『あと1センチの恋』『世界一キライなあなたに』などで知られるサム・クラフリンら、英国の注目若手俳優がずらりと揃い、名門オックスフォード大学に実在する会員制クラブをモデルに描く映画『ライオット・クラブ』が、ついにブルーレイとDVDで発売。全員イケメン俳優でなければ見ていられないほど、ゲスで、クズで、胸クソ悪くなる、超エリートたちの“ダークサイド”に迫っている。英国の名門オックスフォード大学にある、数百年の歴史を持つ秘密の会員制クラブ、“ライオット・クラブ”。このクラブでは、2万人いる優秀な学生の中から選出された10人の超エリートたちが、輝かしい未来を約束される。現役会員たちに見初められ、非常識で下劣な入会儀式を突破した者だけが、晴れて会員となれるのだ。新入生のアリステアとマイルズの2人もようやく会員として認められるが、権力と金に支配されたクラブにとって、それすらもお遊びの1つに過ぎない。そして、彼らの伝統である晩餐会が幕を開けるとき、美しく腐った男たちの狂った欲望が“暴走”する――。本作は、キャメロン前・英国首相やジョンソン前・ロンドン市長をはじめ、政財界の大物たちが所属していたというオックスフォード大学に実在するクラブをモデルにした舞台「POSH」を、キャリー・マリガン主演『17歳の肖像』、アン・ハサウェイ主演『ワン・デイ23年のラブストーリー』の女流監督ロネ・シェルフィグが映画化。製作陣には、『ルーム』『キャロル』などオスカー常連のテッサ・ロスを筆頭に、英国発の良質映画を仕掛けてきたプロデューサーたちが勢揃いする。「暴走」を意味する“ライオット”・クラブの入会条件は、(1)上流階級、(2)眉目秀麗、(3)伝説になれる男…の3つだけ。とはいえ、世界有数の名門大の超エリート中のエリート、その入会儀式や晩餐会で見せるご乱行ぶりは、とにかくハンパではない。階級社会に根づく権力を持つ者の下劣さや差別意識、自己嫌悪など、ダークサイドともいえる部分が、いまの英国を代表する若手俳優たちによって鮮烈、かつスキャンダラスに描かれていく。優秀な兄にコンプレックスを持ち、同じ新入生のマイルズには敵対心をむきだしにする主人公アリステアを演じるのは、『あと1センチの恋』が日本で大ヒット、今年は『世界一キライなあなたに』でも大きな注目を集めたサム・クラフリン。ふだんの好青年のイメージはどこへやら、本作ではとことん傲慢で屈折した、猜疑心の塊のような青年に徹しているので、「どうか世界一キライにならないで」と思わずにはいられない。また、クラブにおける唯一の“良心”に見えたマイルズを演じるのは、名優ジェレミー・アイアンズの息子で、『赤ずきん』『黄金のアデーレ 名画の帰還』などハリウッドの話題作に出演しているマックス・アイアンズ。『ノア約束の舟』で注目され、今年は『高慢と偏見とゾンビ』にビングリー役で出演したダグラス・ブース、芸能一家の出身で『パレードへようこそ』などに出演、次回作にガイ・リッチー監督新作『King Arthur: Legend of the Sword』(原題)も控えるフレディ・フォックス、『レイルウェイ 運命の旅路』『ベルファスト71』などのサム・リード、『パレードへようこそ』で注目され、オリバー・ストーン監督『スノーデン』が控えるベン・シュネッツァー、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』のマシュー・ビアードらが登場。さらに、今年はフジロックにも参戦したエレクトロニカバンド「Years&Years」のフロントマンとして知られ、『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』ではウブな音楽少年を好演していたオリー・アレクサンデルも、ゲスなクラブの一員としてまさかの姿を披露している。今年の夏、映画ファン注目の「カリコレ2016」で日本初公開された際には、全70作品中で動員1位を獲得(グザヴィエ・ドラン出演『神のゆらぎ』と同率)、全上映回満席を達成したことも話題となった本作。まさに“選ばれし”英国のイケメン俳優たちが贈る、美しくも、とにかく腐った超エリートたちのダークサイド。庶民からは計り知ることもできない、その一端をぜひ堪能してみて。『ライオット・クラブ』ブルーレイ&DVDは発売中。(text:cinemacafe.net)
2016年11月24日『6才のボクが、大人になるまで。』のリチャード・リンクレイター監督最新作『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』。この度、数年後にオスカーを賑わすであろう、本作に出演する若手俳優たちの仲の良さが伺えるオフショット写真が、いち早くシネマカフェに到着した。1980年夏、野球推薦で入学することになった新入生のジェイク・ブラッドフォード(ブレイク・ジェナー)は、新学期が始まる3日前に、野球部の寮に到着する。チームメイトは野球エリートとは思えない風変わりな奴ばかり。ジェイクは彼らとともに、野球はもちろん、女の子、お気に入りの曲、パーティ、お下劣なジョークなど…あらゆること全力で打ち込み、新たな出会いと恋を経験し少しずつ大人になっていく。ジェイクはいままでに感じたことのない自由と希望を抱きながら大人の扉を開け、青春を謳歌していた。それは決して長くは続かないけど、人生最高のときの幕開けだった――。物語は『6才のボクが、大人になるまで。』で描かれた12年間に続くような形で、80年代のある少年の大学入学直前の3日間が描かれる。誰も感じる新生活が始まる前のワクワク感、家族と離れ、何にも縛られない自由を満喫しつつも、大人としての責任にも同時に気づき始める微妙な心情を、眩しいくらいに清々しく描き出していく。本作を手掛けるのは、「常に完璧なキャスティングをする」と評されるリンクレイター監督。作品に出演したキャストは、その後大ブレイクをするということも知られ、第84回アカデミー賞で主演男優賞を受賞したマシュー・マコノヒーは『バッド・チューニング』で演技経験ゼロにも関わらず主演に迎えた。共演には当時無名だったベン・アフレックもおり、自身が監督した『アルゴ』で最優秀作品賞を受賞。そして、リンクレイターシリーズとは切っても切れない関係にあるイーサン・ホークも『6才のボクが、大人になるまで。』では、助演男優賞候補にノミネートされている。そんな中、本作でも今後のブレイクが期待される俳優たちが集結!「Glee/グリー」シリーズ5に出演しているブレイク・ジェナー、リー・トンプソンの実娘で「クリミナル・マインド 特命捜査班レッドセル」「NCIS~ネイビー犯罪捜査班(シーズン8)」などに出演するゾーイ・ドゥイッチ、ハリウッド・レポーター誌で「次世代の大物」と紹介されたグレン・パウエルなど、日本ではまだ無名な彼らだが、ベン、マシュー、イーサンら近年のオスカーを賑わせている、リンクレイター卒業生たちに続くかもしれない逸材だ。彼らを含め俳優のキャスティングについてリンクレイター監督は、「有名であろうが無名だろうが、ベテランであろうが、新人だろうが関係ないんだ。僕はそういう俳優を見つけるのが得意だと自負している」と語っている。『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』は11月5日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年10月26日『アリス・イン・ワンダーランド』『チャーリーとチョコレート工場』など、常に世界中を魅了するヒットメーカー、ティム・バートン監督の待望の最新作『ミス・ぺレグリンと奇妙なこどもたち』。日本に先駆けて9月30日(金)に公開された全米では初登場1位を獲得、全世界でも大ヒットとなっている本作の日本公開日が、2017年2月3日(金)に決定。さらに、悪役を演じたサミュエル・L・ジャクソンからのメッセージ付きの予告映像が解禁となった!フロリダで生まれ育ったジェイクは、周囲になじめない孤独な少年。そんな彼の唯一の理解者である祖父が、謎めいた死を遂げた。祖父の遺言に従って小さな島を訪れたジェイクは、森の奥で古めかしい屋敷を発見。そこには、美しくも厳格なミス・ペレグリンと空中浮遊能力を持った少女や、いたずら好きな透明人間の男の子、常に一緒に行動する無口な双子、後頭部に鋭い歯を持つキュートな女の子など、まさに“キミョかわいい”(=奇妙でかわいい)少年少女たちが住んでいた。やがて彼らと心を通わせ、夢のような時間を過ごしたジェイクは、自らに宿ったある“力”に気づき、屋敷に迫る恐るべき脅威に立ち向かっていく――。全米で300万部以上を売り上げている、ランサム・リグズによる大ベストセラー児童小説(「ハヤブサが守る家」)を原作にした本作。ティム・バートン監督作品としては、初登場1位を獲得した7作目の作品となった。そしてついに、その“ティム・バートン史上、最も奇妙な”世界の予告編が日本にも到着。サミュエル・L・ジャクソンからの「奇妙で夢のような魔法の世界へあなたをお連れします」という日本のファンへ向けてのメッセージからはじまる映像は、“ハリウッドの魔法使い”バートン監督が、まったく新しいワンダーランドへと誘うかのよう。“奇妙なこどもたち”の保護者ミス・ペレグリンを演じるのは、『ダーク・シャドウ』『300<スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~』など、現在までに変幻自在の演技を見せてきた女優エヴァ・グリーン。主人公ジェイクを演じるのは、『ヒューゴの不思議な発明』『エンダーのゲーム』から1歩成長を遂げた、次世代の英国男子エイサ・バターフィールド。また、『マレフィセント』でマレフィセントの幼少期を演じ、日本でも“可愛すぎる!”と話題を集め、『ターザン:REBORN』ではジェーンの少女時代を演じていたエラ・パーネルが、浮遊能力を持った美少女エマを演じるなど、注目の若手キャストの活躍にも要注目。さらに、本作の悪役を演じる名優サミュエルの強烈なビジュアルも話題だ。バートン監督が新たに描く、独創的かつミステリアスなファンタジーワールドは、人と“ちょっと違う”ことはステキなことで、「どんなに奇妙でも、ありのままの自分でいること」の大切さを教えてくれる、ユニークで素敵な世界。その個性をワン・アンド・オンリーの輝きに変える、“キミョかわいい”こどもたちの姿に、愛おしさを覚えずにはいられない。『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』は2017年2月3日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年10月19日『6才のボクが、大人になるまで。』のリチャード・リンクレイター監督が、大学入学直前の若者の姿を追った最新作『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』。いち早く本作を鑑賞したマスコミ関係者からは、「新しいマスターピースの誕生」「監督の最高傑作!」といった絶賛の声が多数。また、「一見バカをやっているが、意外と良いことを言っていて驚いた」「思っていたより深い映画だった」「さりげない台詞が響いてグッときた」など、青春を謳歌する若者たちの等身大の台詞に好感を抱く人も続出しているという。そこで、観た人たちの心をつかんだ、本作のグッとくる台詞をピックアップしてみた。1980年夏、野球推薦で大学の名門野球部に入学することになった主人公・ジェイクは、個性豊かで騒々しいチームメイトたちと、野球はもちろん、女の子、お気に入りの曲、パーティ、お下劣なジョーク等々…あらゆることに全力で打ち込み、新たな出会いと恋を経験し、少しづつ大人になっていく。誰しも感じる新生活が始まる直前のワクワク感、何にも縛られない大人の自由を初めて満喫しつつも、大人としての責任を同時に気付き始める微妙な心情を、リンクレーター監督は眩しいくらいに清々しく描き出した。いわば、そんな彼らの姿は“リア充”そのもの。下らないジョークを飛ばして、一見、バカばっかりやっているように見えるが、単なる学園コメディとは一線を画す意外な深さがあるようだ。<実は深い!グッとくる台詞がたくさん!>■ビリヤードをしながら、新入生に投手のあり方を語る野球部のチームメイトウィロビー「大切なのは自分自身であること他人に惑わされるな」■チームメイト同士が、拳を叩きあう我慢比べをしている様を眺めて一言フィネガン 「くだらない勝負に人間性が現れる例えば気の強さや打たれ強さ困難を乗り越えて勝利を掴み取れるのか それとも…」●女性を口説くときも、たまには良いことを言ったりフィネガン 「死ぬ時に後悔するのはやったことじゃないやり残したことさ。後悔したくないだろ?」■人生について語り合う、主人公とヒロインジェイク 「無益に見える苦しみにも価値がある大岩を何度も山頂に運ぶっていう苦労は人生に似てる試合にも通じる」ビバリー 「物事が意味を持つかどうかは自分次第」■湖で2人っきりの時を過ごす主人公とヒロインビバリー 「芸術と人生に自分を預けるの身を任せる恥を捨てる勇気を持ってステキだと思わない?」ジェイク 「何が?」ビバリー 「何かに情熱を注げるっていうこと」■豪速球投手の再来だと信じてやまない投手の一言ナイルズ 「俺には夢があるしくじってもくじけるな貫き通せ」『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』は11月5日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年10月15日ティム・バートン監督最新作ティム・バートン監督最新作、映画『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』が2017年2月3日(金)に全国の劇場で公開される。原作は、ランサム・リグズによる小説『ハヤブサが守る家』(邦題)。ニューヨークタイムズ・ベストセラーにも選ばれた、ウェールズの小島を舞台に主人公の少年ジェイクの摩訶不思議な冒険を描いた作品だ。今回は脚本に『キック・アス』や『キングスマン』のジェーン・ゴールドマンを迎え、鬼才ティム・バートンが映像化に挑む。ストーリーひょんなことから、“奇妙なこどもたち”の秘密の隠れ家である「ミス・ペレグリン(はやぶさ)の家」を発見した少年ジェイク。そこに暮らしていたのは、世にも奇妙な能力を持つ子供達だった。まるで風船のように空に浮かぶ少女、サッカーをして遊ぶ透明人間、後頭部にある大きな口で食事をする少女…。戸惑いながらも子供達と触れ合うことで不思議な能力の数々を知ったジェイクは、彼らが1940年の9月3日を毎日繰り返していることとその理由を知る。そして自分たちに目に見えない危険が迫っていることに気づくジェイク。誰が現実に存在し、誰を信じられるのか。そして自分がこの世界に送り込まれた役割とは何なのか?真実が明らかになったとき、永遠に続く1日と奇妙なこどもたちに大きな変化が訪れるーー。キャスト「ミス・ペレグリンの家」の家主であるペレグリン役を務めるのは、エヴァ・グリーン。「ペレグリン=英語で“はやぶさ“の意」の名の通り、彼女もはやぶさに変身出来るという特殊能力を持っている。また、主人公のジェイク役には、マーティン・スコセッシ監督映画『ヒューゴの不思議な発明』で主演を務めたエイサ・バターフィールドが抜擢された。その他、主人公らと対立する悪役バロン役をサミュエル・L.ジャクソンが演じている。【作品情報】映画『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』(原題:MISS PEREGRINE’S HOME FOR PECULIAR CHILDREN)公開時期:2017年2月3日(金)全国ロードショー監督:ティム・バートン脚本:ジェーン・ゴールドマンキャスト:エヴァ・グリーン、エイサ・バターフィールド、サミュエル・L.ジャクソン、エラ・パーネル、ジュディ・デンチ、テレンス・スタンプ© 2016 Twentieth Century Fox Film Corporation.
2016年09月17日任天堂が新作ゲーム「スーパーマリオラン(SUPER MARIO RUN)」を、iPhoneとiPad向けアプリケーションとして2016年12月に配信する。米国時間の2016年9月7日(水)に開催されたアップルの新製品発表会で発表した。ダウンロードおよび一部プレイは無料(一部課金要素有り)。「スーパーマリオラン」は、誰でも遊べるマリオのゲームをよりシンプルにしたアプリ。自動で右方向に走り続けるマリオをタイミングよくジャンプさせてコインを集めていくゲーム性で、他者とのバトルモード、さらにそのプレイ結果によって、自分だけのキノコ王国を作るモードも用意されている。【概要】スーパーマリオラン(SUPER MARIO RUN)配信開始時期:2016年12月予定価格:ダウンロードおよび一部プレイ無料。すべての内容を楽しむために一部課金要素有り。対応OS:iOS8.0以降(iPhone・iPad および iPod touchに対応)©2016 Nintendo
2016年09月11日ランスルーとは、本番と同じように通しで行うリハーサルのこと。『西荻窪ランスルー』は、上京して西荻窪のアニメスタジオでアニメーターとして奮闘する女子の物語だ。作者のゆき林檎さんはマンガ家になる前に、アニメ業界で働いていた。「個性的な人がたくさんいて面白かったのが印象に残っていて、いつかアニメ業界を舞台にしたマンガを描けたらいいなと思っていたんです」主人公の江田島咲は、一人前に仕事ができるようになるためには少しでも早く始めるべきだと思い、合格していた大学を辞退してしまう。「その辺りの考え方は、自分が10代だった頃の引き出しを開けるみたいな感覚で描きました。生き急いでいるって言われていたので(笑)」スキルはゼロだけど、やる気だけはある主人公や同僚たちの姿に、働き始めた頃を思い出して、くすぐったくなる人も多いはず。彼女たちが憧れる先輩も決して万能なわけではなく、キャリアを積んだなりの悩みや壁もリアルに描かれている。「自分が先輩と同じ年齢になって、あのとき言っていたのはこういう意味だったんだ、と気づいたりすることも結構あるんですよね」アニメの現場に限らず、仕事に苦労はつきものだけど、つらさ以上に楽しさが伝わってくるのがいい。「共感していただけるようなマンガを描きたいというのは、最初から思っていることです。どこかしら『この気持ちはわかる』と思っていただけたら嬉しいですね」ちなみに、著者が仕事をするうえで一番大事にしているのは、誠意。「人と人とのつながりでお仕事をさせていただいていると思っています。アニメ制作は大勢の人が関わるチームワークなので、この作品でもそこを上手く描けたらいいですね」◇ゆき・りんごマンガ家。主な作品に『玉響』『マジックメールチョコレート』『初恋は群青に溶ける』『グッドバイライラック』。「西荻窪ランスルー」は『月刊コミックゼノン』で連載中。(C)ゆき林檎/NSP 2015◇絵を描くことが得意だった江田島咲は、高校卒業後、周囲の反対を押し切ってアニメ会社に就職。個性的な大人たち(上司)の下で一喜一憂しながら夢を模索していく。徳間書店580円※『anan』2016年9月7日号より。写真・森山祐子インタビュー、文・兵藤育子
2016年09月03日映画『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』が、2016年11月5日(土)に公開される。『6才のボクが、大人になるまで。』や『恋人までの距離(ディスタンス)』から始まるビフォア・シリーズのリチャード・リンクレイター監督による最新作だ。ストーリーは、大学入学直前の3日間。野球推薦で入学した主人公のジェイク(ブレイク・ジェナー)が、野球部の個性豊かなチームメイトや、恋愛、パーティ、お気に入りの曲などを通して、少しずつ大人になってゆく青春を描く。永遠には続かない、それでも色褪せることのない青春の断片を見事に切り取った本作は、リンクレイター監督の過去の作品『6才のボクが、大人になるまで。』や『バッド・チューニング』の”精神的意味”での続編にあたるという。ストーリーのほかに、豪華な音楽のラインナップも、映画のもう一つの主役だ。舞台となる80年代にヒットした、ロックやパンク、ディスコ、ヒップホップの名曲がふんだんに登場して作品を彩る。衣裳もまた、80年代のカルチャーを大きく影響を受けている。ケミカルウォッシュのデニムや柄シャツ、丸いフレームの眼鏡など、どこか懐かしいウェアが主役。登場人物たちはデニムをタックインしたスタイルで決め、ディスコやバーへ繰り出している。予告編では、本作のタイトルにもなったヴァン・ヘイレンの「エブリバディ・ウォンツ・サム!!」が流れ、本編への期待を感じさせる。【概要】『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』公開日:2016年11月5日(土)原題:Everybody Wants Some!!監督・脚本:リチャード・リンクレイタープロデューサー:ミーガン・エリソン、ジンジャー・スレッジ、リチャード・リンクレイター撮影監督:シェーン・ケリー 編集:サンドラ・エイデアー 出演:ブレイク・ジェナー、ゾーイ・ドゥイッチ、グレン・パウエル、タイラー・ホークリンほか配給:ファントム・フィルム 2016/アメリカ/アメリカン・ビスタ/117分(C) 2015 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED
2016年08月28日『6才のボクが、大人になるまで。』のリチャード・リンクレイター監督の新作映画『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』の予告編映像が公開になった。80年代のヒット曲に乗せて、若者たちの超おバカなやりとり、恋のはじまりなど、青春時代を凝縮したようなシーンが描かれる映像だ。公開された予告編映像本作は、1980年の夏を舞台に、野球推薦で大学に入学することになったジェイクの新学期直前の3日間を描いた作品で、大学生活への不安や期待、パーティ、ナンパ、仲間との他愛もない会話がギッシリとつまった青春映画になっている。このほど公開になった予告編は、ザ・ナックの『マイ・シャローナ』の軽快なビートに乗せて、主人公ジェイクが野球部の寮に向かう場面からスタート。そこで暮らす野球部の先輩&同僚は超個性的な面々で、彼らは初練習で新人の“洗礼”を受け、当然のようにカワイイ娘には声をかけ、パーティで大騒ぎし、間もなく始まる新学期までの日々を過ごす。リンクレイター監督は、何げない日常のワンシーンを練りに練った会話を駆使して魅力的なシーンにすることに長けており、このほど公開になった予告編でも、思わずニヤリとするやりとりや、公開が待ち遠しくなる“味のあるキャラクター”が次々に登場。特別なことは起こらないが、観終わった後もずっと記憶に残る映画になりそうだ。『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』11月、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにてロードショー
2016年08月25日『6才のボクが、大人になるまで。』のリチャード・リンクレイター監督の新作映画『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』の特典付き前売り券が明日13日(土)から発売になる。特典は、劇中のキャラクターが描かれた特製野球カードで、レアカードが封入されている可能性もある。その他の写真本作は、1980年の夏を舞台に、野球推薦で大学に入学することになったジェイクの新学期直前の3日間を描いた作品で、大学生活への不安や期待、パーティ、ナンパ、仲間との他愛もない会話がギッシリとつまった青春映画の傑作になっている。本作の主要キャラクターが、南東テキサス州立大学の野球部メンバーであることにちなんで製作された野球カードは、“新入部員セット”と“先輩部員カード”の2パターンがあり、それぞれ3枚のカードが封入されている。また、レアカードが封入されている可能性もあるそうで、いずれのカードも裏面にはメンバーたちがハメを外してバカなことをしている姿や、劇中のセリフが掲載されている。2パターンのどちらがもらえるかは購入時のお楽しみで、どちらも数量限定のため、なくなり次第、終了になる。『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』11月、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにてロードショー
2016年08月12日世界的人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のエミリア・クラークと、『あと1センチの恋』『ハンガー・ゲーム』シリーズのサム・クラフリンが共演を果たし、全米初登場3位を記録したベストセラー恋愛小説の映画化『Me Before You』(原題)。このほど、『世界一キライなあなたに』とのタイトルで、10月より日本公開が決定した。舞台は、イギリスの田舎町。ルイーザ(ルー)は、お洒落をすることが大好きな26歳。明るく前向きな性格だが、自分の夢にチャレンジすることを躊躇してしまい、仕事を転々としながら毎日をなんとなく過ごしている。ある日、働いていたカフェが閉店することになり、突然、職を失ってしまったルー。新たに得た職は、バイク事故の影響で車椅子生活を余儀なくされた、元・青年実業家ウィル・トレイナーの介護兼話し相手。ただ、6カ月という期限付きの仕事だった。最初はルーに冷たく当たるウィルだったが、ルーの明るさが、ウィルの頑な心を溶かしていき、やがて2人は心を通わせ、互いが最愛の存在になっていく。だが、ある日ルーは、ウィルのある重大な決意を知ってしまう――。6月3日(金)より全米公開されるや、『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』(2週目)など大作を抑えて初登場3位を記録するヒットスタートとなった本作。その後も、4週にわたり全米TOP10圏内を維持し続け、英国、ドイツ、ノルウェー、ニュージーランドなどでは1位を獲得するなど、世界各国で大ヒットとなっている。原作は、2012年にジョジョ・モイーズにより発表され、世界40か国以上で翻訳されて850万部突破の大ベストセラーとなった「ミー・ビフォア・ユーきみと選んだ明日」(集英社文庫刊)。現代恋愛小説の傑作と評されている小説を原作者自らが脚色した。主人公のルーを演じるのは、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』で新時代のサラ・コナー役に抜擢され、「ゲーム・オブ・スローンズ」では“ドラゴンの母”こと女王デナーリス役で知られるエミリア・クラーク。これまでのイメージとは打って変わった、とにかくキュートで前向きな役柄には共感度100%。劇中で披露する可愛らしく個性的なファッションの数々にも注目が集まっている。また、相手役のウィルには、口コミからスマッシュヒットとなった『あと1センチの恋』の好演も記憶に新しいサム・クラフリン。ハリウッドで大活躍する、英国の注目俳優2人の共演も話題となっている。そのほか、英国のベテラン女優ジャネット・マクティア、「ゲーム・オブ・スローンズ」のチャールズ・ダンス、「ダウントン・アビー」のブレンダン・コイル、『ハリー・ポッター』シリーズのマシュー・ルイスら、豪華キャスト陣が脇を固めている。さらに、「イマジン・ドラゴンズ」「X・アンバサダーズ」、エド・シーラン、「THE 1975」、ジェシー・ウェア、ジャック・ガラットなど、米国&英国の人気ミュージシャンたちの楽曲がふんだんに使われたオリジナル・サウンドトラックも要チェック。全米公開時には世界で発売され、iTunes USアルバム・ランキング5位、サウンドトラック・ジャンルでは1位を獲得している。2016年最も切なく、愛と思いやりに満ちたラブストーリーを楽しみにしていて。『世界一キライなあなたに』は10月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年07月14日グッチ(GUCCI)は、2017年ウィメンズ リゾート コレクションのランウェイにて、新作ウォッチを発表した。レースをあしらったシルバーのコートに合わせたのは、彫刻が施されたアンティークゴールドカラーの新作ウォッチ。回転式タイガーヘッドのカバーで、今シーズンの特徴である動物のモチーフを取り入れている。ゴールドのバングルに、パールがあしらわれたクラウンや、ホワイト マザー・オブ・パールのダイアルをマッチさせ、クラシックでゴージャスな印象に。ビビットなグリーンのコートに組み合わせたのは、プレキシグラスのケースにイエローゴールドカラーのスケルトン ダイアルをあわせたグッチの人気デザイン。今シーズンはバングルとケースにブラック・グレー・ブラック ストライプを用いた。ケースバックに施されたビー(ハチ)モチーフの刻印は、ユニークなアクセントになっている。【アイテム詳細】グッチ ウォッチ※価格、取扱店舗は未定【問い合わせ先】ラグジュアリー・タイムピーシズ ジャパン / グッチTEL:03-5766-2030
2016年06月17日サム・ライミが、カロライナ州でのトルネイドについての映画を企画している。災害の真っ最中に犯罪を起こそうとする、アクション映画になるようだ。ライミは、プロデュースに加えて監督もするつもりでいるらしい。その他の情報製作配給はワーナー・ブラザース。スタジオは現在、脚本家選びを行っているところだ。映画の仮題は『Stormfall』。ライミとワーナー・ブラザースは、このほかにも、ノンフィクション本を原作にした『World War 3』の製作準備を進めている。ライミの最近の監督作は、2013年の『オズ はじまりの戦い』。2014年の『死霊のはらわた』、昨年の『Poltergeist(日本未公開)』のプロデュースも手がけた。昨年始まったテレビシリーズ『死霊のはらわたリターンズ』の脚本も執筆している。文:猿渡由紀
2016年06月06日サム・メンデス監督が、『007』シリーズから引退することが分かった。『007 スカイフォール』『007 スペクター』の監督を務めてきたメンデス監督だが、次回作のメガホンは取らないことを明らかにした。イギリスのウェールズで行われた文学祭ヘイ・フェスティバルでメンデス監督は「(『007』シリーズの経験は)素晴らしい冒険でした。すべての瞬間を楽しむことができましたからね。でも別の人に任せるときが来たのです。僕は語り手ですからね。新しいキャラクターたちと新たなストーリーを作りたいと考えているところです」と語っている。さらにメンデス監督は、次期監督が「思いもよらぬところからやってくること」を期待していると続けた。つい先日には、今までシリーズ4作品にジェームズ・ボンド役で登場しているダニエルは収益の分配や広告出演料、プロデューサーとしての役割も含まれていると思われるその巨額オファーをMGMスタジオから提案されたものの、「もうやりきった」ことを理由に受諾しなかったと報じられている。(C)BANG Media International
2016年06月01日スティーヴン・スピルバーグとサム・メンデスが、小説『ザ・ボワヤーズ・モーテル』の映版化作でタッグを組むようだ。宿泊客たちの情事をのぞき見するために自身のホテルをオープンさせた男の真実の物語を描くゲイ・タリーズの同名小説の映画版で、スピルバーグがプロデューサー、メンデスが監督を務めるとデッドラインが報じている。コロラド州デンバーに21部屋を所有するモーテルを50年前に購入した男ジェラルド・フースは、客室をのぞき見できるようさまざまな改造を加えていたそうだ。不倫や殺人などそこで見たすべての出来事をメモしていたフースが、ジャーナリストであるタリーズに手紙で連絡を取り、タリーズは1980年に直接フースに会うためにそのモーテルを訪れるに至った。タリーズが受け取ったその手紙の中には「このモーテルを購入した理由は趣味ののぞきを充実させるため、さらに人々が人生において社会的に、性的にどんな生活を送っているのかへの興味が抑えられなかったからです。これは私の錯乱したのぞき見への興味だけではなく、純粋に私の人々への貪欲な好奇心によって実行に至ったことなのです」とつづられていたそうだ。原作小説『ザ・ボワヤーズ・モーテル』はグローブ・プレスから7月12日発売予定となっており、4月11日発売のニューヨーカー誌にその一部抜粋が掲載されている。(C)BANG Media International
2016年04月19日ファンランイベント「バブルラン」が2016年6月18日(土)、19日(日)、埼玉・西武プリンスドームで開催される。バブルランは、全長約2kmに及ぶコース上に設置されたバブルマシーンから大量の泡が放出され、参加者達はその中を泡まみれになってゴールを目指すというランイベント。ゴール後には、人気のアーティスト、ダンサー、DJなどによるパフォーマンスとバブルマシーンを組み合わせ、参加者が踊りながら泡まみれになる野外「バブルパーティー」も合わせて催される。2015年4月に千葉で日本初開催した本イベントは、8月に大阪・舞洲スポーツアイランド、9月に愛知・ラグーナビーチと千葉・幕張海浜公園に展開。累計10万人以上が参加した非常に大規模なイベントで、2016年は、これら以外の地域での開催も予定されている。【概要】バブルラン2016 in 西武ドーム日時:2016年6月18日(土)、19日(日)開催場所:西武プリンスドーム住所:埼玉県所沢市上山口2135参加費用 :大学生以上 5,500円~、高校生 3,500円~、中学生 3,000円~参加資格 :中学生以上※18歳以下は、保護者の同意が必要。募集期間:2016年4月22日(金)~2016年6月8日(水)募集数:30,000名(2日間合計)申し込み方法:SPORTSONE公式アプリ、バブルラン公式ウェブサイト(ウェブサイトは4月25日(月)より受付開始)【問い合わせ先】バブルラン運営事務局(株式会社スポーツワン内)TEL:0570-00-2107(問い合わせ専用)受付時間:平日10:00~18:00
2016年04月11日トレンドマイクロは4月6日、法人向けに、組織内でランサムウェア対策を行う手引書「すぐ役立つ! 法人組織で行うべき『ランサムウェア対策』」を公開した。手引書では、ランサムウェアの特徴や攻撃手法、国内外での被害状況とともに、重要な業務データがランサムウェアの被害に遭わないために実践できる対策を解説している。同社では、法人サポートセンターへのランサムウェアの被害報告が急増しており、2014年の40件から2015年には650件と、約16倍の増加を記録していた。ランサムウェアを巡っては、米国国土安全保障省とカナダのCCIRCが共同で注意喚起するなど、今年に入っても勢いが衰えておらず、日本でもAndroidを狙ったランサムウェアにアダルトサイト経由で感染する可能性があるなどの状況にある。
2016年04月06日ここのところ、ランサムウェアに関する報道が増えている。例えばアダルトサイトから感染するAndroid端末を狙ったランサムウェアが日本に上陸したほか、米国政府もランサムウェアに関する警告を行っている。ランサムウェアは、デバイスのデータをロックして身代金(ランサム)を要求する大枠の意味でのマルウェアの一種だが、ファイルサーバやクラウドサービスにも被害が及ぶ可能性はあまり知られていない。例えば海外では、企業のファイルサーバのファイルすべてを人質にとられ、泣く泣く身代金を支払ったケースがあり、「サイバー犯罪者に金銭を払った」ことに対する議論が巻き起こるなどの問題も起きている。自社のファイルサーバであっても、自身のPCであっても、はたまた自身が利用しているクラウドサービスであっても、万が一ランサムウェアに感染した場合に備える方法として「バックアップ」が挙げられる。クラウドストレージを提供するDropboxは、ランサムウェアに感染した場合の対処法について、ヘルプセンターで案内している。自身のPCについては、バックアップまで気が回らないかもしれないが、ファイルサーバは企業として対策を進めているところも少なくない。それに加えて、クラウドストレージを提供する各種事業者は基本的にファイルを二重化、三重化して保存している。もちろん、元々ランサムウェア対策のためにやっていたわけではなく、万が一データセンターの一部ハードウェアが壊れた場合でも、顧客データを喪失しないようにするためだ。大企業向けには、SLA(Service Level Agreement)などの品質保証とともにバックアップのさらに高品質なサービス提供を行っている場合もあるが、個人レベルの利用であっても過去のデータを取り戻せる機能は用意されている。Dropboxの場合、デフォルトで30日以内であれば、一般利用者にも以前のバージョンのファイルに復元できる機能が提供されている。有料プラン(Dropbox Pro、Business)のユーザーについては、エクステンデッドバージョン履歴も用意されており、30日を超えるファイルの復元機能が提供されている。同社の機能では、個別のファイル復元や多数の復元、名前が変更されたファイルの復元など、さまざまなニーズに応じた復元ができるため、人質にとられる要因となったランサムウェアファイルを精査して排除するといったことも可能になる。同じくクラウドストレージであるGoogle Driveでもこうしたロールバック機能は提供されている。クラウドサービスにあまりデータを預けたくない人でも、「個人情報はあまりないし、このファイルだけは絶対に残しておきたい」などの、例えば「思い出の写真」などは、バックアップとしてクラウドサービスに保存しておくのも一つの手だろう。
2016年04月06日情報セキュリティにはさまざまな専門用語がありますが、その多くのワードは「詳しくわからない」「他人に説明できるほどではない」という方が多いのではないでしょうか。マイナビニュースでは、カスペルスキー エヴァンジェリスト前田氏に寄稿いただき、"ググってもわからない"というセキュリティ用語を一から解説します。第6回のテーマは「ランサムウェア」です。著者プロフィール○前田 典彦(まえだ のりひこ)カスペルスキー 情報セキュリティラボ チーフセキュリティエヴァンゲリストマルウェアを中心としたインターネット上のさまざまな脅威解析調査の結果をもとにし、講演や執筆活動を中心とした情報セキュリティ普及啓発活動に従事○ランサムウェアに屈しないために今回は、マルウェアの一種である「ランサムウェア」について解説します。ランサムウェアは、英語表記では「ransomware」となり、ransomは身代金という意味です。身代金は、誘拐事件で犯人が人質と引き替えに要求する金銭であったり、近現代以前の戦争捕虜釈放の代償として、敵方に対して要求する金銭だったりします。マルウェアの世界でもこのワードは同じような意味合いで使用されています。コンピュータにおいて、人質あるいは捕虜として攻撃者に取られるものは、ファイルやデータ、あるいはそれらへのアクセスです。本稿執筆時点(2016年3月)で、国内でもランサムウェアの被害が報告・報道されるようになってきているうえ、その種類も多岐にわたることが知られ始めていることから、注目度が増しているマルウェアであると言えます。ただ、ランサムウェアのアイデアは10年以上前からマルウェアに使用されています。その後、時折被害が報告されてきましたが、ここ1~2年、発生数ならびに被害報告数が急増しているマルウェアの種類です。増加要因の1つには、マルウェア開発側(攻撃者側)の進化が挙げられます。マルウェア自体が技術的に洗練・高度化していることに加え、マルウェア開発や配布を"サービス"として提供するビジネスも実際に確認されています。こうしたビジネスは、「Malware as a Service(MaaS)」と呼ばれ、その中でもランサムウェアに特化したサービスは「Ransomware as a Service(RaaS)」と呼ばれます。また近年、ランサムウェアが増加している背景には、周辺の変化も関係しています。その変化は大きく分けて2点あります。初めに、クラウドサービスの普及・一般化に伴って、安価で手軽に利用できるIaaSやPaaSが増加したことが挙げられます。攻撃者は多くの場合、管理が甘いWebサーバなどのホスティングサービスに不正侵入したり、場合によっては、サービス事業者の管理者権限を奪取したりすることで、正規に運用されているサーバをマルウェア配布サーバやC&Cサーバに仕立てます。2点目は、ビットコインに代表される、金銭授受手段の多様化・普及です。従来の決済方法に比べて、ビットコインのような仮想通貨による金銭の授受は、"カネの流れ"の追跡が困難で、資金洗浄(マネーロンダリング)や不正に入手した闇資金の送金に適していると言えます。また、攻撃者にとっては、ユーザーを喫緊・緊急の事態に追い込みつつ金銭を要求するため、回収の可能性が高い(金銭が支払われる可能性が高い)ことも増加の一因でしょう。ランサムウェアに感染すると、ファイルが暗号化されて開けなくなる、あるいはファイルへのアクセスをブロックされてる(その結果ファイルを開けなくなる)ということが起きてしまいます。攻撃者は、ファイルを復号化する、あるいは、アクセスブロックを解除するために、金銭を要求してくる場合がほとんどです。また、ファイルやデータを使用できなくするという意味では、サボタージュ攻撃と呼ばれる、攻撃対象の業務を妨害したり破壊工作を図ったりする攻撃も行われます。このように、感染してしまったユーザーにとっては突然、普段使用しているパソコン内のファイルやデータが使用できなくなってしまうことから、マルウェアの動作と被害が非常に明確であるという点がランサムウェアの特徴の1つです。昨今のマルウェア、特に情報窃取を目的とするものはユーザーに感染を知られないように動作することを特徴としていますから、その正反対の性格であると言えるでしょう。先述の通り、ファイルを元通りに復号・復元して使用できるようにするため、多くの場合、攻撃者は金銭を要求してきます。例えば、暗号化タイプのランサムウェアの場合は、金銭と引き替えに復号化の「鍵」を渡すことを通知してきます。要求に応じて金銭を支払うべきか否かについては、一部の専門家が「感染時は、素直に金銭を支払うべきである」という助言をしている例もあるようです。また、被害事案の中には、攻撃者に屈して実際に金銭を支払った事例も報告されています。一例としては、米国のHollywood Presbyterian Medical Centerの被害事例があり、被害組織から公式発表がなされています。それによると、攻撃者の要求は40bitcoin(当時のレートで1万7000ドル)で、彼らはそれを支払ったということです。ただ、筆者としては明確に反対します。理由は2つあります。第1に相手は"攻撃者"であり"犯罪者"だからです。違法・不法なことを平気で行う者たちですから、要求通り金銭を支払ったとしても、鍵や復元方法を送ってくる保証はどこにもありません。第2は、攻撃者へ支払った金銭は、次のマルウェアや攻撃手法開発などへの原資となる可能性がある点です。間接的とはいえ、被害者が加害者の発展に貢献する道理はないと考えます。しかしながら業務上、どうしてもファイルを復号・復元する必要が生じることもあるでしょう。セキュリティ事業者の中には、ランサムウェアを解析した結果、復号やアクセスブロック解除の手法を解明している場合もあります。万が一被害に遭ってしまった場合は、使用しているウイルス対策ソフトの製造元や普段付き合いがあるセキュリティ事業者に相談してみることを推奨します。また、警察に相談する方法もあります。オランダ検察庁やオランダ警察と共同で、いくつかのランサムウェアの復号ツールを無償提供するサイトの公開も行っています。ただし、仮に善なる事業者や機関が復号化や復元に成功していたとしても、そのことが既に広く知られているとは限りません。非常に古い(つまり攻撃者が既に使用していない)ランサムウェアであれば別ですが、流行の真っただ中にあるようなものであれば、なおさらその傾向は強いものとなります。なぜなら、復号化・復元ができることが攻撃者側に知られてしまった場合、攻撃者は新たな暗号鍵で暗号化するランサムウェアを作成したり、復元手法を変更したりしてしまうためです。このことからも、繰り返しになりますが、まずは身近な専門家に相談することが、事態打開への早道であると言えます。このように、ランサムウェアは、普段使用しているファイルやデータを使用できなくすることから、予防策として最も効果が見込めるものは、こまめなバックアップです。バックアップ先は、オンラインではないほうが安全でしょう。バックアップ先・媒体は、オフラインであって、なおかつバックアップあるいはリストア時にのみ使用できるよう、システムとその運用を工夫しておくのが良いでしょう。バックアップを取っていることを攻撃者に知られた場合、攻撃者はバックアップ側にも攻撃を仕掛けてくる可能性があるからです。また、バックアップを複数世代取っておけば、さらに安全性を高めることにつながるはずです。なお、オンラインとは、インターネット経由であるか否かは関係ありません。加えて、パソコンのOSやMicrosoft Office、AcrobatやJavaなどの脆弱性(セキュリティホール)は、ランサムウェアを含むマルウェア全般で、感染の糸口として悪用される傾向が強いので、これらのソフトウェアを常に最新の状態に保つことも、基本対策の1つです。ウイルス対策ソフトを最新の状態で使用することも、同様に基本対策となります。
2016年04月06日ESETは4月4日(現地時間)、「US and Canada issue ransomware alert」において、米国およびカナダの当局(米国国土安全保障省およびカナダサイバー事件対応センター)が個人および組織に対してランサムウェアに分類されるマルウェアによる脅威に注意するようにと警告を発行していることを伝えた。ESETでは当局から警告が出ているにもかかわらずそれほど注目されていないとして注意を呼びかけている。Alert (TA16-091A) Ransomware and Recent Variantsランサムウェアの脅威は日本国内でも広がっており注意が必要な状況になっている。こうしたマルウェアはアプリケーションの脆弱性を突くように細工されたアプリケーションデータを偽装してメールに添付する形式で広がっている。ランサムウェアによって暗号化されたデータは復号化がほぼ不可能とされており、また支払いに応じたとしても復号化が実施される保証はないとされている。ランサムウェアは収益が見込めることから市場が拡大しており、今後も被害が増えると見られている。ランサムウェアに関しては通常のセキュリティ対策以外に、復号化ができなくなっては困るデータに関しては確実にバックアップを実施する方法が推奨されている。
2016年04月05日シマンテックは4月4日、公式ブログで、Androidを狙ってヨーロッパで広く拡散しているランサムウェア「Android.Lockdroid」が日本に上陸しているとして、注意を喚起した。Android.Lockdroid は、スマートフォンに侵入するとデバイスの管理者機能を要求し、デバイスをロックして使用不能にする。多くの場合、元通りにするには、工場出荷時にリセットしなければならないという。ほとんどの場合、アダルト向けサイトから手動でダウンロードされてデバイスに感染するが、日本で見つかった亜種はシステムアップデートに偽装して、オペレーティングシステムにパッチ適用が必要だと信じ込ませるものだった。アダルト動画のアプリに偽装して、インストールするようユーザーを誘導する亜種もある。アプリのインストールの途中で、デバイス管理者機能を有効にするようユーザーに要求し、それに従うと、たとえOSをセーフモードで起動しても削除できなくなる。デバイスがインターネットに接続していない場合、コマンド & コントロール(C&C)サーバにアクセスしにくい場合は、アプリをあとで再試行するよう求められる。C&Cサーバにアクセスできると、Android.Lockdroid はデバイス情報をアップロードして端末の設定言語を確認する。アプリのインストール先が日本語設定のデバイスである場合、サーバで確認されると、日本のユーザー向けにローカライズされた身代金要求メッセージを表示する。どの言語でも身代金要求のメッセージは同様で、ユーザーがこのデバイスで不正なポルノ画像を閲覧または保存したため、法執行機関がデバイスをロックしたという趣旨のものだ。そのうえで、デバイスのロックを解除するには罰金を支払うよう要求してくる。これまでのAndroid.Lockdroid 攻撃と同じく、今回の亜種も罰金の支払いには iTunes カードを使うように指示し、金額は、被害者の地域に応じて 1万円、100米ドル、100ユーロとなっている。このランサムウェアの対処として、セーフモードでAndroid.Lockdroidの削除を試すことができるという。ただし、デバイス上に表示されるアプリの名称は、Androidの設定画面に一覧される名前と異なる場合があることに注意する必要がある。また、マルウェアがデバイス管理者機能を取得している場合は、ユーザーが削除できないため、端末を復元するには工場出荷時にリセットするしかないとのことだ。
2016年04月05日シマンテックは4日、欧米で広く拡散しているAndroid向けのランサムウェア「Android.Lockdroid」が日本でも猛威をふるっているとして、日本語版公式ブログで注意を喚起した。「Android.Lockdroid」は、スマートフォンにインストールされると、デバイスの管理者機能を要求し、デバイスをロックして使用不能にするというランサムウェア。米国やメキシコなど欧米を中心に拡散されていたが、シマンテックでは、日本語設定のデバイスにインストールされた場合、身代金要求のメッセージを日本語で表示するケースを確認したという。欧米ユーザーを狙ったモバイルランサムウェアがアジア言語で登場したのは初とのこと。Android.Lockdroidの侵入経路は、アダルト向けサイトの広告から手動でダウンロードされるケースが多いが、アダルト動画のアプリに偽装してインストールするようケースや、システムアップデートに偽装しパッチ適用を促す亜種もあるという。Android.Lockdroidの亜種は、今インストールしたアプリが不正なものと疑わせないため、インストール後30分以上経過してから活動を開始。C&Cサーバ(サイバー攻撃で侵入先の端末を操作・攻撃するコンピュータ)にアクセスすると、デバイス情報をアップロードし、端末の設定言語を確認。ユーザーの現在地に即したメッセージを表示する。端末が日本語設定のデバイスと確認された場合、日本ユーザー向けにローカライズされた身代金要求メッセージを表示する。文面は「不正なポルノ画像を閲覧または保存したため、法執行機関がデバイスをロックした」という趣旨のもの。ロックを解除するには罰金を支払うよう要求する。また、デバイスを不正に操作してインカメラでユーザーの写真を撮影し、身代金要求メッセージの一部に利用する。罰金の支払いはiTunes カードのコードで催促される。シマンテックの調査によると、アジア地域では日本以外にローカライズされたメッセージはなく、中国、香港、インド、マレーシア、韓国、シンガポール、タイでは英語でのメッセージを確認しているという。同社は、攻撃者が日本語ユーザーを標的にし、アジア向けの脅威をテストしていると分析。アジアを狙う攻撃が今後増加すると予測する。対処法として、セーフモードによる該当アプリの削除や、工場出荷状態へのリセットなどが紹介されている。また、総合セキュリティアプリのインストールや、信頼できるアプリストアからのアプリインストール、アプリがリクエストする許可の確認や、バックアップの作成なども、対策に有効とする。
2016年04月04日シマンテックは30日、インターネット犯罪から身を守るための情報を集約した「インターネット犯罪対策ハンドブック」を個人ユーザー向けに無料公開した。形式はPDFで、全11ページ。シマンテックでは、「サイバー攻撃対策の重要性が高まる中、実際の対策情報は1カ所に集約されておらず、被害を拡大させる恐れがある」として、今回のハンドブック制作に至った。4月の新生活を迎え、セキュリティ初心者向けに、実際起こりうるトラブルとその対策、ウイルス感染の仕組み、防御方法などを具体的に解説する。紹介されているサイバー犯罪は、ランサムウェアやフィッシングメール、正規サイト改ざん・不正広告によるウイルス感染、SNSアカウント乗っ取り、ボットネット攻撃、ネットバンキングの不正送金など。各事例の対策に加え、トラブルに遭った際の連絡先として独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の相談窓口や、警視庁のサイバー犯罪対策窓口などが紹介されている。
2016年03月31日サム・メンデス監督は、『007 スペクター』の最後のシーンの撮影の際、ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンド役に別れを告げている気分がしたそうだ。前2作の監督を務めたメンデスは、4作でのボンド役を経て降板がささやかれるダニエルがシリーズへ別れを告げているように感じ取り、その日が来るのも近いのではないかと思っているそうだ。メンデス監督は「最後にダニエルがボンドに別れを告げているようには確かに感じたね」「でも彼が戻ってくる可能性はいくらでもあるよ。だってボンドは死んでいないんだからね! だからダニエル次第さ」と話す。メンデス監督自身はダニエルに5度目のボンドを演じてもらいたいそうだが、もちろんダニエルがその役を演じる気になっていることが条件だとエンパイア誌に続ける。「戻って来るには100パーセントやる気がないとね。それは彼も分かっていると思うよ」「彼はまず休みを取って、他の役を演じてから、その後にどう感じるかだよ。僕だって君たちと同じくらい興味深くその様子を見守っているよ」ダニエルが降板した場合に備えてトム・ヒドルストン、イドリス・エルバ、トム・ハーディなど数々の俳優名が候補に挙がっており、先日には『風の勇士 ポルダーク』のエイダン・ターナーがプロデューサー陣と話し合いを行ったと報じられていた。当時ある関係者は「エイダンは『007』プロデューサー陣とまだ正式な形ではありませんが、話をしたようです。ロサンゼルスにいる方が、今後この役についてもっと話し合いをするチャンスが彼に与えられるかもしれません」と話していた。(C)BANG Media International
2016年03月29日●データから自分の人生を振り返る時代アクロニスは、全世界500万人以上の個人ユーザーと、30万社を超える企業ユーザーが利用している、データバックアップソリューション、障害復旧ソリューションなどを提供している企業だ。アクロニスのセルゲイ・ベロウゾフCEOは、「データを保護するだけでなく、いかにコントロールするかが大切になってきている。その変化にあわせて、大手企業だけでなく、中小企業や個人が、データの重要性を再認識する必要がある」と指摘する。ベロウゾフCEOに、データを取り巻く環境変化と、それに向けた同社の取り組みについて聞いた。――昨今のデータバックアップ市場をどう捉えていますか。ベロウゾフ氏:データバックアップ市場は、目まぐるしく変化しています。昨今では、データバックアップそのものを捉えるのではなく、データ保護やシステム保護といった幅広い観点で捉えたり、あるいは、データを検索したり、共有したりといった点において、データをどうコントロールすべきか、という点にも注目が集まってきています。ただ、すべてにおいて共通しているのは、「誰もがデータを失いたくはない」ということです。第三者によってデータが破壊されたり、間違った人の手に渡ってしまいデータがなくなってしまったという場合はもちろんですが、データが見つけにくい、探し出せないということで事実上データを失うこともありますし、データをある場所から別の場所に移動させたいのだが、それができずに結果としてデータを失うということもあります。つまり、いま重要視されているのは、データをどうコントロールするのか、ということだといえます。また、安全にデータを格納するには、複数のコピーを用意する必要があり、それらのデータをまったく違う場所に格納しておくことが最適であるにも関わらず、それがまだ浸透していない、あるいはできていないという点も改善していく必要があります。もうひとつ見逃せない動きが、データそのものの重要性が増しているという点です。従来は、大企業のみがデータを保護していればいいという状況でしたが、いまでは中小企業においても、個人においても、データを保護し、データをコントロールしなくてはなりません。前世代では写真やビデオの数も少なく、昔を振り返るには、自分の記憶に頼るしかありません。しかし、いまの時代は、多くの記録が残っていて、データから自分の人生を振り返ることができるという、これまでにないユニークな時代を迎えています。しかし、それを実際にできている企業や個人は少ないといえます。もっとデータに対する意識を高めていく必要があるのではないでしょうか。一方で、いまの時代は、これだけ数多くのデータが活用されているにも関わらず、データに関する法律が原始的であり、文化といえるものが育っていないという問題点も指摘できます。人間は、自分の身体について考えれば、ダイエットをしなくてはならないことに気がつきます。しかし、データについては、そうした考えに至るところまで認識したり、熟考するような人はひと握りしかいません。データに関する法律についても単純なものに留まっており、データの権利保護まで深く踏み込んだものにはなっていません。今後のデータを取り巻く法律や権利というものは、「もはやデータは、人を形成する一部である」というような認識を持った上で作られたものでなくてはいけません。――こうした市場環境のなかで、アクロニスは、どんなメッセージを出していますか。ベロウゾフ氏:我々のメッセージはとてもシンプルです。それは、こうしたデータバックアップ市場の変化に対して、常にベストなソリューションを提供しているという点です。データを格納し、管理し、保護を簡単にできる。迅速に、信頼性のある形でデータを復旧できる。そして、データを保護する際にも、利用者が自由に選択できる環境を用意しています。他社のソリューションの場合は、ローカル環境におけるデータ保護であったり、クラウド環境への保護であったりといったように特定の方法でしか、バックアップができないという提案です。しかし、アクロニスの提案は、自分の好きな方法で、好きな場所にデータを保護し、しかも、それがいつでも変えられるという環境を実現しているわけです。データをバックアップしなくてはならない理由はいくつもあります。たとえば、ランサムウェアへの対策という点がそのひとつです。この部分にも、アクロニスは強いソリューションを持っています。そして、アクロニスの最大の特徴は、データをコントロールする機能や能力を提供している点にあります。信頼性の高いサービスを提供していますから、高いクオリティに対する期待値が高い日本のユーザーに応えることができるソリューションだと自負しています。――アクロニスの技術的な強みはどんなところにありますか。ベロウゾフ氏:アクロニスには、データに関する技術に優れた、310人の超人的な人材がいます(笑)。そのうち、博士号を持っている技術者が20人と、システムソフトウェアに精通した技術者が多い点も特徴です。コンピューティングに関しては、マイクロソフト、オラクル、IBMといった大規模企業が市場をリードしていますし、ネットワークもシスコシステムズ、ジュニパー、ファーウェイという大きな企業が市場を牽引していますが、ストレージについては、マーケットリーダーがいない状況だと私は考えています。そのような状況を捉えれば、いまの段階からエンジニアを増強して、ストレージ分野におけるマーケットリーダーを目指すのが得策です。また、当社では、すでに100以上の特許を取得しており、これも他社との差別化につながる要素だと考えています。――日本ユーザーにおけるデータの保護、データのコントロールに対する意識はどう捉えていますか。ベロウゾフ氏:日本に限ったことではないですが、日本でもデータバックアップをしていない人が多いのは事実です。とはいえ、世界各国のユーザーと比べてみると、日本のユーザーは、データ保護の意識が高い方だといっていいでしょう。しかし、日本は地震などの自然災害が多い国でもあり、日本人はデータを失ってしまいやすい環境にいるともいえます。日本人は、もっとデータ保護に関して関心を持つべきだと考えています。●アクロニスの2016年事業戦略――2016年はどんなことに取り組みますか。ベロウゾフ氏:アクロニスは、データバックアップの企業から、データの保護、管理まで網羅できる企業へと変化していき、技術的にも、ビジネス面でも、クラウドアーキテクチャーへと移行し始めています。まさに会社としての再構築、ビジネスの再構築をしている段階にあります。我々がフォーカスしているのはデータを保護し、コントロールするという部分であり、ある地域や、ある製品に特化しているというものではありません。データ保護やデータコントロールという取り組みのなかで、それを実現するのがソフトウェア・デファインド・ストレージであり、ブロックチェーン技術やモビリティ対応ということになります。データ保護については、5つのキーワードがあります。「セーフティ」、「セキュリティ」、「プライバシー」、「オーセンテック」、そして「アクセス」です。自らのデータを安全に保護し、そして、自らがコントロールできる環境を保持し、いつでも、どこからでもアクセスできる環境を実現することが大切です。アクロニスは、これらの点に力を注いでいきます。――今後の事業拡大において、M&Aはどう考えていますか。ベロウゾフ氏:具体的な戦略については開示できませんが、基本戦略はデータにフォーカスしていく姿勢に変わりません。そのなかで、様々な買収の可能性があるといえます。データの保護、管理、あるいはストレージという領域において、必要なものがあれば、自社内での開発も進めますし、買収した方がよければそれを検討していくことになります。過去36カ月の間に3社を買収していますので、平均すると1年に1社というペースになりますが、特にM&Aだけにこだわらずに拡大を検討していきます。一方で、コンサルティングサービスやプロェッショナルサービスのような領域については、パートナー各社との連携によって対応していくことになります。――日本におけるビジネスはどう成長させていきますか。ベロウゾフ氏:地域ごとの成長率は開示していないのですが、日本におけるビジネスは、非常に目覚ましい成長を遂げており、毎年、数100%の伸びをみせています。とくに、新たなアーキテクチャーを備えた製品の成長が著しいですね。高品質の製品が望まれている市場だけに、我々が成長できる余地は高いと考えています。今回、来日したのは、日本におけるパートナーとの関係をさらに強いものにすること、そして日本の組織の拡大で新たなオフィススペースへの移転を検討しており、それを見に来たのも目的のひとつです。年内には日本のオフィスの移転を考えています。――最後に、日本のユーザーに対して、メッセージをお願いします。ベロウゾフ氏:データの保護、管理およびストレージの活用は非常に重要であり、それに向けて、正しく、適切なツールを使用する必要があります。まだ適切なツールを使っていない人たちも多いですから、その点はぜひ学んでいただきたいですね。いまでもデータの保護の重要性は知られていますが、今後さらに高まっていくことになるでしょう。そうした動きに対して、アクロニスは、どんな規模の企業であっても、個人であっても、最適なツールを提供できると考えています。3月31日は、World Backup Dayと呼ばれており、アクロニスもこの活動に賛同しています。全世界で、データバックアップの大切さを知り、重要なデータや大切な思い出を、しっかりとバックアップすることの必要性を訴えていきます。日本のみなさんも、この日を機会に、データのバックアップに取り組んでいただきたいですね。その際には、ぜひアクロニスのサービスを使っていただきたいと思っています。
2016年03月29日トレンドマイクロは3月16日、日本語表示に対応したAndroid版ランサムウェアを初めて確認したと発表した。ネット上で被害報告が相次いでおり、同社は注意喚起を行っている。このランサムウェアに感染すると「MINISTRY OF JUSTICE」という名称で日本語の身代金要求メッセージを表示する。トレンドマイクロによると、Androidのランサムウェアとして日本語表示に対応したものは初めて。PCを狙ったランサムウェアは現在「暗号化型ランサムウェア」が主流となっているが、今回のランサムウェアはその1世代前に流行した「端末ロック型ランサムウェア」で、端末操作を不可能にすることで端末自体を"人質"にとる。現時点で拡散経路は特定できていないとのことだが、Google Play以外の経路で「System Update」というアプリ名称で配布された可能性があるという。このアプリをインストールしようとすると、通常のアプリと同様に権限を要求される。続けて「セキュリティポリシーをアクティベートしますか?」というメッセージが表示され、端末管理者設定の有効化を要求してくる。この要求に応じて「有効にする」を選ぶと、インストールされたランサムウェアにデバイス管理APIの権限が付与され、最終的に端末が"人質化"してしまう。その後、時間を置いて「MINISTRY OF JUSTICE」という名称で「罰金」の支払いを要求する画面が日本語で表示される。このランサムウェアは、罰金支払いの要求以外にも「犯罪者情報」として、感染した端末のキャリアやIP情報などを表示し、利用者の身元を特定したかのような"工作"も行う。こうした工作で犯罪者が支払わせようとする「罰金」は1万円で、iTunesギフトカードで支払いを行わせようとする。ギフトカードを用いた支払いは、一種のトレンドとなっているものの、MINISTRY OF JUSTICE(法務省)を名乗っておきながらiTunesギフトカードで支払わせる方法はツメが甘い。また、日本語についても「国土安全保障省」という米国省庁の名称や、「残り時間は、罰金を支払います」などの残念な表現が散見されることから、犯罪者に支払うことなく、セーフモード起動によるアンインストールを行うようにトレンドマイクロでは呼びかけを行っている。同社では、被害にあわないようにする対策として、Google Playや携帯キャリア以外のアプリマーケットからのアプリダウンロードを行わないようにすることや、そうしたアプリをインストール出来ないようにする「提供元不明のアプリのインストールを許可する」機能のチェックボックスの確認を行うように呼びかけている。また、実行できる環境は限られるが、Android 6.0(Marshmallow)にアップデートできるAndroid端末であれば、ランサムウェアが5.0以前の環境でしか動作しないため、アップデートを行うように推奨している。
2016年03月16日トレンドマイクロは3月15日、エクスプロイトキット(さまざまな脆弱性を攻撃するためのパッケージ化されたプログラム)の2015年を通した分析を、同社のセキュリティブログで公開した。これによると、2015年に公開され、エクスプロイトキットに利用された18件の脆弱性のうち、15件はエクスプロイトキットに悪用される前に修正プログラムが公開されていた。ただ、3件は"ゼロデイ脆弱性"として修正プログラムが提供される前にエクスプロイトキットに組み込まれていた。その多くはAdobe Flash Playerを対象としており、18件中15件がFlash Player、2件がMicrosoft Internet Explorer、1件がMicrosoft Silverlightだった。これらの脆弱性の半数以上で、最初に対応したエクスプロイトキットは「Angler Exploit Kit(Angler EK)」となっていた。Angler EKは2015年に最も猛威をふるったエクスプロイトキットといわれており、SymantecやESETの調査結果でも同様の傾向が見られる。ユーザーを攻撃するためにはエクスプロイトキットへ誘導しなければならないが、そのために「Web改ざん」と「不正広告」の手法が2015年に多く用いられた。Web改ざんでは、WordPressやJoomlaなどのOSS CMSやCMSプラグインの脆弱性を突いて改ざんを行っており、2015年12月にはAngler EKを活用してランサムウェアを拡散した大規模な攻撃キャンペーンも行われていたという。この攻撃では、1500を超えるWebサイトが改ざんされ、SWFオブジェクトが追加されていた。このオブジェクトは、iframeタグを密かに組み込むために別のFlashファイルを読み込み、エクスプロイトキットへと誘導していた。一方の不正広告では、ユーザーが気付かないうちに不正なWebサイトへ誘導される。Webサイトの広告は一般的に、所有者が直接管理する「純広告」は少なく、多くのケースでアドネットワークを組み込み、管理している。攻撃者は自ら広告を出稿してアドネットワークに不正広告を混入させ、エクスプロイトキットへと誘導する。不正広告の形態はバナーや埋め込み、ポップアップなどさまざまで、スクリプトを正規サイトの画像に追加してあたかも本当の広告のように見せかけていた。ユーザーがクリックせずとも、エクスプロイトキットのページに誘導し、多くのユーザーを攻撃していた。トレンドマイクロによると、2015年12月のエクスプロイトキットによる攻撃の88%が不正広告経由によるものだった。同社は、この数年でエクスプロイトキットによる脆弱性攻撃が強力なものであると証明されつつあると指摘し、それに変わる手法は現在のところ存在しないとした。それ以上にエクスプロイトキットの変化が見られており、セキュリティベンダーによるトラフィック検出を回避するために暗号化を施すなど、手口がより巧妙になりつつあるという。
2016年03月16日オンラインバックアップサービス企業Backblazeは3月11日(米国時間)、「Cryptowall Ransomware: How to Recover」において、自社の経理担当者がランサムウェアに感染した経緯を説明した。Backblazeでは、同左ービスにおいてこの感染による影響はないこと、暗号化されてしまった経理担当者のデータも同社のバックアップサービスによって復旧できたと説明している。同社の経理担当者はメールに添付されていたファイルを経由してランサムウェアに感染したようだ。担当者はWebブラウザ経由で利用するオンラインの電子メールサービスを利用しており、オンラインのメールサービス、Webブラウザ、PCにインストールされたセキュリティソフトウェアのどの段階でもランサムウェアとして検出されることがなく、最終的にファイルを経由して感染してしまったとしている。ランサムウェアは勝手にファイルを暗号化して、復号化してほしい場合にはBitcoinなどを経由して金銭の支払いを要求するマルウェアの一種。ランサムウェアによって暗号化されたファイルを復号化する手段は存在せず、仮に支払いを済ませたとしても復号化される保証はないとされている。ランサムウェアへの対策としては、定期的なバックアップを実施することが有効とされている。発見される脆弱性は増加する傾向を見せているが、こうした脆弱性はサイバー攻撃の手段として利用されている。しかし、脆弱性が放置されたままのソフトウェアは世界中に存在しており、注意が必要だ。
2016年03月15日キヤノンITソリューションズが運営する「マルウェア情報局」は14日、ランサムウェア感染を狙った不審メールが1週間で20万件以上確認されたとして、注意を喚起した。3月上旬、「TeslaCrypt」および「Locky」というランサムウェア(身代金要求型マルウェア)感染を狙った"一週間の攻撃キャンペーン"が展開されたという。TeslaCryptは日本でも2015年12月、感染後にファイル拡張子が.vvvに変更されデータが閲覧できなくなる「vvvウイルス」として話題になった暗号型ランサムウェア。Lockyは2016年2月に注目された新種のランサムウェアで、この2つの亜種がばらまき型メールに添付された。ESETでは、2016年3月2日から同年3月9日までの約一週間の間に、20万件以上のTeslaCryptやLockyが、ZIP形式で添付された不審メールを確認。日本では、ESETが検出した全マルウェアのうち、この2種のランサムウェアが50%以上を占めたとする。ESETでは今後も亜種によるメール攻撃が継続されるとみて、メールの取り扱いに注意を喚起している。
2016年03月15日キヤノンITソリューションズが販売代理店をつとめるESETは3月14日、「TeslaCrypt」「Locky」のランサムウェア感染を狙った不審なメールが3月2日~9日に20万件以上確認されたとして注意喚起を行った。TeslaCryptは2015年12月上旬に日本で広まったランサムウェアで、ファイルを暗号化して拡張子を「.vvv」に書き換える特徴を持つことから「vvvウイルス」としてネット上で知られている。初期バージョンは同2月に登場したが、バージョンが更新されるごとに攻撃手法が洗練され、日本も攻撃の対象に加わった。ESETによると、3月2日~9日の一週間の攻撃キャンペーンは、TeslaCryptと、2月に新種として登場したLockyランサムウェアの両方の亜種を用いたものだという。実際に送られたメールに添付されていた脅威は、2015年12月に対応した「JS/TrojanDownloader.Nemucod」の亜種で、TeslaCryptやLockyランサムウェアをダウンロードする。不審なメールに添付されているzipファイルは名称が複数あるが、「INVOICE(請求書)」などの英語名+ランダムな数値のケースが多く、通常のメールでは考えにくいファイル名となっている。これらのファイルを展開するとJavascriptが実行される。国別の検出マルウェアに占める割合では日本がトップとなっており、Lockyランサムウェアのバラマキ型メール攻撃が行われた先月と比較しても2倍以上の検出率だという。日本での検出率のピークは3月8日だったが、依然として高い数値で数値が続いていることから、メールの取り扱いを注意するほか、「ランサムウェア対策として重要データは定期的なバックアップ」を行うようにESETは呼びかけている。
2016年03月14日