性転換手術を受けたものの股間に“アングリーインチ(怒りのインチ)”が残ってしまった、男でもあり女でもあり同時にそのどちらでもないロックシンガー・ヘドウィグが、愛を求め叫ぶ『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』。日本でも何度も上演されてきた人気のブロードウェイミュージカルが、浦井健治と女王蜂のボーカル・アヴちゃんによって届けられる。演出も福山桜子の手で新しくなる今回。今度はどんな熱狂を生み出すことになるのか。ふたりが意欲を語った。【チケット情報はこちら】日本では7年ぶりとなる公演で、これまで、三上博史、山本耕史、森山未來が演じてきたヘドウィグを担う浦井健治。「去年の『メタルマクベス』では黒だった爪が今度は赤くなるんです。“浦井、どこへ行こうとしてる!?”と思われるかもしれませんが(笑)、この孤高な役を演じられること、そして、人生を素敵なものにするためのバイブルのような作品に出演できることを、本当に光栄に思っています」と出演の喜びを語る。一方、自分を裏切ってトップスターに上り詰めた男のコンサートを追うように巡業しているヘドウィグのバンドメンバーであり、彼に寄り添うイツァークを演じるアヴちゃん。単独でのミュージカル出演はこれが初となる。「普段はもう命を燃やすように歌っているんですけど、この『ヘドウィグ』はそこまでやっていいもののひとつのような気がしています。浦井さんのヘドウィグに私が加わることで、鬼に金棒ならぬ、“王子にチェーンソー”くらいの(笑)、力になれたらなと思っています」浦井にとってもアヴちゃんの存在は心強いようで、「ヘドウィグの内面を浮き彫りにしてくれるのが、本当のヘドウィグのように切れ味のあるアヴちゃんっていうのが、今回のいちばんの武器」と言い切る。アヴちゃんもまた「ギャルパワーでやってきた自分が演じるからには(笑)、若い子たちにどんどん来てもらって、今の時代に私たちが演じる意味を感じてほしい」と意気込んだ。それに対して「アヴちゃんのパワーが、ミュージカルというカテゴリーも何もかも突破してくれると思うので、一緒に、作品の持つ力そのままを皆さまに届けられたらと思います」と応える浦井。作品の楽曲について、「全然武装してなくてセンシティブだから刺さる」とアヴちゃんは評したが、だからこそ、ふたりもまた剥き身になるしかないのだろう。その心の叫びは、まさしく“刺さる”ものになるはずだ。8月31日(土)から始まるEX THEATER ROPPONGIでの東京公演を皮切りに、福岡、名古屋、大阪と各地をめぐり、9月26日(木)からは東京に戻り、Zepp Tokyoにて公演を行う。チケットは各地ともに現在、チケットぴあにて抽選先行プレリザーブを実施中。3月18日(月)午前11時まで。取材・文:大内弓子
2019年03月15日江波戸哲夫の「新装版銀行支店長」「集団左遷」を、福山雅治主演でドラマ化する「集団左遷!!」。この度、本作の主要キャストとして神木隆之介、中村アン、井之脇海、三上博史、市村正親らの出演が明らかになった。本作は、福山さん演じる50歳を目前にして廃店が決まっている銀行支店の支店長となった片岡洋と、左遷された銀行員たちが協力して大逆転に挑む、平成最後の下克上エンターテインメント。今回新たに発表された俳優たちが演じるのは、片岡の部下となる蒲田支店の“ダメ社員集団”と、片岡ら蒲田支店の面々に立ちはだかる“最大の敵”、本部の幹部を演じる主要キャラクターだ。まず、リストラ候補として蒲田支店に集められた“ダメ社員集団”の面々には、かつては幹部候補だったがある事件がきっかけでドロップアウトした法人営業一課・滝川晃司を、自身初の本格ラブストーリーに挑戦した『フォルトゥナの瞳』が現在公開中の神木さん。セクハラ上司を殴って蒲田支店に左遷させられた法人営業一課主任・木田美恵子を、「ラブリラン」「SUITS/スーツ」の中村さん。ドジで気弱で頼りなげな法人営業二課・平正樹を、大河ドラマ「おんな城主 直虎」や「義母と娘のブルース」の井之脇さん。そのほか、高橋和也、迫田孝也、増田修一朗、谷口翔太、橋本真実らが蒲田支店の“ダメ社員集団”に決定。神木さんは「日曜の夜にこのドラマを見て『明日からまた1週間頑張ろう!』と思って頂けるとうれしく思います。諸先輩方の背中を追いかけて、必死で頑張ります!!」と意気込み、中村さんも「男性社会の中で必死に頑張る姿を表現できるよう、努めたいです。福山さんをはじめ先輩方、スタッフの皆さんの足を引っ張らないよう、最後までしっかり頑張ります!!」とコメント。また「この作品を通して多くのことを学びたい」と力強く語った井之脇さんは、「憧れの福山さんとの初共演、僕の人生を変えた映画『トウキョウソナタ』以来の香川さん、僕に芸能学校への進学をすすめてくれた神木くん、他にも僕の尊敬するたくさんの役者さんとスタッフさんの皆さん。僕の大好きな方々で溢れる素敵なチームで、どんな『平成最後の下克上』が描かれるのか僕自身とてもワクワクしています」と豪華俳優陣との共演を楽しみにしている様子だ。そして、片岡にとって“最大の宿敵”となる常務・横山輝生役には、ドラマW「交渉人」「パンドラ」など重厚なドラマに多く出演する三上さん。彼こそが蒲田支店を廃店にすることを決めた人物であり、かつ、片岡を蒲田支店に送り込んだ張本人なのだ。常に銀行の利益を優先し、時には非情ともいえる決断を下すことも。さらに、本部のお飾り頭取・藤田秀樹役には市村さん。ほかにも、酒向芳、橋爪淳、津嘉山正種、尾美としのりと実力派が本部をがっちり固める。演じるキャラクターについて「強烈な男」と語る三上さんは、「まだ撮影前だというのに、すでに彼の哲学にボク自身が乗っ取られつつあります。ボクの人格が完全に隠れてしまうのも時間の問題でしょう」とコメント。また市村さんは「初共演となる福山さんのエンターテインメントに触れることができるのは、この上ない喜びです」と言い、「ダメ社員以上にあがく私にご期待ください」とアピールしている。「集団左遷!!」は4月、毎週日曜日21時~TBSにて放送予定。(cinemacafe.net)
2019年02月24日「映画『ウォーターボーイズ』共演者の突然の死を知って、妻夫木さんは絶句したそうです。涙を流しながら『すぐまた会えると思っていたのに……』と悔しがっていたと聞いています」(映画関係者)妻夫木聡(38)の親友・前田紘孝さん(享年38)が1月上旬に亡くなっていた。シンクロナイズドスイミングに励む男子高校生たちの青春を描き、妻夫木主演で大ヒットした映画『ウォーターボーイズ』(01年)。共演者の1人・前田さんは10年に製作会社を設立。映画プロデューサーとして活躍していた。「キネマ旬報ベストテンの1位に輝いた『そこのみにて光輝く』(14年)をプロデュースするなど、評価の高い作品を数多く手掛けていました。公開されたばかりの三上博史さん主演映画『LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯て』も彼のプロデュース作です。映画を心から愛する情熱的な方で、吉岡里帆さんや趣里さんなどの若手女優をブレーク前からキャスティングする目利きとしても知られていました。撮影現場にお子さんを連れてくる子煩悩な一面もあったのですが……」と、言いよどむ前田さんの知人。「この正月、前田さんの奥さんが“突然連絡がつかなくなった”と、捜索願を出していたんです。6日に前田さんの事務所のスタッフが亡くなっているのを発見したようです。心筋梗塞による突然死だったと聞いていますーー」妻夫木は16年11月、東京国際映画祭で『ウォーターボーイズ』を「俳優の転機となった作品」と述べ、笑顔でこう振り返っていた。「映画は監督はじめキャストやスタッフが一丸となって、ひとつの気持ちで作るからこそいいものができるんだと感じ、それから映画にほれて今までやってきました」当時の共演メンバーとは十数年たった今も交流が続き、定期的に会っているという。「16年8月に妻夫木さんがマイコさんと結婚した際“結婚祝いの会”を共演した俳優陣や当時のスタッフも交えて開いています。玉木宏さん、杉浦太陽さんらが駆けつけ、杉浦さんは『初代ウォーターボーイズの絆は不滅だ!』と和やかな宴の様子をブログに綴っていました。当時の共演者は半分以上、すでに芸能界を引退して別業種に転職していますが、お互い刺激し合っていい関係が続いているようです」(前出・映画関係者)妻夫木は生前の前田さんと、ある“約束”をしていたという。「昨年、前田さんと食事した際、2人で『40歳になった当時のメンバーで“オヤジになったウォーターボーイズ”をやりたいね』と盛り上がったそうです。それだけに妻夫木さんは“約束”が実現できなくなったことがとても心残りでショックが大きいそうなんです……」(前出・映画関係者)青春を共に駆け抜けた“盟友の死”。妻夫木の悲しみは深い――。
2019年01月22日トニー賞受賞ミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(HEDWIG AND THE ANGRY INCH)」が、新作として2019年にEXシアター六本木ほか福岡、名古屋、大阪で上演される。傑作ロック・ミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」1997年にオフ・ブロードウェイで初上演されロングランを記録、世界各地で数多く上演された「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」。2001年には映画化され、サンダンス映画祭観客賞、監督賞など数々の賞を受賞、舞台・映画共に世界中で一大ブームを巻き起こした傑作ロック・ミュージカルだ。主人公は、愛と自由を手に入れるため性転換手術を受けたものの、手術の失敗によって股間に「アングリーインチ(=怒りの1インチ)」が残ってしまった、男でもあり女でもある、あるいはそのどちらでもないロックシンガー、ヘドウィグ。幾多の出会いと別れを経験する中で、傷つき倒れそうになりながらも己の存在理由を問い続け、「愛」を叫び求める姿が描かれる。日本では、2004年、2005年に三上博史主演で初演を果たし全日ソールドアウト、2007年、2008年、2009年には、全編英語詞の歌唱で話題を呼んだ山本耕史主演版、そして、2012年には映画監督・大根仁の演出による新たなヘドウィグ・ワールドが誕生した森山未來主演版、2015年のオリジナルキャスト版と、様々なバージョンが上演されている。浦井健治&アヴちゃん(女王蜂)が出演7年ぶりとなる待望の日本公演で新ヘドウィグを演じるのは、ミュージカル「王家の紋章」「メタルマクベス」など、多くの大作舞台の出演を果たす浦井健治だ。そしてイヴァーク役を、年齢・国籍・性別非公表の4人組バンド女王蜂のボーカルとして活躍するほか、ファッションモデルやミュージカル役者とマルチに才能を発揮しているアヴちゃんが務める。翻訳・演出は、デヴィット・ルヴォー、三谷幸喜らの元でも数多くの作品に参加し、東京とニューヨークで脚本家・演出家として活躍、近年は舞台『Fate/ Grand Order THE STAGE』シリーズの脚本・演出・作詞なども手掛ける福山桜子が担当する。あらすじ少年ハンセルは、自由の国アメリカに渡りロックスターになるのが夢だった。彼は幼少時に母親からプラトンの魅惑的な「愛の起源」の物語を聞かされる。以来、彼は自分の“カタワレ”を見つけようと心に決める。ある日、彼は偶然一人の男と出逢う。その男に見初められ、彼との結婚の道を選んだハンセルに待ち構えていたのは、アメリカへ渡るための“性転換手術”だった。しかし、手術を受けたハンセルの股間には手術ミスで「怒りの1インチ(アングリーインチ)」が残ってしまう。その後、ヘドウィグを名乗り渡米を果すも離婚、ベビーシッターなどをして日々の糧を得つつロックバンドを組むも、なかなか成功への道が見えず生活に追われていた毎日だった。やがて17歳の少年トミーに出逢い、愛情を注ぐようになるヘドウィグだったが、トミーはヘドウィグの曲を盗んでビルボードNo.1のロックスターに上り詰める。最愛の人に裏切られたヘドウィグは自らのバンド「アングリーインチ」を率いて、ストーカーのようにトミーの全米コンサート会場を追い、スタジアム脇の冴えない会場で巡業する。果たして、自分の魂である歌を取り戻し、捜し求めていた“カタワレ(=愛)”を見つけることができるのか…?開催概要「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(HEDWIG AND THE ANGRY INCH)」開催日程:2019年8月31日(土)~9月29日(日)会場:EXシアター六本木ほか福岡、名古屋、大阪作:ジョン・キャメロン・ミッチェル作詞・作曲:スティーヴン・トラスク翻訳・演出:福山桜子出演:ヘドウィグ/浦井健治、イツァーク/アヴちゃん(女王蜂)バンド(THE ANGRY INCH):Guitar DURAN、Bass YUTARO、Drums 楠瀬タクヤ、Guitar 大橋英之、Keyboard 大塚茜■チケット一般発売日:2019年4月20日(土) 10:00~ ※全日程・〈東京〉EXシアター六本木 2019年8月31日(土)~9月8日(日)価格:全席指定 8,800円(税込) ※別途1ドリンク代 500円必要問い合わせ先TEL:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00~18:00)・〈福岡〉Zepp Fukuoka 2019年9月11日(水)~9月12日(木)価格:全席指定 8,800円(税込)、U-25 4,000円(税込) (前売販売のみ・当日座席指定・要身分証) ※別途1ドリンク代 500円必要問い合わせ先TEL:キョードー西日本 0570-09-2424・〈名古屋〉Zepp Nagoya 2019年9月14日(土)~9月16日(月祝)価格:全席指定 8,800円(税込) / U-25 4,000円(税込)(前売販売のみ・当日引換・要身分証) ※別途1ドリンク代 500円必要問い合わせ先TEL:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00~18:00)・〈大阪〉Zepp Namba(OSAKA) 2019年9月20日(金)~23日(月)価格:全席指定 8,800円(税込) ※別途1ドリンク代 500円必要問い合わせ先TEL:キョードーインフォメーション 0570-200-888(全日10:00~18:00)・〈東京ファイナル〉Zepp Tokyo 2019年9月26日(木)~29日(日)価格:全席指定 8,800円(税込) ※別途1ドリンク代 500円必要問い合わせ先TEL:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00~18:00)
2018年11月12日ミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』が、2019年8月より浦井健治の主演で上演される事が決定した。【チケット情報はこちら】『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は、愛と自由を手に入れるため性転換手術を受けたものの、手術の失敗によって股間に「アングリーインチ(怒りの1インチ)」が残ってしまった、男でもあり女でもあると同時にそのどちらでもないロックシンガー、ヘドウィグが主人公。幾多の出会いと別れを経験し、傷つき倒れそうになりながらも己の存在理由を問い続け、「愛」を叫び求める姿を描く。同作は1997年よりオフ・ブロードウェイで初上演され、ロングランを記録し、その後世界各地で上演。2001年には映画化され、サンダンス映画祭観客賞、監督賞など数々の賞を受賞した。日本語版公演では、2004年と2005年にPARCO劇場他で三上博史主演で初演を果たし、全日ソールドアウトの大盛況。2007年、2008年、2009年には山本耕史主演で全編英語詞の歌唱で話題を呼んだ。2012年は森山未來を主演に、映画監督・大根仁演出のもと、日本を舞台としたオリジナル解釈のもと新たなヘドウィグ・ワールドを誕生させた。今回、7年ぶりとなる日本語版公演では、ヘドウィグ役を浦井健治が務めるほか、ヘドウィグの恋人、イツァーク役を年齢・国籍・性別非公表の4人組バンド女王蜂のボーカル、アヴちゃんが務める。翻訳・演出は福山桜子が担当する。
2018年11月09日WOWOWドラマWの人気シリーズ「パンドラ」の最新作「パンドラIV AI戦争」から、この度場面写真が解禁。現在撮影中の本作で主演する向井理からコメントも到着した。本作は、革命的な発明により、“パンドラの箱”を開いた人々の運命を描く社会派ドラマシリーズ。2008年、連続ドラマW第1作目としてスタートした三上博史主演の「パンドラ」では“がんの特効薬”をテーマに、佐藤浩市主演の「パンドラII 飢餓列島」では“遺伝子組み換え食品”を、江口洋介主演の「パンドラIII 革命前夜」では“自殺防止治療法”、堺雅人主演のドラマWスペシャル「パンドラ~永遠の命~」では“クローン人間”を描いてきた。そんなシリーズの今回のテーマは“AI”。多くの分野で注目を集めている人工知能だが、しかしこれらの技術の進歩は、AIが人間の仕事を奪うなど数々の問題を秘めており、AIはすでに開かれている“パンドラの箱”なのだ。医学界を根底から覆す画期的な医療用AIを開発する主人公・鈴木哲郎役を向井さんが演じるほか、AI診断を導入したIT企業「ノックスグループ」代表の蒲生俊平役に渡部篤郎、医師会会長の有薗直子役に黒木瞳、看護師の橋詰奈美役に美村里江、弁護士の東浩一郎役に三浦貴大、メディノックス医療センターの優秀な心臓外科医・上野智津夫役に原田泰造、そして本シリーズに登場する毎朝新聞・記者の太刀川春夫役を再び山本耕史が演じる。到着した場面写真では、険しい表情の豪華キャストたちの姿が公開。また、哲郎が開発した世界の医療論文を蓄積し、学習機能を持った画期的なAI診断システム“ミカエル”を調整する様子、医師たちを従え、総回診を行う直子の姿なども捉えられている。現在、撮影は後半戦に入ったという向井さんからコメントも到着。「まだ僕らも結末を知らないので、いつも新鮮な気持ちで、でも緊張感も持ちながら撮影に臨ませていただいています」と語る向井さんは、「本作の魅力の一つとして、オリジナルの脚本を最初から、それもちゃんとリアリティを持って手掛けられるというのは凄いことだと思いますし、原作が無いからこそ自由に、そして現場での発想も交えながら、キャスト・スタッフ一丸となってドラマを作っていますので、楽しみにしていただければと思います」と放送を待つ視聴者へメッセージを寄せている。「連続ドラマWパンドラIV AI戦争」は11月11日より毎週日曜日22時~WOWOWプライムにて放送(全6話/第1話無料放送)。(cinemacafe.net)
2018年09月26日9月に上演される『最遊記歌劇伝-異聞-』の製作発表イベントが都内で開催され、これまでのシリーズに出演し今作でも光明三蔵法師を演じる三上俊と烏哭三蔵法師役を演じる唐橋充が登壇。さらに新キャストである小沼将太、深澤大河、古谷大和、前川優希、二葉勇、月岡弘一、齋藤健心が登場した。【チケット情報はこちら】本作は、峰倉かずやの漫画『最遊記』シリーズを原作に2008年から上演される舞台『最遊記歌劇伝』シリーズの最新作。今回は漫画『最遊記異聞』のエピソード前半が中心となり、本編から遡り、若かりし頃の光明三蔵・峯明の物語を描く。脚本・演出は三浦香。桃醍役の小沼は「13年野球をやっていたので、体育会系の桃醍とは結び付けられるものがあるかなと思っています」玄灰役の深澤は「初めて妖怪を演じます。こんなに可愛らしい妖怪をやらせていただけるとは」青藍役の古谷は「(正統派の二枚目で優等生な役は)似てないところを探すほうが大変。髪さえなんとかすれば舞台に立てます」道卓役の前川は「ぶっきらぼうで兄貴気質な役ですが、僕は人に対して下手(したて)に出るタイプ。今回は稽古場で先輩たちにもガツガツしていけたら!」蝶庵役の二葉は「美しさに厳しい役ですが、俳優になるまではプロ野球選手を目指して坊主でやっていたので、不安もありました。ナルシストになっていけたら」丸福役の月岡は役を「卑怯な男」と言われ「卑怯に見えないような愛される丸福をつくっていきます!」抄雲役の齋藤は「風貌もチンピラですし、自分じゃないところを攻めないとできない役。そこに対してまっすぐにぶち当たっていきたい」とそれぞれ語った。また、峯明役・田村心からのビデオメッセージが届き「自分にとっては初めての主演なのでいろいろ挑戦になることもあると思いますが、気を引き締めてがんばっていきたいです!」とコメントを寄せた。三上は「今回、2年半ぶりということで、ここに前回からいるメンバーは僕と唐橋さんだけですが、鈴木拡樹、椎名鯛造、藤原祐規、鮎川太陽4人の想いを背負ってしっかりと務めていきたいと思います」と挨拶。「この作品だけはずっと続けていきたい」と語った唐橋は「峰倉かずや先生が1ページに描かれている以上のことを考えていらっしゃることを知って。演劇なら漫画のひとコマに描ききれなかった何かが表現できる可能性があると思いました。お話を聞いた限り、これは10年や20年じゃ終わらないと思ったし、僕が年を取っても若い子が続けるべきだと思う。だから今回、別ライン(今作)ができてとても嬉しいです」と語った。公演は9月4日(火)から9日(日)まで東京ドームシティ シアターGロッソにて。取材・文:中川實穗
2018年03月30日オフ・ブロードウェイ発の傑作ミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』特別公演が10月、生みの親であるジョン・キャメロン・ミッチェル主演で東京、大阪にて上演される。ミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』特別公演 チケット情報日本では過去に三上博史、山本耕史、森山未來が主演を務めて上演を重ね、熱狂的な支持を得てきた衝撃の舞台だ。トランスジェンダーのロックシンガー、ヘドウィグは苦悩の中に己の存在理由を問い、自身のカタワレ(=愛)を求めて珠玉のナンバー(作詞・作曲スティーヴン・トラスク)を歌い叫ぶ。その巡業のステージにヘドウィグとともに立つのが、イツァークである。今回、2007年の山本耕史版ヘドウィグに出演した中村 中が、10年ぶりにイツァーク役としてジョン・キャメロン・ミッチェルと息を合わせることとなった。「嬉しくて小躍りしたい気持ちです。ジョンとは、2008年にやったライブ(山本耕史主演『ヘドウィグ~』ツアーファイナル大打ち上げLIVE~「ジョンも来るよ!」)で一緒のステージに立っているんですが、その時に私が持っていた扇子をプレゼントしたんですね。「今も大切に持っているよ」とメッセージをいただいたりして…。運命の再会だなと感じます」イツァークはドラァグクイーンとして華やかに着飾ることをヘドウィグに禁じられている人物で、どの国においても抜群の歌唱力を持つ女優たちが演じてきた役である。この役を与えられた10年前、中村は「戸惑いの中にいた」と率直な思いを語った。「歌手デビューをした年に、トランスジェンダーであることをカミングアウトしたんですね。その悩みの渦中にいたし、これは、“本当の自分は何なのか”を突きつけられる物語じゃないですか。自分というものが曖昧だった当時は、己と対峙するというテーマに戸惑いを感じていました。でも、イツァークもドラァグクイーンに憧れながらもなれないという迷いの渦中にいて、“自分の生き方”を求めている人。ある意味私にぴったりの役だったのかな…と、今になって思うんです」10年後の今なら自信を持って演じられるかと問うと、さらに正直な、自身をしっかり見つめた答えが返ってきた。「その戸惑いが減った分、できた隙間でこの役を愛せるとは思います。でも逆に当時の未熟な部分が、イツァークという役には必要だったのかも…と思うと、今ではもうできなくなっていることもあると思います。そうやって演じ手によって役が変化していくのも演劇の面白味だと思います。いつやっても答えはない、ということかと」きっと中村やジョンのみならず、劇場に集まった“ヘドヘッド”(熱烈なファンの呼称)の誰もがカタワレを探す旅となる舞台。『銀河英雄伝説』舞台シリーズを手掛けたヨリコジュンの演出にも注目したい。「自信を持って生きられる!という夢を見させてくれる物語です。その世界に飛び込んで、音楽にのって踊りに来てください」チケットぴあでは10月13日(金)追加公演(東急シアターオーブ)のインターネット先行抽選を実施中。取材・文上野紀子
2017年09月06日アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2017」(SSFF&ASIA)のアワードセレモニーが6月11日(日)、都内にて行われ、小池百合子東京都知事がCinematic Tokyo部門プレゼンターで登場した。小池都知事は、「2020年、二度目のオリンピック、パラリンピックをすることになっています。その際はスポーツの祭典だけでなく、日本の文化、伝統を紹介するいい機会です。ぜひ東京の面白み、新しさをご紹介いただければと思います」と、映画クリエイター陣にメッセージを伝えていた。「SSFF&ASIA」は今年で19回目となる米国アカデミー賞公認の映画祭。今年は世界140以上の国と地域から集まった、およそ9,000本の作品から選りすぐりの約250作品を上映している。セレモニーでは、各部門の受賞作品の発表・授与が行われた。小池都知事がプレゼンターを務めたCinematic Tokyo部門は、2020年に向け東京の魅力を国内外に発信する作品に贈られる賞。優秀賞を受賞した『東京音℃』は番場秀一監督による作品で、東京に暮らす4人の女子を通じ見えてくる、東京という都市の体温を感じる仕上がりだ。次年度第90回米国アカデミー賞短編部門ノミネート選考対象作品となるオフィシャルコンペティションのグランプリには、アジアインターナショナル部門から、ミャンマーのミミルイン監督作品『シュガー&スパイス』が選ばれた。ミャンマー中部の乾燥地帯で、ミミルイン監督が自ら両親の生活風景を記録した作品で、トロフィーを手にした監督は「ミャンマーの文化を伝えたくて撮影しました。全然、思わぬ賞で本当に驚きました。これからももっと頑張りたいと思います」と、感無量の表情を浮かべた。オフィシャルコンペティション審査員を務めた大林宣彦監督は、杖を支えにしながらも、しっかりと自身の二本の足で立ち、「黒澤明監督が、私を含め未来の映画人に遺言を残されております。今日、皆さんにお伝えしようと命がけでここに立っています」と語り始め、「この日常の中に戦争はあったんです。戦争は人が人であること、命、すべてを失ってしまう。こんな理不尽で恐ろしいものは決してあっちゃいけないが、いま私たちは忘れてしまっている」と、30分以上にわたってスピーチ。「映画には必ず世界を平和に導く美しさがある。映画の力を信じて、未来に向けて、いつかお願いだから若い人たち、俺たちの続きをやってよね」と渾身のメッセージを次世代の映画人に紡ぎ、その姿には大きな拍手が送られていた。アワードセレモニーには、そのほか、オフィシャルコンペティション審査員を務めた小倉智昭、ベン・トンプソン、マリエ、三上博史、CGアニメーション部門審査員の杉山知之、松下由樹、三橋忠央、ひかりTVアワードプレゼンターのマギー、MCの福島リラ、堀潤、フェスティバルアンバサダーのLiLiCo、「SSFF&ASIA」代表の別所哲也が出席した。「SSFF&ASIA」は6月1日(木)~25日(日)まで、東京は5会場、横浜は1会場にて上映。(cinamacafe.net)
2017年06月11日6月11日(日)に都内にて行われる、アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2017」(SSFF&ASIA)のアワードセレモニーに先立ち、MCの福島リラを皮切りに、叶美香、佐津川愛美、K、マキタスポーツら豪華ゲスト陣がレッドカーペットに続々登場した。「SSFF&ASIA」は今年で19回目となる米国アカデミー賞公認の映画祭。昨年グランプリに輝いたハンガリーのクリストフ・デアーク監督の『Sing/合唱』が、米国アカデミー賞短編実写部門を受賞するなど、世界が注目する映画祭へと遂げている。今年は世界140以上の国と地域から集まった、およそ9,000本の作品から選りすぐりの約250作品を上映している。福島さんは、白と黒の2色を基調にしたシースルーのドレスで、同じくMCを務めた堀潤と腕を組みレッドカーペットを歩いた。そして、女優の佐津川さんは歌手のKさんと共に参加。佐津川さんは、ワンショルダーの肩がむき出しとなったブラックロングドレスで美のオーラを振りまいた。Kさんは、小さな星が散りばめられたジャケット姿で、エレガントに佐津川さんをエスコートしていた。レッドカーペットの常連ともいえる叶さんは、美しいデコルテやバストライン、レッグラインがすべて露わになるような、サテン地の緑色のドレスを纏い、この日一番の注目を浴びた。多くのフラッシュがたかれるたびに、カメラへと視線を送った叶さんは、「SSFF&ASIA」代表の別所哲也とも親しげに会話を交わしていた。フェスティバルアンバサダーのLiLiCoは、裾をヒラヒラさせながら、淡いピンクベージュのロングドレスで颯爽と登場。パッツンに揃えた厚めの前髪が、LiLiCoさんの少女感を盛り上げていた。一方、マキタスポーツさんは、なぜか黄色いヘルメットをかぶり、完璧に作業着を着こなし堂々と歩いた。マキタスポーツさんは、別所さんを見て「別所哲也だよ!」と言ったり、「この壁(背後の看板の立てつけ)やったの、俺」などとうそぶき、報道陣を笑わせていた。雑誌「GQ Japan」の鈴木正文編集長は、変わらない奇抜なファッションのショートパンツ姿でピースサインを決めた。レッドカーペットには、そのほか、オフィシャルコンペティション審査員を務めた大林宣彦、小倉智昭、ベン・トンプソン、マリエ、三上博史、CGアニメーション部門審査員の杉山知之、松下由樹、三橋忠央、各部門ノミネート監督らが登場した。「SSFF&ASIA」は6月1日(木)~25日(日)まで、東京は5会場、横浜は1会場にて上映。(cinamacafe.net)
2017年06月11日女優・北乃きいが、情報番組「ZIP!」卒業後初となるドラマ出演が決定。4月30日(日)スタートの連続ドラマW「社長室の冬-巨大新聞社を獲る男-」にて、社長室付き秘書役を演じる。この度、これまでの北乃さんのイメージとはまた違う、新たな大人の魅力溢れる写真が公開された。日本最大の新聞社、日本新報社長の小寺政夫はついに決断した――日本の新聞社初となる“身売り”を実行するのだ。相手は米巨大ネットショッピング会社AMCの日本法人社長・青井聡太(三上博史)。黒船のように現れた外資が、日本の新聞を飲み込もうとしている。そんな折、小寺が急逝。後任の新里明が引き継ぐことに。しかし、この交渉は簡単には進まないことが予想された。なぜならば、青井は日本新報の元記者で、新里とは浅からぬ因縁があったのだ。そんな中、社長室の南康祐は新里からこの交渉の補佐を命じられることに。元々記者であった南は、ある事件によって社長室へと異動になったのだ。一方、絶対に「日本新報社」の名を残したい創業者一族の長澤英昭は、国会議員・三池高志を訪ね、交渉の妨害を要請。三池は、いままで日本の政治の裏工作を一手に引き受けてきた男であった。そして物語は日本最大の新聞社を巡り、青井が最終的な身売り引受け条件を提示する。新里や南も震撼する衝撃の内容とは…!?原作は、堂場瞬一による「警察回りの夏」「蛮政の秋」に続く“メディア三部作”の完結編「社長室の冬」。今回のドラマ化では、身売り交渉の相手となる青井に主人公を変更。そんな青井役を務めるのは三上博史。「連続ドラマW 下町ロケット」で夢を追う中小企業社長を演じた三上さんが、今度は外資系企業の日本法人社長に扮し、まるでドナルド・トランプを彷彿とさせるような“暴君”を演じる。そして、北乃さんが演じるのは、米巨大ネットショッピング会社AMCの日本支社に務める、社長室付き秘書・高鳥亜都子役。また彼女は、青井の娘という設定で、多くの謎を秘めている女性。トランプ大統領を彷彿とさせる剛腕な父親の前で、彼女はイヴァンカばりのキャリアウーマンを演じる。セクシーで勝気なエリート外資系社員の亜都子。これまでとは違う魅力を携えた彼女の登場シーンは必見だ。「連続ドラマW社長室の冬-巨大新聞社を獲る男-」は4月30日(日)より毎週日曜日22時~WOWOWプライムにて放送(全5話)。※第1話無料放送(cinemacafe.net)
2017年03月28日女優の鈴木砂羽がインフルエンザに罹ったことが10日に発覚し、出演予定だった舞台『世界』が3日間の公演中止となった。同作は、劇作家・演出家である赤堀がシアターコクーンとタッグを組んだ3作目。千葉県船橋市を舞台に、風間演じる父親・義男を中心とした家族の人間関係を描く。10日に初日前会見を行ったが、鈴木は体調不良のため欠席、公開稽古も中止となっていた。中止となるのは、初日の予定だった11日19時公演、12日14時公演、13日14時公演の3公演。チケット代金、チケット郵送料、発券手数料、チケット返送費が返金となる。手続き方法はbunkamura公式サイトに掲載されている。インフルエンザ流行による公演中止は続いており、昨年11月には、妻夫木聡主演の舞台『キネマと恋人』が4公演中止に。妻夫木、緒川たまき、三上博史の3人の罹患が発表された。また、12月にはフィギュアスケーターの本田真凜選手や羽生結弦選手がインフルエンザにより試合を欠場するなど、様々な影響を及ぼしている。
2017年01月11日●壊滅的な視聴率の背景とは?リオ五輪の中継で放送が飛ぶなど、例年以上に悩まされた2016年の夏ドラマが終了。「全話2ケタ視聴率の作品が0本」という壊滅的な状況の中、トップは『家売るオンナ』(日本テレビ系)の11.6%だった。2番手が『仰げば尊し』(TBS系)の10.6%、3番手が『刑事7人』(テレビ朝日系)の10.3%で、2ケタはこの3本だけ。日本テレビの水曜22時、TBSの日曜21時、テレビ朝日の水曜21時。いずれも歴史と実績を持ち固定ファンのいる放送枠であり、前期春ドラマの1~3位も全く同じだった。しかし、テレビウォッチャーの満足度やクチコミサイトなどの指標では、別の作品が支持を集めるなど、今や視聴率は枠の人気指標のようになりつつある。ここでは、「夏仕様の仕掛けに明暗」「真っ向勝負! 日曜ドラマの健闘」「夏の宿題は来年に持ち越しへ」という3つのポイントから検証し、全19作を振り返っていく。今回も「視聴率や俳優の人気は無視」のドラマ解説者・木村隆志がガチ解説する。■ポイント1:夏仕様の仕掛けに明暗リオ五輪の中継や在宅率が下がる"2016年の夏対策"として、各局はさまざまな仕掛けを用意していた。『好きな人がいること』(フジテレビ系)は、海辺や花火の映像と胸キュンシーン。『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(フジテレビ系)は、夏らしいホラーな死体の描写。『せいせいするほど、愛してる』(TBS系)は、エアギターと一人カラオケのライブ感。『家売るオンナ』は、変人ヒロインの奇行でカラッと解決。『はじめまして、愛しています。』(テレビ朝日系)は、子どもの夏休み期間に特別養子縁組というテーマ選択。『神の舌を持つ男』(TBS系)は、堤幸彦監督のシュールな2サスギャグ。『時をかける少女』(日本テレビ系)は、全5話でリオ五輪前に終了の早業。夏仕様の仕掛けが功を奏したと言えるのは、視聴率でトップに立った『家売るオンナ』と、ツイッターやオンデマンドで圧倒的な反響のあった『好きな人がいること』の2作のみ。そもそも夏仕様の仕掛けは、「飛び道具のような思い切った策で注目を集めて、視聴率やクチコミアップにつなげる」ことが目的だったが、大半の作品がさほど話題を集めることなく終了した。■ポイント2:真っ向勝負! 日曜ドラマの健闘前項目でふれたように、多くの作品が飛び道具のような仕掛けを使う中、日曜放送の3作はストレートな作風で真っ向勝負。『仰げば尊し』は、「学園モノのクラシック」と言える熱い師弟愛と友情を描き、『HOPE~期待ゼロの新入社員~』(フジテレビ系)は、ビジネスモノらしく社員たちの成長と絆を切り取り、『そして、誰もいなくなった』(日本テレビ系)は、「登場人物の全員が怪しい」というミステリーのど真ん中を貫いた。視聴率は『仰げば尊し』がかろうじて2ケタを記録した程度でいずれもふるわなかったが、「テレビウォッチャー」(データニュース社)の満足度を見ると、『仰げば尊し』がトップ、『そして、誰もいなくなった』が3位、『HOPE』が4位と、日曜放送のドラマが上位に集まった(2位は『家売るオンナ』)。このところ日曜に放送されるドラマの多くは男優主演で、幅広い視聴者層に向けて作られている。夏ドラマでは寺尾聰、藤原竜也、中島裕翔が主演を務めたが、次期の秋ドラマでも織田裕二、玉木宏、沢村一樹と実績十分の男優がズラリ。平日が女性視聴者を意識して女優主演の作品ばかりになる一方、日曜は女性に加えて男性や子どもも一緒に見られる王道の作品が増えているのだ。■ポイント3:夏の宿題は来年に持ち越しへ夏はリオ五輪だけでなく、もともとイベントや外出の機会が多く、テレビ業界にとっては最も厳しい時期。特に「毎週見てほしい」連ドラは苦戦必至であり、例年スタッフを悩ませてきた。しかし、2013年の『半沢直樹』(TBS系)が空前のヒットとなって以降、各局が「夏は爆発的な視聴率が取れる時期」という意識を持ち、同作のような「右肩上がりで視聴率が上がる」コンテンツを探しはじめる。2014年の『HERO』(フジテレビ系)と、2015年の『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)は、名作の続編であり、"ポスト半沢"としての期待も高かったが、いずれも前作より視聴率を下げ、第3シリーズは作られていない。その他では、不倫を叙情的に描いた『昼顔 ~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系)のような"小成功"があったのみで、ほとんどの作品が1ケタ視聴率に沈んでいる。なかには、応援団の世界を男臭く描いた『あすなろ三三七拍子』(フジテレビ系)、日本屈指の脚本家がオムニバスでリレーした『おやじの背中』(TBS系)、合唱ミュージカル風の演出が光った『表参道高校合唱部!』(TBS系)などのチャレンジングな作品もあったが、いずれも思うような成果を収められなかった。今年も、夏らしい「学園」「ホラー」、人気コンテンツをひと工夫した「グルメ+α」「事件解決+オールロケ」、放送回数の短縮(6作が5~8話で終了)など、他のクール以上に試行錯誤が見られたが、けっきょく"ポスト半沢"は見つからず。それどころか、"ポスト昼顔"も見当たらず、「右肩上がりのヒット」という夏の宿題は来年に持ち越されることになった。全作の全話を見た結果、夏ドラマの最優秀作品に挙げたいのは、『HOPE』。他の作品が飛び道具のような仕掛けに走る中、サラリーマンの人間ドラマをハートフルに描き切った。『そして、誰もいなくなった』は、"追い込まれ系ヒーロー"藤原竜也の魅力をストレートに描写。ミステリー1本で最後まで駆け抜ける雄々しさを感じさせた。男優では、生徒役との年齢差を感じさせない熱演を見せた『仰げば尊し』の寺尾聰と、ハマリ役を力まず忠実に演じた『そして、誰もいなくなった』の藤原竜也。女優では、過去のヒロインに負けないみずみずしさを感じさせた『時をかける少女』の黒島結菜と、"総理大臣と対峙する料理人"という難役をしなやかに演じた『グ・ラ・メ! ~総理の料理番~』の剛力彩芽を挙げておきたい。また、『侠飯』(テレビ東京系)の三浦誠己、『そして、誰もいなくなった』の小市慢太郎、『HOPE』の遠藤憲一、山内圭哉などの助演男優も大活躍。作品の世界観を象徴するキャラクターで主演を引き立てていた。余談だが、これらと同等にクオリティが高かったのは、深夜帯の『闇金ウシジマくん Season3』(TBS系)、『ラブラブエイリアン』(フジテレビ系)、『こえ恋』(テレビ東京系)。深夜ドラマらしいケレン味とリアリティのバランスが絶妙だった。【最優秀作品】『HOPE』次点-『そして、誰もいなくなった』『仰げば尊し』【最優秀脚本】『そして、誰もいなくなった』次点-『侠飯』『はじめまして、愛しています。』【最優秀演出】『HOPE』次点-『グ・ラ・メ!』『家売るオンナ』【最優秀主演男優】寺尾聰(『仰げば尊し』)次点-藤原竜也(『そして、誰もいなくなった』)【最優秀主演女優】黒島結菜(『時をかける少女』)次点-剛力彩芽(『グラメ』)【最優秀助演男優】三浦誠己(『侠飯』)次点-小市慢太郎(『そして、誰もいなくなった』)【最優秀助演女優】多部未華子(『仰げば尊し』)次点-神野三鈴(『せいせいするほど、愛してる』)【優秀若手俳優】北村匠海(『仰げば尊し』)佐藤玲(『ON』)●19作ガチ採点!3作の三ツ星理由各作品のひと言コメントと採点(3点満点)○『好きな人がいること』月曜21時~フジテレビ系出演者:桐谷美玲、山崎賢人、三浦翔平ほか寸評:イケメン三兄弟とヒロイン目線の描写で、狙い通り若年層の心をガッチリつかんだ。キャラも物語もキャストも記号的で目新しさはないが、それが確実なニーズとも言える。ネットや副音声、他番組とのコラボなど、「やれることは全てやろう」という若きスタッフの姿勢は今後の光になるかも。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆☆視聴率☆総合☆☆】○『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』火曜22時~フジテレビ系出演者:波瑠、横山裕、渡部篤郎ほか寸評:旬の輝きを放つ波瑠に、醜い異常犯罪者をぶつけ、さらにグロテスクな死体を加えて、鮮明なコントラストを表現。ミステリーの薄い脚本に物足りなさは残るが、カラッとした映像の多い夏ドラマの中で、そのコンセプトは異彩を放っていた。丸1年間ドラマに出続けた波瑠もようやくひと休み。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆☆視聴率☆総合☆☆】○『せいせいするほど、愛してる』火曜22時~TBS系出演者:武井咲、滝沢秀明、中村蒼ほか寸評:前半は恥ずかしさと紙一重の胸キュンシーンで引っ張り、後半は悪妻の暴走で引きつけ、全編でエアギターが支えた。不倫と純愛の行方は最終回でハッピーエンドを迎えたが、やはり本筋から離れるシーンが多すぎて共感度は高まらず。ともあれ制作サイドの実験的な要素も濃く、成果もあった。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆視聴率☆総合☆】○『刑事7人』水曜21時~テレビ朝日系出演者:東山紀之、高嶋政宏、北大路欣也ほか寸評:シリーズ2で事件と解決の質がアップ。刑事ドラマに慣れた同枠の視聴者に向けて作り込もうという姿勢がうかがえた。ただ、主人公のキャラも、作品のトーンも明らかに変わったため、戸惑った人がいたのは事実。何より「刑事7人」と言いながら、なかなかそろわない展開は消化不良だった。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆☆視聴率☆☆総合☆】○『家売るオンナ』水曜22時~日本テレビ系出演者:北川景子、千葉雄大、仲村トオルほか寸評:ヒロインの破天荒な言動でサクッと1話完結。継続視聴の難しい今夏にフィットするコンセプトは、プロデューサーのファインプレーだろう。変人の描写も、家の販売と問題解決も、かなりの薄味だったが、それも狙いか。最終回でヒロインのキャラが人情派になるなど、思い切りブレたのが残念。採点:【脚本☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆視聴率☆☆☆総合☆☆】○『死幣―DEATH CASH―』水曜24時10分~TBS系出演者:松井珠理奈、戸次重幸、清原果耶ほか寸評:アイドル主演のホラーというありがちな作品と思いきや、「今後ドラマ界を担う有望株を毎週1人ずつ殺していく」という斬新な展開に驚かされた。ただ、裏を返せば、有望株の見せ場が少なかったとも言える。終盤の強引な展開はホラーなら許せる範囲だが、もう一歩脚本を練れたのではないか。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆☆視聴率☆総合☆】○『女たちの特捜最前線』木曜20時~テレビ朝日系出演者:高島礼子、宮崎美子、高畑淳子ほか寸評:高島、高畑の家族が事件を起こすアクシデントで、作品に集中させてもらえず、わずか6話で終了。宮崎を含めた3人はさすがの芸達者ぶりを見せ、渡辺いっけいのキャラは光っていたが、やはり「3人のおばさんが井戸端会議から事件を解決する」というコンセプトに無理があったとも言える。採点:【脚本☆演出☆キャスト☆☆視聴率☆総合☆】○『はじめまして、愛しています。』木曜21時~テレビ朝日系出演者:尾野真千子、江口洋介、速水もこみちほか寸評:夏休み期間に特別養子縁組というテーマを扱う意外性と、熱演が代名詞の尾野と江口を生かした遊川和彦の脚本はさすが。それでも最後まで油断はできなかったが、平穏に終わったのはむしろサプライズ。ただ、ピアノに関する展開に、ほとんど奥行きや意外性がなかったのはなぜなのか?採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆☆視聴率☆☆総合☆☆】○『営業部長 吉良奈津子』木曜22時~フジテレビ系出演者:松嶋菜々子、松田龍平、DAIGOほか寸評:最後までステレオタイプな"女上司"と"松嶋菜々子"のイメージで押し通した。産後復帰やワークライフバランスなどの現代性を入れようとしていたが、職場の人間関係や営業職の扱いは10年以上前からほとんど変わっていない。松田のピリッとしたムードも、伊藤歩の憎らしさも不発。採点:【脚本☆演出☆キャスト☆☆視聴率☆総合☆】○『遺産相続弁護士 柿崎真一』木曜23時59分~日本テレビ系出演者:三上博史、森川葵、酒井若菜ほか寸評:「これぞ三上博史」というクセのある主人公も、森川とのポップなやり取りも心地よし。大金目当てに悪人が次々に登場するが、『闇金ウシジマくん』のような恐ろしさを感じないのは、あえてB級路線を進む同枠のカラー。最終回など質の高い脚本もあっただけに、各話のバラつきがもったいない。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆☆視聴率☆総合☆☆】○『ヤッさん~築地発!おいしい事件簿』金曜20時~ テレビ東京系出演者:伊原剛志、柄本佑、里見浩太朗ほか寸評:伊原と柄本のかけ合いでクスッと笑える牧歌的なムードは同枠ならでは。グルメの扱いもテレ東らしく慣れたもの。事件のスケールは小さいが、だからこそヤッさんのお説教が映える。今のところ、築地市場で最後となる(予定の)記念碑的ドラマだけに、6話でサラッと終わってガッカリ。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆視聴率☆総合☆☆】○『神の舌を持つ男』金曜22時~TBS系出演者:向井理、木村文乃、佐藤二郎ほか寸評:最初から最後まで堤幸彦監督に丸投げしたようなドラマだった。"2サスあるある"を詰め込んだ小ネタがハマらなかったのは、「舌の力で解決」「謎の芸者を追って温泉をめぐる」という物語の軸で、視聴者をつかめなかったからか。オールロケの美観と多彩なカメラワークでは楽しませてくれた。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆視聴率☆総合☆】○『グ・ラ・メ!~総理の料理番~』金曜23時15分~テレビ朝日系出演者:剛力彩芽、滝藤賢一、小日向文世ほか寸評:料理のスタイリングを筆頭に、映像の格調が作品全体を引き締めていた。総理官邸が舞台だけに、料理の影響力を限定的にしてリアリティを保とうとしていたが、深夜枠だけにむしろ遊んで欲しかった感も。滝藤、小日向、高橋一生の助演トリオは安定感十分だったが、もっと追い込めたのでは?採点:【脚本☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆視聴率☆☆総合☆☆】○『侠飯~おとこめし~』金曜24時12分~テレビ東京系出演者:生瀬勝久、柄本時生、内田理央ほか寸評:冷蔵庫のあり合わせを使った料理は、地味だが実践的で、"飯テロ"の他作品とは差別化できている。ヤクザパートが中途半端だった反面、柄本や内田の就活をめぐる生瀬の説教がドラマ性をグッと高めていた。最終回の大どんでん返しは、「生瀬と三浦誠己の演技がいかに優れていたか」を物語る。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆☆視聴率☆総合☆☆】○『時をかける少女』土曜21時~日本テレビ系出演者:黒島結菜、菊池風磨、竹内涼真ほか寸評:リオ五輪を意識してか、わずか5話で終了。タイムリープを多用した筋書きは、"2016年版アップデート"と言ったところか。ひと夏の恋模様を描いた輝きと切なさは、確かに継承されていた。黒島がデビュー当時に戻ったようなみずみずしさを見せたほか、竹内がドラマの世界観を見事に体現。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆視聴率☆総合☆☆】○『ノンママ白書』土曜23時40分~フジテレビ系出演者:鈴木保奈美、菊池桃子、高橋克典ほか寸評:ノンママの苦境と奮闘を描くために、周囲の人々を悪役に仕立て上げて、かえって共感を削いでいた。ノンママをきちんと見せるなら、ワーママや男性社員たちにもリアリティがなければ厳しい。アラフィフ女性3人のトークパートは実験だろうが、さすがに長すぎてドラマ性が急降下。採点:【脚本☆☆演出☆キャスト☆☆視聴率☆総合☆☆】○『仰げば尊し』日曜21時~TBS系出演者:寺尾聰、多部未華子、石坂浩二ほか寸評:不良生徒や暴力、先生の病気、家庭問題など、1980年代の学園ドラマを思わせる脚本だが、それが若者には新鮮で、大人にはノスタルジー。クライマックスに向けて加速度的に魅力が増していった。大物候補の若手俳優をそろえただけに、成長ドキュメンタリーとしては物足りない。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆☆視聴率☆☆☆総合☆☆☆】○『HOPE~期待ゼロの新入社員~』日曜21時~フジテレビ系出演者:中島裕翔、遠藤憲一、山本美月、瀬戸康史ほか寸評:社内の多様な人間関係をうまく交通整理し、新入社員たちにクローズアップ。主人公に共感し、応援するだけでなく、上司や先輩の目線から見守ることもできる汎用性の高い作品となった。ビジネス作はリアリティを追求すると、今どきの視聴者は息苦しさを感じるだけにほどよい塩梅。採点:【脚本☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆☆視聴率☆総合☆☆☆】○『そして、誰もいなくなった』日曜22時30分~日本テレビ系出演者:出演者:藤原竜也、玉山鉄二、二階堂ふみ寸評:映画『カイジ』『インシテミル』の藤原竜也ふたたび。追い込まれる主人公の演技は盤石で、展開に合わせて微妙に変わる悲壮感を演じ分けていた。1つのミステリーで最後まで引っ張り、犯人の的を絞らせない脚本は見事。安易に1話完結を選ぶ風潮がある中、その意欲は特筆すべき。採点:【脚本☆☆☆演出☆☆キャスト☆☆視聴率☆総合☆☆☆】■木村隆志コラムニスト、テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月間20本超のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などに出演。取材歴2000人を超えるタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。
2016年10月04日俳優の三上博史と、子役の鈴木梨央が、22日に放送される読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『遺産相続弁護士 柿崎真一』(毎週木曜23:59~24:54)の最終話で、2年半ぶりに共演する。このドラマは、深夜ドラマ初挑戦の三上が演じる型破りな弁護士・柿崎真一が、財産をめぐる骨肉の争いを、常識やモラルを超えたとんでもない形で決着させていくというストーリー。柿崎の部下で、金に執着がある新米弁護士・丸井華役の森川葵と、初共演となっている。最終話は、柿崎が自身の無くなった妻の遺産問題を解決する姿を描くが、ここで、柿崎の娘役として鈴木が登場する。三上と鈴木は、2014年放送の日本テレビ系ドラマ『明日、ママがいない』以来、2年半ぶりの共演となる。鈴木は、三上に対して「大変優しい方なので、またお仕事を一緒にすることができて、とてもうれしいです」と喜びのコメント。三上の演技を「上手すぎて怖いです(笑)」と言いながら、一緒に演じていると「自分も気持ちが入りやすく、自然とお芝居にのめりこむことができます」と感想を語っている。
2016年09月13日俳優の三上博史が主演を務める読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『遺産相続弁護士 柿崎真一』(毎週木曜23:59~24:54)が、期間限定で第6話まで一挙無料配信されることになった。今回無料配信されるのは、読売テレビの無料見逃し配信サービス「ytv MyDo!」と、動画配信サイト「GYAO!」で、第1話から、11日深夜放送の第6話までを、一挙に公開。「ytv MyDo!」では、第6話終了直後の11日深夜1時4分から、「GYAO!」では12日10時から配信を開始し、いずれも、25日23時58分までの期間限定で無料視聴できる。このドラマは、深夜ドラマ初挑戦の三上が演じる型破りな弁護士・柿崎真一が、財産をめぐる骨肉の争いを、常識やモラルを超えたとんでもない形で決着させていくというストーリー。柿崎の部下で、金に執着がある新米弁護士・丸井華役の森川葵と、初共演となっている。
2016年08月09日全19作品がそろった2016年の春ドラマ。今回もドラマ解説者の木村隆志が、全作品の初回放送をウォッチ。俳優名や視聴率など「業界のしがらみを無視!」したガチンコでオススメ作品を探っていく。別記事(「2016年夏ドラマ、傾向分析&オススメ5作発表! - リオ五輪を控える「逆境の夏」にイチかバチかの大勝負」)において、夏ドラマの主な傾向を [1]逆境に燃えるドラマ班[2]「イチかバチか」の大勝負[3]演技派主演vs二世俳優の3つと分析。おすすめドラマとして、『仰げば尊し』(TBS系 日曜21時)、『HOPE~期待ゼロの新入社員~』(フジテレビ系 日曜21時)、『時をかける少女』(日本テレビ系 土曜21時)、『グ・ラ・メ!~総理の料理番~』(テレビ朝日系 金曜23時15分)、『そして、誰もいなくなった』(日本テレビ系 日曜22時30分)の5本を選んだ。本記事では、それらの作品を含む、今クール全作品のひと言コメントと採点(3点満点)を紹介していく。○『好きな人がいること』月曜21時~フジテレビ系出演者:桐谷美玲、山崎賢人、三浦翔平、野村周平ほか寸評:キャスト、脚本、演出ともに、少女マンガの実写版映画をそのまま連ドラに直輸入。若年層の支持を集めるなど一定の効果を収めている反面、アレルギー反応を示す人も多い。月9の恋愛ドラマは老若男女が夢中になれるものだったが、昨年の『恋仲』以上に割り切ったか。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆】○『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』火曜22時~フジテレビ系出演者:波瑠、横山裕、渡部篤郎、林遣都ほか寸評:出演を重ねるたびにオーラを増す波瑠に、異常犯罪者をぶつけることで、鮮やかなコントラストを映し出している。犯人探しや謎解きはほとんどなく、ヒロインが異常犯罪者のもとへ単独で乗り込むハラハラのサスペンスと、グロテスクな死体などのホラーがメイン。採点:【脚本☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『せいせいするほど、愛してる』火曜22時~TBS系出演者:武井咲、滝沢秀明、中村蒼ほか寸評:不倫がテーマと思いきや、胸キュン狙いなのか、笑い狙いなのか、ビックリ演出を連発。いずれにしても話題を呼んでいるのだから、それなりの成功を収めているのかもしれない。謎のエアギターを押し出していることも含め、“お笑い恋愛ドラマ”という新ジャンル誕生か。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆】○『刑事7人』水曜21時~テレビ朝日系出演者:東山紀之、高嶋政宏、北大路欣也ほか寸評:シリーズ第2弾。前シリーズは、個性重視のキャラ演出でゆるいムードだったが、今作はシリアスに一変。いまだ豪華キャストが機能しているとは言い難いが、同枠の刑事ドラマファンは温かく安泰か。初回は幸か不幸か、現実世界とリンクするような殺人事件だった。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『家売るオンナ』水曜22時~日本テレビ系出演者:北川景子、千葉雄大、仲村トオルほか寸評:変人のヒロインは同枠の定番だけに、すんなりフィット。明快な一話完結フォーマットも、効果音や風を吹かせるポップな演出も、五輪の影響を受ける今年の夏には合いそう。気軽に見られ、安定感もあるが、変人の要素を除くと「家を買うお金持ちのエピソード集」という感も。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆☆期待度☆☆】○『死幣―DEATH CASH―』水曜24時10分~TBS系出演者:松井珠理奈、戸次重幸、清原果耶ほか寸評:「アイドル×ホラー」の王道コンセプトに忠実な作りで、恐怖におののき、友人の死に悲しむ松井の姿が見どころとなっている。若手の期待株を集めたが、川栄李奈、吉岡里帆、中村ゆりからの見せ場が少ないのが何とも残念。中盤でマンネリを避ける大きな衝撃がほしい。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『女たちの特捜最前線』木曜20時~テレビ朝日系出演者:高島礼子、宮崎美子、高畑淳子ほか寸評:放送前の思わぬ逆風も何のその、2時間ドラマ時代のテイストを守ったまま無事に放送。井戸端会議から事件を解決する脱力感が、20時代にハマっているし、活劇要素こそないがテイストは『三匹のおっさん』と同じ。週替わりで出演する同年代の熟女優ゲストも楽しみ。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『はじめまして、愛しています。』木曜21時~テレビ朝日系出演者:尾野真千子、江口洋介、速水もこみちほか寸評:脚本が遊川和彦だけに「一筋縄ではいかない」と思いきや、特別養子縁組というテーマがオーソドックスに描かれている。ただそこは遊川脚本、「いつどこで破壊の美学が働くのか」油断はできない。ヒロインのピアノに反応する子役との関係性に秘めたものがありそう。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『営業部長 吉良奈津子』木曜22時~フジテレビ系出演者:松嶋菜々子、松田龍平、DAIGOほか寸評:ひさびさのヒロインとなる松嶋菜々子は、華やかさや凛々しさこそ健在だが、「産後復帰」「仕事と家庭の両立」というテーマは既視感が強い。松田のピリリとした空気感と、「女の敵をやらせたら天下一品」の伊藤歩がいいアクセントになれば、松嶋の輝きがさらに増しそう。採点:【脚本☆☆演出☆キャスト☆☆☆期待度☆☆】○『遺産相続弁護士 柿崎真一』木曜23時59分~日本テレビ系出演者:三上博史、森川葵、酒井若菜ほか寸評:お金をめぐる展開を軸に、ドタバタやセクシーを盛り込んだ深夜枠らしい1話完結ドラマ。悪人ばかりだが、同時期放送の『闇金ウシジマくん』のような怖さはなく、三上と森川のコメディ+人情がメイン。演技のディテールや美術の色彩にも、お金の臭いがプンプン漂う。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『ヤッさん~築地発!おいしい事件簿』金曜20時~ テレビ東京系出演者:伊原剛志、柄本佑、里見浩太朗ほか寸評:「まさにテレ東」のグルメ+事件モノ。美食あり、人情あり、勧善懲悪ありで、家族でほっこり見られる。「宿なし、職なし、無一文」の主人公と弟子の凸凹コンビは初回から好相性で、週替わりのマドンナも楽しみ。市場移転を控えた今だからこそ、放送する価値がある。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『神の舌を持つ男』金曜22時~TBS系出演者:向井理、木村文乃、佐藤二郎ほか寸評:題材、カメラワーク、各所ロケ、小ネタなど、堤幸彦らしさ全開だが、ここ数年の苦戦を象徴するようなスタートに。向井と木村が変わり者で、佐藤が普通という図式は新しいが、遊び方がハジけ切れず、こじんまりとしている感がある。謎解きや伏線が視聴者にバレバレか。採点:【脚本☆演出☆キャスト☆☆期待度☆】○『グ・ラ・メ!~総理の料理番~』金曜23時15分~テレビ朝日系出演者:剛力彩芽、滝藤賢一、小日向文世ほか寸評:普通のグルメドラマではなく、総理官邸ならではの思惑が飛び交う見応えたっぷりの作品。焼き石のアイディアこそ凡庸だったが、メッセージを込めた料理は美しい。繊細なカット割りやカメラワーク、エンディングの爽快なダンスなど、細部に渡る創意工夫がうかがえる。採点:【脚本☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆期待度☆☆☆】○『侠飯~おとこめし~』金曜24時12分~テレビ東京系出演者:生瀬勝久、柄本時生、内田理央ほか寸評:ヤクザが淡々と料理する姿が何ともシュールで、ひさびさに生瀬の顔と声のカッコよさが堪能できる。残り物や缶詰を使った「地味でも美味い料理」が深夜に映える。脚本・演出・演技を徹底的に引き算した『孤独のグルメ』よりも、好き嫌いの差が出るのは仕方なし。採点:【脚本☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『時をかける少女』土曜21時~日本テレビ系出演者:黒島結菜、菊池風磨、竹内涼真ほか寸評:ひと夏の恋を描いた甘酸っぱさと切なさは健在。現代風の描写は抑えめだが、タイムリープを増やし、未来人の視点を入れるなど、若年層に飽きさせない作りに。日本のスタンダードと言える作品だけに受け継ぐことに意義があり、黒島が見せる自然体の演技がまぶしい。採点:【脚本☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆☆期待度☆☆☆】○『徳山大五郎を誰が殺したか』土曜0時20分~テレビ東京系出演者:欅坂46、江口のりこ、嶋田久作ほか寸評:テレビ東京とAKBグループのつながりは深いとは言え、デビュー1年に満たない欅坂46の抜てきには驚かされた。ただ、メンバーの大量出演は、「熱心なファン以外、顔の区別がつかない」現時点では苦しい。物語も遅々として進まず、深夜だけにわかりやすい衝撃が必要。採点:【脚本☆演出☆キャスト☆期待度☆】○『仰げば尊し』日曜21時~TBS系出演者:寺尾聰、多部未華子、石坂浩二ほか寸評:まずほとんど見かけなくなった学園モノに挑む心意気に拍手。69歳の名優・寺尾に、可能性あふれる逸材をぶつけたキャスティングも、連ドラとして成長が追いやすい吹奏楽というテーマ選びも素晴らしい。過剰な暴力シーンこそ気になるが、クライマックスの感動は鉄板。採点:【脚本☆☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆☆期待度☆☆☆】○『HOPE~期待ゼロの新入社員~』日曜21時~フジテレビ系出演者:中島裕翔、遠藤憲一、山本美月ほか寸評:ビジネスシーンのリアルティがあまりないが、若者の人間描写は丁寧かつ繊細。上司や同期との何気ないやり取りやセリフの1つ1つに、共感と応援をうながす要素が詰まっている。韓国ドラマのプロットが良質なだけに、鍵を握るのはどれだけ脚本・演出を詰められるか。採点:【脚本☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆☆期待度☆☆☆】○『そして、誰もいなくなった』日曜22時30分~日本テレビ系出演者:藤原竜也、玉山鉄二、二階堂ふみほか寸評:「登場人物が全員敵!?」の設定で、序盤からエンジン全開。追い詰められる主人公は藤原のハマリ役であり、絶体絶命の危機が迫るサスペンスは、映画『カイジ』『インシテミル』と似ているが、ミステリーは連ドラの分だけ難解に。どこまで飽きさせずに引っ張れるか。採点:【脚本☆☆☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】■木村隆志コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月20~25本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などの批評番組にも出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』など。
2016年07月29日俳優の三上博史と女優の森川葵がこのほど、神奈川・横浜市内のスタジオで、読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『遺産相続弁護士 柿崎真一』(7月7日スタート、毎週木曜23:59~24:54)の取材会に登場。三上が「孫みたいな子(笑)」と言うと、森川は「えーっ!?」とリアクションするなど、早くも絶妙なコンビネーションを見せた。このドラマは、三上が演じる型破りな弁護士・柿崎真一が、財産をめぐる骨肉の争いを、常識やモラルを超えたとんでもない形で決着させていくというストーリー。深夜ドラマ初挑戦の三上は「最近シリアスな作品が多かったので、本番で緊張なく思い切り悪ノリができるように、普段から下ネタばっかり言ってます(笑)」と現場を和ませている様子を明かした。一方の森川は、柿崎の部下で、金に執着がある新米弁護士・丸井華役で出演。この日は大きな水玉柄のワンピースで登場し、「見ての通り格好がかわいいんですけど、『お金、お金』って言ってるのは、自分の服とかに使いたいからだと思いますね」と、自身の役柄を紹介した。三上は、初共演となる森川に対し、「もうちょっと色っぽい、いい年頃のおネエちゃんが来てくれると思ったら、孫みたいな子が(笑)」と子供以下の扱い。森川はそれに対し、三上の印象を「もっと話しかけにくかったり、自分の世界がある方だと思ってたんですけど、味噌おでんとか、好きなものの話をワイワイ一緒にしてくれるので、面白い方だなと思いました」と語ると、三上はすかさず「努力してんだよ!」「おめぇに言われたくないよ(笑)」と突っ込みを入れるなど、すっかり打ち解けている様子だ。三上から森川に特にアドバイスをすることもないそうで、森川は「ノビノビやらせてもらってます。いろいろ私が自由にやっちゃうんで…」と謙そん。ところが、三上によると「すごいいろいろ考えて来てくれるんです」と、演技に向けての小ネタを準備して来ているそうで、「現場でもどんどんアレンジしてくるので、何が出てくるのかすごく楽しみにしています」と信頼を寄せていた。今作には毎回ゲストが登場し、1話完結でストーリーを展開。三上は「何かが気持ちよく残って、そのまま就寝できる作品なので、気楽に見ていただけたら」と深夜ドラマならではの楽しみ方をアピール。これを受けて、森川は「気楽に見てたら、意外と胸にグサッと入ってくるいいお話もあったりするので、これを見て将来、自分の遺産をどうしようかなって考えるきっかけになれば(笑)」と実用面も強調していた。
2016年06月29日俳優の三上博史が、7月7日スタートの読売テレビ・日本テレビ系深夜ドラマ『遺産相続弁護士 柿崎真一』(毎週木曜23:59~24:54)で主演を務めることが31日、明らかになった。三上は深夜ドラマ初挑戦となる。三上が演じる柿崎真一は、もともと辣腕(らつわん)を振るっていたが、現在は膨大な借金に追われるというやや変わった弁護士。以前、弁護士業務の停止処分を受けた際、セレブ老人の遺産相続問題で法廷に出ることなく多額の報酬を得たことから遺産相続専門となり、財産をめぐる骨肉の争いを、常識やモラルを超えたとんでもない形で決着させていくストーリーが見どころとなる。三上は自身の役柄を、世間とズレのある「ひとことで言えば、だらしのない男」と説明。続けて、「人間臭いといいますか、どこか人に対してスキがある」とも付け加え、「そのスキが、それぞれのエピソードに登場する死者をとりまく人々と、遺産(死者の思い)をめぐり、愛らしくつながっていける魅力」とアピールする。森川葵が、柿崎法律事務所の新米で金に執着する貧乏恐怖症の弁護士・丸井華役で出演。金のためならボスの柿崎も平気で裏切るというキャラクターだが、森川にとって弁護士役は初挑戦、三上とも初共演となる。森川は華について「内緒でいろんなことをしているけれど、かわいくて、おちゃめで、なんか憎めない子になれば」と思いを語り、「今回のドラマでもまた、新しい女の子の姿にチャレンジしていきたい」と意気込む。このほか、柿崎と付かず離れずという関係の歯科医・水谷美樹役を酒井若菜が、柿崎の借金を回収する闇金会社の社長・河原井正役を豊原功補が演じることも決定。読売テレビの田中雅博プロデューサーは「映像・音楽含めて、ミスマッチあふれる世界観を、ぜひ楽しんでいただければ」と呼びかけている。
2016年05月31日2月13日よりWOWOWでスタートする連続ドラマW『きんぴか』(毎週土曜日 22:00~ 全5話 ※第1話無料放送)の完成披露試写会が27日、都内で行われ、中井貴一、ユースケ・サンタマリア、ピエール瀧が出席した。同ドラマは、人気作家の浅田次郎が1992年から1998年にわたって発表した小説『きんぴか』シリーズをドラマ化したもの。金よりも出世よりも筋を通して生きたゆえ、組織に裏切られた3人の悪党にスポットをあて、その無念を見てきた老刑事の下に悪党3人が集結して彼らなりの方法で筋を通そうと行動を開始する、というストーリーとなっている。同ドラマでヤクザ役を演じた中井は「ヤクザをやると同級生から『お前らしい』と言われます。だからヤクザなんでしょうね(笑)。どこか基本的なところは任侠というか、そういうものがあると思います」と明かし、「先輩の高倉健さんや菅原文太さんがやっていたヤクザ映画がなくなり、世の中がエンタメに対して厳しくなっています。刑事ものやお医者さん、恋愛ものが多い中、今回はそういう意味でも挑戦でした」とドラマの意義を強調。政権に反旗を翻した元自衛官役のピエール瀧も「各々の憤りがそれぞれのエピソードにあり、後半になるにつれて各々の世界が一つになります。娯楽のチャンネルで異質なものをご覧いただけるのは非常に僕らも楽しみであります」と作品の出来には自信を見せた。WOWOWのドラマと言えば、三上博史主演の『下町ロケット』(WOWOWでは2011年放送)が昨年TBS系で放送されて高視聴率をマークしたが、ユースケ・サンタマリアは「今回もそうなりますよ。その時はこのキャストでぜひとも!」と関係者にアピールしながら「本当に2、3、映画化、そしてシーズン5、6とライフワークになればいいですね。それぐらい楽しい現場でした」と続編に期待。そんなユースケ・サンタマリアと対照的だったのが中井で、「この2人と共演したのは僕が熱望したキャスティングだったけど、ちょっと失敗したかな(笑)。地上波では佐藤浩市、照英、そしてココリコ田中直樹くんで『きんぴか』が放送されると思うので、その節はよろしくお願いします」と笑顔を見せていた。
2016年01月28日旅行や帰省など、さまざまな過ごし方をする人も多い年末年始。自宅で温かくして、のんびり過ごしたいという人には、気になっていたあの映画や、あのドラマをイッキ見するチャンス。今回、シネマカフェでは話題の4作品をピックアップした。■『スター・ウォーズ』…シリーズイッキ見は最新作の予習&復習にオススメ!ついに公開となった、2015年最大の話題作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』。この盛り上がりに合わせて、これまでの過去作を見直したくなった人も多いはず。これから最新作を観る人、「実はシリーズを観たことがない…」という人もこの機会に総チェック。映画の劇場公開は『エピソード4/新たなる希望』からスタートしたが、イッキに観るなら、エピソード1→6の鑑賞順がおすすめ(諸説アリ)。また、最新作に感動して「もう一度見返したくなった」という人にとっても、新しい発見がありそうだ。■「下町ロケット」…あの大ヒットドラマは4年前にも登場していた!?一方、2015年を代表するTVドラマとなったのが、先日最終回を迎えたばかりの「下町ロケット」。「半沢直樹」シリーズの池井戸潤の同名小説を原作に、今クールNo.1の視聴率を誇るドラマとなった。だが、実は2011年にも、WOWOWの連続ドラマWとしてドラマ化されていた。TBS版とは異なる点もあるため、両方を見比べてみてもおもしろそう。主演の佃 航平役は三上博史が務め、帝国重工の財前には渡部篤郎が扮している。全5話。■「glee/グリー」…豪華ゲストの共演!いまは亡き“フィン”の姿も全米で放送開始と同時に大ブームを巻き起こし、エミー賞ほか数々の賞に輝いた青春ミュージカルドラマ。シーズンごとに、ケイト・ハドソン、サラ・ジェシカ・パーカーなどの大物俳優や、ブリトニー・スピアーズ、デミ・ロヴァート、アダム・ランバートなどの豪華シンガーが多数出演し、音楽ファンも楽しめる。あのオバマ大統領も一家で本作のファンであることを公言しており、キャストをホワイトハウスに召集し、歌を披露させたこともあるほど。ちなみに第4シーズンでは、2013年に急逝したコーリー・モンティース演じるフィンの姿も目にすることができる。■「SHERLOCK/シャーロック」…人気者の英国俳優の原点英国では平均視聴率30%超えという大人気ドラマ。世界各国、そして日本でも高い人気を誇り、現代のシャーロック・ホームズとジョン・ワトソンを演じたベネディクト・カンバーバッチとマーティン・フリーマンは、いまや出演作のオファーが絶えない売れっ子となった。2月には、この元旦に英国で放送される最新作『SHERLOCK/シャーロック忌まわしき花嫁』が劇場で上映されるという嬉しいニュースも発表となったばかり。来年にはシーズン4の制作も決定しており、いまのうちにシーズン1~3をがっつりと見ておきたいところだ。上記4作品は映像配信サービス「dTV」にて配信中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:SHERLOCK/シャーロック [海外TVドラマ](C) Colin Hutton Hartswood Films 2010 John Rogers (C) Hartswood Films 2010スター・ウォーズ/フォースの覚醒 2015年12月18日より全国にて公開(C) 2015 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights
2015年12月23日舞台『タンゴ・冬の終わりに』が9月5日に東京・PARCO劇場で初日を迎えた。開幕前日、公開舞台稽古が行われ、演出の行定勲、キャストの三上博史、倉科カナ、神野三鈴、ユースケ・サンタマリアが囲み取材に出席した。【チケット情報はこちら】同作は清水邦夫の書き下ろし、演出蜷川幸雄で1984年に初演。今回30年の時を超えて、新たな演出とキャストで蘇る。突然引退して古い映画館の実家に引きこもってしまった俳優、盛。彼を追ってきた妻、ぎん。そこへある日、新進女優の水尾が姿を現し、彼女を追って夫の連もやって来る。壊れゆく盛と、彼をとりまく人間模様が渦を巻き・・・。盛役を務める三上は「俳優という役どころなので、セリフのひとつひとつが客観的に演じられない。自分自身を置いてやろうと思っているんだけど、役に乗っかっちゃう。辛いけど、でもそれが喜びでもある」と話した。新進女優の水尾役を務める倉科は「台本をいただいた時に自分の中でイメージしていたのと、実際に稽古に入った時の水尾が180度違ったので最初は凄く戸惑ったんですが、稽古が凄く楽しくて。共演の皆さんのお芝居に向かう姿勢、そして惜しみなく色々おしえてくださるので、毎日真摯にお芝居に向かうことができました」と稽古を振り返った。盛の妻、ぎん役を務める神野は「私の役どころから言うと、ひとりの才能ある人を最後まで見つめ、見届けた女の話、という側面もあると思っています。女性の方のみならず、誰かの人生を見届ける人にはぜひ観て頂きたい。また、宝石のようなセリフがたくさんあるので、様々な状況の人に届くと思っています」と語った。水尾の夫、連役を務めるユースケは「リスペクトする諸先輩方が“あの芝居やるんだって?絶対観に行くから。お前、どうすんだよ。凄い作品だけどできるのか?”って言って来て、そんな作品初めてだな、と。大人のカンパニーで、良い緊張感の中、稽古を重ねて来ました。あとは何とか降板しないように初日を迎えたい(笑)。まだまだ作品と闘っている最中です」と笑いを交えて語った。会見中も仲の良い様子を見せていた出演者。報道陣から稽古場での様子を問われると、神野が「三上さんは集中型なので、稽古のときも周りが気を使っていたんですが、自分の携帯のバイブが鳴っている時だけ聞こえてないふりをしてて、“この野郎!”(笑)と思いました(笑)」とエピソードを明かした。三上は「30年前、この劇場でこの芝居を見たんです。その時に盛を演じていた平さん(平幹二朗)が素晴らしくて、いつかこの役をやりたいなと思ってました。そんな想いがあったんですが、今回改めて台本を読んだら「失敗したな」と思うぐらい大変(笑)。でも命がけでやってます」と力強く語った。舞台『タンゴ・冬の終わりに』は9月27日(日)まで東京・PARCO劇場にて上演。
2015年09月08日清水邦夫が1984年にPARCO劇場に書き下ろした戯曲『タンゴ・冬の終わりに』が、約30年ぶりに同劇場に帰ってくる。平幹二朗主演、蜷川幸雄演出による初演の印象が濃い名舞台を、三上博史主演、行定勲演出の新コンビで再構築。突然引退して故郷に帰ってしまった演劇俳優・清村盛を演じる三上を中心に、盛の妻・ぎん役の神野三鈴、盛を追いかけてくる新進女優・水尾役の倉科カナといった新鮮な顔合わせに期待がかかる。その豪華出演陣の中で、ひときわ突出した個性を放つキーマンがこの人、水尾の夫・連を演じるユースケ・サンタマリアだ。舞台『タンゴ・冬の終わりに』チケット情報「まさにこれが演劇!と思っていた作品が、ついに俺にも来たかと嬉しかったですね。台本は読めば読むほど面白くなってくるし、台詞がすさまじくイカしてますよ!30年前に書かれたものなのに、まったく色あせない普遍的な魅力があって、一字一句変えたくない。このまんま、こんなふうに言いたいという自分の勝手な理想はあるけど、うまく言えなくてもどかしい。それくらい台詞に魅了されています」実家である古い映画館に引きこもり、しだいに精神を錯乱させていく主人公・盛。以前から三上の持つ妖しい存在感に惹かれていたというユースケは「この役は三上さんにしかできないんじゃないかと思うくらいピッタリ。世間の皆が感じている三上さんの狂気性、その集大成を盛という人物に見られると思いますよ」と絶賛。自身が演じる連については「僕はもう、みじめさの集大成。みじめなのは得意技だけど、ここまでストレートだと可哀想で」と苦笑する。盛をとりまく、ぎんと水尾。男女三人の愛憎の渦に不器用に割って入る連は、時に場の緊張を解く緩和剤ともなる。「僕が出ることで、一気にその場の空気を変えなきゃいけない。きっと皆さんは“だからユースケが配役されたんだな”と思うでしょうけど、最後の最後にはショックを受けると思います。好きな女が自分を見ていない、そんなみじめで苦しい、男の根幹の部分でめちゃくちゃ悲しいと思える役。でも、すごく好きな役なんですよ」開幕直前の今は、冗談めかして「愚直に、しつこく何回も繰り返す(笑)」と信頼を寄せる行定演出のもと、稽古は最終段階に突入している。「三上さんも苦しんでいるし、僕が“芝居モンスター”だと思っていた神野さんでさえ、いっぱいいっぱいになってる。そんな手強い台本で、逃げ場なし!でも、自分はそういう演劇がやりたかったんだなと。恐怖も感じるけど、早くやりたいワクワク感がそれを凌駕しちゃってる。この共演者の方々とやれるのは光栄だけど、ただ光栄で“ついていきます”だけじゃなく、自分のポジションはしっかり務め上げて、皆と肩を並べたい」ユースケ・サンタマリアの並々ならぬ決意が昇華した、新たな傑作舞台の誕生をぜひ見届けたい。公演は9月5日(土)から27日(日)まで東京・PARCO劇場、その後大阪、石川、福岡、愛知新潟、富山。宮城でも上演される。チケットは発売中。取材・文上野紀子
2015年08月28日三上博史が9月、舞台『タンゴ・冬の終わりに』で主演を務める。1984年に清水邦夫によって書き下ろされ、蜷川幸雄の演出で上演された本作が、実に約30年の時を超えて再びパルコ劇場の舞台に蘇る。倉科カナや神野三鈴、ユースケ・サンタマリアなど、共演者も実力者揃い。三上にとっては、大きな反響を呼んだ舞台『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』以来10年ぶりのパルコ劇場登場となる。舞台『タンゴ・冬の終わりに』チケット情報今回、演出を務めるのは行定勲。「行定さんが有能な助監督だった頃から知っていますから、感慨深いですね。映像作品でご一緒したことはあるけれど、舞台は初めて。僕も日常から演技の種を見つけるタイプの人間ですが、行定さんも人生経験を映像なり舞台なりに反映していく人だと思うんです。今回、行定さんが舞台にいったい何を持ち込んでくるのか、いまから楽しみです」と話す三上。今回は突然引退を宣言し、故郷で隠遁生活を送るなかで、少しずつ精神を病んでいく俳優・清村盛を演じる。映像ではもちろん幅広い役柄を自在に行き来する三上だが、とりわけ舞台では、これまで『青ひげ公の城』や『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』など、かなりエキセントリックな役が多かった。「今までは衣装であれ、役柄であれ、ぶっ飛ばすようなものをやってきたという自覚はあるんです。一時期、お客さんを振り払うような、ある種スタンドプレーとも言われかねない芝居をして、それが楽しかった時期さえあった(笑)。それに対して、今回は正々堂々と清水邦夫さんのセリフに向き合って、真っ当に勝負しなければいけない。それは僕にとってはチャレンジですね」。元々、この作品の初演を見ていたという三上。「当時は僕も駆け出しの俳優で、いつかこの作品に参加できたらなあと思いながら見ていた。30年経ったいま、やっとそういう時期が来たんだと思うととてもうれしいですね。今回の上演が決まってから、会う人会う人に『ぴったりの役だね』と言われるんです」と笑う。「清水さんの作品って、決して難しくなく、誰もがすっとお話を理解できる物語なんですよね。世界観はすこし不思議なものだけれど、じんわりと楽しさを感じられるものになると思います。芝居を見慣れない人でも、ふつうに見ていればどんどん入り込める。絶対損はしないので、ぜひ一度、見に来てほしいです」公演は9月5日(土)から27日(日)まで東京・PARCO劇場にて。チケットの一般発売は6月27日(土)午前10時より。取材・文/釣木文恵
2015年06月26日末満健一の作・演出による二人芝居『Equal-イコール-』が7月2日(木)より赤坂RED/THEATERで上演される。Wキャストで出演する、4人の俳優、三上真史&辻本祐樹、牧田哲也&相馬圭祐からコメントが届いた。二人芝居『Equal-イコール-』チケット情報舞台は18世紀初頭、ヨーロッパの田舎町。病床のニコラと新米医師のテオは幼なじみだ。静かに友情を育むふたりだったが、やがてニコラに死期が迫る。テオは苦悩するニコラのために、失われた「錬金術」を蘇らせ「不老不死」を手に入れようとする…。■三上真史末満健一さんによる脚本演出、二人芝居、辻本祐樹くんとの共演。役を固定せず、二人が融和していくという、自分もこれまで演じたことのないカタチで、出演できることが光栄でありとても楽しみです。君は誰で、僕は誰なのか。錬金術は現代の技術にも通じるものだと思います。現代と重ね合わせていただくと、より深く感じられるものがあるのではないでしょうか。観ている皆さんをイコールの幻惑的錯綜の世界へと導けたらと思います。■辻本祐樹僕は昨年、三人芝居をやらせていただき、今年は二人芝居という事で、来年は一人芝居をするんじゃないかと、この流れにビクビクしております(笑)……まぁ、おふざけはここまでにして(笑)。三上君とは数年前から色々な形で共演させて頂いてきましたが、ガッツリ芝居をするのは初めてな気がします。三上君となら、この『Equal-イコール-』と言う作品を作り上げられると思います。どんな世界観ができるのか皆さんも楽しみにしていてください。■牧田哲也今回の『Equal-イコール-』という戯曲を読み終わったとき、早く立って稽古がしたいと強く思いました。この作品の本当の魅力は役者さんがその人物として生きて、組み立てられた時に初めて見えてくるものがたくさんあるだろうし、二人芝居で、例えばどんな役者さんとの組み合わせが面白いのか、これも可能性がたくさんあって、とにかく早く作ってその魅力を感じてみたい、見てみたいと思いました。今回は2バージョンあるということで、僕自身もこの2つにどんな違いが出るのか楽しみです。是非観に来て下さい。■相馬圭祐2人芝居は初めてで、とても楽しみです。今まで舞台では4人芝居の経験が2度あり、その度に役者としてとても刺激を受けてきました。また新たな挑戦ができることが単純に嬉しく、反面怖くもあります。ただその怖さも舞台における醍醐味だと思っているので、怖いことをきちんと怖いことだと捉え、逃げずにさらけ出していきます。毎度毎度1つの舞台を終える度、所謂『~ロス』といったような状態になるのですが、今回も大千秋楽を迎えた時に強烈な『Equalロス』を味わえるよう、味わうことができるよう、真摯に、しっかり作品を理解し、取り組んでいきたいと思っています。公演は7月2日(木)から8日(水)まで。なお、好評につき追加2公演が決定、5月23日(土)午前10時より発売。
2015年05月21日『共喰い』(2013年)の青山真治監督が、初めてWOWOWの連続ドラマWを手がけた『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』(1月24日スタート 毎週土曜22:00~※第1話無料放送)。原作は、2009年に「さよならドビュッシー」で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した中山七里の同名小説だ。主演は、同局の連続ドラマW『震える牛』(2013年)の熱演も話題となった三上博史。2人のタッグは、青山監督作『月の砂漠』(2001年)以来、13年ぶりとなった。本作で「何かが、起こる!」と期待を胸に撮影に入ったという三上博史にインタビューした。『贖罪の奏鳴曲』は、生きる意味、贖罪の意味を問う法廷ミステリー。三上が演じるのは、過去に殺人を犯したという異色の経歴をもつ、不敗の弁護士、御子柴礼司役だ。法外な報酬を取る悪名高き弁護士の御子柴だが、ある日、絶対的に不利な立場にある、保険金殺人事件の国選弁護士を買って出る。御子柴が弁護する未亡人・東條美津子役に、『月の砂漠』でも共演したとよた真帆、その息子・幹也役に『寄生獣』(公開中)の染谷将太、御子柴と対峙する刑事・渡瀬役にリリー・フランキーが扮する。――13年ぶりに青山監督の現場に入られていかがでしょうか?『月の砂漠』でご一緒してから、ずっと何かをやろうとは言っていたんですが、まさか連続ドラマをできることになるとは。原作もありますし、また新たな挑戦ってことで、面白いと思いました。しかもWOWOWは、いかんなく青山監督の実力を発揮できる場だと思ったので、うれしかったですね。――青山監督の演出の魅力はどんな点でしょうか?青山さんは個性的です。監督って、わかりやすく言うと、画作りに走る監督と、芝居が大好きな監督に大きく分かれると思うんですが、青山さんに関して言えば、その2つが絶妙なバランスにある方です。そういう人って、いそうであまりいない。すごく細かいところまで見ているし、芝居に対してのアイディアもくれる。僕はこの歳になっても意地汚い役者なので、自分が成長できる種子、種みたいなものはいつも探しているんです。そういう意味では毎日違う種を蒔いてくれる、すごく貴重な監督です。――バックグラウンドが複雑な御子柴の役作りはどんなふうにされていきましたか?僕は役作りって言葉が大嫌いで、自分がこれまでに培ってきたメソッドとして、役というのは作るものではなく、生まれてくるものだと思っています。とにかく自分をなくす、自分の美意識、美学など、すべてを捨てるという作業ですね。できるだけ空っぽにして、何度も台本を読んで、隅々まで入っていくようにしています。――御子柴役にアプローチしていって、難しかったのはどういう点ですか?ちょっと破綻しそうな物語なのに、小説は中山先生の筆の力で、何とか際どくまとまっているんです。それを敢えて映像にするってことで、説得力をどう出すかが難しかったです。御子柴の弁護のモチベーションが何かというと、正義じゃない。では、贖罪の意識だけを考えて演じてしまうと、こんなことはないよねと思ってしまう。では、母親への憎悪なのかというと、それにも納得がいかない。憎悪の裏にある、ラブ&ヘイト、それらを多面的に取り込み、微妙なさじ加減でやっていきました。全4話あるので、どのように分配していくかってところもありましたし。途中でトイレに立ったり、お茶を飲みに行かれたら終わりだと思うくらいに僕は演じていたつもりです。――刑事・渡瀬役にリリー・フランキーさんと初共演した感想を聞かせてください。渡瀬役がリリーさんだという話を聞いた時から、すごく楽しみにしていました。リリーさんなら、刑事の典型とかにはなりえないというか、そういうアプローチはしないだろうと思っていたので。今までお会いしたことがなかったけど、ものすごく興味はありました。実際に現場ではとても興奮しましたね。――幹也役の染谷将太さんとの共演はいかがでしたか?染谷さんが幹也役に決まった時も、かなり期待値が上がりました。僕はずっと現場で彼にインタビューをしています。作品は何から始めたの? とか、何歳の時の記憶はあるの? とか。やっぱり彼のメソッドを盗みたいからです。今はまだ撮影中で探り合いの毎日というか、すごく刺激的な日々を送っています。特にこれから最後の山場が残っているので、気を緩められない状況ですね。みなさん、本当に素敵だからこそ日々、バトルなんです。――"バトル"というのは現場で常に感じている思いですか?基本的に、いつもそうだと思います。今年はこの前にドラマ『明日、ママがいない』に出ていましたが、どうやったら芦田愛菜ちゃんに持っていかれないようにできるんだろうと、しっかり考えていました。さらに鈴木梨央ちゃんという伏兵がいたりしたし。一瞬、気を抜いたら、僕が持っていかれるというよりも、僕の役が霞んでしまう。僕の役は、台本のなかでちゃんと役割があるので、引き潮に流木が持っていかれるような状態になってしまうと、作品自体が成立しなくなるから、そこはふんばるしかなかったです。『贖罪の奏鳴曲』では、いろんな方が日替わりでやってくるので、どっしりと対峙していかないといけない。――長いキャリアの中で、作品への向き合い方は変わったりしましたか?僕は15歳で俳優を始めて、もう40年近くやらせてもらっていますが、最初の頃は自意識で演じていた部分が多かったと思います。今日この役をやったら明日は違う役をやりたいとか、良い人をやったら今度は悪い人をやりたいという感じでね。でも、30歳を過ぎたくらいから、お客さんの目線の方がすごく重要になってきて、どうやって作品を楽しんでもらえるかってことを考えるようになりました。そのためには、自分を消すしかなくて。もちろん、自分に求められているのはこういうものだから、どんな役をやってもそういうものを提供するというタイプの役者も立派だとは思います。でも、僕は作品重視。「あれ? 三上博史ってどこに出ていた?」というくらいに変えないと、作品が面白くならないと思っています。体の外見は変えられないけど、髪型、歩き方、声音、しゃべるテンポなど、1つひとつを変えていけば、作品が立ってくるのかなと思っています。――これまでに、俳優業をやってきた中での葛藤は有りましたか?さんざんいじめられた時期がありました。僕は、俳優が自分の私生活をあからさまに売りにするという時代のちょうど過渡期の人間な気がします。作品に一生懸命向き合い、寡黙になればなるほど、想像力が掻き立てられるんでしょうね。ネットも始り、誹謗中傷など、ありとあらゆる悪が出てきた時代で「じゃあ、勝手に言ってろ」と思った時期もありました。今は苦しいけど、いつか認めてくれる人がいるんじゃないかということで。ただ、ちょっと失敗したかなと思ったのは、30代後半で自分のブランドを作ってこずに、役のブランドばかりを作ってきたことかなと。でも、血を流しながら積み上げてきたものを、今さら放り投げることは絶対にできないし。たぶん普通じゃ生きられない。僕は本当に幸運で、こうやって役をいただけるだけで、すごく幸せなんです。それをまだ売りにはできていないけど、そうできるように、みなさんに応援してほしいです。
2015年01月23日1月24日からWOWOWでスタートする連続ドラマW『贖罪の奏鳴曲』(全4話 毎週土曜 22:00~※第1話無料放送)の完成披露試写会イベントが19日、東京・新橋のスペースFS汐留で行われ、三上博史、とよた真帆、青山真治監督が出席した。同ドラマは、中山七里のミステリー小説『贖罪の奏鳴曲』を『EUREKA ユリイカ』や『共喰い』の青山真治監督がドラマ化した法廷ミステリー。必ず執行猶予を勝ち取る不敗の弁護士・御子柴礼司(三上博史)が、保険金欲しさに入院中である夫の人工呼吸器のスイッチを切って殺害容疑が掛かった東條美津子(とよた真帆)の国選弁護士を買って出る。だが、担当刑事の渡瀬(リリー・フランキー)は、御子柴がある殺人事件の犯人だったという過去にたどり着く。主演の三上は「青山監督にはずっとご一緒したいとプロポーズを出していたんですけど完全無視(笑)。とよたさんとは『明日、ママがいない』(日本テレビ系)というドラマ以来で、スポンサーが全部降りちゃって2人は戦い続けました(笑)」と自虐ネタを挟みつつ、初の弁護士役に「とにかく事前に台本を読み込みました。それと何かヒントがないかと思い、監督と裁判を見に行きましたが、ヒントは全くありませんでしたね(笑)。でも法廷の場がものすごく面白くて、趣味で傍聴したいと思いました」と新たな発見もあったという。また、「贖罪したいことは?」という質問に、とよたの夫でもある青山監督は「2011年に完成した『東京公園』から4年間は、収入がほぼない状態で迷惑を掛けました。いまだに仕事がなくなる恐れがあります」と恐縮しきりに答えると、とよたは「芸術家を支えるというのはそういうことなので」と妻らしい切り返しで青山監督は一安心。そのやりとりに笑顔を見せていた三上は「日々贖罪の意識ですね。常に撮影の現場では頭がおかしくなっているんです。意味もなく人を傷つけたくなったり、刺したくなったりして」と明かしていた。
2015年01月20日WOWOW連続ドラマW「贖罪の奏鳴曲」の第1話完成試写会が19日(月)東京都内で行われ、主演の三上博史と共演のとよた真帆、そして青山真治監督が出席。2002年にとよたさんと結婚した青山監督は、壇上で極貧時代を支えてくれた“愛妻”へ謝罪の言葉を口にした。ドラマのタイトルにちなんで「私生活に関わる“贖罪”したいこと」を聞かれた青山監督は「2011年の『東京公園』くらいまでは仕事が全然なくて、収入がほぼない状態でメシが喰えなかった。その間は迷惑をかけました」とシミジミととよたさんに“公開謝罪”。いきなりの告白に、とよたさんは「リアルな話はやめてくれます?」と大慌てながらも、三上さんから「頑張ったな!」と苦節時代を労われ、さらに「芸術家を支えるということは、そういうことですから」と夫への深い愛情と理解を示して、会場を沸かせていた。原作は、2009年に小説「さよならドビュッシー」で“このミステリーがすごい大賞”を受賞した推理作家・中山七里による同名小説。どんな罪名で起訴されようが、必ず執行猶予を勝ち取る不敗の弁護士・御子柴礼司(三上)の周辺で不穏な死体が発見されたことから、県警の渡瀬(リリー・フランキー)が捜査に乗り出す。死体が御子柴の周辺を嗅ぎまわっていたフリージャーナリストであることが判明すると共に、御子柴が過去に起こった幼女殺害事件の真犯人だったことに気づくーー。青山監督とは映画『月の砂漠』以来約13年ぶりのタッグという三上さんは「青山監督とはあれからご一緒したくて、常々プロポーズをしていたけれど完全無視で。今回やっと実現できた」と念願の顔合わせに喜色満面。本作に出合う直前までは役者業に対するスランプがあったと明かしながら「カチンコが鳴った時に、自分の中からあふれてくるものがなければダメだと思っていた矢先に、ドボドボとあふれて来た。これがあるうちは本当に幸せで、この仕事をやらせていただきたいと思った。話が進むにつれてドバドバと出てくるので、それを皆さんに目撃していただいて『お前、まだやれるじゃないか』と言ってほしい」と熱を込めていた。役者としてのこれまでの長いキャリアの中で、様々な役柄を演じて来た三上さんだが、弁護士役は意外にも初挑戦。役作りのために実際に裁判を傍聴したそうで「弁護士のスタイルとか仕草とか物言いとか、ヒントになればと思ったけれど、参考になることがまったくなかったですね」と苦笑いながらも「小説を100冊読むより、裁判所に行った方が面白い。事件の断片から概要がわかるまで時間がかかって、それはまるでミステリーであり大娯楽作品。今後は趣味のように傍聴しに行きたいと思った」と知的好奇心の面では十分に満たされたようだった。WOWOW連続ドラマW「贖罪の奏鳴曲」は1月24日(土)22:00~スタート。(text:cinemacafe.net)
2015年01月19日『チャイナタウン』『戦場のピアニスト』など数々の名作を手がけてきたロマン・ポランスキー監督の最新作『毛皮のヴィーナス』が20日(土)から公開になる。本作は舞台女優と演出家の官能的な駆け引きをじっくりと描いた作品で、女優の岩下志麻をはじめ、夏木マリ、佐野史郎ら多くの俳優たちが作品を絶賛している。その他の写真本作は、“マゾヒズム”の語源になったマゾッホの自伝的小説に着想を得て書かれた戯曲を映画化したもの。自信家で傲慢な演出家と、舞台のオーディションに遅刻してきた無名の女優ワンダの関係がオーディションを通して逆転していく過程を通して、男と女の秘められた欲望を描き出していくサスペンスだ。本作を公開前に観賞した岩下志麻は「こんなにも妖しく官能的な映画を創った80才のポランスキー監督に脱帽!!」と感想を寄せ、夏木マリは「ポランスキー様 オープニングから殺されました 物語と現実 男と女を行ったりきたりしながらの演出に笑わせていただき忘れていた感情を遊ばせていただきました 感じるエンディングも最高です」と絶賛。原作になった舞台でワンダを演じた中越典子は「愛おしきワンダにまた会いたくてたまらない」とコメントしている。また、本作の予告編のナレーターも務めた三上博史は「役者として、ワクワクしながら覗き見の感覚でした」と言い、佐野史郎は「これまでのロマンの世界を凝縮したかのような今作にまさに倒錯した官能を覚えた」と本作を評する。ポランスキーの妻でもあるエマニュエル・セニエと、フランス映画界が誇る名優マチュー・アマルリックの濃密な掛け合いは、すでに高く評価されているが、日本の俳優たちも本作が描き出す世界に魅了されたようだ。『毛皮のヴィーナス』12月20日(土)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開
2014年12月03日『さよならドビュッシー』の中山七里原作によるWOWOWの連続ドラマ『贖罪の奏鳴曲』が主演・三上博史、監督・青山真治で2015年1月24日からスタートすることが10月30日、明らかになった。中山作品の連続ドラマ化は本作が初であり、監督の青山もWOWOWドラマ初監督。三上は昨年6月に同局で放送された『震える牛』以来の主演となる。ドラマは悪評の絶えない不敗の弁護士・御子柴(三上)が主人公の法廷ミステリー。御子柴が手がける保険金殺人事件の容疑者の息子役に染谷将太、事件の謎を追う刑事役にWOWOWドラマ初登場のリリー・フランキーと、個性的かつ魅力的なキャストが顔をそろえている。三上は「今回、初めて青山真治さんがWOWOWの連続ドラマを監督されるということで『何かが起こる!!』と、すぐに手を挙げました。通常のドラマでしたら弁護士や刑事が事件を推理していくと思うのですが、今回は私が演じる弁護士には過去に殺人を犯したという背景があって、単なる謎解きの案内人ではありません。そこに難しさもあり、演じ甲斐もあり、一筋縄ではいかない話だなと思います」と意欲を見せている。青山監督も「三上さんとは十数年ぶりの仕事です。プライベートでは何度もお会いして今どういうことがやりたいかはお互いによく分かっているわけですが、何しろ僕の世代の最大のスター俳優の一人であり、かつ研ぎ澄まされたアーティストですから一筋縄ではいきません。しかしキャメラの前に立った瞬間、これほど繊細な表情をなさるのか、主役を張るとはこういうことか、と改めて驚かされ感動させられます」と、久しぶりの三上とのタッグに刺激を受けているという。そして原作の中山氏は「生来がひねくれ者であるため、小説を書く際には『映像化できるものならやってみろ』と思いながら筆を進めます。 自ずと映像化には不向きなトリックを仕掛けたり、センシティブな問題を扱ったりすることが多くなります。 『贖罪の奏鳴曲』もその例に洩れず、まず映像化は不可能だろうと悦に入っていました。従ってWOWOWさんからドラマ化の話をいただいた時、一番驚いたのはおそらく私だったでしょう。ともあれこのドラマに関わったスタッフ・ キャストの皆さんには脱帽せざるを得ません」と、ドラマに大きな期待を寄せている。連続ドラマ『贖罪の奏鳴曲』はWOWOWプライムにて2015年1月24日(毎週土曜 22:00~)スタート。
2014年11月01日昨年、WOWOWの連続ドラマW「震える牛」で食肉偽装問題を追う刑事を好演した三上博史が、過去に殺人事件を犯した弁護士役を演じる、土曜オリジナルドラマ「贖罪の奏鳴曲」(しょくざいのそなた)の放送が決定。監督を、WOWOWドラマ初挑戦となる『共喰い』の青山真治監督が務め、『寄生獣』でも話題の若手実力派・染谷将太と、いまや名バイプレーヤーとなったリリー・フランキーが競演していることが分かった。弁護士の御子柴礼司(三上博史)は、いかなる罪名での起訴も、必ず執行猶予を勝ち取るという不敗の弁護士として名を馳せていた。だが、その分、依頼人から巻き上げる報酬も法外で、悪評も絶えない。依頼をしてくる客層も悪く、嫌がらせも相次いでいた。そんな御子柴が、係争中の保険金殺人事件の国選弁護士を買って出る。容疑は、町工場の経営者の妻・東條美津子(とよた真帆)が、保険金目当てに入院中の夫の人工呼吸器を切って殺したというもの。無罪を主張する美津子には、車いす生活を送る息子・幹也(染谷将太)がいた。そんな中、事件の真相に迫っていたフリーライターが不審死。担当刑事の渡瀬(リリー・フランキー)は、御子柴がある殺人事件の犯人だったという過去にたどりつくが――。原作は、映画化もされた「さよならドビュッシー」で2009年「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した中山七里の同名ミステリー。本作が初の連続ドラマ化となる。悪評高く、予想外の過去を持つ弁護士・御子柴を演じるのは「震える牛」「下町ロケット」など連続ドラマWの良作に出演する三上さん。青山監督とは、第54回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された『月の砂漠』以来、実に13年ぶりにタッグを組む。「今回初めて青山真治さんがWOWOWの連続ドラマを監督されるということで、『何かが、起こる!!』と、すぐに手を挙げました」と言う三上さん。「以前、ご一緒させていただいた、映画『月の砂漠』(2001年)から13年経ちました。2人でカンヌのレッドカーペットを歩いた、とても思い出深い作品でしたので、『次はどんな作品を一緒にできるのだろう』と、たびたび飲みの席で話していたのですが、まさかWOWOWの連続ドラマでご一緒できるとは、思ってもいませんでした。また、2人で“悪巧み”ができると、モチべーションが上がっています」と、その喜びを語る。また、共演には、第68回ヴェネツィア国際映画祭「マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)」を受賞し、主演作『寄生獣』や2015年公開の『ストレイヤーズ・クロニクル』などが控える染谷さん。さらに『そして父になる』『凶悪』などで役者としても異彩を放つリリーさんがWOWOWドラマに初登場する。三上さんは「僕自身、ずっと、心待ちにしていた、リリーさん、染谷さんとの初共演もお楽しみに。青山組の“凄さ”が随所に出ているので、楽しんでいただけると思います」と、見どころもアピール。そんな三上さんに青山監督は、「何しろぼくの世代の最大のスター俳優のひとりであり、かつ研ぎ澄まされたアーティストですから、一筋縄ではいきません。しかしキャメラの前に立った瞬間、これほど繊細な表情をなさるのか、主役を張るとはこういうことか、と改めて驚かされ、感動させられます。ともに仕事をするパートナーとしてはベストのひとりです」と絶賛を送っている。土曜オリジナルドラマ「連続ドラマW 贖罪の奏鳴曲」は2015年1月24日(土)22時スタート(全4話)。(text:cinemacafe.net)
2014年11月01日