Photo by SANDER MUYLAERTボッテガ・ヴェネタがWINTER22キャンペーンのビジュアルを公開。新クリエイティブ・ディレクター マチュー・ブレイジーのファーストコレクションのキャンペーンとなっている。ボッテガ・ヴェネタのクリエイティブ ディレクター、マシュー・ブレイジーによる初のWINTET 22 キャンペーンは、写真家や撮影監督、モデルまで、 多角的な視点により生み出された魔法の産物。マチューのファンデーション コレクションは、ミラノのサン・ フェデーレの舞台裏から旅を始め、ベルギーのホルスト フェスティバルに移り、再びイタリアに戻り、 南海岸で終わります。このキャンペーンは、主にフィルムで撮影された 41 枚の写真と動画で、 静かな力というブレイジーの概念が生き生きと表現されている。ボッテガ・ ヴェネタは実用性を兼ね備えたレザーグッズを中心に取り扱ってい ます。バッグはどこに行くときも共にあるという考えに基づいています。 タイムレスなファッションさえも超越したスタイルであり、 これは静かな力の一部なのです。-マチュー・ブレイジーPhoto by SANDER MUYLAERTPhoto by LOUISE AND MARIA THORNFELDTPhoto by LOUISE AND MARIA THORNFELDTPhoto by SOLENE GUN
2022年09月02日フランス映画界の名優であり、監督としても活躍するマチュー・アマルリックの最新作『SERRE MOI FORT (英語題:Hold Me Tight)』が、邦題『彼女のいない部屋』として全国公開されることが決定した。アルノー・デプレシャン、オタール・イオセリアーニ、ウェス・アンダーソン、黒沢清ら名監督作品への出演や『007/慰めの報酬』での強烈な悪役など俳優として人気が高いのはもちろん、監督としてもトップクラスの実力を持つマチュー・アマルリック。本格的な長編監督第一作の『さすらいの女神たち』では、カンヌ映画祭監督賞・国際映画批評家連盟賞を受賞し、2017年の『バルバラセーヌの黒いバラ』ではカンヌ映画祭ある視点部門の開幕作に選ばれている。そんなアマルリック作品の中でも「実は最高傑作ではないか?」とフランス国内で絶賛の声が寄せられている最新作『彼女のいない部屋』。海外資料にあるストーリーは「家出をした女性の物語、のようだ」という1行のみ。フランス公開時にも、物語の詳細は伏せられており、展開を知らない観客がある真実に気づいたときに、大きな衝撃で心が動揺するほど感動したという作品だ。昨年のカンヌ国際映画祭で新設された「カンヌ・プレミア部門」に選ばれ、フランスのアカデミー賞といわれる「セザール賞」では各主要部門にノミネートされた。主演はポール・トーマス・アンダーソン監督のアカデミー賞受賞作『ファントム・スレッド』やM・ナイト・シャマラン監督の『オールド』、ミア・ハンセン・ラヴ監督の『ベルイマン島にて』などに出演し、いま最も輝いているヨーロッパ俳優と言われるヴィッキー・クリープスがつとめている。誰もみたことのない、新たな表現に到達した感動的な傑作が日本上陸を果たす。『彼女のいない部屋』は8月26日(金)よりBunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:彼女のいない部屋 2022年8月26日よりBunkamuraル・シネマほか全国にて公開© 2021 - LES FILMS DU POISSON – GAUMONT – ARTE FRANCE CINEMA – LUPA FILM
2022年05月25日映画『ウルフズ・コール』が、2020年9月25日(金)より全国公開される。極限の潜水艦サスペンス&アクション大作2019年に開催された「フランス映画祭 2019」で公開され、拍手喝さいを浴びた『ウルフズ・コール』。人並み外れた特殊能力を持つフランス海軍原子力潜水艦の分析官が繰り広げる、緊迫の潜水艦サスペンス&アクション大作だ。ストーリーフランス軍の潜水艦で、並み外れた聴覚を活かし「黄金の耳」と呼ばれる特殊分析官として従事するシャンテレッド。それは僅かに聞こえる音から敵の動向を探る重要なポジション。しかしシリアでの潜航任務中、彼は怪しげな音に気づくも識別に失敗し、その判断ミスから甚大な危機を招いてしまう。彼の耳を惑わせたのはまるで“狼の歌(呼び声)”のような正体不明のソナー音。やがて再びその音が聞こえたとき、シャンテレッドは人類滅亡の危機を賭けた決断を迫られる。深海に鳴り響く“狼の歌”緊迫の予告動画公開された予告動画では、特殊分析官・シャンテレッドが、突如深海に鳴り響いた“狼の歌”を聞き取ってしまい、どんどん危機に直面していく様子が描かれている。果たしてシャンテレッドは、“狼の歌”の正体を突き止め、危機を脱する事が出来るのか。主人公で、「黄金の耳」の持ち主シャンテレッドは、2019年公開のフランス映画『私の知らないわたしの素顔』主演のフランソワ・シヴィル。監督は、本作が初の長編作品となるアントナン・ボードリーが務める。【詳細】『ウルフズ・コール』公開日:2020年9月25日(金)監督:アントナン・ボードリー脚本:アントナン・ボードリーキャスト:フランソワ・シヴィル、オマール・シー、マチュー・カソヴィッツ、レダ・カテブ原題:Le Chant du loup配給:クロックワークス
2020年08月30日『最強のふたり』のエリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督の最新作『スペシャルズ!~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』からメイキング写真が到着。監督は、25年越しのヴァンサン・カッセルのキャスティング秘話を明かした。本作は、本国フランスで公開されるや、熱い支持を受け動員数200万人を突破。スペイン サンセバスチャン国際映画祭では過去最高得点で観客賞に輝き、セザール賞では9部門にノミネートされ、ヨーロッパ各国で熱狂的に愛された。そして本作の主人公も『最強のふたり』と同じく、実在するふたりの男たちがモデルとなっている。そのひとりを演じるのは、1991年のデビュー以来、フランス映画界を牽引し続ける名優ヴァンサン・カッセル。30年程度のキャリアで出演作が約90本(TVシリーズ含)に及ぶカッセルだが、これまで演じてきた役をふり返ると、実在の人物では画家のポール・ゴーギャンや、伝説的なギャングのジャック・メスリーヌ。近作も怪盗や謎の大富豪など、とにかくアクの強い、カリスマ性のある役柄が記憶に新しい。今回、質素な市井の人にあえてカッセルをキャスティングすることに不安がなかったのか、監督のひとりオリヴィエ・ナカシュに尋ねると、決め手となったのは、なんと25年前の映画体験だったという。「1995年に『憎しみ』(95/マチュー・カソヴィッツ監督)を観たんです。そしてその1年後ぐらいに、オリヴィエ・シャツキー監督の『L’eleve』(96/日本未公開)という作品を観て、ぶっとびました」と監督。「どちらもヴァンサンが主演ですが、現代のパリ郊外の鬱屈した若者のヴィンス(『憎しみ』)が、一年後には19世紀末のコスチューム劇で貴族の男の子の家庭教師になっていました(笑)。まさかこれが同じ役者!?と衝撃的だったんです。だからそのとき『いったいこの役者は誰だ!?』と思ったのを今でもよく覚えています。映画ごとにこんなに異なる役ができるなんて、とね。それ以来、僕らはいつか彼と一緒に仕事をしたいと思っていて、今回ついにこれだ!と思ったんです。だから、彼のカリスマ性は全く邪魔にならなかったし、むしろ彼にカリスマ性があったからこそ25年間も僕らの記憶に刻み込まれ、この役をオファーすることになったのです」と明かす。そんな25年越しの熱いラブコールを受けたカッセルだが、実は監督たちと会うときにはすでに引き受けると心を決めていたそう。カッセルは「脚本もできていなかったのですが、このふたりが監督で、このテーマで、共演がレダ・カテブと聞いて、とくに考えることもありませんでした」と語る。「すぐれた監督の手に身を委ねることは、俳優にとってとてもやりやすい。きっといいものになるとわかるんです。彼らの映画を観ると、すべての点でうまくいくやり方を心得ています。これは生易しいことじゃありません。成功してからも、毎回彼らの作るものには唸らされます。すごいことですよ」と監督たちを大絶賛する。この度解禁するメイキング写真では、初タッグにも関わらず和気あいあいとしたカッセルや監督らの姿が伝わってくる。順調な現場の雰囲気が見てとれ、カッセルをはじめ役者たちはもちろん、施設から参加した当事者や家族たちも監督たちに全幅の信頼を寄せて撮影に臨んだことが伺える。ちなみに、監督たちがカッセル演じるブリュノのモデルとなったステファン・ベナムと出会い、映画化を誓ったのも1994年と、約25年前。彼らがその間「いつか出演してもらいたい」と願い続けたカッセルが出演を快諾し、四半世紀を経て監督たちの様々な思いが詰まって完成したのが本作なのだ。『スペシャルズ!~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』は9月11日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2020年08月22日フランスの大邸宅に三世代で暮らすロラン家 ミヒャエル・ハネケ監督の5年ぶりとなる新作『ハッピーエンド』が、3月3日より公開中だ。前作『愛、アムール』で、老夫婦の愛と死に目を向けたハネケ監督。今作でも、『愛、アムール』に出演したジャン=ルイ・トランティニャンとイザベル・ユペールを起用し、フランスの大邸宅に三世代で暮らす、崩壊寸前の家族を描いている。 ハネケ作品の常連俳優、イザベル・ユペールが出演 フランス北部の町・カレーに住むブルジョワジーのロラン家。建築業を営んでいた家⻑のジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)は、高齢のために仕事を引退。今は娘のアンヌ(イザベル・ユペール)が家業を継ぎ、辣腕を振るっている。アンヌの息⼦・ピエールも家業を手伝っているが、精神的に不安定でトラブル続き。アンヌの弟・トマは医者として働き、再婚した妻と幼い息子とともに、同じくロラン家で暮らしていた。そこへ、トマと前妻の間に生まれた娘・エヴがやって来ることになり……。 映画は冒頭で、スマートフォン画面上の動画をうつし出す。その画面上に、撮影者による短いコメントが矢継ぎ早に打ち込まれていく。何気ない日常を切り取った映像が、動画共有アプリの投稿によって垂れ流される様子は、遠くの人と瞬時につながりながらも、身近な人と親密につながれない現代人の孤独を表しているようにも見えてくる。 闇を抱えた少女を演じるのは、ハネケ監督に抜擢されたファンティーヌ・アルドゥアン もうすぐ13歳になる少女・エヴは、両親の離婚のため父と離れて暮らしていた。しかし、ある事件をきっかけに、父親の家族が暮らす豪邸に身を寄せることに。彼女の新たな居場所となったロラン家は、使用人家族を敷地内に住まわせるほど裕福だが、家庭内がうまくいっているとはいえない。表向きは互いに気遣い、愛情をもって接しているように振る舞いながらも、家族それぞれが抱える心の痛みや苦悩には、深く立ち入ろうとしない。 一家が迎える結末は、果たしてハッピーエンドなのかある秘密を隠しながら、周囲に心を閉ざす少女・エヴ。そんな彼女の闇に気付くのは、祖父のジョルジュだけだ。「死」に興味を持つ思春期の少女と、「死」にさしかかった老境の祖父が静かに対話するとき、ふたりはかすかに心を通わせる。 映画の終盤、閉ざされた大邸宅を出たロラン一家は、広々と空を見渡せる海沿いのレストランに集まる。その後、一家が迎える結末は、果たしてハッピーエンドなのか、そうでないのか。これまでのハネケ監督作品と同様、登場人物の心情や境遇をあまり多く説明しない本作は、観る者に解釈を委ねている部分が多い。だからこそ想像力を膨らませながら、ぜひ劇場でその結末を見届けてほしい。 © 2017 LES FILMS DU LOSANGE - X FILME CREATIVE POOL Entertainment GmbH - WEGA FILM - ARTE FRANCE CINEMA - FRANCE 3 CINEMA - WESTDEUTSCHER RUNDFUNK - BAYERISCHER RUNDFUNK- ARTE - ORF ■『ハッピーエンド』2018年3月3日(土)より、角川シネマ有楽町ほか全国順次公開中監督・脚本:ミヒャエル・ハネケ出演:イザベル・ユペール、ジャン=ルイ・トランティニャン、マチュー・カソヴィッツ、ファンティーヌ・アルドゥアン ほか提供:KADOKAWA、ロングライド配給:ロングライド
2018年03月18日ミヒャエル・ハネケ監督映画『ハッピーエンド』が、2018年3月3日(土)に公開される。ミヒャエル・ハネケ最新作は、壊れゆく現代家族の物語物語の舞台は、難民が多く暮らすフランス北部の町、カレー。一見どこにでもいるような家族3世代だが、その裏には不倫や裏切りなど、それぞれに秘密をかかえながら暮らす姿を、ハネケ節たっぷりに描いた人間ドラマだ。キャストは、第85回アカデミー賞外国映画賞を受賞した『愛、アムール』で父と娘を演じたジャン=ルイ・トランティニャンとイザベル・ユペールが、本作でもある裕福な家族の父と娘を演じているほか、『アメリ』のマチュー・カソヴィッツら、フランスを代表する俳優たちが集結している。3世代が絡む複雑なキャラクターたち家族3世代が絡むキャラクターたちは、ジャン=ルイ・トランティニャン演じる一代で巨万の富を得た家長ジョルジュ・ロランを中心に、複雑な関係で構成される。イザべル・ユペール演じるジョルジュの娘アンヌは、のちに彼の後継者となる人物で、フランツ・ロゴフスキ演じる、専任職を任された息子ピエールを持つ。また、アンヌの弟で、マチュー・カソヴィッツ演じる医者のトマは、ローラ・ファーリンデン演じるアナイスと夫婦関係にある。しかし、ある事件をきっかけに、トマの元妻との間に生まれた、ファンティーヌ・アルドゥアン演じる14歳の娘エヴがロラン家に越してくることに……物語は、常に「死」が纏わりつく祖父ジョルジュとそんなエヴにスポットを当てて進んでいく。予告映像では、そんなロラン家に14歳のエヴが越してくるシーンから始まる。ジョルジュは、食事中のエヴに心ない発言を浴びせたり、突如銃の調達を命じるなど破天荒な老人として映し出される。他にも、薬物乱用で集中治療室に入れられた母親や、ハムスターの死体を携帯で映したショッキングなシーンなど、ロラン一家で巻き起こる“普通”ではない出来事を垣間見ることができる。物議を醸すハネケ節は健在89年に映画監督デビュー、『白いリボン』と『愛、アムール』でカンヌ最高賞パルムドールを2作連続で受賞しているほか、アカデミー賞外国語映画賞、セザール賞、英国アカデミー賞など、ありとあらゆる名誉ある映画賞をその手にしているミヒャエル・ハネケ。しかし、その一方で、過激なシーンや人間の愚かさや醜さを克明に描くことから、作品発表の度に物議を醸している。それは『ハッピーエンド』も例外ではなく、2017年に開催された第70回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映されると、様々な映画評が紙面を賑わせた。「“不快”な映画を作るときだ」当のハネケ本人は作品について「私の映画はすべてエモーショナルだ。ある意味、私はいつも同じような映画を作っている。映画監督とはそういうものじゃないか?だが、少しでも前より良いものを作っていきたいと願っている。とにかく、今回は“良い”映画を作ろう、とは思わなかった。“不快”な映画を作るときだ、とね」と、コメントを残している。ストーリーロラン家は建設会社を経営し、大きな邸宅に暮らしている。両親の離婚のため離れて暮らしていた孫娘のエヴは、父親トマと一緒に暮らすため、祖父ジョルジュたちの住むフランス北部のカレーに呼び寄せられる。不倫や裏切りなどそれぞれに秘密をかかえながら暮らす、壊れていく現代の家族の物語。作品情報映画『ハッピーエンド』公開日:2018年3月3日(土)脚本・監督:ミヒャエル・ハネケ『愛、アムール』『白いリボン』『ピアニスト』出演:イザベル・ユペール(『エル ELLE』『ピアニスト』)、ジャン=ルイ・トランティニャン(『愛、アムール』『男と女』)、マチュー・カソヴィッツ(『アメリ』)、トビー・ジョーンズ(『奇跡がくれた数式』)、ファンティーヌ・アルドゥアン(『少女ファニーと運命の旅』)原題:HAPPY END上映館:角川シネマ有楽町 ほか© 2017 LES FILMS DU LOSANGE - X FILME CREATIVE POOL Entertainment GmbH – WEGA FILM – ARTE FRANCE CINEMA - FRANCE 3 CINEMA - WESTDEUTSCHER RUNDFUNK - BAYERISCHER RUNDFUNK – ARTE - ORF Tous droits réservés
2017年12月08日当然のことながら、これまでとは違う。その違いこそが、新しさを生んでいる。ジェイソン・ステイサムからバトンを受け取り、シリーズ再始動作『トランスポーター イグニション』で天才運び屋フランク・マーティンを演じたエド・スクレインは、ストイックでスマートな役の魅力を保ちつつ、フレッシュでスウィートな“新フランク”を誕生させた。黒いスーツに身を包み、愛車のアウディS8を自在に操る2代目フランク。華麗なドライビングテクニックと格闘技術を持つ彼のキャラクターは、アクション・コーディネーターとの二人三脚で作り上げたものだとエドは言う。「クラヴマガ、カリ、ボクシング、キックボクシングを取り入れながら、フランクのスタイルを作っていったんだ。マーシャルアーツに挑戦するのは初めてだったし、とてもとても大変な作業だったよ(笑)。でも、フランクになるには、それが最も重要なプロセスだったんだ。普通は台詞を言いながら役の内面を模索するものだけど、フランクはアクションを通して感情を掘り下げられる役。肉体の動きと感情が密接にリンクしているからね」。そんな彼の物語の中で注目すべきは、愛する父親の存在。運び屋フランクの協力を何としても取りつけたい依頼者の美女3人が、父親を人質に取るところから話は展開していく。「今回の物語には、フランクの様々な面を見せる素晴らしいチャンスがあったと思う。彼の強みだけでなく弱みも見せられたからこそ、より深みのある人間像になったんじゃないかな。父親役のレイ・スティーブンソンとは実際にもすごく仲良くなったんだ。それはスクリーンを通しても感じてもらえると思うし、フランクと父親の場面は僕が最も好きなシーン。カメラの前以外でも、僕たちは一緒に過ごすことが多かったね。その時にどんな話をしたかは言えない!教えてもいいけど、原稿にはできないと思うよ(笑)。下らなくて、ダークで、子どもっぽいユーモアのこもった会話を交わしたんだ。しかも、僕の父もレイと仲良くなってね。オンスクリーンの父とオフスクリーンの父が僕にはいる感じかな」。父親の命を救うべく危険に身を投じる姿も格好いいが、やがて美女たちの抱える事情を知り、親身になっていくのもエド版フランクのスウィートなところ。ただし、「僕自身とは女性に対するアプローチの仕方が全然違う(笑)」そうだ。「女性たちを助けてあげようとする姿勢は尊敬に値するけど、フランクの生き方はちょっと危険過ぎるよ。3人の美女たちからは危険な香りがプンプンと漂っているわけだし…。僕がフランクにアドバイスをするなら、『素敵な女性を見つけて、仕事をやめて、安全運転をして、人と戦うのはやめて、子どもでも作りなよ』ってとこかな。でも、そうしたら話が終わっちゃうから、それはそれで困るよね」。ちなみに、出演ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」でも、エドは逞しい美女に理解を示す男を演じていたが…、「そこは僕の実人生に近いところだね(笑)」とのこと。「子どもの頃は母ガモについていく子ガモのようだったし、今はパートナーが僕を導いてくれる。仕事や人生の重要なポイントは自分でコントロールしたいと思うけど、家庭では決して(積極的に主導権を握る)アルファなタイプじゃないんだ。周りにいるダイナミックな女性たちに主導権を渡すことに全く抵抗はないんだよ」。柔らかな物腰、口調の穏やかさ、そして真摯な態度。そこからはエド自身の人柄に加え、映画に対する愛が見て取れる。主人公の宿敵を演じるマーベル映画『デッドプール』の公開を来年に控え、今後のキャリアにも注目が集まる中、「俳優だったらジャック・ニコルソン、スティーブ・ブシェミ、マッツ・ミケルセン、スティーブン・レイ。監督だったらシェーン・メドウズ、マイク・リー、マイク・ニューウェル、クエンティン・タランティーノ」と、仕事をしてみたい映画人の名前をポンポンと列挙。人生のベスト1映画を訊くと、「1本?困ったな…」と苦渋の表情を浮かべながらも、マチュー・カソヴィッツの『憎しみ』を挙げた。「僕は映画作りを心から愛している。完成した後の宣伝活動すらもね。僕はこうして日本に来られて幸せだし、皆さんとお話できるのが楽しくて仕方ないんだ。もちろん、一番好きなのは撮影現場だけどね。上手くいかない時に試行錯誤するのも含め、映画作りの現場が好き。よりよいものにする、シーンの真実を見つける、そして真実を伝えるために最善を尽くすことに魅力を感じている。フランクはストイックな男だからカメラの前以外でもシリアスな表情をキープしていたけど、心の中ではいつも笑顔だったよ(笑)」。「日本に来られて幸せ」という言葉は本音のようで、実は来日中、日本語でのツイートにもチャレンジしていたエド。日本を離れる際も、「こんなにも早く日本を去るのは悲しいのだけど…いつかまた会える日を思うとワクワクします。いつも心に日本を」と、心に染みるコメントを書き込んでいた。「本当は日本語が話せる…と言いたいところだけど、今はGoogle翻訳という素晴らしいアプリがあるから活用させてもらったよ(笑)。日本にいるのだから、日本語でツイートしなきゃね!今回はあまり長くいられないけど、すぐにでもまた戻って来たいな」。(/photo:Nahoko Suzuki)■関連作品:トランスポーター イグニション 2015年10月24日より新宿バルト9ほか全国にて公開(C) 2014 - EUROPACORP - TF1 FILMS PRODUCTION/Photo:BrunoCalvoトランスポーターイグニション 2015年10月24日より新宿バルト9ほか全国にて公開(C) 2014 - EUROPACORP - TF1 FILMS PRODUCTION/Photo:BrunoCalvo
2015年10月23日神でなく人の手が創造したもので、一番美しいものと言われると何が思い浮かびますか?音楽、美術、文学、映像…、芸術と呼ばれる中にもいろいろありますが、やはりバレエではないでしょうか。素材である肉体を過酷なまでに鍛錬し、緻密に限定された伝統の中で完成度を競う世界は「人間の肉体は美しい!」と認識させてくれる、他に類を見ない美の殿堂だと思うのです。両親ともに著名なバレエ・ダンサーという恵まれた資質を持ち、現在、30歳の若さでオペラ座の顔となったマチュー・ガニオ。世界最高峰のバレエ団パリ・オペラ座で、20歳でエトワールという最高位に昇進し、今年で10年。その美しさの魅力に迫ります。テクニックだけではNG 王子役を踊るため必要なもの「ダンスール・ノーブル」という言葉をご存じですか?これは美しい容姿と高貴な雰囲気を兼ね備えた、いわゆる「王子」役が似合うダンサーのこと。技術的に優れていても、ワイルド過ぎる容姿では王子役は務まりません。最近、2015年末の引退を表明して話題になったシルヴィ・ギエムをかつて取材した時、かなり長身で驚いたのですが、彼女は25歳でオペラ座のエトワールを辞めてしまいました。それもやはり長身を生かしたダイナミックなダンス、つまり「ボレロ」などを踊るためだったのか、と納得したものでした。王子は王子らしく、王女は王女らしく(小柄で)というのは、厳然たるクラシック・バレエの掟です。そして、まさに「ダンスール・ノーブル」を体現しているのがマチューなのです。彼の日々行っているレッスンを紹介している「パリ・オペラ座エトワール マチュー・ガニオのノーブル・バレエ・クラス」というDVDがあるのですが、これがとても感動的です。それは、彼ほどのスターが、あくまで基本に忠実に丁寧にレッスンを課しているのがわかるから。男性舞踊手は、高いジャンプなどの大技以外に、女性の身体を支えるリフトといわれる命にかかわる技も必要です。先日「エトワール・ガラ2014」の舞台で観たマチューは、フィッシュ・ダイブという技で、逆さになったままエビ反るバレリーナの身体をほぼヒザだけで支えながら、顔は役柄のままにシャイで爽やかな笑顔をキープしており、至芸だと思いました。マチューの「清潔なテクニック」のピュアさに癒される映画「ブラック・スワン」の振りつけをして主演であるナタリー・ポートマンと結婚したバンジャマン・ミルピエが、2014/15シーズンから芸術監督に就任したことでも話題となっているオペラ座。このDVDでは、前任者ブリジット・ルフェーブルやオペラ座バレエ学校校長エリザベット・プラテルも、マチューの容姿の美しさを褒めています。同時に、技術の高さ、練習熱心な姿勢、性格の良さ、謙虚さなどを口々に言及しています。まるでバレエ・ダンサーは顔が命!とばかりに、美貌だけを話題にしてはいけないかのようです。とはいえ、以前、英国の2つのロイヤル・バレエ団でプリンシパルを勤めた吉田都さんをインタビューした時、渡欧当初の頃、容姿の違いにものすごく悩んだと伺いました。また、オペラ座初の日本人バレリーナ、藤井美帆さんは「アン・ドゥオール(両脚全体が付け根から足先まで外側に開いている状態)が難しくて苦労しました」とも仰っていました。バレエとはもともと西洋人のための踊りなので、東洋人では肉体の違いを克服するだけでも大変なようです。マチューは、生まれ持った肉体に慢心せず、さらに磨き抜いていると考えると感慨深いものがあります。彼のバレエは、DVDの中で「清潔なテクニック」と評されていました。気負いがなく気品がある王道で正統派な美しさは、壮観ですがとてもピュアなのです。その姿は、リクツでなく生きる力と癒しを与えてくれる気がしています。DVDや写真集で、その一端に触れてみてはいかがでしょうか。・ マチュー・ガニオ DVD ・ マチュー・ガニオ写真集
2014年09月12日