ディプティック(Diptyque)は、パリの街を香りで巡る期間限定イベント「アンエール ドゥ パリ(Un Air de Paris)」を、表参道のバツアートギャラリー(BA-TSU ART GALLERY)にて、2023年7月7日(金)から17日(月・祝)まで開催する。ディプティックの期間限定イベント「アンエール ドゥ パリ」ディプティック発祥の地・パリにいるかのような香りを体感できる期間限定イベント「アンエール ドゥ パリ」が開催。パリの建築様式を再現した建物内には、メゾンの起源となった3人のアーティストについての展示をはじめ、ランタンやキャンドルリッドなどの限定アイテムが勢ぞろいする。定番のフレグランスのほかにも、オリジナルの傘やインスタントカメラ、ノードブックなども登場。また、ディプティックのフレグランスキャンドルをベースに、自分だけの“オリジナルペーパーキャンドル”を製作できるワークショップも用意している。さらに、パティスリィ アサコ イワヤナギ(PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI)が期間限定イペントのために考案したアイスクリームもテイクアウトで販売。香りだけでなく、味覚でもディプティックを堪能できるイベントとなっている。【詳細】期間限定ストア「アンエール ドゥ パリ(Un Air de Paris)」期間:2023年7月7日(金)~17日(月・祝)会場:バツアートギャラリー(BA-TSU ART GALLARY)住所:東京都渋谷区神宮前5-11-5時間:11:00~20:00(最終入場 19:30) ※7月7日(金)のみ11:00~16:00【問い合わせ先】ディプティック ジャパン株式会社TEL:03-6450-5735
2023年06月29日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第147回目はトンキニーズのエル(L)さまの登場です。東京生まれの猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.147猫さまの話をもっと聞かせて!エルさまは13歳の女性猫さまです。エルさまが語ります。私はパリの6区の小さな道沿いにあるアパルトマンに住んでいます。今年で14歳になり、活動的な時間が減ってきてずっと寝ています。飼い主もよく寝る似た者同士です(笑)。夜になるとちょこっと活動して、また寝ます。『ROYAL CANIN』のカリカリが主食です。特別な日のごはんはありませんが、かつおぶしはたまーにもらうと笑顔になります。基本的に人間の食べ物には全く興味がないので食卓の食事を狙うことはありません。でもグラスに入った人間の水を飲むことはあります。大好きな居場所はクローゼットの中。いつも薄暗くてよく眠れます。飼い主の膝の上も大好き。ブラッシングしてもらった後の自分の毛玉で遊びます。あとはキャットニップが入ったねずみです。性格はとにかく人懐っこく、くっつきたがりです。甘えん坊でやさしいとよく言われます。猫のアールちゃんがいた時はお姉さんキャラだったけれど、彼女が去ってからは甘々な性格(犬っぽい?)になりました。 特技はセントラルヒーティングの溝にからだを沿わせて寝ること。チャームポイントはとがったあごひげですかね。飼い主から見たエルさまは生まれた時から実家には猫がいました。1人暮らしを始めた当初は猫がいない生活に耐えられず、猫のタトゥーを入れました。年齢=猫歴です。2009年に東京でエルとアールを迎え、2011年に渡仏。2013年、ロシアンブルーのアールが当時住んでいたブルゴーニュ地方で事故に遭い、そのあと病院で息を引き取りました。それからはエルと暮らしています。今年新しい1匹を迎え入れようと考え中です。エルはフランス生活を共にサバイブしてくれているメンターのような存在です。誰よりもいちばん一緒にいる家族です。思い出深いのは2016年、私に息子が産まれて初めて病院から連れて帰ってきた時。エルはなんともいえない表情で、不思議そうに泣く息子を見つめていたのを思い出します。その後も息子の成長にやさしく寄り添ってくれています。年齢=猫歴であるがゆえ、猫の存在は私にとってあまりにも普通であり必要です。息子を見ていると、かつて自分がそうであったように、小さな頃から動物と共同生活しているがゆえに得られる感覚(他者への思いやりや、癒しを与えてもらう喜び、別れなど)があると感じます。数年前に実家の猫達のうちの1匹が死んだとき、悲しみと同時に深い感謝の気持ちが湧きました。将来エルとのお別れの仕方なんて考えてもいませんが、きっとものすごく深い感謝が生まれると思うので、その時はきちんと伝えたいと思っています。当然今も、私の人生に存在し続けてくれていることに、付き合ってくれていることに感謝しています。ーー飼い主にとっては猫さまとの生活は必須事項です。猫さまを通して成長してきた経験は、彼女の息子さんにも伝わっていくのでしょうね。息子さんが大きくなった時、自分の猫さまを飼う時には、また話を聞いてみたくなりました。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年06月25日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介(今回はフランス生まれ、現在は東京在住)!第146回目は白グレーのハチワレ、ミャウ(Miau)さまの登場です。フランスから飛行機で日本にきた猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.146猫さまの話をもっと聞かせて!ミャウさまは5歳の女性猫さまです。ミャウさまが語ります私はフランスのエクス・アン・プロヴァンスで生まれました。今は東京の西のほうにある小さな庭つき一軒家に住んでいます。朝6時ごろ、飼い主の顔付近を歩き回りながらゴロゴロします。飼い主を無理やり起こしたところで自分は二度寝。10時ごろまで暖かい場所でひなたぼっこまたは昼寝をします。庭に出してもらってパトロールをし、午後はまた昼寝。夕方ごろ、地域猫がごはんをもらいにやってくるので、庭に出て猫たちを監視します。夜は布団でふみふみ。合間にときどきごはん、お水、トイレをすませます。主食は『ロイヤルカナン』の「室内で暮らす長毛猫用」。ときどき大好きな「ちゅ~る」ももらいます。ウェットフードは、表面の液体だけ舐めてあとは残してしまいます。ヨーグルトやクリームなど乳製品はちょこっと舐めることが許可されています。好きな居場所はベッドカバーと布団の間や、庭が見渡せるテラスのカゴの中。おもちゃは小麦粉の袋を留めるための棒に紐をつけたもの。フランスの小麦粉の袋についていた赤くて細い棒が好きで、日本に持ち帰りました。好きなのはスポンジ遊び!フランスに住んでいた頃、外にも自由に出ていたのですが、どこかの家のキッチンから盗んできたスポンジをコレクションしていました。相当なびびり屋ですが、ときどき大胆にもなります。特技はPC作業をする人の脚の上にバランスをとって乗り眠ることと木登り。フランスにいたころは庭の木を登り、日本に帰ってからは、室内に木を立ててもらいました。飼い主は相当しつこいですが、私はいやなことをされてもすぐに忘れる性格です。飼い主から見たミャウさまとは私が赤ちゃんの頃、家にパンダ柄の猫がいました。小学生になってからも近所の公園で拾った猫を飼ったりと、実家を出るまでずっと猫がいたような気がします。母は地域猫の餌やりにも熱心で、母が道を歩くと猫がどこからか現れる、そんな人です。実家を出てからは一人暮らしが長く、なかなか猫を飼うことに踏み切れませんでした。結婚し、フランスに住み、フランスの住環境が猫との暮らしにも良いと感じたので、一緒に住む猫を探し、ミャウに出会いました。家がまあまあ広かった、大家さんの理解もあった、周辺にも猫が多く外に出しても安全そうだった、旅行中も世話をお願いできる人がいた、などの理由です。シェルターで他の猫にびくびくしながら、隅のほうをこそこそ歩いてトイレに行っていたのが当時7か月だったミャウです。抱っこするとすぐにゴロゴロ言ってくれてその瞬間好きになっていました。いま思えば、シェルターから連れ出してもらうための策略?ゴロゴロの安売りだった?スポンジが好きすぎて、どこからかスポンジを拾ってきて、3日連続うちの玄関に落ちていたことがありました。盗まれた人には申し訳ないですが…。南仏の田舎だったので、窓を開けっ放しにしている家が多かったり、あとは庭のプールサイドの小屋(?)的なところからとってきていたのかなあと思います。ミャウと一緒にいると、養うためにもがんばって働かねば、と思わせてくれます。一生ぬくぬく安心して暮らしてもらうために、そして、もっと猫も人も快適な家をつくるためにも。ーーフランスから日本までの移動についても聞いてみたところ、エアフランスの便で、キャビンに一緒に乗って帰国したとのこと。満席だったのでミャウさまは座席下のスペースでカゴの中で過ごしました。マルセイユからパリ経由で東京まで、緊張で飲まず食わずトイレもせず…。騒ぐこともなく、たった一度だけ小さく「にゃー」と鳴いただけだったと。それを思い出すだけで切なくなる記憶。こんなにつらい思いをさせたのだから、日本では思い切り甘やかしてあげなくては、と改めて思ったそうです。今ではフランスの生活を懐かしむと同時に、これからもっと快適な住まいを求めているとのこと。飼い主の話を聞くとミャウさまはとても幸せですね。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年06月24日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第145回目はキジトラ猫のアンコ(Anco)さまの登場です。白いネックレスをしている猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.145猫さまの話をもっと聞かせて!アンコさまは3歳の女性猫さまです。アンコさまが語ります私はシャルル・ド・ゴール国際空港近くの家に住んでいます。ガレージ、その上に住居、屋根裏部屋まである4階建ての縦長の家に住んでいます。庭はありません。朝7時頃、飼い主達を起こし、朝食です。飼い主は出勤準備をする前、数分間私と遊んでくれます。腕や手を噛んで遊びます。テレワークの時は一緒に仕事をします。お昼寝したり、窓から鳥を見ながら一方通行の会話をしたり、飛行機を見て自分も飛べるのでは?と空想したり。飼い主の帰宅後、アペリティフタイムが始まりますが、私は大好きなおやつをもらいます。オリーブも好きなんです。飼い主の夕飯にあわせて、一緒に食事をし、22時頃就寝です。普段のご飯はカリカリで、週末は柔らかいキャットフードです。特別な日のごはんは『Sheba』 のパテとクリームが出てきます。好きな場所は外が見えるキャットツリーの上と、飼い主の肩の上。お土産でもらった、棒の先にヒラヒラのついたものと、ワインのコルクでよく遊んでいます。飼い主がワインを開けようとすると、飛んでいって抜いたコルクを投げてくれるのを待ちます。特技は小さな虫を見つける事。夏場は家に入ってきたハエをすぐに見つけて退治します。飼い主から見たアンコさまとは実家にいた頃は15歳くらいまで生きたルルという名の真っ白い猫を、そのあとは17歳くらいまで生きたトトという名前の猫を飼っていました。アンコとの出会いは2019年12月1日。「マイナス気温のなか子猫が鳴いている」と近所に住む姪の子どもたちが夫に知らせました。しかし、保護しようとしたらご近所の車のボンネットに潜り込んでしまいました。車の持ち主に知らせ、ボンネット部を開けてもらい無事に保護しました。とても可愛い子猫ちゃんで、そのままウチの子になりました。ベタベタされるのはいやだけど、家人の側にはいつもいたい猫です。私の具合が悪く寝たままでいると、側に寄り添ってくれる優しい猫です。気分がいらだったり心寂しい時には、気持ちの鎮痛剤になってくれています。チャームポイントはネックレスをしているようにみえる、白い毛の部分です。私とアンコは似ていると思います。人に対してつかず離れずの距離でいたいところはそっくりです。コロナの時期には車での国内旅行に出かけるようになり、アンコも一緒にあちこち行きました。回数を重ねるごとに彼女も私たちと出かける事を楽しんでいます。当たり前のことですが、動物を飼うということは、動物自身では何もできないので、常に気を付けて世話をしてあげなければいけません。そのためには飼い主自身がキチンとした基本の生活ができていないといけないと思っています。ーーアンコさまはどこからやってきたのかはわかりません。親とはぐれたのか捨てられてしまったのか?寒い日に自ら暖かいところを求め車の中に忍び込んで助けを求めたのかもしれません。無事救出され、そのままここの飼い主たちと暮らせて、とても幸せな毎日を過ごしているようです。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年06月18日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第144回目はキジトラのメロン(Melon)さまとトラのミルー(Milou)さまの登場です。まだ距離がある猫さまきょうだいの物語【フレンチ猫さま】vol.144猫さまの話をもっと聞かせて!メロンさまは4歳の女性、ミルーさまは生後6か月の男性猫さまです。メロンさまが語ります私たちはアパートの3階に住んでいます。普段の食事は『ロイヤルカナン』のカリカリです。もちろんおチビちゃんは子猫専用のものです。特別な食事としてパテを週2回いただきます。おやつはキャットファクションスナック、スティック状になっているものなどさまざまです。でも最近体重が6キロを超えたので注意が必要です。私は窓際の肘掛け椅子に座って外を見るのが好きですが、ミルーはまだ小さいので落ち着きがなくてよくわかりません。でも、ミルーは地面にあるものすべてで遊ぶのが好きです(ペットボトルのキャップ、ビニール袋など)。私たちは特別おもちゃは持っていませんが、私にとってのおもちゃはミルーです。それとダンボールが大好きです!ゴミ箱に捨てないで!!弟はとてもかわいいですが、彼を受け入れるにはまだ少し時間が必要です。飼い主から見たメロンさまとミルーさまとは2匹とも友だちからのプレゼントです。メロンは私が初めて飼った猫でした。私は長い間猫を飼いたいと思っていました。メロンはシャイで怠け者、親切で穏やかでおおらかな性格です。ミルーは好奇心旺盛で冒険好き。知的で学習能力が高いです。テレワークのおかげで、私の猫には親友がいることがわかりました。鳩が毎日私の家の窓辺を覗きに来ています。2匹の魅力は彼らの優しさです。私の気持ちをとてもよく理解しています。彼らは、私が悲しいときにハグをしてくれます。そして食べ物をもらう方法もよく知っています。メロンは私をルームメイト、親友だと思っているようです。小さなミルーは、私を母親だと思っているに違いありません。彼らは私の親友で、いつでも人生のすべてを分かち合うことにとても忠実です。ーーコロナで在宅勤務が多くなったかたもたくさんいらっしゃいますが、猫さまを飼っている家庭では日中楽しい発見がありますね。ビデオ会議に参加したり、書類を散らかしたり、いろいろな猫さまがいます。メロンさまとミルーさまの友だち(鳩)を発見した飼い主は、不在の時でも退屈していない時間を過ごしていると思ってちょっと安心したと言います。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年06月17日森永製菓から、アイスバー「しましまうまうまバー」が登場。2023年6月19日(月)より期間限定で全国にて発売される。たっぷりチョコ×パリパリ食感のアイスバー「しましまうまうまバー」「しましまうまうまバー」は、バニラアイスにたっぷりのチョコレートを層状に入れたアイスバー。チョコレートがぎゅうぎゅうに詰まった“しまうまよりしましま”な見た目と、パリパリ食感が特徴だ。今回、先行発売していた「しましまうまうまバー」をより多くの人に楽しんでもらえるよう、全国にて展開する。“しましま”なしまうまたちを配したユニークなパッケージもポイントのひとつ。可愛らしいパッケージデザインもあわせて楽しんでみて。【詳細】「しましまうまうまバー」発売日:2023年6月19日(月)※無くなり次第終了販売エリア:全国 / コンビニエンスストア限定価格:141円
2023年06月16日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第143回目はスノーベンガルのチェリー(Cherry)さまの登場です。超かまってちゃんな猫さまの物語【フレンチ猫(犬)さま】vol.143猫さまの話をもっと聞かせて!チェリーさまは9歳の女性猫さまです。チェリーさまが語ります朝は飼い主が起きるのと同じ時間まで寝ているので、飼い主孝行しています。さすがに土日は飼い主が寝坊をするので、洋服ダンスの戸棚を開けようとしたり、暖炉の上に登って注意を引き、起きて起きてと催促をします。飼い主がやっと起きたらお腹をみせて「ご機嫌ムード」をアピールするのです。ちょっとした朝活として、軽く運動をします。そして激しく鳴きながら朝ご飯を要求し、食卓下にあるラグマットの上にお座りして朝ご飯のマグロ缶を食べます。デザートのちゅ~るも忘れません。その後は、満足感のあるうちに身繕いをし、お天気の良い日は窓際で、寒い日はほかほかのカーペットが敷かれているハウスでひと眠り。飼い主は自宅勤務が多いので、お昼ご飯の時も同じことを繰り返します。お昼ご飯の後は、長いお昼寝に入りますが、時々飼い主に近寄って、お腹を見せてなぜてもらったり、膝の上やパソコンの上にわざと乗って「かまってモード」を炸裂させます。夕方、飼い主がピアノを弾き始めると、もうすぐ晩御飯という事がわかります。椅子の横にピタッと寄り添い、食事を待ちます。多くの猫たちがそうだと思いますが、私も自分を人間と同じと思っているので、飼い主たちが食卓に着くと、自分も一緒にご飯を食べます。そのため、ご飯はマグロ缶1日分を3回分に分けて、飼い主たちと同じタイミングに食べています。夕食の後は、また寝ますが、飼い主が映画やドラマを観ていると、それらが終わるまでに大概起きます。そこから1日のうちで一番楽しみにしている遊びモードのスタートです。その時の鳴き声は激しくて格別です。あまり悪戯はしないのですが、この時ばかりは普段乗るのが禁止されている場所にわざと乗り、気を引こうとします。おもちゃで遊んだり、水遊びをした後、大好きなブラッシングをして、満足したらカリカリを食べて、眠りにつきます。1日3回に分けて食べているのは、『almo nature』というブランドの猫用マグロ缶と、常備してあるキャットフードです。日本製のおやつが大好きなので、日本製のカツオ、日本製のちゅ~るもあります!好きな場所は自分だけの場所とわかっている、キャットタワーの上か、外の景色が見える日当たりの良い窓際のクッションです。寒がりなので、ほかほかのカーペットが中に敷いてある、ハンドメイドのチェリーハウスもお気に入り。おもちゃは日本製の、トンボがついた猫じゃらし「かしゃかしゃぶんぶん」と、羽のついた猫じゃらしが特にお気に入り。新しいおもちゃには常に興味津々です。性格は好奇心が強くて、快活でコミュニケーション上手です。反面、人見知りで甘えん坊なところもあります。3歳くらいの頃、突如人見知りに変身しました。独特で複雑な部分もありますが、そこがまた魅力らしいです。見事なモンローウォークをし、トイレの時は鳴いて知らせています。飼い主から見たチェリーさまとは住んでいるのはパリ9区、モンマルトルの少し下あたりです。大ヒットした仏映画『アメリ』の舞台となったカフェが近所にあり、パリの古い街並みがたくさん残る界隈です。ベンガルといえば豹柄で有名ですが、チェリーはその色合いからスノーベンガルと呼ばれる品種です。血統書の中の正式名は、IVORY(アイボリー)ですが、我が家での命名はCHERRY(チェリー)です。チェリーとは少し不思議な出会いでした。猫を飼い始めると決めた時は、純血種を飼うつもりは全くなく、引き取り手を探している猫の広告ばかりを見ていました。しかし、みんな可愛いのでなかなか決める事ができませんでした。そんな時「生まれたばかりのベンガルの子猫をもらってください」という広告を見つけたのですが、それは見事な詐欺広告(メールのやり取りですぐに詐欺と気づきました)でした。それまでベンガルという品種も知りませんでしたが、奇しくもその広告からベンガルに惹かれ始めました。ベンガル種の事をもっと知りたいと思いながら検索していると、1年2か月経っても飼い主が見つからず、引き取り手を探しているという広告に行き着き、写真を見てすぐに会いたくなりました。それがチェリーでした。ご縁があったのだと思います。チェリーは透き通ったブルーの瞳とミルクティーのような色合いのマーブル柄、シルクのような柔らかい毛並みをしています。背中には天使の羽模様みたいな柄があり、すべて可愛いのですが、上目使いの目線も最高です!彼女の存在自体が癒しになっています。マイペースで頑固なところ、病院や注射が大嫌いなところが私に似ているかもしれません。猫を飼うのは初めてですが、チェリーのお陰ですっかり猫の魅力にとりつかれました。すべてが楽しい毎日です。一番の思い出は我が家にやってきた日、一睡もしなかった事です。今は落ち着きましたが、来た頃から3歳くらいまでの期間、本当によく遊ばないと寝なかったので、私も真剣に遊びました。猫ってこんなに遊びたがる動物なんだ!と驚き、大変ではありましたが、すごく楽しかったです。生まれたばかりの子猫時代を知らないので、この時期は私にとっては特別な思いがあります。日々、動物も私たちも、今日もまた存在している事自体が、奇跡のように貴重であるという事を教えてくています。ーー飼い主のピアノが響くとお腹が空くチェリーさまは可愛いですね。飼い主のピアノに飽きてきたら、ひたすら楽譜を落としてかまってほしいアピールをするとのことです。結構なかまってちゃんで、伸びたら体長が長く、女性猫さまにしては大きいチェリーさま。伸びてお腹をなぜてもらうのを催促するポーズ、毎日何度もこれを繰り返すのを見たら構わずにいられなくなりますね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年06月11日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第142回目はベンガルのピラット(Pirate)さまとミックスのカライブ(Caraïbe)さまの登場です。出合った日から仲良しな猫さまたちの物語【フレンチ猫(犬)さま】vol.142猫さまの話をもっと聞かせて!ピラットさまは3歳、カライブさまは2歳、共に男性猫さまです。ピラットさまとカライブさまが語ります。僕たちはレユニオン島(インド洋に浮かぶフランス領の島)の小さな家に住んでいます。毎朝、ピラットは飼い主の寝室のワードローブにいますが、飼い主がモゾモゾと動き出したら、ベッドに飛び乗って挨拶してなめ回します。僕たちは『ファルミナ マティス』のカリカリを食べ、『いなば』のちゅ~るがお気に入りのおやつです。乳製品、特にサトウキビ入りのヨーグルトが大好きですが、少ししか許可されていません。地元で採れるエビも大好物です。ピラットは外にいるのが好きです。でも、外出時はいつもリード付きです。飼い主は「ピラットは猫犬だ」とよく言います。呼ばれたらどこにいても飼い主のところに戻っていきます。カライブも外にいるのが好きですが、庭にはあまり行かず、飼い主のそばにとどまります。僕たちは外出できないとき、よくレーザーを追いかけて遊んでいます。飼い主との鬼ごっこで追いかけるのも好きです。ピラットの特技はドアを開けることです。そのため、飼い主はドアをロックするようになりました。飼い主から見たピラットさまとカライブさまとは私はペットショップで働いていましたが、残念ながらやめなければなりませんでした。ピラットは働いていたペットショップからやってきました。そしてカライブは、彼が赤ちゃんだったときに私の庭で見つけました。どうやらそこに置き去りになっていたようです。最初、彼らは仲良くできないのではないかと心配していましたが、初日からとても気が合ったようです。ピラットはわずかな変化にも敏感な猫です。カライブはとても穏やかで愛情深く、コミュニケーションのとれる猫です。彼らは食事に関しては非常にこだわりがあり、何度も食事の種類を変更する必要があったのですが、最終的に今のものに落ち着きました。ピラットは私にとても似ていると思います。私も非常に敏感な人間なのです。今まで私はいつも猫に囲まれて暮らしてきました。これからも猫なしで生きていけるとは思えません。ピラットとカライブは多くの幸福と静けさをもたらしてくれます。彼らが私を必要とするときは、いつでも対応しています。ーーフランスでは「動物愛護法」が施行され、2024年1月からペットショップでの犬さまや猫さまの販売が禁止条例となりました。そのため、動物がショーケースに入れられているようなペットショップは見かけなくなりました。ピラットさまとカライブさまの飼い主もそんな事情があり、ペットショップをやめざるをえなかったようです。レユニオン島は南半球に位置してますので季節は逆です。もうすでに秋に突入でしょうか。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年06月10日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第141回目は番外編=番外犬。ハバニーズのロクシー(Roxy)さまの登場です。眺めのよいアパルトマンに住む犬さまの物語【フレンチ猫(犬)さま】vol.141猫(犬)さまの話をもっと聞かせて!ロクシーさまは3歳の女性犬さま。ロクシーが語ります。私はバルコニーからエッフェル塔、凱旋門、サクレクール寺院が見えるアパルトマンに住んでいます。先住の10歳の元保護猫のウブロン(男性)もいます。朝、夕方、夜とお散歩を3回します。昼間はお昼寝です。夜は先輩猫を追いかけたり、飼い主とソファでまったり過ごしています。お腹が弱いのでドライセンシティブフードをいただいています。おやつはチキン、ベーコンの骨のおやつ、ビーフジャーキーです。飼い主の膝の上は居心地が最高です。抱っこが大好きで、ロープのおもちゃと鹿の角で遊ぶのが好きです。性格はとっても社交的で、人間大好き、犬も猫も大好き!得意技は何か欲しい時にするおねだりダンス。後ろ足で立って前足でちょうだいします。飼い主から見たロクシーさま。私は生後すぐから幼稚園を卒園するまで、毎日祖母宅でマルチーズと一緒にいたので、犬は子どもの時から大好きでした。ロクシーは初めて一緒に暮らす犬です。ブリーダーさんのホームページで見つけて恋をしました。今では子ども同然の存在です。この子がいない生活はもう考えられません。すべてがかわいいですけど、眉毛と目がチャームポイントです。私に似ている共通点もあります。それは、社交的で好奇心が強いところと猫が大好きなところ。一番楽しかったエピソードは、パリからスペインまで10日間のロードトリップです。車で移動して、毎日ロクシーを助手席で抱っこして、いろんな街に行って幸せでした。ロクシーが来てから今まで出会えなかった人達に出逢うことができました。ロクシーのお陰でいろいろなことを学んで、体験できて本当に感謝しています。ーーヴァカンスの時には猫のウブロンさまはお留守番、ロクシーさまは飼い主に同行しいろんな風景を楽しんでいます。今年の夏はどんな思い出を作るのでしょうか!取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年06月04日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第140回目はシャルトリューのロンス(Ronce)さまの登場です。キスができる猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.140猫さまの話をもっと聞かせて!ロンスさまは5歳の女性猫さまです。ロンスさまが語ります。私はアパートに住んでいます。 ずっとアパート暮らしなので、定期的に飼い主の実家に連れて行ってもらい、田舎の芝生で走り回っています。典型的な1日は、目覚ましが鳴る前に飼い主を起こして朝ごはんを頼むことから始まります。午前8時頃に1杯目のカリカリを食べ 、それから昼寝をします。休んだ後は、水槽を見て過ごすのが好きで、何時間も魚を見ています。その後、天気がいい日は日光浴をするか、レーザー光線で少し遊んでもらうか活動はさまざまです。お気に入りのゲームはかくれんぼです。その後、午後7時頃に夕食が始まり、2杯目のカリカリを食べます。通常夕食の直後に「15分間の狂気」を感じて走り回ります。私は窮屈でも小さなかごの中で寝るのが大好きです。昼間は太陽の下、ソファで快適に寝ています。いたずら好きな表情と大きな目で飼い主を魅了しています。飼い主から見たロンスさまとは。私は24歳で、これまでに2匹の猫を飼っていました。私が幼い頃に初めて飼った猫は若くして亡くなりました。その後、両親と一緒にグリブイユと呼ばれる2匹目の猫を飼いました。今年21歳になりますが、今も実家で元気にしています。4年半前、ロンスを養子にしました。1人暮らしを始め、猫を飼うことを考えていましたが、手間がかかるのでその時はまだ自信がありませんでした。ところが、ある日友人から電話があり、夜中に道路の真ん中に捨てられていた生後3か月弱の小さな猫を見つけたと言われました。私の友人はすでに猫を飼っていたので、この小さな猫を飼うことができませんでした。私は彼女に会いに行き、すぐにこの小さな毛玉に恋をしました。それ以来、私たちはひとときも離れていません。いつも一緒です。ロンスはちょっと変わった性格です。小さい頃に捨てられ、人の手を怖がるので、きっと殴られたのだと思います。彼女は子どもの頃、見知らぬ人に対して、そして私に対してさえ、どちらかというと攻撃的な性格でした。私たちはお互い、飼いならすことを学ばなければなりませんでした。成長するにつれて、出会う人々には少々無愛想に接していましたが、私には少しずつ慣れてきました。ロンスは、毎日大きなハグをするタイプではありませんが(でも、ときどきハグをします)、いつも私のそばにいてくれます。私が部屋を移動すると、彼女は私についてきます。彼女は健康上の問題があるため、消化の良い特別なブランドの食事を食べています。ロンスはおやつを避け、食べるものにはすべてに気をつけなければなりません。でも時々プレーンヨーグルトを小さじ1杯あげると、とても喜んでくれます。ロンスはキスの仕方を知っています!前に言ったように、ロンスはヒトの手が怖いので、抱きしめる代わりに頭で彼女にキスをすると、彼女はキスで返事をします。私にとって、ロンスはとても愛しい小さな赤ちゃんです。ロンスは私のことを親友であり保護者と見なしていると思います。ロンスは騒音が多すぎたり、人が多すぎたりするとすぐにひとりになりたがりますが、私もそうです!私のようにまったく恨みをもたない猫でもあります。最も楽しい印象的なエピソードは、2年前、10日間の休暇を取った時のことです。ロンスを猫に慣れている友人に預けました。すべてがうまくいき、引き取って家に帰りました。その夜、ロンスは夜中に私を起こして、ずっとくっついていたんです。この行動に私は驚き、そして感動したので、もう離れ離れにならないと決めました。ロンスは私をとても恋しく思っていたに違いありません。このようにロンスは私にたくさんの愛をもたらしてくれます。そして彼女は私をたくさん笑わせてくれます。私はロンスが私の元に来たことしたことを決して後悔しません。ーーこんな可愛いロンスさまは、過去につらいことを体験したにも関わらず、飼い主の献身的な世話により性格がどんどん変わっていったのですね。手で撫ぜられなくても頭でスリスリする光景も目に浮かびます。そしていかにその猫さまに適した食事を考えるのかも必要だと教えてもらいました。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年06月03日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第139回目はシャルトリューのリオ(Rio)さまの登場です。規則正しい毎日を過ごす猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.139猫さまの話をもっと聞かせて!リオさまは3歳の男性猫さまです。リオさまが語ります。僕はフランス南西部の郊外で、庭付き160平米の家に住んでいます。毎日規則正しい生活をしています。午前6時 : 朝食と庭での短い散歩午前8時~12時 : シエスタ12時 : 昼食午後1時~6時 : 天気が良ければ庭、そうでなければソファでシエスタ午後6時~8時 : 家族と遊ぶ午後9時 : 夕食、テレビの前とベッドでハグ。僕の好物はここの家族が食べるローストチキンとローストポーク(ポテト付き)!特別なお菓子はありませんが、僕はここの子どもたちから食事を少しだけもらう簡単な方法を知っています。食いしん坊で何でも食べます。赤いレーザーポインターを追いかけるのが大好きです。甘える時にはゴロゴロと引き換えにハグを要求します。飼い主から見たリオさまとは。私にとってリオは4匹目の猫です。状況が許すかぎり、私はいつも猫を飼っていました。家猫で子どもに慣れている猫を探していて、自宅からそう遠くない家でリオに直接会いました。リオはその家で生まれました。その家族は、プロのブリーダーではなく、両親の系統を永続させていました。リオの兄弟姉妹は、すでに他の家庭に迎え入れられていたためおらず、1匹の兄弟は母親と一緒に暮らしていました。生後4か月のリオを我が家に迎えました。リオは伝統的なカリカリ(できればシリアルなし)とパテを1日1回ずつ食べます。地元のフランス製で、責任あるブランドのものを購入するようにしています。リオは落ち着いていて、とても人懐っこいです 。彼は私たちの仕事を手伝ってくれます。ガーデニング、料理のときもいつも一緒です。リオは外に出ても近所の他の猫と決してけんかをしません。子どもたちと庭で遊ぶ姿はいかに人生が素晴らしいかを教えてくれます。彼は抱擁と愛撫が大好きです。そして、家族の一員であり、在宅勤務を含め毎日の多くの活動で私と一緒に過ごします。時たま頑固な面を見せますが、私の人生に大きな存在感を与えてくれています。ーーリオさまは大きな家と広い庭で、ストレスのない生活を楽しんでいます。家族のやっていることがいつでもとても気になって後を追います。この家族の中では末っ子でアイドル的な存在のようです。そろそろ狩りの季節ですね。収穫は何か気になります。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年05月28日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第138回目はメインクーンのテオカリ(Teocali)とタトゥイーン(Tatooine)さまの登場です。チャームポイントがおそろいな猫さま姉妹の物語【フレンチ猫さま】vol.138猫さまの話をもっと聞かせて!黒のテオカリさまとトラ柄のタトゥイーンさまは姉妹で、ともに1歳です。テオカリさまとタトゥイーンさまが語ります。左・テオカリさま、右・タトゥイーンさま。私たちはとても似たもの同士で、カラダの色が違ってもお互い鏡を見ているように感じます。眠っていても、どちらかが遊んでいる音が聞こえるとすぐ飛んでいきます。食べることと寝ることが大好きで『ロイヤルカナン』というブランドのメインクーン用のカリカリのみを食べることにしています。食べものは自分たちで管理し、食欲の赴くままに食べます。なので、ボウルの中はいつもいっぱいです。獣医師が選んだ『SV』 ブランドの「猫へのご褒美」と、毛玉防止剤(メインクーンは毛玉を吐き出さないため)を少しずつブレンドします。飼い主たちがパソコンを使用している時、私たちはテーブルのすぐ隣の家具に陣取り、そばに居座ります。飼い主がリビングルームにいる場合、私たちはキャットツリーかソファの上で、夜はベッドの中または飼い主の隣で眠ります。お気に入りのおもちゃはアオウミガメの掛け布団です。とても遊び心があるのは共通しています。タトゥイーンはとても冒険好きで落ち着いた性格です。一方、テオカリはとても怖がりで(犬のように吠える傾向があり)、そこが2人の違いかもしれません。ふざけるときはいつも一緒です。私たちの耳の端とあごの下には「小さな羽毛」が付いています。これが自慢のチャームポイントです。飼い主から見たテオカリさまとタトゥイーンさまとは。以前私たちは2匹の猫、フリプールとエスメを飼っていました。フリプール は2022年6月に亡くなり、エスメはストレスを感じていました。 その後、新しい猫のユキを引き取りましたが、彼が病気だということを保護協会は私たちに教えてくれませんでした。残念ながら、ユキは亡くなり、エスメも病気にかかって亡くなりました。その後、絶望している私を心配して、夫の母親が私たちに美しいタトゥイーンを連れてきてくれて、その後すぐに同じ血統の姉妹であるテオカリを連れて来ました(私たちの猫が亡くなった後、健康な猫を見つける方法についてアドバイスをくれるブリーダーから)。2匹は毎日私たちを愛と喜びで満たして素晴らしい瞬間をくれます。彼女らは私たちに愛、慰め、多くの喜びを与えてくれます。もう彼女らのいない生活は想像できません。過去の試練にもかかわらず、私たちは幸福とは何かを考え、タトゥイーンとテオカリがもたらしてくれる喜びで人生を満たそうと思っています。ーー生まれながらに病気もちの猫さまは少なくないと聞きます。特に血統書がある猫さまは正しい診断をしてからでないと養子縁組をさせないようです。それが信用できるブリーダーの判断の決め手になると聞きます。テオカリとタトゥイーンさまは、健康で似た物同士で、毎日飼い主さまを虜にしています。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年05月27日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第137回目は黒白猫のツネさま(Tune)さま。3度目の正直で本当の家族に出会えた猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.137猫の話をもっと聞かせて!ツネさまはこの5月で2歳の男性猫さまです。ツネさまが語ります。僕はバルコニー付きのアパートに住んでいます。バルコニーで新鮮な空気を吸うのが好きです。他の猫と同じように、多くの時間を寝て過ごします。 飼い主たちとよく遊んで、抱っこも大好きです。僕は『Caats』ブランドしか食べません。 商品構成にこだわるブランドで、お店にはないのでオンライン注文し、家に直接届けられます。日常的にカリカリとパテを食べています。 マグロもたまに出てきますが、そんな時は嬉しさのあまり声が出てしまいます。とても貪欲と言われるのは、飼い主たちの皿から盗むのが上手だから…。キャットツリーの上やベランダで隣人を眺めるのが日課で、大好きです。遊びはもっぱら釣り竿で、走り回って夢中になり我を忘れてしまいます。そんな僕を飼い主は愛情深く、遊び好きの猫と思っているらしいです。どこにでも飼い主たちの後を追い、ひとりでいることはあまりありません。人間にはとても慣れていますが、他の動物は嫌いです。僕は決して攻撃的ではありません。人間たちを一度も引っかいたことがないのが自慢です。飼い主から見たツネさまとは。私は24歳で、仕事をしながら勉強をしている学生です。彼氏と一緒に動物保護協会から猫を引き取ることにしました。 話によると過去に2回飼い主から手放されたらしい猫でした。家に来てからのツメを観察していると、本当に捨てられるのが怖いのだろうと、彼の気持ちがわかるようになりました。この家に慣れたように感じるのに長い時間がかかりましたが、今ではツメが私たちを信頼していることがわかります。私は昔、母と暮らしていた時、2匹の猫と一緒に育ちました。彼らは20歳で亡くなりました。 私は彼らと一緒に大人になったので、猫のいない生活なんて考えられませんでした。私にとって、ツメは人間のようなものです。彼はとても存在感があり、かわいいです。そして、常に私たちから食べ物を盗む計画を立てている非常に貪欲な生きものです。ツメの目はとてもキュートで、否定することはできません。ツメと私のボーイフレンドはよく似ています。ツメは私たちにとても愛着があると思います。過去の経験からか、彼はひとりになるのが好きではありません。そのため、どんなことがあっても手放すことはないからとツメに言い聞かせています。私たちが家に帰ると、彼は私たちをパーティーに誘います。ツメとの最初の夜をずっと覚えています。私たちが最初に彼を家に連れてきたとき、彼は非常に怖がりで疑わしい態度をとっていました。彼をひとりにしないように、私はソファで寝ました。彼は抱擁がほしかったのかもしれません。彼がとても早く私たちを受け入れてくれてとてもうれしかったです。ツメは私たちにたくさんのものをもたらしてくれます。彼は私たちの生活にとって大きな存在です。毎日がとても癒されて楽しいです。過去に猫達と別れた思い出は今でも鮮明に覚えていますが、ツメとの別れの日には、痛みなく、彼の好きな料理をすべて食べさせたいです。そして、私は彼をしっかり抱擁するでしょう。彼が私にもたらしてくれたすべての良い思い出を、私はいつも大切にします。これから20年一緒にいてください!ーー飼い主はもの心つく前から猫さまがそばにいました。そして彼女の成長とともに猫さま達も歳を重ねていったのです。前の猫さまたちは20歳と長寿で、いい思い出しか残っていないと言っていました。そして彼女が親元から離れてボーイフレンドと一緒に飼うツメさまとこれからどんな思い出を作っていくのでしょうか。ツメさま、この飼い主ふたりを見守ってあげてください!取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年05月21日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第136回目はブリティッシュショートヘアのトーキョーさま(Tokyo)さま。飼い主にべったりな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.136猫の話をもっと聞かせて!トーキョーさまはこの夏で1歳になる女性猫さま。トーキョーさまが語ります。私は田舎の平屋に住んでいます。まだ小さいので、エネルギーがすぐに切れて眠くなります。食事は主に『ロイヤルカナン』の子猫用カリカリです。1日に1回、特別に『Cosma』の子猫用の小箱を受け取る権利があります。おやつは『ワニモ』のモーメントハッピーキューブ8個です。起きている時はどこでも飼い主と一緒にいるのが好き!羽のついたボールを投げてもらって遊びます。飼い主は私のことを料理人とか、鍋のおこげと言います。いつも飼い主たちについていき、べったりだからです。得意技は喉を鳴らすことです。話しかけられると、すぐに喉を鳴らして抱っこを要求します。私に見つめられれば誰もが溶けちゃいます。飼い主から見たトーキョーさまとは。あるブリーダーのInstagram投稿でトーキョーを見つけました。彼女が売りに出されているという内容を見て、すぐに私はブリーダーに連絡しました。トーキョーに会って家に連れ帰るのに電車で4時間もかかったのですが、移動中に私たちはお互いを以前からの知り合いのようにしてたくさん遊びました。ここに、私と動物とのつながりかたが見えると思います。トーキョーは私に幸福を与えてくれます。それは飼い主だけが知ることができるものです。まだトーキョーにはそれほど長い歴史はありません。私はブリティッシュショートヘアを飼ってみたいと思っていたので、すぐに彼女を好きになりました。これまでいつも猫を飼っていました。我が子のように心から大切にしていたミミネという猫は16歳で亡くなったのですが、今も遺灰も持っています。猫はあなたからの愛を100倍にして返してくれます。トーキョーは家族がおらずに孤独ですが、彼女は飼い主に感謝しているようです。猫を選ぶのは人間ではなく、人間が猫に選ばれます。トーキョーは夜私と一緒に寝ないのですが、そんなことで私は彼女を責めません。トーキョーはまだ私のところに来たばかりで別れを想像できません。でも避けられないさよならを言う時は、今から時間をかけて考えています。私が以前飼ったすべての猫と同じように、個別火葬して遺灰を回収するか、小さな棺を作って埋めます。動物や人が去ったとき、私たちには思い出しか残らないので、いま私はたくさんの写真を撮っています。ーー猫さま好きの飼い主は今までたくさんの猫さまと暮らしていました。必ず別れの日がやってくるのは覚悟のうえ、毎日を過ごし写真で記録して、代々の猫さまとの大切な思い出と一緒に遺灰を大切に保管しています。彼女が言った言葉「猫はあなたからの愛を100倍にしてあなたに返します」その通りだと、幼いトーキョーさまの写真を見て思いました。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年05月20日ディオール メゾン(DIOR MAISON)から、「プラン ドゥ パリ」モチーフの新作インテリアや雑貨が登場。“パリの街並みを讃える”「プラン ドゥ パリ」モチーフマリア・グラツィア・キウリによる2023年春夏コレクションにて発表された「プラン ドゥ パリ」は、パリの街並みを讃える新モチーフ。創設者 ムッシュ ディオールが偶然、幸運の星「ラッキー スター」に出会ったフォブール=サントノレ通りから、メゾンを象徴するアドレスであるモンテーニュ通り30番地まで、“ディオールとパリをつなぐ場所”を繊細に描いた、ポエティックデザインが魅力的だ。展開アイテム今回展開されるのは、日常をより特別なひと時へと変えてくれる上質なインテリアや雑貨アイテム。「プラン ドゥ パリ」を刺繍で表現したクッションカバーをはじめ、モノトーンでデザインしたウォーターボトル、プレースマット、キャンドルを包む磁器のポットなどがラインナップする。タイムレスな美しさを放つアイテムの数々は、自分へのご褒美にはもちろん、大切なひとへのギフトとしてもおすすめしたい。【詳細】ディオール メゾン展開:ディオール メゾン取扱店舗、公式オンラインブティック・ウォーターボトル 33,000円・スモール スクエア クッション 135,000円・ラージ スクエア クッション 170,000円・ミニチュアキャンドル セット 61,000円・プレースマット 66,000円【問い合わせ】クリスチャン ディオールTEL:0120-02-1947
2023年05月20日日本人が大好きなおにぎりには、おいしい海苔が欠かせません。特にコンビニのおにぎりは海苔がパリパリと食感がよく、手作りのおにぎりより好きだという人も多いのではないでしょうか。しかし、なかなか自宅で再現が難しいのがパリパリ食感の海苔。そこでご紹介するのは、るみる(rumiru_zuborashokudo)さんのInstagramの投稿です。自宅でコンビニおにぎりのようなパリパリ感を出す方法を解説します。 この投稿をInstagramで見る るみる/料理歴15年✨ずぼら楽ちんレシピ✨(@rumiru_zuborashokudo)がシェアした投稿 アルミホイルで簡単にできるパリパリ海苔まずは、アルミホイルの上に海苔を置きます。るみるさんの投稿では、手巻き寿司用の海苔を半分に折って使っています。次に、アルミホイルの両端を折って海苔を包み、ひっくり返します。アルミホイルで海苔を包んだら、マスキングテープを画像のように縦に貼りましょう。おにぎりを包んで「コンビニおにぎり」の完成次に、アルミホイルの上におにぎりを置き、アルミホイルを縦に折っておにぎりを包みます。アルミホイルでおにぎりを完全に包んだら、先ほど貼ったマスキングテープの部分を上から下に剥がしてみましょう。アルミホイルの隙間から海苔の部分が見えるはずです。アルミホイルを取り除く際は、コンビニおにぎりと同じ要領で問題ありません。アルミホイルを全部剥がせば、おにぎりの完成です。この方法は、お米と海苔を分けて持ち運べるため、いつでもパリパリとした食感の海苔が食べられるというメリットがあります。海苔はパリパリ派のみなさんは、ぜひこの方法でおにぎりをつくってみてください。[文・構成/grape編集部]
2023年05月16日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第135回目はスコティッシュフォールドのタンゴさま(Tango)さま。お外で遊んだことがない猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.135猫さまの話をもっと聞かせて!タンゴさまは1歳の男性猫さま。タンゴさまが語ります。僕はフランス中部のリムザン地方の田舎で一戸建てに住んでいます。周りには山と谷、大きな湖など自然がたくさんあるそうです。僕は家猫なので聞いた話だけですが…。そのためか、窓から入ってくる風は、気持ちがいいくらい澄んでいます。僕の1日は、子猫用の特別なカリカリでお腹を満たした後、たくさんの休息をとってたくさん寝て、飼い主とゲームをする毎日です。もちろん愛人(飼い主)への抱擁を忘れずに…。僕はまだ大人用の食事をしていません。飼い主は僕にどこのブランドのパテをあげようか迷っていると言っています。僕のお気に入りのおもちゃは、イヌハッカ(キャットニップ)を詰めた飼い主手作りのドーナッツ型おもちゃです。性格はとても良いと言われています。毛が柔らかくて抱きしめやすく、飼い主が話しかけると反応します。完璧な猫とも言われます! ベッドで飼い主と一緒に寝るとき、僕の喉から出るゴロゴロ音は飼い主にとって子守唄なんだそうです。飼い主から見たタンゴさまとは。個人からのネットワーク広告を介して、タンゴを見つけました。彼は私のことをどう思っているのだろうとよく考えます。彼の小さな青い目が私の目をのぞき込み、彼が頭でスリスリしたときは、私がタンゴを愛しているのと同じくらい私を愛しているに違いないと自分に言い聞かせます。私はタンゴを写真で選びました。その少し前に、養子縁組したばかりの子猫を亡くしたばかりでした。ニーラという名前の愛らしい子猫でした。彼女が亡くなったとき、私はひどい心の痛みを感じました。そして、ニーラをタンゴと置き換えるのではなく、ニーラに対して抱いていた時と同じくらい強い愛を得るために、別の猫を受け入れることにしたのです。私がタンゴと出会った時、彼はとても小さく、腕の中に抱いたとき、タンゴはすぐに喉を鳴らしました。僕のお世話をお願いしますと言っているように。タンゴは私を落ち着かせ、抱きしめたくなるような瞬間があります。それが私の幸せのもとになるんだと思います。彼が去る日について、20歳の誕生日の前には別れたくありません。それをタンゴに伝えることができるように毎日一緒に生きていきます。――飼い主は実は2匹の犬さまと、タンゴさまの前からいるシャドウさまという黒猫も飼っています。タンゴさまを除いて、みんな外に出て遊んでいるようです。飼い主にとって、タンゴさまはちょっと特別な存在のようです。1歳の末っ子でまだまだ手がかかり、そのお世話が、喜びにもなっているようでした。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年05月14日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第134回目は長毛三毛のイシスさま(Isis)さま。きれい好きな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.134猫さまの話をもっと聞かせて!イシスさまは6歳の女性猫さま。イシスさまが語ります。私の家はアパルトマンです。私はとても遊び好きですがたくさんの休息も必要で、1日に約8~9時間は眠ります!寝ていないときは飼い主と一緒にいます。食べ物は、『Edgar and Cooper』のカリカリ(これまでに食べたなかで最高の品質)です。私にはおやつはありません。飼い主は私の健康に悪いと思っているようで、準備した食事は完全であり、おやつは必要ないと言っています。私は今のままで満足なのでこのままで十分です。釣り竿のおもちゃが大好きです!特技はお風呂に入ること。もちろん毛繕いも。私は何時間も自分をグルーミングすることができます。とてもきれい好きなんですよ。そんな私のルックスは妖艶だといつも誉められています。飼い主から見たイシスさまとは私は現在、動物行動教育者になるための訓練を受けています。私が一緒に働いていた女性が2匹の猫をプレゼントしてくれました。まずイシスと出会い、すぐに好きになりました。イシスはとても愛情深く、遊び心があり、親切です。しかし、非常に頑固でもあります。イシスは私の子どものようなもので、私は彼女を無条件に愛しています。私たちはお互いにハグが大好きで、愛情を示しています。イシスは室内飼いの猫で、彼女には、私たちと一緒に住んでいるペッシュという名前のかわいい妹(短毛の三毛4歳)がいます。イシスは独立していますが、ペッシュの世話をするのが好きです。最初は姉妹のように仲が良く、一緒に寝たり、お風呂に入ったりしていました。最近、彼女たちは少し距離を置いていますが、それでも一緒にたくさん遊んでいます。毎日、2匹と一緒に過ごす瞬間が楽しいです。イシスの存在によって、私は動物全般へ愛情をもつことができています。私は彼女のそばで多くのことを学んでいます!私は彼女の行動を観察し、それを分析することで学び、彼女が彼女の人生で最高の気分になれるようにします。イシスがいつ私の元を離れるのかについてよく考えてしまいますが、もちろんできるだけ遅くなるように願っています。私は彼女が老齢で、特に病気で死ぬことを望んでいません。私はイシスに苦しみを与えたくありません。そして、さよならの時は最後までそばにいてあげたいと思っています。――飼い主は動物行動学の勉強中で、それはとても興味深い研究だと言います。そして自宅では2匹の猫さまを観察し、役立つ事柄を記録しています。食事に関しても、いつも最高品質の彼女らに適したものを探しています。毛並みが立派なイシスさまが満足げなのも飼い主のお陰ですね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年05月13日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第133回目はセイクリッドバーマンのタオ(Thao)さま。飼い主と運命的な出会いをした猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.133猫さまの話をもっと聞かせて!タオさまはこの夏で1歳の男性猫さま。タオさまが語ります。僕は庭付きの一軒家に住んでいます。外に出ることはありませんが、家で何でも狩ります。お気に入りの遊びは飼い主達と一緒にかくれんぼをして、お互いを攻撃するふりをすることです。興奮のあまり噛んだりひっかいたりして凶暴になったりもしますが、飼い主達はそんな僕を交わす術を心得たようです。まだまだ狩りは難しいです!!飼い主が在宅勤務中、休暇中、または週末で家にいる場合、僕は飼い主達をつけまわし、たくさん遊んでいます。飼い主達が不在の時は、動かずに7~8時間続けて眠ります。食事はいつも『ピュリナ プロプラン』のカリカリです。特別なときはサーモンのおこぼれをいただきます。おやつは『ウィスカス』のミルク入り。お気に入りのおもちゃはフェルトでできたモグラさん。チャームポイントは、みんな口を揃えて、青い目と、たまにする少し目を細めている表情だそう。それが僕の最大の魅力(武器)らしいです。飼い主から見たタオさまとは私は以前に数匹の猫を飼ったことがあります。前の猫はアシールといいました。彼は黒いノルウェージャンフォレストキャットで、とてもとても素敵な猫でした。彼は昨年の夏に亡くなり、私たちはたくさん泣きました。アシールが亡くなってから、あるブリーダーの小さなメス猫に会いに行ったその日、タオがじっと私を見つめて目を離しませんでした。私はメスを予約中でしたが、家に帰ったとき、タオと彼の姿が頭から離れませんでした。週末中ずっと考えて、そして気が変わって、ついにタオを予約しました。彼と出逢って目が合った日にすでに私の元に来る運命だったのでしょう。性格はとても頑固で、とても好奇心旺盛で、何事にも興味をもち、何も恐れません。 愛らしくて抱きしめたくなる彼は、腕の中でたくさん喉を鳴らします。とても柔らかい毛皮の小さなクマを抱いてるようです。青い瞳、そして毅然とした性格のタオは私にたくさんの喜びを与えてくれます。時に、タオは私たちを笑わせるナンセンスなことをたくさんしますが、家族の中ではなくてはならない存在なのです。――飼い主は、ノルウェージャンフォレストやセイクリッド バーマンなどの毛並みが長くて大きい猫さまが好きなようです。まだ1歳前のヤンチャなタオさまの魅力にすっかりやられてしまったようです。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年05月07日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第132回目はキジトラのオスカー(Oscar)さま。パン・オ・ショコラ(のパン屑が)大好きな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.132猫さまの話をもっと聞かせて!オスカーさまは6歳の男性猫さま。オスカーさまが語ります。僕は庭付きの古典的な家に住んでいます。ソファの背もたれや毛布の上で寝たり、起きている間は外の鳥にニャーと鳴いたり、犬や妹にちょっかい出したりしています。僕は食事の好き嫌いが激しいです。毎日主にカリカリを食べていますが、飼い主が毎朝食べるパン・オ・ショコラが一番大好きで、毎回生地の残り(パン屑ですが)をもらっています。おもちゃはあまりもっていないですが、ストローや小枝など、日常で発見できるもので遊ぶのが大好きです。小さい頃から飼い主の肩に乗って甘える特技があります!大きくなった今でも飼い主だけにそれをします。そして飼い主に抱きしめられるのが好きです。飼い主から見たオスカーさまとは私は以前に数匹の猫を飼っていました。オスカーは、そのなかの猫からこの家で生まれました。ティンカーベルという名前の黒猫でした。オスカーには、一緒に住んでいる妹のオルフェがいます。どちらも戦うのが好きですが、素晴らしく仲良くしています。オスカーはちょっとシャイだけど優しい性格です。壁をこするのが得意で、大きな突き出た目をしています。彼は不機嫌そうな顔をしながら、鳥や犬に向かってくすくす笑うのが好きで、それが面白いです!オスカーは私の人生をいつでも幸せで満たしてくれます。彼と一緒にいるととても気分がいいのです!体は柔らかくて愛撫するのが楽しいです。まだ将来のことは考えてはいないのですが、もしもお別れの日が来たら、彼を野原に埋めようと思います。そして、さよならを言うために彼にいくつかの言葉を書き残そうと思っています。――飼い主は22歳の女性です。趣味は読書、漫画も大好きとのこと。ジグソーパズルも漫画のキャラクターが多いそうです。もちろんオスカーさまも一緒にお手伝いしています。そして完成したその上に居座り、自分が作り上げたかのような表情をするらしいです。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年05月06日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第131回目は番外編=番外犬、ジャック・ラッセル・テリアのエド(Edo)さまの登場です。日本にちなんだ名前の犬さまの物語【フレンチ猫(犬)さま】vol.131猫(犬)さまの話をもっと聞かせて!エドさまは13歳の男性犬さま。エドさまが語ります。僕の家はパリ郊外の印象派ゆかりの地にあります。日々のお散歩は四季を感じる自然たっぷりのセーヌ川沿いがいつものコースです。鴨や雁を追いかけたり、他の犬と遊んだりするのが大好きです。たまにネズミやハリネズミを見つけると、我を忘れて狩猟犬の本能で噛みついて捕まえてしまいます。寒い冬の朝はゆっくり起きて10時ころから1時間ほど散歩に行きます。その後は、日なたでずっとお昼寝をして、15時ころにお昼を食べてから、また1時間ほど散歩に行きます。家に帰ってきてから場所を変えてまたお昼寝をして、17時になるとお腹が空いて騒ぎだしますが、夜ご飯の18時まで我慢します。夕飯を食べてからは、帰ってきた家族にチヤホヤされたり家族の夕食をおねだりしたりします。もらえることはありませんが。22時頃にその日の最後のお散歩に行って、誰かのベッドに潜り込んで暖かくして朝までぐっすり寝ます。いつもの食事はシニア犬用のカリカリをお湯でふやかして、ゆでた鳥のささみとにんじんをトッピングしてもらいます。年齢を考慮して、犬用のハーブと魚オイルも最近足してもらうようになりました。たまに炊きたてのお米をいつものご飯に少し混ぜてもらいます。散歩中は、飼い主がポケットに隠し持っている(もちろんあることは知っています)サーモン味のカリカリをもらいます。 りんごの皮や、きゅうり、スイカ、バナナも大好きです。冬は日の当たる窓際のクッションの上か、ここの家の娘たちのベッドに潜り込みます。夏はベランダのトランザット(長椅子)の上から、下の景色を眺めます。お気に入りのおもちゃはグレーのゾウさんのぬいぐるみです。遊ぶというよりは枕にしています。遅まきですが、12歳になってからお手を覚えましたよ。飼い主から見たエドさまは?私の犬遍歴は、小学生の頃、姉が保健所から黒柴をもらってきたのが始まりです。その後、姉がシェパードを連れてアメリカから帰ってきて、今、日本の実家では柴犬を飼っています。エドは普通のジャック・ラッセル・テリアと比べると足が長く短毛なので、若く見られます。2010年生まれで、最初は義両親が飼い始めました。義母が、息子の妻が日本人であることにちなみ、日本リスペクトで江戸からエドと名付けました。月に2回は会ってお散歩をしたり遊んだりしていましが、2021年に義両親が相次いで亡くなり、忘れ形見として我が家にやってきました。 20年以上お世話になった義両親の形見であり、2人を突然亡くした悲しみ、喪失感を癒してくれる存在でした。今は、私にとってはいつも一緒にそばにいてくれる相棒です。とても優しくて、人間にも犬にも愛想がよく、社交的です。誰かの家のドアが空いていると、自分の家のように入っていきます。嬉しい時に手で顔を擦る仕草が、恥ずかしがっているようでかわいいです。2022年のバカンスは一緒に2週間、南仏ドライブ旅行に出かけました。知らない街を散歩したり、川に入って泳いだり、ホテルでもレストランでもいつも一緒で楽しかったです。私は1年間、無職生活を送っていましたが、毎朝きちんと起きて1時間の散歩をするというリズムを作ってくれたことに感謝しています。いつも寄り添ってくれて無償の愛の大切さを教えてくれています。――パリ郊外のセーヌ川沿いに近いお宅で過ごすエドさまはとてもいい環境で生活しています。都会と比べて自由に散歩し、遊べるのは最高のことですね。今年のバカンスはどこへ行くのでしょうか?エドさまにとっても今から楽しみですね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年05月03日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第130回目は黒白猫のテルマ(Thelma)さま。飼い主との出会いは運命だった、猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.130猫さまの話をもっと聞かせて!テルマさまは1歳の女性猫さま。テルマさまが語ります。私の1日は、飼い主と同じ時間に起きて、食事をとることから始まります。それから窓の前に立って、庭と通りを眺めます。その後、ベッドで居眠りをしてお昼には元気に目を覚まします。犬のタリアと遊んだり、家の中を走り回ったりしています。その後、昼寝を再開し、午後4時頃に起きておやつを食べ、また遊びます。夕方になると、静けさを利用して再び眠り、飼い主を抱きしめます。夜は一緒に寝て、一晩中飼い主の腕の中で過ごします。私は何か悪いことが起こるのではないかと心配して自分からは家を出ませんが、それでも10メートルのリードを持った飼い主と一緒に庭に出ることがあります。食事は主に『メゾン ムーラン』のチキンナゲットを食べています。食べる量を減らしても不満なく食欲が増すように、遊び心のあるボウルに入れてもらっています。好物はチキンフィレのソース付きパテ、鶏肉と乾燥ムール貝です。特に落ち着く居場所はキャットツリーの最上階です。冬は暖房のそばで暖を取りながら、友人のタリアに守られて眠ります。窓のハンモックに座るのが大好きで、庭の鳥を見ながら日光浴をすることができます。お気に入りのおもちゃは、先にぬいぐるみのクモが付いた釣竿です。私は人間にとても愛着があり、とても愛情深い猫と言われています。抱っこが大好きで、部屋に一人でいるのは好きではありません。不器用で、飼い主を笑わせることもあります。信じられないほど親切で賢く、太陽の光のようだと飼い主が言っています。得意技は見事なジャンプをすること!飼い主は写真を撮りたがっていますが決定的ショットは毎回逃しています!飼い主から見たテルマさまとは。テルマは私の最初の猫です。私はいつも犬を飼っていて、猫もかわいいと思うと同時に、自立しすぎて私には向いていないと思っていました。ある日、子猫の悲痛な鳴き声を聞きました。私がテルマを見つけたのは、生後わずか6週間のときでした。彼女は隣人の車のエンジンの中に隠れていて、彼女を救出するのに24時間かかりました。彼女が誰かのものなのかを確認しましたが、この可哀想な子猫は捨てられているようでした。彼女はとてもかわいくて、抱きしめたくて…我慢できず、飼うことにしました。彼女を迎えに行ってからわずか5日後、11歳のキャバリアキングチャールズ犬のFybeeが亡くなりました。悲しみに明け暮れ、つらい時期でしたが、テルマがいてくれたお陰で大きな助けになりました。彼女の存在、抱擁、おふざけは私の心を慰め、元気づけてくれたのです。それは私たちをより親密にしたエピソードであり、非常に強い絆を築きました。彼女は私の人生に偶然入ってきたのではないと思っています。彼女が来てから1か月半後、テルマより1か月遅く生まれたタリアと名付けた子犬を引き取りました。彼らはすぐに仲良くなりました。よく一緒に遊び、ケンカもしません。テルマは時々、タリアに寄り添ったり、一緒に寝たりしようとしますが、タリアは遊びに夢中です。テルマはタリアをとても気に掛けています。タリアが咳をしたり病気になったりすると、彼女は走ってきて、何が起こっているのか、すべてが大丈夫かどうかを確認します。テルマは私たちと一緒にたくさんのことをしてきました。自転車に乗ったり、一緒に休暇をとったり…彼女とならどんな状況でも簡単に気楽に過ごせます。私たちと共にテルマにはもっと多くのことを体験してもらいたいです!テルマは私のことをとても気に入っていると思います。彼女はとても幼い頃、母親から引き離されたので、私は彼女の母親代わりです。テルマと私にはいくつかの共通点があります。私たちは知らない人に対してとても人見知りをします。そして、私が彼女を愛しているのと同じくらい、彼女も私を愛しているのだと思います。テルマは私にとって本当のお手本です。私は不安を抱えてしまうことが多いのですが、テルマの静けさと知恵に学ぶことが多く、彼女の存在だけで心が落ち着きます。 そして彼女は私にたくさんの幸せをもたらしました。彼女のおかげで、私は猫と出会えて本当に良かったと思っています。テルマの好きなところは目です。彼女の視線で溶けてしまいます。テルマは私にとって本当の太陽です。――テルマさまとの出会いはとてもドラマチックな展開になりました。捨てられた猫さまの救出、愛犬との別れ。飼い主にとっては塞ぎ込んでしまう毎日も、テルマさまの輝きで救われたのですね。まさに猫さまマジックをもったテルマさまですね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月30日ゴールデンウィーク真っ只中に何をしようかと悩む人も多いと思いますが、有意義な時間を過ごしたいときにぴったりなものといえば映画鑑賞。そんなときにオススメの1本は、さまざまな悩みを抱えつつも一生懸命に生きている女性を描いた注目作『それでも私は生きていく』です。そこで、こちらの方々にお話をうかがってきました。パスカル・グレゴリーさん & メルヴィル・プポーさん【映画、ときどき私】 vol. 575フランス・パリを舞台に、シングルマザーとして奮闘するサンドラを主人公に描いた本作で、アルツハイマー病を患っている父ゲオルグを演じたパスカルさん(写真・左)と、サンドラと惹かれ合っていく友人クレマンを演じたメルヴィルさん(右)。ベテランならではの見事な存在感を発揮しつつ、いずれも物語のカギを握る重要な役割をはたしています。今回は、一緒に来日したおふたりに、作品への思いやお互いの印象、そして困難との向き合い方などについて語っていただきました。―まずは、おふたりが本作への出演を決めた理由から教えてください。メルヴィルさんそれは、サンドラ役のレア・セドゥとの共演と、ミア・ハンセン=ラブ監督と一緒に仕事がしたかったからというのが最初の決め手です。レアに関しては、彼女が若い頃からよく知っていますが、いまやフランス映画界のみならず世界の映画界を代表する俳優の1人となりました。それほど魅力的で美しく、そしてミステリアスな存在なので、今後もすごく楽しみにしているところです。そして、監督については、彼女の作品が好きだったというのもありますが、作家主義的でエリック・ロメール監督のような「いかにもフランス映画」という作品を撮れる監督だと思っています。パスカルさん私もいまメルヴィルが言ったのと同じで、「レアと一緒に仕事をしてみたかった」というこれに尽きます。そして、その期待通りでした。これまでの彼女は、どちらかというと作り込んだような洗練された役が多かったかもしれませんが、今回演じたのは等身大の女性。リュックを背負って歩いたり、いろんな冒険をしたり、勇気を持って行動をしたりと、普通の女性を魅力的に演じている姿にとても感銘を受けました。演じる難しさは、いつも感じている―それぞれのキャラクターについてもおうかがいしますが、パスカルさんが演じたゲオルグは病を抱えていることもあり、苦労した部分もあったのではないかなと。どのようにして役作りをされましたか?パスカルさん病気を患っている人物を演じるという意味では、確かに肉体的な挑戦や複雑なところはたくさんありました。という話をすると、観客のみなさんは病気の役を難しいと思うかもしれません。でも、普通の役も同じくらい難しいものなので、正直に言うと私にとってはいつもと変わりませんでした。今回は、監督のお父さんが実際に病気だったときの様子を収めたテープも聞かせてもらったので、そういったところから役作りの着想を得ています。―メルヴィルさんが演じたクレマンは、迷いや悩みを抱えている人物なので繊細な表現が求められる役どころでしたが、監督は「的を得た演技をしていて理想的な俳優だと心から思った」と話されています。演じるうえで、意識されたことはありましたか?メルヴィルさんこの作品は、監督自身が経験した人生の一部を描いていることもあって、彼女の頭のなかで厳密に出来上がっているのを感じました。実際、セリフの言い方ひとつにしても、細かいこだわりがあったほどですから。なので、今回は私が勝手に想像して演じるのではなく、彼女が描いているものに忠実に演じようと考えました。彼女自身にもこの役と同じような恋人がいるのですが、その人が私と似ているようなので、そんなところからもアプローチをしています。クレマンという人物は、サンドラにとっては希望や愛の喜びを再認識させてくれる救済者であり、“白馬に乗った王子様”みたいな男性。初めは理想主義的なところがどうかなと思ったこともありましたが、演じているうちにいろんな深い側面も見えてきたので、最終的には複雑でとてもいい人物像に仕上がったと感じています。パスカルは自分にとって、共感できる存在―ananwebでは、ミア・ハンセン=ラブ監督にも別作品で取材をしたことがありますが、非常に才能がある方で、これからのフランス映画界には欠かせない人物だと感じました。一緒にお仕事をされてみて、印象的だったことがあれば教えてください。メルヴィルさん実際の彼女と彼女が与えている雰囲気には、ギャップがあると思いました。というのも、彼女はすごく優しくてちょっとシャイなところがあるんですが、物事をはっきりと言うところもあって、自分がほしいものが何かをすごくよくわかっている人です。現場では、いろんな指摘をたくさん受けましたし、何度も撮り直しをしたこともあったので、壊れやすくて繊細のように見えますが、仕事においてはまったく違う印象を受けました。でも、私は監督の考えにはすごく共感していましたし、強い信頼関係が生まれたと思っています。パスカルさんこれまでに彼女の映画は観ていたので、作品を通して彼女の人生に対する見方や姿勢がどういうものかは感じていました。私の場合、通常は映画の撮影が終わると監督とは会わなくなることが多いのですが、彼女は例外でいまでも会ったり、電話で話したりすることもあるほど。いままでにロメール監督をはじめ数名の監督とはそういうこともありましたが、普段はあまりないことないので、彼女とは深いところでお互いをわかり合うことができているのだと感じています。―本作では、おふたりの共演シーンは少なかったですが、お互いの印象などについてお聞かせください。メルヴィルさん随分前ですが、私たちはロメール監督の作品で1回共演したことがありました。彼の現場というのは、キャストもスタッフもみんな家族の一員のようになるので、いい雰囲気のなかで出会ったおかげでいまでも友達と呼び合えるような間柄です。それに、私たちは作品の選び方も似ているところがあるので、そういう意味でも共感できる存在だと感じています。パスカルさんメルヴィルは本当に素晴らしい人ですよ。かっこいいし、考え方がエレガントだし、頭もいいし、最高の俳優であるとも言えますね。私は俳優っぽくない俳優が好きなのですが、彼もその1人だと思っています。日本からは、毎回カルチャーショックを受けている―それでは、日本についてもおうかがいしたいのですが、どのような印象をお持ちですか?メルヴィル日本に初めて来たのは25年前までさかのぼりますが、そこから10回くらい来日をしています。一番最近は10年前で、私が出ている映画のイベントに招待してもらって、東京や京都を訪れました。私は日本が大好きなので、呼ばれればいつでも来たいと思っています。なぜ日本が好きかというと、フランスとはまったく違う別世界のようだから。特に東京は未来的で、建物や車、電車などがSFみたいなところもあるのでそれがとても楽しいです。あとは、日本のみなさんがとても親切で優しくて繊細なので、そういうところにも癒されています。パスカルさん私は今回で4回目の来日で、仕事だけでなく個人的な観光旅行でも訪れていますが、毎回たくさんのカルチャーショックを受けています。私も東京や京都をはじめ、さまざまな都市に行きましたが、アジアならではの異国情緒や街によって異なる側面を見ることができるのが楽しいところです。―おふたりとも子どもの頃から俳優というお仕事を続けていますが、長年にわたって活躍されるうえで心がけていることはありますか?パスカルさん秘訣というのは、特にないですよ(笑)。というのも、私自身は俳優としてのキャリアや理想像について考えたことはなく、すべては偶然の出会いによるものだからです。もちろん、仕事は一生懸命していますが、基本的にはいろんな人との出会いによってここまで来れているのかなと。ロメール監督の有名な言葉に「すべては偶然から始まる」というのがありますが、私も偶然によって運命が決められているように思うので、流れに身を任せている感じです。メルヴィルさん私もパスカルと同じで、偉大な演出家や監督との出会いに尽きると思っています。俳優のなかには、「いまこの監督が売れているから出演しよう」みたいな感じで作品を選ぶ人もいますが、そういう仕事の仕方では長続きはしません。本当に素晴らしい方々との出会いが私のキャリアを作ってくれているのです。人生には奇跡のようなことが起きると感じている―誰の人生にも、サンドラのようにさまざまな困難が立ち向かってくることがあります。そういうとき、経験豊富なおふたりがどのようにして乗り越えているのかを教えてください。パスカルさんまずは、あまり過去を振り返らないことです。過ぎたことを後悔するよりも、つねに未来のことを考えるように心がけています。ときには身近な誰かが亡くなる場合もありますが、ほかの人たちは生き続けなければいけません。人生においては命を守ること、そしてなるべく周りのことに翻弄されることなく純粋に生きていくことが大切ではないかなと。それが若さを保つことにもつながると考えています。メルヴィルさん人生というのは、何が待ち受けているのか誰にもわかりません。でも、困難な状況に陥っても誰かと出会うことで希望を持たせてもらえることがあります。そんなふうに、ある日のたった1つの出来事ですべて変わってしまうこともありますが、それこそが人生です。私が演じたクレマンがまさに“希望の象徴”のように描かれていますが、難しい時期に直面したり、悲しいことがあったりしても、人生には奇跡のようなことが起きて視界が開けていくこともあるんだなと私自身も感じています。インタビューを終えてみて…。大人の落ち着いた雰囲気がありつつ、ときおりお互いを見て笑い合う姿も素敵だったパスカルさんとメルヴィルさん。「これからはもっと共演したい」とも話されていたので、フランス映画界が誇る名優でもあるおふたりの共演作がこれからもたくさん観れるのを楽しみにしたいと思います。それでも前を向いて生きていくどんなにつらいことがあっても、その先には“美しい朝”のような希望が待っていると感じさせてくれる本作。仕事や恋愛、そして家族との向き合い方に日々悩みながらも、自由に生きようとする女性の姿は、自分の人生において何が大切なのか考えるきっかけを私たちにも与えてくれるはず。写真・TOKIO IEHARA(パスカル・グレゴリー、メルヴィル・プポー)取材、文・志村昌美ストーリー夫を亡くしたあと、通訳の仕事に就きながら8歳の娘リンを育てているシングルマザーのサンドラ。仕事の合間には、病を患う年老いた父ゲオルグの見舞いも欠かさなかったが、かつて教師だった父の記憶は徐々に失われ、自分のことさえも分からなくなっていた。彼女と家族は、父の世話に奮闘していたが、愛する父の変わりゆく姿を目の当たりにして、サンドラは無力感に押しつぶされそうになる。そんななか、サンドラは旧友のクレマンと偶然再会。知的で優しいクレマンと過ごすうち、いつしか2人は恋に落ちていくのだが…。心を動かされる予告編はこちら!作品情報『それでも私は生きていく』5月5日(金・祝)より 新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開配給:アンプラグド
2023年04月30日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第129回目はオリエンタルショートヘアのロキ(Loki)さまとサイベリアンのモジョ(Mojo)さま。素敵な別名がある猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.129猫さまの話をもっと聞かせて!ロキさまは8歳、モジョさまは4歳でともに男性猫さまです。左:モジョさま、右:ロキさま。ロキさまとモジョさまが語ります。僕たちは110平米のアパートに住んでいます。この家は僕たちに合わせて改装されました。キャットツリー、爪とぎ柱、たくさんの寝る場所、そしていたるところにおもちゃがあります。飼い主がテレワークの日は、7時30分頃にモジョが飼い主を起こしにベッドに行き、1日が始まります。その頃、ロキはキャットツリーでまだ寝ています。8時30分頃、窓のシャッターが開けられます。その間、僕たちはあちこち走り回っています。飼い主はしまってあるボールを出さなければなりません。10時30分頃、ロキは飼い主がコンピューターの前にいることに腹を立て、玄関の外でニャーと鳴き始めます。すると、飼い主は遊ぶためのトレイを引っぱり出します。午後は飼い主が仕事に集中できるよう、羽ばたきを出してもらって疲れ果てるまで遊びます。それから5時まで静かにしていて、また遊びが再開します。実際、僕らの行動はテレワークになる前のスケジュールのままです。夕方にはハグの時間と、必要に応じてモジョのブラシストロークがあります。週末は、飼い主と一緒に静かに楽しむ時間が増えました。僕らが共通して好きな食べ物は乾燥した肉です。そして僕らには、ロキがコウモリ、モジョはテディベアという別名があります。飼い主から見たロキさまとモジョさまとは。実は私、猫アレルギーなんです!ロキは私にとって初めての猫で、彼と接触するのが心配で、パートナーと一緒に野良猫よりもアレルゲンの少ない純血種の猫を引き取ろうと考えていました。当時、私たちは学生で、猫を経済的に支援することはできましたが、子猫を引き取る予算はありませんでした。それで、私たちは保護すべき純血種の猫や子猫を探すことにしました。数週間後、ロキの里親募集がありました。彼の飼い主は重病で、6匹の猫と別れなければならず、世話をする新しい家族を探していました。私たちは彼に会いに行き、その日の夜に私たちの家族となりました。私はアレルギーがありましたが、彼との接触で少し落ち着きました。3年間一緒に暮らし、ロキにとって毎日の生活が満足いくものではなく、退屈していることがわかってきました。数か月前から別の猫を引き取ることを考えてはいましたが、ロキの行動を考慮して、ついに新しい猫を探し始めました。アレルギーのため、呼吸器専門医から推奨された低アレルギー性サイベリアン種のブリーダーに相談に行きました。私たちは、ロキの強いキャラクターに合った女性猫を探していました。ブリーダーを訪ね、他の子猫よりも活発で、機知に富んだ子猫、モジョに会いました。モジョは人間に対して恥ずかしがり屋でしたが、兄弟に対してはケンカを挑み、自分の欲求を通す大物でした!3か月半後、モジョは私たちの家族に加わり、その2日後、ロキはモジョを受け入れました。今日では彼らはお互いを崇拝し、すべての行動を共にしています。寝る、遊ぶ、食べる…彼らはとてもかわいいです!彼らは新しい味、新しい食感を発見するのが大好きなので、彼らに新製品のごはんをあげて、反応を見るのは楽しいです。モジョを家に迎え、ロキがモジョを見つけて優しくなり、美しい関係を築いたのはとても素敵なことです。モジョは消化器系の問題を抱えているため、医療用のパテを、ロキは小さい粒のカリカリを食べます。ロキはとてもダイナミックで、おしゃべりで、抱きしめたくなる猫です。 彼は遊ぶのが大好きで、私たちにたくさん質問してくれます! 彼は私たちとたくさんのコミュニケーションを取り、ニャーと鳴いてその日のことを話し、私たちが話しかけると反応します。そして彼は、私たちにいつもハグを求めます!止まらないダイナミックな愛撫、面白すぎる!モジョはテディ猫です。みんな「なんて可愛いんだろう」と言います。まさにかわいい猫ですし、実際はそれ以上です。彼は非常に率直で、とてもいい猫です。でも引っ掻くクセがあります。ハグしたいときは頭突きをしに来ますし、遊びたいときはおもちゃを持ってきてくれます。ロキは繊細で、家の雰囲気や変化を察知し、適応します。彼は学ぶことも大好きで、多くの動作(座る、登る、降りる、前足を動かす、美しいことをする…)ができて、スケートボードの乗り方も知っています。モジョは、前のアパートに住んでいたとき、トイレのドアを開けたままにしておくと、トイレットペーパーを取り出して思いっきり遊んでいました。ロキのチャームポイントは、おしゃべりで、私たちとたくさんコミュニケーションを取っていることです。 私たちが彼に話しかけると、彼は鳴き声を上げて私たちに答えます。それは愛らしい姿です!そしてモジョのチャームポイントはルックス。素朴な子猫のようで、とてもかわいいです!モジョは私の配偶者によく似ています。モジョは、私がいつも彼を構いに来て迷惑だと思っているに違いありません。でも、それは彼がとてもかわいいからです!私は彼に食事ををあげるので、彼も私が好きだと思います。彼は私にハグを求めに来て、キスもしてくれます。ロキはいつも私と同じ部屋にいて、2 メートル以内の距離にいるので、彼は私を慕っているような気がします。彼はどこでも私についてきて、私の居場所を探し、ハグを求めます。彼も私によく話しかけてくれます。私たちの猫は、家の中心です。彼らがいなければ家は空っぽです。――飼い主は猫さまの話をすると止まらなくなります。猫さまの様子は2人のホームページでも発信しています。猫さま好きでアレルギーのかたも多いですが、飼い主の努力によって新しい人生を見つけられたのは、猫さまがもつ抗えない魅力のためなのではないかと思います。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月29日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第128回目はシャルトリューのスシ(Sushi)さま。ちょっと変わった名前の猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.128猫さまの話をもっと聞かせて!スシさまは2歳の女性猫さま。スシさまが語ります。私の本名は長くて、火花の寿司(Sushi de l’étincelle)という風変わりな名前です。飼い主が何の仕事をしているのかはわかりません。彼女はオフィスに行くこともあれば、自宅で仕事をすることもあります。彼女は多くの人と話をし、ビジネス上のさまざまな問題についてアドバイスしているようです。彼女の名前はNadとかそういう名前です。タウンハウスで暮らしていて、家にいる3人のうち誰かと一緒のときだけ行くことができる庭があります。私はそこに散歩に行くのが好きです。しかし、私は花粉にアレルギーがあるようで、この庭で毎回くしゃみをします!!私は、毎日飼い主を見て過ごしています。私はどこでも彼女を追いかけます。彼女が朝起きたら、私も起きます。魚料理の準備を少しは手伝いたいのですが、私は何もできません。彼女が私の欲求をわかっていないときは、どうやって伝えるか戦略を練ります。彼女がコーヒーを飲むとき私に食べ物を見せるやいなや、私は音を立てて猛ダッシュで突進します。私は落ち着いているように見えて、彼女のことを考えています。ちょうどいいところを引っ掻く小さな枝が付いた木製のオブジェで遊びながら、朝ストレッチを行います。それから、私はたくさん休んで、食べて、遊びます。特に、テレワーカーが彼女の近くにいるときは、やる気を出して気を引く努力をすることもあります。大好物はサーモンのカリカリ。私は本当に食通です。飼い主の食事中、おこぼれをもらえるまで静かにそばにいます。彼らが反応しないか反応が遅すぎる場合、鋭い爪で脚を引っ掻きます。それはよく効きます。もらえるものはなんでも、グリーンサラダでも、何でも大好きです!遊びはすべてを楽しんでいます。飼い主の足にじゃれることや、小さなリボン、紙切れ、ベルが入った音が鳴る小さなボールが大好きです。飼い主はそれを投げ、私はそれを取って戻ります。同居中のウサギ(Thaïsという名前)にもたまにはちょっかいを出すんですが、反応が悪いのですぐ飽きてしまいます。でもお互いをよく許容し、よく観察しています。私のチャームポイントは、いつでも優雅なところです!飼い主から見たスシさまとは。スシにはちょっとした問題があったので、私以外は誰も彼女を欲しがっていませんでした。首に白い斑点があるのです。スシは2021年4月に生まれました。スシは強く、信じられないほどの優しい性格だと思います。いつも自分のしたいことをしていて、抱きしめられるのは苦手で、キスも好きではないようですが、一方、なでてもらいたいときははっきりと要求します。頭を私の脚にこすりつけたり、指をなめたり、時々私の髪を噛んだりしていつも私の隣で寝ています。そして、いつも名前を呼ぶと応じてくれます。多分それは魚を連想させるからでしょう。私がいつも彼女の面倒を見てくれることへの敬意も持ち合わせています。彼女にとっては私は代理母です。愛を共有した人生の美しい教訓です。これからもスシがどのように感覚を発達させていくのかを見続けていきます。ーーシャルトリュー種といえばオールグレー色と決まっていますが、スシさまの首元の白い斑点は素敵です。家にはいつもお花が飾られていて、それもおもちゃになってしまっています。この季節はまだまだ花粉が舞うので気をつけてください!取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月23日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第127回目はキジトラのマルセル(Marcel)さま。独占欲強めの猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.127猫さまの話をもっと聞かせて!マルセルさまは6歳の男性猫さま。マルセルさまが語ります。僕はリヨンのダウンタウンにあるアパートに住んでいます。石とむき出しの梁が特徴の古いアパートです。僕は完全な家猫です。外出するのが好きではありません。朝は6時半頃に飼い主たちを起こしてまずは朝食です。食べる事が大好きで、食べ過ぎてしまうので、飼い主は特別な食事用のボウルを買わなければなりませんでした。それから遊んだり、昼寝をしたり、窓際で人々を観察したりします。そして夕食を食べてから、飼い主と一緒に布団に入ります。魚のカリカリを食べますが、肉や鶏肉はあまり好きではありません。パイナップル、キヌア、そして「喜びのコロッケ」と言われるアヒルの切れはしと、サーモンのパテが好物です。時々飼い主が食べるサーモンのはしっこをもらうこともあります。クリスマスパーティーの前には自分用のアドベントカレンダーが用意されて、毎日さまざまなおやつが出てきます。この時期は1年で一番幸せな季節です。僕は飼い主のお腹の上にいるのが好きです。毎晩飼い主のお腹の上で寝ています。ハンモックがあって、そこでの飼い主との昼寝は最高ですよ。ひとりだったらキャットツリーや服を入れる引き出しも大好きです。とにかく飼い主だけを愛しています。他の人があまり好きではなく、すべての人から抱きしめられたいわけではありません。性格は、愚かなことをせず、落ち着いていて、やりたいことをやっています。そうでなければ、飼い主と一緒にいます。のどをゴロゴロ鳴らしに行って、飼い主の顔をなめます。飼い主の夫に少し嫉妬していて、二人が仲良くしていると不機嫌になるのです。飼い主から見たマルセルさまとは。マルセルは3歳のときに我が家にやってきました。もともとは私たちの隣人の猫でした。ある日、エレベーターで隣人に会った時、猫を飼うつもりがないか、と尋ねてきたので、私は即イエスと答えました。そして翌日、マルセルが私たちの家にやってきました。マルセルの子猫の頃は知りません。彼は2019年11月に私たちの元に来てから、私たちに慣れるまでに数か月かかりました。その後、コロナが蔓延して3か月間家に閉じ込められて、マルセルは私たちと四六時中一緒にいました。私たちが毎日家にいるので、彼は私たちととても親密になり、私たちはずっと彼の世話をしていました。それから私たちは別のアパートに引っ越しました。彼はそこをすぐに気に入りました。走り回るスペースがあり、隠れ場所が多いからです。彼が最初の飼い主に手放された理由は、飼い主が旅行が好きだったからかもしれません。私たちは休暇に旅行に行くのが好きではないのです。彼はいつも見捨てられることを恐れています。 そして彼と私はお互いにとても愛着があります。彼の丸顔と大きな青い目が大好きです。フレンドリーでとても表情豊かだと思います。マルセルは私をとても愛していて、私は彼にとって重要な存在なのだと思います。彼は私と一緒に過ごすのが好きで、私を母親のように見たり、しもべのように見たりしています。最高の時間は、彼が私のお腹の上に来てのどを鳴らす毎日の昼寝の時間です。マルセルは私にたくさんの愛と甘さを与えてくれます。私は彼と遊ぶのが大好きで、彼は家族の一員であり、彼がお腹に乗っかってくれないと眠れません。また同時に何もしないことが素晴らしいということも教えてくれます。彼は一日中何もせず、とても幸せです。ですから、時間や物事に追われている時、私はマルセルが落ち着いて休んでいるのを見て、私も同じことをします。私を落ち着かせる方法でもあります。私にとって、マルセルは地球上で最も完璧な猫です。もしもマルセルが存在しなくなったらマントラを唱えて、小さなタトゥーを入れて、いつも一緒にいようと思います。――とにかくマルセルさまは飼い主のことが大好き!飼い主の夫に嫉妬すると聞いて独占欲の強いマルセルさまは飼い主以外は受け付けないのだと知りました。3歳までどんな生活を送ってきたかは不明ですが、この甘えさせてくれる飼い主と出会えて本当に幸せなマルセルさまです。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月22日ロッテのチョコ「紗々<はちみつ紅茶>」が、2023年4月25日(火)に発売される。「紗々」"はちみつ紅茶”の新フレーバーパリパリとした軽やかな食感の人気チョコレート「紗々」から、“はちみつ紅茶”の新フレーバーが到着。ホワイトチョコとビターチョコに加え、甘くふわりと香るはちみつ紅茶チョコの全3種を、細い線状で構成しているのが特徴だ。口の中で"ほろほろ”と溶けていく口どけも相まって、ちょっぴりリッチな味わいに。チョコは全て個包装で包まれているので、友人とシェアして楽しむのもおすすめだ。【詳細】「紗々<はちみつ紅茶>」発売日:2023年4月25日(火)発売地区:全国内容量:69g(個包装込み)価格:オープン価格※想定小売価格 248円前後
2023年04月21日春といえば、大きな決断とともに新たな一歩を踏み出す人も多い季節。そこで、今回オススメする1本は、夫の裏切りによってシングルマザーとして生きていくことになった女性の生き方を描いた話題作です。『午前4時にパリの夜は明ける』【映画、ときどき私】 vol. 5701981年、パリ。夫から結婚生活の終わりを告げられ、突然ひとりで子どもたちを養うことになったエリザベート。これまでほとんど働いた経験のなかった彼女は、焦りを覚えつつも何とか深夜放送のラジオ番組の仕事に採用される。そんななか、エリザベートが出会ったのはスタジオゲストとして訪ねてきた少女タルラ。彼女が家出をして外で寝泊まりしていることを知ると、自宅へと招き入れる。エリザベートは、一緒に暮らすなかで自身の境遇を悲観していたこれまでを見つめ直していくのだった…。昨年のベルリン国際映画祭ではコンペティション部門に出品され、高い評価とともに絶賛の声が上がった本作。そこで、作品の制作過程などについてこちらの方にお話をうかがってきました。ミカエル・アース監督2018年の前作『アマンダと僕』でさまざまな賞に輝き、フランス映画界でも注目の存在となっているアース監督。今回は、世界の名匠たちから愛される俳優シャルロット・ゲンズブールを主演として迎えた理由や現場で感じた魅力、そして作品を通して伝えたい思いなどについて語っていただきました。―本作は、なぜ1980年代を舞台にしようと思ったのですか?監督この映画を撮る一番のきっかけは、80年代を描くことでした。というのも、当時の私はまだ子どもでしたが、80年代のティーンエイジャーを体験することをずっと夢見ていたからです。人は子ども時代によって形成されるとよく言いますが、実際に私自身も80年代によって作られているように感じています。とても抽象的に聞こえるかもしれませんが、本作ではノスタルジックな視点ではなく、自分のなかに残っている時代の雰囲気や色味、質感といったものをつかみ取りたいと思っていました。あとは、中年の世代に入った女性が夫と別れる状況になってしまう展開と今回撮影したパリ郊外の街、そして深夜ラジオといった以前から映画に取り込みたいと考えていたいくつかの要素をこの作品ではすべて加えています。―なるほど。エリザベートの人物像を形成するうえでは、何かを参考にされたのでしょうか。監督自分が知っている人のなかにモデルがいたとか、そういったことは特にありませんでした。ただ、自分の周りにもエリザベートと同じくガンを経験した女性や夫と別れた女性を知っています。なので、そういったいろんな情報を混ぜ合わせてキャラクターを作り上げていきました。あと、当時の日本がどうだったのかはわかりませんが、80年代のフランスでは離婚がひとつの社会現象となっており、パリでは約2組に1組が離婚していたと言われているほど。それが80年代の象徴的な出来事だったので、設定にも取り入れていますが、それ以外は時代を越えて通じる女性像だと思っています。シャルロットは、崇高なプロ意識を持っている俳優―そして、そのリアルな女性の姿をシャルロット・ゲンズブールさんが見事に演じていますが、この役を彼女にお願いしたいと思った理由を教えてください。監督正直に言うと、実は私はシャルロットの作品をそこまで観ていたわけではありませんし、彼女のこともよく知りませんでした。でも、あるとき彼女のインタビューを見ていて、センシティブであると同時にとても重心がしっかりとある方だなと思い、彼女が持っている二面性にインスピレーションを受けたのです。エリザベートという女性も、ひと言では説明できないくらい複雑で、いろんな側面を持っている人物。勇気を持って行動しているかと思えば内気なところがあり、もろいようで意外と決断力があるような女性なので、シャルロットに演じてもらいたいなと。実際、初日から彼女はこの役をとても優美に演じてくれました。―では、彼女と現場をともにしてみて、驚いたことや感銘を受けたことはありましたか?監督一緒に仕事をしてみて、私はますます彼女に魅了されました。現場でも、ずっと彼女に見入ってしまったほどです。彼女はシナリオを細かく分析するのではなく、自然に理解して演じるタイプなので、どちらかというとアメリカの俳優たちに近いと感じました。彼女は知性があって寛容で、愚痴を言ったりすることもなく100%この映画に捧げてくれたので、崇高なプロ意識を持っている俳優。さらに、人工的な美しさではなく、年代に合った自然な美しさを兼ね備えている方でもあると思いました。日本との間には、つながりを感じている―確かに、自然体なところが魅力的ですよね。それでは、日本についてもおうかがいしたいのですが、監督はどのような印象をお持ちですか?監督ありきたりな言葉に聞こえるかもしれませんが、私はつねに日本には魅了されています。そして、世界中で自分の映画が公開されるなかでも、フランスの次に理解してくれていると感じるのが日本。フランスと日本では文化がまったく違うので、なぜそうなのかはうまく説明できませんが、日本との間には絆のようなつながりを感じています。私の映画にとって、日本は“第二の家”なのです。―うれしいお言葉をありがとうございます。監督ご自身が日本の文化などで興味を持っていることはありますか?監督私は音楽が大好きなのですが、数年前からハマっているのは日本で発売されているレコードジャケットを集めることです。音楽に関してはイギリスやスコットランド、アイルランドから影響を受けているのですが、日本で作られているそれらのアルバムは非常に美しく、ほかの国ではなかなか出会えないようなものばかりだと思っています。人とは対立するのではなく、共有することが大事―今後も監督の作品を楽しみにしている映画ファンは多いと思いますが、映画作りで大切にしていることは?監督1つのプロジェクトに取り掛かる場合、私は初めに“小さな石ころ”しかもたらしていません。にもかかわらず、そこに多くの人が集まり、一緒に共有できるのは素晴らしいことだと考えています。そのときに私が意識しているのは、お互いに対する信頼と優しさ。誰かと対立する必要はまったくなく、他人と同じ思いを共有することが何よりも原動力になると思っています。それから、映画を作っているときにいつも感じるのは、映画自体が私を選んでくれているということ。「この物語を書きなさい」と言われているような感覚に毎回陥るのです。これからも、私は自分の日常や人生からインスピレーションを得て映画を作っていきたいと考えています。―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。監督今回の作品では、生きるうえでの難しさやいろんな悩みを抱えている人物たちの不安や心の傷を包み隠さず見せていますが、私はそれらを美しく描きたいと思って作りました。そして、そういった日常に起こり得ることについて知ることにも意味があるので、知ったうえでもっと深いところにまでいっていただけたらいいかなと。映画のなかではそれらを感覚的に表現している部分もありますが、映画を観て、みなさんに感じていただくことが重要なことだと思っています。誰にでも壁は乗り越えられる!多くの葛藤を抱えて生活している私たちの背中をそっと押してくれるのは、さまざまな困難に傷つきながらも自分の力でたくましく生きようとする主人公たちの姿。パリでも日本でも、「明けない夜はない」と希望を感じさせてくれるはず。取材、文・志村昌美心に響く予告編はこちら!作品情報『午前4時にパリの夜は明ける』4月21日(金)より、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほか全国順次公開配給:ビターズ・エンド️(C) 2021 NORD-OUEST FILMS – ARTE FRANCE CINÉMA
2023年04月19日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第126回目はスコティッシュストレートのブブ(Boubou)さま。先代の生まれ変わり?猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.126猫さまの話をもっと聞かせて!ブブさまは2歳の男性猫さま。ブブさまが語ります。僕はパリ9区にあるアパルトマンの4階(日本では5階)に住んでいます。朝7時半に起床し、餌をもらうためにベッドの下をひたすらガリガリします。そして、1カップ弱の量のカリカリをぺろっと平らげます。天気がいい日は、携帯に反射する光が壁に当たるのを見つけるや否や、一生懸命捕まえようと必死になって遊びます。そして疲れてちょっと昼寝をします。飼い主たちのお昼ご飯を羨ましそうに横目で見つつ、デザートにヨーグルトなどの乳製品があると、蓋についた部分のおこぼれを貰えるので愛想良く振る舞います。飼い主たちが⻝べ終わったヨーグルトのカップにも興味がありますね。ここの家の愛娘の部屋のベッドで夕方まで昼寝をします。娘が学校から帰ってくるとベッドから追いやられるので、仕方なく別の場所を探します。夜ご飯は7時半からなのに、6時から「ミャーミャー」とお腹がへったアピールは欠かせません。でもここは我慢、我慢。夜ご飯のカリカリもあっという間に⻝べ終えると、飼い主たちの夕⻝を横目で観察しつつ、デーンとカーペットに仰向けになり、消化かつリラックスタイムを過ごします。この時、「ブブは音楽が好きなんだよね〜」と飼い主が音楽を聴かせてくれます。ヨーグルトの蓋のおこぼれなどを舐めたり、娘にキツく抱っこされる時に必死に爪を出さないよう我慢するのは僕のお仕事です。そうこうしているうちにあっという間に娘の就寝時間になります。彼女が寝た後の束の間の時間は、僕にとってホッと一息できる貴重なひと時。飼い主2人からのなでなで攻撃に、ひとり息子の僕は余韻に浸ります。飼い主たちの就寝時間になると、僕は猫トイレに近い自分の寝床で就寝です。いつもは『ロイヤルカナン』のSatietyというちょっと体重が気になる猫さま用のカリカリを⻝べています。特別な日のごはんは、夕⻝に鶏肉やお魚が出て、飼い主たちの機嫌がいい時はおこぼれがもらえます。居心地がいいのは、ここの娘のベッド、または猫タワーのてっぺん。そこから外を観察するのが大好きです。人が歩いていたり、鳩が飛び立ったりするたびに一喜一憂しています。先に茶色い羽が付いているピンクの針金のおもちゃでよく遊びます。予想外の動きをするのがお気に入り。スーパーボールも好きです。それから回っている洗濯機を見るのも好きなんです。 飼い主から見たブブさまとは。2001年にパリに来て、13区で一人暮らしを始めた時に飼い始めたのは、初代「きのこ」。当時、ジュンク堂書店の目の前にクロネコヤマトがありました。その店先に「子猫譲ります」という掲示板があり、早速連絡したのがきっかけです。当時、私がきのこのような髪型だったため、元彼が付けた名前が「きのこ」。雑種で、毛の色は茹で上がる前の海老のような黒とグレーと茶色のシマシマでした。15年間立派に生きた末、腫瘍ができてそのまま動物のお医者さんに注射をする事を勧められ、安楽死しました。2代目の猫は「ユキオ」。真っ白な雪のようなふわふわの毛を身に纏った白猫です。娘とたまたま入った赤十字のヴィンテージのお店の入り口にあった「子猫売ります」と書かれた白い子猫の写真付きのポスターに2人ともすぐに⻝いついて、その足で飼い主と白猫に会いに行きました。会った途端に、娘と「もう飼うしかない!」と決めて即座に家に連れて帰りました。目の周りが黒くなりやすく、不妊手術後に家に戻って来て傷を舐めていたと思ったら、血が出てしまい、そのまま止まらなくなってしまったため、緊急で動物病院に連れて行きました。お医者さんから輸血が必要と診断され、頭に浮かんだのはご近所の猫のトム(通称トムチョ)。ご主人に理由を説明したらふたつ返事で承諾してくれ、トムチョは家族と郊外の動物病院へ駆けつけてくださいました。トムチョからの輸血のおかげでユキオは3か月延命しましたが、病名不明の血が止まらなくなる病気を生まれつき持っていたらしく、結局死んでしまいました。悲しみにどっぷりと浸っていると、世間はコロナが蔓延。やっぱり猫が飼いたくなり、出会えたのが今の3代目、ブブです。ユキオに似て顔が平べったいので、ユキオが生まれ変わったと信じています。ブブとの出会いはフランスでは有名なリサイクルのサイト、『ル ボン コワン』の「子猫売ります」という情報。掲載した飼い主に連絡したのがきっかけです。バカンスになると、その間だけブブの世話をお願いしているお友達がいます。彼女の家まで猫用のリュックに入れて自転車でUber Eatsさながら、パリの街に繰り出します。彼女の家に着くと、「ご注文の品、お届けに来ましたー」とブブを預けます。春から夏にかけては、ピクニックがてらリュックに入れて一緒に公園デビューもしました。でも生まれながらの小心者で、あまりリュックから出ようとしません。徐々に慣れていってくれたらいいな、と思っています。ブブとの生活は家族の潤滑油になっていると思います。娘を諭さなければいけない時、夫とピリピリした時、ふとブブを見ると相変わらずデーンと横になって寝ているので気が抜けて笑ってしまいます。最近ふと思いついて、もしもブブが死んでしまったら剥製にしたいと夫に希望を出したところ、「生きるものは全て灰になるんだからそんなの不自然だ」と言われたのでまだ考え中です。――以前登場していただいたトムさまと以前飼っていた先代猫さまが輸血で繋がっている関係がありました。飼い主はミュージシャン(クミソロという名前で活躍)でもあり俳優業もしている日本人のチャーミングな女性です。とてもグルメなブブさまは仰向けになると迫力ありますね。今日はどんなご馳走にありつけたのでしょうか!取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月16日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第125回目は黒猫のブレイク(Blake)さま。謎に包まれた過去をもつ猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.125猫さまの話をもっと聞かせて!ブレイクさまは5歳の男性猫さま。ブレイクさまが語ります。僕はフランスの田舎にある、庭のある一軒家で生活しています。毎日、家の中と庭を行ったり来たり、時々休んで眠りに落ちて、起き上がっては遊び、そしてまた散歩に出かけます。カリカリはブッフェスタイルの食べ放題!夜はパテをいただきます。特別な日にはハムのかけらを飼い主からもらいます。これ、美味しいですよね。家の中で一番好きな場所は通りに面した窓際。ニャルソックしています。自分の縄張りに侵入者がいないかチェックしているうちに、そのまま眠ってしまったりもします。お気に入りのおもちゃはアルミホイルを丸めてボールにしたもの!性格は抱っこ好きで、甘え上手だと思います。一方でとても貪欲で、冒険好きな面もあります。チャームポイントは目元です。視線(目つき)がとても優しいと評判です。飼い主から見たブレイクさまとは。私は動物保護協会(SPA)からブレイクを引き取りました。彼はコルシカ島出身で、そこで養子縁組される可能性がないため、フランス本土に送られたそうです。それ以外のブレイクについての情報はあまり知りません。ブレイクが2歳のときに養子縁組して以来、私たちにとって最高に幸せな毎日を過ごしています。私は現在2匹の猫を飼っており、先住のラズールも5年前に保護協会から来た6歳の女性猫です。ラズールは怖がりで、ブレイクを受け入れるのに長い時間がかかりましたが、時間の経過とともに平和になりました。愛撫と抱擁に満ちたブレイクとの日常はとても楽しいものです。私の猫たちは私の人生をひっくり返しました。彼らは私たちに極上の優しさを与えていると思います。――ブレイクさまはなんとコルシカ島出身で、保護されてフランス本土にやってきたそうです。お姉さん猫のラズールさまも過去には辛いことがあったのかもしれません。でも明るい性格のブレイクがやってきて、時間はかかりましたがとても仲良くなり、今は幸せに生活していました。もちろん飼い主の幸福は言うに及びませんね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月15日