フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第126回目はスコティッシュストレートのブブ(Boubou)さま。先代の生まれ変わり?猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.126猫さまの話をもっと聞かせて!ブブさまは2歳の男性猫さま。ブブさまが語ります。僕はパリ9区にあるアパルトマンの4階(日本では5階)に住んでいます。朝7時半に起床し、餌をもらうためにベッドの下をひたすらガリガリします。そして、1カップ弱の量のカリカリをぺろっと平らげます。天気がいい日は、携帯に反射する光が壁に当たるのを見つけるや否や、一生懸命捕まえようと必死になって遊びます。そして疲れてちょっと昼寝をします。飼い主たちのお昼ご飯を羨ましそうに横目で見つつ、デザートにヨーグルトなどの乳製品があると、蓋についた部分のおこぼれを貰えるので愛想良く振る舞います。飼い主たちが⻝べ終わったヨーグルトのカップにも興味がありますね。ここの家の愛娘の部屋のベッドで夕方まで昼寝をします。娘が学校から帰ってくるとベッドから追いやられるので、仕方なく別の場所を探します。夜ご飯は7時半からなのに、6時から「ミャーミャー」とお腹がへったアピールは欠かせません。でもここは我慢、我慢。夜ご飯のカリカリもあっという間に⻝べ終えると、飼い主たちの夕⻝を横目で観察しつつ、デーンとカーペットに仰向けになり、消化かつリラックスタイムを過ごします。この時、「ブブは音楽が好きなんだよね〜」と飼い主が音楽を聴かせてくれます。ヨーグルトの蓋のおこぼれなどを舐めたり、娘にキツく抱っこされる時に必死に爪を出さないよう我慢するのは僕のお仕事です。そうこうしているうちにあっという間に娘の就寝時間になります。彼女が寝た後の束の間の時間は、僕にとってホッと一息できる貴重なひと時。飼い主2人からのなでなで攻撃に、ひとり息子の僕は余韻に浸ります。飼い主たちの就寝時間になると、僕は猫トイレに近い自分の寝床で就寝です。いつもは『ロイヤルカナン』のSatietyというちょっと体重が気になる猫さま用のカリカリを⻝べています。特別な日のごはんは、夕⻝に鶏肉やお魚が出て、飼い主たちの機嫌がいい時はおこぼれがもらえます。居心地がいいのは、ここの娘のベッド、または猫タワーのてっぺん。そこから外を観察するのが大好きです。人が歩いていたり、鳩が飛び立ったりするたびに一喜一憂しています。先に茶色い羽が付いているピンクの針金のおもちゃでよく遊びます。予想外の動きをするのがお気に入り。スーパーボールも好きです。それから回っている洗濯機を見るのも好きなんです。 飼い主から見たブブさまとは。2001年にパリに来て、13区で一人暮らしを始めた時に飼い始めたのは、初代「きのこ」。当時、ジュンク堂書店の目の前にクロネコヤマトがありました。その店先に「子猫譲ります」という掲示板があり、早速連絡したのがきっかけです。当時、私がきのこのような髪型だったため、元彼が付けた名前が「きのこ」。雑種で、毛の色は茹で上がる前の海老のような黒とグレーと茶色のシマシマでした。15年間立派に生きた末、腫瘍ができてそのまま動物のお医者さんに注射をする事を勧められ、安楽死しました。2代目の猫は「ユキオ」。真っ白な雪のようなふわふわの毛を身に纏った白猫です。娘とたまたま入った赤十字のヴィンテージのお店の入り口にあった「子猫売ります」と書かれた白い子猫の写真付きのポスターに2人ともすぐに⻝いついて、その足で飼い主と白猫に会いに行きました。会った途端に、娘と「もう飼うしかない!」と決めて即座に家に連れて帰りました。目の周りが黒くなりやすく、不妊手術後に家に戻って来て傷を舐めていたと思ったら、血が出てしまい、そのまま止まらなくなってしまったため、緊急で動物病院に連れて行きました。お医者さんから輸血が必要と診断され、頭に浮かんだのはご近所の猫のトム(通称トムチョ)。ご主人に理由を説明したらふたつ返事で承諾してくれ、トムチョは家族と郊外の動物病院へ駆けつけてくださいました。トムチョからの輸血のおかげでユキオは3か月延命しましたが、病名不明の血が止まらなくなる病気を生まれつき持っていたらしく、結局死んでしまいました。悲しみにどっぷりと浸っていると、世間はコロナが蔓延。やっぱり猫が飼いたくなり、出会えたのが今の3代目、ブブです。ユキオに似て顔が平べったいので、ユキオが生まれ変わったと信じています。ブブとの出会いはフランスでは有名なリサイクルのサイト、『ル ボン コワン』の「子猫売ります」という情報。掲載した飼い主に連絡したのがきっかけです。バカンスになると、その間だけブブの世話をお願いしているお友達がいます。彼女の家まで猫用のリュックに入れて自転車でUber Eatsさながら、パリの街に繰り出します。彼女の家に着くと、「ご注文の品、お届けに来ましたー」とブブを預けます。春から夏にかけては、ピクニックがてらリュックに入れて一緒に公園デビューもしました。でも生まれながらの小心者で、あまりリュックから出ようとしません。徐々に慣れていってくれたらいいな、と思っています。ブブとの生活は家族の潤滑油になっていると思います。娘を諭さなければいけない時、夫とピリピリした時、ふとブブを見ると相変わらずデーンと横になって寝ているので気が抜けて笑ってしまいます。最近ふと思いついて、もしもブブが死んでしまったら剥製にしたいと夫に希望を出したところ、「生きるものは全て灰になるんだからそんなの不自然だ」と言われたのでまだ考え中です。――以前登場していただいたトムさまと以前飼っていた先代猫さまが輸血で繋がっている関係がありました。飼い主はミュージシャン(クミソロという名前で活躍)でもあり俳優業もしている日本人のチャーミングな女性です。とてもグルメなブブさまは仰向けになると迫力ありますね。今日はどんなご馳走にありつけたのでしょうか!取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月16日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第125回目は黒猫のブレイク(Blake)さま。謎に包まれた過去をもつ猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.125猫さまの話をもっと聞かせて!ブレイクさまは5歳の男性猫さま。ブレイクさまが語ります。僕はフランスの田舎にある、庭のある一軒家で生活しています。毎日、家の中と庭を行ったり来たり、時々休んで眠りに落ちて、起き上がっては遊び、そしてまた散歩に出かけます。カリカリはブッフェスタイルの食べ放題!夜はパテをいただきます。特別な日にはハムのかけらを飼い主からもらいます。これ、美味しいですよね。家の中で一番好きな場所は通りに面した窓際。ニャルソックしています。自分の縄張りに侵入者がいないかチェックしているうちに、そのまま眠ってしまったりもします。お気に入りのおもちゃはアルミホイルを丸めてボールにしたもの!性格は抱っこ好きで、甘え上手だと思います。一方でとても貪欲で、冒険好きな面もあります。チャームポイントは目元です。視線(目つき)がとても優しいと評判です。飼い主から見たブレイクさまとは。私は動物保護協会(SPA)からブレイクを引き取りました。彼はコルシカ島出身で、そこで養子縁組される可能性がないため、フランス本土に送られたそうです。それ以外のブレイクについての情報はあまり知りません。ブレイクが2歳のときに養子縁組して以来、私たちにとって最高に幸せな毎日を過ごしています。私は現在2匹の猫を飼っており、先住のラズールも5年前に保護協会から来た6歳の女性猫です。ラズールは怖がりで、ブレイクを受け入れるのに長い時間がかかりましたが、時間の経過とともに平和になりました。愛撫と抱擁に満ちたブレイクとの日常はとても楽しいものです。私の猫たちは私の人生をひっくり返しました。彼らは私たちに極上の優しさを与えていると思います。――ブレイクさまはなんとコルシカ島出身で、保護されてフランス本土にやってきたそうです。お姉さん猫のラズールさまも過去には辛いことがあったのかもしれません。でも明るい性格のブレイクがやってきて、時間はかかりましたがとても仲良くなり、今は幸せに生活していました。もちろん飼い主の幸福は言うに及びませんね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月15日近年、世界的な問題ともなっているフェイクニュースやステルスマーケティング。実は、パリでは200年ほど前から横行していたとも言われています。そこでご紹介するのは、まさにその原点とも言える姿を描き、注目を集めている映画『幻滅』です。今回は、主演を務めたこちらの方にお話をうかがってきました。バンジャマン・ヴォワザンさん【映画、ときどき私】 vol. 569フランスのアカデミー賞と言われるセザール賞において、作品賞をはじめ最多7冠を受賞した本作。そのなかで主人公のリュシアンを演じ、有望新人男優賞に輝いたバンジャマンさん。劇中では詩人を夢見ていた純朴な青年が、いつの間にか野心と欲望にまみれて身を滅ぼしていくさまを熱演しています。そこで、役作りへのこだわりや豪華共演者がそろった現場での様子、そして愛とは何かについて語っていただきました。―本作を手掛けたグザヴィエ・ジャノリ監督は、「バンジャマンこそ現代のリュシアンであり、すべてを具現化してくれた」と話されていますが、ご自身でもリュシアンと通じる部分はあると思いましたか?バンジャマンさんそうですね、僕もリュシアンと同じくらい少し弱いところがあると感じました。あとは、社交界での遊びを楽しんだり、メディアを利用したりするところも同じようなところがあるのかなと。でも、彼のような悲劇的な最期を遂げたいとは思っていませんよ。―19 世紀フランスを代表する文豪オノレ・ド・バルザックによる『幻滅——メディア戦記』が原作ということで、バンジャマンさんにとっては初のコスチューム劇となりました。これまでの作品と違いを感じるようなこともあったのでしょうか。バンジャマンさん今回心がけたのは、観客のみなさんがリュシアンの目を通してこの時代を理解できるようにすること。そのために特別な何かをしたというわけではありませんが、自分の存在がどうあるべきかを意識して演技しました。ここまで集中して撮影に挑んだことはなかったかもしれないと感じたほどです。大俳優との共演は、いつまでも心に残っている―表情や佇まいなどがどんどん変わっていくさまを見事に表現されていて素晴らしかったですが、実際に本作が完成したときは、どのようなお気持ちでしたか?バンジャマンさんこの映画に出られたことはもちろん、リュシアンという役を演じられたことがすごくうれしかったです。というのも、原作の小説はフランスでも非常に知られている作品ですし、僕の祖父が一番お気に入りの登場人物はリュシアンだったからです。それに、舞台が1820年代にもかかわらず、現代の世相や社会的な問題も反映されているところがあるので、そこもおもしろいなと。まさに“現代の鏡”とも言えますが、昔といまとで変わらないところが描かれているのがこの作品の魅力だと思いました。―今回は、豪華な先輩俳優たちも多数出演されていますが、印象に残っている共演者とのエピソードがあれば、教えてください。バンジャマンさんジェラール・ドパルデューという大俳優と共演できたこと、そして彼と向き合って目と目を見ながら撮影ができたことは、本当に素晴らしい経験になりました。僕にとっては手の届かない人であり、彼がやっていることを真似しようと思ってもとても真似できないような存在ですから。たとえほかのことを忘れてしまったとしても、ドパルデューさんと共演できた思い出は自分の心にいつまでも残っていると思います。―監督は、「バンジャマンはジェラール・ドパルデューと対峙しても揺るがない図太さがあって、2人は同じ金属でできている」とも表現されています。それを聞いていかがですか?バンジャマンさん僕はドパルデューさんだけでなく、ジャノリ監督のことをも尊敬しているので、そう言ってもらうことができてすごくうれしいですし、とても光栄です。これからもドパルデューさんと同じくらいの努力をしていきたいと考えています。愛とは、どんなリスクにも値するもの―また、日本でも人気のグザヴィエ・ドランさんとの共演はいかがでしたか?バンジャマンさんフランスでも非常にファンが多い方ですが、彼との共演もまた最高でした。とはいえ、実は初めて会う前は、監督として姿勢を残したまま現場に入ってくるのではないかと心配していたところもあったんです。でも、彼は100%俳優として参加してくれたのでとても助かりました。というのも、たまに俳優と監督を両方している方と共演すると、監督としての目線が垣間見えてやりにくいときがあるんです。今後監督する作品で僕を使おうかどうしようかと値踏みされているようなところがわかってしまうというか…。なので、最初は不安もありましたが、彼にはまったくそういうところがなかったので、とてもいいチームで素晴らしい映画が作れたと思います。―今回演じられたリュシアンは女性や文学への愛に生きた人物でもあると感じましたが、バンジャマンさんにとっての愛とはどのような存在なのかをお聞かせください。バンジャマンさん「怖い」とか「悲しい」みたいに簡単に説明できたらよかったのですが、愛について答えようと思うと、だいたいバカみたいな答えになってしまうものですよね(笑)。でも、それくらい難しい問いということではないでしょうか。ただ、僕にとって愛とはどんなリスクにも値するものだと考えています。女性読者のみなさんにとって、こういう話ってすごく大切なことですよね。―はい、その通りです。バンジャマンさんだから、僕がみなさんのためにいるんですよ(笑)。多くの人に、自分の愛を届けたいと思っている―素敵なお言葉、ありがとうございます。ちなみに、ご自身はどんなときに愛を感じますか?バンジャマンさん必ずしも同じ相手とは限りませんが、愛は毎日感じていますよ。というのも、恋愛関係からはもちろんですが、たとえばベンチに座っているおじいさんを見るだけでも愛情を抱くことはありますからね。そして、僕はなるべく多くの人に愛を届けたいとも思っています。自分のなかにある愛が少なくても多くても、そのすべてを相手にあげたいのです。120%の愛を持っていれば120%全部、それに満たなかったとしても持っているすべてを与えたいという気持ちでいます。―そういうところもリュシアンと似ているのかもしれませんね。それでは日本についてもおうかがいしたいのですが、どのような印象をお持ちでしょうか。バンジャマンさん日本に来たのは今回が初めてで、まだ前日に着いたばかりです。でも、すでに日本でできたクマが目の下にできてしまいました。というのも、到着した日の夜にバーを5、6軒はしごして、そのあとにナイトクラブを2軒回り、朝の8時に帰って来たからです(笑)。僕は完全に日本に恋してしまったところですが、本当に最高ですね!―初日からかなり満喫されていますね。バンジャマンさんこのあと10日ほどかけていろんなところを回るつもりですが、まだ行き先もホテルも決めていないような状態です(笑)。これからたくさん楽しみたいと考えているところなので、この質問は最後の日に聞いてもらったほうがもっと答えられたかもしれないですね。ただ、日本のゲームや食べ物は前から大好きですし、ファッションもすごくエレガントで素敵だなと感じています。ナイトクラブのなかでも、日本のみなさんの装いがスタイリッシュでかっこよかったです。ヨーロッパの服でも日本的な要素が入っているのが好きなので、ファッション面では影響を受けていると思います。自分のために時間を使うことを大事にしてほしい―最近はお忙しいと思いますが、オフのときはどのようにして過ごしていますか?バンジャマンさん絵を描いていることが多いですね。もともとは、役づくりで始めたものでしたが、いまは撮影以外の時間に自分の気持ちの奥底を探るためと自己表現の手段として絵を描くようになりました。俳優としての大きな撮影は1年に1~2回ほどですが、そのほかの時間を芸術に費やすことが俳優にとっては有効だと考えていますし、自分の内面を探ることでストレス軽減にもなっています。絵画といっても誰かに習っているわけではなく、自分で好きなように描くなかで自分なりのやり方を見つけているだけので、みなさんにもオススメです。あとは、スポーツもいいですよ。これは僕の場合ですが、スポーツをしているときのほうが恋愛もうまくいくことがありますから。―なるほど、おもしろいですね。それでは最後にananweb読者に向けて、メッセージをお願いします。バンジャマンさんまずは、自分のために時間を使うことを大事にしてほしいと思っています。そして、繰り返しにはなりますが、恋愛にはリスクと同じくらいの価値があるので、リスクを冒してでも恋愛に生きてほしいです。女性にとっても男性にとっても、愛というのはこの世にあるもののなかでもっとも美しいものですから。なので、仕事ばかりではなく、自分が愛を向ける対象を大事にする時間を持ってください。いまの時代は将来に対する不安も付きものなので、経済的な悩みに支配されてしまうかもしれませんが、自分のために時間を使い、しっかりと自分を見つめたほうがいいと思います。その過程でたとえ失敗しても、その経験が将来につながることもあるので、失敗を恐れずにチャレンジしてほしいです。僕はみなさんのことが大好きなので、ぜひパリにも遊びに来てくださいね。インタビューを終えてみて…。ほとんど寝ていない状態だったとは思えないほどパワフルで、チャーミングなバンジャマンさん。ときおり悩ましい表情や真面目な顔になるときもありましたが、その姿もまた美しかったです。26歳という若さながら、愛についての深い考察もさすがフランス人だと思いましたが、リュシアンを演じたからこそたどり着いた答えのようにも感じました。これからフランス映画界を盛り上げていく存在となることは間違いないので、今後にますます期待です。激動の世界へと飲み込まれていく!豪華絢爛な社交界を見事に再現するとともに、社会の闇や人々の間に渦巻く欲望をダイナミックかつスピーディに描いている本作。愛と情熱を持ちながらも誘惑に翻弄されてしまうリュシアンの生きざまは、現代を生きる私たちにも通じるものがあると感じるはずです。取材、文・志村昌美ストーリー恐怖政治の時代が終わった19世紀前半のフランスは、宮廷貴族が復活し、自由と享楽的な生活を謳歌していた。そんな社交界に現れたのは、詩人として成功を夢見る田舎の純朴な青年リュシアン。貴族の人妻ルイーズと愛し合うようになり、駆け落ち同然で憧れのパリに上京する。しかし、世間知らずで無作法な彼は、社交界で笑い者にされてしまう。そして、生活のために始めた新聞記者の仕事では、恥も外聞もなく金のために魂を売る同僚たちに感化され、文学を愛する気持ちを忘れて、欲と虚飾と快楽にまみれた世界に身を投じていくのだった…。引き込まれる予告編はこちら!作品情報『幻滅』4月14日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリー、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開配給:ハーク(C) 2021 CURIOSA FILMS - GAUMONT - FRANCE 3 CINÉMA - GABRIEL INC. – UMEDIA
2023年04月12日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第124回目は白茶ハチワレのカリム(Karim)さま。飼い主とラブラブな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.124猫さまの話をもっと聞かせて!カリムさまは2歳の男性猫さま。カリムさまが語ります。僕は庭がふたつのある一軒家に住んでいます。一晩中ぐっすり寝て、気持ちよく1日が始まります。毎朝散歩に出かけ、周りをパトロールして不審な点をチェックします。そしていったん戻ってきて食事をし、合間に水を飲んだりして少し眠ります。目を覚ましたらまた散歩を始めます。隣人の庭が好きで、よく侵入して遊んでいます。ほとんど外で遊んでいるので家にはおもちゃはありませんが、飼い主が使っている書類や、ペンを転がしてみたりもします。いつもの食事はカリカリとパテですが、たまにいただくチーズやチキンの満足感ったら…そんな日はたまりません。最高の1日です。性格は自立していて、抱きしめて欲しい時だけ飼い主に甘えます。何かが欲しいときにはいつも飼い主に尋ねています。どこにいても、飼い主が僕の名前を叫ぶのを聞くとすぐに向かいます。憩いのひとときは飼い主とソファーに座っているとき。なでてほしくてゴロゴロと喉を鳴らします。 ただし、お腹に触れないように注意してください。得意の猫キックと噛みつきは強烈ですので。飼い主から見たカリムさまとは。家にいたお母さん猫が近所の猫と関係をもち、カリムが生まれました。彼は私を愛していると思いますが、私たちがお互いに愛しているかを決めるのは彼だけです。私はカリムの前にボブという猫を飼っていました。私はボブをとても愛していて私たちはとても親密でしたが、ある日彼は散歩に出かけたまま帰ってきませんでした。悲しみに明け暮れた日々を過ごすなか、カリムが登場したのです。私はカリムを人間のように愛しています。私のそばにいる彼の存在がとても大切です。 カリムは私の人生にたくさんの愛をもたらしてくれます。彼は私の小さな太陽です。私は彼の鳴き声が大好きで、彼と過ごす時間が大好きです。彼はナンセンスで、よく私を笑わせてくれます。私にとってカリムは家族の一員であり、もし彼がここにいなかったら、この家は大きな空虚さを感じるでしょう。特に私の心の中から。――飼い主が以前に飼っていたボブさまもカリムさまと同じ男性猫さまでした。どうやら母親が息子を溺愛するのと同じように、飼い主にとっては男性猫さまと一緒にいられるのが幸せなようでした。外に出ても、呼ぶとすぐ戻ってくるカリムさまも飼い主が大好き!相思相愛の物語でした。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月09日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第123回目はエキゾチックショートヘアブラウンタビーのクリスピー(Crispy)さまとブルーのペピート(Pepito)さまが登場です。とても仲良しな姉弟猫さまたちの物語【フレンチ猫さま】vol.123猫さまの話をもっと聞かせて!クリスピーさまは4歳の女性、ペピートさまは3歳の男性猫さま。左:クリスピーさま、右:ペピートさま。クリスピーさまが語ります。私は一日のほとんどの時間、窓の外を眺めています。食に関しては、好き嫌いもなく、さまざまなフレーバーのパテ等なんでも食べます。寝るのはベッドかキャットツリーで、カノコソウが入ったおもちゃが大好きです。性格は、明るくとても社交的。チャームポイントはちょっと歯並びが悪いけど、外に出ている小さな歯がみんなに人気です。ペピートさまが語ります。僕は、家の中に飼い主がいるとずっと後を追って過ごします。食事は好き嫌いがあり、お姉ちゃんのクリスピーとはちょっと好みが違います。ソファかキャットツリーで寝るのが好きで、小さいねずみのおもちゃがお気に入りでよく遊びます。見知らぬ人に対してとても臆病です。チャームポイントは、丸い大きなボールのような頭、だそうです。飼い主から見たクリスピーとペピートさまとは。彼らは私たち家族にとって最初の猫たちです。それぞれ別のブリーダーからやってきました。クリスピーの時は、ある晩、ブリーダーのところへ会いに行ったところ、夫が一瞬で恋に落ちました!彼女はとても賢くて落ち着いていていました。クリスピーは我が家で最初の猫でしたが、私たちは仕事のためほとんど家にいなかったので、彼女が退屈しないように2番目の猫を迎えたいと思っていました。 そこで、別のブリーダーを見つけて、ペピートを受け入れました。彼が生後1か月のときに会いに行き、この小さな毛皮のボールを好きになり、生後3か月になったときに家に連れて帰りました。最初、クリスピーは少し複雑な様子でしたが、彼女はすぐにペピートを自分のきょうだいとして受け入れました! 彼女は彼を愛情たっぷりにグルーミングしました。私たちは毎日彼らの世話をし、彼らが必要とする愛情を与え、もちろん食事も与えています。彼らと過ごすすべての瞬間が楽しい時間だと思います。彼らは、私たちが必要とするすべての愛を与えてくれて、私たちが元気のないときには寄り添ってくれる方法も知っている無邪気で小さな毛玉たちです。一緒にいるだけで気分が高まります。毎日の生活でクリスピーとペピートは私たちとすべてを共有しています。――エキゾチックショートヘアの性格は、甘えん坊ではありますが、依存心はそれほど強くないと聞いたことがあります。性格も温厚で、クリスピーさまとペピートさまはほとんどケンカもしないとか。姉御肌のクリスピーさまはペピートさまの本当のお母さんのようにお世話をして、毎日を過ごしているようです。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月08日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第122回目は白茶ハチワレのアルコ(Arco)さま。SNSで大人気のイケメン猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.122猫さまの話をもっと聞かせて!アルコさまは2歳の男性猫さま。アルコさまが語ります。僕の1日は早くに始まります。朝6時くらいに飼い主が仕事の準備を終えたとき、僕はいつもニャーと鳴きながら、ご飯を忘れないでとアピールします。食事が終わればまた眠ります。1日の大半は、飼い主が仕事から帰ってくるのを待っている状態です。飼い主が帰宅したら、恒例の「その日のビデオ」を撮影し、それをSNSに公開して、その動画に夢中になります。僕は獣医さんから購入しているカリカリしか食べません。腎臓に問題があるためです。実は、子猫の頃に発疹チフスにかかり、獣医さんが僕の命を救ってくれたのです。命の恩人の言うことはよく聞くことにしています。僕の特別な食事は夕飯が多く、飼い主たちと同じように肉を食べる権利もあります。おやつはいろいろなブランドのものが常備されています。キャットタワーに乗って休息し、外で何が起こっているかを観察するのが好きです。外の美しい景色を眺められるキッチンキャビネットに登るのも好きです。柔らかすぎて埋もれてしまうほど気持ちがいいふわふわのベッドの上で寝るのも好きです。大好きなお気に入りのおもちゃは、釣り竿、魚、色付きのボールです。好きな色は黄色です。飼い主から見たアルコさまとは。アルコの前に数匹の猫を飼っていたことがありました。初めてアルコを見た時、かわいすぎると思いました。そして、とってもハンサムだとも!2021年6月7日に自宅近くの動物保護団体で養子縁組の手続きが始まりました。生後2か月の終わり頃、彼は発疹チフスに感染し、獣医によって奇跡的に救われました。獣医には、生き残る可能性は10%だったと言われました。でも今、彼は素晴らしい状態であり、すべてが順調で、習慣になっているSNS動画を毎日のように作成しては楽しんでいます。アルコの特技は、常に新しい遊びを探すことです。私たちは2人で撮影するのが好きで、特に噛んで遊ぶのが大好きです。私たちはとても遊び心のある似た者同士で、強い共犯意識を持っています。アルコの魅力は、かわいすぎる小さな頭と、グラスのような形をした背中の白い斑点と、いつも持ち上がっている尻尾です。私にとってアルコは、毎日愛で満たしてくれる太陽の光なのです。アルコと私は強い絆で結ばれていて、アルコは私たちにたくさんの愛と優しさを与えてくれます。――小さい時の病気から復活して絶好調の毎日を送っているアルコさまの様子はSNSで観ることができます。写真だけではなく動くアルコさまはいつも目がキラキラしていて、お気に入り猫さまになってしまいました取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月02日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第121回目、ワンツーワンは番外編=番外犬、フレンチブルのボニー(Bonnie)さまの登場です。末っ子を満喫している犬さまの物語【フレンチ猫(犬)さま】vol.121猫(犬)さまの話をもっと聞かせて!ボニーさまは4歳の女性犬さま。飼い主のショーンが語ります。僕は生まれた時からナナという名前の女性のフレンチブルと一緒でした。ナナは僕のことを可愛いがってくれたけど、ちょっと義理的なところもあって、自分の弟と思っていたようです。ナナが亡くなった時は「僕が小さかったからナナはいつもお姉ちゃんで、ナナを甘えさせたりできなくてごめんなさい」と、パパと一緒に大泣きしました。パパはボニーがやって来た時も「ナナの匂いがしない」と泣きました。それだけナナは家族から愛されていたのです。でもボニーは僕の犬でもあり、妹です。ボニーは、自分が家族の末っ子で、誰からも愛されるキャラだと思っているに違いありません。ちょっと僕似で、悪さをしたときは甘えた顔をして隠れたり、嬉しいときは体全体で表現して、お尻を振ったりします。ママは、怒られたときにションボリしている顔がそっくりと言います。生後2か月で我が家に来たので、自分を人間だと思っているのかもしれません。僕たちを本当に家族だと思っているようです。みんなと一緒に7時頃朝ごはんを食べて、僕が小学生の頃は毎朝学校までついて来てくれました。今は中学生になったので一人で登校するので、ボニーはベランダから見守ってくれます。昼間は学校に行き、お世話はパパとママに任せっきりなんですが、学校から戻ると僕と仲良しモードの時間帯です。家にいるときはほぼ僕の股の間にすっぽり入って寝ています。ボニーはちょっと猫みたいな犬なんですよ。飼い主ママから見たボニーさまは?私は生まれた時から犬と猫がいました。雑種から紀州犬、ハスキー犬などでした。先代のフレンチブルドッグのナナが14歳で亡くなり、1年は喪に服そうと思っていましたが、2020年はコロナの流行でフランスはロックダウンとなり、本当に大変な時期になりました。家族全員(特に夫)がペットロスで、家の中がどんよりしてしまいました。そのような経緯から、喪に服すよりも新しい子を迎えて家族を復活させなければと思い、ブリーダーさんを探してボニーと出会いました。ノルマンディ生まれのおチビでした。一緒に寝ているので、朝は私たちと6時半くらいに起きます。朝起きてすぐ、私に抱っこされてトイレに向かいます。家の中ではおしっこはしないルールです。朝は寝ぼけているので、抱っこして散歩に向かい、それから朝食です。ショーンを送り出してから、その後は2度寝(私たちのベットにて)。11時にパパと近所をお散歩して、お昼にカリカリのおやつを食べます。15時に午後のお散歩に行き、20時に最後のトイレに出かけて、シャワーでお口とお尻、足を洗って、ベッドに行きます。ほぼ毎日私たちの誰かと一緒にいる幸せ者です。アレルギーがあるので、色々試して今は『wold Hills』のグルテンフリーのパテ状のものとカリカリを混ぜて食べています。先代犬と違って好き嫌いもたくさんあり、味もすぐに飽きて食べなくなる食が細い子なので、飽きないようにいろんな味をかわるがわる食べさせています。バカンスでは特にエビやお魚を喜んで食べます。おやつはアレルギー用のクッキーをあげています。性格は至ってマイペース。一人で空を眺めていたり、ぬいぐるみと遊んでいます。でも甘えたいときは足元に来て「抱っこして」と主張をします。特技はパリの歩道にある草むらでネズミを探すこと。ボニーのネズミのスポットがあり、散歩ではネズミスポットを回ってパトロールしています。ボニーが甘えたくて抱っこされた時に、全身から力が抜けて「ふーっ」と息を吐きます。まさに安心しているのがわかるので、本当に愛しいです。私のことは、何をしても120パーセントで愛情を返してくれる人と思っているようです。臆病でリードを外せなかったのですが、去年の夏のバカンスの海で少しずつリードを外す練習をしました。誰もいない朝の海でリードを外して、得意げに後ろを振り返りながら散歩をしたり、海に入ったりするボニーを見て、こちらも嬉しかったです。犬にも個性があるので、他の犬とはくらべずにいます。街よりも田舎やバカンスが大好きなボニーなので、バカンス中は毎日楽しいようです。「ママ、楽しいねー」と毎日言われる場面があります。そんなボニーは他の犬が苦手。怖いようです。散歩でも、犬よりもその飼い主に興味があります。言葉は話せないですが、誰よりも敏感にみんなのことを見ていてくれる。だからこそ私たちも全力で可愛がっています。先代のナナは、私が不在の時に発作で亡くなってしまいました。ずっと介護していて、体調が落ち着いているなと思っていたのですが、私は彼女の変化に気づいてあげられませんでした。だからとても後悔しています。もしボニーが虹の橋を渡る時がくるとするならば、今度は私の腕の中でその時を迎えたいと思っています。犬の介護は大変ですが、神々しさと愛しさが日に日に増していきます。切なく悲しい時間なのに、その反面愛しさが溢れるんです。犬の人生は短いですから、私たちはボニーを家族として迎えた日からずっと「この家に来てよかった」と思ってもらえるように愛情を与え続けています。――最愛のナナさまを失った悲しさを救ったボニーさま。ナナさまとはまた違うキャラクターで、すんなりと家族の生活を始めて、家族は活気を取り戻しました。飼い主がいい言葉をくれました。「先代のナナは我が家の太陽」「ボニーは我が家の台風の目」人生はいろんなこともあるけど犬さまと一緒だとなんでも乗り切れそうな感じがします。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月01日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第120回目は黒猫のセーラム(Salem)さま。先住猫さまと良好な関係を築いた猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.120猫さまの話をもっと聞かせて!セーラムさまは2歳の男性猫さま。セーラムさまが語ります。僕は飼い主とアパルトマンに住んでいます。たくさんのキスで目覚め、それから朝食のカリカリをいただきます。特別な食事はありませんが、飼い主がクロワッサンやチキンを食べている時は目を丸くして要求します。それから遊んで、飼い主にくっついて寝ます。この家には、プラトンという名のパパのような存在の大きな猫がいます。よく遊んでくれて、毛繕いもしてくれます。そしてもう1匹、カネルというクリーム色のロン毛の猫がいて、よくちょっかいを出します。実はヤマトという大きな犬もいて、一緒に寝ると気持ちがいいんです。ヤマトはいい友達です。ひとりになりたい時は、洗濯かごの中での昼寝!これは最高です。でもやっぱり飼い主の首元で寝るのが一番嬉しい時間です。飼い主から見たセーラムさまとは。私は学生で、コミュニティマネージメントを専攻しています。今までも、私のそばにはいつも猫がいました。今はセーラムが来て猫3匹と犬1匹の賑やかな毎日です。セーラムは、廃墟の中から見つけ出され保護されました。その時、彼は生後2日目だったとのことです。話を聞いて生後3週間のときに会いに行った時には、もう誰もセーラムの世話をすることができない状態で、私が名乗り出て引き取りました。特別なエピソードはありませんが、彼が私にくれる愛で毎日が幸せです。セーラムの存在が私を満たしてくれるのです。あだ名はラッキースター!ばかげたことをたくさんしても、彼は私の恋人です。――大の動物好きの飼い主のところにはすでに2匹の猫さまがいました。新入りのセーラムさまが来てからは家の中が活気に満ちて明るくなったと言います。やんちゃ具合も、他の先住猫さま達との関係も良好で楽しい毎日です。末っ子の甘えん坊セーラムさまは飼い主を独占している日々を満喫していました。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年03月26日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第119回目はシャム猫のアイリス(Iris)さま。SNSで人気者になっている猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.119猫さまの話をもっと聞かせて!アイリスさまは6歳の女性猫さま。アイリスさまが語ります。私はアイリス!シャム猫です。より正確に言うとシャムブルートーティーポイントタイプのミックスです。SNSのコンテンツクリエーターをしている飼い主、シャルロットと一緒に生活しています。私はシャルロットの人生のリズムをコントロールしています。つまり、私が寝るとき、彼女は寝ます。朝、私がカリカリを食べるとき、それに合わせて横で彼女が支度をしたり、朝食をとったりしています。季節によって異なりますが、冬は暖かいラジエーターに座るか、窓から鳥を見ます。私はInstagramやYou tubeチャンネルのコンテンツを作成するために働く日もあります。カメラの前でモデルになるのも大好きです。準備ができたらすぐに、急いで駆けつけます。でも、それはいつもというわけではなく、常に報酬 (おやつ)があることがポイントです。私は気性が激しいので、無理強いは禁物。とにかく、シャルロットにとっても、私にとっても、仕事は楽しいものでなければなりません。それから午後早く、シャルロットが少し休憩すると、私も毛布の下で彼女に寄り添いおやつ休憩まで昼寝をします。シャルロットは紅茶、私は液体キャンディー(チュールみたいなもの)でひと息つきます。それから、シャルロットは仕事に戻ります。私は、窓の外を眺め、日光浴をし、眠ります。そしてシャルロットのところに行ったり来たりしながら、もうすぐ食事の時間だと知らせます。通常、シャルロットがシャワーを浴びている間、バスルームで午後8時頃に食事をします。それからシャルロットがベッドにくつろぎに行くと、すぐに彼女の足の間に入ります。最後に明かりが消えると、翌朝までシャルロットとべったり。まあ、寒すぎると躊躇なく羽毛布団の下に入るのですが…。これは典型的な1日ですが、もちろんいろいろな日があります。私は魅力的です。そして、美しい青い瞳で人間にしばしば催眠術をかけることもできます。とっても柔らかい毛皮を持っているし、私は肉体的にも精神的にも特別なのです。飼い主から見たアイリスさまとは。2016年末、子猫を飼いたいと思いました。特に品種の希望はありませんでしたが、青い目をした女性猫を探していました。たくさんリサーチをして、小さくて真っ白な猫を含む数匹の子猫の里親募集の個人のウェブサイトを発見しました。午後9時の配信を見てすぐにメッセージを送り、翌日の2016年12月12日、アイリスに会い、養子縁組しました。彼女は数匹の猫と犬と暮らしていました。とても温かく迎えてくれる家族で、不思議なことに、そこでは家にいるように感じました。真冬の雨の中、車で170キロ以上走った後のことです。帰り道、このことを私に知らせたのはアイリス彼女自身だったのだと自分に言い聞かせていました。家に着いた瞬間、私は彼女をベッドに寝かせました。彼女は生後9週間で、とても小さく、真っ白でした。そして翌朝までほとんど動きませんでした。その後、予想に反してとても元気な子猫だとわかりました。私にはたくさんの信頼と忍耐が必要でしたが、すぐに計り知れない愛がもたらされました。私はアイリスにバランスの取れた食事を与えるために最善の努力をしています。健康の基本ですからね。これは、私のInstagram アカウントで最初から伝えていた価値観です。アイリスは毎日カリカリを食べており、週に数回、ムース、パテ、マグロやチキンのフィレなどウェットフードも食べます。彼女はいつも、私と同じボトル入りのミネラルウォーターを飲んでいます。飲み水も食べものと同じくらい重要だからです(アイリスは非常に貪欲な猫であり、さまざまな好みがありますが、それでもいくつかの条件があり、ときどき特定のブランドを嫌がります)。アイリスは毎日おやつを食べます。99% はフリーズドライのおやつ (100% チキン)です。においがなく手につかないので、撮影時は、カメラの扱いが楽になりました。それ以外の場合は、お茶の時間に液体のおやつを食べます。また、乾燥した小魚を食べることもあります。私は常に品質を重視しています。彼女はとても食いしん坊なので大食い防止のボウルで食事をしなければならないのです。そうしないと、すぐ食事を吐いてしまいます。釣り竿の形をしたおもちゃは、猫との絆を深めるのに最適だと思います。またアイリスは靴に付いているシンプルなひもでも、真剣に遊びます。そして彼女はトンネルに隠れるのが大好きです。アイリスは非常に気が強く、生き生きとしていて繊細です。シャム猫に「気性の荒い」というレッテルが貼られていることは有名ですが、誤解されています。彼らは自分の気持ちを知らせているだけです。アイリスはとてもおしゃべりで、とてもエネルギッシュで、とても好奇心旺盛です。ただ、シャムは非常に排他的で、1人だけでいることが好きなことを知っておく必要があります。それに加えて、彼女はとても人なつっこくなる時もあり、抱きしめたくなります。 彼女は変化に素早く適応します。そして出会う人間の癖を理解します。アイリスはとても好奇心旺盛な猫です。 彼女は、私がコンピューターに向かっている時でも、キッチンでも、DIYをしている時でも、私を見るのが大好きです。驚く人もいるかもしれませんが、アイリスは定期的にシャワーを浴びています。彼女は小さい頃から水に慣れているのです。アイリスは、私のエネルギーがなくなった時に出会いました。その時、私は非常に難しい選択をしていたのです。そして、彼女は私がそれにとらわれないようにしてくれました。私は「アイリスがそこにいて私を必要としている、私は彼女を守らなければならない」と考えることができて、彼女のおかげで私は自分自身を大事にし、自信をもって生きていくことを学びました。アイリスは信じられないほどユニークな存在です。彼女は決意と勇気があり、忍耐強いです。私は彼女をとても愛しています。彼女の幸福は私にかかっているので、私はまず自分が健康で幸せでいなくてはいけないと学びました。猫は感情のスポンジだとよく聞きますが、私はそれを実感しています。周りからは性格が似ているとよく言われます。アイリスは天秤座で、私は水瓶座で、どちらも風の星座です。面白いのは、最近、自分の誕生月の花がアイリスであることを知ったことです。とてもステキな類似点です。彼女と毎日一緒に暮らせることにとても感謝しています。今この瞬間を彼女と一緒に呼吸したい、それが一番大切なことです。でも、最も魔法のような瞬間は私たちが離れて過ごす休暇のときです。彼女はすぐに順応するので、いつも驚かされます。私たちはお互いを信頼していて、それは魔法のようです。明らかに、シャムは自分よりも飼い主に愛着をもっています。私たちが離れて暮らす休暇の時間は、私たちをさらに近づけます。そして、私たち2人がエネルギーを再び集中できるようにしてくれるのです。アイリスは私が一瞬一瞬成長するのを助けてくれます。私の人生と作品の両方にとって、素晴らしいインスピレーションの源です。私は子どものころから写真が好きで、アイリスがとても刺激的なモデルになっています。私たちの愛は、私をより良くしてくれ、それに感謝するために最善を尽くしています。――飼い主のシャルロットのイマジネーションの源はアイリスさまによって導かれているようです。アイリスさまがミューズとして存在し、お互いを高めあう最高のパートナーとして毎日を過ごしている日常は、シャルロットのデジタルクリエイターとしての活躍でもよくわかります。お互いとても真面目に向き合う関係に心打たれました。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年03月25日家呑みやホームパーティーに欠かせないポテトチップス(以下、ポテチ)。いろいろな味があり、お酒のおつまみにはぴったりですよね。サイズも一人で食べきれる容量のものから、150gを越えるビッグサイズまで。しかし、いざ大容量のポテチを買ってしまうと、食べきれず途中で残してしまうこともありますよね。その結果、湿気てしまい「もったいない!」と思いながらも泣く泣く廃棄してしまった人も多いはず。特に、湿度が高い季節では、数時間置いただけでシナっとした食感になってしまいます。なんとか湿気てしまったポテチを、復活できないのか。その方法探してみた結果、実はあることをするだけでパリパリに戻す超簡単な復活法あったのです!袋を開けたまま放置するだけ!?シナシナポテチをパリパリに戻す方法!ということで、シナシナに湿気てしまったポテチを、パリパリに戻す方法を実践してみました!まずは湿気てしまったポテチを用意。開封から5時間でシナっとした食感になってしまっています。本来なら、ここで廃棄してしまう人も多いはず。しかしこの価格高騰の時代、それはもったいなさすぎますよね。そこで、このポテチを開封したまま冷蔵庫に入れて一晩放置!そう、これがポテチを復活させる方法です。そして一晩入れておいたポテチをいざ、食べてみると…「パリパリ」っという音が!見事に復活していました。なぜ冷蔵庫に一晩入れただけで、あんなにもシナシナだったポテチが、パリパリに戻るのか。調べてみると、冷蔵庫内の湿度がカギでした。冷蔵庫の中は温度が低いので、部屋の中よりも乾燥しています。その中に湿気たポテチを入れることで、ポテチに吸収された水分が外に抜けパリパリに戻るという原理です。たったこれだけで捨てずに済むなら、ぜひ試してみたいですよね。家呑みパーティーなどでビッグサイズのポテチが残ってしまったら、夜のうちに冷蔵庫に入れておきましょう。翌日にはパリパリ食感のポテチがまた味わえますよ。[文・構成/grape編集部]
2023年03月24日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第118回目は赤トラ猫のキャロット(Carotte)さま。自分の名前が気に入っている猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.118猫さまの話をもっと聞かせて!キャロットさまは5歳半の男性猫さま。キャロットさまが語ります。僕の名前はキャロット、「人参」という意味の名前です。特に人参が好きなわけではないのですが…。トラ柄が少なくて全体にオレンジ色なので飼い主が名付けました。この名前、まんざら悪くないと思います。僕はテラスと庭のある一戸建てに住んでいて、毎日快適な生活をしています。定期的に口に鳥をくわえて家に入ろうとしますが、飼い主が近づくとうなり声を上げてしまいます。別に怒られたり、盗られたりもしないのですが…。僕は、自分が得た獲物をアピールしたいだけなんです。毎朝飼い主たちと同じ時間に起きて、食事をいただきます。2回目の食事は午後4時頃です。大食いで、すぐに体重が増えるので注意しています。去勢手術後は尿の問題のために、それに対応したカリカリしか食べていません。冬になると、ほとんど家の中で過ごします。ひもや紙団子で遊ぶくらいでしょうか。そのため冬の間は太るので、じゃがいもと呼ばれたりしています。これからの季節は暖かくなり、晴れた日には、庭に出て走ったり、用を足したり、遊んだり、狩りをしたりします。そして、たいてい外で夜を過ごします。してほしいことを要求したり、自慢したり、抱きしめられたりする方法はわかっています。大きな声で喉を鳴らし、「長ぐつをはいた猫」のように振る舞えばいいんです!飼い主から見たキャロットさまとは。前の猫のオスカーが16歳で亡くなってから6か月後、キャロットが我が家にやって来ました。彼は友達の家で生まれ、2人の兄弟と1人の妹 (赤とぶち) がいました。彼はひとりで来るはずだったのですが、彼の妹のニョッキ (ぶち猫でセミロング) は保護先を見つけることができなかったので、私たちは2匹とも飼うことにしました。私たちは、彼らを庭で追いかけっこしたり、抱きしめたり、グルーミングしたりすることで幸せになりました。しかし、残念ながらニョッキは2歳で癌になり亡くなってしまいました。それ以来、キャロットはひとりぼっちで、そろそろ新しい仲間を見つけたいと思っています。キャロットは私たちにたくさんの幸せと愛をもたらしてくれます。彼は家族の一員です。彼が深く愛されていること、そして私たちが彼のことを気にかけていることを知っています。地面を転がってお腹を見せて楽しい瞬間を与えてくれるし、彼は私たちに尊敬の念で接してくれます。キャロットが私たちのもとを去らなければならない日、彼はひとりではありません。私たちは彼を抱きしめてキスをし、彼は私たちの庭で植物や装飾とともに埋葬されるでしょう。そしてオスカーとニョッキと共に休息するのです。――とってももふもふして可愛らしいキャロットさまは、これからの季節はたくさん運動してスマートになるのでしょうね。猫さま好きな飼い主達にも愛されて幸せな毎日ですが、早く相棒が見つかって一緒に遊ぶことができればいいですね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年03月21日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第117回目はスコティッシュフォールドとブリティッシュショートヘアのミックス猫さまのタイス(Thaïs)さまと、マンチカンのトゥーンカ(Toonka)さま。猫さまたちの物語【フレンチ猫さま】vol.117猫さまの話をもっと聞かせて!タイスさまは3歳半の女性猫さま、トゥーンカさまは6か月の男性猫さまです。左・トゥーンカさま、右・タイスさま。タイスさまが語ります。私たちは現在、かなり広々として快適なアパートの1階に住んでいます。部屋から部屋へと歩き回り、どこにでも登ることができます。後からやってきたトゥーンカとアパート中をあちこち走り回るのが大好きです!前はとても狭いところに住んでいたので、登ったり、隠れたり、走ったりできなくてちょっとつまらなかったのです。でも、今はとても自由な感じがします。典型的な一日は、まず食べることから始まります。私たちは年齢差を考慮して、違った食事を摂っています。トゥーンカは消化機能があまり良くないので現在治療中。彼には専用の食事があります。食事の後は遊び、約15分の狂気の時間です!その後、疲れ果てて眠りにつきます。小さな子猫のトゥーンカは、私よりもたくさん遊んでいます。彼はエネルギーに余裕があり、私はトゥーンカよりもずっとよく眠ります。トゥーンカは治療のため、おやつを食べていません。一方、私にはさまざまな味のおやつが豊富に用意されています。例えば、固くて粘着性のある鶏肉や魚などで作られたものです。消化を促進するのに役立つものもあります。飼い主の皿にあるものはいつも、より食欲をそそられます。私は、たまにかわいい罪を犯します。残ったヨーグルトを舐めるのが大好きなのです。好きなおもちゃはバネ!飼い主たちが投げると、それを送り返すことができるのです。私は個性があって強いと良く言われます。面白い表現力も持ち合わせています。飼い主達とのコミュニケーションは非常に明確で流動的です。でも、ハグや愛撫を必要とする猫ではありません。もちろん愛撫されるのは大好きなのですが、一人ではお願いには行きません。ただ、おなかを撫でられるのは大好きです。少し怠惰な面がありますが、必要に応じてハンターモードに切り替えができます。トゥーンカとの関係性は、まだあまり慣れていません。一緒に丸くなって眠るより、追いかけたり、一緒に遊んだりすることが好きです。トゥーンカは全く性格が違っていて、彼は家のどこにいても飼い主について行って、何度もハグを求め、喉をゴロゴロと鳴らし、まるで小さな接着剤です! 彼はまた非常に遊び心があります。私は浴槽と流し台で水を飲んだり、頭や足などを濡らしたりするのが大好きです。好奇心旺盛な時は、ミーアキャットのように二本足で立つのも大好き! 仰向けになって足を空中に上げたり、座ってお腹を前に出したり、人間のように座ったりするのも大好きです。私の折りたたみ耳とトゥーンカの小さな短い脚はチャームポイントです。もちろんこれらが私たちの健康を妨げることはありません!では、そろそろハグ&キスして一緒に遊びに行きましょう!飼い主から見たタイスとトゥーンカさまとは私は子どもの頃から動物が大好きで、いつも犬と一緒に育ちました。愛していた猫もいましたが、その猫は私のことを好きではなかったのかもしれません。今でも腕に、引っかき傷や噛み傷の痕跡が残っています。パートナー共々猫を飼おうと思っていましたが、前はかなり小さなスタジオに住んでいたので、残念ながら保護団体からの子猫を見つけることができなかったのです。そのため、個人やブリーダーからの情報を得る必要がありました。広さ的にも大きな猫を受け入れる余裕はありません。子猫は私たちの生活空間に適応するのに理想的だったのです。そんな中、私たちはインターネット上の個人の掲示板を見て、すぐにタイスのことが気になったのです。 私たちは持ち主に連絡し、翌日タイスに会いに行きました。 彼女は可愛らしく、その瞬間は魔法のようでした。言葉では言い尽くせない本当の愛を見つけたのです。 それから数か月後、タイスが私たちの生活に仲間入りしたのです。私が最初の猫としてタイスを飼うことは、一歩であり発見でした。私たちはともに成長し、とてもうまくいきました。100%以上快適に過ごせています。それが重要なことです。引っかき傷や噛み傷はもう怖くありません!猫は犬よりも存在感や愛情が少ないのではないかと心配していましたが、さまざまなキャラクターや表現がありました。猫がもたらすものは偉大です! 今日、私であろうとパートナーであろうと、私たちの生活に猫や動物がいない生活は考えられません。パートナーは実家で猫を飼っており、私と同じように動物が大好きです。しかし、彼は私のような猫に対する恐怖心はありませんでした。私もパートナーも常に動物に囲まれて育ってきましたが、この1年間は動物がそばにいなくて何かが足りない生活が続いていました。私たちは、小さな動物が私たちの人生を以前よりもさらに輝かせてくれるように、心を開き、愛と慈悲で満たしたかったのです。トゥーンカを受け入れるのも同じ願いからでした。2匹目の猫を飼うことについて長い間真剣に考え、2年かかりました。さらに愛と優しさを与えたい、タイスにも仲間を与えたいという思いからでした。トゥーンカとの出会いは悲しい出来事から始まりますが、運命は最終的にあるべき道をたどったと思います。トゥーンカを迎える前、私たちは1年以上、信頼できるキャッテリーやブリーダーを探していました。私たちは、マンチカン猫の品種を探していました。タイスと同じように、マンチカンの性質と性格について多くのことを学び、とりわけ、タイスの性格に合うかどうか、同居がうまくいくかどうかを確認しました。2022年5月キャッテリーと何度かやりとりした後、魅力的な小さな女性猫に出会いました。でも残念ながらブリーダーでのアクシデントのため子猫が亡くなったという悲しいニュースを聞き、とても絶望しました。これは初めてのことですが、私たちはしばらく喪に服しました。このような状況を乗り越えて、私たちはまだ2匹目の猫を引き取りたいと考えていました。すると2022年8月にトゥーンカの誕生の連絡がきたのです。私たちは女性猫を探していましたが、動物の性別や外見を超えて、またしても恋をしました。数年前にタイスで感じたのと同じ感覚でした。私たちは猫たちを私たちの子どもとして見なしています。もちろん子どもに匹敵するものではありませんが、彼らを見守り、貢献し、猫たちは多くのものをもたらしてくれるのです。猫たちは私たちの生活、家、家族として不可欠です。私たちは彼らを深く愛しています。一緒にたくさん笑い、最後まで自分自身を投影し、彼らと一緒に一生を過ごします。猫たちの調子が悪い場合はとても心配です。私たちは毎日彼らを見守り、甘やかします。私たちの猫は、すべての猫と同様、非常にユニークなキャラクターで、行動や仕草に加えておしゃべりで私たちと多くのコミュニケーションをとっています。ーー個性的な猫さま2名を受け入れるにあたって、飼い主は徹底的に猫さまの種類を調べ、性格や相性なども合わせて決断したといいます。でも実際の生活ではタイスさまのチャームポイントのぽっちゃりした顔と、何かを欲しがっている時の表情にやられっぱなしとか!トゥーンカさまの魅力は短い脚にあると言いますが、最初に気づいたのはそこではなく大きな耳と、ハグとキスだけを求めるかわいくて抱きしめたくなるキャラクターだそうです。太陽の下で一緒にリラックスするのが好きな美食一家でした。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年03月19日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第116回目は茶トラのカタス(Katus)さま。大きな目をした年齢不詳の猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.116猫の話をもっと聞かせて!男性猫さまのカタスさま、年齢は不明です。カタスさまが語ります。僕は3部屋あるアパルトマンに住んでいます。毎晩飼い主たちと一緒に寝て、朝は7時から行動を始め、まずは遊びを要求します。飼い主たちが仕事に行っている間、僕は帰宅を首を長くして待っています。遊ぶのが大好きで、とにかくかまってほしいのです。食事は調理済みの鶏肉と野菜を食べます。カリフラワーとカボチャも大好きです。飼い主は僕のためだけの食事を用意し、新鮮な鶏肉を購入したり魚を調理したりします。飼い主は食品店で鮮度保持のためのシェフとして働いているので、いい食材が手に入りやすいんですって。あとはスイスのナチュラルヨーグルトが大好きです。寒がりなので太陽の下にいるのが大好き。ソファの上でも、床の上でも、暖かければどこでも居座ります。僕はおもちゃを持っていません。その辺に転がっているテニスボールや小さなボールで毎日ひとり遊びをしています。今夜のご飯は何が出てくるのか楽しみで仕方がないのです。飼い主から見たカタスさま私たちは路上に捨てられていた赤ん坊の猫を飼っていましたが、すでに大人になってから出会ったカタスの場合は、それとは事情が異なっていました。最初の数日間、彼はとても穏やかに見えました。それから、彼がいかに頑固であるかがわかりました。彼は、欲しいものを手に入れるまでニャーとしゃべり続けます。彼はゲームではなく、私たちとたくさん遊びたがります。初めて会った頃とはまったく違うカタスを発見しました。彼の年齢はよくわかりません。5歳か6歳だと思います。前の飼い主に捨てられた後、捨て猫の世話をしていた人に引き取られて、別の猫と一緒に生活していました。私たちはそこを訪れて、カタスに初めて会いました。彼は落ち着いていて、喉を鳴らしていて、私たちを見てハグを望んでいました。すぐにカタスを気に入り、私たちは彼を養子にしました。カタスは社交的な猫です。周りに人がいるのが大好きで、特に私たちが彼の世話をするのが大好きです。私たちが話していないときでも、彼はたくさんおしゃべりをします。カタスはとてもかわいらしく、長い毛並みをもっていて愛らしい子です。時々彼は賢明です。大きな丸い目をしていて表情豊かです。カタスは、興奮のピークを迎えると非常に熱狂的になり、四方八方に走ったり遊んだりし始めます。時々、私たちは彼が大きな子どもだと感じます。カタスがそばにいてくれて、毎日最高な日々です。彼が最も幸せなのは、私たちの目が行き届く庭に出ることなのだと思います。彼は普段はアパート内にいますが、小さな緑地へ行くことが許されると、私たちが近くにいるだけで安心して遊びます。カタスは私たちに勇気とエネルギーをもたらしてくれるだけでなく、心配事を忘れさせてくれ、愛を受け取り、愛を与える人生のパートナーなのです。――カタスさまは性格もいいし可愛いですね。どうして前の飼い主がカタスさまを手放したのかは話が聞けませんでしたが、ここの家に来て美味しいご飯と愛情たっぷりの毎日を過ごせるカタスさまは幸せですね。過去のことより前向きな姿勢で、今日も楽しくすごしている事でしょう。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年03月18日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第115回目は黒白ハチワレのウメコ(Umeko)さま。母猫の強い愛で無事に産まれた猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.115猫さまの話をもっと聞かせて!ウメコさまはもうじき3歳の女性猫さま。ウメコさまが語ります。私はアパルトマンの4階に住んでいます。朝は7時半にご飯の合図で目を覚まし、まずは食事、それからまた寝て、中庭を見たり、一人追いかけっこをしたり、遊んだり、 やりたい事をやりたい時にするという感じで毎日を過ごしています。夜は飼い主と共に寝て、朝まで飽きることなくぐっすり寝てしまいます。去年の春、突然体調を崩して検査入院をしました。その時に食物アレルギー性消化器疾患と判明し、アレルギーマネジメント用のドライフードだけが私の食事です。一度ウェットフードを試しましたが好みではありませんでした。ドライフード派の燃費の良い猫と呼ばれています。基本ストーカー体質なので、飼い主のそばでゴロゴロしています。かと思えば、寝室にあるクローゼットの扉を自力でこじ開け、中に潜んでかくれんぼも得意です。おもちゃはヘアゴムとシャカシャカするビニール袋!好奇心旺盛で物怖じしない楽天家とも言われています。チャームポイントは、口元の黒い模様。常に口を開けているように見えてかわいい!と飼い主は言います。飼い主から見たウメコさまウメコが私の生まれて初めての飼い猫です。ウメコの年齢=私の猫歴となりますね。パリ近郊の友人家族から引き取りました。庭に迷い込んだ猫がいて、いきなり3匹の猫を出産したそうです。友人家族も迷い猫が出産間近とは夢にも思わず、雨宿り程度のつもりで家にあげたとのことでした。元々友人宅で計画していたBBQがその翌日にあり、生後1日目のウメコに出会いました。後に、迷い込んだ母猫はその友人宅へ、ウメコの兄弟もそれぞれ共通の知人宅へ養子縁組となりました。外で生き延びて、ウメコを含む子どもたちを安全に産むための場所を見つけた母猫には感動しました。ウメコは気に入ったおもちゃは犬のようにくわえてこちらへ持ってきます。また、出張やバカンスなどで友人宅に預けることも多いのですが、友人宅でもすぐにのびのびストレスフリーでいてくれるので、頼もしい特技の持ち主です。あまり物怖じしない、図々しくも飄々と生きていける強さも持ち合わせています。ウメコは家族の一員、娘です。かなり甘えん坊なので、私は母親かなと。ウメコに出会って、愛は血縁ではないと心から思います。お互いの健康を重んじ、外出しても早く家に帰ろうと意識するようになりました。ウメコのお陰で子どもを思う親の気持ちがわかった気がします。ーーガーデンパーティの前日に生まれた猫さまたちは、みんなそれぞれ飼い主が見つかってよかったですね。パーティの間中、猫さまの話題で持ちきりだったのではと想像します。この偶然の出会いが、猫さまを飼ったことがない今の飼い主さんの心の幸せをもたらしたのですね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年03月12日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第114回目は白地にグレーのトラ模様のニノン(Ninon)さま。パリジェンヌになった猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.114猫さまの話をもっと聞かせて!ニノンさまは6歳の女性猫さま。ニノンさまが語ります。私の名前はニノンです。フランスの女性の名前で、Georges Brassensという有名な歌手の歌(1962年の古い歌になります)の歌詞にあるNinonが由来になっているとのことです。住んでいるのはパリの6区で、アーティストが多く住んでいる地区のアパルトマンです。お話するのが大好きで、飼い主が話しかけると必ず返事をします。冬はベッドで頭を枕に乗せて、人間のように横になって寝ます。朝は午前5時~6時に飼い主の顔をなめて起こし、朝ご飯を食べてから二度寝をします。飼い主が出勤をしてからは一人気ままな時間を過ごし、飼い主が戻ってきたら全速力で遊びまくります。夕飯にグルメな猫缶を食べた後、遊んだり寝たりを繰り返しながら1日が終わります。ウェットフードが好きなので、栄養バランスのとれた猫缶や、ゆでたチキンを割いてもらいます。歯磨き用のおやつも大好きで「お手とおかわり」がちゃんとできます。最近はおやつをくれるまで何度もお手を繰り返すようにしています。飼い主が家で仕事をしているときは、目の前にある丸い箱の中にくるんと丸くおさまって、会議の内容を聞きながら寝ています。飼い主が上司と話していて、話が面白くなくなると、数多くあるボタンの中からミュートボタンを選んで押すことが特技です。飼い主の職場の人達には天才猫だと思われています。飼い主から見たニノンさま私は国際機関に勤務をしており、途上国の教育支援を行う仕事をしています。幼少期に米国で生活をしていた時から家には猫がいました。自立してからも常に猫が周りにいて、アフガニスタンで勤務をしていた2011年~2016年の間に2匹のアフガン猫を日本に連れて帰りました。そのうち1匹は実家の父と水入らずの生活をしていたのですが、最近亡くなり、もう1匹の猫は東京のど真ん中のタワーマンションで都会猫の生活を送っています。中近東のヨルダンで仕事をしていた際に、急にニノンが仕事場に現れました。まだ本当に小さな子猫の時でした。銃を持つ強面のセキュリティーガードの人達に可愛がられて猫缶をもらっていたところ、冬が近づいてきて外にいるのはかわいそうだと思い、家に引き取りました。それ以来、完全なる家猫・箱入り猫の毎日です。ヨルダンからフランスに引っ越すこととなり、ヨルダンの獣医さんと共にすべての手続きを行い、エアフランスでニノンを手荷物として一緒に乗り込み、無事にシャルルドゴール空港に到着。それからニノンのパリジェンヌ生活が始まりました。コロナ禍にオンラインで仕事をしていた際には、ほとんどすべての会議にニノンが登場するため、仕事場の人達はみなニノンのことを知っています。一度、緊迫した会議をしていた際にニノンが参加してしまったのが、その場を和やかにしてくれ、急に仕事の話が全てうまくいったことがあります。ニノンは私の生活の中心にあり、常にニノンが幸せになるにはどうしたら良いだろうかといつも考えています。ニノンは人生における最愛のパートナーなのです。ーーヨルダン生まれのニノンさまはすっかりパリジェンヌになってしまいました。野良猫を放っておけなかった飼い主はニノンさまと出会ってすっかり虜になったようです。毎日が活気のある生活だと話します。お話好きなニノンさまは人間の会話も十分理解できていると察しますね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年03月11日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第113回目は赤茶長毛のサリー(Sully)さま。心に穴が空いた飼い主を癒した猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.113猫さまの話をもっと聞かせて!サリーさまは1歳の男性猫さま。サリーさまが語ります。僕は都会のアパルトマンに住んでいます。今のところお出かけはしていません。赤ちゃんの時、たくさんの猫達とケージに入れられて窮屈だった記憶が少し残っています。僕の飼い主とは、出会った頃から気が合うと感じて僕のほうからちょっかいを出しました。この家は快適ですね。特に浴室はきれいに磨かれていて(飼い主はビューティーサロンのマネージャー)鏡を覗き込んだり、蛇口から直接水を飲んだりと、浴室で過ごす時間も多いのです。あと、気持ちが良いフカフカ毛布があるソファーの上。飼い主たちがテレビを見ている間、僕はここでうたた寝をします。ご飯は『Franklin』というブランドの子猫用のパテとカリカリです。朝晩はパテ、昼はカリカリを食べています。もうじき大人猫用のご飯も準備しなきゃと飼い主が話しているので、どんな違いがあるかとても楽しみです。飼い主から見たサリーさまサリーは私たちの最初の猫です。サリーがやってくる前は犬と一緒に住んでいましたが、残念ながら亡くなってしまいました。それからは悲しみに暮れていたので、もう犬を飼う気持ちにはなれませんでした。それでも、心の空白のためにも動物を飼いたいと考えていて、それなら猫がいいなと思っていました。そして、不幸な猫を救うために動物保護施設に行きました。最初に私たちの元にやって来たのがサリーでした。私の最愛の人(彼氏)が履いていたスニーカー、ナイキのジョーダンで遊び出したので、すぐに私たちはサリーを選びました。彼は大きくてかわいい毛むくじゃらの子猫です。親切で、愛情深く、私たちにとても似ていますが、少し頑固でもあります。サリーは私たちと話をしたり、写真を撮られるのが大好きです。はい、私たちも同じく、写真が大好きです。毎朝サリーがやってきて来て、私たちが起きる前にベッドで大きなハグをしてくれるのです。サリーがいると、私たちは孤独を感じません。 魅力的な目をしていて大きな存在感を放っています。サリーはこれからも私たちの人生に多くの幸せを与えてくれるでしょう。この幸せな瞬間と、私たちが共に分かちあえる生きかたを教えてくれたサリーにただただ感謝です。――最愛の犬さまを失った悲しみは計り知れないものだったと思います。しかし、幸運にもキラキラした瞳のサリーさまと出会ったことで、飼い主たちは塞いでいた心が解放されたようです。まだまだ若いサリーさまと楽しい日常を過ごして下さい!取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年03月05日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第112回目はブリティッシュショートヘアのプリミツ(Primityu)さまです。食う寝る遊ぶの毎日を過ごす猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.112猫さまの話をもっと聞かせて!プリミツさまは生後6か月の男性猫さま。プリミツさまが語ります。僕の飼い主は、パリ16区にあるフレンチレストランのオーナーシェフです。毎日とても忙しいようですが、仕事が休みの日には一緒にお昼寝をしたり、遊んでくれます。時々お風呂にも入れてくれます。飼い主の仕事が終わって家の扉の前に着くと、すぐわかります。ニャーニャー鳴いて、早く開けるように要求します。携帯電話を見ていて僕を相手にしない時は、携帯をかじって遊んでとせがんだりもします。なぜられるのは好きで、甘えん坊なのです。アパルトマンの3階に住んでいます。窓際には5階建てのキャットタワーがあるので、飼い主の留守中はここにいることも多いです。あとは本棚の上も大好きです。食べる、寝る、食べる、寝るの毎日です。だいたい7~8時に起きてお顔スリスリ、ご飯を食べてそのあとは軽く運動し、トイレに行き、外を眺めたり、昼寝をしたりしています。最近、動く青色の魚のおもちゃをもらってハマっています。抱き締めたりそのまま後ろ足で蹴りを入れたり、すっかりお気に入りになりました。ネズミのおもちゃもお気に入りです。テレビでネズミの動画を見た時はびっくりしましけど、これも最近の僕の遊びに加わりました。飼い主から見たプリミツさまとは小さな時から、家には必ず最低1匹は猫がいました。自分で初めて飼ったのはロシアンブルーで、5年ほど飼っていましたが、渡仏のため当時同棲していた彼女に譲りました。ブリティッシュショートヘアについては、以前知り合いが飼っていてかわいいと思っていました。プリミツは誕生日のプレゼントとしてやってきました。ビジネスパートナーが飼っている猫ちゃんの弟です。ブリティッシュショートヘア特有であるのかわかりませんが、プリミツはとっても甘えん坊のツンデレな性格です。いつも側にいないとイヤなのにあんまり抱っこされたりするのは好きではないです。人見知りもそんなになく、結構社交的な性格だと思います。好奇心旺盛で新しい人や物には怖がらず寄っていくタイプですね。まだ来て間もないので、毎日が本当に楽しいです。かわいい子どものような存在です。ご飯やトイレの世話をしたり、手間のかかる部分はありますが、それ以上に可愛いくて自分をとことん癒してくれる存在なのです。――大きいまん丸のお目目をもったプリミツさまは、自分の魅力を最大限に発揮して飼い主を虜にしてしまったようです。素晴らしい料理を作る時の真剣な表情の飼い主とは違った面を見せてくれました。今ではプリミツさまの存在は大きく、毎日が活気に満ちているようでした。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年03月04日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第111回目、ワンワンワンは番外編の番外犬、犬さまの登場。柴犬のマメ(Mamé)さまです。犬生をエンジョイしている犬さまの物語【フレンチ猫さま】vol.111猫(犬)の話をもっと聞かせて!マメさまは4歳の男性犬さまです。マメさまが語ります。僕はパリ近郊の、お城が有名なシャンティイの隣町で3階建ての家に住んでいます。暖炉もあり、お庭が森に繋がっている素敵な家です。僕はハンガリー生まれ、パリ育ち。今は田舎へ引っ越し、ハッピーライフを満喫中です。朝は家の誰かが起きて下の階に来てから僕が起きます。家族はみんな上の階で寝ていますが、僕は階段をのぼることを禁止されています。ここの子どもたちが学校に行ってからようやく僕の散歩時間になります。嬉しくて嬉しくて家の裏の森を30分以上は走り回ります。飼い主が上の階のアトリエで仕事中(アーティストですが、イラストを書いたりケーキデザインしたり漫画の編集をしたりする多才な女性です)は、1階で家族の匂いのするソファーでお昼寝をしていることが多いです。自分のお布団がありますが、そこにはほとんどいません。休憩で下におりてきた飼い主は、思いっきり僕を撫でたり、テニスボール、それから噛むとピューピュー音の鳴るおもちゃで遊んでくれます。飼い主は僕を退屈させるとかわいそうと思い、何度かアトリエに連れて行きましたが、不安で落ち着かず、結局僕はずっと下の階にいるのです。午後になるとまた森を散歩します。体重コントロールをしているために僕の食事は夜に1回だけなのですが、家族が鳥の丸焼きを食べる時は僕にもおこぼれがやって来ます。その日が一番幸せなディナーでしょうか。寝る前にもう一度軽い散歩に行きます。子どもたちの学校のお迎えにも時々一緒に行きますが、人混みや車が多いのがとても苦手で、あまり好きではないです。僕の彼女が隣街にいるので(名前はリリーといいます)、時々一緒に森をデートをしますよ。この季節の森は激寒ですが、彼女と一緒にいると体も心もぽかぽかになるのです。飼い主から見たマメさまは?夫の仕事の関係でパリを離れなければならなくなった時、「柴犬を家族の一員に迎えられるなら田舎に行ってもいい」と冗談を言っていたのです。数日後、彼から新しい家族です、と赤ちゃん柴犬の写真が送られて来ました。この一撃で私はこれからの生活が変化するであろう未来を、マメと共に生きていくことを決めたのでした。大和魂とは程遠い犬で、チキン!とっても怖がりなんです。ビニールのカサカサという音でびっくりして吠えます。でも慣れると足の間に挟まってきたり、気づかれないように体をくっつけてきたり、本当にとっても可愛い性格です。お手もお菓子をあげないとしたくない、伏せもできない…けれども、私を24時間メロメロにしてくれます!人生で初めて犬を飼ったのですが、本当に家族だと感じます。居てくれるだけで、温かい気持ちで包んでくれる愛の存在です。チャームポイントは白いまつげのついたキラキラお目々ですね。見つめられると溶けてしまいます。私は子どもの頃に干された毛布の間に挟まって太陽の匂いをかぐのが好きだったのですが、なんと、マメからその匂いがするのです!そんなことも含めて、マメは私を癒やしてくれる毎日の心の栄養剤なのです。去勢手術をしてからは、体重が増えないよう獣医推奨のドッグフードをあげてます。一度食物アレルギーからひどい中耳炎になってしまったので、獣医推奨のビスケットやシンプルな鶏肉を乾燥させたものをあげるようにしています。マメは私のことは友達以上恋人未満的なご飯係と思っているようですが…。2021年の冬に珍しく雪が積もり、初めての雪に興奮!嬉しすぎてマメがたくさんジャンプしていたのが忘れられません。急にハイテンションになるところと飼い主の言うことを聞かないところは私にそっくりです(笑)――犬を飼うなら田舎に引っ越してもいいと条件付きで新しい世界に飛び込んでいった飼い主の勇気は、マメさまのお陰ですね。パリ市内よりずっと季節の変化を感じられる森の近くは、マメさまにとっても幸せに違いありません。過去に森の中で迷子になって豪雨の中24時間行方不明になったときは、くたくたボロボロになって戻ってきたそうですが、飼い主からのたくさんの愛情とケアでマメさまが体験した恐怖を克服していったのです。もう迷子にならないでください!そしてまだまだ寒い季節が続きますが、今日も森散歩を楽しんでくださいね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年02月26日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第110回目は黒猫のカーリー(Kali)さま。いたずらが大好きな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.110猫さまの話をもっと聞かせて!カーリーさまはもうすぐ1歳になる女性猫さまです。カーリーさまが語ります。私のお気に入りのおもちゃは、靴下や紙のボール、ロープの先に魚がいる棒の切れ端です。飼い主は私にリードをつけて、森の中へ散歩に連れて行ってくれます。1日の多くの時間を寝て、起きている時は好きなことをして過ごします。 家の中の植物の土を掘り、ハエを追いかけてジャンプし、紙やカーテンを引っ掻くなど…。それでカーリーという名前が付けられました(カーリーとは、ヒンズー教の主神シヴァ(Shiva)の妃の邪悪な分身で、破壊と死の黒い女神です)。私は魚が泳ぐのを見るのが大好きなので、小さな水槽も持っています。いつもはカリカリと時々少しのパテを食べますが、カリカリのほうが好みです。おやつに関してはあまり貪欲ではありません。飼い主が何度かおやつを私の鼻先まで持って来てくれたのですが興味がありませんでした。いつもはキャットタワーかソファで寝ていますが、起きている時は窓の近くで、外で何が起こっているのかをよく観察します。飼い主は私のことを小さなコウモリのようだ、時には小さな愛の女神だとも言っています。飼い主から見たカーリーさま私は両親と一緒に住んでいた子どもの頃、猫を飼っていました。この小さなカーリーはここの家で生まれました。2021年10月にカーリーのお母さんを見つけました。その時は生後4か月くらいだったはずです。恋人に完全に捨てられた彼女を引き取ることになり、不妊手術をしていなかったので間もなく妊娠し自宅で出産することになりました。彼女は非常に若く、経験が浅く、最初に産まれた子猫の出産はスムーズにできましたが、次の子猫はそうではありませんでした。私と私の娘がそれぞれの子猫の胎嚢を開け、拭き、へその緒を切って、彼女が出産するのを手伝いました。彼女は母乳も出なかったので、私たちは子猫たちに哺乳瓶でミルクを与えました。母親にミルクを与えることによって、母親が授乳するように刺激したりもしました。私たちは、娘が飼いたいと思っていたカーリーのほか4匹の子猫を、手分けして家族それぞれで世話をしました。カーリーが私たちの生活に入ってきたのはこんな経緯があったのです。世話をしている間に非常に強い絆が生まれたので、カーリーを手放すことはできませんでした。カーリーは何事にも好奇心旺盛で、ハグも大好きです。彼女は私たちが行うすべてのことにとても興味を示し、私たちのすべての活動に参加するのが大好きです。彼女はとてもインタラクティブな関係(一方的ではない相互関係)を結んでいるのです。私たちのカーリーとの毎日は楽しいひと時であり、彼女が何かいたずらをすることは少なくなってきましたが、もしいたずらをしてもすぐに私たちは許します。カーリーは私の人生と意識にたくさんの愛、気配り、配慮、存在感、快適さ(ソファのスペースが少なくなりますが)を与えてくれています。――とにかくヤンチャなカーリーさまは隙があれば悪さをしているようです。もうすぐ1歳になるので少し落ち着いたとは聞いていますが、お茶目な表情を見るとなんでも許してあげたくなりますね。カーリーさま、今日は何を企んでいるのでしょうか?取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年02月25日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第109回目は白茶トラのトム(Tom)さま。半野良からイエ猫になった猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.109猫さまの話をもっと聞かせて!トムさまは5歳の男性猫さまです。トムさまが語ります。朝、飼い主達が起きるまでじっと待っています。飼い主が起きたらご飯を食べ、二度寝して、窓辺で鳩を観察します。それから、遊んで寝て、毎日毎日飼い主とこの家の息子に撫でられまくり、幸せに暮らしています。1日2回くらいは家中を暴走します。寝る時は、飼い主か息子のベッドの足元が居心地良いので、気分に合わせて選んでいます。飼い主はもっと上まで来てほしいと言っていますが…。食事は『ロイヤルカナン』のドライフードと、朝晩『Almo Nature』のウェットフード(マグロ)です。このマグロはとても美味しく、これが出てくる時は飼い主の言うことをなんでも聞きます。犬みたいに、おすわり・お手・おかわり・立ち・クルクルを毎回披露します。芸達者でしょう。でも、体重が6キロあって体格がいいので、食事には気を付けています。チャームポイントは、むっちりプリプリのお尻です~(洋ナシ体型)!大好きな居場所はベッドの上、キャットタワー最上階です。冬は暖房の前の猫用ベッドの中に陣取ります。大好きなおもちゃは“カシャカシャブンブン”。ぬいぐるみなどは全く興味がありません。猫じゃらし系でよく遊びますが、少しすると飽きてしまうので、次のおもちゃをいつも要求しています。知らない人でも駆け寄ってゴロゴロすりすり。誰が来てもピンポンが鳴れば玄関にお出迎えに行きます。郵便配達や電気工事のおじさんにも愛嬌を振りまいています。本当に人間が大好きで、他の犬も猫も好きです。友達のトラーは今までにお試し期間の1泊を入れて3回、バカンス時に一緒に生活しました。僕は優しい性格なので、すぐにトラーを受け入れました。でも、ここのテリトリーは僕のもの。「親分顔」になりトラーが少しでも僕のお気に入りの場所に入ったりすると、仁義なき戦いのテーマと共に現れ、首根っこを咥えて教育的指導をしました…。猫界の掟も守らなきゃいけません。年齢的にも体重的にも僕が上なので、トラーは大人しくしています。僕がトラーの毛づくろいをずっとしたり、世話役になっているので、お互いの飼い主は安心しているでしょう。オス同士は関係性が難しいとみんな言っていますが、トラーが素直な性格をしているからだと思います!また遊びに来てほしいと、バカンス時が待ち遠しいのです。飼い主から見たトムさま猫を飼うのはトムが初めてです。先代犬が亡くなって、私も当時11歳の息子も無類の動物好きのため、寂しくて保護猫のアノンス(掲示板)でトムを見つけました。2019年に亡くなった先代犬がジェリーだったので『トムとジェリー』から名付けました。飼う条件は、アパート暮らしが苦ではない、子どもが苦手ではない、犬に対して恐怖心を持たない(犬の匂いが家にまだ残っていると思ったため)等でした。すぐにトムが見つかり、アソシエーションまで会いに行き、あれよあれよという間に即決でした。ご縁ですね。トムが1歳2か月の時でした。トムは飼い猫として生まれたはずなのに、何らかの理由でお家に入れてもらえず半野良となり、寂しくて道端で通りがかりの人に愛情を求めてずっと鳴いていたのを保護されました。私が引き取る5か月ほど前のことだそうです。当時のトムの写真を持っていますが、今と全く違って本当に寂しそうに見えます。その写真を見るたびに、胸が締め付けられます。身勝手な人間のせいで辛いめにあったのに、人間を嫌いにならないでいてくれて感謝の気持ちしかありません。忘れられないのが、我が家に来て一晩経った翌朝、私のベッドに来て顔中ずっと舐めてくれたこと。まぶたあたりは痛かったのですが、まるで「ありがとう」と言ってくれているようでした。しかし外での生活がトラウマになったようで、今でも外が怖いようです。アパート暮らしなのでその点は不幸中の幸いとなっています。トムと私は脳天気なところが似ていると思います。トムが私のことをどう思っているかは、いつも話しかけると目を細めてうっとりしてくれるので少しは愛されていると信じています。一緒にいるともう毎日が楽しくて…、つい一緒にダラダラしてしまいます。犬のほうが感情表現が豊かだと思っていたのですが、猫もこんなに表情が豊かだとは思っていませんでした。時々しきりに「ニャーニャー」何かを訴えてくるのですが、私が分からないと「だめだこりゃ」という感じですごすごと去っていくのが面白いです。あと写真にもありますが、おじさんみたいに座っているポーズが得意で笑えます。ジャンプに失敗したときなど、まるでなにもなかったかのように「いや、別にジャンプしたかった訳じゃないし」とでも言いたそうに毛づくろいしているときなど、息子と笑いをこらえています。17歳半まで生きた愛犬を看取った時のように、もちろんトムも最後まで責任を持って1日でも長く一緒に暮らしていきたいと思います。家族でもある動物の死はとても辛いものです。しかし、同時に命とは何かを考えさせてくれ、そして彼らが生前に人間に与えてくれたことの大きさに気づきます。そういった経験をさせてくれる動物達に感謝したいと思います。この先トムが老いて、介護が必要であろうとオムツ生活になろうと、傍にいて彼の猫生を最後まで見届けたいと思っています。―――前回この連載#106に登場したトラーさまもスポット参加です。バカンス中にお互いの猫さまを預かりっこの良い関係を築いています。もともと犬派だった飼い主もトムさまの魅力にメロメロですね。半野良を体験したトムさまはここに来たお陰で、毎日がイキイキとしていて満足そうでした。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年02月22日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第108回目はヨーロピアンのチム(Chim)さま。かくれんぼが特技の猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.108猫さまの話をもっと聞かせて!チムさまは1歳半の男性猫さま。チムさまが語ります。僕はパリのモンパルナス近くのレストランを経営している飼い主と先住の犬と一緒に、レストランと同じ建物にあるアパルトマンに住んでいます。飼い主の夫はそのレストランのシェフで、美味しい料理が得意です。お店が休みの日でも、家は美味しい匂いに包まれるので、どんな食べものが出てくるのか興味津々です。特別な日には参鶏湯の鶏肉が登場します。いつものご飯はパテとカリカリ。made in France の『ziggy』というブランドのものなのは、食にこだわる飼い主ならではです。僕の1日のライフスタイルは、遊ぶ、ご飯、寝る、瞑想、遊ぶ、ご飯、寝る、瞑想…の繰り返しです。小さいスーパーボールで遊ぶのが大好き!好きな場所はキャットタワーの最上階。寒い日には、不在の飼い主のベッドにこっそりと潜り込みます。あ、いい匂いがして来たのでこの辺で!見回りに行ってきます。飼い主から見たチムさまとはチムは私にとって初めての猫です(もともと動物は苦手でした)。ある日、長女の友人が捨て猫の里親を探していることを知り、「お迎えに行っておいで」と。その日のうちに我が家へ来ました。生後たったの4~5日目でした。お世話の甲斐もあってあっという間にどんどん成長しました。チムの性格は、人懐っこく甘えん坊でいたずら好き。静と動の差が激しいヤンチャな猫です。特技はかくれんぼと犬のモノマネ(笑)!遠くからでも私を見ていて、ふと視線が合う時は本当に可愛いと思います。私に似て人に合わせないし無理をしない(できない)。やりたいことしかやりません。思い出深いエピソードが2つあります。ひとつは、ブイヨンをとった後のポワロネギを咥えているところに遭遇し、取り上げようとしたらお蕎麦みたいにずずーっとすすって飲み込んだこと。猫にとってネギは命にかかわると知って、すぐ獣医に駆け込んで吐き下しのお薬を飲ませたけれど吐かず…。今では笑えるけれど、あの時は10日間くらい生きた心地がしなかったです。ふたつめは、自分で排泄ができない頃、どうやっても便秘がひどくてお腹がパンパンになり、獣医にどう説明するか娘と言い合いになっていたら、すぐ横で今までにないくらいキレイなウンチをしたこと。チムは私に自己肯定感、ムダなチカラを抜くこと、ストレッチの大切さを教えてくれるのです。――生後たったの4~5日目にやってきたチムさまのお世話は大変だったのだろうと想像します。飼い主も通常の仕事で忙しい中、子ども達3人が交代でかかりっきりで見守っていたようです。先住の犬さまとの相性も良いそうです。今日も台所からいい匂いがして幸せに包まれているのでしょうね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年02月19日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第107回目はサイベリアンの茶トラ、クリームコートのプウシ(Poushi)さまとレッドコートのアキ(Aki)さまです。同時に引き取られた双子の猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.106猫さまの話をもっと聞かせて!プウシさまとアキさまは1歳半の双子の姉妹です。プウシさまとアキさまが語る自分たちのこと。私たちはパリ市内の7平米のバルコニーを備えた35平米のオスマン様式のアパートメントに住んでいます。平均的な1日は6時30分に起きて遊び、8時に朝ごはん食べます。その後、ひと眠りして身だしなみを整え、天気が良ければバルコニーを少し散歩します。12時にお昼ご飯を食べて、14時~18時はシエスタ、そしてバルコニーを散歩、18時に夕食を食べて、23時30分に就寝前の抱っこをリクエストして1日が終わります。主食はカリカリとパテですが、おやつは食欲をそそるチキンとチーズが入ったドライフードです。お気に入りの場所はそれぞれですが、アキは机で仕事をしている飼い主(パパ)の膝の上。プウシは旅行かばんの上、キャットツリーにあるバスケット、そして床の角度のあるコーナーです。大好きなおもちゃは、アキは装飾品(羽、糸)の付いた糸と玉。プウシはボール、箱の中で遊ぶのが大好きです。性格は、アキは怠惰で貪欲で食べることしか考えていません。プウシはおしゃべりで独占欲が強く嫉妬深いです。双子ですが、あまり似たところはないかもしれませんね。でも、毎日仲良く暮らしているのです。いつもお互い求め合っているので離れ離れにならなくてよかったねとよく話しています。飼い主から見たプウシさまとアキさま私は小さい頃からいつも動物に囲まれていました。私の夫は、アレルギーのため家族と一緒に動物を飼う機会がありませんでした。私の家族のヨーロッパ種の猫であるコスタ(2023年で13歳の女性猫)に会い、彼の願いはいつか生姜猫(茶トラ)を飼うことになりました。そこで2年前、私は夫に内緒で低刺激性のサイベリアン種のリサーチを始めました。課題はコートの色が赤であることでした。しかし、そのような猫がいるパリの近郊のブリーダーをなかなか見つけることができませんでした。12月の最後の週、夕方に映画館に行く前に、生姜猫のサイベリアン種の子猫5匹 (オス2匹とメス3匹)の養子縁組の紹介を見つけました。私はすぐに、赤ではありませんでしたがクリーム色の毛並みの女性猫に気づきました。子猫の管理者からは、予約はできないと言われましたが、私の熱意を知って翌日の朝一番であれば、連れて帰ることができると約束してくれました。閉店まであと30分しか残っておらず、この機会を逃すわけにはいかないと思い、夫に連絡を取り、早急に写真を送って、状況を把握してもらいました。夫はすぐに小さなプウシに恋をしてしまった様子でした。その夜は猫の事で頭がいっぱいで、映画のあらすじはほとんど覚えていませんでした。翌朝一番に夫と2人でブリーダーを訪れ、小さなクリーム色の女性の子猫を迎え入れることが決まりました。夫がもう1匹飼ったらどうか?と言った時は驚きでした。その結果、30分ほど様子を観察し、どのきょうだい猫がプウシと一番楽しそうに遊んでいるかを確認しました。それは赤毛の女性猫で、すぐにアキと名付けました。アキ(日本語で秋)は、赤毛の色と生年月日を考慮してつけました。長い毛のプウシの由来は、ほこりを集める長い毛があるため、ホコリ取りというアクションにちなんだ、かわいい名前をつけました。2匹は私達に、責任、楽しみ、融和、愛を全て同時に持ち込んでくれたました。プウシはお腹にカールがあり、ふわふわの長い絹のような毛並みです。アキは小さな顔で、ピンク色の足をしていて、満足するととても愛情深くなる性格です。どれをとっても世界最高の2匹と一緒になれたのです。彼女たちにとって私たちは「食品の流通業者」で、「できれば私たちをかわいがってください」、「今すぐハグしてください」という要求程度なのかもしれませんが、これからも2匹同時に溺愛したいと思っています。――猫アレルギーのある猫さま好きカップルが、ついに猫さまとの生活を手に入れた幸せなお話が聞けました。いつも猫さまのことを考えていたので、ラッキーにもプウシとアキに出会えたのです。彼女の夫の満足顔が想像できますね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年02月18日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第106回目は茶トラのトラー(Tolah)さま。長時間のお留守番を頑張っている猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.106猫さまの話をもっと聞かせて!トラーさまは1歳半の男性猫さま。トラーさまが語ります僕はパリ市内のピガール地区のアパルトマンに住んでいます。周りは繁華街で、賑やかな界隈です。僕の平均的な1日を紹介します。朝飼い主と一緒に起きて、朝ご飯にカリカリをちょっと食べた後、ボール投げや玩具で遊んでもらいます。飼い主が仕事に行くので、19時くらいまで家で一人で留守番をします。飼い主が帰ってきたら、夕飯はパテとカリカリを半分ずついただきます。留守中は時々イタズラしたり、窓辺にあるキャットツリーの上や籠の中のフワフワな毛布に乗って庭に来る小鳥や鳩を観察します。そして昼寝をします。たくさんのおもちゃがあるので、留守番&ひとり遊びもへっちゃらです。キツネの小さな人形がついたもの、生まれた時から一緒の小さなハリネズミのぬいぐるみ、段ボールで作ってもらったモグラたたきなどが相棒です。でもでもやっぱり飼い主にオモチャを投げてもらって、くわえて持ち帰って誉められるのが一番嬉しいかも。飼い主から見たトラーさまとは私の家には、私が生まれた時から猫が2匹いました。母が飼っていた女性猫のチャッピーと捨て猫だったちびこです。ちびこは14歳、チャッピーは20歳で亡くなりました。トラーは初めての男性猫で、遊ぶときの攻撃が女性猫より強いようです。うちにやってきた経緯は、友人の実家の飼い猫ライチが子猫を産み、引き取り手が3か月経っても見つからず引き取ることになったからです。私の母は大学生の時にトラーと全く同じ柄の茶トラ猫を飼っていました。階段からボールを落として、ダダッと階段を駆け下りてボールを取りに行くなど、今のトラーと同じように賢い猫だったそうです。女性猫はクールなところもありますが、男性猫は単純な感じです。そこが可愛いポイントでしょうか。一番楽しかったのは、生後3か月ちょっとで我が家に来て、子猫から子ども猫へ成長していく過程を見れたことです。ジャンプ力がついたり、知恵がついたり、植木をほじくってみたり、好奇心のかたまりで、どんな出来事も楽しく、これが一番楽しいということが決められません。ちょっとつり上がったアーモンド型の目と、のっしのっしと歩いてくる時の前脚、しっぽの下からのぞくドーナッツみたいなふぐり(いまはもうないのですが)、ちょっと四角い後ろ頭、キレイなシマシマ模様の入った背中から続く尻尾…かわいいなぁ、と感じるチャームポイントがたくさんあります。夏休みの間などにお互いの家を行き来する友達猫トムとも相性が良く、トラーはお兄ちゃんができた感じでまとわりついたりしています。性格は人懐っこく、イタズラ好き。賢くて甘えん坊で、かまってもらいたがり。私にとって最高の相棒です!――フランスでは長いバカンス中にお互いの猫さまを預かり合いするケースが多いです。でも絶対相性は必要!トラーさまの友達のトムさまは、おっとり構えた歌舞伎役者風の面立ちが可愛い猫さまです。人懐っこくて、例えば工事現場のおじさんとかにもバリアーを作ったり隠れたりせずに、スーッと寄って撫ぜてもらったりしています。懐が深い猫さまです!トムさまは今後この連載にも登場してくれる予定です。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年02月12日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第105回目は黒白ブチのミルク(Milk)さま。飼い主の心の支えとなった猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.105猫さまの話をもっと聞かせて! ミルクさまは6歳半の男性猫さまです。ミルクさまが語ります僕はパリ近郊のMeauxという街に住んでいます。この街の周辺ではブリーというチーズが有名で、僕も大好きです。でも、大好物なのはチキンかな!それが食事に出た時、食べ終えたら満足の表現、仰向けになって飼い主に気持ちを伝えます。朝は起きたいときに起きて (飼い主と同じように)、朝食を食べた後、1日を始めます。 家の中を歩き回り、飼い主がピアノの先生なので楽譜の上に寝そべったりして注意を引きます。飼い主が午後の終わりに仕事を終えて休んでいるときは、おやつを食べることができます。そして夕食後に一緒にテレビを見て、もちろん飼い主と一緒に真夜中頃になってから布団に入ります。たまに音楽の地方公演がある時は一緒に電車で移動することもあります。僕の友だちは青い魚のぬいぐるみ、これは抱き心地もいいのでそのまま眠ってしまうこともあります。それからバスの形をした爪研ぎは中に入れるので、僕は運転手さんのつもりになれます。いつも家の中はピアノの音が流れていて、この家も飼い主も大好きです。飼い主から見たミルクさまとはミルクと出会ったのは路上でした。動けなくなっていた彼は足を骨折しているようでした。放置していられなくて、そのまま彼を連れて帰りました。それからは治療とお世話に明け暮れて、自然に私の猫になりました。今まで彼は私にたくさんのものをくれましたが、最も重要なものは愛と伴奏でした。彼に会う前、私はパリで一人ぼっちでした。もちろん私にはたくさんの友達がいますが、家族全員が中国にいるので、孤独を感じることがよくありました。彼が来てからはそんな寂しさが吹き飛んでしまいました。ミルクは本当に優しくて私の隣で寝るのが大好き、私は彼を思いっきり抱きしめます。これからも私たちはまだまだ美しい物語を続けていきます。――道端で動けなくなっていたミルクさまは相性の合う飼い主と一緒になって幸運でしたね。献身的に手当をしてくれた飼い主にゾッコンのようでした。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年02月11日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第104回目は茶トラのクルミ(Kouloumi)さま。抱き心地が最高な猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.104猫さまの話をもっと聞かせて!クルミさまは2歳半の男性猫さまです。クルミさまが語ります僕は2020年の夏の暑い日に生まれました。僕のお母さんは黒猫と僕のような模様の猫を産んだらしいですが、小さい頃だったので兄弟か姉妹かはわかりません。飼い主はパリの広い地上階のアパルトマンに住むようになって、僕を受け入れるようにしたそうです。生後3か月の時にここにやってきました。その時はコロナのロックダウン中で、朝から晩まで飼い主とべったり過ごしました。この家の寝室や書斎が中庭に面していて、それらの部屋の窓をしばらく開けて、中庭をお散歩することがあります。木もあってパトロールができるのです。たまに爪を磨いてみたりしています。外出時間は10分ぐらい。長い時でも1時間以内に家に戻ります。食事は無駄に太らないよう飼い主が勝手に気にして、グルテンフリーのカリカリを選んでいます。1日に3回と決まっていますが、いつも少しだけ残してしまいます。おかげさまでガリガリでも太っちょでもなく、ちょうどいい肉付き(抱いて柔らかくて気持ちいい程度 )に育っています。甘えん坊で、リモートで仕事している飼い主のそばにいつもいて、パソコン近くで暖をとります。ここが一番暖かいんです。それと飼い主の息子がスマホで動画を見る時はベッドでスマホホルダー的な役目もしています。飼い主から見たクルミさまとは私が小さい時、家には犬がいました。母は猫が苦手だったのですが、私はその時から猫を飼ってみたいと思っていました。6~7年前からは猫好きが高じて猫カフェ通いもしていました。ロックダウン前に今までの小さいアパルトマンから今の所に引っ越して、そろそろ猫を飼いたいと強く思い始めたのです。そんな時、知り合いのfacebookで猫を差し上げますという投稿を見て、これは今しかないと決心しました。クルミは、夜はベットルームに入ることを禁じられているのですが、日中はベッドルームに入ることができます。日中ベッドの上で相方がくつろいだり仕事したりしていると、よく一緒にごろんとくつろいでます。就寝の時だけですね、締め出されちゃうのは。朝は扉の前で私が起きてくるのを待っているようです。息子の部屋には出入り自由らしく、夜な夜な一緒に遊んでいるのかもしれません。息子も就寝時は部屋の扉を閉めて寝るようですが(つまりクルミは入れてもらえない)。クルミが来てからは、癒しと幸せがいっぺんにやってきて人生が変わりました。クルミは私の世界一可愛い猫!毛が柔らかくて抱き心地も良くて暖かい。こんな生活ができたことに感謝します。――コロナのロックダウン中に猫を飼う人が増えたと聞きます。家に監禁状態になった時、猫さまが癒しになったのは間違いないでしょうね。子どもの頃からの猫を飼う夢が叶って、飼い主は本当に目をキラキラさせて幸せオーラ全開でした。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年02月05日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第103回目はヨーロピアンのロミー(Romy)さま。ご長寿猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.103猫さまの話をもっと聞かせて!ロミーさまはもうじき20歳の女性猫さまです。ロミーさまが語ります。私は2023年の6月で20歳になります(人間だと96歳という説もあります!)。長生きできている秘訣は、バルコニー、隠れ場所、クッションを備えた完璧なアパルトマン暮らしだからです。飼い主たちが午前7時に起きると、私は飼い主に世話をしてほしいと要求します。 ハグをされて、食事をとり治療を受けます。この年齢まで生きていると、歳とともに健康上の問題を抱えています。食事は食物繊維入りのパテ(オーツフレーク)が主ですが、大好きなサーモンの刺身もたまにいただいています。その後は飼い主たちのベッドまたはソファで眠ります。正午には決まってお腹が空くので、起きて催促します。テレワーク中の飼い主の隣に座って観察です!私はビデオ会議が大好きです。それから、残りの午後は昼寝をするためにいつもの場所に戻ってきます。そして午後4時ぴったりに小腹が空いておやつをねだります。その後、夕食の午後7時まで遅い昼寝をします。夜はまた治療を受けて、午後10時に夜食的なおやつを食べます。一緒に住んでいるギズモという名前の変な猫(モルモット)がいるのですが、日中は隠れてばかりいるので無視しています。もう遊びはやめました。もう必要がないというか、激しい運動もしていません。でも、小さい頃はねずみの形をしたぬいぐるみが大好きでした。今は寝ることとこまめな食事、そして優しい飼い主と一緒にいることが幸せなんです。飼い主から見たロミーさまとは彼女が子猫だったとき、彼女はたくさんのばかげたことをしました。ソファをひっかいたり、カーテンによじ登ったり、嫉妬からゴールデンレトリバーに噛みついたりなど…。しかし、今彼女は落ち着いており、ナンセンスなことをやめました。とても社交的で、他の動物の存在を簡単に受け入れます。 彼女はいままで他の猫、犬と一緒に暮らしていましたし、今はモルモットのギズモと良い関係を築き上げました。ロミーは何かを欲しがっているときに、自分を理解してもらう方法を知っています。彼女が何時間も私のそばにいて一緒に過ごす日々は幸せです。高齢ですが甘えることは忘れていないし、時間も規則正しく、食事も決まった時間に要求します。こんな生活がずっと続いてほしいです。でも、別れる日はやってきます。平和に旅立っていけるように、最期の瞬間まで彼女と一緒にいたいと思っています。―――この連載が始まってから最年長のロミーさま。健康の秘訣はストレスのない規則正しい生活と飼い主からの愛情たっぷりのケア。幸せな毎日を過ごしているようです。まだまだ長生きして猫さまの最高寿命を更新してください!取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年02月04日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第102回目はキジトラのティーモ(Teemo)さま。飼い主との旅行が大好きな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.102猫さまの話をもっと聞かせて!ティーモさまは2歳半の男性猫さまです。僕は公共交通機関で働いている飼い主と一緒にパリで生活しています。一番の楽しみは飼い主の休暇に旅行をすること。飼い主の仕事上、交通機関は無料なんですよ。どうやら僕は家の中より外が好きなようです。飼い主は、僕のことを誰にでも優しくどこに連れて行っても楽しいと言ってくれています。家の中にいるときはキャットツリーで遊ぶことが多いです。ここに住み始めた時に記念で買ってもらった色とりどりのネズミで遊んでいます。食事は『PURINA ONE』のカリカリとズッキーニを混ぜたものが主食です。食後に水道から直接水をいただくと満足感に満たされます。自慢はお腹のヒョウのような柄模様!毛繕いも欠かせません。飼い主は僕のことをカワウソみたいだねというのですが、ヒョウと呼ばれたほうがかっこいいと思います。飼い主が語るティーモさまティーモ はパリ郊外で生まれました。彼が生まれたとき、彼と彼の兄弟はゴミ袋に捨てられていました。 その後、動物愛護協会に引き取られ、私たちはそれを協会のサイトで知り、彼を迎えることにしました。私たちは、毎日心から愛情を注ぎ込みましたが、彼が心を許してくれるのに1年ちょっとかかりました。ティーモとの一番の幸せの時間は休暇に一緒に旅に行くことです。ティーモは私たちにたくさんの愛と優しさを与えてくれるのです。―――ティーモさまのお腹の毛は立派ですね。フランスではヴァカンスの時期は多くの人が猫を連れて公共交通機関で移動しています。写真にあるバスケットを見かけたら中にティーモさまが入っているかもしれませんね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年01月29日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第101回目は番外編の番外犬、犬さまの登場。フレンチブルドッグのローラ(Lola)さまです。何度も大病を乗り越えた犬さまの物語【フレンチ猫(犬)さま】vol.101猫(犬)さまの話をもっと聞かせて!ローラは11歳の女性犬さまです。ローラが語ります。私はパリの左岸、夜は賑やかな街中にある、築300年以上のアパルトマンのこじんまりとした一室に住んでいます。飼い主(彼女は美味しいお菓子職人です)が仕事の日は、出勤が5時と早朝です。私の気が向くときは、朝4時台に用だけを足しに近所を散歩、天気が悪かったり、寒いと、ベッドに埋まったまま目線で「いってらっしゃい」とお見送りをします。飼い主は留守番カメラで私を見ているらしいですが、日中はほぼ寝ているので安心でしょう(笑)。午前中、お散歩お姉さんが来てくれる日は、1~2時間の散歩に連れて行ってもらいます。コースは日替わりで、気の向くままにセーヌ川沿いを歩いたり、チュイルリー公園の芝生へ行ったり、友だち犬がいるお店までお姉さんを誘導したりします。食いしん坊なので、ベンチやカフェを見つけるとおやつをおねだりします。そして、お姉さんが帰った後はまた昼寝。夕方、飼い主が戻ってくると、待ち構えたように飛びついて、まず甘えます。ひとしきり甘え終わると、夜の散歩です。食事が一日に夜に一度のため、夕方になるとお腹が本当に空くので、さらにおやつをねだりながら1時間ほど散歩をします。時々、近所に住む仲良しのフレンチブルの友だちOSIRISもお散歩に合流します。その時は、一人の時よりも俄然散歩欲が増してテンションも高くなりよく歩きます。家に戻ると待ちに待ったご飯の前に、きゅうきゅう鳴るおもちゃでひと遊びをして、さらにお腹を空かせ、飼い主が食事の支度をするのをじーっと見つめて待っています。そして、お腹が満たされると「すぐ寝ると牛になるよ」といわれるくらい、途端にスイッチが切れて眠ってしまうのです。飼い主が寝るまで彼女の近くのソファーや自分のカナッペ(長椅子)にいて、彼女が寝支度するのを感じると目線を投げて、ベットに上げてくださいと催促します。夏は床でも寝ますが、それ以外は大抵布団へ入っていきます。人のことを本当によく観察できるのが特技で、飼い主が眠りから覚めたら瞬時に私も起き上がるのです。飼い主が休みで、晴れている日は自転車にくくりつけた私の鞄(お輿)、またはメトロに乗って森へ。パリ近郊のいろんな森へ行きますが、一番よく行くのはBois de Vincennesです。街のすぐ近くに自然があるのはパリの良いところです。森へ着くと目の色が変わり、野生に戻ります。池で泳ぐことと、大きな枝が大好きで、人間の背丈ほどある巨木を咥えて走ってきては、川に投げて、千本ノックのように何度も繰り返えします。疲れると舌が半分出て、目が小さくなってくるので、遊びはおしまいです!家に戻ってバスタブに自分から入って丸洗いをされると、堪らなくなり満足げに眠ります。飼い主から見たLolaさまは?実家で暮らしていた時、生まれた頃から犬と一緒でした。鯉や金魚、チャボや金鶏鳥もいて、犬が18歳で亡くなったあとは猫もいたりと、動物は常に身近な存在でした。ある夏の暑い日のカフェで、友人が突然迎え入れた生後3か月ほどのローラを連れてきました。それがローラとの初めての出会いです。元々、犬も猫も動物が好きなこともあり、毎日のように友人宅へ遊びに行きました。彼女は夜に仕事をすることが多く、私は朝の仕事が多かったので、泊まりで預かることも頻繁でした。ある日、その友人がしばらく外国で暮らすこととなり「連れて行くことができない。誰か預かってくれる人を探す」と言うので、「いつ帰ってくるかもわからないのに無責任なことを言わないで!この子が可哀想」と言うと「それならあなたが引き取ってくれないか?」という話に。私は長時間の仕事に就いていて一人暮らしということもあり、周囲の友人に反対をされました。ローラに寂しい思いをさせてしまうのではないか?と考えたこともありました。でも、この子でなければ!と惹かれる気持ちが強く、ローラの一生を受け入れようと決めるまでに、そう時間はかかりませんでした。それからはというと、朝晩の散歩はもちろん、仕事の日は毎日お散歩お姉さんに日中の散歩をしてもらい、1日家にずっと一人でいることがないようにしています。休みの日には、週に1度は森へ行くようになり、私の生活はローラと一緒に変化していきました。嬉しい変化です。年齢を重ねてもその習慣は続いています。とにかく、食べることが大好きな子です。年齢と共に食事は変わってきました。フレンチブルドッグは獣医のお得意さまとよく言われますが、肥満細胞腫、乳癌と、早期発見ではあったものの二度癌を患ってからは特に日々の食事で病気になりにくいように心がけています。缶詰などの市販のものではなく、赤身のお肉、鳥のささみ、ときに職場でいただくマグロの血合などを焼いたもの、生食の鴨肉に軟骨など入ったBARF、それにクロケット2種類を与えています。クロケットのうちひとつは、日本から何とか手に入れているシニア向け薬膳クロケットです。他、サーモンオイルやコラーゲンパウダー、植物療法士の知人に相談して教えてもらったハーブの粉末を混ぜています。早食いは消化に悪いので、お肉とカリカリをひと口づつ手からあげるようにしています。私がパティシエということもあり、年に一度の誕生日にはローラのバースデーケーキを作ります。毎年趣向を凝らしていて、水切りをしたヨーグルトでチーズケーキを焼いたり、野菜とチーズの入ったケーキを焼いたり、トッピングにおからクッキーなどつけたり…。毎回ものすごい勢いで食べてくれます。ただ、蝋燭の火がどうしても怖いようで、消えるまで涎をたらしながらケーキを見つめているのが可愛いです。性格は、見習いたいほど常に本気で素直なマイペースです。食いしん坊で、人に撫でられるのが大好きな甘えん坊でもあります。食べることに関しての貪欲さ、頑固なマイペースさは私に似ているかと…。一瞬でオンとオフが切り替わり、わかりやすいほどはっきりしていて、行きたくない方向へ進もうとするときは全身で踏ん張り抵抗します。すれ違いざまに、他の犬に吠えられることがあっても自分から吠えることのない温厚な子です。5歳くらいから、喧嘩を始めたり吠え合う犬を見かけると、犬の大きさに関わらず仲裁をしに間に突進していく正義漢の一面もあり、よくポリスと言われてます。フレンチブルドッグは、通常泳げないと言われる犬種ですが、陸よりも水の中のほうが自由に見えるほどの泳ぐのが上手です。泳ぎを教えたことは記憶に一度もないのにです…。11歳になった今でも、まだ川で泳ぐことが好きで、森では大きな枝を咥えたまま方向転換も自由自在。海に連れて行った時も、波に向かって沖まで進んでいき、もうすぐライフセーバーの資格がもらえるとまで言われたこともあります(笑)。可愛いと思うところは数え切れません。しいてあげるならば、犬はしっぽを振って感情を表現しますが、しっぽが豆のように短いフレンチブルはその代わりに、嬉しさも甘える時にも主張をする時も、こちらの心の内まで見透かすように訴えてくる表情豊かな眼力がたまりません。ローラは左右眼の色が違うので、特にいろんな顔を見せてくれます。一番楽しかったエピソードは、数年前、泳ぐのが大好きなローラを連れて犬も入れる海岸を探し、ブルターニュの海へ連れて行った時のことです。日暮れ間際まで泳いで砂まみれになって全力で遊び、完全に電池切れで舌を出して私に身をを委ねたローラは、もう歩けないと、自分から鞄に入り込んできました。ただ、その日にとれた宿が、海岸から山道を40分ほど登ったところにあり、タクシーもない田舎で、体重14kgのローラを鞄に入れて担いで山道を登り続けました。その時は何かの苦行かと思いましたが、途中カバンの中から聞こえてくる満足気ないびきと、登りきった先に眼下に見えた茜色の美しい海が、今思えば忘れられない思い出です。――ローラさまは子宮蓄膿症、肥満細胞種、乳癌といろいろな病気と戦うたびに尊いほどの生命力で回復してくれたそうです。これからも治る病気への治療はいくらでも惜まないと飼い主は言います。ただ、無理な延命はさせないと心に決めているそうです。自分以上に大切な存在がこの世に存在する尊さを教えてくれ、その気持ちが日々の活力に繋がることは確かとも。ローラさまと一緒にいると無条件の愛を感じる瞬間が多いと話してくれました。初めはローラさまのために通い出した森散歩ですが、今では息を抜くことの大切さを感じて欠かせない習慣になったそうです。ローラさまが来てからは、飼い主自身もゆっくりとした時間の過ごしかたができるようになったと語ります。今日も寒い中、森に行って全力を出し切るローラさまの姿が想像できますね。飼い主との心を許す相棒関係がこれからもずっと続くことを願います。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年01月28日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!記念すべき第100回目の登場は、サイベリアンのスカイ-ウィ(Sky-whi)さま。大人に憧れる猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.100猫さまの話をもっと聞かせて!スカイ-ウィさまは1歳の男性猫さまです。僕は、ブルゴーニュのディジョン市のアパートに住んでいます。平日、寝室で目覚まし時計が鳴っているのを聞くと、すぐにベッドで喉を鳴らします。一度起きたら、まずはカリカリ、そして1日おきに『ロイヤルカナン』または『リアルネイチャー』のパテの小袋をいただく権利があります。そろそろ大人用も食べてみたいなぁ!特別な食事も、時にはあります。それは、サーモンの小片か新鮮な鶏の胸肉。お陰で毛並みが良くなりそうです。飼い主達が仕事に行くと、キャットツリーに登って落ち着き、飼い主が戻ってくるまで1日中眠っています。週末や飼い主達が家にいるとき、僕はどこまでも(シャワーを浴びているときは浴槽の中でも)飼い主たちを追いかけたり、隣に座って寝たり、僕と遊ぶように頼んだりします。ほぼ毎日、ヘアブラッシングセッションを受けています(それがあまり好きではない時もありますが)。お気に入りのおもちゃはティッシュ入れについているプラスチックのボタンです!派手なおもちゃは必要ありませんよ。孤独な性格と言われていますが、抱っこを求めるときもあります!とても遊び心があり、なんでも自分でやり遂げることができます。飼い主は医大生なのですが、オンラインでの授業中、パソコンのキーボードのすぐ前に横になり、クラス全体に響き渡りそうな音でお腹と喉を鳴らします。飼い主からみたスカイ-ウィさま私は猫アレルギーなのですが、彼氏と一緒に猫を養子にしたいとずっと思っていました。そこで私たちは徹底的に調べて、低アレルギー性であることが知られているこのサイベリアンの品種にたどり着きました。インターネットとFacebookを検索したら「Ice Flowers」というブリーダーが見つかり、その子猫達に出合いました。ブリーダー(仕事に情熱を注ぐ並外れた人物)との気持ちはとてもよく合い、私たちは子猫を迎え入れることができました。私には、スカイ-ウィは小さなアライグマのように見えます(ネヴァマスカレードの色のため)。彼の虎のようなひげも!スカイ-ウィは本当に私の精神を高揚させてくれます。私の心理的サポーターです。医学の研究は、特に心理的なレベルで、私にとって非常に大変なのですが、スカイ-ウィは私がそれを全て乗り越えるのを手伝ってくれます。スカイ-ウィは私の人生に本当の幸せを与えてくれます。人生は楽しく、生きる価値があり、もっともっと幸せになれることを実感させてくれます。いつかは彼が私のもとを去る日が来るでしょう。私はスカイ-ウィのために、できるだけ苦しみが少ない良い状態で、できる限りそれがうまくいくことを望んでいます。とにかく、今はスカイ-ウィを愛し続けます。それは永遠に私の心に刻まれる事でしょう。ーーこの取材を続けていると、たくさんの猫アレルギーの方々から話を聞くことができます。アレルギーの心配が少ないと言われている猫が数種類いるそうですが、サイベリアンは皆さん安心して一緒に生活ができると言います。勉強に励む飼い主のパートナーとしてスカイ-ウィは重要な役目を果たしていますね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年01月22日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第99回目はバーマンのオボ(Hobo)さま。口元の斑点がチャームポイントの猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.99猫さまの話をもっと聞かせて!オボさまは3歳の男性猫さまです。僕は60m²のアパートに住んでいます。朝早く、飼い主のベッドに横になります。飼い主たちが起きてリビングルームに向かうと、一緒にテーブルに行き、朝食を待ちます。毎朝のトイレも、飼い主と同時にすませます。シャワータイムは浴槽の端に飛び乗り、飼い主が出るまでそこにいます。蛇口から水を飲みますが、脚が濡れることが大っ嫌いなので水がかかった途端、水飲みは終了です。気分が良ければ、アヒルと遊ぶこともあります。そうでなければ、次はシエスタです。冷蔵庫についているマグネットで遊ぶこともあります。食いしん坊ボウルからご飯を取り出す時や、小さなものを捕まえる時など、手脚を巧みに使います。猫にしては、非常に器用なほうだと思います。じゅうたんが大好きで、アパートのじゅうたんの上や下で、一人で遊んでいます。昼寝、食事、ゲームを一日中で繰り返します。飼い主たちがどこにいるかに応じて、リビングルームからオフィス、ベッドルームなど、彼らを追跡します。誰かが机にいれば、僕は丸々机の上で過ごすでしょう。夕方は冷蔵庫の上に座ります。そこが飼い主に最も近い観察ポストだからです。遊びタイムは夕方から始まります!日光浴をした後は、おもちゃ、ネズミ、お気に入りのハンモックで、全速力で走り回る時間です。大好物はハム!ハムがあればどんな棚にも登ることができます。お気に入りの場所は、ハンモック。釣り竿の紐でつながれたアヒルが友達です。1メートルの高さでも、飛び越えて捕まえることができます。性格は根気強いのですが、ちょっと頑固なところがあります。飼い主から見たオボさまとはオボについての話をすることが嬉しいです。オボは、以前飼っていたビアンカを亡くしてから1年も経たないうちに私の人生に加わりました。大学時代から一緒にいた美しく優しいラグドールのビアンカは、6歳のとき腎臓に問題を抱えていることがわかりました。何度か大きな手術をして、獣医師と、毎日のケアをサポートしてくれる両親によって、彼はさらに1年、私たちと一緒にいることができました。残念ながら彼の状態は悪化し、2021年の夏に彼の苦しみを止めるために、彼を安楽死させる決断をしなければなりませんでした。私が初めてオボに出会ったのは、北ジロンドの田園地帯にある実家でした。実家のガレージの後ろでオボを初めて見ました。私たちは彼に近づくことができず、彼は家の周りを3か月以上さまよっていました。彼はとても怖がりでいつもお腹を空かせていました。当時、彼の体の色は真っ白で、4か月を過ぎた頃から、主に夜、どろぼうのように家に忍び込むようになりました。ある朝、無意識のうちに彼をキッチンに閉じ込めてしまいました。彼はフードプロセッサーの後ろのボウルに隠れ、脚が泡だて器に引っかかっていました。脚のロックを解除するために、そっと近づき、触れることができました。触るとカラダの大きさに対して、甲高い、予想外の声を出しました。彼の毛はもつれ、結び目でいっぱいで、汚れていました。しかし、彼は気まずくなりつつゴロゴロと愛撫に反応しました。この正体不明の猫は不妊手術を受けていたので、誰かの家猫だったようです。しかし、彼の行動から判断すると、彼は家出を決意したか、捨てられたかのどちらかです。数週間飼いならしをした後、野良猫を発見したということを公表し、獣医との約束の後、私はオボを迎え入れることにしました。彼はこのとき2歳半でした。彼は優れたクライマーであり、ジャンパーでもあります。また、ミーアキャットのように2本の後ろ脚で長時間動かずにいることができます。これは非常に印象的です。彼は褒められることとおやつがあれば訓練することができます!オボを飼うことは危険な賭けでした。この猫がアパートの生活に適応するかどうかはわかりませんでした。私たちは彼の性格や反応を知りませんでしたが、一緒に過ごした最初の週から、オボは愛らしく、抱きしめたくなる遊び心を全て持っていました。朝と夕方の抱擁、昼食後の遊びの時間、シャワーを浴びてすぐ、オボは私たちが移動する全ての部屋についてきます。チャームポイントは、もちろん彼の口の小さな黒い斑点です!私たちが似ている点は、両方とも頑固なところです。オボといると、のどかで平和な雪山の風景を思い出します。毎朝、オボがベッドに来るとき、必ずしも長く続くとは限りませんが、お互いにこの幸せな瞬間を共有します。オボは私の毎日に区切りをつけてくれます。私はいつも彼と一緒にいます。彼が望むときに私の時間を与えます。彼は自分のペースで動きますが、私は彼を尊重しています。猫を観察し、分析し、尊重する方法を知ることは不可欠です。それは人間と同じです。動物を尊重すればするほど、よりよい生活になると思います。オボはアクセサリーではありません。欲しいときにそこにいるわけでも、自由に使えるわけでもありません。私たちは彼と調和して生き、彼の言うことに耳を傾けます。私たちが落ち込んでいるときや慰めが必要なとき、彼は私たちに近づいてきます。最近、ブリオッシュと名付けた小さなシャム猫を迎えました。生後わずか8週間の彼女は、新しい生活の場にゆっくりと溶け込み、オボとの生活を好奇心で満たしています。――オボはどこからやってきたのかは今でもわからないそうですが、オボが選んだ新居は間違いのない所でした。飼い主は忍耐と愛情をもってオボを受け入れ、毎日の生活を共にできる関係を築き上げました。甘えん坊なオボは今日も飼い主にべったり甘えていることでしょう。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年01月21日