ブラジルやアフリカで生活した経験から、海外の家のつくりを自宅に再現した坂本さんご家族の家。リビングから丸見えにならないキッチンは生活感を感じさせず、さらに家事スペースを一か所に集約することで炊事から洗濯の同時進行を可能にしています。その見えないけどつながりを感じるキッチンのある空間をご紹介いたします。■ キッチンを奥に配置したことが最大のオススメポイント!「お客さまからごちゃごちゃしたと生活感のある場所が目に入らないようにしたい」そんな奥様の要望に建築家の仲亀清進さんは、キッチンを完全に”独立”させるのではなく、キッチンを”奥に配置”することを提案しました。キッチンをいちばん奥に配置しながらその存在を目立たせない。しかし、リビング・ダイニングとの空間の連続性はキープする。ゾーンの区切りを「く」の字にすることで、これを実現したのです。この設計により、玄関からリビングに入ったときにはキッチンがまったく目に入らないけど、ダイニングとは適度につながっているためキッチンに立つ人との会話がスムーズになるんだそう。「僕がやるよ!」「何作ってるの?」思わずそう声をかけたくなるダイニングとつながるキッチンの配置で、家族の時間はギュッと密になっているようですね。■ 洗濯もキッチンでできる!?妻がセレクトしたオールステンレス製のシステムキッチン、サンワカンパニー「コントルノ」(廃番)は、コンクリート、モルタルの飾りすぎない印象との相性もいい。シャープなデザインで、下部はオープンタイプにしています。オープンタイプは、ワンアクションで出したりしまったりしやすいという”炊事の作業効率重視”に見えますが、「見えているときれいにしなくてはという意識が働き、本当に必要なもだけを入れるようになる」(妻)と”自然と整うキッチン”になるんだとか。食器や食材の収納は、奥行きたっぷりの取っ手や枠がない扉付きの収納にイン。扉を閉めると壁のようになるから、もちろん生活感も出ず、存在感すら消してしまうというところはさすがです。キッチン奥にある広いパントリーには、大容量の収納スペース、さらに洗濯機も置くことで家事動線を集約しています。もちろん一番端にあるので、間仕切りなしでも生活空間からは見る心配もありません。海外の家のように家事スペースを一か所に集約することで勝手口からすぐに外の物干し場へと出ることもでき、キッチンで洗濯も完了!無駄な動きがまったく必要ないのがいいですね。■ 玄関だけ共有の「独立型二世帯住宅」坂本さん邸は、ご主人の両親と暮らす二世帯住宅。1階を子世帯、2階を親世帯に振り分け、”玄関だけ”を共有しています。各世帯が自立しつつ、お互いの気配を感じられるような構成で、キッチンをはじめ、水回り設備はそれぞれに備えています。それでは、子世帯と親世帯のリビングとダイニングを見ていきましょう。子世帯1階のLDKは床をモルタル塗りに。床暖房を入れ、冬も快適、夏は素足でひんやりした感触を味わえるそう。壁はラワン合板をブラウンに染色、床の凛とした雰囲気と壁の大らかな素材感で、部屋全体からキリッとした個性があふれ出ています。廊下はなく、それぞれの個室へはなんとLDKから直に出入り!間に収納を設けることで音などが干渉しないようにするとともに、個室の入り口を一歩奥まった場所にすることで距離感が演出されています。廊下がない家というのも驚きのポイントですが、坂本さん宅はトイレスペースまでも特徴的。洗面脱衣室と軽く壁で隔てただけの一室空間となっており、通常は個である空間が独立ではなく”つながり”を魅せています。上下階間取りはほとんど同じという2階の親世帯のLDKは、床を温かみのあるフローリングにしています。2階であることのメリットを生かすため、傾斜天井にしてのびやかさを演出。照明はダウンライトに統一することで、すっきりした天井の広がりをみせ、より解放感を感じられる空間を実現しています。外壁は落ち着いた色のガルバリウム鋼板張り。あえて塀を設けずオープンな形にしているのは、車通りの少ない交差点に向かって開くことで、遠くまで視線が抜ける効果をねらうため。庭に様々な樹木を植え込むことでプライバシーが守られ「窓の外が森のようになるといいなと思っているので、これからもっと植栽を増やす予定です」と妻。海外生活で気に入った家の作りをそのまま生かし、さらにそれを二世帯住宅に応用している坂本さん宅。キッチンとダイニングの”つながり”、上下階の”つながり”という、独立と共有の絶妙なバランスであたたい家づくりを実現されています。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年5-6月号」も参考にしてみてくださいね。設計/仲亀清進建築事務所撮影/桑田瑞穂住まいの設計2018年5-6月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「あなたはどんなスタイルがお好み? 自分らしいキッチン&くつろぎのバスルーム」 【第二特集】「HOUSE WITH SMALL SHOP 小さな店のある暮らし」
2019年03月17日日刊Sumaiの運営のほか、『住まいの設計』『リライフプラス』の撮影で年間70件以上のお宅撮影に飛び回る編集部・君島(47)の取材こぼれ話や、うっかり母さんなプライベートをチラ見せ!■ ちっこいバオバブが可愛い先日は横浜市にて、お宅撮影でした。空間社さんの施工例です。こちらはキッチンのバックカウンターの一角。タイル、カッティングボード、家電のバランスが素晴らしいですよね。こちらの寄せ植え、奥様作だそうです。ちっこいバオバブが可愛い!リモコン類がおしゃれなカゴバッグにまとめてあったり、カウンターにファブリックみたいな柄のタイルを取り入れていたり、さりげな〜く色々オシャレで、デキる!って感じでした。■ 発酵バターに決定!東京駅のアンデルセンはコンパクトだけど接客がテキパキしてて素晴らしいこともあり、なんだかんだちょくちょく利用してます。いつの間にかシールがこんなに……。交換できるプレゼントを家族と見ていて、夫はバターナイフ付きバターケースがいい!と強く希望。私と娘は発酵バターがいい〜!ケースだけあっても仕方ないじゃん!という結論。というわけで発酵バターに決定。結構な個数もらえそうです。『リライフプラスvol.32』3/14(木)発売になりました!『relife+(リライフプラス)vol.32』が 3/14(木)発売になりました。ちっこいバオバブ、のお宅は巻頭特集のcase07に掲載されていますので、よかったらぜひご覧くださいね。可愛いお嬢さんたちのお部屋は意外な場所にあるのですが、シェアハウスみたいで楽しそう~って思いました。アマゾンので予約もできますのでよかったら〜。
2019年03月16日フランス育ちである建主の妻・島岡令央奈さんが“フランスの家庭で老若男女が毎日食べるようなパンを地域の人々に届けたい”という思いから2017年12月にオープンした街のパン屋さん。板張りの住まいの外壁からポコッと突き出した左官壁の円筒形の部分は、小麦粉を連想させ、パン屋さんらしさが溢れています。毎日開店と同時に自転車や徒歩で近所の人が続々と訪れている、住まいに併設したこの小さな愛らしいお店をご紹介しましょう。■ 「パンの島」が届けるフランスの家庭のパン吉祥寺のビルが林立する大通りからほんの30mほど入った、繁華街と住宅街の境目に建つこのお店の名前は「リールオパン」。フランス語で「パンの島」というそう。朝9時半の開店時間には、近所の住民がやってきて、棚に並んだパンは見る見るうちに減っていきます。ひとりで店番をしつつ、令央奈さんはすきまを縫って手を動かしては、次なるパンの仕込みにかかり、大忙し。「朝4時半頃起きて、12~13時間立ちっぱなしですが、全然つらくはないです」と令央奈さん。当初は朝にまとめて焼いていたパンも、午後に来たお客さんにも焼きたてを食べてもらいたくて、今は2度に分けて焼いているそう。結婚前の20年以上、フランスに住んでいた令央奈さん。パン屋であれば日本にたくさんありますが、多種多様でなくても凝ったものでもなく、”毎日変わらぬ味の定番のパン”、この懐かしい味を再現し、食べてもらいたい、と自分でパンを作っているうちにだんだんとお店を持つ夢が膨らんでいったそう。「一度店に立つと大忙し、それでもフランスの街角にあるパン屋さんのように、お客さんとの会話を楽しむひとときを大切にしたい」と令央奈さんは語ります。■ パン屋を始める背中を押してくれた”建物の設計”建物の設計を依頼したのは、ニコ設計室の西久保毅人さん。テレビや雑誌でニコ設計室が手掛けた住宅を見てご主人が気に入り、令央奈さんも賛成する形に。当初は、パン屋開業の前に修行や準備を……と迷いもあった奥様ですが、設計が進むにつれて、「ここで今お店をしなかったら、いつ、どこでするんだろう」という気持ちになったとか。ご主人だけでなく、西久保さんの設計が背中を押してくれたことも大きかったようです。実は、竣工後しばらく夫のバイクガレージとして使っていた場所を約1年後に手を加え、店舗としてオープンしたというから驚き!可愛らしいお店の看板は、もちろんニコ設計室のデザインのもの。住まいの玄関は店舗右手の奥。緑豊かなアプローチを抜けると、左手の店舗の外壁に、可愛らしい鳥や葉のレリーフが目につきます。「規模が大きな建物には目が行く細かな要素があったほうが大味にならない」と西久保さん。このレリーフは、室内の左官壁にも同様にあしらっています。■ 外と連続した開放的な室内円筒型の店舗、そして曲面の左官壁に目を引く島岡さんの家。室内は一体どうなっているのか気になりますよね?中2階のリビングからダイニングを見上げてみると、表しの構造材の梁が伸び、気持ちいいくらいの天井の高さと空間のスケールに感動してしまいます。反対に、2階のダイニングからリビングを見てみると、両側の開口部は全開でき、明るい陽射しがよく降り注ぎます。右は公園に面したテラス、左は中庭に通じ、写真中央の曲面壁は上階はブリッジでつながる子ども室、下はご主人の書斎に。曲面壁がなんだか隠れ家のようになっていてワクワクしてしまいますね。壁と天井の黄色い塗装はポーターズペイント、なんと夫婦で塗装をされたそう。ナチュラルな風合いが空間にやさしく溶け込みます。キッチンは正面の窓から中庭の緑が眺められる構造に。大きなオープンキッチンの背後の壁面にはガスオーブンをビルトインし、左奥にはパンをこねる作業台としても使える人造大理石のカウンターも造り付けています。キッチンに立つと正面の窓からは緑が眺められ、季節の移り変わりも楽しめ、ここでも外との連続が感じられます。■ プライベート空間を豊かにリビング・ダイニング以外のスペースも、様々な”技”が。来客時に、お客さんとの話が楽しめそうな広い玄関ホール。天井はレッドシダー羽目板張りで、外の軒天も同材を張り、連続性を持たせています。左手の開口部は中庭、右手の障子は和室に通じます。客間として使う和室は、3種類の和紙を貼り、他の部屋とは雰囲気が一変!涼し気で美しい壁は和紙職人のハタノワタルさんが手掛けたものです。2階の洗面室とトイレ、パントリーをつなぐスペース。上部にトップライトがあり、正面の格子戸も開放して風を通すことができるという優れもの。洗面室から浴室を眺めるとカラフルなタイルの2色が目につきます。なんと1色だと在庫が不足していたために色違いをランダムに交ぜたんだとか。偶然がもたらす楽しさに感動してしまいます!■ 快適な住まいのカギは”視線”結婚前、密集地に建つ集合住宅でひとり暮らしをしていて息苦しかったという令央奈さん。解放感が味わえる快適な住まいを手に入れるカギは、”視線”をうまく利用することでした。島岡さん宅の敷地は裏手に竹林が美しい公園が接する点は魅力ですが、大通りが近く隣に駐車場があるなど、商業地と隣り合わせゆえの難点も否めません。そこで西久保さんは街からの視線を遮ったうえで、竹林の借景や中庭の緑を取り入れ、各部屋をスキップフロアでつなぐことで、落差が大きい繁華街と住宅地のはざまに建つ家の内部に、グラデーションのような変化が楽しめる空間を生み出したのです。また、プランが台形状になった理由は、道行く人の視線を南から北へといざなうため。北側は低層の小住宅が続く住宅地であるため、南からの視線はカットする必要があり。しかし、北側の住宅地から見たときに要塞のようにならないように「南は大きく、北は縮め」、駅から帰宅する人の視線も自然と低い北側へ向かうようにしているそう。「お子さんと過ごす時間を増やしたいのでいずれは人を雇いたい」と令央奈さん。そして今後の目標は「みなさんの朝食に間に合わせたいから、7時から営業することです」とは驚き!快適な住まいを手に入れるためには、間取り、部屋の広さ、設備のスペック……などその条件は様々。今回ご紹介した島岡さん宅は目に見えない”人の視線”が快適な住まいをつくるカギの1つになっています。理想の住まいを実現するということは、”他”を通じなければ成り立たないもの。島岡さん宅は、そんな大切なことを気づかせてくれるお家でした。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年5-6月号」も参考にしてみてくださいね。【SHOP DATA】L’ile aux pains■住所東京都武蔵野市吉祥寺東町1-17-6年12月にオープン。1~23歳までフランスで育った島岡令央奈さんが、フランスの家庭で老若男女が毎日食べるようなパンを地域の人々に届けたいという思いから始めた。設計/西久保毅人(ニコ設計室)撮影/伊藤美香子住まいの設計2018年5-6月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「あなたはどんなスタイルがお好み? 自分らしいキッチン&くつろぎのバスルーム」 【第二特集】「HOUSE WITH SMALL SHOP 小さな店のある暮らし」
2019年03月15日3月15日発売の「住まいの設計2019年4月号」では、家好き芸人、アンガールズ・田中さんが建築家の自邸を突撃取材する4回目の連載が掲載されています。アンガールズ・田中さんは広島大学工学部第四類建築学部卒業。大学では建築の構造を研究し、得意分野は日本建築だそうです。今回は、四方を建物に囲まれた旗竿敷地で快適に暮らす、浜崎一伸さんのお宅を取材しました。■ 2つの中庭にはさまれ借景の緑も楽しめる開放感あふれる空間周囲を住宅に囲まれた旗竿敷地にRC造の平屋を建てた浜崎一伸さん。「最初にここに来たとき、『本当に囲まれているな』と思いました。真ん中だけポツンと残った状態で、どう建てても周りは迷惑だろうな、と。それで平屋にしました」と語ってくれました。「旗」の部分に配された平屋には、2つの中庭が。1つは屋上への階段がある中庭で、もう1つには大きなシマトネリコが植えられています。その2つにはさまれるようにあるのが、リビングダイニング。「中庭から光が入るので、室内は明るくて気持ちがいいですね」と田中さん。ダイニングの横長の窓からは、隣の庭の緑を借景として取り込んでいます。「あっちの緑も、光が差して影がカッコいい!」と、田中さんはリビング側のコンクリート壁に設けられた窓を指していました。■ いろいろな楽しみ方できる!高低差のある屋上次は、中庭の階段を上って屋上へ。「気軽に屋上に行けるのって、大事なポイントだと思います」と、上りながら語る田中さん。部屋ごとに異なる天井高を反映して高低差が生まれたルーフテラスは、芝生スペースに菜園、ウッドデッキの物干し場と、変化に富んでいます。「寝室のロフトからも屋上に出られるので、子どもが小さい頃はよく友達と鬼ごっこをしていました。階段を下りて、またロフトから出てきて。今は、ロフトの窓からそれぞれ部屋に乾いた洗濯物を投げ入れています(笑)」と浜崎さん。浜崎さん自身も、芝刈りや菜園の水やりなどで、頻繁に屋上に上がるそう。「いろんなところから気軽に屋上に行けるのもいいし、ご近所との関係性もちょうどいい感じですね」(田中さん)。こちらは、中庭を見下ろす田中さん。中庭の両サイドのサッシはフルオープンになっていて、室内に光と風を行き渡らせています。各部屋から眺められるシンボルツリーのシマトネリコは、ルーフテラスの上にも大きく枝を伸ばして成長中!■ 階段のある中庭で仕切られた仕事スペース階段のある中庭の南側は、浜崎さんの仕事場。玄関脇の仕事場も中庭によって明るい空間になっています。中庭で分けつつ、居住空間との回遊性も確保。■ ゲートの道路側のフェンスには半透明のガラスを採用田中さんが立っているガラスフェンスの手前は“ミニ生産緑地”の予定地で、実現したらガラスのフィルムをはがして緑を見せる予定だそう。「この半透明のガラスも、圧迫感がなくていいと思います。」と田中さん。家を見終わった田中さんは「庭や中庭、屋上も広々していて、大変魅力的だった」と満足気でした。もっと詳しく見たい方は、「住まいの設計2019年4月号」をご覧ください!【取材協力】株式会社And Associates東京都中央区日本橋茅場町2-13-8 FLAT4代表の浜崎一伸さんは、1969年香川県生まれ。’93年東京大学工学部建築学科卒業、’95年同大学大学院修士課程修了。竹中工務店、谷口建築設計研究所(出向)などを経て、2010年よりAnd Associatesを主宰。撮影/水谷綾子住まいの設計2019年4月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「家族のシアワセのときが流れるキッチン&バスルームあります」 【第二特集】「HOUSE with SMALL SHOP小さなお店のある暮らし」
2019年03月15日夫婦とひとり娘、そして家を建ててからやってきたトイプードルのルル(メス/2歳)が暮らすのは、素材にこだわり、そして間取りには細やかな気配りが随所に施されているナチュラルな家。いろんなところに家族の居場所があり、年を経るごとに味わいが増す、魅力あふれる住まいです。■ 自然素材を使い、一緒に年を取れる家にSさんが家を建てたのは、夫の実家の敷地内。母が暮らす母屋とはつかず離れずの距離にあります。その近隣の集合住宅に暮らしていたSさん家族ですが、父親が亡くなり母親がひとりになってしまったこと、そして娘の小学校入学をきっかけに家づくりを考え始めたといいます。設計は名古屋の家具店で紹介された建築家の松原知己さんに依頼。「一緒に年を取れる家を」との希望を伝え、そのほかは松原さんに一任しました。「プランは模型で説明を受けたんですが、当初から心をわしづかみにされました」(夫)。1階にはLDKと洗面・浴室、2階に寝室と子ども室というシンプルな間取りながら、身体感覚に寄り添うちょうどいいスケール感。木と塗装の仕上げなど、自然素材を使用した空間は理想通りでした。明るい色味の床はナラ材を採用。キッチンの面材と相まって、木の温もりが感じられるやさしい空間です。柱・梁などもできるだけ自然のものを選び、家族とともに一緒に年を重ねていけるよう考えられています。また、敷地内にはSさんの母が暮らす母屋が建っているため、母屋との距離感を大切にしました。気軽に行き来ができるように、リビングの大開口を母屋側にするなどの配慮をしています。キッチン内部はこちら。家具工事によるオリジナルのキッチンの面材はオークが用いられ、LDK空間と調和しています。収納量も十分ですね。リビングは長女とルルのプレイグラウンドです。ソファに乗れば長女と目線が近くなるので、ルルのお気に入りの場所です。ダイニングは家族団らんの場所。「ルルは寝るのも一緒。3人と1匹で布団を分け合っています。夫がたまに自分の食事からおすそ分けしちゃうので、食卓では夫の膝に乗ってることが多いかな」(妻)。心地よい家で、ルルもごきげん。■ 愛犬と暮らすための便利な場所がいろいろあるルルがS家に家族として迎えられたのは、家が建って1年後のこと。設計段階でルルを想定した間取りの工夫はとくにありませんでしたが、ルルもうれしい便利な場所があちこちにみられます。玄関扉の外はアルコーブ型で、屋根のかかった半屋外のような空間になっています。実はここが大変便利。小さなベンチがあって、散歩の行き帰りにグルーミングしたり、雨の日にはルルの体を拭いたりと大活躍。正面の壁まで奥行きを長く取っているので、玄関扉を開けたときにルルが表に飛び出しにくくなっています。広々とした玄関土間は洗い出しの床が印象的。暑さが苦手な犬にとって、土間のひんやり感は気持ちいいもの。「さあ、散歩に行ってきま〜す」。ところで、真っ黒な外観に目がいきませんか?素材はなんだろう…?外壁はスギ板張りの墨色塗りなんです。散歩から帰ってきたら、足を洗わなくちゃ。玄関脇には水場が設けてあります。もともと草木の水やりのために設けたのですが、散歩帰りのルルの足を洗うのに重宝しています。ちなみに、庭も広いので走り回ることもできますね。■ 暮らしに彩りを添えるちょっとしたコーナー「読書コーナーと、リビングのデッキは僕の昼寝場所です」と夫。ちょっとしたコーナーを設けているのがS邸の特徴でもあります。リビングにつながるデッキにはハンモックを吊るして。ゆったり時間を過ごすひと時は、ゆらゆら揺れてリラックス。リビングの東側にある小上がりの和室は読書コーナーに。座って本が読める造り付けの机が北側に備わっています。傾斜した天井と壁によって、心地よい囲まれ感を演出。畳敷きだから、お昼寝にも最適ですね。2階、階段を上がった空間はオープンなファミリールーム。南側の窓際には机、北側には本棚が備わるスタディースペースです。今はダイニングテーブルが勉強机だけれど、長女にとってここはお気に入りの場所のひとつのよう。インナーバルコニーは、晴れていればもちろん雨が降っていても心地よい空間。「休日にここで飲むビールは最高ですよ」と夫。ひらけた風景が見えるのは……。インナーバルコニーの南側です。道路を挟んでSさんが所有する畑の景色が広がっています。2階の子ども室にもこんな空間が!ロフトベッドがしつらえられているんです。ここもちょっとした隠れ家のよう。下部は収納として活用。キッチンと隣接した洗面・浴室。北側に位置しているがハイサイドサッシから光を取り込み、明るい印象の空間です。キッチンから回遊できるので家事がはかどりそうですね。思いを形にした「家」が家族みんなをしあわせにし、ルルが仲良し家族のつながりをさらに強めてくれました。暮らしを楽しむSさんのお宅には、いつも笑顔があふれています。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年3-4月号」を参考にしてみてくださいね。設計/松原知己(松原建築計画)撮影/日紫喜政彦住まいの設計2018年3-4月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「だって大好きなんだもん!猫と暮らす、犬と暮らす幸せな家のつくり方」 【第二特集】「家にも働いてもらおう!併用住宅と二世帯住宅」
2019年03月14日皆さんは今の「住まいの満足度」はどれくらいですか?住む年数によって多少変わってくることもありますが、やはり住まいに対する満足度は購入したり住み始めたりした時に決まってくるものかもしれません。注文住宅を建てた人でも、すべての人が「住まいの満足度」が高いわけではないようなんです。そこで、注文住宅での住まいの満足度を上げるために必要なことをご紹介します。■ 注文住宅を建てた人も意外と低い、住まいの満足度!住まいのプロに出会えるマッチングサービスを運営するSUVACO(スバコ) 株式会社が、同社に登録している日本全国の会員283名を対象に「住まいに関するアンケート」を行いました。まず「現在の住まいの満足度」をパーセンテージで表すと、平均では63%となりました。最も多いゾーンは70%台で、全体の28.3%。100%満足しているという人はわずか1.8%にとどまるという結果になり、多くの人が何らかの不満を持っていることが明らかになりました。なお、現在の居住形態について聞くと1番多かったのは「注文住宅」で、次に多かったのは「集合住宅を賃貸」でした。この2つを比較してみると、注文住宅の人は満足度が70%前後に集中している一方で、集合住宅を賃貸している人は満足度が30%台から70%台までとばらつきが目立ちます。なにより注目したいのは、自分の理想を詰め込んだはずの注文住宅でも、最も多かった満足度は70~79%となり、思ったより低めであること。これは、設計段階からの不満や住んでから気づいた点など、自由設計ならではの難しさもある分、マイナスになっていることがうかがえます。cba / PIXTA(ピクスタ)また、集合住宅の賃貸が注文住宅に比べて平均満足度が低くなっているのは、ある意味では当然といえるでしょう。特に間取りや部屋の狭さ、収納の少なさ、自分の好きなようにカスタマイズができないとった不満などが、満足度を下げる要因になっていると思われます。■ 注文住宅における満足度には「建築過程」も大きく関わっていた!次に、現在の住まいの満足度に対する理由をご紹介します。良い点として多く挙げられていたのが「立地・環境の良さ」「間取り」「広い」でした。逆に悪い点として挙げられていたのは「狭い」「古い」「間取り」でした。また、「注文住宅購入者」だけで限定してみると、「(建築士やハウスメーカーなど)業者との関係」が良い点3位、悪い点4位とそれぞれで上位にランクイン。アンケートでも、「建築家さんと納得いくまで約1年打ち合わせさせていただきほぼ理想通りで完成しました」という意見もあれば、「担当のプランナーさんの提案力不足もあり、失敗したと思える箇所が多々ある」という意見もありました。freeangle / PIXTA(ピクスタ)自由度が高く、さまざまな思いや理想を掲げて挑む注文住宅。ただ単に家のスペックだけではなく、建築の過程も大きく影響を及ぼしていることがわかります。■ 建築士など専門家の活用が満足度を上げるポイント今回のアンケートでわかった「現在の住まいへの不満」からは、次の住まいの満足度を上げるコツも見えてきます。セーラム / PIXTA(ピクスタ)満足度が90~100%の人のアンケートでは、「納得のいく家になったから」「終の住処として、こだわりを話しました。少し無理して満足いくものに仕上げました」「自分の好み、イメージどおりのリノベーション」など、自分の住まいについてとことん追求し、自分好みの家に仕上げている様子がうかがえました。TATSU / PIXTA(ピクスタ)一方、満足度の低い人からは、「しておけばよかったことがたくさんある」「もっと考える時間が欲しかった」など、作った後から後悔の念が生まれたというコメントが。また、満足度の高い人ほど建築士やハウスメーカーととことん話し合い、良い信頼関係を築きながら住まいづくりをしていたことも判明。ucchie79 / PIXTA(ピクスタ)「リノベーションでも信頼できる業者を見つけてとことん相談でき、自分でもかなり調べ物に費やしたのでとても満足のいく出来となった」「尊敬する建築家に依頼し、十分に相談し、期待以上の住宅になったから」といったコメントからもうかがえるように、良い関係性を築ける専門家探し、そしてその専門家の活用が重要な要素であることがわかりました。もちろん、「収納」「設備」「家事動線」といったポイントも満足度を上げる大きなポイントですが、そういった住みやすさを専門家にとことん相談できるかという点は大きいでしょう。今回のアンケートでは、時間をかけてじっくりとなんでも相談できる専門家を探し、その専門家と一緒に理想の住まいを作っていくことが、注文住宅における満足度アップのために大切だと分かったと思います。注文住宅を考えている人は、ぜひこのアンケートを参考にしてみてください。【参考】※「住宅満足度」平均値は63%満足度が低い理由TOP3 は「狭い」「古い」「間取り」
2019年03月11日小学生の子どもをもつ齋藤さん夫妻は、のびのび子育てをしたいと、借景の緑を眺められる土地を購入。そんなご夫妻の思いを受け、建築家の布施木綿子さんは「林の中にいるような空間づくり」を目指したといいます。樹種を多く使うなど、特徴的な斎藤邸。どんな住まいができ上がったのでしょう。■ 「林の中にいるような」空間づくり齋藤さん夫妻が設計を依頼したのは、「アーティスティックだけど派手ではなく、シンプルな感じ」が好みに合うと感じた、佐藤・布施建築事務所でした。一般の住宅と少し異なるのは、いわゆる玄関はなく、ウッドデッキからリビングへダイレクトにアプローチすること。デッキから木製サッシを開けるとすぐにタイル貼りのリビングが広がります。こちらがそのリビングです。日当たりのいい明るいリビングは、長男の遊び場にもなっています。その先に進むと、木をたっぷり使用したダイナミックな空間が広がります。見上げる吹き抜けは下見板張りの壁で囲まれ、天窓から光が降り注いでいます。布施さんが目指した「林の中にいるような空間」が実現しました。深呼吸をしたくなるような爽やかさを感じますね。もちろん木の香りにあふれています。もうひとつ特徴的なのが、多種多様な樹種を使用していること。ダイニングの床は木目が強く主張するミモザ。吹き抜けの壁はベイ杉。カウンターの天板や柱は国産のスギ。また扉類はマコレー等を使用しています。「住まいは生活の場ですから雑多なものが入ってきます。素材に幅を持たせることで、雑多なものを置いても受け止められる大らかさが空間に備わるのです」(布施さん)。■ 家全体をひとつの部屋のように共働きの夫妻が望んだのは、「家全体がひとつの部屋のような」住まい。家族がしっかりとコミュニケーションを取れるように間取りが考えられています。上下階が吹き抜けでつながる構成は、お互いの声や気配が伝わりやすいだけではなく、高低差が空間にダイナミックな躍動感を与えています。キッチンは家じゅうを見渡せる位置に。「リビングの大きな高窓から一面の緑が見えて気持ちがいいんです」(妻)。妻は毎朝、お気に入りのキッチンに立つのが楽しいとか。多忙な日々、この家から活力をもらっていると話します。右手にキッチンを見つつステップを上がれば、家族団らんの場所、ダイニングです。公園に向かって開かれたダイニングは明るく、まるで広い庭があるような開放感。ミモザのフローリングが、インドネシア製のダイニングセットの存在感と調和しています。先ほどご覧いただいた大らかな吹き抜けは、2階から見ると、このとおり。「ごはんよ〜」「すぐ行くよ〜」。声もはっきり聞こえます。「共働きだから、家族で一緒にいられる時間が短いので、どこにいても気配を感じられる家が希望でした」(妻)。2階主寝室は吹き抜けに面しています。左手壁の向こうの大型ウォークインクロゼットに、家族の衣類を集中収納。和室は両親が泊まりにきたときのための部屋で、縁なし畳の下には布団などを収納できるよう工夫しました。右の障子を開ければ、吹き抜けにつながります。その和室は子ども室とつながっています。現在は和室と子ども室の2部屋をオープンに使っていますが、将来は建具で隔てられるように、溝を彫ってあります。ちなみに、1階にも子どもの勉強のためのコーナーを作りました。小学生なので、個室ではなく家族の目が届く場所で勉強をしているそう。限られた面積の中にも、家族の成長に合わせて変えられるフレキシブルな空間が確保されているのはうれしいですね。■ 公園の緑を借景とし、風通しも得る実は、不動産会社からは隣の土地を案内され、南面する学校の緑が気に入って決めかけていたといいます。しかし、現地を訪れた佐藤さんと布施さんは、道路から奥まった公園側の土地を勧めました。「齋藤さんは明るく風通しのいい家を希望されていたので、3方向に抜けのあるこちらのほうが有利でした。それに、敷地延長の路地を駐車スペースにすることで、家の前に庭もつくれると考えました」と佐藤さん。南西側が学校(写真手前)、北側が市の公園(写真左側)に接する敷地環境を生かし、プライバシーを守りつつ緑を借景として最大限取り込めるように窓を配置しました。旗竿敷地を選んだおかげで、建物の前を駐車スペースでふさがれず庭を設けることができました。「庭を抜けて家に入ると、ホッとしますね」(夫)南西側正面は高校の敷地で、鬱蒼と樹木が茂ります。こんなところにも緑を望める窓が……。在宅で仕事をすることもある夫妻のため、1階にワークスペースを設けました。パソコンから目を上げれば北側の公園の緑が見えます。2階浴室の窓は公園側を向いており、開放的。洗面・脱衣室は、間仕切りをガラスにしたことで浴室からの光をたっぷり採り入れます。床は足触りがひんやりしないパインの無垢材を採用しました。差し込む光と木のぬくもりで、とてもリラックスできそうな浴室空間ですね。木々に囲まれ、吹き抜けがつなぐ大らかな空間は、自然の中に溶け込んでいるような齋藤邸。家族全員がリラックスでき、疲れも癒されるような家でした。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2017年9-10月号」を参考にしてみてくださいね。設計/佐藤哲也+布施木綿子(佐藤・布施建築事務所)撮影/伊藤美香子住まいの設計2017年9-10月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「住む人に優しい 木の家、自然素材の家」 【第二特集】「緑と一緒に暮らしたい!ビューティフルガーデンハウス」
2019年03月10日日本を訪れた外国人が「ウォシュレット*」に感動して、自国に買って帰るとはよく聞く話。日本のトイレの使い心地やその技術は、世界のどの国にも引けを取らないようです。トイレのトレンドなども含めて、その理由はどこにあるのか、「住まいの設計」の丸編集長がTOTO東京センターショールームへ実際に行き探ってみました。■ ツルッツル、ピカピカの秘密は?丸編集長(以下、丸)ご案内くださるのはショールームアドバイザーの豊嶋さんです。豊嶋さん(以下、豊嶋)まずはこちらをご案内しましょう。ここではトイレのラインナップを見ることができます。タンク式トイレからタンクレストイレのデザインやサイズ等を比較、また実際に水を流してみることもできるんですよ。丸あのビッグベンとリトルベンのCMでお馴染みの「ネオレスト」ですが、汚れを落ちやすくするだけでなく、菌も繁殖しにくい環境をつくるんですって?豊嶋釉薬の上に特殊なガラス層を焼き付けた、TOTO独自の「セフィオンテクト」という技術で汚れを付きにくくし、水を電気分解して除菌成分を含ませた「きれい除菌水」で菌への対策も施しました。様々な側面から清潔いつもピカピカさの工夫をしています。ショールームでは、汚れのつき方の違いのお試しも可能。さすがはナノレベル。左側の「セフィオンテクト」はつるっとしてて鉛筆で書けません!硬いスポンジでこすってもキズもつかず、掃除をしやすいようにフチ裏をなくしたのも特徴です。■ 2段式の「ジャ~」で節水を実現便器の中で汚れる部分と言えば、ハネ返り問題が避けられない、”フチ裏”と、”ウォッシュレットのノズル付近”ですよね。そこでTOTOが開発したのが渦を巻くように水が流れる「トルネード洗浄」。新商品では、吐水口を右側にして、汚れやすい便器後方に勢いよく水が当たる仕様になっています。丸なるほどね~。水の流れ方を変えるという発想がすごい!ところで節水については今どうなっているんですか?豊嶋ネオレストは1回あたりの洗浄水量が3・8Lなんです。丸ほぅ。20年前は13Lだったということですから、すばらしい進化ですね。それでしっかり汚物を洗い流すのだからすごい!それを可能にしたのが「ハイブリッドエコロジーシステム」。1回の「じゃ~」ですべてを押し流すのではなく、水道直圧水と内蔵タンクから加圧した水の両方を組み合わせて2段式で洗浄します。”トルネード洗浄”でボウルの中を洗い、もうひとつ下からの水”ゼット洗浄”で汚物を下水管に押し流すそう。丸こんなことを聞いたことがあるんですけど、ある程度の水量がないと下水本管まで汚物が流れていかないらしいですね。だから節水といっても、最低限の水量は必要だと。この3・8Lというのはギリギリのラインなのでしょうか?豊嶋そうですね。当社に限らずちゃんと流れるかどうかの試験もやっています。ベターリビングの規定がありまして、17m先に流せないといけないのです。便器から汚物を排出したあとを「搬送」というんですが、この2つの洗浄とこの搬送性能の3つを満たす便器洗浄の根幹を、TOTOでは「洗浄エンジン」といい、それによってしっかり洗い流します。■ ”オブジェ”なトイレたち丸話は変わって、最近はトイレ空間もおしゃれになっているようですね。豊嶋はい。戸建ての場合の傾向として、お客様も使用する1階はちょっと広めの身支度もできる空間とし、2階は家族だけが使うコンパクトなトイレ空間をつくるということも多いようです。カウンターと鏡がある、レストルームドレッサーセレクトシリーズ。身だしなみも整えられ、まるでパウダールームのような空間に。また、ショールームでは高齢者に優しい、立ち座りの補助にもなり、肘掛けとしても使用できるアームレストを設置したプランも展示。使用しないときは、壁側に上げておけるため、空間もスッキリ見えますよね。「レストパルF」は、床から浮かび上がるデザインで床掃除がラクラクという感動モノ!フロアライトが点灯すると浮遊感が一層増します。また、現代ではトイレの色で主張するというよりも、空間の中にひとつのオブジェのように存在する傾向があり、ほぼホワイトが選ばれるそう。よってカラーバリエーションもスタンダードな色味の4色展開。白であれば、便の状態を毎日チェックしやすいというのもポイントが高いと思いませんか?丸ネオレストNXなど、オブジェのようで、このまま美術館とかに展示してもいいんじゃないかと思う造形美です。トイレは単に「あればいい」のではなく、機能はもちろんデザインまで含めて、もっともっと考えたほうがいいんじゃないかと思いました。いかがでしたか?私たちの生活になくてはならないトイレは、より美しく、過ごしやすく、手間をかけずに清潔さをキープできるよう進化していることが分かりました。自宅のトイレ設備の充実は、生活の幸福度アップにつながる!?この機会に自宅のトイレについて考えてみられるのもいいかもしれません。※ショールームの展示は、2018年3月に取材した時のものです。展示内容が変わっている場合があります。【取材協力】TOTO 東京センターショールーム東京都渋谷区代々木2-1-5 JR南新宿ビル7・8F営業時間/ 10:00 ~ 17:00休館日/水(祝日は開館)、夏期、年末年始0120・43・1010*「ウォシュレット」はTOTO株式会社の登録商標です撮影/林 紘輝(扶桑社)写真提供/TOTO住まいの設計2018年7-8月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「そこが知りたかった!私たちがハウスメーカーで家を建てたワケ」 【第二特集】「みんなの希望を叶えましたいろんなカタチの二世帯住宅」
2019年03月09日日刊Sumaiの運営のほか、『住まいの設計』『リライフプラス』の撮影で年間70件以上のお宅撮影に飛び回る編集部・君島(47)の取材こぼれ話や、うっかり母さんなプライベートをチラ見せ!■ 自立するコップ、秘かに気になります…先日は名古屋にて、お宅撮影でした。アネストワンさんの施工例です。リビングにはソファではなく、特別な張り地のニーチェアを置いておられ、とっても軽やかで素敵だな〜っておもいました。繊細なフラワーベースや、ミナペルホネンのタイルなどなど、控えめに可愛いものやオシャレなものが取り入れられていて、いろいろキュンときました。控えめ、が実は難しいんですよね。このクロスも、おしゃれですよね。華やかな柄ものもいいけど、こういう地味に大胆な柄を選ぶところがデキる!って感じです。自立するコップも、秘かに気になりました〜。■ 『リライフプラスvol.32』が3/14(木)発売になります『relife+(リライフプラス)vol.32』が 3/14(木)発売になります。表紙は、 リライフプラス初登場の水雅さんの施工例です。こんなかっこいい壁面収納初めて見ました!巻頭特集は「マンションの収納問題はリノベで解決!」 。収納以外の部分もすてきなお宅を10軒ご紹介していますので、ぜひご覧くださいね。アマゾンので予約もできますのでよかったら〜。
2019年03月09日同じ家に住む親子でも、住まいや暮らし方に対する考え方が大きく異なって意見がぶつかることもありますよね。18~25歳の「ミニレニアル世代」とその「親世代」では、まったく考えが違うといっていいかもしれません。しかし、なかなかお互い譲り合って歩み寄るというのも難しいもの。お互いの考えていることを理解できれば……と思ったことはありませんか?今回は、ジャパンネット銀行が18~25歳の「ミレニアル世代」と、18~25歳の子どもを持つ40~59歳の親を対象とした「住まいと暮らし」に関する調査の結果をご紹介しましょう。■ ミレニアル世代と親世代が「居住環境」で重視する点は?調査ではまず、両世代に「居住環境を決めるうえで重視することは何ですか?」と尋ねました。すると、最多はどちらも「買い物に便利な立地であること」(ミレニアル世代/79%、親世代/80%)。Job Design Photography / PIXTA(ピクスタ)次いで「最寄りの駅やバス停から近いこと」(ミレニアル世代/65%、親世代/68%)という結果までは一緒でした。ふじよ / PIXTA(ピクスタ)しかし、ミレニアル世代の3位は「勤務先から近いこと」(ミレニアル世代/63%、親世代/44%)なのに対し、親世代は「自然災害について安全な立地であること」(ミレニアル世代/43%、親世代/53%)と、別々になっています。ロストコーナー / PIXTA(ピクスタ)また、ミレニアル世代では「都市の中心部であること」(ミレニアル世代/33%、親世代/17%)、「飲食店が多いこと」(ミレニアル世代/32%、親世代/7%)という項目でも親世代よりかなり多くなっています。Kazpon / PIXTA(ピクスタ)居住環境について、ミレニアル世代が何よりも「便宜性」を優先するのに対し、親世代は「住みやすさや安全」を重視していることが判明しました。■ ミレニアル世代の1割以上は「気軽に引越ししたい」調査では次に、「住まいを決めるうえで重視することは何ですか?」と質問。すると、1位はどちらも「住宅の性能がよいこと」(ミレニアル世代/69%、親世代/66%)。xiangtao / PIXTA(ピクスタ)次いで、「住宅の内装が好みである(または自分で選べる)こと」でしたが、ミレニアル世代が56%、親世代が47%と9ポイントの差が出ました。kou / PIXTA(ピクスタ)また、6位となった「気軽に住み替えができること」ではミレニアル世代が16%と、親世代の5%を大幅にリード。独身者がほとんどと思われるミレニアル世代は「1つの場所に縛られず、身軽でいたい」と思う人も多いようです。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)一方、親世代のほうは40歳を過ぎれば1つの場所に落ち着きたいと思う年代。マイホームを所有している場合は、なおさらそう簡単に引越すわけにもきません。■ ミレニアルの半数以上が「新しい暮らし方」に興味津々!前出の調査結果によると、ミレニアル世代は住まいの利便性を重視した自由な暮らし方を理想としているようです。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)そこで、両世代に「持ち家や賃貸などにとらわれない、新しい暮らし方に興味がありますか?」と尋ねると、ミレニアル世代の57%が「ある」と回答。ふじよ / PIXTA(ピクスタ)一方、親世代は37%と、20ポイントの大きな差があることが判明しました。独身時代は自由に生きていても、年齢が上がるにつれ人間は「家族や仕事、財産などを守りたい」という保守的な思考が自然と強くなるのでしょう。■ 自由に生きたいミレニアル世代と保守思考の強い親世代では、ミレニアル世代の住まいと暮らし方に関する考え方は、具体的に親世代とどのように違うのでしょうか?両世代に、「自分の同世代に興味を持たれそうだと思う住まい方・暮らし方」を訪ねると、下記のような結果となりました。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)アドレスホッピング(固定の家に住まうことなく様々な場所に住む暮らし方)……ミレニアル世代/31%親世代/10%サードプレイス(自宅や職場ではない、心地のよい第3の居場所を持つこと※カフェ・居酒屋・公園など)……ミレニアル世代/29%親世代/10%ソーシャルアパートメント(キッチンやリビングなどを共用部分として利用し、各個室をそれぞれのプライベート空間として利用する住まい)……ミレニアル世代/29%親世代/9%デュアルライフ(2つの地域に拠点をもった生活※都市と田舎、国内と海外など)……ミレニアル世代/22%親世代/13%コーポラティブハウス(住宅を取得したい人が集まって組合を結成する仕組みにより、集合住宅でありながら自由設計が可能なマンション)……ミレニアル世代/20%親世代/8%Pangaea / PIXTA(ピクスタ)31%と、ミレニアム世代が最も興味があるのが、アドレスホッピングという「固定の家を持たない住み方」というのは驚き。固定の家を持たないということは、すなわち「ホームレス」であると言い換えることもできそう!?「ものを持たず、軽やかに生きる」という究極のミニマリズム的理想があるのかもしれませんが、自宅でリラックスできないのはつらいところでしょう。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)どの項目も親世代のほうが興味が10%と興味が低そうですが、一番高いのは13%で二拠点生活のデュアルライフ。これは、本宅と別荘を持つというラグジュアリーな暮らし方ともいえそう。経済的に可能ならば、海外などに別荘を持ちたいという方も多いのかもしれませんね。Tony-Studio / PIXTA(ピクスタ)以上、ミレニアル世代と親世代の住まいと暮らしに関する考え方の違いをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。やはり、ミレニアル世代と親世代の間には暮らしに対する考え方や理想に大きな溝があるようです。Graphs / PIXTA(ピクスタ)18歳以上にもなると子どもも1人暮らしができる年頃。お金のやりくりや責任感などを学ぶためにも、親元から離れて自分の力で自由に暮らさせてみるのもいいかもしれませんよ!【参考】※ミレニアル世代と親世代、「住まいと暮らし」の価値観を調査住まいを「モノ」ではなく「コト」として楽しむ若者たちージャパンネット銀行
2019年03月07日愛猫のサバ(オス/5歳)が、中尾家の一員になったのはひょんな事から。数年前、建設会社を営む中尾さんの会社の倉庫で、野良猫が子猫を4匹産みました。夫妻は子猫の里親探しをしましたが、最後の1匹は行き先が決まりません。そこでその1匹を、当時住んでいた賃貸住宅で飼うことにしたのです。ここから中尾さん夫妻の家づくり計画が始まりました。■ タテにヨコにキャットウォークを張り巡らせて…「サバがいなかったら、今でも賃貸のままだったかも。家づくりのいいきっかけになりました」と語る夫。夫妻は、サバがのびのびと暮らせる家を望みました。猫が縦横無尽に動き回れるように、家じゅうにキャットウォークを張り巡らせました。吹き抜けによって1・2階がワンルームのようにつながっているので、大空間をぐるぐると回遊できるのです。2階まで吹き抜けたリビングには様々な長さのキャットウォークが設置されており、梁の上も猫たちの通り道に。夫が座っているのは猫用に設けられたロフトで、窓から通りを眺められる気持ちのいい場所。「人間もひなたぼっこができますよ」(夫)。2階も中庭に面して大きな窓を設けています。右手にはオープンな書斎が。書斎のデスクも棚もキャットウォークになっています。2階の廊下はグレーチングを採用。視線が抜けるので、1階からも2階からもお互いの気配が伝わります。サバと弟分のウリ(オス/3歳半)は、キャットウォークで追いかけっこをしたり仲よくお昼寝したりしているそう。2匹のそんな姿に、中尾さん夫妻は毎日癒やされているといいます。動きを見ているだけで飽きないですね。■ 中庭を囲う居室は光と風が満ちわたる中尾さんの家の敷地があるのは、閑静な住宅地のT字路の突き当たりです。建築家の岸本貴信さんは、道路から1.5mほど高くなっていた敷地を利用して中庭を設けることを提案。中庭を道路との緩衝地帯としつつ、テラス部分をオープンにして風の抜けを確保しました。プライバシーは外壁によって守られています。駐車スペースの植栽は、そら植物園が担当。アガペ、ユッカロストラータ、ローズマリーなどを配し、スタイリッシュなガーデンとなっています。内部は、中庭を囲んで各居室が配されている形です。1・2階とも中庭に面してオープンなので、開放感は抜群です。ウッドデッキの中庭は窓を開けると室内と連続します。視線を気にせず、バーベキューを楽しむこともできますね。リビングとダイニングの間に配されたキッチンは、アイランドスタイル。明るい中庭側に向かって作業ができるなんて気持ちいいでしょうね。ちなみに正面奥はパントリーで、そこに冷蔵庫も収納しているそうですよ。足場板で製作したテーブルを設置したダイニング。中尾邸では蓄熱暖房機「ユニデール」を採用しており、冬でも土間の冷たさはあまり気にならないといいます。南に向いていることもあり、中庭から光も十分に差し込みます。中庭を見て、何かを思うウリ。ウリはこの家が完成してからやって来ました。■ 様々な素材の採用で、快適さを追及建設会社を営む中尾さん夫妻が建てたこの家は、会社のショールームも兼ねています。中庭に面したダイニングはガラス張りで、まさに“ショールーム”。要所要所に合った様々な素材を採用し、快適さを実証しているんですよ。訪れた人は素材を体感できます。造作のキッチンの素材は、独特の質感を持つ左官材「モールテックス」を使用。「熱にも水にも強く、お手入れもラクです」(妻)ダイニングとキッチンの床はモルタル仕上げの土間に。「掃除がラクですね。夏は冷たくて気持ちいいから猫たちは床にゴロリ。いいことだらけですが、食器を落とすと確実に割れます(笑)」と妻。モルタルの土間は、夏涼しいだけでなく、冬は日が当たって蓄熱するからほんのり暖かいんです。「ボクたちもお気に入り!」(ウリ?)。キッチンの奥のリビングはダイニングから見えないように配されており、床材をオークのヘリンボーン張りに替えることでプライベート感を演出。「ここからはこだわりの水回りと2階個室だよ!」猫の爪とぎにも使われるサイザル麻を敷いた階段を上ると、2階は中庭の吹き抜けをロの字に囲む回遊空間となっています。右側に見えるのが寝室。左側の扉か寝室を通り抜けると2階デッキに出られます。猫たちが外気に触れられるデッキテラスです。ゲストルームになったり猫の遊び場になったりするスペース。寄木張りの床がおしゃれですね。1階洗面室から浴室とウッドデッキを張った物干し場を見たところ。洗面室の床は、天然素材のサイザル麻の採用でさらりとした感触。置き型の鋳物ホーロー浴槽を設置した浴室は、ガラス張りなので明るく開放的。お湯を張っていると猫たちは浴槽の縁に乗ってお風呂番をしたり、浴槽につかっていると天窓からのぞき見することもあるそうです。微笑ましい光景ですね。浴室からつながる腰高の白いタイル貼りの壁にはダークグレーの目地を採用。黒い縁が空間を引き締めます。猫用トイレは階段下を利用して人間用トイレの中に設置。トイレに流せるタイプの砂なら処理が簡単で、臭いも気になりません。ウリはタンクの水を飲むのが好きで、水を流すとすかさず駆けつけるそうです。猫が自由に行き来できる猫用ドアは、ドイツ製の「キャットメイト」を使用。ドアの上に描かれたイラストもキュートですね。吹き抜けによってできた大空間でサバとウリの2匹の猫が縦横無尽に動き回る中尾邸。人以上に猫ちゃんにとって暮らしやすい家かもしれませんね。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年3-4月号」を参考にしてみてくださいね。設計/岸本貴信(一級建築士事務所CONTAINER DESIGN)撮影/西岡潔住まいの設計2018年3-4月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「だって大好きなんだもん!猫と暮らす、犬と暮らす幸せな家のつくり方」 【第二特集】「家にも働いてもらおう!併用住宅と二世帯住宅」
2019年03月07日ガルバリウム鋼板で仕上げた三角屋根が印象的な松角さん夫妻の住まい。3人の子どもたちと暮らすこの家は、訪れた誰もを驚かせます。玄関扉を開けると、なんとバスケットコートがあるのです!■ 天井高6mのバスケットコートを住まいの真ん中に!住まいの中心にあるバスケットコートは、実際のサイズの4分の1弱。2階まで吹き抜けた空間は天井高6mと開放的です。壁には本物のゴールリングが設置されています。「ボンッ、ボンッ」とボールが弾む音を聞いていると、まるで本当に体育館にいるかのよう。夫は、大学バスケ部の監督。新築を決めたときイメージしたのが、「広いリビングとバスケのリング」でした。設計を担当した小泉秀一郎さんは、大胆にも家の中にバスケットコートがあるプランを提案。吹き抜けのコートの左右に部室のように部屋が配され、壁には有孔ボードと、まるで小さな体育館のような家が生まれました。ラワン合板の壁も体育館らしさを盛り上げます。床の仕上げはカバ桜の無垢材で、白いラインは自分たちで引きました。■ 家族の未来を豊かにしてくれる場所夫は仕事で帰宅が遅めですが、毎朝、必ずこのコートで子どもたちと過ごしています。早起きして長男はバスケ、長女は練習しているダンスを見せてくれます。4歳の次男もパパと遊びたくて、早起きして加わるそう。「時間は短くても、子どもとじっくり向き合えるようになりました。成長するにつれ、ますます重要な場になると思います」と夫。北側のダイニングキッチンとの間はメタル製のフェンスで仕切ることができ、ここを閉めて子どもたちがコートで遊ぶ様子を見ながらママ友とお茶を飲むこともあるのだそう。フェンスを開けるとDKとコートが一体に。友人や親戚など人が集まることが多い松角邸では、この広々とした空間が大活躍しています。キッチンやダイニングにいても、子どもと自然にコミュニケーションが取れますね。■ コートを囲む空間にも魅力がいっぱい!ダイニングのテーブルは、間柱とスチールの脚を組み合わせた小泉設計室オリジナルのシステム家具。壁側には下部が収納になった奥行き65cmと深いベンチを置き、上部に棚を設置して収納もしっかり確保しています。キッチンはサンワカンパニーと無印良品がコラボした「MUJI+KITCHEN」に。背面の収納棚は、無印良品のユニットシェルフを間柱を使ってカスタマイズしたものです。各室の扉のマークも小泉設計室がデザインしました。洗面室はシンプルなカウンターに、洗髪もできる大きめの洗面ボウルを設置しています。階段の両側に並ぶ扉は体育館にある部室のような雰囲気ですが、扉のひとつを開けるとトイレになっています。室内は奥行きが深く、上部の窓から光が降り注いでいます。コートを見下ろすように配された2階の廊下は観覧席のような雰囲気。壁面いっぱいに配置した棚は、壁や天井のクロスの色を合わせてぴったりと収めているので造作したかのようですが、意外にもIKEAの棚を活用しています。こちらは潔くコンパクトにした2階の個室。窓を上部に配置してプライバシーを守りつつ、光を取り込んでいます。階段は壁にボルダリングのホールドを設置していて、どこでも運動ができるようになっています。こちらの外観からは、想像がつかないような遊び場がたくさん設けられている松角さんの家。取材中も、家じゅうが遊び場から、子どもたちの笑い声が響いていました。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年10月号」を参考にしてみてくださいね。設計/小泉秀一郎(小泉設計室)撮影/松井 進住まいの設計2018年10月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】編集部がオススメ!あなたの「好き」を実現する家、教えます。 【第二特集】使いやすい。片付けしやすい。楽しい。そんなキッチンと暮らしませんか?
2019年03月06日素敵なお宅があると聞けば北海道から九州まで、どこへでも!フットワークの軽い『住まいの設計』編集長・丸(56)の取材こぼれ話や、男前なプライベートをチラ見せ!■ 不思議なキモチになる場所2月もあちらこちらに行ってました。三重県尾鷲市の小さな漁村。入り江の集落に古家を買ってセルフでリフォームしながら、友人たちと遊び場(隠れ家?)をつくった人の取材とか。漁村の集落って時間の流れた方がまるで違いますね。自然の流れに逆らわないってかんじ。不思議なキモチになる場所でした。3月15日発売の『住まいの設計4月号』でご紹介します。■ パナソニックさんの滋賀・草津工場へ先日はパナソニックさんの滋賀・草津工場へ。知ってはいるけど、でも詳細はもやもやしていていまいちよくわからない(かもしれない)エネファーム。雑誌的にいうと、わかったような気はするんだけど、説明できるほどには分かっていないということなんです。その最新バージョンと工場見学がセットで勉強できるおトクな発表会でした。エネファームというのは、どうやら給湯器の最上位機能を備えたものと解釈すればいいらしい。給湯器って言われた途端、エネファームが身近なものに感じられるから不思議です。すごく大雑把に言えば、給湯器でガスを使用するときのロス熱を使って発電できるし、お湯も沸かせるというわけ。その詳細はさておき、ちょっともやもやが晴れました。「住まいの設計」でもあらためてご紹介しようと思います。■ 外構と一体化したデザインのカーポート一昨日は三協アルミ社さんの発表会へ。U.スタイル アゼストという、新しいカーポートが発売になるそうです。東京あたりでは車に乗る人もカーポートをつける家も少なくなっているようですけれど、近年の気象状況を概観する限り、車もきっちり守りたいですよね。もちろんデザインもチョー大切。こんな外構と一体化したデザインのカーポートなら、家の外観とのバランスもいいんじゃないでしょうか。バランスだけでなく、自由度の高い設計になっているから、便利で快適な生活にも役立つそうです。カーポートは後からつければいいというものではなく、プランニングの段階から具体的に考えておきたいですよね。
2019年03月03日日刊Sumaiの運営のほか、『住まいの設計』『リライフプラス』の撮影で年間70件以上のお宅撮影に飛び回る編集部・君島(47)の取材こぼれ話や、うっかり母さんなプライベートをチラ見せ!■ 人工芝が赤ちゃんゲート代わり!?名古屋にて、お宅撮影がありました。リノキューブさんの施工例です。マンションの1階なのでひろーいお庭付きで日当りも良く、とっても気持ちのいいお宅でした。LDKの壁にどーんと大谷石が!きれいだし、空気的?にも良さそうですよね。キッチンの入り口に人工芝が置かれていて、なんだろ?と思ったら、1歳男児がいま一番コワイものが芝なんだとか。赤ちゃんゲート代わりに置いてるそうです。なんか可愛い。モンキーツリーという姿の良い植物や、カリモクニュースタンダードの家具(テレビボードとローテーブルがそうです)など、さりげなくオシャレなものが取り入れられていて、その分量と配置がデキる!って感じでした。
2019年03月02日2歳、3歳、5歳。まさに遊びざかりの子どもたち3人と暮らす吉川さん夫妻が家づくりをスタートしたのは2年前のこと。夫は現役保育士、妻も元保育士という夫妻が思い描いたコンセプトは「家族みんなが遊べる家」です。そしてできたのが、大きな「ハコ」を子どもたちの居場所にした家。そんな遊び心いっぱいの空間をご紹介しましょう。■ 子どもたちの自由な発想で空間の使い方を変えられる!「サイトを見て、面白い家をつくってくれそうだと直感して」と、設計は村井之俊さん+村井藍さんのユニットに依頼。設計にあたり、夫妻は「村井さんと一緒に子育てについてたくさん話をしました」と振り返ります。そうして完成した2階建ての住まいは、1階にLDKと水まわり、2階に子ども室と寝室を配置したプランです。なかでもユニークなのが2階の子ども室。約18畳の広い空間に、木製の大きな「ハコ」が3つ置かれているのです。「ハコは1人1つ。中はベッドで、ハコごと自在に移動できます」と村井之俊さん。ハコはキャスターつきなので自由にレイアウトを変えられるうえ、壁に大小の穴が開いていて、くぐったりハコからハコへと移動したり、子どもの遊び場としても大活躍。ハコの配置や並び順によって、子どもたち自身で空間の使い方を決められるというわけなのです。ハコは合板のラフな表情をそのまま生かして。3人の子どもたちは、みんなハコが大好き。「自分の場所」ができたのがうれしくて、夜はきちんとそれぞれのベッドで眠るようになったそう。「ハコの上からベッドに飛び降りるなど、体を動かせるのもいいですね」と妻。壁面にハコを縦置きすると、それぞれの開口が向かい合うのでにぎやかに。将来は柱の位置で間仕切りをつければ、小さな個室が3つできるプランです。さらに反対側の壁面には、造り付け収納と机が3つ並んでいます。机と収納の上部を階段のように上がればロフトに上がれる仕掛けで、家の中なのにアスレチック感覚!ロフトは夫の書斎スペースで、なんと夫は南西側のボルダリング仕様の壁から上り下りしているそう。2階の子ども室を見守れるよう、ロフトに壁は設置していません。■ 遊び場に団らんに、多彩に使える土間LDK1階のLDKにも、子どもが上って行き来できる全長9mの壁面収納が。この棚の上は、遊ぶのにもぴったりのスペースです。きょうだいのお出かけグッズが、1人ずつ整理して置かれているのもかわいい。広いキッチンは右奥に容量たっぷりのパントリーを配置し、見える場所はスッキリ収めています。そしてリビング脇には、アールのついた広い土間!外のデッキと合わせて庭のように使えるうえ、キッチンからも目が届きやすいので子どもの遊び場にも安心です。「土間は丸いので、来客時に何人も段差に腰掛けられて重宝します。子どもだけでなく大人も楽しめる家ですね」と夫妻。遊び心あふれる住まいですが、外観は黒い箱のようにシンプルに。外壁には彫りの深いガルバリウムスパンドレルを採用し、道路側はプライバシーに配慮して開口を少なくしています。子どもはもちろん、大人も毎日が楽しくなる住まいです。まさに子どもにとっては、家全体が遊び場のような吉川さん邸。取材中、ずっと3人の子どもたちのはしゃぐ声が聞こえていたのが印象的でした。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年10月号」も参考にしてみてくださいね。設計/村井之俊+村井 藍(アトリエ奏建築設計事務所)撮影/伊藤美香子住まいの設計2018年10月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】編集部がオススメ!あなたの「好き」を実現する家、教えます。 【第二特集】使いやすい。片付けしやすい。楽しい。そんなキッチンと暮らしませんか?
2019年03月01日Oさんは、主に本の装丁を手掛けるグラフィックデザイナー。公私ともに膨大な本を所蔵しており、「象徴的な本棚」が欲しかったといいます。「設計の労力の8割方をこれにかけた気がします(笑)」と設計をした関本竜太さん。「象徴的な本棚」……。それは、3層吹き抜けの壁一面に造られた、迫力に満ちた本棚となりました。■ 本への愛が詰まったダイナミックな本棚絵本の中から抜け出してきたような愛らしい佇まいの家、こちらが東京に建つOさん家族の住まいです。切妻屋根にドアと四角い窓があるだけのシンプルな外観は夫の希望だったそうです。外から見ると小さな家ですが、一歩入ると予想外の光景が!その室内ですが、床を掘り下げ、天井高を確保した一室空間のLDKが広がっています。玄関脇の北側には3層を貫く吹き抜けがあり、吹き抜けに面した壁一面が天井近くまで本棚になっているのです。本棚には手前に文庫本が置ける奥行きがあったり、横置きできるスペースがあったりと、工夫が満載。妻や娘の本も仲よく同居しています。上部の本はどうやって出し入れするのだろう?そんな疑問が生まれますよね。関本さんは、左手の腰壁状の手すりを倒して床板とし、本棚に手が届く仕掛けをつくりました。手すりは軽い力で上げ下げできるアシストするダンパー付きに。使い勝手もしっかり考えられています。手すりは3分割され、写真は中央のみ倒した状態です。1、2階とロフトの3層をつなぐ吹き抜けの見上げは圧巻。天井高はロフトまで7.6mもあるそうですよ!手すりを床板にする工夫の他に、屋根までの梯子など、一部の隙もなく本棚を使うための機能が搭載されています。本棚の前には玄関の床とフラットにつながったモルタルの通路が。右手の床が一段下がっているので、ベンチとしても使えます。■ 街に開かれた共有の「中庭」この家のもうひとつの魅力は、南側の外部のつくり。敷地は南も細い路地に面していて、建て替え時には道路中心線から2m後退させる必要がありました。幸い向かいの家が先に家を後退させて建て、植栽も施していたため、こちらも同様に路地に開くことで、共有の中庭のようなスペースが出現しました。塀を開けると向かいの家の前庭と路地が。そこにO邸の庭がつながって、広場のようなスペースが生まれました。夫は最初に敷地を見たときから、この余地を生かしたいと考えたそうです。「子どものプールを出して遊ばせることも。流しそうめんもいずれやりたいですね」(夫)。塀を閉じればプライバシーは守られるから安心です。手前の板塀は可動式で、2枚の引き戸をすべて引き込むとLDKの開口部と同じ間口分が開きます。開口部の外には夫の要望だった縁側を設けました。■ 家としての質を保つ細部へのこだわり本棚や空間のダイナミックさに目を奪われがちですが、細部にまで配慮の行き届いた設計と丁寧な施工にも注目ください。DKの天井は構造材を表しにすることで、オープンな空間に変化とリズムを生み出しました。玄関とLDKの間にはガラス戸が建て込まれ、閉めると室内窓のような趣に。ガラス戸なので開放感も得られ、明るい光も入ります。ロフトは家型のブルーの壁が印象的。内窓からも本棚が見えます。いろんな使い方ができそうで、なんだか楽しげな空間ですね。2階は寝室、浴室などのプライベートな空間でまとめました。こちらは家事動線を考慮し、回遊できるプランに。主寝室へは右手前の通路からだけでなく、浴室の右手前にあるクロゼットからも行くことができます。先ほど出てきた「倒れる手すり」ですが、3分割された手すりを全部倒し、吹き抜けをふさぐと写真のようになります。床面積が増える分、主寝室に広がりが出ますね。手すりは閉めると遮音効果があり、本棚の本を出し入れするときばかりか、静かに寝たいときもこの状態にするそうです。このように、本棚だけではなく細部にも細かなこだわりのある設計をしているOさんの家。そのおかげで、Oさん一家がどの場所にいても楽しくくつろげる空間になっているのかもしれません。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年10月号」を参考にしてみてくださいね。設計/関本竜太(リオタデザイン)撮影/澤﨑信孝住まいの設計2018年10月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】編集部がオススメ!あなたの「好き」を実現する家、教えます。 【第二特集】使いやすい。片付けしやすい。楽しい。そんなキッチンと暮らしませんか?
2019年02月28日ラブラドールレトリバーのミスター(オス/10歳)と暮らすHさん夫妻。「以前の家は、冬は寒いし、夏はとても暑かったんです。特に夏場は暑がりのミスターのため冷房を入れっぱなしにしていたので、電気代が月3万円ほどになることもありました」(夫)。愛犬と暮らす中で多くの課題を感じていたご夫妻は、お互いにストレスなく過ごせる場を求めて新築を決意しました。さて、どんな家ができたのでしょう。■ 夏涼しく冬暖かな家にミスターもご満悦!?設計を依頼された建築家の堀部直子さんは、高気密仕様に加えて、夏の日射を遮る深い庇や、風と光を制御する吹き抜けを採用しました。快適な温熱環境をかなえ、太陽光発電+エネファームのダブル発電で光熱費の削減にも成功。また以前の家はリビングが2階にあり、階段が苦手なミスターの大きな体を抱えての上り下りが大変だったといいます。そこでLDKを1階にし、デッキで庭とつなげました。リビング上部を吹き抜けにしているから、視覚的な広がりも得られ開放感いっぱい。冬場はリビングに床暖房を設置することで床座も心地よく、輻射熱で2階の寝室まで穏やかに暖められるそうです。写真は2階寝室から、吹き抜け越しにリビングを見下ろしたところ。ケージにいるミスターを寝室から確認できます。キッチンは行き止まりをつくらないアイランド型。床は硬めで傷つきにくいアカシア材を、壁には消臭・調湿効果がある西洋漆喰を採用しています。キッチンの奥にはパントリーがあるため、背面のカウンター収納と棚は控えめ。モノは極力表に出しておかない方が、ミスターのためにも安心ですね。キッチンそばの飾り棚も同様、ミスターがイタズラをしないように高めの位置に造作しています。自然素材の家で、ミスターも居心地よさそう。■ 愛犬のための工夫も万全!愛犬と暮らすための、便利で楽しい仕掛けはまだまだあります。散歩から帰って直接ドッグシャワーへ行けるよう、玄関から庭へ抜ける通り土間を設けました。勝手口にはミスターが出入りできるペットドアを併設し、人感センサー付き防犯カメラでセキュリティを確保。壁は消臭機能を持つ焼き杉板と内装モイス、個室の建具は強化障子紙ワーロンシートを採用。土間に面してペットグッズなどを入れる引き出し収納も完備しています。また土間の天井に空気清浄機を搭載して、臭い問題も解消しました。そして、勝手口の前にはドッグシャワーを設置。ミスターは、散歩から帰ると自分から進んで行くほど水浴びが大好きなんです。横には排水口を備えたトイレスペースも併設しました。軒下なので雨に濡れず世話ができ、ドッグランを兼ねた庭でそのままミスターが走り回ることもできます。キッチンに併設したパントリーは土間側からも出入りでき、まとめ買いした食材をそのまま持ち込む保管庫として重宝。ミスターの歯磨きガムも多種類を余裕でストックできます。■ 夫妻の好みのスタイルも細部に反映愛犬だけでなく、もちろん “人の暮らしやすさ”も大切!夫はアウトドア派で、妻は読書が大好き。そんなふたりの希望から導き出されたプランが、敷地を広く大屋根で覆うというものでした。大きく張り出した軒下は、雨に濡れず夫が車やバイクの手入れができ、天気がよければデッキテラスでバーベキューが楽しめます。吹き抜けを設けたリビングは、ハイサイドライトから自然光を取り込みます。んん?天井から吊るされたシンプルな照明、なにかに似ている?こちら、釣り好きの夫が選んだイカ釣り照明。LEDに付け替えてアレンジしたそうです。曲線を描く吹き抜けが、なんとも癒やされる1階和室。窓辺は掘りごたつ式の読書スペースとして活用しています。ミスターの寝場所や客間にもなるため、普段は床を閉じてカウンターを折り上げ、広く使えるように設計。床は傷つくことを想定して、畳ではなくラワン合板を採用しました。大きな窓を設けたハーフユニットバスは、夫の希望でミストサウナやタブレット置き場を設置しました。洗面室は、間接照明を兼ねた物干しバーやラジエントヒーターを備え、室内干し場としても機能します。2階寝室は、正面の室内窓を開けると階下のリビングとつながります。屋根の形状をそのまま生かした天井も、デザインのポイントですね。今日はチーフでおめかしをして出迎えてくれたミスター。完成した家は家族みんなが満足するものになりました。ここに住み始めてからミスターの肌荒れは改善し、以前よりも毛並みがよくなったそうですよ。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年3-4月号」を参考にしてみてくださいね。設計/堀部直子(Horibe Associates)撮影/桑田瑞穂住まいの設計2018年3-4月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「だって大好きなんだもん!猫と暮らす、犬と暮らす幸せな家のつくり方」 【第二特集】「家にも働いてもらおう!併用住宅と二世帯住宅」
2019年02月24日日刊Sumaiの運営のほか、『住まいの設計』『リライフプラス』の撮影で年間70件以上のお宅撮影に飛び回る編集部・君島(47)の取材こぼれ話や、うっかり母さんなプライベートをチラ見せ!■ ちょい置きスペースは意外に重要先日はお宅撮影が2軒。午前の部は、八王子方面にて。リノベるさんの施工例ですこちらのボルダリング壁はご主人のDIYとのことです。すごい!その隣のカッコいいアウトドアグッズを収納している棚も、です。壁のギターは、インテリアではなく、夫婦間のコミュニケーション不足解消?のために最近始めだそうです。すてきなエピソードですね〜メインのソファとは別に、玄関近くに置かれていたこちらのCAPTAIN STAGというアウトドアブランドのベンチ、とってもカッコいいですよね。荷物をちょい置きしたり、いろいろと活用されているそうです。このちょい置きできるスペースって、日常生活の中で意外と重要なんですよね(買ってきたものを一旦置いたりとか、取り込んだ洗濯物をバサっと置いておくとか、バッグの中を全部出して整理したりとか…)キラリと光るちょい置きスペース、今後もコレクションして行きたいと思っています。■ こなれ感、ハンパないです午後の部は、川崎市にて。アズ建設さんの施工例ですおしゃれカフェのようなこなれ感がありますよね〜。ご主人の職業を聞いて納得です。キッチンとLDKを仕切る室内窓。グリーンの取り入れ方や照明がいちいちおしゃれです!京王線がよく見える、めちゃめちゃ広いルーフバルコニーがあり、寒い中無理を言ってご家族で団らんする所も撮らせていただきました。リライフプラス撮影歴?の中で初めて降りた駅でしたが、ほどよくのどかで住みやすそうなエリアだなって思いました。
2019年02月23日神奈川県横浜市に二世帯住宅を新築したHさん一家。長年マンション住まいだったご両親が庭のある暮らしを叶えるため実家のリフォームを計画していたところ、息子家族から同居の申し出を受け、二世帯住宅への建て替えを決めたのでした。建築家の岸本和彦さんに伝えた要望は、「互いの視線が合わないようにしたい」「音に気を使う上下の住み分けは避けたい」「リビングは庭に近い位置がいい」と、一見相いれないもの。それらを叶えるべく岸本さんが提案したのが、「人工の丘」のある庭を介するプランです。そんな二世帯をつないで仕切る「人工の丘」のある庭をご紹介いたしましょう。■ 丘の頂上とふもとに2世帯の縁側が向かい合うHさん宅を道路から見ると左右2棟をブリッジがつなぎ、その下をくぐるように石段のある上り坂が続いています。「奥はどうなっているんだろう?」と足を進めて振り返ると、目の前にはこんもりとなだらかな芝生の丘!この丘は基礎工事で出る残土を活用してつくられていて、頂上に子世帯の縁側、ふもとには親世帯の縁側が突き出しています。床のレベルも外壁の色も異なり、丘を挟んで2軒の家が建っているかのよう。高さと向きを変えているため正面に向かい合わず、お互いの視線は気になりません。こちらが丘を見上げる親世帯の1階。L字型の開口部を全開すると室内と庭が一体になる気持ちのいい空間です。■ サンルームと屋上テラスで室内外が一体に親世帯の屋上テラスから一段高い場所にあるのが、2世帯をつなぐブリッジです。内部はサンルームになっていて、子世帯の夫(息子)が趣味で集めた多肉植物や観葉植物がぎっしり!植物好きの母の血を引いて結婚前からコレクションしていたもので、このサンルームも設計の要望のひとつだったそう。子世帯の2階寝室からブリッジを見たところ。窓の外の左手に見えるのは、親世帯の屋上テラスです。庭に面した子世帯のリビングは、縁側と同じ高さのL字型のベンチに囲まれた落ち着けるスペースです。丘と開口部の高さを揃えるため基礎を高くし、玄関から1.5m上がった位置にLDKを設けています。庭の緑が眺められるアイランドキッチンは、大勢で囲めるサイズになっています。■ 表情が違う2つの庭が楽しめる!この配置とランドスケープがもたらしたのが、しっとりした半日陰の北の庭と、陽光あふれる南の庭という対照的な2つの庭。北側の庭はプライバシーを守る役割も果たしています。ガーデンデザインを手がけたのは、造園家の徳光充子さん。北側に道路がある敷地の場合、北側に建物、南側に庭を配置すると、せっかくの庭の緑も通りから見えませんが、親世帯と視線をずらすため子世帯側を半階持ち上げたことで、両者をつなぐブリッジの下に道路と庭をつなぐ通り道が生まれました。「両者をつなぐ風穴を介して、道行く人が『ちら見』したくなる庭にしたかった」と岸本さんが話せば、「2棟の間をすり抜ける気持ちのいい空気感が出せたらと思って施工しました」と徳光さん。2つの世帯を見守る庭は、時とともに自然の丘のようなたたずまいに変わっていくことでしょう。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年12月号」を参考にしてみてくださいね。設計/岸本和彦(acaa)撮影/伊藤美香子住まいの設計2018年12月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「だから選びました!ハウスメーカーで建てたこだわりの詰まった家」 【第二特集】「毎日緑に触れられる幸せ…ガーデンハウスで暮らそう!」
2019年02月21日妻の母を迎え、これから生まれる子どもとともに暮らす次のステージ、それがKさん夫妻の新たな住まい。家族4人が心地よく暮らすことをベースに、ご夫妻は趣味空間にとことんこだわり、その思いをギュギュッと詰め込みました。インナーガレージ、書庫、書斎…、そのこだわりの趣味の空間をご紹介いたします。■ いつも愛車が眺められる「インナーガレージ」敷地は坂の上にあり、桜の植樹が見事な場所です。建築家の中村高淑さんはその眺望をゆったりと楽しめるよう、2階に主な生活空間を配置。1階にインナーガレージと書斎、書庫をつなげる形にして、Kさんの要望を実現しました。まず目がいくのがやはりこちら! インナーガレージです。オーバースライダーのドアを上げると夫の愛車、真っ赤なポルシェが登場します!インナーガレージは、壁2面をガラス張りにし、書斎からいつでも愛車を眺められるように計画しました。手前側が書斎です。またガラス壁には飾り棚を設け、夫の趣味であるカートレースのトロフィーなどを飾っています。デッキ下にももうひとつガレージが。こちらのガレージには普段使いのクルマを収め、さらに建物前にはゲスト用の駐車場を用意しています。■ 大容量の書庫と書斎を連続させたもの読書家の夫婦のこだわり!夫婦とも読書家で、膨大な数の本を所有。そこで書斎の脇に念願の書庫を設置しました。ガレージ、書庫、書斎と、この1階には趣味空間がギュギュッと詰まっています。書斎から直接ガレージに出ることもできるんですよ。3つの空間がつながっているから、行き来しやすくとても便利!書庫はガレージ側をガラス壁とし、程よく光が差し込むように。書棚は大容量で一生分の本を収納できそうですね。壁面には折り畳み式のテーブルが添えられるなどこまやかな工夫もみられます。「テーブルは、取り出した本を置いてちょっと読むのにとても便利」と妻。時間を忘れてずっといたくなる空間です。■ 二世帯が快適に暮らす工夫がいっぱい2階のデッキを挟むように、西側にLDK、東側に母の部屋などを配置しました。LDKはデッキと広く面して開放感が格別。デッキの正面には桜の木が葉を茂らせ、春は家にいながらにして花見ができるそう。最高ですね。また、キッチン奥の小部屋は妻の仕事スペースに。将来エレベーターを設置する場合はこの空間を使う予定になっています。LDKの天井にも注目を。垂木を表しとした勾配天井がなんともダイナミック!リビングは小上がりの畳敷きで、子どものお昼寝など多用途に使えそう。よく目が届くデッキは、子どもの遊び場にもピッタリです。LDKと向かい合うのは母の部屋で、互いの気配をさりげなく伝えるレイアウトとなっています。母はこの家では菜園づくりなども楽しんでいるそうですよ。2階北側の浴室は、ハーフユニットバスを採用。壁は板張りでトップライトをつけるなど自由度を高めました。くつろぎ度は満点です!1階の玄関もとてもおしゃれ。玄関引き戸を開けると玄昌石が貼られた土間があらわれます。左の入り口は主寝室ですが、モルタルの飛び石から入るなんてなんとも粋ですね。そして、右側ののれんの奥は何か気になりませんか?こちらは玄関収納なんですね。ベビーカーなどもしまえそうです。ポーチ(写真右)は、壁に大谷石が張られたり、トップライトから光が注いだり表情豊かな空間となっています。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年10月号」を参考にしてみてくださいね。設計/中村高淑(unit-H中村高淑建築設計事務所+マスプラスデザイン)撮影/桑田瑞穂住まいの設計2018年10月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】編集部がオススメ!あなたの「好き」を実現する家、教えます。 【第二特集】使いやすい。片付けしやすい。楽しい。そんなキッチンと暮らしませんか?
2019年02月16日日刊Sumaiの運営のほか、『住まいの設計』『リライフプラス』の撮影で年間70件以上のお宅撮影に飛び回る編集部・君島(47)の取材こぼれ話や、うっかり母さんなプライベートをチラ見せ!■ カッコよすぎる座椅子先日はお宅撮影が2件。豊作です〜。午前の部は小平市にて、デザインライフ設計室さんの施工例です。代表の青木律典さんには、ご自邸をはじめ今までにも何件か施工例を取材させていただいてきましたが、どのお宅も、プラン、内装ともに素晴らしくて毎回楽しみにしています。お施主さんもとてもセンスが良く、色々と素敵なものをお持ちでした。特にこちらのワイスワイスさんの座椅子がカッコいい!とスタッフにも青木さんにも(!)好評でした。■ キュンとくるエピソード午後の部は、川崎市内にて。古谷野工務店さんの施工例です。リビングがとっても広くて、そこに絶妙なバランスで家具が配置されている素敵なお宅でした。レシピをマステで壁に貼っておられ、めちゃめちゃ可愛いなと思いました。この余白、デキる!って感じですよね。なかなかの傾斜地に建つマンションなのですが、ご主人は長崎のご出身なので、アップダウンのある地形の方がホッとするとのこと。なんかキュンとくるエピソードですね。そういえば私は阿武隈川の近くで育ったせいか、川とか川原に行くとホッとします。モノクロのカッコいい写真は、建築家のルイスカーンが設計したインド経営大学(を一緒に行ったお友達がカッコ良く撮影したものをプレゼントしてくれたもの)だそうです〜。カッコいいですね!
2019年02月16日玉川上水や井の頭公園に近い住宅街の一角に建つM邸。「雑木林のような庭を眺めながら、外で朝食を食べたい」という要望から、Mさん夫妻の家づくりは始まりました。そのため、住宅設計時に造園家が入って庭づくりも同時に進行。日々の暮らしの中に、雑木の庭を見事に取り込んだM邸をご紹介しましょう。■ 庭の奥行きを最大限に生かしたプラン焼杉の外壁と緑のコントラストが美しいM邸です。建築家の佐久間徹さんは、約53坪の敷地の北側にL字型の家を配し、建物に対して約45度振った四角いテラスを南側に配置しました。限られた敷地の南の角まで長い距離が確保でき、奥行きある庭の眺めが楽しめます。テラスはよく見ると角が欠き取られ、そこにシンボルツリーのソロが植えられています。こちらは造園家・栗田信三さんの発案です。「建築家はとかく四角くしたがるのですが、栗田さんはそれを崩したかったんでしょうね。また、われわれは平面で考えがちですが、造園家は空中にある枝や葉がどう広がっているのかを意識する。おかげで普段できないような、いいコラボレーションができました」(佐久間さん)ソロは将来は大きく生長し、テラスをすっぽり包み込む予定だとか。数年後の庭の変化が楽しみですね。こちらは敷地の南側の庭。中高木、低木、下草を合わせて、まさに雑木林のように。奥に高木のヤマモモが植えられ、奥行きを感じさせます。■ テラスと庭、室内の心地よいつながりのある空間テラスは、LDKがある1階から斜めに張り出すように設けられています。テラスに面したコーナーには大開口を設け、外とのつながりを強めています。L字のコーナーに設けた開口部の木製建具は、2面ともすべて引き込めるようになっています。外の空気を、室内に存分に取り込めるのもいいですね。キッチンからも庭の奧まで視線が通ります。左手の書斎からも、窓のすぐ外に植えられた低木越しに庭が見通せるように設計。栗田さんは工事中に何度も現場に足を運び、それぞれの窓からの見え方を確認しながら樹木を入念に選んで植えてくれたそうです。LDの吹き抜けにも注目を!2階の予備室や寝室からも、吹き抜け越しに庭が眺められるのです。「大開口だから、周囲から室内が見えないかな?」と思われるかもしれませんが、その点は大丈夫。隣家が迫っているけれど、こちらの庭に向いた大きな窓がないので、視線はほとんど気にならないとのことです。ちなみに、こだわりの薪ストーブは妻たっての希望で設置しました。庭を囲むようにL字型に配した建物の右袖部分には浴室があります。庭が見える窓によって、さながらリゾートホテルのようにくつろげるバスルームです。窓のそばに植えた低木はプライバシーを守りつつ、低木越しに庭を見通すことで、より奥行きが感じられるとのこと。右の写真は低木のハナユズ。実のなる木があると収穫の楽しみも増えますね。■ 訪れる人をワクワクさせる玄関からのアプローチ敷地入り口から玄関へ誘うアプローチは、「手前の左隅にツリバナの木を植え、アプローチを曲線にすることで、導入部の印象をやわらかくしたかった」と栗田さん。右手のテラスとの間には目隠しの塀を設けました。テラスにつながる入り口の塀はレッドシダー製で、風通しのよい「大和張り」。足元も透かせて、手前と奥の庭の一体感を出しています。アプローチの正面は借景の緑で、「栗田さんはお隣の緑とのつながりにも、すごく気を使ってくれました」と妻は話します。草木を眺めながらゆっくりと歩きたくなるアプローチです。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年12月号」を参考にしてみてくださいね。設計/佐久間徹(佐久間徹設計事務所)造園/栗田信三(彩苑)撮影/伊藤美香子住まいの設計2018年12月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「だから選びました!ハウスメーカーで建てたこだわりの詰まった家」 【第二特集】「毎日緑に触れられる幸せ…ガーデンハウスで暮らそう!」
2019年02月12日どうもはじめまして。『リライフプラス』や『住まいの設計』でも、取材や原稿を担当させてもらっております、フリーの編集者・ライターの杉山です。いきなり個人的な話ですみませんが、実は昨年、少し体調を崩しまして、数か月間取材に出られない期間がありました。おかげさまで、今では回復して再び全国へ取材にうかがわせてもらっています。本当にありがたいことです。■ アナログ人間だったけど、病気がきっかけでデジタル好きに紙のノートとペン。手で持った状態でも字が書きやすい、表紙が固めのノートがお気に入りでした。そんな経験から、自分なりに仕事のやり方、暮らし方を見直してきました。以前は、とにかくがむしゃらに体力勝負! という感じだったのですが、体調を崩したことをきっかけに、どうやったら効率よくできるか、いろいろデジタルなモノや技術なども導入して、仕事の進め方などをがらりと変えてきました。それが、最近では楽しくて!これまではかなりのアナログ人間だったのですが、今ではすっかりデジタル好きになりました。「日刊Sumai」では、そんな私の実体験をもとに、住まい探しや、家づくりに役立ちそうなデジタルなモノや技術などを、紹介していけたら幸いです。■ ノートとペンを手放して手にしたものとは?最初におすすめしたいのは、「デジタル手書き」です。昨年から、私は編集者・ライターの必需品とも言えるノートとペンを手放し、その代わりにタブレット(iPad)とスタイラスペン(Apple pencil)を持ち歩き、それで取材や打ち合わせのメモをしています。というのも、 昨年の春にリリースされたiPadから、一番安いモデルでも、Apple pencilが使えるようになったからです。これは使わない手はないと、購入を決めました!もう一つは、外出時の荷物を減らしたかったというのが大きな理由です。ノートとペンがiPadとApple pencilに変わるだけでは、それほど荷物の削減にはなりませんが、iPadを導入することで、そのほかのいろいろな書類(取材先の資料やさまざまな雑誌、書籍など)も減らせます。それによって、カバン全体が軽くできると考えました。それでは、デジタル手書きが、どんなふうに家づくりのシーンで活用できるか、ご紹介していきたいと思います!■ 間取り図のPDFや画像に、直接赤字を書き込める間取り図に、直接要望が書き込めます。例えば、ここをもっとこうしたい、この幅が気になる、こっちとこっちを入れ替えたいなど、間取り図に要望を書き込んで、設計士さんなどに伝えるシーンは、家づくりの中で多いでしょう。そんなときに、デジタル手書きを活用すれば、PDFなどに直接文字を書き込んで、それをそのままメールで送ることができます。間違えても、デジタルのデータなので、消しゴムツールですぐに消して、修正することができます。ちなみに、サンプルとした間取り図は、よく仕事をご一緒させてもらっているカメラマンのアラタケンジさんの、日刊住まい連載「フォトグラファー栃木に家を建てる」のページからお借りしました。■ ホームページや写真に、文字を手書きして送れるChromeでは、「印刷」⇒「PDFに保存」で、ホームページをPDF化できます。画面をスクリーンショットで保存するのもありたとえば、どこかのサイトで気になる商品を見つけたとき、真似したい空間があったときなど、そのページをスクリーンショットやPDFに保存して、そこに要望やメッセージを手書きで書き込んで、共有することができます。こうすることで、より思いや要望を伝えやすくなります。写真の上にも、簡単に文字がかけるので、例えば、出先のカフェで気になる内装の仕上げを見つけたりしたら、そこをスマホで撮影し、その上に手書きでメッセージを書いて送る、なんてこともできます。■ デジタルノートでメモをとれば、もうなくさない!これは少しだけ、ハードルが高く感じるかもしれませんが、実際にはそんなに難しいことはありません。iPad(タブレット)とApple pencil(スタイラスペン)があれば、意外と気軽にできます。打ち合わせのときのメモを、ノートアプリやメモアプリを使い、デジタルで残すようにすれば、データがクラウド上に保存にされるので、スマホ、iPad、パソコンなど、どの端末からも見ることができます。Rhetorica / PIXTA(ピクスタ)「あのメモ、どこへいったっけ?」と探す時間が、少なくなります。今、ノートが手元にないからメモが見返せない、といったこともありません。■ おすすめのノートアプリxiangtao / PIXTA(ピクスタ)有料になりますが、「GoodNotes 5」と「Noteshelf 2」という2つのアプリを、普段私はよく使っています。ノートアプリは、買い取りのものが多いです。一度、費用(1000~1500円ほど)を払うだけで、iPadだけでなく、iPhoneでも使えます。また、無料の「iOS純正メモ」アプリでも、十分にメモを取ることができます。マイクロソフトの「One note」というアプリであれば、Windowsとの連携もできます。ぜひ、デジタル手書きを、暮らしに取り入れてみてください!私は、iPadとApple pencilだけでなく、iphoneでもスタイラスペンを使って、デジタル手書きのメモをいつでもとれるようにしています。また、その実際の使い勝手なども、ご紹介できたらと思います。ぜひ、気軽にデジタルの手書きメモを楽しんで、活用してもらえたら嬉しいです!
2019年02月11日愛知県・豊田市のNさん夫妻の家づくりの大前提は「夫が所有する膨大な蔵書やCDを収める場所を確保すること」。そこで設計の依頼を受けた廣部剛司建築研究所の廣部剛司さんは、専用の書庫を作るのではなく”生活空間の一部”にライブラリーを作ることを考案しました。玄関から奥のLDKにつながる廊下を「ライブラリーコリドー」と名付け、家族の歴史と文化を育む夢の空間が完成しました。その圧巻の空間をご紹介いたします。■ まだまだ”増殖”できる!壁一面の書棚「ライブラリーコリドー」13mの長い廊下。その片側の壁は斜めに傾き、吹き抜けの上部は三角形に閉じられています。対面する壁は一面が本棚に覆われ、まさに圧巻の眺め。ライブラリーコリドーのスケールに驚かされます。書棚の縦のラインは、壁の強度を担う構造体としても機能しており、横のラインは棚板を必要に応じて上に増設が可能。最下段には扉をつけることで、おもちゃや雑貨を収納できるようにしているんだとか。収納量が増やせる書棚は、写真をディスプレイするとまるでギャラリーのよう。子たちの成長とともにその表情を変える壁面は、眺めるだけで家族のストーリーを語ってくれます。こちらはライブラリーコリドーを2階から見下ろした様子。その廊下の長さに気付かされます。11歳のお子さんは登校前に読書をするほどの本好きで、その好みもご主人似。「学校の図書館よりもウチの書棚の方が好みの本が揃っているみたい」と妻が言うように、このライブラリーコリドーは家族をつなぐ大切なスペースになっています。コリドーの突き当たりには三角形の高窓があり、その明るさに視線が導かれ、まるで光の奥へ誘われるような不思議な感覚に。階段からの風景は斜めの壁がよりはっきりと映え、そのダイナミックさは感動もの。2階に見える扉は寝室、その右を奥へ進むと子ども室があります。■ 全開放可能な窓で大空間LDKを実現「親子で料理ができるように」という妻の思いから、キッチンはゆったりとしたスペースを確保しています。天板に黒の人造大理石をあしらったキッチンは造作で製作し、リビングの家具の雰囲気とマッチ。一体化しているリビングとダイニングは、家族の今がギュッと集まる団らんの場となっています。道路側には平屋のお茶室があるため、それが目隠しになって通りからの人目を気にせず中庭が利用できることも子育て世代のファミリーには高ポイントです。さらに窓は全開放可能で、解放することでリビングとの一体感もアップ。床がタイル敷きのためストライダーやプール遊びももちろん可能です。サッシは開けたときにフレームが残らないように設計されており、閉めた状態でも上下の枠が見えにくいような収まりになっており、細部までこだわりが感じられます。■ 部屋が広く感じられる”斜め壁”マジック三角形のライブラリーコリドーを実現した壁は、他の部屋でもそのまま”斜めの表情”として生かされています。例えば2階の子ども室。斜めの壁で空間的な広さはアップ、さらに壁の開口越しに書棚を利用できるんです。1階の洗面室と浴室も、”斜め壁”をそのまま。ちょっと不思議な空間は「スライドドアも斜めの壁に沿わせるため、特別のディテールを考案しました」と廣部さん。ボーダータイルをあしらった明るいバスルームにも、設計のワザが光ります。可愛らしい小窓を配置し、バスタブにつかると、ちょうど中庭のグリーンが見えるようになっています。解放感が広がり、そこで過ごす時間はまさに贅沢の一言です。■ “離れ”のお茶室はちょっとした隠れ家に将来、茶道教室を開く夢を持つ妻のために、お茶室は生活エリアと切り離した玄関横に配置しています。他の部屋とは違う雰囲気の”離れ”のようなお茶室は、子どもたちも、ちょっと一人になりたいときに利用するんだとか。気分転換や隠れ家には最適な場所になっているようです。三角形のライブラリーコリドーを実現した外観はどのようになっているのでしょうか?外観は全体的にボリュームを抑え、あの三角形は突き出したような形になっており、エントランス周りの象徴的な存在となっています。家族の”好き”を外さない家づくりの実現は、自然と家族の”輪と和”を育む家となっていました。もっと詳しく見たい方は、「住まいの設計2018年10月号」も参考にしてみてくださいね。設計/廣部剛司建築研究所撮影/桑田瑞穂住まいの設計2018年10月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】編集部がオススメ!あなたの「好き」を実現する家、教えます。 【第二特集】使いやすい。片付けしやすい。楽しい。そんなキッチンと暮らしませんか?
2019年02月09日日刊Sumaiの運営のほか、『住まいの設計』『リライフプラス』の撮影で年間70件以上のお宅撮影に飛び回る編集部・君島(47)の取材こぼれ話や、うっかり母さんなプライベートをチラ見せ!■ 宇宙船?のような猫ちゃんハウス杉並区にてお宅撮影がありました。こちらのカプセルのようなものは「MYZOO 宇宙船ガンマ ネコハウス」という猫ちゃん用のおうちだそうです。なかなか攻めてるアイテムですね。カラフルな床材はボロンというビニル製の織物床シート。タタミのような、ゴザのような質感が良い感じです〜こちらはトイレに使われていた華やかなクロス。桜?と思ったらゴッホの『花咲くアーモンドの木の枝』という絵をモチーフにしたものだそうです。なんだか夢がありますね!なかなかラグジュアリ〜感のあるシャンデリアも!たすかけさんの施工例です。誌面ではもっと可愛く猫ちゃんが写ってますのでぜひご覧くださいね。■ 豪華すぎるオマケ頻繁にお世話になっている近所のお花屋さんは、よくオマケをくれる珍しいお店です。最近立て続けにデンファレをたくさんいただいてしまい、真冬なのに南国ムードがすごいです……。キレイなんですけどね!またある時は松ぼっくりがオマケの時もあり、こちらはクリスマス感がすごいです。この季節ハズレ感がまた楽しかったりするんですけどね。お店のスタッフの若いお嬢さんたちの手が、キラキラネイルとかとは真逆な「働く人の手」という感じでおばちゃんはなんかキュンとしちゃいます。
2019年02月09日素敵なお宅があると聞けば北海道から九州まで、どこへでも!フットワークの軽い『住まいの設計』編集長・丸(56)の取材こぼれ話や、男前なプライベートをチラ見せ!■ 物事を理解するには、二度目以降が重要!?二十数年ぶりで、箱根彫刻の森美術館に行ってみました。いや〜吃驚するほどよかったです。前回来たときはベビーカー押してたから「高低差キツイ。ピカソ、へぇ〜。おいおい、寝る人と一緒に寝ちゃダメ」って印象しかなくて……。オトナになってきてみると、すごーくキュレーションが効いてるのがよくわかります。何につけ物事を理解するには、二度目以降というのが重要ですね。
2019年02月03日日刊Sumaiの運営のほか、『住まいの設計』『リライフプラス』の撮影で年間70件以上のお宅撮影に飛び回る編集部・君島(47)の取材こぼれ話や、うっかり母さんなプライベートをチラ見せ!■ うっとりする壁面収納先日はお宅撮影が2件。午前の部は世田谷区にて、水雅さんの物件です。リライフプラス初登場です〜オリジナルの壁面収納がとっても綺麗+家具を置かなくてよいのでお部屋もスッキリ。マンションリノベにおいて、壁面収納はやっぱり効果的だなあと改めて感じました。ダイニング側もビシッとしてます。リズミカルに並ぶ白いペンダントランプとダクトが、リノベ感ありますね。■ よーく見るとおなじみのロゴが…!午後の部は町田市内にて。ブルースタジオさん物件ですこちらの可愛いフック、muuto(ムート)/ THE DOTS(ザ・ドッツ)っていうデンマークのプロダクトだそう。可愛い。ちょっとレトロな温度計は、ご主人のお祖父様のものを譲り受けたそうよーく見るとTANITAのロゴが!お宝ですね〜
2019年02月02日素敵なお宅があると聞けば北海道から九州まで、どこへでも!フットワークの軽い『住まいの設計』編集長・丸(56)の取材こぼれ話や、男前なプライベートをチラ見せ!■ 「リノベーション体験ツアー」に参加してきました!先日、長野県下諏訪町で行われた「リノベーション体験ツアー」に参加してきましたよ。壁、天井のペイント、古材の床張りなど、2泊3日間みっちしリノベの基礎を勉強させてもらいました。いつもは出来上がったものにしのごの言うお仕事ですが、実際にやってみると施工する人の大変さがよくわかりますね。で、ペンキ&埃まみれになって仕上がった空間がこちら。床の古材の並べ方がポイントなのです。■ 古材を「レスキュー」?このリノベーションを指導してくださったのは、長野県上諏訪のリビルディングセンタージャパン(通称・リビセン)のスタッフ。リビセンでは、使われなくなった住宅から古材を仕入れて再利用しているのです。この活動を「レスキュー」というのですが、「思い出の詰まった家の建材、部材が再利用されてうれしい」「古材好きで使う人もうれしい」「リビセンもいい塩梅」。言うところの「三方良し」ですね。写真はリビセンの店内。古い建具をコラージュした?内窓が設えられています。カッコいいんですよ。古いもののチカラとセンスがドンピシャで。『住まいの設計2019年2月号』絶賛発売中です!『住まいの設計2019年2月号』が発売になりました。猫ちゃんがするっと出てきてくれたところを激写しています。家好き芸人 アンガールズ田中さんの「建築家の自邸探訪」も好評連載中。間取り図大好き!というお笑い芸人の飯尾和樹さんのインタビューもとっても面白いですよ。ぜひご覧くださいね!
2019年01月27日日刊Sumaiの運営のほか、『住まいの設計』『リライフプラス』の撮影で年間70件以上のお宅撮影に飛び回る編集部・君島(47)の取材こぼれ話や、うっかり母さんなプライベートをチラ見せ!■ いちいちエッジが効いてます渋谷区にて、お宅撮影でした。こちらのステキなシェルフは造り付けなのかな?と思ったら、某高級インテリショップで60%オフで購入されたとか。お買い物上手ですね!中に飾られているものもエッジが効いてます。箪笥は山形の米沢箪笥とのことです。オトナなインテリア、憧れますね(もう十分オトナですが…)。■ 欲しい!埋込式のUSB電源川崎方面にて、お宅撮影でした。サンゲツさんのクロスなんですよね。私も以前ショールームで見て可愛い〜と激写してインスタに上げてました。トイレの壁紙が可愛い〜と思ったらクッションもフクロウでした。美しいグラデーションのゴミ箱や、埋込式のUSB電源もめちゃめちゃ気になりました〜。
2019年01月26日素敵なお宅があると聞けば北海道から九州まで、どこへでも!フットワークの軽い『住まいの設計』編集長・丸(56)の取材こぼれ話や、男前なプライベートをチラ見せ!■ こじんまりとした素敵な和菓子屋さんを営むお宅へ3月発売の『住まいの設計4月号』の取材が始まりました。先日お邪魔したのは、栃木の「うさぎや」さん。こじんまりとした素敵な和菓子屋さんです。丁寧な手仕事の和菓子。地元の方たちに愛されているお店とお見受けしましたよ。設計は飯田亮さん。栃木に建築家の家を広げたいという野望?を持ってらっしゃいます。久々の熱系です。■ 鯛をかたどった版木に注目!うさぎやさんレジ後ろのディスプレイ。アイアンと無垢材を組み合わせた棚が造作されています。やりすぎてない感が素敵ですね。上段には鯛をかたどった版木(古道具屋で購入)、下段にはお嬢さんのつくったウサギがモチーフの陶器。なんというか、いろいろとほっこりします。■ 猫ちゃんがするっと『住まいの設計2019年2月号』が発売になりました。猫ちゃんがするっと出てきてくれたところを激写しています。家好き芸人 アンガールズ田中さんの「建築家の自邸探訪」も好評連載中。間取り図大好き!というお笑い芸人の飯尾和樹さんのインタビューもとっても面白いですよ。ぜひご覧くださいね!
2019年01月20日