これから行楽や帰省など、家族で旅行に出かけることが多い時期。しかし人の移動が頻繁になると、感染症被害も拡大しやすい。注意すべき12の感染症について、感染しやすさ、危険性を専門医が“評価”した!「致死率30%の人食いバクテリアの感染者が、過去最多となった昨年の同時期に比べても、今年は28倍のペースで増加しています。また、2024年に入り、国内でははしか感染者も確認。さらに宮崎県では百日ぜきの患者が増加していることが報じられています」(医療ジャーナリスト)コロナ禍以降の感染症に関するニュースが続いている現状を、医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広さんは、こう分析する。「コロナ禍の感染対策によって、全般的に免疫力が落ちてしまっていたり、ワクチンを敬遠したりする人も多いことが要因でしょう。アメリカのケースウェスタンリザーブ大学の研究チームがRSウイルスの感染状況を調査したところ、コロナ既往の小児は、コロナ既往がない小児に比べ感染リスクが1.4倍と高かったため、コロナ感染によって免疫力が落ちるとも考えられています。 さらに50歳を過ぎて、過去に獲得した免疫が落ちてきてしまっている事例もあります。 ゴールデンウイーク(GW)が近づき、行楽や里帰りの予定を立てている人も多いと思いますが、GWは人の移動が頻繁になり、感染症の被害拡大が懸念されます」このように感染症リスクが高まっているからこそ、それぞれの感染症の特徴を理解、予防することが求められるのだ。上先生に12の感染症の感染しやすさ、危険性を、S~Cの4段階でランク付けしてもらった。【1】はしか(麻疹)〈感染度・S、危険度・A〉はしかは空気感染するため感染力は非常に強く、インフルエンザの10倍もあるともいわれる。「潜伏期間は10日ほど。初期段階で風邪症状があり、一度熱が下がった後、再び上がり発疹期に入り、赤い発疹ができます。特効薬はなく対症療法となります」(上さん・以下同)国立感染症研究所によると、約30%の患者が合併症を引き起こす。半数を占めるのが肺炎。高齢者の場合は死亡することもある。ワクチンは2回接種が求められているが、1972年9月30日以前に生まれた人は1回もワクチン接種をしていない可能性が高く、1972年10月1日から1990年4月1日までに生まれた人は1回接種の可能性が高い。「過去の感染歴がわからない人、ワクチン接種が十分でない人は、抗体検査をおすすめします」■手足が1時間に1cmの速さで壊死、急死する【2】人食いバクテリア〈感染度・C、危険度・S〉劇症型溶血性レンサ球菌感染症といって、発症後の致死率が30%と極めて高いのが特徴だ。「主原因となるのは溶連菌の一種であるA群溶血性レンサ球菌です。溶連菌は咽頭炎を引き起こすことが特徴ですが、ごくまれに劇症型溶血性レンサ球菌感染症を発症。感染経路は飛沫感染や接触感染で、はじめは四肢の先端部分から軽い痛みや発疹が出てきて、手足が急激に腫れ上がり、1時間に1cmのスピードで壊死。発症後、半日から2日ほどで亡くなるケースが多いです。ワクチンはありません」【3】新型コロナ〈感染度・A、危険度・B〉「5類になって死亡数は減ってきていますが、頭がぼーっとするブレインフォグ、せきが続くなど後遺症が多いので、まだまだ要注意」【4】インフルエンザ〈感染度・A危険度・B〉「コロナ禍の感染予防によって、免疫が弱まっていることから、今シーズンは流行しました。次シーズンの流行も例年よりも早まる可能性があるので、早めのワクチン接種が望まれます」【5】風疹〈感染度・A、危険度・B〉症状自体は軽いが、妊婦が感染すると早産や流産、死産、胎児に難聴や目、心臓に障害を残す先天性風疹症候群を起こすリスクがある。感染者1人から5~7人に広がるほどの感染力だ。「感染経路は飛沫感染が主ですが、接触感染もします」1962年4月1日以前生まれの人はワクチン接種をしていない可能性が高く、1979年4月2日から1987年10月1日生まれの人は個別接種のために接種率が低いなど、年代によってワクチン接種状況が異なる。【6】百日ぜき〈感染度・B、危険度・B〉現在も幼児へのワクチン接種がされて予防できているが、一部、接種をしていない人や免疫が十分でない人もいる。「さらに高齢者では、免疫が下がり感染するケースも。大人で3週間せきが続いている人の18.5%が、百日ぜきが関与しているという調査もあります。日本では抑え込まれていますが、グローバル化によって、東南アジアやアフリカから持ち込まれることもあります」【7】おたふく風邪〈感染度・A、危険度・C〉「ムンプスウイルスに飛沫・接触感染すると、耳下腺が腫れておたふくのように見える症状に。大部分は、症状自体は軽く終わります。しかしまれに起こる精巣炎や卵巣炎、髄膜炎などの合併症が怖い。感染歴がなく、予防接種をしていない人は要注意です」【8】破傷風〈感染度・C、危険度・A〉「日本の破傷風発症率は、米国の9倍、欧州の4倍。破傷風菌は、土の中などに常在しており、なかでも関東ローム層でも検出。ガーデニングや山登りが趣味の人などはリスクが高いといえます」病状が進めば、痺れや麻痺が残る可能性も。「強直性痙攣といって筋肉が強く収縮し、背中がそり返り、そのまま骨が折れて亡くなるケースもあります。2018年の破傷風の届出数は134です」ワクチンに関しては、1967年生まれ以前の人は接種していない可能性が高い。「さらに1968年以降に生まれた人も、その効果は50年ほどで低下するといわれるので、50歳以降は10年ごとに追加接種しておくと安心。1回あたり3千~5千円ほど」【9】帯状疱疹〈感染度・C、危険度・B〉80歳までに3人に1人が発症するといわれる帯状疱疹。「原因となる水疱瘡のウイルスは、一度かかると神経に潜んでいます。加齢や疲労で抵抗力が落ちたり、ストレスなどにさらされると、潜んでいた水疱瘡のウイルスが暴れ出すというイメージ」好発年齢の50代以上を対象に、ワクチン費用の一部を負担する自治体が多くある。1回あたり5千円~2万円ほど。■ワクチン接種の機会は年代によって逃していることも【10】日本脳炎〈感染度・C、危険度・A〉感染しても発症するのはわずかだが、ひとたび発症すると後遺症が残ったり、死亡する確率が高い。「1歳以上で予防接種をするので1歳未満の乳児で感染するケースがあります。2015年には千葉県で日本脳炎患者が発生。日本脳炎ワクチン接種前の10カ月の男児で、重度の四肢麻痺が残ったそうです」日本脳炎のウイルスは、豚が持っており、蚊を媒介にして人に感染。全国的に定期接種されているが、媒介する蚊が少ない北海道で定期接種が始まったのは、2016年から。また、1995年度から2006年度までに生まれた人はワクチン接種の機会を逃しているなど年代によって異なる可能性があるので、母子健康手帳などで確認しておこう。【11】肺炎球菌〈感染度・C、危険度・A〉「肺炎を起こす菌です。高齢者の場合、肺炎は死に至るので要注意。重症化した場合、20%が死に至るともいわれています。患者の約70%が65歳以上といわれています。肺炎球菌ワクチン(65歳以上は一部自己負担あり)の高齢者の接種率は2014~2018年度で32.4~38.3%、2019年度で13.7%、2020年度で15.8%と低迷しています」【12】デング熱〈感染度・B、危険度・C〉東南アジアや南米などではポピュラーな感染症で、ネッタイシマカなど日本にもいる蚊が媒介。2014年には70年ぶりに国内で感染者が確認された。「日本は冬に蚊がいなくなるので流行しませんでしたが、今後、温暖化によって流行する可能性も」ワクチン接種や抗体検査を視野に入れ、日常的には手をよく洗い、飛沫感染を防ぐため人混みではマスクを着用するなどして予防することが大切だ。
2024年04月25日皆さんは、夫の行動に悩まされた経験はありますか?今回は感染症対策のエピソードとその感想を紹介します。イラスト:CHIHIRO感染症対策を徹底主人公は、夫と息子との3人暮らしをしている専業主婦です。感染症のピークが過ぎたあとも対策を徹底して過ごしてきました。そんなある日、仕事終わりの夫から「これから帰る!」と連絡が入ります。息子と一緒に夕食を作りながら、夫の帰りを待っていると…。夫が入ってこない出典:愛カツ突然玄関が開く音がし、息子は「お父さん帰ってきた!」と言いました。しかし、主人公たちのいる部屋に入ってこないのです。息子が「入ってこないね…」と言うと、主人公は不安になります。そこで、不審に思った主人公が玄関へ様子を見に行くと、夫の靴がありました。そして夫の部屋の電気をつけると…。なんと疲れていた夫が、洗濯したばかりのシーツが敷かれたベットの上に寝転んでいたのです。何がついているかわからない格好のまま寝転ぶ夫を見て、衝撃を受ける主人公。思わず「早くお風呂に入って!」と怒鳴ってしまうのでした。読者の感想夫は相当疲れていて、そのままベットに寝転んでしまったのでしょう。しかし、感染症対策を頑張っている主人公にとっては、かなりショックな出来事だったと思います。(30代/女性)疲れている夫の気持ちもわかりますが、感染症対策を徹底している主人公としてはありえない行動だったのでしょう。これからは、2人で決め事をしておくといいかもしれませんね。(20代/女性)※この記事はユーザーのエピソードをもとに作成しています。※実際に募集した感想をもとに記事化しています。(愛カツ編集部)
2024年04月16日今年に入って、猛スピードで広がる致死性の強い感染症。聞けば、どこにでもある常在菌が悪さをするという。放置すれば、手や足がどんどん壊死する病気とは――。「発症後の致死率が30%と、きわめて高い“人食いバクテリア”ともいわれる、劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)の感染が、今年に入って拡大しています。国立感染症研究所によると、1月から3月21日までの11週間の患者報告数が517件となり、過去最多となった昨年同時期に比べて約3倍に増加しているのです。さらに東京都の発表でも、’23年の都内患者報告数141件の半数を超える88人の感染者が、わずか2カ月半ほどの間に報告されていることから、急遽、医療マニュアルの改訂も進められているそうです」(医療ジャーナリスト)命にも関わる人食いバクテリアについて、医療ガバナンス研究所の理事長で内科医の上昌広さんが解説する。「主な原因菌となるのは、A群溶血性レンサ球菌といって、溶連菌の一種です。溶連菌といえば非常にポピュラーな病気で、子供がかかりやすく、咽頭炎を引き起こすことが特徴なんです。しかし大人が感染した場合、ごくまれに、筋肉などに菌が入り込み、劇症型溶血性レンサ球菌感染症を発症する可能性があります。しかし、なぜ劇症化するのか、まだそのメカニズムは解明されていません」■発症したら48時間以内に死亡のハイリスク初期症状は、発熱や悪寒、頻脈、下痢、嘔吐など、インフルエンザ症状と似ているが、その後、急激に症状が悪化するという。「はじめは四肢の先端部分から軽い痛みや赤い発疹がでてきます。そこから急激に病状が進行。手足が腫れ上がり、1時間に1cmというスピードで壊死していきます。壊死した部分から、さらに菌が全身に回り、わずか数時間で重篤化します」(以下、上さん)そして肝臓や腎臓、肺など、多臓器不全状態になり、発症後、半日から48時間ほどで亡くなってしまうという。「仮に一命を取り留めても、壊死してしまった部分は切断するしかありません。私自身も先日、左上腕が腫れて強い痛みを訴える患者の家族の相談に乗りました。救急外来を勧めましたが、後になってご家族に聞くと『あと数時間遅れたら命が危なかった』とのことでした。とにかく症状が出たら、一刻も早く医療機関を受診することが重要です」もっとも気になるのが、’23年、東京都で感染者141人のうち42人が死亡したように、その致死率の高さだ。子供よりも30歳以上の大人のほうが死亡リスクが高いともいわれている。1月に発表された国立感染症研究所のレポートでは、50歳未満の致死率が、’20年は12・8%、’21年は9.1%、’22年は12・1%、’23年1?6月は15・4%だったが、’23年7月以降は30・9%と急上昇している。「同レポートでは、病原性や感染力が高まった株が、国内に流入している可能性を指摘しています。あくまでも単純計算ですが――。現在、昨年の患者報告数の3倍のペースで増加しているので、仮にこのペースが継続すれば、最悪、今年の患者数は約3千人となり、致死率3割で計算すると死亡者が1千人近くになります」流行の要因として考えられるのは、コロナによる感染対策で、免疫力が低下していることだ。「さらに、コロナ感染によっても免疫力が低下するというレポートもあります。アメリカの研究チームが、小児のRSウイルスの感染状況を調査したところ、コロナ既往の小児は、コロナ既往がない小児に比べ感染リスクが1.4倍と高かった。ワシントン大学でも、コロナによる感染リスクについて同様の見解を示す論文を発表しています」 うつらないための感染対策は傷口と飛沫に注意 誰もが感染対策を怠ってはならないのだが、感染経路は不明であることも多い。ある研究調査では、傷口や皮膚からの接触感染が35%、喉や鼻などの粘膜からの飛沫感染が20%で、残りの約半数は感染経路が不明だという結果だった。「飛沫感染対策として、咳エチケット、手洗いやうがいなどは怠らないようにしましょう。傷口から感染する可能性もあるので、足のけがなどには気をつけ、清潔にすること。 また、人食いバクテリアの原因菌である溶連菌に感染した場合も、しっかりと治療することが大事です。通常の感染症なら5日ほどの抗菌剤を処方しますが、溶連菌は体内に残りやすいのが特徴なので、10日ほど処方します。急性糸球体腎炎やリウマチ熱などの合併症を起こすリスクがあるので、処方された抗菌剤服用を途中でやめず、しっかりと飲み切ってください」コロナやインフルエンザの流行に続き、はしかや人食いバクテリアも急増している今、日々の感染対策が求められている。
2024年04月04日今年も花粉症の方が多くなる季節となりました。この時期に「目のかゆみ」を感じる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。しかしながら、「目のかゆみ」にはさまざまな原因があります。今回は「目」に注目し、毎年の流行時期から外れて急増している咽頭結膜熱、インフルエンザ、そして溶連菌感染症について、動向調査をもとに見ていきたいと思います。これらの感染症は、主に、接触感染、飛沫感染で広がっていきます。花粉症と思っていたら実は違い、気がついたら自分の周りに感染が広がっていた、ということがあるかもしれません。目に症状が出る感染症について、目の専門医である佐々木香る先生に伺い、本日AMR臨床リファレンスセンターHPにて公開します。■例年の3倍以上の感染者「咽頭結膜熱 (プール熱)」例年、咽頭結膜熱はプール熱といわれるように、6月-8月頃の夏に流行しますが、今年度は8月の終盤((第35週(8月28日~9月2日))あたりから報告数が急激に伸びてきています。冬は落ち着く季節であるはずなのに、首都圏を中心に新型コロナウイルス感染症を上回る伸びを示しました。原因はアデノウイルスで、小児が感染することが多く、東京都の感染者数は5歳以下が約82%を占めます。* 主な症状は、発熱、のどの痛み、結膜炎(流涙、充血、結膜の腫れなど)です。感染した人の気道分泌物の飛沫、目脂やそれがついたものを直接または手指で触れることでうつります。ウイルス感染であり、ほぼ2週間くらいで症状は自然に改善します。咽頭結膜熱と診断された場合、登校・登園は学校保健安全法により停止になります。熱やのどの痛み、結膜炎などの主要な症状がなくなってから2日間が過ぎたら出席できることになっています。*2023年10月12日 東京都保健医療局(報道発表資料) 図1 ■「流行性角結膜炎 (はやり目)」咽頭結膜熱と同様、アデノウイルスの感染によって発症します。同じアデノウイルスでも種類が異なり、咽頭結膜熱よりも目の症状が強いのが特徴で、感染力が大変強くあっという間に広がります。涙が多く、激しい充血、結膜に点状の出血が現れたり、結膜がむくんだり、偽膜ができたりします。耳の前のリンパ節が腫れたり、痛くなったりします。角膜にも炎症が及ぶと、点状の濁りがでて眩しく感じたり、視力が低下したりします。これは1カ月以上も続くこともあります。ウイルスに対する特効薬がないので、 PAヨード製剤で目の表面を洗浄したり、炎症を抑えるステロイドを点眼します。また角膜に傷がある場合のみ抗菌薬を点眼することもあります。なお偽膜は外科的に取る必要があります。接触感染でうつるので、職場や家庭で広がらないようにすることが大切です。流行性角結膜炎は「登園・出席停止期間」が決められていませんが、症状により医師から感染の恐れがないと認められるまでは出席停止の対象になっています。■増加が続く「A群溶血性レンサ球菌(溶連菌)咽頭炎」今年度は9月終わり頃(39週(9月25日~10月1日)あたり)から感染者数の報告が増加しています。典型的な溶連菌咽頭炎は、のどが真っ赤に腫れて強い痛みがあり、扁桃腺に膿がついたり、38℃-39℃の高熱が出ます。目は鼻や咽頭と繋がっていますので、軽く充血することもありピンクアイと呼ばれます。一般的には咳や鼻水などのかぜ症状は少ないですが、小さな子どもだと鼻水だけの軽い症状のこともあります。また、稀ではありますが、連鎖球菌性毒素ショック症候群、リウマチ熱や急性糸球体腎炎など、重症化したり合併症を起こすことがあります。溶連菌に感染していると判断されると、抗菌薬が処方されます。2、3日で症状は良くなりますが、処方された抗菌薬はすべてのみ切ることが大切です。手洗いをきちんとすることと、咳エチケットを徹底することが有効な予防策です。図2 ■流行が続く「インフルエンザ」インフルエンザは、通常、夏の時季には発症がほとんど見られませんが、今年度は、2023年9月(第36週)時点で定点当たり報告数が4.48であり、過去10年間と比べてかなり早い時期からの流行となっていました。インフルエンザといわゆる「かぜ」の違いは、「かぜ」はのどや鼻、咳など上気道の症状が中心であるのに対し、インフルエンザはそれらの上気道症状に加えて、頭痛や倦怠感、関節痛などの全身症状が目立つのが特徴です。また、発症は急激です。一般的に結膜炎の原因にはなりませんが、ウイルスの存在する鼻やのどと目はつながっており、反応性に充血を認めることもあります。インフルエンザと新型コロナウイルス感染症はどちらもウイルスが原因ですが、症状だけでは区別がつきません。高齢の方や免疫力の低下している方では二次性の肺炎を伴うなど、重症になることがあります。インフルエンザに罹ったかなと思ったら、人混みや繁華街への外出を控え、無理をして学校や職場等に行かないようにしましょう。また、家族や周りの方へうつさないように、咳エチケットを徹底しましょう。そして水分を十分に補給し、安静と十分な休養をとることが大切です。高熱が続く、呼吸が苦しい、意識状態がおかしいなど具合が悪ければ医療機関を受診しましょう。予防はやはり手洗いや咳エチケットを徹底することが有効です。現在国内で用いられている不活化のインフルエンザワクチンは、感染を完全に阻止する効果はありませんが、インフルエンザの発病を一定程度予防することや、発病後の重症化や死亡を予防することに関しては、一定の効果があるとされています。図3 ■眼科専門医からのコメント関西医科大学 眼科学講座 病院教授日本眼科学会専門医/指導医図4・例年、2月に入るとぐんと花粉症の患者様が多くなります。毎年繰り返しの方もいらっしゃれば、今年初めてなったという方もいらっしゃいます。涙が多く出て、充血して、鼻水も出て、かゆくてつらいですよね。ただ、ここで注意すべきことはウイルス性の結膜炎も、似たような症状が出ることです。つまり涙、充血、鼻水です。耳の前のリンパ節が痛くなったら特に注意です。「毎年のアレルギーがでちゃった」と言って、職場や家庭で楽しく過ごしておられると、あっという間に「皆、流行り目仲間!」なんてこともあります。・自己判断せず、早めに眼科を受診して、どちらか判断してもらうことが大切です。・涙は危険な感染源です。触らない、触ったら手洗い、目薬やタオルを共有しない、ティッシュはすぐに捨てる、など十分注意されてください。■今一度、見直したい基本的な感染症対策新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着き、基本的な感染症対策が疎かになりがちです。コロナだけでなく、周囲に感染を広げる感染症は多くあります。再度、感染症予防としての手洗いや咳エチケットなどを見直しましょう。▽正しい方法で手洗いをしようわたしたちが感染する病原体(細菌やウイルス)の多くは、まずはわたしたちの手に付着します。その手で鼻や口などに触れると、その病原体が体内に侵入し、感染が成立します。また、わたしたちが病原体のついた手でさまざまなものに触れ、周りの人がそれらに触れることで、感染が広がっていきます。わたしたちの手は、さまざまな感染症を運んでいるのです。あなたが手を洗うことで、手についた病原体があなたのからだに侵入するのを防ぐだけでなく、周りの人に感染を広げることを防ぐこともできるのです。手洗いは、日々の生活の中でできる、きわめて有効な感染対策です。図5▽タオルや目薬の共有に気をつけよう先ほど紹介した「A群溶血性レンサ球菌(溶連菌)咽頭炎」の感染経路にもなるなど、家族間であっても感染者がいる場合は特に、タオルの使いまわしは感染症の拡大につながる恐れがあります。また、目薬の共有は、容器が目やまつ毛等に触れることにより汚染され、感染の拡大につながる恐れがあります。できる限り共有は行わないようにしてください。▽咳エチケットを心がけようインフルエンザや新型コロナウイルス感染症をはじめとして、 咳やくしゃみの飛沫により感染する感染症は数多くあります。「咳エチケット」 は、これらの感染症を他人に感染させないために、個人が咳・くしゃみをする際に、マスクやティッシュ、ハンカチ、袖を使って、口や鼻をおさえることです。特に電車や職場、学校など、人が集まるところで実践することが重要です。図6▽ワクチン接種をしよう感染症にはワクチンで予防できるものがたくさんあります。ワクチンをうつと、あなたのからだはその病原体に対して免疫を獲得します。そうすると、その病原体がからだに侵入しても、病気にならない、または病気になっても症状が軽くすむようになります。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月27日気象予報士の関口奈美が22日に自身のアメブロを更新。医師に感染症を疑われた娘の症状についてつづった。この日、関口は娘について「月曜日の夜に発熱し、火曜日には40度を超えました」と明かし「坊ちゃんと同じく、突発性発疹だと思って、病院に行かずに過ごしました」と説明。「しかし、好物のパンやジュースをあげても一切受け付けない」と娘の様子を報告し「そう、喉が痛いようです。唾さえ飲むのも痛いから、唾液で服がびしょ濡れになっていたわけです」とつづった。続けて「一切飲まないから、脱水も心配になり、小児科に行こうかと思って時計をみると18時5分」だったといい「今病院終わったところだ 夜間救急に電話したけど、20時以降の受付だと言われました」と説明。「当番医を調べると片道車で30から40分もかかる」と明かし「結局翌日にしようと思って、翌朝を迎えました」とつづった。また「熱はあるけど、少し水分とれたし、わざわざ強風のなか、当番医に行き、長時間待つのはやめようと思って自宅で過ごしました。木曜日も、風が強く、なんだかんだで自宅」と報告。一方で、金曜日に「なんか赤いニキビみたいなのがある?」と思ったそうで、小児科へ足を運び医師にこれまでの娘の症状を伝えると「溶連菌の可能性もあるから調べましょう」と言われたことを明かした。最後に、娘の検査の結果について「溶連菌じゃなかったです」と報告。しかし、医師から「とびひかもです」「オムツかぶれもこじらせてしまったようで、、、できれば毎回シャワー、ちょっとでもオシッコしたらすぐオムツ変えるようにしてください」と言われたそうで「ただでさえ双子でオムツ交換の回数2倍なのに、シャワーって、ハードル高いな」とコメントし「こんなに赤ちゃんを育てるって大変なのね」とつづり、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「お母さん大変ですね」「奈美さん凄いなぁ」「今が正念場かもしれませんね」などのコメントが寄せられている。
2024年03月24日認知症は高齢者がなるもの、というイメージを持っている人が多いですが、若い人でも認知症になるケースはあります。それが「若年性認知症」です。また、認知症自体も、原因によってもいくつかの種類があり、症状や対処法が異なります。今回、きくち総合診療クリニック理事長・院長の菊池大和先生に、認知症の種類と、認知症になりやすい人などについて聞きました。教えてくれたのは…監修/菊池大和先生(医療法人ONEきくち総合診療クリニック理事長・院長)地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。「4大認知症」の特徴と症状認知症は発症した原因によりいくつかの種類に分類されますが、その中でも多く見られる4つの認知症を「4大認知症」と呼びます。1、アルツハイマー型認知症日本人に最も多い認知症で、全体の70%弱を占め、女性に多く見られます。原因は、アミロイドβ(ベータ)などのたんぱく質が何らかの要因により、長い年月をかけて脳にたまってしまうこと。それにより、脳が萎縮し、認知症が引き起こされます。症状は、記憶障害(もの忘れ)から始まることが多く、少しずつ時間をかけて進行していきます。文字を読む・書く・話す・理解することが難しくなったり、物や人の顔などが認知できなくなったりして、日常生活に支障を来たします。認知症は病気の名前ではなく、病気によって引き起こされる症状の総称です。一方、アルツハイマー病は記憶や行動に問題を起こす脳の病気で、認知症を引き起こす代表的な病気の1つ。アルツハイマー病が原因で引き起こされた認知症を、「アルツハイマー型認知症」と呼びます。2、血管性認知症認知症の20%を占めるのが、血管性認知症です。脳梗塞や脳出血といった脳血管障害が原因で、脳の血液循環が悪くなり、脳細胞が破壊されることで引き起こされます。男性に多く見られます。症状は脳血管障害を起こした場所によって異なり、もの忘れや記憶障害、判断力障害、歩行障害など多岐に渡ります。手足のしびれや麻痺、感情のコントロールができないなどの症状を伴う場合もあります。症状には波があり、認知機能はまだらに低下していきます。3、レビー小体型認知症脳にレビー小体というタンパク質がたまることで、神経障害が引き起こされる認知症です。症状として、実際には存在しないものが見える「幻視」や、手足が震えて転びやすい、歩きにくいなどのパーキンソン症状、睡眠中に夢を見て大声を出すなどがあるのが特徴です。調子の良いときと悪いときを繰り返していたかと思うと、急速に進行することもあります。4、前頭側頭型認知症脳の約4割を占める前頭葉と側頭葉の神経細胞が変性し、徐々に進行する認知症です。認知症の中で唯一、指定難病(患者の医療負担を軽減するため、医療費助成制度の対象としている難病)を受けています。初期には、ぼんやりする時間が増えたり他人への興味がなくなったりします。進行すると、今までの人格とは著しく異なる行動を取ったり、同じ行動を繰り返したり、言語がしゃべれなくなるなど、さまざまな症状が見られます。65歳以下で発症する「若年性認知症」65歳未満で認知症を発症した場合、高齢者の認知症と区別して「若年性認知症」と呼びます。全国の若年性認知症の人の数は推計で3万5700人。人口10万人当たり50.9人となります。若年性認知症で一番多いのは血管性認知症で、次がアルツハイマー型認知症。前頭側頭型認知症も高齢者の場合に比べて割合が高くなっています。女性より男性に多く、その理由は、男性のほうが生活習慣病(高血圧、脂質異常、糖尿病)が多く、脳血管障害(脳出血、脳梗塞)が多いためと考えられます。若年性認知症の人の多くは現役で仕事や家事をしているため、認知症になるとそれらに支障が生じます。しかし、本人や配偶者はそれが認知症によるものだとは思わず、診断や治療が遅れて認知症が進行してしまうケースが少なくありません。年齢に関係なく誰でも認知症になる可能性はあると認識し、気になる症状があるときは、早めに適切な治療を受けること大切です。認知症になりやすい人ってどんな人?「認知症は遺伝するのでは?」と不安に思う人が多いですが、遺伝子が関係する認知症はたった10%以下。ほとんどの認知症は、遺伝とは関係なく誰でも発症します。近年の研究では、認知症は生活習慣や環境が関わっていることがわかっています。認知症を引き起こしやすい生活習慣・環境を知っておきましょう。NG習慣1:偏った食事が習慣になっている栄養バランスの悪い食事は、体調に大きく影響します。特に過剰な塩分や高脂質な食事は高血圧の原因になり、高血圧は脳梗塞や脳出血を引き起こしやすくなります。結果として、脳血管性認知症になりやすくなると言えます。また、過剰な糖分は糖尿病を引き起こすことがあります。糖尿病はアルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβの蓄積を進行させるので、脳血管性認知症になりやすくなります。適度にお酒を楽しむ程度なら問題はありませんが、過度の飲酒はアルコール依存症とともに「アルコール性認知症」を引き起こす原因になります。アルコールを過剰に摂取することで、栄養を吸収しにくくなり、脳の萎縮や機能低下を招いて認知症へとつながるのです。また、脳梗塞などの脳血管障害を引き起こして認知症へとつながる場合もあります。NG習慣2:運動不足が続いている運動不足になると、筋力が低下します。すると活動量が低下して脳への刺激が減り、認知症のリスクを高めます。ウォーキングやストレッチ、手足を動かすなど軽い運動でも十分脳への刺激になりますので、何歳になっても適度に体を動かすことを心がけることが大切です。NG習慣3:睡眠不足の日が多いアルツハイマー型認知症は、脳におけるアミロイドβなどのタンパク質の蓄積が原因で発症しますが、アミロイドβは夜間の睡眠中に脳から血液中に排泄され、肝臓に運ばれて無毒化されます。睡眠不足になると、この排泄が低下して蓄積しやすくなるため、アルツハイマー病になりやすいと考えられています。NG習慣4:たばこを吸うたばこを吸うと、ニコチンの血管収縮作用により血液の流れが悪くなります。すると脳への酸素が供給されなくなり、脳の神経細胞がダメージを受け、認知症を引き起こす恐れがあります。NG習慣5:人と会ったり話したりすることがほとんどない例えば、定年になって仕事を辞めたり、子どもが自立して夫婦2人だけになった後、家に引きこもって運動もせず、誰とも会わない生活をするようになった人が、認知症を発症するケースは珍しくありません。これは、こうした生活により脳への刺激が極端になくなり、脳が萎縮して認知症が引き起こされると考えられます。認知症は初期段階で適切な治療を受ければ元に戻れる!認知症の約70%を占めるアルツハイマー型認知症には、必ず2~3年ほどの前段階があります。それを「軽度認知障害」と言います。軽度認知障害の代表が「記憶力の低下」です。最初は本人がもの忘れを自覚することもありますが、徐々に自覚が薄れていきます。また、今まで興味のあったことに無関心になったり、情緒不安定になったりもしますが、日常生活は送れるのが特徴ですこの軽度認知障害の段階で生活習慣の改善や運動をすれば、50%の方が元に戻れます。その後の段階であっても、できるだけ早く治療を始めることで、進行のスピードを遅らせることができるのです。認知症は早期発見、早期治療することがとても大切。それによってその後の生活が大きく変わることを知っておきましょう。まとめアルツハイマー病型認知症は長い年月をかけて脳にタンパク質がたまって発症します。つまり「高齢者になってから気を付ける」のでは遅く、30〜40代のときから生活習慣を見直すことが予防に大きくつながるのです。上の「認知症になりやすい人」の生活習慣に1つでも心当たりがある人は、今から改めて、認知症になりにくい体を作っていきましょう。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/かきの木のりみ4つの編集プロダクションで紙媒体の編集をしつつWebの学校に通い、Webと紙両方の編集に携わるようになって約20年。スポーツは観るのもやるのも好きなのだけど、最近はすっかり観るほうに……。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/監修/菊池 大和 先生医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長。地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。
2024年03月17日■これまでのあらすじいつも妻の加奈に子どもたちの看病を任せきりにして自分は仕事を休まない雄太。手伝うことがあっても加奈に頼りっぱなしだった。自分もインフルエンザなのに雄太に頼られて辛い思いをした加奈は、同僚から夫向けマニュアルを作成することを勧められる。子どもたちが病気になった時の連絡先や手順を描いたマニュアルを見た雄太は「これなら自分でもできる」と言う。その2週間後、息子に異変が…。まさか、保育園で流行しているノロ…!? 比呂が夜中に吐いてしまいました。ノロウイルスの可能性があるため、まずは感染予防です。手袋とマスクの場所、シーツの洗い方、夫は自分で調べようとせずに聞いてくるばかり。「マニュアル見てよ!」とつい怒鳴ってしまいましたが、戦力になってもらうためには、私も言い方を気を付けないと…。子どもの看病の新人である夫にイライラしても始まらないので、やってほしいこと、覚えてほしいことを私は細かく指示するようにしました。すると、夫も少しずつ自分で考えるようになってきたのです。あとは、明日、どちらが仕事を休むか…。※この漫画は実話を元に編集しています次回に続く(全11話)毎日更新!
2024年03月15日みなさんは、性感染症についてどのくらい知識を持っていますか?不妊症につながる可能性もある性感染症ですが、その多くは感染していても無症状のため、自分で気づくことができないそうです。今回は、はなおかレディースクリニック院長の花岡正智先生に、知っておきたい性感染症の特徴とリスクについて解説していただきます。みなさん、はじめまして。はなおかレディースクリニック院長の花岡正智です。2023年は梅毒をはじめ、さまざまな性感染症が増加しました。性感染症の中には症状に乏しいものもあり、感染に気づかず時間が経過することで不妊症につながることもあります。そこで、感染者数の多い性感染症や近年注視されている性感染症の特徴や性感染症を治療しないままだと、どのようなリスクがあるかをご紹介したいと思います。■性感染症の症状は?女性は症状が乏しく気づかず放置してしまうことも……性感染症に感染しても特に女性の場合、症状があまり出ないことも珍しくありません。感染者の多い代表的な性感染症の症状や感染によるリスクについてご紹介します。◇なぜ今?コロナの収束と出会いの多様化が性感染症を広げる性感染症は誰でも感染する可能性があります。ただ、昨年あたりから性感染症が広がりを見せている背景には、新型コロナウイルスの収束と風俗産業やパパ活、マッチングアプリなども含め、人の出会いの多様化があると考えられています。感染症が拡大している直接的な原因を特定するのは難しいことですが、例えば歴史的に見ても、人が活発に動くようになると性感染症が拡大する傾向にあります。今回はコロナが収束したことが人の動きを活発にし、性感染症の拡大を後押ししたと言えると思います。性感染症の感染経路は、大部分が性交渉によるものです。コンドームの使用により感染率は低くなりますが、オーラルセックスで感染する性感染症もあります。このため、性交渉を行う以上は常に性感染症に感染するリスクはあると思っていただいた方が良いと思います。◇「梅毒は江戸時代の性病」と思っていたら大間違い!早速ですが、「先天梅毒」という言葉を聞いたことはありますか?「梅毒」という性感染症に感染した妊婦から胎児に母子感染し、生まれた時から梅毒に感染していることを「先天梅毒」と言います。そして2023年は「先天梅毒」の子どもが37人と1999年から今の方法で統計を開始してから最多となりました。この背景には、梅毒感染者数の増加があると考えられます。国立感染症研究所によると、2022年の12,966人に対し、2023年は14,906人と梅毒感染者は増加しています。さらに東京都感染症情報センターによると、2023年の患者報告数は感染症法に基づく調査が始まって以来、最も多い3,701人ということでした。2022年の3,677人と比較すると微増ですが、2021年の2,451人、2020年の1,579人と比較すると明らかに増加傾向にあることがお分かりいただけると思います。梅毒は粘膜や皮膚が梅毒の病変部位と直接接触することで感染します。 つまりキスやオーラルセックスを含む性交渉により感染します。初期は、肛門や性器、口唇等の感染部位に(痛みやかゆみを伴わない)硬いしこりのようなものが出現することがありますが、梅毒は ”The Great Imitator (模倣の名人)” とも呼ばれており、全身に多彩な臨床症状をきたす可能性があります。また症状の出ない人やすぐに症状が消えてしまう人もいます。しかし、その裏で病気が進行していることもあります。梅毒は、一般的に血液検査による梅毒抗体検査によって診断されます。妊婦が感染していると死産や流産につながるリスクがあるほか、母子感染で子どもが先天梅毒になり、皮膚や骨の異常、難聴、視覚障害といった症状が出ることもあります。■梅毒以外にも近年広がりを見せている性感染症とは?梅毒以外にも、2023年5月には尖圭(せんけい)コンジローマとクラミジアという性感染症の感染者数が、ここ10年で最も多くなったことが国立感染症研究所のまとめでわかり、ニュースなどでも報じられていました。それぞれどのような性感染症なのか解説します。◇「尖圭コンジローマ」尖圭コンジローマは、性交渉や性交渉に似た行為で、皮膚や粘膜の微小な傷から侵入して感染します。まれに手指や病変部位に接触する物を経由し感染することもあります。子宮頸がんの原因にもなるHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染することで引き起こり、性器の周辺にイボができることもありますが、症状がなく気づかないこともあります。なお、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度はHPVに感染するとされています。尖圭コンジローマは、視診やHPV検査によって診察します。◇「クラミジア」クラミジアはオーラルセックスを含む性交渉が主な感染経路です。性器クラミジア感染症は、おりものに異常が出ることが多いですが、半数くらいの方は自覚症状がありません。重症化すると卵管や子宮頸管の炎症や骨盤内炎症性器炎を引き起こすことがあり、着床障害や卵管障害、子宮外妊娠など不妊の原因になることもあります。そのため、多くの不妊治療クリニックでは、初期検査でクラミジア抗体検査を行っています。クラミジアは性感染症の中でも感染者数の報告が多く、女性の場合、20代前半が最も多く次に20代後半と、若い層での感染が多い状況です。さらに「淋菌」という性感染症に感染していることが分かった場合、クラミジアにも感染していると思って対応したほうが良いくらい、他の感染症と一緒に感染していることが多いのも特徴の一つです。クラミジアも淋菌も「遺伝子検査」により感染の有無を調べることができます。遺伝子検査とは、顕微鏡などで直接確認する方法とは異なり、微生物のDNAを増幅させ、微生物の遺伝情報からその存在を特定する方法です。新型コロナウイルスの検査でPCR法という言葉を知った方も多いと思いますが、PCRがまさに遺伝子検査です。女性の場合、子宮頸管擦過物やうがい液などを用い、遺伝子検査を行います。■見えない菌まで調べられるようになり、注視され始めた性感染症も先ほど紹介した遺伝子検査が登場するまでは、患者さんから採取した検体から菌を取り出し、菌を培養することで増やしていき、それを顕微鏡で見るという方法で検査していました。2000年より前は、培養しても増やすことができない、あるいは顕微鏡でも見えない菌は実証できないため、存在しないのではないかと思われることもありました。それが分子生物学という菌の遺伝情報を解析して、菌を特定する方法が生まれたことで、この分野でも革命的なことが起きたのです。つまり見えないものが調べられるようになったのです。そこから調べられるようになったのが、マイコプラズマ(※)やウレアプラズマといった性感染症です。これらは、骨盤内腹膜炎や周産期感染症の原因微生物としても注目を集めています。そして、クラミジア感染症や淋病につづき感染率が高いと言われています。※マイコプラズマ肺炎の原因菌とは異なる◇「ウレアプラズマ」ウレアプラズマの感染経路は、主にオーラルセックスやディープキスを含む性交渉です。性器の痛みやかゆみ、おりもの異常、のどの痛みや違和感などの症状が出る場合もありますが、自覚症状はあまりないケースが多いとされます。ウレアプラズマにはウレアプラズマ・パルバムとウレアプラズマ・ウレアリチカムの2種があり、2012年から自由診療でのみ検査ができるようになっています。うがいや尿、腟ぬぐいにより、検体を採取し、菌のDNAを調べることで感染の有無を判断できますが、ウレアプラズマの検査や治療は保険適応外であることや、クラミジアと症状が似ていることなどから見落とされてしまうこともあります。ウレアプラズマが悪化してしまうと、子宮頸部の炎症 や 卵巣・子宮などの骨盤内感染を引き起こし不妊症の原因になることもあります。また、早産に影響を及ぼす菌であることも研究で分かってきています。◇「マイコプラズマ」主な感染経路はウレアプラズマ同様、オーラルセックスやディープキスを含む性交渉です。感染するとおりものの異常やデリケートゾーンのかゆみや痛み、のどの違和感などの症状が出ることもありますが、無症状の場合もあります。マイコプラズマにはマイコプラズマ・ホミニスとマイコプラズマ・ジェニタリウムの2種があり、マイコプラズマ・ジェニタリウムは、2022年6月から保険診療でも検査が行えるようになりました。女性は腟分泌液あるいは感染部位が喉の場合はうがい液を採取し検査します。マイコプラズマに感染したまま放置すると細菌性腟症、子宮頸管炎、骨盤内炎症性疾患、不妊症、妊婦では流早産を起こすこともあり注意が必要です。ウレアプラズマやマイコプラズマは、聞いたことがない方も多いかもしれませんが、これらの性感染症は新たに誕生したわけではなく、今まで証明する術がなかったために、診断も治療もできなかった菌です。それが新たな検査技術の誕生により診断ができるようになり、感染によるリスクや治療法なども分かってきたのです。■見えないものが見える!疑わなくても分かる時代に性感染症をはじめ、菌を調べる検査というのは非常に進化しています。特筆すべきは見えない菌が分かるようになってきた当たりをつけなくても網羅的に調べることができるようになってきたという2点です。先ほどもお伝えしたように、以前は培養できる菌や顕微鏡で見ることのできる菌しか分かりませんでしたが、今では菌の遺伝子を調べる方法で菌を特定できるようになりました。それだけではありません。以前は、症状等からある程度狙いをつけて、それに対応する検査を行っていました(ターゲット検査)。そのため、その検査で陽性にならなければ、その菌はいないという診断にとどまっていました。それが現在は、網羅的に菌を調べることができるようになってきたのです(網羅的検査)。このようにして、狙っていない菌(予測していない菌)の存在も明らかになってきました。例えば、私のクリニックでも不妊治療を行っている方に対し、子宮内フローラ検査という検査を行うことがあります。子宮の中の菌環境が妊娠率や出産率に関わることが分かってきているからです。子宮の中の菌環境が乱れていても症状がないことも多いため、狙いをつけるのは難しいのですが、子宮内フローラ検査により子宮の中にいる菌の種類と割合を網羅的に調べることができます。子宮の中に悪玉菌が多いと着床不全などの不妊原因になることがありますし、マイコプラズマやウレアプラズマなど流早産を引き起こす可能性のある菌が検出された場合は治療を行っています。この検査も2017年に誕生しているので、最近できるようになってきたことです。この網羅的検査の良い点は、ほかにもあります。それは、適切な抗菌薬を処方できるということです。どんな菌に感染しているかを確認しないまま、広域性抗菌薬を処方してしまうと良い菌まで排除することになってしまうからです。また、21世紀に入ってから、新たな抗菌薬はほとんど開発されていませんが、既存の抗菌薬に対する薬剤耐性化は進んでおり、今ある抗菌薬を上手く使っていかなくてはいけません。■性感染症の原因菌は排除できても、自然妊娠ができなくなることも梅毒、クラミジア、淋病、ウレアプラズマ、マイコプラズマは細菌によって引き起こされるので、適切な抗菌薬の投与により治療することができます。例えば、梅毒には「ペニシリン」、クラミジアには「アジスロマイシン」など、それぞれに対応する抗菌薬があります。しかし、性感染症の感染に気づかず対処が遅れてしまった場合、菌は抗菌薬により排除できても、感染による影響が残ってしまうことがあります。例えば、クラミジア感染の場合、症状が進行すると卵管が癒着して、狭くなってしまう、あるいは閉塞してしまい、排卵された卵子が子宮へ移動できなくなってしまうことがあります。実は、卵管性不妊の60%以上がクラミジア感染による卵管狭窄や卵管癒着が原因とされています。そして、抗菌薬により、クラミジアの原因菌は排除できても、卵管狭窄や卵管癒着は治癒しません。つまり、卵管狭窄や卵管癒着が起きてしまうと自然妊娠のハードルが上がってしまい、体外受精が必要になってくるかもしれません。「性感染症に感染しても、薬で治すことができる」と思われている方もいるかもしれませんが、性感染症を安易に考えてはいけません。性感染症の中には症状に乏しいものもあり、気づかず治療されないことにより将来のライフプランに大きく影響することがあることを知っておいていただきたいと思います。■性感染症との向き合い方性感染症の主な感染経路は性交渉です。そのため、避妊目的だけではなくコンドームの使用が望ましいです。しかし、性感染症は体液が粘膜に接触することで感染するためオーラルセックスでも感染します。性交渉の経験がある方は、少しでもいつもと違う症状があると感じた場合は、性感染症の専門クリニックやレディースクリニックで検査を受けるようにしてください。ただし、今回紹介した梅毒や尖圭コンジローマ、クラミジア、淋病、ウレアプラズマ、マイコプラズマはいずれも女性の場合、症状が出ない場合もあります。パートナーの感染が判明したら、ご自身に症状がなくても検査を受けるようにしましょう。また、妊活をはじめてもなかなか妊娠できないと感じたら、性感染症が不妊の原因になっている可能性を念頭に置き、不妊治療クリニックなどで検査を受けられると良いでしょう。江戸時代にも流行していた梅毒がいまだになくならないように、そして新型コロナウイルスのような新たな感染症が流行するように、人との関わりがある以上、わたしたちは感染症と無縁ではいられません。感染しないことが一番望ましいですが、感染するリスクが常にあること、そして感染を放置してしまうことによるリスクを知っていただくことがご自身を守ることにつながります。このコラムが皆様の健やかな日々に寄与できればと願っています。
2024年03月09日今回は、人気のマンガをクイズ形式で紹介します!マンガのストーリーがどんな結末になるか考えてみてくださいね。イラスト:CHIHIRO徹底して感染予防主人公は夫と息子の3人暮らしです。感染症が流行しておりマスクが手放せない生活が続いていました。出典:愛カツ息子を注意出典:愛カツ洗濯もこまめに出典:愛カツここでクイズ主人公の徹底した感染症対策に感心した夫が、主人公にかけた言葉とは?ヒント!主人公は嬉しい気持ちになりました。主人公に感謝出典:愛カツ正解は…正解は「手伝うよ」でした。感染症対策のため手で食べようとする息子を「つまみ食いしちゃダメでしょ!」と注意する主人公は、洗濯もこまめにしていました。夫は洗濯されたベッドシーツを見て、主人公に感謝の気持ちを伝えます。徹底的に感染症対策をする主人公でしたが…。ある日、夕食の準備中扉を開く音がしたため、夫が帰宅したのかと主人公は思いますが…夫はなかなかリビングに入ってきません。「まさか泥棒?」と思い、恐る恐る寝室を確認すると…夫は帰宅したままの服でベッドに寝転がっていたのです。衝撃の光景を目撃し「早くお風呂に入って!」と激怒する主人公なのでした。※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。(愛カツ編集部)
2024年03月09日新型コロナウイルス感染症がまん延したことをきっかけに、多くの企業で在宅ワークが導入された昨今。自宅にいながら仕事ができるとあり、作業をするための専用スペースを作ったり、環境を整えたりするでしょう。@yukimi_shibaさんは、自身の在宅ワークの環境に満足している様子。デスクや作業机などが快適なのはもちろんでしょうが、それ以上に気に入っている点があるようです。その理由が、写真付きでX(Twitter)に投稿されていました。「我が家の在宅ワーク環境、足元に『かわいい犬付き』なの最高すぎない?」在宅ワークをするイスの下で、柴犬の愛犬、雪海(ゆきみ)ちゃんがくつろいでいたのです!いわずもがな、職場に愛犬を連れて行くことはできないので、大好きなペットを眺めつつ仕事に取り組めるのは、在宅ワークの特権。作業で煮詰まった時や頭をリフレッシュしたい時に、雪海ちゃんのこんな姿を見たら、疲れが吹っ飛びそうですね…!写真には「幸せ…」「これはうらやましい」「私もそれがいいです!」と、投稿者さんの在宅ワーク環境をうらやむ声が寄せられました。今日も雪海ちゃんは、イスの下でのんびりとくつろぎ、仕事に打ち込む飼い主さんを癒しているのでしょう![文・構成/grape編集部]
2024年03月07日お笑いコンビ・ココリコの遠藤章造の妻・まさみさんが3日に自身のアメブロを更新。花粉症による不調とともに感染症が現れたことを明かした。この日、まさみさんは次男・歌楽(うた)くんについて「先週、額をケガした」と明かしつつ「ケガをしたのを忘れたの!?ってくらい元気です」と様子を報告。「またケガされたら、、、って考えたら何をするにもヒヤヒヤしちゃう」と述べるも「今日みたいに天気が良い日は外に行きたがる」と悩ましい様子でつづった。続けて、自身について「花粉症のせいで抗アレルギー薬、ステロイド服用しても具合悪くて」と説明し「おまけに疲れや心配事からか?口唇ヘルペスまで発症」と告白。「我が家はパパ以外は子供たち2人も重度の花粉症」と息子達も花粉症を発症していることを明かし「薬を飲ませていても鼻水、くしゃみ、目が痒いと騒いでいます」とつづった。また「花粉がすごいからまたカユカユになっちゃう」といい「今日は室内で遊ぼうっていったら『こうやって公園に行ったら鼻痒くならないから大丈夫だよー』って」とティッシュを鼻に詰めた歌楽くんの姿を公開。「確かに!!気持ちは伝わるよ」と述べ「このまま公園に行く勇気を褒めたい」とお茶目にコメントし、ブログを締めくくった。
2024年03月04日しゃぶしゃぶで有名な料理店『木曽路』西新井店(東京都)で、1月30日から2月3日にかけて、恵方巻きなどを食べた6歳から88歳までの客160人以上が下痢や嘔吐などを訴える集団食中毒が発生。足立保健所はノロウイルスが原因だと断定した。また、2月19日には、茨城県の特別養護老人ホームで入所者と職員合わせて36人が感染性胃腸炎を訴えた。うち3人を検査したところ、いずれもノロウイルスが検出された。「ノロウイルスは、秋冬の、乾燥した時期に流行します。なかでもインフルエンザ流行の前後、12月と2月ごろに患者さんが多くなります。非常に感染力が強く、集団感染を起こしやすいのが特徴。ノロウイルスを含んだ吐しゃ物が乾燥してパリパリになり、空気中に漂って感染することもあります。ホテルの通路でノロウイルスに感染した人が嘔吐。掃除後、同じ通路を行き交ったホテル利用者から感染者が出たケースもありました」こう語るのは、ナビタスクリニック立川の医師、久住英二さんだ。日本での食中毒患者の6割を占めるノロウイルスに関しては、血液型との関連を調査したレポートも発表されている。2002年、感染症ジャーナルに掲載されたアン・M・ハトソン氏、ロバート・L・アトマー氏らの論文では、51人を被験者に、ノロウイルスを経口摂取させて感染の有無を調べている。実験結果は、O型で感染しなかった確率はわずか4%だったが、B型は40%と10倍も感染率に開きがあった。A型で感染しなかった確率は22%、AB型は100%と感染者がいなかった。感染リスクはO型がもっとも高く、AB型がもっとも低いという結果だ。「2005年の感染症学雑誌に掲載された、北海道立衛生研究所の論文によると、国内の小中学校で起きたノロウイルスの食中毒感染者らを調査したところAB型が、もっとも低い発症率でした」(久住さん、以下同)いずれの調査でもAB型は感染リスクが低いという結果だが、まだ研究段階だからこそ、どんな血液型でも油断は大敵だ。「症状は1日、2日で治るものの、4人に1人は体内にノロウイルスが残り、3週間ほど排せつが続くという研究結果があります。一度の感染で、周囲の人に広がる可能性があるので、誰もが対策を講じる必要があります」感染経路は食べ物や、汚染された手で作られた料理などある。■人の手に触れるところに潜んでいる可能性が大「浅い海で育てられ、下水や生活排水からノロウイルスを取り込みやすいカキなどに代表される二枚貝が感染源となることが多いです。ノロウイルスの症状を訴える患者さんの中には『2日前にカキを食べた』という人も多くいます」それよりも多いといわれるのが“糞口感染”だ。便に含まれたノロウイルスが、手からドアノブや料理などに移り、最終的に口に入ってしまうのだ。「下痢をした場合、お尻の表面にウイルスが付着します。トイレットペーパーで拭くときに、手首やシャツの裾に接触して拡散されていきます。トイレの蛇口、ドアノブなども感染経路。石けんでの手洗いが中途半端だったりすれば、その後に接触した吊り革や手すりなどにも広がっていきます。公共機関を利用している人を調査したイギリスの研究では、じつに28%にのぼる人の手から、便に含まれる細菌が発見されました。ノロウイルスも人の手が触れるところに潜んでいる可能性が高いということです」感染者の便には1gあたり10億個のノロウイルスが含まれるという。「いっぽう、ノロウイルスはわずか100個未満の少ないウイルス量でも感染するといわれています」感染したウイルスの数によって、症状が変わってくる。■予防はとにかく石けんで手をよく洗うこと!「新型コロナウイルスでも同じですが、一般的にウイルス量が多いほど症状が重くなる傾向があります。ノロウイルスの場合、感染して1日から3日ほどして症状が出ます。重い場合は下痢や嘔吐、腹痛のほか、寒気や発熱症状が出ます。水を飲んでも吐いてしまう、下痢も10回以上出てしまう、胃がキリキリ痛む、腸に締め上げられるような痛みが出たりしますが、1日ほどで峠をこえ、快方に向かいます。軽い症状の場合は1回吐いたり、1?2回下痢をして症状が治ったりします。薬も熱に対して解熱剤、吐き気に対して吐き気止め、下痢に対して整腸剤を処方するくらいです。脱水が怖いので、水や経口補水液、スポーツドリンクなどを飲むようにしましょう。内臓の温度が38度ほどなので、同じくらいの温度に温めて飲むと消化器への負担は少ないです」予防するためには、料理や食事をするときに、しっかりと石けんで手洗いすることだ。「新型コロナの流行でアルコールに頼る人も多いですが、ノロウイルスにアルコール消毒は効きません。石けんによる手洗いが基本です。ノロウイルス感染者の吐しゃ物を床掃除する際は、アルコールではなく、塩素系漂白剤など次亜塩素酸ナトリウムを含んだものを薄めて利用しましょう」特効薬もワクチンもないノロウイルス。ノロウイルスを寄せ付けないよう、まずは石けんで手洗いを徹底しよう。
2024年02月29日認知症は現在、治療で進行を遅らせることはできても、治すことはできません。でも、初期の段階で適切な治療を受ければ、認知症に進まず元の状態に戻れることを知っていますか? 認知症にじょうずに対処するには、正しい知識を知って早期発見・早期治療をすることが最も効果的。きくち総合診療クリニック理事長・院長の菊池大和先生に、私たちが知っておくべき基本知識を聞きました。教えてくれたのは…監修/菊池大和先生(医療法人ONEきくち総合診療クリニック理事長・院長)地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。そもそも「認知症」とは?認知症とは病気の名前ではなく、症状の総称です。人は、何らかの原因で脳の神経細胞が死んでしまうと、物事を覚えたり判断したり、行動したりすることができなくなっていきます。そうして社会生活に支障をきたした状態を、「認知症」と呼びます。日本の認知症高齢者の数は、2012年で462万人と推計されており、2025年には約700 万人、65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症になると予想されています(※)。※出典:厚生労働省「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(概要)」認知症の原因原因によって大きく4つに分けられる認知症になる原因は300以上あると言われ、その原因によって4つの種類に分けられます。認知症の中で最も多いのが「アルツハイマー型認知症」で、全体の70%弱を占めます。原因は、脳内の老廃物であるアミロイドβ(ベータ)などのたんぱく質が、異常に蓄積してしまうこと。それが神経細胞を破壊し、脳が萎縮することで発症します。次に多いのが「血管性認知症」で全体の20%弱です。脳出血や脳梗塞などが原因で脳の組織が破壊され、引き起こされます。その他、脳にレビー小体というたんぱく質のかたまりができることで引き起こされる「レビー小体型認知症」と、前頭葉や側頭葉の神経細胞が変性するなどして進行する「前頭側頭型認知症」を加えた4つを「4大認知症」と呼びます。認知症の症状症状の現れ方には段階があります。ここでは、最も一般的なアルツハイマー認知症の症状について見ていきましょう。ポイント1:初期段階=軽度認知障害認知症というと、徘徊したり、家族の名前も憶えていないような状態を想像しますが、いきなりそうはなりません。認知症には必ず前段階があり、それを「軽度認知障害」と言います。この期間が2~3年あり、まず「記憶力の低下」が起こります。最初は本人がもの忘れを自覚することもあります。今まで興味のあったことに無関心になったり、情緒不安定になったりもしますが、日常生活は送れている状態です。人は誰でも年を取れば、もの忘れが増えます。思い出したいことがなかなか思い出せなかったり、記憶力が低下したりもします。すると「このまま認知症になるのでは?」と不安に思う人もいるでしょう。しかし、これらは加齢によるもので、認知症とは異なります。認知症のもの忘れは、食事したことそのものを忘れてしまう、駅から家に帰る道がわからなくなるなど、ある体験を丸ごと忘れてしまい、日常生活に支障を来たすのが特徴です。ポイント2:中期段階中期段階は4~5年あります。日常生活に支障が出てくる期間で、家族が一番介護が大変な時期になります。物の場所がわからない、食べたことを覚えていないということが起き、夕飯を何度も食べたり、買い物に行って帰って来られない、昼夜逆転して夜眠れない、徘徊(はいかい)、幻聴、幻覚、失禁などが見られます。ポイント3:後期段階後期段階は、何もできなくなります。食事、着替え、排泄、入浴は、やり方がわからないため本人は動けません。興味もなくなります。家族に「あなた、誰?」と言うのもこの時期です。もしかして認知症かも、と思ったら認知症は初期段階(軽度認知障害)で生活習慣の改善や運動などをすれば、50%の人が元に戻れます。つまり、早期発見・早期治療がとても大切なのです。家族の様子に少しでも違和感や不安を感じたら、迷わずかかりつけ医に相談しに行きましょう。認知症の検査をし、異常がなくても定期的に通院して、主治医に自分の状態を知ってもらうと安心です。内科などのかかりつけ医を持っていない場合は、脳神経内科や脳神経外科、認知症外来などで診てもらうと良いでしょう。認知症の治療方法は?認知症の治療には、「薬物治療」と「非薬物治療」があります。ただし、認知症を完治させる治療法はまだわかっていません。現在の治療は、あくまで症状を緩和したり、進行を遅らせたりすることが目的です。方法1:薬物治療薬を服用する治療です。症状によっては、抗精神病薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、睡眠薬などが使われる場合もあります。2023年発売の最新治療薬「レカネマブ」とは、認知症の最大の原因であるアルツハイマー病の原因物質・アミロイドβに働きかけ、除去して減らす作用が認められ、進行を抑えるとされている世界初の治療薬です。2023年12月より発売され、保険適用になりました。この薬の対象となるのは、軽度認知障害や早期の認知症と診断された人で、専門的な検査などが受けられる医療機関でのみ投与が可能です。なお、体重によって投与量が変わるため、価格は個人で異なります。方法2:非薬物治療薬物を用いないアプローチで、ストレッチや簡単な運動をしたり、脳を活性化させる回想法や音楽療法など、症状などによってさまざまあります。理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの専門家の指導のもとでおこないます。家族が認知症になったらときの対応は?できるだけ寄り添いましょうどのような症状が出ているかで対応は異なりますが、基本的な心構えは同じです。認知症になった家族の立場や気持ちに、できるだけ「寄り添う」ことがとても大切です。ポイント1:自尊心を傷つけない認知症による行動や発言を否定したり、何もできないからと赤ちゃん扱いしたりするのは、認知症の人の自尊心を大きく傷つけます。すると自信をなくしたり、心を閉ざしたりして、さらに症状が進行してしまう場合も。認知症になっても、プライドや自尊心は残っています。自尊心を傷つけず、尊重することが最も大切なポイントです。ポイント2:本人のペースに合わせる認知症になると、思考力や動作が遅くなるため、1つのことをするにも時間がかかります。それでも、ゆっくりやればできることが多くありますので、イライラして急かしたりせず、本人のペースに合わせましょう。ポイント3:つらくなったときは専門家を頼る認知症の症状によっては、介護者が身体的・精神的な負担を抱え、疲労してしまう場合もあります。家族が倒れてしまっては、元も子もありません。今はさまざまな介護支援サービスがありますので、じょうずに活用して介護の負担を減らしましょう。それでもつらくなったら、専門家や施設に頼ることも大切。距離を取ることで、認知症の方も介護者も気持ちが落ち着き、関係が良くなることもあります。まとめ認知症の基本知識を、菊池先生に教えてもらいました。認知症にも種類があるなど、意外と知らなかったことも多いのではないでしょうか。認知症を予防するためにも、また、認知症の家族と安心して暮らしていくためにも、正しい知識を身につけることが大切です。取材・文/かきの木のりみ4つの編集プロダクションで紙媒体の編集をしつつWebの学校に通い、Webと紙両方の編集に携わるようになって約20年。スポーツは観るのもやるのも好きなのだけど、最近はすっかり観るほうに……。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/監修/菊池 大和 先生医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長。地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。
2024年02月29日鼻や目などに症状が現れ、つらい花粉症。『季節性アレルギー性鼻炎』の一種で、人によって原因となる花粉の種類はさまざまです。スギやヒノキなどの花粉が飛散する、春に症状が現れる人が多く、対応に難渋しているでしょう。『よく想像される花粉症と実際の花粉症』イラストレーターの、遊ハち(@nemone_2)さんは、よく想像される花粉症の人の様子と、実際の姿についての比較をX(Twitter)に投稿しました。イメージされやすいのは、鼻水やクシャミなどが出る、こちらのような状態でしょう。薬を飲んだり、目薬を差したりする必要があり、対応が大変そうですね。…しかし!世の中には、この状態よりはるかに重症な人たちもいるのです!鼻水が滝のように流れ、虚無の目でティッシュを消費し続ける人の姿がありました…。4時間も何も手につかず、身体の水分が出ていくばかり。つらさの極みを描いたイラストに、「自分はこっちだ~!」と共感した人たちからの声が殺到しています。・誇張なしで後者の状態。やばくてシャレにならない。・花粉が少ない地域に住む人たちが、うらやましくなる時期だ!・1日にティッシュが5箱なくなる勢いです…。・生活の質が最低になるので、医療の力に頼るしかない。・いろいろな治療をしたのに、私は後者なんだよなぁ。花粉症の症状がない、または軽度の人たちは、2枚目のイラストの状態に驚いたことでしょう。花粉症は身近なアレルギーで、軽視されがちですが、『軽いもの』という認識は改める必要があるかもしれません![文・構成/grape編集部]
2024年02月27日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんの認知症が進行していく中で迎えたお正月。ワフウフさんは、あーちゃんを連れて姉・なーにゃんの家に行き食事をしました。そこで、食事よりも先にデザートとして用意されているお菓子を、他人の分まで完食してしまったあーちゃんを見て、もう自分では食欲が制御できないことを悟りました……。お正月も終わり、新年最初の通院。あーちゃんが待ち合わせに遅れるというトラブルもありましたが、無事に終了。お茶をしようとお店に入ると、あーちゃんがケーキを選び始めました。持病の糖尿病も心配なので我慢するように言うと「甘い物は我慢している!」と言います。今まさに目の前でケーキを選んでいたのに……。この調子だと、甘い物の自制は難しそうです。 認知症といってもいろいろ… これまでに接してきた認知症は、家族の中で3人。いずれもアルツハイマー型認知症です。 祖母は、とにかく徘徊(はいかい)がすごくて、周りも大変でした……。 義父は、せん妄(せんもう:意識の混乱)がひどく、ビックリ発言も多かった……。 そんな3人にも、共通点があるような気がします。 つらいのは、皆一緒……。 あーちゃんは、私と通院したことをすっかり忘れていました。 そして、また病院帰りのお茶でケーキを食べようとして、姉に制止されると……。 追及する姉に向かって……。 と、反論していましたが……。 たんたん:あーちゃんの夫 結局、白状してしまっていました! 認知症といっても、いろいろな種類があります。私が今まで接したことがある認知症は、祖母とあーちゃんと義父の3人。いずれもアルツハイマー型認知症で、問題行動もそれぞれですが、「認知症を認めない」「言うことを聞かない」「お金への執着」は、共通点だと感じています。 もしかして、これらは認知症全体の「あるある」なのかもしれませんね。突然暴言を吐かれてしまうのも、同じ話がループするのもストレスですが、苦しんでいるのは皆同じだと思うと、少し救われます。皆さん頑張りましょう……! あーちゃんの認知症は、相変わらずです。新年最初の通院はすっかり忘れ、病院帰りにまたケーキを食べようとして今度は姉に注意されるも、甘い物は我慢しているとドヤ顔。でも、押入れに隠し持っていたお菓子を指摘されると、かわいく白状してしまったらしい。……このへんが、なんだか憎めないところです。 --------------認知症といっても、問題行動や進行の度合いも違うので、そのときにベストだと思う行動を取るしかできませんよね。手探りの毎日だからこそ、押入れにお菓子を隠していたことをうっかり白状しちゃうお茶目な姿を見られたりすると、ほっこりしてしまうのではないでしょうか。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。>>次の話 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年02月23日生後4カ月の末っ子が、ある日突然高熱を出しました。上の子が感染症にかかったあとだったため、うつったのかな?と思いましたが、生後4カ月ではその感染症にかからないと聞いたことがあり……。 えっ、生後4カ月なのに!?私は3人の子どもの母です。末っ子が生後4カ月のころ、一番上の子が通っている保育園では突発性発疹が流行っていて、一番上の子も発症してしまいました。その後無事に治ったのですが、なんと末っ子が突然高熱を出したのです。 突発性発疹はまず突然高熱が出て、熱が下がると共に発疹が出るというのが主な症状だと聞いていたので、私は末っ子も突発性発疹かもしれないと思いました。しかし、突発性発疹は生後6カ月以降の子どもが多く発症すると言われています。末っ子はまだ生後4カ月なので、ただの風邪なのかも……?とも思いましたが、心配なので病院へ。 医師に相談すると、「生後4か月で突発性発疹にかかる子は確かに珍しいけれど、絶対にかからないわけではないですよ」と言われました。そしてその後、熱が下がったころ全身に発疹が出て、やはり突発性発疹だったことが判明。 生後4カ月でも突発性発疹にかかる子はいると、今回の件で初めて知ってとても驚きました。 自分の中の常識を鵜呑みにしてはいけないということを学べた今回の一件。 今後は「一般的にこの病気にかかる年齢ではない」と思い込まず、なにか症状が出たら病院の先生にしっかり診てもらうことが大切だと感じました。 ◇ ◇ ◇ 突発性発疹は、生後6カ月〜1歳半の時期にかかりやすい感染症として知られていますが、それ以外の時期であればかからないというわけではありません。また、ほとんどの突発性発疹は、熱が下がり、境界がはっきりした赤い発疹が現れてからでないと診断が難しいため、ほかの病気の可能性も考えておく必要もあります。高熱が出たり、それが数日続くようであれば小児科を受診するようにしましょう。 もしも意識状態が悪かったり、けいれんしていたりする場合は、緊急病院を受診することも重要です。 監修/助産師 松田玲子 作画/しおん著者:はな
2024年02月20日かつて保育士をしていた経験を元に漫画を描いている、でこぽん吾郎(@Dekopon_56)さん。作者のでこぽん吾郎さんは女性ですが、漫画内では『大柄な男性保育士』の、でこ先生として登場しています。同作品は一度完結を迎えましたが、2023年11月から『ただいま保育士でこ先生』として再開しました。『ノロの歌』ある日、保育園にやってきた、園児の父親。家族全員でノロウイルスに感染したものの、父親だけひと足先に復活したため、我が子の布団を取りに来たようですが…。父親自身も病み上がりであり、本調子ではないはず。そんな中で、家族の看病や仕事、家事をこなすのはどれほど大変か、想像に難くありません…。投稿には、父親をいたわる声や共感のコメントが相次ぎました。・歌でも歌っていないと、メンタルを保てない状態…。・ノロウイルスは本当につらいよね。頑張れパパ…。・いろいろと危ないよ、お父さん…。お気を確かに。・ジブリ映画『崖の上のポニョ』の曲のメロディーかな。おう吐や下痢、腹痛などの症状があり、人によってはトラウマにもなりかねないというノロウイルス。そんなつらい思い出を、楽しい歌に変えて消化しないと、やっていられないのかもしれませんね。父親の歌を聞いてしまったでこ先生はきっと、心の中で「お疲れ様です」と父親をねぎらったことでしょう…。[文・構成/grape編集部]
2024年02月17日’20年1月に日本で初めて感染が確認された新型コロナウイルス。’23年5月8日からは5類感染症扱いに変更されたものの、昨年11月頃から感染者は再び増加傾向に。厚生労働省によると、2月4日までの1週間の患者数は全国で7万9605人だったという。さらに現在は新型コロナだけでなく、インフルエンザの患者数も増加中だ。全国的な患者数は2月4日までの1週間に全国およそ5000か所の医療機関から報告された患者数は11万1501人だった。また季節柄、スギやヒノキの花粉も徐々に飛散しはじめている。そんななか、欠かせないのがマスクだ。コロナ禍では感染拡大を防ぐため、厚労省は屋内でのマスク着用を求めていた。また、インフルエンザの感染防止策や花粉症対策にもマスクの着用は有効とされている。しかし、マスクをしていただけで思わぬハプニングに見舞われた人物がーー。それはアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジ役や『幽☆遊☆白書』の蔵馬役など、数々の人気キャラクターを演じてきた声優の緒方恵美(58)だ。緒方は2月11日、Xにこう綴っている。《通りすがり、すれ違い様に。「チッ。まだマスクなんかしてる奴がわんさかいんのな。コロナは風邪だっつーの。マスクしてんじゃねーよ馬鹿!」…もはやコロナ云々じゃなく花粉が飛び始めてるんだっつーの。(あと職業柄冬は喉を守るため>元々》マスクをしていただけで、突然暴言と舌打ちを食らったという緒方。Xでは同情する声がこう上がっている。《なんと想像力の欠片も無い…マスクはコロナ専用という訳じゃない 花粉症や呼吸器疾患には必需品 喘息持ちは手放せません》《声優さんは喉を守る為に必要やし マスクする・しないは個人の自由やん》《失礼な人ですねそれぞれ理由があってマスクしてるんだよ!!私も花粉症有るからしてます》《用途はともあれ個人の自由で対策してて文句言われる筋合いは無いですね》
2024年02月12日声優の浅倉杏美が8日に自身のアメブロを更新。新型コロナウイルスや溶連菌感染症などに見舞われ“一家全滅”したことを明かした。この日、浅倉は「パンデミックが起こった」というタイトルでブログを更新し「溶連菌とコロナと胃腸炎が一気に起こりまして家族全滅」とコメント。「わたしは溶連菌で40度の熱を出し……でも動ける大人がわたししかおらず意識朦朧としながらも片手バケツ(嘔吐対策)で子供の世話をし家事」をしたことを明かし「文字通り、記憶にない日々でした…笑」とつづった。続けて「今週から通常営業になりましてホッとしています。笑」とコメント。「皆様も気をつけてお過ごしください」と呼びかけ「気をつけたって、かかる時はかかりますが。。」と述べ、ハッシュタグで「#溶連菌」「#胃腸炎」「#コロナ」「#家族全滅」とつづり、ブログを締めくくった。
2024年02月10日今回は、人気のマンガをクイズ形式で紹介します!マンガのストーリーがどんな結末になるか考えてみてくださいね。イラスト:CHIHIRO感染症予防のために感染症が流行しているため、マスクが手放せない生活が続いていました。主人公は家族のために感染症予防を徹底しています。出典:愛カツ数日後出典:愛カツ帰宅前の連絡出典:愛カツここでクイズその後、主人公が戸惑う出来事が起こります。それは一体なんでしょうか?ヒント!主人公は「泥棒…?」と不安になってしまいました。部屋に入ってこない出典:愛カツ正解は…正解は「玄関のドアが開いたのに夫が部屋に入ってこなかった」でした。「これから帰る!」と連絡があった夫を待っていた主人公と子ども。「ガチャッ」とドアが開く音がしたので夫が帰ってきたと思ったのですが…。夫が部屋に入ってこないことに違和感を覚えた主人公。子どもを部屋に残し、玄関を見に行くとそこには夫の靴がありました。見覚えのある靴にホッと胸をなでおろします。しかし、そこに夫の姿はなく「どこに行ったのかしら…」と疑問に思うのでした。※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。(愛カツ編集部)
2024年01月31日1月もあっという間に過ぎ、もうすぐ2月。1年でもっとも寒さが厳しい季節の到来です。今の時期に特に気をつけたいのが、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルスなどの感染症をはじめとした不調対策。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、さまざまな不調を招く自律神経の乱れや免疫力低下を防ぐ食薬習慣と、見直すべきNG習慣を教えてくれます!免疫力を高める食事と生活習慣は身についていますか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 250今の時期、周りに体調を崩して苦しんでいる人が増えてきていませんか?何かイベントがあったり、ここぞというときに限って体調不良に悩まされる人も多いかもしれません。よりによって今、体調を崩さなくても…と自分のカラダにうんざりすることもありますよね。年度末に近づき、休むことのできない人も多いと思います。1年の中でも寒さが厳しい季節となり、様々な感染症をはじめとして、不調対策も欠かせなくなります。ということで今週は、体調を崩しやすい季節を健やかに過ごすための食薬習慣を紹介していきます。今週は、体調不良を寄せつけない食薬習慣年明けから早くも1か月が経ち、時間が過ぎる早さを実感しますよね。いろいろな目標を達成したり、日常のタスクをこなすために無茶をすることもあるかもしれません。そんな中、熱が出たり、咳が止まらなくなったり、下痢になったり、蕁麻疹がでたりと様々な不調に悩まされ、日々の業務をストップすることを余儀なくされることもあると思います。ただ、感染症シーズンであっても、元気な人はいつでも元気です。そして、逆に体調不良を感じる人は毎年同じようなメンバーではないでしょうか。この差を漢方医学では、バリア機能である『衛気』や『肺』、免疫や回復力に関わる『腎』の働きにより生じるものと考えることがあります。ということで、今週は季節特有の不調に悩まされないように『肺腎』の働きをサポートし、『気』を補う食薬を取り入れることで、体の土台を強化していきましょう。今週食べると良い食薬は【葱と山芋と明太子のお好み焼き風】です。NG習慣は、休日の【寝だめ】です。食薬ごはん【葱と山芋と明太子のお好み焼き風】まずは、ビタミンDやセロトニン、ジオスゲニンなどを意識した食薬をとることで、『肺や腎』をサポートしていきます。ジオスゲニンを含む山芋、ビタミンDを含む明太子、そして血流を促すネギ、アミノ酸スコア100で神経伝達物質の材料となる卵を組み合わせて、『補気血』できるお好み焼きのようにして食べましょう。<材料>山芋6センチ(ポリ袋に入れ瓶底などを使って荒くつぶす)玉子2個明太子1腹生姜1片(みじん切り)ネギ1/2本(輪切り)醤油・みりん各大さじ1海苔・あおさお好みで<作り方>山芋、玉子、明太子、調味料をポリ袋に入れよく混ぜる()。クッキングシートをフライパンに敷き、ネギを炒める。そこにを加え蓋をして蒸し焼きにする。海苔やアオサをトッピングして完成。NG行動【寝だめ】休日になると、平日の疲れを癒すために、寝だめする人も多いのではないでしょうか。一見よさそうな行動ですが、平日と休日の睡眠のリズムがずれてしまうことでソーシャル・ジェットラグを招き、睡眠の質を低下させる原因とも考えられています。一時的に疲れは取れた気分になりますが、体内時計とともに自律神経を乱し、疲労感や免疫力の低下までも感じさせてしまいます。なるべく休日も起きる時間は遅くせずに、就寝時間を早めることによって睡眠時間の確保を目指したり、日ごろの睡眠時間の見直しをしていくことが、長期的に強い体をつくることにつながります。忙しい時こそ、何かをプラスする健康法ではなく、睡眠や食事など生活の基盤の見直しを行うことで体調を整えていきたいですね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Dzianis Vasilyeu/Adobe Stock文・大久保愛
2024年01月26日歌手の森高千里のものまねタレント“ナナちゃん”こと古村奈々が22日に自身のアメブロを更新。新型コロナウイルスに感染し、生死の危機を感じた症状を明かした。この日、古村は「今朝は咳で起きることなくゆっくり寝れました」と明かし「昨日よりだいぶ楽になった気がします」と報告。「喘息持ちだと肺炎になる恐れもあったと思うと、、コロナ恐ろしいですね」と述べ「喉が詰まって息できないときは本気で生死の危機を感じました」とつづった。続けて「ポン太は相変わらず元気そうです」と息子の様子を明かし「家中ハイハイで動き回っておもちゃで遊んで今朝も離乳食1/2食べれました」と報告。一方で「久しぶりに体重測ってみたところなぜか増えてました」(原文ママ)と述べ「51.0kg」と表示された体重計の写真を公開し、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「楽になってて良かったです」「何より健康が1番ですよね」「ご自愛ください」などのコメントが寄せられている。
2024年01月23日空気が乾燥し、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルスなどの感染症が流行しています。つらい感染症、かかりたくないですよね。どんな対策をすればより効果的なのでしょうか。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、体の中から体調をコントロールするための食薬習慣と、危険なNG習慣を教えてくれます!感染症対策、しっかりできていますか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 249最近、インフルエンザや新型コロナウイルス、咽頭結膜熱など様々な感染症や体調不良に悩まされる人が増えてきていますよね。乾燥した冷たい空気の中、体調不良が長引きやすい時期だと思います。さらに、忙しく時間を捻出することに集中し、食事の時間や睡眠時間を削った毎日になってはいないでしょうか。感染症が流行る時期だけでも、体を休めることを考えていきましょう。休めるというのは、時間的な問題だけではなく、食事による内臓にかかる負担を軽減するということも一つだと思います。ということで、今週は体の内側から体をいたわり、感染症対策をしていくための食薬習慣を紹介していきます。今週は、感染症対策となる食薬習慣身の回りで体調を崩している人はいないでしょうか?最近、不調の声、増えてきましたよね。ただ、耳にしたときには、可哀そうだな…と思いながらもどこか他人事にしてしまうことが多いと思います。ですが、この乾燥した空気のなか、感染症にかかってしまうことは、誰にでもあり得ることですよね。そして、一度体調を崩すと、喉や胃腸の不調を長期的に引きずり、体調が治りそうだと思った頃に再び違う風邪をひき…と春まで何かしらの体調不良に悩まされる人も少なくありません。どんなに忙しくとも、この時期の体調管理はとても重要です。漢方医学では、防御機能が低下している状態を『衛気』の不足と考え、粘膜が乾燥し炎症を起こしやすい状態を『陰虚』と考えます。そこで、『気陰』を補いバリア機能を強化していくことが必要だと考えられます。さらに、胃腸や血糖コントロールに負担となる食事は『気』を消耗し、夜更かしは『陰』を消耗します。そのため、胃腸や解毒機能である肝臓に優しい食事を腹7~8分目程度に取り入れ、22~24時くらいには眠りにつくような生活をベースとしていくことがおすすめです。今週食べると良い食薬は、【キャベツと鶏ひき肉のジンジャースープ】です。逆にNGな習慣は、血糖値の乱高下をもたらしたり、腸内にダメージを与える【菓子パン・総菜パン】を食事の代わりにすることです。食薬ごはん【キャベツと鶏ひき肉のジンジャースープ】まず、生姜は生と加熱したもので効能が異なります。加熱すると体を温める働きが高まります。味噌汁や煮物やスープに山盛りに入れても意外とおいしく食べられます。そして、消化を助けたり、腸内環境を整えたり、抗菌作用のあるキャベツと、乾燥してバリア機能が低下しやすい粘膜全般を強化するビタミンAを含む鶏肉と合わせたスープで、体の中から優しく感染症対策を行っていきましょう。<材料>生姜を大量に入れるのがポイントです。ひき肉250g水400ml醤油大さじ1みりん小さじ2生姜4片(みじん切り)キャベツ200gくらい(千切り)塩胡椒お好みで<作り方>良く煮込んだら完成。NG行動【菓子パン・総菜パン】体が弱っている時、忙しい時、疲れている時などには、食べる気力も低迷し、何か作業をしながらでも簡単に食べることができる菓子パンや総菜パンなどに頼る人も多いですよね。ただ、菓子パンや総菜パンは食事の代わりとしては、ちょっと弱い食品です。栄養バランスが悪いだけではなく、バリア機能の強化に欠かせない腸内環境を乱したり、集中力やメンタルのコンディションを乱す血糖値の乱高下を起こすことがあるからです。今は、体調を崩すことができない!と強く願うときには、控えるようにしてみましょう。体調管理が難しい時期です。体調を崩してから、あの時もっと養生しておけば…とならないようにしておきたいですよね。また、養生に関する意識を日ごろから持っておくことで、感染症対策になるだけではなく、日ごろの疲れ対策やメンタルのコントロール、生活習慣病対策などにもつながります。不調を感じる前から行動していきましょうね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Dzianis Vasilyeu/Adobe Stock文・大久保愛
2024年01月19日新型コロナウイルスの変異株JN.1による感染急増が懸念されるなか、新型コロナの感染で心不全リスクが高まる可能性を示唆した論文が、昨年12月23日(日本時間)に科学雑誌『iScience』オンライン版に掲載された。研究チームの理化学研究所上級研究員で医師の升本英利さんが、解説する。「新型コロナは、多くの人が肺炎を引き起こす病気として捉えていると思いますが、実はほかの臓器にも影響があると考えられています。なかでも心臓には、新型コロナウイルスの表面にある突起にくっつきやすい、ACE2というタンパク質が多く存在しているのです」そこで研究チームは、iPS細胞でヒトの心臓に近いものを作り、実験を行った。「新型コロナに感染し、回り回ってウイルスが心臓に到達した場合、心臓にも感染し細胞に入り込み、ダメージを与える可能性があることがわかりました」強い感染(高力価感染)を起こした場合、感染からの日数を追うごとに心臓の機能が落ちていった。一方、軽い感染(低力価感染)や中程度の感染(中力価感染)などの場合は、一時的に心臓の機能が落ちたものの、その後、心臓の機能は回復したという。「ところが心臓には増殖可能なコロナウイルスが残ったのです。表面上は元気な心臓ですが、じつはウイルスが潜んでいる持続感染という状態だったのです」こうして持続感染した心臓を低酸素状態にした実験も行ったところ、心臓の細かい血管にダメージを与える結果も得られたという。「この実験で、新型コロナが心臓に持続感染した人が動脈硬化を原因とする狭心症や心筋梗塞を起こした場合、通常では助かるようなレベルの症状であっても、リカバリーできないほど重症化してしまいかねないということがわかりました」■リスクがあることに留意することが重要健康に見える心臓でも、将来的に強いストレスがかかった場合、心不全を起こすなど、心臓病が重症化する可能性があるのだ。「もちろん“新型コロナ感染=心臓に持続感染”というわけではありませんが、心臓に持続感染する可能性が仮に1%の確率としても、その数は少なくありません」新型コロナは、今後も流行を繰り返すと予想される。日本ではすでに4千万人以上が感染していると思われ、そのすべてがリスク対象者となるはずだ。「日常生活のなかで、過度に恐れる必要はありませんが、心臓にリスクがあることに留意することは重要だと考えます。新型コロナに感染したらこじらせないようにする、感染歴がある人で、足がむくんだり息切れするなど心不全の初期症状があれば医療機関を受診するなど、心がけましょう」新型コロナウイルスを甘く見てはいけないのだ。
2024年01月18日演歌歌手の加川明が3日に自身のアメブロを更新。新型コロナウイルスに感染して自宅待機となったことを明かした。この日、加川は「コロナになりました!」というタイトルでブログを更新し、新型コロナウイルスに感染したことを報告。「朝.目が覚めると身体の節々が痛く熱が38度もあった」と自身が見舞われた症状について明かし「病院に行き診てもらったらコロナだと言われた」と説明した。続けて「これから一週間自宅待機だそうです」と述べ「能登の大地震、飛行機事故、コロナと正月そうそう大変だ」とつづり、ブログを締めくくった。
2024年01月03日皆さんは、夫の行動に困ったことはありますか?今回は「夫に夕飯の手配を頼んだときの話」とその感想を紹介します。イラスト:良丘腹痛に襲われ…主人公と息子が感染症による腹痛に襲われたときの出来事です。この日は義実家に行く予定でしたが、腹痛のため夫に行ってもらうことにしました。主人公は夫に、夕飯の手配を頼みますが…。夫が持ち帰ったのは…出典:Grapps夫が持ち帰った夕飯は、なんと義父母の差し入れのスパイスカレーでした。主人公は「消化にいいものとか知らないの!?」と驚きつつも、夫に腹痛で食べられないと伝えます。主人公と息子が食べられないため、スパイスカレーは夫が食べることになりました。しかしその後、義父から「お礼の電話がない!!」と怒りの電話がかかってきてしまい…。あまりの理不尽さに、怒りが収まらない主人公でした。読者の感想夫にも悪気はなかったのでしょうが…。腹痛のときは、消化にいいものを用意してもらえると助かりますよね。(30代/女性)夫がもう少し気をつかってくれたら…と思わずにはいられませんでした。夕飯を食べられず、義父にも怒られてしまうなんて、散々でしたね…。(40代/女性)※この記事はユーザーのエピソードをもとに作成しています。※実際に募集した感想をもとに記事化しています。(Grapps編集部)
2024年01月01日ベビーカレンダー公式YouTubeチャンネルでは、新型コロナウイルス感染症の影響がまだ残るなか、これから出産を迎える方の心の準備としてご覧いただくための出産ドキュメンタリー動画を12月24日(日)に公開しました。 緊張でなかなかお産が進まない初産婦さんを手厚くサポート!12月24日(日)、ベビーカレンダーは公式YouTubeチャンネルにて、28歳ママの自然分娩での出産に密着したドキュメンタリー動画を公開しました。新型コロナウイルス感染症に関する社会的状況が落ち着いてきたことを受け、少しずつ立ち会い出産の制限も緩和されつつありますが、まだ予断を許さない状況は続いている昨今。現在でも不安を抱えたまま分娩に臨む産婦さんが多くいます。 今回は、感染対策を実施する産婦人科病院で、小さな命が生まれた瞬間を動画におさめました。さらに、よりリアルな出産シーンを共有するため、助産師さんにカメラを装着して生まれる瞬間の撮影にも成功しました。これから出産を控える方々の励みとなり、そして不安が少しでも解消するきっかけになれば幸いです。 今回、東京都立川市「永井産婦人科病院」協力のもと、新型コロナウイルス感染症対策を講じたうえで、1人のママの出産に密着させていただきました。助産師さんの手厚いサポートを受けながらパパと一緒に初めての出産に臨みます。 助産師さんによる解説付きなので、入院から出産までの流れをより具体的に知れる内容となっています。2人の夫婦のもとにやってきた奇跡のような命の誕生の瞬間を、ぜひ動画でご覧ください。 ▲出産当日、陣痛から分娩、産後の回復までおこなうLDRに入室し、陣痛間隔が狭まるのを待ちます ▲お産を進めやすくするため、パパと一緒にスクワット。他にも足湯をしてリラックス効果を。緊張がほぐれたママは笑顔! ▲本格的ないきみがスタート。助産師さんたちが声をかけながらお産が進んでいきます ▲入院から約11時間後、元気な男の子を出産。ママの第一声は「えーー!かわいい!」。愛おしいわが子を抱き寄せます 今回密着したのは、パパによる立ち会い出産を選択したご夫婦。初産となるママは、妊娠40週1日目に陣痛間隔が5~7分になったところで入院。陣痛に苦しむママのために、パパがおしりを押したり声をかけたりと、ママをしっかりサポートしていました。 「助産師さんとパパのおかげで安心して出産に臨めました。生まれてきた赤ちゃんを抱っこしたときは、想像よりずっしりと重く感じました。この子の個性を大切にして育てていきたいです」 「そばに寄り添うことで安心してくれたら」と、ママをサポートしたい一心で立ち会いを希望したパパ。言葉数は少なくても、出産を終えたママの頭をやさしくそっとなでる姿に、ご夫婦の深い絆を感じました。 <東京都 永井産婦人科病院 担当医師>ご出産、おめでとうございます。お母さんの頑張りもあって、とても順調なお産でした。出産を控えている方の中には、「陣痛や出産を乗り切れるかなぁ」「無事に赤ちゃんが生まれてくるかなぁ」と不安を抱える人も多いものですが、出産は「案ずるよりも産むが易し」です。実際に出産を終えると、「意外と何とかなるものだ」という感想を持たれる方が多いようです。いろいろと考えすぎず、安心して出産に臨んでほしいと思います。 <東京都 永井産婦人科病院 担当助産師>ママ・パパ、赤ちゃんみんなで力を合わせて本当に頑張った出産でした。痛いときの深呼吸がとてもじょうずだったので、赤ちゃんにしっかりと酸素を届けてあげられていたと思います。なかなか陣痛が強くならず、不安な気持ちもあったと思いますが、できることを全力で頑張られた素晴らしい出産でした。ご出産おめでとうございます!「妊娠~出産~産後・子育て」と、たくさんの「不安」があると思います。でもその「不安」はなくそうと思ってもなくならないかもしれません。なぜなら、初めてことが待っているから。経産婦さんも「2回目・3回目…」ではなく、「2回目が初めて」「3回目が初めて」です。わからない「不安」はどうしても残ってしまいますが、「不安」は残っていて大丈夫!うまくお付き合いをしていきましょう!不安とうまくお付き合いするコツは、「疑問を解決すること」と「1人で悩まないこと」。疑問が残っていると「余計な不安」が増してしまいます。ひとりで悩んでしまうと「余計に不安」が強くなってしまいます。疑問があるとき・悩んでいるとき・困っているときは、ひとりで悩まず、必ず伝えるようにしましょう。そのために私たち専門家がいます。私たちはみなさんが「わくわくする出産」を迎えて「わくわくする楽しい子育て」をスタートできるよう全力でサポートいたします。 <ベビーカレンダー編集長 二階堂美和>新型コロナウイルス感染症が5類に移行となり、両親学級や立ち会い、面会などの制限が少しずつ緩和されてきました。しかしながら、まだ産院においては制約も多くリアルな情報が得にくいのが現状です。そのため、出産に対して不安を感じている妊婦さんの声が多く聞かれます。このような制限の多い状況下だからこそ、産院に到着してから出産するまでの流れや、陣痛の間どう過ごすかを事前に知ることで、安心して出産に臨んでもらえるのでは……そんな思いから出産の一部始終を撮影し、配信することにいたしました。今回は、メインの助産師さんの胸元にカメラを装着してもらい、助産師さん目線での出産も紹介しています。出産までの過程に寄り添ってくれる助産師さんの目線を知ることで、より安心していただけるのではないかと思っております。さらに、今回はお産を進ませるためのサポートなど、これから出産に臨む妊婦さんのお役に立てる情報も満載です。また、妊婦さんのみならずすべての方にご覧いただき、小さな命の誕生の素晴らしさを感じてもらえたら幸いです。 「感染症にかからないか不安……」「陣痛や出産が怖い……」などと、初めての妊娠・出産への不安や恐怖心を抱えている方も多いでしょう。この動画を見た方たちが、命が生まれる尊さをあらためて感じたり、「愛するわが子のために頑張ろう」と思っていただいたり、そんなきっかけになることを願っています。これからもベビーカレンダーでは、「赤ちゃんがいることの幸せ」をいっぱいに感じてもらえるよう、さまざまな情報を発信していきます。
2024年01月01日まさかのトリプル感染(※画像は紺野あさ美さんオフィシャルブログより)紺野さんは2017年に日本ハムファイターズの杉浦稔大投手と結婚し、同年9月に第一子となる長女、2019年2月に第二子となる長男、2021年8月に第三子となる次男が誕生しています。幼い三児を育てているとあって、インフルエンザをはじめさまざまな感染症が流行っているこの冬は戦々恐々。感染症の大流行から逃れきることは難しく、紺野さんの家族もバタバタと倒れてしまったといい、闘病の記録をYouTubeチャンネルに投稿しました。まず高熱を出した長女を小児科に連れて行くと、インフルエンザA型、アデノウイルス、溶連菌の3つが同時に陽性となる「トリプル感染」と判明。杉浦さんはインフルエンザA型、長男は溶連菌とインフルエンザA型、次男は溶連菌、紺野さんも最後にインフルエンザA型……と、家庭内で複数の感染症が同時に蔓延する悲惨な事態になっていたといいます。長女は39度以上の高熱で食欲がなく、アイスクリームなら食べられるということで、食事はアイスクリームのみ。紺野さんは「39.7はきついよね」と心配そう。看病に追われるなか、いざというときのためにストックしておいたお気に入りの店の冷凍カレーが他の家族のごはんに重宝したといい、「ほんと、これあって助かった~」と心の声が漏れます。発熱2日目、長女の熱が朝一瞬下がった際にごはんを食べられそうというので準備しますが、食べられたのは一口だけ。その後に粉薬を飲ませようとしますが、溶連菌の抗生剤が苦くて長女がなかなか飲めず、ジュースやゼリーに混ぜるも、苦みは抑えられず苦戦したそう。普通のゼリーだと粉薬が溶け出してしまうも、薬用のゼリー「おくすり飲めたね」はしっかりと粉薬を包み込んでくれて、無事に飲むことができました。発熱3日目になっても、朝はまだ38度8分の長女。しかし「そうめんなら食べたい」と少しずつ食べられるようになってきたようです。しかし今度は次男が38度1分の発熱!少し様子見です。発熱から4日目の朝、長女はまだ38度5分。昨日38度超えした次男も、今朝は37度1分まで下がったそうですが、次に杉浦さんが38度5分の発熱と、家庭内で発熱がどんどん連鎖してしまいます。おかゆを食べてくれない問題【あるある】風邪を引いたときの食事といえばおかゆが定番で、紺野さんもいろんな味のおかゆを作ってきたそうですが、「子どもたちは全然食べてくれない」という悩みも。おかゆが苦手なお子さんは少なくないですよね。子どもが食べてくれることを優先し、紺野さんはコストコのパンとベーグルをフレンチトーストにした食事を作っていました。いまだに溶連菌の抗生物質に苦戦している長女、ココアに溶かして飲んだら今まで1番飲みやすかったそうです。少し体調が良くなった杉浦さんに長女と長男をまかせて、次男を病院に連れて行ったところ、溶連菌のみ陽性でした。紺野さんは「いつかかってもおかしくない状況ですが、私がかかってしまうと我が家が大変なことになってしまうので……」と家族が寝静まった後、限界を迎えていた腰のストレッチをします。家族が病気になっても自分だけは感染できない……母の悲痛な心の叫びに共感するママは多いのではないでしょうか。発熱から5日経っても、長女は38度2分、夫の杉浦さんも38度でまだしんどそう。長女はあさり、豆腐、小松菜の中華スープを飲むことができ、その日のうちに熱が36度9分まで下がりました。紺野さんは看病疲れがあるなか、「でも食べてないからまだちょっと元気ないね。食べられるもの食べよう」とお子さんが食べられるものを一生懸命考えて料理。やさしいお母さんですね。嫌な予感が的中……長女の発熱から6日目になると、パパとお勉強できるぐらい元気に。しかし、午後に長男が熱いなと思って熱を計ったら38度4分。嫌な予感は的中、翌日に紺野さんも発熱し、診察してもらうと長男も紺野さんもインフルエンザA型だったそうです。長女がやっと登園できるか……と思った矢先のことに、「どうするかな。最悪のパターンになってしまった…。来週、東京に行く仕事も入ってるし……」と、さすがの紺野さんもしばし思考停止の状態に。紺野さんもインフルエンザにかかっているものの、まだ動く体力はあるといい、たまった洗い物をこなします。「やっぱりさ、子どもが体調悪くても、自分もちょっと体調悪くても、家事は休みなくあるから主婦は大変ですよね」。もう涙なくしては聞けません。それでも徐々に子どもたちの熱は下がり、長女の発熱から12日後にやっと全員が登園可能な状態にまで回復しました。紺野さんは「やっと日常が戻ってきました。長かった~!」と心から安堵の声!「ちょうど日帰りで東京の仕事があったので、よかった、迷惑をかけることにならなくて」と、なんとか仕事には間に合ったといいます。自身もインフルエンザにかかっていても、家事や子どもの習い事の振替など、休む間もない紺野さん。それでもお子さんが少しでも食べられるようにと料理を工夫したり、やさしい言葉をかけたりする姿に、三児の母の強さが滲み出ていました。
2023年12月27日「この肺炎は、子供から高齢者まで、幅広い世代に感染します。なかでも5歳から15歳以下の子供に感染しやすく、全体の約5割を占めるともいわれています。ただし、子供からの飛沫や接触によって、家庭内感染で大人にうつるケースも多く、65歳以上の高齢者が感染した場合、重症化しやすいので注意が必要です」こう警鐘を鳴らすのは、日本感染症学会専門医で、東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科の寺嶋毅教授。全国でインフルエンザが猛威を振るうなか、さらに別の感染症の危険が日本に迫っている。9月以降、中国で“マイコプラズマ肺炎”による呼吸器疾患の患者が急増し、現在も北京などの大都市の医療機関では、病床が不足する事態が続いているという。世界保健機関(WHO)は中国に対し、感染防止策の徹底を呼びかけているが、すでにお隣の韓国でも、“マイコプラズマ肺炎”による入院患者が、この1カ月で2倍以上に増加するなど、世界的な感染拡大も懸念されている。■2~3週間の長い潜伏期間を経て発症“マイコプラズマ肺炎”とは、一体どのような感染症なのか。「肺炎マイコプラズマという病原体によって引き起こされる感染症です。主な症状は発熱、咳、倦怠感など。風邪のような症状にとどまる人から、気管支炎、そして肺炎になる人まで症状には幅があります。成人の場合、基礎疾患がなくても過剰な免疫反応で重症化することがあるので、特に注意が必要です」(寺嶋教授、以下同)“マイコプラズマ肺炎”は、感染してから2~3週間の潜伏期間があるそう。長い潜伏期間を経て突如襲ってくる。また、発症当初は比較的症状が軽く、出歩くことで人にうつしてしまうことが多いことから、“歩く肺炎”と呼ばれている。国立感染症研究所のデータによると、近年“マイコプラズマ肺炎”の国内患者数は、4年に1回、オリンピックが開催される年に増える傾向にあった(ロンドンの2012年、リオデジャネイロの2016年)。2020年に増えなかったのは、より強い感染力を持った“新型コロナ”のパンデミックの影響だといわれている(グラフ参照)。その4年後が、来年2024年なのだが、すでに予兆はあるという。“インフルエンザ”をはじめとする、感染症の罹患者の多さだ。「いま、子供たちを中心に夏に流行するといわれている、アデノウイルスが引き起こす“咽頭結膜熱(プール熱)”、さらに“溶連菌(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)”の感染者が急増しています。今後、中国や韓国のように“マイコプラズマ肺炎”が日本にも広がると、全国の医療機関にも影響が出てくるでしょう。特に発熱外来や小児科の混乱が予想されます」さまざまな感染症の波が押し寄せてきているのはなぜか。寺嶋教授は、コロナ禍の約3年間で、世界中で防疫措置が取られてきた結果、感染症に対する免疫の蓄積が失われてしまったことが原因ではないかと分析している。もし、免疫のない状態で“マイコプラズマ肺炎”の病原体が国内に大量に持ち込まれたら、中国や韓国のように、一気に感染爆発することもありえるという。■新型コロナと同じ予防対策が有効日本でも流行が広がった場合、最も警戒すべきことは、いま猛威を振るっている“インフルエンザ”との同時感染である。「過去に、同時感染したという報告はいくつもあります。当病院で同時感染された患者さんのケースでは、熱が39~40度まで上昇。呼吸が苦しくなり、酸素吸入が必要な状態まで肺炎が広がりました。つまり同時感染すると症状が重くなるということです。最悪の場合、死に至る可能性もあります。それだけに、早期発見と適切な治療が重要となってきます」さらに、コロナ患者の検査をしたら、“マイコプラズマ肺炎”の病原体も見つかったというケースも報告されており、“新型コロナ”との同時感染もある。寺嶋教授は、流行が重なれば“マイコプラズマ肺炎”と“インフルエンザ”、そして“新型コロナ”の“トリプル感染”の可能性も理論的にはありえるという。「日本ではまだ“マイコプラズマ肺炎”は流行していませんが、これからの年末年始、帰省する人や国内外へと移動する人がかなり増えることが予想されます。年末にも日本に上陸すれば、感染リスクが最も高くなる可能性があります」“マイコプラズマ肺炎”は、高齢者が感染すると重症化しやすいリスクがある。さらに“インフルエンザ”や“新型コロナ”との同時感染で、死に至る危険性もある。そうならないためにも、感染対策がより重要となってくる。コロナと同様に、外出時はマスクを着用、手指の消毒。帰宅後には手洗い、うがい。そしてできるだけ人混みを回避することなどが、基本的な感染対策になるという。「実家に帰省されるご家庭も多いと思いますが、もし自分や子供に軽い咳や微熱の症状があった場合は、帰省を控えたほうがいいでしょう。実家の両親にうつす可能性があります。初期症状の場合は、市販の咳止め薬や解熱剤で和らげることはできますが、治療には抗菌薬が必要です。抗菌薬は、医療機関を受診しないと処方されません」少しでも風邪のような症状が出たら、“マイコプラズマ肺炎”を疑い、できるだけ早く医療機関で受診することをお勧めします!
2023年12月27日RSウイルスとは?症状や完治までの期間などRSウイルス感染症とは、「RSウイルス」による呼吸器の感染症のことです。ほとんどの場合は乳幼児期に発症するといわれており、実際に1歳半までに50%以上、2歳までにほぼ100%の子どもが感染するとされています。RSウイルスに感染した場合、軽い症状の場合は発熱や鼻汁などの風邪と似通ったものから、重い場合は肺炎のような症状が表れることもあります。RSウイルスは何度も感染を繰り返しますが、初回感染時に症状が重い傾向があり、特に生後6ヶ月未満の子どもが感染した場合は細気管支炎、肺炎につながるなど重症化する可能性もあります。また、場合によっては高熱による熱性痙攣を起こす可能性があります。熱性痙攣は、通常、38度以上となる急激な体温上昇時に発生し、意識障害や痙攣を起こします。典型的な症状は全身性で、手足をガタガタさせる間代性痙攣であることが多く、数分ののちに意識が回復するとされています。もし痙攣が長時間続く場合などは、医療機関に相談をするようにしましょう。RSウイルスは主に飛沫に触れることや直接接触することで感染するとされています。感染してから2~8日の潜伏期があり、多くの場合は4~6日頃に発熱や鼻汁などの上気道炎症状が表れてきます。その状態が数日続いた後に下気道症状といわれる、息苦しさや喘鳴(ぜんめい:息を吐く時にゼーゼー音がする) などが表れることもあります。RSウイルス感染症は症状が出てから通常は数日から1週間くらいかけて、徐々に快方に向かっていきます。ただし、重症化のリスクもあり、気管支炎や肺炎などの症状が表れる方や、まれに呼吸困難を起こして入院に至る場合もあります。RSウイルス感染症は基礎疾患があると重症化のリスクも高まります。影響する基礎疾患としては先天性心疾患、ダウン症候群などがあり、ほかにも早産や低出生体重、生後6ヶ月未満の赤ちゃんも重症化のリスクが指摘されています。重症化のリスクが高い子どもにはRSウイルスに対する特異的抗体であるシナジス(一般名:パリビズマブ)接種が行われます。RSウイルス感染症の流行期に1ヶ月に1回筋肉内注射という形で使用することで、感染予防と重症化防止の効果があります。シナジス接種の対象となるのは現在のところ、以下にあてはまる子どもです。・在胎期間28週以下の早産で、12カ月齢以下の新生児及び乳児・在胎期間29~35週の早産で、6カ月齢以下の新生児及び乳児・過去6カ月以内に気管支肺異形成症の治療を受けた24カ月齢以下の新生児、乳児及び幼児・24カ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患の新生児、乳児及び幼児・24ヵ月齢以下の免疫不全を伴う新生児,乳児および幼児・24ヵ月齢以下のダウン症候群の新生児,乳児および幼児引用:RSウイルス感染症Q&A|厚生労働省ウイルス感染症Q&A|厚生労働省ウイルス感染症とは|国立感染症研究所ウイルス感染症にご注意ください!!|国立成育医療研究センター熱性痙攣|MSDマニュアルプロフェッショナル版RSウイルスに効く薬はある?治療方法などRSウイルスに感染した場合の特効薬などは現在のところありません。治療方法としては、対処療法といって表れている症状に合わせて、内服薬、酸素投与など呼吸管理を行い症状の緩和を目指します。ウイルス感染症Q&A|厚生労働省子どもがRSウイルスに感染したらRSウイルスに感染しているかは、鼻粘膜を綿棒で擦り、検体を採取し、迅速診断で分かります。症状からRSウイルス感染が疑わしく、重症化のおそれがあり、診断を必要とする場合に検査を行います。RSウイルス感染症は感染症法上で5類感染症に分類されており、決められた医療機関から毎週患者数を保健所に報告する義務があります。RSウイルスの感染は一度だけでなく、生涯にわたって感染を繰り返していきます。子どもが再感染して症状が出ることもありますが、その多くは軽症といわれています。大人に感染することもありますが、発症しても鼻水、咳、だるさなどの風邪と似た症状が表れるだけです。しかし、呼吸器疾患などの基礎疾患がある高齢者が感染すると肺炎につながるリスクも指摘されています。子どもがRSウイルスに感染した場合は、まずは通っている幼稚園や保育園を休み、医療機関を受診するようにしましょう。治療して症状が落ち着いたあとの登園の目安ですが、咳や痰などの呼吸器症状がなくなり、食事がとれて、活気があり、全身状態が良好になってからとされています。RSウイルスの感染を防ぐために、家庭内でできる予防法がいくつかあります。主な予防法として、・日常的に触れるおもちゃや手すりなどはアルコールの消毒薬で消毒する・外出後はせっけんを使って流水で手洗いをする・アルコール製剤を用いて手指の消毒を行う・家族に咳や鼻水など呼吸器症状がある場合はマスクを着用するなどがあります。日常的に予防することも大事ですが、2歳までの子どもが発症する確率がとても高い感染症なので、鼻水、熱に続き、呼吸が苦しそうなど、気になり症状が出たら、 医療機関を受診するようにしましょう。ウイルス感染症Q&A|厚生労働省ウイルス感染症Respiratory syncytial virus infection|東京都感染症情報センター保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)|厚生労働省まとめRSウイルス感染症は呼吸器における感染症のことです。主に発熱や鼻水などの症状が表れ、数日~1週間で症状は治まっていくことが多いといわれています。しかし、初回感染時や生後6ヶ月未満の赤ちゃん、基礎疾患のある子どもなどは重症化する可能性も指摘されています。家庭内で手洗いや消毒など予防することもできますが、感染が疑われる場合は早めに医療機関を受診し、治療を行うようにしましょう。
2023年12月25日