映画『東京家族』が1月19日(土)に公開を迎え、山田洋次監督を始め、橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、林家正蔵、妻夫木聡が都内劇場で行われた第1回上映後の舞台挨拶に登壇した。山田監督の監督生活50周年を記念して、小津安二郎監督の名作『東京物語』をモチーフに制作された本作。田舎から成人した息子たちに会うために上京してきた老夫婦と、両親を気にかけつつも自らの生活にかまけてすれ違ってしまう子供たちの姿を通して、失われつつある家族の在り方を描き出す。見終わったばかりの観客の拍手に迎えられた山田監督。2010年の秋に始動したものの、東日本大震災の発生を受けての延期があった上でようやく公開にこぎつけたことに「長い間、心待ちにしていた日でした」と感慨深げ。震災を経て日本の家族の姿の変化を感じたということで「悩みましたが延期してよかったと思います」としみじみと明かした。橋爪さんはエンドロールでカップルごとに出演者の名前が出てくることに触れ、「あそこが好きで、いい映画に出させてもらったなという気持ちが最後に込み上げてきました」と嬉しそう。撮影時のエピソードを尋ねると、監督とは家が近く、訪れたマッサージ店が偶然にも監督も通っている店だったことを明かし、「2度目に行ったとき、店の人に『いま、監督が奥にいらっしゃいますけど何かお伝えしますか?』と言われて、『いらない!』って断りました。せっかくリラックスしに行ってるのに」と語り笑いを誘っていた。吉行さんは劇中、妻夫木さんが演じた次男の部屋を訪れ、そこで彼の恋人(蒼井優)と対面するが「そんなこと一生ないと思ってたので、役のこととはいえウキウキしました」と満面の笑み。撮影が終わっても子供たち、特に末っ子の妻夫木さんのことが気にかかるそうだが「以前に出た作品を観たら、クレイジーな役ばかりやってるから気持ちが吹っ切れました」とも。妻夫木さんは慌てて「今度、温かいやつをお送りします」と苦笑いを浮かべていた。医者の長男を演じた西村さんは、母が次男ばかりをかわいがることに嫉妬気味?司会者にそうツッコまれると「僕はそんな小さな人間じゃないので大丈夫です」とスネたような口調で語り、会場は再び笑いに包まれた。妻夫木さんは、橋爪さが演じた父とはなかなか心を開くことができない役柄ということで、意識的に現場で橋爪さんと距離を置こうとしたそうだが「橋爪さんが割とよくしゃべる方で距離を近づけてきてくださるので…(笑)」と述懐。すかさず橋爪さんがムッとした口調で「迷惑だった?」と返し、妻夫木さんは「そんなことないです」としどろもどろ。妻夫木さんが「橋爪さん」と言おうとして、吉行さんと混ざって「ハシユキさん」と言ってしまい、橋爪さんに詰め寄られる一幕もあり、最後まで笑いの絶えない舞台挨拶となった。なお、本作はベルリン国際映画祭にてベルリナーレ・スペシャル部門において上映されることが決定。香港、台湾、シンガポールでの公開も決定すると共に欧州、北米、インド、韓国など世界各国から劇場公開のオファーが届いていることも明らかになった。『東京家族』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:東京家族 2013年1月19日より全国にて公開(C) 2013「東京家族」製作委員会
2013年01月20日監督生活50周年となる山田洋次が、小津安二郎監督の代表作である『東京物語』を現代の設定に置き換えて描いた『東京物語』。本作の中で、島に暮らす中学生で、周吉(橋爪功)ととみこ(吉行和子)を実の祖父母のように慕うユキ役として純真無垢な魅力を見せているのが、今年13歳の荒川ちかだ。その他の画像「出演が決まったときは、驚きました。(最終オーディションまで残っていた中で) ゲストで出ていたバラエティ番組を、山田洋次監督が見てくださってたみたいで。それが決め手になったって聞いて、さらに驚きました。番組ではずっとアニメの話を熱く語ってるだけだったので、どこを気に入っていただけたのか不思議でした(笑)」当人はそう語るが、スクリーンを観れば誰しも納得だろう。無邪気な愛くるしさと、その演技力は世界も認めるところで、すでにして国際派。セルゲイ・ポドロフ監督も、『ヤクザガール 二代目は10歳』(2010年)で彼女を主演に抜擢。ルーマニアのコメディー・クルージュ国際映画祭では最優秀主演女優賞を受賞している。「山田監督は巨匠といわれる方なので、怖い人なのかなって緊張したんですけど、優しい方で、撮影中も面白い話をしてくださって。演技指導もわかりやすくて、魔法使いみたいだなって思いました」演出においては厳しいことで知られる監督が和やかだったのも、彼女を認めていればこそだろう。「好きなシーンは、蒼井優さんに島を紹介するところと、あとおじいちゃんとおばあちゃん(平山夫妻)が観覧車を見てるところ。ほのぼのした感じがいいなって。撮影は楽しかったです。島(広島・大崎上島)もいいところで、地元の人たちと交流会でバスケをやったんですよ。誘われて楽しそうだったから、行く行く!って。でも、運動オンチで持久力がないから、迷惑を掛けてばっかりで(笑)」そんな彼女の好きなものが、本人いわく、「トリプルA」のアクション・アート・アニメ。「アクションも挑戦してみたいです。運動オンチでもアクションは瞬発力でなんとかなります(笑)」将来が楽しみな逸材だ。『ぴあ Movie Special 2012-2013』より文:渡辺水央撮影:キム・チャニ『東京家族』2013年1月19日全国公開『ぴあ Movie Special 2012-2013』発売中
2012年12月26日『男はつらいよ』の寅さんの故郷である東京・柴又の「寅さん記念館」の隣りに同シリーズのメガホンを握った山田洋次監督の半世紀に及ぶ監督生活の軌跡を展示する「山田洋次ミュージアム」がオープンすることになり、12月15日(土)に記念セレモニーが開催された。「寅さん記念館」のリニューアルオープンも同時に完了し、山田監督と最新作の『東京家族』に出演している橋爪功、吉行和子が展示に足を運んだ。山田監督の要望を受けてミュージアムでは、監督の軌跡と共にこの50年の日本の社会の移り変わりを見て取れるようになっている。また映画の現場から消えつつある映写機と実際の山田作品のフィルムも展示されている。監督が掲げるミュージアムのコンセプトはまさにこの2点。「50年の日本の移り変わりの中で、果たして幸せに向かってやってきたのだろうか?という問題がある。そして来年にはほとんどの映画館がデジタル化され、撮影もデジタルになるというけど、僕は撮影はフィルムでやりたい。技術の進歩で効率的になってもそれ以上に何を得たのか?映画がトーキーやカラーになって表現の豊かさを獲得したときと同じレベルでは考えられない」と急速なデジタル化の流れに一石を投じる。「寅さん記念館」のリニューアルではタコ社長(太宰久雄)が経営する「朝日印刷所」のセットが再現されており、山田監督は「すぐあのまま撮影できそう。働いている人の息吹を感じられます」と称賛を送り、「いまだに寅さんは愛され続けているけど、なぜいまだに?ということを考えていただけたらと思います」とも。特に自身が映画を通じて描き続けてきた“日本の家族”像の変化にも触れ「(かつての日本の家族像は)もはや消えつつある。家族とは何なのか?どうあるべきかを考えなくちゃいけない。ちゃぶ台を囲んでお父さんと子供がご飯食べるという光景がいまや幻の世界になってしまった」と思いを訴えた。橋爪さんは『東京家族』のジャンパーを着て登場し、挨拶を求められるとクルリと後ろを向いて背中に書かれた映画のタイトルをアピール。「ありがとうございました」と一言だけで挨拶を終えて会場を笑いに包んだ。吉行さんは「頼りにならない(苦笑)」とボヤきつつも、「緊張感があるけど柔らかい雰囲気の現場でした」と撮影を述懐。展示についても「見応えがありました。作った方の細かい気持ちが伝わって、私の心も入っていく感じでした」と笑顔で語った。また先日、中村勘三郎さんが亡くなった際、山田監督は歌舞伎役者を起用しての新作の構想があったことを明かしたが、その中での勘三郎さんが演じるはずだった役柄について「バカ殿です」と説明。この映画の企画については「松竹のものなので、まだ生きてますよ」と明かした。『東京家族』は2013年1月19日(土)より公開。■関連作品:東京家族 2013年1月19日より全国にて公開© 2013「東京家族」製作委員会
2012年12月15日山田洋次監督の81作目となる監督作『東京家族』の完成披露試写会が12日、都内で行われ、山田監督をはじめ、橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優ら“家族”が勢ぞろいした。名匠・小津安二郎の『東京物語』(1953)へのオマージュとして、現代を舞台に家族の絆を描いた監督生活50周年を記念する本作。山田監督は「ここにいる8人全員が主役。すてきな八重奏のアンサンブルを奏でてくれた」とキャスト陣をたたえた。その他の写真2012年5月の東京を舞台に、橋爪と吉行演じる老夫婦が、成長した子どもと会うため瀬戸内海の小島から上京する姿を通して、家族の絆や老い・死についてメッセージを投げかける本作。昨年の東日本大震災を受け、製作が約1年延期されただけに「お披露目の日を迎えて、本当に特別な感慨があります」と山田監督も感無量。この日は小津監督の110回目の誕生日でもあり「先祖の仕事を受け継ぎ、伝承しながら、この映画は完成した。感謝したい気持ちでいっぱい」。また、先日は2012年度文化勲章を受章し「ビックリしているが、映画界を代表し、章をいただこうと思う」と語った。主演を務める橋爪は「ぜひ皆さんの満足したお顔を見ることができれば」と上映を前に静かな自信。吉行とは3度目の夫婦役で「撮影が終わると、吉行さんと一緒に帰りそうになった」(橋爪)、「いい意味で緊張感なく共演できた」(吉行)と本当の夫婦のよう。「緊張で今も胸がいっぱい」(西村)、「誇りであり、今後大きな影響を与える作品」(夏川)、「撮影中は楽しくて、楽しくて。出演できた幸せをかみしめた」(中嶋)、「家族って本当にいいなと思える作品」(正蔵)とキャストたちは山田作品への強い思いを明かした。妻夫木にとっては、初めての山田組参加で「嬉しいと同時に、現場では緊張するんじゃないかと不安もあった」と告白。それでも「監督の丁寧な演出から、愛情を感じた。人間って、家族っていいなと思える作品なので、幸せの連鎖が生まれれば」と“山田マジック”にすっかり魅了された様子。恋人役で共演する蒼井は、『おとうと』以来2度目の山田組で「実家に帰ってきた感じ」。これにはベテラン俳優の橋爪も「うまいこと言うね」と感心していた。『東京家族』2013年1月19日(土)全国ロードショー
2012年12月13日『男はつらいよ』や『学校』シリーズの山田洋次監督の最新作『東京家族』の完成披露試写会が12月12日(水)に、東京・有楽町の丸の内ピカデリーにて都内で行われた。この日のイベントには、先日、文化勲章を受章した山田監督を始め、主演を務めた橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優たち本作で共に暮らした“家族”が勢揃いした。『東京家族』は2013年1月19日(土)より全国にて公開。■関連作品:東京家族 2013年1月19日より全国にて公開© 2013「東京家族」製作委員会
2012年12月12日山田洋次監督の81作目となる最新作『東京家族』の完成披露試写会が12月12日(水)に都内で行われ、山田監督を始め、主演を務める橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優ら“家族”が顔を揃えた。震災を受けて、当初の予定から1年延期しての製作及び完成に、山田監督は「本当に特別な感慨がある。ここにいる8人全員が主役であり、素晴らしい家族のアンサンブルを奏でてくれた」としみじみ語っていた。小津安二郎監督の不朽の名作『東京物語』をモチーフに、山田監督が2012年の東京を舞台に“今の家族”の物語を描いた本作。2012年5月、瀬戸内海の小島で暮らす平山周吉(橋爪さん)ととみこ(吉行さん)夫婦が上京する。東京の郊外で個人病院を営む長男・幸一(西村さん)、美容院経営者の長女・滋子(中嶋さん)、舞台美術の仕事をしている次男・昌次(妻夫木さん)たちは、東京滞在中は両親に楽しく過ごしてもらいたいと世話を焼くが、のんびりとした暮らしをしてきた2人とは、あまりにも生活のリズムが違い、家族の間には少しずつ隙間ができ始める…。橋爪さんと吉行さんは、今回で夫婦役を演じるのは3度目となり「撮影が終わると、吉行さんと一緒に帰りそうになるほど」(橋爪さん)、「でも私のこと、古女房だと思っているのか、ちっとも話しかけてくれない」(吉行さん)とさすがのコンビネーション。一方、山田組に初参加した妻夫木さんは「最初は緊張で演技ができないんじゃないかと思っていた。でも実際には丁寧な演出をしていただき、そこから監督の愛情を感じた」のだとか。その妻夫木さんと恋人役で共演した蒼井さんは「まるで実家に帰ってくる感覚」と『おとうと』以来2度目となった山田監督との仕事をふり返っていた。先日にはその功績が称えられ、2012年度文化勲章を受章した山田監督。「かなりびっくり。映画界を代表し、章をいただきましたが、いまの日本映画界は厳しい状況。今後も一丸となって頑張っていくと共に、国もしっかり(映画製作を)サポートしなきゃいけない」と巨匠になったいまもまだ、監督として邁進する姿勢を見せる。また、この日は小津安二郎監督の110回目の誕生日で「こうして『東京家族』が完成したのも、小津さんのおかげ。感謝したい気持ちでいっぱい」と挨拶した。『東京家族』は2013年1月19日(土)より全国にて公開。■関連作品:東京家族 2013年1月19日より全国にて公開© 2013「東京家族」製作委員会
2012年12月12日来年1月19日(土)に新作『東京家族』の公開を控える山田洋次監督が、1日にアップルストア銀座にて行われたトークイベント“Meet the Filmmaker”に登壇し、本作誕生についてや自身の映画観を語った。その他の画像“Meet the Filmmaker”は、これまでも海外のApple Sroreで開催されたイベントで、メリル・ストリープ、トム・ハンクス、ジェームズ・キャメロン監督など世界的に著名な俳優や監督が登壇し、その模様がPodcastでも配信された。今年文化勲章を受章し、監督50周年を迎えた山田監督。この日は81作目となる『東京家族』の公開に先がけ、本作についてや、監督がテーマとして多く扱う“家族”について語った。「“家族”を題材にする事は全然意識していないけど、振り返れば結局そういう素材に惹かれて常に映画を作ってきた。どんなジャンルの映画でも、“家族”の要素を入れると落ち着くから家族映画が多くなったんです」と話し、「(本作のモチーフとなった)小津安二郎の『東京物語』は、何年も前からストーリーがいいと思っていたし、このフレームを使うことによって現代の家族が描けると思った」と、本作が誕生したきっかけを明かした。また、最後に「僕は映画で人間や社会を学んできたが、今、日本で上映されている全ての映画がそういう役割を持っているとは思えない。映画を観るにも、シネコンは観客が管理されているようで嫌いだし、窮屈だ。もっと画面と観客が向き合い、感動や興奮のある生き生きとした劇場であってほしい」と訴えた。『東京家族』は、1953年の小津安二郎監督作『東京物語』へオマージュを捧げた作品で、家族の絆を描いた物語。子どもたちに会いに東京にやってくる夫婦を橋爪功、吉行和子が演じ、西村雅彦、中嶋朋子、妻夫木聡がふたりの子どもを演じる。ほかに夏川結衣、林家正蔵、蒼井優らが出演。『東京家族』2013年1月19日(土) 全国ロードショー取材・文・写真:滝島千尋
2012年12月03日来年1月に最新作『東京家族』の公開を控える山田洋次監督が、12月1日(土)に東京のアップルストア銀座で開催される“Meet the Filmmaker”に登壇することが決定した。その他の画像“Meet the Filmmaker”は、これまでも海外のApple Sroreで開催されてきたイベントで、メリル・ストリープ、トム・ハンクス、ジェームス・キャメロン監督など豪華な面々が登壇し、その模様がPodcastで配信され、大きな反響を呼んできた。日本でもこれまでに、岩井俊二監督や阪本順二監督が登場したが、このたび映画界の巨匠、山田監督が登場する。本年度には、黒澤明監督、新藤兼人監督に次いで映画監督としては3人目となる文化勲章を受章し『幸福の黄色いハンカチ』や『男はつらいよ』シリーズなど、現代の“家族”と向き合い続けてきた山田監督の貴重なトークを聞ける絶好のチャンスで、CMプランナー・高崎卓馬も登壇し、普段から親交の深いというふたりの貴重なトークが繰り広げられる予定だ。『東京家族』は、東京に上京してきた橋爪功、吉行和子演じる夫婦とその家族の絆を描く物語。公開に先駆けて、本作の秘話が聞ける本イベントは12月1日(土)の15時からアップルストア銀座で開催され、誰でも無料で入場可能だ。『東京家族』2013年1月19日(土) 全国ロードショー山田洋次監督登壇“Meet the Filmmaker”12月1日(土) 15時からアップルストア銀座(東京都中央区銀座3-5-12 サヱグサビル本館)で開催入場無料(当日来場者多数の場合は入場できないこともございますので、ご了承ください)
2012年11月22日来年3月公開の堺雅人主演映画『ひまわりと子犬の7日間』の予告編映像がこのほど公開され、小さな命を守るために奔走する主人公を演じる堺の新たな一面が紹介されている。『ひまわりと子犬の7日間』予告動画本作の基になったのは、2007年に宮崎県の動物管理所で起こり、テレビ東京『ポチたま』や日本テレビ『ザ・世界仰天ニュース』でも取り上げられ話題となった実話だ。映画は、引き取り手がなく保育所に収容された犬の母子の命を救おうとする保健所職員の神崎(堺)と、周囲の人々の姿を描く。このほど公開された予告編は、神埼が山に捨てられている犬の母子と出会う場面から始まる。保健所に収容された動物に残された命の期限は7日間で、それまでに引き取り手が見つからなければ、母子は処分されてしまう。予告編は、神崎が周囲の人々を巻き込みながら引き取り手を捜し“小さな命”を未来へとつなごうと懸命に行動する姿が描かれる。主演の堺は、シーンを支配するほどの存在感と、高い演技力でファンから信頼を集めている俳優だが、本作では言語が通じない犬を相手に奮闘し、惜しみない愛情を注ぎながら“動物の処分”という厳しい現実に立ち向かう主人公を熱演する。また、獣医役の中谷美紀や、でんでん、吉行和子、夏八木勲ら共演者も演技派が顔揃えており、本作では堺の新たな一面が見られそうだ。『ひまわりと子犬の7日間』2013年3月16日(土)全国公開
2012年11月21日山田洋次監督の最新作『東京家族』の予告編映像が公開された。時代にあわせて変わっていく家族のあり方と、時を経ても変わらぬ家族の“絆”を描いた感動作だ。予告編『東京家族』の物語は、瀬戸内海の小さな島で暮らす周吉と妻とみこが息子たちが暮らす東京を訪れるところから始まる。個人病院を営む長男、美容院を経営する長女、舞台美術の仕事をしている次男はそれぞれに両親のことを想い、東京で快適に過ごしてもらいたいと願うが、生活のリズムがあまりに違うために関係はぎくしゃくしてしまう。本作がオマージュを捧げている小津安二郎監督作『東京物語』の舞台は、映画公開と同じ1953年だった。そして、本作の予告編ではまず「2012年“いま”を生きる家族の物語」というコピーが登場する。続いて、橋爪功と吉行和子が演じる老夫婦が東京で子どもたちと再会する場面と、西村雅彦、中嶋朋子、妻夫木聡が演じる子どもたちの日常が映し出される。また、妻夫木演じる昌次の恋人・間宮紀子(蒼井優)も登場。短い予告編ながら、俳優陣の会話のトーンや仕草まで山田監督の繊細な演出が行き届いているのがわかる。また映像には、東京スカイツリーやイルミネーションに彩られた巨大観覧車など、東京の“現在”を感じさせるロケーションも数多く登場。本作は名作のコピーや、古めかしいドラマではなく、2012年の観客のために作られた“現代の家族”を描く作品のようで、予告編のラストは「これは、あなたの物語です。」というコピーで締めくくられている。『東京家族』2013年1月19日(土) 全国ロードショー
2012年11月02日『家族』、『幸福の黄色いハンカチ』、『息子』、『学校』シリーズ、『おとうと』、そして『男はつらいよ』シリーズと、その時代、時代の家族を見つめ続け、先日にはその功績が称えられ、2012年度文化勲章を受章した山田洋二監督による最新作『東京家族』。小津安二郎監督の不朽の名作『東京物語』をモチーフに、山田監督が2012年の東京を舞台に“今の家族”の物語を描いた本作の待望の予告編が遂に解禁となった。2012年5月、瀬戸内海の小島で暮らす平山周吉(橋爪功)ととみこ(吉行和子)夫婦が上京。東京の郊外で個人病院を営む長男の幸一(西村雅彦)、美容院経営者の長女の滋子(中嶋朋子)、舞台美術の仕事をしている次男・昌次(妻夫木聡)たちは、東京滞在中は両親に楽しく過ごしてもらいたいと世話を焼くが、のんびりとした暮らしをしてきた2人とは、あまりにも生活のリズムが違い、家族の間には少しずつ隙間ができ始める…。山田監督にとって81作目となる最新作で描かれるのは、2012年現在を生きる家族の物語。今回公開となった予告編では、橋爪さん演じる周吉が妻夫木さん演じる昌次に「のう、昌次。母さん、死んだぞ」と言葉をかけ、泣くのをぐっとこらえていた妻夫木さんが思わず涙してしまうシーンからスタートする。上京してきた周吉、とみこに対する反応は同じ家族でも様々。そして平山夫妻を取り巻く家族の風景が、久石譲の音楽と共に丁寧に映し出され、予告編ラストには「親をもつ、子をもつ、すべての人へ―」というメッセージが流れる。小津安二郎監督が家族の絆と喪失を描いた『東京物語』から60年――。これはスクリーンの中の家族の物語ではなく、私たち一人一人の物語でもあるのだ。巨匠・山田洋二が紡ぎ出す、現代の“家族”の姿にあなたは何を思うだろうか?『東京家族』は2013年1月19日(土)より全国にて公開。※こちらの予告編映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:東京家族 2013年1月19日より全国にて公開© 2013「東京家族」製作委員会
2012年11月02日2007年、宮崎県の保健所で起こった犬と人間の奇跡の実話を、20年にわたり山田洋次監督作品の共同脚本・助監督を務めてきた平松恵美子監督が、堺雅人を主演に迎えて映画化する『ひまわりと子犬の7日間』。このたび本作の主題歌が、初の武道館ライブが3分でソールドアウトとなるなど絶大な人気を誇る音楽グループ「ソナーポケット」による書き下ろし曲「花」に決定した。ある日、母犬・ひまわりと生まれたばかりの子犬が、保健所に収容される。飼い主が見つからなければ、母子ともども“処分”されてしまうことになるが、保健所の職員・彰司やその家族、仲間たちは必死に子犬を守ろうとするひまわりの姿に心打たれ…。現在の日本で、飼い主のいない犬が置かれている状況を逃げることなく真っ直ぐに描く本作。彰司役の堺さんを筆頭に、中谷美紀、吉行和子、檀れい、小林稔侍など数々の映画賞に輝く実力派俳優陣が名を連ねており、オードリーの若林正恭の映画初出演作としても注目を集めている。今回、ひと足先に同作を鑑賞したソナーポケットは「僕らは3人共、実家で犬を飼っているので、感情移入せずにはいられず、犬と人間の家族愛に終始感動しっぱなしでした」と感想を語る。さらに「僕らは普段、“笑顔の連鎖”を合言葉に日々活動しています。この映画を観てくれる人たちにも笑顔があふれるような、そんな素敵な主題歌を作りたいと思います。いざ!笑顔の連鎖!」とコメントが寄せられている。果たして彰司やその仲間たちは、信じる心を失ってしまった母犬にもう一度愛を伝えることができるのか?ソナーポケットの楽曲が本作にどのように寄り添い、彩りを与えてくれるのか公開を楽しみに待ちたい。『ひまわりと子犬の7日間』は2013年3月9日(土)より宮崎先行公開、3月16日(土)より全国にて公開。■関連作品:ひまわりと子犬の7日間 2013年3月9日より宮崎先行公開、3月16日より全国にて公開© 2013「ひまわりと子犬の7日間」製作委員会
2012年10月17日山田洋次監督の最新作『東京家族』の特別試写会が4日(木)に京都四條南座で行われ、舞台あいさつに山田監督が登壇した。その他の写真本作は、1953年の小津安二郎監督作『東京物語』へオマージュを捧げた作品で、橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優らをキャストに迎え、現代の家族の絆を描く。京都四條南座では、8月18日より山田監督の監督生活50周年を記念したイベントが連日行われており、『男はつらいよ』シリーズや『幸福の黄色いハンカチ』など全80作品を上映。イベント期間中の4日(木)に行なわれた『東京家族』の特別試写会には、3年ぶりの山田監督作を心待ちにしていた約500人の観客が集まり、山田監督が舞台あいさつを行った。山田監督は、「今日は、皆様がどういう風にこの映画を感じるか、判決を待つ被告のような気持ちでおります」とコメントし、さらに先日、世界の映画監督が投票で決める映画史上最も優れた作品に、本作のベースである小津監督の『東京物語』が選ばれたことについて、「2位の『市民ケーン』を抜いて1位になったと、世界中で話題になりました。時を越え、国を越えても、家族というものはやっかいなもんだという悩みを、世界中の人が共有できる、そういうところが評価されたのでしょうか」と話した。『東京家族』2013年1月19日(土)全国ロードショー
2012年10月05日監督生活50周年を迎える山田洋次監督の新作『東京家族』が来年1月に公開されるのを記念して、全50品目が入ったオリジナルおせちが、大丸松坂屋百貨店から販売されることが決定した。その他の写真映画は、“家族”をテーマにした作品を作り続けてきた山田監督が、巨匠・小津安二郎監督の傑作『東京物語』にオマージュを捧げた作品で、橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優らをキャストに、現代の家族の絆を描く。このたび販売されるオリジナルおせちは、近年、「新年を家族で迎えたい」「家族で過ごす時間を大切にしたい」といった家族回帰の傾向に対応し、おせちを拡充している大丸松坂屋百貨店が販売するもの。オリジナルおせちは、角うに、味付数の子、ローストビーフ、ローズサーモン、豚バラあぶり焼き、穴子昆布巻など全50品が入ったボリュームのある和・洋風3段で、10月3日(水)より12月中旬まで、大丸・松坂屋・関係百貨店19店舗で予約することができる。価格は税込21000円。また、オリジナルおせちの購入者には、抽選で100組200名に映画『東京家族』のペア・チケットがプレゼントされる。『東京家族』2013年1月19日(土)全国ロードショー
2012年10月01日徳島県の山間にある小さな街を舞台に、料理の“つまもの”ビジネスで年商2億円以上を稼ぐことに成功した女性たちの実話を基に描いた映画『人生、いろどり』。本作で“葉っぱビジネス”を発案する青年役を演じた平岡祐太が、女性たちが人生の主人公になっていく過程を“おばあちゃん版”『スウィングガールズ』(04)と例え、「心温まる感動作です!」と推奨した。本作は、ミカン農家の薫(吉行和子)、未亡人の花恵(富司純子)、久々に帰郷した路子(中尾ミエ)の3人が、料理の脇役である“つまもの”の商売を通じて、自分自身が主役になって新しい人生を獲得していく姿を描いた人間ドラマ。脚本を手にした平岡は「おばあちゃんにスポットを当てますが、まるで青春群像劇のような展開でした。ひとつのことを成し遂げるために頑張っていく姿に、僕自身も感動しましたね」と作品を受け止めた上で、「実は『スウィングガールズ』(04)に似ていると思いました(笑)。僕が20代前半に出ていたような青春系作品に近い匂いを感じましたね」と自身が出演した名作青春群像劇を引用して本作の空気感を説明した。平岡が演じる農協職員の江田晴彦は、唯一モデルが実在。“葉っぱビジネス”を発案して物語をキックオフする重要な役割だ。「横石さんというモデルの方に撮影現場でお会いしました。おばあちゃんたちを見る目がすごく優しかったですね。でもご飯を食べに行く途中の車中で“葉っぱビジネス”の話題になった時、経営者の顔になって」と初対面のエピソードを教えてくれたが、これが演技のヒントになったという。「横石さんは自分が先導して旗を振るのではなく、背中を後押しするように見つめている役割です。江田を演じる上でとても参考になりましたね」と貴重な対面に感謝していることを明かした。「仮にお会いしていなかったら、僕がやります! みたいな熱血漢になっていたかもしれないですよね(笑)」。生きがいを見つけ、第二の人生を華咲かす“おばあちゃん版”『スウィングガールズ』(04)は、「悲しみではないプラスの涙とともに感動する映画です」と改めて本作の魅力を表現した平岡。「田舎だからこその物語で、そこでしか出ない雰囲気とエネルギーがあると思いました。都会にはないホロッとするような感動を得て、温かい気持ちになってほしいですね」。『人生、いろどり』9月15日(土)より、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー取材・文・写真:鴇田 崇
2012年09月13日『ソラニン』を始め、昨年公開された『神様のカルテ』や『ツレがうつになりまして。』など、映画女優として数多くの作品に出演してきた宮崎あおいが、このほど10年ぶりとなる民放地上波の連続ドラマに出演することが明らかとなった。脚本・演出を手がけるのは、世界で名を馳せる人間ドラマの名手・是枝裕和監督。全話オリジナル書き下ろしによるドラマが関西テレビ・フジテレビ系にて10月より放送スタートする。2004年の『誰も知らない』で世界のカンヌを賑わせ、その後も『空気人形』(’09)、『奇跡』(’11)など市井の人々の悲喜こもごもを、時に冷酷なまでに生々しく、そして温かく描いてきた是枝監督。本作は40代サラリーマンを取り巻く、クスッと笑えて心温まる“ちょっと不思議なホームドラマ”になるという。その特筆すべきは、連続ドラマとしては異例とも言える豪華俳優陣の出演!主演には『歩いても 歩いても』、『奇跡』に続き是枝監督とタッグを組む阿部寛、その妻役に山口智子、さらにYOU、新井浩文、バカリズム、吉行和子、西田敏行と是枝作品でおなじみの顔ぶれを始め、錚々たる個性派メンバーが是枝監督のもとに集った。また、初の是枝作品出演となる宮崎さんの役どころは、初共演でもある阿部さん扮するアラフォー・サラリーマンとあるきっかけで出会う“謎の美女”。正体も登場の仕方も謎のままだが、主人公が探ってゆく物語のカギを握るキーパーソンとなるようだ。このオファーを受け「監督の作品の中の人たちはとても生き生きとしていてステキだな、と思いながらいつも作品を観ていました。その是枝監督がドラマを撮られるということに、とても興味を持ちました。久しぶりのドラマで私自身もいまからワクワクしています!」と気合十分の宮崎さん。本作のプロデューサー曰く「都会の雑踏には決していなさそうな、透明感と凛とした美しさと強さを併せ持つ女性」というイメージにぴったりということで、今回白羽の矢が立ったという。今後も出演映画では、岡田准一共演の『天地明察』や忽那汐里&安藤サクラ共演の『ペタルダンス』、向井理と夫婦役で出演する『きいろいゾウ』など公開作が続々と控えているが、久しぶりのドラマ作品でどんな演技を見せてくれるのか?現時点でタイトルは未定であり、謎多き話題作として今後さらに注目を集めそうだ。本作は10月、関西テレビ・フジテレビ系にて毎週火曜日22:00~放送開始予定。■関連作品:きいろいゾウ 2013年、新宿ピカデリーほか全国にて公開天地明察 2012年9月15日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012「天地明察」製作委員会ペタルダンス 2013年春、渋谷シネクイントほか全国にて公開
2012年07月10日堺雅人と中谷美紀が出演する映画『ひまわりと子犬の7日間』の特報動画とポスターが公開された。『ひまわりと子犬の7日間』特報動画『ひまわりと子犬の7日間』は、2007年に宮崎県で実際に起きた出来事をもとに、管理所に収容され、命の期限が決められた母子犬と、職員たちの姿を描いた物語。山田洋次監督のもとで20年にわたって脚本家、助監督として経験を積んだ平松恵美子監督がメガホンをとり、堺、中谷の他に、でんでん、若林正恭 (オードリー)、吉行和子、夏八木勲らが出演する。このほど公開された動画では、宮崎県の農家で夫婦の愛を受けてすくすくと育った子犬が、ある事情からひとりぼっちになり、管理所に収容されるシーンが描かれている。本作の原作は、宮崎県中央動物保護管理所に収容された母子犬をめぐる実話を記録した山下由美の著作『奇跡の母子犬』(PHP研究所刊)。ポスターには、「首輪を失った母犬“ひまわり”。もういちど、きみに、愛を伝えたい」とあり、“ひまわり”という名前は、太陽の下を堂々と歩いてほしい、そんな思いを込めてつけられた名前だという。本作で堺は管理所職員の彰司を、中谷は彰司を見守る幼なじみの獣医・五十嵐美久を演じる。これまで、『武士の一分』、『母べえ』、『おとうと』などで“家族”と“生と死”をテーマに人間ドラマを深く描いてきた平松監督が、初監督作品となる本作で、どのような物語を描くのか注目したい。本作は、2013年3 月16日(土)新宿ピカデリーほか全国で公開される。『ひまわりと子犬の7日間』2013年3月16日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
2012年06月22日山田洋次監督の最新作『東京家族』の製作報告会見が30日に東京・成城の東宝スタジオで開かれ、山田監督をはじめ、橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優が出席した。そのほかの情報名匠・小津安二郎の『東京物語』へのオマージュとして、現代を舞台に家族の絆を描いた、山田監督にとっては監督生活50周年を記念する作品。当初は 2011年4月にクランクインの予定だったが、東日本大震災の発生を受け、山田監督の意向によって、撮影が延期されていた。今年3月1日、正式にクランクインし、5月末に撮了を迎える。山田監督は「延期は正しかった。もしあのまま製作を続けていたら、とっても後悔していたはず。3.11という大惨事を無視することはできなかった」と断言。その上で「この国が今後どうなるのか。作品の最後に提示することができれば。本質的には人間喜劇で、キャストの皆さんの連帯と情愛のおかげで、楽しく仕事することができた」と手応えを示した。81本目のメガホン作だが「そもそも巨匠といわれる人は80本も作品を撮らないもの。今回、改めて小津安二郎がいかにすごいかしみじみ分かった」と語った。2012年5月の東京を舞台に、橋爪と吉行演じる老夫婦が、成長した子どもと会うため瀬戸内海の小島から上京する姿を通して、家族の絆や老い・死についてメッセージを投げかける。「思いもよらない大役。作品がダメだったら、監督のせいですけど(笑)」(橋爪)、「山田監督とは初めてのお仕事で、大緊張の毎日。同時に楽しく幸せな気持ち」(吉行)。老夫婦の次男・昌次(妻夫木)と、その恋人の紀子(蒼井)は被災地である福島でのボランティアで出会ったという設定。妻夫木は「親には面と向かって『ごめん』や『ありがとう』が言えないもの。橋爪さん演じる男親の厳しさ、吉行さんの女親の優しさが身に染みた」としみじみ。蒼井は大女優・原節子が演じた紀子役を受け継ぎ「大きすぎる役柄なので、意識してしまうと家から出れなくなってしまう(笑)。監督からも言われた通り、『感じること』を大切に演じたので、ぜひ寛大な心で受け止めてください」とアピールした。この日は日本映画界で最高齢の映画監督だった新藤兼人氏が100歳で死去したと報じられ、山田監督は「仰ぎ見る先輩がいなくなるのは、さみしいこと。地を這うような苦労をなさって映画を作った方」と追悼のコメントを出した。『東京家族』2013年1月全国ロードショー取材・文・写真:内田涼
2012年05月30日山田洋次監督の最新作『東京家族』の製作報告会見が5月30日(水)、東京・成城の東宝スタジオで行われ、山田監督を始め、橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優が出席した。同日、日本最高齢の映画監督だった新藤兼人監督(享年100歳)が亡くなったことが報じられ、山田監督は「仰ぎ見る先輩がいなくなるのはさみしいこと。地を這う思いで映画を作り、スクリーンから“肉声”が聞こえてくるような監督だった」と追悼の意を表した。山田監督にとって81作目のメガホンにして、監督生活50周年を記念した『東京家族』。当初は2011年4月のクランクインを予定していたが、東日本大震災の発生を受けて、山田監督の意向で撮影が延期されていた。小津安二郎の『東京家族』(1953)にオマージュを捧げ、震災後の2012年5月の東京を舞台に、老夫婦と次男坊の絆を通して、観る者に普遍的な家族愛を問いかける。山田監督は「延期は正しかった。3.11は無視できない大惨事だし、もしあのまま製作を始めたら、とても後悔していたはず」と述懐し、「日本という国がこの先どうなるのか…。作品の最後に提示できればと思った。本質的には人間喜劇」と確かな手応えを感じている様子だ。実力派俳優が顔を揃える本作だが、意外にも蒼井さんを除き“山田組”には初参加。主人公の老夫婦を演じる橋爪さんと吉行さんは「思いもよらない大役」(橋爪さん)、「大緊張の毎日」(吉行さん)とそれぞれふり返る。次男を演じる妻夫木さんは、山田組への参加を先輩俳優の永瀬正敏に報告したと言い「永瀬さんから『良かったな、勉強になるぞ』とメールをいただいた。大切にしたのはフィーリング」と満足そうな笑顔を見せた。一方、山田組に関しては“先輩”にあたる蒼井さんは「私だけロケ参加が1か月遅かったんですが、その間にすっかり抜かされていて、焦りました(笑)」と苦笑しきり。演じるヒロインの紀子は、往年の大女優である原節子が演じた役柄とあって「紀子は、私には重過ぎる名前。意識してしまうと家から出られなくなるので、新鮮な気持ちを心がけた。寛大な心で受け止めてください」と控えめなアピールながら、やはり自信をのぞかせた。『東京家族』は2013年1月、全国にて公開。■関連作品:東京家族■関連記事:山田洋次監督が「第二の故郷」柴又を練り歩き!『東京家族』製作は来年春に再開
2012年05月30日俳優の三浦友和が主演する『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』の初日舞台挨拶が12月3日(土)、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで行われ、三浦さんの次男で前作『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』に出演した三浦貴大がサプライズ登壇した。友和さんと貴大さんが、公の場でツーショットを披露するのは今回が初めて。貴大さんから、物語の重要なアイテムである“ブレーキハンドル”を手渡された友和さんは「これ、本物(笑)?もうちょっと違う形で共演したかったが、ありがとう。驚きました」と感無量の面持ちだった。一方、貴大さんは「初日、本当におめでとうございます。ここに来ることができて、うれしいです」とこちらは少々緊張気味。『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』は俳優デビュー作とあって、「思い入れが重過ぎる作品。さっきもこのブレークハンドルを見たら、涙が出そうになった」と感動しきりだ。撮影前には、友和さんが「このスタッフさんはどんな人?」と貴大さんに電話で“下調べ”したのだとか。「おかげで現場に入りやすかった」と笑顔でふり返る。富山県を舞台に、三浦さん演じる鉄道運転士が定年を機に、突然、長年連れ添った妻に離婚届を突きつけられ、夫婦のあり方や生き方を見つめ直す。舞台挨拶には三浦さん親子に加えて、妻を演じる余貴美子を始め、中尾明慶、小池栄子、吉行和子、蔵方政俊監督、製作総指揮の阿部秀司氏が登壇した。余さんは「夫の最後の優しい言葉を期待しながら、運命共同体として同じレールに乗って旅する夫婦の物語。人と人との関わりを考えました」。夫婦の娘役を演じた小池さんは「台本の段階から涙が出ました。身近な人に普段は言えない感謝を伝えたくなる作品」とこちらも本作を通して、大切なものを再確認した様子だ。一方、後輩運転手を演じた中尾さんは「パート5くらいで、主人公になれれば」と少々気が早い“抱負”を語り、笑いを誘っていた。『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』は全国にて公開中。■関連作品:RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ 2011年11月19日より富山にて先行公開、12月3日より全国にて公開© 2011「RAILWAYS2」製作委員会RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語 2010年5月29日より全国にて公開© 2010「RAILWAYS」製作委員会■関連記事:余貴美子、夫からのカンチョー攻撃を告白!三浦友和は爆笑大人たちの“第2の人生”を優しく綴る『RAILWAYS』試写会に15組30名様ご招待友和&百恵の次男・貴大俳優デビュー作初日「緊張9割、楽しみ1割」【ハリウッドより愛をこめて】TBSドラマ「JAPANESE AMERICANS」撮影に同行!いくつからでも人生は変えられる『RAILWAYS』切符型ストラップを3名様プレゼント
2011年12月04日人気ボーカルダンスユニット「SPEED」のメンバーで、女優としても幅広く活躍する上原多香子が『恋谷橋 La Vallee de l’amour』で映画初主演を飾ることが明らかになり、その劇中写真が公開された。上原さんはさびれた温泉地で、町おこしに奔走する温泉旅館の娘・朋子を好演し、和服姿も披露している。撮影は昨年11月〜12月にかけて「ゲゲゲの女房」(NHK)で盛り上がる鳥取県の歴史ある温泉地・三朝温泉を中心に、鳥取県内でオールロケを敢行。上原さんは「ものすごく大きな緊張とプレッシャーがありましたが、映画と向き合って見えてくるものや感じることを素直に表現しようと思いました」と無事に迎えたクランクアップに、安堵の表情だ。「第1回スーパーシナリオグランプリ」(主催:スーパーシナリオグランプリ実行委員会/後援:毎日新聞社) の大賞に選ばれた「雨の中の初恋First Love in the Rain」を映画化した本作。不景気のあおりを受けて、東京のデザイン事務所を解雇された朋子(上原さん)は次の仕事が決まるまで、実家のある鳥取県の温泉街・三朝町に戻ることに。かつて多くの観光客に賑わった町も、いまは当時の活気を失い、朋子の実家が経営する老舗旅館も例外ではなかった。朋子はデザイナーの夢を捨てきれないまま、幼なじみの圭太や地元の友人たちと町おこしのイベントを計画する。「自分自身も夢を追って沖縄から東京に出てきたので朋子に共感する部分はあります」と上原さん。一方、メガホンを取った後藤幸一監督は「自然体を貫き、あざとい“形の芝居”とは無縁。人生の岐路で揺れ動く心を丁寧に重ねることで、故郷を愛し、生まれ育った地に足をつけて生きていく魅力的なヒロインを創り上げた」と映画初主演の上原さんを大絶賛する。今回、映画のストーリー同様に温泉地を盛り上げようと、ロケ地募集に手を上げた三朝温泉は1164年開湯という歴史ある温泉地。しかも、朋子の実家という設定の老舗温泉旅館「旅館大橋」は国有形文化財指定旅館として、全国でも非常に貴重な建物だ。「三朝という場所がこの映画においてとても重要で、実際にこの土地の空気や匂い、町の雰囲気などを体感することで朋子という役柄、そして映画自体がより深いものになっていったと思います」(上原さん)。撮影中は県内はもちろん、近隣の県から多くの人たちが見学に訪れ、最盛期の活気を思わせる賑わいだったのだとか。「大変な撮影にもかかわらず、温かく迎えていただき、全面的に協力していただいた三朝のみなさんがいなければできなかった作品だと思います。3週間しか滞在してませんが、三朝は私にとって第二の故郷です」と上原さんも感謝しきりだ。共演陣には水上剣星、松田美由紀、中澤裕子、土屋アンナ、葛山信吾、石橋蓮司、吉行和子、松方弘樹ら豪華な面々が勢揃い。古き良き時代の風景が残る温泉町を舞台に、家族や友人、町の人々に囲まれ、夢と初恋に揺れるヒロイン朋子=上原さんの姿を描いた『恋谷橋 La Vallee de l’amour』。観終わった後には、勇気や希望といった現代人が忘れかけた“効能”がきっとあるはずだ。『恋谷橋 La Vallee de l’amour』は2011年、全国にて公開。
2011年01月19日