現在3歳(年少)の次男は、ずりばいもハイハイもしない、お尻歩きしかしないシャフリングベビーのような感じがありました。生後6カ月ごろからお尻歩きを始め、はじめは気にしていませんでしたが、ハイハイってしなくていいものなのかな?と、私はだんだん不安になっていったのです……。 ひとり座りの次はハイハイじゃないの?ひとり座りの次はハイハイをするものだと思っていたら、お尻歩きを始めた生後6カ月の次男。変わった移動方法だね、と気にもとめず感心していました。 そのときは、そのうちずりばいやハイハイをし始めるものだと思い込んでいました。 お尻歩きがかわいい!私はこのとき、次男がハイハイをせずに歩き始めると知りませんでした。なんて独創的な移動方法なんだろう! 器用な子だな~!と、私は親バカを発揮。生後9カ月ごろには年子の長男を追いかけて、かなりのスピードでお尻歩きをしました。バインバインとお尻から跳ねる様子はとっても愛おしい! また、ハイハイ時期の赤ちゃんはズボンの膝部分が破れがちですが、次男はズボンのお尻に穴が開いていて、おもしろく感じていました。 母からの指摘で不安に…生後10カ月ごろ、私の母から「お尻歩きをする子は発達に気を付けて」と言われ、急に違和感を覚えました。確かになんでハイハイしないのだろうと感じ、とても不安になりました。 私はその日の夜から検索魔と化しました。すると、ハイハイをせずおすわりのままお尻歩きをする子のことを、「シャフリングベビー」と呼ぶことを知ったのです。 (※)シャフリングベビー:ハイハイを始める時期を過ぎても、おすわりの姿勢のまま、おしりを浮かせて、両足でこぐように前進する赤ちゃんのことを言います。シャフリングベビーの場合、ひとりでじょうずに歩けるようになれば、その後の運動発達は問題ないことが多いとされています。しかし、一見シャフリングベビーのように思えても、ゆっくりと運動発達をする赤ちゃんに、筋疾患、脳性麻痺などの中枢神経疾患、運動失調、骨・関節疾患が見つかるケースもあります。お子さんがシャフリングベビーではないかと感じた際には、保育士や医師に相談しましょう。かかりつけ医に聞いてみたいくらシャフリングベビーを検索しても、ネガティブなワードばかりが目に入ります。予防接種ついでにかかりつけの小児科医に聞いてみました。先生からは「もう少し様子を見てみましょう」と言われ、なんだか言葉をにごされたようで、かなりモヤモヤ。 私は小児発達や医療などの専門家ではないので、この「様子を見てみましょう」の加減がわかりません。モヤモヤとした不安の中、結局1歳2カ月でつかまり立ちとひとり歩きをするまで、ハイハイはしませんでした。 次男は現在3歳になりました! 特に運動や知能の発達に問題はないように思います。一時期検索魔になり、夜も眠れないくらい、不安で追い込まれていました。その時間分、かわいい時期を見逃していたかもしれません。心配して検索することも大事だと思いますが、ネガティブになりすぎずありのままの次男を大切にするべきだと感じました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラストレーター/ライコミ監修/助産師 松田玲子著者:相田ゆり年子男子兄弟(年少、年中)を育児中。基本的にはワンオペ育児。体力がなく、年子兄弟についていけないのが最近の悩み。元気な男子2人に振り回されつつ執筆中。
2022年12月31日「赤ちゃんはいつからハイハイするの?」「練習はしたほうがいいの?」など、多くのママが気になる赤ちゃんのハイハイについて、小児科医の松井潔先生に教えていただきました。マンガでわかりやすく解説します!赤ちゃんの成長は著しく、寝返りができるようになり、おすわりもできるようになってきたなぁと思っていたら、今度は腹ばいになって後ずさりしようとし始めたりします。このような動きをし始めたら、ハイハイの始まりといって良いでしょう。 さて、赤ちゃんはいつからどんなふうにハイハイをし始めるのでしょう? また、赤ちゃんは全員、ハイハイするものなのでしょうか? 今回は、赤ちゃんのハイハイについてまとめてみたいと思います。 赤ちゃんがハイハイをするのはいつから?赤ちゃんがハイハイをし始める平均的な時期は、生後7~8カ月ごろだと言われています。寝返りができるようになったあとにハイハイができるようになります。 いきなり膝をついてハイハイをするというよりは、腹ばいになってバタバタもがいていたり、くるくると回転してみたり、または後ずさりしようとしたり、ずりずり進もうとしたりという動作が見られるようになってきます。そのような動きをし始めたら、そろそろハイハイが始まるのかな、と思って良いのではないでしょうか。 さまざまな種類の“ハイハイ”皆さんがよく知っているハイハイといえば、両手で上半身を支えて膝立ちして進むスタイルですよね。実は、ハイハイのスタイルはこの“膝ばい”だけではないのです。膝ばいと呼ばれる通常のスタイルのハイハイ以外にも、さまざまなスタイルのハイハイがありますのでご紹介します。 ●ずりばいたいていの赤ちゃんのハイハイは、“ずりばい”から始まることが多いのではないかと思います。ずりばいというのは、ほふく前進のような格好でずりずりと這って進むスタイルのハイハイです。 赤ちゃんがじょうずに寝返りができるようになったころには、首を持ち上げる力も強くなって、今度はその体勢で動きたいと思うようになります。そして、腹ばいのまま手足をじょうずに使って前や後ろに進むことができるようになります。 ずりばいは意外に早く、生後5~6カ月ごろに始める子もいます。ずりばいをしているうちに、両手で上半身を支えるようになり、膝立ちをするようになり、通常のハイハイのスタイルに移行するというパターンの子が多いようです。でも、なかにはずりばいはしないという子もいますし、逆にずりばいしかしないという子もいます。 ●たかばい“たかばい”というのは、上半身を両手で支え、おしりを高く上げて、膝立ちはせずに足の裏で体を支えながら進むという、“くまあるき“のスタイルです。 膝はつかずに手のひらと足の裏を使って移動するというわけですね。これは、立って歩く手前の動作だとも言われていますが、通常の膝立ちスタイルのハイハイをする前にたかばいをする赤ちゃんもいます。 ●おしりでハイハイだんだんおすわりもじょうずになってきて、座ったままおしりでずりずりと移動する赤ちゃんも出て来ます。それもまたハイハイの一種と考えられます。 この時期の赤ちゃんは、とにかく自分で移動できることを楽しんでいるのです。ですから、その移動手段は赤ちゃんによってさまざまなスタイルがあって良いのです。 ハイハイしない赤ちゃんもいるの?では、ハイハイをしない赤ちゃんもいたりするのでしょうか? 実は、ハイハイというのは、すべての赤ちゃんが通る道ではありません。ハイハイの段階を完全に飛ばして、いきなり立ってしまう赤ちゃんもいるのです。また、ハイハイをしないで座って移動する赤ちゃんもいます。このような赤ちゃんを「シャフラー」と言い、あんよし始めるのが遅くなることが多いです。 このあたりの動作については、必ずしも全員が同じ順番でできるようになるわけではないということも知っておくと良いでしょう。●ハイハイの練習は必要?ところで、ハイハイしない赤ちゃんも、練習すればできるようになるのでしょうか?特別にハイハイの練習をするというよりは、お部屋の環境を整えて、遊びのなかで自然とハイハイの練習ができるという状況を作っておくと、赤ちゃんがハイハイをするきっかけになるかもしれません。 まず、部屋の中に赤ちゃんがハイハイしたくなるような広々としたスペースを確保しておきましょう。腹ばいになった赤ちゃんが届きそうで届かないあたりにおもちゃを置いて呼びかけると、それを取りたくて前に進もうとします。このようなお母さんとの遊びを、赤ちゃんは楽しんでやります。無理にやらせる必要はないので、遊びのなかで練習できるといいですね。 ハイハイを始めた赤ちゃんの事故を防ごう!ハイハイを始めた赤ちゃんは、自分で移動できるのが楽しくて仕方がないのか、とてもアクティブになります。そのため、ますます目が離せなくなります。 まだずりばいだからそれほど動けないだろうと油断していると、赤ちゃんは想像以上に移動していて、部屋の隅のほうで何かおもしろいものを見つけていたずらをしていたりします。それがアイロンだったら、ポットだったら……と思うと恐ろしいです。 ハイハイを始めた赤ちゃんは、どこへでも移動していけるものだと思っておきましょう。そして、赤ちゃんの移動範囲には危険なものをはじめから置かないように気をつけておきましょう。何でも拾って口に入れてしまいますので、常にお部屋の環境はきれいに整えておきたいものです。 まとめこの時期の赤ちゃんの発達は、赤ちゃんによってずいぶん違いがあります。平均的には生後7~8カ月ごろにハイハイをすると言われていますが、そもそもハイハイをしないで立ってしまう子もいます。自分で移動することを楽しんでいる赤ちゃんが安全に楽しめるよう、お部屋の環境を整えて事故だけはしっかりと防ぎましょう。 作画/はたこ監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。
2022年11月29日シャフリングベビーとは?Upload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンシャフリングベビーとは、四つ這いのハイハイの代わりにお座りの姿勢で移動をする赤ちゃんのことです。シャフリングベビーの語源は「足を引きずって歩く」という意味の英語“shuffle”に由来しています。座ったままの姿勢で移動するというこのユニークな動きは、「いざりばい*注」「尻ばい」と呼ばれることもあります。シャフリングをする赤ちゃんを「シャッフラー」と呼ぶこともあります。赤ちゃんは生後半年~10ヶ月ごろまでにずりばい、腰すわり、四つ這い、高這いの順で移動手段を獲得するのが一般的ですが、シャフリングベビーはオーソドックスなハイハイをせず、お座り姿勢での移動を経てつかまり立ち、一人歩きへと進むことが多いです。シャフリングベビーは医学的には一般的ではないが珍しくはなく、個性的ではあるが異常ではない、と考えられています。*「いざる」は現在では差別用語とされていますが、乳幼児の動作を表す言葉として慣習的に使われてきた背景を説明するため、本記事内では部分的に使用しました。シャフリングベビーの特徴は?シャフリングベビーには座った姿勢で移動をしたがる以外にも、以下のような特徴があるそうです。1. 首すわりから腰すわりまでの神経発達は定型的2. 寝返りを始める時期が遅い、もしくは寝返りをしない3. うつぶせの姿勢を嫌う4. 足を床につけるのを嫌がる(足の裏を触られるのを嫌がる)5. 脇を支えて持ちあげても脚は伸ばさず、お座り姿勢のまま6. 一般的なハイハイはしないシャフリングは腰がすわってからつたい歩きを習得するまでの期間に発生します。シャフリングをしている期間は1~5ヶ月強と赤ちゃんごとに幅があり、短期間のシャフリングのあとハイハイに移行する赤ちゃんと、数ヶ月間のシャフリング後につかまり立ち、つたい歩きに移行する赤ちゃんがいるそうです。参考:1歳6カ月児健診におけるshuffling babyの疫学的調査(P41より)シャフリングベビーになる原因、発達障害などとの関係は?シャフリングベビーになる原因は現在の医学では解明されていません。ほとんどのシャフリングベビーは、遅くとも2歳までに歩き始め、その後の発達は定型発達児と変わりなく成長していくのは前述の通りです。シャフリングベビーの中には、ごくまれに発達障害や神経系の疾患がシャフリングの原因となっているケースがあります。定型発達のバリエーションとしてシャフリングする赤ちゃんと、障害や疾患を由来としてシャフリングをしている赤ちゃんを見分けるには、まず以下の4点にあてはまるかを観察する必要があります。(1)ミルクの飲みが悪い(2)泣き方が弱い(3)首のすわりが悪く抱っこするとぐらぐらする(4)手指の発達が遅いこれら4つの特徴は「低緊張」と呼ばれる状態の赤ちゃんに見られるものですが、低緊張のためシャフリングをしていると推測される赤ちゃんでも、ただちに疾患や障害があるという診断はできません。なぜなら低緊張の状態は、時間の経過や日々の運動遊びでも改善できることがあり、一過性の場合もあるからです。■日々の運動遊びなどでできる対策・うつ伏せ抱っこ(仰向けになった親御さんのお腹の上に、赤ちゃんをうつ伏せに寝かせて抱っこします。顔をあわせて、うつぶせの状態にならしていきます)・うつ伏せ遊び(赤ちゃんをうつ伏せにして、目の前にお気に入りのおもちゃをみせたり、顔を見合わせてはなしかけます)・足の裏をタッチング(足の裏の過敏さを和らげる効果があります)・手押し車(赤ちゃんの腰や両足をさあさえて、赤ちゃんが腕を伸ばして、上半身を支えるようにうながします)低緊張と見られる状態でシャフリングをする赤ちゃんは、さらに以下の3点についても注意しながら見ていきます。・言葉の理解が遅い・手指の発達が遅い・表情の発達が乏しいこの中の1つ以上思い当たることがあれば、脳性麻痺(まひ)、自閉スペクトラム症などの発達障害や疾患に由来するシャフリングである可能性があります。この場合はまず冷静に専門家に相談し、診断や支援を求めることをおすすめします。受診のきっかけがつかめない場合は、予防接種や乳幼児健診の機会を利用して、まずは小児科医に相談してみてはいかがでしょうか?シャフリングベビーの不安を相談するには?乳幼児の発達は特に個人差が大きく、スピードも経過も十人十色とはいうものの、ユニークな赤ちゃんの育児に不安を感じるのは親心としては自然なことかもしれません。育児書の目安とは異なるシャフリングベビーとの暮らしに疑問や迷いが生じたときは、以下に紹介する相談窓口を利用してみてはいかがでしょうか?小児科地域子育て支援センター児童相談所(こども相談所)保健福祉センターもし住居の近くに上記のような機関があるか分からない、相談するタイミングがつかめないというときは、自治体主催の乳幼児健康診査(乳幼児健診)を利用しても、同様の相談ができます。まとめシャフリングベビーとは、お座り姿勢のまま移動する個性的な赤ちゃんの呼び方です。シャフリングベビーは歩き始めるのは遅めでも、その後の発達に問題はないという統計データがあるので、その赤ちゃんなりの運動発達の道筋として温かく見守ってあげてください。もしユニークな移動方法に不安を覚えた場合でも、シャフリングを卒業するためにできる工夫はいろいろあります。赤ちゃんの体の状態や生活環境を理解し、遊びの中でハイハイやつかまり立ちを促すことも工夫の一つですし、小児科医や地域子育てセンターに相談し、支援してもらうのも、保護者だからこそできることではないでしょうか?赤ちゃんはその子らしいペース、方法で必ず成長していくものです。保護者の前向きな言葉かけや笑顔も赤ちゃんのハイハイやつかまり立ちの意欲をひき出します。動作のバリエーションを数多く体験をさせてあげることがシャフリングの卒業につながります。
2022年08月31日赤ちゃんがハイハイを始める時期を過ぎてもしないことを心配しているママやパパのために、今回は「シャフリングベビー」についてお話しします。赤ちゃんの成長・発達赤ちゃんの成長は、首がすわる(生後3~5カ月ごろ)→寝返りをする(生後5~6カ月ごろ)→おすわりが安定する(生後8カ月ごろ)→ハイハイをする(生後7~9カ月ごろ)→つかまり立ちをする(生後8~11カ月ごろ)→つたい歩きをする(1歳ごろ)→ひとりでじょうずに歩く(1歳~1歳6カ月ごろ)という順に発達することが一般的です。 早産で生まれた赤ちゃんは、明らかな障害や疾患がなくても運動や言葉の発達が遅く、あとから追いつくパターンもあるので、出産予定日を出生日として計算した修正月齢と照らし合わせて発達を評価します。 シャフリングベビーとは?シャフリングベビーとは、ハイハイを始める時期を過ぎてもおすわりの姿勢のまま、おしりを浮かせて、両足でこぐように前進する赤ちゃんのことを言います。シャッフラー(shuffler)と呼ぶこともあります。日本では、医療者が親へわかりやすく説明するため、医学的な専門用語ではありませんが「いざり児」「いざりっ子」という言葉を使うことも多いです。ここからは、「シャフリングベビー」に表現を統一してお話しします。 シャフリングベビーは、非常に軽度の下肢の筋緊張低下があり、おすわりや歩行開始が遅いことがあります。寝返りやうつぶせの姿勢を嫌い、うつぶせにしてもすぐにあお向けやおすわりの姿勢になります。足の裏を床につけるのを嫌がるため、ハイハイをしないまま、つかまり立ちの時期が遅くなり、結果的に歩き始める時期が1歳半~2歳ごろに遅れることが多いです。シャフリングベビーの場合、ひとりでじょうずに歩けるようになれば、その後の運動発達は問題ないことが多いです。 しかし、一見シャフリングベビーと思える赤ちゃんのなかにも神経の病気が隠れていることもありますので、足をつっぱらないだけでなく、(1)母乳やミルクの飲みが悪く、泣き方も弱い、(2)首のすわりが悪く抱っこするとぐらぐらする、(3)表情の発達が乏しく、言葉の理解も遅い、(4)手指の発達が遅い、などが見られる場合は、念のため小児科医に相談されると良いでしょう。 シャフリングベビーの原因は?なぜハイハイをせず、おすわりの姿勢のまま前進するのか原因はわかっていません。ハイハイが歩くために必要と思いがちですが、イギリスの小児科医ロブソンをはじめとする国内外の調査によると、ハイハイをしないシャフリングベビーは歩行開始が遅くなること、大きくなるまで見守ると運動能力などに問題のない子どもに育っていくこと、親や兄弟姉妹が似たような運動発達をしている傾向にあること、多くの赤ちゃんとは異なる運動発達の経過があっても異常ではないことがわかっています。 ゆっくり運動発達する赤ちゃんの診断と治療は?10カ月健診の時点でハイハイするか、1歳6カ月健診の時点でじょうずに歩行できるかを医師がチェックします。それぞれの健診で運動発達に遅れがある場合は、専門機関へ紹介されます。専門機関へ紹介されると、ママやパパは不安と心配で落ち込むことがあるかもしれませんが、ハイハイや歩行開始が遅くても、将来的に何も問題のないこともあります。 しかし、ゆっくりと運動発達をする赤ちゃんに、筋疾患、脳性麻痺などの中枢神経疾患、運動失調、骨・関節疾患が見つかるケースもあります。専門機関できちんと発達の評価をしてもらうことで、赤ちゃんの発達に合わせた治療や遊び方のアドバイス、リハビリなどのサポートを受けられますので、親だけで悩まず、赤ちゃんの発達に詳しい専門家に頼ってみたりしましょう。 まとめ月齢の近い赤ちゃんと一緒に過ごしたときや、保育園などで集団生活を始めたときに運動発達が遅いと親が気づくケースもあります。 もし、わが子を「シャフリングベビーかな?」と思ったら、保育園の通っている時期であれば保育士へ相談してみましょう。自宅保育の場合は、居住地の保健所や保健センターの保健師へ相談したり、子ども家庭支援センターや児童館の相談窓口を利用したりすることもできます。小児科を受診するのも一つです。子どもの発達について親だけで悩まず、早めに専門家に相談することをおすすめします。【参考】国立成育医療研究センター「乳幼児健康診査 身体診察マニュアル(平成30年3月)」『乳幼児健診マニュアル 第5版』(福岡地区小児科医会・乳幼児保健委員会 編/医学書院)楢崎修・楢崎明珠「1歳6カ月児健診におけるshufflingbabyの疫学的調査」(『脳と発達』1986年18巻 p484-489)CHILD RESEARCH NET「【子どものからだと健康】第1回 ハイハイしない子ども」一般社団法人大阪小児科医会「いざりっ子(シャフリングベビー)」 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。著者:助産師 古谷真紀一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー。大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。
2022年07月05日1児の母親である、まこ(@mak0_1122)さんには、子育てをする上で気になることがありました。それは…生後9か月になる息子さんが、なかなかハイハイをしないこと。ハイハイとは、両手と両ヒザを床について四つんばいで行う移動。一般的に、生後8か月頃からハイハイをするようになるといわれています。決して遅いというわけではありませんが、いつも我が子の成長を細かく見ている親としては、どうしても気になってしまうものです。しかし、我が子の様子を見て、まこさんは「まあ、これなら別に問題ないのかも…」と思ったのだとか。息子さんが移動をする姿を見たら、きっと誰もが同意するはずです!なかなかハイハイしないけどこのスピードで動けてたら必要ないと思ってそう pic.twitter.com/y5C0IObzuo — まこ ☺︎❁ 9m(8/4) (@mak0_1122) May 9, 2022 動画に映っているのは、ほふく前進で素早く移動する息子さん!ほふく前進は、腕や脇、背中など広範囲の筋力を要する動きです。身を隠して移動することができるため、軍人も活用しています。赤ちゃんの時点でこんなにもほふく前進ができる息子さんは、もしかすると将来は立派なマッチョになるのかもしれません…!生後9か月とは思えない、ある意味ハイハイよりも素晴らしい動きに、多くの人から反響が上がりました。・頭もブレてないし、訓練された軍人かよ!強すぎる。・吹いたわ!前世は歩兵だったのかな?・早すぎて、映像が倍速なのかと疑うレベル。多くの人に「将来有望だ…!」と思わせた、息子さんの行動。きっと誰もが、将来たくましい姿になった息子さんを想像したことでしょう…![文・構成/grape編集部]
2022年05月15日皆さんの周りに、ちょっと厄介なママ友さんはいませんか?そんなママ友とは距離を取って接したいですよね…。今回は実際に募集したママ友トラブルエピソードを2本ご紹介します!「運動神経マウント」息子がまだ赤ちゃんの頃、支援センターで同じくらいの月齢児が4〜5人いました。当時“ハイハイ”や“ずり這い”ができはじめる頃で、息子以外の赤ちゃんはみんな自由にハイハイやずり這いで動き回っていたのですが、動けない息子のそばでおもちゃで遊んでいると、あるママから「えっ、やだ〜息子くんまだ動けないの?将来は運動音痴になるかもねぇ〜」と言われました。さらに「うちは夫婦共にスポーツやってたからもうハイハイできてるの!」と…。意味のわからないマウントを取られました。(パート)「海外マウント」子どもが小さな頃にハワイに行ったのですが、お土産を部屋に飾っていると「ハワイって!笑本当に日本人っぽいよねぇ。日本人本当にハワイ大好き!英語しゃべらなくても済むもんね!他の国いけないの?」と大笑いされマウントを取られました。彼女は若い頃にカナダに1年間ワーキングホリデーに行っていた事が自慢らしいのですが、毎回海外マウントを取られるので面倒臭くなってきています。(会社員)こんな人とは、できるなら距離を取って接したいですよね…。狭いコミュニティだからこそ、付き合う人は選びたいと思えるママ友トラブル体験談でした。次回の「トラブル体験談エピソード」もお楽しみに♪※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。"
2022年03月28日「赤ちゃんはいつからハイハイするの?」「練習はしたほうがいいの?」など、多くのママが気になる赤ちゃんのハイハイについて、小児科医の松井潔先生に教えていただきました。マンガでわかりやすく解説します!赤ちゃんの成長は著しく、寝返りができるようになり、おすわりもできるようになってきたなぁと思っていたら、今度は腹ばいになって後ずさりしようとし始めたりします。このような動きをし始めたら、ハイハイの始まりといって良いでしょう。 さて、赤ちゃんはいつからどんなふうにハイハイをし始めるのでしょう? また、赤ちゃんは全員、ハイハイするものなのでしょうか? 今回は、赤ちゃんのハイハイについてまとめてみたいと思います。 赤ちゃんがハイハイをするのはいつから?赤ちゃんがハイハイをし始める平均的な時期は、生後7~8カ月ごろだと言われています。寝返りができるようになったあとにハイハイができるようになります。 いきなり膝をついてハイハイをするというよりは、腹ばいになってバタバタもがいていたり、くるくると回転してみたり、または後ずさりしようとしたり、ずりずり進もうとしたりという動作が見られるようになってきます。そのような動きをし始めたら、そろそろハイハイが始まるのかな、と思って良いのではないでしょうか。 さまざまな種類の“ハイハイ”皆さんがよく知っているハイハイといえば、両手で上半身を支えて膝立ちして進むスタイルですよね。実は、ハイハイのスタイルはこの“膝ばい”だけではないのです。膝ばいと呼ばれる通常のスタイルのハイハイ以外にも、さまざまなスタイルのハイハイがありますのでご紹介します。 ●ずりばいたいていの赤ちゃんのハイハイは、“ずりばい”から始まることが多いのではないかと思います。ずりばいというのは、ほふく前進のような格好でずりずりと這って進むスタイルのハイハイです。 赤ちゃんがじょうずに寝返りができるようになったころには、首を持ち上げる力も強くなって、今度はその体勢で動きたいと思うようになります。そして、腹ばいのまま手足をじょうずに使って前や後ろに進むことができるようになります。 ずりばいは意外に早く、生後5~6カ月ごろに始める子もいます。ずりばいをしているうちに、両手で上半身を支えるようになり、膝立ちをするようになり、通常のハイハイのスタイルに移行するというパターンの子が多いようです。でも、なかにはずりばいはしないという子もいますし、逆にずりばいしかしないという子もいます。 ●たかばい“たかばい”というのは、上半身を両手で支え、おしりを高く上げて、膝立ちはせずに足の裏で体を支えながら進むという、“くまあるき“のスタイルです。 膝はつかずに手のひらと足の裏を使って移動するというわけですね。これは、立って歩く手前の動作だとも言われていますが、通常の膝立ちスタイルのハイハイをする前にたかばいをする赤ちゃんもいます。 ●おしりでハイハイだんだんおすわりもじょうずになってきて、座ったままおしりでずりずりと移動する赤ちゃんも出て来ます。それもまたハイハイの一種と考えられます。 この時期の赤ちゃんは、とにかく自分で移動できることを楽しんでいるのです。ですから、その移動手段は赤ちゃんによってさまざまなスタイルがあって良いのです。 ハイハイしない赤ちゃんもいるの?では、ハイハイをしない赤ちゃんもいたりするのでしょうか? 実は、ハイハイというのは、すべての赤ちゃんが通る道ではありません。ハイハイの段階を完全に飛ばして、いきなり立ってしまう赤ちゃんもいるのです。また、ハイハイをしないで座って移動する赤ちゃんもいます。このような赤ちゃんを「シャフラー」と言い、あんよし始めるのが遅くなることが多いです。 このあたりの動作については、必ずしも全員が同じ順番でできるようになるわけではないということも知っておくと良いでしょう。●ハイハイの練習は必要?ところで、ハイハイしない赤ちゃんも、練習すればできるようになるのでしょうか?特別にハイハイの練習をするというよりは、お部屋の環境を整えて、遊びのなかで自然とハイハイの練習ができるという状況を作っておくと、赤ちゃんがハイハイをするきっかけになるかもしれません。 まず、部屋の中に赤ちゃんがハイハイしたくなるような広々としたスペースを確保しておきましょう。腹ばいになった赤ちゃんが届きそうで届かないあたりにおもちゃを置いて呼びかけると、それを取りたくて前に進もうとします。このようなお母さんとの遊びを、赤ちゃんは楽しんでやります。無理にやらせる必要はないので、遊びのなかで練習できるといいですね。 ハイハイを始めた赤ちゃんの事故を防ごう!ハイハイを始めた赤ちゃんは、自分で移動できるのが楽しくて仕方がないのか、とてもアクティブになります。そのため、ますます目が離せなくなります。 まだずりばいだからそれほど動けないだろうと油断していると、赤ちゃんは想像以上に移動していて、部屋の隅のほうで何かおもしろいものを見つけていたずらをしていたりします。それがアイロンだったら、ポットだったら……と思うと恐ろしいです。 ハイハイを始めた赤ちゃんは、どこへでも移動していけるものだと思っておきましょう。そして、赤ちゃんの移動範囲には危険なものをはじめから置かないように気をつけておきましょう。何でも拾って口に入れてしまいますので、常にお部屋の環境はきれいに整えておきたいものです。 まとめこの時期の赤ちゃんの発達は、赤ちゃんによってずいぶん違いがあります。平均的には生後7~8カ月ごろにハイハイをすると言われていますが、そもそもハイハイをしないで立ってしまう子もいます。自分で移動することを楽しんでいる赤ちゃんが安全に楽しめるよう、お部屋の環境を整えて事故だけはしっかりと防ぎましょう。 作画/はたこ 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。
2021年10月23日当時ハイハイをしていた長女。お兄ちゃんたちがバタバタと走り回るなか、床にはいつくばって移動してました。気になるのはホコリ。こまめに掃除をしてはいたのですが……。。長女ももは、掃除機が大好きでした。掃除を始めるとすぐに掃除機の後ろに回り込んで、排気を吸い込んでました。さすがに嫌なので、長女に追いつかれないよう、高速で掃除機をかけていました。掃除機をかけているのか、追いかけっこをしているのか、よくわからない状態でした。現在、長女にホコリアレルギーなどの症状は特に出ていないので、勝負は私が勝ったようです。
2021年10月14日現在3歳(年少)の次男は、ずりばいもハイハイもしない、お尻歩きしかしないシャフリングベビーのような感じがありました。生後6カ月ごろからお尻歩きを始め、はじめは気にしていませんでしたが、ハイハイってしなくていいものなのかな?と、私はだんだん不安になっていったのです……。 ひとり座りの次はハイハイじゃないの?ひとり座りの次はハイハイをするものだと思っていたら、お尻歩きを始めた生後6カ月の次男。変わった移動方法だね、と気にもとめず感心していました。 そのときは、そのうちずりばいやハイハイをし始めるものだと思い込んでいました。 お尻歩きがかわいい!私はこのとき、次男がハイハイをせずに歩き始めると知りませんでした。なんて独創的な移動方法なんだろう! 器用な子だな~!と、私は親バカを発揮。生後9カ月ごろには年子の長男を追いかけて、かなりのスピードでお尻歩きをしました。バインバインとお尻から跳ねる様子はとっても愛おしい! また、ハイハイ時期の赤ちゃんはズボンの膝部分が破れがちですが、次男はズボンのお尻に穴が開いていて、おもしろく感じていました。 母からの指摘で不安に…生後10カ月ごろ、私の母から「お尻歩きをする子は発達に気を付けて」と言われ、急に違和感を覚えました。確かになんでハイハイしないのだろうと感じ、とても不安になりました。 私はその日の夜から検索魔と化しました。すると、ハイハイをせずおすわりのままお尻歩きをする子のことを、「シャフリングベビー」と呼ぶことを知ったのです。 (※)シャフリングベビー:ハイハイを始める時期を過ぎても、おすわりの姿勢のまま、おしりを浮かせて、両足でこぐように前進する赤ちゃんのことを言います。シャフリングベビーの場合、ひとりでじょうずに歩けるようになれば、その後の運動発達は問題ないことが多いとされています。しかし、一見シャフリングベビーのように思えても、ゆっくりと運動発達をする赤ちゃんに、筋疾患、脳性麻痺などの中枢神経疾患、運動失調、骨・関節疾患が見つかるケースもあります。お子さんがシャフリングベビーではないかと感じた際には、保育士や医師に相談しましょう。かかりつけ医に聞いてみたいくらシャフリングベビーを検索しても、ネガティブなワードばかりが目に入ります。予防接種ついでにかかりつけの小児科医に聞いてみました。先生からは「もう少し様子を見てみましょう」と言われ、なんだか言葉をにごされたようで、かなりモヤモヤ。 私は小児発達や医療などの専門家ではないので、この「様子を見てみましょう」の加減がわかりません。モヤモヤとした不安の中、結局1歳2カ月でつかまり立ちとひとり歩きをするまで、ハイハイはしませんでした。 次男は現在3歳になりました! 特に運動や知能の発達に問題はないように思います。一時期検索魔になり、夜も眠れないくらい、不安で追い込まれていました。その時間分、かわいい時期を見逃していたかもしれません。心配して検索することも大事だと思いますが、ネガティブになりすぎずありのままの次男を大切にするべきだと感じました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラストレーター/ライコミ監修/助産師 松田玲子著者:相田ゆり年子男子兄弟(年少、年中)を育児中。基本的にはワンオペ育児。体力がなく、年子兄弟についていけないのが最近の悩み。元気な男子2人に振り回されつつ執筆中。
2021年09月27日登場人物おかめ:息子の成長記録にと日々育児マンガを描いている。夫:普通のサラリーマン。最近の悩みは『ちょっぴり出てきたお腹』おまめ:2015年夏に生まれた我が家の長男。電車と恐竜に夢中。最近の乗りたい電車は『京とれいん』こまめ:2021年冬に生まれた我が家の長女。とてもよく寝る。足が強い。娘の名前を呼ぶと…編集後記生後半年を過ぎた娘のこまめちゃんは、なんと早くもハイハイを始めたようですね。ハイハイをするこまめちゃんを呼ぶと、こちらへ向かってくる…その光景が楽しくて、ちょっとしたブームになっていたそう。しかし、その微笑ましい光景もつかの間…おかめさんは息子のおまめくんと「おいでおいで」の争奪戦になってしまいます。妹が可愛くて仕方のないお兄ちゃんとの争奪戦。最後はおまめくんの猛烈なアタックにより、おかめさんはあえなく負けてしまいました…。赤ちゃんが言葉の呼びかけに応え、身体を一生懸命使ってひたむきに頑張る姿は、何ものにも代えがたい愛おしいものでしょう。これからも、こまめちゃんのふとした成長のたびに、おまめくんとおかめさんの争奪戦は続きそうですね…!(ままのて編集部)※ハイハイの開始時期や有無には個人差があります。※一般的にハイハイは、おおむね生後7~8ヶ月頃から見られるようになります。ハイハイの開始が遅くても焦らず成長を見守りましょう。赤ちゃんのハイハイの記事はこちらおかめさんの妊娠糖尿病に関する体験談はこちら妊娠・育児に関するお役立ち情報発信中!ままのてのTwitter・Instagramをフォローすると、最新マンガの更新情報をご確認いただけます。ぜひチェックしてみてください!過去のエピソード著者情報
2021年08月16日赤ちゃんがハイハイを始める時期を過ぎてもしないことを心配しているママやパパのために、今回は「シャフリングベビー」についてお話しします。赤ちゃんの成長・発達赤ちゃんの成長は、首がすわる(生後3~5カ月ごろ)→寝返りをする(生後5~6カ月ごろ)→おすわりが安定する(生後8カ月ごろ)→ハイハイをする(生後7~9カ月ごろ)→つかまり立ちをする(生後8~11カ月ごろ)→つたい歩きをする(1歳ごろ)→ひとりでじょうずに歩く(1歳~1歳6カ月ごろ)という順に発達することが一般的です。 早産で生まれた赤ちゃんは、明らかな障害や疾患がなくても運動や言葉の発達が遅く、あとから追いつくパターンもあるので、出産予定日を出生日として計算した修正月齢と照らし合わせて発達を評価します。 シャフリングベビーとは?シャフリングベビーとは、ハイハイを始める時期を過ぎてもおすわりの姿勢のまま、おしりを浮かせて、両足でこぐように前進する赤ちゃんのことを言います。シャッフラー(shuffler)と呼ぶこともあります。日本では、医療者が親へわかりやすく説明するため、医学的な専門用語ではありませんが「いざり児」「いざりっ子」という言葉を使うことも多いです。ここからは、「シャフリングベビー」に表現を統一してお話しします。 シャフリングベビーは、非常に軽度の下肢の筋緊張低下があり、おすわりや歩行開始が遅いことがあります。寝返りやうつぶせの姿勢を嫌い、うつぶせにしてもすぐにあお向けやおすわりの姿勢になります。足の裏を床につけるのを嫌がるため、ハイハイをしないまま、つかまり立ちの時期が遅くなり、結果的に歩き始める時期が1歳半~2歳ごろに遅れることが多いです。シャフリングベビーの場合、ひとりでじょうずに歩けるようになれば、その後の運動発達は問題ないことが多いです。 しかし、一見シャフリングベビーと思える赤ちゃんのなかにも神経の病気が隠れていることもありますので、足をつっぱらないだけでなく、(1)母乳やミルクの飲みが悪く、泣き方も弱い、(2)首のすわりが悪く抱っこするとぐらぐらする、(3)表情の発達が乏しく、言葉の理解も遅い、(4)手指の発達が遅い、などが見られる場合は、念のため小児科医に相談されると良いでしょう。 シャフリングベビーの原因は?なぜハイハイをせず、おすわりの姿勢のまま前進するのか原因はわかっていません。ハイハイが歩くために必要と思いがちですが、イギリスの小児科医ロブソンをはじめとする国内外の調査によると、ハイハイをしないシャフリングベビーは歩行開始が遅くなること、大きくなるまで見守ると運動能力などに問題のない子どもに育っていくこと、親や兄弟姉妹が似たような運動発達をしている傾向にあること、多くの赤ちゃんとは異なる運動発達の経過があっても異常ではないことがわかっています。 ゆっくり運動発達する赤ちゃんの診断と治療は?10カ月健診の時点でハイハイするか、1歳6カ月健診の時点でじょうずに歩行できるかを医師がチェックします。それぞれの健診で運動発達に遅れがある場合は、専門機関へ紹介されます。専門機関へ紹介されると、ママやパパは不安と心配で落ち込むことがあるかもしれませんが、ハイハイや歩行開始が遅くても、将来的に何も問題のないこともあります。 しかし、ゆっくりと運動発達をする赤ちゃんに、筋疾患、脳性麻痺などの中枢神経疾患、運動失調、骨・関節疾患が見つかるケースもあります。専門機関できちんと発達の評価をしてもらうことで、赤ちゃんの発達に合わせた治療や遊び方のアドバイス、リハビリなどのサポートを受けられますので、親だけで悩まず、赤ちゃんの発達に詳しい専門家に頼ってみたりしましょう。 まとめ月齢の近い赤ちゃんと一緒に過ごしたときや、保育園などで集団生活を始めたときに運動発達が遅いと親が気づくケースもあります。 もし、わが子を「シャフリングベビーかな?」と思ったら、保育園の通っている時期であれば保育士へ相談してみましょう。自宅保育の場合は、居住地の保健所や保健センターの保健師へ相談したり、子ども家庭支援センターや児童館の相談窓口を利用したりすることもできます。小児科を受診するのも一つです。子どもの発達について親だけで悩まず、早めに専門家に相談することをおすすめします。【参考】国立成育医療研究センター「乳幼児健康診査 身体診察マニュアル(平成30年3月)」『乳幼児健診マニュアル 第5版』(福岡地区小児科医会・乳幼児保健委員会 編/医学書院)楢崎修・楢崎明珠「1歳6カ月児健診におけるshufflingbabyの疫学的調査」(『脳と発達』1986年18巻 p484-489)CHILD RESEARCH NET「【子どものからだと健康】第1回 ハイハイしない子ども」一般社団法人大阪小児科医会「いざりっ子(シャフリングベビー)」 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。著者:助産師 古谷真紀一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー。大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。
2021年07月21日登場人物■ほにゅ:2018年2月生まれ。泣くのが得意な男の子。薄毛。飽き性。笑顔で母をノックアウトできる。■ねむ:2020年7月生まれ。よく寝る女の子。■つぶみ:ほにゅ&ねむの母。すぐムリって言う。一応一生懸命取り組む。■ぺー:ほにゅ&ねむの父。効率的に動きまくる。優しい。声がでかい。赤ちゃんの成長はとっても嬉しい…でも?編集後記赤ちゃんはいつのまにか寝返りやハイハイができるようになり、そんな成長を見ていて大人が元気をもらうということもありますよね。赤ちゃんの成長はとても嬉しいものです。つぶみさんの長女・ねむちゃんはハイハイが上手な時期。いろいろな場所に興味を持ち、楽しいときや嬉しいときは首をフリフリしながらハイハイをしているようですね。長男・ほにゅくんも同じようにハイハイをしていたは、とてもかわいらしいエピソードです。そんなねむちゃんが最近少し歩くようになったのだとか。赤ちゃんの成長は嬉しいけれど、つぶみさんの少し寂しい気持ちに共感する方もいるのではないでしょうか。また、赤ちゃんの次のステップでのかわいらしさを発見していきたいですね。ままのて編集部つぶみさん100話記念号コロナ禍での妊娠・出産・育児のマンガはこちらつぶみさんの二人目育児のマンガはこちらつぶみさんの二人目妊娠のマンガはこちらままのて公式SNSアカウントままのてのTwitter・Instagramをフォローすると、最新マンガの更新情報をご確認いただけます。ぜひフォローしてください!つぶみさんが描く漫画が動画になりました!ままのてで大人気の育児漫画が動画でも楽しめるようになりました。今後もつぶみさんの漫画動画を随時更新していく予定です。その他の育児漫画や育児に関するお役立ち情報、生活の知恵がたくさん配信されていますよ。どの動画にも字幕が付いているので、赤ちゃんや子どもが寝ているときでも音声なしで楽しんでいただけます。ぜひチャンネル登録してみてくださいね。過去のエピソード著者情報
2021年06月30日長女のハイハイが上手になってきた頃のこと。次男がトイレのためにその場にパンツを脱ぐと、高速でハイハイしてパンツを奪うように……。脱ぎたてのパンツをかぶりたがる長女。いろんなかぶり方をして「顔を見せたまま一番深くかぶる」かぶり方を考案しました。※マンガ最後のコマのかぶり方です。この頃は長女がかぶった後のパンツ、新しいパンツをかぶってそのまま放置したパンツなど、色んなパンツがリビングに落ちてました。どれを洗っていいかわからず結局全部洗うことになるので、当時はパンツばっかり洗ってましたよ。
2021年06月10日■娘が素直におもちゃをくれた理由は…?おもちゃの部品を持ってた長女。「あぶないから、ちょうだい」と言ったら、びっくりするくらい素直にくれたんですよね。「えらいなぁ」と思っていたんですが、大きな間違いでした。すぐにハイハイしながら次男りくのもとへ。そのおもちゃで遊んでたりくのまわりには、部品がいっぱい。このとき、まだまだお話はできなかった長女ですが、「こっちにいっぱいあるからいいもんね」という心の声が聞こえたような気がしました。もちろん、その場からすぐに退場させましたよー。口にくわえたり、持ったまま転んだりしたら、あぶないですもんね。
2020年08月13日わが家の長女は赤ちゃんのころは比較的大きめで、生後6カ月で9kgほどありました。そのせいか寝返りもなかなかせず、やっと成功したのは生後8カ月ころ。しかし、うつぶせの状態になると嫌がって大泣きし、四つん這いにはならず、結局ハイハイもしないまま大きくなりました。そんな長女の成長をご紹介します。 体が重いせい…?生まれたときは3,200gだった長女。その後順調に体重が増えていき、生後6カ月ころには9kg近くになっていました。ちょっと増えすぎ……?と感じつつも、市の健診では問題なし。 ただ、寝返りもなかなかできず、うつ伏せになることをとても嫌がり、初めての子だったこともあって「大丈夫かな? 体が重いせいかな……?」とちょっと心配になっていました。 生後10カ月を過ぎてもハイハイしない10カ月健診の問診票で、「ハイハイをしますか?」という質問がありました。ということはこの時期になるとハイハイするものなのか……と、そのとき気付いたのです。 長女はハイハイどころかやっと寝返りができるようになり、相変わらずうつ伏せの体勢は嫌がって泣く始末。四つん這いの姿勢になることなんてまったくありませんでした。育児書やインターネットの情報には、「ハイハイはたくさんしたほうがいい」「ハイハイをたくさんしたほうが足腰が強くなる」といったことが書かれており、「うちの子は足腰が弱いまま成長するの……?」と不安に。 健診で先生に相談すると、「ハイハイしないまま大きくなる子もいるし、体は特に異常がないから大丈夫。おうちでたまにうつ伏せで遊んだりして、様子を見てくださいね」と言われました。 結局ハイハイしないまま1歳に長女はうつ伏せは嫌うものの、立っちは大好きな様子。ハイハイをしないまま生後10カ月ころからつかまり立ちをし、ちょうど1歳になった月には歩けるようになっていました。その後の成長は目覚ましく、歩けるようになったと思ったら走り出し、もちろんハイハイもできるように。 その後、子どもが持つ可能性を引き出すことを目的とし、体操や勉強に熱心なヨコミネ式の保育園に入園した長女。何の問題もなく体操もできるようになり、かけっこもクラスで1番速い女の子に。 ハイハイしないことでその後の発達や成長を心配したこともありましたが、小学生になった今でも運動神経は良く、大きな怪我や病気もない健康体です。そしてあんなにぽっちゃりさんだった体はすっかりスリムになり、痩せすぎかな……と感じるほどに。赤ちゃんのころが懐かしいと感じます。 その後第2子は尻ばい、第3子は早くからずりばいとハイハイと、本当に三者三様の成長ぶりでした。でも、3人ともその後の発達や成長に問題はなく、元気に育っています。子どもの成長過程や順序は本当に個人差があるんだな~と、今となっては実感しています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/(c)chicchimama監修/助産師REIKO 著者:ライター 岩崎未来三児(女・女・男)の母。出版社・編集プロダクションの勤務を経たのち、第一子出産を機にフリーランスに。現在は会社役員という肩書きを持ちながらも、ライター・編集者としても活動中。
2020年07月22日一生懸命ハイハイしている赤ちゃんの姿って、かわいいですよね。歩けるようになるとなかなか見られなくなるハイハイ、ぜひ動画にとっておくと良さそうですね。 ハイハイって?いつごろするの?どうやって?うつぶせや寝返りに慣れたころに、ほふく前進のようにおなかを床につけて進む「ずりばい」を始める子も。腰から足までの筋力が発達してくる7〜8カ月ごろになると手と膝を床につけて移動する「ハイハイ」をするようになります。なかにはひざやおなかを床につけず、足と手で進む「高ばい」スタイルもあります。高ばいは、立って歩く手前の動作だとも言われていますが、通常の膝立ちスタイルのハイハイをする前に高ばいをする赤ちゃんもいます。ずりばいから始まりハイハイへ進む子が多いですが、個人差があり、突然高ばいから始める子も。 ハイハイのサポートの仕方&注意点は?ハイハイはあんよまでの通過点ですが、しないからといって心配はいりません。なかにはしないままあんよする子もいます。とはいえ、この時期は体を動かすことはとても良いこと。うつぶせ遊びをしていたら、大好きなおもちゃなどでハイハイに誘ってみるのも一案です。 ハイハイができるようになると、行動範囲が広がり、危険な物などに触ってしまったり誤飲などの事故も起こりやすくなります。赤ちゃんが触ったら危ない物などがないか、赤ちゃん目線になって今一度、チェックをしましょう。 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2020年07月18日わが家の息子は、生後6カ月ごろにハイハイを始めました。行動範囲が広がり、行ってほしくない場所にハイハイして行ってしまうことも。今回は、息子が自由に動けるスペースづくりのために購入したアイテムについて、実際の使用感も交えてご紹介します。 どうする? 赤ちゃんのスペースづくり赤ちゃんのスペースづくりのアイテムとしては、ベビーサークルが一般的かと思います。私もベビーサークルを使って息子のスペースづくりをしようと考えていました。どのベビーサークルを購入するか吟味していましたが、ちょうど息子がハイハイを始めたころに引っ越しをすることに。 引っ越し先のリビングは、以前に比べて広めだったため、「せっかくならリビングの半分を息子のスペースにしよう!」ということで、リビングを仕切れる柵を探していました。そんなときに見つけたのが、日本育児の「キッズパーテーション」(希望小売価格:20,160円/税込み)です。 まずは「キッズパーテーション」をレンタル!「いいアイテムを見つけた!」と思った私ですが、キッズパーテーションはちょっと値段がお高め。本当にこのアイテムで思っていたような空間がつくれるのか……と心配にもなりました。そのとき、このキッズパーテーションをレンタルしているサイトを発見! まずはレンタルでお試しすることにしました。 実際にキッズパーテーションを設置してみると、思っていた以上にリビングの仕切りとして適していることを実感! 固定されているわけではないので大人が押すと動いてしまいますが、赤ちゃんの力ではビクともしません。ただ、歩き始めるころには力も強くなり、動かせるようになりそうだと感じたため、購入せずにレンタルを続けることにしました。 やっぱり購入!「キッズパーテーション」 息子が歩き出すまでは、キッズパーテーションをリビングの仕切りとして使用していましたが、1歳ごろになると歩き始めたため、仕切りは取り払うことに。しかし、リビングから続いているキッチンには入ってきてほしくない……。わが家の場合、キッチンの構造上、固定するタイプのベビーゲートを取り付けることもできません。 そこで、キッズパーテーションをキッチンとの間に設置すると、ベビーゲートが取り付けられない場所でも仕切りをつくることができました。そのころに2人目の妊娠も判明し、まだまだこのキッズパーテーションが活躍しそうだということで、レンタル品は返却して新品を購入することにしました。 最初から購入すればよかったとも思いましたが、レンタルで試してから購入した今も後悔はしていません。レンタルで実際に試したからこそ、わが家に合うアイテムだとわかったからです。赤ちゃんのスペースづくりのアイテムを探している方は、ぜひ参考にしていただけるとうれしいです。 ※本記事の内容は公開時に確認した情報のため、商品によっては変更となっている場合があります。 先輩ママの体験談、いかがでしたか?「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。 著者:岩田かおる子育て中のママ。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。
2020年04月06日わが家の次女は、普通のハイハイをしませんでした。その代わり、手のひらとひざを使って、立てひざのような格好で前に進みます。手で体を引っ張るようにして進む、この不思議なスタイル。寝返りやおすわりは普通にしていたのに……と、私は心配でした。 しばらく見守っていたけれど上の子はおむつのCMなどで見るような「ごく普通のハイハイ」をしていたので、そのうち次女も普通のハイハイをするようになると、最初は深く考えずに見守っていました。 ところが、何週間か経ってもまったく変化はなく、むしろ手で体を引っ張る力が強くなったのか、不思議な進み方がだんだん上達してスピードアップ。このままでいいの? とだんだん不安になっていきました。 夫の実家に帰省したときに……不安な気持ちが強くなってきたころ、夫の実家に帰省する機会がありました。「義父母に何か言われるのでは? 心配をかけてしまうかも……」と少しドキドキしましたが、義母はひと目見て「あら、次女ちゃんは『座りばい』なのね」とひと言。 「こんな変なハイハイをするのはうちの子だけかも」と私は思っていましたが、どうやら「座りばい」という名前があるくらい、時々見られるタイプのようです。 その後の発達に影響する?「座りばい」という単語を知った私は、早速インターネットで調べたところ、今度は別の不安が襲ってきました。「座りばい」をする赤ちゃんは「シャフリングベビー」とも呼ばれ、その後の発達が遅れるだとか、自閉症や発達障害と関連があるという情報も出てきたのです。 健診の機会にかかりつけ医に相談してみたところ、ハイハイ以外に気になる点はなく、問題ないとのこと。結局、1歳を少し過ぎたころには普通に歩くようになりました。 今では「座りばい」をしていた次女も幼稚園生。その後の発育発達はごくごく普通で人並みに成長し、今では心配していたことを思い出すこともほとんどなくなりました。今となってみれば、「座りばい」をする姿が少し懐かしいような気もします。著者:奥田美紀二児の母。IT企業にてSE・プログラマーとしてシステム開発やWEBサイト運用等をおこなう。夫の転勤や子育てのために退職し、現在は妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年08月12日わが家の長女は、赤ちゃんのころは比較的大きめで、生後6カ月で9kgほどありました。そのせいか寝返りもなかなかせず、やっと成功したのは生後8カ月ころ。しかし、うつぶせの状態になると嫌がって大泣きし、四つん這いにはならず、結局ハイハイもしないまま大きくなりました。そんな彼女の成長をご紹介します。 体が重いせい……?生まれたときは3,200gだった長女。その後順調に体重が増えていき、生後6カ月ころには9kg近くになっていました。ちょっと増えすぎ……? と感じつつも、市の健診では問題なし。 ただ、寝返りもなかなかできず、うつ伏せになることをとても嫌がり、初めての子だったこともあって「大丈夫かな? 体が重いせいかな……?」とちょっと心配になっていました。 生後10カ月を過ぎてもハイハイしない10カ月健診の問診票で、「ハイハイをしますか?」という質問がありました。ということは、この時期になるとハイハイするものなのか……と、そのとき気付いたのです。 ハイハイどころかやっと寝返りができるようになり、相変わらずうつ伏せの体勢は嫌がって泣く始末。四つん這いの姿勢になることなんてまったくありませんでした。育児書やインターネットの情報には、「ハイハイはたくさんしたほうがいい」「ハイハイをたくさんしたほうが足腰が強くなる」といったことが書かれており、「うちの子は足腰が弱いまま成長するの……?」と不安に。 健診で先生に相談すると、「ハイハイしないまま大きくなる子もいるし、体は特に異常がないから大丈夫。おうちでたまにうつ伏せで遊んだりして、様子を見てくださいね」と言われました。 結局ハイハイしないまま1歳に長女はうつ伏せは嫌うものの、立っちは大好きな様子。ハイハイはしないまま生後10カ月ころからつかまり立ちをし、ちょうど1歳になった月には歩けるようになっていました。その後の成長は目覚ましく、歩けるようになったと思ったら走り出し、もちろんハイハイもできるように。 その後、子どもが持つ可能性を引き出すことを目的とし、体操や勉強に熱心なヨコミネ式の保育園に入園した長女。何の問題もなく体操もできるようになり、かけっこもクラスで1番速い女の子に。 ハイハイしないことでその後の発達や成長を心配したこともありましたが、小学生になった今でも運動神経は良く、大きなケガや病気もない健康体です。そしてあんなにぽっちゃりさんだった体はすっかりスリムになり、痩せすぎかな……と感じるほどに。赤ちゃんのころが懐かしいと感じます。 その後第2子は尻ばい、第3子は早くからずりばいとハイハイと、本当に三者三様の成長ぶりでした。でも、3人ともその後の発達や成長に問題はなく、元気に育っています。子どもの成長過程や順序は本当に個人差があるんだな~と、今となっては実感しています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:ライター 岩崎未来三児(女・女・男)の母。出版社・編集プロダクションの勤務を経たのち、第一子出産を機にフリーランスに。現在は会社役員という肩書きを持ちながらも、ライター・編集者としても活動中。
2019年07月14日当時、生後8カ月だったわが子と一緒に、アカチャンホンポで開催されている「ハイハイレース」に参加しました。この時期しか見られない愛らしい姿! とても貴重な時間を過ごせました。今回はイベント内容や参加賞の内容など、気になる内容をレポートしていきます。 アカチャンホンポの「ハイハイレース」「ハイハイレース」はアカチャンホンポのポイントカード会員限定イベントです。公式HPから、開催店舗やエリア、日時が検索できます。ハイハイができる未歩行の赤ちゃんが出場対象で、わが子はハイハイがじょうずになってきた生後8カ月ごろに参加しました。 イベント当日に店舗で受け付けをすませたあと、参加者で集合写真を撮影しました。ルールや注意事項を聞いたあと、いよいよレース開始です。 赤ちゃんの個性いろいろ!およそ3mのコースをハイハイします。「よーい、ドン!」の合図があるとママやパパ、おばあちゃんたちの応援がものすごい! 泣かずにハイハイする赤ちゃんもいれば、泣いてハイハイしなかったわが子のような赤ちゃんもいて、赤ちゃんの個性がみられました。 このとき参加賞は、おしりふきとウェットティッシュ、お菓子でしたが、店舗によって内容が異なるようです。1~3位に入賞した赤ちゃんは賞状とプレゼントをもらっていました。 ハイハイレースの予約必勝法!?「ハイハイレース」は、予約開始から数分で定員に達してしまう店舗もあるほど大人気のイベント。そのため、参加したい店舗や開催日時、予約受付時間の事前チェックは必須です。 そして少しでも早く予約フォームの入力をすませるため、スマホ機能の予測変換を活用するのも方法。たとえば「あど」と入力するとメールアドレスが予測変換されるなど、入力の手間を省くと申し込みボタンが早く押せます。 わが子の場合は泣いてしまい、ハイハイをしませんでした……。ただ、公式HPにも記載されているとおり、順位やタイムを重視するのではなく、子どもの成長を感じたり、親子のコミュニケーションを図ったりする良い機会になったと思います。著者:田中由惟一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。
2019年06月24日こんにちは! そんたんママです。今年はいきなりの猛暑で、梅雨が本当に来るのかな? と言う感じですが、お出かけには良いですね。ピクニックなどに行って芝生スペースを見ると、芝が大嫌いだった赤ちゃん時代の息子を思い出します。それは、ハイハイを防止するためのある作戦が原因でした…。■ハイハイで行くよ、どこまでも! 安全対策はどうする?7カ月頃。きーちゃんはハイハイ真っ盛り!それまでは寝転がったままだったのが、あちこち移動して探索開始。テレビ周りやパソコン周り、はたまた室内に置いていたベビーカーのタイヤなどをペタペタぺろぺろ…。片付ける暇もなく、きーちゃんを追いかけては引きはがし、追いかけては引きはがしを繰り返し、ストレスがたまりまくりました。頭を悩ませてママ友さんに相談すると、「ベビーサークルが安全でいいよ!」とアドバイスをもらいました。けれど、我が家は賃貸で、リビングルームの広さは6畳…。ベビーサークルなんて置いたら、大人の居場所がなくなってしまいます。そこで…■ベビーゲートで、ひと部屋まるまる「安全地帯」作戦そこで、ベビーサークルを置くのはあきらめめ、部屋の出入り口をふさいで、リビングルームを丸ごと安全地帯にすることに決めました。まずは定番、ベビーゲートを購入。高さが低くまたぐタイプのものや開閉式のものなどいろいろあり、我が家は開閉式にしました。閉まる時ちょっと音がうるさいけれど、それ以外は丈夫でまったく問題なし!これで一番危険な玄関と台所への道は絶たれました。しめしめ。■100均のワイヤーネットが大活躍!出入り口はふさいだものの、部屋の中には触られたくないものがいっぱい。 一番の問題は、ベビーカーのタイヤをペロペロしてしまうことでした。我が家は玄関が狭く、リビングのデッドスペースにベビーカーを置いていたため、そのタイヤをきーちゃんがペロペロしてしまい、私はかなりストレスを感じていました。そこで、ワイヤーネットを組み合わせたゲージで対処。ワイヤーネット同士は留め具を使わず、ひもで結んだだけ。安価で丈夫に固定できました。100円均一は有能はものが多く、ワイヤーネットのほかにも、机の角ガードや扉のロックなど、かなりお世話になりました。■最後は奥の手! 人工芝のチクチクトラップ!それでもまだ、安全対策は十分と言えませんでした。電子機器がひしめくテレビラックなど触られたくない箇所がいくつか残っていたのです。しかし、ワイヤーネットで囲うのは広範囲で難しく、見た目も悪い…。何か良い方法はないかと調べていたら、人工芝が赤ちゃん防護壁(防護床?)になると知り、さっそくホームセンターで買ってきました。テレビや植木を置いたラック周りにぐるりと敷きつめると、チクリとした感触が嫌なのか、これが効果てきめん!あんなに好きだった電子機器に、きーちゃんはまったく近寄らなくなりました。■大活躍の人工芝でしたが…楽しいはずのピクニックで大泣き!すばらしい威力を発揮した人工芝は、ほかにも仕事部屋の入り口などに配置されて大活躍しました。合算するとちょっと出費はかさみましたが、赤ちゃんの動きにストレスを感じないって最高! と、しばらく平和な時が流れました。ところがある日、家族でピクニックに行くと、きーちゃんにある異変が…。芝生が嫌いになっている…!!盲点でした。まぁそうなるよね…!それからしばらく家族でピクニックに行くたびに、大泣きするきーちゃんをなだめるはめになりました。■芝生嫌いはその後どうなったかというと…このまま芝生嫌いな子になったら困るな…と思っていましたが、そんな心配はどこへやら。4歳の今ではすっかり芝生好き男子になりました。人工芝の件がなくても、もともと赤ちゃんは芝が苦手だったのかも?ちなみに人工芝は1歳過ぎまで機能しましたが、知恵がつくにつれ痛くないようにサッと通ったりどかしたりして効力がなくなりました。短い使用期間でしたが、その間、部屋でストレスなく子どもとのびのび過ごせたので、私は買って良かったかなと思います。ただ、その後、家の押入れでは、まるで使い道のない数枚の人工芝が幅をきかせるのでした。
2019年06月03日寝返りがうてるようになった、お座りできるようになった…。子どもの成長は本当に早いですよね。どんどん動きが活発になる赤ちゃんを見ていると「がんばれ、がんばれ!」と心からエールを送りたくなります。でも、その成長の途中で「ちょっと心配」と思ってしまうこともあるかもしれません。例えば、ハイハイ。「ハイハイが遅くて心配…」「ハイハイをほとんどせずに立ち始めたけど、大丈夫かな?」といったお悩みを持つお母さんは多いようです。今回は、榊原先生にハイハイを含めた「子どもの手足」にまつわる不思議について教えていただきました。お話をうかがったのは…医師・お茶の水女子大学名誉教授榊原洋一先生お茶の水女子大学人間発達教育研究センター教授。東京大学医学部卒業。専門は小児科学、小児神経学、発達神経学など。小児科医として発達障害児の治療にかかわる。著書は『大人が知らない子どもの体の不思議』(講談社)など多数。■子どもの成長に「ハイハイ」は必要?――先生。今回は子どもの手足についていろいろ教えてください! 成長の過程としてハイハイから二足歩行へ…といわれていますが、「なかなかハイハイがはじまらない」と心配になってしまうお母さんも多いようです。榊原洋一先生(以下、榊原先生):ハイハイは必ずするもの、と思っているお母さんは多いかもしれませんね。でも赤ちゃんの中にはハイハイせずに歩き出す子もいるんですよ。――えっ…。いきなり歩きはじめる子がいるんですか?榊原先生:います。全体の3%くらいの赤ちゃんは、おしりでずり歩きして移動し、そのまま歩きはじめるようになる子がいます。――そうなんですか…! ハイハイは「歩くための準備期間」のようにとらえていたのですが、違うのでしょうか?榊原先生:「ハイハイができる」というのは腕と手足が交互に動かせる。首が座り、前方を向いていられる。奥行きを理解できる。これらができている、という証拠なんです。ハイハイは赤ちゃんの運動として、とても良いものだと思います。でも「歩きはじめるために必ず必要か」といわれると、そういうわけではないんです。――「ハイハイをしはじめる時期はこのくらい」というのがあって、その時期になかなかハイハイがはじまらないと「何か体に問題があるのでは?」と不安に思うお母さんも多いと思うのですが。榊原先生:ハイハイしないからといって運動発達に問題がある、という事実はありません。先ほどの、おしりでずり歩きしているうちに歩きはじめるお子さんがいるように、ハイハイしなくても正常に運動機能は発達していくんです。――つまりハイハイの時期が遅いとか、ハイハイしないことで悩みすぎることはない…?榊原先生:医者目線でいうと、脳の発達やほかの病気に関係していることも一部あるので「絶対に問題ない」とはいえないものの、ハイハイしなくても歩きはじめる場合があるのは本当ですよ。■赤ちゃんが手足をバタバタ…どうして?――先生。わが子が赤ちゃんのとき足をふんばったり、ゆるめたり、バタバタさせたりをずーっと繰り返していたことがあって「疲れないのかな~」と不思議でした。何か理由があるのでしょうか?榊原先生:赤ちゃんが手足をバタバタさせる理由ははっきりしていないのですが、私は「手足を動かしているときの感覚を確かめている」のだと思いますね。――感覚を確かめている…?榊原先生:そうです。例えば人間には視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚など五感と呼ばれるものがありますよね。その五感以外に「体性感覚」というものがあります。体性感覚とは何かを簡単にいうと、すみませんが目を閉じてみてもらえますか…? ――はい(目を閉じる)。榊原先生:左手をあげてみてください。――はい(左手をあげる)。榊原先生:今どうなっていますか…?――左手が上がっている感じがします(笑)。榊原先生:見えていなくても、手が上がっている感覚がありますよね。手がどのへんにあるかも感じています。体の一部が動いていることの感覚があるはずです。これが体性感覚なんですね。――自分の体の一部がどこにあるか、という感覚…。榊原先生:例えば、授乳するとき、赤ちゃんの口元に乳首を持っていくと吸うようなしぐさをしますよね。これは、「反射」と呼ばれる無意識の動きです。それとは逆に、自分の意志で動かそうとする「随意運動」というものもあります。赤ちゃんが手足をバタバタさせるのは、これらの動きとはまったく違うものなんです。――意図的に動かしているわけでもなければ、反射でもない?榊原先生:いわゆる「体の試運転」ともいえる動きなんです。大人が手を前に出すとき「手を前に出そう」と思う間もなく、とっさにできますよね。でも子どもは最初、どうやって手を前に出すのかも分かりません。運動するとき、人には必ず感覚があります。筋肉がどのくらいの強さで収縮しているのか、脳から情報を受け取っているんです。けれど子どもは、どうやったら、どう動くかという経験が少ない。だから、まずは経験するしかないんです。手足をバタバタ動かすのはその感覚を感じて、試しているからだと私は思います。――すごい! 一生懸命に自分の体の動かし方を試しているんですね!榊原先生:体の取扱説明書なんて、ありませんからね(笑)。「手足の試し運転をしている」と表現する人もいますね。■指しゃぶり、こぶししゃぶりをするのはなぜ?――先生、手足のバタバタと同じように不思議なのが指しゃぶりや、グーにした自分の手を口の中に入れようとする「こぶししゃぶり」といわれるものです。これはなぜするのでしょうか?榊原先生:ひとつに、赤ちゃんは口まわりがいちばん発達していることが関係しています。1歳くらいまでは目にしたものを自分で口に持っていき、確かめようとします。もうひとつは、人の体の中で「指先」や「舌」などが敏感な部分だからです。発達している口まわり、そして感覚のするどい舌で何かを確認しようとするわけですね。何も持っていない状態で、赤ちゃんが確認できるものといったら、何だと思いますか?――…自分の手、ですか?榊原先生:そうです。何も与えなければ、自分の手しかありませんよね。足もありますが、体勢的に口に含むのは難しいでしょう。手を口に入れるのは、手しか口に入れるものがないからなんです。――…なるほど。榊原先生:手を口に持っていくことで、口は手を感じますし、手は口を感じますよね。感覚のするどい手と口がお互いの感覚を楽しむことができる。赤ちゃんは口と手の感覚を楽しみながら、探索しているのだと思います。こぶしごと口に入れてしまうのは、まだ手と指を別々に動かすのが難しいからです。赤ちゃんは最初、手をにぎった状態で生まれますし、パーだと大きくて口に入りませんよね。たまたまグーにした状態のときに手が口の中に入り、それがこぶししゃぶりと呼ばれているのかもしれませんね。うちの孫は手を開いているときに口に入れて、指先が鼻の穴に入ってしまうこともありますよ。――そうなんですね(笑)。面白いお話をたくさんありがとうございました!今回は、子どもの手足にまつわる不思議について、お話をうかがいました。赤ちゃんは必ずハイハイするものと思っていましたが、いきなり歩き出す子も一定数おり、必ずしも通る道ではないことを知りました。また、赤ちゃんの不思議行動は、自分の体を知るための探索行動であることも興味深く感じました。そうと分かると、手足をバタバタしたり、こぶししゃぶりをしている我が子を見る目が変わりますよね。「あ、試しているな~」とママも楽しい気持ちになるでしょう。次回も子どもの体の不思議についてお話をうかがいます。お楽しみに!参考図書: 『大人が知らない子どもの体の不思議』 (講談社)榊原洋一著子どもと大人はどう違うのか。それは単に大きさだけの違いではありません。どうして夜泣きをするの? どうして寝相が悪いの? どうして落ち着きがないの? 子育て中に親が抱く「答えが見つかりにくい質問」にエビデンスの精神で解答することを試みました。子どもの心と体の不思議を理解する、手助けとなる一冊。
2019年04月12日こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。ハイハイは、7ヶ月の終わり頃から始まる歩行練習の初期段階のような行動ですね。(個人差があります。)ハイハイが出来るようになったら、行動範囲がぐっと広がります。ですから、より一層安全に気をつけなければいけません。●誤飲に注意この時期の赤ちゃんは、何にでも興味を示します。『見て触って口に入れて』が一連の動作として行われるようになります。そのため、「誤って飲み込んでしまった」なんてことが起こりやすく なります。母子手帳や赤ちゃんの専門誌などに飲み込める大きさを示したページが必ずあると思いますので、そのサイズより小さい物は拾っておくことが誤飲防止に繋がります。また、口に入れられては困る物も手の届かないところに置くようにしましょう。●転落に注意ハイハイ期は、あっという間に移動距離が広くなります。部屋の中だけでなく廊下に出ていたりして驚いたというヒヤリハットが起こってしまいがちです。行動範囲が広がった中に段差があるようなところがあれば転落の危険性が出てくる のはおわかりになるでしょう。赤ちゃんの場合は、たとえ一段踏み外しただけでもケガ をしてしまいます。ハイハイが始まったら、目を離さないようにするなどの対策が必要です。●ハイハイを始めたら親が気をつけるべきポイント我が子が、ハイハイが出来るようになった時に注意しなくてはいけないポイントは次の通りです。・目を離さない(家事をしている最中でもすぐに手を止め、側にいて見ておかなくてはなりません。)・こまめな掃除(誤飲を防ぐためです)・ケガ(骨折など)をさせないように段差には近づかせないしかし、「四六時中赤ちゃんに付き添うことができません!」というママもいるでしょう。そのような時は、サークル(十分にハイハイができる広さのもの)を準備してみる のはどうでしょう。その中でハイハイが思いっきり出来るように、細かい物はない状態で、舐めてもいいおもちゃ類をおいておけばいいのです。ママがトイレに行く間や食事の支度をしている間などちょっとの時間を確保することができます。サークルは、目の届くところに用意することが必須です。私の場合は、少し広めなものを用意して、当時3歳の息子と、ハイハイ期の娘を入れて、遊ばせたりしていました。----------ハイハイ期に入った赤ちゃんは、何でも触りますし、何でも口に入れたがります。興味を持つことは発達する上でとても大切なことです。この時期の勉強とでも言いましょうか。だから、むやみに止めたりしない方がいいのです。危ない物にさわろうとしたときは別ですが、赤ちゃんが遊べる空間を準備して親が見守れる用意をしておくことが大切です。【参考書籍】赤ちゃんそのしあわせのために発行:財団法人母子衛生研究会●ライター/桜井涼●モデル/いちご姫
2017年12月06日ミルクや母乳を飲んで寝てるだけだった赤ちゃん。あんよをバタバタしたり、寝返りしたり、ハイハイをし始めたたら、どんなことをしてあげたらいいの? どんなことに気を付けたらいいの? ママとして知っておきたいポイントを、44万フォロワーを持つ人気の保育士「てぃ先生」に聞いてみました!■てぃ先生 Twitterのフォロワー44万 を超える現役保育士。 保育園の園児たちの日常の言動をTwitterで発信し始めたところ、子どもらしい素直な言葉が「ときには大人も考えさせられてしまう」「勉強になる」と話題を呼ぶ。このツイートを原作としたマンガ『てぃ先生』のほか、書籍『ほぉ…ここがちきゅうのほいくえんか。』『ハンバーガグー!』を出版。アニメ化もされている。◆この時期の赤ちゃんの特徴は?この時期の赤ちゃんは全体的に体の機能がぐんと上がってきて、指先や足先を自由に動かせるようになり、物も両手でしか持てなかったのが、片手だけでつかめるように。「自分の右手から左手へ渡す」といった動作は、当たり前に見えて実はすごい進歩なんですよ。首が座って、「たて抱き」も大丈夫になったり、足腰がしっかりしてきて、何秒間かお座りができるようになる子もいます。自分で寝返りができるようになる子も、増えてくる時期です。寝返りは血液循環や、体温調整のためにも大切な動作です。なかなか寝返りをしない場合、大人の手で体を動かしてあげるのもいいですが、興味を持つおもちゃを少し遠いところに置いて、赤ちゃんが手を伸ばして体をねじったら、自然に寝返りができた!……といった工夫をしてあげるのもおすすめです。筋肉が発達し、運動量も爆発的に増えてくる時期なので、何でもかんでもやってあげるよりは、自分の体でできるよう誘導してあげるといいですね。◆この時期の赤ちゃんにしてあげると良いことは?このくらいまで成長した赤ちゃんだからこそ楽しめる遊びと言えば、大人の膝の上に乗せて動かすような「触れ合い遊び」。歌をうたいながら、もしくはリズムに合わせながら軽く揺らしてください。赤ちゃんの表情や反応を見るために向かい合う姿勢でやると良いです。保育園でもよくやる遊びで、定番ですが喜ぶ子が多いですよ。赤ちゃんにとって、遊びは非常に意味があることなので、いっぱい遊んであげてください。基本的に、親が思っている2~3倍は遊んであげていいと僕は思います(笑)。語りかけも、大いにしてあげてください。ただ、返事のない赤ちゃんに何を話していいかわからない…という声もよく耳にします。話す内容に困ったときは「ママが今日思ったこと、これからしようと思うこと」など、友達に話すような内容を、丁寧な言葉でゆっくり話しかけてあげるといいと思います。自分のことを話すと自然に感情がこもるので、赤ちゃんも聞きやすいです。理解させようと思わなくていいので、たくさんの“言葉”を聞かせてあげてください!◆この時期の赤ちゃんに対しての注意点は?この時期はママからもらった免疫が切れてしまうので、熱を出したり、風邪などをひきやすくなります。それも必要な過程なのですが、重症化しないように気をつけてあげましょう。また、注意して欲しいのが「手洗い」です。特にパパにお願いしたいのですが、外から帰って来て赤ちゃんに触る前は、必ず手洗いを。帰ってきてすぐに赤ちゃんに触りたくなる気持ちもわかるのですが、手を清潔にしてから抱っこしてあげてくださいね。さらに「誤飲」には十分気をつけてあげてください。電気コード類や石油ストーブなどはもちろん、飲み込んでしまいそうな物は絶対に遠ざけて。ソファーの下など、意外なところにまで手を伸ばしたりするので、先手先手で準備してあげてください。◆たくさん動きはじめた赤ちゃんにおすすめの服装・オムツ寝返り時期はそれまでと同様、ロンパースなど“つなぎタイプ”の服のほうがオムツ替えもしやすいと思います。ハイハイを始めたら、セパレートタイプがおすすめです。普段着は赤ちゃんの「動きたい!」という思いをじゃましない、動きやすくてシンプルな服がいいですね。赤ちゃんは汗かきなので、肌着は冬でもこまめに取り替えてあげてくださいね。オムツに関しては、この時期くらいからパンツタイプに切り替えるママが多いようです。オムツ替えのときでもどうにか動こうとして、じっとしていないですから(笑)。いつ切り替えるかは各自の判断でいいと思いますが、活発に動くようになったら、パンツタイプが便利です。パンツタイプのメリットって?ウエスト部分がギャザーになっていてテープで止める必要がないため、さっと簡単にオムツ替えができます。さらにウエスト調整なしでジャストフィットして、お腹をしめつけないから赤ちゃんも動きやすいです。◆パンツタイプのオムツ選びのポイントは?あんよバタバタ・寝返り・ハイハイ時期にはウエストのギャザーがよく伸びるものがおすすめ。オムツ替えの時、赤ちゃんがたくさん動いて足がM字型に開いていても簡単にはかせることができます。さらにこの時期の赤ちゃんのウンチはまだまだゆるい状態。赤ちゃんの動きが激しくなることで、モレやすくなるので、ゆるゆるウンチ対策の工夫がされているオムツを選ぶと安心ですよ。そしてテープタイプ同様、赤ちゃんの肌に優しいものであることが大切です。いっぱい動けるようになった分、オムツの中は汗やおしっこでムレやすくなっています。肌触りがよく、通気性のよいオムツを選んであげたいですね。◆パンツデビューは、はかせやすくて肌にやさしい「メリーズパンツ」がおすすめ!保育園では、さまざまなオムツを扱いますが「はかせやすさ」と「触り心地」などそれぞれ差があります。今回インタビューを受けたことで改めて考えてみたのですが、“うさちゃんのオムツ”メリーズパンツはとても使いやすいです!★「2.5倍のび~るウエストギャザー」でママも赤ちゃんもラクラク!メリーズのパンツタイプSサイズ・Mサイズのオムツは、伸ばす前と比較すると、ウエスト部分のギャザーがおよそ2.5倍に伸びます!赤ちゃんがどんな体勢や動きを取っていても、オムツを大きく広げて寝たままパッと履かせることができるので、きっとオムツ替えがラクになったと実感できますよ。さらに、ミルクを飲んだ後や、お座りをしたときなど赤ちゃんのふくらんだお腹もしめつけずに、ふんわりフィットするから、赤ちゃんも苦しくなくて快適です。★通気性がいいから、お肌さらさらで気持ちいい!メリーズパンツのお腹まわりのギャザーには「空気トンネル」がついており、汗によるムレを追い出してくれます。また、S・Mサイズは内側の肌に触れる部分が凹凸になっているため、おしりのサラサラ感が続きます。たくさん動くとさらに汗をかくようになるので、ムレをしっかり追い出してくれる機能があるのは嬉しい限りです!★これで安心! ゆるゆるウンチ対策さらにメリーズのパンツSサイズは、後ろ側が長い「背中ロング吸収体」で、背中モレ対策もバッチリ。オムツ表面の凹凸のくぼみでウンチをキャッチするので、ゆるゆるウンチも広がりにくく、肌につきにくい工夫も嬉しいです。◆メリーズを試せるサンプルプレゼント実施中! メリーズは、10年連続売上No.1!※ 多くのママに支持され続けているのは、“赤ちゃんが気持ちいい”“ママ・パパが使いやすい”をとことん追及しているからなのですね。メリーズのパンツタイプを試してみたい方は、この機会にぜひ! パンツのS・M・Lサイズから好きなサイズを選んで応募できます。※インテージSRI調べ 2007年1月~2016年12月 ベビー用紙オムツ市場ブランド別(テープ・パンツ計)金額シェア 応募はこちらから>> PR:花王 株式会社
2017年11月21日ハイハイをする赤ちゃんの姿は愛らしく、赤ちゃんのイメージのなかにはハイハイをする様子が浮かぶという方も多いのではないでしょうか。首がすわり、身体つきもしっかりしてきて、寝返りが上手になってくると「次は、いよいよハイハイで動き出すかな?」と期待も高まりますよね。今回は、始める時期や順番、練習方法などが気になる“ハイハイ”について解説します!ハイハイとはハイハイは、手と足を使って前後左右、赤ちゃん自身が動きたいと思った方向に移動する運動のことです。四つん這いになって腕と足の力でパタパタと動き回る姿は可愛らしく、赤ちゃんらしい動作のひとつとして知られています。ハイハイは手や足を使って自分の力で移動することを指しているため、お腹を擦ったままで動く「ずりばい」や両手両足を伸ばした状態で動く「高ばい」など種類はさまざまで、個人差のとても大きな発達段階のひとつです。また、ハイハイをまったくせずに次の発達段階に移る子もおり、首すわりやお座りなどのように“絶対に通らなければならない発達段階”ではありません。ハイハイをしないと心配になってしまいますが、「この子はしないタイプなのかもしれない」とおおらかな気持ちで見守ってあげるようにしましょう。ハイハイの時期はいつ頃?早い子で、生後6ヶ月頃からハイハイする様子が見られる子もいます。早くからハイハイが始まる子は、“寝返りがしっかりできて活発に手足を動かす”という姿が見られ、ある時ふと見たらずりばいで移動していた、というパターンも多いようです。その後、生後10ヶ月頃にかけて、ハイハイする子が増えていき、上手に立って歩けるようになる1歳前後までハイハイ時期が続きます。両手両膝をつくハイハイからスタートする子もいれば、ずりばいからいきなり高ばいになる子など、子どもによってさまざまな成長が見られるのがハイハイの特徴です。ハイハイにはステップがあるハイハイには大きく分けて4つのステップがあります。ただし、ハイハイは必ずこのステップにそって成長するわけではありません。いきなりステップアップすることもあるので、焦らずその子なりの成長を喜んであげるようにしてくださいね。■ステップ1:寝返りハイハイの前段階として寝返りがあります。仰向けの状態からゴロンとうつ伏せになれたらハイハイが始まる可能性も。うつ伏せから仰向けに戻れるように(寝返り返り)なる前に、手足をバタバタ動かしていたらずりばいしていた、というケースも見られるため、窒息しないようにだけ注意して見守ってあげるようにしましょう。■ステップ2:ずりばいずりばいとは、腕も両膝も立てずにお腹をずりずりと引きずるように動くハイハイのことです。腕や膝を床につけた状態で、お腹でギュッギュッと床をずらすようにして行きたい方向へ動きます。■ステップ3:いわゆるハイハイ両手をつっぱり、両膝を立てて腕と足の力で移動するいわゆるハイハイの動きは、ずりばいよりも早く動けるため、できるようになると嬉しそうにあちこち移動する姿が見られるようになります。始めの頃は、腕の力がまだ足らず、疲れて腕が曲がってしまい顔を床に打ってしまうこともあるため、床にはなるべく物を置かないようにして安全を確保してあげましょう。■ステップ4:高ばい高ばいはしない子も多いハイハイの最終形態のようなステップです。両手両足をつっぱり、動きます。足の力もついてきている証拠で、歩きだすまでの少しの間だけ見られたり、膝立ちがうまくできずに高ばいになってしまったりする子もいます。ハイハイしないけど練習は必要?なかなかハイハイしないとママやパパは「練習したほうがいいのかな?」と不安になってしまうかもしれませんが、練習してハイハイできるようにならなければいけない! ということはありません。普段一緒に遊ぶなかでハイハイをするときに使う部分を動かしてあげるなど、赤ちゃんと一緒に楽しみながら過ごしてあげるのはもちろんOKですが、「ハイハイするように練習するぞ」と気負う必要はないのです。■ハイハイしない子もいるハイハイはおまけの発達段階として考えられています。確かに多くの赤ちゃんがハイハイする姿が見られるため、ハイハイしないと焦ってしまうかもしれませんが、ハイハイができなくても、寝返りができていて自分で座れていれば問題ありません。また、ハイハイをしないままつかまり立ちをして歩きだすこともあるため、気にせず過ごすようにしましょう。■ハイハイ時期に楽しめる体遊びハイハイをしていても、していなくても、生後6〜10ヶ月くらいの赤ちゃんと遊ぶときには、体全体を使うような体遊びがおすすめです。ハイハイができるようになってきたら、段ボールなどでトンネルを作って、反対側からママやパパが呼んであげるとハイハイで一生懸命通ってきます。また、ハイハイが上手になってきたらクッションでゆるやかな山を作って登れるようにする遊びもいいですね。ハイハイがどんどん上手になってくるとハイハイスピードが上がったり、大きな山を乗り越えられるようになったりと成長も楽しめるようになります。上手にハイハイできない子やハイハイをしない子とは、ママやパパが横になった上に赤ちゃんを乗せてゆらゆらと揺れてバランスをとる楽しさを味わうだけでも、キャッキャと喜びます。仰向けになったママやパパが膝を曲げた状態で足のすねの上に赤ちゃんを乗せてしっかりと肘の当たりを掴んでゆっくり足を浮かせて揺らす“カンタン飛行機”で遊ぶのもおすすめです。ハイハイ時期を楽しめるグッズハイハイの時期を楽しめるグッズには、さまざまなものがあります。動きのあるおもちゃやボールなどがあると、ますますハイハイをするようになったり、追いかけまわすうちにたくさん運動していたり、ママやパパが一緒に遊ぶにもグッズが大活躍します。たとえば、コロコロと動くタイヤがついた車や汽車などのおもちゃ。0歳の子どもが遊んで口に入れても安全な大きさを選ぶ必要がありますが、ハイハイを始めた子にピッタリのグッズです。はじめのうちは、ママやパパが動かして追いかけてくるように促して遊んでいるうちに、自分で動かしながらハイハイができるようになる子も! 成長に合わせて遊び方が変わっていきますが、長い期間遊べるおもちゃになることもあるので、ハイハイを始める前頃から身近なおもちゃのひとつとして取り入れてあげるとよさそうです。■ハイハイ時期の安全を確保するグッズにも注目ハイハイを始めると、それまでは動けなかった部屋のなかのあちこちに移動していき、思いもしない行動を取ることがあります。赤ちゃんは、扉やフタがあれば開けたくなり、穴には何かを差し込みたくなるものです。赤ちゃんに触られたくないものが入っている扉やフタには、しっかり止められるストッパーやロックをつかえるようにしましょう。また、おもちゃが入っている場所であっても低い位置にいる赤ちゃんにとって、大人の腰くらいの高さからでも、おもちゃが落ちると危険です。大人の目が届く範囲で触らせ、危ないと感じる場所には対策を取る必要があります。また、家具の角も赤ちゃんにとっては危険な場所になります。クッション素材でできているカバーなどをつけてぶつかっても大怪我をしないようにしてあげましょう。ハイハイはしないこともありますが、赤ちゃんらしい動作は可愛らしく行動範囲も広がっていき、一緒に遊ぶのも楽しくなる頃です。無理に練習する必要はありませんが、たくさん遊んでいましかない一瞬一瞬を大切に過ごしてくださいね。<参考>『今求められる質の高い乳児保育の実践と子育て支援』ミネルヴァ書房・2007年4月20日初版第4刷発行・榊原洋一、今井和子編著者
2017年03月05日シャフリングベビーとは?出典 : シャフリングベビーとは、よつんばいのハイハイの代わりにお座りの姿勢で移動をする赤ちゃんのことです。シャフリングベビーの語源は「足を引きずって歩く」という意味の英語“shuffle”に由来しています。まずは動画でその動きをご覧ください。座ったままの姿勢で移動するというこのユニークな動きは、ハイハイの1種類で「いざりばい*注」「尻ばい」と呼ばれることもあります。シャフリングをする赤ちゃんを「シャッフラー」と呼ぶこともあります。赤ちゃんは生後半年~10ヶ月頃までにずりばい、腰すわり、ハイハイの順で移動手段を獲得するのが一般的ですが、シャフリングベビーはオーソドックスなハイハイをせず、お座り姿勢のハイハイを経てつかまり立ち、一人歩きへと進むことがほとんどだそうです。*「いざる」は現在では差別用語とされていますが、乳幼児の動作を表す言葉として慣習的に使われてきた背景を説明するため、本記事内では部分的に使用しました。参考リンク:一般社団法人 大阪小児医学会いざりっ子(シャフリングベビー)参考書籍:小西行郎/監修 『0~3才 心と脳をすくすく育てる本』(学研パブリッシング,2009)いわゆるよつんばいスタイルのハイハイをしないことに不安をもつ保護者は多いものですが、医学博士で日本子ども学会理事長でもある榊原洋一さんは、チャイルド・リサーチ・ネットのブログで以下のように解説しています。(イギリスの小児科医)ロブソンは、シャッフラーは多くの子どもと異なった筋道で運動発達を示す「正常な子ども」であると結論しています。なぜ、ハイハイをせずに、シャッフルするのかまだその理由は分かっていません。赤ちゃんはだれでもハイハイする、という常識が実はそうではなかったのですね。このように、シャフリングベビーは医学的には一般的ではないが珍しくはなく、個性的ではあるが異常ではない、と考えられています。シャフリングベビーの特徴は?出典 : シャフリングベビーには座った姿勢で移動をしたがる以外にも、以下のような特徴があるそうです。1. 首すわりから腰すわりまでの神経発達は定型的2. 寝返りを始める時期が遅い、もしくは寝返りをしない3. うつぶせの姿勢を嫌う4. 足を床につけるのを嫌がる5. 脇を支えて持ちあげても脚は伸ばさず、お座り姿勢のまま6. 一般的なハイハイはしないシャフリングは腰がすわってからつたい歩きを習得するまでの期間に発生します。シャフリングをしている期間は1~5ヶ月強と赤ちゃんごとに幅があり、短期間のシャフリングの後ハイハイに移行する赤ちゃんと、数ヶ月間のシャフリング後につかまり立ち、つたい歩きに移行する赤ちゃんがいるそうです。シャフリングベビーは歩き始めが生後1歳6~10ヶ月と遅めな傾向があるそうです。1980年代に福岡県で行われた地域調査では、シャフリングベビーの95%以上は2歳頃までには一人歩きを始め、その後の発達は定型発達児と変わらず、成長の遅れも認められないという結果が出たそうです。出典:1歳6カ月児健診におけるshuffling babyの疫学的調査P41より上記論文には夏生まれの赤ちゃんは、他の季節に比べてシャフリングベビーになる率がやや高いという調査結果も掲載されています。夏生まれの赤ちゃんは寝返りからハイハイの時期が冬になるため、厚着で運動遊びがしにくく、そのためシャフリングする赤ちゃんがやや多いのではないか、という推論に言及しています。また、座敷文化の日本より土足文化の欧米に若干シャフリングベビーが多いというデータもあることから、家屋環境の違いもシャフリングベビーの発生に関係があるのではないか、との推測はできるかもしれません。シャフリングベビーになる原因は?出典 : シャフリングベビーになる原因は現在の医学では解明されていませんが、先に紹介した地域調査と愛知県の乳幼児健診の追跡調査から、シャフリングべビーと診断された幼児には以下の所見があったそうです。・シャフリングベビーの親や兄弟姉妹のうち、40%にシャフリングをする/した人がいる・脚の動かし方、手の使い方のバリエーションが少ない・下半身の筋肉の張りが弱く、筋肉量も少なめ出典: あいち小児保健医療総合センター 乳幼児健診の実際P113より上記の所見があっても、ほとんどの赤ちゃんは2歳までに歩き始め、その後の発達は定型発達児と変わりなく成長していくのは前述の通りですが、シャフリングベビーの中には、ごくまれに発達障害や神経系の疾患がシャフリングの原因となっているケースがあります。定型発達のバリエーションとしてシャフリングする赤ちゃんと、障害や疾患を由来としてシャフリングをしている赤ちゃんを見分けるには、まず以下の4点にあてはまるかを観察する必要があります。(1)ミルクの飲みが悪い(2)泣き方が弱い(3)首のすわりが悪く抱っこするとぐらぐらする(4)手指の発達が遅いこれら4つの特徴は「低緊張」と呼ばれる状態の赤ちゃんに見られるものですが、低緊張のためシャフリングをしていると推測される赤ちゃんでも、ただちに疾患や障害があるという診断はできません。なぜなら低緊張の状態は、時間の経過や日々の運動遊びでも改善できることがあり、一過性の場合もあるからです。低緊張と見られる状態でシャフリングをする赤ちゃんは、さらに以下の3点についても注視していきます。・言葉の理解が遅い・手指の発達が遅い・表情の発達が乏しいこの中の1つ以上思い当たることがあれば、ダウン症候群、脳性麻痺(まひ)、自閉症スペクトラム障害などの発達障害や疾患に由来するシャフリングである可能性があります。この場合はまず冷静に専門家に相談し、診断や支援を求めることをおすすめします。受診のきっかけがつかめない場合は、予防接種や乳幼児健診の機会を利用して、まずは小児科医に相談してみてはいかがでしょうか?赤ちゃんの健全な成長を願う親心には不安がつきものですが、素人判断は赤ちゃんのためにはなりません。専門家に診てもらうことで疾患の可能性がないとわかれば安心できるし、仮に障害の可能性があった場合は、早期発見・早期治療につながります。低緊張状態は理学療法で改善する場合もあるので、そのための施設や専門家を紹介してもらえる機会も得られるはずです。専門家の手を借りることは、保護者として赤ちゃんのためにできることの一つなので、上手に利用できるとよいですね。シャフリングベビーの不安を相談するには?出典 : 乳幼児の発達は特に個人差が大きく、スピードも経過も十人十色とはいうものの、ユニークな赤ちゃんの育児に不安を感じるのは親心としては自然なことかもしれません。育児書の目安とは異なるシャフリングベビーとの暮らしに疑問や迷いが生じた時は、以下に紹介する相談窓口を利用してみてはいかがでしょうか?小児科小児科というと子どもの病気を診断、治療をするイメージを持つかもしれませんが、赤ちゃんの発達に関する悩みごとの相談にも乗ってくれます。子どもではなく赤ちゃんを専門とした機関の情報も持っているので、より詳しく赤ちゃんの状態を見てくれる専門機関につなげてもらえることもあります。地域子育て支援センター行政や自治体が主体となって運営している施設です。子育ての不安・悩みに対し専門的なアドバイスをしてくれる保健師が在籍または巡回しています。日時によっては乳幼児の発達相談を無料で行っています。定期的に地域の母子向けに子育てサロンを開催していたり、発達に合わせた無料セミナーを主催していたりすることもあるので、気軽に利用してみてください。児童相談所(こども相談所)育児の相談、健康の相談、発達の相談など、0~17歳の児童を対象としたさまざまな相談を受け付けています。必要に応じて発達検査を行う場合もあり、ほとんどの場合は無料で医師や保健師、臨床心理士などからの支援やアドバイスをもらうことができます。基本的に予約制なので、あらかじめお住まいの市町村のHPなどを見て、スケジュールを確認するようにしましょう。上で紹介した機関は、赤ちゃんの発達相談だけでなく育児全般に関わる情報に出会える場所でもあるので、上手に利用することで育児ストレスの発散にも役立つかもしれません。保健福祉センターこちらも、行政や自治体が主体となって運営している施設です。子育て支援センターは主に母子の悩みに対応してくれる施設ですが、保健福祉センターは地域に住むすべての人を対象としています。乳幼児だけでなく保護者の心身の健康相談にも対応してくれます。保健福祉センターを経由して、相談者ごとの悩みに合わせた診察機関や支援機関を教えてもらえる窓口です。もし住居の近くに上記のような機関があるかわからない、相談するタイミングがつかめないという時は、自治体主催の乳幼児健康診査(乳幼児健診)を利用しても、同様の相談ができます。乳幼児健診は厚生労働省で定める母子保健法に基づき各自治体が実施するものです。3ヶ月、6ヶ月、1歳半といった乳幼児の発達の節目に、出生届を出した自治体から受診票が送付され、指定された日時・場所で集団で受けるケースがほとんですが、事情があれば日付や受診場所の変更も相談にのってもらえます。乳幼児健診は赤ちゃんの発達状況を確認し、病気の早期発見や予防をするために行われます。小児科医師や保健士、栄養士など、様々な乳幼児保育のエキスパートが直接赤ちゃんを診察してくれるので、シャフリングだけでなく子育てのコツやなかなか話す機会がない保護者の心配ごとも相談できます。また、同じ月齢の赤ちゃんを育てるほかの保護者も来ているため、地域の子育て情報を交換する場としても便利なので、上手に活用してください。赤ちゃんにハイハイしてほしい・立ってほしい時の工夫は?出典 : シャフリングをする赤ちゃんの姿はユニークで愛らしいものですが、やはりハイハイする姿を見届けてみたい、つかまり立ちやつたい歩きを心待ちにしている、という方も少なくないと思います。そこで、この章ではハイハイやつかまり立ちを引き出す効果のある親子遊びの方法を3つずつご紹介します。出典 : ハイハイを促したい場合は、事前準備として平らなスペースを確保してください。赤ちゃんがハイハイしやすい環境を整え、ハイハイをする喜びを教えてあげることが初めの一歩です。床の上に細かい物が散らばっていたり不衛生な環境では、誤飲やケガの危険があります。布団の上は足をとられて動きにくいので、畳やクッションフロアのような適度な硬さがある床の上がおすすめです。・うつぶせ姿勢で遊ばせるうつぶせ姿勢を嫌うのはシャフリングベビーの特徴ですが、ハイハイを促すためにうつぶせの姿勢に慣れることは必須です。仰向けで寝転がった大人のお腹の上で赤ちゃんをうつぶせにすると、体が密着していて目が合うので赤ちゃんは安心し、少し長めにうつぶせをしてくれることが多いそうです。落ちないように配慮しながらバランスボールの上でうつぶせにさせてもよいでしょう。この姿勢は頭を支える肩や背中の筋力を鍛えるとともに、うつぶせで重心をとる感覚を強化していくことができます。大人がうつぶせの赤ちゃんを抱えあげて前後に揺らす、飛行機遊びのような動きも赤ちゃんは喜ぶでしょう。・赤ちゃんの背後や左右から呼びかけるシャフリングベビーは、お座り姿勢から別の姿勢になることを避ける傾向があります。正面からの呼び掛けには方向転換の必要がないため赤ちゃんはシャフリングで移動をしますが、背後や左右から呼び掛けた場合はすばやく方向転換をするために手を使う頻度が上がます。この過程で赤ちゃんは自然に重心を左右に傾ける感覚をつかんでいき、いつしかお座りからよつんばい、よつんばいからお座りになることに慣れていきます。・ハイハイを見せる、追いかけっこをする赤ちゃんは真似をすることが大好きなので、保護者や他の赤ちゃんのハイハイ姿をたくさん見せてあげることも刺激になります。シャフリングをする赤ちゃんをハイハイで追いかけたり、ハイハイしながら逃げるそぶりを見せる遊びにより、赤ちゃんが手と脚を連動して動かすことを視覚的に覚え、ハイハイする意欲を引き出せるかもしれません。熊や犬、猫など、四足歩行の動物の出てくる絵本や動画をいっしょに見て、真似をしてみるのもよいでしょう。出典 : 赤ちゃんの足腰の筋力アップとバランス感覚の強化につながる遊びを取り入れることで、つかまり立ちの意欲を引き出すことを狙います。シャフリングベビーは前述の通り下半身の筋力が未熟な傾向があるため、赤ちゃんが不機嫌になるようなら短時間で切り上げ、日や時間を改めて繰り返すことをおすすめします。時に、歩行器を使うご家庭でシャフリングベビーの足腰の発達を促したい場合には使い方を一度考え直してみてください。なぜなら、歩行器は上半身を支える力を補助する効果がある一方で、爪先だけの軽い蹴りでも移動ができてしまうからです。立つ/歩くということは、すなわち自分自身の力で体を支え、腰と足裏でバランスをとって移動できるようになることなので、補助器具を用いた練習はほどほどにしたほうがよいかもしれません。つかまり立ちを始めた頃の赤ちゃんは転びやすく、頭を打つような転び方をすることもあるので注意をしてください。下記の遊びを取り入れる時には、赤ちゃんの後ろにクッションを置くなどの工夫をし、転倒対策や頭の保護を忘れないようにしましょう。・足裏でキックお座り赤ちゃんの足の裏に手のひらや膝(ひざ)を合わせて軽く押します。力をかけることで、足の裏で体重を支える感覚を疑似体験させるとともに、筋肉の発達を促します。保護者の太ももや膝に腰をかけさせ、足裏をしっかり床につけた状態で、赤ちゃんの脇を支えて左右に一緒に揺れる運動おすすめです。・布団などをよじ登らせる少し高さのあるものを乗り越える遊びは、高い位置に手をついて立ち、手と足裏で体を支える練習になります。この遊びは視野が広げる経験が増えるため、立つ・歩く意欲を自然に引き出すことが期待できます。布団がなければ大人がうつぶせになった上を乗り越えさせたり、低めのテーブルを使ったりしてもよいでしょう。転落、転倒防止のため、最初は低い段差から挑戦しましょう。・家具越しに「いないいないばぁ」テーブルやソファ越しに赤ちゃんと「いないいないばぁ」をします。赤ちゃんの座高より高い位置から顔を出すと、赤ちゃんは保護者の顔をのぞきこもうとして手をつき、自然とお尻を浮かせる動作をします。赤ちゃんはこの動作で、腰から膝、足裏に重心を移動しつつバランスをとる感覚を覚えていくそうです。奥行きのあるテーブルの中央にお気に入りのオモチャを置いても同じ効果が狙えます。秋田県理学療法士会子供のリハビリテーション参考書籍:久保田競/著『能力と意欲を伸ばす積極育児法』(主婦の友社,2004)自分の体を自分の力だけで支え、動かす感覚は、歩き始めた後も様々な運動の発達に関係してきます。運動機能の基礎は歩き始めてから鍛えても遅くはありませんが、自力で移動できること自体が赤ちゃんと保護者の喜びや自信につながるのは、乳幼児期ならではの経験です。この時期だけの成長過程を楽しみつつ、その後につながる運動能力をつけてあげられるとよいですね。まとめ出典 : シャフリングベビーとは、お座り姿勢のまま移動する個性的な赤ちゃんの呼び方です。シャフリングベビーは歩き始めるのは遅めでも、その後の発達に問題はないという統計データがあるので、その赤ちゃんなりの運動発達の道筋として温かく見守ってあげてください。もしユニークな移動方法に不安を覚えた場合でも、シャフリングを卒業するためにできる工夫はいろいろあります。赤ちゃんの体の状態や生活環境を理解し、遊びの中でハイハイやつかまり立ちを促すことも工夫の一つですし、小児科医や地域子育てセンターに相談し、支援してもらうのも、保護者だからこそできることではないでしょうか?赤ちゃんはその子らしいペース、方法で必ず成長していくものです。保護者の前向きな言葉かけや笑顔も赤ちゃんのハイハイやつかまり立ちの意欲をひき出します。動作のバリエーションを数多く体験をさせてあげることがシャフリングの卒業につながることもあるようなので、シャフリングベビーの個性を楽しみながら、いろいろな運動遊びを試してみてくださいね。
2017年02月23日ずりばいとは?出典 : ずりばいとは、赤ちゃんの首すわりが安定して、うつぶせや寝返りに慣れたころに始まる移動のための動作です。このほふく前進のような動作が始まると、赤ちゃんは自分の意思で前後左右に自由に方向転換し、移動できるようになります。それまでパパママの抱っこに頼っていた赤ちゃんが自分の力で自由に動き始める姿は、成長を待ちわびるパパママにとっては大きな喜びですが、実はずりばいは赤ちゃんにとって絶対に必要な成長のステップではありません。まずは下の図で赤ちゃんの移動手段がどのように変化していくかを説明したのでご覧下さい。Upload By 発達障害のキホンなお、この記事内では手のひらを「手」、足の裏を「足」と表記し、「腕」は肩下から手首まで、「脚」は脚の付け根から足首までと定義します。1. 寝返り寝返りは首がすわりうつぶせの姿勢に慣れた赤ちゃんに見られる動作です。首すわり完了の目安は、うつぶせの姿勢で自分から首を持ち上げ、左右に動かせること。うつぶせの時期と重なるよう下半身の動きが活発になり、ふとしたきっかけて腰と脚の動きが連動すると、赤ちゃんは寝返りをします。横方向のみではありますが、赤ちゃんにとっては初めて自力で移動する体験です。寝返りをしない赤ちゃんもいますが、その後の育ちが遅れるような影響はないとされています。寝返りに不慣れなうちは仰向けからうつぶせになることができても、うつぶせから仰向けに戻ることができず、もがくこともあります。2. ずりばいお腹をつけたまま腕や脚の力で前後左右に方向転換し、進めるようになった状態が「ずりばい」です。赤ちゃんに動きたい気持ちがありうつぶせに慣れていれば、しっかり腰がすわる前でも始まる動きです。左右の腕の筋力発達が非対称だったり腕と脚の動きを連動させることに慣れていないうちは、後ろに下がったり同じ場所をぐるぐる回ったりすることもあります。ずりばいができるということは、赤ちゃん自身で平面を自由に移動できるようになったことを意味します。赤ちゃんの活動範囲が格段に広がるので、危険物を片づけるなどの安全対策をしておきましょう。ただし「ずりばい」はみんながするわけではなくこのステップをとばす赤ちゃんもいます。3. お座りお座りは移動を伴う動作ではありませんが、歩き始めるまでには欠かせないステップです。最初のうちは背中が丸まっていたり手で上半身を支えたりしますが、次第に支えなしで座れるようになります。この段階から手で上半身を支える動作を徐々に覚え、腰でバランスをとる感覚をつかんでいきます。誰かが支えなくても安定してお座りの姿勢をとれるようになって初めて、腰と下半身を使った移動が可能になるのです。4. ハイハイ両手で上半身を支え、ひざ立ちで腰とお尻を持ち上げられるようになったら、体の重心を移動する練習が始まります。重心をコントロールでき、両手脚を連動して動かせるようになると、いわゆるハイハイの完成です。中には、このステップをとばしてひとりで歩き始める赤ちゃんもいます。ハイハイが始まった後、赤ちゃんはヒザ立ちから足の裏で体重を支える動作を覚えていきます。足の裏でバランスをとる経験を積む過程では、足の裏と手の平をついた姿勢の「高ばい」というハイハイをする赤ちゃんもいます。5. 歩く赤ちゃんが足の裏で体重を支える感覚を覚えるにつれ、手は移動よりも「物をつかむ、つまむ」という動きに使われることが増えていきます。物をつかむことに慣れるに従い、つかまり立ち、つたい歩きが始まり、その後は一人立ち、一人歩きと、順番を前後したりとばしたりしながら二足歩行を体得していきます。参考書籍:細谷良太/監修 『はじめての育児』(学研パブリッシング,2013)参考書籍:小西行郎/監修 『0~3才 心と脳をすくすく育てる本』(学研パブリッシング,2009)ずりばいとハイハイの違いは?出典 : ずりばいとハイハイを厳密に区別する場合、ポイントになるのはお腹をつけたままかどうかです。脳から伸びる運動神経は、頭から首、腕や背中、腰、脚という順で上から下、中央から末端へと発達していきます。そのため、ずりばいは首がすわり、頭と肩から手指までの運動神経がつながれば可能になる動きですが、ハイハイはさらに腰がすわり、腰と脚を使って胴を支えられるようになって初めて可能になる動きです。また、ずりばいは機能的にまだ歩けない時期の赤ちゃんが試みる移動方法で、「移動したい」という意思が先行して体を動かす状態だといわれています。対してハイハイは移動だけでなく、体を自在に動かすこと自体にも喜びを感じている状態だといわれています。参考書籍:小西行郎/監修 『0~3才 心と脳をすくすく育てる本』(学研パブリッシング,2009)ずりばいもハイハイも赤ちゃんの移動手段の1つである点は同じですが、1章の図で説明した通り、赤ちゃんが生まれてから歩き出すまでの移動方法の完成形は二足歩行です。ずりばいでは主に腕と手を使って移動するため、ハイハイやつたい歩きに比べると手と腕の使い方のバリエーションは少なくなります。しかし、腰がすわって下半身でバランスを取りながら移動できるようになるにつれ、腕と手を移動に使う必要性は減っていきます。代わりに手は物をつかむ、つまむといった、道具を扱うための動きを習得する段階に入ります。手指の使い道が増えていく過程で、移動を担う体のパーツが下半身にシフトしていくのです。言いかえれば、ずりばい期は主に上半身の力、ハイハイ期は主に下半身の力で移動をしている状態だといえます。ずりばいはいつごろから始まるの?出典 : 第1章で紹介した赤ちゃんの移動方法の変化を、この章では「時期」という観点から説明していきます。厚生労働省が作成した母子健康手帳の省令様式には生後6~7ヶ月の発達チェックに「寝返りをしますか」、生後9~10ヶ月には「ハイハイをしますか」との問いがあります。ずりばいは寝返りとハイハイの間に出現する移動手段なので、目安は8ヶ月前後と考えられます。出典:厚生労働省、母子健康手帳の様式(省令様式部分)P19,22よりしかし、実際の赤ちゃんの発達は十人十色で個人差がとても大きいもの。ずりばいの始まりを待望するのは親心ですが、神経発達の時期や動きたいという意思は、赤ちゃん自身の個性や成長のスピードにあわせたタイミングで訪れるものです。赤ちゃんの移動方法のステップは、段階を進むと前の姿はあまり見せてくれなくなるものなので、ずりばいの前限定のもごもと動く姿を楽しむことも、赤ちゃんを育てる醍醐味かもしれませんね。それでもずりばいがいつ始まるかが気がかりで、「ずりばいをしないのではなく、もしかしたらできないのでは?」という不安がぬぐえない場合もあるかもしれません。そんな時は、日々の暮らしの中で今その赤ちゃんがどの発達段階なのかをしっかり観察することを意識してください。その赤ちゃんの「今」の状態を理解するには、生後何ヶ月という時期よりも、早産だった、成長曲線のカーブの上がり方がゆるやかだったなど、周産期から現在までにその赤ちゃんにどんな特徴があったかを見直すほうが、その後の見立てに役立ちます。これらの情報は、専門家に相談をする際にも必要で、赤ちゃんの成育歴や発達状況、暮らしぶりについての情報があればあるほど、ずりばい「しない」という現状にどのような理由、問題があるのかを見極める精度とスピードは上がるでしょう。巷で「子育てに正解はない」とよくいわれるように、乳幼児期の発達は、スピードも現れ方も千差万別です。多くの育児情報がある中で何を目安にすればよいかとまどうことも多いかもしれませんが、何よりも理解するべきは、いま目の前にいる赤ちゃんです。育児書通りには進まない赤ちゃんのずりばいも「その子らしさ」の表れだと考え、穏やかに笑顔で過ごせるとよいですね。ずりばいが赤ちゃんにもたらすものは?出典 : 次に、ずりばいをすることが赤ちゃんにとってどんな意味を持つかを解説していきます。1. 運動面上半身の筋肉を使った動きにより、腕の筋肉や体幹、握力などが鍛えられます。また、下半身を動かす練習の手始めにもなるので、ハイハイをスムーズにする準備にもなります。上半身を手で支えられる段階になると手指への刺激が増えるため、お座り以後の、物をつかむ、つまむといった手の繊細な運動と強弱を体験的につかみやすくなるともいわれています。2. 機能面ずりばいによる全身運動をくり返すことで、血流が増えて心肺機能が高まります。また、場所を移動することにより、嗅覚や聴覚、視覚などを司る脳への刺激量が増えます。それに伴い、多くの情報を処理することで脳が活発化します。上半身の動きに連動して下半身が動くことも、腰周辺から脚の筋肉を刺激し、スムーズなハイハイへの移行に役立ちます。3. 精神面まず、自らの意思で移動できるということ自体が赤ちゃんの喜びになるといわれています。行きたいところに行くことで好奇心を満たしたり、愛着のあるオモチャやパパママに近づけるという満足感が持てることで、情緒が安定する時間が増えていきます。社会的な体験が増え、コミュニケーションの意欲や自我を育むきっかけにもなります。4. 生活面ずりばいするようになると、それ以前より運動量も刺激量も増えるため、食欲や睡眠欲を感じることが多くなり、食事や睡眠の時間が規則的になっていきます。一人遊びをする時間が若干増えるので、パパママは直接赤ちゃんのお世話をする負担が軽くなり、その分お出かけや知育遊びに費やせる時間が増えるかもしれません。このように、赤ちゃんとってのずりばいは、大人にとっての運動や勉強のような、「しないよりはしたほうがいい」という位置づけになる動作です。パパママが赤ちゃんの成長段階に合わせて、適度に促してあげることを意識してみてはいかがでしょうか?参考書籍:榊原洋一、小西行郎、開一夫、小林美由紀/監修『赤ちゃんの「脳」がわかる育児BOOK』(成美堂出版,2009)参考リンク:日本赤ちゃん学会ブログCRN参考リンク:Conobie 「うちの子早くたっちしないかな‥」実は“ゆっくり”が育む発達もあるんです。ずりばいしない、ハイハイに進まない……。理由は?出典 : まずは、寝返りはできるのにずりばいしないという赤ちゃんには、どんな理由があるのか考えてみましょう。首がすわった直後の赤ちゃんにとっては、首で頭の重みを支えることは負荷が大きいものです。首だけでなく肩や背中に十分な筋力が備わらないうちに赤ちゃんをうつぶせにすると、頭を持ち上げた姿勢を維持できず、頬や顔面が床についてしまいます。うつぶせによる頭の重みや息苦しさを嫌う赤ちゃんもいるし、うつぶせが苦手なうちは窒息の危険性もあるので、目は絶対に離さないでください。苦しそうに泣く時は無理強いせず、短時間であお向けに戻してあげてください。次に、うつぶせは嫌がらないのにずりばいしない、首がすわっているのにハイハイに進まない、という赤ちゃんについて考えてみましょう。ずりばいは腰がしっかりすわっていなくても始まる動きですが、安定してすわっているほうがより楽にできるそうです。ずりばいからハイハイへの過渡期であれば、誰かの支えがなくても手を使わずにお座りの姿勢がとれ、ぐらぐらしないことを確かめましょう。ぐらぐらする間はハイハイ適齢期ではないので、腰がすわる時期まで見守りましょう。ハイハイは、手をつかずにお座りできるくらい腰が安定して初めて可能になります。ずりばいを嫌がらない赤ちゃんであれば、しっかり腰がすわるにつれ、お腹を持ち上げたよつんばいの体勢をとることが増えていくでしょう。よつんばいのままゆらゆらする姿勢には、重心をコントロールする練習の効果があります。その姿が見られたら、ハイハイはもうすぐです。上半身を肘や腕で支えて移動するずりばいには、首や肩だけでなく腹筋、背筋が必要です。腰すわり同様、ずりばいは下半身の筋力もあるほうがスムーズです。また、腰すわり後の赤ちゃんがハイハイをするにも、全身の適度な筋力発達は欠かせません。筋力は日々の暮らしの中で徐々についていきます。ずりばい前なら、うつぶせの赤ちゃんの背中をマッサージしたり、両腕を前に伸ばして上半身を支える姿勢を促してみたりしてください。この姿勢をとらせる時は肩関節を脱臼する可能性があるので、強く腕をひっぱらないようにご注意ください。赤ちゃんに無理のない範囲で姿勢を援助してあげましょう。背中を反らす姿勢は、赤ちゃんの腕力と背筋が鍛えらます。ハイハイ前で腰すわりが不安定な間は、お座りの赤ちゃんを両脇をしっかり支えて、ゆっくりと左右に傾ける動きを取り入れてみてください。赤ちゃんが背中と腰、お尻でバランスをとる練習になり、腰回りの筋肉を鍛えることもできます。ただしこちらもやりすぎは禁物。未熟な腰の神経や筋肉に負担をかけすぎないよう、赤ちゃんのご機嫌をみながらサポートしてあげてください。神経や筋力が十分に発達していても移動する意欲がないのかもしれません。体を動かしたい、気になるものがある、誰かのそばに行きたいといった気持ちが薄いうちは、自力で移動しようとは思わないものです。好奇心や探究心は心の成長に伴いある程度は自然に現れるものですが、心地よく五感が刺激される働きかけが多いほど意欲は旺盛になります。呼びかけに反応し、近づいてきたらほめてあげる、といった関わりを増やしていくことも、赤ちゃんのずりばいの意欲を促します。参考書籍:久保田競/著『能力と意欲を伸ばす積極育児法』(主婦の友社,2004)赤ちゃんにとっての移動手段はずりばいだけに限りません。移動をしたいだけならパパママに抱っこしてもらう、寝返りをするという方法もあります。赤ちゃんにとってその時にできるいちばん効率のよい移動方法がずりばいでないならば、ずりばいはしないということも十分に考えられます。その場合でもずりばいを促したいのであれば抱っこを控える、うつぶせの時に前後左右から呼ぶなど、各方向に興味を持たせ、自分で動くことの便利さを赤ちゃんに気づかせるような関わり方を増やしてあげましょう。ずりばいやハイハイをしやすい環境とは、安全に動き回れる平らなスペースが十分にある場所です。障害物を片づけること、適度な明るさと温度であること、動きやすい服装にすることも、できる範囲で調整してあげてください。うるさすぎたり不衛生な場所では、パパママもずりばいさせることに抵抗を感じると思います。赤ちゃんの目線で考えた時に不快なものは、取り除くほうがよいでしょう。股関節脱臼の可能性も考えられます。大腿骨の先端が骨盤におさまらず、外れていたり外れかけている状態です。「脚のつけねの皺の数が左右で明らかに違う」「左右の脚の長さが違う」「股関節が開きにくい/開きすぎる」「足を曲げた状態で股を広げるとポキポキ音がする」などの特徴がありますが、ハイハイ前後の時期の乳児の股関節脱臼は発見が難しく、専門家でも診断に時間がかかることもあるそうです。治療方法は確立されているので、まずは最寄りの小児科や整形外科に相談することをお勧めします。参考リンク:先天性股関節脱臼予防パンフレット - 日本小児整形外科学会まれに、聴覚や視覚が弱いケースが考えられます。これらの機能は1ヶ月と3~4ヶ月の乳幼児健診でもチェック項目に入っているので、ずりばいの時期に入る前に経過観察を指示されているなら、これも原因の1つでしょう。医師からの指摘がない場合でも、追視(対象物を目で追うしぐさ)が少ない、呼びかけに対する反応が薄いと感じることがあるなら、専門機関に相談し、医師の診断を必ず受けてください。以上の理由には当てはまらなくてもなお違和感がぬぐえない時は、低緊張である可能性も考えられます。低緊張とは、自分の体を支えるための筋肉の張りが弱い状態のことをいいます。低緊張の赤ちゃんは、体がふにゃふにゃとしていたりするという印象がもたれます。というのも、低緊張の赤ちゃんは体を支え動かすための筋肉の張りが弱く、思うように体の動きをコントロールすることができないためです。低緊張の赤ちゃんは、脳性麻痺(マヒ)、自閉症スペクトラム障害や、筋ジストロフィー、先天性ミオパチーなどの疾患を持っている可能性が出てきます。しかし、赤ちゃんがずりばいやハイハイをしないという点だけで発達障害や疾患があるという自己判断は禁物です。早合点は赤ちゃんのためにならないので、冷静に専門機関に相談し、診断や支援を受けてください。ずりばいもハイハイもしないまま立ってしまうのは問題?出典 : 結論からいうと、ずりばいやハイハイをしないまま一人歩きに移行することは問題はありません。乳児期後半に腰すわりを経て一人歩きへと進んだのであれば、その赤ちゃんにとってはずりばいやハイハイよりも歩くという動作が適していたということなのでしょう。時に、お座りが安定する時期になるまでずりばいをしなかった赤ちゃんの中には、座ったままの姿勢でお尻をズリズリとすりながら移動する赤ちゃんがいます。これは「シャフリング」といわれるユニークな移動手段です。シャフリングをする赤ちゃんには「うつぶせを嫌がる」「寝返りをしない、またはできるのにやらない」「脚を床につけるのを嫌がる」という傾向もあるそうです。そんな赤ちゃんをさらに観察すると、両脇を抱えて抱き上げた時でもひざを曲げたままという特徴もあるそうです。お座り以降の発達が遅れがちになることが多く、歩き始めるのも遅めな傾向ですが、知的な発達は正常だそうです。シャフリングを好む赤ちゃんの4割は、兄弟姉妹や両親のいずれかにシャフリングベビーがいる/いたという統計があります。出典: あいち小児保健医療総合センター 乳幼児健診の実際P113よりシャフリングを好む赤ちゃんはずりばいもハイハイもせずに立つステップに入ることがほとんどですが、歩き始めれば下肢全体の成長もほかの子に徐々に追いつき、その後は正常に発達していくと言われています。ただし、シャフリングをする赤ちゃんが以下の特徴も持っている場合には、神経の病気や発達障害が隠れている可能性があります。1. ミルクののみが悪く、泣き方も弱い2. 首すわりが不安定で抱っこするとぐらぐらする3. 表情の発達が乏しく、言葉の理解も遅い4. 手指の発達が遅いこのような場合は、前述したような疾患、発達障害の早期発見につなげられることもあるので、小児科医の診察を受け障害を心配していると相談してください。参考リンク: 大阪小児科医会 いざりっ子(シャフリングベビー)ずりばいやハイハイの不安を相談するには?出典 : これまでに何度か述べてきたように、赤ちゃんの発達は個人差が大きいため、ふとしたきっかけで急にずりばいを始めることは決して稀なことではありません。しかし、専門家に相談してみることで、療育の機会の提供や、思ってもみなかった子育て情報を得られることもあります。気になることがあるなら、以下の専門機関を訪れてみるとよいでしょう。小児科小児科というと子どもの病気を診断、治療をするイメージをもつかもしれませんが、赤ちゃんの発達に関する悩みごとの相談にも乗ってくれます。子どもではなく赤ちゃんを専門とした機関の情報も持っているので、より詳しく赤ちゃんの状態を見てくれる専門機関につなげてもらえる場合もあります。地域子育て支援センター行政や自治体が主体となって運営している施設です。子育ての不安・悩みに対し専門的なアドバイスをしてくれる保健師が在籍または巡回しています。日時によっては乳幼児の発達相談を無料で行っています。地域の母子向けに子育てサロンを開催や発達に合わせたセミナーを主催していることもあり、気軽に利用できます。児童相談所(こども相談所)育児の相談、健康の相談、発達の相談など、0~17歳の児童を対象としたさまざまな相談を受け付けています。必要に応じて発達検査を行う場合もあり、無料で医師や保健師、理学療法士などからの支援やアドバイスをもらうことができます。基本的に予約制なので、あらかじめお住まいの市町村のHPなどを見て、スケジュールを確認するようにしましょう。乳幼児健康診査乳幼児健康診査は乳児健診とも呼ばれ、母子保健法の定めにより各自治体が実施するものです。各市町村の保健センターなどで行い、赤ちゃんが順調に発達しているかどうかを確認し、病気の予防や早期発見をするための検査です。ずりばいのことだけでなく、パパママが普段の子育てで疑問に思っていることや、なかなか話す機会がない不安などを専門家に相談できる場でもあります。乳児健診は同じ月齢の赤ちゃんを育てるほかのパパママも来ており、育児の工夫や悩みを共有したり情報交換したりできる場としても利用できます。3ヶ月、6ヶ月、1歳半といった乳幼児の発達の節目に、出生届を出した自治体から受診票が送付され、指定された日時に集団で受けるケースがほとんですが、事情があれば日付の変更や受診場所の変更は相談にのってもらえるので、上手に活用しましょう。ずりばいをひきだす工夫出典 : ここまで述べてきたように、赤ちゃん自身の体の準備、動きたい気持ち、動きやすい環境が整うと赤ちゃんは「ずりばい適齢期」を迎えます。赤ちゃんはさまざまな動きのパターンを覚えるうちに、より効率的で環境にあった動作を学習していきます。ここでは、赤ちゃんのずりばいを促すための工夫をご提案したいと思います。出典 : うつぶせを嫌がる赤ちゃんには、仰向けで寝転がったパパママのお腹の上に赤ちゃんをうつ伏せで乗せてみてください。パパママと密着していて目が合うので、赤ちゃんは嫌がりにくいはずです。うつぶせにし声をかけつつ見つめると、赤ちゃんも目を合わせようとして少し長めにうつぶせを続けられるそうです。赤ちゃんと目が合う位置に入るのに、テーブルや高脚のベビーベッドを利用するのも便利です。その際は転落防止を忘れないでください。出典 : ずりばいがもう少しで始まりそう、という時期には目線の前方、少し上に興味を持たせるとよいでしょう。ベビージムなどのぶら下がるオモチャが便利です。背筋を鍛え、腕で体を支える筋力がつきます。音のするものや色鮮やかな物も赤ちゃんの興味をひくようです。ボールなどの不規則な動きをする物にもよく反応するので、オモチャ選びの参考にしてください。うまく前に進めない、後ろに下がってしまうという時は、足裏でければ前に進めるという感覚を体感させてあげましょう。壁に足の裏がつく位置でうつぶせにする、足の裏にパパママが手を添えてあげるなどが効果的です。その場で回転する場合は左右の腕の力と使い方が均等でないのかもしれません。回転方向の外側に意識を向けるような声かけ、働きかけをしてみてください。環境面では、第一に平らで安全なスペースを確保してください。柔らかすぎる床は上手に力を伝えにくいので、布団の上より畳やクッションフロアがおすすめです。衣類は上下が分かれたもののほうが動きやすいでしょう。暗い、寒い、うるさいなどで赤ちゃんが怖がって、動く意欲を持てない場合もあるかも知れないので、確認してみてください。赤ちゃんは真似が好きなので、パパママやほかの赤ちゃんがずりばいする姿を見せることが刺激になります。ここにあげた工夫に限らず、前向きな言葉かけやパパママの笑顔も赤ちゃんの動く意欲をひきだします。動作のバリエーションを数多く体験をさせてあげることもずりばいの上達を促します。パパママとの関わりのすべては赤ちゃんの健やかな成長の糧となるので、日々の暮らしの中で赤ちゃんのペースに気を配りながら、自力で移動する喜びを体験させてあげてくださいね。参考書籍:牧田栄子/著、今泉岳雄/監修『赤ちゃんのできること』(岩崎書店刊,2014)参考書籍:瀬戸口清文、藤原明美/著『0歳からのうんどうあそび絵本”わーい!”』(明治図書出版刊,2000)まとめ出典 : ずりばいは、自分の力で好きな方向に移動ができるという体験と喜びを赤ちゃんにもたらします。パパママを見上げながら体を懸命に動かす姿は何ともほほえましく、赤ちゃんの脳と体にも良い刺激が蓄えられてゆきます。ただし、繰り返しになりますが、ずりばいは寝返りから一人歩きに至る過程にある、期間限定の移動手段に過ぎません。ずりばいしないことをほかの赤ちゃんと比べたり焦ったりせず、その赤ちゃんのその時ならではの姿を見守ってあげてくださいね。
2017年02月03日ハイハイとは?出典 : ハイハイは、赤ちゃんの腰がすわり一人で歩き出すまでの間に、移動手段の一つとして出現するものです。ハイハイを心待ちにするパパママはとても多いと思いますが、実はハイハイは赤ちゃんにとって絶対に必要な成長ステップではありません。まずは下の図で赤ちゃんの移動手段がどのように変化していくかをご覧下さい。Upload By 発達障害のキホン1.寝返り寝返りは首がすわりうつぶせの姿勢に慣れた赤ちゃんに見られる動作です。首すわり完了の目安は、うつぶせの姿勢で自分から首を持ち上げ、左右に動かせること。うつぶせの時期と重なるよう下半身の動きが活発になり、ふとしたきっかけて腰と脚の動きが連動すると、赤ちゃんは寝返りをします。横方向のみではありますが、赤ちゃんにとっては初めて自力で移動する体験です。寝返りはしない赤ちゃんもいて、その後の育ちが遅れるような影響はないとされています。寝返りに不慣れなうちは仰向けからうつぶせになることができても、うつぶせから仰向けに戻ることができずもがくこともあります。2:ずりばいお腹をつけたまま腕や脚の力で前後左右に動けるようになった状態が「ずりばい」です。赤ちゃんに動きたい気持ちがありうつぶせに慣れていれば、腰がすわる前やハイハイに必要な筋力が十分でない時期でも始まる動きです。左右の腕の筋力発達が非対称だったり腕と脚の動きを連動させることに慣れていないうちは、後ろに下がったり同じ場所をぐるぐる回ったりすることもあります。ずりばいができるということは、自由に方向転換ができるようになったことを意味します。活動範囲の広がりに合わせて、危険物を片づけるなどの安全対策をしておきましょう。この「ずりばい」のステップはとばす赤ちゃんもいます。3.お座りお座りは移動を伴う動作ではありませんが、ハイハイには欠かせないステップです。お座りは腰のすわり具合を確かめるバロメーターであり、脳が発する電気信号が、神経細胞が発達に伴い延髄から脊椎を通って腰まで届くようになった証です。最初のうちは背中が丸まっていたり手で上半身を支えたりしますが、次第に支えなしで座れるようになります。この段階から手で上半身を支える動作を徐々に覚え、腰でバランスをとる感覚をつかんでいきます。パパママが支えなくても安定してお座りの姿勢をとれるようになって初めて、腰と下半身を使った移動が可能になるのです。4:ハイハイ両手で上半身を支え、ひざ立ちで腰とお尻を持ち上げられるようになったら、手脚でバランスをとり、重心を移動する練習が始まります。よつんばいの姿勢で体を前後にゆらす動きが続いたらハイハイが始まる日も近いでしょう。よつんばいの姿勢で重心をコントロールでき、両手脚を連動して動かせるようになると、いわゆるハイハイの完成です。ハイハイしはじめは動きもぎこちなく、方向転換も移動もおぼつかないでしょうが、上達するのに時間はかかるものです。温かく見守ってあげましょう。5.歩くハイハイが始まった後、赤ちゃんはヒザ立ちから足の裏で体重を支える動作を覚え、つかまり立ち、つたい歩き、一人立ち、一人歩きと、順番を前後したりとばしながら歩き方を体得していきます。足の裏でバランスをとる経験を積む過程では、足の裏と手の平をついた姿勢の「高ばい」というハイハイをする赤ちゃんもいます。立ち始めは、足の裏でバランスをとることが上手にできない少ないうちは赤ちゃんは転びやすいので、後頭部を強く打たないように見守ってあげてください。参考書籍:聖路加国際病院小児科総合医療センター長細谷良太先生/監修 『はじめての育児』(学研,2013)参考書籍:日本赤ちゃん学会理事長同志社大学赤ちゃん学千九センター長小児科医・医学博士小西行郎先生/監修 『0~3才 心と脳をすくすく育てる本』(学研,2009)ハイハイはいつ始まる?出典 : 次に、赤ちゃんの移動方法の変化を、この章では「時期」という観点から説明していきます。厚生労働省が作成した母子健康手帳の省令様式には生後9~10ヶ月の発達チェックに「ハイハイをしますか」の問いがあり、各自治体が運営する母子保健センターの乳児発達相談ガイドラインでも、ハイハイは生後9~10ヵ月の相談内容として紹介をされています。一般的に生後10ヵ月頃の赤ちゃんの発達段階の目安とされていることが多いようです。出典:厚生労働省、母子健康手帳の様式(省令様式部分)P22より参考リンク:長野県大町市母子保健事業のご案内このように、日本国内では生後9~10ヶ月の赤ちゃんが「ハイハイ適齢期」とされているようですが、乳幼児の発達について長年研究を重ねてきた米国の人間能力開発所の研究結果では、赤ちゃんがハイハイできるようになる時期には、生後3.5~14ヶ月の幅があると発表されています。出典:グレン・ドーマン、ダグラス・ドーマン、ブルース・ヘイギー共著 「赤ちゃんの運動能力をどう優秀にするか」(ドーマン研究所刊,2000) 前見返しよりこのように、乳幼児の発達は十人十色で個人差がとても大きいもの。ハイハイを心待ちにするパパママにとってハイハイしないことは大きな気がかりでしょうが、神経発達の時期や動きたいという意思は、赤ちゃん自身の個性にあわせたタイミングで訪れるものなのです。それでもいつハイハイが始まるかが気がかりで、しないのではなくもしかしたらできないのでは?という不安がぬぐえない場合は、日々の暮らしの中で今その赤ちゃんがどの発達段階なのかをしっかり観察することを意識するとよいでしょう。その赤ちゃんらしい発達を考えるなら「今生後何ヶ月」という時期よりも、早産だった、成長曲線のカーブの上がり方がゆるやかだったなど、周産期から現在までにその赤ちゃんにどんな特徴があったか理解することも、ハイハイに至るまでの見通しをつけるのに役立ちます。このような情報は、専門家に相談をする際にも必要とされます。赤ちゃんの成育歴や発達状況、暮らしぶりについての情報があればあるほど、ハイハイ「しない」という現状にどのような理由、問題があるのかを見極める際に役に立ちます。巷で「子育てに正解はない」とよくいわれるように、乳幼児期の発達は、スピードも現れ方も特に千差万別です。多くの育児情報がある中で、何を目安にすればよいかとまどうことも多いかもしれませんが、何よりも理解するべきは今目の前にいる赤ちゃんです。育児書通りには進まない赤ちゃんのハイハイも「その子らしさ」の表れだと考え、穏やかに笑顔で過ごせるとよいですね。ハイハイが赤ちゃんにもたらすものは?出典 : ハイハイが赤ちゃんの発達にもたらす影響にはよいものが多々あります。以下ではその影響を、運動面、機能面、精神面、生活面の4つに分けて解説します。1.運動面全身の筋肉を使った動きにより、手足の筋肉や体幹、握力などが鍛えられます。また、体の2ヶ所以上のパーツを連動して動かす「協応動作」の練習にもなり、一人歩きに移行した以後にもスムーズな動作を可能にするための運動神経が磨かれます。手足への刺激が多いほど、握力は鍛えられ、物をつまんだり、足のふんばりでバランスをとることが上達していきます。2.機能面ハイハイによる全身運動をくり返すことで、血流が増えて心肺機能が高まります。また、場所を移動することにより、嗅覚や聴覚、視覚などを司る脳への刺激量が増えます。それに伴い、多くの情報を処理することで脳が活発化します。自分の体重を支える体勢が骨や関節への負荷となり、骨格の発達を促します。3.精神面まず、自らの意思で移動できるということ自体が赤ちゃんの喜びになるといわれています。行きたいところに行くことで好奇心を満たしたり、愛着のあるオモチャやパパママに近づけるという満足感が持てることで、情緒が安定する時間が増えていきます。社会的な体験が増え、コミュニケーションの意欲や自我を育むきっかけにもなります。4.生活面お座り時期までの生活に比べ運動量も刺激量も増えるため、食欲や睡眠欲を感じることが多くなり、食事や睡眠の時間が規則的になっていきます。パパママにとっては生活サイクルを整えやすくなるため、外出がしやすくなり、家族以外の人との交流が増やせるきっかけになるかも知れません。このように、赤ちゃんとってのハイハイは、大人にとっての運動や勉強のような、「しないよりはしたほうがいい」という位置づけになる動作です。パパママが赤ちゃんの成長段階に合わせて、適度に促してあげることを意識してみてはいかがでしょうか?参考書籍:榊原洋一、小西行郎、開一夫、小林美由紀/監修『赤ちゃんの「脳」がわかる育児BOOK』(成美堂出版,2009)参考リンク:日本赤ちゃん学会ブログCRN参考リンク:Conobie 「ハイハイをしてないと転ぶ子になる?」ハイハイしない……。その理由と対処法は?出典 : 章で紹介したように、いわゆるハイハイは「腰すわり」という条件をクリアしないうちにはできない動作です。しかし、お座りはできるのにハイハイしない、という赤ちゃんには、どんな理由があるのでしょうか?ここでは考えられる理由と、それぞれの支え方を7つ挙げてみます。赤ちゃんをよく観察し、どの点がポイントなのかを推理し、見通しや支援方法を考える参考にしてみてください。腰すわりが安定しているかどうか、「親が支えなくてもお座りの姿勢を保てること」と、「両手が自由に使えること」をチェックしてください。腰すわりが安定していないうちは、赤ちゃんにお座りの姿勢をさせ過ぎないように注意してください。赤ちゃんが不機嫌になるようならすぐ止めましょう。無理をさせると腰の神経を傷める危険性もあるので、その赤ちゃんにあった発達を見守りましょう。体を両手脚で支える筋肉のほかに、腹筋、背筋、腰やお尻の筋肉がじゅうぶんに発達していないうちは、よつんばいの姿勢を維持できません。筋力に対して体重が重い場合もあります。筋力は日々の暮らしの中で徐々についていくものです。寝かせた赤ちゃんの手や足に手を添え軽く押す、うつぶせの時に音のするオモチャを高めの位置で鳴らし赤ちゃんの気をひくなど、各部位の筋肉に適度な負荷が加わるようなあやし方を工夫してみるのもよいでしょう。神経や筋力が十分に発達していても移動する意欲がないのかもしれません。体を動かしたい、気になるものがある、誰かのそばに行きたいといった気持ちが薄いうちは、自力で移動しようとは思わないものです。好奇心や探究心は心の成長に伴いある程度は自然に現れるものですが、心地よく五感が刺激される働きかけが多いほど意欲は旺盛になります。ボールなどの不規則に動くオモチャを与えたり、呼びかけに反応し近づいてきたらほめてあげる、といった関わりを増やしていくことも、赤ちゃんのハイハイの意欲を促します。参考書籍:久保田競/著『能力と意欲を伸ばす積極育児法』(主婦の友社,2004) 赤ちゃんにとっての移動手段はハイハイだけに限りません。移動をしたいだけならパパママに抱っこしてもらう、歩行器に乗る、つたい歩きするなど、様々な方法があります。赤ちゃんにとって一番効率のよい移動方法がハイハイでないからハイハイをしない、ということも十分に考えられます。その場合でもハイハイを促したいのであれば、抱っこや歩行器の使用を控えたり、模様替えをしてつたい歩きでは移動できないスペースを確保することも検討してみてください。ハイハイしやすい環境とは、安全に動き回れる平らなスペースが十分にあることが重要です。障害物を片づけたり、適度な明るさと温度であること、見てみたい、触ってみたいという意欲を引き出すようなアイテムを用意することも、パパママにできる工夫といえます。動きやすい服装であるかもチェックしてみてください。ハイハイには上下が分かれた服のほうが適しています。赤ちゃんが楽に動き回るれ、動くこと自体を楽しめるようなお部屋作りを意識してみてください。まれに股関節脱臼が考えられます。大腿骨の先端が骨盤におさまらず、外れていたり外れかけている状態です。「脚のつけねの皺の数が左右で明らかに違う」「左右の脚の長さが違う」「股関節が開きにくい/開きすぎる」「足を曲げた状態で股を広げるとポキポキ音がする」などの特徴がありますが、ハイハイ前後の時期の乳児の股関節脱臼は発見が難しく、専門家でも診断に時間がかかることもあるそうです。治療方法は確立されているので、まずは最寄りの小児科や整形外科に相談することをお勧めします。参考リンク:先天性股関節脱臼予防パンフレット - 日本小児整形外科学会まれに、聴覚や視覚が弱いケースが考えられます。これらの機能は1ヶ月と3~4ヶ月の乳児健診でもチェック項目に入っているので、ハイハイの時期に入る前に経過観察を指示されているなら、これも原因でしょう。医師からの指摘がない場合でも、追視(対象物を目で追うしぐさ)が少ない、呼びかけに対する反応が薄いと感じることがある場合は、専門機関に相談し、医師の診断を必ず受けてください。以上の7つに当てはまらないけれども、それでもなお違和感がぬぐえない場合は、低緊張の状態かもしれません。低緊張とは、自分の体を支えるための筋肉の張りが弱い状態のことをいいます。低緊張の子どもは、姿勢がよくなかったり、体がふにゃふにゃとしていたりするという印象がもたれます。というのも、低緊張の子どもは体を支えるための筋肉の張りが弱く、思うように体の動きをコントロールすることができないためです。低緊張の赤ちゃんは、脳性麻痺(マヒ)、自閉症スペクトラム障害や、筋ジストロフィー、先天性ミオパチーなどの疾患を持っている可能性も出てきます。しかし、赤ちゃんがハイハイをしないという点だけで障害や疾患があるという自己判断は禁物です。早合点は赤ちゃんのためにならないので、冷静に専門機関に相談し、診断や支援を受けてください。ハイハイしないまま立ってしまうのは問題?出典 : 結論からいうと、ハイハイをしないまま一人歩きに移行することは問題はありません。乳児期後半に腰すわりを経て一人歩きへと進んだのであれば、その赤ちゃんにとってはハイハイよりも歩くという動作が適していたということなのでしょう。時に、乳児期後半になってもハイハイをしない赤ちゃんの中で、座ったままの姿勢でお尻をズリズリとすりながら移動する赤ちゃんがいます。これは「シャフリング」といわれるユニークな移動手段です。シャフリングをする赤ちゃんには、次のような傾向があるといわれています。・うつぶせの姿勢をいやがる・寝返りがゆっくり、もしくは寝返りをしようとしない・脚を床につけるのを嫌がるこれらの傾向がある赤ちゃんをさらに観察すると、両脇を抱えて抱き上げた時やその後に、床に降ろそうとしても下肢を曲げたままで足を伸ばそうとしないといった特徴もあるそうです。そしてお座り以降の発達が遅れがちになることが多く、歩き始めるのも遅めな傾向です。知能は定型発達と差がないことも特徴です。シャフリングを好む赤ちゃんのうち、4割は兄弟姉妹や両親のいずれかにシャフリングベビーがいる/いたという統計があります。出典: あいち小児保健医療総合センター 乳幼児健診の実際P113よりこの「シャフリング」という移動方法を好む赤ちゃんは、よつんばい姿勢のハイハイはせずに立つステップに入ることがほとんどですが、歩き始めれば下肢全体の成長も他の子に徐々に追いつき、その後は正常に発達していくと言われています。ただし、シャフリングベビーと思える赤ちゃんで、以下の特徴も併せ持っている場合には、神経の病気や発達障害が隠れている可能性があります。1.ミルクののみが悪く、泣き方も弱い2.首のすわりが悪く抱っこするとぐらぐらする3.表情の発達が乏しく、言葉の理解も遅い4.手指の発達が遅いこれらの特徴がみられる場合は、前述したような疾患、発達障害の早期発見につなげられることもあるので、小児科医の診察を受け相談してください。参考リンク: 大阪小児科医会 いざりっ子(シャフリングベビー)ハイハイの不安を相談するには?出典 : これまでに何度か述べてきたように、赤ちゃんの発達は個人差が大きいため、ふとしたきっかけで急にハイハイを始めることは決して稀なことではありません。しかし、専門家に相談してみることで、療育の機会の提供や、思ってもみなかった子育て情報を得られることもあります。気になることがあるなら、以下の専門機関を訪れてみるとよいでしょう。小児科小児科というとでは子どもの病気を診断、治療をするイメージをもつかもしれませんが、赤ちゃんの発達に関する悩みごとの相談にも乗ってくれます。子どもではなく赤ちゃんを専門とした機関の情報も持っているので、より詳しく赤ちゃんの状態を見てくれる専門機関につなげてもらえる場合もあります。地域子育て支援センター行政や自治体が実施主体となって行っている事業です。子育ての不安・悩みに対し専門的なアドバイスをしてくれる保健師が在籍または巡回しています。日時によっては乳幼児の発達相談を無料で行っています。地域の母子向けに子育てサロンを開催したり、発達に合わせたセミナーを主催していることもあり、気軽に利用できます。児童相談所(こども相談所)0~17歳の児童を対象として、育児の相談、健康の相談、発達の相談など、さまざまな相談を受け付けています。必要に応じて発達検査を行う場合もあり、無料で医師や保健師、理学療法士などから支援やアドバイスをもらうことができます。基本的に予約制なので、あらかじめお住まいの市町村のHPなどを見て確認するようにしましょう。乳幼児健康診査乳幼児健康診査は乳児健診とも呼ばれ、母子保健法の定めにより各自治体が実施しするものです。各市町村の保健センターなどで行う、赤ちゃんの病気の早期発見と予防、そして順調に発達しているかどうかを確認するための検査です。ハイハイのことだけでなく、パパママが普段の子育てで疑問に思っていることや、なかなか話す機会がない不安などを専門家に相談できる場でもあります。乳児健診は同じ月齢期の赤ちゃんを育てるほかのパパママも来ており、育児の工夫や悩みを共有したり情報交換できる場としても利用できます。3ヶ月、6ヶ月、1歳半といった乳幼児の発達の節目に、出生届を出した自治体から受診票が送付され、指定された日時に集団で受けるケースがほとんです。事情があれば日付の変更や受診場所の変更は相談にのってもらえるので、上手に活用しましょう。ハイハイをひきだす工夫出典 : ここまで述べてきたように、赤ちゃん自身の体の準備、動きたい気持ち、動きやすい環境が整うと赤ちゃんは「ハイハイ適齢期」を迎えます。赤ちゃんは様々な動きのパターンを覚えるうちに、より効率的で環境にあった動作を学習していきます。ここでは、赤ちゃんのハイハイを促すための工夫をご提案したいと思います。出典 : 首すわりが安定していて、腰もほぼすわっているようでしたら、パパママが立てヒザをして赤ちゃんを乗せ脇を軽く支えてあげると、自分で重心をとる練習になります。お腹だけを支えて抱き上げたり、寝そべってパパママの脚でお腹を支えることで、飛行機のような姿勢をとる遊びをしてあげるのもよいでしょう。出典 : ずりばいの時期は、目線の前方、少し上に興味を持たせるとよいでしょう。ベビージムなどのぶら下がるオモチャが便利です。背筋を鍛え、腕で体を支える筋力がつきます。音のするものや色鮮やかな物も赤ちゃんの興味をひくようです。ボールなどの不規則な動きをする物にもよく反応するので、オモチャ選びの参考にしてください。うまく前に進めない時は、脚で地面を押す動きを練習させてあげましょう。後ろ下がってしまう時は壁に足の裏がつく位置でうつぶせにしたり、足の裏にパパママが手を添えてあげる練習が効果的です。その場で回転する動きは、左右の腕の使い方が均等になる動きを工夫してみましょう。しっかりお座りができ両手が上手に使える時期に入ったら、手を伸ばせば届く位置から少しだけ離れた場所にオモチャを置いてみましょう。手をつく動作を自然に引き出せます。少しずつ距離を離していけば、手を前に出す動きにつなげられます。この方法は、うさぎのように両手足を順番に動かすハイハイをする赤ちゃんにも有効です。左右を交互に動かすことがその赤ちゃんにとって合理的であれば、次第に交互に動かすハイハイをする率が上がっていきます。出典 : 腰がうまく持ち上がらない場合は、小さな段差を利用すると腰と脚で体を支える感覚を身につけられます。カーペットと床くらいの小さな段差から始め、パパママの膝に上らせる、座布団を乗り越えさせるなどで工夫してみてください。ただし、頭から転ぶ危険があるので段差は高すぎないように気をつけてください。環境面では、第一に平らで安全なスペースを確保してください。柔らかすぎる床は上手に力を伝えにくいので、布団の上より畳やクッションフロアがおすすめです。衣類は上下が分かれたもののほうが動きやすいでしょう。歩行器や赤ちゃんチェアを使う時間を減らし、自発的に動くことを見守ることも効果的です。暗い、寒い、うるさいなどで赤ちゃんが動く意欲を持てない場合もあるかも知れないので、一度チェックしてみてください。赤ちゃんはマネが好きなので、パパママや他の赤ちゃんがハイハイする姿を見せることも刺激になります。ここにあげた工夫に限らず、動作のバリエーションをいくつも体験させてあげることがハイハイの上達を促します。パパママとの関わりのすべては赤ちゃんの健やかな成長の糧となるので、日々の暮らしの中で赤ちゃんのペースに気を配りながら、体を動かす喜びを体験させてあげてくださいね。参考書籍:牧田栄子/著、今泉岳雄/監修『赤ちゃんのできること』(岩崎書店刊,2014)参考書籍:瀬戸口清文、藤原明美/著『0歳からのうんどうあそび絵本”わーい!”』(明治図書出版刊,2000)まとめ出典 : ハイハイは、自分の力で移動ができるという大きな喜びを赤ちゃんにもたらし、心身と脳に適度な刺激を与えてくれます。ハイハイに必要な準備が整えば、赤ちゃんは自らいろいろなサインを出してくれるはずです。ただし、繰り返しになりますが、ハイハイはお座りから一人歩きに至る過程での、期間限定の移動手段に過ぎません。ハイハイしないことを他の赤ちゃんと比べたり焦ったりせず、その赤ちゃんのその時ならではの姿を見守ってあげてください。
2017年01月31日なぜ「赤ちゃんには積極的にハイハイをさせよう」と言われるのか?(前編) の続きです。■ハイハイを始める前にしておきたい、寝返りトレーニング赤ちゃんがハイハイをするためには、まず寝返りが上手にできなければなりません。生後7ヶ月になってもまだ寝返りをしようとしない場合、赤ちゃんを促して、まず寝返りができるようにトレーニングをしてあげるのも1つの方法です。寝返りをうまく打てるようにするためには、赤ちゃんの足首を支えて、体をやさしく返してあげるようにします。その動きに赤ちゃんの体がついてくるようになり横向きにまでは自分でなれるようになったなら、そこでお尻に手を当てて軽く押してあげることで寝返りをすることができます。何度か繰り返しサポートしてあげることで、寝返りを上手にできるように赤ちゃんのトレーニングをしてあげましょう。ハイハイができるようになっても、赤ちゃんによっては、最初のうち足の力よりも腕の力が強く、前に進もうとするのに後ずさってしまう場合があります。あるいは、まっすぐに進めず、円を描くように同じ場所でぐるぐる回るような進み方しかできない場合もあります。こういった場合は足のキック力が不足しているか、うまく踏ん張れていないかのどちらかですので、足の裏に手のひらをあてがってあげたり軽く押してあげたりすることで、足で踏ん張るコツをつかませてあげましょう。そうすれば、みるみるうちに前に進めるようになるはずです。■赤ちゃんがハイハイをし出したらチェックしたい危険箇所本格的に赤ちゃんがハイハイしだしたら、周囲にある危険なものをチェックして取り除きましょう。たとえばヘアピン、針、ボタン、電池など、赤ちゃんが興味を示しそうで、かつ飲み込んでしまいそうな小物は落ちていないでしょうか。また、赤ちゃんがつかまり立ちして届きそうなところに、熱湯の入ったやかんやポット、バランスの悪い重いものなどが置かれていないでしょうか。意外なところで危険なのがコンセントやタップです。赤ちゃんの指は細いですし、よく指をなめているので濡れていることがあります。このままコンセント口に触れてしまったら感電してしまいかねません。もしくはコンセント自体に興味を持ってなめてしまうかもしれません。感電すると火傷を負って傷跡になることもありますし、そうならないようにコンセントにフタをするか、ガムテープなどで養生するようにしてください。最後に、赤ちゃんがハイハイし始めた後、ドアなどを開け放しておくと、ちょっと目を離したすきに赤ちゃんが意外なところまで移動してしまい、ときに危険な目に遭うことがあります。そうならないよう、部屋から出る際はドアや窓をきちんと戸締まりして遊ばせるようにしてください。
2016年06月16日赤ちゃんのハイハイは足腰のほかに、脳の機能をも高めてくれる大事な成長段階の1つです。赤ちゃんのハイハイをしやすくするための注意点について、見ていきましょう。■ハイハイは赤ちゃんの発育の大事な通過点赤ちゃんは、早い場合で生後8ヶ月になるとハイハイをして自分で動き回り始めます。人間はまだ動物であった頃に4足歩行をしていたわけですが、赤ちゃんの頃にそれと同じような移動過程を経るわけです。このハイハイは、赤ちゃんにとっては発育のための大事な通過点となります。赤ちゃんのハイハイは、足腰を鍛え、また背筋を鍛えるために役に立ちます。こうしてつけた筋肉を使って、赤ちゃんはいずれ2本足で歩き始めることになります。ハイハイをあまりせずに歩き出してしまった赤ちゃんを持つお母さんが、ときおり得意げにそのことを自慢しているのに出くわすことがありますが、そういう点から見ると、あまりいいこととは言えない場合もあります。赤ちゃんは、狭いお部屋にいろいろな家具などがいっぱいなせいで、十分な空間がなかったため、ハイハイをする前に近くにあるものにつかまり立ちするしかなかったのかもしれないのです。また、ハイハイは脳の機能を高めるための大事なステップでもあります。赤ちゃんが自分で移動して、自分の周囲の環境に入っていくために必要となる自分の位置が、空間の中でどのようなところに位置しているか、という感覚を覚えるためのステップになるのです。こうした位置の感覚をつかむことで、赤ちゃんは自分が行きたい場所にいくことができるようになり、欲しいものをつかみに行くことができるようになります。お母さんお父さんの膝までの距離はどのぐらいか、おもちゃまではどれぐらい手を伸ばせば届くのか、といったことを判断する基準になるものなのです。 ■赤ちゃんがハイハイをしやすいように、場所を確保しよう赤ちゃんが寝返りをうつようになってきたら、いつハイハイが始まってもいいように、1畳ぐらいの空間を赤ちゃんのハイハイする場所として確保してあげるようにしましょう。こうした空間がないと、赤ちゃんは周囲の家具などにつかまり立ちをしてしまい、ハイハイをろくにしないうちに伝い歩きを始めてしまうこともあります。なかには、それが原因で足腰の筋肉や背筋が鍛えられなかったり、位置感覚の発達に影響が出たりすることもあるでしょう。そうした状況は赤ちゃんのためにもよくありませんので、思う存分ハイハイできるようにしてあげたいものです。赤ちゃんはハイハイを始めて1ヶ月もすると、かなりの早さで移動することができるようになります。これにより、行きたいところ、欲しいもののところに早くたどり着きたい、という欲求が芽生え、それに伴い「物事について知りたい」という学習欲求が出てくるようになります。ハイハイをすることで、興味を持ったもののところまで自分で移動し、それを手で触れたり口に持って行ったりすることで、いままでよりも脳に加わる刺激の量がぐんと増えることになるからです。赤ちゃんがハイハイをしだしたら、1m~2mほど離れたところから赤ちゃんを呼んでみたり、お気に入りのおもちゃを振ってみたりして赤ちゃんがハイハイを早くできるようになるように促してあげてください。ハイハイがうまくなってきたら、天気の良い日などに外に連れ出し、公園などの芝生の上などの開けた場所で思いきりハイハイさせてみてはいかがでしょうか。<後編に続く>
2016年06月15日