三菱電機は4月6日、大型産業機器向けパワー半導体モジュール「HVIGBT モジュール X シリーズ 新型デュアル」を開発したと発表した。大型産業機器向けパワー半導体モジュールは、主に数kW~数十MWまでの広範囲な電力変換装置の制御に使用されるデバイスで、これまで耐電圧は最高6.5kV、電流定格は最大数千Aクラスまで製品化されている。HVIGBT モジュール X シリーズ 新型デュアルは、CSTBT構造を採用した第7世代 IGBT・RFC ダイオードの搭載と、内部インダクタンスを低減するパッケージ構造の採用により電力損失を低減。また、AC主電極を3端子に増やすことで電流密度を緩和・均一化し、インバーターの高出力化に貢献するほか、絶縁耐圧が異なる2種類のパッケージタイプ(LV100・HV100)の外形寸法を共通化したことで、インバーターシステムの設計を効率化できるとしている。サンプル提供は耐電圧 3.3kV(パッケージタイプ LV100)を 2017年3月に開始し、1.7kV品・3.3kV品(パッケージタイプ HV100)・4.5kV品・6.5kV品を2018年以降に順次開始するほか、1.7kV未満の製品開発も計画しているという。
2016年04月07日三菱電機は3月16日、伝送速度100Gbpsの高速光通信ファイバー通信で使用される送信モジュールの新製品「100Gbps 小型集積EML TOSA」のサンプル提供を7月1日に開始すると発表した。同製品は長距離伝送に適した高消光比・低消費電力の新開発EML素子を搭載し、伝送距離40kmを実現。また、波長の異なる4つの光信号を多重化する送信モジュール内の各構成部品の最適化により、パッケージ体積を従来の約3分の2に縮小したほか、100Gbps用の小型光トランシーバー規格の1つであるCFP 4に適合した。なお、同製品は3月20日~24日に米国アナハイムで開催される「Optical Fiber Communication Conference and Exposition 2016」に出展される。
2016年03月16日三菱電機は3月7日、板金加工向けレーザー加工機の稼働状況などを遠隔地からリアルタイムで確認・診断する新サービス「iQ Care Remote4U」の提供を4月1日に開始すると発表した。同サービスはNECのIoT技術を活用し、レーザー加工機の生産性向上・ランニングコスト低減に貢献するとともに、遠隔診断による保守サービスの向上を実現する。具体的には、市販のPC、スマートフォン、タブレットで専用ソフトなしでレーザー加工機の稼働情報・加工予測時間などをリアルタイムで確認することが可能となる。また、加工・稼働実績や電力・ガス消費量などをNECのIoTプラットフォームで収集・蓄積し、複数の情報をまとめて表示すると同時に汎用の表計算ソフトに出力することで、生産プロセスの改善およびランニングコスト低減に貢献するとしている。さらに、NECのソフトウェアVPNサービスを活用し、三菱電機のサービスセンターに設置した端末から直接顧客のレーザー加工機の状況を遠隔診断することで予防保全情報を提供し、故障時の迅速な対応を実現する。サービスセンターからはソフトウェアのバージョンアップや加工条件変更なども実施可能となる。
2016年03月07日千葉ロッテマリーンズは3月1日、本拠地の「QVCマリンフィールド」で、三菱電機の「オーロラビジョン」5面を導入した。メインスクリーンは今回の更新で、国内の屋外球場で最大サイズ(三菱電機調べ)となる縦10.08m×横28.8m(1201型)のものを採用し、既設のもの(縦9.6m×横10.08m、548型)に比べ約3倍の大きさとなった。また、レフト/ライトにも大型サブスクリーンを採用し、縦5.76m×横20.16m(825型)の2面を設置した。あわせて、バックネット裏のサブスクリーン2面も更新している。これらの大型映像装置は同期連動が可能で、マリンウィングビジョンを含めて1つのコントロールシステムで制御できる。また、球場上空の風向風速表示に加えて、グラウンド上の風向風速表示も新たに行うという。
2016年03月05日三菱電機は3月3日、出力5万kW、容量30万kW時の大容量蓄電システムを九州電力に納入したと発表した。同日、全設備の運用を開始した九州電力の「大容量蓄電システム需給バランス改善実証事業」の一環として、同システムが福岡県・豊前発電所構内に設置された。同実証事業は、送変電設備に接続する形で大型蓄電池を設置し、蓄電池の大容量性を活かした電力需給バランスの改善適用の可能性等について実証を行うもの。同システムは、揚水発電設備と同等の電力貯蔵機能を持ち、再生可能エネルギー大量導入時の需給バランスの改善を実現しており、三菱電機の蓄電池監視制御システム「BLEnDer RE」で多数の蓄電池をユニットごとに監視制御することにより、効率的に全体を制御し、蓄電システムの運転効率を向上している。また、蓄電池を2段積みのコンテナ型コンパクト構造としたことで、省スペース化および設置期間の短縮と工事費用の大幅削減を実現した。
2016年03月03日三菱電機とNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は3月3日、監視カメラシステムに、映像解析技術(人工知能による人間の動作検知など)やクラウド・ネットワークなどのサービスを組み合わせた新たなソリューションの提供において協業すると発表した。今回の協業で、三菱電機は「高性能・高品質の監視カメラシステム」「防犯、インフラ設備監視でのシステム構築のノウハウ」「光通信、無線通信、映像解析における高度な技術力」といった強みを生かす。NTT Comは、「ネットワークを含めたクラウドサービス」「AIによる動作検知など映像解析技術」といった強みを生かす。例えば、NTT Comは映像解析において、人間の「動作」を理解する新しい人工知能「時系列Deep Learning」を開発し、映像データから、「きょろきょろしている」「しゃがんでいる」「ものを置いている」などの動作を高精度に検知することに成功している。こうした両社の技術を活用して、防犯だけでなく、さまざまな用途に応じた映像データの解析を可能とする「映像解析プラットフォーム」(仮称)の提供が検討されている。2016年度上期から小売店舗や金融店舗など実フィールドでの実証実験を開始し、映像解析の実用性の確認やネットワークを含めたシステムの最適化を検討し、実サービスの提供を目指す。
2016年03月03日三菱電機は2月29日、国内住宅用の単結晶無鉛はんだ太陽電池モジュール「マルチルーフ 245Wシリーズ」6機種を6月20日に発売すると発表した。同製品は3月2日~3月4日に東京ビッグサイトで行われる「スマートグリッドEXPO2016」に出展される。同シリーズでは、セル内で発生する電子の不活性化を抑えるPERC(Passivated Emitter and Rear Cell)構造とセル内の抵抗損失を減らすSE(Selective Emitter)構造を導入し、面積を拡大した新型セルを採用することで、245Wの高出力を実現している。また、従来から採用している6種類の形状のラインアップにより、さまざまな屋根において無駄無く太陽電池モジュールを設置することが可能。同社パワーコンディショナとの組み合わせにより、電力変換ロスを抑制し、太陽電池モジュールの高出力を最大限に利用することができる。なお、引渡し日から20年目までは公称最大出力の80%を下回った場合に保証対象となり、21年目から25年目までは公称最大出力の72%を下回った場合に保証対象となる25年間保証が同シリーズにも適用される。
2016年02月29日三菱電機は2月17日、周囲の状況を考慮した車線維持走行や車線変更などの通常走行、および自車前方を走行する車両からの突然の落下物を曲がることで緊急回避する「先進運転支援システム技術」のアルゴリズムを開発したと発表した。同技術では、通常走行時、車がカメラ、ミリ波レーダーなどにより自車周囲の物体を検出。検出した物体の今後の移動および自車との衝突可能性を予測し、衝突のおそれがないときは車線内を定速で走行するよう車両を制御する。一方、緊急回避時には、安全に回避するために必要な行動を瞬時に判断し、ブレーキだけでは衝突してしまう場合、曲がることで衝突を回避するように車両を制御できる。また前方の先行他車を追い越す場合、自車の後側方から他車が接近しているときはその車を見送り、安全が確保された後に追い越しを開始するよう車両を制御することも可能。同社は今後、開発したアルゴリズムを実車に搭載し、周辺監視などの技術と併せることで、自動運転レベル3となる「加速・操舵・制動をすべてシステムが行い、システムが要請したときはドライバーが対応する状態」を具現化していきたいとしている。
2016年02月18日三菱電機は2月17日、蓄電池の使用中にその性能をリアルタイムに推定できる「蓄電池性能オンライン診断技術」を開発したと発表した。蓄電池が貯めている電気量を推定する技術としては、電流を積算し算出する手法と、電圧および電池特性から算出する手法の2つがあったが、前者は測定電流の誤差を蓄積してしまう点、後者は容量の劣化により誤差が生じる点が課題となっていた。今回、同社は両手法を統合することにより、測定電流と蓄電容量の誤差を同時に推定し補正するアルゴリズムを開発。これにより、蓄電容量や内部抵抗の劣化度といった蓄電池の性能や、誤差1%以下での残量を、リアルタイムに推定することが可能となった。同社は今後、太陽光や風力発電などの大規模発電プラントや、自動車・鉄道車両向け蓄電システムへの搭載を目指すとしている。
2016年02月17日三菱電機は2月17日、空中に映像を表示できるディスプレイを開発したと発表した。同社は2015年度より、宇都宮大学工学研究科 山本裕紹 准教授とともに、空中に映像を表示する共同研究を行っていた。同ディスプレイでは、スクリーンと対にして、ビームスプリッターと再帰性反射シートを配置することにより、スクリーンの映像の光がビームスプリッターで反射され、この光が再帰性反射シートで反射されると、光が空中に再収束するという原理を応用。人の目には、再収束した光が視認できるため、映像が空中に浮かんでいるように見える。今回、スクリーンとビームスプリッターおよび再帰性反射シートの配置から、空中映像のサイズや空中映像が見える範囲を求める光学シミュレーション技術を開発し、ビームスプリッターから映像中心部が1メートル以上離れた空中に、幅886mm×高さ1120mmの空中映像表示を実現した。また、物理的な手がかりのない空中に目の焦点を合わせることに慣れていない人にとって、空中映像の表示位置がわかりにくいという課題があったが、今回、入力映像を空中映像領域と左右のガイド映像領域に分割し、3つの領域の映像がシームレスに繋がるように表示できるシステムを開発したことで、空中映像の位置をより明確化することが可能となった。同社は同技術について、人型サイズの映像を使った遠隔コミュニケーション用途から公共性の高い表示まで、幅広い分野での近未来的な映像表現を実現するものであると説明している。
2016年02月17日三菱電機は2月12日、無線LANと音波による測位を組み合わせて誤差1メートル以内で位置を検出できる屋内位置検出システムを開発したと発表した。これにより、例えばGPSの電波が届かない地下駐車場での駐車位置までのナビゲーションや倉庫での物流管理など、さまざまなシーンでの利便性向上に貢献するとしている。同システムの特長として音波による位置検出装置を無線LAN基地局に搭載し、位置検出したい対象物とその周辺の複数の無線LAN基地局との間で音波を往復させ、その伝達時間から対象物の位置の特定が可能で送受信のタイミング・計測結果は無線LANで通信することができる。また、すでに構内無線LANが設置されている場合、無線LAN基地局に位置検出装置を追加するだけで低コストでシステム構築を実現するほか、屋内や地下などGPSの電波が届かない場所で誤差1メートル以内の位置検出が可能だという。さらに、スマートフォンに専用アプリをインストールし、内蔵のマイクとスピーカーを利用することで、駐車場での駐車位置検出ができることに加え、スマートフォンと周辺の無線LAN基地局に搭載した位置検出装置との間で送受信した音波の伝達時間からスマートフォンの位置を特定する。これにより、ユーザーはスマートフォンだけで利用が可能で、RFID(電子タグ)などの専用機器は不要となる。同社では2017年4月の実用化に向けたアプリケーション開発を進めていく方針だ。
2016年02月12日三菱電機は9日、タブレットやスマートフォンなどで、話した言葉を、指でなぞった軌跡に表示できる音声認識技術「しゃべり描き UI(ユーザーインタフェース)」を開発した。お絵かきや翻訳といった機能を組み合わせたアプリとして、2016年度中に実証実験を行う予定。今回開発した技術は、Androidスマートフォンやタブレットの画面上で、任意の場所を指で長押しし、話しながらなぞると、話した言葉がなぞった軌跡に合わせて文字表示されるもの。筆談と違い文字を書く手間が省けるほか、直感的に操作できることも特徴。この「しゃべり描きUI」技術に、お絵描き機能や翻訳機能を組み合わせたアプリでは、手描きイラストに話し言葉を表示したり、表示した文字を同じ形状で翻訳したりすることで、わかりやすい意思疎通が可能となる。聴覚障がい者は、健常者の指先と口の動きを同時に見られないため、指差ししながらの会話が理解できないという課題があったが、同アプリにより、聴覚障がいのある子どもが、絵を描きながら親と会話するといった利用が可能。またタクシーに載った外国人観光客が、地図や写真を提示しながら所要時間を尋ねるといった利用なども想定する。対応OSはAndroid。同社は2016年度中に大学などへ実証実験への協力を呼びかけ、早期の事業化を目指す。
2016年02月09日三菱電機は2月9日、タブレットやスマートフォン向けに、話した言葉を指でなぞった軌跡に表示できる音声認識表示技術「しゃべり描きUI」を開発したと発表した。「しゃべり描きUI」に、お絵描きや多言語翻訳などの機能を組み合わせたアプリケーション「しゃべり描きアプリ」は、手話や外国語ができなくても、聴覚障がい者や外国人との円滑で多様なコミュニケーションを実現する。しゃべり描きUIでは、画面の好きな場所を指で長押しして話しながらなぞると、話した言葉がなぞった軌跡に文字で自由な形状で表示される。そのため、文字を書く手間がなく、筆談より手軽に会話が行える。しゃべり描きアプリでは、話した文字を、手描きのイラストなどと一緒に表示し、わかりやすく豊かに表現するほか、多言語翻訳機能を組み合わせると、表示した文字をその形状のまま翻訳できる。同社は2016年度中に大学などへ実証実験への協力を呼びかけ、早期の事業化を目指す。
2016年02月09日三菱電機は2月4日、クラウドサービスにおける「部分一致対応秘匿検索基盤ソフトウェア」を開発したと発表した。これにより、機密保護のために暗号化した情報を復号せずに検索できる秘匿検索で、部分一致による検索が可能となる。同社によると世界初の技術となる。2013年7月に発表された秘匿検索基盤ソフトウェアは、企業内でデータ暗号化と鍵管理を行い、クラウドにおける情報漏えいや内部不正による暗号化データの復号を防ぐ目的で開発された。暗号化されたまま検索できる利便性があるものの、完全一致検索しか対応しておらず、ネット上の検索サービスのように柔軟な検索ができないことが課題だった。今回のソフトウェアでは、登録データや検索キーワードの文字を暗号化するだけでなく、各文字が「先頭から何文字目に位置するか」という文字位置情報を埋め込む技術と、埋め込まれた文字位置を暗号化したままスライドさせる技術を開発。埋め込み文字位置をスライドさせて、登録データの文字列と、検索キーワードの一致判定が可能になった。また、副次効果として、完全一致検索のソフトウェアでは、必要な情報をかんたんに検索できるよう、登録データを短くしたり、使用する検索キーワードを事前に用意する制約があったが、部分一致検索ではその必要がなく、さまざまな用途に利用できるとしている。なお、従来の秘匿検索基盤ソフトウェアと同様に、登録データの暗号化時にキーワード検索が可能な部署や利用者を限定するアクセス制御機能を用意しているほか、同じ検索キーワードでも暗号化するたびに毎回異なる値に変化するため、検索キーワードの類推が防げる。また、登録データや検索キーワードの暗号文を抜き出して検索処理を実行できると、文字の出現頻度が分析できることから、文字の推定につながる。そこで三菱電機では、暗号文の各文字を"分離不可"とする暗号化を図っている。
2016年02月05日三菱電機は2月3日、IoT(Internet of Things)時代のシステムを支える基盤として、センサから得られた大量のデータを高速に蓄積・検索・集計する「高性能センサーデータベース」を開発したと発表した。道路や鉄道など社会インフラの維持管理や工場、プラントの稼働状況監視、ビル、住宅のエネルギー管理などの分野においてセンサデータの迅速な活用方法を提供する。近年、道路や鉄道などの社会インフラ設備の維持管理における劣化カ所の検出、工場、プラントの稼働状況の分析による製品品質の向上、劣化診断、ビル、住宅の電力消費量の見える化による省電力など、さまざまな分野で100兆件にもおよぶ大量のセンサデータを活用する事例が増えつつあるという。従来、このような大規模データを高速処理する方法として、多数のサーバによる並列分散処理、大容量主メモリを利用したインメモリ処理、フラッシュメモリを利用した高速ストレージなどが採用されていた。しかし、これらを実現するサーバは高価となり、このような大量のデータを効率的に蓄積するとともに、蓄積された大量のデータを高速に検索・集計できるデータベースが求められている。下表は開発したセンサデータ100兆件を扱う場合の性能比較。今回、同社は安価なハードウェア構成で100兆件のセンサデータの処理が可能なセンサデータベースを開発。特長としてデータ圧縮方式、データ配置、データ処理単位をそれぞれ最適化した点が挙げられる。データ蓄積に要する容量を従来比(広く利用されているリレーショナルデータベースとの比較。性能差は同社調べ)最大1000分の1に削減したほか、データ蓄積に要する時間を従来比(同)最大1000分の1に削減し、センサデータの効率的な蓄積と高速な検索・集計処理を実現しているとした。また、センサデータベースを1~2個のCPU、主メモリ4GBのサーバ1台に構築しても高速処理が可能なことに加え、従来10台~数千台のサーバを要していたセンサデータの蓄積・検索・集計処理をサーバ1台~数台に集約することで、運用の容易化や省電力化に寄与するという。
2016年02月03日三菱電機、東京工業大学、龍谷大学、マイクロ波化学は1月25日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務「クリーンデバイス社会実装推進事業/省エネルギー社会を実現する高効率高出力マイクロ波GaN増幅器」において、出力電力500WのGaN増幅器モジュールを加熱源とする高効率な産業用マイクロ波加熱装置を共同開発したと発表した。GaN増幅器モジュールは、SiやGaAsを使用した増幅器モジュールに比べ、高出力が得られるとともに装置の小型化に貢献する。近年では通信・レーダー分野においてGaN増幅器モジュールへの置き換えが進められているほか、高効率という特長を活かして産業分野での新たな活用も期待されている。今回4者は、化学産業分野の省エネルギー化に着目。現在主流である化石燃料を産業用加熱装置の加熱源とする外部加熱方式は、試料を加熱する前に装置自体を加熱する必要があり、その分のエネルギーが無駄に消費されているが、GaN増幅器モジュールを用いることにより、電子レンジと同じ原理で試料を局所的に加熱するマイクロ波内部加熱方式の採用が可能となり、エネルギー消費を70%低減できるという。また現在はマグネトロンを加熱源としたマイクロ波内部加熱方式が一部で導入されているが、マグネトロンは位相コヒーレンスが低いために大電力化が難しく、燃料油や石炭などの試料を分散的に加熱しなければならず、加熱装置内部で生成される化学物質の大量生産が困難となっている。一方、GaN増幅器モジュールが出力するマイクロ波は、位相コヒーレンスが高いため大電力化が可能。さらに位相を制御することにより温度分布を自在に制御し、局所的に内部加熱することで、化粧品やインク塗料などの化学物質生成時の生産効率性を約3倍向上させることができる。三菱電機によると、マイクロ波加熱装置に適用するGaN増幅器モジュールは、2016年度以降に実用化する予定だとしている。
2016年01月25日三菱電機は1月21日、第5世代移動通信方式(5G)基地局向けに、高周波数帯で大容量通信を可能にする超多素子アクティブ・フェーズド・アレイ・アンテナ(APAA)と複数アンテナを組み合わせてデータを並列伝送するプリコーディング技術の連携による、新しい「マルチビーム多重技術」を開発したと発表した。5Gで用いる高周波数帯(4GHz以上)では、電波の伝搬減衰を補償するために数百素子以上のアンテナを用いるMassive MIMO(Multiple-Input Multiple-Output:複数のアンテナを組み合わせて大容量通信を実現する技術)技術が注目されている。この信号処理をすべてデジタル処理で実現する場合、デジタル回路の規模や消費電力が膨大になるが、その解決策の1つとして、アナログ処理とデジタル処理を組み合わせるハイブリッド構成が有望視されている。同社は、人工衛星などで実績があるアナログ処理による超多素子APAA技術とデジタル処理によるプリコーディング技術を連携させたマルチビーム多重技術を開発し、計算機シミュレーションで現行比(2016年1月21日時点での最新第4世代携帯基地局比)約60倍となる伝送速度20Gbpsが得られることを確認した。これにより、5Gで用いる高周波数帯でも電波の伝搬減衰を補償して各端末へ信号電力を届け、大容量通信が可能だという。現在の第 4 世代携帯基地局では2ビームで並列にデータ送信しているが、16ビームまで拡大して並列に大量のデータ送信を可能にすることで、今後急増するトラフィックの収容にも貢献するとしている。また、従来のプリコーディング技術の1つである「対角化プリコーディング」は端末に対し、ビームを重ならないように配置することにより大容量伝送が可能としていたものの、端末が近接する環境ではビームが重なり干渉が発生する。従来のプリコーディングでは干渉となる信号電力を下げることにより干渉を低減していたが、その影響で通信速度が低下するという課題があった。今回、近接する端末に対してビームの干渉を許容する「多重対角化プリコーディング」と、その干渉を除去する「非線形演算」を組み合わせた「非線形多重対角化プリコーディング技術」により、少ない演算量で柔軟にビームを形成する技術を開発した。これにより、近接する端末のビームを干渉させず、かつ通信速度を低下させずに20Gbpsの大容量通信を実現するという。
2016年01月21日三菱電機は12月24日、産業用カラーTFT液晶モジュール「DIAFINE」の新製品として、投影型静電容量方式のタッチパネルを搭載した7.0型WVGAのワイドタイプ2機種のサンプル提供を1月5日に開始すると発表した。同製品は、耐衝撃性や耐水滴性が求められる屋外用途向けに、厚さ5mmの保護ガラス上からでも操作可能なタッチパネルを搭載している。また、最大10点までのマルチタッチ操作や、厚みのある耐熱手袋をはめた状態、水滴が付着した状態での操作など、さまざまな環境下での使用に対応している。同社は液晶モジュールに加え、タッチパネル・コントロール基板を含めたトータルサポートを提供。屋外などの明るい環境下でも高い視認性を実現するグラスボンディングや保護ガラスへの強化処理、低反射処理、防汚処理などさまざまなオプション加工処理に対応するとしている。また今後は、画面サイズ・解像度・保護ガラスなどの仕様が異なる製品のラインアップを拡大していくという。
2015年12月24日三菱電機は12月22日、移動通信システム基地局の電力増幅器に使用される高周波デバイスの新製品として「3.5GHz帯第4世代移動通信システム基地局用GaN HEMT」4品種(マクロセル基地局用・スモールセル基地局用各2品種)のサンプル提供を2016年2月1日から順次開始すると発表した。同製品は、トランジスタ構造の最適化により、3.5GHz帯マクロセル基地局用としての出力180Wを実現。180W品をはじめ、90W・7W・5W品の計4品種を新たにラインアップし、移動体通信システム基地局の多様なニーズに対応可能となった。また、マクロセル基地局用は74%(90W品)、スモールセル基地局用は67%という高いドレイン効率(パッケージ端での数値)を達成した。さらに、フランジ(ネジなどで固定するためにパッケージから鍔状に張り出た部分)レスパッケージの採用により取付け面積を削減し、電力増強機の小型化に貢献する。サンプル価格(税抜き)はマクロセル基地局用の出力180W品が3万円(2月1日提供開始)、90W品が1万5000円(3月1日提供開始)、スモールセル用の7W品(3月1日提供開始)と5W品(2月1日提供開始)が3000円となっている。
2015年12月22日スマートインサイトは12月14日、三菱電機の自動車機器開発センターが、仮想データ統合&ディスカバリ(情報探索)製品「Mµgen(ミュージェン)」を採用したと発表した。三菱電機は、現在のナビゲーションたAVなどの機能だけにとどまらず、より良い車内空間の実現を支援するカーナビゲーションの開発に向けた改善や機能向上の実現に向け、データドリブン指向で製品開発をスピーディかつ柔軟に判断するためのデータハンドリング基盤の構築を検討おり、従来からあるビジネスインテリジェンス(BI)ツールの導入を検討していたが、データソースや分析軸の多様性・可変性への柔軟な対応ができない、システム立ち上げから可視化までに時間がかかる、ビジネス部門だけの立ち上げが困難でIT部門に密に依存せざるを得なく、データの関連性や繋がりを多角的に操作できるユーザインタフェースには程遠いなどの課題があり、新たなツールの模索を行っていた。Mµgenは、あらゆる環境のあらゆるデータに容易に接続し、データモデル化し、データモデル間の関連性を自律的に発見し、仮想統合されたデータの横断的な(トライ&エラーを含む)データディスカバリを実現する知的プラットフォーム。今回、三菱自動車がMµgenを評価した結果、そうした機能条件を克服できることを確認したことから、導入を決定したという。
2015年12月15日三菱電機は11月25日、建設機械・農業機械や工作機械などの厳しい環境で使用する表示器に適した産業用カラーTFT液晶モジュール「DIAFINE(ダイアファイン)」タフネスシリーズの新製品「AT104SN11」の10.4型SVGAのサンプル提供を12月1日に開始すると発表した。製品のサンプル価格は、15万円(税抜)。近年、産業用カラーTFT液晶モジュールはさまざまな用途に普及が拡大しており、油圧ショベルなどの建設機械やトラクターなどの農業機械の表示器の分野では、高い耐振動性能と屋外などの厳しい温度環境に対応するための広い動作温度範囲が要求されている。今回、同社はタフネスシリーズに、産業用液晶モジュールとして、従来製品の加速度の約7倍となる加速度6.8Gという高い耐振動性能に対応し、振動の厳しい環境で使用される建設機械、農業機械や工作機械の表示器などに適応した製品を追加した。動作保証温度範囲は従来製品では-30℃~+80℃だったが、今回の製品では日本過去最低気温レベルや真夏の車内温度にも十分対応可能な-40℃~+85℃といった広い動作保証温度範囲で、厳しい温度環境に対応。さらに、1500cd/m2の高輝度と700:1の高コントラストで明るい場所での視認性を確保した。
2015年11月27日三菱電機はこのほど、「パートナーに対する意識と実態調査」の結果を発表した。調査は10月15日~23日、パートナーと同居する20代~60代の男女500名(未婚80名、既婚420名)を対象にインターネットで行われた。○同棲カップル・夫婦の79.2%が「仲良し」はじめに、パートナーとの仲の良さについて聞いたところ、全体の約8割が「仲の良い夫婦(カップル)だと思う(42.8%)」「どちらかといえば仲のよい夫婦(カップル)だと思う(36.4%)」と回答した。また、結婚期間別で見ると、特に仲良し率が高い期間は「結婚後1年超~3年(89.4%)」や「妊娠期(87.7%)」であることが判明。一方、仲良し率が最も低かったのは「結婚後10年超~20年(62.3%)」で、結婚後20年を超えると、仲良し率が回復する傾向にあることがわかった。○"仲良し夫婦の条件"5つ続いて、仲良しを自認する夫婦には共通する条件や習慣があるのかを探るため、パートナーとの接し方について30項目を挙げ、その中から、仲良し夫婦の自認率が高い5項目を"仲良し夫婦の条件"として採用した。まず、一つ目の"仲良し夫婦の条件"は「会話」。「パートナーとはよく会話をする」と回答した夫婦の仲良し自認率は93.6%と高いのに対し、「パートナーとはあまり会話をしない」と回答した夫婦の仲良し率は38.6%と低く、その差は55ポイント。パートナーとの会話が、仲良し夫婦の第一条件であることがわかった。続く二つ目は「寝室」について。「パートナーとは一緒の部屋で寝ている(91.6%)」と回答した夫婦の仲良し自認率は、「一緒に寝ていない(43.8%)」夫婦の倍以上。また、三つ目の条件となる「外食」については、「パートナーと一緒に外食することがよくある」と回答した夫婦の仲良し自認率は89.8%に対し、「パートナーと一緒に外食することはまれ」と回答した夫婦の仲良し率は44.2%という結果となった。そのほか、4つ目には「週末はパートナーと一緒に時間を過ごすことが多い」が、5つ目には「パートナーと食卓を囲むことがよくある」といった項目が、"仲良し夫婦の条件"として採用された。○エアコンの温度差1~3℃でイラっと……次に、日常生活でパートナーに対してイラッとすることについて尋ねたところ、「家電製品のつけっぱなし(57.4%)」を筆頭に、「照明のつけっぱなし(55.5%)」「エアコンの温度設定(50.7%)」「コミュニケーションの不足(49.0%)」「部屋の掃除 (48.8%)」の順となった。続いて、これから寒さが本格化するにつれ、同じ部屋で過ごすパートナーとのイライラ度が高まるであろう「エアコンの温度設定」について詳しく見てみることに。エアコンの温度設定でイライラ経験がある213名を対象に、何度の温度差でイライラしたか尋ねたところ、「1~3℃低い(39.4%)」または「1~3℃高い(38.5%)」が多く、わずか1~3℃の温度差でも多くの人がイライラすることが判明。また男女別で見ると、夫は自分の理想温度と「1~3℃高い(59.1%)」ことにイラッとし、妻は「1~3℃低い(49.6%)」ことにイラッとしていることがわかり、3℃以内の温度差でイライラする人は、イライラ経験者の7割を占めたが、夫婦全体でも35.5%にあたり、世の中の夫婦の3組に1組は、3℃以内の温度差でイライラしていることがわかった。ちなみに、この問題の解決策は「どちらかが妥協する」ことで、どちらかというと妻(35.2%)よりも夫(58.0%)が折れるケースの方が多かった。
2015年11月19日2015年11月18日から20日まで、パシフィコ横浜で組み込みシステム技術展「Embedded Technology 2015(ET 2015)」が開催されている。本稿では、「出力1kW 効率95%の6.78MHz高周波電源技術 」によってET/IoT Technology アワードを受賞した三菱電機エンジニアリングのブース内容をご紹介する。○ET/IoTアワードを受賞したワイヤレス給電向け電源技術同社のブースはワイヤレス給電技術がメインとなっており、中でも参考出展されている「出力1kW 効率95%の6.78MHz高周波電源技術」が目玉だ。これは独自の電力合成技術によって、大出力(1kW)かつ高周波(6.78MHz)の電源を手のひらサイズで実現したもので、95%という高変換効率が特徴。現在は掃除機や電子レンジ向けの技術だが、今後出力を向上させていくことで、自動車でも活用できるとする。家電製品から電気自動車まで幅広い分野でのワイヤレス給電に向けた電源技術であり、今後の市場トレンドにマッチするとともに市場へのインパクトが大きいと評価され、ET/IoT Technology アワードを受賞した。また、ET 2014でアワードを受賞した非接触ロータリー電力伝送技術も出展されている。非接触ロータリ電力伝送を磁界共鳴方式で実現したことにより、アーム型ロボットや監視カメラなど「回転」が耐久性やメンテナンスの課題となるアプリケーションでの応用が想定されている。ET 2015では、金属軸のある回転装置への適用が可能になるなど発展を遂げている。同コーナーでは、無線電力装置の開発に使用できる高周波電源 KM-1T1050も展示。出力周波数6.78MHz±15kHz、出力電力0~50Wで、自動整合機能、電力モニタ機能、過大反射電力に対する保護機能などが搭載されている。また、高効率E級インバーターの搭載により、発熱を抑え、小型・軽量化を実現している。○距離データから移動体の座標を算出し、自律走行を支援高精度測位コーナーでは、ギガビット級高速信号処理技術を活用した「インパルス無線方式測位システム&自律システム」のデモンストレーションを見ることができる。同システムは、4つの固定ノード(子機)から移動体(親機)を測位するUWB無線移動体測位システムで、比較的狭い領域内を移動する移動体の位置を求めることが可能。子機と親機の距離をインパルス方式UWBで電波往復時間から算出し、各距離データから三辺測量法によって移動体の座標を求めることにより位置情報に基づく自律走行を支援する。主に、GPSが利用できない屋内での活用が想定され、具体的には工場における無人搬送車(AGV)への応用が見込まれている。
2015年11月18日三菱電機は11月12日、大形レーザー加工機「XLシリーズ」の新製品「ML6030XL-F40」の販売を同日より開始すると発表した。同製品は発振効率に優れた4kWファイバーレーザー発振器、独自の高効率サーボモーター・サーボアンプ、インバーター制御冷却装置などの採用により、同社製炭酸ガスレーザー発振器と比べて消費電力を約60%削減。さらに、加工完了後に発振器・冷却装置などを段階的に停止させる「eco モード」により、待機時の消費電力を炭酸ガス大形レーザー加工機「ML6030XL-45CF-R」との比較で最大70%削減できるとしている。また、板厚25mm までの軟鋼切断に最適化した独自の制御・加工技術により、炭酸ガスレーザー加工機と同等の切断面粗さとテーパーを実現したほか、板厚12mmから25mm までの軟鋼切断において、ハイピークピアス技術の採用により、板厚25mmの軟鋼ピアシング時間を「ML6030XL-45CF-R」と比べて最大50%短縮している。さらに、板厚3mmまでのステンレス加工に独自の高速レーザー切断技術「F-CUT」を適用し、加工時間を「F-CUT」非使用時に比べ最大で50%短縮することに成功した。
2015年11月13日パテント・リザルトは11日、「全業種特許資産規模ランキング」の結果を発表した。対象は2014年4月1日~2015年3月までに登録された特許。○「三菱電機」がトップに同社によると「特許資産規模」は、各出願人が保有する特許(特許庁に登録、失効・権利放棄のない特許)を「特許資産」とし、総合力を判断するための指標だという。同調査では、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を用いて評価を行い、企業ごとの総合得点を集計している。「特許資産規模ランキング」の結果、1位は「三菱電機」(特許資産規模14万5,340.5pt、特許件数4,025件)となり、昨年2位からランクアップした。次いで、2位は「トヨタ自動車」(特許資産規模11万9,687.9pt、特許件数4,024件)、3位は「パナソニック」(特許資産規模11万9,005.8pt、特許件数3,079件)。以降、4位は「キヤノン」(特許資産規模10万6066.1pt、特許件数4,113件)、5位は「東芝」(特許資産規模10万356.3pt、特許件数3,222件)と続いた。それぞれの特許分野をみると、1位の「三菱電機」では、「空調制御装置」、「加熱調理器」、「インバータ装置」、「ナビゲーション」。2位の「トヨタ自動車」は、「ハイブリッド・電気自動車」「運転支援システム」。3位「パナソニック」は、「LED照明」「充電システム」「過熱調理器」などの分野で注目度の高い特許が多く見られた。
2015年11月12日三菱電機は20日、高音質カーナビ「DIATONE SOUND. NAVI」シリーズの新製品発売を記念し、「Wチャンスプレゼントキャンペーン」を開始した。抽選で116名に、4K対応レーザーテレビなどをプレゼントする。キャンペーン実施期間は1月5日まで。キャンペーンには、専用Webサイトでクイズに回答し、必要事項を入力することで応募できる。賞品は、三菱電機の4K対応レーザー液晶テレビ「REAL4K LCD-58LS1」(1名)、Nikonのミラーレスカメラ「Nikon 1 J5」標準パワーズームレンズキット(5名)、10,000円相当のプレゼントを選べるギフトカタログ(10名)、オリジナルQUOカード1,000円分(100名)。また、DIATONE SOUND. NAVI「NR-MZ100PREMI」もしくは「NR-MZ100」の購入者全員に、16GBのオリジナルUSBメモリを贈呈する。対象購入期間は10月20日から12月31日まで。応募方法の詳細は、三菱電機のキャンペーン専用Webサイトを参照いただきたい。
2015年10月21日三菱電機は10月19日、トルコの国営衛星通信会社 Turksatから2011年3月に受注した通信衛星「Turksat-4B」の打ち上げに成功したと発表した。同衛星はカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から10月17日午前5時40分に打ち上げられ、同日午後2時53分にロケットからの分離に成功。今後、地表から約3万6000km上空の静止軌道まで自律で移動する。なお、Turksatへの引き渡しは静止軌道上での性能確認実験を終える12月以降を予定している。「Turksat-4B」は、同社製の標準衛星バス「DS2000」を使用した9機目の人工衛星。重量は約4.9トンで、設計寿命は15年以上とされている。今回の打ち上げにより、2014年2月に打ち上げた通信衛星「Turksat-4A」との2機体制が確立することとなる。DS2000を使用した人工衛星は現在全て順調に運用されており、2017年までにさらに7機の打ち上げが予定されている。
2015年10月19日三菱電機は10月16日、形彫放電加工機「EA8PS」を10月21に発売すると発表した。同製品は独自の適応制御「IDPM」を搭載し、グラファイト電極加工だけでなく、銅電極加工にも適用できる。また、ジャンプ制御機能「SS JUMP」により、毎分25mの高速移動を1.6Gの硬化速度で実現したことにより、加工速度が最大40%向上した。また、新開発の微細仕上電源「FP-PS電源」を搭載し、面あらさは最小Ra(算術平均あらさ)0.05μm(NP2回路使用時)を実現。さらに光沢仕上げ機能「LLTX」より金型の磨き作業の削減と離型性を向上したほか、最大で毎分4.5g(グラファイト電極・鋼材加工)の高速荒加工が可能となっている。さらに、同社の独自技術「サーマルバスター」を標準で搭載し、環境温度変化の「見える化モニター」によって環境温度を可視化するとともに、高精度加工への障壁となる熱変異を最小限に抑制する。加えて、同社のNC制御機器により独自のサーボ制御技術と高精度駆動部品を搭載することで±3μmのピッチ加工精度を保証している。価格は1600万円(税抜き)で、2016年度で100台の販売を目標としている。
2015年10月16日三菱電機はこのほど、安全で快適な車社会を実現する次世代の運転支援技術を搭載したコンセプトカー「EMIRAI3 xDAS(イーミライスリーエックスダス)」を開発し、「第44回東京モーターショー2015」(東京ビックサイトで10月30日から一般公開)に出展すると発表した。同社は、前回の2013年東京モーターショーで「クルマが人に調和する」をコンセプトに開発した運転支援系コンセプトカー「EMIRAI 2 xDAS」を公開。今回は、「Feelings come true(想いを叶える)」のテーマのもと、新開発のHMI(ヒューマンマシンインターフェース)技術・ドライバーセンシング技術・テレマティクス技術・灯火制御技術などさらに進化した運転支援機能を集約した次世代の運転支援系コンセプトカー「EMIRAI3 xDAS」を開発した。EMIRAI3 xDASは、速度メーター部およびセンターディスプレイ部に、複数の液晶パネルを貼り合わせた新開発の「マルチボンディングディスプレイ」搭載し、高い視認性・操作性を実現。手元を見ない操作と重ね書き可能な手書き入力で操作中の視線移動を低減した「視線移動低減HMI」が安全運転に寄与している。10m以上離れた位置を立体的に表示できる新開発の「3D-HUD(スリーディーヘッドアップディスプレイ)」により、運転の快適性や安全性も向上した。ドライバーセンシング技術では、車内カメラや非接触の心拍検出装置によってドライバーの運転状況を把握するほか、ドライバーの挙動から要望を予測して安全運転支援や先読み支援を実現。また、クラウドを活用するアプリケーション搭載によって、収集データを利用し運転の状態に合わせた先読み提案、ヒヤリハット地点の収集・情報共有、クルマの中から家電の電源オン・オフが可能となっている。灯火制御技術を用いた路面ライティングが、他車・歩行者に運転意図を通知することで事故防止に寄与する機能も搭載する。
2015年10月14日三菱電機 新CMお披露目イベントが9月29日(火)都内某所で行われ、女優の杏、戸田恵子、お笑い芸人オードリーの若林正恭が出席した。若林さんは登場やいなや、「周囲からは居候役なの?と言われていますが、杏さんの旦那役の若林です」と自虐的な言い回しを交えた挨拶を行った。本CMでは、料理上手で明るい主婦役の杏さん、旦那役には若林さん、若林さんの母親役には戸田さんが起用されている。三菱電機の製品が家族が遭遇する日常のトラブル解決や、家族の絆を確かめ合う重要な役割を担い、全CM共に、期待を上回る体験により「ニクイねぇ!」と杏さんが締めるシリーズだ。「月に1度か2度会うので、家族としての絆が深まっていくように感じます」と杏さん。会見でも、本物の家族同士のようにリラックスした様子を見せていた。司会者から「旦那さんが若林さんと聞いていかがでしたか?」と投げかけられた杏さんは、「最初はオードリーさんとお聞きしていたので、どちらなんだろう、と気になりました」と応えると、若林さんがすかさず「最近春日も三菱電機さんのCMに登場してきていますが、僕は全面的には納得していないです」と、8月26日より放送を開始した「ビジネスもニクイねぇ!」シリーズに起用された春日さんについて触れ、会場の笑いを誘った。この日、杏さんがプライベートでの料理写真を公開。「お店での写真みたい!こんなのお家で食べられないですよ」と大絶賛する戸田さんだったが、「家族がウサギを持って帰ってきて、捌いてシチューにしたんです」という杏さんの仰天エピソードには、戸田さんのみならず、会場全体がざわつくほどだった。しかし杏さんは「なかなか食べられる機会がないんですが、ウサギが美味しくて、余ったソースにベーコンを加えてパスタソースにして頂きました」と淡々と紹介。料理の凄さに圧倒されている若林さんに対し、「若林さんも、こうやって健康管理をしてくださる方をね」と司会者から振られると「なかなかそんな気配がなく。みなさんになんとかしていただかないと」と返答。隣にいた戸田さんから、「最近気配がないとか言いながらドーンと結婚する人が多いじゃないですか、ちゃんと私たちには知らせておいてくださいね」と突っ込みが入り、「あるかもしれませんね」と存在を匂わせた若林さんだったが、「会場が全然盛り上がらないですね。すみません」と、またもや自虐で会場を沸かせた。2年目を迎えた「ニクイねぇ!」シリーズ。今後の豊富について、「『ニクイねぇ!』をいろいろな意味でつくっていくことのできる主婦を目指していきたいと思います」(杏さん)、「心が満たされてウキウキする愉しさを持ってこれからもやらせていただきたいと思います」(戸田さん)、「ちょっとおとぼけな役が多いので『デキる旦那役』になりたいです」(若林さん)とそれぞれ話した。(text:cinemacafe.net)
2015年09月29日