フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第199回目はハチワレ猫のキャンキャン(Cancan)さま。お刺身が大好物な猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.199猫さまの話をもっと聞かせて!キャンキャンさまは10歳の女性猫さま。<キャンキャンさまが語ります>私は南仏の海風の入るアパートで暮らしていましたが、現在はパリの森近くのアパートで生活しています。起床は7時ごろで、せっせと飼い主を起こすところから始まります。夜ごはんが足りないときは、朝5時に起こします。猫パンチしたり、乗っかったり、泣きじゃくったりあの手この手で起こします。大好きなごはんを食べた後は、満足してまたすぐに寝ます。日中はほとんど寝ていて、夜8時になると活動開始。まず、お風呂タイム。お風呂場は苦手ですが、手ぬぐいでふきふきしてもらいたくて、飼い主を誘います。結構きれい好きなんです。そのあとは、家の中とアパートの廊下の見回り猫に徹します。安全を確認したら、かくれんぼ遊びです。10時になると、飼い主に一緒に寝ようと誘います。食事は飼い主のひざの上で体を撫でてもらってから飼い主の手にのったカリカリを食べます。好物はお刺身!そしてどんなおやつよりも猫草が大好き!部屋の中で猫草を育てているので、いつでも食べたいときに食べられます。手作りブランケットの上がお気に入り。くつろぐときにブランケットもいっしょに毛づくろいしているので、どんどん猫のような毛並みになっていっています。遊ぶのは決まって人間の手。市販のおもちゃは一度遊ぶと飽きちゃうので、飼い主の手と戯れています。人間が大好きで、どんな人にも挨拶をしにいきます。飼い主が人と話していると、ちょこんと中央に座って話を聞いています。ベタベタくっつくのは嫌いだけれど、いつもそばにいてほしい寂しがり屋さんなんです。飼い主が外から帰ってくると、玄関までお出迎えします。特技は出会った人を虜にすること。人懐っこい性格なんです<飼い主から見たキャンキャンさまとは>幼少期から猫を飼いたかったものの、親から反対されて飼えないままフランスにやってきました。フランス在住もいつまで続くかわからなかったので、猫が飼えない日々でしたが、キャンキャンと出会ったころに長期滞在許可証をゲットできたので、思い切って飼うことを決意しました。出会いは、猫を手放したくて譲り先を探している人がいると知人から聞いて、興味本位で会ってみたことです。子猫だと思って会いにいったら、すでに大人の猫でした。出会った瞬間にキャンキャンにビビっときました。出会うべくして出会ったのだと即決で飼い主となることを決意し、30分後には一緒に住み始めました。私に似ているところもあります。それは気になる人に寄っていくところです。気に入らない人には近寄らないのもそっくりです(笑)。かまってほしいときに仰向けになって、こっちをみつめている姿はたまりません。おなかを撫でてほしいのかと思って撫でると、ガブガブ噛まれますがそんなところもすべてかわいいです。キャンキャンのためなら何でも頑張れてしまいます。愛そのものです。ある天気がいい日、キャンキャンがバルコニーに出たいというので、窓を開けてあげました。あまりにも静かなので昼寝でもしているのかな?と見てみると植木鉢の上で仰向けになって寝ていました。種を植えたばかりだったので少しショックだったのですが、あまりにも気持ちよさそうだったので気の済むまでいさせてあげました。キャンキャンからは、何をしなくても、何かができなくても、生きているだけでいいんだよということを教わりました。毎晩寝るときには「今日もありがとう、おやすみ」とキャンキャンに挨拶をしています。――キャンキャンさまの大好物のお刺身のつまは、大根ではなくて猫草ですね。飼い主は寿司職人なので、きれいな盛り合わせでただいているのでしょうね。キャンキャンさまに夜の挨拶をすませて眠りにつく飼い主は、キャンキャンさまと一緒になれて毎日が幸せそうです。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2024年01月13日豊かな小麦の風味が味わえる「パン・ド・カンパーニュ」。コロンとした丸い形がなんとも可愛い田舎パン。中をくり抜いてスープを入れたり、薄くスライスしてタルティーヌにしたり、ボリューム満点のサンドイッチなど楽しいアレンジが豊富なフランスのおしゃれなパンです。今回は、おうちで焼きたてを楽しめるパン・ド・カンパーニュの基本的な作り方をご紹介します!ベリーやナッツを入れたアレンジや、ドーム状の形を生かした楽しいアレンジはワインのおつまみやホームパーティーなどで盛り上がるものばかりです。ぜひトライしてくださいね。■「パン・ド・カンパーニュ」ってどんなパン?田舎風のパンという意味の「パン・ド・カンパーニュ」。フランスの田舎町で食べられていたことからその名前がついたそう。パン酵母が普及する前は果物などの酵母で発酵させており独持の風味や香りを楽しんでいたようです。現在はパン酵母の普及で食べやすくドーム型で大きめのサイズが特徴の「パン・ド・カンパーニュ」は中をくり抜いたり、タルティーヌにサンドイッチにとアレンジが豊富。■カンパーニュの作り方フランスの田舎パン「パン・ド・カンパーニュ」。生地をこねて発酵させて焼きます。難しい成形が必要ありませんので、工程どおりに作れば香り高い焼き立てが楽しめます。■「ベリーとナッツのパン・ド・カンパーニュ」基本の生地にたっぷりのベリーとナッツを加えたおしゃれなカンパーニュです。薄くスライスしてカマンベールチーズやクリームチーズを塗るとワインに合うオードブルになります。焼きあがる香りがたまらない一品です。■「パン・ド・カンパーニュ」を美味しく食べるレシピ 4選・丸ごとカレーパンバーベキューやパーティーで喜ばれること間違いなしのサプライズな一皿。パン・ド・カンパーニュの上部1を/5程度切り取り、中身を取り出し、中にカレーを入れます!上にチーズを乗せて焼き、チーズが溶けたら完成です。パンの周りをちぎりながらカレーをつけて食べましょう。中に入れるカレーは、キーマカレーなど粘りがあるものがオススメです。・カンパーニュに入れて【クリームシチュー】クリームシチューはいつもより少し粘度強めに作りましょう。あとは丸ごとカレーパン同様にパン・ド・カンパーニュに入れて食べてください。ニンジンを星野形に切って遊び心をプラスしても良いでしょう。・カンパーニュに入れて【ビーフシチュー】パンによく合うビーフシチュー。器をパンに変えて楽しく演出してください。クリスマスやイベントで喜ばれること間違いなしです!・カンパーニュに入れて【クラムチャウダー】クラッカーの代わりにパンと一緒に食べるスタイルが楽しめる丸ごとアサリのクラムチャウダーです。こちらも粘度を強めに仕上げてください。市販のクラムチャウダーを使えば簡単に作れます。■「パン・ド・カンパーニュ」でタルティーヌ 3選・モッツァレラタルティーヌタルティーヌはフランスパンでもパン・ド・カンパーニュでも楽しめます。1cm程度の厚さに切って、アンチョビ、モッツアレラチーズを乗せて焼き上げたら完成です。ワインによく合うおつまみになる一品です。・キノコとブルーチーズのタルティーヌキノコとブルーチーズ、そしてニンニクの風味とベーコンの香ばしさがベストマッチな豊かな風味が味わえる大人っぽいタルティーヌ。赤ワインのお供にオススメの一品です。・スモークサーモンタルティーヌ1cm程度にカットしたパン・ド・カンパーニュをトースターで少し焼き色をつけて、クリームチーズにケイパーや刻み玉ネギを入れて作ったチーズスプレッドを塗り、スモークサーモンを乗せたら完成です。華やかなのでおもてなしのオードブルにもオススメです。■「パン・ド・カンパーニュ」でボリュームサンド 3選・ツナと新ジャガの「パンバーニャ」大きなパン・ド・カンパーニュだからこそ楽しめるのがこちらのニース風サンドイッチ「パンバーニャ」。切り分けるのが楽しみな、ツナやジャガイモ入りの具だくさんの豪快なサンドイッチです。・甘辛豚肉の韓国風ボリュームサンドイッチ前出のパンパーニュの要領で、甘辛く炒めた豚肉とコールスロー風のキャベツを合わせてサンドイッチに。大勢でシェアしても楽しいですね。・照り焼きチキンサンド食パンやバンズの代わりにパン・ド・カンパーニュにテリヤキチキンを挟めば、ボリューム満点で食べ応えありのサンドが完成します。素朴な味わいのパン・ド・カンパーニュはどんな具材とも合わせやすく、ピクニックやハイキングにもオススメしたいボリュームサンドです。じっくり発酵させて焼き上げるパン・ド・カンパーニュは極上の味。素朴な味で具材とも相性が良くアレンジの幅が広がりますね。
2024年01月12日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第198回目はサイベリアン雑種のアパッチ(Apache)さま。甘え上手な猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.198猫さまの話をもっと聞かせて!アパッチさまは12歳の男性猫さま。<アパッチさまが語ります>僕は明るく居心地の良いアパートメントで、洋服作りに夢中な飼い主家族と一緒に住んでいます。いつも朝は飼い主と同時に起きて、自分のお皿が満たされるのを待ち続けます。それから午後4時ちょうどまで、テレワーク中の飼い主のパートナーに精力的に肩をすり合わせに行きます。それから飼い主のところに行き、抱擁を求め、洋服制作中の生地の間に身を置きます。それから僕は玄関でここの家の子どもの帰りを待ちます。子どもにとって僕は議論の余地のないスターに違いありません。夕方になると、満足するまでサメのように飼い主たちの足の周りを回転し続けます。もちろん夕食の催促です。フレッシュチーズ入りズッキーニのスープが出てくる日は特別感があります。甘え続けると魚やエビなどが出てくることがあるので、僕は甘え上手です。ひとりになって心を落ち着かせたいときは、フェルトの洞窟にこもり、おもちゃに囲まれます。ピンポン球とリボンの羽のどちらを選ぶか迷うところですが。夜は最愛の飼い主の枕に落ち着き、朝まで一緒に眠ります。<飼い主から見たアパッチさまとは>猫に囲まれて育った私は、猫を飼いたいと強く思っていて、パートナーと出会った時から説得し続けていました。ある時、私はバイク事故に遭い、しばらく動けなくなり自宅で療養していました。そんな私の姿を見てからパートナーはもう猫を飼うことに抵抗できなくなったのでした。それから私たちは猫の保護施設を探して、犬と猫と掛け合わせたようなアパッチの性格が目に留まりました。私たちが彼について知っていることは比較的少ないです。生後8か月頃に迷子か捨てられた状態で発見され、保護施設に収容されました。彼は私たちが最終的に出会った保護施設に至るまで、いくつかの保護施設を渡り歩きました。初めて会ったとき、彼は私の膝に飛び乗って首まで登ってきたのです。私たちが彼を引き取ったとき、アパッチは非常に控えめで、とても小さく鳴き、静かに喉を鳴らしました。私たちは、振動を感じて彼が喉を鳴らしていることだけを理解しました。一緒に暮らすようになってから、アパッチが大声で喉を鳴らし始めた瞬間、彼が私たちと一緒にいて本当に快適でくつろいでいるのだと解釈しました。年齢的には、アパッチには腎臓のケアをする必要があります。そのため、彼の食事に合わせてカリカリとウエットフードを組み合わせています。調理した野菜やヨーグルトが添えられることもあります。彼は人間と一緒にいるのが好きな猫です。とても人懐っこく、甘やかされるのが大好きで、特に尻尾の上をブラッシングされたり、優しく撫ぜられたりするのが大好きです。人がするあらゆる愛撫が彼の満足を満たします。彼は私たちと夜を過ごし、来客があればそのかたの膝の上に上り、我が家族との違いを比較しているようです。アパッチはギリシャの神のようで、悪いことを駆除する業者のようです。彼と一緒にいると毎日がより楽しく、快適なものになります。この10年間で私たちがより親密になったせいか、それとも常にお互いの鏡であったのかはわかりませんが、お互いに似たもの同士になりました。思うに、私たちが自分の時間をすべて彼の喜びのために捧げているのに、彼は私たちが無駄なことに取り組みすぎていると考えているようです。彼が目を半分閉じてソファの上で転がっているのを見ると最高に幸せを感じます。ーー自宅兼アトリエになっているアパートメントで、アパッチさまは飼い主の作業中のお手伝いをしています。決して邪魔ではなくひと息つくときにアパッチさまの存在が疲れを癒してくれているようです。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2024年01月07日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第197回目は親子のトラ猫のココ(Koko)さまとミラベル(Mirabelle)さま。仲良しな母娘猫さまたちの物語【フレンチ猫さま】vol.197猫さまの話をもっと聞かせて!ココさまは推定4歳ミラベルさまは3歳、ともに女性猫さまです。<ココさまが語ります>私の飼い主はパリ1区の花屋で働いています。私たちの住まいはパリ郊外の古い一軒家風の、日当たりの良いアパルトマンです。庭がありますが、私たちは外に出ません。道路が近く、飛び出し事故の心配があるので気をつけています。朝の始まりは7時頃のごはんから。二度寝をした後、ひなたぼっこをし、野鳥観察、ちょっと母娘でプロレスごっこをして走り回って、また昼寝をしてのんびりと飼い主が帰るのを待ちます。飼い主が帰ってきた時には2匹揃って「ニャァ!ニャァニャ!(おかえりー!ごはん早く!)」とアツい出迎えをします。たとえ先にごはんをもらっていても「わたしたち、まだごはん食べてないわよね~!ミラちゃん?」「うんまだ食べてないね、ママ」とふたりで演技をします。飼い主が「あなたたちはもう食べたんでしょ?」と聞くと、「まだ!食べて…ない…。えっと…」とふたりで顔を見合わせて、ゴニョゴニョと返事の歯切れが悪くなって嘘がバレてしまいます。夕飯を食べた後はちょっとハッスルして走り回って、シャーシャーとふたりで仲良く喧嘩して、再びまったりして、飼い主が寝る前に夜食をちょっと食べます。その後は朝まで熟睡?もしくは特に音を立てることもなく飼い主の枕元でおとなしくしています。食事は『YARRAH』のカリカリと蒸留水が中心です。以前『YARRAH』のパテももらっていた時もありますが、いつもと同じカリカリが大好きです。おやつはありませんが、強いて言うなら季節限定で蜂でしょうか。夏などに開け放った窓から蜂が入ってくると母娘揃って張り切って飛び跳ねて、蜂を捕まえてムシャムシャと食べます。陽の当たるところを上手に見つけて移動しますが、サロンの窓際に2脚並べたスツールの上でのんびりと過ごすことが多いです。それから古い木の脚立の上も大好きです。冬になり寒くなってきてからは窓辺に置いたバスケットの中に敷いたムートンもお気に入りです。おもちゃは胡桃の殻、ワインのコルク、松ぼっくり、姫りんごなどを転がしてよく遊びます。ふたりともマイペースに気ままに遊んでいますが、ときどき、なでしこジャパン顔負け?の見事なドリブル&パスを披露します。<飼い主から見たココさまとミラベルさまとは>動物のいない家庭で育ったので、犬や猫は気になるけどちょっと怖い存在でした。子どもの頃、父と一緒に親戚の家へ行った時、猫を膝に乗せて嬉しそうに猫を撫でている父の姿が印象的で、今思えば猫好きの血は既に引き継いでいたのかもしれません。5年前、結婚してフランスで暮らすようになってから夫が飼っていた先代猫Holy(雌・当時推定12歳)との生活が始まり、それからすっかり猫好きになりました。しかし、約1年後に病気で亡くなってしまったので、私がHolyと一緒に過ごせた時間は短いものでした。特に、後半の半年は何よりもHolyファーストで濃厚な介護の日々でした。大変でしたが、とてもとても愛おしくて今でも私たち夫婦にとって特別な猫です。今回登場した2匹は夫の知り合いのお宅に住み着いたニャンズ母子。ココは夫の知り合いの家に突然住み着き、そのお宅のムッシュに名付けられました。直後、ココは子猫を2匹産みました。ムッシュは当時すでにご病気で寝たきりだったのですが、ココにベッドを譲りご自分は床で眠り、ココが無事に子猫を産んだ数日後にお亡くなりになりました。ムッシュはココのことをとてもかわいがっていて、病床でも「ココがここにいるから大丈夫」と言い、子猫が生まれた時には「なんと素晴らしい!ハッピーだね!」と、とても喜ばれていたそうです。ムッシュが亡くなられた時に夫の友達から「引き取り手を探している子猫が2匹(雄と雌)いるけど飼わない?」と連絡があり、家族として迎えることを決めました。Holyを舌の病気で亡くし、悲しみに明け暮れていたちょうど1年後のことでした。先代猫は夫が一人暮らしをしていた頃、12月の寒い日にひょっこり家に入ってきて住み着いた猫だったこともあり、夫は「また猫がやって来るのを待つ」と言っていたので、ご縁を感じました。ところがその後、結局母猫も行き先がなくて困っているから「ついでにお母さんも一緒にどう?」という話が出たのです。とはいえ、さすがに我が家で3匹飼うことは無理なので、子猫たちが生後8週間経つまで待って、弟猫は亡くなったムッシュと親しかった友人家族の元へ。そして我が家には母娘猫が来ることになりました。ミラベルは8月生まれで、いろいろな呼びかたをされていたのですが、丁度我が家に来ることが決まった日に、夫が植えていたミラベルの種からひょっこりと芽が出ていたので、ひらめきでつけました。日本でいえば、「すももちゃん」でしょうか?ココは推定4歳で子猫を産んだのですが、実は1歳ぐらいだったのでは?と獣医に言われました。ココは女将さん気質でお客さんが来ると、真っ先に愛想良く挨拶します。抱っこされるのは好きではありませんが、名前を呼ぶとスタスタとすぐにやってきて撫でて~と上手に甘えます。愛情深くとても優しい子ですが、娘の躾には厳しく、飼い主の目覚まし係としての責任感にも溢れています。ミラベルはママが大好き。生後1年近く経っても、いつまでも隙あらばママのおっぱいを求め、ココに威嚇されていたほどの甘えん坊で食いしん坊。元々骨太で、今ではもうすっかりココより体が大きくなりましたが、親離れできずにいつでもココにぴったりとくっついています。とても穏やかで、噛んだり爪を立てる事は全くせず、綺麗好きでよく毛繕いをしています。怖がりで人見知りです。興奮した時の目を疑いたくなるような尻尾の太さにミラベルは狸だったのでは?という疑惑も(笑)。ココの特技はピアノ!音楽家の夫はココの奏でた旋律をもとにコラボ曲を作ったこともあります。エリック・サティ風なピアノを弾くのが得意だった先代猫からピアノのセンスを引き継いでいるようです。ミラベルの特技はカリカリの早食い!生まれながらの食いしん坊で、赤ちゃんの頃から弟猫よりちょっと大きかったミラベルはいつでも食欲旺盛です。掃除機の如くあっという間にお皿に入れたカリカリを食べてしまって、ココのお皿からもちゃっかりいただいちゃうので、ココの食べるペースを見ながらミラには一粒一粒手であげます。時々見せる不細工な顔も全てかわいいのですが、ふたりが仲良くぴったりとくっついてスヤスヤと安心して寝ている様子を見るのが愛おしくて一番かわいいなぁと感じます。私のことは、ごはん係、世話係、時にはクッションと思っているようです。ココ&ミラが我が家で暮らすようになって1か月程経った頃、夜中に突然ココが「ニャァニャァ!ニャァニャァ!!」と私たちに強く何か訴えてきました。驚いて飛び起き、様子を見ていたら、どうやらミラベルの姿がなく、「すみませーん!ミラちゃんいないんですけど!ちょっと!ミラちゃんを探してください!!」と言っているようだったので、心配してウロウロするココと一緒にあちらこちら探したら、小さなミラベルがひょっこりとクローゼットの中から出てきて、拍子抜けして大笑いしました。小さな体ながらなんと大きな存在感なのでしょう。純粋で人間よりはるかに賢く、まさにアガペーの愛(無償無限の愛)のありかたを実感させてくれます。トラネコと暮らすようになってから「私も猫になりたい」と言って、私がトラ柄の服を着るようになった事が面白い、と夫談。私にとっては猫の存在そのものが癒し。どんなに疲れていても猫を撫でているだけで、すーっと疲労感を溶かしてくれる魔法使いのようです。そして「子は鎹」と言いますが、猫もまさに夫婦の鎹です。先代猫Holyは半年間の壮絶な介護の末、私たちが留守をしている間にそっと眠るように亡くなっていました。それはまさに命の炎が燃え尽きたような静かなお別れでした。悲しみはとても深くすっぽりと心に穴が空いたようでしたが、それ以上に「Holyありがとう」の感謝の気持ちでいっぱいでした。ココ&ミラともいずれはお別れをする日を迎えることは避けられない事ですが、彼女たちが命を全うするまで穏やかに安心して過ごせるように一緒にいて、その時が来たらしっかり看取ってあげたいです。猫たちを残して私たちが先に逝くわけにはいかないですね。ーーとても仲良しなココさまとミラベルさまの毎日は活気があって、愛情たっぷりの飼い主と心地よい生活をしています。いったんは離れ離れになるかもしれなかった母娘でしたが、ずっと一緒にいられてとても幸せそうでした。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2024年01月06日家族に毎日食事を作っている人は、献立に悩むこともしばしばあります。手元の食材が少ない時は、限られたものの中から、栄養バランスを考えて料理をしなくてはなりません。そんな時に、家族から献立について文句をいわれたり、注文を付けられたりすると、ついムッとしてしまうこともあるでしょう。フランス人のパートナーであるガイックさんと、2人の間に生まれた息子さんとフランスで生活をする、しばひろ(@hirokokokoron)さん。ある日、ガイックさんに昼食の相談をすると…。「パスタでいい?」と聞くと、ガイックさんは「うん。パスタがいいよ」とあえていい直しをしました。「パスタでいい」だと、「仕方なく妥協した」といわれているように感じてしまいますが、「パスタがいい」だと、自分からパスタを選んでいるように聞こえて、いわれた相手は嬉しい気持ちになるでしょう。投稿には「一文字が違うだけで受け取る側の気持ちがまったく異なる」「100点の返答。こういう配慮って大事だよね」「このいい方、優しくて素敵。真似しよう」などの声が寄せられています。たった一文字の違いですが、そこには料理を作ってくれるパートナーに対する細やかな心遣いが感じられますね。また、しばひろさんはX(Twitter)のほか、Instagramとブログでもさまざまなエピソードを公開しています。そちらもご覧ください。【しばひろ】Instagram:hirokokokoroブログ:ガイックとのフランス暮らし[文・構成/grape編集部]
2024年01月04日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第196回目はメインクーンのウルリッチ(Ulrich)さま。生後8か月に見えない猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.196猫さまの話をもっと聞かせて!ウルリッチさまは生後8か月の男性猫さま。<ウルリッチさまが語ります>僕らはパリのディズニーランド近くの大きなアパートに住んでいます。パリからは車かRER(高速鉄道)のA線で、セリにあるヴァルデューロップ駅まで20分ぐらいです。飼い主は自宅のアトリエで絵を描いているので、一日中一緒にいることも多く、毎晩飼い主の隣で寝ています。時々、僕は先住の猫仲間と遊んだり、真夜中にパーティをしたりします。僕らには、15分ほどのゲームと狂気の時間があります。飼い主が寝ていても、お互いを追いかけたり、ベッドに飛び乗ったり、鬼ごっこをしたりしています。飼い主へのご褒美です。朝はみんなで食事です。ゴミ箱の掃除、家事のシーケンス、居住空間の換気などの飼い主の行動を観察してから、食事タイムです。身だしなみは必要ですね。抱っこされたり、昼寝したり静かな時間帯です。昼寝から目覚めたら、飼い主と遊んだり、また昼食をしたりします。1日に数回、少量ずつ食事を食べます。高品質の『ロイヤルカナン』のカリカリは無制限です。小袋、パテ、テリーヌなど、あらゆるウェットフードが準備されています。生か調理済みの肉や野菜でできた手作り料理もいただいています。生の鶏肉もたまに出てきます。おもちゃは、小さなネズミや小さなぬいぐるみのポンポンボール。人間の仲間と寄り添うのが好きですが先住の猫との間には上下関係があります。<飼い主から見たウルリッチさまとは>私はかつて17年ほど猫を飼っていました。私は彼女をとても愛していましたし、それはお互い同様でした。私が外出すると彼女は私についてきました。彼女はひとりでも外出していましたが、老衰で家を出て戻ってこなかった時はとても辛かったです。それから3年間、私はもう動物を飼いたくありませんでした。そのため猫の繁殖プロジェクトに着手する前に何か月も考えました。現在飼っている猫のウルリッチは生後3か月で家にやってきました。彼は2023年2月末に生まれ、子猫が乳離れする法定年齢まで、ブリーダーのもとで母親から学ばなければならないことを習得しました。彼はすでにとても社交的で礼儀正しいかったので、私はすぐに彼に溶け込むことができました。私が初めて飼ったメインクーンの雄猫に恋に落ちたのは、インターネットで見たときでした。犬、猫、馬の専門ブリーダーからの広告です。明るいクリーム色と優しい雰囲気が気に入りました。彼は本当に素晴らしかったです! メインクーンは約4歳まで成長を続けて大きくなることが知られています。現在も順調に成長中の子猫です。家の中ではとても安定している巨大な猫の木が大好きです。彼はソファとベッドも気に入っています。メインクーンは、少しワイルドな外観と平均以上の堂々としたサイズをもつ大きな猫ですが、抱きしめたくなるような優しい性格をしています。私はこの賢明で礼儀正しく、思慮深い気質を尊敬しています。ベルベットのようなクリーム色の雄大なライオンの赤ちゃんのようです。とても豊かで深みがある印象で、その表情を通して彼とコミュニケーションをとれているような気がします。とても強烈で甘い魔法のようです。私は彼の穏やかで雄大なところが好きで、私も彼のようになりたいと思っています。私と彼は好奇心旺盛で、忠実で、自発的です。似たもの同士かもしれません!ウルリッチは今この瞬間を楽しんでいて、私をとても愛していると思います。喉を鳴らしたり、抱き合ったりする瞬間、そしてソファに快適に座ったときに共有される温かさで、一緒に暮らすことに喜びを感じます。そしてそれが繰り返されることに感謝します。幸いなことに、私にとって猫はセラピストであり、地球生物学者です。彼らはエネルギーを伝え、人間に執着し、忠実であり、人間を愛し、それを伝えるためにやって来くるのです。シンプルかつ簡単に愛することを可能にし、特にストレスをやわらげて幸福を与えてくれます。忍耐と無執着も学べます、これはより良く生きるために重要です。また、彼らは機転と敏捷性をもって適切なタイミングで行動し、立ち直り、必要に応じて行動をやりなおす方法を知っているように見えるので、洞察力があるとも言えます。エネルギー効率が高く、必要なときに、貯めていた力をすぐに使えます。私は彼らの能力を賞賛します。ーーこの連載にはメインクーンが何度も登場していますが、ウルリッチさまの子猫時代の話を聞いているとメインクーンのことがよく理解できました。4歳まで成長過程と聞いて、まだまだこれから大きくなっていくウルリッチさまの日常を追いかけてみたくなりました。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年12月31日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第195回目はヨーロピアン雑種のウタマロ(Utamaro)さまです。家族のことが大好きな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.195猫さまの話をもっと聞かせて!ウタマロさまは3歳の男性猫さま。<ウタマロさまが語ります>僕は人間のお父さんとお母さん、そして彼らの2人の娘たちと一緒に、坂の上の築100年の趣のあるアパートに住んでいます。ライターをしている飼い主(お母さん)が作業をしているパソコンの後ろや近くの椅子にいるのが好きで、陽の光がたっぷり当たる場所で寝ています。ここのうちの娘2人が学校から帰ると、隣にいるか一緒に遊びます。そう、僕の好きな場所は家族のいる場所。家族がテレビを観れば同じソファーに座って一緒に観るのが楽しいです。そして夜は誰かの布団の中か上で寝るのが日課なんです。食事は栄養バランスの整ったドライフードを主食に、時々、鶏肉を茹でてすりつぶしてとろみをつけたもの、と手が込んでいます。鶏肉のご飯は特別というわけではなく、ときどきもらえる大好物です!そして鶏肉のささみを手作りで乾燥させたもののストックがあるので、ご褒美としてや時々お姉さまがたからもらっては噛み締めています。僕の大好きなおもちゃは、アルミホイルを丸めた手作りのボールと、ワインのコルクです。シンプルだけどアルミのボールは楽しくって、もらったら廊下で追いかけ回して遊びます。ワイン(特にシャンパーニュ)のコルクに紐をつけたものは、動きがおもしろくって大好きです。そして、お姉さまがたのぬいぐるみ。ダメって言われてるんだけど、彼女たちのお気に入りのもので遊ぶのが好きです。みんなにすっごく怒られるんだけど、やめられないのです…。<飼い主から見たウタマロさまとは>7歳で他界した前猫の存在が家族の中で大きすぎて、失った後、家族全員で大きなペットロスになってしまいました。家族にとってあまりにも大切な猫だったので、もう猫を飼うことはやめようと考えていました。そんな時、とある捨て猫の支援団体に出会いました。そこは、捨てられた子猫を義母猫と共に育て、猫としての教養を身につけた後に里親を探すというものでした。里親としっかりディスカッションしてから家族と猫の相性などを考え、引き渡しているという彼女たちの試みに、私たち家族は深く共感しました。当時私たちは猫を探していたわけではなかったのですが、私たち家族のペットロスの話を交えながら子猫をいつかは引き取りたいことを話しているうちに、そこのお家で育てられているまだ生後2か月のウタマロとその兄弟をよかったらと紹介されたのです。彼女の自宅サロンにいた子猫のウタマロは娘たちとすぐに仲良くなり、引き寄せられるような出会いでした。彼が6か月になるまで待ち、お家にお迎えしました。家ではウタマロはわんぱくな末っ子の男の子という感じです。娘たちが大好きで、ウタマロも自分は人間の子どもだと思っているようです。だからなのか、娘たちが遊んでいると必ず同じ空間にいます。彼女たちが寝静まった後、遊んでいたおもちゃにいたずらしています。そして、次の朝になると2人と一匹で喧嘩が始まります。ウタマロはとても尻尾が長いのですが、びっくりすると尻尾の毛だけがすべて逆立ち、まるでたぬきのようになります。なぜこんなことでびっくりするのかわからないようなこと、たとえば、南瓜の種をくり抜いていたらそれにびっくりしたり、新しい冬用のスリッパに驚いたりなど、彼の驚きのツボがわからないのでとてもおもしろいです。また、ウタマロはとても優しい子です。家族の誰かが風邪をひいたりすると、一日中心配そうにずっとそばに寄り添っています。一方で、どんな場所に行っても怖じけない性格で、旅も好きです。家族が大好きで人懐っこい子です。爪を磨がずになぜかかじるという変な癖があり、かじるとボロボロになるのでヤスリをかけてあげても嫌がりません。むしろなぜかうれしそうにうっとりしています…。ウタマロは家族にとってのいたずら大好きの甘えん坊、一番末の息子です。安心しきってぐっすり眠っている姿を見ると、癒しと平穏な心で満たされます。とても大切な家族の一員です。ーーウタマロさまの食事はとても美味しそうですね。いたずらで甘えん坊!子どもたちとのきょうだい喧嘩?それもほのぼのしていてここの家族の様子が伝わってきます。爪ヤスリをかけてもらうときの恍惚の表情も想像できますね。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年12月30日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第194回目はサバンナキャットのチャラ(T’chala)さまです。大きなお耳がチャームポイントの猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.194猫さまの話をもっと聞かせて!チャラさまはもうすぐ2歳の男性猫さま。<チャラさまが語ります>僕はパリ郊外のクレテイユ市にある9階建てのアパートの8階のベランダ付きの部屋に住んでいます。朝は家族の誰よりも早く起きます。昼間はいろんな場所でお昼寝。夜が一番元気で、よく跳ね回ります。ある程度遊び疲れたらご飯を食べて、猫の木でお休みです。普段の食事はキャットフードとBARF(生肉)です。鰹節やドライ鴨肉も大好きで、結構なグルメ猫です。高い所が大好きなのはサバンナキャットの血筋なのでしょうね。羽の付いたおもちゃを思いっきり追い回しています。飼い主は僕のことを、好奇心旺盛なのに怖がりなのね、と言うことが多いです。耳が大きく音にも敏感だからでしょうか。得意なのはジャンプ!どこにでも登っていきます。<飼い主から見たチャラさまとは>チャラは私にとって人生初の猫です。ブリーダーから購入しました。今まではどちらかというと猫嫌い派でした。父が猫嫌いだったので、実家では犬(柴犬)を飼っていました。祖母の家ではいつも猫を飼っていて、遊びに行く度に猫アレルギーで夜は眠れず、ご飯を食べていれば隣でミャーミャーと言われて、嫌な体験しか記憶になかったのです。猫を飼う事を決めたのは、夫と息子がすべて世話をすると言ってくれたからです。が、結局我が家にチャラが来たら、あっという間に虜になり、今では猫友達もたくさんできました。そんな私がますます猫好きになったのは、今年の夏、3週間ふたりっきりで過ごした時です。普段は夫や息子と戯れる事の多いチャラが、私にべったりで、呼べば来る、一緒に寝てくれる、とただひたすら甘えん坊だったのです。可愛いチャラにメロメロになりました。息子とチャラは兄弟のような関係です。少々息子が粗い扱いをする時もありますが、チャラはされるがまま、なぜか息子のする事は許しています。毎晩息子がベッドに行く時間にはチャラも一緒に部屋に行き、そのまま寝る日もあります。時には一緒にテレビを見たり戯れあったりと、息子にとって、チャラの存在は欠かせません。もちろん私や夫にとってもです。今では生活に安らぎや笑いをもたらしてくれています。私のことは一番美味しいご飯をくれる人と思っているのでしょうね。マイペースなところと土いじりが好きなところは私に似ています。いつも何かをせがんでいるようなまん丸の眼を見ると、子ども同然の愛を捧げたくなるのです。ーーこの連載にサバンナキャットは初登場でしょうか?サバンナキャットの歴史は比較的新しいと聞いています。大きな耳をもっているチャラさまは、野性味に溢れていますね。どんなに高く飛べるのか実際見てみたいものです。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年12月24日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第193回目はペルシャ猫のシャドウ(Shadow)さま。見事な長毛をもつ猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.193猫さまの話をもっと聞かせて!シャドウさまは2歳の男性猫さま。<シャドウさまが語ります>僕はお兄さんとお姉さんと一緒にアパルトマンに住んでいます。1日のほとんどを寝て過ごしています。食事に関しては、パテ状のものは消化しにくいため、主にカリカリを食べています。おやつはミルクの入ったカリカリが大好きです。飼い主の腕に抱かれるのが大好きですが、キャットツリーの上も心地よく、そこでも寝ています。お気に入りの遊びは、カラフルなプラスチックのバネです。性格は非常に頑固だと言われます。好き嫌いがはっきりしてるんです。<飼い主から見たシャドウさまとは>以前飼っていたペルシャ猫が亡くなってから、また長毛の猫を飼いたいと思っていました。先代のペルシャ猫の想い出から抜け出せなかったのです。何日も何日も探した後、ようやくシャドウに出会う機会がありました。それは偶然見つけた掲示板でした。写真を見て容姿もとても私好みだったのですぐに飛んでいきました。初めてシャドウに会ったとき、そこに着くとすぐにシャドウが私に向かって飛んで来たのです!この瞬間、私の猫になりました。養子にするために書類に署名した後、2日後に再訪し、更新された書類を受け取りました。それ以来、ずっと私たちはお互いのそばを離れていません。シャドウは私の子どものような存在です。もちろん先住の猫たち同様に世話をすることに喜びを感じています。シャドウは素晴らしいオレンジ色の目をしており、それが彼の魅力をさらに高めています。私たちは似ているところがあり、ふたりともとても頑固です。私が経験した最高の瞬間は、初めてシャドウと会ったときでした。 私の人生で最高の日のひとつです。それ以来毎日欠かさずシャドウは私に大きな喜びをもたらしてくれます。ーー先代のペルシャ猫さまの想い出がシャドウさまへの愛に乗り移ったのでしょうか?きっと前の猫さまも飼い主にとって素晴らしい存在だったのでしょう。次回はシャドウさまの兄さんとお姉さんの話を聞かせてもらおうと思います。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年12月23日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第192回目は赤トラのポンポン(Pompon)さま。冬はラジエーターの上が定位置な猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.192猫さまの話をもっと聞かせて!ポンポンさまは11歳の男性猫さま。<ポンポンさまが語ります>僕たちはアパートの1階に住んでいます。小さな専用中庭があるのでとても快適です。テーブルが置けるスペースもあるのでここの家族は幸せですね。もちろん僕もですが…。飼い主はイラストレーターで普段は自宅で仕事をしています。だから、彼とはちょっとした同僚のような関係です。この家の娘の体操マットや散らかった学校のノートなどの紙の上で休むのも大好きです。朝になると寝室のドアの前で飼い主たちを待って、家中飼い主たちを追いかけることから1日が始まります。もちろんご飯をもらうためです。飼い主が仕事中は邪魔をしないように寝ていなければならず、ドアの前で仕事が終わるのをじっと待っています。季節がいいときは夜に庭へ出て朝まで戻ってきません。今の季節は暖房のラジエーターの上に座っているのが大好きで、これからはこの上で過ごすことが多くなります。<飼い主から見たポンポンさまとは>ポンポンは我が家の初めての猫です。 私たちの娘たちは動物を少し怖がっていたので、猫と一緒にいれば問題が解決できると考えました。そしてポンポンがやってきてうまくいきました!ポンポンは私たちを気に入っているようで、娘たちともすぐに打ち解けました。私たちを大きな猫の仲間として見ているに違いありません。出会いはコーヒーの自動販売機に貼られた掲示を見て、妻が職場近くの農場まで行ったことです。妻は数匹の中からポンポンを迎えることに決めたようです。ポンポンは私が家にひとりで仕事で籠っているときの心強い友だちです。彼は平和と静けさを好みますが、時々仲間が必要なのかもと彼を見ていて思います。彼が私たちを見るとき、ある種のよそよそしさがあるしとても面白い瞬間もあります。ポンポンは私たちによく話しかけ、お腹が空いたときや家族の誰かと長い間離れていたときにはゴロゴロと甘え鳴きをします。小さな虎のようなポンポンはとても楽しい家族の仲間なのです。ーー自宅で仕事をしている飼い主のドミニックさんは、日中は妻が仕事に行き、子どもたちは学校へ行くので、ポンポンさまと一緒にいる時間が長いようです。イラストにも動物モチーフを数多く描いています。ポンポンさまが作品作りの原動力になっている気がします。イラストで日本にもクライアントさんがいるそうです。最近日本向けにインスタアカウントを作ったと報告がありました。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年12月17日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第191回目は番外編。(たぶん)ハーレクイン種ウサギのアルフレッド(Alfred)さまです。ぬいぐるみのようなうさぎさまの物語【フレンチ猫さま】vol.191 番外編猫(ウサギ)さまの話をもっと聞かせて!アルフレッドさまは2歳の男性ウサギさま。<アルフレッドさまが語ります>僕はパリ10区のサンマルタン運河の近くにある小さなアパルトマンの住人です。8時ごろ朝ご飯を食べたら、小屋の中や上でゆっくりくつろいで、その後はタオルをホリホリしたり部屋の中を走り回ったり、飼い主にくっついたり、気ままに過ごしています。自宅で仕事をしている飼い主たちがお昼ご飯を食べるころ、僕も干し草や野菜を食べ、その後はだいたい午後6時ごろまで眠っています。午後8時に夕食のペレットを食べ、8時半ごろから1時間ほど居間のほうで飛んだり跳ねたり走ったり。みんなで遊びの時間を過ごしてから自分の部屋に戻り、干し草を食べたりのんびり過ごしてから就寝。自分の小屋の上で寝ます。食べものは、ペレット、干し草、時々生野菜。たまに人参やブロッコリーの大きな茎もかじります。野菜くずは僕が消費します。好きな場所は飼い主たちの足元。時々木製の鈴入りボールで遊びます。特技は猛ダッシュです。<飼い主から見たアルフレッドさまとは>子どもの頃(小学生の頃)、家に4羽のウサギがいました。高校生のころにも1羽。パリに来てから2羽。すべての子たちと一緒にいた年月を計算すると30年ぐらいでしょうか。2022年の5月のある朝、朝食を終えた主人がアパルトマンの前の広場に目をやると、50メートルほど先の植え込みでぴょんと飛び跳ねた何かが目に入りました。「??」となって目を凝らすと、もう一度ぴょん。「あれは犬でも猫でもなく、確実にウサギだ」と確信した主人。と言うのも、その当時うちには12歳半になるうさぎがいたので、主人もうさぎの大きさ、形、動きを熟知していました。「どうもあの植え込みにうさぎがいるみたい」と、どうしたらいいのか迷いながら私に伝えてきた主人。私も「??!!」となりながら、それ以上考える暇もなく「はやく捕まえて!!」と叫びました。すぐに主人はその植え込みまで走り、私もその後うちのうさぎのキャリーケースを抱えて駆けつけ、無事に捕獲、家に連れて帰りました。どう見ても飼いうさぎであろうこのウサギちゃん。この辺りでウサギが脱走していないか、探している人がいないか訊いて回りましたが、迷いウサギの届けはなく。しばらくして捨てウサギであろうと判断して、うちの子になりました。アルフレッドは、ハーレクインという品種のうさぎによく似ています。元気いっぱい!好奇心旺盛!甘えん坊!これは好き!これは嫌い!がはっきりしています。食べることが大好きで、ごはんの時間には待ちきれずに私たちに飛び掛かったりしますが、食べ終わったら満足して、私の足元に来てしっかりくっついてくつろいでいます。アルフレッドは小さな子どものような存在です!特にかわいいと感じる瞬間は、彼が嬉しい時に思いっきり喜ぶところと首をふって走り回るところ。性格はどちらかと言えば夫に似てるのかなぁ。男の子なのでシンプルです(笑)。先住ウサギのレオナちゃん(2023年の6月に空に旅立ちました)とアル君と私たち(夫婦)、みんなで一緒に過ごした1年間は、今でも私たちにとってかけがえのない大切な時間です。レオナちゃんと同じく、アルフレッドと一緒にいるだけで気持ちが明るくなります。私の心の明かりです!レオナちゃんが旅立つ前の最後の2か月間はつきっきりで介護をしていたのですが、最期、数か月間動かしていなかった前足を一生懸命動かして、そのまま私の目の前で息を引き取りました。空に駆けていくようでした。アルフレッドとはどんな最期が待っているかわかりません。毎日元気すぎて想像もつきません。でも思いが叶うなら、やはり私たちのそばで穏やかに旅立って欲しいと思います。とにかく毎日できる限りの愛情を注いで、今を一緒に思いっきり楽しく過ごしたいと思います!ーー天然石のアクセサリーを作っている飼い主は大のウサギさま好き!アルフレッドさまは一体どこからやってきたのかわからずじまいですが、こんなに愛されるアルフレッドさまはここにやって来て毎日が幸せに違いありません。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年12月16日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第190回目はサビ猫のビュフィー(Buffy)さま。ただいま躾の真っ最中な猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.190猫さまの話をもっと聞かせて!ビュフィーさまは生後7か月の女性猫さま。<ビュフィーさまが語ります>私が暮らしているのはバルコニー付きのアパートメントですが、まだ若すぎるため、現時点ではバルコニーに行くことは許可されていません。毎日窓の前に立って、外の様子を観察しています。ここの家は先住の猫2匹とモルモットが1匹いてとても賑やかで嬉しいです。毎日、遊んだりいたずらするために午前5時頃に起きます。時々おもちゃをベッドに持っていって家中のみんなを起こします。ようやく7時に朝食を食べ、満足して寝ます。朝活しすぎて、日中は起き上がれないほどよく寝ます。午後はみんなで一緒に遊びます。夜の儀式として、飼い主がテレビを見ているとそばに行き一緒に動く画像を追いかけます。食事はカリカリとウェットフードですが、いつも他の人のお皿から食べようとするので叱られます。たまに飼い主用のサーモンをもらえる時がありますが、そんな時は喉が鳴ります。お気に入りの場所?ベッドかソファで長ーくなって寝るのが大好きです。特におばあちゃん猫のロミーとお尻をくっつけて寝ると気持ちよく安心できるのです。<飼い主から見たビュフィーさまとは>月に2回、先輩猫のロミーの薬を買いに獣医に行くたびに、ビュフィーを差し上げますという張り紙を見ていました。何度目かのとき、まだ貰い手がいなかったので、私たちは彼女を養女にすることにしました。初めてビュフィーを見たとき、彼女に恋しました。ビュフィーは私たちと一緒に住んでまだ4か月なので、今のところは躾の段階と言えます。いたずらや、他の動物との接しかたなど…おばあちゃん猫のロミーと相性が良く安心しています。ビュフィーがやってきてからロミーは少し若返ったかもしれません。ビュフィーは要求が多くて、何か食べたいときや遊びたいときは鳴き声で表現します。すっかりビュフィーは私たちの家族の一員となってますます日常が楽しくなりました。ーーこの連載103回目に登場した長寿の20歳のロミーさまのところに、今回登場したビュフィーさまがやってきたのです。まだまだヤンチャなビュフィーさまをロミーさまが教育している部分もあるのでしょうか。ロミーさまが喜ぶ姿が想像できますね。まだまだ長生きしてください。そしてここにはオレオさまというモルモットがヴァカンスになるとよく遊びにやってきます。そのお話も近いうちにお伝えしようと思います。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年12月10日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第189回目はラグドールのエルミオン(Hermione)さま。モフモフなおばあちゃん猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.189猫さまの話をもっと聞かせて!エルミオンさまは11歳の女性猫さま。<エルミオンさまが語ります>私は庭のある家で快適な毎日を送っています。11歳になったので、1日のおよそ70%が睡眠、20%が瞑想、10%が庭をゆっくりと歩くという、全体的にゆっくりした1日を過ごしています。朝は、朝食、庭に出かける、カリカリを食べる、庭に出かける、水を飲む、庭に出かける、食べる、庭に出かける…などを約1時間30分続けます。そして、1回目の昼寝はリビングルームのカーペットの上、または夏には庭で約3時間おこないます。2回目の6時間の昼寝はベッドの上、夏には庭でも。昼寝の合間は立ち上がって、猫の木を引っ掻いて、庭に出て、鳥、昆虫、ナメクジに挨拶(?)をします。ごはんはカリカリ(3種類の味を日替わりで)とパテ(2銘柄、約10種類の味を交互に)です。私には特別な食事はなく、寝ていないときは一日中少しずつ食べています。おやつはたまにツナ缶!夕暮れにはリビングルームのカーペットの上で瞑想に専念し、テレビの前に戻ってもう少し寝て、歯磨きをします。夜はキッチンでぐっすり寝ます。家の中で一番好きな場所は、気分よって頻繁に変わりますが、現在は飼い主たちのベッドの上、または飼い主の仕事を邪魔するために椅子の上に陣取ります。椅子に飛び乗ろうとして転んだりと、自分でも年齢を感じています。おもちゃは子どもっぽいですが布でできたイワシ!友達のように遊んでいます。鳥を捕まえられずに追いかけたりしていますが、若い時より活発ではなくなってしまいました。それでもこの家の生活は満足しています。<飼い主から見たエルミオンさまとは>エルミオンは我が家で2匹目の猫ですが、私が子どもの頃はいつも家の中に猫がいました。私たちは生後3か月のエルミオンをブリーダーのウェブサイトで見つけ、ノルマンディーの繁殖農場から引き取りました。 ブリーダーさんは、この猫は室内飼いで家から出ないだろうと言いましが、エルミオンは私たちの庭と近所の庭で毎日を過ごしています。私たちは性格も外見もまったく異なりますが、貪欲さは共通しています(笑)。彼女は私がフィーダー(肥育者)であり、時々少しとろいと思っているようです。彼女が前足で私の鼻を撫で始めたのは、私がとても感動したエピソードのひとつです。そして、私が昼寝をしているときに彼女が私の隣に来て寝ると、穏やかで心安らぐ存在感を感じます。優雅さと美しい青い目は魅力的で、体は雪の結晶のように輝いています。エルミオンがいるお陰で、ご飯をあげたり、ブラッシングをしたり、外に連れ出したり、トイレを掃除したり、あらゆる場所の毛を取り除くなど、一日中たくさんのエキサイティングで楽しいアクティビティがあるのです 。ーー12月になるとクリスマスツリーがエルミオンさまの家でも飾られます。寒くなって庭遊びはなかなかできなくなりますが、エルミオンさまはツリーのデコレーションで遊ぶのが好きで、活発ではなくなった今はゆっくりゴソゴソと遊んでいるに違いません。それにしても立派な胸毛が見事ですね。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年12月09日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第188回目はサビ猫のフィラエ(Philaé)さま。瀕死の状態から救出された猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.188猫さまの話をもっと聞かせて!フィラエさまは4歳の女性猫さま。<フィラエさまが語ります>私の名前はフィラエですが、飼い主はときにピトー(Pitou)またはネコ(Chat)と呼びます。それは私が何か愚かなことをしたときです…。例えばトイレットペーパーをボロボロにして芯を取り出して遊んでいる時ですね。住んでいるのはパリのバルコニー付きのアパートです。小さいけどひなたぼっこもできて植木で遊べるので、私にとっては十分なスペースです。ちょっとした虫を狩る事もできます。食事は『ピュリナ』のカリカリか袋に入っているウェットフードで、どちらも好きです。おやつはインゲン豆!留守中はいつも飼い主の温もりを感じられる彼女のベッドでくつろいでいます。お気に入りのおもちゃはクリスマスボール!飼い主がいるときは空飛ぶ虫たちを追いかけてベランダでジャンプします。その時、飼い主はいい顔をしていないのですがついついやってしまうのです。<飼い主から見たフィラエさまとは>猫なしではどうやって生きていいのかわかりません。私の元についにフィラエがやって来たのですが、私にはフィラエの前に4つのラブストーリーがありました。まったく異なる猫とのラブストーリーであり、忘れられないものでした。もし私が語り始めたら、ウィキペディアで最長の、共産主義の歴史に関するページを超えることになるでしょう。私が前の猫を亡くしたとき、同僚が小さな猫の情報を見つけたのです。その状態(歓迎されるには小さく痩せ細っていた)を考慮して、動物保護協会が安楽死させたいと考えていると教えてくれました。それを聞いた私は彼女を救うために飛んで行きました。そして、その場で引き取ることに決めました。私のところにやってきてからというもの、私の生活によくフィットしています。朝はコーヒーを飲みながら大きな抱擁を交わします。彼女は私が家を整理するよりも早く邪魔をします。私が仕事をしている間、お利口なフィラエは寝ています。私が仕事から帰ると、彼女はドアの後ろで静かに待っていて、すぐに扉をあけないと怒鳴ります。夜は消灯の時間を私にはっきりと教えてくれます。人見知りなところは、一度空き巣に入られたせいです。それ以来見知らぬ人を非常に疑っています。フィラエは時々子犬のようにも見えます。彼女の顔つきが大好きで写真を撮るとアップのものばかりになってしまいます。彼女は私のことを愛していると思いますが、天気の悪い時にベランダに出してくれないのは私に原因があると思っているようです(笑)。私はフィラエと自由と分かち合いを大切にしているので、彼女の頑固ないち面も好きです。それは私の短気さを正当化できるからです(笑)ーーフィラエさまの生い立ちは詳しく聞けませんでしたが、保護された時は見るからに小さく痩せ細ってこれ以上生きていけない状態だったようです。猫さまなしでは生きていけない今の飼い主の献身的な愛をたくさん受けて、今では可愛く立派な猫さまになったフィラエさま。いまの季節は天気が悪くてベランダ遊びはできないですが、今日もぬくぬくベッドでくつろいでいることでしょう。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年12月03日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第187回目はトラ猫のティグラ(Tigra)さま。飼い主と一緒に寝るのが大好きな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.187猫さまの話をもっと聞かせて!ティグラさまは7歳半の女性猫さま。<ティグラさまが語ります>私の飼い主は皮膚科医で、製薬研究所のメディカルマネージャーもやっています。普段は一緒にパリ中心部のアパートに住んでいます。そんな私は朝が弱く、ねぼすけなんです。食事の場所には常にふたつのボウルが置いてあります。ひとつはカリカリ用、もうひとつはパテ用です。午前と午後の終わりの1日2回パテを食べますが、カリカリは無制限です。ご馳走は、たまにひき肉をいただくこともありますし、エビの時もあります。特別な日の食事はスティック状になった液体おやつです。旅行するときはいつもおやつが準備されていてウキウキです。いまは飼い主の仕事で一緒にアメリカにいます。今日も好物のスティックを買ってもらいました!家の中では、毛皮の上が大好きです。肘掛け椅子や椅子に敷く羊皮と毛皮のクッションの間、場所を変えながら一日中家の中を動き回っています。おもちゃも毛皮で覆われたネズミと魚が大好きです。私はとても社交的で、とてもおしゃべりです。表現力豊かで、好奇心も旺盛です。優しい性格で、誰も攻撃したことがありません。新しい人に初めて会ったときは距離を置きますが、すぐにその人の隣に座り、さらに膝に登ることもあります。私は寂しがり屋でひとりでいるのが好きではないからです。<飼い主から見たティグラさまとは>彼女は捨て猫です。2008年に捨てられた動物を保護する団体『アニマル クリスマス』の取り組みのおかげで私は彼女に会いました。その時彼女はすでに1歳半でした。それ以来、私たちは離れられない関係にあり、彼女はフランスで暮らす私の唯一の家族です。私はこれまでずっと猫を飼ってきましたが、ティグラは他の猫よりも特別です。彼女は私の人生において非常に重要な存在になっています。残念ながら、彼女は家から出るのがまったく好きではありません。また捨てられるのが怖いのだと思います。予防接種のために獣医に連れて行くと、私がドアを閉め待合室で待っている間中吠え続け、私が戻るまで止みません。ティグラは私より遅く起きます。確かに、彼女はすでにちょっとしたおばさんなのかもです。私は家で仕事をすることが多いので、彼女はアシスタントとして私の隣のクッションに座っていることが多いです。夜はふたりでソファで本を読んだり映画を観たりしている間、抱きしめられたり、愛撫したりされるのが大好きで、私の腕の中で眠ってしまう事もあります。私がベッドに入るとすぐにぐっすり眠ってくれます。本当に彼女は私の隣で眠るのが好きなのです。それから彼女は大きなボウルから水を飲むのが好きです。彼女はよく私に、水道水を飲ませてほしいと頼みにきます。おやつが欲しいとき、彼女は小さなテーブルに登って唄を歌い始めます。私が家を出るときは不機嫌になり、帰宅すると喜んで床を転がり回ります。時に彼女は小さなフクロウのようにも見えます。彼女はとても愛らしく、忠実です。いつも可愛くて優しい良い性格をしています。私にとっては彼女のすべてが魅力的です。私たちはふたりとも愛情深く、気さくで、遊び好きな共通点もあるのです。私のことは無条件に愛する人と思っているはずですが、時々、ティグラは私のことを食品の流通業者としてしか見ていないのではないかと思うことがあります。同時に、私がいないと彼女が私を恋しく思っていることもわかります。私が家にいるとき、彼女の生活はより穏やかだと思います。すべてが楽しい毎日です。彼女は決して私を失望させません。たぶん最も思い出に残る嬉しかった記憶は、ティグラが私のベッドに寝に来て、私にもたれかかり、お腹をかいてほしいと頼み、そのまま眠りについたときです。ティグラは私が急いで家に帰らなければならない理由になりました。自分を待っていて、いつも自分を愛してくれる人がいるということは、本当にとても貴重なことです。ーークリスマス近くになると保護された動物を集め各地で多くの保護団体が里親探しをします。この時期に合わせて、見捨てられたペットを多くの人々が引き取れるシステムはとてもいいことだと思います。すでに大きくなってしまってもティグラさまの飼い主のようにたっぷり愛情を注いでくれる人がいるのです。クリスマスの贈り物は心が暖かくなりますね。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年12月02日フランス在住のフォトグラファー、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第186回目はタビーのキャラメロ(Caramelo)、改名後はメロ(Melo)さま。5日間生死の間を彷徨った猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.186猫さまの話をもっと聞かせて!キャラメロ(メロ)さまは2歳の男性猫さま。<キャラメロさまが語ります>僕は小さい頃、両親や兄妹とはぐれて、たまたま飼い主の家の軒下に避難しました。ここの家の人たちはとても親切で、重い病気の僕の命を救ってくれました。元気になった今は、自然に囲まれたオーヴェルニュ地方のカントリーハウスに住み、もっぱら外で遊んでいます。朝起きて朝食にパテ、カリカリ、昨日の残りものを食べて、少しだけ牛乳を飲みます。それから野ネズミを狩りに1日中放浪に出かけます。もちろん他にも小さな動物も狩ります!夜は必ず自分のベッドで寝ます。暗くなると危険な大きな動物と遭遇するからです。ここは本当に安心できる僕の住処なのです。一緒に住んでいる80歳の老夫婦は、僕が来てから新たな人生が始まったと言っています。<飼い主から見たキャラメロさまとは>夏、フランスでは多くの人が休暇を過ごす時期です。キャラメロは、2022年8月に私たちの田舎の家に避難してきた雑種猫です。猫がニャーと鳴き、私たちは茂みの中に隠れている彼を発見しました。彼はとてもかわいかったのですが、暑い日だったのでお腹が空いて喉が渇いていた様子でした。私たちは彼に餌を与え、テラスに落ち着きました。身元が特定されているかどうかを確認するために、家のすぐ隣にある獣医に連れて行きました。しかし、身元が特定されなかったため、飼い主を見つけることができませんでした。 獣医によると、まだ1歳にも満たない若い猫だそうでした。見知らぬ猫の治療費を払う人が多いかどうかはわかりませんが、私にとってはその猫の世話をしないわけにはいきませんでした。キャラメル色のタビーなのでキャラメロと名付けました。 すべての特徴を備えているため、ベンガルなのではないかとさえ思いました。私にはパリから連れてきた猫が2匹いるので、リスクを避けるため、彼を家に入れませんでした。キャラメロは健康状態が急速に悪化したため、この判断は正しかったようです。 彼は食べられなくなり起き上がれなくなりました。胃の問題も抱えていたようです。それは祝日に続く週末のことでした。彼はとても遊び好きでしたが、何もできなくなりました。獣医が休みだったので、3日間水分補給し、注射器を使って強制的に食事をさせました。彼の状態が改善しなかったため、私は最終的に獣医に連れて行き、発疹チフスと診断されました。彼は明らかに予防接種を受けていなかったせいもあり非常に深刻な状態でした。この病気はワクチン接種を受けていない若い猫に影響が大きく、大多数は生き残れません。しかし、キャラメロはファイターでした。 5日間の入院と抗生物質投与の後、彼は病気を克服しました。彼は救われましたが、私たちには問題がありました。 私たちは仕事のためにパリに戻らなければならなかったので、3匹目の猫をアパートに連れて行くことができませんでした。私たちは彼を養子にしてくれる人を探さなければなりませんでした。しかしキャラメロは幸運です!ここに住んでいる義理の両親が美しい瞳に感激して、彼を養子にすることに同意し、そしてメロと改名しました。同時に身元登録とワクチン接種をしてもらいました。いまのメロは幸せで甘えん坊な猫です。 彼はほとんどの時間をオーヴェルニュの田舎ですごしていて、時折パリ地方に遊びにやってきます。養子に迎えられたという事実は私にとっては満足ですし、彼は私たちのところに来て正しい家を選んでくれたのです。私は、これは偶然ではなく、常に猫を歓迎してきた我が家のポジティブな雰囲気を彼が感じたに違いないと自分に言い聞かせています。彼は優しくて、遊び心があり、いつもとてもかわいいです。 すでに退職した義理の両親もメロとの生活を楽しみ、老後が活気のある生活になったと喜んでいます。ーー連載#97に登場したリシルさまとスルタンさまの飼い主の話です。発疹チフスウイルス感染のためにリシルさまとスルタンさまとメロさまは一緒に遊ぶことができなく、パリにも連れて戻れませんでしたが、今ではすっかり田舎での生活を楽しんでいるそうです。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年11月26日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第185回目はヒマラヤンアザラシポイントのマリー(Marie)さま。冒険が大好きな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.185猫さまの話をもっと聞かせて!マリーさまは9歳の女性猫さま。<マリーさまが語ります>私は、スキー場近くの山の家と、街のなかにある家を季節によって住みわけています。冬は、山にある大きな屋外ギャラリーのツアーに参加することで1日が始まり、そして終わります。飼い主たちが休みの日は、ほぼ寝て過ごしてしまいますが、飼い主たちがバックパックを取り出すと、すぐに冒険に出かけると悟ります。そして、まだかなと玄関の近くで準備ができるのを待ち続けます。夏はヨットで過ごします。ヨットの上では、冬と違って日課は変わります。 飼い主たちが起きると、すぐに外に出てヨットの甲板の上を散歩します。 そして、帆が開くまでみんなを観察します。食事はいつも『ロイヤルカナン デンタル』のカリカリのみを食べます。特別な日は『ロイヤルカナン』のウェットフードがもらえます。大好きなおやつは、味に関係なく、ニブリージャーキーです。お気に入りの場所第1位は家のベッドの上です。 続いて第2位はソファです。 ヨットに乗っているときは後部デッキに寝転がって水面を眺めるのが好きです。 ヨットの中に居なければならないときは、ドアが透明で外が見える階段に横になります。遊びは猫のハタキが好きです。最近ウサギが相棒としてやって来たので、他のどのおもちゃよりもウサギと遊ぶのが大好きです。<飼い主から見たマリーさまとは>マリーは小さな頃から船乗りをしている小柄なヒマラヤン猫です。彼女は夏の間ずっとヨットの上で過ごしており、陸地を歩くよりも水上でのほうが得意です。彼女は冬にはスキー場の近くの山で過ごし、ハイキングやクロスカントリースキーをする人間の後を追っています。彼女はジャコブという名前のドワーフラムのウサギと共同生活をしています。マリーに出会ったのは本当に偶然なんです。ショッピングセンターに行って、ペットショップの前を通ったとき、私は、当時は毛並みが乱れていた小さなマリーを一瞬で好きになり、連れ帰ったのです。マリーは人間と一緒にいるのが大好きなので、いつでも私たちのいろんな冒険に同行しようとしています。とても穏やかで愛情表現が豊かな猫です。彼女は遊ぶのが好きですが、愚かなことは決してしません。時折、ウサギの耳を噛むことくらいです。彼女は、ニャーと鳴いたり、手で私たちに触れたりすることで、自分自身を理解してもらう方法を知っています。彼女はカメラが好きで、仕事のビデオ会議にいつも参加しています。マリーは素晴らしい冒険家ですが、夏に私たちが航海しているときは、注意深く船中にいます。彼女は、決まって午後3時頃にコックピットにやって来ます。小さい頃からセーリングに慣れているだけでなく、リードをつけてとても上手に歩きます。森の小道を歩くことも躊躇しません。マリーは家族の一員なのです。彼女が私たちを追いかけることができない唯一の場所は、猫が許可されていないレストランと国立公園です。マリーの魅力は、間違いなくその大きな青い目と、人間に対して非常に社交的であるということです。冒険心があり、屋外で時間を過ごすのが大好きなのです。彼女は小さなアヒルのように私についてくるので、私を母親だと思っているのだと思います。夜は私の上で寝てくれるので、私のことが快適だと思っているはずです。最も楽しかった瞬間はたくさんありますが、暗くなってからヨットのブームに乗って歩く楽しさを知った時です。彼女は夜景にとても驚いた様子でした。私たちは彼女の幸せそうな表情にとても満足しました。残念ながら、暗かったのでこのときの写真はありませんが、思い出に残る時間でした。マリーは私に友情と慰めを与えてくれて、我が家に活気を吹き込みます。また、人生で本当に重要なことに集中できるように存在しているのだと思います。たとえば、時間をかけて彼女と一緒に過ごし、あらゆる瞬間、あらゆる冒険を楽しむことです。私にとって、それはストレスを軽くするのに役立っています。ーー冒険家のマリーさまは同じく冒険好きの飼い主のところにやってきて、幸せな毎日を送っています。これからはスキーシーズンが始まり、雪遊びが待っていますね。次は相棒のウサギ、ジャコブさまの話も聞かせてもらいます。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年11月25日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第184回目はサバトラのマロ(Maloe)さま。寝姿が最高にかわいい猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.184猫さまの話をもっと聞かせて!マロさまは6歳の女性猫さま。<マロさまが語ります>私はパリ郊外の、森に囲まれた集合住宅に住んでいます。朝7時には起きて家族が起きてくるのを待ち、朝ご飯になります。朝食後は必ず窓際で森の匂いを嗅ぎながらゆっくりします。昼間はだいたい寝ていますが、時々、家の中を走り回って気晴らし。午後、陽が射してくると大きな赤いソファで大の字になって寝るか、飼い主の娘の部屋のベッドで昼寝。夜はまた自分のベッドでくつろぎます。飼い主がいる時は何をしているのか興味があり、一歩離れて観察。夕方は17時くらいからお腹が空いてしまうので、お母さんの横でプレッシャーをかけつつ監視します。18時半を過ぎると、キッチンにいるお母さんの膝でカリカリを一粒ずつもらいます。急いで食べると吐いてしまうからです。いつものカリカリは『ピュリナ』の「フリスキー」。特別な日のごはんはありませんが、なぜかコーンフレークスやナッチョスが気に入ってしまい、時々つまんでいます。もしくはヨーグルトも。大好きなおもちゃは特にないのですが、小さなネズミの玩具があります。また、体操競技のリボンを追いかけるのが好きです。お母さんがシーツを替える時は盛大に邪魔をして遊びます。特技は仰向けで寝ること!お母さんの手からカリカリを貰って食べること。立ったり、座ったり、ちょっと落ち着きませんが(笑)。<飼い主から見たマロさまとは>私が高校生の時に飼い始めた雄猫が13年生きました。パリに来てからは猫を飼うタイミングはなかったのですが、娘が生まれ、猫が飼いたいと娘が5年かけて私たちを説得し、インターネットで里親募集を探しました。パリ近郊では見つからず、サルト地方のルマン市で子猫を見つけましたが、迎えに行く当日に車に荷物を積んで出かけようとしたところ、この子が朝亡くなってしまったと連絡を受けました。名前まで決めていたので娘はがっかり。再びネットで子猫を探したところ、亡くなった子猫にそっくりな子猫を見つけて決めました。最初は怖がりで、人間に慣れるのに時間がかかりました。今でも人間の膝に自ら乗りません。でも冬の膝掛けの下なら飼い主に撫でてもらってゴロゴロ言います。猫も年月を経ると性格が丸くなるようです。ここがかわいい!とひとつ挙げるなら、もちろん全てがかわいいですが、あえて言えば小さな頭、小さな口、麻呂眉毛と、墨を踏んだような黒い足の裏です。マロはシマ猫なんでしょうか?キジトラなんでしょうか?私はサバトラだと思っています。アメリカンショートヘアのような模様がサバに見えるのです。私と似ているところは、独りが好きなことと多くを語らないところ。私のことはご飯をくれる人、信頼できる人間だと、6年かけて学んだらしいです。子猫の頃から今に至るまで、仰向けに寝てお腹の模様を見ると楽しい気持ちになります。一緒にいることで癒されます。マロは外には出ないイエ猫ですが、人間との生活を受け入れてくれた彼女に感謝しています。動物が好きなので、時々、自分も猫のような気になります。安らぎを与えてくれるマロは、家族のひとりとして私たちの生活に馴染んでいます。ーーこの取材を通して里親になるために遠くまで出向くかたが多いことを再確認しました。パリからルマンまで車だと結構な時間がかかりますね。娘さんが5年もかけて子猫を見つけたのは感動的でもありました。今日も窓際を陣取っているマロさま。晩秋の森からは一体どんな匂いがするのでしょうか!著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年11月23日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第183回目は黒猫のサンバさま(Samba)とシールポイントのシッポナ(Shippona)さま。とても仲良しな猫さまたちの物語【フレンチ猫さま】vol.183猫さまの話をもっと聞かせて!男性のサンバさまと女性のシッポナさま、ともに7歳です。<サンバさまとシッポナさまが語ります>僕たちはパリの15区の賑やかな商店街がある通りのアパルトマンの6階に住んでいます。飼い主が在宅の時のスケジュールをお伝えしますね。朝起きたらすぐに1回目の朝食(カリカリ)トイレがきれいになっているかチェック&ダメ出しサンバは二度寝、シッポナは家中をうろうろするサンバが起きたら2回目の朝食(カリカリ)2匹で遊ぶ寝る起きるうろうろする寝る起きる1回目の夕食(カリカリ)猫じゃらしで走ったりジャンプしたり激しく遊ぶ寝る2回目の夕食2匹で遊ぶ寝る食事はカリカリを朝食、夕食それぞれ半分に分けて2回ずついただきます。6歳のときから『weight management』にしています。外に出ないので、運動不足が心配だかららしいです。2週間に1度ぐらいは同じ銘柄のソフトタイプが出てきます。かわいいかごやベッドもあるのですがすぐに飽きてしまいます。『アマゾン』の段ボールが大好きで、その段ボール箱に2匹でぎゅうぎゅうに入るのが心地良いのです。おもちゃもたくさんありますよ。小さいぬいぐるみ多数と猫じゃらしなどです。飼い主が不在の時には仲良し兄妹なのでいつもくっついて寝ています。<飼い主から見たサンバさまとシッポナさま>30年ほど前にパリからニューヨークに引っ越す友人から、猫を2匹譲り受けました。日本にいた時は常に犬を飼っていましたが、幼稚園に入る前には猫も飼っていたと記憶しています。犬派とか猫派とかよく聞きますが、私はどちらも大好きです。留守中ひとりぼっちになるのはかわいそうなので、常に猫を2匹または3匹飼っています。以前、糖尿病で毎日朝晩インシュリン注射を打っていた愛猫タラちゃんが亡くなった時、ひどく落ち込んでしまいました。その頃友人の家で子猫が5匹生まれ、友人たちの勧めもあってサンバとシッポナを迎えました。最初は1匹だけを譲ってもらおうと思っていましたが、5匹の中でも体が小さかった2匹だけでずっと楽しそうに一緒に遊んでいるのを見て、引き離すのが忍びなく2匹を受け入れました。私が出張から戻ったらお留守番のご褒美で『ちゅ~る』をあげます。お誕生日やお正月はゆがいた鶏肉、私は鶏肉の匂いが苦手で食べませんが、猫のためなら我慢して切ったり茹でたりできます。サンバはおっとりしていてのんびり屋で優しい性格です。リオオリンピックの年に生まれたのでサンバと名付けました。シッポナはおてんばですばしっこくて、甘え上手です。私が子どもの頃好きだった『ひみつのアッコちゃん』の飼い猫(アッコちゃんの相談相手、実は魔法使い)の名前をいただきました。小さい頃から、サンバがシッポナの毛繕いをしてあげています。トイレも、シッポナは最後まできちんと砂でウンチを隠さないで出ることが多く(せっかち)、そういう時はサンバが来てシッポナの代わりにやってあげています。同時に生まれた2匹なのでどちらが年上ということはありませんが、サンバがお兄ちゃんで優しくて妹思い、シッポナが妹でお兄ちゃんにすべてお任せ~、というイメージです。もう7歳だから普通だったら落ち着く年齢ですが、この2匹はとにかくいつも一緒にじゃれあって遊んでいて、子どもっぽさが抜けません。そこがかわいいですが。バッグの中身をひっくり返すなど、悪いことも大抵2匹で一緒にやります。見つかったらシッポナはさーっと逃げて知らんぷり、すべてお兄ちゃんがやったような顔をしています。サンバは取り残されて「あれ?僕だけ?」という顔をしています。私にとって猫はなくてはならない存在で、いてあたり前の存在です。2匹と生活をしているとポジティブ、楽観的なところが私に似ていると思います。「猫は拗ねる」とか「猫は嫉妬深い」とよく言いますが、うちの2匹はそういったネガティブなところが一切なく、いつもポジティブで素直。おかげさまで私もあまりネガティブなことは考えないようになっています。サンバとシッポナと一緒にいれて日常生活が毎日Maxで楽しいです。ーー私も以前、黒猫とシールポイントの組み合わせで猫さまを飼っていたことがあったので、サンバさまとシッポナさまを見て昔の思い出がたくさん蘇って来ました。サンバさまとシッポナさまは兄妹なので、お母さんの写真を見せてもらったら縞模様ではないですか!お父さんはどんな猫さまか?とても気になってしまいました。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年11月19日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第182回目はキジトラのユズ(Yuzu)と赤トラのサニー(Sunny)さま。とても仲良しな猫さまたちの物語【フレンチ猫さま】vol.182猫さまの話をもっと聞かせて!ユズさまは9歳、サニーさまは4歳の男性猫さま。<ユズさまが語ります>僕たちはマルヌ川が近い、パリから東に電車で15分のシェルという町で、5階建てのアパートの3階に住んでいます。寝室からリビングにキャットウォークを通って行く時に、下の階のベランダに3回落ちたことがあります。1日の行動は、朝は飼い主と一緒に起きて、トイレに行って朝食を食べます。遊んで昼寝をし、夕方起きて夕食を食べます。それから、トイレにいったあと遊んで、飼い主と一緒に寝ます。朝7時過ぎと、夜は22時半から23時ごろには飼い主のそばに張り付きます。夕食は、だいたい8時ぐらいです。飼い主が仕事から家に帰ると、玄関まで迎えに行き台所へ誘います。チラチラ振り返り、ちゃんとついて来ているか確認しながら。食事は、カリカリをセルフサービスで好きな時に好きなだけ食べます。夜はパテ缶を食べます。特別な日、例えば誕生日とクリスマスには『Sheba』の食べるスープが出てきます。たまにバターを舐めることも許されています。今は、猫レーザー遊びに夢中です。飼い主がレーザーを取り上げる音を聞くと、そばまで走っていき足元で待ち続けます。手まねきも上手にできます。弟のサニーはボール遊びが大好きで、犬みたいなところがあります。ボールが爪に引っかかりやすいような生地でできていて、手から離したいんだけど引っかかってなかなか離れてくれず、「もぉ〜なんで離れてくれないのよぉ〜」みたいな感じの表情をします。ボールを投げてもらったら、咥えて飼い主の前に落として、また投げるように催促をするのです。僕はツンデレとよく言われます。大好きな居場所はキャットタワーの上。サニーがまだ居なかった時は、飼い主の腕と脇の間で、毎晩飼い主の腕を枕にして寝ていました。今はもっぱらサニーにくっついて寝ているんです。<飼い主から見たユズさまとサニーさまとは>今までの猫歴は、子どもの時に捨て猫2匹を保護、ペルシャ猫1匹、20歳の時にアメリカンショートヘアーとペルシャの雑種を1匹飼っていました。ユズは、友だちのメス猫に子どもができたので譲り受けました。サニーは、知り合いの家の前に捨てられていた7匹の子猫のうち1匹でした。サニーが家に来た時は手のひらサイズほどの大きさでした。多分生後2、3か月ぐらいだったと思います。ユズは、警戒してフーフー言いつつも興味深々で、サニーは全く怖がらなかったので仲良くなるのに時間はかからなかったと思います。夏休みに子ども達が夫と祖父母の家に行っている間に家に連れて帰ってきて、2匹目を飼うのは子ども達には秘密にしていました。家に帰ってきた時、新しい子猫を見て、娘は嬉しすぎて玄関で泣いていました。息子は空いた口が塞がらなくて、そんな2人を見ていてとても嬉しかったです。とくに娘は、2匹目が欲しいと前々から言っていたので、本当に喜んでいました。ただ娘は、猫に構いすぎるので引っ掻き傷が絶えません。でもサニーはどんなにかまっても引っ掻いたことも噛みついたこともなく、ユズと比べるととても穏やかな性格です。私はかくれんぼごっこでいつも遊んでいます。私が隠れて、ユズとサニーが私を探すのです。2匹がいることで私は穏和で幸せな気持ちになり、とても心地いいんです。ーーユズさまとサニーさまはとても仲良し!いつもくっつき合って寝ているんだそうです。性格は違ってもお互い気持ちが通じる部分がたくさんあるようです。寒くなってきたので今日もべったり幸せにお昼寝していることでしょう。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年11月18日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第181回目はペルシャ猫のシラス(Shirasu)さま。奇跡的に保護された猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.181猫さまの話をもっと聞かせて!シラスさまは8歳の男性猫さま。<シラスさまが語ります>僕は早起きです。家はヴァンセンヌの森に近いので、夜明け前の鳥のさえずりで5時半ぐらいに目を覚まします。朝日が白々と明ける午前6時ころ、太陽が昇ってくると、朝の匂いを嗅いで、太陽の光を見つめ、そして近所にやってくる鳥たちを眺めることから1日が始まります。セントラルヒーティングのラジエターの上に置かれた食器置きのすぐ隣がいつからか僕の定位置になりました。心地がいいし眺めも最高だからです。最近は寒くなったのでマフラーを敷いてさらに暖かくしてもらい、お外を眺めるにはとても快適になりました。飼い主が仕事のない日は24時間一緒に過ごします。飼い主の背後、たまに膝、たまに机の上の飼い主の左手のあたりで、邪魔せずにウトウトしています。朝ごはんはスープ多めの缶詰(去年尿結石を取ったのでウェットご飯が必須)、夜ごはんはカリカリ。朝ごはんがいつも特別ご飯です。飼い主が作った天然酵母パンが好きなので、それをお裾分けしてもらう時もあります。おねだりのときは、朝のご飯を待つ場所で、準備ができるまで物言わず飼い主の様子を伺います。なんと朝がカリカリ!?の時は、お腹は空いてても缶詰が出るまで我慢して、物言わず飼い主を見上げます。意外と意地っ張りなところもあるのです。紐遊びが大好き!おっとりさんでやさしい性格とよく言われます。<飼い主から見たシラスさまとは>幼少の頃から55年間ずっと私のそばには猫がいました。先住猫イワシと日本からフランスに渡り、その後イワシは19歳半の生涯を終えました。天国に逝って4年経ち、また猫を受け入れても大丈夫か?と思っていた矢先、たまたま友人の母がタロットができるという事で、イワシがどう思っているかタロットで聞いてもらったら「いいよって言ってるわよっ」のお答え。イワシそっくりなシラス(志らすと名づけました)がやってきたのです。私のもとにやってきた経過を詳しくお伝えします。南フランスでぺンションを経営しながらブリーダーもしているかたのところでシラスは生まれました。彼の姉妹は1000ユーロという高額な値段で販売されるのですが、シラスを含め、男の子は買値が付かないので貰い手がなければ悲しいことに餓死させられてしまったかも…。たまたまそのペンションに泊まった私の友人の母にイワシの写真を見せたら「この子今私が滞在してる南フランスのペンションに居る子にそっくりだわ」と、そこにいる子猫らの写真を見せてもらったのです。その中にイワシ生き写しの子猫が居たのです。そのオス猫ちゃんを引き取ることにして、晴れてシラスはうちの子になりました。残念なことにシラスと一緒に暮らしていた子猫は餓死して友人の母の手の中でなくなったようです。友人母が言うにはオスの子猫らは薄暗い湿った部屋で餓死するまでほっとかれるのかなぁと…言っておりました。こういうシステムが早くなくなってほしいものですよね。私の元にやって来た時、私の手のひらで寝ることができるほど小さく、その時すでに生後4か月にしては未熟すぎる印象でした。フサフサの毛の下にはノミがウロウロ、即退治!30匹はいたかもしれません。その後、うちに来て2週間で急に大きくなりました。成長が遅かったせいか免疫不足で白癬菌の病気になりました。トリマーの友人からご指導いただき、抗菌にいいというシャンプーをいただきなんとか菌を撃退できました。おかげで今は健康体そのもの!猫ってそもそもどこから来たんでしょう。猫が自分達のところにやってきたのは偶然じゃなかろうと思う今日この頃です。気がつけばじっと見られていて、この子にはなにもかも見透かされているようです。猫に学ぶ毎日で、猫は生とし生けるものの先生かもと思います。好きなご飯を食べて、外の鳥を眺めてまた寝る。甘えたいときに膝に乗ってきて、そうでなければまたひとりで寝る。微妙な距離を置いて実に無駄がない猫は気まぐれとか言われますが、どうやらそうではなさそうです。彼らの中では好きなもの嫌いなものやりたいことやりたくないことは明確です。漱石の著書の「吾輩は猫である名前はまだない」我輩のように。人間てメンドクサイ生きモンだなぁ~と観察しているかもしれません。猫は神様がこの世に創り出した素晴らしい贈り物なのです。今も私の後ろで鼻息をぴぃぷぅさせて爆睡している姿を見ると、かけがえのない時間が流れている感じがします。朝起きてまず彼の食事とトイレ掃除、1日動くためのウォーミングアップ。シラスが私の日々の原動力なんです。ーーシラスさまは無事に保護されてから8年が経ちました。早起きシラスさまは今日も暖かいラジエターの上でいつも通りの朝を迎え、飼い主を1日の始まりに元気づけている事でしょう。ここでは鼻息の音を伝えられませんが、みなさん想像してください。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年11月12日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第180回目はトラ猫のマーカス(Marcus)さまとミニー(Minnie)さま。「ジダン」「ターミネーター」というニックネームがある猫さまたちの物語【フレンチ猫さま】vol.180猫さまの話をもっと聞かせて!マーカスさまは4歳の男性、ミニーさまは3歳の女性猫さま。<マーカスさまが語ります>ディズニーランド・パリからほど近い、快適な開発地にある庭付きの2階建ての家に住んでいます。僕は小さい頃から病気で肺が弱いため、日中はよく寝ています。でも、外が寒すぎない限り、家の外の広い緑地でも遊んでいます。妹ミニーは僕よりも活発で、足が速く、頻繁に外出します。冬の間、僕達は家の中にいます。僕らが遊んだり運動したりできるように、窓際に大きなキャットツリーが2つ準備されています。ミニーは飼い主のデスクの棚の上に座ったり、山積みになった服の中で寝るのが好きです。僕はソファで居眠りするのが好きで、いつも右隅に小さな毛布を置いてもらっています。それ以外の場合はソファに横になって窓の外を眺めています。おもちゃは前脚でサッカーのように遊ぶ小さな綿毛のようなネズミが好きです。そんな時、飼い主は僕を「ジダン」と呼びます。ミニーは、ゴムバンドが付いた小さなボールが好きで、これで飼い主と多くの時間を過ごします。飼い主はよく彼女を「ターミネーター」と呼びます。彼女は定期的にゴミ袋を攻撃します。運悪くおやつの入った小さな袋が彼女の手の届くところで見つけると、次の日の朝、その袋が歯や爪で砕かれていることがよくあります。食事は獣医さんから購入したカリカリが主ですが、時々おやつや好きなものをいただきます。例えばエビ、鶏肉、パン!です。<飼い主から見たマーカスさまとミニーさまとは>マーカス、リリー、ミニーが生まれる前、我が家にはニーナという19年間生きた猫がいました。彼女が去ったときは悲しみに明け暮れていたので、私たちはすぐに再び猫を飼うことに決めました。SNSでマーカスの写真を見ました。それは、ずぶ濡れになった2匹の猫が車の下にいる写真でした。私たちはその写真を投稿した人に会いに行き、マーカスに出会いました。会った瞬間、好きになりました。マーカスは妹のリリーから離れることはありませんでした。離ればなれにするのは非人道的であると考え、ふたりを受け入れることにしました。しかし残念なことに1年後、車に轢かれて小さなリリーを失いました。マーカスはいつもどこでも彼女を探していて、私たちは彼をひとりにしておくわけにはいかないと考えました。それから動物保護協会を通じて小さな猫を探しました。こうしてミニーちゃんが我が家にやって来たのです。ふたりはとても仲が良く、マーカスはとても臆病で何事にも恐れを抱いているので、ミニーの存在がマーカスを安心させてくれます。ミニーは幼い頃からのとても柔らかい毛皮を保っています。小さいのでミニーと呼んでいます!マーカスは何もかもが怖くて、たとえ私たちと一緒にいて安全なときでも、異常な物音を聞くとすぐに飛び上がります。ミニーとは大違いです。マーカスは私たちを必要としていて、常にコンタクトを取り合い、抱っこを求め、一緒に寝に来ます。躊躇せずに羽毛布団の下に潜り込んで私たちに寄り添ってくれます。ミニーは姉のようで、マーカスが横になっているときはなめてあげます。彼女は優しいのですが、抱っこをあまり要求しなくなりました。それでも時々私たちに会いに来て頭突きをし、私たちが大好きであることを示しています。マーカスの顔(顔の表情)は、いつも悲しんでいる、迷子の猫であるという印象を与えます。ミニーはとても元気いっぱいです。マーカスよりもはるかに活発で、何があっても常に前に進む姿勢がマーカスを安心させます。彼女は毛玉のようで、本当に優しくて、とても柔らかいのです!猫は家で何を考えているのでしょうか?目標は、この共同生活ができるだけうまくいくこと、そして猫たちが私たちと一緒にいても、私たちなしでもできるだけ快適に過ごせるようにすることです。生活や習慣の中で猫たちが私たちをずっと幸せにしてくれることを求めて。もっとも面倒なのは、彼らから逃げ回るネズミやハクビシンを家の中に連れてきてしまうこと!彼らの、勝ち誇った自慢たっぷりの表情には複雑な思いですが(笑)!彼らは私たちに多くの喜びをもたらしてくれるし、いてくれるだけで完璧なストレス解消になっています。腕に抱きしめることができるのはとても嬉しい瞬間です。ーー生まれた時からマーカスさまは妹想いでひとりではいられなかったようです。実の妹を失った後もミニーさまを本当の妹のように思っているのでしょう。とっても明るく前向きな姿勢のミニーさまとの日常はマーカスさまを常に喜ばせているのです。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年11月11日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第179回目はスコティッシュ・フォールドのタイスー(Taisū)さま。日本が好きな飼い主をもつ猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.179猫さまの話をもっと聞かせて!タイスーさまはもうすぐ1歳の女性猫さま。<タイスーさまが語ります>私は中庭が見える大きなロフトタイプのアパートに住んでいます。とても明るくて静かです。パリのど真ん中、サン・マルタン運河の近くなのに、一軒家にいるような錯覚に陥るほどです。いい環境なのでよく眠れています。朝起きて、最初にご飯をもらうのはこの家のお父さんからです。目覚まし時計が鳴るのを静かに待ってからご飯をもらいます。昼になると、お母さんのオフィススペースに遊びに行き注意を引きます。もっと小さかった頃は、お母さんがパソコンで仕事をしている間、ずっと机の上にいました。お母さんは家で仕事をしているので、一日中、抱っこの時間が多いのです。夜になるとベッドで一緒に寝ますが、夜中には一人で家を徘徊します。毎朝、肉か魚のパテが出てきます。それから一日中少量のカリカリもいただきます。私の特別な食事はありません。獣医のアドバイス通り、いつも同じものを食べていて、人間の食事は食べません。時々、良い行動をするとおやつをもらいます。例えば、爪を切った後とか。幸運にも家の中に部屋がたくさんあるので、家の中で散歩ができます。ソファの上で寝るのが大好きで、シートの上や端っこでも寝ています。飼い主がキッチンにいるときは、ピアノの脚の上で休むのも大好きです。小さなおもちゃをたくさんもっていますが、一番興奮するのは、クレープ・ダンテルの包み紙で作った金色の紙のボールです!ボール状に丸めて、投げてもらいます。そのボールを取りに走り、床を滑って(肉球の間に毛を挟んで)ボールで遊び、口にくわえて飼い主たちのところに持って行って、足元に置いて遊び続けます(まるで犬のように)。性格はとても穏やかで、怖がりと言われます。飼い主夫婦はもう若くなく、ここの子どもたちも成長して家を出たので、穏やかな生活には私が欠かせないそうです。ブリーダーは、私を「鳴く機械」だと断言しましたが、それは本当です!家の中では何も壊さないし、飛び跳ねたりもしないし、飼い主たちが食事をしているときにテーブルの上に乗ったりもしない。とてもお行儀がいいのです。1階だから、ドアが開くとすぐに外に飛び出すんじゃないかと飼い主は心配していたらしいけど!玄関のベルが鳴ったり、誰かが入ってきたりすると、怖がって隠れてしまうのです。<飼い主から見たタイスーさまとは>私たち夫婦は子どもの頃にそれぞれ猫を飼い、新婚の頃にも飼っていました。でも、タイスーは今まで飼った猫の中で一番かわいいというのが二人の意見です。私も夫も日本が大好きです。Taisū(タイスー)は”大数”や”対数”と訳せますが、夫の統計学の仕事にちなんで名前をつけました。猫をブリーダーから購入したのは、性格が合う特定の品種が欲しかったからです。ブリティッシュショートヘアとの交配種であるスコティッシュフォールドを選びました。スコティッシュフォールド特有の寝相は仰向けで前足を曲げて、さらに広げて寝ます。それは、彼女が私たちをどれだけ信頼しているかを示すもので、面白くもあり、感動的でもあります。小さな丸い頭、大きな目、小さな耳がフクロウのようです。「カワイイ」という言葉は彼女のために発明されたと思うくらいです。まあ、丸くて小さなフクロウのような頭と、1歳になってもまだ子猫のように見える短い脚、グレーとベージュの縞模様の被毛は見事で、とても柔らかい。まっすぐでふさふさした縞模様の尾は、マダガスカル(アニメのほう)のキツネザルを思い出させてくれます。タイスーは私によく似ています、もともと穏やかで、スポーツが嫌いで、よく寝て、お行儀がよくて、あまり冒険はしない!そっくりです。もし彼女が私に話すことができたら、私が彼女の爪を切りたがるときと、彼女に十分な食事を与えないとき以外は、私のことを好きだと言うと思います!休暇や週末の遠出から帰ってくるたびに、再会を喜びます。旅の終わりが悲しくなることは、タイスーが来てからは感じません。タイスーは私たちの人生のちょうどいい時期にやってきました。子どもたちが家を出てからというもの、私は自宅でひとりで仕事をしているため、夫の帰りを待って堂々巡りをすることが多く、時には深夜になることもあったのです。そんな時にもタイスーは私に癒しと安らぎを与えてくれる存在です。もう大きくなった子どもたちにはしてあげられない抱っこも、彼女は喜んで鳴いて受け入れてくれるのです。ーーまん丸お目目で甘え上手なタイスーさま、PCの横でこんな表情されたら仕事にならないのでは?飼い主の仕事のほうが心配になりますね。仰向けになった姿を見るとそこに顔を埋めたくなってしまうぐらい可愛い存在でした。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年11月05日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介。今回は番外編で、実は猫さま派家族に愛されているスナネズミの登場です。第178回目はスナネズミ(ジャービル種)のバニーユ(Vanille)さま。好奇心旺盛なスナネズミさまの物語【フレンチ猫さま】vol.178番外編スナネズミさまの話をもっと聞かせて!バニーユさまは2歳10か月の女性ネズミさま。<バニーユさまが語ります>私はパリ郊外にある1897年築の石造りの古い家に住んでいます。庭があるけど、鳥や猫のおもちゃになってしまうので、外には出してもらえません。毎日快適で、ぬくぬくの家で1日に20時間くらいは寝ているでしょうか!おもちゃはキッチンペーパーの芯。かじるのが大好きで、あっという間に細かくしてしまいます。いちばん居心地がいい場所は、そのかじったペーパーを使って作った巣の中。そこでくつろぐのが大好きです!ご飯は市販のペットフードと生野菜や果物。特にサラダ葉が大好きで、完全なベジタリアン。おやつはピーナッツやひまわりの種、ナッツ類です。ボウルに砂を入れてもらっているんですが、子どものように砂遊びも大好き。猫同様に砂で用をたすキレイ好きなのです。怖い思い出は、夏のバカンスのでのできごと。子猫のいる家にカゴごと預けられたんだけど、その子猫がカゴの上に居座って、ずっと上から覗き込んでいた時。もう、生きた心地がしなかったよ。だからバカンスは大嫌い(笑)<飼い主から見たバニーユさまとは>猫派の私は、当初「ネズミのどこが可愛いの?」と思っていましたが、飼ってみると、とにかく可愛い!この魅力に取り憑かれ、10年来、スナネズミを飼い続けています。少し空白時期もあり、2019年に飼っていた子が亡くなってから、飼うのを控えていました。しかし、コロナ下のストレスで癒しが欲しくて、自分へのクリスマスプレゼントとして2020年12月23日に我が家に2匹(バニーユとパリン)を迎えました。基本2匹飼いが良いみたいですね。仲良く遊んでいた2匹でしたが、パリンは2歳で天国に行ってしまいました。今まででスナネズミと一緒にいて一番面白かったエピソードは、バニーユではないのですが、長男に2匹、次男に2匹をプレゼントした時のこと。残念なことに長男のほうの1匹が亡くなってしまったので、新しい女の子を迎えたら、1週間後の朝に6匹の赤ちゃんが生まれていたんです。家族中パニック!結局、ペットショップが雄と雌を混ぜて販売していて、妊娠してた子を購入したみたいです。そんなわけで一挙に10匹の砂ネズミを飼うことに!子ども達は1匹に6匹おまけ付と大喜びでしたよ。(笑)そんなこんなで、過去に15匹のスナネズミを飼いましたが、バニーユが1番好奇心旺盛です。自宅に鳩時計があるんですが、この子だけ、鳩が飛び出して時を告げる時に必ず巣から出てきて、立ち上がって見ています。そのポーズと表情がなんとも言えず可愛いのです。バニーユからいつも温かさと癒しをもらっています。平均寿命は3年。バニーユはあと2か月で3歳なので、命の大切さを教えてくれます。今は砂時計の砂粒が落ちていくのが見えるような感じです。バニーユの心臓が止まったら、庭に大きな桜の木があるので、そこに埋葬します。ーー飼い主は猫さま派なんですが、たまたまスナネズミさまに出会い、その魅力に取り憑かれてしまったようです。癒されるポイントは猫さまもネズミさまも共通点がありますね。短命なスナネズミさまの心臓はとても早く鼓動しているので、時間の感覚も凝縮されているのでしょうか?もしかしたら今年が最後のハロウィンになるかもしれないと思った飼い主は、バニーユさまのために特別な場所を作ってあげたそうです。ここでナッツを食べるバニーユさまの姿はとても幸せそうでした。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年11月04日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第177回目はノルウェージャンフォレストミックス猫のキナック(Kinak)さま。こっそり甘える猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.177猫の話をもっと聞かせて!キナックさまは8歳の男性猫さま。<キナックさまが語ります>僕のお家は世界有数のサーフスポットがある大西洋のビーチエリアに建つ、日本庭園を有した一軒家です。飼い主は金融投資会社経営のお母さんとお医者さんのお父さん、それに小さな男の子と同居しています。早朝5時に飼い主とコンピュータ前に座って一緒に金融市場をチェックします。7時にここの息子からご飯とミルクをもらい、お母さんのオフィスの机上でお昼寝をしながらお仕事(の邪魔)をして、日が高くなった後は日本庭園に出てネズミやトカゲ狩りをして庭のお手入れをします。息子が学校から帰ってきた後は、庭園内にある露天風呂に入るのを端から見学。夜は息子と一緒に寝ます 。食事はカリカリタイプを1日3回、昼食前と夕食前はお料理中の飼い主にお肉の端切れを少しもらいます。僕のお世話係はすべてここの息子が担当、おやつは息子愛飲の乳糖カットの牛乳を毎日3回小皿に少しもらいます。最高のごちそうは、お父さんが趣味の魚釣りから帰ってきた日の新鮮な魚の切味。これは最高の喜びです!僕は物心つく前の生後2か月くらいでこの家に来ましたが、1歳になるまではずっと家の中で飼い主お母さんにひと時も離れず、夜寝る時もいっしょに布団に入って腕の中で寝ていました。だから僕の本当のお母さんだと思っています。ここの息子は赤ちゃんの頃から相手をしているので弟的な…そして最高の遊び相手なんです。<飼い主から見たキナックさまとは>8歳頃、学校の帰り道で拾った子猫から始まり、私は常に猫と一緒に暮らしています。メインクーンのサイファーは、7年前に旅立った後も家族に未だに愛されている唯一無二な存在です。当時サイファーに弟を迎えたいと思っていたところ、近所にパリから引っ越してきたサーフィン仲間の家で子猫が産まれたので、キナックを迎えることにしました。キナックのお気に入りは私のPCの上と息子のベッド 、おもちゃは7歳の息子(笑)。息子が生まれた時から弟(手下)だと思っており、息子が歩いていると常に追いかけ回しています。性格は自己肯定感が高めです。喧嘩に強いと思っているようですが、実際はとても弱いのです。唯一甘えられる存在である私には、周りに他の誰もいないのを確かめてから甘え、誰かが来たらすぐに距離をあけるのです。私と似ているところは忠誠心があり、家族愛に満ちているところです。一番楽しかったエピソードは息子が生まれ、初めて家に連れて帰ってきた時に優しく触ってくれたこと。その頃からずっと息子を見守ってくれています。息子が泣いていると必ず寄り添ってくれています。キナックがいることで家中が安らぐのです。ーーキナックさまはこの家の息子さんととても仲良しな関係を築いています。弟的に思っていても、お世話はすべて息子さんの役割なのでキナックさまは最高の信頼を寄せているのが写真でも感じられました。雄大な大西洋の空気を毎日浴びて今日も幸せな毎日を暮らしていることと思います。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年10月28日あなたは旅行に出かけた時、目にした風景を写真に撮っていますか。帰ってきてから、あるいはしばらく経った後で、写真を見ては「ああいう場所だったな」と思い出す人は多いでしょう。そんな風景写真について、X(Twitter)で話題になっているエピソードをご紹介します。ルーヴル美術館の裏で撮った『風景写真』隠された秘密とはある日、ものり(@Hakusi_Katei)さんはフランス・パリにあるルーヴル美術館の近くを訪れました。ルーヴル美術館といえば世界最大級の美術館で、『ミロのヴィーナス』や『モナ・リザ』など著名な美術品の数々が所蔵されています。しかし、ものりさんは、それらに引けを取らない『作品』を発見したようです。X(Twitter)に投稿された、こちらの写真をご覧ください。一見、なんの変哲もない風景写真。しかし、よーく見ると…写真中央のあたりに、大きな鏡が設置されていたのです!うっすらと線が入っている箇所に、建物が少しだけゆがんていたり、空の色が違っていたりするのが見えますね。ものりさんによると、この場所では工事が行われており、その目隠しとして、周囲の景観に配慮する形で設置されていたのだとか。あまりにも自然に溶け込んでいるので、パッと見では分かりません…!【ネットの声】・こういう外観に配慮した工事用の目隠し、いいなぁ。・ええええ!よくよく見直して、やっと気付いた!・これが本当の景観保護。カモフラージュ率99%だ。・横を通ったことがあるけど、近すぎたせいで、鏡の意味に気付かなかった…。こうなっていたのね。「正直、このまま残してほしいくらい」と語る、ものりさん。フランスのメディア『Actu Paris』によれば、この工事は2025年まで続くとのことです。ルーヴル美術館を訪れる機会があったら、こちらの『芸術的な目隠し』も一緒に、見てみてはいかがでしょうか![文・構成/grape編集部]
2023年10月23日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第176回目はトラ猫のポポ(Popo)さま。食べかたが超器用な猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.176猫さまの話をもっと聞かせて!ポポさまは4歳の女性猫さま。<ポポさまが語ります>私はパリの11区にある小さなアパルトマンで、『Les trois chocolats』というチョコレート屋さんを経営している飼い主家族と生活しています。猫にとってチョコレートの原料カカオに含まれる成分は毒のようですが、飼い主から漂う匂いも、お店の袋の香りも大好きです。ただ、九州出身の飼い主は時に焼酎を飲むのですが、それだけは勘弁してほしいです。毎朝、飼い主と一緒に起きて、出勤時間までちょっぴり遊んでもらって、留守中は窓辺のベンチでひなたぼっこしたり、鳩とにらめっこしたりしています。外を眺めながらお昼寝して、子猫の時から一緒のぬいぐるみのクマと遊んで、飼い主が帰ってきたら遊んでもらいます。寝る時も飼い主と一緒です。主食はカリカリです。大っ嫌いな病院や爪切りを頑張った日はかつおぶしがご褒美に登場します。おやつは味が苦手でまったく食べないですが、猫草が大好きです。性格は甘えん坊な気まぐれで、かまわれ過ぎたら、怒って虎のように襲うので注意してくださいね。<飼い主から見たポポさまとは>日本にいた時も犬や猫は飼っていましたが、フランスで猫さまをお迎えするとは思ってもいませんでした。お店のスタッフの義母がオスと思って飼っていた猫に子猫が産まれて引取り手を探していたので引き取ることにしました。ポポという名前は、一緒に住んでいるパートナーが何となくかわいいからという理由でつけました。だけど、「ポポ」というのはフランス語の赤ちゃん言葉でうんちという意味と知って、フランス人の友人達に爆笑されました。獣医さんのところで名前を呼ばれる時、先生達はいつも半笑いです。でも韓国語では赤ちゃん言葉のチューって意味みたいなので、良しとしています!ポポは忍者のように壁を蹴ってジャンプするのが得意です!すごく高い場所にジャンプできた時、褒めてと言わんばかりに下にいる私をドヤ顔で見てくるので、「すごいねぇー!」と全力で褒めてあげます。たまに失敗すると心が折れるのか、私の背中に飛び乗り、踏み台にしてジャンプしています。そんなポポは大切な家族の一員です。親バカですが、本当に顔が美人さんです!性格は甘えん坊で、遊んでほしい時だけかわいい声でおねだりしてきます。お腹を出して全力でかまってちゃんアピールされるととろけてしまいます。私と似ている点もあって、心を許した人にだけ甘えたり、構われすぎると急に冷たくなるのは似ているかもしれません(笑)。おもしろいエピソードもいっぱいあって、ひとつ挙げるなら、コンビニのシャケおにぎりの話。夕飯におにぎりを食べようと台所に置いて出かけたのですが、帰ってきたら器用に袋を開けて中身のシャケだけ食べて残りは床に散乱していました。怒るより器用さに驚いて、思わず「すごいね」って褒めちゃいました。彼女は1000%の癒しです!ポポが家族になってフランス生活がより充実したものになりました。彼女が20歳になったら一緒にお酒で乾杯しようねって約束してます!(乾杯だけですけど)ーー美味しいチョコレートを作る飼い主と一緒で(猫さまにカカオは禁物)毎日とろけるような生活をしている様子がよく伝わってきました。乾杯はお酒でということですが、お酒嫌いなポポさまはどんな表情で記念日を迎えるのでしょうか?著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年10月21日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第175回目はブチ猫のミヌーヌ(Minoune)さま。おもちゃは本物志向な猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.175猫さまの話をもっと聞かせて!ミヌーヌさまは2歳半の女性猫さま。<ミヌーヌさまが語ります>私はパリ郊外にある庭付き一軒家でピエール家族と生活しています。1日の平均的な過ごしかたは、絶好なロケーションなのでほとんど狩りをしているか、寝る、食べるを繰り返しています。おもちゃは生きている野ネズミ!すぐにかじらないで、飼い主にプレゼントすることもあります。普段は飼い主の足元で寝ますが、早朝になると窓をカリカリして飼い主が起きてくるまで催促の合図をするのが毎朝の日課です。だって、庭をパトロールしないといけないから。いつもの食事はカリカリです。特別な日には少しパテをいただいています。おやつはチューブ入りのスープで、目がありません。お気に入りの寝場所は夏は飼い主のベッドで、冬は暖炉の横のソファでゆったりくつろいでいます。家族の中ではピエールが一番好き!ピエールがいない時は仕方がないから、他の家族とも遊んであげます。<飼い主から見たミヌーヌさまとは>保護猫協会を通じてミヌーヌを保護することになりました。生まれて数か月で前の飼い主から協会に引き取られたミヌーヌ。前に痛い思いをしていたのかも、と感じるような怯えた様子が最初はありましたが、うちに来てから彼女の生活は穏やかになりました。小さくてすばしこく、庭での狩りが大好きです。私は子どもの頃、家にはいつも猫がいたので大の猫好きです。旅行から帰った時、ミヌーヌが出迎えてくれて本当に良かったと思いました。彼女は私に幸せと優しさを与えてくれる最高のパートナーなのです。ーー飼い主のピエールさんのお宅で、ミヌーヌさまはべったりぬくぬくの季節がやってきますね。もうじき暖炉に火が入ります。でも、もちろん寒くたって狩りに出かけていくミヌーヌさま。いつでも狩りは欠かせないようです。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年10月14日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第174回目はグレー白のフィガロ(Figaro)さま。生後3か月のフワフワ猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.174猫さまの話をもっと聞かせて!フィガロさまは生後3か月の男の子猫さま。<フィガロさまが語ります>僕は毎日思いっきり遊んで過ごしています。64㎡の家が僕には広すぎて、走り回ると疲れてすぐに眠くなってしまいます。まだ子猫用のフードだけなんですが、飼い主は大人になったらおやつをあげるよって言っています。いつから大人になるんでしょうか?名前の由来はディズニー映画の「ピノキオ」に登場するゼペットじいさんの飼い猫の名前だそうです。性格が似てるんですって!ちょっと話が長くなって眠くなりました。おやすみなさい!<飼い主から見たフィガロさまとは>ママ友が子猫を譲ってくれると言うので、猫好きな私はすぐにOKしました。その時フィガロは生後1か月半でした。最初に会いに行ったとき、友達が「子猫の中で一番きれいな子猫だよ」って言ってくれました。本当にフィガロは超かわいいので恋に落ちました。彼はとてもスイートです!ハグして欲しい時はよく鳴きます。抱き上げると小さなゴロゴロ音が聞こえてきます。あ〜幸せだなと思う瞬間です。ひと言でフィガロを表すのは難しいですが、キュートでクレイジーなんです。たくさんたくさん遊んであげるので、これからも健康で私にとっての世界一の猫でいてください。ーーまだ、赤ちゃんのフィガロさまの毛並みはフサフサでとても柔らかいんです。アップの写真ではすでに大人顔になってきているので、将来が楽しみですね。あっという間に猫さまは大きくなってしまうので、今の瞬間を楽しんで生活してくださいね。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年10月07日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第173回目は雑種のビスコット(Biscotte)さまとミルカ(Milka)さま。弟猫を溺愛する猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.173猫さまの話をもっと聞かせて!ビスコットさまは9歳の女性、ミルカさまは6歳の男性猫さま。<ビスコットさまが語ります>ビスコットさま私はパリの中庭があるアパルトマンに住んでいます。グレーのトラでハチワレのかわいい弟ミルカと一緒に生活しています。ミルカがどうしてここに来たのかは詳しくはわかりません。ただ、コロナ時期にいつも家にいたので退屈していた私に飼い主がサプライズなプレゼントをと思っていたのかもしれませんね。ミルカさま私の平均的な1日は食べて寝て、少し起きて食べてそしてまた寝ます。ミルカは活発でよく遊んで、飼い主のストーカーをしています。食べて少し寝て、また遊んでという感じです。食事はパテとカリカリです。特別な日には鶏肉と野菜のスープが登場します。おやつもいただきます。ちゅ~るとカリカリのおやつですね。いろいろな猫がうちに遊びに来るのですが、その時はソファーの下に隠れたり、ベッドの横の高い所から様子を伺っています。私の特技は、背伸び状態でしばらく立っていられること。反対にミルカは、初めましての猫でも、全く動じなく逞しいです。こんな日常ですが弟が来て本当に良かったと毎日思っています。<飼い主から見たビスコットとミルカさまとは>ビスコットは、クリスマスにSPA(動物保護協会)が、パリのrepublique広場に来ていた時に出会いました。怯えていたのに、私が近づいたらそばに来てくれた時が初めましてになりました。ミルカは、コロナウイルス蔓延中にFBB(ブリジット・バルドーが主催している動物協会)に私たちが行き、うちの彼にしがみついたのが出会いです。ビスコットは、穏やかで、シャイ、怖がり、ですが猫界の影の番長です。ミルカは、社交的、甘えん坊、穏やかで寛大!性格も顔つきも違って、特にビスコットはチャーミング。ミルカはいつもお返事してくれます。私に似ているところもありますよ。誰が来てもあまり気にしないところ、寝たらすぐ忘れる、などなど。私は小さい頃から野良猫と遊んだりしていて、フランスに来てから猫を飼い始めました。初めての猫はダネットとという名前で、猫のことをよく知るきっかけになりました。いつも思い出すのはダネットとお散歩へ行ったことかなぁ。お別れはいつかはやってきます。もうすでに経験済みですが、最期の時はビスコットもミルカも病院などには入れず、うちで看取りたいと思っています。ーーパッツン前髪で優しいビスコットさまは活発なミルカさまをいつも観察しているようです。小さい頃から野良猫さまと遊んでいた飼い主さんは、先代のダネットによって、すっかり猫さまの虜になってしまったようですね。著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!取材、文・Manabu Matsunaga
2023年09月30日