株式会社ぶどう社(所在地:東京都世田谷区、代表者:市毛 未知子)は、30年のロングセラー「ことばをはぐくむ」(著者:中川 信子)の新装版を2024年2月14日に発売いたしました。1,760円(本体1600円) A5判・160ページ●著者からこの本の初版が出たのは37年前のことです。当時勤めていた療育機関の保護者の方たちに、「ことばは、専門家の特別な指導を受けないと伸びないわけではありませんよ。毎日のくらしの中に、ほら、こんなにたくさんの題材がありますよ」とお話ししていた内容を、もっと多くの方にも知らせたい!という願いをこめて書きました。私がこの本で書いたのは、「こうすれば、もっといいのではないか」「こう考えると、もっとわかりやすいのではないか」という、ひとりの「ことばの先生」の考えにすぎません。どうか、うのみにしないで、ほんとうに納得できるかどうか、ご自分にひきよせて考えてみてください。この本が、すべての子育て中の方たちに「ひとりではない」と思えるための材料を、ささやかに提供できれば幸いです。●もくじ序章 子どもとひらく「ことば」の世界第1章 心を育て、ことばを育てる第2章 脳のはたらきとことば第3章 ことばときこえのしくみ第4章 ことばのビルを建てましょう●著者中川 信子 (なかがわ のぶこ)言語聴覚士(ST) 1948年東京生まれ長年にわたり幼児のことばや発達の相談事業に従事。現在は、東京都狛江市の特別支援教育巡回専門家チームの一員として、市内の小中学校の巡回を行っている。子どもの発達支援を考えるSTの会代表。2022年母子保健事業功労者として「厚生労働大臣表彰受賞」。●書籍概要発行 :株式会社ぶどう社著者 :中川 信子版形 :A5判頁数 :160ページISBN :978-4-89240-258-6Cコード:C0037定価 :1,760円(税込)<販売サイト>Amazon: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月27日お笑いトリオ・ぱーてぃーちゃんの信子が20日、ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」のトーク番組『恋のよもやま座談会“恋ナナイト”』に出演。結婚生活について語った。『恋のよもやま座談会“恋ナナイト”』は、ぱーてぃーちゃんの3人が、ライバーやリスナーが抱える恋愛にまつわるさまざまな悩みやエピソードを引き出す番組。番組冒頭、すがちゃん最高No.1が「結婚生活は、恋とはまた違いますか?」と尋ねると、信子は「うちはまだ相手に恋できてる!」と答える。続けて、すがちゃんが「ときめくときとかあるの?」と質問すると、信子は「あるある! 余裕で」と即答。「寝顔がブサイクなときとか(笑)」と笑顔を浮かべた。また、すがちゃんから「旦那さんは信子の『ここがかわいい』とかあるの?」と聞かれ、信子は「うち、今、ブリーチで髪がちぎれてるじゃん? 寝起きのときとか、ここ(頭頂部の髪)だけピンって立ってたりするのね。そしたら、『ひよこたんだ! ひよこたんだ!』って言って追いかけてくる」と赤裸々に告白。すかさず、すがちゃんが「ちょっとね、もっと遠いところに引っ越してほしいですね」とツッコミを入れて、笑いを誘っていた。なお、『恋のよもやま座談会“恋ナナイト”』は、本日24日(20:00〜)に第2回が配信予定。
2023年07月24日10月15日、東京芸術劇場 プレイハウスにて、森山未來と脳科学者の中野信子、イスラエル出身の振付家・ダンサー、エラ・ホチルドの共同制作による新作パフォーマンス『FORMULA』が開幕した。ダンサー、表現者として次々と新たなチャレンジにのぞむ森山が、中野の科学者としての膨大な知識とそれに基づく視点に刺激を受けて実現に至った、異色のコラボレーションだ。初日前日に実施されたゲネプロでは、舞台上のパフォーマンスのほか、劇場ホワイエにしつらえられたインスタレーションや映像作品も公開、「没入型アートコンプレックス」としての独自の世界観を打ち出した。客席に入ると、通路脇に建てられたいくつもの杭が視界に。舞台上の、木造住宅を想起させる装置がまるで客席にまでなだれ込んできたかのようだ。セノグラフィーを手掛けたのは川俣正。また衣裳の廣川玉枝、サウンドスケープの原摩利彦、グラフィックデザインの岡﨑真理子と、国際的に活躍するアーティストたちが集結した舞台だ。印象的な場面はいくつもある。川俣の舞台装置の延長ともいえる梯子や建具の断片らしきものを手にしたダンサーたちが紡ぐのは、jひとつつの家族を思わせる風景。森山の日常的なつぶやきのようなセリフから展開するシーンには、とても他人事とは思えない切実な思いが潜む。身近な人の死を思わせる場面は、誰もがいつかは経験する局面に真摯に向き合うダンサーたちの姿が、深く心に突き刺さる。クリエーションを振り返った中野は、「心理学、臨床心理学では、死を考えるということは、“生きたいから”だと解釈する。死にたいと口にするのは、いま生きている状態がすごくいやだというメッセージ──もっと良く生きたいという意味。未來くんはそこをもっと描いてもいいのではと思っていたが、それは実現できたのではないか」とコメント。東京、大阪公演では中野の作品である脳波測定体験アートが付いたチケットも発売され、話題に。プロジェクトの核となる森山も、「信子さんとの出会い、さまざまなアーティストとの出会いの中で見えてきたものがある。人間が人間たらしめるものとは何なのか──。人と人とが繋がっていくこと、関わっていくことが、その良し悪しは関係なく、僕ら人間に宿命づけられているもの。それによって僕らは生きていくのだということを、この1年近くのプロセスの中で感じてきました」と語った。さらに、ダンス作品としての強度を実現したのは、インバル・ピント&アヴシャロム・ポラック・ダンスカンパニー、バットシェバ舞踊団で活躍したダンサー、振付家、エラ・ホチルドだ。「誰もが共感できるようなストーリーです。作品を通して、自分自身を見るような気持ちになってもらえたら」と胸の内を明かした。さまざまな才能が集う独創的なプロジェクトだ。それを可能にした森山の創造力と、多くの才能を巻き込む求心力が、鮮やかな印象を放った。東京芸術劇場プレイハウスでの東京公演は10月23日(日)まで。その後、仙台、福岡、大阪、名古屋、高知での公演が予定されている。ライター:加藤智子
2022年10月19日映画『メタモルフォーゼの縁側』(6月17日公開)の大ヒット祈願舞台挨拶が8日に都内で行われ、芦田愛菜、宮本信子、高橋恭平(なにわ男子)、生田智子、光石研、狩山俊輔監督が登場した。同作は「このマンガがすごい!」「文化庁メディア芸術祭 マンガ部門」など数々の漫画賞を受賞した鶴谷香央理による同名漫画の実写化作。17歳の人付き合いが苦手な女子高生・佐山うらら(芦田)と、夫に先立たれ孤独に暮らす75歳の市野井雪(宮本)の2人がBLをきっかけに出会い、年の差58歳の友情を育む。2011年公開の映画『阪急電車 片道15分の奇跡』ぶりの共演となった芦田について、宮本は「『阪急電車』では、私の手のひらにすっぽりとこの手が入ったんですよ! 10年経ったらすごい素敵なお嬢さんになって、もう"愛菜ちゃん"と言えないんですよ。"愛菜さん"と言わないといけないなと思いました」と成長に驚く。芦田「そんな、全然です。ありがとうございます」と恐縮する様子を見せた。また、自身の夢について聞かれると「みんなが遊びにきてくれるお家にしたい!!」というフリップを見せた芦田は「将来、一人暮らしとかしてみたいなあと思っていて」と願望を吐露。「『居心地いいよね』とか、みんなが集まろうとなった時に『じゃあ、愛菜の家で』みたいな感じで言ってもらえたりしたいなと思って。実は結構寂しがりなので、一人暮らしをしたいけど寂しくないような、みんながワイワイしてくれる家にしたいな、なんて妄想してます」と明かす。家の理想としては「こたつとか憧れますね。みんなで入ってテレビの前とかでゴロゴロしたらいいなと思いました」と語った。
2022年06月08日女優の芦田愛菜と宮本信子が映画『メタモルフォーゼの縁側』(6月17日公開)の主題歌を務めることが30日、明らかになった。同作は「このマンガがすごい!」「文化庁メディア芸術祭 マンガ部門」など数々の漫画賞を受賞した鶴谷香央理による同名漫画の実写化作。17歳の人付き合いが苦手な女子高生・佐山うらら(芦田)と、夫に先立たれ孤独に暮らす75歳の市野井雪(宮本)の2人がBLをきっかけに出会い、年の差58歳の友情を育む。芦田と宮本は、熱狂的なファンを持つ男女2人のバンド・T字路sの「これさえあれば」をカバー。T字路sによる演奏のもと、「うらら&雪」のコンビ名で歌唱を披露した。T字路sは、本作では主題歌のみならず音楽全般を担当し、映画音楽を制作するのは初となった。河野英裕プロデューサーは「昔から好きなアーチストでしたが、T字路sを聞いていると映画のイメージがどんどん膨らんできて。だったら思い切って音楽を頼んでみようかなと。ボーカルはなくてもそのメロディと音で、この映画を違う場所まで運んでくれるに違いないと。そして映画の最後、エンドロールまで全部ひっくるめて物語が完結するようにしたかったので、どうしようかと悩んでいたら、『これさえあれば』というT字路sの曲があるじゃないかと。“これ”はBLでもいいし、隣にいる誰かでもいい。好きな音楽でも本でも場所でも食べ物でも何でもいい。この物語のためにある曲だと思いました」とT字路sの起用についてコメント。さらに、ギターヴォーカルの伊東妙子はうららの母親役として俳優出演も果たしている。また、4月8日より特典付き前売り券がメイジャー通販サイトにて販売開始される。前売券購入特典として、映画のキャラクターや場面を両面にあしらった「オリジナルクリアファイル」か、劇中で主人公たちが熱狂するBL漫画のキャラクター咲良と佑真(作画:じゃのめ)をあしらった「咲良&佑真のトキメキ バックハグクリアポスター」のどちらかが選べる。○芦田愛菜 コメントスタッフの皆さんにすぐ後ろで見て頂きながらレコーディングしたので、すごく緊張していたのですが、歌っているうちにだんだん楽しくなりました。漫画に出会えたうららの気持ちになって、歌えたような気がしています。この曲を聴いていると雪さんとの二人のシーンが思い浮かぶんです。素敵な映画のエンディングになったと感じました。○宮本信子 コメント二人の歌をエンドロールにしたい! と言われた時は、もうビックリしました。青天の霹靂! 責任重大!とてもむずかしい楽曲でしたが、レッスンを受けて、なんとか本番に間に合いました。レコーディングは緊張しましたが、先生からの「信子さん、のって、のって~~歌って~~。いつものライブのように!」のお言葉を胸に、楽しく一生懸命歌いました。○T字路s コメント・劇伴を制作した感想劇伴音楽の制作はまったく初めてのことでしたが、私達が何より幸せだったのは、この作品をとにかく大好きになったことで、手探りながらも無我夢中で情熱を傾けることができました。うららも雪さんも愛しくてたまらなく、だからこそ、寄り添い感情移入するところ、逆に俯瞰したり距離を置くところ、シーンによって試行錯誤しました。普段は作らないような曲調、使わないような楽器や音響効果を織り交ぜたりもして、この上なく楽しく充実した、全力の挑戦でした。・芦田愛菜、宮本信子のレコーディングを終えた感想うらら(芦田さん)と雪さん(宮本さん)おふたり+おふたりが、今日まで生きて来られたなかで紡がれた物語そのものが乗り移ったような歌声に、歌い出した瞬間にハッとして引き込まれ、歌い終わる頃には胸がいっぱいになりました。簡単なようで節回しがややこしく歌いにくかったかと思うのですが、こんなにチャーミングに、晴れやかに、凛々しく、表現してくださりとても嬉しく感激しました。実は10年以上前に作った曲なのですが、この映画のために作ったかのようにぴったりですよね?・完成した映画を観た感想自分達が作った曲が実際に映像に当てはめられると、表情(から感じ取られる心情までも)が、音楽に合わせて変化してゆくように見えて、震えるほどの感動がありました。傍目には何の変化もないように見えるかも知れない、でも、好きなものが出来ただけで人生はこんなにも動き出し、輝く。うららを、雪さんを抱き締めたいと思う気持ちは自分自身を抱き締めたい気持ちでもあると感じます。劇伴制作をしながら何十回観たかわからないけれど、完成した映画はますます愛おしい作品になっていました。たくさんの人に観て欲しいし、何回でも観て欲しいと心から願っています。(C)2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会
2022年03月31日鶴谷香央理の漫画『メタモルフォーゼの縁側』が、2022年6月17日(金)に実写映画化。芦田愛菜、宮本信子が出演する。鶴谷香央理の漫画『メタモルフォーゼの縁側』を実写映画化鶴谷香央理の漫画『メタモルフォーゼの縁側』は、2017年の連載スタート以降じわじわと話題を呼び、「このマンガがすごい!」「文化庁メディア芸術祭 マンガ部門」など数々の漫画賞を受賞した人気作。“BL漫画”をきっかけに、17歳の女子高生と75歳の⽼婦⼈が女の友情を育む物語だ。年齢も立場も肩書きも全く違うけれど、一緒に漫画を読んで、一緒に笑って、一緒に泣いて、時には激論を交わす。それまでBL漫画を一人で密かに楽しんでいたうららは、大好きな趣味の話題を共有できる雪という存在ができ、クラスメイトとの関係性や新しいことに挑戦したり、少しずつ意欲的に変わっていく。BLでつながったふたりの人生は、意外な方向に転がりだして...。芦田愛菜&宮本信子が“BL漫画”でつながる親友役に“年の差58歳”の親友役を務めるのは、芦田愛菜と宮本信子。2人の共演は芦田愛菜が第54回ブルーリボン賞 新人賞を史上最年少で受賞し、宮本信子が日本アカデミー賞 優秀助演女優賞、報知映画賞 助演女優賞を受賞した『阪急電車~片道15分の奇跡~』以来10年ぶりとなる。佐山うらら...芦田愛菜17歳の人付き合いが苦手な女子高生。ひとりこっそりとBL漫画を読むことが毎日の楽しみ。友達も彼氏もおらずBLだけが心の支えだったが、レジでバイトをしている本屋で市野井雪と出会い、友情を育む。演じるのは、『パシフィック・リム』でハリウッドデビューを果たし、『星の子』で主演を務めた芦田愛菜。連続テレビ小説「まんぷく」で史上最年少の語りを務め、大河ドラマ「麒麟がくる」にも出演するなど、多方面で活躍する国民的女優が、どのような演技をみせるのか注目したい。市野井雪...宮本信子夫に先立たれ孤独に暮らす75歳のおばあちゃん。キレイな表紙に惹かれてジャケ買いした漫画がBLだったことをきっかけに、すっかりBLに魅了される。ひとりぼっちで過ぎ去る時間に寂しさを感じていたが、本屋のBLコーナーで佐山うららと出会う。担当するのは、『マルサの女』でシカゴ国際映画祭最優秀主演女優賞、第11回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、第61回キネマ旬報主演女優賞などを受賞した宮本信子。近年も連続テレビ小説「ひよっこ」、映画『STAND BY ME ドラえもん 2』『キネマの神様』などに出演し、精力的に活動している。なにわ男子の高橋恭平&古川琴音も出演河村紡役...なにわ男子・高橋恭平幼いころから同じ団地に住むうららの幼馴染で、お互いを“うらっち”と“つむっち”と呼び合う気心知れた間柄コメダ優...古川琴音うららと雪が出会うきっかけとなったBL漫画家沼田...光石研雪の書道教室へ親子で通う印刷所のおじさん花江...生田智子外国で暮らす雪の娘橋本英莉...汐谷友希うららのクラスのマドンナちまき...菊池和澄コメダ優のアシスタント佐山美香... T 字路 s の伊東妙子うららの母まさき...大岡周太朗雪の書道教室へ通う沼田の孫劇中BL漫画はじゃのめが担当劇中で主人公たちが愛読するBL漫画「君のことだけ見ていたい」の作画は、じゃのめが担当。「君のことだけ見ていたい」のキャラクター咲良と佑真は、劇中では漫画を飛び出し、“映画”ならではの演出でも登場するという。岡田惠和の脚本×監督は狩山俊輔脚本は、連続テレビ小説「ひよっこ」「ちゅらさん」、映画『阪急電車~片道15分の奇跡~』『8年越しの花嫁 奇跡の実話』など、名作ドラマ&映画を数多く手掛けてきた岡田惠和。監督は、「妖怪人間ベム」「奇跡の人」『青くて痛くて脆い』などの狩山俊輔が務めた。主題歌はT字路 s「これさえあれば」を芦田愛菜&宮本信子がカバー主題歌はT字路 sの人気曲「これさえあれば」を芦田愛菜&宮本信子がカバーしたもの。T字路 sによる演奏のもと、芦田愛菜&宮本信子が歌唱した。なお、T字路 sは、映画『メタモルフォーゼの縁側』で主題歌のみなら ず音楽全般を担当。 これまで映画主題歌を提供したことはあるが、映画音楽を制作するのは初と なる。<映画『メタモルフォーゼの縁側』あらすじ>うらら、17歳。毎晩こっそりBL漫画を楽しむ女子高生。雪、75歳。夫に先立たれたひとり暮らしの老婦人。ある日、ふたりは同じ本屋にいた。うららはレジでバイト。雪はきれいな表紙に惹かれて漫画を手にとっていた。それがBLだった。初めての世界に驚きつつも、男子たちが繰り広げる恋物語にすっかり魅了されてしまう雪。そんなふたりがBLコーナーで出会ったとき、それぞれ閉じ込めていたBL愛が次から次へと湧き出した。それからは雪の家の縁側にあつまり、読んでは語りを繰り返すことに。そして二人はある挑戦を決意する。【詳細】映画『メタモルフォーゼの縁側』公開日:2022年6月17日(金)原作:鶴谷香央理「メタモルフォーゼの縁側」(KADOKAWA)脚本:岡田惠和監督:狩山俊輔出演:芦田愛菜、宮本信子、高橋恭平、古川琴音、生田智子、光石研、汐谷友希、伊東妙子、菊池和澄、大岡周太朗プロデューサー:河野英裕、谷戸豊、大倉寛子
2021年11月28日鶴谷香央理さんの漫画『メタモルフォーゼの縁側』が、俳優の芦田愛菜さんと、同じく俳優の宮本信子さんで実写映画化することが発表されました。数々の漫画賞を受賞した作品の実写映画化2017年に連載を開始した同作は、口コミで話題を集め『このマンガがすごい!』『文化庁メディア芸術祭 マンガ部門』など数々の漫画賞を受賞した人気作。人付き合いが苦手な17歳の女子高生・佐山うららと、夫に先立たれ孤独に暮らす75歳の市野井雪、58歳の年の差がある2人の主人公が、男性同士の恋愛を描くボーイズラブ漫画を介して心を通わせていく、ヒューマンストーリーです。佐山うららを演じる芦田さん、市野井雪を演じる宮本さんは、過去に孫と祖母役で共演していました。今回、58歳の年の差がある友人同士という役を演じるにあたり、2人は意気込みを語っています。芦田愛菜コメントオファーを頂いたときに原作を読ませていただきました。読めば読むほどあったかくて元気になるような、愛おしくて抱きしめたくなるような作品だと思いました。宮本さんとは10年前は孫役として共演させていただき、今回はお友達役として再びご一緒できてとても嬉しかったです。宮本さんはご自身が納得いくまで台詞を合わせたり、現場を動かれている姿が印象的で、一緒にお芝居をさせていただくと私自身も頭で考えるのではなく自然に体が動いていき、うららの気持ちをスッと引き出していただいたような気がします。宮本信子コメント最初にお話しを頂いたとき、まず「“BL”とは何のことですか?」と質問させて頂きました。原作を読ませていただき、鶴谷さんの絵があたたかくて、やさしくて、素敵でした!隅々までいいんですもの。雪さんも魅力的な人物なので、岡田さんが書かれた台詞と共に、少しでも雪さんに近づけたらと思いました。お相手の愛菜さんとは10年前、おばあさんと孫として共演しました。あの頃は私の手の中に小さな手がスッポリ入ったんです。今回の共演は嬉しく楽しみにしておりました。ボーイズラブがつないだ、不思議な縁。生まれも育ちも境遇も異なる2人がどう心を通わせ、そして、どう変化していくのでしょうか。久々の共演となる芦田さんと宮本さんの演技にも注目したい映画『メタモルフォーゼの縁側』は、2022年初夏に全国で公開予定です。『メタモルフォーゼの縁側』あらすじうらら、17歳。毎晩こっそりBL漫画を楽しむ女子高生。雪、75歳。夫に先立たれたひとり暮らしの老婦人。ある日、ふたりは同じ本屋にいた。うららはレジでバイト。雪はきれいな表紙に惹かれて漫画を手にとっていた。それがBLだった。初めての世界に驚きつつも、男子たちが繰り広げる恋物語にすっかり魅了されてしまう雪。そんなふたりがBLコーナーで出会ったとき、それぞれ閉じ込めていたBL愛が次から次へと湧き出した。それからは雪の家の縁側にあつまり、読んでは語りを繰り返すことに。そして二人はある挑戦を決意する。©2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会[文・構成/grape編集部]
2021年11月25日女優の芦田愛菜と宮本信子が映画『メタモルフォーゼの縁側』(2022年初夏公開)に出演することが25日、明らかになった。同作は「このマンガがすごい!」「文化庁メディア芸術祭 マンガ部門」など数々の漫画賞を受賞した鶴谷香央理による同名漫画の実写化作。17歳の人付き合いが苦手な女子高生・佐山うらら(芦田)と、夫に先立たれ孤独に暮らす75歳の市野井雪(宮本)の2人がBLをきっかけに出会い、年の差58歳の友情を育む。2人の共演は芦田が第54回ブルーリボン賞 新人賞を史上最年少で受賞し、宮本信子が日本アカデミー賞 優秀助演女優賞、報知映画賞 助演女優賞を受賞した『阪急電車~片道15分の奇跡~』(11年)以来、10年ぶり2度目となる。『阪急電車』でも脚本を担当した岡田惠和が、それぞれ別のさみしさを抱えたうららと雪の友情と変化を丁寧に脚本に紡ぎ、狩山俊輔監督が美しく映像に落とし込んだ。撮影はすでに終了し、公開は来年を予定している。○芦田愛菜 コメントオファーを頂いたときに原作を読ませていただきました。読めば読むほどあったかくて元気になるような、愛おしくて抱きしめたくなるような作品だと思いました。宮本さんとは10年前は孫役として共演させていただき、今回はお友達役として再びご一緒できてとても嬉しかったです。宮本さんはご自身が納得いくまで台詞を合わせたり、現場を動かれている姿が印象的で、一緒にお芝居をさせていただくと私自身も頭で考えるのではなく自然に体が動いていき、うららの気持ちをスッと引き出していただいたような気がします。○宮本信子 コメント最初にお話しを頂いたとき、まず「“BL”とは何のことですか?」と質問させて頂きました。原作を読ませていただき、鶴谷さんの絵があたたかくて、やさしくて、素敵でした! 隅々までいいんですもの。雪さんも魅力的な人物なので、岡田さんが書かれた台詞と共に、少しでも雪さんに近づけたらと思いました。お相手の愛菜さんとは10年前、おばあさんと孫として共演しました。あの頃は私の手の中に小さな手がスッポリ入ったんです。今回の共演は嬉しく楽しみにしておりました。○原作:鶴谷香央理 コメント初めて企画書をいただいた時は、嬉しくてしばらく鞄に入れていました。プロット、台本といただくうちに、映画というのは、大勢の人のその場の工夫によって組み上げられ、変化していくものだと体感することができました。私が垣間見たその過程は、山あり谷ありの中でも誠実で、ひとつひとつが輝いていて、映画への憧れが大きくなるばかりでした。最後にどんな作品ができあがるのか、今から本当に楽しみです。(C)2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会 (C)2018 Kaori Tsurutani/KADOKAWA
2021年11月25日芦田愛菜と宮本信子が、BL(ボーイズラブ)漫画を通じて“親友”になる女子高校生と老婦人を演じる映画『メタモルフォーゼの縁側』が2022年に公開決定。芦田さんと宮本さんは『阪急電車~片道15分の奇跡~』(11)以来10年ぶりの共演を果たす。原作は、2017年に連載が始まって以降、じわじわと話題を呼び「このマンガがすごい!」「文化庁メディア芸術祭 マンガ部門」など数々の漫画賞を受賞した鶴谷香央理の同名漫画。本作の主人公は、17歳の人付き合いが苦手な女子高生・佐山うらら。ひとりこっそりとBL漫画を読むことが毎日の楽しみ。もうひとりの主人公・市野井雪は、夫に先立たれ孤独に暮らす75歳のおばあちゃん。キレイな表紙に惹かれてジャケ買いした漫画をきっかけにBLに魅了される。そんなふたりがBLをきっかけに出会う。年齢も立場も肩書きも全く違うけれど、一緒に漫画を読んで、一緒に笑って、一緒に泣いて、時には激論を交わし、年の差58歳の友情を育み、その人生は意外な方向に転がりだしていく…。うららを演じるのは芦田愛菜。2010年に「Mother」で脚光を浴びて以降、『パシフィック・リム』(13)でハリウッドデビュー。近年では、連続テレビ小説「まんぷく」で史上最年少の語りを務め、2020年は『星の子』に主演、大河ドラマ「麒麟がくる」で明智光秀の娘・たま役で出演するなど、数々の映画、ドラマ、CMなどで活躍する国民的女優。また、雪を演じるのは日本を代表する名優・宮本信子。『お葬式』(85)で第8回日本アカデミー賞優秀主演女優賞受賞。『マルサの女』ではシカゴ国際映画祭最優秀主演女優賞、第11回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、第61回キネマ旬報主演女優賞など多数受賞。近年では連続テレビ小説「ひよっこ」、映画『いちごの唄』『STAND BY MEドラえもん2』(声の出演)、『キネマの神様』など精力的に活動している。2人は芦田さんが第54回ブルーリボン賞新人賞を史上最年少で受賞し、宮本さんが日本アカデミー賞優秀助演女優賞、報知映画賞助演女優賞を受賞した『阪急電車~片道15分の奇跡~』以来10年ぶりの2度目。宮本さんとの撮影を振り返り、芦田さんは「10年前は孫役として共演させていただき、今回はお友達役として再びご一緒できてとても嬉しかったです」とコメント。「一緒にお芝居をさせていただくと私自身も頭で考えるのではなく自然に体が動いていき、うららの気持ちをスッと引き出していただいたような気がします」とコメント。一方の宮本さんは、「愛菜さんとは10年前、おばあさんと孫として共演しました。あの頃は私の手の中に小さな手がスッポリ入ったんです」と当時を懐かしみ、「今回の共演は嬉しく楽しみにしておりました」と明かした。原作者・鶴谷香央理は漫画が映画にメタモルフォーゼ(=変形、変身)したことに関して「嬉しくて(企画書を)しばらく鞄に入れていました」と話す。撮影現場を見学し、「ひとつひとつが輝いていて、映画への憧れが大きくなるばかりでした。最後にどんな作品ができあがるのか、今から本当に楽しみです」と期待を寄せている。脚本を担当したのは、連続テレビ小説「ひよっこ」や『阪急電車~片道15分の奇跡~』ほか、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』など、名作ドラマを数多く手掛けてきた岡田惠和。それぞれの寂しさを抱えたうららと雪の友情と変化を丁寧に脚本に落とし込み、ドラマ「妖怪人間ベム」「奇跡の人」、映画『青くて痛くて脆い』などの狩山俊輔が監督を務めた。『メタモルフォーゼの縁側』は2022年初夏、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2021年11月25日3Dアニメーション映画『STAND BY ME ドラえもん2』が11月20日に公開を迎え、都内劇場で行われた舞台挨拶に声優を務めた妻夫木聡、宮本信子、バカリズム、共同監督の八木竜一、山崎貴が登壇した。2014年に興行収入83.8億円の大ヒットを記録した『STAND BY ME ドラえもん』の続編となる本作。大人になったのび太としずかちゃんの結婚式を大好きなおばあちゃんに見せるべく、のび太とドラえもんが奮闘するが、大人のび太は結婚式直前に失踪してしまい……。コロナ禍による延期を経て、ようやく満員の観客の前での公開を迎え、妻夫木をはじめ、一同ホッとした様子。おばあちゃんとのび太のエピソードに「脚本を読んでる段階からウルッときていた」という妻夫木。試写で作品を見た際、特に宮本の演じたおばあちゃんの声に心を打たれ「おばあちゃんが出てくるだけで泣くという変なスイッチが入ってしまって(笑)、ドラ泣きしまくりでした」と明かす。宮本は、共同監督・脚本を担当した山崎が、夫の故・伊丹十三の組で若い頃に仕事をしていたという縁に触れ「長生きしてよかったなぁと思います」としみじみと語る。本作に関してはあえて試写を見ずにきたとのことで「子どもたちと一緒の同じ劇場の空間で見たい」と笑顔で語っていた。この日は、着ぐるみのドラえもんが登壇陣に、頼りないのび太に対し、しずかちゃんとの結婚生活に向けたアドバイスを求めたが、妻夫木は「いっぱいお話をすること。ちょっとの時間でもいいから」とコミュニケーションの時間を持つことを助言。一方の宮本は「しずかちゃんはしっかりしてるし、のび太くんは素直ですし、こんないいカップルはいないので何も心配していません」と何も変わる必要がなく、そのままでいいとエール!昨年、入籍したばかりのバカリズムは「しずかちゃんがのび太くんを選んだ決め手はダメなところ、ほっとけなさ」と指摘し「あまり成長して立派になり過ぎちゃうと、あまり愛せなくなっちゃうと思うので、これからもほどほどにダメっぽさを出して」と、宮本と同様に「そのままでいい」とアドバイスを送っていた。妻夫木は最後の挨拶でコロナ禍に触れ「とても我慢しないといけなかった年ですが、心を癒してくれる作品になっていると思うし、来年、新しい一歩を踏み出す勇気をくれると思います」と力強く劇場への来場を呼び掛けた。取材・文・写真=黒豆直樹『STAND BY ME ドラえもん2』公開中
2020年11月20日是枝裕和監督初の国際共同製作映画『真実』(公開中)の公開記念舞台挨拶が14日、都内で行われ、日本語吹替版で声優を務めた宮本信子、宮崎あおい、佐々木みゆ、是枝監督が登壇。宮本と宮崎は、史上初のワールドカップ決勝トーナメント進出を決めたラグビー日本代表を称えた。昨年のカンヌ国際映画祭で日本映画21年ぶりの快挙となる最高賞“パルムドール”を受賞し、 『万引き家族』が興行収入46億を超える大ヒットとなった是枝監督。長編14作目となる最新作にして初の国際共同製作映画『真実』は、カトリーヌ・ドヌーヴとジュリエット・ビノシュが演じる母と娘の間に隠されたある「真実」を巡る物語で、全編フランスにて撮影された。舞台挨拶では、本作にちなんで最近知って驚いた真実についてトークを繰り広げた。宮本は「昨日のラグビー、日本はものすごい強いんだっていう真実を見て、手のひら真っ赤になって応援しておりました。これが真実なんだなって」と興奮気味に語り、「頑張ってもらいたいです」とエール。宮崎も「私も昨日、拍手していました! わー! やったーって」と笑顔で話した。宮本はカトリーヌ・ドヌーヴの声、宮崎はジュリエット・ビノシュの声を演じ、2人とも本作で洋画吹き替えに初挑戦。宮本は「本番のときに是枝監督がいらして演出をしてくださるんだと思っていたんです。ところが、僕じゃないんだよって」と、是枝監督とは別に吹き替え版の監督がいることを知らず驚いたそう。宮崎も「そう思っていました」と言い、是枝監督は「うまく伝わっていなかったみたいで。申し訳ありません」と謝っていた。
2019年10月14日今後、先進国では2人に1人が100歳まで生きるといわれる現代。ひと足先に長寿の楽しみを謳歌している先輩に長生きの秘訣を聞きました!「100歳だなんてとんでもない!誰が言ったのかしら?私はまだ80代ですよ(笑)」そうおどける大路三千緒さん(99)は、殿堂入りした元タカラジェンヌの中で最高齢のレジェンド。大正9年生まれ、昭和14年に宝塚少女歌劇団に27期生として入団。同期には越路吹雪、月丘夢路、乙羽信子らがいた。男役から、娘役までさまざまな役をこなし、花組と雪組の組長を歴任。60歳の定年で退団後も、『おしん』など多くのテレビドラマで女優として活躍しながら、90歳まで宝塚歌劇団で演劇指導もしていた。現在は兵庫県宝塚市内の介護付き老人ホームで暮らす大路さん。7年ほど前、自宅前のマンホールの上で足を滑らせ転倒。腰の骨などを複雑骨折したのがきっかけだったという。「ここはとてもいいですよ。ワーワーいう人はいないし、静かだし」新聞は毎日、朝と夕方に目を通し、字幕付きでテレビドラマを見るのが楽しみ。ご飯は1日3食しっかり食べる。「なんでもよく食べますが、お肉が好きですねぇ」宝塚時代の昔話を尋ねると、和やかな笑顔でこう答える。「長いこと宝塚にいたわ。宝塚の舞台は飽きないの。でも、舞台の話はね、どこかに行っちゃった(笑)。ごめんなさいね、忘れんぼなの」介護が必要な生活ではあるが、気持ちはまだまだ若い。これからの夢を聞いてみた。「いい役がくれば、またやりたいわ!自分に合った好きな役がきたら、またね……」
2019年09月22日「『なつぞら』の収録で、初めて山田家のセットに入った瞬間、開拓移民で貧しい生活なんですが、あれ、この場所、どこかで見たことあると思ったんです。囲炉裏があって、むしろが敷いてあって、土間があって……『あ、おしんの家だ!』って。雰囲気が似ていたんですね。また朝ドラの現場に帰ってきたんだなぁと、ひとり、懐かしさに浸っていました」女優の小林綾子さん(47)は、現在、放送中のNHKの連続テレビ小説『なつぞら』に出演中。広瀬すず演じるヒロイン・なつの初恋の相手である天陽(吉沢亮)の母親・山田タミ役を演じている。節目となる朝ドラの100作目で、かつてのヒロインたちが出演していることも話題だが、10歳にして『おしん』で主演をつとめた小林さんにとっては、36年ぶりの朝ドラ復帰作となった。くしくも現在、NHK BSプレミアムでは毎朝、『おしん』と『なつぞら』が続けて放送されている。「再放送で初めて『おしん』を見たという方からも、『おしんちゃん、どうなるの』といった感想をたくさんいただいています」『おしん』人気再来を裏付けるように、再放送にして総集編も何度も放送されているのに加え、8月13日には『アナザーストーリーズ』(NHK BSプレミアム)でおしん特集が組まれたばかりだ。『おしん』は、’83年に放送された朝ドラ31作目。橋田壽賀子さん(94)のオリジナル脚本で、ヒロインは明治、大正、昭和を幾多の困難を乗り越えながら生き抜いた山形の貧しい小作農の娘・谷村しん。小林綾子、田中裕子、乙羽信子の3人がリレー形式でヒロインを演じ、少女時代が小林さんだった。平均視聴率52.6%、最高視聴率62.9%は、いまだ破られていないドラマ史上最高視聴率の金字塔だ。「おしんドローム」なる流行語を生み出した番組は国内で社会現象となっただけでなく、世界73の国と地域で放送され、イランでは最高視聴率90%を超えた。『おしん』の放送終了後は、天才子役といわれながらも、語学留学をしたり、その後も私生活では結婚と離婚を経験した。「おしんを演じたあと、いろいろな苦難を乗り越えてこられたのは、私の原点に『おしん』があったからです」小林さんは1972年8月11日生まれ。東京都練馬区の出身。クラシックバレエがやりたくて、東映の児童劇団に入ったのが5歳。『おしん』のオーディションは10歳で、100人を超える少女の中から大抜擢された。「すぐに6冊の台本と方言テープを渡され、まず母が台本の漢字にフリガナを書いて、それから毎日、登校前と下校後に母と向き合ってセリフの練習を繰り返しました」橋田さんの脚本といえば長ゼリフで有名だが、撮影初日までに自分の分だけでなく相手のセリフまで暗記し、山形弁も完全にマスターして周囲を驚嘆させたという。撮影は’83年1月、厳冬の山形ロケからスタート。NHK開局30周年の記念番組で、通常の朝ドラの倍の1年間の放送も決まっており、なんとしても成功させようと、現場は気迫に満ちていた。「最初が、いかだで最上川を下って奉公に出るシーンでした。スタッフだけで80人以上、地方の協力者など合わせて100人単位の方がいらっしゃいました。川上にあるクレーン車からロープが伸びて、いかだが流されないようつながっていて。そのロープもみんなで懸命に引っ張りながらで、カメラマンさんは腰まで水につかっている。ああ、ひとつのシーンを作り上げるというのはこういうことなんだと、子供心に身の引き締まる思いでした」脱走兵の俊作(中村雅俊)との山小屋でのシーンも心に刻まれている。「積雪が胸まであるほどの雪道を30分かけて山の上まで登るんです。その道も、スタッフさんが、まだ暗いうちからラッセル(除雪)して作ってくれました。撮影して戻って昼食の豚汁を食べたら、また30分登る。だから、あの赤いほっぺは、メークじゃなく自然なものなんです」’83年4月、『おしん』の放送が始まると、直後から、小林さんはけなげな国民的ヒロインとして、あっというまに人気子役となる。番組も“お化け視聴率”をたたき出すようになった。「ゴールデンウイークのころには、町をあるいていて、『おしんちゃん、寒かったでしょう』『ちゃんと食べてる?』などと声をかけられるようになっていました。局のほうにも、『おしんちゃんに食べさせて』と米1俵が送られてきたり、なかには現金もあったそうです」1年間の放送が終わるころ、『おしん』はまさに社会現象となっており、小林さんの事務所にも仕事のオファーの電話が殺到した。「もともとバレエをやりたくて児童劇団に入ったように、女優になりたかったわけでもないので、収録後はまた普通の、体育と図工が好きな(笑)小学生に戻っていました。お仕事は少しずつ続けていましたが、ドラマなども、夏休みや冬休みを利用して収録することが多かったです」学業優先とはいえ、仕事を続けていくなかで、おしんのイメージから脱却するまでの苦労はなかったのだろうか。「よく聞かれますが、あまり深刻に考えないタイプです(笑)。いただいた仕事を一生懸命にこなしていくだけでした。“おしんを脱却”より、おしんがあったから、仕事ができていると思っていました。地元の中学・高校に進んでも、将来は先生かCA(キャビンアテンダント)になれたらいいな、くらいに考えていました」『なつぞら』のセットに立って思い出すのは、やはり『おしん』での日々。「なつの家族はじめ、私たち山田家も、みんなで北海道の荒れ地を開墾するシーンは大がかりで、あの最上川のいかだのシーンを思い出しました。ここでも、衣装はもちろん、履物ひとつにしても、考え抜かれて用意されていたり」改めて、目にする小道具が、耳にするセリフが、すべて学びとなっていたことを実感する。「撮影中、私は学校に通えないときもありましたが、『おしん』の現場で、いろんな社会勉強をさせてもらっていたんですね。台本に『箱膳を持ってくる』とあって、何だろうと思って現場に行くと、箱の中に食器が入っていて、ひっくり返すと1人分の食卓になる。ああ、昔の日本にはこんな生活習慣もあったんだと、教科書にはないことを知ったり。そして、多くのセリフからも学びました。中村雅俊さん演じる俊作あんちゃんの『いろんな理不尽も世の中にはあるだろうが、自分を主張するだけでなく、人を許してあげることも大事。つらく当たる相手にも、いろいろあるんだ』という言葉などは、その後の私自身の生きる指針にもなりました」
2019年08月31日“おしん”役として10歳で飛び込んだ「朝ドラ」の現場は過酷だった。厳冬の山形の最上川でいかだに乗るシーン。胸まで積雪がある雪道を山の上まで登るシーン。命がけの現場でプロ意識をたたきこまれた。小林綾子のけなげな演技は感動を呼び、最高視聴率62.9%。海外でもイランで視聴率90%を記録するなど大ブームに。その後、留学や離婚を経て役者を続け、今年、100作目の『なつぞら』で朝ドラに戻ってきた――。「『なつぞら』の収録で、初めて山田家のセットに入った瞬間、開拓移民で貧しい生活なんですが、あれ、この場所、どこかで見たことあると思ったんです。囲炉裏があって、むしろが敷いてあって、土間があって……『あ、おしんの家だ!』って。雰囲気が似ていたんですね。また朝ドラの現場に帰ってきたんだなぁと、ひとり、懐かしさに浸っていました」女優の小林綾子さん(47)は、現在、放送中のNHKの連続テレビ小説『なつぞら』に出演中。広瀬すず演じるヒロイン・なつの初恋の相手である天陽(吉沢亮)の母親・山田タミ役を演じている。節目となる朝ドラの100作目で、かつてのヒロインたちが出演していることも話題だが、10歳にして『おしん』で主演をつとめた小林さんにとっては、36年ぶりの朝ドラ復帰作となった。くしくも現在、NHK BSプレミアムでは毎朝、『おしん』と『なつぞら』が続けて放送されている。「再放送で初めて『おしん』を見たという方からも、『おしんちゃん、どうなるの』といった感想をたくさんいただいています」『おしん』人気再来を裏付けるように、再放送にして総集編も何度も放送されているのに加え、8月13日には『アナザーストーリーズ』(NHK BSプレミアム)でおしん特集が組まれたばかりだ。『おしん』は、’83年に放送された朝ドラ31作目。橋田壽賀子さん(94)のオリジナル脚本で、ヒロインは明治、大正、昭和を幾多の困難を乗り越えながら生き抜いた山形の貧しい小作農の娘・谷村しん。小林綾子、田中裕子、乙羽信子の3人がリレー形式でヒロインを演じ、少女時代が小林さんだった。平均視聴率52.6%、最高視聴率62.9%は、いまだ破られていないドラマ史上最高視聴率の金字塔だ。「おしんドローム」なる流行語を生み出した番組は国内で社会現象となっただけでなく、世界73の国と地域で放送され、イランでは最高視聴率90%を超えた。「いつか、朝ドラで母親役を演じてみたい」映像作品や舞台で活躍しながら、40歳を超えたころから、そう語っていた小林さん。「いつか朝ドラの現場に帰りたいという思いは、正直、ずっとありました。私自身、ファンで見続けてもいましたから。きっと、そう願う女優さんは多いと思います。でも、私の場合、たしかに、おしんのイメージが強いですから、使う側も使いにくいだろうなとも思っていたり。ですから、昨年2月に『なつぞら』のオファーをいただいたときは、ああ、やっと朝ドラに帰れるんだ、という思いでした」36年ぶりの朝ドラの現場。出演者の出番が書き込まれた香盤表を見たときには、当時の記憶がよみがえった。「『おしん』では、私は出ずっぱりで、常に自分のところに◯印が付いていました。収録が終わったとき、母が『最初からこんな大変とわかっていたら、お受けしなかったかもしれない』とポロっと言ったのを思い出したり。『なつぞら』では、すずちゃんがその立場。身をもって体験した私としてはやっぱり心配で、『体調、大丈夫?』と聞くと、笑顔で『なんだか私、平気みたいです』って。若さっていいですよね」『おしん』のときとは逆に、若手俳優らを気遣う自分がいる。迷いもあったが、役者を続けてきて、かつての子役がいま、母親を演じるようになっていた。「つくづく、時間がたったんだなぁと思いますね。実生活では母親ではありませんから、その意味でも、芝居の中で子供ができるというのはうれしくて。まして、あんな美しい息子なんて(笑)」小林さんは、子役のとき以来、ずっと大切にしていることがある。「母に、子役時代からずっと言われ続けたのは、『初心を忘れちゃダメよ』ということ。初心とは、私と母にとっては『おしん』での体験です。あの大変な現場を乗り越えて、これから何が起きても、ちょっとやそっとのことじゃ負けないという自信も持てました。今後も、その初心を忘れず、見た人が元気になったり、笑顔になったりするような、心に残る作品に出ていけたらと思います」
2019年08月31日寛仁親王妃信子さまが4月9日、63歳の誕生日を迎えられた。麻生太郎副総理の妹としても知られる信子さまは、’80年に“ヒゲの殿下”と呼ばれ国民に親しまれた寛仁さまとご結婚。『女性自身』の名物企画「シリーズ人間」にも、’92年9月1日号に登場なさっている。信子さまはお料理の本を執筆されるほどの腕前になられたが、嫁がれた当時は失敗の連続だったという。ひじきを戻そうと目分量でボウルに入れ、あふれんばかりの量になってしまったことも。寛仁さまは「プロの料理人の味は一定だが、ノンチ(信子さま)の味は微妙に毎回違うからいいね」と温かく見守った。そんな信子さまを驚かせたのが、宮廷独特の正月料理“キジ酒”。 信子さまは当時、こう語っていた。「キジの羽と皮を剥いで、胸の部分とももの部分をバラします。作り方はうかがっていたのですが、新婚最初のお正月で、宮家に上がったばかり。最後は半泣きでむしったものです」半泣きの信子さまを見かねた寛仁さまは、翌年からは知り合いの方にむしってもらうようお願いされたという。
2019年04月09日現在、ファッション誌はじめ様々なブランドのカタログや広告ビジュアルのスタイリングを手がけるスタイリストの伊藤信子と、デニムブランド・アーヴィン(Urvin)の特別なデニム「TREIZE」が発売された。伊藤信子が日常で思った「どんなシーンでも合わせられるデニムは何だろう? 」という疑問から生まれたデニム。そんな彼女のリアルな「欲しかった」を込めた先に行き着いたのは、「ロールアップして履くデニム」と「カジュアル過ぎないデニム」。アーヴィンの既存デニムと同じように、フランス語で女性の名前が付けられた。価格は1万5,000円。
2018年10月06日こんにちは。エッセイストで経済思想史家の鈴木かつよしです。今わが国では、葬儀の形やお墓というもののあり方が変わってきています。何代にもわたって同じ土地に住み続けるわけでもなく、生涯独身で生きてきたためお墓を守ってくれる子どもがいるわけでもなく。非正規雇用で働いているので100万円もするお墓を亡くなった親のために買ってあげる余裕もなく……。少子高齢化と相対的貧困の増加に伴って、亡くなった人のために家族がお墓を作るということをしない「ゼロ葬」と呼ばれる葬儀のあり方 が急速に広がりつつあります。今回は最新の葬儀事情をご紹介しながら時代とともに変わる供養の形について考えてみたいと思います。●ゼロ葬とは何か、どのような種類があるのかまず、『ゼロ葬』とは何でしょうか。一般的にその語源は宗教学者の島田裕巳先生が提唱してきた『ゼロ死』すなわち、「死んだら何も残さずゼロになるのがいい 」という概念に由来すると考えられています。ゼロ死には「死んでも葬式をあげない 」ゼロ葬儀と、「死んでもお墓は作らない 」ゼロ墓の2つの要素がありますが、最近は葬儀やお墓の業界でそれらを包括して『ゼロ葬』と呼んでいるようです。では、ゼロ葬にはどのような種類があるのでしょうか。ゼロ葬儀とゼロ墓の両面からみてみましょう。●(1)直葬(「ちょくそう」または「じかそう」)一般的な火葬式の手順にあるお通夜も葬儀も告別式も省略し、ご遺体を安置した後は火葬場に直行する形式のことです。関東地方では今や全体の4分の1がこれにあたる と言われています。●(2)遺骨引き取り拒否火葬場によっては遺族が遺骨の引き取りを拒否できるところがあります。その後のお墓等の心配をすることもないため、島田先生は元々はこれを「究極のゼロ葬」としています。●(3)預骨通常は火葬場からの引き取りを拒否できない遺骨を、葬儀会社に一時的に預かってもらうサービスのこと。非正規雇用の増加等に伴い、100万円前後の費用がかかるお墓を購入する経済的余裕のない人が増えているため、数万円の保証金でお墓が用意できるまで遺骨を預かってもらえるこのサービスの利用者は増加しています。しかし、一方で遺骨を預けたまま音信不通になる遺族が急増しており、問題になってもいます。なお『東京都公園協会』では、都民対象に何か所かの霊園で遺骨一時預かりの制度を設けています。●(4)迎骨遺族も高齢で思うように動けないといった場合、NPO法人のスタッフが遺骨を引き取りに来てくれてお寺の合同墓地などに運んで埋葬してくれるサービスのこと。費用は数万円と交通費程度 ですが、非営利活動が中心のため問い合わせが殺到しているようです。●(5)送骨遺骨を郵送ないし特別な宅配便で送るだけで業者がしかるべき合同墓地等に遺骨を埋葬してくれるサービスです。次に紹介する「散骨」も散骨業者に届ける方法が郵送や運送便であるなら送骨の一種であると言うことができます。●(6)散骨遺骨を粉末状にした後、海や山中等に撒く葬送の方法です。法務省の見解では、『節度をもって行われる限りは違法性はない』とされ、自分で段取りするよりは専門の散骨業者に依頼した方がずっと簡単であり一般的です。また陸地での散骨はさまざまなトラブルの原因となるおそれがあるため、今はほとんどが海洋散骨 です。また、遺族が乗船して海洋散骨に立ち会う場合は全体で数十万円の費用が見込まれるため、業者に一任して散骨してもらうケースが増えているようです。その場合の費用はおよそ5~6万円 といったところのようです。●なぜゼロ葬なのか、その時代的背景は?ゼロ葬がどのようなもので、どのような種類があるかについてはだいたいお分かりいただけたかと思いますので、次に、今なぜゼロ葬なのか、その時代的背景とはどのようなものなのかということについて考えてみましょう。経済思想史的な視点で見ますと、農林水産業という第一次産業があらゆる産業の中心であった時代から産業革命によって社会が工業化し、工業従事者の夫とそれを家庭内で支える妻と2~3人の子どもたちという「核家族」が社会の構成単位の中心となった20世紀まで、人間はその時代に合った形の家族を作ることで生きてきました。しかし、わが国では今世紀に入ってから、超高齢化で高齢者の身体機能が相当程度衰えた後も何年も生存し続けること、それに伴う介護や医療の必要性と、それにかかる高額な費用の問題。グローバル化で国外のフロンティアを開拓し尽くしてしまった資本主義が“非正規労働者”という低コストのフロンティアを国内に政策的に作り出したこと、それに伴う貧困層の増大。こういった諸々の“資本主義の限界”が家族という生活単位の勤続疲労と“ゼロ葬の時代”を生み出したと言うことができます。今はもう先祖代々の田畑を耕すためにずっと同じ土地に住み続ける必然性があるわけでなく、子どもたちは非正規雇用なので100万円もするお墓を買うくらいなら自分たちが生きるために使いたいですし、見栄を張るような相手もいないので立派なお葬式を出す必要などありません。だいたいお墓を買ったところで独身の子が多いですから、いずれお墓を守る人もいなくなります 。しかも昔と違って今の宗教は貧しい人たちの心の拠り所ではなくなり、どちらかというと恵まれている人たちの権威と親和性のあるものとなっていますので、宗教色のある供養の形にこだわる気持ちもありません。ざっとこのような理由から、ゼロ葬は今のわが国にあって“当然の弔いの形”になりつつあるのだろうと考えることができるでしょう。●ゼロ葬にするのは経済的な事情が全てではない? 積極的な理由でゼロ葬にした人たちおしまいに、ゼロ葬ないしゼロ墓にするのは何も「経済的に厳しいから」という事情ばかりではなく、ある意味積極的な考え方をもってそうする場合もあるというお話をして締めくくりたいと思います。日本の有名人でも本人や遺族の意思でお墓を作らずに散骨された人が数多くいます。落語家の立川談志さん、作家の山本七平さん、女優の沢村貞子さんや乙羽信子さん、深浦加奈子さん、俳優・歌手で戦後の大スターだった石原裕次郎さん、演歌歌手で宇多田ヒカルさんの実母である藤圭子さん、ザ・ドリフターズの荒井注さんなど、あげたらきりがありません。顔ぶれを見ると何となく共通点が感じられ、筆者には“なくなってからまで偶像のようにあがめられることは本意ではない”的な気概を感じさせる人たちばかりに見えます。こうして見てくると、経済的な事情でゼロ葬を選ぶ人も、金銭的な問題ではなく自分や家族の考え方でゼロ葬を選ぶ人もあり、ゼロ葬は今のわたしたち日本人にとって「しっくりくる」供養のあり方になりつつあるような気がいたします。みなさんはどうお感じになりますでしょうか。【参考文献】・『0(ゼロ)葬ーーあっさり死ぬ』島田裕巳・著●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)●モデル/神山みき(れんくん)
2017年04月25日人生には幸運なことも不運なことも起こるもの。不運が続くと、運命だから仕方ない…なんて思っていませんか?実はこの運、変えることができるそう。脳科学者の中野信子さんが、科学的に解説してくれました!***運命を、科学の視点で捉えるとどうなるでしょうか。ここでは、運命を形作る要素である「運」の善し悪しについて、考察したいと思います。なぜかいつも運がいい人がいる一方で、そうでない人はつねにツイていない。そう思ったことはありませんか?こうした偏りが本当にあるのかどうかを考える手がかりとして、“コイン投げ”の法則があります。コインを投げて表が出たらプラス、裏が出たらマイナスとカウントした場合、多くの人が結果はほぼプラスマイナスゼロになると考えるのではないでしょうか。ところが、実際は不思議なことに、必ずどちらか一方に偏るのです。この現象は「逆正弦定理(ぎゃくせいげんていり)」と呼ばれ、物事の結果はランダムに、すなわち偏って生じることを意味します。つまりこの法則に従えば人の運も平等ではなく、幸運な人はハッピーなことが続き、そうでない人は不運続きということに。ちょっとショッキングですが、確率論で考えるとこれが事実なんです。では、もし運命が悪いほうに傾き始めてしまったらもう終わりなのでしょうか。答えはノー。簡単に言うなら、そのゲームをやめればいいのです。やめて、自分がより運よくいられる、満足できるゲームを始めればいいのです。人の「満足度」は、その人が属する集団が適切かどうかが、大きく関係します。もし何をやってもうまくいかない、運命に見放されている…と感じているなら、今乗っているゲームやいる場が、適切ではない可能性があります。仕事なら職場や、仕事の目標を変える、恋愛なら相手を変える。そんな「乗り換え」が必要なときかもしれません。もちろん降りたくないゲームであれば、本気でやり抜くのもありです。が、「これは勝ち目なし」と思ったらさっと場を変えることが、もっとも合理的な場合もあるのです。実際に運命を引き寄せる力がある人を見ていると、自分の強みを研究し、その都度身の置き場を変えていることがわかります。◇なかの・のぶこ脳科学者、認知科学者として教鞭をとり、多くのメディアにも出演。世界人口の上位2%のIQ所有者だけが所属できるMENSA会員。共著に『正しい恨みの晴らし方』(ポプラ社)。※『anan』2015年7月22日号より。写真・土佐麻理子(人物)、村上未知(風景) 文・新田草子
2015年07月17日5月29日(火)に老衰のため逝去した新藤兼人監督(享年100歳)の通夜と告別式が6月2日(土)と3日(日)に増上寺(東京・芝公園)にて行われ、監督の作品に出演した俳優陣や後進の映画監督など多くの映画関係者が参列した。増上寺の光摂殿に設置されたやや丸みを帯びたシルエットの祭壇は、監督の代表作『裸の島』の舞台である広島県・三原市の宿祢島(すくねじま)をイメージしたもの。その中央に飾られた遺影は遺作となった『一枚のハガキ』の撮影現場でのワンショットで、会場には今年1月に亡くなった音楽家の林光さんの手による『一枚のハガキ』ほか、数々の新藤作品を彩った音楽が流された。2日(土)の通夜で弔辞に立ったのは『午後の遺言状』、『墨東綺譚』など数多くの作品に出演した津川雅彦。「僕の最後のラブレター」と語るこの弔辞で、津川さんは先日、監督が亡くなった直後に送った「おめでとう」という言葉を撤回。死の直前まで監督がうわごとで映画の撮影の話をしていたということに触れ「先生の執念に参りました!降参です」と語り、「先生、愛してます」と思いをストレートに伝えた。『墨東綺譚』撮影中に80歳の誕生日を迎えたが、それ以来、監督は新作を撮るごとに「これが最後」と語っていたという。「みんな騙されてるけど、『みなさん、さよなら。これでおしまい』と仰ってから6本も撮った。狼少年みたいなものだけど、とうとう本当になっちゃった…」と寂しそうに語っていた。『三文役者』に主演した竹中直人は、報道陣の呼びかけに足を止め「深い感謝の思いを伝え、『三文役者』の思い出を語りました。優しい素敵なお顔をされてました」と語った。この日は関係者およそ1,000人が参列。豊川悦司、竹中直人、奥田瑛二、川上麻衣子、安藤サクラ、平田満、原田大二郎、渡辺大らも弔問に足を運んだ。翌3日(日)の告別式では『生きたい』、『ふくろう』、『石内尋常高等小学校花は散れども』、『一枚のハガキ』という晩年の4作に出演した柄本明が弔辞を読んだ。主演作『石内尋常高等小学校 花は散れども』では、小津安二郎の名作『東京物語』の撮影も行われた旅館で同窓会のシーンが撮影されたが、豊川さんなど主要キャストを前に、新藤監督は「車椅子から立ち上がって深々と頭を下げて『監督の新藤です。今日からよろしくお願いします』と仰った」(柄本さん)という。このときの感動を柄本さんは「『映画だな、僕たちはいま映画の中にいる!』と思った忘れられない奇跡の瞬間」だったと明かした。さらに『一枚のハガキ』の衣装合わせの席では、新藤監督は柄本さんに熱く役の説明をしながら、オナラを連発したとか。「何とめでたいことか。何と素晴らしいものか。人間生きていると仕事もするけど、オナラもするんですね」とユーモアたっぷりに巨匠との思い出を語った。柄本さんに続き、新藤組の助監督を長年務めた神山征二郎監督、終戦直後の『待ちぼうけの女』から新藤作品を観続けてきた映画評論家の佐藤忠男氏が弔辞を読み上げたほか、ロンドンでの舞台公演のために出席が叶わなかった大竹しのぶから弔電が届けられた。この日は大杉漣、六平直政、伊藤歩、麿赤兒、山田洋次監督らが出席したほか、人気子役の芦田愛菜の姿も。2人はこの春に行なわれたブルーリボン賞の授賞式で監督賞と新人賞受賞者として初めて顔を合わせ、新藤監督は「2年後、彼女の熱演にびっくりするでしょう」と次回作での愛菜ちゃんの起用に意欲をのぞかせていた。残念ながら愛菜ちゃん主演による新藤監督の50作目は幻となってしまったが、愛菜ちゃんは献花台に花を捧げ、最後の別れを告げた。そして午後1時過ぎに、新藤組の演出部、制作部のスタッフと原田大二郎、林隆三らに抱えられて棺は霊柩車へ。多くの涙と祈りに見送られての出棺となった。棺には監督が愛用した原稿用紙に、妻で1994年に亡くなった女優の乙羽信子さんが監督のために削り、監督が大切に持っていたという原稿執筆用の鉛筆、そして100歳の誕生日の折に送られたという寄せ書きが納められた。尚、新藤監督は2002年に文化勲章を受章しており、また『一枚のハガキ』は天皇陛下も試写会に足をお運びになったが、監督の逝去を受け宮内庁より遺族に電話があり、天皇皇后両陛下によるお悔やみの言葉が伝えられたという。■関連作品:一枚のハガキ 2011年8月6日よりテアトル新宿ほか全国にて公開© 2011「一枚のハガキ」近代映画協会/渡辺商事/プランダス
2012年06月04日映画『阪急電車片道15分の奇跡』の完成披露会見&舞台挨拶が、兵庫県の宝塚大劇場「兵庫県・キャパ2500」にて開催され、中谷美紀、宮本信子、南果歩、谷村美月という豪華女優陣が出席した。「図書館戦争」シリーズ(アスキー・メディアワークス刊)やドラマ化もされた「フリーター、家を買う。」(幻冬舎刊)などで知られる有川浩の人気小説「阪急電車」(幻冬舎刊)を映画化した本作。えんじ色の車体とレトロな内装で知られ、大阪・神戸・京都を繋ぐ阪急電車の中でも、特に阪急今津線とその沿線の街を舞台にした心温まる群像劇が展開する。タカラジェンヌ、そして宝塚歌劇のファンにとって“聖地”宝塚大劇場は、阪急電車沿線のシンボルともいえる存在で、史上初めて、この宝塚大劇場を会場にして映画の会見と舞台挨拶が執り行われた。舞台挨拶では、現役の駅長(西宮北口駅統括駅長・山田憲太郎氏)による呼び込みで、キャスト陣は特製の“阪急電車”に乗って登場!会場は拍手と歓声に包まれた。中谷さんは「ご存知のとおり、いま、日本では苦しい思いをしていらっしゃる方がたくさんおりますが、おそらく本日来ていただいた方の中にも、15年前に同じ痛みを味わった方がたくさんいらっしゃると思います。阪急電鉄も震災の際に、大変な被害を受けたと聞いております。地元のみなさまのご協力を得て、また、阪急電鉄のみなさまの努力により復興がかなったとお話をうかがいました。この作品は、阪急電車を舞台にした、人と人とのふれあいと優しさをみなさまにお伝えできる映画だと思っています。いま、この時期だからこそ、本当に喜んでいただける作品ではないかと思っております」と思いを語った。宮本さんは「4年ぶりの映画でした。この大劇場で完成披露させていただいて、この阪急電車の素晴らしい電車の前で記念すべきものだと思っています。撮影の折には、たくさんのエキストラに応募していただいて、本当にお世話になりましたし、関西の総力を挙げて作った映画だと思っております」と感謝を口にし、さらに「日本の底力、東北の底力を結集して、長い道のりがかかると思いますが、1日も早くぜひ立ち直っていければと祈っております。この阪急電車から、西の方から東北に向かってエールを送りたいものです」と力強く語った。南さんも、15年前の阪神・淡路大震災に触れ「15年前のときは、宝塚大劇場も被害にあって、公演ができなくなりましたが、こうして新しい劇場になり、たくさんの方々で席を埋め尽くされ、また街が賑わい、お店が賑わい、また人が集まる場所となりました。この15年前の姿、そしていまの姿、それはきっと東北の目標となる姿であり、いい先輩だと思います」とコメント。客席に「神戸のように、元気になれるで」と書かれた垂れ幕を見つけ「ありがとう。そう思います。この関西の元気を少しでも、北上させるように、私も努めてまいりたいと思います」と誓った。「震災のことは自分の言葉でどう言えばいいか、さっきまですごく悩んでいました」と切り出した谷村さん。「ただ、自分にできることは、小さいことかもしれませんが、節電だったり、いまできるお芝居…少しでも心に残る作品に出て、いまやるべきことをきちんとしようかと思います。この映画が上映している間は、少しでもハッピーになれるように楽しんでいただければと思います」と会場に駆け付けた人々に語りかけた。『阪急電車片道15分の奇跡』は、4月23日(土)より関西先行公開、4月29日(金・祝)より全国にて公開。■関連作品:阪急電車片道15分の奇跡 2011年4月29日より全国東宝系にて公開© 2011「阪急電車」製作委員会■関連記事:【沖縄国際映画祭】中谷美紀、涙をこらえ沖縄から被災地へエール!木村祐一監督、次回作の主役はスリムクラブ!?「M-1取るまでの軌跡を描きたい」『阪急電車』で天才子役・芦田愛菜が宮本信子の孫に!阪急沿線で撮影スタート丸刈りで登場の加瀬亮戸田恵梨香の暴走に「ハメられています」
2011年03月31日有川浩による、60万部に迫る同名ベストセラーを映画化した『阪急電車』に、宮本信子と“天才子役”と名高い芦田愛菜が祖母と孫娘として出演することが明らかになった。兵庫県宝塚市の宝塚駅から西宮市の西宮北口駅を経て今津駅を結ぶ阪急今津線。この片道わずか14分の路線を利用する人々のドラマ、人間模様を温かいタッチで描き出す本作。すでに中谷美紀と戸田恵梨香の出演が発表されていたが、このたび、年齢差60の新コンビ結成が発表された。2007年公開の『眉山 -びざん-』で松嶋菜々子演じる主人公の母親を演じて以来の映画出演となる宮本さんは、曲がったことが大嫌いな時江を演じる。愛菜ちゃんは、そんな時江を慕う孫娘の亜美に扮する。宮本さんは「阪急電車と共に人生を歩んできた時江役。地元の方々に共感していただけるよう、全力投球で演じさせていただきます。かわいい愛菜ちゃんとの共演も待ちきれません」と語る。地元・兵庫出身の愛菜ちゃんは、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞にも輝いたことのある宮本さんに演技を教えてもらおうと、撮影を楽しみにしているとか。「大好きな阪急電車にたくさん乗れるのがすごく楽しみです。有名な役者さんたちと一緒に映画に出るのは緊張するけど、憧れの宮本さんと一緒に頑張ります!」とこちらも気合十分のコメントを寄せてくれた。撮影は11月26日(金)より宝塚市でスタート!ご当地の阪急電車沿線では、運がよければ撮影が垣間見えるということで、早くも話題になっているとか。今津線を中心に12月下旬までの予定でオール兵庫ロケが敢行される。『阪急電車』は2011年4月、全国東宝系にて公開。■関連作品:阪急電車 2011年4月、全国東宝系にて公開■関連記事:丸刈りで登場の加瀬亮戸田恵梨香の暴走に「ハメられています」
2010年11月29日