝く夜』がある。「まだ稽古前ですが、作品をよく知る人たちからは『あの曲を歌ってくれるんですね!』とすでに喜ばれていて。名曲を歌わせてもらえることは、ありがたいですね。ただバレットは、史実とは別の末路をたどるので。そこは難しいチョイスだなと。稽古場では彼が育った環境や服装まで掘り下げて、役に深みを持たせたい」俳優業の傍ら、2012年には演劇ユニット「青唐辛子」を旗揚げ。俳優を目指す若者らと交流することで、一層舞台が好きになったという。「いいものはいいと認めてあげたいし、少しでも才能を見出す一端を担えればと始めましたが、僕自身役者として何をすべきなのか使命感を感じるようになりました。『タイタニック』ではよくぞこの面子を揃えたな!と共演するのが楽しみな方たちばかり。魅力的なキャストと骨太な筋書き、歌を聴くだけでも感動できる。間違いなくおすすめできる作品です」主演は『ボンベイドリームス』への出演も決定している加藤和樹。共演に実力派の鈴木綜馬、戸井勝海、津田英佑、シルビア・グラブ。ヴォーカル・グループ「LEVEL VETS」メンバーの佐藤隆紀。注目の若手より古川雄大、矢崎広、声優としても活躍する入野自由。また宝塚歌劇団花組元トップスターで振付家の安寿ミラほか多彩な顔ぶれでおくる。3月14日(土)から29日(日)まで東京・シアターコクーン、4月1日(水)から5日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演。チケットは1月17日(土)より一般発売開始。一般発売に先駆け、1月16日(金)18:00より先行先着「プリセール」を実施。取材・文:石橋法子
2015年01月15日