デザイナーの中里唯馬にフォーカスしたファッションドキュメンタリー映画『燃えるドレスを紡いで』が、2024年3月16日(土)に全国で順次公開される。ファッションデザイナー・中里唯馬とは中里唯馬は、パリのオートクチュール・コレクションに日本から唯一参加するファッションブランド「ユイマ ナカザト(YUIMA NAKAZATO)」のデザイナーだ。2008年にベルギー・アントワープ王立芸術アカデミー卒業後、ユイマ ナカザトを設立。翌年7月、日本人としては森英恵以来2人目となるパリ・オートクチュールコレクションの公式ゲストデザイナーに選ばれ、継続的にパリで作品を発表している。世界で活躍するアーティストとのコラボレーションをはじめ、近年は、ボストン・バレエ団の新作バレエ『ラ・メール(LaMer)』の衣装デザインを手掛けるなど、精力的に活動している人物だ。中里のショー制作の旅に完全密着したファッションドキュメンタリー『燃えるドレスを紡いで』は、そんな中里のショー制作の旅に完全密着したファッションドキュメンタリー映画。監督は、『生きてるだけで、愛。』や『太陽の塔』を手掛けた関根光才が務める。もともと、別の仕事で意気投合したという関根と中里。本作では、「生み出された衣服はどこに行くのか」という問いを出発点に、“衣服の最終到着点”ともいわれるアフリカ・ケニアに共に向かい、初となる中里のショーの裏側にも密着する。『燃えるドレスを紡いで』では、役目を終えた衣服が集まったケニアのゴミ山、異臭、川に流れる古着、現地の人々の生活を目の当たりにする中里の姿や、これまで自分がデザイナーとして発表してきたことに自問自答しながらも、新しい衣服づくりの可能性に挑戦していく姿、チーム一丸となってショーの成功へ向かっていく姿を映し出す。ファッションという側面だけにとどまらない、中里自身にもフォーカスした作品となってる。本作で描かれているのは、ひとりのファッションデザイナーが「現実」にぶち当たった時に何ができるのか、そしてそれを見出した瞬間が映し出された時に観る者にとってできることは何かという問題提起だ。普段のおしゃれから少し意識を変えるだけで、未来につながる可能性を発見できるドキュメンタリーに仕上げた。中里唯馬コメント中里は『燃えるドレスを紡いで』公開にあたり、「衣服は何処からやって来て何処へ行くのか。私たちは普段、息をするように、当たり前のように服を着て生活しています。本作を観た方たちが、少し立ち止まって、衣服って何だろう、何で着ているんだろう、そんな風に考えるきっかけになっていただけましたら嬉しいです。」とコメントを寄せている。【作品詳細】ファッションドキュメンタリー映画『燃えるドレスを紡いで』公開日:2024年3月16日(土)監督:関根光才出演:中里唯馬プロデューサー:鎌田雄介撮影監督:アンジェ・ラズ音楽:立石従寛編集:井手麻里子配給:ナカチカピクチャーズ
2024年02月09日今回紹介するのは、「裸足保育」をはじめとする珍しいカリキュラムを多数導入する「中里どろんこ保育園」。園生活の軸となっているのは、子どもが自ら「見て・触れて・聞いて」得られる経験。実際に体験したからこそ知識として身に付き、卒園後もひとりの人間として生き抜ける「 にんげん力」を育みます。思わず大人も参加したくなるような、中里どろんこ保育園の独自カリキュラムに迫ります。 中里どろんこ保育園ってどんなところ?●園生活を通し、子ども自らで生き抜く「にんげん力」を育む●足の発達だけでなく脳への刺激や免疫UPも期待「裸足保育」●いざ南魚沼へ!「田植え・稲刈りツアー」でホンモノの体験を●どうして火は危ないの?「焚き火」で体得する知恵●早期の「性教育」で男女の違いや命の大切さを知る●「縁側給食」は自己決定の場!外で食べる判断や盛り付けも自分で 中里どろんこ保育園は、東京都清瀬市で0~5歳児の子どもを受け入れている認可保育園です。社会福祉法人どろんこ会が2018年に開園しました。 「子どもたちが自分で生き抜く“にんげん力”を育てる」を理念に掲げ、約100名の子どもたちが毎日心弾むようなカリキュラムを実施しています。 PICK UP!先生もハダシ!「裸足保育」で子どもと同じフィールドに立つ 中里どろんこ保育園では、1年中裸足で過ごします。成長期真っ盛りの子どもたちの足の形成、土踏まずの形成など足の発達を助け、疲れたり転んだりしにくい足を育てます。足裏からの刺激は、脳へも良い影響を与えるんだそう。毎日のように裸足で木に登り、芝生を走り回っているうちに、自然と身体も強くなります。 また、裸足で過ごしているのは先生も同じ。「芝生がチクチクする」というのを一緒に感じるなど、同じ目線、フィールドに立って保育がおこなえるというメリットもあるそうです。先生が靴を履いていると大人は想像でしか話せませんが、一緒に体感・共感することは、子どもの喜びや共感力の育成にもつながります。 PICK UP!ホンモノを知る「田植え・稲刈りツアー」は何もかもが初体験 中里どろんこ保育園は園生活を通じてホンモノに触れることを大切にしています。中でも注目したいのは、3歳児から参加できる「田植え・稲刈りツアー」。 中里どろんこ保育園の運営元であるどろんこ会グループは、新潟県南魚沼市に株式会社南魚沼生産組合という農業法人を設立し、田んぼを所有。全園の給食米を自給自足しています。子どもたちは、その田んぼで田植えと稲刈りを体験できます。どのようにお米ができているかを知るだけでなく、自然の美しさや土のにおい、感触を体感できるのが醍醐味。ツアーは宿泊体験も兼ねており、他園(※)の子どもたちと一緒に食卓を囲み、朝を迎えるという貴重な機会にもなっています。実際の生産現場で体験できるのは大変魅力的でしょう。 ※中里どろんこ保育園の運営元「どろんこ会グループ」の 各保育園。全国に100カ所ほどある PICK UP!大人顔負けの「座禅」で無を感じ、「焚き火」で危険と心地良さを知る 中里どろんこ保育園では、「座禅」が朝の会の一環となっています。座禅の目的は、「静と動」のメリハリをつけること。電気を消した部屋で目を閉じて無になる時間は、心が落ち着くだけでなく、子どもながらに感じるものも多いよう。 風の音や小鳥のさえずりが聞こえるなど、普段は気づけないような生活の音や自然の音を知る貴重な時間になっています。 子どもたち自身で枯れ葉や枯れ枝を集めて行う冬のイベント「焚き火」。「火は危ないから子どもは近づけない」というのが一般的ですが、危ないことを知ってもらいたいからこそ、自分たちで火を焚いて熱さや危険性を知る機会を設けています。揺れる 炎は、リラックスに深く関わると言われている「1/fゆらぎ」を感じることもできるそう。 PICK UP!海外では早期教育がスタンダードな「性教育」で命の尊さを学ぶ 子どもの「性教育」に関心が高まってきている現代。日本では小学校から性について学ぶ時間が設けられていますが、どろんこ会グループでは全園で5歳児に性教育を実施しています。 中でも中里どろんこ保育園では、任意で3歳児にも性教育をおこなう時間を設定。プライベートゾーンを守ることの大切さを伝え、命が生まれることの大変さや尊さ、自分が唯一無二の存在であることを知り、命を大切にすることを知ってほしいという願いが込められています。 こんなところもステキ!「縁側給食」は気候に合わせた判断や食べる量を知る時間 毎日の給食やおやつを縁側で食べる「縁側給食」。縁側に限らず、園庭など食べる場所や席も子どもたちが決めます。「今日は暑いからお部屋で食べよう」。そんな声を発するのは、先生ではなく子どもたちです。食事の盛り付けも子どもたちがおこない、自分の食べられる量を知る機会にしているんだそう。離乳食期の子どもにとっても、異年齢保育の中で月齢の違う子どもの様子を見たり、さまざまな 五感を刺激したりする時間に。 自然とともに園生活が送れる中里どろんこ保育園。自然の素晴らしさや変化だけでなく、「痛い」「熱い」などの危険性を知る機会や、自分ができる範囲の理解、自分の思考の把握といった「自分を知る時間」も随所に見て取れます。「この力を育んでほしいからこの教材を」ではなく、ホンモノを取り入れることで、子どもたちは自然と多くの知識を得ています。家庭ではなかなかできない体験を積極的に取り入れているのも、中里どろんこ保育園の魅力と言えるでしょう。
2022年08月20日木上智保子マリンバリサイタル第二弾公演を撮影・配信するためクラウドファンディングに挑戦中Chihoko&『木上智保子マリンバリサイタルvol.2』が2022年9月9日(金) に札幌時計台ホール(北海道札幌市中央区北1条西2丁目)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 木上智保子公式note 木上智保子Twitter(@CKigami) 木上智保子マリンバリサイタル第二弾開催!昨年10月に開催した木上智保子マリンバリサイタルvol.1からもうすぐ1年。ただリサイタルをもう一度開催するのではなく、「木上智保子だから出来る演奏会とは?」と悩み、楽器と向き合い、「実際にお会いした事がある作曲家」「実際に自分で行った事のある場所にゆかりがある作曲家」をテーマに選曲しました。自身が委嘱した作品の再演、2010年以降に作曲された作品、北海道/音更の伊福部昭記念館まで足を運んだ思い出深く( )マリンバ奏者が憧れる名曲「ラウダ・コンチェルタータ」に挑戦します。木上智保子が委嘱した作品は、私自身が発信していかなければ、他の打楽器・マリンバ奏者や聴衆に知って頂くのは困難です。動画があれば、作品を弾きたい・聴きたいと感じてくださる出会いを作れます。映像をハイクオリティに撮影収録し、編集して頂く為にCAMPFIREにてクラウドファンディングに挑戦中です。<詳細> 【プログラム】・Mono / 高松知未(2021年委嘱)・Letters for Marimba / 加藤大輝・「ナハトムジーク」による昼のさざめきⅡ / 三関健斗 (2020年委嘱)・春、立ちぬ (ピアノ伴奏版) / 小野史敬 (2020年委嘱)・ラウダ・コンチェルタータ / 伊福部昭木上智保子リサイタルvol.1より2021年10月30日 (土)開催モエレ沼公園 ガラスのピラミッド(スタジオ1、アトリウム2) (北海道札幌市東区モエレ沼公園1-1)プロフィール木上智保子(マリンバ)広島県出身。広島音楽高校、東邦音楽大学卒業。幼稚園年長よりヤマハ音楽教室に通うものの小学校中学年頃に挫折。エレクトーンアンサンブルのレッスンの中で初めて打楽器に触れる。サッカー、ダンス、バスケットボールに手を出すも音楽に戻り、広島音楽高校にて小川裕雅氏に師事。在学中定期演奏会でソリストに選出されマリンバソロを演奏、国語の授業中に書いた詩が全国区の大会で大賞を受賞し、私には芸術しかない!と決意。東邦音楽大学に進学。西久保友広、河野玲子、安藤芳広、石内聡明の各氏に師事。2012年ザルツブルグ国際マリンバコンクールセミファイナリスト、第18回KOBE国際音楽コンクール打楽器C部門奨励賞、第15回さくらぴあ新人コンクール第3位、第11回イタリア国際打楽器コンクールマリンバ部門Cカテゴリーセミファイナリスト、平成25年度東邦音楽大学卒業代表演奏会出演、令和元年度札幌市民芸術祭新人演奏会出演、2021年度第1507回札幌市民劇場に「木上智保子マリンバリサイタルvol.1」が採用される。2016年より自主企画によるクラシックコンサートを広島〜北海道にて平均年3回程度開催。コンサートホールから酒屋まで場所を問わず、現代音楽とマリンバの普及の為活動する。コロナ以前の活動から電子チケットの導入や、クラウドファンディングを利用したチケット販売を活用したデジタルの利用を積極的に行う。2018年より新曲委嘱初演にも積極的に挑戦している。北海道4年生。青野有里(ピアノ)札幌大谷大学芸術学部音楽学科ピアノコース卒業。同大学卒業演奏会に出演。第8回横浜国際音楽コンクール 2台ピアノ部門全国大会第2位。札幌新人音楽会、JRタワーそらのコンサート、北海道立近代美術館ロビーコンサート等、多数の演奏会に出演。これまでにピアノを山本智子、中山ヒサ子、丸山滋の各氏に、室内楽を阿部佳子氏に師事。現在道内を中心に演奏活動をしている。開催概要Chihoko&『木上智保子マリンバリサイタルvol.2』開催日時:2022年9月9日(金) 開場18:40/開演19:05 (休憩あり、20:45終演予定)会場:札幌時計台ホール(北海道札幌市中央区北1条西2丁目)■出演者マリンバ: 木上智保子 / ピアノ: 青野有里■スタッフChihoko&■チケット料金一般:2,500円学生:1,500円(全席自由・税込)助成:(公財)道銀文化財団後援:札幌市 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年07月13日「万華鏡展2019」が、渋谷・Bunkamura Galleryで2019年9月29日(日)まで開催される。「万華鏡展」は、毎年開催され今回で17回目を迎える万華鏡のイベント。大御所作家の最新作から、新人作家の作品まで、国内外から約1,000点の万華鏡を一挙に展示販売する。今回は、アメリカでの世界大会で6度目となる最優秀作品賞を獲得した万華鏡作家・山見浩司の軌跡をたどる特設コーナーや、人気作家による「アール・ヌーボー」がテーマの万華鏡、ハーバリウムで表現したユニークな万華鏡などが登場。中里保子、羽石茂&泉などの世界的な作家が出展する他、初の公募展も開催される。個性豊かな万華鏡が一堂に会する、貴重な機会となっている。【詳細】万華鏡展2019会期:2019年9月21日(土)~9月29日(日)開館時間:10:00~19:30会場:Bunkamura Gallery住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1【問い合わせ先】Bunkamura GalleryTEL:03-3477-9174
2019年09月27日「Bunkamura 万華鏡展 2018」が、2018年9月13日(木)から9月26日(水)まで、東京・渋谷の東急百貨店本店3階のイベントサロンにて開催される。毎年、東京・渋谷のBunkamura Galleryで行われている都内最大級の万華鏡イベント「万華鏡展」。東急百貨店本店に会場を移しての開催となる2018年度も、日本の万華鏡第一人者である山見浩司をはじめ、羽石茂&泉、佐藤元洋、中里保子、関一、傍嶋飛龍、若林寛ら人気作家の最新万華鏡が集結する。一口に万華鏡と言っても、その形状や映し出される模様は多種多様。例えば、2018年5月にアメリカ・テネシー州メンフィスで開催された万華鏡の世界大会において、自身5度目となる最優秀賞を受賞した山見浩司の作品「LOVE ME TENDER」は、エルヴィス・プレスリーとギター、クラシックカーを象ったユニークな作品。プレスリーの頭部とギター上部の2箇所から中を覗く仕様になっており、1台で2種類の美しい映像を楽しむことができる。また、初心者からセミプロまで、毎年人気を博している万華鏡ワークショップも、新たな講師を迎えて開催。作品の展示鑑賞と合わせて、万華鏡の既成概念を覆す光の世界を体感してみてはいかがだろう。【開催概要】「Bunkamura 万華鏡展 2018」開催期間:2018年9月13日(木)〜9月26日(水)会場:東急百貨店 本店 3Fイベントサロン時間:10:00~19:00 ※最終日17:00まで【予約・問い合わせ先】Bunkamura GalleryTEL:03-3477-9174
2018年08月27日都内最大級の万華鏡イベント「万華鏡生誕200年 万華鏡展2016」が、9月17日から9月28日まで東京・渋谷のBunkamura Galleryで開催される。近年、美しいアート作品として生まれ変わっている万華鏡。ガラスや木工の工芸作家の専門技術が加わり、覗き込んだ時の映像の素晴らしさに加え、外観も劇的な進化を遂げている。今年、万華鏡生誕200年を記念し開催される本展では、最先端の万華鏡を一挙に紹介。会場では、毎年アメリカで開催される万華鏡の世界大会で2016年度最優秀賞を受賞した日本の万華鏡界の第一人者、山見浩司の作品の特別展示に加え、山見作品の世界観を表現した特集コーナーも展開。また、モダンな万華鏡を制作する女性万華鏡作家、中里保子による最新作「This is it!」をはじめ、アクセサリー万華鏡デザイナーでナンバーワンの実力者、関一(せきはじめ)による、ファッション性の高い万華鏡、変幻自在に移り変わる万華鏡の映像を、“ハッと驚く瞬間の出会いを永遠に見ていたい!”というイメージで描かれた3人の人気アーテイストによる万華鏡絵画も展示される。さらに、羽石茂&泉、傍嶋飛龍、堀越順子、黒川達也、林和子など、人気の作家達による魅力的な万華鏡も集結。同作家たちに制作を依頼したBunkamuraの限定記念モデルを「bicentennial(200年記念)」の刻印付きで特別に販売。今年のテーマである「花」と「宇宙」をイメージした万華鏡の特設コーナーや、プラスチック製万華鏡などもラインアップしている。なお、同ギャラリーで毎年好評の万華鏡ワークショップが今年も開催。日本を代表する万華鏡作家・鈴木明子、山見浩司、佐藤元洋からオリジナルの万華鏡作りを直接教わることが出来る。詳細についてはBunkamura Galleryのオフィシャルサイトで確認しよう。【イベント情報】「万華鏡生誕200年 万華鏡展2016」会場:Bunkamura Gallery住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura 1階会期:9月17日~9月28日時間:10:00~19:30入場無料会期中無休
2016年09月01日約3年前、ここのがっこうの卒業制作発表で出会ったファッションデザイナー・中里周子と伊勢丹新宿店TOKYO解放区担当バイヤー・寺澤真理。ファッションを愛する2人が語る「ファッションの未来」、そして「真面目と不真面目」とは?■宇宙には夢がある。だから、みんなの「見たい!」をカタチにしたー今回は宇宙に伊勢丹の支店を出すというコンセプトですが、宇宙ってそれだけで未知ですよね。中里周子(以下、中里):宇宙には単純に夢がありますよね。広がりもでますし。今回は本当に多くの人に企画に協力して頂いて、なんとエジプト考古学の吉村作治先生もアイシングクッキーに恵比寿様のような出で立ちで登場しています。周りにスフィンクスたちを引き連れているという(笑)JAXAさんから宇宙服もお借りしてきました。私の昔のバイト先「青山TWINS」とも、くすっと笑ってしまうような、人の心をくすぐるような物を作らせて頂きましたど。みんなが「見たい!」と思うものを一緒に作り上げていった感覚です。寺澤真理(以下、寺澤):みんながみんな、業務だからみたいなことだけじゃなくで「何か面白いものが待っているかもしれない!」っていう熱量で動いているなという感じでしたね。そういったプロセスにも可能性があると思います。中里さんには「何かその先にある」と思わせる才能があると思っています。■ファッションからは、人間に対する愛を感じるー中里さんは「ファッションデザイナー」という肩書きを使われていますね。何か拘りがるのでしょうか?中里:アーティストという括りで紹介されることも多いのですが、「ファッションデザイナー」であることには拘っています。私が言う「ファッションデザイナー」とは“人間に関わる全ての接触のカタチを提案する人”という意味。ファッションをやっているからこそ、人に対して提案する何かがあると思っています。16SSのロエベで、J.W.アンダーソンが脚にラップみたいなものを巻いてきたように、ファッションだからこその人に対する無理強いのようなものがあるように感じますね。この重くも軽くも人間に対して反応できることこそ、ファッションだからこそ持ち得る人間に対する視点だなと思います。人間に対する愛を感じる。ファッションだからこそ持ち得る、人への愛。これが大事。■「真面目」を知っているからこそ、「不真面目」になれるーこのファッションにおける攻め感を受けて立つ時の感覚を言葉で表現するならば?中里:絶対的な美であるモードに対して、「ヘタレ」で挑戦していくことですね。パッと手のひらを返すような美意識を打ち出すことで、モードを翻すこと、それが「ヘタレ」です。もう一つ「不真面目」には美があるんじゃないかとも考えています。「ヌケ感」の底面には「不真面目」があるんじゃないかという考え方です。「モード」と「アンチモード」という二項対立ではなくて、「不真面目」って、全然違うレイヤーにいてひょっとやって来るようなイメージなんです。だから「モード」に対する「アヴァンギャルド」、分かりやすく言えば、コムデギャルソンのような反骨精神を持つことは、「不真面目」とはまた違ったもののような気がします。「不真面目」をイメージするなら、90年代だったらブレスの「自分たちは友達が大事だし、ここで飲みながら展示会やるよ」っていう空気感。だから、「不真面目」とは「おしゃれ」とも近い感覚ですね。「不真面目」なだけだったら心は動かない。「おしゃれ」と「不真面目」と「エレガンス」、この要素がファッションには必要だと考えています。寺澤:それに近い感覚だと「ユーモア」と「知性」と「インテリジェンス」がありますね。ユーモアは誰かをけがしたり、傷つけたりする訳ではないし、そもそも知性がないとユーモアが生まれない。だから「不真面目」も「真面目」を知っていないと生まれないんですよね。その「真面目」から「不真面目」への外し方にその人の個性が出る。それが美意識だと思います。ーいずれにせよ、ファッションにおける立ち位置が、個人の美意識による訳ですから、非常に人間らしい振る舞いと言えそうですね。寺澤:それに、人に対する愛情が表現に繋がっている人のファッションには、こちらも熱量や愛をちゃんと感じますね。そこに愛情がない場合は工業製品かのように感じてしまう。TOKYO解放区の役割はお客さまに「ファッション」を提案することなんだと思っています。モノを買う時の、心が突き動かされる感じ。商品というモノにはなっているのだけど、気持ちがこもってるものが持つ力を私は信じていて、それを共有できる人と一緒に仕事をしたいと思っています。ストーリーがあるファッションの方が、きっとみんなを幸せにするし、寒さが凌げるとか機能をうたったファッションより、これからの未来はより役に立つんじゃないかなと感じています。これからは「思いを持った人」「感覚を大切にする人」が、人間同士いい仕事が出来るんだなと思います。■ISETAN宇宙支店も、だれかの「なんか楽しい」になりたい中里:今回の企画「ようこそ、ISETAN 宇宙支店へーわたしたちの未来の百貨店ー」も多くの人にとっては「はてはて」と思うんじゃないかと思います。寺澤:一つ思うのは、今回の企画にはこれからの未来にとって何かしらのヒントがあると思っています。私が約3年前、中里さんの卒業制作を見て「はてはて、まったく理解出来ないぞ。でも、なんか楽しい」と感じたみたいに、考え方だったり、発想だったり、気付きが噛み締めていくと見つかると信じています。そして、中里さんは、そういったヒントを与えてくれる人なんだと思います。■たとえ買ってくれなくても、作品が誰かの「ネタ元」になったら嬉しいー中里さんの考える未来の自分はどんなイメージですか?中里:大事にしているのは、「ネタ元」でありたいということです。私の作品を見て、買ってくれなかったとしても、その概念や心意気から何かを感じ取ってもらいたいと思っています。私はよくこういった(馬の時計)ものを買うんですけど、時計なのに時計はちっちゃいし、馬のしっぽと身体は質感が違うし「何でそこまでするの!」という意識が発動して、自分だったらこの馬の時計をどう別のものとして表現出来るかを考えてしまいます。そこから、次の提案のアイデアが生まれてくる。自分の作品はそういうネタ元であって欲しいと思っています。身近なところでは、水槽のカタログも作ってみたいし、ドバイにも今は興味があります(笑)。あと2年以内にドバイ進出したいです。アラブ圏ではジュエリー感覚で、鷹を手に乗せているみたいだし。自分達が理解出来ない美意識に、あえて挑戦したい気がします。あとは、ビジネス面を強化していきたい。本当は5000%の熱量で作品作りに向き合うことはいくらでも出来るけど、自分が夢中になってしまうと、周りの人のことが見えなくなってしまう。だから80%の力で全体を俯瞰する力も必要だなと思っています。そう考えると「NORIKONAKAZATO」も「自己表現の場」というだけでなく、ブランドとしての振る舞いを俯瞰することで、いろんな可能性が見えてくるのかなと最近考えています。【イベント情報】タイトル:ようこそ、ISETAN 宇宙支店へーわたしたちの未来の百貨店ー会場:伊勢丹新宿店本館2階=センターパーク/TOKYO解放区会期:15年12月26日から16年1月12日前半「中里周子×寺澤真理『ファッション×デジタルを考えたら、宇宙に行き着いた』」へ戻る。前半「中里周子×寺澤真理『ファッション×デジタルを考えたら、宇宙に行き着いた』」へ戻る。
2016年01月03日新春、ファッションデザイナー中里周子が考える3016年の百貨店の姿を提案したポップアップショップ「ようこそ、ISETAN 宇宙支店へーわたしたちの未来の百貨店ー」が、伊勢丹新宿店本館2階=TOKYO解放区にオープンしている。中里は、14年欧州最大のファッションコンペティション「ITS(International Talent Support)」のジュエリー部門で日本人初のグランプリを受賞。現在は、東京藝術大学美術学部芸術学科博士課程に在籍中というキャリアの持ち主。ファッションにおいても、強烈なメッセージと個性を放つ彼女から、目を離せない。今回は、中里がITSで受賞する約1年前に彼女と出会った、同ポップアップショップの舞台となるTOKYO解放区の担当バイヤー・寺澤真理が「ファッション」をテーマに熱いダブルトークを繰り広げる。二人の出会いの場となったのは、山縣良和が主催する「ここのがっこう」の卒業制作発表会。どうやら、当時から中里は「デパート」に関心があった模様…。■正直、はじめて中里さんの作品を見たときは「なんだこれは?」と思ったー中里さんと寺澤さん、お二人が出会ったのは「ここのがっこう」の卒業制作発表の時だったと聞きました。どんな印象を持ちましたか?寺澤真理(以下、寺澤):13年3月にリトゥン(アフターワーズ)の山縣(良和)さんにお声がけ頂いて、「ここのがっこう」の卒業制作の講評を担当しました。その時の卒業生に中里さんもいて、正直そこで中里さんの作品を目にした時は「なんだこれは?」と思いましたね(笑)中里周子(以下、中里):その時、私が作っていたのが「デパートプロジェクト」。架空のデパートを作るために、ダイナマイトでデパートを作るための土地を爆破する映像や、架空の商品を掲載したショッピングカタログ、人の顔がつながったアクセサリーや洋服などを並べて発表しました。商品説明VTRもありましたね。ー出会いの時から、「デパート」をテーマにした作品を発表していたなんて、運命的ですね。中里:子供の頃から、完成形の物を見せる場であり、何でも買えるものがあるというデパートに惹かれるものがありました。高校が新宿にあったので、学校帰りに伊勢丹に寄ったり。なんだか「伊勢丹は提案するエネルギーが凄いな」と当時の私は思っていました。寺澤: 約3年前の卒業制作発表の時は、中里さんはぶっ飛んでいて面白いけど、販売する場を持っている私から見ると「物を売ること」、つまりは生業に出来る「モノに落とし込む」という表現活動とは一番遠い存在の方かなと、その時は思っていました。講評でも、アーティストとして、その発想のユニークさを活かしたらいいのではとお伝えしていました。■中里さんとだったら、きっと考え方のシフトが出来ると思ったーそんなお二人が今年1月12日まで伊勢丹新宿店で「ようこそ、ISETAN宇宙支店へーわたしたちの未来の百貨店ー」と題したポップアップショップを展開中です。「百貨店という場所で、物を販売する」ことに至るまでに、どんな変化があったのでしょうか?中里:14年の秋冬からブランド「NORIKONAKAZATO」をスタートしたこともあり、どう見せたら自分の作品を手に取ってもらえるのかを考える機会が多々ありました。自分の作品が持つ世界感を大切にしているので、展示会をして、バイヤーさんに来て頂いて、オーダーをつけてもらうというやり方にはあわないなと思うこともあります。例えば、グループ展示会で他のブランドと同じ照明やラックで自分のブランドの服を展示したことがありました。様子を見ていたら、ほとんどの人が私のラックの洋服に手を伸ばさないんです。その時「あぁ、私はこのやり方を続けていたら進歩しない」とふと思いました。つまり、見せるものと、見せる場所が一致していなかったんです。その時考えたのは、みんなの作品が展示会場で手に取れるとしたら、「NORIKONAKAZATO」の商品は、その会場の窓から望遠鏡で向かいのビルを見ないと見られません」とか、そのくらい作品を見せる時の在り方を考えなくてはいけないと思いました。寺澤:私もここ数年、百貨店が従来のように「モノ」を販売することで、お客さまから対価を頂くというかたちの限界を個人的に感じていました。もっと何か別の、次のやりかたにシフトする時期がやってきているのではないか?という、もやもやした思いの突破口の一つに、“物に価値を落とし込むこと”ではない提案をしていくことに可能性があるのではと考えていて、その考え方のシフトが中里さんとだったら出来るんじゃないかと思いました。そんな時、中里さんが昨年写真家・小林健太さん開催した二人展「ISLAND IS ISLAND」でPsychic VR LabさんとVRシステムを使った表現をされることを知ったんですよね。■ファッション×デジタルについて考えたら、宇宙に行き着いた中里:去年の8月末くらいに、寺澤さんから「ファッションとデジタル」をキーワードに、年末年始に伊勢丹で何か出来ないか?という相談を頂きましたよね。ここ数年は、自分の表現を手にとりやすい形に落とすためのバランスを模索していた時期とも言えるかもしれません。だから、自分の表現を手にとりやすい形に落としてみようと思っていたタイミングだったこともあり、やってみたいなと思いました。寺澤:そこからは、伊勢丹チームと中里さんで、7~8回はブレストをしました。ブレストの中から「伊勢丹を宇宙に持っていけたらいいんじゃない?」というアイデアが出て、そこからは加速度を増して企画がふくらんでいった気がしています。中里:私自身は「ファッション×デジタル」を表現するにあたって、光るテキスタイルを使うなど、いわゆる新しいテクノロジーが可能にしたファッション提案をする役割のデザイナーではないと思っています。テクノロジーと真っ向勝負するより、別の角度から「裏技的な」提案をすることが大事だと考えていて、それは単純に「すごい!」とか「おもしろい!」とか、まずそういう直感的な感覚を表現したいなと考えました。だから、才能の無駄遣いというか「ぬけ感」のあるアプローチに繋がっているんだと思います。それは、しっかりとした場であえてふざけてみることで、物事の本質が見えてくるとも考えているからです。■ファッションは必ずプラスの感情で終わらなくてはいけないー中里さんのお話を伺っていると、「表現すること」「伝えること」に対する強い思いを感じます。なぜそこに思いを寄せるのでしょうか?中里:私は人間に関わる全ての“接触の瞬間”に興味があるんです。接触みたいなものをいつも探していて、それを可能にするのがファッションだと思っています。ファッションがアートとこれだけは違うなと思っているのは、ファッションは必ずプラスの感情で終わらなくてはならないという点。「汚い…」とか「触りたくない…」とかでは、ファッションは成立しません。「かわいい!」とか「かっこい!」とか、ファッションと人の接触部分でプラスの感情が生まれます。アートはいわゆる「美」がそこになくても、その価値観は文脈の中で理解していくものなのです。だから、必ずしもプラスの感情につながる表現が全てではないですよね。その意味で、ファッションと人の接触の場所を考える=伝え方を考えることになるんだと思います。そう考えると、百貨店はリアルな売買の場であり、ファッションと人の接触の場でもあります。寺澤:「モノが売れること」が単純でもあり、難しいことでもありますよね。例えば、あるモノを手にした時に人は心が突き動かされたり、そこに共感が生まれたりすることが、購買に繋がるのではないかと思います。私の担当するTOKYO解放区は、13年の3月に伊勢丹新宿店がFASHION MUSEUMをコンセプトにリモデルした際に生まれました。トラディショナルでコンテンポラリーな一面も担う伊勢丹新宿店の中で背負っている役割は、ファッションにおける中里さんの役割と重なる部分もあるのではないかと思います。モノを売るということだけではなく、その先につながる価値観を提案することが役割なのではないかと。中里さんの価値観を提示するというファッションの在り方に未来性があり、将来性があると思っています。今はまだ、色々ともやもやしているし、難しい課題に直面しているなという感覚ですね。もしかしたら、今が何かの通過点の時期なのかもしれない。既成概念やルーティーンを打ち破る時が来ているのかなという気もしています。後編「中里周子×寺澤真理『ファッションだから持ち得る、人への愛。これが大事』」に続く。
2016年01月03日西暦3016年、伊勢丹初の宇宙支店がオープンする、というストーリーでファッションデザイナーの中里周子が提案するポップアップショップ「ようこそ、ISETAN宇宙支店へーわたしたちの未来の百貨店ー」が26日、伊勢丹新宿店本館2階=TOKYO解放区にオープンする。16年1月12日まで。同ショップでは、3016年のトレンドや、宇宙の百貨店の在るべき姿を中里独自の視点で切り取り表現する。また、彼女が「旅行」「お土産」「お正月」をキーワードにセレクトしたポップなアイテムにも注目したい。中里が手掛けるエヌエヌ(nn)からは、3016年のトレンドアイテムとして、宇宙百貨店の制服や旅行の必需品であるパジャマなどを展開。また、宇宙支店内には地球で見かける土産品として、エジプト考古学の吉村作治教授やスフィンクス、ツタンカーメンをモチーフにしたお菓子なども並ぶ。また、巨大ジオラマのインスタレーションなども行うクリエイティブスタジオKLOKAからは、時空を飛び越えたかのような奇想天外なお土産アイテムを展開する。案内人を務めるのは、乃木坂46の伊藤万理華と堀未央奈。伊藤は、宇宙トラベル「nn air」の添乗員として、伊勢丹新宿店から宇宙支店への小旅行を案内するキャピンアテンダント。堀は宇宙支店の案内人として、肩に宇宙仕様の猿を乗せた宇宙支店の制服スタイルで、宇宙支店を訪ねる客を迎える。また、VR研究開発チームPsychic VR LabとのコラボレーションによりISETAN宇宙支店までの旅をお届けする。会期中、同ショップでは、バーチャルリアリティで新しい旅を体験することが可能。3016年に思いを羽ばたかせ、宇宙への未知の旅路を楽しめる「ISETAN宇宙支店」。中里自身が「宇宙には夢がある。この企画に、5000%の熱量で挑んだ」という渾身の宇宙への旅を、年末年始のプランに加えてみてはいかがだろうか。中里周子と「ようこそ、ISETAN宇宙支店へーわたしたちの未来の百貨店ー」担当バイヤー・寺澤真理との対談を、16年1月3日に公開予定。【中里周子プロフィール】2011年立教大学文学部文芸思想専修総代卒業。同年より「ここのがっこう」でファッションデザインを学ぶ。14年欧州ITS(International Talent Support)で日本人初ジュエリー部門グランプリ・スワロフスキーアワード、アートワーク部門ファイナリスト選出。現在、東京藝術大学美術学部芸術学科にて博士課程在籍中。動画引用元: (ISETANPARKnetオフィシャルYouTube:
2015年12月25日