1930年代の中国・上海を舞台に、激動の時代に秘められた恋と人間模様をマキノノゾミが描き出すオリジナル音楽劇『魔都夜曲』。7月7日(金)の東京公演初日を約3週間後に控えた稽古場を訪れると、演出を手がける河原雅彦のもと、主演の藤木直人らキャストが丁寧な稽古を繰り広げていた。音楽劇『魔都夜曲』チケット情報物語は、暴漢の代わりに警官に連行された主人公の日本人青年・白河清隆(藤木)と、中国人の兄妹・周志強(小西遼生)と周紅花(マイコ)の出会いから始まる。この日、稽古がつけられたのは3人が出会った直後の場面。清隆の住むアパートの応接室で、医師・西岡(村井國夫)から傷の手当てを受けるシーンだ。日本政府の要人を父に持つ御曹司で遊学中の身でありながら、送金を全て遊興に使ってしまう清隆。そんな屈託のない奔放なキャラクターを、藤木は明るく豊かな表情と大きな動きで造形する。特に目付け役である外交官・籾田(山西惇)の説教に対して、自ら「ソファの背もたれを飛び越えて正座してみるとか?」と提案し実際にジャンプ。見事に着地してみせると、稽古場全体に和やかな笑いが。河原も「チャーミングですね」と笑顔でうなずいた。細かな修正を重ねながらブラッシュアップを図る河原は、演出席を離れキャストの前で自ら演じてみせることも。こだわっていたのは、登場人物の感情や行動の“必然性”。「今の演技では芽衣(春風ひとみ)が上機嫌になる理由がわからない。相手を動かし感情に作用するにはどうしたらいいか考えると、おのずと取るべき動きの分量や大きさが決まってくる」と指示を投げかけ、キャストに最善策を探らせた。これにすぐさま反応したのが、兄妹役の小西とマイコ。2014年と2016年に上演された『ガラスの仮面』に出演し、同じチームで作品づくりに携わってきた2人は、本作でも息がぴったり。ベテラン勢の山西や村井もすかさず応戦すると、ぐっと魅力あるシーンに変化していく。さらに歌唱シーンの稽古では、キャスト達が伸びやかな歌声を聞かせた。本作には列強の共同租界地であった異国情緒あふれる上海にふさわしく、唱歌やジャズなど多彩なナンバーが登場。バンドの生演奏が舞台に華を添えるという。やがて恋に落ちる清隆と紅花をはじめ、音楽がどのように人間模様を彩るのか、劇場で確かめよう。東京公演は7月29日(土)までシアターコクーンにて上演。その後、8月5日(土)・6日(日)に愛知、8月9日(水)から13日(日)まで大阪に巡演する。チケット発売中。取材・文:岡山朋代
2017年06月29日1930年代の上海を舞台にした新作音楽劇『魔都夜曲』が上演される。主演に藤木直人、相手役にマイコ、その他演劇界で活躍する小西遼生、橋本さとしなど、顔ぶれも華やかだ。演出は、近年、次々と話題作を手がけている河原雅彦。激動の時代のエキゾチズムあふれる上海で、ジャズの音色と共に、秘められた恋と人間ドラマが繰り広げられるという。藤木、マイコ、河原の3人がその意気込みを語った。音楽劇『魔都夜曲』チケット情報『魔都夜曲』は、マキノノゾミ作によるオリジナル・ストーリーだが、モチーフとした実在の人物がいる。シベリア抑留中に亡くなり、悲劇のプリンスと呼ばれた近衛文麿首相の長男、近衛文隆である。彼の上海時代のエピソードをヒントに、今回のドラマチックな物語が生まれたとあって、主人公の白河清隆を演じる藤木も気持ちを引き締める。「自由奔放な御曹司で諸国を遊学しているというキャラクターですが、戦争に向かっていく中で、今では考えられないような運命を背負っていきます。モデルとなった方がいるだけに、責任を持って演じなければなと思っています」。主人公の恋の相手となる周紅花を演じるマイコも、その恋が時代に翻弄されていくとあって、歴史に思いを馳せずにいられないようだ。「中国人の父と日本人の母を持つ女性なのですが、彼女自身、いろいろと秘密を持っているようなんです。そのバックグラウンドを理解しなければいけないと思いますし、やはり簡単に演じてはいけない時代だと思うので、歴史的な部分もしっかり勉強したいと思っています」。マキノが描くそんな骨太な人間ドラマに、演出の河原はどう色付けするのか。「僕はシンプルにエンターテインメントが好きなので、エンタメの華やかさに、いろんなものが混在していた当時の上海の妖しさも加えて、観ている方がドキドキソワソワするような部分を足していければなと思っています」。音楽劇としては、「ミュージカルとは違うので、気持ちを歌にするということではなく、音楽が物語に必要となる状況を作っていきたい」という目論見も。「藤木さんはギターも弾かれると聞いたので、そんなシーンも登場するかもしれません(笑)」。河原が藤木とマイコに期待するのは、「生命力」。「国と国の関係に影響を及ぼすくらいの恋愛を貫くふたりですから。その前に進んでいこうとするプリミティブな人間力は、きっと今の時代に魅力的に映ると思うんです」。華やかに美しく力強く、新しい音楽劇が誕生する。公演は7月7日(金)から29日(土)に東京・シアターコクーンで上演後、8月5日(土)・6日(日)に愛知・刈谷市総合文化センター大ホール、8月9日(水)から13日(日)まで大阪・サンケイホールブリーゼと各地をめぐる。チケットは各地とも先行販売を受付中。取材・文:大内弓子
2017年04月25日新国立劇場2016/2017シーズンのオープニングを飾る演劇『フリック』が10月13日に開幕した。本作は、2014年ピュリッツァー賞受賞作の日本初演。フィルム映写機からデジタル映写機への移行という、デジタル化の波に飲み込まれていくアメリカの寂れた映画館を舞台にした3人の従業員の物語。さまざまな悩みを抱える現代の若者たちが不器用ながらも必死に生きる姿を、リアルかつ切実に描いていく。演出をマキノノゾミが手掛け、木村了、ソニン、菅原永二らが出演。初日前日の12日、マスコミ向けに舞台が公開され、囲み取材が行われた。新国立劇場演劇『フリック』チケット情報キャストは開幕直前の意気込みを以下のように語った。▼木村 了僕の演じるエイヴリーは黒人で映画オタクで、人とコミュニケーションをとるのが苦手。その彼が映画館のアルバイトでどう成長していくのか?という所がこの作品の肝になります。役作りのために日サロに8回も通いました!でも演出のマキノさんはまだ満足してくれなくて…(笑)。家で鏡を見るたびに「おぉっ…」ってなります。翻訳がとてもきめ細かいこともあって、日本のお客様にもクスッとしていただける場面が多いと思います。楽しんでいただきたいです。▼ソニン私が演じるローズは白人の24歳。彼女もある意味コミュニケーションが得意じゃないところがあって、強がってはいるけれど実は愛情に飢えているキャラクター。役作りとしては、初めて鼻ピアスをつけてます。髪も緑色。白人か黒人か、という人種の問題もこの作品の大きなテーマなので、忠実にやりたいと思っています。ほぼ3人芝居なのでセリフの量がすごいのですが……プレッシャーと闘いながら頑張ります!▼菅原永二僕の役、サムも白人で35歳。いわゆる“プアホワイト”で、学歴も無く貧しい。田舎暮らしで夢も希望も無いけれど、それでも日々に幸せを感じている、平凡な人物です。僕は腕に大きくタトゥーを入れていますが…了君の日焼けと違ってペイントです(笑)。翻訳モノですが、とても分かりやすい等身大の作品です。公演は10月30日(日)まで新国立劇場 小劇場にて上演。チケット発売中。
2016年10月14日近年『永遠の一瞬 -Time Stands Still-』『バグダッド動物園のベンガルタイガー』など、日本未発表の欧米現代戯曲を上演してきた新国立劇場にて、2014年ピュリッツァー賞受賞の『フリック』が初演される。マキノノゾミの演出の下、木村了、ソニン、村岡哲至、菅原永二の4人が集結。焦燥と不安、葛藤を抱えて現代を生きる若者を時にコミカルに、時に切実さをもって描く。9月某日、熱気溢れる稽古場を取材した。【チケット情報はこちら】アニー・ベイカーによる本作の舞台はマサチューセッツ州の田舎の古びた映画館、通称“フリック”。いまだに35ミリフィルムで映写するここで、映写技師になることを夢見るサム、常に気怠そうな紅一点のローズ、そして映画狂の若者・エイヴリーは仕事に励むが、この古き良き映画館にもデジタル化の波が押し寄せる……。稽古場にはズラリと劇場のイスが並んでおり、奥には映写室がみえる。観客は普段、映画館で映画を鑑賞するのとは逆方向、スクリーンのこちら側から劇場で起こるドラマをのぞき込む形になっている。現代のアメリカの片田舎を舞台にしているが、それぞれに問題を抱え、将来への不安、わずかばかりの夢や希望、他人とのコミュニケーションへの怖れを持ち、それでも生きていくという若者たちの姿は、現代の日本と全く変わらない。エイヴリーが新入りとして働き始め、やがて映画館の売却話が持ち上がり…という物語の流れはあるのだが、まるでオムニバス映画のように、彼らのちょっとしたやり取りが積み重ねられ、その端々で、気楽に生きているように見えて、それぞれにいかんともしがたい現実を抱えている様子が垣間見えてくる。演出のマキノは、その小さな積み重ねを重視しているようで、木村、ソニン、菅原らのちょっとしたセリフの言い回しや体の動き、相手を見つめる一瞬の長さに至るまで、細かく様々なやり方を試していく。1シーンごとに短い休憩が入るが、俳優陣はその間も休んではおらず、何度もセリフを繰り返して体になじませたり、原文の英語でどのような言い回しになっているかを確認していた。セリフの中に映画や俳優の名前がたびたび登場するのも本作の楽しみのひとつ。誰もが知る娯楽大作から、おそらく観客の多くがタイトルさえも知らないであろうマニアックな作品まで引用されている。映画という“共通言語”は若者たちを結びつけ、彼らは境遇や現実の問題を乗り越えて友情を育むかに見えるが、現代社会は若者たちに、そんな当たり前に思える幸せを許してはくれないようだ。アナログとデジタル。SNSでつながっても埋まらない距離。相手に対する信頼と相手が自分に対して感じている信頼の大きさのギャップ――。そんな微妙な現代社会の隙間に身を置く若者たちの距離感を俳優たちが見事に体現していた。公演は10月13日(木)から30日(日)まで東京・新国立劇場小劇場にて上演。取材・文・撮影:黒豆直樹
2016年09月26日2014年に初演され、映画版公開と併せての再演が話題を呼んでいる、マキノノゾミ脚本・堤幸彦演出『真田十勇士』が、11日に開幕。公演に先立ち、10日にゲネプロが行われた。【そのほかの画像はこちら】その場しのぎの生活をしていた抜け忍びの猿飛佐助(中村勘九郎)はひょんなことから、世評とは裏腹に、知謀も自信もなさそうな真田幸村(加藤雅也)と出会い、自らの才智で彼を立派な武将に仕立てることを思いつく。そのために必要なのは、幸村を盛り立てる十人の家臣、真田十勇士。こうして、佐助のかつての忍び仲間・霧隠才蔵(加藤和樹)、才蔵の手下である三好清海(駿河太郎)と三好伊三(荒井敦史)、関ヶ原の合戦も経験した由利鎌之助(丸山敦史)、仕官先を探して流浪していた筧十蔵(高橋光臣)、幸村のかねてよりの家臣である海野六郎(栗山航)、幸村の長男・大助(望月歩)とその家来・望月六郎(青木健)、お調子者の根津甚八(村井良大)の十人が集結する。しかし、徳川方の忍び集団の首領・久々津壮介(山口馬木也)や彼の部下・仙九郎(石垣佑磨)や彼の娘の火垂(篠田麻里子)らが佐助と才蔵に襲いかかる。折しも、大坂夏の陣、開戦前夜。豊臣秀頼(村井良大/2役)を守ろうとする淀殿(浅野ゆう子)に頼まれ、幸村らは豊臣方に加勢するがーー。幕開きから力強い太鼓の打音が響くこの舞台は終始、とにかくダイナミック。カラフルな照明、盆の回転と共に変幻自在に形を変える美術、ワイヤーアクション、そして、多彩で細密なプロジェクションマッピング。まるでCG映画かゲームを見るような躍動感と爽快感いっぱいの大スペクタクルになっている。とはいえ、このプロダクションに迫力と説得力を与えているのは、何より、ハイテクに負けないエネルギーを投入する、俳優たちの生の身体。彼らが客席通路を走れば、観客はその風を肌で感じることができる。次から次へと飛び出す時事ネタも、生の舞台ならでは。特筆すべきは、普段は愛すべき三枚目ながら、神出鬼没ぶりを体現し、圧倒的な存在感で舞台をまとめ上げる佐助役・勘九郎。驚いてあごがはずれる、といったマンガ的表現もこなしながら、ふとした瞬間、とてつもないカッコよさを放つ。一方、歳蔵役の加藤は、冷静沈着な二枚目ぶりだが、ここぞというところで友情に厚く情熱的な素顔を見せる。個性あふれる十勇士が、夏の陣を前に杯を交わすシーンには心躍らずにはいられない。戦場での、勘九郎と山口が崖の上で見せる歌舞伎風の立ち回りや、加藤と石垣とのワイヤーでの戦闘場面は圧巻だ。歴史を知る観客にとって、豊臣方の末路は一目瞭然だ。しかし、力強い彼らの姿は、不可能を可能にし、嘘を真にしそうな勢い。果たして、彼らは絶体絶命のピンチを脱し、”奇跡”を起こすことができるのか??東京公演は10月3日(月)まで東京・新国立劇場 中劇場にて。その後、神奈川、兵庫を周る。チケットは発売中。取材・文:高橋彩子
2016年09月15日舞台『真田十勇士』が9月11日に開幕。それに先がけ囲み取材が行われ、主演の中村勘九郎、加藤和樹、篠田麻里子、加藤雅也、浅野ゆう子、演出の堤幸彦が登壇した。【チケット情報はこちら】2014年の初演から約2年半ぶりの再演となる本作。劇作家・マキノノゾミのオリジナル戯曲で、戦国時代の名将と称えられる真田幸村(加藤雅也)が実は非力な人物で、数々の武功は「十勇士」のひとり・猿飛佐助(中村)の作戦によるものだという発想をもとに、佐助が大嘘で戦国の世を生き延びていく痛快な物語。9月22日(木・祝)には、同じく勘九郎主演で映画版が公開される。初日を迎え、勘九郎は「堤監督が製作発表のときにおっしゃっていた『大変です』という言葉はまさにその通りでした。昨日初めて舞台で通すことができたんですけれども、今日は初日ですが『千秋楽にならないかな』と思っております(笑)。ただ、それくらい大変だということは、それだけ極上のエンターテインメント作品になっていると思うので、自信を持ってお客様にお届けしたいです!」と挨拶。初演と映画では由利鎌之助を演じ、今回の再演では佐助の相棒・霧隠才蔵を務める加藤和樹は「映画を経ての再演なので、パワーアップしているところがたくさんあります。僕も村井(良大)くんもそうですけど、役が変わってる人もいますし、今回から参加される方もいます。なので再演というよりは、いろんなことがパワーアップした初演だと僕は思っております。前回を観た方も今回初めて観る方にも最高だったと言ってもらえるような舞台にしたいです」と熱く語った。初演からの変化について堤は「初演で作り上げた回る舞台や、自由自在に動き回るセットを生かした合戦のシーンを一切合切リニューアルしました。前回観られた方も、よりパワーアップしてるなと思っていただけると思います」と紹介。初演と映画、今作と真田幸村を演じる加藤雅也が「舞台では生身の身体で向かっていく“熱”をお客さんに見せていければ」、勘九郎も「初演でも舞台の“熱”に重きを置いてやっていました。今回も舞台裏で何人かぶっ倒れてます」と話すように、舞台ならではの魅力は“熱”。公開舞台稽古では、映像やプロジェクションマッピング、ワイヤーアクションが魅せる華やかさと共に、生身の人間が目の前で演じるからこその“熱”が伝わる舞台を披露した。公演は10月3日(月)まで、東京・新国立劇場中劇場にて。その後、神奈川、兵庫と巡演する。取材・文:中川實穗
2016年09月13日AKB48の元メンバーで女優の篠田麻里子が11日、中村勘九郎主演の舞台『真田十勇士』の囲み取材及び公開舞台稽古に登場。会見には他に勘九郎、加藤和樹、高橋光臣、村井良大、駿河太郎、荒井敦史、栗山航、望月歩、青木健、丸山敦史、石垣佑磨、山口馬木也、加藤雅也、浅野ゆう子、演出の堤幸彦が出席した。同作は映画監督の堤幸彦が演出、劇作家のマキノノゾミが脚本を担当し、2014年に勘九郎&松坂桃李のコンビで初演。勘九郎主演の映画版も2016年に公開される。大掛かりなセットに、出演者陣の総出演の大立ち回り、また十勇士の名乗りやプロジェクションマッピングなど、エンタテインメント性豊かな作品となっている。篠田はAKB48卒業後、初の舞台となるが、今回はくノ一役としてアクションや殺陣にも挑戦。「刀を持って動くのが自分としては初めてだったので、どうしてもダンスっぽくなってしまう」と稽古を振り返った。そして篠田は「『本当に殺す気でいかないと成り立たないよ』と言われて、なおかつリアルでやっちゃうと怪我しちゃうので」と、バランスをとりながら自分の気持ちを載せることが「勉強になった」と語った。初演時、映画版と別の役を演じることになった、霧隠才蔵役の加藤和樹は「稽古当初は前の役が残っていて、『鎌之助』と呼ばれるとピクッと反応してしまうこともありました」と苦笑する。初演時、そして映画版では松坂桃李が同役を演じているが、「いい味で超えていかなきゃいけないと思っています」と意気込んだ。主演の勘九郎は「"再演"とついていますけど、パワーアップというか、新しい作品になっています」と自信を見せ、「初演を見た方、映画を見た方、初めて出会う方、全ての方々に喜んでいただける作品になったと思っています」とアピール。「必ず損はさせませんので!」と力強く宣言した。東京公演は新国立劇場 中劇場で9月11日~10月3日、横浜公演はKAAT 神奈川芸術劇場で10月8日~10日、関西公演は兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホールで10月14日~23日。
2016年09月11日女優・大島優子が29日、映画『真田十勇士』(9月22日公開)のレッドカーペットセレモニーに、中村勘九郎、松坂桃李、永山絢斗、加藤和樹、高橋光臣、石垣佑磨、駿河太郎、村井良大、荒井敦史、望月歩、青木健、加藤雅也、堤幸彦監督とともに登場した。原作は、2014年に日本テレビ開局60年特別公演として上演された同名舞台。同作の演出も手がけた堤幸彦監督がメガホンを取りマキノノゾミ氏が脚本を執筆し、歴史を変える大うそで実は"腰抜け"な真田幸村(加藤雅也)を天下一に仕立て上げる猿飛佐助(勘九郎)の計画を描く。勘九郎のほか、佐助と共に十勇士を支える霧隠才蔵役の松坂桃李、2人の幼なじみのくノ一・火垂役の大島優子も出演する。男性だらけの現場に、大島は「みんな部活みたいなんですよね。本当に仲よくてワイワイしてたんだろうなと思うので、私はちょっと寂しいです」と撮影現場の様子を語った。十勇士の中でも「五勇士くらいしか一緒に撮影していない」という大島は、13名の男性に囲まれ「圧も感じるし、暑い。男の方達に囲まれてるから」と、熱気にあてられた様子。勘九郎は「撮影が過酷だったので、一致団結せざるをえない」と説明し、現場での話題については「まあ、下ネタですね」と暴露した。勘九郎は「男がこれだけ揃ってればね……」と苦笑しつつ、寒い現場の中で早口言葉も流行っていたことを明かした。また松坂は「馬と並走した」撮影を過酷な思い出としてピックアップ。松坂が「馬より先に走って、馬が追いついてきて同じくらいのところを使うから、と言われて、足がパンパンになりましたね」と苦労を語ると、勘九郎も「平らな道じゃないんですよ。草がボーボーのところを走るので、結構リアルにこけてる人たちがいましたね」と、しみじみと振り返っていた。
2016年08月29日歌舞伎俳優・中村勘九郎が主演を務める映画『真田十勇士』(9月22日公開)の場面写真が3日、一挙公開された。原作は、2014年に日本テレビ開局60年特別公演として上演された同名舞台。同作の演出も手がけた堤幸彦監督がメガホンを取りマキノノゾミ氏が脚本を執筆し、歴史を変える大うそで実は"腰抜け"な真田幸村(加藤雅也)を天下一に仕立て上げる猿飛佐助(勘九郎)の計画を描く。勘九郎のほか、佐助と共に十勇士を支える霧隠才蔵役の松坂桃李、2人の幼なじみのくノ一・火垂役の大島優子も出演する。公開された場面写真では、十勇士が勝利を確信するかのように勇ましく立つ姿や幸村をかばう様に身構える佐助の姿がある一方で、おどけ顔をしているようにも見える佐助と火垂との一騎打ちのシーンなど、かいま見える表情はさまざま。これは、堤監督ならではの演出だといい、戦乱の世を懸命に生きる人たちを映すドラマの中に、コミカルな表現が隠し味として機能しており、十勇士たちの魅力をより引き立てている。このほか、劇中ではスリリングな頭脳戦やほのかなロマンス、俳優陣が体当たりでみせる迫力のアクションが展開される。(C)2016『真田十勇士』製作委員会
2016年08月03日名将・真田幸村の武功は真田十勇士のひとり、猿飛佐助の作戦だったとの発想で2014年に初演された、マキノノゾミ脚本・堤幸彦演出『真田十勇士』。今年、その映画版の公開と同じ9月に舞台版の再演が決定。製作発表会見が行われた。舞台『真田十勇士』チケット情報猿飛佐助を演じる中村勘九郎は「キャスト、スタッフが不可能に挑み、成功させようという気持ちが溢れた舞台。あの空間にまたいられるのは幸せ」と力強く語る。霧隠才蔵役には、初演と映画版で由利鎌之助を演じた加藤和樹。「新『真田十勇士』を作るべく、舞台上でこの役を精一杯生きたい。間違いなく人生を変える作品です」と意気込む。佐助、才蔵と共に活躍する真田十勇士は以下の8名だ。筧十蔵には高橋光臣。「前回(稽古場で)ゲイキャラになり、映画、再演に引き継がれます。今回はどこに恋心を抱くのか、楽しみにしていただきたい」。根津甚八には村井良大。「初演、映画版では海野六郎を演じました。今回は豊臣秀頼と二役。“早着替え”で舞台袖でも走ります」。三好清海を演じる駿河太郎は「2年前にこの作品を経験して舞台が楽しくなりました。初演を超える再演にしたい」。三好伊三役を演じる荒井敦史は「これだけ動き回る舞台に出られる機会はそうない。映画でも関西弁に苦労しましたが、関西公演に向けて頑張ります」。海野六郎役には栗山航。「初参戦なので怖くもありますが、真田家譜代の家臣のひとりとして誇りを持って演じたい」。真田大助を演じるのは望月歩。「いつかは舞台をと思っていました。初舞台で緊張しますが、精一杯頑張りたいです」。望月六郎役の青木健は「忠誠心や剣術指南役としての威厳や品格を追究し、新しい望月六郎を表現をと考えています」。由利鎌之助役の丸山敦史は「先代(?)の加藤さんに負けないよう、そして十蔵さんの心を掴めるよう、思いっきり演じたいです!」。佐助と才蔵の幼馴染の女忍・火垂を演じるのは、AKB卒業後、初舞台の篠田麻里子。「大変だったり不安だったりするほど燃える。私にしかできない火垂を演じたい」ときっぱり。十勇士に立ちはだかる久々津壮介役には、山口馬木也。「僕は初演時、もうひとつの舞台『真田十勇士』(宮田慶子演出)に出ていた。今回はその共演者から『裏切り者』『楽しんでこい』と言われました」。仙九郎には、初演、映画版に続いての石垣佑磨。「佐助、秀頼、才蔵、火垂と同門の幼馴染で、真田十勇士に嫉妬し、戦う宿敵。前作以上に彼らを苦しめようと思っています」。真田幸村役には、加藤雅也。「今回はステージもさらに大きくなる。修行僧のような生活を送り、必ず成功させたい」。そして、淀殿には浅野ゆう子。「堤監督にお掃除のおばさん役でいいから出してほしいと耳元でささやき続けてこの役をゲットしました。笑っていただけるパートを担い、あとは若い皆様に守っていただきます」と笑いを誘った。公演は9月11日(日)から10月3日(月)まで東京・新国立劇場 中劇場にて。その後、神奈川・兵庫でも上演。取材・文:高橋彩子
2016年08月02日元AKB48のメンバーで女優の篠田麻里子が27日、都内で行われた歌舞伎俳優・中村勘九郎主演の舞台『真田十勇士』の製作発表会見に出席した。同作は映画監督の堤幸彦が演出、劇作家のマキノノゾミが脚本を担当し、2014年に勘九郎&松坂桃李のコンビで初演。勘九郎主演の映画版も2016年に公開される。話を聞いた時に「絶対やりたい」と即答した篠田だが、会見前にマキノや堤から「すごく大変だよ」と言われ「今、この場が不安でたまらないです」と心情を吐露。篠田は「でも、無理だよって言われるほど燃えてくるので」と語り、「最後の仕事だと思うぐらいの気持ちで頑張りたいと思います」と宣言すると、その決意の強さに出演陣からもどよめきが起こった。映画版では、篠田と同役を元AKB48メンバーの大島優子が演じるが「仲間として、映画から、舞台からと盛り上げられるのは嬉しいことだね、と話しました」と、元メンバー同士の交流を明かした。また、再演が決まった際の勘九郎の気持ちは「マジか」。勘九郎は「映像にならないかなと話していたら映画になって、良かったねと話していたら、再演が付いてきちゃった」と正直な心境を説明し、「本当に大変な舞台なんです」と苦笑した。加藤も初演と違う役でのオファーに「マジか」と驚いたと語るが、「監督の思いを受けて、最後までしっかり努めたい」と意気込んだ。会見には他に高橋光臣、村井良大、駿河太郎、荒井敦史、栗山航、望月歩、青木健、丸山敦史、石垣佑磨、山口馬木也、加藤雅也、浅野ゆう子、脚本のマキノノゾミ、演出の堤幸彦、日本テレビ放送網 取締役執行委員事業局長 中山良夫が出席した。東京公演は新国立劇場 中劇場で9月11日~10月3日、横浜公演はKAAT 神奈川芸術劇場で10月8日~10日、関西公演は兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホールで10月14日~23日。
2016年07月27日同時期に映画版も公開される舞台「真田十勇士」の制作発表会見が7月27日(水)都内で行われ、主演の中村勘九郎、共演の加藤和樹、篠田麻里子、高橋光臣、村井良大、駿河太郎、荒井敦史、栗山航、望月歩、青木健、丸山敦史、石垣佑磨、山口馬木也、加藤雅也、浅野ゆう子、脚本家のマキノノゾミ、演出の堤幸彦が出席した。2014年に“日本テレビ開局60周年特別舞台”として上演された同名舞台を、パワーアップさせて再演。戦国時代の名将と称えられる真田幸村は実は非力な人物で、数々の武功は十勇士の一人である猿飛佐助だった…という大胆な発想で描かれるもう一つの歴史物語になる。再演続投に勘九郎さんは「運動量も大変なので『マジか』と思いました。映画化が決まったら、再演もくっついてきちゃった。『これはマジか』というのが素直な意見です」と激しい殺陣に戦々恐々で、堤監督は「今回の舞台は一言でいうと“大変”。前回は人間の可能性の120%が出た。でも人間は慣れる動物なので、今回は140%くらいいけるでしょ。過酷な稽古になると思うので、身の安全は自分で確保してください」とドS宣言。出演者がどよめく中、勘九郎さんは「再演は初演と比較されがちだけれど比較する必要がないくらい物凄いことになるはず。“真田”イヤーに乗っかって、映画、舞台とやっていきたい」と覚悟を決めていた。AKB48卒業後初舞台出演の篠田さんは「このお話をいただいたときに、即決で『絶対にやりたい』と期待に胸を弾ませていました。でも先ほど堤さんから『大変だ』と言われて不安になりました」と心境を明かすも「でも大変だったり、不安だったり、『無理だ』と言われると燃えてくる。これを最後の仕事だと思うくらいの気持ちで乗り越えていきたい」と不退転の構え。演じる火垂は、映画版では元AKB48の大島優子が務めるが「話はしていて『舞台を頑張ってね、観に行くね』と言われました。同じ仲間として映画と舞台を盛り上げていけるのは嬉しい」と声を弾ませた。初演時からの続投キャストが「大変だった」「怪我をしないように」などと苦労を口にする中で篠田さんは「凄く楽しみにしているので、私にしか出来ない火垂を演じたい」と前向きで「このお話をもらったときからやると決めていたので、体力をつけようと思って100mダッシュや心拍数を上げる練習、ジャンプの練習を個人的にやっています」と準備は万端。ワイヤーアクション演技にも初挑戦することもあり、勘九郎さんからは「恐怖心をなくすこと。スタッフとの信頼関係が大切。まあ、大丈夫っすよ!」とアドバイスを受けていた。舞台「真田十勇士」の東京公演は、新国立劇場で9月11日(日)から10月3日(月)まで。(text:cinemacafe.net)
2016年07月27日映画『真田十勇士』が、2016年9月22日(木・祝)、全国で公開される。2014年に大ヒットを記録した舞台「真田十勇士」を、同作品の演出を手掛けた堤幸彦を監督に迎えて映画化した本作。全国公開と同時期に舞台上演と書籍化を行うという、映画界・演劇界・出版界にとって史上初の試みも実施される。天下の名将と名高い真田幸村が、実は“腰抜け”の武将であった…、という脚本家マキノノゾミの大胆な発想がストーリーの肝。幸村を本物の立派な武将に仕立てるため、猿飛佐助が超個性的な10名を集めて「真田十勇士」を結成し、徳川軍との決戦に挑むさまが描かれる。本作の主人公で、”歴史を変える大嘘”で真田幸村を天下一の武将に仕立て上げる中心的存在・猿飛佐助に扮するのは、舞台でも主演を務めた中村勘九郎。また、容姿端麗で頭も切れ、真田十勇士を支えていく寡黙でクールな実力派忍者・霧隠才蔵を、松坂桃李が演じる。さらに、本格時代劇初出演の大島優子が、佐助と才蔵の幼馴染で、才蔵に対して密かな感情を抱きながらも、女忍びとして彼らの命を狙う”くのいち”火垂役に抜擢された。主題歌を担当するのは、これまで15本もの映画主題歌を手がけてきた松任谷由実。時代劇への楽曲提供は今回が初めてだ。予告編の映像には書き下ろした曲が流れており、場面を一層引き立てる。アクションと感動的なドラマ、スケール感のどれもがこだわり抜いて作られた『真田十勇士』に是非注目してみては。【詳細】映画『真田十勇士』公開日:2016年9月22日(木・祝)監督:堤幸彦脚本:マキノノゾミ、鈴木哲也出演:中村勘九郎、松坂桃李、大島優子、永山絢斗、加藤和樹、高橋光臣、石垣佑磨、駿河太郎、村井良大、荒井敦史、望月歩、青木健、伊武雅刀、佐藤二朗、野添義弘、松平健(特別出演)、加藤雅也、大竹しのぶ©2016『真田十勇士』製作委員会配給:松竹・日活■ストーリー関が原の戦いから14年の歳月が流れ、徳川家康は天下統一を目前にしていた。最後に残ったのは、豊臣秀吉の遺児・秀頼と付き従う武将たち。次々と大坂城に入城する豊臣方の武将たちの中に一際、異彩を放つ一団がいた。天下の名将として名高い真田幸村を筆頭とした真田十勇士の面々である。しかし実は幸村、男前が過ぎるばかりに周囲に勘違いされ、凡庸な武将にも関わらず、天下の名将に祭り上げられていただけなのだ。そこに現れたのが抜け忍びの猿飛佐助。つまらない世を面白く生きるために抜け忍びとなった佐助は、己の虚像と実像のギャップに苦しむ幸村に出会い、同じ抜け忍びの霧隠才蔵を筆頭に十人の勇士をあつめ、陰日向に幸村を支える。歴史の教科書には載っていない、大坂冬の陣、夏の陣の火ぶたが切って落とされた!幸村ほか真田十勇士の活躍やいかに。
2016年07月10日シンガーソングライターの松任谷由実が、歌舞伎役者の中村勘九郎が主演する映画『真田十勇士』(9月22日公開)に書き下ろしの新曲「残火(のこりび)」を提供し初の時代劇主題歌を務めることが7日、明らかになった。合わせて、同曲を収めた予告映像が公開された。原作は、2014年に日本テレビ開局60年特別公演として上演された同名舞台。同作の演出も手がけた堤幸彦監督がメガホンを取りマキノノゾミ氏が脚本を執筆して、歴史を変える大うそで真田幸村(加藤雅也)を天下一に仕立て上げる猿飛佐助(勘九郎)の計画を描く。勘九郎のほか、佐助と共に十勇士を支える霧隠才蔵役の松坂桃李、2人の幼なじみのくノ一・火垂役の大島優子も出演する。松任谷は、「うっそうとした心の戦のただ中で、激しい雨を待つような、それが唯一の希望の火、誰かに会いたい!という強烈な願いを歌にしました」と主題歌への思いを告白。「監督、役者さんたち、そしてはるか時を超えた歴史上の人物たちにも共鳴してもらえると思っています」と自信を見せている。この松任谷の楽曲提供を受けて、堤監督は「『ありがとうございます!!』の一言」と感謝。1973年から松任谷の楽曲を愛聴していたことから、「『いつもそこにある心のオアシス』だったので、光栄というかもったいないというか」と感慨を示し、「まさに盆暮れ正月いっぺんに来たような気持ちです。恐悦至極に存じます」と恐縮して見せる。デモ段階の主題歌を聴いた際は「『…素晴らしい』とうなってしまいました」と感激。また、松任谷自身についても「撮影現場にも足を運んでいただき、さまざまな資料もお目通しいただき、とても深く作品のタッチやテーマをつかんでいただいている」と絶賛した。予告編では、その主題歌「残火」を初披露。幸村と十勇士たちが最後の戦いに臨む心境をより克明に映し出している。冒頭では、「どうしよ…」と"腰抜け"の表情を見せる幸村だが、終盤になると、勇ましく十勇士を率いる武将に変貌を遂げ、「目指すは家康の首、ただ一つだ!」と歴史的な戦いへと挑んでいく。さらに、十勇士が地を駆ける背後では爆破が起こり、数百のエキストラを引き連れて馬と並走。下半身を炎に包まれながらも敵陣に蹴りを入れていく佐助たちの猛烈なアクションの一端も垣間見ることができる。(C)2016『真田十勇士』製作委員会
2016年07月07日奇才・堤幸彦監督が、いま最も注目を集める名将・真田信繁(幸村)と、彼を支えた十勇士を題材に世に放つ『真田十勇士』。舞台との同時公開という世紀のビッグプロジェクトとなる本作の主題歌に、松任谷由実書き下ろしの主題歌「残火」が起用されることが明らかとなり、圧巻のアクションシーン満載の予告編と本ポスターとともに解禁となった。本作の舞台は、関ヶ原の戦いから14年たった戦国の世。天下の名将と名高い武将のはずが、実は“腰抜け男”であった真田幸村(加藤雅也)を本物の立派な武将に仕立てるため、抜け忍・猿飛佐助(中村勘九郎)が個性豊かな仲間たちと大博打に打って出る、という大胆なストーリーを展開する。堤監督が人気脚本家・マキノノゾミとタッグを組み、2014年に上演したスペクタクル超大作舞台「真田十勇士」をもとに映画化に挑んだ本作。今年、本作の公開と同時期に舞台が再演されることも決定し、映画と舞台を同時期に公開・上演するという、映画界・演劇界にとって史上初の画期的な試みが、“世紀のビッグプロジェクト”としてエンターテインメント界でも話題を呼んでいる。主演の中村勘九郎に、松坂桃李、永山絢斗、大島優子ら若手俳優、加藤雅也や大竹しのぶといった実力派俳優ら華やかな顔ぶれが並ぶ本作に、より一層の華を添えるのが、今回解禁された予告編映像にも使用されている松任谷由実書き下ろしの主題歌「残火(のこりび)」だ。日本の“Queen of POP”として、その名を轟かせる松任谷さんは、これまでスタジオジブリの『魔女の宅急便』『風立ちぬ』への楽曲提供(荒井由実作品として)や、実写邦画『ねらわれた学園』や『私をスキーに連れてって』、さらには『リトルプリンス 星の王子さまと私』では自身初の洋画作品に主題歌を書き下ろすなど、数多くの名作を彩ってきた。今回は40年以上になるキャリアの中で、時代劇の主題歌を手掛けるのは初めてとなる。本作への楽曲提供について、松任谷さんは「鬱蒼とした心の戦さの只中で、激しい雨を待つような、それが唯一の希望の火、誰かに会いたい! という強烈な願いを歌にしました。監督、役者さんたち、そして遥か時を超えた歴史上の人物たちにも共鳴してもらえると思っています」とその想いを語った。また、堤監督は主題歌が決定した際の心境を「ありがとうございます!!の一言です。1973年から聞かせていただいていて、『いつもそこにある心のオアシス』だったので、光栄というかもったいないというか。まさに盆暮れ正月いっぺんに来たような気持ちです。恐悦至極に存じます」とコメント。楽曲について「最初にデモ音源をいただいた時に『…素晴らしい』とうなってしまいました。撮影現場にも足を運んでいただき、様々な資料もお目通しいただき、とても深く作品のタッチやテーマを掴んでいただいていると感じました」と感動を露わにすると同時に、「波瀾万丈、あっと驚くストーリー、最高のキャスティング、圧倒的VFX、巨大なセット…いま、できることを全てやり尽くした活劇ですが、松任谷さんの曲が加わることで上映が終わるまで、さらにゴージャスで贅沢な時間になったと思います」と本作の世界観を担う名曲に、より一層の作品への自信をのぞかせている。戦国の世に生きる、個性的で愛すべき十勇士たち、彼らに支えられ成長する幸村の姿を描く本作。胸を打つ人間ドラマと、華麗なアクションシーン、そして耳にする者の心に深く染み入る松任谷さんの歌声を、まずはこちらの予告編映像から体感してみて。『真田十勇士』は9月22日(木・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年07月07日NHK大河ドラマ「真田丸」の人気と共に“真田イヤー”と言われる今年、あの超大作『真田十勇士』が帰ってくる。2014年、“大坂の陣”400年に製作された、主演・中村勘九郎、演出・堤幸彦のスペクタクル時代劇だ。今回は7月に小説が出版、9月には映画が全国公開、そして舞台が関西で10月に上演されるというスペシャルプロジェクトで再登場。舞台「真田十勇士」チケット情報忍びの里を抜けた猿飛佐助が真田幸村と出会い、世間で噂の英雄と実像との違いに悩む彼に「嘘も突き通せば真実になる!」と押しかけ臣下に。かつての忍びの仲間・霧隠才蔵ら十勇士を集め、幸村を本物の天下の名将に仕立て上げることに…。脚本は演劇界の重鎮・マキノノゾミ。壮大な世界観と厚みのある人間ドラマに豪華キャストを配し、堤のド派手な演出で痛快娯楽アクション時代劇を作り上げた。今回は、主演の勘九郎、幸村の加藤雅也ら継続メンバーに、篠田麻里子、浅野ゆう子、山口馬木也らが新たに参加する。前作と映画で槍の使い手・由利鎌之助役だった加藤和樹は、今回の舞台では、前回松坂桃李が演じた霧隠才蔵役で出演。ミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』大阪公演で主演中の加藤に話を聞いた。「再演と聞いて、同じ由利鎌之助だと思っていたのに、『才蔵で』と言われて『えっ!?いやいや、それは…』って。びっくりでした、ほんとに(笑)」。堤や勘九郎の期待を背負い「勘九郎さんの相棒を務めるわけですから、必死で喰らいついていきます。そして、桃李くんの意志でもある、見ていて惚れ惚れするような才蔵を。桃李くんの才蔵を楽しみにしていた人たちにも、僕で良かったと言われる才蔵を作り上げたいですね」と意気込む。作品は、プロジェクションマッピングを効果的に用いるなど、エンターテインメントを駆使した堤の演出も話題だ。忍者ならではの奇想天外なアクションの中、加藤はフライングにも初挑戦。「高いところは大好きです(笑)。アクションもカッコ良くキメたい」。また、佐助と才蔵の幼馴染の女忍び・火垂(ほたる)との愛も描かれる。火垂には、グループ卒業後初舞台となる篠田麻里子。「惚れられつつ、命を狙われつつ…ちょっと危険な関係の中での愛情関係も見えたらいいなと」。中でも最大の見どころは合戦シーン。「夏の陣は、もうずうっと走りっぱなしで。手に汗握る壮絶な立ち回りが生で観られます。初演を観た人も初めて観る人も、絶対に笑って泣ける作品。今回、同じ作品を映画と舞台で同時期に観られるって、贅沢ですよね。お客さんの期待度も上がってる分、その期待をもっといい意味で裏切るようなものにしなきゃいけないと思っています」。アーティストデビュー10周年の加藤に、大きな挑戦が待っている。公演は、9月11日(日)から10月3日(月)まで東京・新国立劇場 中劇場、10月8日(土)から10日(月・祝)まで神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場 ホール、10月14日(金)から23日(日)まで兵庫・兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホールにて上演。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2016年06月21日“真田イヤー”と言われる今年、舞台『真田十勇士』がパワーアップして帰ってくる。さらに公演と同時期に映画公開と出版化されることも決定、【映画×舞台×小説】という、まさに最高のメディアミックスが実現。日本映画界、演劇界、出版界、しいてはエンタテインメント界にとってスペシャルなプロジェクトが始動する。舞台「真田十勇士」チケット情報舞台は2014年の初演と同じく、演出(監督)を堤幸彦が手がけ、脚本を演劇界の重鎮マキノノゾミが担当。壮大な世界観と濃密な人間ドラマを描ききる。そして主人公・猿飛佐助を演じるのは、初演に引き続き同時期公開の映画でも同役を務める中村勘九郎。歌舞伎に留まらず、映画・ドラマ・CM など幅広い分野への挑戦を続けている勘九郎。本公演でも抜群の存在感でパワーアップした佐助を演じるに違いない。佐助とともに『真田十勇士』を支える霧隠才蔵には加藤和樹が登板。初演と映画版では由利鎌之助を演じた加藤和樹が新たな相棒役として挑む。実は腰抜けの武将であったという真田幸村には、初演・映画版同様、加藤雅也。佐助と才蔵の幼馴染で女忍びとしてふたりを翻弄する火垂を、グループ卒業後初舞台となる篠田麻里子が務め、豊臣秀吉の妻・淀殿を浅野ゆう子が演じるなど、再演も魅力的なメンバーが揃った。その他、高橋光臣、村井良大、駿河太郎、青木健、石垣佑磨など、舞台初演・映画版より継続して出演のメンバーに加え、荒井敦史、望月歩は映画版より引き続き、さらに、栗山航、丸山敦史、山口馬木也らの新規参戦が決定!この秋、かつてない豪華メンバーでお届けするスペクタクルな舞台『真田十勇士』をお見逃しなく!公演は、9月11日(日)から10月3日(月)まで東京・新国立劇場 中劇場、10月8日(土)から10月10日(月・祝)まで神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場 ホール、10月14日(金)から10月23日(日)まで兵庫・兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホールにて上演。東京・神奈川公演は6月4日(土)より、関西公演は6月12日(日)より、チケット一般発売開始。なお、チケットぴあでは、5月13日(金)11:00まで関西公演のいち早プレリザーブ(ぴあプレミアム会員限定)を実施中。さらに、5月16日(月)11:00まで東京・神奈川公演、5月17日(火)11:00まで関西公演のプレリザーブ(先行抽選)の受付実施中。
2016年05月11日元AKB48で女優の篠田麻里子が、舞台『真田十勇士』に出演することが30日、発表された。篠田は2013年のAKB48卒業後、初舞台となる。主役の十勇士・猿飛佐助を演じるのは歌舞伎俳優の中村勘九郎。同じく十勇士の霧隠才蔵役には、4月からミュージカル『1789』で主演を務めるなど、様々な舞台で活躍する加藤和樹が決定した。篠田は2人を翻弄する女忍び・火垂を演じる。同作は映画監督の堤幸彦が演出、劇作家のマキノノゾミが脚本を担当し、2014年に中村勘九郎&松坂桃李のコンビで初演。同キャスト・同スタッフでの映画版も2016年に公開される。映画版『真田十勇士』で火垂役を演じるのが、元AKB48で篠田とともに活躍した大島優子で、篠田と大島は同じ役を演じることになる。舞台版ではほかに、真田幸村役の加藤雅也、豊臣秀吉の妻・淀殿役の浅野ゆう子が出演する。更に、高橋光臣、村井良大、駿河太郎、荒井敦史、栗山航、望月歩、青木健、丸山敦史、石垣佑磨、山口馬木也らが舞台を彩る。東京公演は新国立劇場 中劇場で9月11日~10月3日、横浜公演はKAAT 神奈川芸術劇場で10月8日~10日、関西公演は兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホールで10月14日~23日。映画公開と舞台公演にあわせ、2016年夏に小説版の発売も予定している。
2016年03月30日舞台と映画が同時期に開幕・公開という史上初のメディアミックスが実現する中村勘九郎主演「真田十勇士」。この度、篠田麻里子、浅野ゆう子、加藤和樹、加藤雅也らが出演することが決定し、舞台版のキャストの全貌が明らかになった。豊臣・徳川の最後の決戦「大坂の陣」から400年となる2014年、日本テレビ開局60年特別舞台として大ヒットを記録した「真田十勇士」が、“真田イヤー”と言われる2016年、舞台公演と同時期に映画公開と出版化されることも決定し、「映画×舞台×小説」という、史上初の画期的な試みが話題となっている。9月11日(日)の新国立劇場を皮切りに上演される本舞台は、2014年の初演と同じく堤幸彦が演出を手がけ、脚本は演劇界の重鎮・マキノノゾミが担当し、壮大な世界観と濃密な人間ドラマを描く。主人公・猿飛佐助を演じるのは、初演から引き続き、中村さんが本舞台そして映画でも好演する。そして今回新たに発表されたキャストには、「真田十勇士」を支える霧隠才蔵役に、初演と映画版では由利鎌之助役を演じた加藤和樹が、卓抜した運動神経とアクション力を武器に、新たな相棒役として挑戦。また、映画版では大島優子が演じる佐助と才蔵の幼馴染みで女忍びとして2人を翻弄する火垂役を、「AKB48」卒業後初舞台となる篠田さんが、豊臣秀吉の妻・淀殿役に浅野さんがキャスティングされた。さらに、真田幸村役には、初演、映画版同様加藤雅也が続投するほか、高橋光臣、村井良大、駿河太郎、青木健、石垣佑磨など、舞台初演・映画版より継続して出演のメンバーに加え、荒井敦史、望月歩は映画版より引き続き、さらに、栗山航、丸山敦史、山口馬木也らの新キャストが顔を揃えた。舞台「真田十勇士」は9月11日(日)より東京・新国立劇場にて、10月8日(土)より横浜・KAAT 神奈川芸術劇場にて、関西・10月14日(金)より兵庫県立芸術文化センターにて公演。映画『真田十勇士』は9月22日(木・祝)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年03月30日新国立劇場の2016/2017シーズンのラインナップ発表会見が開催され、バレエ・ダンス部門の舞踊芸術監督・大原永子、演劇部門の芸術監督・宮田慶子が出席し、それぞれ来季の演目について説明した。バレエでは『ロミオとジュリエット』を皮切りに、12月にはクリスマスの定番『シンデレラ』、2月には新旧の名作で構成される『ヴァレンタイン・バレエ』、その後も『コッペリア』、『眠れる森の美女』、『ジゼル』と計6演目が上演される。大原氏は、新国立劇場バレエ団を成長途上にあるとし、過去のシーズンでも上演してきた「同じ演目をどう続けていくか」と継続の重要性を強調する。それは、新制作の作品が上演されないことも意味するが「消化不良になってしまったら無駄になる」といまはその時期ではないと説明。特に日本人ダンサーが国民性として宿命的に持つ、感情表現の乏しさという弱点を克服するためのプログラムであると先を見据えた。演劇部門では、過去に同劇場で『ヘンリー六世』三部作、『リチャード三世』が上演されたが、2016年がシェイクスピアの没後400年にあたることから、11月、12月の2か月で『ヘンリー四世』の第一部・第二部を連続上演。前の二作に続き小田島雄志の翻訳に鵜山仁の演出のコンビで、浦井健治、岡本健一、ラサール石井、中嶋しゅう、佐藤B作ら実力派が集う。上演に際しては第一部、第二部を単独で上演するだけでなく、第一部、二部を通しで上演する日も設ける予定。オープニングを飾るのは、一昨年の『永遠の一瞬』、昨年の『バグダッド動物園のベンガルタイガー』に続き、日本未発表の欧米の同時代作品を上演する企画で、アニー・ベイカーの2014年ピュリッツァー賞受賞戯曲『フリック』。マキノノゾミの演出で送り出す。また、3月以降は「かさなる視点 -日本戯曲の力-」と銘打ち、昭和30年代の名作に30代の新鋭演出家が挑む。三島由紀夫初の長編戯曲『白蟻の巣』を谷賢一、安部公房の『城塞』を上村聡史、田中千禾夫が戦後の長崎を舞台に書き上げた『マリアの首』を小川絵梨子がそれぞれ演出を務める。このほか、日本の近代演劇に大きな影響を与えた海外戯曲を新たな翻訳で蘇らせるシリーズ企画では、こちらもピュリッツァー賞受賞のウィリアム・サローヤンの『君が人生の時』、そして戦後、英国の演劇の歴史を塗り替えたジョン・オズボーンの『怒りをこめてふり返れ』を上演。『怒りを――』では俳優のみならず演出家としても際立った才能を見せる千葉哲也を演出に迎える。シェイクスピアから国内の名作、海外戯曲と多彩な演目が並ぶが、宮田氏は「いまの日本を強く見つめる作品群」と意気込みを口にしていた。取材・文:黒豆直樹
2016年01月18日“大坂の陣”から400年となる2014年、日本テレビ開局60年特別舞台として大ヒットを記録したスペクタクル超大作「真田十勇士」が、演出を手がけた鬼才・堤幸彦監督により映画化されることが決定、さらに映画の公開と同時期に舞台上演されることも決定した。本映画のキャストには、中村勘九郎、松坂桃李、大島優子らが出演するという。関が原の戦いから10年以上の歳月が流れ、徳川家康は天下統一を目前にしていた。最後に残ったのは、豊臣秀吉の遺児・秀頼と付き従う武将たち。秀頼の母・淀殿は、「豊臣の世をふたたび」という妄想に駆られ、徳川との対立を深めていた。世にいう大坂冬の陣の始まりである。次々と大坂城に入城する豊臣方の武将たち、その中に一際、異彩を放つ一団がいた。天下の名将として名高い真田幸村を筆頭とした真田十勇士の面々である。戦力の乏しい豊臣方の期待は一心に幸村たちに注がれていたのである。しかし、幸村、どうやら様子がおかしい。実は幸村、男前が過ぎるばかりに周囲に勘違いされ、凡庸な武将にも関わらず、天下の名将に祭り上げられていただけなのだ。幸村大活躍のエピソードは偶然が重なったに過ぎなかった。そこに現れたのが抜け忍びの猿飛佐助。つまらない世を面白く生きるために抜け忍びとなった佐助は、己の虚像と実像のギャップに苦しむ幸村に出会い、「オイラの嘘で、あんたを本物の立派な武将に仕立て上げてみせようじゃないか!」と、同じ抜け忍びの霧隠才蔵を筆頭に十人の勇士をあつめ、陰日向に幸村を支えてきたのであった。歴史の教科書には載っていない、大坂冬の陣、夏の陣の火ぶたが切って落とされた――。今回、映画の公開と同時期に舞台上演するというスペシャルダブルプロジェクトが始動!映画とともに舞台演出も堤監督が手がけ、脚本は2014年の舞台と同じく演劇界の重鎮・マキノノゾミ氏が担当。壮大な世界観と濃密な人間ドラマを描く。本作で、主人公・猿飛佐助を演じるのは、2014年の舞台同様、歌舞伎の舞台公演に留まらず、映画など幅広い分野への挑戦を続ける中村さん。「舞台初演時は、こんなにビッグ・プロジェクトになるとはつゆとも想像しておりませんでしたが、近年稀に見る壮大な映画になりそうで、これは心してやらなければならないと身が引き締まる思いです」と今回の映画化について思いを語る中村さんは、持ち前の味わいと演技力で、おとぼけなキャラクターながらも、実は十勇士イチの策士であり、真田幸村を“真の武将”に仕立て上げる猿飛佐助を、スクリーンとステージをところ狭しと飛び回り演じる。共に2014年の舞台へ出演した松坂さんは、「真田十勇士」を支える霧隠才蔵を続投。『ピース オブ ケイク』のオカマ役・天ちゃんや『劇場版 MOZU』の残虐非道な殺し屋・権藤など様々な役どころをこなす、若手実力派俳優の松坂さんは、今回の映画化について「ワクワクしています」「とびきりクールでかっこいい、“水もしたたるいい男”霧隠才蔵として、最後まで駆け抜けたいです」と意気込みを寄せた。また、佐助と才蔵の幼馴染で、女忍びとして二人を翻弄する火垂を、元「AKB48」の大島さんが演じる。『紙の月』で第38回アカデミー賞優秀助演女優賞ほか、多くの映画賞で助演女優賞を受賞し、「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」で連続ドラマの初主演を務め、堤監督とは本作が3作目のタッグとなる。大島さんは「お姫様役ではなくて、“くの一”という忍者の役柄だったことが、自分にはぴったりだな」と語り、初共演の2人については「勘九郎さんは、以前見たドラマで、そのお芝居の魅力に心を奪われました。今回は、そのときのシリアスな役柄とは全然違うお調子者の役ですが、それを勘九郎さんがどういうふうに演じられるか気になります。松坂さんとは生年月日が一緒で、幼なじみという役にすんなり入っていけそうで、共演を楽しみにしています」とコメントした。舞台版のキャストは、佐助は映画と同じく中村さんが務めほかは後日発表だそう。さらに同時期に出版化も予定しており、“映画×舞台×小説”というメディアミックス展開が期待される。映画『真田十勇士』は2016年9月、全国にて公開予定。舞台「真田十勇士」は2016年9月、新国立劇場中劇場にて開演予定。(cinemacafe.net)
2015年12月15日2014年に日本テレビ開局60年特別舞台として上演された『真田十勇士』を、映画と舞台で来年9月に公開/公演するダブルプロジェクトが発表された。映画版の主人公・猿飛佐助は、舞台版に引き続き中村勘九郎が演じ、佐助とともに真田十勇士を支える霧隠才蔵を演じた松坂桃李も続投するほか、映画版では大島優子が彼らの幼馴染で、女忍びとしてふたりを翻弄する火垂を演じる。監督と脚本は、同作の舞台演出を務めた堤幸彦監督と脚本を手がけたマキノノゾミが続投する。その他の情報『真田十勇士』をふたつのジャンルで同時期に公開/公演する画期的な試みについて堤監督は「(舞台の)再演に向かって走り出したところに、映画化の企画が加わった」と説明。撮影は12月2日から来年1月にかけて行われ、8月の完成を目指しており「現在撮影中ですが、とにかくセットがすごい。監督の私すらセットの端から端まで全部見渡すことができないほど」と明かし、「すばらしい音楽やハリウッドに負けないCGをご用意している上、テーマソングも大物が決定しております。まさに盆暮れ正月がいっぺんに来たような、そんな娯楽大作に致しますので、どうぞご期待ください」と意気込みを語っている。このダブルプロジェクトの主演を務める中村は「申年で猿がつく役をできるのは縁起が良さそうですし、大阪城落城400年の年(2015年)に、ゆかりの人物を演じることができるとは役者冥利に尽きますね」といい、「仕掛けのハデな最高のエンターテインメント作品であり、壮大な歴史ロマンであり、さらには、ラストの大どんでん返しに至るまでに、マキノノゾミさんが巧妙に隠した伏線を楽しめるミステリー要素もあって、とにかくいろいろな要素がつまった映画になりそうです」とコメント。一方、松坂は「お芝居ももちろんのこと、勘九郎さんの座長としての佇まいに色々と学ばせていただくことばかりです。映画がクランクインしたばかりにもかかわらず、既に完全に仕上がっていて、何を言ってもやっても、佐助以外の何者でもない。一緒に行動する場面が多いので、非常に楽しい時間を過ごしています」と話し、「映画版では真田十勇士の中で、とびきりクールでかっこいい、“水もしたたるいい男”霧隠才蔵として、最後まで駆け抜けたいです」と語っている。大島は「時代劇に出演するのは初めてなのですが、お姫様役ではなくて、“くの一”という忍者の役柄だったことが、自分にはぴったりだなと思いました」といい、中村と松坂については「お二人とも初めて共演させて頂きます。勘九郎さんは、以前見たドラマで、そのお芝居の魅力に心を奪われました。今回は、その時のシリアスな役柄とは全然違うお調子者の役ですが、それを勘九郎さんがどういうふうに演じられるか気になります。松坂さんとは生年月日が一緒で、幼なじみという役にすんなり入っていけそうで、共演を楽しみにしています」とコメントを寄せている。なお舞台版は、中村が映画と同じく佐助を演じるが、才蔵と火垂を演じるキャストは後日改めて発表される。『真田十勇士』2016年9月全国ロードショー!
2015年12月15日現代作家が能の物語に着想を得て新作を書き下ろす「現代能楽集」シリーズの第8弾、マキノノゾミ作・演出の『道玄坂綺譚』が11月8日、東京・世田谷パブリックシアターで開幕した。能の『卒都婆小町』と『熊野』を三島由紀夫が近代劇に翻案した「近代能楽集」の『卒塔婆小町』と『熊野』を、マキノがさらに現代劇に翻案した多重構造の大作。と聞くと、能や文学に精通していないと楽しめない難解な作品のように感じられるかもしれないが、さにあらず。マキノは二作をオムニバスとして並べるのではなく、現代の渋谷を舞台のひとつの物語に編み上げることで、重厚さのなかに軽やかな味わいが漂う快作に仕立てて見せた。現代能楽集VIII『道玄坂綺譚』チケット情報第一場の舞台は、渋谷の繁華街にあるネットカフェ。店員ふたり(水田航生、根岸拓哉)の会話は若者言葉の応酬で、そこに古典や近代劇の気配は微塵もないが、実はこの場面にすでに『卒塔婆小町』と『熊野』の登場人物が勢ぞろいしているという周到な幕開けだ。長期滞在客の年齢不詳の女 (一路真輝)と店員のキーチ(平岡祐太)は第二場、洋館に住む美しき令嬢・小町と彼女に想いを寄せる青年将校・深草貴一郎に。家出少女ユヤ(倉科カナ)と謎の紳士・宗盛(眞島秀和)は第三場、ある契約を結んで熊野(ゆや)と宗盛のような庇護関係に。二幕に入ると、宗盛にスマホの利用を禁じられたユヤの未来、そして小町と貴一郎を描いた映画の裏側と、物語は「近代能楽集」から大きく飛躍して展開されていく。『卒塔婆小町』と『熊野』、現在と過去と未来、そして現実と幻想…。何層もの背反要素の間を自在に行き来しながら進むこの綺譚が、どう“快作”として帰着していくのかは、観てのお楽しみ。どこをどう切り取ってもそれだけで十分面白い物語に、想像もしなかった“オチ”がついた時、誰もがマキノの緻密な構成力に舌を巻かずにはいられなくなることだろう。古典に材をとっても幻想を絡めても、やはりマキノはウェルメイドの名手なのだ。そんな緻密な劇世界を成立させているのが、達者な役者陣。本作では、例えば平岡ならネットカフェ店員のキーチ、青年将校の深草貴一郎、映画で深草を演じた俳優の佐伯というように、ひとりが複数の役に扮している。それぞれの役は言葉遣いが大きく異なるため、役者は場面ごとに使い分ける必要があるわけだが、作品の性質上、全くの別人に見えてしまってもまた面白くない。その微妙なラインを各人が丁寧に捉えて演じていたなかでも、とりわけ印象に残るのが一路だ。強烈な臭いを放つ老婆 から気品あふれる令嬢までを多彩な語り口で演じ分けたほか、情感豊かな歌声も披露し、確かな存在感を示した。公演は11月21日(土)まで、東京・世田谷パブリックシアターにて。取材・文:町田麻子
2015年11月09日世田谷パブリックシアターの芸術監督である野村萬斎が監修する「現代能楽集」。この11月に上演される第8弾『道玄坂綺譚』では、三島由紀夫の『近代能楽集』から「卒塔婆小町」と「熊野(ゆや)」の2作品をとりあげる。劇作・演出を手がけるのはマキノノゾミ。「古典の知恵と洗練を現在に活かす」というコンセプトのもと行われる公演だが、今回は原作となる能、それを近代の物語へと変換させた三島、さらにそれを現代、はては未来の東京へと移し替えようと試みるマキノと、三重構造の物語が折り重なる作品となる。「卒塔婆小町」と「熊野」がどのように融合されるのか気になるところだ。今作に出演する一路真輝と水田航生に話を聞いた。一路はネットカフェで暮らす老婆コマチと幻想の中の洋館の女主人を、水田はネットカフェで働く青年カオルと、熊野の若い恋人薫のそれぞれ二役を演じる。「“卒塔婆小町”というと、歌舞伎役者の嵐徳三郎さんが演じられたものをはじめとしてケレン味のある演し物という印象。空想のなかで老婆がいきなり美女に見えるという、お客様を思いっきり騙すような役柄ですから、ふつうの女優が演じるのはどうなんだろうと最初は戸惑いました」と語る一路。「でも、マキノさんが料理してくださることを期待して飛び込んでみました。お客様にこの物語がどう映るのか、興味が高まります」と続ける。一方の水田は「平成生まれの人間としては、古くからある能楽がどうやって平成の世に放たれるのだろう? と今から楽しみです。僕の演じる役は三島の『熊野』では名前しか出てこないのですが、実際に登場するという時点でもう元の話とは違いますから」と期待に胸を膨らませる。取材時はまだ稽古が始まる前ということで、役柄の詳細についてはまだ知らされていないふたり。一路は「もしかしたらマキノさんは制作発表やポスター撮影などで顔を合わせた私たちキャストの様子を観察して、それを戯曲に反映させようとしているのかも」とマキノのたくらみについて想像をはたらかせ、「マキノさんがどうしようと考えているのか、自分の役がどうなるのか、今はまだわからないことだらけ。でもふたつの役の対比をうまく出せたらと思います」と話す。水田も「いろいろな役が過去と現在と未来で交錯するなか、僕は現在と未来を行き来することになりそう。二役を演じるのは初めてなので、新たなチャレンジです」と決意を語った。「物語や役柄についてお話しするのは難しいけれど、すごくわかりやすい、面白い作品になると思います」と一路が語ると、水田は「面白かったー!と席を立って、その後にぞわぞわするような作品になればいいなと思います」と続けた。公演は11月8日(日)から21日(土)まで東京・世田谷パブリックシアターにて上演。チケットは発売中。文:釣木文恵
2015年10月09日9月9日、現代能楽集シリーズ第8弾となる『道玄坂綺譚』の制作発表が行われた。世田谷パブリックシアターの芸術監督である野村萬斎が“古典の知恵と洗練を現代に還元する”ことを目的に立ち上げた現代能楽集シリーズでは、これまで、野田秀樹や宮沢章夫ら、様々な演出家が能楽を現代によみがえらせてきた。今回作・演出を手掛けるのはマキノノゾミ。マキノは三島由紀夫の『近代能楽集』から「卒塔婆小町」「熊野」の2作品をひとつに融合させ、新たな物語を書き下ろすことに挑む。キャストには平岡祐太をはじめ、倉科カナや眞島秀和、水田航生、一路真輝らが顔を揃える。舞台『道玄坂綺譚』チケット情報「三島の原作自体が、能楽を近代の作品として換骨奪胎したもの。僕はそれを、さらに現代のものに変化させます。元々、あるものを解体し再構築するのは好きな手法。今回は大いに創作意欲を刺激されています」とマキノ。「『卒塔婆小町』では老婆が登場するのですが、その老婆がいる場所を三島は日比谷公園に設定した。当時の通俗的な場所の代表だったと思うんです。それにあたるのは今ならどこだろうと考えて、舞台をネットカフェにしました。『熊野』は(能の謡曲では)平宗盛とその寵愛を受けた女性の物語。それは現代に置き換えるならデイトレーダーとして秒単位で億を稼ぐような長者と、家出少女みたいなもの」と、早くもその“換骨奪胎”ぶりを披露する。「ファンタジック」「不思議な話」と原作を読んだ感想を語る出演者たちに対し、萬斎は「能も三島もリアルな感情によってだけ紡がれているわけではない部分が共通している。誇張された場所を楽しむことが、現代との接点になるかもしれません。“ありえない!”という飛躍を役者として楽しんでほしい」と語る。能と現代の接点について時折語られながら会見が進むなか、「平成生まれ」と話す水田、「19歳です」という根岸拓哉に一路が「気づいたらどの座組でも最年長に近くなってきてしまった」と動揺を告白し笑わせる場面も。ネットカフェの店員と、洋館の女主人の恋人という時代を超えた二役を演じる平岡祐太は「マキノさんの構想をうかがって期待が高まった。『それはある意味、もう三島ではないですよね?』と聞いたら『ミシマじゃなくてマキノです』と答えてくれました」と笑う。少女から大人の女性へ変貌する役の倉科は「ふたつの物語が入り乱れてどうなるのか楽しみです」と期待を寄せる。公演は11月8日(日)から21日(土)まで東京・世田谷パブリックシアターにて。チケットは9月13日(日)より一般前売開始。チケットぴあでは9月12日(土)18時までWEBにて先行販売中。取材・文/釣木文恵
2015年09月10日野村萬斎が企画・監修を務める現代能楽集の第8弾で三島由紀夫の近代能楽集「卒塔婆小町」「熊野(ゆや)」を現代劇にまとめた「道玄坂綺譚」の制作発表会見が9月9日(水)に開催された。会見には萬斎さんに加え、キャスト陣から平岡祐太、倉科カナ、眞島秀和、水田航生、根岸拓哉、一路真輝、そして演出のマキノノゾミが出席した。三島が能楽の特性を生かしつつ、昭和の物語として描いた作品をさらに平成の現代に置き換えて描く。渋谷のネットカフェを舞台に、そこに長期滞在する年齢不詳の女、家出少女、金持ちの実業家が交錯し、現実と幻想の世界を行き来する。萬斎さんは「能楽は、故事に依りながら、現代劇では扱いにくい権力者を扱ったり、絶世の美女が出てきたり、キャラクターライズされた『ありえない!』という大胆な飛躍が魅力」と語り、本作に関しても「権力やお金の話など現代を映し出すと思います」と期待を寄せる。家出少女の熊野を演じる倉科さんは萬斎さんの言葉に「大変身だったり『ありえねー(笑)!』というのは確かにあると思います。融合して入り乱れる2つの物語をどう表現するのか?今から楽しみです」と意気込みを語った。平岡さんは「三島さんの『卒塔婆小町』を読んで、不思議なお話で理解しがたい展開もあるのですが、説得しようとせずに説得してしまうような言葉の美しさがあるのを感じました。三島さんの言葉が強く、ワンフレーズごとに情景が浮かんできます」と語る。演出のマキノさんは「2本を1本にするというのはめんどくさいんですが(笑)、お客さんに次に何が起こるのかを予測させない効果があると思います。つねに驚いて楽しんでいただければと思います」と語り、“ありえない”展開の表現に関しても自信をのぞかせていた。「道玄坂綺譚」は世田谷パブリックシアターにて11月8日(日)より開幕。(text:cinemacafe.net)
2015年09月09日世田谷パブリックシアターの人気シリーズ「現代能楽集」第8弾『道玄坂綺譚』が11月に上演される。この企画は、同劇場の芸術監督・野村萬斎が企画・監修を務め、古典の知恵と洗練を現代に還元し、現在の舞台創造に活かしたいという思いから生まれたもの。今回は、三島由紀夫作「近代能楽集」の中から「卒塔婆小町」「熊野」の2編を土台とし、ひとつの現代の物語として描く。作・演出はシリーズ初登場となるマキノノゾミ、出演は平岡祐太、倉科カナ、眞島秀和、水田航生、一路真輝ら魅力的なキャストが揃う。某日、都内で行われたスチール撮影現場に潜入した。舞台『道玄坂綺譚』チケット情報ノスタルジックな雰囲気が漂うセットの中で、男性キャストの平岡、眞島、水田がポーズを決めていく。明るさを抑えた照明の中で表情を作る姿は、早くも役になりきっているようだ。物語の舞台は東京の繁華街にあるネットカフェ。平岡はそこの従業員キイチと陸軍大尉・深草貴一郎という、時空を超えて“コマチ/小町(一路)”に惹かれる青年を演じる。眞島は、家出少女ユヤ(倉科)を美しい女性へと成長させるベンチャー企業社長の宗盛、水田はキイチの同僚カオルとユヤの恋人・薫をそれぞれ務める。萬斎のラブコールに応えるかたちで作・演出を手掛けるマキノは、「“卒塔婆小町”と“熊野”というふたつの作品を行ったり来たりしながら、常に魅力的なシーンが展開される舞台になればと思っています。根っこに能や三島作品は持ちつつ、全く新しい表現で幻想的な世界観を描けたら」と意欲をみせる。平岡は「マキノさんとは、『淋しいのはお前だけじゃない』(2011年)でご一緒して以来。あの時の世界観とは全く違う作品で、再びご一緒できます。三島作品のテイストが残りつつも、マキノさんワールドが色濃い、新しい世界観のものが誕生するのではないでしょうか。自分のやり方に凝り固まらず、自由にやりたいと思っています」とコメントを寄せた。また、眞島は「三島作品、そしてマキノ作品の世界観に入っていくことに期待しつつも、そこに自分が立っていられるか、恐怖を感じている部分もあります。僕自身、舞台経験は多くないのでどんな題材でも挑戦なんですが、今回もやりがいのある難しいテーマをいただいたと思っています。素晴らしいお芝居になるように努力したい」、水田は「古典である能楽に現代のイメージを重ねていく――どのように上演するのか、出演者としてワクワクしています。三島作品は、舞台『金閣寺』(2014年)で触れたことがあるので縁があるのかもしれません。共演の皆様とは初めての方ばかりで、今から稽古が楽しみです」と語った。公演は11月8日(日)から21日(土)まで東京・世田谷パブリックシアターにて。チケット一般発売は9月13日(日)より開始。なお、チケットぴあではプレイガイド最速先行プレリザーブを9月5日(土)11:00まで受付中。
2015年09月03日ニール・サイモン作のブロードウェイ・ミュージカル『グッバイ・ガール』が8月、有楽町・東京国際フォーラム ホールCにて開幕する。1977年公開の同名映画をもとに作られ、日本では実に17年ぶりの上演となる本作は、子持ちのダンサーと売れない役者の恋物語を描いた大人のロマンチック・コメディだ。7月6日に行われた制作発表には、自ら「ニール・サイモンの大ファン」と称する演出のマキノノゾミを筆頭に、子持ちダンサーのポーラを演じる紫吹淳と、売れない役者エリオット役の岡田浩暉の主演ペア、アパートの管理人ミセス・クロスビー役の中尾ミエ、ポーラの娘ルーシー役(Wキャスト)の吉井乃歌と児玉萌々が登壇し、作品にかける意気込みを語った。ミュージカル『グッバイ・ガール』チケット情報「ポーラに一番共感できる点は、“男運がない”というところ(笑)。私の代表作になるんじゃないかなと思っています」(紫吹)。「エリオットは夢を追ってニューヨークに出てきた男。僕自身も地方出身で、音楽への思いを抱いて都会に出てきた、あの頃の気持ちを思い出します」(岡田)“変わり者”という設定のエリオットについて、自身との共通点を聞かれた岡田は「これは言いたい。俳優は皆、変わり者です!」ときっぱり。横から紫吹も「芸能界に属していることがもう変わり者ですよね」と調子を合わせるが、中尾は「私はミュージシャンなので、自分はノーマルだと思っています」とすまし顔。さらに「私は実際もアパートの管理人をしているので、私生活とリンクするんですよね」と語り、会場の笑いを誘った。ミュージカル演出に初挑戦するマキノは「俳優の皆さんには、『血中ガイジン・モードをあげて(笑)、ニューヨーカーになってね』とお願いしたい。日本人の感性では恥ずかしくてできないことだけど、それをやらないと成立しませんから。体全体、細胞からアメリカ人の思考で取り組んでほしい。(観客に)有楽町でブロードウェイを体験していただけるよう、しっかりとしたブロードウェイ・ミュージカルを作り上げたいと思います」と力強く宣言。制作発表の後には立ち稽古の一部が公開され、思いがけずアパートで同居するハメになったポーラとエリオット、その騒動の始まりを描くシーンが行われた。共同生活のルールについてお互いの主張をぶつけ合うナンバー『My Rules』を歌いながら、部屋中を駆け回ってにらみ合うふたり。どこか不器用だけれどチャーミング、そんな紫吹ポーラと岡田エリオットをいつしか応援したくなる、胸にしみ入るラブストーリーが期待できそうだ。「ラブシーンもありますので、存分に楽しませていただこうと思います(笑)。観終わった時には、『恋をもう一回やってみようかな』という気になるんじゃないかな」(岡田)。「そう。だから倦怠期のご夫婦とか、ちょっとうまくいってない恋人同士で観ていただけたら、寄りが戻るかも(笑)。恋をしたいな~と思っていただきたいですね」(紫吹)公演は8月7日(金)から23日(日)まで。なお、本日7日(火)26:10よりフジテレビにて原作映画『グッバイガール』が放送。取材・文上野紀子
2015年07月07日ミュージカル『グッバイ・ガール』が今夏、紫吹淳と岡田浩暉のW主演で新たにお目見えする。コメディの名手ニール・サイモン作、リチャード・ドレイファス主演映画を原作としたブロードウェイ・ミュージカルである。今回の日本版は「日本一のニール・サイモン好き」と自負するマキノノゾミが初となるミュージカル演出を担い、上演台本の脚色にも着手。キャスト・スタッフともに実力派の布陣が構築する、大人のロマンチック・ラブコメディだ。ミュージカル『グッバイ・ガール』チケット情報稽古に先駆けて行われたポスター撮影では、主演のふたりが早くも雰囲気十分に、息の合った様子を見せてくれた。2011年の舞台『風と共に去りぬ』で共演した間柄に加え、ともに群馬県太田市出身。まるで幼馴染み同士のようなお互いへの深い信頼が、朗らかな対話から伝わってくる。「今回は気心の知れた岡田さんとご一緒なので、とても心強いです。岡田さんは見た目と同様にソフトで爽やかな人。いつまでも群馬の少年の心を持っているよう(笑)」(紫吹)。「紫吹さんはいつお会いしても優しくて、ふわ~っとした印象。でも決める時にはバチッ!と決めてくる。どんな役をされてもはずしませんね」(岡田)売れない役者エリオットと、ひとり娘を連れたダンサー・ポーラ。予期せぬ出会いをしたふたりが結ばれるまでのオシャレな恋物語を、この同郷のご両人が立ちあげると想像すると、早くも心和み、頬が緩む。「ついにこういう役がきたか、と(笑)。シングルマザーの役は初めて。結婚も、子供を産んだこともないですが、ポーラの役を通して経験ができて、少しでもオンナに磨きがかかったらいいな」とチャーミングに笑う紫吹に、岡田は「でも紫吹さんは落ち着いているじゃないですか。前回ご一緒した舞台でも母性を感じたし、芝居から豊かな個性が伝わってきた。すぐに母親の顔になっちゃうと思うよ」と太鼓判。岡田自身も「これをやりたいんだ、という情熱を持っている」エリオットに自らを重ね、「実感を持って演じられます」と強い意欲を見せた。マキノがふたりに当てて脚色する台本を心待ちにしているというふたり。役柄の中に素の魅力がのぞく、応援せずにはいられないカップルの誕生を期待したい。「大人だとか子供だとか、そんな定義を超えた恋愛がそこにある、しっかりとしたラブストーリーだと思います。2回観たくなるようなミュージカルにしたいですね」(岡田)。「私は3回観てもらいたい(笑)。子供の頃は今の自分の年齢を、もっと大人だと思ってた(笑)。だから子供のほうが冷静に大人を見ているのかも。そんな雰囲気をうまく出せたらいいですね」(紫吹)公演は8月7日(金)から23日(日)まで東京国際フォーラム ホールCにて。チケットの一般発売は4月25日(土)午前10時より。チケットぴあでは前から18列目までの良席先行をインターネット先行先着「プリセール」にて、4月11日(土)昼12時より受付。取材・文:上野紀子
2015年04月10日戦国武将・真田幸村に仕えたとされる伝説のヒーロー軍団〈真田十勇士〉。彼らの物語は小説、映画から漫画、ゲームに至るまで、繰り返し描かれてきた。2014年の幕開きには、マキノノゾミのオリジナル脚本、堤幸彦演出による舞台『真田十勇士』が登場する。主人公の猿飛佐助には歌舞伎俳優の中村勘九郎が扮し、佐助と並ぶ十勇士のツートップ・霧隠才蔵を、話題作への出演が続く松坂桃李が演じる。『真田十勇士』チケット情報今回のマキノ脚本で軸となるのが、「実は平凡な武将の幸村を、口八丁の猿飛佐助が“本物の名将”に仕立て上げる」という大胆な設定だ。佐助と才蔵は同じ忍びの里で育ちながら、とことん陽気なホラ吹きとクールな知能派という正反対のキャラクター。だが互いに認め合う存在でもあり、十勇士の両輪として物語を牽引していく。才蔵役を「一度やってみたいと思っていた」という松坂は、「十勇士の中で一番影がある印象」と語る一方で、忍びという存在そのものが持つ宿命に悲哀を感じるという。「たとえ汚名を着せられても、任務を全うするために命尽きるまで耐え忍ぶのが“忍び”たるもの。決して光の当たらない場所で主のために生き、時には敵の前で仲間を殺すこともある。自分の感情を常に押し殺しながら生きるというのは、非常に悲しいですよね。身近な人間に感情を抱けば抱くほど、苦しみも深くなるのではないかな、と」。たとえるならば「太陽」の佐助と「月」の才蔵との対比も見どころになるが、勘九郎との初共演には胸を躍らせている。「歌舞伎界の先頭を走る方とこれだけの時間を一緒に過ごせる機会はなかなかないので本当に楽しみです。勘九郎さんの役の捉え方、物事の考え方に少しでも触れられれば。歌舞伎公演は休演日もなくハードだと聞くので、一定のコンディションを保つための身体のメンテナンス法も訊いてみたいですね」。近年は映画やドラマで主要な役を任される機会も増え、今年初めて挑戦したシェイクスピア劇『ヘンリー四世』での好演も記憶に新しい。手ごわいセリフをこなし、舞台俳優としての資質を高く評価されたが、常に自分に問うのは「作品の一片として役割を果たせているか」ということだ。「演出家や監督の言葉をいかに汲み取り、たぐり寄せられるか。作品のためが第一であって、“自分らしさ”は二の次三の次、いや、なくてもいいくらいだと思います。才蔵のような鋭利さを持つ役は今までに経験がないので、作品の中の人物としてしっかり向き合っていきたい」。松坂桃李の肉体に宿る才蔵が、戦国の世を駆け抜ける姿を早く見たい。公演は2014年1月7日(火)から2月2日(日)まで東京・青山劇場、2月7日(金)から19日(水)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて。チケットの一般発売は9月7日(土)午前10時より。取材・文:市川安紀(アルカディア社)
2013年08月30日