ヘレン・ミレンが第37回アメリカン・シネマテーク・アワードを受賞することが分かった。同賞は非営利文化芸術団体アメリカン・シネマテークが1986年から毎年、映画芸術に多大な貢献が認められる特別なアーティストに贈る賞。昨年はライアン・レイノルズ、過去にはスティーブン・スピルバーグ、マーティン・スコセッシ、トム・クルーズ、スカーレット・ヨハンソンらが受賞している。同団体の会長ニック・リシータは、ヘレンについて「オスカー、トニー、エミーと演技賞三冠を達成し、俳優たちの中でも比類なきアイコンとして存在しています。彼女は女王役から誘う女の役まで、並外れた技術で新鮮さと魅力を失うことなく演じてきました」「ヘレンに第37回アメリカン・シネマテーク・アワードを贈ることを誇りに、光栄に思います」とコメントした。俳優として50年以上活躍してきたヘレン。150以上の映画・テレビ作品に出演し、2007年にエリザベス女王2世を演じた『クィーン』でアカデミー主演女優賞を獲得した。最近では『ワイルド・スピード』シリーズや『シャザム!~神々の怒り~』でアクションシーンを披露。公開待機作には『バービー』などがある。第37回アメリカン・シネマテーク・アワード授賞式は11月4日、ロサンゼルスのザ・ビバリー・ヒルトンにて開催される。(賀来比呂美)
2023年06月06日やっぱり、涙を堪え切れなかった。いつも同じ場面になると堪えられない。アニー・サリヴァンの高畑充希、ヘレン・ケラー役の平祐奈、さらに森新太郎の演出、その他。傑作『奇跡の人』は私を泣かせてくれる。(ちなみに涙腺が脆くなる舞台作品は他にミュージカル『オペラ座の怪人』『アニー』である)。第1幕。ヘレンが出てくる。手探りでドア伝い、広く大きな壁伝いに歩みを進める。前回のヘレン・鈴木梨央が演じた時より短い場面だったと思うが、既に私の目頭は熱くなっていた。初舞台の平には愛しくなるほどの可愛さ。笑顔、戸惑いの表情が豊かなのだ。また大きく広げてバランスを取る両手の演技。アニーが伝える指文字に反応する仕種、口に指を入れて、しゃべりたい衝動の場面はやり切れない思いになった。第2幕は闘いの始まり。ナイフ、フォーク、お皿を拒否するヘレンと諦めないアニー。まるで喧嘩の食事の見せ場だが、ヘレンが一回転して床に転がる演出は少々、過剰。三重苦の少女には過酷に思えた。幼くして亡くなった弟ジミーとの回想場面で「痛いよ!」の声を聞く高畑の絶望的な表情、また、2週間という期限でガーデンハウスに籠もるふたりの沈黙と静寂には胸が締め付けられた。この場の照明が何とも効果的なのである。「目にとっての光、心にとっての言葉」。さらに、「私はヘレンを愛します、ずっと」といった心に届く台詞をメリハリを付けて話す高畑がいい。そして、井戸のポンプを激しく押し続けていっぱいの水を手に、また頭から浴びるヘレンの名場面。その一瞬の平。「水」という物質から感じ取った“世界”を全身で表現した。顔、手、肩それぞれを豊かな感受性で演じていた。驚いた。平は最優秀新人賞の最有力候補だろう。母ケイトの村川絵梨、エヴ伯母の増子倭文江、召使いヴァイニーの山野海。女優陣が敢闘賞だ。森新太郎の演出。例えば2週間の隔離生活を終えて再開した母と抱き合う、また父にも抱かれるヘレン。大いなる見せ場を大仰にではなく、自然の動きの中で見せるなど細部に目が行き届いて秀逸だった。プロフィール大島幸久(おおしま・ゆきひさ)東京都生まれ。団塊の世代。演劇ジャーナリスト。スポーツ報知で演劇を長く取材。現代演劇、新劇、宝塚歌劇、ミュージカル、歌舞伎、日本舞踊。何でも見ます。著書には『名優の食卓』(演劇出版社)など。鶴屋南北戯曲賞、芸術祭などの選考委員を歴任。「毎日が劇場通い」という。★舞台『奇跡の人』東京公演千穐楽6月5日(日) 12:30公演はライブ配信あり(アーカイブなし)公式サイト:
2022年06月05日アカデミー賞俳優ジム・ブロードベントとヘレン・ミレンが共演、日英同日公開となった『ゴヤの名画と優しい泥棒』。製作国イギリスでは、652スクリーンで拡大公開し週末3日間累計は992,261ポンドを達成、大作が多数公開される中、興行収入ランキングでは『ナイル殺人事件』を抑え初登場3位となった。この度、ジム・ブロードベントとヘレン・ミレンがまるで夫婦漫才かのような掛け合いを魅せる本編映像が解禁となった。『アイリス』(2001)でアカデミー賞助演男優賞を受賞し、『ハリー・ポッター』シリーズや『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』など話題作に出演するジム・ブロードベントと、『クィーン』(06)でアカデミー賞主演女優賞を受賞し、『黄金のアデーレ 名画の帰還』や『RED』『ワイルド・スピード』シリーズなどジャンルを問わず活躍するヘレン・ミレン。今回解禁された映像は、イギリスが誇る名優2人による、息の合った軽妙なやり取りを堪能できるシーン。バントン夫妻が夕食を食べ終えたところ、ジャッキー(フィン・ホワイトヘッド)が兄ケニー(ジャック・バンデイラ)と帰宅する場面から始まる。ケンプトン(ジム・ブロードベント)が「“放蕩息子の帰還”金を渡すな」と呟くと、ドロシー(ヘレン・ミレン)は「お金はない」と嫌味を吐く。自身が入店禁止を食らっているパブに、息子たちが行っていたと知ったケンプトンは「裏切者」と呟き、「最低の店だ」「私を“トイレ紙泥棒”と」と愚痴をこぼす。それにドロシーはすかさず「盗んだわ」とツッコミ。「そうだが証拠はないぞ」と食い下がるケンプトンだったが、これにもドロシーが「バカなの?」と辛辣な言葉で返す。言い返す言葉に困ったケンプトンは言葉に詰まる。ケンプトンが「ニュースつけろ」と言うと、ドロシーはテレビを見るための「許可証がない」と返答。ケンプトンは過去に受信料未払いで逮捕されている。小言を並べるケンプトンに毒舌で応酬するドロシーの掛け合いは、まるで夫婦漫才のよう。そんな中、ドロシーをよそにケンプトンがテレビをつけ、ようやく家族団らんかと思いきや、今度はケニーとドロシーの親子喧嘩へ。ケニーは部屋を飛び出し、ドロシーは追いかけるも口論は続く。ケンプトンは「“国連”が介入するか」と仲裁に向かうが、1人残ったジャッキーは「ウェリントン公爵」がゴヤ史上最高額で購入されたと報道されているテレビを興味深そうに眺めている…。この一家の様子を収めたシーンは、これから起こる盗難事件を予感させる場面にもなっている。『ゴヤの名画と優しい泥棒』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ゴヤの名画と優しい泥棒 2022年2月25日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開©PATHE PRODUCTIONS LIMITED 2020
2022年03月04日高畑充希主演『奇跡の人』が2022年5月より、東京と大阪で上演されることが決定した。本作は家庭教師アニー・サリヴァンと三重苦の少女ヘレン・ケラーを題材にした舞台。 各国で翻訳されたこの戯曲は世界中で上演され、60年経った現在も観客を感動させ続けている。『奇跡の人』の原題は『The Miracle Worker』。それはヘレン・ケラーではなく、彼女の先生であるアニー・サリヴァンを意味する。見えない、聞こえない、喋れない三重苦を抱えたヘレン・ケラーや単なる道徳的な話ではなく、アニーの諦めず戦い続ける姿を描く作品だ。ヘレンが「Water」という言葉を、知るのではなく理解する、悟るシーンは勿論、ヘレンだけでなくその家族ひとりひとりも、アニーとの関わりを通して、自分自身の価値観等と戦う様には誰もが感情移入出来るだろう。特にアニーがヘレンに食事の作法を教えるシーンは、女優達が身体全てを使った迫真の演技バトルで、時にはミュージカルの歌終わりの様な拍手が起きる。日本でも再演を重ね、名だたる女優たちが名演を重ねてきた。前回の2019年公演ではアニー・サリヴァン役を高畑充希、ヘレン・ケラー役を鈴木梨央、演出を森新太郎が務め、連日超満員の大盛況となった。今回も主演を務める高畑が『奇跡の人』に挑むのは、ヘレン・ケラー役で出演した2011年と2014年、そしてアニー・サリヴァン役で出演した2019年と続き、今回が4度目。まさに彼女のライフワークと言える。そして今回ヘレン・ケラー役として「見えない、 聞こえない、 喋れない」三重苦という難役に挑むのは、若手ながら映画やドラマ、 バラエティに数多く出演し、本作が舞台初出演となる平祐奈。他にもヘレンの父アーサー・ケラー役に池田成志、母ケイト・ケラー役に村川絵梨、 兄ジェイムズ役に井上祐貴、 さらに山野海、森山大輔、 佐藤誓、 増子倭文江等、 ベテランから若手まで幅広いキャストが集結。演出には、2014年読売演劇大賞を受賞した森新太郎が続投。 古典から現代劇、近年では『パレード』や『ピーターパン』などのミュージカルの演出を手掛けているが、同じ作品を3度演出するのは『奇跡の人』が初となる。高畑充希との3度目のタッグにより、互いの信頼感は円熟を迎え、さらなる作品の深みへの到達を期待したい。なお、チケット発売情報は12月中旬発表予定とのこと。主要キャストとキャストからのコメントは以下の通り。<演出:森新太郎>3度目の『奇跡の人』になります3度目であるにもかかわらず、あらためて戯曲を読み返してみて、やはり身震いしてしまいました。これほどまでに「人と人とが繋がること」の喜びを熱く謳いあげた作品が他にあるでしょうか。前回、 高畑充希が演じたアニー・サリヴァンは本当に素晴らしいものでした。若々しいエネルギーに満ち、そこには世界一あきらめない不屈の少女が確かに立っていました。それで私は欲深くなってしまいまして(笑)。これをさらに熟成させたら、今度は果たしてどんなアニー・サリヴァンに出会えるのだろうと。どんな人生の重み、どんな煌めきを高畑充希は新たに獲得するのだろうと。きっとまた、私の想像をはるかに超えてくることでしょう。一方の平祐奈さんには「透き通っている人」という印象があり、それがヘレン・ケラーと重なりました。 言うまでもなく難しい役です。あまりに純粋であるがゆえに、 天使のようにも悪魔のようにも見える女の子ですが、平祐奈さんでしたら真っ直ぐに彼女を演じられるはず。高畑サリヴァンとの魂のぶつかり合い、そしてその先に待つ“奇跡”の瞬間が、今から待ち遠しくてなりません。孤独が蔓延するこんな時代だからこそ、 ぜひ観ていただきたい作品です。<アニー・サリヴァン役:高畑充希>アニー・サリヴァン役:高畑充希この『奇跡の人』のヘレンを演じたいと思ったのが、役者の仕事を始める大きなきっかけでした。 ヘレンを演じた時から数えると13年間もこの作品に携わっていて、 こんなにも長く関われるとは思っていませんでした。演出の森さんとは三度目ですが、熱量が凄まじく、突き詰めて色々なパターンを試す方で、演目への愛情も深いです。前回森さんが、「もう一度アニーを演じたらまた新しい発見があるから」と仰っていて、どんだけストイックなんだ(笑)と思いましたが、新たな発見を楽しみに、森さんの叱咤激励についていきます。祐奈とは初共演ですが、プライベートで偶然知り合ってもう4年の付き合いです。親戚のような距離感でしたので、彼女の初舞台に一緒に挑戦できることは非常に嬉しいことですし、森さん演出で初舞台を踏むというのは、羨ましいくらい素晴らしいことです。舞台が好きだと思ってほしいし、力を合わせて楽しんでいけたらと思います。コロナ禍で舞台に出た時、お客様の熱量を感じ、こんなにもエンタメを心の栄養として生活しているのだと実感して、今までとは違った心持ちで舞台に立てました。『奇跡の人』は、 こんなに良い脚本は無い!と思うくらい大好きな作品です。アニーとヘレンでがむしゃらに、泥まみれになりながら最後に光を掴めるような作品で、お客様もきっと勇気を貰えると思いますし、明日からも頑張る為のガソリンになれば嬉しいです。私と祐奈は、頑張ります。<ヘレン・ケラー役:平祐奈>ヘレン・ケラー役:平祐奈諸先輩方からも、舞台は力もつくし色々変わったものが見えてくるから、一度は経験すべきと言われていたので、ついにこの時が来たか!というワクワクな気持ちもあります。が、三重苦という、こんな難役を頂いたので今から緊張していて、ヘレンの書籍なども読み漁りながら しっかりと研究していきたいと思います。森さんが演出をされた、『ジュリアス・シーザー』を拝見しましたが、演出も格好良く、作品を丁寧に描かれていて、キャストの皆さんで色んな感情をぶつけ合っていて、その熱量が客席迄伝わってきました。森さんはストイックな方なようですので、 沢山追い込まれたいと思います!充希さんも役に対してストイックですし、充希さんにしか出来ないような色にされるという印象があり、いつも私も、素晴らしい女優さんだと思っています。普段は気さくで優しいお姉さんで安心感があるし、初共演できると聞いて凄く嬉しかったです。色々と教えて頂きながら背中を見て頑張りたいです。自分がどんなヘレンに染まっていけるか、不安でいっぱいですが、緊張や不安を友達にして本番迎えられたらと思います。お客様も不安な状況であると思いますが、舞台はライブ感満載で一公演一公演でしか味わえないものが魅力だと思いますし、この作品は色んな希望も見えてくると思います。■公演情報『奇跡の人』<東京公演>2022年5月18日(水)~6月5日(日)会場:東京芸術劇場プレイハウス<大阪公演>2022年6月会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
2021年11月30日ミリセント・シモンズがヘレン・ケラーの伝記映画に主演することになった。『Helen & Teacher』というタイトルで、レイチェル・ブロズナハンがサリヴァン先生役を演じる。この映画が描くのは、大学時代のケラー。世界が広がり、性にも目覚めていくうち、ケラーと保守的なサリヴァン先生の関係にはヒビが入っていく。監督は『アリスのままで』のウォッシュ・ウエストモアランド。撮影は来年夏に開始の予定。耳の聞こえない女優シモンズは、トッド・ヘインズ監督の『ワンダーストラック』で長編映画デビュー。『クワイエット・プレイス」とその続編『クワイエット・プレイス破られた沈黙』で大注目を浴びた。ブロズナハンの最近作は、『クーリエ:最高機密の運び屋』。文=猿渡由紀
2021年10月15日先月、竜巻映画『ツイスター』の公開から25年が経った。竜巻に極限まで近づき観測を行う研究者夫妻の妻役を演じたヘレン・ハントが、昨年あるスタジオに続編の企画案を提出するも却下されたことを明かした。先日、自身が出演するドラマ「Blind Spotting」(原題)のプロモーションで、アンディ・コーエンが司会を務める「Watch What Happens Live」に出演したヘレン。「(『ツイスター』の)続編を作ろうとしました。ダヴィード(・ディグス)、ラファエル(・ガザル)と私で脚本を書き、(登場するキャラクターは)全員が黒人とヒスパニックの竜巻研究者。スタジオに断られました。私は監督も務めるつもりだったんです。話し合いを持つことすら大変でした。2020年の6月、これだけ多様性が求められている時代に…です。最高の作品になるはずだったのに」と語った。ヘレンが脚本を共同執筆しようとしていたダヴィードとラファエルは、「Blind Spotting」の脚本家。ヘレンの構想では、『ツイスター』で演じたジョー・ハーディング博士は続編の冒頭に竜巻に巻き込まれて死ぬことにし、自分は監督業に専念して他のキャストを輝かせたいとのことだった。ヘレンは企画案を却下したスタジオ名を明かさなかったが、『ツイスター』の製作・配給を行ったワーナー・ブラザースか、ヘレンが企画案を出した2020年6月と同時期にリブート版『ツイスター』を企画していると報じられたユニバーサル・ピクチャーズとみられる。リブート版『ツイスター』は『トップガン マーヴェリック』のジョセフ・コシンスキーがメガホンを取る可能性が報じられたが、一年経った現在も、進捗は伝わってこない。(Hiromi Kaku)
2021年06月15日『シャザム!』の続編『Shazam: Fury of the Gods』(原題)に、名女優ヘレン・ミレンが出演することが決まったという。「The Hollywood Reporter」などが報じた。ヘレンが演じるのは、アトラスの娘でありヴィランのヘスペラ。スティーヴン・スピルバーグ版『ウエスト・サイド物語』でデビューしたレイチェル・ゼグラーと、姉妹役だという。ヘレンは、エミー賞、アカデミー賞、トニー賞の「演技の三冠」を達成した数少ないトップ俳優の1人。世界で16人しか達成していないEGOTに王手をかけている。演技派でありながら、アクション映画への出演を熱望し、2017年公開の『ワイルド・スピード ICE BREAK』に出演。以降、『ワイルド・スピード』シリーズに欠かせない人物となっている。そして今回は、DC映画というヘレンにとって新たなジャンルへの挑戦で、それも悪役での出演。実年齢の差が55歳もあるレイチェルとどんな姉妹役になるのか、期待が高まる。ヘスペラについての詳細は明らかになっておらず、DCコミックスにも登場したことがない謎のキャラだという。今作のキャストには、アッシャー・エンジェル(ビリー・バットソン役)、ザッカリー・リーヴァイ(シャザム役)、ジャック・ディラン・グレイザー(フレディ・フリーマン役)、アダム・ブロディ(スーパーフレディ役)、マーク・ストロング(Dr.シヴァナ役)らの続投が決定。監督はデヴィッド・F・サンドバーグ、脚本はヘンリー・ゲイデン、製作はピーター・サフランが引き続き務める。(Hiromi Kaku)■関連作品:シャザム! 2019年4月19日より全国にて公開©2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
2021年03月24日『クィーン』でオスカーを受賞したヘレン・ミレンと、『ロード・オブ・ザ・リング』『キャッツ』のイアン・マッケランが共演する『グッドライアー偽りのゲーム』。この度、ヘレンがかつて演じた英国女王から一転、最恐の悪女ぶりを発揮する本編映像がシネマカフェに到着した。夫を亡くしてまもない資産家ベティ(ヘレン・ミレン)に狙いを定めたベテラン詐欺師のロイ(イアン・マッケラン)は、出会い系サイトを通じてベティに近づく。紳士然とふるまうロイと何度か会ううちに、ベティは彼をたやすく信用したかのようだが、実は全ては、ベティの仕掛けた恐ろしい罠だった…。今回公開されるのは、ベティの孫のスティーブン(ラッセル・トベイ)が詐欺師であるロイの嘘を暴こうとする一方、ベティが嘘を重ねて罠を張り巡らせるシーン。スティーブンにギリギリまで問い詰められたロイは「半世紀もの間、英国人として正直に生きてきた」と声を荒げる。スティーブンが「正直に?多くの罪を犯したくせに」と言い放つと、ベティが一瞬、慌てた表情を見せ、「やめて!危険から祖母を救うつもりでいるのね」と止めに入る。「彼を知らないだろ!」とまくしたてるスティーブン。そこでベティは「私は自分で決める。あなたの許可は不要。尊重する気がないなら当分会わないわ」と毅然と言い放つ。スティーブンが自分は邪魔者かと投げやりになって出ていくと、困惑し意気消沈しているロイに、ベティは「自分が分かる?私に孤独を感じさせないこの世で唯一の人よ」とやさしく語りかけるのだった。ロイをかばい、思いを打ち明けたベティにロイは少しホッとした表情を見せたが…。普段は穏やかなベティが強い口調で孫をたしなめながらもロイには自分の気持ちを告白する一方、いつも冷静なロイが弱さを見せる、それまでとは違う一面を見せる2人がより魅力的に見える本シーン。だが、ビル・コンドン監督は「悪い人間ほど魅力と理知にあふれているもの。ついつい観客は彼らを応援したくなってしまうだろう。僕の興味は、観客を偽りのゲームの渦中に引き込み、登場人物を使って気を散らせながら、その下にあるものは見せないようにすることに向いていたよ」と、その裏側にある何かを隠し、観客を騙すための演出にこだわったことを明かしている。そんな誰もが感情的になった局面でも嘘をつき通し、好意を打ち明けて罠を仕掛けるベティ。ロイの嘘が暴かれるのをなぜ止めたのか?ロイへの思い、スティーブンの存在が複雑に絡み合い、コンドン監督の思惑と合わせ、より一層、その秘密と嘘の仕掛けを推測したくなる場面でもある。ヘレンの悪女ぶりは一瞬の表情も見逃せない。『グッドライアー偽りのゲーム』は2月7日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:グッドライアー偽りのゲーム 2020年2月7日より全国にて公開© 2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND BRON CREATIVE USA, CORP./© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
2020年01月29日英国が誇る名優ヘレン・ミレンとイアン・マッケランが待望の初共演を果たす『グッドライアー 偽りのゲーム』(原題:The Good Liar)が日本でも公開されることが決定。日本版予告編とポスタービジュアルも到着した。『RED』『ワイルド・スピード』シリーズなどに出演し、『クィーン』ではオスカーを受賞したヘレン。そして、『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』シリーズに出演、2度のオスカーノミネートもされたイアン。大英帝国勲章を授与され、Dameと Sirの称号を持つ名優2人が映画初共演を果たす本作は、『美女と野獣』(’17)の監督ビル・コンドンがメガホンをとる大人のサスペンス。イアン演じる“ベテラン詐欺師”のロイが、出会い系サイトでヘレン演じる夫を亡くしてまもない資産家ベティに狙いを定める。そして、全財産を騙し取ろうとするロイを世間知らずのベティは徐々に信用するように。しかし、単純な詐欺だったはずが、思いがけない事態へと発展し…と、至高のライアーゲームがいま幕を開ける――。早くもアカデミー賞ノミネートの声も高い本作。到着した予告編では、名優2人によるスリリングな駆け引きが繰り広げられる。また、ホームで争うようなシーンや、時折見せる鋭い表情など、怪しげな場面も。さらに、2人にとって重要な人物となるロイの相棒ヴィンセント役で「ダウントン・アビー」のジム・カーターが、ベティの孫スティーブン役で「クワンティコ/FBIアカデミーの真実」のラッセル・トヴェイが出演。予告編でもその姿を確認することができる。『グッドライアー 偽りのゲーム』は2020年2月7日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2019年11月15日バイエル薬品株式会社は、ヘレン・ケラーのエッセイを題材としたオリジナル動画「もし私の目が三日間だけ見えるとしたら」を2018年3月27日に公開した。同日、動画発表イベントを都内で開催。イベント内のトークショーではプロフィギュアスケーター織田信成氏を始め、一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ代表理事の志村季世恵氏、眼科医であり医学博士の高橋政代氏の3名が登壇した。「見える」ことの重要性について認識不足の現代人バイエル薬品がこれまでに実施した意識調査(※)では、一般の人々が「目の健康に対する高い意識をもっている」にも関わらず、「目の健康を守る行動が十分に取られていない」という結果が明らかになっている。そこで、目の健康への意識を保つことにより、目の健康を守る行動へとつなげてほしいとの考えから、オリジナル動画「もし私の目が三日間だけ見えるとしたら」が制作された。本動画には、「より多くの人に見えることの大切さを改めて実感してほしい」との思いが込められている。「見たいものが見える」ことの素晴らしさ動画「もし私の目が三日間だけ見えるとしたら」は、今年没後50周年を迎えたヘレン・ケラーのエッセイを題材としたオリジナル動画。盲ろう者であったヘレン・ケラーが、彼女の生きたニューヨークを舞台に「もし私の目が三日間だけ見えるとしたら」という仮定のもと、見てみたいものを挙げていき、それらに対する彼女の想いを綴っていくという内容だ。動画のラストは「あなたは今日何を見ましたか?」という印象的な言葉で締めくくられている。「今までで印象に残っているシーンやずっと大切にしたい景色や光景はどんなものですか?」と司会者に聞かれた織田氏は、「フィギュアスケートの競技人生で最後の演技が終わったときです。お客さんのほうを見渡すと、満面の笑顔で拍手をくださったのを見たのが、僕のこれまでの人生で最も心に刻まれているシーンです」と語った。また、「今日は大阪からここへ来るときに妻と子どもに見送られて来たのですが、そういう光景はいつまでも大切にしたいですね。動画を観て、こういう日常を当たり前だと思わずに、見えることに感謝しながら生きることが大事だと思いました」と、見えることの大切さを再確認したようだった。動画を通して、目の健康について考えるきっかけに動画内でヘレン・ケラーは「最後に、目の見えない私から、目の見えるあなたに伝えたいことがある。明日、視力を失ってしまうかもしれないと想像してみてほしい。するとあなたの目は今まで見過ごしていたことに目を向け、見るものすべてを愛おしく感じるだろう」と視聴者に語りかける。普段、見えることが当たり前でなかなか意識を向けにくい、目の健康。ヘレン・ケラーが描写する美しい世界と示唆に富むメッセージを動画から受け取り、ぜひ目の健康を再確認するきっかけにしてみてはいかがだろうか。【参考】※見えるを見つめる.com※最新の調査結果
2018年04月04日ヘレン・ミレン、ドナルド・サザーランドというアカデミー賞俳優が夫婦役で共演する『ロング,ロングバケーション』(原題:The Leisure Seeker)。イタリアが誇る名匠パオロ・ヴィルズィ監督がメガホンをとる本作の日本公開が、来年1月に決定。併せてビジュアルが解禁された。人生のゴールを見据えた70代夫婦。愛車のキャンピングカーで目指すは、ずっと憧れていたヘミングウェイの家――アメリカ最南端のフロリダ州キーウェスト。老齢の夫婦がボストンからひたすら南へ、ルート1号線を軽快に旅していく中で、半世紀以上をともに過ごしてきた人生への慈愛や、自由を謳歌する姿を、力強く、ときにユーモラスにスクリーンに描き出す、至福のロードムービー。このほど、ヴェネチア国際映画祭に続き、トロント国際映画祭でも熱い称賛を浴びる本作の日本公開が決定。併せて解禁されたビジュアルは、“バケーション”というタイトルにふさわしく、長年連れ添ってきた夫婦が水入らずで“人生という旅”を謳歌する雰囲気が感じられる。本作で妻エラに扮するヘレン・ミレンは、アカデミー賞に4度ノミネートされ、『クィーン』で主演女優賞を獲得した名女優。英国女王からヒッチコックの妻、元CIAのエージェントまで幅広い役柄を演じ分けるヘレンが、末期がんを患いながらもアルツハイマーの夫を愛し抜き、最後まで人生の舵を自分で取ろうと勇敢に立ち向かう女性を演じる。そして、夫のジョンを演じるドナルド・サザーランドも、映画界への長年の功績を称えられ、第90回アカデミー賞名誉賞に輝いている。息子キーファーも俳優として活躍する中、ドナルドは1963年に『生きた屍の城』で映画デビューを果たして以降、『M★A★S★H マッシュ』『バックドラフト』『鑑定士と顔のない依頼人』などで幅広い役柄を演じてきた。主演映画はなんと140本以上にものぼるドナルドが、本作ではアルツハイマーが進行していく中でもチャーミングさを失わない元文学教師のジョンを熱演。夫婦がともに歩んできた人生を振り返る旅路へと誘っていく。ドナルドは、11月11日(現地時間)にロサンゼルスで開催されたアカデミー賞名誉賞授賞式に出席した際、「私や、私の家族にとって非常に重要なことです。私が演じた役柄たちに感謝します。そして40年以上サポートしてくれている妻にも同様の賞を贈りたい」と喜びと共に、長年連れ添った妻(女優 フランシーヌ・ラセット)へのこれまでの感謝を述べ、実生活でも愛妻家の一面も覗かせていた。『人間の値打ち』や『歓びのトスカーナ』で知られ、長年アメリカでの監督デビューを望まれていたイタリアの名匠パオロ・ヴィルズィが、満を持しての海外初監督作品として完成させた本作。「自由とは、失うものが何もないってこと――」という前向きなメッセージに溢れた、観る者の人生観をも覆すような感動のロードムービーを心待ちにしていて。『ロング,ロングバケーション』は2018年1月26日(金)よりTOHOシネマズ 日本橋ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2017年11月30日72歳のヘレン・ミレン、79歳のジェーン・フォンダのベテラン女優たちが「パリ・ファッションウィーク」で開催された「ロレアル(L’Oreal)」のファッションショーでランウェイを闊歩した。ヘレンとジェーンは「ロレアル」のアンバサダーを務めている。ヘレンは163センチとモデルとしては小柄ではあるが、長身のスーパーモデル、アドリアナ・リマやウィニー・ハーローに負けない存在感を発揮。ワイドパンツにトレンチコート、マニッシュなレースアップシューズと黒い杖をアクセサリーに、堂々とキャットウォークを披露した。ランウェイの先端では仁王立ちポーズも!クールにキメたヘレンとは対極に、ジェーンはトラ柄のグラマラスなロングドレスで登場。先日のエミー賞授賞式で、アリアナ・グランデ風のポニーテールに劇的イメチェンした髪型もすっかり元通りで観客を安心させた。エミー賞では「ワースト・ドレッサー」として各メディアに取り上げられ、憂き目を見たジェーンだったが、この日のドレッシーな出で立ちは淑女そのもの。ランウェイからフロントロウに座っていたナオミ・キャンベルを見つけて握手とキスを交わしたり、歩きながらピースサインをするなど、終始ご満悦だった。(Hiromi Kaku)
2017年10月02日ウィル・スミス、ヘレン・ミレンら豪華共演で贈る『プラダを着た悪魔』監督最新作『素晴らしきかな、人生』。このほど、ロンドンにてヨーロッパプレミアが開催され、その模様が映像とともに到着した。ニューヨークで開催されたワールドプレミアに続き、12月15日(現地時間)にロンドンのレスター・スクエアにて華やかに開催された本プレミア。映画のタイトルとクリスマスのイメージが散りばめられたレッドカーペットには、主演のウィルに、ヘレン、エドワード・ノートン、ナオミ・ハリス、ジェイコブ・ラティモアら豪華キャスト、そしてデヴィッド・フランケル監督が登場。会場に集まった4,000人を越えるファンに温かく迎えられた。特に注目を集めたのは、ウィルが深紅のドレスに身を包んだヘレンをエスコートする場面。大人の女性の魅力あふれる英国の“デイム”ヘレンと、クールなダークスーツで決めたウィルの2ショットは場内を魅了した。また、セルフィやサインなど、気さくなファンサービスにも喝采が贈られた。まず、マイクを向けられたウィルが「素晴らしい気分だよ。みなさん、元気ですか?」と挨拶。続いてフランケル監督が「この映画を見て下さった方々が、大切な人との結びつきを求めて家族のもとに帰って行っていった。まさにそれが映画のテーマなんです」と、人と人との結びつきを描いたことを語った。ウィルの同僚役を演じたエドワードは「映画には愛がぎゅっとつまっている。登場人物は互いに深い友情と愛情で結ばれているのさ。そして、それが伝わってくる作品に仕上がっている」と、友情と愛を強くアピール。ヘレンもまた、「私はいままでこんなストーリーを読んだことがなかったわ。人生において、とりわけ重要で、想像力をかきたてるものが、この映画にはあるのよ」とアカデミー賞受賞女優をもうならせた、本作の脚本の魅力を語った。ギフトを感じさせる白のアクセントが印象的なドレスを着こなし、注目を集めていたナオミは、「主人公が人生の中の“美しさ”を見つけ出すお手伝い。映画はそんなことが描かれている」と笑顔でコメント。最後にウィルが、「『素晴らしきかな、人生』という映画は、どんな状況であったとしても、心を打つものがあるってことだ。特別な何かがすぐそこで起きている。この映画にはそんな人生のミラクルも描かれているんだ」と多くの人々がこの映画で励まされることを祈ったコメントで締めくくった。本作でウィルが演じるのは、最愛の人を失い、深い喪失感で仕事も何も手につかなくなってしまったハワード。そんな“人生ドン底”の彼にヘレンらが関わっていくという、温かな愛に満ちた“ギフト”のような作品となっている。『素晴らしきかな、人生』は2017年2月25日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年12月20日『ワイルド・スピード8(仮題)』にヘレン・ミレンが出演することがわかった。役柄は明らかになっていない。今作にはシャーリーズ・セロンも新しい役で初登場するが、もうひとりオスカー女優が加わった形だ。その他の情報撮影はすでに開始しており、最近、何枚かの場面写真が公開された。ロケはアトランタ、ニューヨークなどで行われる予定。北米公開は来年4月14日。セロンの最新作は、現在公開中の『スノーホワイト/氷の王国』。先月のカンヌ映画祭では、ショーン・ペンが監督する主演作『The Last Face』がお披露目された。次回作は、プロデューサーも兼任した『American Express』。共演はアマンダ・セイフライド、シャールト・コプリーら。文:猿渡由紀
2016年06月16日映画『奇跡の人』のヘレン・ケラー役で知られるオスカー女優パティ・デュークさんが29日、69歳で死去した。パティさんは、腸の破裂による敗血症で亡くなり、代理人マイケル・スタブス氏は「彼女は妻であり、母親であり、祖母であり、友人であり、精神的健康の主唱者であり、文化のアイコンでもありました。彼女の死はとても惜しまれるでしょう」と伝えている。また、パティさんの家族も「今朝方、妻、母、女家長、素晴らしいアーティスト、メンタルヘルスの擁護者であった私たちの愛するアンナ・パティ・デュークは、その目を閉じ、痛みから解放され、美しい世界へと旅立ちました」と声明を発表。2004年には、パティさんは心臓バイパス手術を受けていた。パティさんは映画『奇跡の人』で子供ながらにヘレン・ケラー役を熱演し、1963年にアカデミー賞を獲得。その約20年後にはヘレン・ケラーの先生役をTV映画の中で演じ、1980年にエミー賞に輝いた。ちなみに、この作品のみならず1970年放送の『マイ・スウィート・チャーリー』、1976年放送の『キャプテンズ・アンド・ザ・キングス』でもエミー賞を受賞した。映画やTV業界だけでなく、ブロードウェイの舞台でも活躍していたパティさんは、30年間の結婚生活を送っていたマイケル・ピアースとの間に3人の子供をもうけている。(C)BANG Media International
2016年03月30日『クィーン』でアカデミー賞を受賞し、英国女王からは“デイム”の称号を受けたヘレン・ミレン主演で“オーストリアのモナリザ”といわれる名画に秘められた真実の物語を描く『黄金のアデーレ名画の帰還』。このほど、実在の女性を演じたヘレンの役作りとともに、そんな彼女の熱演に共鳴を受けた各界の著名人からコメントが到着した。20世紀が終わる頃、ある裁判のニュースが世界を仰天させる。アメリカに暮らす一人の女性がオーストリア“政府”を訴えたのだ。それは、何年も美術館に飾られている黄金に輝くクリムトの名画<アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像I>を「私に返してください」という驚きの要求だった――。ヘレンが演じたマリアは、94歳で亡くなるその日まで、悪しき因習を打破し、権力に立ち向かう不屈の精神を持ち続けた。劇中では、第二次世界大戦中、ナチスにその絵を含むすべてを略奪されてから30年後、決死の覚悟で立ち上がり、政府相手に立ち向かう彼女の姿とそれまでの波乱万丈な人生が描かれている。ヘレンは最初に脚本を読んだとき、「いままで全く知らず、読んだこともなかった物語にとても魅了されたわ。実話であり、一人の女性と一人の若い男性の不屈の精神についての素晴らしい物語よ。彼ら二人とも法律や美術についての専門的な知識を持ち合わせていたわけでもないのに、大きな挑戦をしたの。マリア・アルトマンは、彼女自身の過去や家族と関わるとても深くて感情的な理由があって名画返還の訴訟を引き起こしたの。だからこそ、とても美しい物語だと思ったわ」と語る。ヘレンがいう若い男性とは、ライアン・レイノルズが演じる駆けだしの弁護士ランディ・シェーンベルク。誰しもが“不可能”と決めつけてかかったこの裁判に、マリアとともに一世一代の闘いに挑んだ。ヘレンは、実在の人物を演じるにあたり、まずは髪の毛の色、目の色など外見にこだわり、目の色をこげ茶にするためにカラー・コンタクトレンズを使用したという。さらには「立ち姿や手振り身振り、声の出し方など、本人を特徴づける全ての要素が重要」とも語る。特にヘレンが最も重要だと話すのは、「外からは見えない心の内側」だという。「その人物の心の探求が一番重要だと思うわ。その人物がどういった人物かを発見することね。その作業と並行して、自分は“ある人物の肖像画を描く画家”であるかのような視点を育まなければならないわ。最終的に、自分は別の人物に完全になることはできないのだから。自分がなれるのは、ただ、自分の審美観を通して理解したその人物の化身にすぎないの。実在の人物を演じる際は、自分のことをそうやって肖像画を描く画家だと思うようにしているわ」と明かし、彼女の役作りの極意を本作になぞらえる。そんなオスカー賞女優が描き出したマリアには、各界の著名人から共鳴する声が到着している。あなたも、1人の女性が臨んだ“大切な挑戦”を劇場で確かめてみて。<著名人コメント>■佐伯チズ(美容家)“名画の帰還”。裁判の結果に思わず喜びの拍手をしていました。クリムトの名画、憂いを秘めた微笑み、黄金のドレスの貴婦人に、こんなに悲しく切ない“ナチス”の過去が隠されていたとは…。本物の絵を近くで見たくなりました。国を相手の裁判でも家族を思う絆、愛、自分を信じる強さで乗り越えた。過去にも負けない力、あきらめない心は本当に凄い!!絵画を見る目を変え、秘められた内なるものから人として生き方を教えられる素晴らしい映画です。■山田五郎(評論家)祖国とは、民族とは、言語とは、そして絵画とはいったい何なのか?人はなぜすべてを忘れ、あるいは忘れられないのか?痛切に考えさせられる作品だ。■高見恭子(タレント/文筆家)どんなに無理やりに強奪したとしても、気高い気品と誇りは誰にも奪えない。クリムトの美しい絵画のように。ヘレン・ミレンのエレガントなファッションも必見!■千住博(画家)アデーレの瞳は哀しくも美しい。そこに浮かぶのは、大戦をはさんで見つめ続けた宿世の光景だ。「黄金のアデーレ」からは翻弄された人々の生命の輝きがあふれている。■辰巳琢郎(俳優)人は必ず忘れ、いつか死にゆく。さればこそ、永遠の命をもつものに憧れる。また一つ、永遠を獲得した映画が誕生した!『黄金のアデーレ名画の帰還』は11月27日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年11月27日『クィーン』や『RED』シリーズで知られるオスカー女優ヘレン・ミレンが『黄金のアデーレ 名画の帰還』で主演を務めている。本作でミレンは、自身が演じた実在の人物マリアが生きてきた時代と戦争の痛ましい記憶を調査し、自分の記憶の中で蘇らせる作業に注力したと語る。その他の画像本作のタイトルになっている『黄金のアデーレ』はグスタフ・クリムトの作品で、かつてマリアの家に飾られていたが、ナチスが絵画を没収。やがて激動の歴史の中でマリアは国を離れ、オーストリアの美術館にあの絵画が展示されていることを知る。そこで彼女は若い弁護士のランディの助けを借りて、オーストリア政府に絵画の返還を要求。現在では“国の宝”になっている絵画を政府が簡単に返すわけがなく、マリアたちはオーストリアへと向かう。ミレンは『クィーン』でも実在の人物を演じたが、本作でも可能な限り、マリア本人の外見に似せるよう努力した。「目の色をこげ茶にするためにカラー・コンタクトレンズを使用したわ。他には立ち姿や手振り身振り、声の出し方など、本人を特徴付けるすべての要素が重要になってくるわ」。しかし、彼女が最も重視したのは「その人物の心の探求」だ。「私はちょうど大戦直後に生まれたので、戦争は一切体験していないの。私はマリアが生きた時代を自分の中で再生し、歴史を読み直し、自分の記憶の中で当時を蘇らせる作業を行ったの。本当はそんなこと、わざわざしたくないわよね。居心地悪いし、衝撃的な悲劇で、残酷で、野蛮な記憶だもの。過去に戻って生きてみたい時代じゃ決してないわ。だけど、キャラクターに対して忠実で誠実でありたいために通過しなければならない作業だったの」マリアは絵の返還訴訟を起こすが、その過程で何度も立ち止まり、過去と向き合わざるをえないことに怯える。「ウィーン市長が私に語ったように、マリア・アルトマンはウィーンがその過去に対して誠実であることがどれほど大切なことかを教えてくれた人だ、と。過去に対して目をそむけることは多くの人がしてしまうことだけど、過去を隠さずに事実を直視することはとても重要なことだと思うわ」『黄金のアデーレ 名画の帰還』11月27日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー(C)THE WEINSTEIN COMPANY / BRITISH BROADCASTING CORPORATION / ORIGIN PICTURES
2015年11月25日アカデミー賞女優のヘレン・ミレンが10月24日(土)、第28回東京国際映画祭が開催中のTOHOシネマズ六本木ヒルズで、主演する特別招待作品『黄金のアデーレ名画の帰還』の舞台挨拶に登壇。プロモーション来日は『REDリターンズ』以来、約2年ぶり2度目となる。クリムトの名画をめぐる感動の実話を描いた本作。アメリカに暮らす82歳のマリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)が、“オーストリアのモナリザ”と称えられるクリムトの名画<黄金のアデーレ>を、「正当な持ち主である私に返してください」とオーストリア政府を訴えた。第二次世界大戦中、ナチスに略奪された名画のモデルは、マリアの伯母であるアデーレ、その人だった…。「私のもとにはたくさんオファーが来るけど(笑)、自分でいいと思える作品や役柄はなかなかないもの。でも、この作品は私の女優魂が『絶対にやるべき』と応えてくれたの」と強い思い入れを示すミレン。実在する人物を演じるにあたり、「髪の毛や瞳の色を変えたし、動きやしぐさも研究した。でも、いちばん大切なのはマリア自身の視線で、世界を見渡すことだったわ」と役作りをふり返った。同席したサイモン・カーティス監督は、「この作品をつくる上で、最優先事項はヘレンに主演してもらうこと。それが実現してとてもうれしい。実際、マリアの親族から『ヘレンは本当にそっくりで、すばらしい演技だった』と言われて、改めて誇らしい気持ちになった」と最大限のリスペクトを表した。イギリスのミラー紙で“最も影響力のある女性NO.1”に選ばれたミレンが、輝き続ける秘けつは?「まず、とても楽観的な性格であること。つらく悲しい出来事もたくさんあるけど、それでも地球は美しい場所だし、生まれてきたことに感謝している。それにできる限り、長生きをして、テクノロジーがどれだけ進歩するか見届けたいの。好奇心の強さも、若々しくいられる秘訣かもしれないわね」。初来日のカーティス監督に対し、「私が彼をパチンコに連れて行くわ」とお茶目に提案する場面もあり、なるほど好奇心の強さは本物のようだ。舞台挨拶には、美術に造詣が深い俳優の石坂浩二が駆けつけ、「40年以上前、NHKでエリザベス女王とお会いしたことがあったが、そのときとまったく同じ気持ち」とエリザベス女王を演じ、アカデミー賞に輝いたミレンの存在感に圧倒されていた。第28回東京国際映画祭は10月31日(土)まで、メイン会場となる六本木ヒルズをはじめ、TOHOシネマズ新宿などで開催。『黄金のアデーレ名画の帰還』は11月27日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開される。(text:cinemacafe.net)
2015年10月24日アカデミー賞受賞の英国の名女優ヘレン・ミレンが、クリムトの名画をめぐる感動の実話を描いた主演最新作『黄金のアデーレ名画の帰還』の公開に先駆け、サイモン・カーティス監督とともに来日することが決定。10月22日(木)より開催される、第28回東京国際映画祭の特別招待作品に選出された本作の舞台挨拶に登壇することが分かった。20世紀が終わる頃、ある裁判のニュースが世界を仰天させた。アメリカに暮らす82歳のマリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)が、オーストリア政府を訴えたのだ。それは、“オーストリアのモナリザ”と称えられるクリムトの名画<黄金のアデーレ>を、「私に返してください」という驚きの要求だった。マリアの伯母であるアデーレの肖像画は、第二次世界大戦中、ナチスに略奪されたもので、正当な持ち主である自分のもとに返して欲しいと、彼女は主張する。そんなマリアの弁護をするのは、駆け出し弁護士のランディ(ライアン・レイノルズ)。対するオーストリア政府は、真っ向から反論。大切なものすべてを奪われ、祖国を捨てたマリアが、クリムトの名画よりも本当に取り戻したかったものとは──?今回、『REDリターンズ』以来、映画のプロモーションでは約2年ぶり2度目の来日となるヘレン・ミレン。2006年に公開された『クィーン』で、実話に基づくエリザベス女王の苦悩や葛藤を表現し、アカデミー賞「主演女優賞」を受賞。最近では『RED』シリーズや、『マダム・マロリーと魔法のスパイス』などハリウッド作品でもおなじみ。2003年には、英国女王から“デイム”の称号を授与された。本作では、クリムトが描いた伯母アデーレの肖像画、通称「黄金のアデーレ」を取り戻すため、オーストリア政府を訴えた実在の女性マリア・アルトマンを、つらい過去と向き合いながらも確固たる信念を持ち、常に明るく前向きでジョークを欠かさないキュートな姿で演じている。役作りにあたり、ヘレンは当時82歳だったマリアの大量の供述録を読んだほか、映画でも取りあげられたユダヤ人迫害についての書物にも、可能な限り目を通したという。また、親日家としても知られており、前回の来日では、当時の人気ドラマ「半沢直樹」の決めゼリフ「バイガエシ(倍返し)!」を日本語で披露してくれたことも。今回の来日では、どのようなファンサービスを見せてくれるのか、要注目。なお、数々の舞台やTVで活躍し、ミシェル・ウィリアムズ主演の『マリリン 7日間の恋』で知られるサイモン・カーティス監督は、プライベートも含めて初の来日となるという。『黄金のアデーレ名画の帰還』は11月27日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年09月29日アカデミー賞女優ヘレン・ミレンが実在の女性を演じる主演最新作映画『黄金のアデーレ名画の帰還』。クリムトが描いた名画をめぐる実語を描いた本作から、胸を打つ予告編が解禁となった。アメリカで暮らすマリア(ヘレン・ミレン)の唯一の形見。それは、オーストリアが生んだ有名画家グスタフ・クリムトが描いた彼女の伯母アデーレの肖像画、通称「黄金のアデーレ」だった。かつてナチスに奪われたその名画は、数奇な運命を辿り、ウィーンのベルベデーレ美術館に展示され、オーストリアの“モナリザ”として国民から愛されていた。だが、マリアはその絵を取り戻すため、オーストリア政府を訴える。そんな彼女の覚悟に心動かされた駆けだし弁護士のランディ(ライアン・レイノルズ)とともに、一度捨てたはずの故郷ウィーンに舞い戻るマリア。名画とともに奪われた、家族や友人との美しい日々を思い出しながら…。「接吻」と並んで世界的に知られるクリムトの代表作に秘められた真実の物語を、『マリリン 7日間の恋』のサイモン・カーティスがメガホンを取り、映画化した本作。実在の女性マリア・アルトマンを演じるのは、『クィーン』でアカデミー賞「主演女優賞」を受賞し、英国女王から“デイム”の称号を授与された名優ヘレン・ミレン。いつも元気で頑固、おちゃめな毒舌とユーモアが冴えるマリアを軽快に演じながら、そんな彼女が故郷を捨てた際に、心の奥深くに封印した怒りや慟哭までも繊細に表現する。また、マリアとともにオーストリア政府に立ち向かった駆け出し弁護士のランディ役を務めるのは、この秋、ぶっ飛んだポップスリラー『ハッピーボイス・キラー』、名匠アトム・エゴヤン監督のサスペンス『白い沈黙』と主演作が相次ぐライアン・レイノルズ。さらに、オーストリアでマリアを迎えるジャーナリストを『天使が消えた街』『ラッシュ/プライドと友情』のダニエル・ブリュールが演じている。予告編では、ヘレン演じるマリアが、家族の唯一の形見である「黄金のアデーレ」への思いを明かし、かつて封印した過去を取り戻すため、祖国を相手に正義を貫くさまが映し出される。つらい過去と向き合いながらも、確固たる信念を持ち、常に明るく前向きでジョークを欠かさないキュートな82歳のマリアと、最初は頼りないながらもマリアや自身のために真相を追究していく、ライアン演じる弁護士ランディとの見事なタッグも見どころだ。「みなさんには国を代表するクリムトの名画でも、私には大切な家族の唯一の形見」と訴える、ヘレン演じるマリアの希望の物語を、この映像から確かめてみて。『黄金のアデーレ名画の帰還』は11月27日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年09月16日『クィーン』や『マダム・マロリーと魔法のスパイス』『RED』シリーズで知られるオスカー女優ヘレン・ミレンが主演を務める感動作『黄金のアデーレ 名画の帰還』の予告編映像が公開になった。“オーストリアのモナリザ”と呼ばれる傑作絵画を自身の手に取り戻そうとする女性の姿を描いた作品だ。その他の画像/予告編公開このほど公開された予告編に登場する光輝く美しい絵画が、映画のタイトルになっている『黄金のアデーレ』だ。この画は正式には『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像I』というタイトルで、グスタフ・クリムトが20世紀初頭に描いた豪華で美しい作品だ。そこにはひとりの美しい女性が描かれており、映画の主人公マリアの叔母がこの女性にあたる。名女優ヘレン・ミレンが演じるマリアは、この絵を自身の手に取り戻すべく、ライアン・レイノルズ演じる若い弁護士と祖国に戻って人々に訴えるが、オーストリア政府は彼女の訴えを聞き入れない。映像は、アメリカで穏やかな日々を過ごしていた彼女が祖国で様々な人々に渡り合い、絶対に勝てないと忠告された訴訟に挑む姿がテンポよく描かれる。美しく、気品があり、同時にバイタリティあふれる女性を演じるミレンの演技に注目だ。一方で、出国以来、初めて祖国に戻るマリアはとても不安そうな表情を浮かべる。なぜ、『黄金のアデーレ』はマリアのもとを離れてしまったのか? それはナチスがオーストラリアに侵攻し、美術品は没収され、マリアは家族を失い、祖国を追われたからだ。予告編には若き日のマリアが戦争下のオーストリアで愛する家族や絵画と引き離される場面が重厚なタッチで描かれる。政府にとって『黄金のアデーレ』は名画であり、宝だが、マリアにとってこの絵は家族の思い出であり、形見だ。映画は、前代未聞の名画返還訴訟の行方と、ひとりの女性がたどった数奇なドラマを描き出していく。『黄金のアデーレ 名画の帰還』11月27日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー(C)THE WEINSTEIN COMPANY / BRITISH BROADCASTING CORPORATION / ORIGIN PICTURES (WOMAN IN GOLD) LIMITED 2015
2015年09月16日クリムトの名画をめぐる感動の実話を基に、アカデミー賞女優ヘレン・ミレンを迎えて贈る『WOMAN IN GOLD』(原題)が『黄金のアデーレ名画の帰還』として11月に日本でも公開されることが決定。併せて本作のポスタービジュアルが解禁された。アメリカで暮らす82歳のマリア・アルトマンが駆け出し弁護士ランディと共に起こした裁判に、世界が仰天。訴えた相手はオーストリア政府。“オーストリアのモナリザ”と呼ばれる、クリムトが描いたマリアの伯母の肖像画「黄金のアディーレ」を返還を求めてのものだった。その名画には、ナチスに運命を翻弄されたマリアと彼女を取り巻く人々の美しい思い出と涙の記憶が詰まっていた――。「黄金のアデーレ」とは、正式名称「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像I」といい、19世紀の美術界で一世を風靡し、「接吻」などの代表作を残した画家グスタフ・クリムトが1908~1908年に描いた傑作。世界で最も高価な絵画TOP10に入る、黄金色を多用した豪華で装飾的な肖像画である。実在の女性マリア・アルトマンを演じるのは、アカデミー賞に4度ノミネートされ『クイーン』で主演女優賞を受賞したヘレン・ミレン。さらに弁護士ランディ役をライアン・レイノルズ、『ラッシュ/プライドと友情』でゴールデン・グローブ賞にノミネートされたダニエル・ブリュールが演じ、監督には『マリリン 7日間の恋』のサイモン・カーティスが務める。今回公開されたビジュアルは、ヘレン演じるマリアと黄金に輝く絵画「黄金のアデーレ」が描かれたポスター。ナチスに奪われた肖像画「黄金のアディーレ」を取り戻すため、オーストリア政府を訴えたマリア。世界が固唾を呑んで見守り続けた名画裁判の行方と、その名画に秘められた真実の物語とは…。現在はニューヨークに所蔵され、当時大きな話題となった絵画。その名画の経緯を本作で確かめてみて。『黄金のアデーレ名画の帰還』は11月27日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2015年08月27日アカデミー賞女優ヘレン・ミレンを主演に迎えて贈る、映画『WOMAN IN GOLD』が、邦題を『黄金のアデーレ 名画の帰還』と改め、11月27日より日本で公開されることが決定。ポスタービジュアルも解禁された。同作は、19世紀の美術界で一世を風靡した画家のグスタフ・クリムトが1907から2008年に描いた傑作「黄金のアデーレ」(正式名称:アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像I)をめぐる感動の実話を描いた映画。アメリカで暮らす82歳のマリア・アルトマンが、伯母の肖像画「黄金のアデーレ」の返還を求め、駆け出し弁護士のランディと共にオーストリア政府を相手に裁判を起こす。その名画には、ナチスに運命を翻弄されたマリア・アルトマンと、マリアを取り巻く人々の美しい思い出と涙の記憶が詰まっていたーー。マリリン・モンローの半生を描いた映画『マリリン 7日間の恋』(’11)のサイモン・カーティスが監督を務める同作。主人公であるマリア・アルトマン役には、アカデミー賞に4度ノミネートされ、『クィーン』(’06)で主演女優賞を受賞したヘレン・ミレンが抜擢。その他、駆け出し弁護士・ランディ役は『あなたは私の婿になる』(’09)のライアン・レイノルズが、自国と父の罪を償おうとするオーストリア人ジャーナリストには『ラッシュ/プライドと友情』(’13)でゴールデン・グローブ賞にノミネートされたダニエル・ブリュールが演じている。映画『黄金のアデーレ 名画の帰還』はTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。
2015年08月27日『クィーン』や『マダム・マロリーと魔法のスパイス』『RED』シリーズで知られるオスカー女優ヘレン・ミレンが主演を務める感動作『黄金のアデーレ 名画の帰還』が11月に日本公開されることが決定した。グスタフ・クリムトの名画を取り戻すためにオーストリア政府を相手に返還訴訟を起こした女性の数奇なドラマを実話を基に描いた作品だ。その他の情報本作のタイトルになっている『黄金のアデーレ』は、正式には『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像I』というタイトルで、クリムトが20世紀初頭に描いた豪華で美しい作品だ。そこにはひとりの美しい女性が描かれており、映画の主人公マリアの叔母がこの女性にあたる。この絵画は“オーストリアのモナリザ”と呼ばれるほどの傑作で、マリアの家に飾られていたが、ナチスが絵画を没収。やがて激動の歴史の中でマリアは国を離れ、オーストリアの美術館にあの絵画が展示されていることを知る。そこでマリアは若い弁護士のランディの助けを借りて、オーストリア政府に絵画の返還を要求。現在では“国の宝”になっている絵画を政府が簡単に返すわけがなく、マリアたちはオーストリアへと向かう。と同時に彼女はこの騒動をきっかけに自身の人生のこれまでを振り返る。楽しかった幼少期、絵のモデルになった美しい叔母との思い出、両親との記憶。そしてナチスの侵攻によって訪れた人生の大きな変化。アメリカとオーストリアを行き来しながら彼女はこれまでの人生で失ったものを改めて確認し、クリムトの名画以上に“取り戻したいもの”に気づいていく。主人公を演じるのは名女優のヘレン・ミレン。毒舌でガンコでバイタリティあふれるマリアを軽快に演じる一方、数奇な人生を振り返り、喪失や哀しみを繊細な演技で見事に表現する。また、彼女とタッグを組む弁護士をライアン・レイノルズが演じている。『黄金のアデーレ 名画の帰還』11月27日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー(C)THE WEINSTEIN COMPANY / BRITISH BROADCASTING CORPORATION / ORIGIN PICTURES (WOMAN IN GOLD) LIMITED 2015
2015年08月27日稀代のオスカー賞女優、ヘレン・ミレンほどエンターテインメント業界で長く生き延びるための知恵を持っている人物はなかなかいないだろう。ヘレンが自身の最新作『RED リターンズ』の取材の最中、現代の若手女優、とりわけ“お騒がせ”がすぎるリンジー・ローハンとアマンダ・バインズに対してアドバイスを求められたとを米エンタメ情報サイト「eonline.com」が明かしている。そこでヘレンは「これをテレビで言っていいかは分からないけど」と前置きをしながら「調子に乗るんじゃないわよ」とキツい一発。「若いときはみんな調子にのって、ハメを外してしまうけれど、やってはいけないわ。絶対にダメ」。現在でこそ大英帝国勲章を受けるほどの存在のヘレンにおいても、かつてはコカインを使用していたと過去を告白した経験がある。「若い頃っていうのは、みんなバカなものなのよ」と2011年の雑誌「Esquire」のインタビューで発言している。「自分でそうは思っていなくても、おばかさんなの。そして、そうあるべきものなの」と話すヘレンは、「人生でもっとも厳しいのは20代ね」と言い切っている。偶然なことにリンジーとアマンダは共に27歳。ヘレンが言うところのもっとも厳しい時期なのだ。「恥ずべきことだけど、(20代は)一番ゴージャスで身体能力もピークな時期なのね。だけど、実際はもっとも不安定で、自分への疑問に満ちた時期でもあるのよ。この先に何が起きるのか分からずにいるのは、恐ろしいことなの」。ヘレンの言う“厳しい時期”20代を抜けるには、あと3年もあるリンジーとアマンダ。彼女たちの“お騒がせ”は30代になっておさまるのだろうか。(C) Getty Images(text:Mieko Nakaarai)
2013年07月05日「演じる」ということは、それほど魅力的で、まるで麻薬のように女優を惹きつけてやまないものなのか。英国を代表する名女優ヘレン・ミレン。歳のことを言うのは失礼かもしれないが、60代半ばにして、昨年と一昨年だけで計5本の映画に出演しており、中には『RED/レッド』のように大きな銃を手に激しいアクションが要求される作品も。一体何が彼女を動かすのか?まもなく公開となる『テンペスト』は、シェイクスピアの最後の作品。『アクロス・ザ・ユニバース』のジュリー・テイモアが映像技術を駆使して“映画”として作り上げた。シェイクスピアはヘレンにとって、生涯を通じて舞台で繰り返し演じてきた作品だが、今回、彼女は何を感じ、表現したのか――?数多くのシェイクスピア作品に出演してきた名女優の新たな挑戦シェイクスピアが“ゆるし”をテーマに書き上げたこの戯曲。謀略によってミラノ大公の座を追われ娘と共に流れ着いた孤島で12年。魔法の力を極めた主人公がついに自らを陥れた者たちへの復讐の機会を手にするのだが…。今回の映画の何よりの特徴は、主人公のプロスペローの性別を変更し、プロスペラという女性としたこと。だがヘレンは映画の話が来る以前から、この主人公を女性として演じることは可能だと考えていたという。どのように役を作り上げていったのだろうか?「特にジュリーとの間で話し合いといったことはしてないの。というのは、すでに原作のしっかりとしたセリフがあり、それは女性に置き換えても納得のいく素晴らしいものだったから。ジュリーから言われたのは、映画として撮る上で、芝居臭さをなくしてほしいということ。これまでに何度もシェイクスピアの作品に参加して、この『テンペスト』も違う役で何度も演じたことがあったから、そうした中で身についてきた芝居っぽさを落として、自然な会話をするというのはチャレンジだったわ。でも、女性だからこその難しさというのはほとんど感じなかったわね」。だが完成した作品を観ると、プロスペラの“復讐”と“ゆるし”のはざまで揺れる心情やほかの登場人物との関係性において、女性であるがゆえの空気感といったものが確実に感じられる。「そうね。例えば娘のミランダ(フェリシティ・ジョーンズ)との関係で、エモーショナルで心温まる部分、娘を深く愛しているという気持ちが強く出たと思うけど、それは女性ならではと言えるわね。それからエアリエル(妖精/ベン・ウィショー)とも単なる主従というだけでない、ソフトで知的な関係が築けたと思う。この部分もセリフは原作からほとんど変更されていないけど、より面白くなった部分ね」。「やり尽くしてと思うこと?もちろんあるわ(笑)」「シェイクスピアというのはいつでも何かを学べる深さがあるの。深く掘り下げるべきものがね」とヘレン。プロスペラの燃えるような“憎悪”と“寛容”で揺れる心理の変化の過程を女優として、彼女はどのように捉えたのか?「あの復讐の思いを表現するということは、自分の女優としての個人的な経験や心理を役に重ね合わせていくことが演技の中で要求されたわ。それから“ゆるし”という部分に関しては、プロスペラがどのようにして死を迎えようとするのか――それはシェイクスピアが描こうとしたことでもあるのだけれど――自らの死に対して準備をする、ということが重要なテーマとして横たわっているの」。それにしても、本作のプロスペラもそうだが、ヘレンの演技からは“円熟”や“老練”というよりも、荒々しいまでの情熱、熱さが伝わってくる。年齢を重ねるということについて、ヘレンはこんな言葉を口にする。「年を取るということはもちろん、誰にとっても悩めることではあるけど、私は意外と上手にそこに向き合えたと思うわ。13歳、14歳の少女の頃は自分の欠点を挙げては『ああすれば良かった』、『こうなりたかった』なんて思っていたものだけど、年を重ねてそういうことを気にしなくなった。それが上手に年を取るコツかしら(笑)?」では、冒頭の質問に戻ろう。すでにオスカーをはじめ、ありとあらゆる賞を手にし、大英帝国勲章まで受勲しているヘレンだが、それでも彼女が常に新たな作品に挑戦し、情熱を役にぶつける理由はどこにあるのだろう?「いろんな俳優が言うのは『いまある仕事をもらわないと、干されちゃう』ということ(笑)。その心配は私もあるから、どんどんやってしまうのかもね。いろんな映画でいろんな場所に行けるのも魅力ね。『RED/レッド』ではハンガリーとイスラエル、この作品ではハワイで撮影できた。そういう好奇心でついつい受けてしまうのね(笑)」。本当にそれだけ?「もうやり尽くした!」と思ってしまうことは…。「あるわよ!もちろんあるわ(笑)。時々『もう十分ね、やめようかしら』と思うわ。でも、少し休みを取ってのんびりすると不思議とまたやりたくなるの。自分の中では“不思議なイマジネーションの旅”って呼んでるわ(笑)。しばらく演技をしてないとこう思うの。『また、イマジネーションの旅に出ようかな』って」。願わくばその旅路をいつまでも続けてもらいたいところ。70歳、80歳になっても新たな表情を見せてほしい。(text:Naoki Kurozu)© Startraks/AFLO■関連作品:テンペスト 2011年6月11日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2010 Miramax Films.All right reserved.■関連記事:小林幸子がオスカー女優着用の衣裳で登場!「結構、重たいです」ケイティ・ペリー、一緒に来日した夫のラッセル・ブランドが国外退去処分にシェイクスピアの名作が蘇る『テンペスト』試写会に15組30名様ご招待
2011年06月10日『RED』で迫力の紅一点を演じたヘレン・ミレンが28日、多くのハリウッド・スターたちの手型や足型が刻まれるロサンゼルスのグローマンズ・チャイニーズ・シアターの前庭に、自身の手型と足型を刻んだパネルを設置した。スターの功績を讚える1920年代から続く伝統的なイベントで、ここ数年の間にジョニー・デップやロバート・ダウニー・Jr.、ウィル・スミスらも仲間入りをしている。ミレンは2003年にイギリスでデイムの称号を授かり、06年の『クィーン』でアカデミー賞主演女優賞受賞、昨年も『終着駅-トルストイ最後の旅-』で主演女優賞候補になった。華々しい経歴を誇る彼女はこの日のスピーチで「私の人生には3度、素晴らしい栄誉を受けた瞬間がありました。1つは大英帝国からデイムの称号をいただいたとき。とても誇りに思っています。2度目はオスカーを受賞したとき。そして3度目はグローマンズ・チャイニーズ・シアターの前に手型と足型を刻むときです」と語った。彼女同様、デイムの称号を受け、シアター前にパネルを設置している女優には先頃亡くなったエリザベス・テイラーや、ジュリー・アンドリュースがいる。ヘレンは「ハリウッド大通りのたくさんのデイムのひとりになれて、とても光栄です」と結んだ。(text:Yuki Tominaga)写真はグローマンズ・チャイニーズ・シアターで手形を刻むヘレン・ミレン。© Reuters/AFLO■関連作品:RED/レッド 2011年1月29日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Summit Entertainment, LLC. All Right Reserved.■関連記事:ブルース・ウィリス、若造には負けじ!『RED』ド派手なアクション映像が到着“オヤジ代表”泉谷しげる、若者に過激なエール!「灰皿で殴っちゃダメ」ジョニーが主演賞Wノミネート!オスカー前哨戦のゴールデン・グローブ賞候補が発表バカが飛び出す!『ジャッカス3D』が『ソーシャル・ネットワーク』抑え全米1位獲得ブルース・ウィリス主演作の晴れ舞台に盟友スタローン&J・フォスターも登場
2011年03月30日