櫻井神社をお参りして、今回泊まる、(前回も泊まった)bbb hausへ向かいました。(前回の記事はこちら) 櫻井神社からは車で15分弱、途中から海沿いの道を気持ちよくドライブです。道沿いに走り続けて少し内陸に入ると、bbb hausのサインが見えてきます。Guest用のパーキングに車を止めて、bbb hausのゲストハウスに入ります。2度目の訪問、今回は、1階の部屋をリクエストしました。 101号室 1階には2部屋あり、お部屋の特徴としては、ウッドデッキがあることと、シャワーのみではなく湯船があることが2階と違う点です。101号室は白を基調に、グレーと茶色の落ち着いた雰囲気です。窓からの眺めは、2階と違って海が目線にあり、もっと緑に囲まれた雰囲気があります。 そして、お風呂がこちら。 チェックイン後に部屋の中から見た景色、バスタブから海が見えます 映画に出てくるような足付きのお風呂、外の景色を眺めながら入っていると、時間が経つのも忘れてしまうくらい、気持ちが良い時間です。 チェックインからディナーまでの過ごし方お天気が良かったら、海に行って、甲羅干しもいいのですが、雨なので、そして、車もあるので、「二丈温泉きららの湯」へ行ってみました。ラドン含有の天然温泉ということで、疲労回復、健康増進に効果があるようです。少し長い時間ドライブしたので、疲労回復に期待です。「きららの湯」には、大浴場や露天風呂があり、日替わりで男女のお風呂が入れ替わるということです。家族風呂もあり、バリヤフリー対応もされているようです。ラドン温泉のみの利用だと560円でした。 待ちに待ったディナータイム温泉でさっぱりして、bbb hausに戻り、軽くお化粧をして、ダイニングルームへ向かいます。福岡は東京より西にあるから、日が長いので、18時半の時点では、まだ明るです。晴れていたら、夕焼けが綺麗だっただろうな、というのがちょっと残念でしたけど、曇りでも夕暮れというのは美しい時間です。 スパークリングがいいかなと、DRINK MENUをみながら考えていると、こちらを勧めてくださいました。「ヒトミワイナリー」のLa Vie Pop。淡いロゼで、アルコール度数も低め、発泡感が爽やかで、この日はこちらを「ボトルで」いただきました。 ディナーの始まりです。まず、ヤリイカのサラダ仕立て。糸島野菜と一緒にいただきます。 そして、これでもか!という糸島野菜のバーニャカウダ。コリンキー、モロッコインゲン、ピーマン、パプリカ、スイスチャード。体が浄化される!と感じる美味しいお野菜をふんだんに、たくさん、いただきました。 そして、イサキのポワレ。大葉のソースで。ガルニチュール(付け合わせ)にはグリーンアスパラガスに蕪。イサキの皮はパリッと、身はふくよかで、とても美味しかったです。(翌日、帰る日に伊都菜彩でイサキを買って帰りました。) そして、メインのお肉は豚肉です。「うきは産桃豚のグリル」です。桃を食べさせて育てた豚で、季節限定でいただける豚肉です。なるほど!豚肉らしい匂いがなくて、桃の香りとは言わないですけど、フルーティーな感じがします。脂身も全然くどくなくて、低温でじっくり調理されているから柔らかく、瑞々しくて、美味しい桃豚がさらにその美味しさを引き出されて、フルーティー感が増しているんですね。グリルした桃豚に、自家製マスタード、それだけで十分です。 そして、デザートはヴァニラアイス。 2日目のディナー今回は2泊したので、続けて2日目のディナーです。まず、パテドカンパーニュ。自家製マスタードと紫キャベツのシュークルートと一緒に。 2皿目めは、白茄子の冷製スープです。こちらの白茄子は「野菜屋トラキ」さんという、夫婦2人で農業をしている農家さんだそうです。糸島は、移住して就農する人たちが多く、規模は小さくても、多品種栽培をしている若い農家がいるのも特徴です。日本で一番売り上げがあるというJA「伊都菜彩」にも、東京ではあまり見かけないお野菜も多く見かけます。 そして、メインのお魚は、「オコゼのポワレ」に自家製パスタ。オコゼは、身は柔らかくても、弾力もありました。奥の自家製パスタは芝エビのビスクソースで、とても美味しかったです。シェフのお料理の幅の広さというか、ストレートに美味しいところが伝わってきます。シンプルなんですね、基本にあるものが。お野菜なら、農家さんが丁寧に作り上げたお野菜とそこに詰まった想いを、シェフが丁寧な料理で美味しさの集大成を伝えるということで、だから、お腹と心に響くのです。 メインのお肉は、糸島牛のロースト。いたってシンプル。赤ワイン塩のみです。糸島牛とは、美しいお肉だと思います。東京ではほとんどお目にかかれないと思うのですが、キメが細かく、柔らかくて、歯ざわりが良いです。調べてみると、佐賀牛と松坂牛の交配種ということです、霜降りの激しそうなイメージですけど、いつも赤身をいただくからか、日本の牛肉の中では一番美味しいのではないかなと思います。綺麗なお肉ですね。 そして、デザートはヘーゼルナッツのアイス。 やはり、1泊では足りないな、2泊してよかった、というのが食後感。Eat Localを堪能する食事の時間も、bbb hausの魅力です。 1 日目の夜、ちょうど雨が止んだので、ハンモックをセットしてくださいました。ハンモックに寝転がって真っ暗な夜、波の音、風の音、虫の声だけが耳に聞こえる状態でぼーっとしていることの気持ち良さは、格別でした。 そして朝食朝食は、コールドプレスジュースから始まります。そして、初日は、ヨーグルト、糸島野菜とフルーツのサラダに、自家製のハムとカッテージチーズ、エッグスラットに自家製パン。 コールドプレスジュースは、スイカ、ニンジン、リンゴ、ブルーベリー。綺麗な赤が朝から元気をくれます。 そして、新鮮な糸島野菜に自家製のハムとカッテージチーズ。 ところが、2日目の朝食にはパンケーキを作ってくださいました。ふわふわのパンケーキはもちろんのこと、付け合わせにあったプラムがすごく美味しかったです。 美味しい2日間の食事を作ってくださったのは、シェフの谷口正直(たにぐちまさなお)さん。熊本出身で、今は糸島で糸島の食材を中心に、九州の美味しい食材を選んで、素材を存分に活かした美味しいお料理を作ってくださいます。 糸島の魅力は、どんな言葉でも、まだまだ伝えることができないもどかしさがあります。今年は、晴れた日の糸島の海をみることができなかったのがちょっとがっかりですが、でも、それ以上に糸島の魅力を再発見しているように思います。ガストロノミーという言葉に対応して、ローカルガストロノミー(「その土地で採れる食材(お野菜、お肉、魚全て)をその土地の文化や伝統を受け継ぎ、その土地ならではの表現で料理に表す」ということだと考えています)という言葉があります。これは、東京 vs地方という意味ではなくて、知らない土地の美味しいものを食べるって楽しいんだ!ということだと思います。糸島で味わうのは、わたしが知るローカルガストロノミーのひとつ。今度は、晩秋の糸島をお伝えできればと思います。 bbb haus
2019年08月29日「糸島に、ゲストハウスができましたよ」友人から聞いたのは、去年のこと。糸島の海辺のゲストハウス、そう聞くだけで、心が躍りました。友人に見せてもらった写真は、ハンモックで寛いでいる姿や、真っ青な海の写真で、そこで過ごす時間を想像するのは簡単なことでした。初めて糸島を訪れたのは、8年前、梅雨が明けた7月のある日でした。スッキリ晴れた夏空に、目の前に突然現れたのは、とても美しいエメラルドグリーンの海がある景色で、一目で糸島に、恋に落ちました。 それ以来、何度も訪れている糸島に、とうとうステキな宿泊ができる場所が誕生しました。オープンから1年がたった今年の5月、海辺のゲストハウス「bbb haus(スリービーハウス)」に予約をいれました。スリービーとはbedのb、breakfastのb、そしてbeachのb。耳馴染みのあるB&BにもうひとつBeachのBがあるのが、糸島らしい、糸島ならでは、です。 bed, breakfast & beach今回は、電車とタクシーで。筑前前原駅からタクシーで2,500円くらい、bbb hausはサンセットロードから海側へ少し入ったところにあります。このゲートを入ると、プライベートな空間になります。 チェックインまで少し時間があったので、宿泊以外でも利用できるTea Roomへ案内されました。ゲストハウスの案内がかかれてあるパンフレット、このイラストは一見とてもシンプルなのですが、わたしがイメージする糸島で過ごす「静かな時間」が凝縮して表現されていて、感動。そして、インテリアがオフホワイト、オレンジ、ブラウンで統一されているTea Roomの空間全体の色のセンスにすっかり魅了されました。この日は少し曇り気味だったので、とても落ち着いた時間を感じる暖かな空間でした。すっかり晴れた日なら、海の青さにも負けない明るい元気になれる空間が想像できます。 「準備ができたました」と、部屋に案内される時間になりました。Tea RoomとPantryからひとつのドアを介して、ゲストハウスのフロントがあり、そこからゲストハウスになります。建物は二階建て、ある企業が所有していたという建物をリノベーションした、5部屋だけのゲストハウスです。宿泊者が食事をするDining Roomの前の廊下を進むと、書斎が現れます。北欧デザインの暖かさを感じるインテリアがとても素敵です。ここはコモンエリアなので、本を読んで過ごしたり、ゲストだけが利用できる空間です。 そして、「ご自由にどうぞ」と置かれてあるのは冷えたルイボスティーと糸島で採れたみかん。 203号室この日の部屋は、2階の突き当たりにある203号室。どの部屋もOcean Viewです。bbb hausがある場所は、国定公園に囲まれているため、電線など視界を邪魔するものが一切なくて、窓からは水平線が見えます。鍵もカードキーではありません。部屋には、テレビもありません。WiFiもありません。パジャマもありません。過度なおもてなしも、ありません。ここにあるのは「心地よい時間」です。 部屋は、オレンジとブルーが暖かくもcoolな印象です。2客並んだ椅子からは、緑の林の向こうに180度海が見えます。音のない部屋で、椅子に座って海を見れば、すっと瞑想タイムに入ってしまいそうなくらい、気持ちがニュートラルになります。空調を切って、窓を少し開ければ、鳥の声と海や風の音が聞こえてきて、動く雲や波を見ているだけの時間が、ひたすら心地よいのです。 まだ、dinnerまで時間もあるので、海まで散歩に出かけてみました。 緑を抜けたら広がるbeach bbb hausは「玄海国定公園」の中にあるため、とても自然が豊かです。 ホテルから海へ抜ける道は、映画の世界のような、緑のトンネルです。 この道は、地元の人が海へ散歩に出かけるときに通る道です。少しアップダウンがあり、道の周りには、てんとう虫がいたり、蟹が歩いていたり、ちょっとした探検気分を味わえます。そして、目の前に現れたのは、誰もいない海。 潮が引いていて、砂浜に太陽の光が反射していて、ウユニ塩湖のように綺麗でした。この日は雲が多かったので、海の色もおとなしい灰色気味の青さですが、この海も、お天気模様によって、変わっていきます。「地元の人が散歩をするくらいで、ほとんど人はいないんですよ」と言われた海、ほとんどプライベートビーチです。1時間くらいビーチで寝転んでいたのですが、その間、わたし以外誰もそこにはいませんでした。 糸島の食材を堪能する さて、Dinner timeです。宿泊者用のdinning roomへ降りていくと、窓側の真ん中のテーブルに案内されました。担当してくださったのは、チェックインを担当してくださった方。その都度、違う担当者がいるサービスというのが普通のホテルと違って、bbb hausでは、同じスタッフが全てを担当しているので、変な緊張から解き放たれて、これも、「心地よい」のひとつですね。 Dinning roomのテーブルから見える景色。Sundeckの向こうには、日本海。博多港に入る船が目の前を通るそうです。陽が落ちて、徐々に、空と海がひとつに溶け合う時間がやってきて、食事が始まります。 さて、この日のdinnerです。糸島野菜といさきのカルパッチョグレープフルーツのドレッシング 糸島の温野菜アンチョビのオランデーゼソース オコゼのスープ仕立て 糸島牛のロースト赤ワインソース 糸島は、海と山に囲まれていて、有名な糸島野菜の産地でもあり、新鮮で美味しい食材にあふれています。移住して就農した人も多くいて、農家も多く、色々な種類の野菜が豊富に採れる土地です。メニューにも、野菜がたくさん。Eat locally 、「本当に美味しいとは、こういうことなんだ」と気づく時間です。 この晩は、霧雨が降ったりやんだりしていたのですが、「こんな日は、あまりないんですよ」ということで、dinning roomの窓を全開にしてくださいました。もう少し季節が夏に向かえば、窓を開け放つと虫が集まってきてしまうし、暑くなるし、この晩は、風もなく、暑くも寒くもなく、ちょうど良い季節にここに来れて、よかった。 そして、breakfast。まず、季節のコールドプレスジュースに続いて、「伊都物語」のヨーグルト。ヨーグルトにはハチミツ、カランツ、ナッツを好きなだけトッピング。 糸島野菜とフルーツのサラダ 自家製ハムとカッテージチーズ エッグスラット 自家製パンとコーヒー or 紅茶。breakfastも糸島の食材ばかり、eat loccalyです。これだけ糸島の食を堪能できるのもbbb hausに泊まることの悦びです。まさに、「ローカルガストロノミー」を体験しました。 名残惜しいチェックアウト食事の後は、オープン前のpantryを見せていただき、記念に糸島がデザインされているイラストのハンカチを購入。駅までのタクシーを呼んでいただき、時間まで、もう一度、海までお散歩です。海へ抜ける道に出ると、地元のおばあさんに遭遇。「おはようございます」と挨拶を交わし、海までの道すがら、ちょっとおしゃべり。「桜貝を採りに行くのよ。小さいのから大きいのまで色々あって、こうやって、毎朝、散歩がてら桜貝を探すの」。beachに着いたら、おばあさんは、「向こうまで行って、かえってくるのよ」ということで、お別れしました。 この日の朝の海も、また、違う色でした。雨の予報だったものの、このまま、晴れそうな空模様で、とても気持ちがいい朝のお散歩でした。わたしも桜貝を探してみるものの、見つけることはできず。地元のボランティアの方たちが、清掃をしているということで、beachはとても綺麗で、プラスチックゴミなどひとつもありません。本当に、ここは、楽園。 前の晩、dinnerの後で部屋に戻り、砂浜を照らしているライトが午前零時の消灯時間を迎え、真っ暗になる瞬間を見ようと思っていたのに、bedに横になってしまったら、そのまま眠ってしまい、気づいたのは明け方。窓からの明るい光で目が覚めました。ベッドリネンの肌ざわりが心地よくて、朝目覚めるまで、久しぶりにぐっすりと熟睡することができました。波の音と月あかりだけの夜、その時間も楽しみだったのに。 フロントで、そんな話をしていると、タクシーが到着して、ゲストハウスとお別れする時間になりました。もちろん、次の予約を入れて、タクシーに乗りました。 bbb haus
2019年06月07日