ミュージカル『ベートーヴェン』の12月24日の東京公演、2024年1月21日の兵庫大千穐楽公演が、エンターテイメントサイト・uP!!!で生配信されることが決定した。○公演プログラム付き配信チケットは数量限定同作は『エリザベート』『モーツァルト!』『レベッカ』『マリー・アントワネット』『レディ・ベス』など、日本ミュージカル界でも屈指の人気作品群を手掛けてきたミヒャエル・クンツェ(脚本/歌詞)とシルヴェスター・リーヴァイ(音楽/編曲)のゴールデンコンビの最新作。構想10年以上の歳月を費やし、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの謎に満ちた人物像とその生涯に肉迫した野心作となる。孤高の音楽家・ベートーヴェン役の井上芳雄、恋人“トニ”ことアントニー・ブレンターノ役の花總まりのほか、ベートーヴェンの弟のカスパール・ヴァン・ベートーヴェンを海宝直人(東京公演のみ出演)と小野田龍之介のWキャスト、“トニ”の義理の妹ベッティーナ・ブレンターノを木下晴香、野心家の弁護士バプティスト・フィッツオークを渡辺大輔、カスパールの妻ヨハンナ・ベートーヴェンを実咲凜音、ベートーヴェンのパトロンの一人であるフェルディナント・キンスキー公を吉野圭吾、銀行家であり“トニ”の夫フランツ・ブレンターノを佐藤隆紀(LE VELVETS)と坂元健児のWキャストで演じる。配信チケットの販売期間は、12月24日の東京公演が同月31日20時まで、2024年1月21日の兵庫大千穐楽公演が同月28日20時まで。公演プログラム付き配信チケットは、一般が8,300円、auスマートパスプレミアム会員が7,800円(共に送料込み)、通常配信チケットは一般が5,500円、auスマートパスプレミアム会員が5,000円でそれぞれ販売される。なお、公演プログラム付き配信チケットは数量限定のため、予定枚数に達し次第、受付終了となる。また、生配信に加えて、各公演のアーカイブ(見逃し)配信も決定。それぞれライブ配信終了後に準備が整い次第開始し、東京公演は12月31日23時59分まで、兵庫大千穐楽公演は2024年1月28日23時59分まで何度でも視聴することができる。
2023年12月19日現在上演中のミュージカル『ベートーヴェン』の日生劇場公演および兵庫大千穐楽公演が、uP!!!とTELASAにてLIVE映像配信されることが決定した。本作は、『エリザベート』『モーツァルト!』『レベッカ』『マリー・アントワネット』『レディ・ベス』等、日本ミュージカル界における人気作品群を手掛けてきたミヒャエル・クンツェ(脚本/歌詞)とシルヴェスター・リーヴァイ(音楽/編曲)のゴールデンコンビが、構想10年以上の歳月を費やした野心作。クラッシック音楽史にその名を燦然と輝かせる偉大な音楽家の一人であり「楽聖」とも称されるルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの謎に満ちた人物像とその生涯に迫る。キャストは、井上芳雄、花總まり、海宝直人/小野田龍之介(Wキャスト)、木下晴香、渡辺大輔、実咲凜音、吉野圭吾、佐藤隆紀/坂元健児(Wキャスト)らが顔を揃えた。<配信情報>ミュージカル『ベートーヴェン』1. 2023年12月24日(日) 日生劇場 17:00開演の部※公演終了後準備整い次第~12月31日(日) 23:59までアーカイブ配信あり■Wキャストカスパール・ヴァン・ベートーヴェン:海宝直人フランツ・ブレンターノ:佐藤隆紀2. 2024年1月21日(日) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール 12:00開演の部※公演終了後準備整い次第~1月28日(日) 23:59までアーカイブ配信あり■Wキャストカスパール・ヴァン・ベートーヴェン:小野田龍之介フランツ・ブレンターノ:坂元健児配信プラットフォーム:KDDI(uP!!!・TELASA)視聴券価格:各回 5,500円(税込)作品公式ホームページ:
2023年12月18日井上芳雄、花總まりらが出演するミュージカル『ベートーヴェン』が12月9日(土)、東京・日生劇場で開幕した。『エリザベート』『モーツァルト!』など数々のヒット作を生み出したウィーンミュージカル界のゴールデンコンビ、ミヒャエル・クンツェ(脚本/歌詞)とシルヴェスター・リーヴァイ(音楽/編曲)が構想10年の歳月を費やしたという最新作。今年1月、韓国で初演された作品が、早くも日本上陸だ。ミュージカル『ベートーヴェン』より写真提供/東宝演劇部偉大な音楽家を主人公にしたクンツェ&リーヴァイ作品といえば名作『モーツァルト!』が思い浮かぶが、モーツァルトの楽曲は効果程度に、リーヴァイ氏のオリジナルの音楽で全編綴った『モーツァルト!』に対し、本作『ベートーヴェン』は実際にベートーヴェンが残した名曲の数々をリーヴァイ氏が再構築、歌詞をつけミュージカルにしている、というのが眼目。楽聖の人生が楽聖自身の音楽で綴られていく面白さと同時に、「悲愴」「月光」「英雄」「運命」「田園」「皇帝」「エリーゼのために」「第九」といった楽曲の、多くの人が聞き覚えあるであろうフレーズがミュージカル曲になっている面白さは、想像以上だ。クラシック音楽で綴られた新感覚ジュークボックス・ミュージカルと言おうか、1曲の中に複数のベートーヴェンの楽曲モチーフが登場していることを鑑みるとマッシュアップ・ミュージカルと言うべきか。しかし独特の和音の音色や、「運命」にエレキギターが絡みヒートアップしていく展開など、そこかしこに“リーヴァイ節”も顔を覗かせる。そして物語は基本的に歌に乗って綴られ、28人編成のオーケストラが重厚感たっぷりに演奏する。冒頭で拍手の中マエストロが迎えられて始まるさまも、コンサートさながら。楽聖の生涯を描くにふさわしい、音楽がど真ん中に据えられたミュージカルである。ミュージカル『ベートーヴェン』より写真提供/東宝演劇部物語はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの実話――中でも彼が残した“不滅の恋人”に宛てた手紙をモチーフに彼の人生を綴っていくもの。ルートヴィヒは、かつて『モーツァルト!』で主人公ヴォルフガングを演じた井上芳雄。愛を知らず自分すら愛せなかった音楽家が、愛を知り、絶望し、すべてを糧に音楽へと昇華していくまでの変化を、力強くも繊細に演じている。ルートヴィヒの思い人トニ(アントニー・ブレンターノ)は、花總まり。恵まれた環境におかれながら自分の幸せに疑問を感じているような女性の揺れる心を、しかし感情的にではなく落ち着いたトーンで演じる。歌唱力はもとより、その演技力に定評のあるふたりが、非常に細やかにお互いを思いやる愛を紡ぎ、大人のミュージカルとして作品を届けている。ミュージカル『ベートーヴェン』より写真提供/東宝演劇部ミュージカル『ベートーヴェン』より写真提供/東宝演劇部脇を固める俳優陣も贅沢で、ルートヴィヒの弟カスパール役の海宝直人は若々しい歌声で、時に対立しながらも兄に愛の形を示し、木下晴香は溌溂とトニの義妹ベッティーナを演じ、トニの夫フランツの佐藤隆紀は妻を押さえつける悪役ポジションながら、重厚な歌声で作品を締める。フェルディナント・キンスキー公役の吉野圭吾は安定の華やかさで、やはりクンツェ&リーヴァイ作品にこの人は欠かせない、と思う存在感を見せつけた。ミュージカル『ベートーヴェン』より写真提供/東宝演劇部ミュージカル『ベートーヴェン』より写真提供/東宝演劇部苦悩を乗り越えた先にある、穏やかなものを描く物語失われていく聴覚、弟との確執、孤独、禁断の恋……一般的に知られている“苦悩する音楽家”の一面はもちろんあるが、本作のルートヴィヒは、頭を掻きむしって苦悩するような人物ではなく、不器用に人と衝突し内に籠ってしまう孤独な天才、というタイプ。彼の苦悩をドラマチックに前面に押し出していないところに最初こそ戸惑うが、物語を通して味わうと、クンツェ&リーヴァイ両氏が描こうとしているのは、苦悩を乗り越えた先にある赦しや和解といった穏やかなものであるのだ、と腑に落ちた。実際、『モーツァルト!』で主人公は「運命から逃れたい」と嘆いていたが、ルートヴィヒは「運命はこの手で掴み取れ」と力強く歌う。本作は挫けてもなお生きることを肯定する高らかな人生讃歌であり、円熟期のクンツェ&リーヴァイが到達した境地なのだろう。それは最晩年に苦難を乗り越え歓喜に満ちた「第九」という境地にたどり着いたベートーヴェンの実人生ともオーバーラップする。祝福に満ちた、まばゆい光のようなミュージカルだ。初日前日には会見も行われ、井上は「ベートーヴェンの不屈の生涯と、ふたり(ルートヴィヒとトニ)の愛から、感じ取っていただけるものがたくさんあるのではと思います。あと、やたらと豪華(笑)。『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』や『チャーリーとチョコレート工場』にも負けないんじゃないかなというくらい美術費がかかってます。また日本では年末に「第九」を聞くというのが習慣になっているので、12月にふさわしい作品になっているのでは。ぜひこの新しいミュージカルを体験しにいらしてください」とアピールした。会見にはミヒャエル・クンツェ氏(写真左端)とシルヴェスター・リーヴァイ氏(右端)も駆け付けた公演は12月29日(金)まで同劇場にて。1月には福岡、愛知、兵庫公演もあり。取材・文:平野祥恵写真提供:東宝演劇部<公演情報>ミュージカル『ベートーヴェン』脚本/歌詞:ミヒャエル・クンツェ音楽/編曲:シルヴェスター・リーヴァイ演出:ギル・メーメルト出演:井上芳雄花總まり海宝直人/小野田龍之介(Wキャスト)木下晴香渡辺大輔 実咲凜音 吉野圭吾佐藤隆紀(LE VELVETS)/坂元健児(Wキャスト)ほか【東京公演】2023年12月9日(土)~12月29日(金)会場:日生劇場【福岡公演】2024年1月4日(木)~1月7日(日)会場:福岡サンパレス【愛知公演】2024年1月12日(金)~1月14日(日)会場:御園座【兵庫公演】2024年1月19日(金)~1月21日(日)会場:兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール公式サイト:
2023年12月12日ミュージカル『ベートーヴェン』の初日前会見が8日に東京・日生劇場で行われ、井上芳雄、花總まり、ミヒャエル・クンツェ、シルヴェスター・リーヴァイが取材に応じた。同作は『エリザベート』『モーツァルト!』『レベッカ』『マリー・アントワネット』『レディ・ベス』など、日本ミュージカル界でも屈指の人気作品群を手掛けてきたミヒャエル・クンツェ(脚本/歌詞)とシルヴェスター・リーヴァイ(音楽/編曲)のゴールデンコンビの最新作。構想10年以上の歳月を費やし、偉大な音楽家の一人であり「楽聖」とも称される、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの謎に満ちた人物像とその生涯に肉迫した野心作となる。ほか海宝直人/小野田龍之介(Wキャスト)、木下晴香、渡辺大輔、実咲凜音、吉野圭吾、佐藤隆紀(LEVELVETS)/坂元健児(Wキャスト)が出演する。○■ミュージカル『ベートーヴェン』ミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイが語る今回、ミヒャエル・クンツェ(脚本/歌詞)とシルヴェスター・リーヴァイ(音楽/編曲)が来日。クンツェは同作について「ベートーヴェンの人生の長い道のりというものを語ろうということではなく、彼の人生の中で出会うことになる困難の瞬間を綴っていきたくて、特に聴力を失うわけですけど、音楽家にとってこれ以上ないような災難に直面した時に、彼の人生の中での最大の愛する相手を見つけ得たというそこを語ってきた作品」と表す。実際にベートーヴェンの音楽が使われることとなるが、選曲について聞かれたリーヴァイは「作曲した全曲を聴くことから始めました。どういう部分をセレクトして抜き出して据えたかというと、自分自身が持っている感情に基づいて決めさせていただきました」「選んだ曲にひとつひとつに固有のストーリーがあるんです。それは皆様にお話ししてみたいんですけど、すべてお話するとすれば2〜3週間はかかってしまいます」とその場を笑わせる。クンツェは「オリジナルの曲というものを作品に入れ込んで統合していかなければいけないわけで、インスピレーションの一部として統合していかなければいけない。彼は当時世界でもっとも素晴らしいピアニストだったわけで、大成功を収めていた人です。それは演奏した時の他の方の拍手に非常に依存していたということなんです。耳が聞こえなくなったことによって、拍手そのものが聞こえなくなってしまうということから、ベートーヴェンのその後の内面というものを作品として作り上げていかなければいけないわけで、それを信ずるに足りる内容のものとして舞台に乗せなければいけない」と苦労を振り返る。「それに適した声を選び出してくれたシルベスターに感謝したいし、結果としてできた作品がクンツェ・リーヴァイの音楽になったことが大変うれしいです」と2人の絆も見せた。さらにリーヴァイは「私たちにとって大事なのはお客様のためにミュージカルを作るということで、クラシックの音楽を身近に感じている方々がいらっしゃると思いますけど、そういう方々にはモダンな音楽に近づいていただきたいと思いますし、身近に感じてない方には身近に感じるような作品にできればと思います」と意図を説明。これらの話を踏まえて、花總は「ベートーヴェンの曲、誰もが知ってる曲もあれば、見ることによって『こんな素敵な旋律があるんだ』とか、たくさんいろんな発見があると思うんです。それも観に来ていただける方のひとつの楽しみとしてお届けすることができたらいいなと思っています。あのベートーヴェンの曲をリーヴァイさんがこんなふうにアレンジされて、私たちが歌うことができるというところも楽しんで観ていただけたらいいなと思います」と見どころを語る。井上は「お二人が来日してくださったことが嬉しいですし、僕は初舞台が『エリザベート』なので、2人から生まれたと言っても過言ではないくらい。花ちゃんもオリジナルキャストですし、2人がきてくださって新しいベートーヴェンが日本で生まれることが嬉しい」と喜ぶ。リーヴァイの説明を受け、「『モーツァルト!』はリーヴァイさんのオリジナルのメロディのモーツァルトだったのに、なぜ『ベートーヴェン』になった時にベートーヴェンのメロディを使おうと思ったのか、不思議だなと思ってたんですけど、クラシックとミュージカルの融合というか、どちらのファンの方にも楽しんでもらえるようにしたいと、お二人は今なお進化されて、新しいチャンレンジされてる中でこの作品が生まれたのかなと思います」と感心する。さらに「ウィーンのお二人と、去年初演した韓国のチームと、僕たち日本のチームで、3カ国いろんな言葉が飛びあう国際的な稽古場ですし、だからこそ豊かなものが作れているのではないかなと思います」と稽古場の様子も。「あと、やたら豪華なんですよ。『ムーラン・ルージュ』とか、『チャリチョコ』(『チャーリーとチョコレート工場』)にも負けないんじゃないかなと。『東宝、今年大丈夫かな』と心配になるくらい美術費がかかってます」とまさかの心配。「日本で12月といえば、ベートーヴェン。なぜかわからないけど『第九』を必ず聴くのが日本のクラシックの習慣でもありますし、12月にふさわしい作品だと思います」と言いつつ、「年明けもやりますけど、それはそれで華やかでふさわしいと思います」とアピールした。東京公演は日生劇場にて12月9日〜29日、福岡公演は福岡サンパレスにて2024年1月4日〜7日、愛知公演は御園座にて1月12日〜14日、兵庫公演は兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールにて1月19日〜21日。
2023年12月09日俳優の井上芳雄が主演を務める、ミュージカル『ベートーヴェン』が上演されることが15日、明らかになった。同作は『エリザベート』『モーツァルト!』『レベッカ』『マリー・アントワネット』『レディ・ベス』など、日本ミュージカル界でも屈指の人気作品群を手掛けてきたミヒャエル・クンツェ(脚本/歌詞)とシルヴェスター・リーヴァイ(音楽/編曲)のゴールデンコンビの最新作。構想10年以上の歳月を費やし、偉大な音楽家の一人であり「楽聖」とも称される、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの謎に満ちた人物像とその生涯に肉迫した野心作となる。ベートーヴェンは当代随一のピアニストとして、作曲家として、それ以前に当たり前であった教会や宮廷のための音楽を一般大衆向けに解放した革命的な功績を持ち、のちの音楽家に多大なる影響を及ぼした。音楽家の生命線とも言える聴力を失うという不運と苦悩に苛まれながらも、創作意欲が生涯衰えることはなかった。今回、クンツェ&リーヴァイは、ベートーヴェンの愛をテーマに、【父からの虐待】【弟との確執】【貴族からの独立】【幻聴による強迫観念】そして【叶わぬ恋】と、様々なエピソードを織り交ぜながら、実際にベートーヴェンが残した膨大な楽曲群を紐解きつつ、メロディに歌詞をつけ、旋律を再構築し、各シーンに当てはめていくというアプローチを試みているという。劇中には「悲愴」「月光」「英雄」「運命」「田園」「皇帝」「エリーゼのために」「第九」などのメロディが頻繁に登場し、物語の世界へと誘う。2023年1月に韓国で世界初演の幕を開け、5月15日に千穐楽を迎えるが、12月に東京・日生劇場で日本初演を迎えることとなった。孤高の音楽家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン役には井上芳雄が決定。ベートーヴェンの想い人“トニ”ことアントニー・ブレンターノ役を花總まり、ベートーヴェンの弟カスパール・ヴァン・ベートーヴェン役を海宝直人/小野田龍之介(Wキャスト)、“トニ”の義理の妹ベッティーナ・ブレンターノ役を木下晴香が演じる。さらに野心家の弁護士バプティスト・フィッツオーク役で渡辺大輔、カスパールの妻ヨハンナ・ベートーヴェン役で実咲凜音、ベートーヴェンのパトロンの一人フェルディナント・キンスキー公役で吉野圭吾、銀行家であり“トニ”の夫フランツ・ブレンダーノ役で佐藤隆紀(LEVELVETS)/坂元健児(Wキャスト)が出演する。
2023年05月15日兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)の第139回定期公演となる2月のステージは、ドイツ・オーストリアの作曲家たち(ハイドン、ベートーヴェン&シューベルト)の作品だ。互いに重なり合う時代を生き、創造という名のバトンを受け継いできた3人の音楽は、古典派からロマン派に至る大河ドラマを見るような趣だ。ハンガリーの貴族エステルハージ家の伯爵からの提案によってハイドンが作曲したと伝えられる交響曲第6番『朝』に始まり、ベートーヴェン唯一の短調のピアノ協奏曲「第3番」。そして最後はシューベルトの大作、交響曲第9番『ザ・グレート』というプログラムは聴き応え十分。PACと共に数々の名演を重ねてきたオランダ生まれの名匠ユベール・スダーンの指揮が冴え渡る瞬間に出会えそうだ。そして注目は、ベートーヴェンのソリストを務める児玉麻里(ピアノ)だ。大阪に生まれて6歳で渡欧した才媛は、今やベートーヴェンのスペシャリストとして世界的に活躍する存在だ。3人の偉大な作曲家たちに想いを馳せる素敵な時間を見逃すことなかれ。兵庫芸術文化センター管弦楽団第139回定期演奏会ユベール・スダーン ザ・グレイト2月17日(金)、18日(土)、19日(日) 15時開演兵庫県立芸術文化センター指揮:ユベール・スダーンピアノ:児玉 麻里管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団●ユベール・スダーン(指揮)オランダ・マーストリヒト生まれ。ブザンソン国際指揮者コンクール優勝、カラヤン国際指揮者コンクール第2位。これまでに、ベルリン・フィル、ロンドン響、バンベルク響、ウィーン響、ミュンヘン・フィル、シュトゥットガルト放響、フランクフルト放響、ドレスデン・シュターツカペレ、ミラノ・スカラ座管弦楽団等、主要なオーケストラを指揮しているほか、パリ・バスティーユ・オペラや、パルマ、パレルモ、ボローニャなどの歌劇場でも指揮している。メルボルン交響楽団首席客演指揮者、ユトレヒト交響楽団音楽監督などを歴任。ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の首席指揮者を経て、2004年9月に東京交響楽団の音楽監督に就任した。オペラでは、2006年新国立劇場で指揮した「皇帝ティートの慈悲」が、年間ベスト・オペラ公演に選ばれている。国際的な音楽祭においても、プラハの春音楽祭、ザルツブルク・モーツァルト週間、ウィーン芸術週間、ラヴェンナ音楽祭など、数多くの音楽祭に参加している。2004年7月、ザルツブルク市名誉市民およびザルツブルク州ゴールデン勲章を授与された。兵庫芸術文化センター管弦楽団とは、定期演奏会やモーツァルト・シリーズで幾度も共演を重ねている。●児玉麻里(ピアノ)大阪生まれ。6歳で渡欧。14歳の時、最年少、最優秀でパリ国立高等音楽院に入学。ピアノをタチアナ・ニコラエワ、アルフレッド・ブレンデルなどに学ぶ。17歳でプルミエ・プリを獲得して卒業。同年、同音楽院のマスター・コースに進み、19歳で修了。この間、数多くのコンクール優勝、上位入賞を果たす。同音楽院を修了後、ロンドン、ニューヨークなど欧米の主要都市で次々とデビューを果たす。現在、ヨーロッパ、アメリカ、日本、アジアで演奏活動を展開する数少ない国際的なピアニストとして名声を確立している。また、ベルリン・フィル、ロンドン・フィル、モントリオール管や、日本各地のオーケストラ等と共演。CD録音も活発で、「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集」、ケント・ナガノ指揮による「ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集(第0~5番)」を完成させている。また、サンフランシスコの室内楽フェスティバル「フォレストヒルミュージカルデイズ」とイタリアの「traluceesogno」の創設者でもある。■チケット情報
2023年01月30日シン・ムジカ - 蓑島音楽事務所主催、シン・ムジカ20周年記念2 『中桐望ピアノリサイタル~ベートーヴェンの四大ソナタ~』が2022年11月19日 (土)に静岡市清水文化会館マリナート 小ホール(静岡県静岡市清水区島崎町214)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 公式ホームページ 『中桐望ピアノリサイタル~ベートーヴェンの四大ソナタ~』【演者曲】L.v.ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ 第8番 『悲愴』Piano Sonata No.8 in c-minor Op. 13 "Pathétique"・ピアノ・ソナタ 第14番『月光』Piano Sonata No.14 in c sharp-minor Op. 27-2 "Mondschein"・ピアノ・ソナタ 第21番『ワルトシュタイン』Piano Sonata No.21 in c-major Op.53 "Waldstein"・ピアノ・ソナタ 第23番『熱情』Piano Sonata No.23 in f-minor Op. 57 "Appassionata"※順不同。曲目は予告なく変更になる場合がございます。プロフィール中桐望 Nozomi NAKAGIRI -Piano東京藝術大学ピアノ専攻を首席卒業。卒業時にアカンサス音楽賞、安宅賞、大賀典雄賞、同声会賞、三菱地所賞を受賞。同大学大学院を首席修了。クロイツァー賞、大学院アカンサス賞、藝大クラヴィーア大賞を受賞。第78回日本音楽コンクール第2位。第58回マリア・カナルス国際音楽コンクール第2位、聴衆賞。第8回浜松国際ピアノコンクール第2位(歴代日本人最高位)など受賞多数。2014年秋よりポーランドで研鑽を積み、CD『ショパン&ラフマニノフ』『ショパンの歌』(オクタヴィアレコード)をリリース。リサイタルツアーにおけるオール・ショパンプログラムの演奏が高く評価され、2015年度日本ショパン協会賞を受賞。ピアノを内山優子、近藤邦彦、平川眞理、芦田田鶴子、大野眞嗣、角野裕、エヴァ・ポブォツカの各氏に、ピアノデュオを角野裕氏、室内楽を岡山潔、伊藤恵の各氏に師事。公演概要シン・ムジカ20周年記念2 『中桐望ピアノリサイタル~ベートーヴェンの四大ソナタ~』公演日時:2022年11月19日 (土)13:20開場/14:00開演会場:静岡市清水文化会館マリナート 小ホール(静岡県静岡市清水区島崎町214)■出演者ピアノ:中桐望■チケット料金一般:3,000円高校生以下:1,000円(全席自由・税込)■主催・お問い合わせシン・ムジカ - 蓑島音楽事務所電話:054-294-8127メール: shinmusica@mbr.nifty.com 文化庁「ARTS for the future! 2」補助対象事業 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年10月06日仲道郁代のライフワークであるベートーヴェン。その解釈と演奏はますます独自の深みを増している。作曲家没後200年の2027年に向けての横浜みなとみらいホールでの「ピアノ・ソナタ全曲演奏会」は、全32曲を4期(8回)に分けて弾き切るシリーズ。第II期の第3回[12月3日(土)]と第4回[2023年4月8日(土)]について聞いた。番号順に、つまりおおむね成立年代順に弾いていくのではなく、今回の全曲シリーズでは各回ごとにテーマを設け、さまざまな切り口でプログラムを組んだ。「ベートーヴェンの思考のかけらが、時を経て、さまざまな作品に現れる。その共通点をみなさまとともに感じることができればと思っています」全体のラインナップを見て気づくのは、何度か同じ曲を演奏すること。第II期で言えば、12月の第17番《テンペスト》や第23番《熱情》、4月の第8番《悲愴》は、他の回でも演奏する。「32曲のソナタの中にある、ベートーヴェンのいくつもの顔を浮き彫りにするためです。同じ曲でも切り取り方によって私の捉え方も変わると思いますし、お聴きになった印象も変わるのではないかと思います。ベートーヴェンの音楽はそれぐらい豊かな表情を内包している。一面だけの音楽ではないのですね」第3回は「テンペスト~飛翔する幻想」をテーマに、第6番、第17番《テンペスト》、第23番《熱情》、第22番、第28番を弾く。「第28番は、ロマン派の幻想曲の大もとになっている形式です。それだけではなくて、同時期の連作歌曲集《遥かなる恋人に》に込めた思い、ものすごくロマンティックな想念がこの中にもあるんですね。《テンペスト》のストーリー性、《熱情》の幻想的な情熱、第6番の演劇的なコメディのようなやりとりの気配。〝幻想〟がさまざまな形で飛翔しているというのがこのプログラムです」第4回「悲愴~はるかなる憧れ」は第3番、第18番、第8番《悲愴》、《エリーゼのために》、第31番。「悲愴と憧れという、相反する言葉ですが、《悲愴》の持つ、辛さ、悲しみの先に、前へと進もうとするエネルギーを捉えることができるプログラムです」第4回の公演前には、仲道が所有するベートーヴェン時代のピアノを弾きながらのプレトーク&コンサートも。(レプリカでなく)1816年製のオリジナルのブロードウッド。これは2公演セット券購入者限定の特典だ。見逃せない。(宮本明)
2022年08月21日佐々木崇(ピアノ)・長岡聡季(ヴァイオリン)・森山涼介(チェロ)東京藝術大学卒業の奏者が揃うMusik Waldコンサート企画主催、ベートーヴェンの室内楽『佐々木崇珠玉の室内楽コンサートvol.5』が2022年9月11日 (日)にウェスタ川越リハーサル室(小ホール) (埼玉県川越市新宿町1-17-17)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて7月11日(月)10:00より発売開始です。カンフェティにて7月11日(月)10:00よりチケット発売開始 公式ホームページ YouTube 本格的なクラシックコンサートをわかりやすいトーク付きでお届けピアニスト・佐々木崇を中心とした、室内楽の魅力を伝える川越市での演奏会第5弾。出演者はすべて実力のある東京藝術大学の卒業生の奏者。難解と思われるクラシック音楽を、分かりやすくトーク付きで解説を交えながら行う演奏会です。普段クラシックに興味がない方にもその良さを知ってもらえるよう、演奏前に毎回わかりやすく解説を行っています。今回はベートーヴェンの室内楽を集め、ヴァイオリンソナタ第2番、チェロソナタ第3番、ピアノ三重奏曲第7番「大公」を取り上げます。<Program>L.v. ベートーヴェン(1770-1827):ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第2番 イ長調 作品12-2(1797/98年)Sonate für Klavier und Violine Nr.2 A-dur Op.12-2ピアノとチェロのためのソナタ イ長調 作品69(1808年)Sonate für Klavier und Cello A-dur Op.69ピアノ三重奏曲 第7番 変ロ長調 作品97 「大公」(1811年)Klaviertrio No.7 B-dur Op.97 “Erzherzog”佐々木崇プロフィール埼玉県川越市出身。3歳よりピアノを始める。埼玉県立大宮光陵高校音楽科を経て、東京藝術大学音楽学部に入学。その後、同大学院修士課程を経て、同大学院博士課程に進み、論文「R.シューマンの初期ピアノ曲のモットー構想-象徴的核音型の回帰手法をめぐって-」で博士号を取得し2011年に卒業。在学中には東京藝術大学ピアノ科のティーチングアシスタントを務める。1997年、第5回ヤングアーチストピアノコンクールEグループ金賞をはじめ、同大学在学中には、第3回日本演奏家コンクール大学の部第1位、第12回彩の国埼玉ピアノコンクールF部門銀賞、第6回東京音楽コンクールピアノ部門第3位など数々のコンクールで優勝・入賞を果たす。さらに、第6回ショパン国際ピアノコンクールin Asiaファイナリスト、第1回高松国際ピアノコン クールセミファイナリスト。2008年に川口リリアホールにて、また2011年、2016年に上野の東京文化会館にてソロリサイタルを開催、2015年には日本フィルハーモニー交響楽団と共演し、いずれもその美しい音色と抒情性を備えた音楽性を高く評価された。2015年年末白寿ホールの主催するコンサート「迫昭嘉の第九vol.1」において師である迫昭嘉氏と共演、好評を博す。2012年から地元川越で毎年リサイタルを開催し、2013年には函館公演も実現するなど精力的に活動を拡げている。また2016年より日フィルのメンバーと共演するなど室内楽にも力を入れている。2018年より6年に渡りシューマンの主要なピアノ曲と室内楽すべてを取り上げる佐々木崇シューマンリサイタルを開催中である。ピアノを、故真継豊子、赤間亜紀子、荻野千里、播本枝未子、迫昭嘉、大野眞嗣、ディーナ・ヨッフェ各氏に師事し、アンジェイ・ヤシンスキー、ヴァディム・サハロフ、パーヴェル・ネルセシアン、エフゲニー・ザラフィアンツ、アンナ・マリコワ各氏のレッスンも受講する。元東京藝術大学ピアノ科非常勤講師、ヤングアーチストミュージックアカデミー講師。アルバム「佐々木崇プレイズシューマン」(DLTS0001)「佐々木崇プレイズショパン」(DLTS0002)「R.シューマン交響的練習曲」(KKTS0001)好評発売中。開催概要ベートーヴェンの室内楽『佐々木崇珠玉の室内楽コンサートvol.5』開催日時:2022年9月11日 (日)13時半開場/14時開演(16時終演)会場:ウェスタ川越リハーサル室(小ホール) (埼玉県川越市新宿町1-17-17)■出演者ピアノ: 佐々木崇 / ヴァイオリン: 長岡聡季 / チェロ: 森山涼介■スタッフ佐々木崇コンサート実行委員■チケット料金一般:3,000円学生:2,000円(全席自由・税込)<カンフェティ限定!>一般:3,000円 → カンフェティ席(一般)2,000円!学生:2,000円 → カンフェティ席(学生)1,000円!(全席自由・税込)【主催】Musik Waldコンサート企画【後援】川越市、(公財)川越市施設管理公社、NPO法人Peaceやまぶき 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年07月11日今年デビュー35周年を迎えたチェロ奏者・長谷川陽子。記念公演でベートーヴェンのチェロ・ソナタ全5曲を弾く[5月19日(木)東京文化会館 小ホール]。これまでどちらかというと避けてきたというベートーヴェン。「楽譜のあちこちに、暗号のように、いわば〝ベートーヴェン・コード〟が埋め込まれているのですけど、それを読み解く面白さがようやくわかってきました。それを理解したうえで弾くと、やはり作品がものすごく生き生きしてくるんです。いろんな経験を積み重ねて、やっとベートーヴェンを弾く入り口にたどり着いたように感じています」2020年。ベートーヴェンの生誕250周年はコロナ禍と重なり、音楽家は人々の前で演奏する機会さえ奪われた。「チェロ・ケースを開くことさえない時間が続いたのはショックでした。そんな中で、やっぱり自分には音楽しかないのだと再確認させてくれたのがベートーヴェン。彼の意思の強さ、メッセージの深さ、そして人類愛。知識や情報としては知っていたことを、その作品から自発的に感じることができたのです。あの時期、たぶん自分の力だけでは這い上がることができなかった。ベートーヴェンが引っ張り上げてくれました」共演のピアノは松本和将(かずまさ)。新しい扉を開けてくれる、と信頼を寄せる。「音があたたかくてどこにも力が入っていない。飄々としていて、でもどんな球を投げてもうまくキャッチしてくれる。それがすごく魅力的です。音楽性は私と正反対かもしれないのですが、それがかえって互いの長所を引き立てあうのだなあと実感しています」高校1年生で日本音楽コンクール第2位入賞。2年後の1987年にデビュー・リサイタルを開いた。「ずっと手ほどきを受けた井上頼豊先生は、音楽をゼロから作る力を身につけなさいと、レコードで聴くような有名曲はあまり弾かせませんでした。真似をしてしまわないように。ところがデビューしてお仕事で弾かせていただくのは有名な曲ばかり。刺激的でした。憧れだった曲を次々に弾けて、とにかく楽しかったという記憶しかありません」弾くのが楽しい。彼女はそのピュアな感覚をずっと変わらず持ち続けている人だと思う。ナチュラルな音楽家だ。ベートーヴェンはリサイタルに合わせてCDもリリース。充実した録音ができたと手応えを語る。経験を重ねて初めて正面から向き合ったベートーヴェン。ライヴもCDも、名演奏・名盤の予感が漂う。(取材・文:宮本明)
2022年03月02日音楽の都ウィーンのガイドブックは数多く存在するが、“ベートーヴェンが現代に蘇ってウィーンの街を散策する”というコンセプトによるガイドブックは前代未聞。博識で知られる指揮者、曽我大介が描き出した一大絵巻は、物語としても楽しい素敵なウィーンガイドブックだ(曽我大介著『ベートーヴェン、21世紀のウィーンを歩く。』/集英社刊)。その中身はといえば、21世紀に蘇ったベートーヴェンが、自らの作品の録音に驚くところからスタートし、初体験の路面電車に乗ってウィーンの街を散策する。今も残る馴染みのホイリゲや自分の銅像とのご対面のほか、当時とは大きく様変わりした料理に舌鼓を打つベートーヴェン。そして自らの墓の前に立った楽聖の思いや如何に。読んで面白くためになり、しかも役立つウィーンガイド。コロナ禍によって海外旅行の敷居が高くなってしまった今だからこそ、バーチャルツアーが楽しめる本書はお薦めだ。
2021年12月16日今井翼が、リーディング・コンサート『ベートーヴェンからの手紙』で朗読劇に初挑戦する。劇中では、楽聖ベートーヴェンの死後、彼が“不滅の恋人”に宛てたラブレターをめぐるミステリーが、読売日本交響楽団チェリスト・渡部玄一率いるトリオによるベートーヴェンの名曲の生演奏に乗って繰り広げられる。ベートーヴェンの弟子フェルディナント・リースに扮する今井は、どのような想いで作品に取り組もうとしているのか──。稽古前の心境に、耳を傾けた。師匠ベートーヴェンの音楽を毎朝聴いて、弟子リースの役イメージつかむ──台本を拝読して、たった2日間の上演ではもったいない作品だと思いました。本作へのご出演が決まった際の率直な想いをお聞かせください。年齢やキャリアとともに挑戦を重ねていきたい──という思いが役者としてあるので、初めて取り組む朗読劇にワクワクしています。“不滅の恋人”はいったい誰なのか、師匠の愛した女性を探す旅に出かけるリースは、劇中でストーリーテラーの役割を果たします。台本を読むだけでなく、登場人物の想いをきちんと咀嚼して臨みたいですね。──今井さん演じるフェルディナント・リースは、ベートーヴェンの前でどんな弟子だったと思いますか?台本を拝読する限り、リースはベートーヴェンのいちばん近くにいた理解者だと思います。彼のつくる音楽に魅せられ、一緒に過ごす時間も長かった。音楽家として致命傷の難聴になって、絶望に苛まれた師匠の胸の内も察していたと思います。遺された手紙には、会うことが叶わない“不滅の恋人”に一刻も早く伝えたい──という情熱がほとばしっていた。誰よりも繊細であるがゆえに、情熱的な音楽をつくってきたベートーヴェンの横顔を知っていたからこそ、リースは“不滅の恋人”探しに出たんじゃないでしょうか。僕には自然な感情の流れに感じました。──やがてリースは出会った“不滅の恋人”候補の女性たちからベートーヴェンの素顔を知ることになります。いまお話しいただいたような彼の人物像を、今井さんは初めての挑戦となる朗読劇でどのように立ち上げていこうと考えていらっしゃいますか?いまは台本を頂戴したのみで、ベートーヴェン役の宮原浩暢(LE VELVETS)さん、ベートーヴェンが初めて結婚を意識したジュリエッタ・グイチャルディ役の小宮有紗さん、“不滅の恋人”として最も有力視されているアントニー・ブレンターノ役の貴城けいさんとのセッションはこれからなんですよね。だからこれまで意識していなかったベートーヴェンの音楽を聴いて、イメージをたくさん膨らませているところです。朝起きて、すぐベートーヴェンの音楽をリビングで流すようにしています。リーディング・コンサート『ベートーヴェンからの手紙』──本作にはベートーヴェンの名曲が10ほど登場します。リビングで聴いているのは劇中のナンバーですか?いえ、登場しないナンバーも聴いていますね。ビギナーなので、できるだけベートーヴェンのいろんな音楽に触れたくて。毎朝聴いていると気分が高揚してきて、活力になる気がしました。繊細なベートーヴェンだからこそ生まれた情熱的なメロディに、きっと影響されているんでしょうね。──本作に登場する・しないを問わず、今井さんの中で印象に残っているベートーヴェンの楽曲を教えてください。そうですね、いっぱいあって困ってしまいますね(苦笑)。有名な「交響曲第5番(運命)」や「交響曲第6番(田園)」は自然と耳に残りますけど、やっぱり持っているCDの1曲目を一日のはじまりに聴く、という意味で「交響曲第1番 ハ長調」ですね。いまやすっかり生活の一部に溶け込んで、僕に“癒し”をもたらしてくれています。──非常に穏やかな楽曲なんですね。ビギナーでいらっしゃるなら、「運命」や「第九(交響曲第9番:歓喜の歌)」のように、リズムを強調した迫力あるメロディが特徴的な代表曲を選ばれるものかと思っていました。そうですよね、ベートーヴェンといえばたしかに「運命」や年末に合唱される「第九」のイメージが強い。でも台本から受け取った僕のベートーヴェン像は、すごく繊細で。愛する人を原動力に想像力が掻き立てられて、どんどん曲が生まれる。そうした楽曲は力強い旋律ではなく、優しく穏やかな作品が多いんじゃないかな……と感じました。リースとして師匠に寄り添う劇中の旅路を前に、自然とベートーヴェンを理解したい気持ちで聴いているのかもしれません。チャレンジ精神を忘れない東山紀之“先輩”に触発され、初挑戦の朗読劇をこれまで、今井さんは歌やダンスで熱量を見せる舞台に数々出演してこられたと思います。対して自身の声や必要最小限の動きのみで魅せる“朗読劇”は、これまで培ってきた武器が封じられているのかな、と感じるのですが……どのように受け止めていらっしゃいますか?「言葉だけの表現」はおっしゃる通り、なかなか奥深い世界ですよね。ただ自分がやるからには、これまで経験させてもらったこと、病を経て得た実感、活動再開して2年目を迎えた“いま”だからこそ血肉になっていることを、初挑戦となるこの朗読劇に注ぎ込めたら……と思っています。──ちなみにリースにとってベートーヴェンが敬愛した“師匠”であったように、現実世界の今井さんにとってそういった存在はどなたになるのでしょうか?若いころから長くお世話になってきて、事務所は変わりましたがいまでも可愛がってくださる東山紀之さんが、僕にとってのすべてにおいて“心の師”なんですよね。東山さんって、歳やキャリアを重ねる中でも常にチャレンジ精神を忘れない方。その真摯な姿勢を後輩として近くで拝見していたからこそ、僕も初めて朗読劇に挑戦してみようと感じました。いちばん尊敬する先輩であって、僕の行動指針となるような存在ですね。──その東山さんにもしっかり作品世界を届けるには、要所で奏でられるベートーヴェンの音楽も欠かせませんよね。朗読と生演奏(トリオ)が融け合うことで生まれる相乗効果を、今井さんはどのように捉えていらっしゃいますか?僕たちキャストの朗読で“不滅の恋人”に対するベートーヴェンの内面や楽曲が生まれた背景が語られたあと実際に生演奏が入るわけですから……すごく贅沢な空間になる予感がしています。劇場で朗読と生演奏が溶け合う時間を体感したら、より高揚してくるんじゃないかな。まずリースを演じる僕自身が、幸福感を抱きつつ形にしていけたらと思っています。──最後に、お誘いのメッセージをお願いします。舞台に限らず、食事やファッションといった趣味嗜好って自分の好きなチョイスに偏りがちですよね。だけど、これまでと異なる栄養を摂ってみると体に変化が訪れるように「あ、こんな世界もあるんだな」って新たな発見に繋がると僕は常々感じているんです。初挑戦の朗読劇も「尊敬する師匠を理解したい」というリースの旅路と似ていて、まだ見ぬ景色を体感したいから。経験できた喜びを、皆さんとも分かち合うことができたら幸いです。声と音楽による、シンプルながらも上質な空間に身を委ねていただきたいですね。取材・文:岡山朋代リーディング・コンサート『ベートーヴェンからの手紙』日程:2021年12月3日(金)・ 4日(土)会場:彩の国さいたま芸術劇場音楽ホールチケット情報
2021年12月01日株式会社ミリオンコンサート協会(所在地:東京都港区、代表取締役:小尾 晋之介)は、大晦日恒例 ベートーヴェン弦楽四重奏曲演奏会を東京文化会館小ホールにて開催いたします。16年連続 第16回 ベートーヴェン弦楽四重奏曲【9曲】演奏会 チラシ表面16年連続にて本年も大晦日に開催される、ベートーヴェン弦楽四重奏曲【9曲】演奏会は我が国を代表する弦楽四重奏団三団体によるマラソンコンサート。毎年それぞれの団体が熱演を繰り広げ、ホールは興奮に包まれます。本年の公演には、我が国の常設のクァルテットとして確固たる地位を築いている、クァルテット・エクセルシオ、古典四重奏団に加え、若い世代のクァルテットの中でも特に進境著しい、クァルテット・インテグラが初登場します。コロナ禍で苦しい活動を強いられながらも志を高く持った若き音楽家たちの演奏にどうぞご期待ください。【出演】クァルテット・インテグラ/クァルテット・エクセルシオ/古典四重奏団<クァルテット・インテグラ>Vn.I 三澤 響果/Vn.II 菊野 凛太郎/Va. 山本 一輝/Vc. 築地 杏里弦楽四重奏曲 ヘ長調 Op.59-1「ラズモフスキーNo.1」弦楽四重奏曲 ホ短調 Op.59-2「ラズモフスキーNo.2」弦楽四重奏曲 ハ長調 Op.59-3「ラズモフスキーNo.3」<クァルテット・エクセルシオ>Vn.I 西野 ゆか/Vn.II 北見 春菜/Va. 吉田 有紀子/Vc. 大友 肇弦楽四重奏曲 変ホ長調 Op.127弦楽四重奏曲 変ロ長調 Op.130弦楽四重奏曲 変ロ長調 Op.133「大フーガ」<古典四重奏団>Vn.I 川原 千真/Vn.II 花崎 淳生/Va. 三輪 真樹/Vc. 田崎 瑞博弦楽四重奏曲 嬰ハ短調 Op.131弦楽四重奏曲 イ短調 Op.132弦楽四重奏曲 へ長調 Op.135【開催概要】公演名 :16年連続 第16回 ベートーヴェン弦楽四重奏曲 [9曲] 演奏会日時 :12月31日(金)14:00 開演(13:15 開場) ※終演21:30頃会場 :東京文化会館小ホール(東京・上野)入場料金 :全席指定 10,000円[チケット取扱い]ミリオンコンサート協会TEL:03-3501-5638ミリオンチケット|検索| ←(オンライン・チケットサービス)※Webサイトからのお申込みはセブンイレブンでのお引き取り東京文化会館チケットサービスTEL:03-5685-0650チケットぴあTEL:0570-02-9999(Pコード:202-229)e+(イープラス) その他詳細: ★他の12月開催 ミリオンコンサート協会主催公演50年連続 第50回 小林道夫チェンバロ演奏会J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988日時 :2021年12月24日(金)14:00(13:15開場)会場 :東京文化会館小ホール(東京・上野)入場料金:全指定席 ¥5,000 絶賛発売中! 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月26日2007年のサントリーホールを完売にして成功させた衝撃的なデビュー公演以来、精力的な活動を続けているピアニスト・外山啓介。このほど、ベートーヴェンのソナタをまとめたソロ・アルバムをリリースし、8月29日(日)にはサントリーホールで『オール・ベートーヴェン ピアノ・リサイタル』を開催する。ベートーヴェンに対する思い、そして、コロナ禍で感じたことをインタビューした。7月28日にリリースしたアルバムには、第21番『ワルトシュタイン』、第8番『悲愴』、第23番『熱情』を収録している。「ベートーヴェンはずっとコンスタントにピアノソナタを書いてきた。弦楽四重奏やシンフォニーなど素晴らしい作品がたくさんあるが、同じぐらいピアノソナタも大切だと思う。いろいろな挑戦が1番から32番まで詰まっている」と外山は話す。その中でもこの3曲を選んだのは「単純に好きだから」というが、「『ワルトシュタイン』は新しい時代の幕開けとなるような、ベートーヴェンにとって大きなソナタの一つだし、『熱情』は中期の一つのゴールになる曲。『悲愴』は、いろいろなことがあるけれど、それでも強く生きていくしかないという前向きなエネルギーを感じる」と魅力を語ってくれた。意外だったのが、アルバムの仕上がりを尋ねたときに「どんなときもそうだが、出来上がったものに対しての“恐怖”がある」と答えたこと。現在、37歳の外山は「もうすぐ40歳。もう若手ではなくて、中堅の域に差し掛かってくる」として、「今後の自分の仕事の展開や、理想を考えると、いい意味で周りからの評価が気になるというか、きちんと自分が登っていけているのか不安に思うようになった」という。しかし、その“恐怖”があるからこそ、「本番がより面白くなった」とも。「何を弾いても《外山啓介》というのは嫌だなと思う。自分がどう弾きたいかではなく、作曲家がどう弾いてほしかったのかを一生懸命考える。自分がピラミッドの頂点に立たないピアニストでありたい」。本来、アルバムも昨夏リリースされる予定で、リサイタルも昨年9月に開催されるはずだったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で敢えなく延期となった。この1年間は「一生忘れられない1年になった」と外山は言う。「当たり前のように、観客の皆さんの前で演奏をしてきたが、それが当たり前ではないということ。自分の仕事がどういうものなのか、これからどうしていきたいのか、今まで自分は何をしてきたのか。いろいろと冷静に振り返ることができた」1日も早くコロナ禍の終息を願う一方、一度立ち止まって、思考を深めることができた点においては、プラスだったようだ。「時間ができたので、自分で知っているつもりだったことをもう一度勉強し直したり、演奏に関してもより高みを目指すことができたり、ほかのピアニストの音楽を積極的に聴いたり。本当に忘れることのできない1年だった」本番まで1ヶ月を切った、サントリーホールでの演奏。観客へのメッセージを尋ねると、外山は「特別な時間になると思う。本番でお客様からいただくパワーは本当に大きい。ぜひ、ベートーヴェンのコンサートを作り上げるために、皆様の力を貸していただきたい」と話した。『《ワルトシュタイン》《悲愴》《熱情》〜ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集』エイベックス・クラシックスAVCL-841223300円(税込)発売中外山啓介 オール・ベートーヴェン ピアノ・リサイタル2021年8月29日(日)14:00開演会場:サントリーホール〈その他のスケジュールはこちら〉取材・文・撮影:五月女菜穂
2021年08月02日ベートーヴェン生誕250年の2000年末、現代最高のピアニストのひとり、クリスチャン・ツィメルマンが、ベートーヴェンの5曲のピアノ協奏曲を一気に録音した。この録音は彼にとって、1989年から1991年にかけて行われた旧録音から約30年を経ての再録音だ。今回は、長年にわたってベルリン・フィルの芸術監督を務めたサー・サイモン・ラトルが、現在音楽監督を務めるロンドン交響楽団を指揮しての共演だけに注目度は高い。まさに現在望みうる最高の顔合わせによる成果や如何に!?サー・サイモン・ラトル© Mark Allanアルバム詳細: ●ツィメルマンのメッセージ「これらの作品をこの何年か演奏していなかったので、とても懐かしく感じています。生涯演奏し続けることができるのに、今無性に弾きたいと感じさせられる。ベートーヴェンの協奏曲とはそのような作品です」すでに全集の中から「ピアノ協奏曲第4番第3楽章」のデジタル先行配信がスタート。CDの国内盤の発売も発表された。3枚組となるCDの国内盤は7月9日に発売。国内盤は普通のCDプレーヤーでも再生でき、MQA対応の機器を使用すれば、ハイレゾ品質を楽しむことができるハイレゾCD(MQA-CD x UHQCD)を採用し、88.2kHz/24bitのハイレゾ音源を収録している。また、レーベル面にはCDプレーヤー内で反射する不要なピックアップ光を吸収する“グリーン・カラー・レーベルコート”を採用して高音質にこだわった仕様での発売となる。■商品情報(CD)『ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集』2021年7月9日発売MQA-CD x UHQCD3枚組UCCG-45005/7定価¥5,500(本体¥5,000税率10%)【収録曲】ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 作品15ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品19ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 作品37ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 《皇帝》クリスチャン・ツィメルマン(ピアノ)ロンドン交響楽団指揮:サー・サイモン・ラトル録音:2020年12月ロンドン(MQA 88.2kHz/24bit)
2021年05月20日2020年のベートーヴェン生誕250年の余韻が未だ続くことを感じさせる魅力的な公演の登場だ(新日本フィルハーモニー交響楽団 #38 ルビー/3月26日&27日:すみだトリフォニーホール)。“『運命』の新たな響きを求めて”というキャッチコピーの下、古楽界の大物 鈴木秀美が新日本フィルハーモニー交響楽団を指揮する同公演は、コロナ禍によって不完全燃焼に終わったベートーヴェン・イヤーを再び輝かせる力に満ちているようにも思える。メインの交響曲第5番『運命』からどのような響きが引き出されるのかはもとより、前半に置かれた『ヴァイオリン、チェロとピアノのための三重協奏曲』という魅力的な選曲にも注目したい。ソリストとして登場する、崔 文洙(ヴァイオリン)、長谷川彰子(チェロ)&崔 仁洙(ピアノ)の3人のコラボレーションやいかに。そして古楽を知り尽くした鈴木秀美が新日本フィルからどのようなパフォーマンスを引き出すのか。興味は尽きない。●公演詳細: ●指揮:鈴木 秀美Hidemi Suzuki, conductor神戸生まれ。20世紀の最後16年間オランダ・ベルギーに住み、ヨーロッパ各地で演奏・指導する他、ブリュッセル王立音楽院バロック・チェロ科に初代教授として招聘され、2000年に帰国するまで務めた。ソリストとして、また18世紀オーケストラ、ラ・プティット・バンドのメンバー及び首席奏者として演奏し、バッハ・コレギウム・ジャパンでは2014年まで首席奏者を務め、バッハの全宗教作品の通奏低音を演奏・録音した。2001年に古典派を専門とするオーケストラ・リベラ・クラシカ(OLC)を創設し、ハイドンを中心とするコンサートを行う。自身のレーベル《アルテ・デラルコ》からOLC、室内楽、ソロ等の録音を続々とリリース。指揮者として日本各地の交響楽団に客演するほか、海外にも招かれる。現在山形交響楽団首席客演指揮者。東京音楽大学チェロ科客員教授、東京藝術大学古楽科講師。楽(らく)遊会弦楽四重奏団メンバー。録音はソロ・室内楽・指揮全般にわたって多数。著書に「『古楽器』よ、さらば!」「ガット・カフェ」「無伴奏チェロ組曲」「通奏低音弾きの言葉では、」。第37回サントリー音楽賞、2011年度斎藤秀雄メモリアル基金賞、文化庁芸術作品賞ほかを受賞。
2021年02月18日前作「ベートーヴェン:交響曲第5番」の圧倒的な演奏によって人気沸騰の指揮者クレンツィスとムジカエテルナによる「ベートーヴェン:交響曲第7番」発売情報が到着した。このアルバムは、当初2020年秋のベートーヴェン・イヤー中に発売を想定されていたが、コロナ禍も含む様々な理由で延期となっていたもの。それが何と急遽、来年4月の発売が決定の知らせが届いたのだから嬉しい限りだ。ジャケットデザインは前作「運命」と共通するもので、地にほんのり薄いイェローグリーンが敷かれている。演奏が聴けるのはまだ先だが、まずは発売情報をチェックしておきたい。年8月にウィーンのコンツェルトハウスで録音されたこのアルバムは、ロシアを拠点に活動する音楽家たちが作曲家の生誕250周年を記念して行った意義深いアルバムであり、2020年4月にリリースされた「交響曲第5番<運命>」と同様に重要なものになることは間違いない。クルレンツィスは、アルバムのブックレットの中でベートーヴェンの「交響曲第7番」について「かつて書かれた交響曲の中で最も完璧な形式をそなえています」と語り、その構造的な完成度を、古典建築の頂点であるアテネの古典と比較している。交響曲第7番の録音は、2021年4月9日(日本では4月7日)にCDとデジタルでリリースされる予定。これは 2021年クラシック界の最大の話題となるに違いない。【商品情報】タイトル:『ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92』テオドール・クルレンツィス指揮ムジカエテルナ日本盤のみ高品質Blu-specCD2仕様SICP305662,200円+税日本盤発売日:2021年4月7日(水)※海外盤発売日:2021年4月9日(金)予定【リンク】テオドール・クルレンツィスオフィシャル・サイト
2021年01月02日2020年に生誕250年を迎えたベートーヴェンの人気と勢いは、年を超えた2021年にも続きそうな雰囲気だ。それを象徴するかのようなコンサートが、1月6日にすみだトリフォニーホールで開催される。今や日本を代表するピアニストに成長した小菅優をソリストに迎えた新日本フィルハーモニー交響楽団(角田鋼亮指揮)の“オール・ベートーヴェン・プログラム”は、聴き応え十分。コロナ禍によって我慢を強いられていた“ベートーヴェンを聴く喜び”が満たされる絶好のチャンス到来だ。「エグモント序曲」に続く「ピアノ協奏曲第1番」&「第5番(皇帝)」というゴージャスなプログラムは、小菅優の今を確認するのにもピッタリ。2021年もベートーヴェン人気は健在だ!●公演詳細1月6日(水)すみだトリフォニーホール大ホール「小菅優&新日本フィルハーモニー交響楽団」●小菅優(YU KOSUGE)高度なテクニックと美しい音色、若々しい感性と深い楽曲理解で最も注目を浴びている若手ピアニストの一人。2000年にドイツ最大の音楽評論誌「フォノ・フォルム」より、ショパンの練習曲全曲録音に5つ星が与えられた。9歳より演奏活動を開始、2005年ニューヨークのカーネギーホールで、翌2006年には、ザルツブルク音楽祭でそれぞれリサイタルデビューを行い、大成功を収めた。これまでにドミトリエフ、デュトワ、小澤、大植、ノリントン、オラモ等の指揮でベルリン響、フランクフルト放送響、シュトゥットガルト放送響、ハノーファー北ドイツ放送フィル、サンクトペテルブルク響、フィンランド放送響、最近ではノットスイスロマンド管と共演。ザルツブルクをはじめラインガウ、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン等の国際音楽祭にも出演し着実に活躍の場を広げている。2010年ザルツブルク音楽祭で、イーヴォ・ポゴレリッチの代役としてフィリップ・ヘレヴェッヘ指揮カメラータ・ザルツブルクと共演し、絶賛を博した。2012年4~5月、紀尾井シンフォニエッタ(指揮:ティエリー・フィッシャー)のアメリカ・ツアーに参加、10~11月にはハンスイェルク・シェレンベルガー指揮カメラータ・ザルツブルクの日本ツアーに参加、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番から第27番までの全8曲を共演し、高い評価を得た。2013年2月、服部譲二指揮ウィーン室内管弦楽団とモーツァルトのピアノ協奏曲第9番変ホ長調K.271「ジュノム」を共演、ウィーンデビュー。そしてロンドンのウィグモアホールでリサイタルを行いロンドン・デビューを果たした。2010年から15年にはベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会(全8回)を東京、大阪で行い各方面から絶賛を博した。さらに現在はソロだけでなく室内楽や歌曲伴奏を含む、ベートーヴェンのすべてのピアノ付き作品を徐々に取り上げる新企画「ベートーヴェン詣」に取り組んでいる。録音はソニーから発売している「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第5巻『極限』を含む15枚のCDをはじめ数多い。第13回新日鉄音楽賞、2004年アメリカ・ワシントン賞、第8回ホテルオークラ音楽賞、第17回出光音楽賞を受賞。2014年に第64回芸術選奨音楽部門 文部科学大臣新人賞、2017年に第48回サントリー音楽賞受賞。2016年秋、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集完結記念ボックスセットをリリース。2017年秋より取り組んでいる4つの元素「水・火・風・大地」をテーマにした新リサイタル・シリーズ『Four Elements』が今秋で最終回を迎える。
2020年12月18日2020年はベートーヴェン誕生から250周年。これまでその正体がわからなかった、“不滅の恋人”をアントニー・ブレンターノとし、ベートーヴェンの姿に迫る音楽劇、『Op.110 ベートーヴェン「不滅の恋人」への手紙』が東京・よみうり大手町ホールにて開幕した。本作は「エリザベート」などウィーン作品を日本上演する際のコーディネーター等も務める小熊節子が原案を担当。演出には現代日本を代表する演出家・栗山民也、脚本はDISCOVER WORLD THEATRE「罪と罰」で翻訳を務めた木内宏昌。舞台『Op.110 ベートーヴェン「不滅の恋人」への手紙』の公演チケット情報ベートーヴェンが多数の手紙をしたためながら、出すことがなかった「不滅の恋人」への手紙。その宛先が、アントニー・ブレンターノとしたのが今作だ。アントニーは裕福な貴族家庭に生まれ、ベートーヴェンとは結婚前に出会う。ベートーヴェンの音楽に魅せられるも、父親から実業家フランツ・ブレンターノとの結婚を決められてしまう。その二人が数年を経てまた出会い、かくしてアントニーはベートーヴェンの不滅の恋人となったのか……ということが語られていく。17歳でのベートーヴェンとの出会いと禁断の恋、そして別れとその後の姿までが描かれるアントニー・ブレンターノを演じるのは一路真輝。少女から、様々な出来事を経て一人で立つ女性の姿を、繊細に演じている。また田代万里生が演じるのはベートーヴェンの弟子であり、後年その伝記を書くことになる若き音楽家フェルディナント・リース。今作のストーリーテラーでもあり、田代ならではの伸びやかな歌唱も見どころだ。また今作の大きな特徴ともいえるのが、タイトルにもあるベートーヴェン自身は出ないこと。彼の姿を映すのは登場人物たちの回想。アントニー、フェルディナントだけでなく、例えばベートーヴェンの弟子であり、彼を愛したジョゼフィーネ(演・前田亜季)、肖像画を描いたシュティラー画伯(演・石田圭祐)らとの会話、回想を元に、ベートーヴェンがどのような人であったかを舞台上に浮かび上がらせている。舞台の真ん中には一台のピアノが置かれ、音楽家・新垣隆が生演奏を行う。生演奏の力強さ、また役者たちのセリフのリフレインや、歌唱と合わさって生まれる機微も、改めて舞台だからこその喜びを感じさせてくれる。ぜひ今年だからこそ、劇場に響く歓喜の歌を体感してほしい。公演は12月26日(土)まで、東京・よみうり大手町ホールにて開催。チケットぴあでは座席指定券を、各公演開演時間まで販売中。
2020年12月15日“これぞベートーヴェン・イヤー”というコンサートが目白押しの年末。またまた超強力な企画が開催される。南紫音(ヴァイオリン)と清水和音(ピアノ)によるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会だ(12月4日、5日、6日/サントリーホール ブルーローズ)。この作品群が画期的なことはピアノにある。当代一のピアノの達人であったベートーヴェンは、単なるヴァイオリンの伴奏とは全く異なる、ヴァイオリンとピアノが対等に渡り合うヴァイオリン・ソナタを作り上げたのだ。もちろんヴァイオリンが奏でるメロディの美しさや切なさはそのままに、更にピアノがそれに呼応する流れは、“1粒で2度美味しい”音世界。まさにベートーヴェンならではの作品だ。ベートーヴェンが遺した全10曲のヴァイオリン・ソナタを3日間に分けて全曲演奏する今回の試みはまさにベートーヴェン・イヤーならでは。大音楽家の深化の過程を辿るという意味においても価値がある。そして注目は演奏者だ。2005年の「ロン=ティボー国際音楽コンクール」ヴァイオリン部門第2位に輝く俊英、南紫音(みなみしおん)のヴァイオリンと、1981年の「ロン=ティボー国際音楽コンクール」ピアノ部門で優勝を果たした名手、清水和音(しみずかずね)の共演となればこれは見逃せない。選びぬかれたソリスト同士の共演によってこそ、さらに輝きを増すであろうベートーヴェンの名作をじっくり味わいたい。■公演概要12月4日(金)、5日(土)、6日(日)サントリーホール ブルーローズ(小ホール)「南紫音ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ 全曲演奏会」
2020年11月22日その重要性から“クラシックの旧約聖書”と言われるヨハン・セバスチャン・バッハの「平均律クラヴィーア曲集」に対し、“新約聖書”に例えられる名作が、ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ全集」だ。当代一のピアノの名手ベートーヴェンが遺した32曲のピアノ・ソナタを聴くことは、まさにベートーヴェンの人生を辿るかのような濃密な時間を過ごすことに等しい。さらには、1曲1曲が全く違う個性を持つこの作品群は、ベートーヴェン作品の根底をなすエッセンスとでも言えそうだ。この32曲を2日間で一挙に演奏しようという途方も無い企画が催される。演奏者は日本を代表するピアニスト横山幸雄だ。すでに同曲の全曲録音も成し遂げている横山にとって、ベートーヴェンはライフワークとして取り組む作曲家。今回はどのような演奏を聞かせてくれるのかに注目だ。そのヒントとなりそうな一言がチラシの裏に書かれている。「もしベートーヴェンが今の混乱した世の中に直面したとするならば、何をどのように考えてどんな行動を起こすのか……」。生誕250年のメモリアルイヤーに巻き起こったコロナ禍の中だからこそ聴くべき音楽がここにある。●横山幸雄 × ベートーヴェン-ピアノ・ソナタ全32曲連続演奏会-【第1日第1部~第5部】日時:2020年12月5日(土) 13:00開場 / 終演予定12:00 / 21:00会場:東京文化会館 大ホール出演:横山幸雄 (ピアノ)【第2日第6部~第11部】日時:2020年12月6日(日) 11:00開場 / 終演予定:10:00 / 17:30会場:東京文化会館大ホール出演:横山幸雄(ピアノ)●曲目・演目Program【第1日 12月5日(土)】<第1部> 13:00~14:00ソナタ第1番 Op. 2-1ソナタ第2番 Op. 2-2ソナタ第3番 Op. 2-3<第2部> 14:30~15:30ソナタ第19番 Op. 49-1ソナタ第20番 Op. 49-2ソナタ第4番 Op. 7ソナタ第5番 Op. 10-1ソナタ第6番 Op. 10-2<第3部> 16:00~17:00ソナタ第7番 Op. 10-3ソナタ第8番 Op. 13 「悲愴」ソナタ第9番 Op. 14-1ソナタ第10番 Op. 14-2<第4部> 17:30~18:40ソナタ第11番 Op. 22ソナタ第12番 Op. 26 「葬送」ソナタ第13番 Op. 27-1ソナタ第14番 Op. 27-2 「月光」<第5部> 19:30~21:00ソナタ第15番 Op. 28 「田園」ソナタ第16番 Op. 31-1ソナタ第17番 Op. 31-2 「テンペスト」ソナタ第18番 Op. 31-3※各部の演奏開始時間は予定です。【第2日 12月6日(日)】<第6部> 11:00~12:00ソナタ第21番 Op. 53 「ワルトシュタイン」ソナタ第22番 Op. 54ソナタ第23番 Op. 57 「熱情」<第7部> 13:00~13:35ソナタ第24番 Op. 78 「テレーゼ」ソナタ第25番 Op. 79ソナタ第26番 Op. 81a 「告別」<第8部> 14:00~14:30ソナタ第27番 Op. 90ソナタ第28番 Op. 101<第9部> 15:00~15:40ソナタ第29番 Op. 106 「ハンマークラヴィーア」<第10部> 16:00~16:40ソナタ第30番 Op. 109ソナタ第31番 Op. 110<第11部> 17:00~17:30ソナタ第32番 Op. 111※各部の演奏開始時間は予定です。
2020年11月19日この秋予定されていた「ベートーヴェン生誕250周年&アイザック・スターン生誕100周年に捧ぐ〜」という素敵なサブタイトルが付けられた五嶋みどりのこのコンサートは、コロナ禍によって残念ながら中止となってしまった。今や“世界のミドリ”となった五嶋みどりの“今”を聴く絶好のチャンスだっただけに残念至極。その彼女の名を一躍有名にしたのが、奇しくも今年没後30年を迎えた指揮者&作曲者のレナード・バーンスタインとの共演だった。20世紀のアメリカ音楽界を支えてきたスターンとバーンスタインは、数多くの若手音楽家に手を差し伸べ、育ててきたことでも有名だ。五嶋みどりこそはその代表格。ベートーヴェンの名作を通じてスターンやバーンスタインへの感謝の思いを綴る姿は、まさに“特別”の言葉がふさわしい。その五嶋みどりによる最新アルバム、ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」の録音セッション映像がアップされた。ファンならずともこれは垂涎!■アルバム情報『ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲、ロマンス(2曲)(UHQCD)』2020.10.14 発売¥2,800+税WPCS-13834<収録内容>ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品611.第1楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ2.第2楽章:ラルゲット3.第3楽章:ロンド(カデンツァ(全3楽章):フリッツ・クライスラー)4.ベートーヴェン:ロマンス(ヴァイオリンと管弦楽のための)ト長調作品405.ベートーヴェン:ロマンス(ヴァイオリンと管弦楽のための)ヘ長調作品50五嶋みどり(ヴァイオリン)ルツェルン祝祭弦楽合奏団ダニエル・ドッズ(リーダー)詳細は以下参照●五嶋みどり
2020年10月31日横浜ロイヤルパークホテルは、ベートーヴェンの生誕250年を記念したスペシャルランチを、2020年11月1日(日)から2021年1月6日(水)まで地下1階レストラン&バンケット「フローラ」にて提供する。ベートーヴェンの誕生を祝した今回のランチコースは、ベートーヴェンが愛した料理や、彼が半生を過ごしたオーストリア・ウィーンに着想したメニューをフローラ風にアレンジ。前菜からデザートまで、随所にベートーヴェンの世界観を散りばめた。前菜には、憧れのモーツァルトが食したとされるスープにウィーン風カナッペを添えたものや、ウィーン風に仕上げたフライドチキンといった3品を用意。メインは、2種類から選択でき、1つはベートーヴェンが好んだとされる白身魚のポワレ。プレートには、ポテトのパンケーキが添えられている。もう一方は、ミートソースのウィーン風クレープとチキンのポワレを合わせた1品だ。コースを締めくくるデザートには、コーヒー好きで知られるベートーヴェンから着想したコーヒーゼリーや、りんごを薄い生地で巻いたオーストリアの伝統菓子「シュトゥルーデル」風に仕上げたスイーツ、ミルクアイスなどがラインナップする。【詳細】「ベートーヴェン生誕250年スペシャルランチ vol.2」期間:2020年11月1日(日)~2021年1月6日(水)時間:平日 11:30~13:30L.O、土日祝日 11:00~14:30L.O ※木曜一時休業場所:地下1階 レストラン&バンケット「フローラ」住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい2丁目2−1−3料金:2,783円(税込) ※サービス料込■メニュー・前菜バックヘンデルサラダ パンプキンシードドレッシング、憧れを抱いていたモーツァルトゆかりのスープにウィーン風カナッペを添えて、ウィーン風ポテトサラダにサーモンを添えて ホースラディッシュをきかせたビネグレットにて・メイン(1品を選択)ミートソースのパラチンケンとチキンのポワレ シェルマカロニのチーズ和えと共に~音符を添えて~、白身魚のポワレとカルトッフェル・プッファー パプリカソース ~楽聖のお気に入り白身魚のソテーポテト添えから~・デザートコーヒーゼリー~コーヒー好きで有名なベートーヴェン~、りんごのシュトゥルーデル風~ウィーンのお菓子~、ミント香るフルーツポンチ~ポンチ酒のシャーベットから~、ミルクアイス・ドリンクコーヒー/紅茶※状況により営業内容やメニュー内容が変更になる場合あり【予約・問い合わせ先】TEL:045-221-1155(10:00~19:00)
2020年10月29日20世紀アメリカが生んだ名指揮者にして作曲家レナード・バーンスタイン(1918-1990)が、名門ウィーン・フィルと共に取り組んだベートーヴェンの全交響曲演奏会は、ニューイヤー・コンサートでも有名なウィーン楽友協会大ホールをメインに、ウィーンが誇る世界的な劇場に於いて1977年~1979年にかけて行われた。ライブ収録されたこれらのコンサートは、1980年のレコード・アカデミー大賞(音楽之友社選定)を受賞。1982年には、序曲、ミサ曲などを含めて制作されたTVシリーズが、エミー賞(1982)にノミネートされるなど、クラシック史上屈指の名演として有名だ。「ベートーヴェン生誕250年」「レナード・バーンスタイン没後30年」の節目の年となる今年12月。この歴史的なライブ映像が、スクリーンで一挙上映されることになった(9曲を5つのプログラムに編成して上映)。指揮台から飛び上がるほど情熱的でエネルギッシュなバーンスタインの指揮に応えて、燃えに燃えるウィーン・フィルの名手たちの演奏はまさに圧巻。ベートーヴェンの交響曲の魅力を余すところなく伝える至福の400分が目前だ。www.tk-telefilm.co.jp/9●開催日程(東京)12月1日(火)~ 12月18日(金)東京都写真美術館ホール※休映日12/7,12,14(札幌)12月19日(土)~ 12月25日(金)シアターキノ(福岡)12月19日(土)~ 12月25日(金)KBCシネマ(大阪)12月25日(金)~ 1月7日(木)テアトル梅田(名古屋)12月26日(土)~1月15日(金)名演小劇場※休映日12/31,1/1・その他全国主要都市にて順次開催*上映スケジュールなど詳細は、各会場のHPにて発表(c)Unitel●上映作品詳細・交響曲第1 番ハ長調Op.21(1978)・交響曲第2 番ニ長調Op.36 (1978)・交響曲第3 番変ホ長調Op.55「英雄」(1978)・交響曲第4 番変ロ長調Op.60 (1978)・交響曲第5 番ハ短調Op.67「運命」(1977※ウィーン・コンツェルトハウス・交響曲第6 番ヘ長調Op.68「田園」(1978)・交響曲第7 番イ長調Op.92 (1978)・交響曲第8 番ヘ長調Op.93 (1978)・交響曲第9 番ニ短調Op.125「合唱つき」(1979)※ウィーン国立歌劇場*独唱:ギネス・ジョーンズ(S)、ハンナ・シュヴァルツ(A)、ルネ・コロ(T)、クルト・モル (Bs)※以外はウィーン楽友協会大ホールにて収録●鑑賞料金各プログラム当日券2,800円均一 / 前売券2,500円均一(各税込)※前売券1枚につき、A~Eいずれかのプログラムを上映期間中1回のみ有効A.1番&3番「英雄」 30 分/57 分B.2番&5番「運命」 40 分/39 分C.4番&6番「田園」 39 分/49 分D.7番&8番 43 分/30 分E.9番「合唱付」 76 分
2020年10月17日ベートーヴェン生誕250年を記念した多くの公演の中でも、とびきりユニークなのが、“ジャズ界の大御所”山下洋輔によるベートーヴェン公演だろう。プログラムに選ばれたベートーヴェン作品は、ピアノ・ソナタ第6番、8番「悲愴」、第14番「月光」&「エリーゼのために」など有名ピアノ曲の聴きどころを披露する他、交響曲第9番「合唱付き」&第5番「運命」などまで加えられているあたりがいかにもジャズの鬼才山下洋輔だ。さらにはオリジナルのオマージュ曲も披露されるとなれば、これは気になる。共演者には、八尋知洋(パーカッション)や飛鳥ストリング・クァルテット(弦楽四重奏)などなどの腕利きたちが顔を揃え、“楽聖”ベートーヴェンの名曲の数々に対峙する。“異種格闘技戦”とでも言えそうなこのステー上に、ベートーヴェンがいったいどのような姿を見せるのか。強烈極まりない山下洋輔流のベートーヴェンが炸裂するその瞬間に立ち会いたい!●日程2020年10月16日 (金)19:00 開演(ロビー開場18:00)●会場東京芸術劇場コンサートホール●曲目ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第6番 へ長調 op.10-2 第1楽章ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 op.13「悲愴」第2楽章ベートーヴェン:エリーゼのためにベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 op.27-2「月光」第1楽章山下洋輔:オマージュベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 op.125 第2楽章より*ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調 op.68「田園」第1楽章より*ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 op.67「運命」第1楽章より**編曲:櫛田哲太郎●出演ピアノ:山下洋輔パーカッション:八尋知洋弦楽四重奏:飛鳥ストリング・クァルテットヴァイオリン:マレー(金子)飛鳥相磯優子ヴィオラ:志賀恵子チェロ:西谷牧人●山下洋輔(ピアノ)1969年、山下洋輔トリオを結成、フリー・フォームのエネルギッシュな演奏でジャズ界に大きな衝撃を与える。国内外のジャズ・アーティストとはもとより、和太鼓やシンフォニー・オーケストラとの共演など活動の幅を広げる。1988年、山下洋輔ニューヨーク・トリオを結成。国内のみならず世界各国で演奏活動を展開する。2000年に発表した自作協奏曲を佐渡裕の指揮により2004年にイタリア・トリノで再演。2006年オーネット・コールマンと、2007年にはセシル・テイラーと共演。2008年「ピアノ協奏曲第3番<エクスプローラー>」を発表。2009年、一柳慧作曲「ピアノ協奏曲第4番 "JAZZ"」を世界初演。歴代メンバー総出演の「山下洋輔トリオ結成40周年記念コンサート」を開く。2016年、ウィーン楽友協会ホールで佐渡裕指揮のトーンキュンストラー管弦楽団と共演し、大成功を収める。2018年、ニューヨーク・トリオの結成30周年記念アルバム『30光年の浮遊』をリリースし、国内ツアーを行う。2019年、山下洋輔トリオ結成50周年を迎える。1999年芸術選奨文部大臣賞、2003年紫綬褒章、2012年旭日小綬章を受章。国立音楽大学招聘教授。演奏活動のかたわら、多数の著書を持つエッセイストとしても知られる。公式ホームページ
2020年10月09日俳優の稲垣吾郎が音楽家・ベートーヴェンを演じた舞台『No.9-不滅の旋律-』が、2015年、2018年の上演に続き、ベートーヴェン生誕250周年の今年、再々演されることが決定した。聴力を失いながらも数々の名曲を残し、後世の音楽家達にも多大な影響を与えたベートーヴェン。最後の交響曲「第九番」まで、彼はどんな時間を生きたのか。その波乱と苦悩の生涯を新しい視点と意欲的な演出&音楽表現で描く本作は、演劇と音楽を越境した感動を呼び起こす傑作として初演時から高い評価を得てきた。ベートーヴェン生誕250周年の今年、再々演が決定。12月13日~2021年1月7日に東京・TBS赤坂ACTシアター にて上演される。今回の再々演を企画するにあたり、ベートーヴェンの生誕を祝う記念すべき公演として11月にウィーン・フォルクス劇場での開幕を予定していたが、今なお世界中で猛威を振るう新型コロナウィルスの感染状況を考慮し、ウィーン公演の中止を決断し、東京公演のみ細心の注意を払い上演することとなった。初演からベートーヴェンを演じ、回を重ねるたび新たな生命を吹き込む熱演を見せるのは稲垣吾郎。度重なる人生の困難に翻弄され、自身の身も心も引き裂くような激情でそれらを乗り越える天才の圧倒的な存在感と、人としての繊細な感情の機微を、楽聖が憑依したような迫真の演技で体現してきた稲垣が、表現者としてさらに円熟味を増した今、さらなる演技の深化を見せる。ベートーヴェンを秘書として支えるマリア役は、再演で高い評価を得た剛力彩芽が続投。他にも片桐仁、村川絵梨、岡田義徳、深水元基、橋本淳、奥貫薫、羽場裕一、長谷川初範ら実力派俳優が引き続き盤石のドラマを築く上に、『刀剣乱舞』や『ヒプノシスマイク』などの人気公演で注目を集める前山剛久が新たに座組に加わる。また、幼少期のベートーヴェンは、TBSドラマ『テセウスの船』で殺人鬼を演じ、天才子役と謳われた柴崎楓雅が演じる。稲垣と演出の白井晃氏のコメントは以下の通り。■稲垣吾郎2020年はベートーヴェン生誕250周年。その記念すべき年に、舞台『No.9-不滅の旋律-』を上演し、回を重ねてルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンという天才音楽家を演じられることを、非常に嬉しく思います。2015年の初演時は、これまで演じたどの役とも違う圧倒的な存在感や強烈な個性に戸惑い、悩ましい時間を過ごしました。けれど演出の白井晃さんをはじめ、共演の皆さんがしっかりと支えて下さる中、徐々にベートーヴェンと僕との距離は縮まっていったのです。結果、自分なりのベートーヴェン像が、回を追うごとに確かなものになっていったように思います。俳優の仕事には、その時の自分が役に影響を及ぼすドキュメンタリー的な部分がある。自分の「今」をオリジナル作品で、しかも偉大な音楽家に託して表現する機会もくださった制作の方々には感謝しかありません。実は今回、ベートーヴェンが活躍したオーストリアの首都ウィーンでの公演も予定していました。場所はベートーヴェン没後に建てられた、当時の栄華を残す「フォルクス劇場」です。けれど、その素晴らしい企画は世界を覆う新型ウイルスの脅威により、断念することになりました。加えて国内での創作・上演も、これまで以上に注意を払い、万全の感染予防対策を行ったうえで進めねばなりません。でも、この厳しい状況下だからこそ僕は『No.9』を、一人でも多くの方に届けたいと思うのです。劇中終盤の交響曲第九番、その中で力強く歌い上げられる「歓喜の歌」は作品の白眉であり、世界の平和と幸福を願い、自身の孤独をも昇華しようという作曲家の大いなる祈りが込められています。まさに現状に苦しむ人々に、届けるべき調べと言葉がそこにあるのです。だからこそ迷いなく創作を深め、僕が愛してやまない人間ベートーヴェンを再び舞台で生きることは大きな使命。その先には、再びの「夢」に手が届く日も来るはずです。さらなる未来へと続くこの上演を、多くの方に見届けていただきたいと思います■白井晃この歓喜のドラマは、生きることへの讃歌です。苦しみの中からひと掴みの喜びを見出す物語です。今、演劇は大変厳しい状況に直面しています。再再演の機会に恵まれ、11月にはベートーヴェンの活動拠点だったウィーンでの公演が決まっていました。日本で生まれたベートーヴェンの物語を本場で披露することを楽しみにしてきましたが、残念ながらこのチャンスは未来に持ち越されることになりました。私たちの心は、今、見えない恐怖の前に萎縮してしまっています。しかし、本来、私たちの営みは、生きる意味を見出し、それぞれの喜びを得るためにあるはずです。ですから、私たちは立ち停まることなく前に向けて進む道を選びました。この公演を実現することで皆さんと、この物語を共有するという喜びを、改めて分かち合いたいと思っています。(C)岩田えり
2020年08月26日関西の人気オーケストラ「兵庫県立芸術文化センター管弦楽団(PAC)」による特別演奏会「ベートーヴェン生誕250年佐渡裕音楽の贈りものPAC with ベートーヴェン!」シリーズがスタートする。第1回目となる9月12(土)・13(日)公演では、交響曲第1番&第3番「英雄」を披露。記念すべきシリーズに華を添える。新型コロナウィルスの影響により、2020-21シーズンの定期演奏会開催を当面の間取りやめることを決定している同楽団だけに、定期演奏会に変わる特別なシリーズのスタートは、ファンにとってたまらない贈り物と言えそうだ。指揮はもちろんPAC芸術監督を務める佐渡裕。ベートーヴェンが29歳の時に完成させ、世の中にその才能を知らしめた名作「第1番」と、交響曲の新たな可能性を切り開いた名作「第3番“英雄”」。2曲の間に流れる4年の時間がベートーヴェンに与えた変化と進化とはいったいどのようなものっだったのか。そのあたりの聴き比べも意識しつつ、兵庫県立芸術文化センターに足を運びたい。公演日2020年9月12日(土)・13日(日)開演14:00 (開場13:00)会場芸術文化センターKOBELCO大ホール料金A ¥4,000/B ¥3,000/C ¥2,000/D ¥1,000出演佐渡裕(指揮)、兵庫県立芸術文化センター管弦楽団(PAC)プログラムベートーヴェン:交響曲 第1番ベートーヴェン:交響曲 第3番「英雄」
2020年08月18日今年生誕250年を迎える“楽聖”ベートーヴェンが、13歳か14歳の1874年に作曲したと伝えられる「ピアノ協奏曲第0番」を体験できるコンサートが開催される。「チェンバロ協奏曲ホ長調」とも呼ばれるこの作品には、残念ながらピアノ・パートのみしか遺されていないため、他の5曲のピアノ協奏曲とは全くの別扱い。録音はもとより、演奏されるケースも極めて少ない幻のベートーヴェン作品と言えそうだ。演奏するためには当然ながら、失われてしまったオーケストラ・パート譜の復元が求められる。これについては、すでに何人かの音楽学者や演奏者の手によって復元された楽譜が複数存在する。今回行われるコンサートではどのような復元譜が用いられるのかも気になるところだ。ベートーヴェンが遺した草稿や部分的なパート譜をもとに復元された楽譜を元に演奏された録音からは、少年ベートーヴェンの豊かな才能が聞き取れる。これを生演奏で体験できる絶好のチャンス到来。まさにベートーヴェンのメモリアルイヤーならではのイベントだ。公演は、9月13日(日)に開催されるミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団の「第159回名曲全集」。原田慶太楼の指揮のもと、鐵百合奈のピアノが、若きベートーヴェンの幻の作品を蘇らせる!●公演詳細「ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団名曲全集第159回」2020年9月13日(日)14:00開演/ミューザ川崎シンフォニーホール原田慶太楼(指揮)、鐵百合奈(ピアノ)、東京交響楽団(プログラム)スッペ:喜歌劇『詩人と農夫』序曲ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第0番プロコフィエフ:交響曲 第5番
2020年08月13日クラシック業界では、ベートーヴェンが生誕250周年であることが話題を呼んでいます。ベートーヴェンといえば、学校の音楽室に飾られている、コワイ顔をした肖像画を記憶している人もいるのではないでしょうか。そして、音楽の授業などで、一度は「ジャジャジャジャーン!」という、交響曲第5番「運命」の出だしを聴いたことがあるという人も多いはずです。お堅いイメージを一新!クラシック音楽というと、静かに聴いていなければならない、というイメージ…。そんなお堅いイメージをガラっと変え、ロックなベートーヴェンを演出したのは、指揮者であり、『クラシカルDJ』でもある水野蒼生さんです。クラシック音楽のみをミックスする『クラシカルDJ』は、クラシック音楽界でも前代未聞で、名乗っているのは、水野蒼生さんだけ。バロック、古典、ロマン派、現代など幅広いクラシック音楽をハーモニーでつなぎ、楽器を演奏しないDJというパフォーマンスを実現しています。まずは、話題になっているミュージックビデオをぜひご覧ください。水野蒼生さんは、クイーンのフレディマーキュリーをこよなく愛する、26歳(2020年現在)のイケメン。ザルツブルク・モーツァルテウム大学のオーケストラ・合唱指揮の両専攻を首席で卒業、欧州では、2015年にザルツブルク州立歌劇場の音楽監督のアシスタントを務めるほか、数々のプロオーケストラを指揮しました。2019年のコンサートで、May.Jさんや葉加瀬太郎さんのバックでオーケストラの指揮を担当するなど、国内外で活躍中です。そんな水野蒼生さんのYoutube動画『Beethoven Symphony No.5 1st Movement(運命)』は、ロック風にアレンジされたベートーヴェン。ダンサーの木村仁美さんとともに表現した3分少々の動画は、とてもアート性の高い作品です。水野蒼生さんと木村仁美さんが動画の中で対峙し、まるで人間の内面にあるさまざまな感情や苦悩を表現しているかのようですね。[文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2020年07月20日“桜の季節の風物詩”「東京・春・音楽祭」の名物「マラソンコンサート」の今年のテーマは、生誕250年を迎える“クラシック界のスーパースター”ベートーヴェンだ。午前11時にスタートするこの公演は、最終19:00スタートに至る各回60分の5部構成。その中身は、ベートーヴェンが後半生を過ごしたウィーンにゆかりの作品を取り上げながら、彼の波乱万丈の障害を辿るという興味深いもの。第1部「ベートーヴェンと革命思想のウィーン」、第2部「ベートーヴェンと皇侯貴族のウィーン」、第3部「ベートーヴェンと楽友協会のウィーン」、第4部「ベートーヴェンと祝祭会議のウィーン」、第5部「ベートーヴェンと保守反動のウィーン」。以上どのパートも名曲名演のオンパレード。今更ながらにベートーヴェンの凄さを実感する一時になりそうだ。公演トータルタイム6時間の長丁場のこのイベント、さてさて途中棄権することなく乗り切れるのか。本物のマラソンと違うのは、公演単位での途中参加も途中棄権も可能なこと。“好きなパートを好きなだけ”というのがマラソン・コンサートの楽しみ方だ。レッツ・エンジョイ・ベートーヴェン!(c)東京・春・音楽祭実行委員会/青柳聡●公演概要3月29日(日)東京文化会館小ホール「東京春祭マラソン・コンサートVol10ベートーヴェンとウィーン」
2020年03月19日