東京・渋谷の住友不動産渋谷ガーデンタワー屋外広場で、月に一度、蚤の市が開催されていることをご存知でしょうか?「渋谷蚤の市」は、毎月第二日曜日に開催されている地域の青空マーケットです。国内外からアンティークやヴィンテージ、古道具などを取り扱うショップが集う以外に、南平台町会が出店する「南平台BAZAR」も同時開催されています。街と人、地域をつなぐ蚤の市渋谷蚤の市は、初開催から80ブースがほぼ埋まってしまうほどの人気ぶりで、現在は100ブース近くの出店者が軒を連ねるファンの多いマルシェ。それでも、渋谷蚤の市を運営する会社の一つ「家貨屋 kakaya」のスタッフである飯島さんは、蚤の市の開催に携わるなかで、この場所へお客さんが集まるようになるまでには少し時間がかかったと当時を振り返ります。会場は渋谷駅から徒歩10分ほどですが、南平台町はどちらかと言うと少し奥まったエリア。いろいろな広報手段を試みながらも、なかなか人の目に止まらない期間が続いたそうです。しかししばらくして、なぜかデンマークからのアクセスが爆発的に伸び、外国人のお客さんが増えたことをきっかけに口コミを通して、知る人ぞ知る蚤の市となりました。飯島さんは、「“渋谷”というエリアだからこそ起こった奇跡」だと街の魅力を語ります。「家貨屋 kakaya」は渋谷蚤の市のほかにも、東京・日本橋や茨城の「こもれび森のイバライド」など、各地でマーケットを開催しているとうかがいましたが、人口の多さや場所は違えど、まちに住む人が“つながり”を求めているのは、都会も地方も変わらないと、蚤の市を開くたびに感じるのだそう。「地域が求める“つながり”をつくる助けになれば」との想いで開催している渋谷蚤の市は、訪れる人だけなく出店者をもファンにしてしまう、アットホームさが魅力です。渋谷蚤の市 出店ブースをピックアップ!今回は、第19回渋谷蚤の市に出店していたショップ・ブースをピックアップして紹介します。KOLBENOVA「旅の蚤の市」がテーマのKOLBENOVA。旅先で出会った、東洋・西洋のアンティークやブロカントを販売しています。ヨーロッパの国々を旅しながら買い集めた食器や小物は、どれもココロときめくアイテムばかり。見ているだけでも楽しくなってきます!日本にいながらにして、異国の空気が感じられるアンティークたちへ会いに、KOLBENOVAを訪ねに行ってみてはいかが?出店情報・オンラインショップ Koshida Japanアンティーク・ヴィンテージ着物を販売しているKimono Koshida Japanでは、普段着としても使えるアイテムを揃えています。通常はオンラインショップのみでの販売なので、手に取って羽織ってみることができる機会は貴重な機会。着物以外にも帯、帯締め、扇子などのアイテムもお値打ち価格で並びます。ぜひ掘り出し物を探してほしいショップです。オンラインショップ・Instagramレトロなレコードポスターも販売古いレコードジャケットをポスターとして販売しているブースも。このレトロな雰囲気は、年代を重ねないと出てこない味!レコード型のピアスや麻雀牌をモチーフにしたイヤリングなど、ラインアップされたアクセサリーも個性的でした。次回も出店されるかもしれないので、会場で出会った際はぜひブースに立ち寄ってみてください。福島・会津から参加の骨董店日本の古き良きものを販売している会津の骨董屋さん。お茶碗や小引き出しなどの古道具に加え、ボロ・アンティーク着物も販売しています。京都をはじめとする全国各地から仕入れをされているそうですが、ボロは捨てられてしまうことも多く、今はなかなか良品が手に入らないとのこと。実はこの日、海外のビッグネームがマーケット会場に来ていて、ボロを大量に購入する場面に遭遇。(「こっからここまで全部ください」は、漫画の中だけの世界ではありませんでした…)古いものの価値が見直されている時代で、ファッションとして注目を集めている日本のボロ。もしおじいさん、おばあさんから受け継いだものがおウチにあればラッキーかも?! (大切にしましょう)2 étape (kayo kobayashi)ブースに並んだカラフルなソックスや帽子は、すべて手編み。ルームソックスとしてではなく、普段使いのソックスとして使えるように作っているそうです。あたたかくてかわいくて実用的。自分用にもプレゼントにも、もらってうれしいアイテム!ビビットカラーがコーディネートのアクセントになりそう。オンラインショップ(minne)のコンセプトは、「真夜中に小箱あけてほくそ笑む」。なんとも摩訶不思議なオリジナルアクセサリーを手づくりする作家の町田さん。言葉のチョイスも、真夜中にこっそり自分だけが楽しむような秘密感が漂います。好きなものを「ついつい盛り過ぎてしまう」ため、アクセサリーはちょっと大き目サイズ。「最近の雑誌は横書きが多いので、縦書きの文字列を見るとワクワクします」と、言葉選びにとっても敏感。新作が気になるアーティストです。オンラインショップ・Instagramおかし工房もーういっこおかし工房もーういっこのお菓子は、無添加でつくられる安心おやつ。スーパーフードを混ぜ込んだスイーツで、栄養価が高いのも特徴です。グルテンフリー、アレルギーにも配慮しているので、体調に合わせてスイーツを選ぶことができます。小麦・卵・乳不使用のライスブランバーは、噛み応えもあって香ばしさも満点。小腹満たしにぴったり。卵や乳製品などの動物性原料を使わないお菓子が多いのでヴィーガンの人にもおすすめです。甘さ控えめのスノーボールも、卵なし。ホロホロ食感でおいしい!実店舗はなく工房でお菓子をつくっているので、イベントでの購入やオンラインで注文を。工房HP富士山南ろく銘茶勝亦園静岡に茶畑を持つお茶屋さん。会場では飲み歩き用のお茶の販売もしていました。なんと1杯200円で、足し湯ができるうれしいサービスも!お茶を飲みながら蚤の市を見て回り、一回りしてお湯がなくなった頃にまたおかわりができます。緑茶やほうじ茶などの定番茶や和紅茶もラインアップ。実際に飲んでみてからお土産に買って帰れるのがいいですね。一煎目と二煎目で味が変わるので、最後まで茶葉を楽しんでください!公式HPカレーとキッシュとケーキのお店キリン食堂キリン食堂は、管理栄養士がつくるカレーと、パティシエールがつくるキッシュ・スイーツのカフェ&デリ。この日は冬らしいメニューで、「白菜と豚肉のキッシュ」「きのこのキッシュ」など数種類のキッシュが並んでいました。角切り野菜がゴロゴロ入った「大山どりと旬野菜のスープカレー」は、自家製ナンと一緒にいただきます。まろやかさがあって子供でも食べやすいスープカレーは、トマトの優しい酸味と野菜だしがよく出ていて、ゆっくりと味わいたくなります。ナンは甘めで、まるでブリオッシュのような上品な印象。食べているうちにナンが冷めてしまっても、細かくちぎってスープカップの中に入れてしまいましょう!ひたひたにして食べるナンもおいしい!熱々自家製チャイは、ふんわりとした甘さでデザート感があります。甘みは強く出るのではなく、お茶の中でスパイスと一体となって、まるで和三盆を食べているかのような上質さを感じる、キリン食堂ならではの味わいです。気持ちがほっとするおいしさ。Instagram渋谷のアットホームな蚤の市!毎月第二日曜に開催どのショップ・ブースの出店者さんも、とってもフレンドリーでした!毎月リピートして訪れたくなる理由が、行けば必ずわかります。地域のつながりを大切にする「まちの蚤の市」に、あなたも足を運んでみませんか?《渋谷蚤の市開催情報》毎月第二日曜日開催場所:住友不動産渋谷ガーデンタワー屋外広場(東京都 渋谷区南平台町16-17ベルサール渋谷ガーデン広場)同時開催:南平台町会による「南平台BAZAR」※雨天中止
2020年02月18日先日もご紹介した建築業で働いているカルロスさんの生活のアイディアを紹介します。どこの国でもそうなのかもしれませんが、家を建て直すときは古いものが邪魔になります。全部のものを大切にしまい込むということは少ないようです。特に親の家を譲り受けて建て直すときなどは、いろいろと古いものが出て来たりしますよね。しかし、カルロスさんはそのような古いものを無料か、かなり低価格で受け取り、自宅で使っています。今回は超レトロなアイテムの再生法をご紹介いたします。■ 「古いドア」大邸宅の大きすぎるドアを小さくして使う!まず玄関のドアです。このドアはだいたい400年前のドアだそうです。そのため、高さが3m以上あり大きすぎるので、家を壊すときに払い下げになりました。ちなみにドアは比較的売りやすいもののひとつです。というのは、古いドアは乾燥しているので良いギターが作れるからです。ギターを作る人は、街を歩いて取り壊すことが決まった古い家などを訪ねて譲ってもらいます。古いドアから何百万円もするギターが作られこともあるのです。しかし、このドアはカルロスさんのおかげで、ドアとして生き続けることが決まりました。実は大きすぎるドアの真ん中部分を切ってもう一度繋げ、現状に合った大きさのドアに作り変えたのです。古いドアの問題は鍵のセキュリティですが、このように古いドアに鍵を付け替えています。古いドアの鍵は開けにくいというデメリットもありますがこれなら大丈夫です。■ 「古い照明器具」温かい光が溢れる家に!ランプを使ったことがない人には、これがびっくりするものだとは感じないかもしれません。こういうデザインの照明器具だと思った人も多いと思います。でも、これはオイルランプをリメイクしているのです。元々は電球のところに本当の「火」が付いていたのです。昔のものはデザインが素敵ですよね。私はろうそくも好きですし、普段、火を見る生活を好んでしていますが、やはり現実的に考えると電気を使った照明の方が安全です。カルロスは、しばらくはオイルを使って利用していたそうですが、とても気に入っていたので電化することにしたのだそうです。こちらはアンティークな照明器具。スペインなら病院などに使われていたようなタイプのデザインです。こちらは書斎の机に置くタイプの照明器具を絵画の照明に。ピラミッド型の照明をあえて逆さにつけました。モロッコ製のエスニックなデザインが素敵です。これは、屋根瓦です。スペインの屋根瓦はこんな形。屋根瓦にペイントして、壁に取り付け、内部に電球を設置して照明器具として使っています。■ 「テラスの洗面所」台は昔、おばあちゃんが使っていた(と思われる)ミシン台これはテラスの洗面所。テラスの掃除やちょっとした手洗いなどに使います。洗面の下の台は、なんとなく見たことがあるもの?若い方は見たことがないかもしれません。昭和博物館にあったような……。これは足踏みミシンの台です。足踏みミシンは、簡単に電気ミシンにできるんです。電気ミシンに作り変えてもらうと、台が不必要になるのですが、カルロスはデザインがとても気に入り、ミシンの台に大きな陶器の深鉢を置いて洗面所にしたのです。■ 「洗面台」寝室にあったサイドベッドテーブルを使用!バスルームにもいろいろな工夫が見られます。こちらの洗面所は、寝室にあるサイドテーブルに昔のホウロウの白いタライを乗せています。こちらの角度の方がわかりやすいですか?奥に見えるのは、トイレットペーパー。植木鉢を置くアイアンの三脚の上に陶器の深鉢を置いてトイレットペーパー置きに。アイアンの三脚は結構色々使えますよ。こちらは別のトイレにあったペーパーホルダー。モルテロというスペイン版すり鉢を置くための台なんです。下の部分はスパイスを入れる引き出し。本来はキッチンにあるものですが……。■ 建築家ならでは!レトロアイテムを取り入れた暮らし捨てる前にこれは何かに使えないかなと考えて、まったく別の使い方をしていく暮らし。素敵なものが次々生まれて、楽しくなりますね。改めて、古いものをもっと大切にしたいと思いました。
2018年11月17日小さな露店が集まる「蚤の市」。今では古物だけでなくいろんなものが集まると聞いて、宝探しに行ってきた。 人間は、広い世界のほんの一部で生きている。全てを知ることはできない。世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。そんな人が集まると、小さなブームになる。誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。それが「うさこの覗いた世界」なのだ……! そもそも「蚤の市」とはフランスで名前がつけられたもの。少しずつ特性は違えど、最近では「フリーマーケット」「ガラクタ市」なんて名前でも呼ばれている。恐ろしいことに「蚤の市」は「ノミが付いているような古いものを売る」という意味でこの名が付けられた。それはちょっと怖くて絶対買えない。「蚤の市」という名こそフランスからやってきたが、日本では同様のイベントが遥か昔から行われている。偉い人の命日に参拝するきっかけとなる縁日が神社で開かれていたのだ。一番古いと言われる京都の東寺で行われる「弘法市」になると、もう1000年近い歴史がある。 今回足を運んだ京都・北野天満宮の「天神市」も歴史は長い。毎月25日と定期的に開かれているにも関わらず、その規模は大きく並ぶ商店は約1,000軒!朝の6時頃から始まるその市では、神社の中から外の道まで隙間なくいろんなお店が並んでいる。 入口の鳥居も、お店と賑わう10時頃の人だかりで隠れてしまいそうだ。そのまま参道に進むと食べ物のお店が並ぶ。 焼きそばやフライドポテトなどジャンクなお祭りフードから、京都ならではの七味唐辛子やこんぺいとうなど種類も豊富で、食べ歩きする観光客も多い。 中にはオシャレな手作りパンのお店も。最近増えたフードフェスに負けずとも劣らないバリエーション。グルメ目当てに足を運んでも楽しそうだ。 こういうイベントと言うと、古いものが置かれるイメージが強いが、今は手づくりの作品を売るお店も少なくない。 洋服やアクセサリー、陶芸品など”手づくり”の幅も様々。 中でもわたしがトキメキを止められなかったのが「COSMOS」のちりめん細工の髪飾りだ。大きな神社内を歩いていたら、思いもよらない「かわいいもの」や「かっこいいもの」に巡り合える。 どこからともなくポロンポロンと楽器の音が聞こえてきたので、ふと近寄ってみるとそこにはアフリカの楽器「カリンバ」専門店の「カリンバ工房maru sankaku shikaku」が。 「なんてニッチなお店なんだ」と思いつつもよくよく見てみると、 鯖缶や甘酒の缶を利用して作られている……!まさか利用済みの缶で作られているとは到底思えないキレイな音色。普通のお店では出会えない「こんなものも!?」と思えるものに出会えるのもこういうイベントのいいところだ。 でもやっぱり古物のお店が半数以上を占める。玄人たちには傍目には価値があるかないか分からない、そんなものの中から「これだ」と思えるものを探す楽しさがあるかもしれない。しかし、ド素人のわたしも見るだけではなくつい買いたくなってしまう楽しさがある。それはひとえに「安い」から……! ひとつ500円の湯呑みに、 1着1,000円の着物、 北欧輸出用マグカップ300円。えええー!!!こんな値段で買えちゃうの!??の連続。着物に至っては「詰め放題」をやっている店もあり、外国人が押し寄せていた。今や、着物を買う多くは外国人。本気の人になると朝6時から来て9時間、目をさらのようにして買い物をするような人もいる。日本人にとっても、「気軽に着物に挑戦できる機会」としてもっと浸透してもいいのかもしれない。自分たちにとって分からないものでも、「これなんですか?」と聞けば店主が気軽に答えてくれることもあるので、交流も楽しみたい。時には値段交渉できることもあるかも。 牛乳瓶を集めたお店や、ボタンを集めたお店など不思議なお店も多々あった。誰かにとっていらないものが、誰かにとっては宝物になる……そんな現場に出くわすことができる貴重な体験だった。 気が付けば買い物に勤しんでしまったわたし…。 思ってもみなかった何かに出会える、それが蚤の市だ! 京都・北野天満宮京都府京都市上京区馬喰町「天神市」は、毎月25日6時~21時頃
2018年05月16日