『恋する惑星 4K』のトークショー付上映が、4月29日(月・祝)にシネマート新宿で行われることが決定した。今回のイベントは、香港の名匠ウォン・カーウァイ監督の著書「WKW:THE CINEMA OF WONG KAR WAI ザ・シネマ・オブ・ウォン・カーウァイ」の日本語翻訳版発売を記念したもの。本書は、「WKW:THE CINEMA OF WONG KAR WAI」(Rizzoli、2016年刊)の日本語翻訳版。カーウァイ監督自身が監督した11作品の創作過程を通じて、映画や役者、そして人生そのものについて語りきった唯一の著書。スタイリッシュな映像美を凝縮した250枚を超えるビジュアルを余すことなく収録した。発売記念として実施される上映作品『恋する惑星 4K』は、香港の重慶マンション周辺を舞台に、トニー・レオンと金城武が演じる2人の警官の失恋とすれ違う恋模様が描かれる。なおトークショーには、菊地成孔(音楽家/文筆家/音楽講師)、森直人(映画評論家)が登壇する。▼「WKW:THE CINEMA OF WONG KAR WAI ザ・シネマ・オブ・ウォン・カーウァイ」日本語翻訳版発売記念『恋する惑星 4K』トークショー付上映【劇場】シネマート新宿【日程】4月29日(月・祝)16:25の回【料金】2,000円均一【登壇予定】菊地成孔、森直人【販売】4月12日(金)20:00より劇場窓口&劇場オンライン予約▼星海社PIECE「WKW:THE CINEMA OF WONG KAR WAI ザ・シネマ・オブ・ウォン・カーウァイ」著者:ウォン・カーウァイ、ジョン・パワーズ翻訳:田畑暁生ページ数:304ページ発売日:4月23日(火)※地域により異なる定価:13,500円(税込)(シネマカフェ編集部)
2024年04月08日雑木林には、高さ40メートルにもなるナラの木が100本以上も並んでいた。埼玉県所沢市と東京都東村山市にまたがる「淵の森」は、世界的名匠・宮崎駿監督(83)にゆかりの深い地だ。「『淵の森』は、所沢市在住の宮崎さんが映画『となりのトトロ』の構想を練った場所の1つです。’96年に宮崎さんが寄付した3億円をもとに、所沢市と東村山市が土地を購入し、監督が会長を務める『淵の森の会』が、植物の生育環境保全や清掃活動に取り組んでいます。宮崎さんの奥さんの朱美さんも主要メンバーの1人です。監督より年上ですから80代後半ですが、いまもよく森で作業をしています。松の木に虫がつかないように、幹にワラをまいたり、活躍しているんです」そう語るのは、市民団体「淵の森の会」事務局長の安田敏男さん。森を守る活動を通じ、安田さんと宮崎夫妻の交流は、27年に及ぶという。「引退すると宣言したり、今回のように復帰してみたりしていますが、結局芸術家というのは、体が動かなくなるまで仕事を続けるのだな、ということが宮崎さんを見ていてよくわかりました」日本時間の3月11日、第96回アカデミー賞授賞式が行われた。「宮崎監督の10年ぶりの長編作品『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞を受賞しました。21年ぶり2度目の快挙ですが、ノミネートされたとき、盟友である鈴木敏夫プロデューサーも《『千と千尋の神隠し』に引き続き、2度目のオスカーがもらえたら本当に嬉しいです》と、コメントしていました」(映画関係者)83歳で、いまも旺盛に創作意欲をかき立てているという宮崎監督。その癒しの場となっているのが淵の森であり、日々を支えているのが3歳年上の妻・朱美さんなのだ。「宮崎監督と朱美夫人が結婚したのは’65年。アニメ制作会社『東映動画』で2人ともアニメーターとして働いていたのです。いわば職場結婚でした。’67年に長男・吾朗さん、’70年に次男・敬介さんが誕生し、夫妻は選択を迫られることになりました」(前出・映画関係者)宮崎監督はインタビューで次のように語っている。《女房は東映動画時代の仲間だったので、一本の作品にどれだけ労力を費やすか、僕の仕事を理解しています。といっても、実は女房も、絵をずっと描いていたかったのです。結婚するとき、共働きの約束をしました。で、下の子が生まれるまで、僕も子供の保育園の送り迎えをしていましたが、冬の寒い帰り道で、上の子が眠りながら歩いたりするのを見て「共働きは無理」と判断しました》(『中日新聞』’92年1月31日付)作画力に秀で、将来を嘱望されていた朱美さんに、仕事を諦めてもらったことに、《女房には申し訳なかった、と今もそう思っています》とも語っていた監督。その負い目は、結婚から半世紀以上たった現在も消えていないという。「朱美夫人は、作品の鑑定眼も優れており、夫や息子の吾朗監督の作品にも、歯に衣着せず批評するそうです。吾朗監督が手がけた『コクリコ坂から』(’11年公開)に対しても『アニメーションがいまひとつだったわね』という具合で、『アーヤと魔女』(’21年公開)で、初めて褒めてもらえたのです。宮崎監督も、ほとんど褒めてもらったことはないそうです」(前出・映画関係者)■朱美夫人は「絵は私のほうが宮崎よりうまいのよ」朱美夫人は、いまも“アニメ制作のプロ”という矜持を保ち続けているようだ。前出の安田さんは、夫妻の関係についてこう語る。「講演会を開催したとき、『どうしたら、宮崎さんのように素敵な女性と結婚できるのですか?』という質問があったのです。それに対して『自分から5メートル以内にいる女性となら結婚できますから』と答えていて、宮崎さんらしいなと思いました。ぶっきらぼうな言い方でしたが、奥さんとの職場結婚が間違いではなかったという思いを込めた回答だったと思います。宮崎さんなりの愛情表現でしたね。いっぽうで奥さんは『絵は私のほうが宮崎よりうまいのよ』と言っていたことがあります。『でも、結婚したら私が絵を描く仕事を辞めることになっちゃった』と、寂しげでしたね」自宅では、宮崎監督は妻に頭が上がらないという。現在生活している自宅は25年前の’99年に建築され、安田さんも招待されたことがあったが、贖罪のためか奥さん優先の間取りだったという。「『女房のリビングです』と案内された部屋は、テーブルなんかもよいもので広々としていました。『こっちが私の部屋ですよ』と、見せてもらったのは、屋根裏の6畳ぐらいの部屋だったので、奥さんのことをすごく立てているのだなと思いました」’13年に一度引退を表明した際、朱美夫人について聞かれて、「家内には『お弁当は今後もよろしくお願いします。まことに申し訳ございませんが』と言いました」と、答えていた宮崎監督。これからも“恐妻弁当ぐらし”で、不朽の名作を目指していく。
2024年03月11日3月の兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)の話題は、フランスの名匠、シルヴァン・カンブルランの初登場だ。本来は2022年2月の定期演奏会に出演予定だったところが、新型コロナウイルス感染拡大による渡航制限によって来日が叶わず。今回が2年越しの登場となるだけに期待が募る。フランス生まれのカンブルランは、伝統にとらわれない独創的なプログラミングによってその名を知られる名匠だ。バーデン=バーデン・フライブルクSWR交響楽団の首席指揮者や、クラングフォルム・ウィーンの首席指揮者を務め、2018/19シーズンよりハンブルク交響楽団の首席指揮者に就任し、ブリュッセルのモネ劇場やフランクフルト歌劇場の音楽監督も務めたカンブルランの手腕やいかに。注目のプログラム前半には、チャイコフスキーの名曲「ピアノ協奏曲第1番」が用意され、ドイツ育ちの期待の新人 中川優芽花との共演が注目される。2021年の「クララ・ハスキル国際ピアノコンクール」で優勝以来、世界各地のオーケストラやフェスティバルにソリストとして招かれる中川は、まさに、今聴いておきたい逸材の筆頭だ。カンブルランとの共演がどのような化学反応を起こすのか興味津々。後半には、カンブルランと同じフランスの作曲家ベルリオーズの『幻想交響曲』が用意されるのも楽しみだ。2年越しの夢が叶う今回の定期演奏家における若きPACメンバーの躍動に期待したい。兵庫芸術文化センター管弦楽団 第149回定期演奏会カンブルラン チャイコフスキー&幻想交響曲3月22日(金)、23日(土)、24日(日) 15:00開演兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール●指揮:シルヴァン・カンブルランSylvain Cambrelingフランス生まれ。伝統にとらわれない独創的なプログラミングで名高い。バーデン=バーデン・フライブルクSWR交響楽団の首席指揮者、クラングフォルム・ウィーンの首席客演指揮者を務め、2018/2019年シーズンよりハンブルク交響楽団の首席指揮者に就任した。2010年から19年まで読売日本交響楽団の首席指揮者。現在は同楽団の桂冠指揮者の称号を得ている。 また2012年から2018年までシュトゥットガルト州立歌劇場の音楽総監督を務めた。ブリュッセルのモネ劇場やフランクフルト歌劇場の音楽監督も務めた。ザルツブルク音楽祭、パリ国立オペラ座などでも幅広くオペラを指揮している。これまでにウィーン・フィル、ベルリン・フィル、チューリッヒ・トーンハレ管、フランクフルト放送響、ベルリン放送響、フィルハーモニア管、BBC響、ベルリン・ドイツ響、ウィーン響、パリ管、クリーブランド管、ロサンゼルス・フィル、サンフランシスコ響、モントリオール響などと共演している。●ピアノ中川 優芽花Yumeka Nakagawa一度でもその演奏に接したものの心を捉えて離さない、久方ぶりの大器との評判の現在21歳のドイツに生まれ育った日本人ピアニスト。2021年クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールで優勝、併せて聴衆賞も獲得して以降注目を浴びている。2014年にドイツ連邦青少年音楽コンクールで満点を獲得して優勝を果たし、同年ワイマールの若いピアニストの為のフランツ・リスト国際コンクールで第2位を獲得。近年はデュッセルドルフのロベルト・シューマン国際コンクール(2019)およびイェネ=タカーチ国際コンクールにも優勝。クリスティアン・ツァハリアスの指揮の下、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番やモーツァルトの2台のピアノのための協奏曲KV365をはじめとしてオーケストラとの共演の機会も増え、ヴェルビエ音楽祭に出演2019年以降ウィグモア・ホール、トーンハレ、ワイマールハレなどで演奏する機会が増えている。現在ワイマールのフランツ・リスト音楽大学においてグリゴリー・グルズマン教授のもと研鑽を積んでいる。
2024年02月16日『ミツバチのささやき』(1973)のスペインの名匠ビクトル・エリセ監督が、第76回カンヌ国際映画祭で31年ぶりの長編新作として発表した『瞳をとじて』。この度、『ミツバチのささやき』にも出演していたアナ・トレントが登場するシーンの本編映像が解禁、監督が語るキャスティングエピソードも明らかになった。本作は、元・映画監督と謎の失踪を遂げたかつての人気俳優、2人の記憶をめぐる【人生】と【映画】の物語。アナ・トレントは失踪した元人気俳優の娘役という重要な役どころを演じている。『ミツバチのささやき』で、映画『フランケンシュタイン』の怪物に魅せられる少女“アナ”を演じたアナは、その愛らしくつぶらな瞳で観客たちを魅了、世界から注目を集めた映画史に語られる伝説的な存在だ。『ミツバチのささやき』当時6歳だったアナ・トレント彼女は同作で子役としてデビュー後、カルロス・サウラの『カラスの飼育』(1976)などに出演し、さらに演劇を学ぶためにニューヨークにも留学。現在も継続的に俳優として活動しており、今回、エリセ監督の最新作『瞳をとじて』で再びタッグを組むことになった。厳密にいえばエリセが監督した短編映画にもアナは出演していたが、長編作品でのタッグはなんと50年ぶりとなる。この度解禁となった映像は、失踪した俳優フリオの親友で22年ぶりに彼を捜すことになった主人公ミゲルが彼の娘、“アナ”に会いに行くシーンが切り取られている。彼女は現在プラド美術館で働いており、館内のカフェで2人は落ちあうことになった。久しぶりの再会となったミゲルとアナはこの失踪事件を扱うことが決まったテレビ番組のことや、フリオが失踪した当時のことについて言葉を交わす…という場面だ。エリセ監督はインタビューで『ミツバチのささやき』以降、アナとは連絡を取り続けており、約50年間友情を育んできたと話している。さらにキャスティングの経緯に関して、「2021年末のある夜、彼女が出演していたマドリードの劇場の出口で、彼女に話しかけた。“映画の脚本を書いていて、登場人物の一人をぜひ、演じてほしい”と。彼女は即座に承諾した。それぐらい簡単だった」と語り、直接アナとコンタクトを取り、その場で出演が決定するという驚きのエピソードも明かした。ビクトル・エリセ監督とアナ・トレント当時6歳だったアナとエリセ監督の親交が続いており、このような2人の関係性があったからこそ今回の出演が成立したようだ。また、彼女は今回も『ミツバチのささやき』と変わらず、本名と同じ名前“アナ”の役を演じている。なお、『瞳をとじて』の公開にあわせて、『ミツバチのささやき』と『エル・スール』の特別上映も決定。彼女の初出演の作品を合わせて鑑賞することもできる。『瞳をとじて』は2月9日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。『瞳をとじて』公開記念 ビクトル・エリセ特別上映『ミツバチのささやき』『エル・スール』はヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:瞳をとじて 2023年2月9日よりTOHO シネマズ シャンテほか全国順次公開© 2023 La Mirada del Adiós A.I.E, Tandem Films S.L., Nautilus Films S.L., Pecado Films S.L., Pampa Films S.A.
2024年02月05日スペインの名匠ビクトル・エリセ監督の31年ぶりの最新作『瞳をとじて』から、叙情的な余韻を残す予告編が解禁。監督を敬愛する濱口竜介、岩井俊二、細田守ら映画監督や著名人のコメントも到着した。1985年、伝説のミニシアター“シネ・ヴィヴァン・六本木”で公開されると記録的な動員を打ち立て、いまもなおタイムレスな名作として多くの映画ファンの「人生ベスト」に選ばれる『ミツバチのささやき』のビクトル・エリセ監督が、第76回カンヌ国際映画祭で31年ぶりの長編新作としてカンヌプレミア部門にて発表した本作。長らくの不在を経て語られるのは、元・映画監督と謎の失踪を遂げたかつての人気俳優、ふたりの記憶をめぐる【人生】と【映画】の物語。この度、その予告が完成。映画監督を引退した主人公ミゲルは、22年前、映画の撮影中に突然姿を消した俳優で親友のフリオの失踪事件の真相を辿り、旅に出る。ミゲルの人生を大きく変えてしまった出来事の記憶を遡る中で、彼が見つけ出した答えとは――。【人生】と【記憶】をヒントに、エリセが長年見つめ続けてきた変わりゆく時代と人々の営み、そして【映画】への想いが詩情豊かに綴られたヒューマンミステリー。映像では、『ミツバチのささやき』から50年の時を経て再び“アナ”の名を持つ、フリオのひとり娘を演じたアナ・トレントの姿もとらえている。また、予告編にはひと足先に本作を鑑賞した著名人のコメントも到着。日本のミニシアターブームを牽引したビクトル・エリセの作品には多くの映画人が影響を受けたとを公言していることでも知られているが、予告でも細田守、岩井俊二、濱口竜介と日本を代表する映画・アニメーション映画監督たちがコメントを寄せる。さらに、映画監督の三宅唱、岨手由貴子、スタジオジブリの鈴木敏夫、作家の池澤夏樹、ゲームクリエイターの小島秀夫、さらには『ミツバチのささやき』を日本で初上映し、1館のみの上映で約5万人の観客を動員した“シネ・ヴィヴァン・六本木”の元支配人・塚田誠一氏など、映画を心から愛する人々からエリセの帰還に歓喜し、最新作を絶賛している。『瞳をとじて』は2024年2月9日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:瞳をとじて 2023年2月9日よりTOHO シネマズ シャンテほか全国順次公開© 2023 La Mirada del Adiós A.I.E, Tandem Films S.L., Nautilus Films S.L., Pecado Films S.L., Pampa Films S.A.
2023年12月08日昨年没後30年を迎えた名匠・五社英雄監督のアクション映画『獣の剣』『五匹の紳士』『十手舞』のデジタル配信が、Amazonプライムビデオの「プラス松竹」チャンネルで開始された。Amazonプライムビデオ「プラス松竹」チャンネルは、『男はつらいよ』『釣りバカ日誌』『必殺仕事人』など松竹が誇る数々の名作映画群や松竹が制作したTVドラマが月額330円で見放題で楽しめる定額制サービス。『極道の妻たち』『鬼龍院花子の生涯』『吉原炎上』などを手掛け、壮絶なアクションと鮮烈なエロティシズムを炸裂させ、映画のエンターテインメント性を徹底追求した五社英雄監督作品の中でも異彩を放つ伝説のアクション3作品が、今回新たに加わった。『獣の剣』(けだもののけん)は、藩政のためには虫けらの如く扱われる武士のむなしくもせつない末路を、壮烈なド迫力の殺陣で描いたハードアクション時代劇。平幹二朗、加藤剛、岩下志麻、田中邦衛といった豪華キャストの競演も見逃せない。『五匹の紳士』は、欲望と野心、復讐と贖罪、裏切りと策略とが絡み合い、テンポよくキレのある演出で怒涛の結末になだれこむ、スタイリッシュなノンストップ・アクション・サスペンス。大野靖子と五社英雄が共同でシナリオを執筆し、仲代達矢、平幹二朗、田中邦衛、井川比佐志らが出演する。『十手舞』(じってまい)は、石原真理子が華麗に舞い、跳び、斬る、奇抜なアクション・エンターテインメント時代劇。数奇な運命に翻弄される女の哀しみを、アクションと斬新な演出で描く。共演に世良公則、夏木マリ、高樹澪、ピーター、佳那晃子、地井武男、加藤健一、萩原流行、高田純次、竹中直人など個性豊かな顔が揃う。なお、「プラス松竹」チャンネルでは登録から2週間の無料体験期間も用意されており、日本映画界に多大な功績を遺した五社監督の独創的な世界観を配信で気軽に楽しむことが可能だ。『獣の剣』(けだもののけん)1965年/出演:平幹二朗加藤剛岩下志麻田中邦衛天知茂東野英治郎監督:五社英雄脚本:柴英三郎/五社英雄撮影:土屋俊忠音楽:津島利章製作:岸本吟一/佐藤正之(C)松竹株式会社『五匹の紳士』1966年/出演:仲代達矢/平幹二朗/田中邦衛/井川比佐志/中谷一郎/桑野みゆき/天本英世監督:五社英雄脚本:大野靖子/五社英雄撮影:酒井忠音楽:佐藤勝製作:岸本吟一/佐藤正之(C)松竹株式会社『十手舞』(じってまい)1986年/出演:石原真理子/世良公則/夏木マリ/高樹澪/ピーター/佳那晃子/地井武男/加藤健一/萩原流行/高田純次/竹中直人/川谷拓三/渡瀬恒彦/笑福亭鶴光/片桐竜次/安岡力也原作:五社英雄森幸太郎監督:五社英雄脚本:古田求撮影:森田富士郎音楽:佐藤勝製作:升本喜年/遠藤武志/西岡善信/宮島秀司(C)松竹/五社プロダクションAmazonプライムビデオ「プラス松竹」にて配信中『獣の剣』『五匹の紳士』『十手舞』「プラス松竹」チャンネルは コチラ()
2023年06月01日2度のカンヌ パルム・ドール受賞を誇るベルギーの名匠、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督の最新作『トリとロキタ』。この度、2月末に6年ぶりの来日を果たしたダルデンヌ兄弟のインタビュー映像が到着。本作を手がけたきっかけや、本作に込めた想いなどの制作の裏側を深堀した濃厚なインタビューとなった。『トリとロキタ』の製作のきっかけについて、ジャン=ピエール・ダルデンヌ監督は、「保護者を伴わない数百人の移民の子供たちがヨーロッパに渡ってきて消息を絶ち、誰も彼らがどうなったか分からない」という新聞記事を2年前に読んだことだと言い、「消息が分からなくなる理由は、彼らが闇組織に入ったり、売春させられていたり、最悪の場合は殺害されていることもある、ということでした」。「その記事を読んで、私たちは自分たちが住んでいる国々でこうしたことがあっても、誰もそのことについてそんなに心配をしていないことに、強い憤りを感じました。そこで、このトリとロキタという、保護者のいないふたりの未成年の移民たちの話を“友情”を通して、彼らがいかにこの劣悪な環境で戦いながら生きているのかを描こうと思いました」と明かす。そのトリとロキタを演じたのは、本作が演技初経験となるパブロ・シルズと、ジョエリー・ムブンドゥ。リハーサル期間は約5週間だったという。「ロキタが大麻栽培の倉庫に閉じ込められ、そこにトリが潜り込み、ふたりが再会するシーンの動きは、リハーサルで決まりました。シナリオでは“ようやく再会したふたりは抱き合う”と書いてあったのですが、パブロが『抱き合うんじゃなくてグータッチのほうがいいと思う』と提案しました」とジャン=ピエール監督は明かす。「実際に撮影してみると、その方が美しいし、このシーンに合っていました。シナリオ通りに彼らが抱き合ってしまったら、ロキタの顔がカメラに収まらなかったけれど、グータッチだとロキタの笑顔を撮ることができたのです」。また、本作のサスペンス的な手法から生まれる効果について問われたリュック・ダルデンヌ監督は、「確かにこの映画にはサスペンスがあります。トリとロキタの二人が今後どうなるのかわかりません。観客は『もしかしたら彼らは死んでしまうかもしれない』という気持ちでこの映画を観てくださると思います」と話す。「二人の間には強い“友情”があり、この友情のおかげで彼らは逆境のなかでも生き抜くことができるのです。こうした撮り方をすることによって、観客の皆さんが主人公の二人と同化し、一体化することができます。彼らと一緒になって“怖い”とか“苦しい”とか“嬉しい”と感じてもらえる。実際に今の移民の生活は、明日がどうなるか分からない、不安定な生活を送っています」とコメントする。ジャン=ピエール監督は今回の来日である話題が気になったそうで、「若い学生さんから聞いた話ですが、日本にコンゴから来ている移民の家族がいて、その家族の子供たちが日本で生まれているのにビザがもらえず困難な生活を強いられているということを知りました。高等教育を受けることが難しく、その支援を得ることも難しく、高校まで卒業しても大学進学はほとんど不可能だと。あってはならないことだと思いました」と関心を寄せる。そして映画のメッセージについて、「私たちはこのふたりの主人公を小さな男の子と思春期の女の子という独立した“人間”として観てもらいたいと思いました」とリュック監督は話し、「“ある移民”のひとつのケースではなく、アフリカからやってきた黒人であるふたりの人生がこの映画で描かれているのです。彼らが着ている服やアクセサリー、彼らのまなざしや、彼らが使う言葉を通して、観客たちは彼らを唯一の存在であると思えるように描いています」と語っている。『トリとロキタ』はヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほか全国にて順次公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:トリとロキタ 2023年3月31日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほか全国にて公開© LES FILMS DU FLEUVE - ARCHIPEL 35 - SAVAGE FILM - FRANCE 2 CINÉMA - VOO et Be tv – PROXIMUS - RTBF(Télévision belge)
2023年04月02日映画『旅するローマ教皇』が、2023年10月6日(金)に公開される。監督は、ドキュメンタリーの名匠ジャンフランコ・ロージ。ドキュメンタリーの名匠ジャンフランコ・ロージ監督作品ドキュメンタリー映画『旅するローマ教皇』は、『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』『海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~』『国境の夜想曲』など、国際的評価の高い傑作を生みだしてきたドキュメンタリーの名匠ジャンフランコ・ロージ監督による作品だ。『旅するローマ教皇』の制作にあたり、ベースとなったのは、ジャンフランコ・ロージがローマ教皇の旅に同行した撮りおろし映像も含め、地球一周分、約800時間にわたる膨大なアーカイブ映像。圧倒的映像美により、愛に溢れたローマ教皇の真の姿に迫るドキュメンタリーに仕上げている。ローマ教皇フランシスコとはローマ教皇フランシスコは、2013年3月に行われた教皇選出のための選挙コンクラーベにて、第266代教皇に選ばれフランシスコと名乗るように。大のサッカー好きとしても知られ、明るく飾らない人柄が魅力だ。そのため、“庶民派教皇”や“ロックスター教皇”と呼ばれることもあり、多くの人々に親しまれている。ローマ教皇と共に53か国を旅する観客は、ローマ教皇と共に旅をする。映画『旅するローマ教皇』では、2013年のイタリア・ランペドゥーサ島を訪れる姿から始まり、2022年にマルタ共和国を訪問するまでを描く。ローマ教皇は、2013年から2021年にかけて37回、実に53か国を訪問。難民問題や紛争に苦しむ中東やアフリカ、アメリカでは平和について語り、イスラム教を国教とするアラブ首長国連邦、そして被爆地である日本を訪れる姿に加え、カトリック教会で起きた性的虐待について謝罪する姿を収めている。作中には、雨の中大勢の人の前で演説をしたり、教皇専用車“パパモビル”に乗って街をパレードしたりする姿などをも登場。「旅とは知的で精神的な修行だ」と語る教皇は、世界に蔓延る様々な問題に耳を傾け、人々と出会い、語る。教皇らしい姿だけでなく、明るく飾らない人間性も垣間見ることができるだろう。【作品詳細】映画『旅するローマ教皇』公開時期:2023年10月6日(金)監督・脚本:ジャンフランコ・ロージ配給:ビターズ・エンド原題:In Viaggio
2023年03月18日韓国恋愛映画の名匠ホ・ジノと、いま「イルタ・スキャンダル~恋は特訓コースで~」も話題のチョン・ドヨンが紡ぐヒューマンドラマ、Huluプレミア「LOST 人間失格」の予告映像が初解禁。さらに、追加場面写真と貴重なオフショットが到着した。作家になる夢をあきらめてゴーストライターになったものの、いまは日雇い家政婦として働き、結局何もできないまま道を失ったブジョン(チョン・ドヨン)と、役割代行サービスをしながら金が愛だと思っている、結局何もできそうにない自分自身を恐れるガンジェ(リュ・ジュンヨル)。本作は、深い闇の中で出会った男女の心震えるヒューマンドラマ。今回初解禁となる予告映像では、映画のような映像美とともに、ブジョンの「愛するお父さんへ。どこから間違えたのでしょうか」という独白から始まり、またガンジェも同じように「会いたい父さん。この世に同じように生まれて、俺は何者にもなれない気がします」と将来への不安を吐露し、深い闇を抱える2人の様子が描かれていく。決して交わることのない世界で生きていた2人はある日、偶然にも同じバスに乗り合わせ、失意の底で人目もはばからずに涙するブジョンに、ガンジェが思わずハンカチを差し出したことで、運命的な出会いを果たす。ブジョンは、バスを降りようとするガンジェの腕を咄嗟につかみ――。お互いの存在を知り、痛みと苦悩で傷ついた心に温かな感情が少しずつ芽生えていく2人。しかし、あることがきっかけで2人の純粋な想いは引き裂かれてしまう。人生に行き詰まり、進むべき道を見失った2人の関係はどうなっていくのか、期待が高まる。さらに、深い闇の中にいる2人のワンシーンを切り取った場面写真と撮影現場でのオフショット写真も公開。オフショットではチョン・ドヨンとリュ・ジュンヨルが真剣に撮影に取り組む姿もあれば、笑顔で撮影を楽しんでいる光景も収められている。Huluプレミア「LOST 人間失格」は3月10日(金)より独占配信。(text:cinemacafe.net)
2023年02月27日現代映画界&演劇界が誇る名匠サム・メンデス監督が、アカデミー賞常連サーチライト・ピクチャーズとタッグを組んだ最新作『エンパイア・オブ・ライト』。この度、監督が自身初の単独脚本に込めた思いについて語り、オリヴィア・コールマン、コリン・ファースらが70年代~80年代のリアルな情景や映画館への愛がたっぷり詰まった本作の魅力を熱弁する特別映像が、シネマカフェに到着した。1980年代初頭のイギリスの静かな海辺の町、マーゲイトにある映画館を舞台に、生きていくことの複雑さや美しさを名匠サム・メンデスが温かく、繊細に描く本作。この度解禁されたのは、メンデス監督とキャスト&スタッフ陣が本作の魅力や撮影について明かす特別映像。1970年代の終わりから1980年代の初めにかけ、その時代の音楽や映画、ポップカルチャーによって人格が形成されたというメンデス監督は、「あの時代の音楽や映画、あの時代の全てを呼び起こしたかった。この映画には私の個人的な思い出がちりばめられている」と、脚本に当時10代のメンデス監督自身が感じた情景や思いを込められていることを明かす。脚本を読む前に即座に出演オファーを快諾したという主人公ヒラリー役のオリヴィア・コールマンは「ファッションも髪型も特徴的」と言い、共演のコリン・ファースは「嘘偽りのない現実を描いている」、ターニャ・ムーディは「脚本を読んだら当時にタイムスリップした」とキャスト陣も当時のイギリスをリアルなタッチで描いた脚本の魅力を口にする。メイキング映像では、穏やかな笑顔を見せ、時に真剣な眼差しでキャストと語り合っているメンデス監督の姿も映し出され、コールマンの「どう言えば俳優に伝わるか監督は理解していたし、演技を見て心から悲しみ笑っていた」というコメントをはじめ、キャスト陣らがメンデス監督へ厚い信頼を寄せていたことも窺える。彼の脚本のなかでも特に重要な要素となるのが、心に問題を抱えるヒラリーはメンデス監督の母親がモデルであるということ。メンデス監督は「母の心が壊れつつあったことは、私の人格形成に大きく作用したと思う。その記憶の多くをヒラリーに投影した」と語り、『1917命をかけた伝令』『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』でもメンデス監督とタッグを組んできた製作のピッパ・ハリスが「心が空っぽになった女性が映画の中に家族を見いだす。その過程を温かく描いている」という言葉からはメンデス監督から母への温かな思いも感じられる。複雑な過去と苦悩を抱えるヒラリーを見守る映画館スタッフの仲間たち、そして心を通わせるスティーヴン。社会からはじかれ、どこにも適応できないながらも身を寄せ合って家族のように生きている彼らの姿は、映画館を「ここは私の“家”だ」と表現するメンデス監督の言葉にも重なる。続いてメンデス監督は「人と人との愛だけでなく映画館という小さな世界への愛を描いている。映画そのものの美しさを描いているんだ」と本作へ映画館への愛とリスペクトを込めていることを明かし、また最後はファースの「大切なのは観客が一緒になって泣いたり笑ったりすることだ。集まることをやめると人は共通性やつながりを失ってしまう。映画館に足を運んでほしい」と、いまもなお続くコロナ禍をきっかけに映画館から離れた人々へのメッセージも収められている。そんな監督の個人的な思い、映画や映画館への愛が詰まった本作は、本年度アカデミー賞にノミネートされた撮影監督ロジャー・ディーキンスの美しい映像美によって紡がれている。『エンパイア・オブ・ライト』は2月23日(木・祝)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:エンパイア・オブ・ライト 2023年2月23日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
2023年02月18日2021年カンヌ国際映画祭「ある視点部門」に正式出品された新鋭C.B.Yi監督の長編デビュー作が邦題『マネーボーイズ』として4月14日(金)より公開。ポスタービジュアル、場面写真、予告編映像が解禁となった。フェイは恋人のシャオレイと同棲しながら、体を売って田舎の両親に仕送りを続けている。田舎の家族はフェイからのお金を当てにしながらも、彼が同性愛者であることは受け入れない。ある日、フェイが顧客から暴行を受けたことを知ったシャオレイは、その男を見つけ叩きのめした。しかし、その男の部下たちが報復のためシャオレイに襲い掛かり、一緒にいたフェイは警察から逃れるためシャオレイを見捨て逃げ出してしまう。それから5年後、フェイはセックスワーカーとして違う都市で羽振り良く暮らしていた。そこへ同郷の幼なじみロンが自分も体を売って稼ぎたいとフェイの元に転がりこんでくる。そんなある日フェイはシャオレイと偶然にも再会するが…。中国で幼少期を過ごし、オーストリアに移住後ウィーン・フィムル・アカデミーにて巨匠ミヒャエル・ハネケに師事したC.B.Yi監督(シー・ビー・イー)の長編デビュー作である本作は2021年カンヌ映画祭「ある視点部門」で上映され、台湾の金馬奨にて最優秀新人監督賞、最優秀主演男優賞にもノミネートされた。中国の田舎出身の若者を描きながらも、その若者たちを待ち受ける経済的・社会的な葛藤、そして彼らの存在を否定する保守的な共同体の二面性という、世界中のどこでも起こりうる普遍的な人間関係を映像美で描きだしている。フェイを演じたのは、日本でも話題となった『あの頃、君を追いかけた』(11)のクー・チェンドン、シャオレイ役にはドラマ「お仕事です!~The Arc of Life~」(21)のリン・ジェーシー、そして『三人の夫』(18)のクロエ・マーヤンが1人3役を務める。『マネーボーイズ』は4月14日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マネーボーイズ 2023年4月14日よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて公開© KGP Filmproduktion, Zorba, ARTE France Cinéma,Flash Forward Entertainment, La Compagnier Cinematographique&Panache Productions 2021
2023年02月09日『1917 命をかけた伝令』『007/スカイフォール』などのサム・メンデス監督が初の単独脚本作品に挑んだ『エンパイア・オブ・ライト』。その名匠が演技力に惚れ込み主人公を当て書きしたのが、アカデミー賞女優オリヴィア・コールマンだ。過去に辛い経験をした主人公のヒラリーを演じるのは、サーチライト作品『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞主演女優賞を受賞し、以降も『ファーザー』『ロスト・ドーター』で連続ノミネート、さらには本作でも第80回ゴールデン・グローブ賞で主演女優賞(ドラマ部門)にノミネートを果たすなど名実ともにイギリスを代表する俳優オリヴィア・コールマン。数多くの大作や話題作を描いてきたメンデス監督が「最も個人的な思いのこもった作品」とまで語るほど想い入れの強い本作で、コールマンが演じるヒラリーは監督自身による当て書きだったという。そのきっかけについて、メンデス監督は「(エリザベス2世を演じた)『ザ・クラウン』のオリヴィアの芝居が素晴らしかったから、『そうだ、ヒラリー役は彼女で決まりだ』と閃いた。オリヴィアを特に知っているわけではなかったが、彼女を念頭に書き始めた」と、特に面識もない段階から彼女の演技に心底惚れ込んだことを明かす。一方、メンデス監督からのオファーに相当驚いたというコールマン。「私はドンマー(ロンドンにある劇場)に通う演劇学生だった頃から、サムの『アメリカン・ビューティ』はもちろんよく知っていました。でも、私のエージェントからサム・メンデスがZoom面接を望んでいると聞かされた時、それがあのサム・メンデスということを全く分かっていませんでした。あのサムと分かると、返事は“もちろん!!!!”でした」と話し、学生時代から好きだった憧れの監督の現場参加に喜びを溢れさせた。過去の経験によって自分に自信が持てず、人との関係性の構築に悩み、どこか人生を諦めたかのような雰囲気を漂わせる難しい役どころを細部まで見事に体現したコールマンに、メンデス監督は「オリヴィアは応用がよく効き、柔軟だが、神秘的な面もある。そこが、演技のうまさもさることながら、彼女の素晴らしいところだ」と絶賛。コールマンが演じたヒラリーが生きた激動の時代に人と人との繋がりの尊さ、素晴らしさ、そして脆さについて丁寧に描いたメンデス渾身の最新作は、第76回英国アカデミー賞では英国作品賞、助演男優賞(マイケル・ウォード)、撮影賞(ロジャー・ディーキンス)の主要3部門にてノミネートされ、第95回アカデミー賞撮影賞にもノミネート。さらに海外のメディアからも「胸が張り裂けるほど、愛おしい映画。メンデス監督の最高傑作」(VANITY FAIR)、「オリヴィア・コールマンの忘れがたい、キャリア最高の演技」(/FILM)、「大スターの風格、コールマンの驚くべき偉業。」(DEADLINE)などの称賛が寄せられている。『エンパイア・オブ・ライト』は2月23日(木・祝)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:エンパイア・オブ・ライト 2023年2月23日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
2023年01月28日名匠フランソワ・オゾン監督が安楽死を巡る父娘の葛藤を描いた新作映画『すべてうまくいきますように』。この度、カンヌで行われた主演のソフィー・マルソーのインタビュー映像が解禁となった。オゾン監督とマルソーの初タッグ作品として、カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品された本作。今回は解禁となったインタビュー映像では、カンヌの潮風のなか、日焼け姿のマルソーが取材に応じ、自身の役柄や作品のテーマ、オゾン監督との仕事、そしてフランスにおける安楽死の状況にまで話が及んだ。マルソーは本作について聞かれると、「死と愛と人生について語るシンプルな映画」と答え、「笑えて、泣けて、まさに人生ね」と笑顔で解説。また、オゾン監督との関わりについては「彼の監督デビュー作を見た時が始まり。第1作から傑作だった。それ以来、欠かさず見ている」と監督の長年のファンであったことを明かしている。最後に話題は安楽死の話に。マルソーは「フランスで安楽死は非合法だから、自殺をほう助することは禁じられている」と述べつつ、「これを見れば、どう死にたいかを考えるきっかけになるでしょう。普段、話題にしないからこそ意味がある」と、その先の希望を見据えて語った。また、映像の最後にはインタビューのNG集を特別に収録。インタビュー中に雨風が強くなったり、楽器の音が聞こえてきたり、突然のハプニングを楽しむマルソーのお茶目な姿が映し出された貴重な映像となっている。『すべてうまくいきますように』は2月3日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:すべてうまくいきますように 2023年2月3日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開© 2020 MANDARIN PRODUCTION – FOZ – France 2 CINEMA – PLAYTIME PRODUCTION – SCOPE PICTURES
2023年01月22日日本から池松壮亮が参加した最新作『柳川』が公開される名匠チャン・リュル監督の日本未公開作『フィルム時代の愛』が、映画配信サービス「JAIHO(ジャイホー)」にて配信開始。『別れる決心』パク・ヘイル、『三姉妹』ムン・ソリらが登場する予告編、場面写真、本国版ビジュアルが解禁された。『キムチを売る女』(05)、『慶州ヒョンとユニ』(14)、『春の夢』(16)、そして最新作『柳川』(21)など、中国朝鮮族3世として韓国、中国、日本で活動する監督チャン・リュルが2015年に発表した、フィルム撮影による映画製作と愛をテーマにした実験的作品『フィルム時代の愛』。精神病院を舞台にした映画の撮影現場から始まり、4章構成となっている本作はパク・ヘイル、アン・ソンギ、ムン・ソリ、ハン・イェリといった韓国映画界を代表するスター俳優たちが豪華共演を果たしている。劇中には、彼らの代表作である『殺人の追憶』(パク・ヘイル)や『光州5・18』(アン・ソンギ)、『ペパーミント・キャンディー』(ムン・ソリ)、『帰郷』(ハン・イェリ)が無声映画として登場する、韓国映画ファンにはたまらない演出も。この度解禁された予告編は、精神病院を舞台にした映画の撮影中にパク・ヘイル演じる照明スタッフが「映画の何もわかってない」と監督に怒りをぶつけるシーンを皮切りに、空気が凍りついた現場の中、飛び出した照明スタッフにただ1人拍手を送る女優(ムン・ソリ)や、アン・ソンギとハン・イェリが共演する美しいモノクロ映像などが映し出されていく。最後には、“愛と映画の新しい形”という本作のテーマとともにパク・ヘイルの「愛を信じますか?」という問いかけで映像は締め括られ、モノクロとカラーが混在する演出と温かみのある音楽が監督独特の世界観をより引き立たせる仕上がりとなっている。第8回ソウル国際シニア映画祭のオープニング作品としてプレミア上映、フェロー諸島映画祭2015でゴールデン・ムーン賞(最優秀監督賞)を受賞するなど世界からも高い評価を得た本作。チャン・リュル監督を代表する1作として日本独占初公開となる。『フィルム時代の愛』は映画配信サービス「JAIHO」にて配信中(※60日間配信)(text:cinemacafe.net)
2022年12月25日イギリスの名匠ケン・ローチ監督の映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』と『家族を想うとき』が、新宿武蔵野館、kino cinema横浜みなとみらいにて10月14日(金)より2週間限定で上映されることが決定した。『夜空に星のあるように』で長編映画監督デビュー、2作目『ケス』ではカルロヴィヴァリ映画祭グランプリを受賞。『麦の穂をゆらす風』『わたしは、ダニエル・ブレイク』でパルムドールを2度受賞しているローチ監督。労働者や社会的弱者に寄り添った人間ドラマを描いてきたローチ監督の作品は、世界中の観客の心に寄り添い続けてきた。今回急遽、決定したリバイバル上映では、複雑な社会制度に翻弄され、貧困に苦しみながらも助け合い生きていこうとするダニエルとケイティ親子との心の交流を描いた『わたしは、ダニエル・ブレイク』。新自由主義が生み出した現代社会の歪みとその渦中で翻弄される家族の姿を映し出した『家族を想うとき』の2作品がラインアップ。新型コロナウイルスの拡大を経て、格差が広がり貧困問題が深刻化するこの時代に、1人でも多くの人へローチ監督の作品を届けたいという思いから、今回の上映が実現したという。『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』は10月14日(金)より新宿武蔵野館、kino cinema横浜みなとみらいにて2週間限定上映。(cinemacafe.net)■関連作品:わたしは、ダニエル・ブレイク 2022年10月14日より新宿武蔵野館、kino cinema横浜みなとみらいにて公開© Sixteen Tyne Limited, Why Not Productions, Wild Bunch, Les Films du Fleuve , British Broadcasting Corporation, France 2家族を想うとき 2022年10月14日より新宿武蔵野館、kino cinema横浜みなとみらいにて公開©Sixteen SWMY Limited, Why Not Productions, Les Films du Fleuve, British BroadcastingCorporation, France 2 Cinéma and The British Film Institute 2019
2022年09月26日名匠サム・メンデス監督による映画『エンパイア・オブ・ライト(原題)』が2023年2月に日本公開されることが決定した。併せて予告映像も解禁となっている。本作は現代映画界&演劇界が誇るメンデス監督が満を持して、5度アカデミー賞作品賞を世に送り出したサーチライト・ピクチャーズとタッグを組んで制作した珠玉のヒューマン・ラブストーリー。監督自身が「最も個人的な想いのこもった作品」と呼ぶ、初の単独脚本作品だ。舞台は1980年のイギリス南岸の静かなリゾート地。物語はそこに生きる人々の絆と“映画と映画館という魔法”を力強く、感動的に描く。主人公ヒラリーを演じるのは、サーチライト作品『女王陛下のお気に入り』(2018年)で見事アカデミー賞主演女優賞を受賞。以降も『ファーザー』(2020年)、『ロスト・ドーター』(2021年)で2年連続アカデミー賞にノミネートされている大女優オリヴィア・コールマン。共演は『ブルー・ストーリー』(2019年)で注目され、ジェームズ・マカヴォイ、トム・ハーディ、トム・ホランドら、のちの大スターが飛躍するきっかけとなった登竜門である、英国アカデミー賞ライジング・スター賞を受賞した新鋭マイケル・ウォード。さらに『英国王のスピーチ』(2010年)でアカデミー賞主演男優賞を受賞したコリン・ファースほか、イギリスを代表する名優たちが脇を固める。メンデス監督のビジョンを具現化する撮影監督は、監督3作目の『ジャーヘッド』(2005年)以来の盟友であり、15度ものアカデミー賞ノミネート、『ブレードランナー 2049』(2017年)、『1917 命をかけた伝令』(2019年)で2度のオスカーに輝いた、“生ける伝説”ロジャー・ディーキンス。賞レースでの活躍にも期待のかかる本作は、既に9月8日から開催のトロント国際映画祭でのスペシャル・プレゼンテーションに続き、10月12日に母国イギリスでのロンドン映画祭特別上映も決定している。『エンパイア・オブ・ライト(原題)』2023年2月日本公開
2022年08月26日映画『靴ひものロンド』が、2022年9月9日(金)より全国順次ロードショー。イタリアの名匠ダニエーレ・ルケッティ監督最新作映画『靴ひものロンド』は、「ニューヨーク・タイムズ」で2017年〈注目の本〉に選出され、全米で称賛を得た原作小説を、『ワン・モア・ライフ!』『ローマ法王になる日まで』などで知られるイタリアの名匠ダニエーレ・ルケッティが実写映画化したもの。1980年代初頭のナポリを舞台に、歪な絆で結ばれた、愚かで愛しい“家族の物語”を描く。愚かで愛しい家族の物語4人家族の平穏な暮らしは、夫の浮気で終わりを告げた。家を出たい夫、繋ぎ止めようとする妻、静かに見つめる子供たち。そして、ばらばらになった家族は、ささやかなきっかけで再び一緒に暮らし始める。一度壊れた「家族」は、「絆」を再び繋ぐことができるのか?それぞれが心の底に沈めた秘密と嘘とは?人との繋がりにフォーカスし、作品を撮り続けてきたダニエーレ・ルケッティ監督が、軽やかでありながら強烈な余韻を残す、新しい“家族映画”をつくりあげた。<映画『靴ひものロンド』あらすじ>1980年初頭のナポリ。ラジオ朗読のホストを務めるアルドと妻ヴァンダ、アンナとサンドロの二人の子供たちの平穏な暮らしは、夫の浮気で終わりを告げた。家族の元を去ったアルドは、定期的に子供たちに会いに来るがヴァンダはすべてが気にいらない。次第にヴァンダの精神状態は不安定になり、その行動もエスカレートしていく。衝突ばかりの両親の狭間でアンナとサンドロは母に寄り添うのだった。混沌とした数年を経て、家族は些細なきっかけでふたたび共に暮らし始めるが...。月日は流れ、冷え切った関係のまま老齢を迎えた夫婦は夏のバカンスへ。1週間後に自宅へ戻ると家はひどく荒らされ、飼い猫は失踪していた―イタリアの名優が集結<若かりし日の夫婦>・妻ヴァンダ役...アルバ・ロルヴァケル夫の浮気がきっかけで崩壊する家族をつなぎとめようとするも、精神状態が不安定になり、行動がエスカレートしていく。『幸福なラザロ』『おとなの事情』のアルバ・ロルヴァケルが担当。・夫アルド役...ルイジ・ロ・カーショラジオ朗読のホスト。浮気をし、家族の元を去る。「いつだってやめられる」シリーズ、『夜よ、こんにちは』などで知られ、巨匠マルコ・ベロッキオから気鋭の若手監督まで虜にするルイジ・ロ・カーショが演じる。<老年期の夫婦>・妻ヴァンダ役...ラウラ・モランテ(『息子の部屋』)・夫アルド役...シルヴィオ・オルランド(『息子の部屋』『ボローニャの夕暮れ』)衣装デザインにも注目1980年代のリアルクローズを再現しながら、さり気なく目を引く衣装にも注目。衣装デザインを担当したのは、『五日物語』『ドッグマン』『ほんとうのピノッキオ』でマッテオ・ガローネ監督と幾度となくタッグを組み、多くのイタリア映画の衣装を手掛けているマッシモ・カンティーニ・パリーニだ。ジョー・ライト監督作『シラノ』ではアカデミー賞〈衣装デザイン賞〉にノミネートされ、アダム・ドライバーを主演に迎えたマイケル・マン監督によるエンツォ・フェラーリの伝記映画『Ferrari(原題)』にも抜擢されるなど、活躍の場を広げている。77回ヴェネチア国際映画祭の〈オープニング作品〉なお、映画『靴ひものロンド』は、77回ヴェネチア国際映画祭の〈オープニング作品〉に選出。ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では、3部門にノミネートされている。【詳細】映画『靴ひものロンド』公開日:2022年9月9日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー監督・脚本・編集:ダニエーレ・ルケッティ原作:ドメニコ・スタルノーネ「靴ひも」(関口英子訳、新潮クレスト・ブックス刊)脚本:ドメニコ・スタルノーネ、フランチェスコ・ピッコロ出演:アルバ・ロルヴァケル、ルイジ・ロ・カーショ、ラウラ・モランテ、シルヴィオ・オルランド2020年/イタリア/イタリア語/100分/カラー/シネマスコープ/原題Lacci 英題The Ties/字幕:関口英子/配給:樂舎/後援:イタリア大使館/特別協力:イタリア文化会館
2022年06月23日第77回ヴェネチア国際映画祭オープニングを飾り、イタリア映画アカデミーによるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞に3部門ノミネートされた名匠ダニエーレ・ルケッティ監督最新作が、邦題『靴ひものロンド』(原題:Lacci)として公開決定。靴ひもを結び直す親子が印象的なポスタービジュアルが解禁された。舞台は、1980年代初頭のナポリ。4人家族の平穏な暮らしは、夫の浮気で終わりを告げた。夫婦の絆を解こうとする父親と繋ぎ止めようとする母親。対立する夫婦の激しい口論や突然現れた魅力的な愛人、徐々に壊れていく母の姿を静かに見つめながら、ローマとナポリを行き来する子どもたち。いびつな数年間を経て、ばらばらになった家族は、ささやかなきっかけで再び一緒に暮らし始める。月日は流れ、夫婦は夏のバカンスへ。戻ってみると家はひどく荒らされ、飼い猫は失踪していた――。本作は、「ニューヨーク・タイムズ」2017年「注目の本」に選出、全米で絶賛された原作小説をダニエーレ・ルケッティが映画化。妻ヴァンダ役は『幸福なラザロ』『おとなの事情』など唯一無二の存在感を放つアルバ・ロルヴァケル、夫アルド役は『いつだってやめられる』シリーズや巨匠マルコ・ベロッキオ作品で知られるルイジ・ロ・カーショが若かりし日の夫婦を、そして『息子の部屋』などの熟練の名優ラウラ・モランテ、『息子の部屋』『ボローニャの夕暮れ』のシルヴィオ・オルランドが老年期の夫婦を演じ、イタリア映画界の実力派オールスターキャストが集結した。解禁となったポスタービジュアルには、印象的に配された靴ひもを結び直す親子の足元。“靴ひも”状にあしらわれた原題“Lacci”の文字が夫、妻、2人の子どもたちの4人の間をすり抜ける。家族は揃って歩いているはずなのに、その視線は誰ひとり交わることなくばらばら。明るくポップながら、どことなく不穏さも漂うビジュアルとなっている。一度壊れた「家族」。愛をめくると見えてくる、心の底に沈めた秘密と嘘。かつてない衝動。軽やかで強烈な余韻にひたる“家族映画”の新たな傑作が誕生した。『靴ひものロンド』は9月9日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:靴ひものロンド 2022年9月9日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開©Photo Glanini Fiorito/Design Benjamin Seznec/TROIKA
2022年05月26日韓国映画の名匠ホン・サンス監督による映画『イントロダクション』が、2022年6月24日(金)にヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほかで全国順次公開。『あなたの顔の前に』と同時公開となる。ホン・サンス監督による長編第25作目映画『イントロダクション』は、韓国の映像業界の中で独自のスタイルを確立し揺るぎない国際的評価を築き上げてきたホン・サンスによる長編第25作目の作品。未熟な青年の人生を紡ぐ3つの再会と抱擁モラトリアムな時期をさまよう青年ヨンホを主人公に、思い通りにいかない人生の中でもがく、未熟な若さゆえの痛みや愛おしさを、3つの“再会”と“抱擁”の物語を通して描く。“イントロダクション”というタイトルには、紹介、入門、導入、序文といった、その全ての意味が込められているという。ホン・サンスの前作『逃げた女』の変奏ヴァージョンとも楽しめるモノクロームの青春映画となっており、観る者の想像を豊かに押し広げる語りを通して、主人公ヨンホの人生を史上豊かに紡いでいく。2021年の第71回ベルリン国際映画祭に出品され、前年に続き銀熊賞(脚本賞)に輝いた作品だ。<映画『イントロダクション』あらすじ>将来の進路も定まらず、まだ何者にもなれないナイーブな青年ヨンホ。韓国とベルリンを舞台に、折り合いの悪い父、夢を追って海外に旅立ってしまった恋人ジュウォン、息子の進路が気がかりな母との再会と三つの“抱擁”を通して、一人の若者の人生が紐解かれていく。誰もが経験する青年期の迷いや喪失、孤独を抱え、恋に夢に破れながらも、やがて心安らぐ温もりに満ちた瞬間が訪れる…。主人公ヨンホはシン・ソクホ主人公ヨンホを演じるのは、『逃げた女』で奇妙なインパクトを放っていたシン・ソクホ。『イントロダクション』では、繊細な演技で初主演を飾っている。その他、『お嬢さん』『逃げた女』のキム・ミニをはじめ、ソ・ヨンファ、キ・ジュボン、チョ・ユニといった、ホン・サンスによる監督作品ではおなじみのキャストが勢揃いしている。【詳細】映画『イントロダクション』公開日:2022年6月24日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開監督:ホン・サンス脚本:ホン・サンス撮影・編集・音楽:ホン・サンス出演:シン・ソクホ、パク・ミソ、キム・ヨンホ、イェ・ジウォン、ソ・ヨンファ、キム・ミニ、チョ・ユニ、ハ・ソングク配給:ミモザフィルムズ字幕:根本理恵2020年/韓国/韓国語/66分/モノクロ/1.78:1/モノラル
2022年04月11日2022年ベルリン国際映画祭で3年連続の銀熊賞受賞を果たした韓国の名匠ホン・サンス監督の日本公開最新作となる長編25作目『イントロダクション』(英題:Introduction)と長編26作目『あなたの顔の前に』(英題:In Front of Your Face)が、2本同時に6月24日(金)より日本公開されることが決定した。ベルリン国際映画祭銀熊賞(脚本賞)受賞!長編25作目2021年・第71回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(脚本賞)を受賞した長編25作目『イントロダクション』は、モラトリアムな時期をさまよう青年を主人公に、前作『逃げた女』の変奏ヴァージョンとしても楽しめるモノクロームの青春映画。2022年にホン・サンス監督の最新作となる長編27作目『The Novelist’s Film』(英題)も、ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員大賞)を受賞し3年連続銀熊賞受賞の快挙を果たし、さらなる注目が高まっている。将来の進路も定まらず、まだ何者にもなれないナイーブな青年ヨンホ。韓国とベルリンを舞台に父、恋人、母との再会と三つの“抱擁”の物語を通して、1人の若者の人生が紐解かれていく。主人公ヨンホに、『逃げた女』の“猫の男”役で奇妙なインパクトを放ち、本作の繊細な演技で初主演を飾ったシン・ソクホ。そのほか、キム・ミニをはじめ、ソ・ヨンファ、キ・ジュボン、チョ・ユニほかホン監督作品の常連キャストが顔を揃えた。この度、解禁された日本版ポスタービジュアルでは、主人公ヨンホが一人海から上がってくる姿に「Introduction【名詞】紹介。序文。入門。導入。」のキャッチコピーが添えられる。「イントロダクション(Introduction)」という言葉が持つ多様な意味を全て内包するために、あえて英語を採用したとホン監督が語るタイトルは、監督のフィルモグラフィーにおける初の英語タイトルだ。キム・ミニがプロダクション・マネージャー、イ・ヘヨンが主演2021年第74回カンヌ国際映画祭プレミア部門オフィシャルセレクションに招待された長編26作目『あなたの顔の前に』は、中年女性サンオクを主人公に一人の女性の心の深淵に迫るストーリー。日本でも、第17回大阪アジアン映画祭の特別招待作品として初上映された本作は、ホン監督の公私にわたるパートナーのキム・ミニがプロダクション・マネージャーを務めたことでも話題を集めた。本作でホン監督作品に初登場にして主演を飾ったのは、韓国歴代の名監督とタッグを組み、40年のキャリアを誇るイ・ヘヨン。観る者の心を揺さぶる圧巻のパフォーマンスでミステリアスかつ複雑な主人公を体現し、2022年国際シネフィル協会賞主演女優賞を受賞。最新作『The Novelist’s Film』でも主演を務めている。長いアメリカ暮らしから突然、韓国へ帰国した元女優のサンオク。母親の死後以来、久しぶりに家族と再会を果たすが、帰国の理由を明らかにしない彼女の内面には深い葛藤が渦巻いていた…。サンオクはなぜ自分が捨てたはずの母国に戻り、思い出の地を訪ね歩くのか?捨て去った過去や後悔と向き合いながら、かけがえのない心のよりどころを見出していく、たった一日の出来事が描かれていく。劇中の“告白”によって明かされるタイトルの意味に心揺さぶられながら、複雑で豊かな感情揺らめくサンオクの心の旅に、ホン・サンス監督の新境地がうかがえる珠玉のドラマが誕生した。同時解禁された『あなたの顔の前に』日本版ポスタービジュアルでは、静かに前を見据える主人公サンオクの“顔”と眠る妹を見つめる彼女の姿、そしてキャッチコピー「天国が隠された場所」が、サンオクの心の深淵を覗かせる印象的なビジュアルとなっている。『イントロダクション』『あなたの顔の前に』は6月24日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか2本同時全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:イントロダクション 2022年6月24日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開© 2020. Jeonwonsa Film Co. All Rights Reservedあなたの顔の前に 2022年6月24日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開© 2021 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved
2022年04月04日ベルリン国際映画祭の金熊賞(『マグノリア』)、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンの世界三大映画祭全てで監督賞を受賞した名匠ポール・トーマス・アンダーソンの最新作が『リコリス・ピザ』の邦題で2022年に日本公開されることが決定した。本作は、1970年代のアメリカ、サンフェルナンド・バレーを舞台に、アラナ(アラナ・ハイム)とゲイリー(クーパー・ホフマン)の恋模様を描くヒューマンコメディ。主演は三人姉妹バンド「HAIM」のメンバーであるアラナ・ハイムとポール・トーマス・アンダーソン監督の盟友フィリップ・シーモア・ホフマンの息子であるクーパー・ホフマン。ともに本作で鮮烈な映画デビューを飾っている。公開前から期待と前評判の高かった本作だが、11月26日の全米公開から年末にかけて全米の映画賞を席巻、オスカー最有力との呼び声も高い。ゴールデングローブ作品賞、脚本賞、主演女優賞、主演男優賞ノミネート(ミュージカル・コメディ部門)のほか、ナショナル・ボード・オブ・レビュー作品賞、監督賞、ブレイクスルー賞(アラナ・ハイム&クーパー・オフマン)など、注目の映画賞で高い評価を得ている。映画ファンが待ち望んだ天才監督の最新作。続報を待ちたい。『リコリス・ピザ』は2022年、日本公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:リコリス・ピザ 2022年、全国にて公開© 2021 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.
2022年01月06日イギリス映画界の名匠ケン・ローチ監督の長編デビュー作『夜空に星のあるように』(原題:Poor Cow)が、12月17日(金)よりリバイバル上映されることが決定した。『レディバード・レディバード』『大地と自由』などを手掛け、『麦の穂をゆらす風』『わたしは、ダニエル・ブレイク』の2作品は、カンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞したローチ監督。格差社会、貧困、人種差別といった社会問題を多く取り上げ、労働者階級や第3世界からの移民たちに寄り添った映画を撮り続けている。1967年の日本公開から53年の時を経て劇場公開される本作。ロンドンの労働者階級に生まれたジョイは、泥棒稼業で生計を立てているトムと結婚し妊娠するが、トムが逮捕されてしまう。ジョイは叔母の家に厄介になるが、夫の仲間だったデイヴが現れ、彼に惹かれ一緒に幸せな日々を送るも、彼もまた逮捕されてしまう――というあらすじ。本作では、すでにその一貫した視点やプロ、アマ問わないキャスティング、ロケ撮影中心、大胆なシーンの省略、即興性等、監督のその後の映画に見られる特長が、顕著に表れている。主演は、本作でカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭主演女優賞を受賞したキャロル・ホワイトと、『コレクター』『プリシラ』に出演するテレンス・スタンプが務めた。イギリス・フォーク・ロック界の巨人ドノヴァンによる、ロンドンの労働者階級の生活を美しく彩る音楽も必聴だ。上映決定と併せて公開された特報映像では、テレンス演じるデイヴが、ジョイと幼い子に、ドノヴァンの「Colours」を歌うシーンが登場している。『夜空に星のあるように』特報映像『夜空に星のあるように』は12月17日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次上映。(cinemacafe.net)
2021年10月15日ティム・ロスとクライヴ・オーウェンが共演、音楽映画の名匠フランソワ・ジラール監督が贈る
2021年10月13日アカデミー賞作品賞を受賞した『グラディエーター』などの名匠リドリー・スコット監督が、アカデミー賞脚本賞を受賞した『グッド・ウィル・ハンティング/旅⽴ち』のマット・デイモンとベン・アフレックが⿊澤明監督の『羅⽣⾨』から影響を受け、24年ぶりにタッグを組んで参加した脚本を映画化。マット・デイモン、アダム・ドライバー、ベン・アフレック、そして 2019年にエミー賞主演⼥優賞を受賞した注⽬の演技派⼥優ジョディ・カマーという豪華キャストを迎え、歴史を変えた世紀のスキャンダルを描く実話ミステリー『最後の決闘裁判』が⽇⽶同⽇の10⽉15⽇(⾦)に公開となる。決闘裁判とは、その名の通り、⼀向に解決を⾒ない争いの決着を、命を賭けた決闘で決定するというもの。真実を知っているのは神だけであり、その神が“正しい者”を勝利へと導くと信じられ、中世ヨーロッパで正式な法⼿続きとして広く認められていた。本作では、14世紀フランスで実際に⾏われた“最後の決闘裁判”をモデルに、スコット監督が豪華キャストと共に作り上げた歴史⼤作として注⽬を集めている。リドリー・スコットといえば、デビュー作でまさに「決闘(duel)」を題材とした『デュエリスト/決闘者』でカンヌ国際映画祭新⼈監督賞を受賞。1979 年に⼿がけた『エイリアン』が世界的⼤ヒットとなり、その名を知らしめ、『ブレード・ランナー』(82)、『テルマ・ルイーズ』(91)、『グラディエーター』(00)、『ハンニバル』(01)、『アメリカン・ギャングスター』(07)、『プロメテウス』(14)と、SFからクライム・サスペンス、歴史劇まで幅広いジャンルでのヒット作を⽣み出し続け、さらに、来年公開予定の『ハウス・オブ・グッチ』、ジョディ・カマーを再登⽤し、ホアキン・フェニックス共演のナポレオン1世を描いた『Kitbag(原題)』、そしてその後には『グラディエーター』の続編着⼿も囁かれている。御年83歳にしてなおエネルギッシュに⻤気迫る圧巻の映像を作り上げるビジュアリストとして名⾼い。本⼈の、ウェストハートルプール美術⼤学、ロンドン王⽴美術⼤学でグラフィックデザインなどを学んだ後、BBCに⼊社し、退社後は、CM 制作会社 RSA を設⽴してCM監督として活躍、という経歴からすれば、様々なジャンルの映画に挑戦し、撮影・⾳楽・⾐装など芸術⾯や、美術・セットの細部にこだわり、リアリティのある映像美を追求するのも納得。その⼿腕は、複数のカメラを⽤い、360度全⽅向による撮影⽅法で知られている。アカデミー賞(R)作品賞受賞監督でもあるベン・アフレックは「リドリーのとても特徴的な撮影⽅法を間近で⾒られるのは、とても興奮することだった。各カメラがそれぞれの⽅向を向いていることによって信じられないほどのエネルギーが⽣じる。演じている者たちは、⾃分がいつカメラに捉えられているか分からない。それが素晴らしい切迫感と即時性を作り出すんだ」と、その⼿法を絶賛。「リドリーは、光のことを実によく理解していて、どうやったら撮影ショットを⾮常にハイレベルに進化したフレームに出来るかを熟知している」と語るのはマット・デイモン。続けて、「リドリーは、トレイラー上にカメラを設置していく時に、まずフロアのほうに⾃分で歩いて⾏って、そのシーンを⾃分でリハーサルしてからカメラを4台設置して、それに対してダリウス(『プロメテウス』(14)で⼀緒に仕事をして来た経験がある、著名な撮影監督ダリウス・ウォルスキー)が照明を提供する。それから(リドリーは)トラックの中に戻って、⾃分でカメラを操作したら何が映るかを確認する。これは、彼が最初にこの仕事を始めた時にやっていた⽅法の、より⼿の込んだバージョンといえる。こうすれば、ショットがどう仕上がるか、どうやったら欲しいショットにたどり着けるか、⽅法が分かる。4台のカメラにそれぞれ着いた操作のプロが、無線機で監督からの指⽰を受けてショットの調整をしていくわけです。」と、この独特な撮影⽅法がダイナミクスを⽣んでいると説明した。いくつかのシーンでは、撮影カメラ6台が同時に回って撮影されていることもあり、さらには撮影の最中に編集を⾏う数少ない監督のひとりでもあるという。また、本作で監督を⽀えるのは、前述の撮影監督のダリウス・ウォルスキー(『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ、『プロメテウス』『オデッセイ』)ほか、プロダクション・デザイナーのアーサー・マックス(『グラディエーター』を⽪切りにスコットと組んだ13作⽬の映画、『オデッセイ』でアカデミー賞(R)ノミネート)、編集のクレア・シンプソン(『プラトーン』でアカデミー賞(R)受賞)、⾐装デザイナーのジャンティ・イェーツ(『グラディエーター』でアカデミー賞(R)受賞)、作曲家のハリー・グレッグソン=ウィリアムズ(『プロメテウス』、『オデッセイ』)などの天才的な才能であり、その集結により、荘厳な中世的世界観をスクリーンに再現させるのに成功したといえる。とはいえ、監督が重視しているのは、「私はこれまでにやっていない素材を⾒つけるのが好きで、新鮮でそれまでとは違うものをいつも探している。ミュージカルはやったことがないし、ウエスタンもやったことがない。だからそういうものを⾒つけようとしている。だが、この作品に関して⾔うと、この時代はとても親しみが持てて、⼗字軍の物語なんかも同じような時代のものだよね、そういったものは分かりやすいし、与しやすい。だが、最も⼤事なのは、コンセプトであり⽂脈なんだ。この作品についていえば、三つの違う視点があるという点がとても興味深くてね、それがどの時代か、どの世紀かなんてことは関係がない。私にとってはそれが⼀番⼤事なことだったんだ。⽂脈がね」と主張。視覚ビジュアルにおける才能とシネマティックな⽬利きを持つ映画監督、リドリー・スコットの渾⾝の最新作は、それぞれが昇華して、⽣々しくも鮮烈なアクションと、⾒落とすことのできない繊細な映像表現が為されているのは間違いない。ぜひ期待してほしい。『最後の決闘裁判』10⽉15⽇(⾦)より公開
2021年10月08日西武池袋本店では、京都発のスイーツ&グルメに焦点を当てたグルメイベント「京都名匠会」を、2021年10月15日(金)から22日(金)までの期間で開催する。「京都名匠会」京都発グルメ&工芸品が西武池袋本店に集結期間中、西武池袋本店 本館7階の催事場には、京都の伝統的なお茶文化から抹茶を使った進化系スイーツ、京銘菓、老舗のお弁当、アクセサリーまで多彩なグルメ&工芸品が集結。都心にいながら、古都・京都への旅気分が楽しめるイベントとなっている。新感覚の抹茶専門店「抹茶共和国」たとえば「抹茶共和国」は、抹茶の新しい楽しみ方を提案する専門店。フォトジェニックなインク風ボトルで人気の抹茶ラテのプレミアムバージョン、ガラス茶壺に入った「茶壺の抹茶パンナコッタ」、日本一の茶匠が厳選した石臼挽き宇治抹茶を贅沢に使用した「プレミアムゴールデン宇治抹茶カステラ」など、京都発の話題スイーツの数々を提案する。抹茶スイーツからラーメンまで、多彩なグルメを堪能このほか、宇治抹茶を贅沢に使ったお濃茶ラングドシャ「茶の菓(京都 北山 マールブランシュ)」、挽きたての抹茶・砂糖・小麦粉・卵・バター・ホワイトチョコレートのみで作る贅沢テリーヌ「抹茶のテリーヌ(シェ・アガタ)」、数種類の鴨をブレンドした出汁をベースにした濃厚なラーメン「鴨ワンタン入り清湯麺(鴨出汁中華そば ROKU)」など、多彩な京都グルメの数々が用意されている。開催概要「京都名匠会」開催期間:2021年10月15日(金)〜10月22日(金) ※最終日は16:00閉場会場:西武池袋本店 本館7階=催事場出店店舗:食品46店、工芸23店主催:京都府/京都名匠会
2021年10月02日2020年ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)に輝いた名匠ホン・サンス監督、キム・ミニ主演の『逃げた女』。この度、本作の意味深なタイトルについて、また猫の“名演技”の撮影エピソードなどを、第70回ベルリン国際映画祭でホン・サンス監督自身が語ったインタビューが到着。併せて、監督と俳優たちが話し込む様子や、焼肉シーンのメイキング、現場で脚本を読むキム・ミニの写真など、現場での信頼関係が見える映画撮影中のメイキングシーンが一挙に公開された。今年で監督デビュー25周年を迎えるホン・サンス監督は、来月開催される第74回カンヌ国際映画祭の新部門カンヌ・プレミア部門に最新作にして26作品目『In Front of Your Face』(原題)が出品され、ハイペースで新作を発表し続けている映画作家。本作のタイトルについて、「逃げた女」(The Woman Who Ran)とは誰のことなのか。彼女は何から逃げているのか、尋ねてみると、「実は誰かは決めていなかったんです(笑)」と明かす。「私はこのタイトルが気に入っていて、とても満足しています。私がこのタイトルを付けたら、人々が映画を見て、どんなことをタイトルに関連づけるか推測もしてみましたが、私が何を望むのかはっきりさせる前に考えるのを止めました。私がただ言えるのは、そう感じることが好きだということだけです」と話しつつ、「もう少し考えてみるならば、おそらく、この映画のすべての女性たちが何かから逃げていると言えるでしょう。それは虐げられることからであったり、満たされないことからであったり...。でも、むしろそれははっきりさせない方がいいんです」と真意を明かす。映画を観ると「友情」と「孤独」という2つの言葉がテーマのように思われるが、「もし『友情』とは、私にとって何を意味するかを前もって定義してしまうと、私自身による『友情』の一般化、定義に適合するように、ディテールの断片を集めてこなければなりません。しかし、人生や生きるということは、どんな一般化をも常に超えていきます」とホン監督。「そのため、映画作りにおける私のアプローチは、あらゆる一般化や、あらゆるジャンルのテクニック、特定の効果に対するあらゆる期待を避けようと試みることです。ただ心を開いて、自分自身を信じ、これだと思えるものが現れた時に、ただそれを掴むと、いつも何かが生まれる」と独自のアプローチ法を語る。「私が望むのは、どんな意味付けもすることなく、いかに断片を集めてこられるかということ」と続け、「その断片を一つにする過程で、ある具体的なものが生まれて、その具体的なものが、多くの異なる人々にとって、多くの異なる意味をもたらすことができます」と続ける監督。さらに、本作の編集のプロセスについて「私の編集はとても速いです。なぜなら、撮影している段階で既に頭の中で編集しているので」とコメント。「撮影が終わってから、編集を終えるまでに通常で1日か2日です。そして、1週間くらい何もしないで待ってから、新鮮な目で再び編集したものに向き合います」と“極意”を明かす。また、印象的な猫のシーンについて、「猫が何かをするというシーンは脚本に書いてから、撮影場所に向かいました。実は、そのシーンは夕方に撮ろうと思っていました。夕方が猫を撮るには適していると思ったからです。最初に他のシーンを撮ろうとしていたのですが、映画にも登場した防犯カメラにあの猫がうろついているのが見えたので、クルーを集めて急いで下に降りて撮影をしました。だからこれは、ファーストテイクなんです(笑)」と、その裏側を語ってくれた。『逃げた女』はヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:逃げた女 2021年6月11日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開© 2019 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved
2021年06月21日名匠ホン・サンス監督の24作目の作品にして、公私にわたるパートナーの主演キム・ミニとの7度目のタッグとなる『逃げた女』。この度、ホン・サンス監督が銀熊賞(監督賞)に輝いた第70回ベルリン国際映画祭で、キム・ミニが語ったコメントが到着した。『正しい日間違えた日』で初めてホン・サンス監督作に出演したキム・ミニ。映画ファンに強烈な印象を残した『お嬢さん』(パク・チャヌク監督作)の翌年に出演した『夜の浜辺でひとり』の記者会見で、ホン・サンス監督がキム・ミニとの不倫関係を公言したことで韓国ではスキャンダルとして報じられたが、ベルリン国際映画祭では韓国人俳優として史上初の快挙となる銀熊賞(主演女優賞)に輝いた。以降、イザベル・ユペールとの共演作『クレアのカメラ』をはじめ、『それから』『草の葉』『川沿いのホテル』、そして本作『逃げた女』に続いて新作『INTRODUCTION』と出演を重ね、作品ごとに独特の魅力を発揮し、ホン・サンス監督作品には欠かせない大きな存在となっている。キム・ミニは監督との仕事について、「何よりも、私は明確に監督から受け取った脚本に従おうとしています。なぜなら、それを経て、役者として役をさらに上手く演じることができると考えているからです。可能な限り、脚本に忠実であろうと努力しますが、もちろん私なりの方法で解釈もします。監督の頭の中にあるものから、私があまりにも離れてしまった時は、監督がそう伝えてくれます」と明かす。「私たちには脚本があって、俳優たちの間にはセリフがあって、お互いにリアクションを引き出し合い、最大限の感受性を持ってそれに応えます。そして感情が生まれ、変化が生まれるんです。私たちはこの作業にとても集中しながら、脚本に忠実であろうと努めています」と、共に作品を作りあげていく過程と監督への信頼を語るキム・ミニ。本作『逃げた女』では、5年間の結婚生活で一度も離れたことのなかった夫の出張中、初めて1人になり、3人の女友達のもとを訪ね再会する主人公ガミを、シンプルで飾らぬファッションに身を包み、持ち前の自然体の魅力で好演。謎めく女性心理をスリリングにあぶり出した本作においても、最後まで目が離せない魅力を振りまいている。『逃げた女』はヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:逃げた女 2021年6月11日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開© 2019 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved
2021年06月16日『君の名前で僕を呼んで』や『サスペリア』といった話題作を次々と世に送り出し、世界的な評価を得ている“イタリアの名匠”ルカ・グァダニーノ監督。多くの映画ファンがその動向を見守るなか、今回はテレビドラマに初挑戦して話題となっています。そこで、本シリーズに出演をはたしたこちらの方々にお話をうかがってきました。ジャック・ディラン・グレイザー&ジョーダン・クリスティン・シモン【映画、ときどき私】 vol. 372『僕らのままで/WE ARE WHO WE ARE』というタイトルで描かれているのは、10代の少年少女たちが青春時代に抱える葛藤やジェンダーに対する苦悩。母親の都合でニューヨークからイタリアに引っ越してくるも、新しい環境になじもうとする気のない主人公のフレイザーを演じているのがジャック(写真・右)。いっぽうのジョーダン(写真・左)は、フレイザーと友情を育んでいく同年代の少女ケイトリンを演じています。『シャザム!』や『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』などに出演し、“第2のティモシー・シャラメ”とも言われるジャックと、演技初挑戦にもかかわらず圧倒的な存在感を見せるジョーダン。今回は、4月8日の最終話配信を目前に控えた注目のおふたりに、本作を通して感じたことやお互いへの思いについて、語っていただきました。―おふたりともオーディションを経て出演が決定したそうですが、この作品に出演したいと思った理由を教えてください。ジャックルカが監督しているからというのもありましたが、まずはとにかく脚本が素晴らしいと思ったからです。特に、フレイザーというキャラクターは、いままで演じたことのない役だったという意味でも、ワクワクしましたね。とにかく、いろいろな意味で惹きつけられる作品だと感じたからです。ジョーダンジャックと同じような答えになってしまうかもしれないけれど、私もこのケイトリンという役に惹かれるものがあったからです。特に、彼女のように強さを秘めたキャラクターが、じっくりと自分を見つめていくのが興味深いなと。実際、私も同じようなことを考えていたことがあったので、演じることによって自分自身が救われるようなところもあったと思います。自分にとっては、表現するのが難しい役どころだった―いずれも繊細な表現が求められる難しい役どころだったと思います。演じるうえで苦労したのはどのあたりですか?ジョーダン表現するのが難しかったのは、ケイトリンが自分に対してすごく自信があるところです。私がオーディションを受けたのは、16歳のときですが、ちょうどその年代って自分に自信がない時期だったりしますよね。しかも、現代のようにSNSがある世界に生きていると、簡単に自信が崩れてしまうことがあるので、そういうなかで自分を愛して、何かを発見しようとするキャラクターを演じることは簡単ではありませんでした。ジャック僕も最初はフレイザーのアイデンティティに関する部分や彼の深い内面に、どこまで自分が共鳴できているのかわかりませんでした。でも、撮影を進めていくうちに、演じているキャラクターを通して、自分もいろいろなことを経験できたので、後半はすごく理解できるようになったと思います。最終的には、役者としての自分の能力を高めてくれるだけでなく、自分自身も変えてくれたので、大きな学びを与えてくれた役になりました。役者として解放されるような感覚を味わえた―ルカ・グァダニーノ監督といえば、世界的にも注目されている監督ですが、印象に残っている演出方法やアドバイスなどはありましたか?ジャックルカは「こういうふうにやらなきゃいけない」みたいな強制するような演出ではなく、僕たちが自分の本能を通して自然に役を表現できるように、自由を与えてくれました。もちろん、監督なので演出はしていますが、いい意味ですごくゆるい感じだったので、役者として解放されるような感覚を味わうことができました。キャラクターをずっと演じている僕らこそが一番キャラクターを理解している存在である、というのがルカの哲学。役者として、すごくクリエイティビティがあるユニークで最高の経験となりました。なかなかここまで監督とコラボレーションして作品を作ることはできないので、ルカには感謝の気持ちを伝えたいです。本当に、ルカにしかできない作品になったと思います。ジョーダンジャックが言っている通り、ルカは本当にいろいろな新しいものを自由にとらえさせてくれる監督でした。とにかくオープンで優しいし、私の意見も聞いてくださったので、感謝しています。さまざまな挑戦をさせてもらったからこそ、役者としても成長することができましたし、演技や音楽など、クリエイティブなものにたくさんに触れることによって多くのインスピレーションを与えてもらいました。ウルトラ級のモチベーションを与えてくれる存在―劇中で、フレイザーとケイトリンはお互いに影響を与え合う役どころなので、2人のシーンが多かったと思います。実際に一緒に仕事をするうえで、相手にどのような印象を持っていましたか?ジョーダンジャックは新しいことに何でもチャレンジする精神を持っていて、役者としても才能がある人。人柄も素晴らしいし、自分らしさをしっかりと持っているところにも刺激を受けたので、私ももっとがんばらなきゃと思わせてくれる存在でした。ジャックみなさんが想像できないほど僕は彼女にインスパイアされたし、たくさん助けてもらったと思います。なので、僕にとっては、ウルトラ級のモチベーションを与えてくれる人ですね(笑)。彼女はこの作品が役者として初めての仕事なので、こういうテーマで演技に初挑戦するのは、ライオンや炎がある檻のなかに放り込まれるくらい大変なことだったはず。それでも、彼女は最初から最後まで周りに圧倒されることなく現場にいたので、その姿を見てプロだなと感じました。僕の母親役を演じてくれたクロエ・セヴィニーと同じか、それ以上に素晴らしい役者だなと。ジョーダン(目を見開いて)うそでしょ!?ジャックとにかく、「何でも来い!」というような強さがある人なので、一緒に仕事ができたことを誇らしく思っています。ケミストリーを感じるような相性の良さがあった―では、演じるなかでお互いに化学反応を感じるような忘れられない瞬間はありましたか?ジョーダンそれは、フレイザーがケイトリンの髪を切るシーンですね。実は、あのシーンを撮影したとき、ジャックと会うのは3回目くらいだったので、まだお互いのことをあまり知らない状態だったんです。それにもかかわらず、ケミストリーを感じるような相性の良さがあって、本当に驚きました。誰にとっても人に髪を切ってもらうというのは大きなことですし、すごく強烈な印象があるシーンでもあるので、そこに彼がいてくれたことは、私にとっては大きな支えだったなと思います。このシリーズのなかでも、最高の瞬間だったと感じているほどです。ジャックそうだね、僕も同じ意見だよ。オーディションの段階で、読み合わせをして役者同士の相性を見るという方法があるんですが、その時点でジョーダンとはほかの人にはない相性の良さを感じていました。彼女が言っているように、髪を切っている場面は作品を象徴するようなシーンで、すごく大きな意味を持っていると思います。あのシーンで見ることができる僕たちのあふれ出るような笑顔や不安な感じは、すべて本物。そういうリアリズムをスクリーンに映し出すことができるのが、ルカの手腕なんですよね。いい意味で僕たちを追い詰めて、リアルな瞬間を引き出してもらったと思います。そのおかげで、本当に美しくて素晴らしいシーンになっているので、僕たち2人の間に起きたケミストリーを感じてもらえるはずです。ただ、僕の切り方が悪かったから、かわいそうなことに、いまでもジョーダンの髪が伸びてないみたいだね(笑)。ジョーダンあはは(笑)。この作品が誰かの役に立てたらうれしい―あのシーンは、本当に素晴らしかったです。本作では、アイデンティティの探求やジェンダーについて描かれていますが、この作品がご自身の考えにも影響を与えたことはありますか?ジョーダン確かに、この作品を経験して、私自身の物の見方は変わったと思います。というのも、ケイトリンを演じていたとき、ちょうど自分のジェンダーアイデンティティとは何かについて考えていて、答えを見出そうとしていた時期だったんです。なので、この役を演じたことで助けられましたし、いろいろなことを模索しているキャラクターを演じられたことに喜びを感じました。そのうえでいま思うのは、ケイトリンのように白人ではない若者のキャラクターが自分と向き合っていく姿を描くようなドラマや映画がこれからもっと出てくるといいなと。まだまだそういう作品は少ないですからね。なので、何かに好奇心を持ったり、自問したりしているケイトリンの姿が誰かの役に立てたのなら、それはとてもうれしいことだと思います。ジャック僕はこの役を演じ始めたころは、自分が経験したことがなかったので、ジェンダーなどに関する悩みを抱えている人の感情についてあまり考えたことがありませんでした。なので、最初は少しわからない部分がありましたが、役を演じていくなかで、だんだん自分とフレイザーがシンクロしていく感覚があったんです。そうやっていろいろな問いかけを自分のなかでしていったからこそ、演じ終えたあとでもそこで得た感情が残っているのがわかりました。そして気がついたのは、こういうフィーリングは誰もが持っているものなんだなということ。決してその思いから人は逃げることができないんですよね。だって、タイトルにも込められているように、僕らは僕らのままなのだから。そういった部分がリアルに表現されているからこそ、このシリーズは最高なんだと思います。日本の文化もアートもすべてが大好き―日本でも最終話の配信を心待ちにしている視聴者がたくさんいますので、日本に対する気持ちをお聞かせください。ジャック僕にとって、日本は“大きな国”なので、すごく緊張しますね。それくらい僕は日本が大好きなんです。美しい場所だし、アートも文化も色彩感覚も、それからゴジラも含めてすべてが好き。今日は桜の季節にいる日本のことを想って、洋服は上下ともにすべて桜柄にしてきたんですよ(笑)。何度も言うようだけれど、とにかく僕は日本が大好きなんです!ジョーダン私もジャックと同じでまだ日本には行ったことがないんだけど、ぜひ行きたいと思っている国です。学校でも日本に関することは勉強したことがあるので、とても興味があります。日本の文化も好きなので、テレビや映画を観て日本語を少し勉強したいなと思っているほど。まだまだ身についていないですが、いつか行くことができたら日本の文化や言葉など、いろいろなことを学びたいなと思っています。次に取材をするときは、日本でみなさんに会えたらいいですね!インタビューを終えてみて……。ドラマで見る印象とは違う魅力を放つジャックとジョーダン。オンラインでのインタビュー中、いろいろなフィルターを使いながら顔を加工して子どものようにはしゃぐジャックと、すっかり大人の雰囲気を漂わせているジョーダンのギャップにも楽しませてもらいました。さらなる活躍が期待される2人だけに、今後も目が離せない存在です。映像から放たれる輝きに心をつかまれる!アイデンティティやジェンダーだけでなく、さまざま人間関係に深く切り込んでいる本作。誰もがありのままでいることの難しさを感じている現代に生きているからこそ、彼らの葛藤に共感し、心を揺さぶられるはず。イタリアの美しい景色と音楽に魅了され、若手キャストたちによる瑞々しい演技に引き込まれる必見のシリーズです。取材、文・志村昌美ストーリー14歳のフレイザーは、イタリア・キオッジャの米軍基地に司令官として着任した母親のサラと同性の妻マギーとともに、ニューヨークから引っ越してきた。しかし、フレイザーはニューヨークの友人が恋しく、基地にいるティーンエイジャーたちとなじもうとはしない。母親との折り合いも悪く、うっ屈とした毎日を送っていたフレイザーだったが、ある日、隣に住む少女ケイトリンに出会い、彼女に不思議な魅力を感じて近づいていく……。胸がざわつく予告編はこちら!作品情報『僕らのままで/WE ARE WHO WE ARE』Amazon Prime Videoチャンネル 「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」にて配信中Photo by Yannis Drakoulidis © 2020 Wildside Srl - Sky Italia - Small Forward Productions Srl
2021年04月07日三浦貴大と知英が共演する、昨年急逝された名匠・佐々部清監督の渾身のラストストーリー『大綱引の恋』が5月7日(金)に全国公開決定。場面写真と予告映像が一挙に解禁された。本作は、『陽はまた昇る』や『半落ち』『夕凪の街 桜の国』『ツレがうつになりまして。』『八重子のハミング』など数多くの名作を産み出し、昨年3月31日に62歳で亡くなった佐々部監督の遺作。主人公・有馬武志(三浦貴大)を通し、家族を軸にした物語の中で愛を守ろうとする様を爽快にドラマチックに描き切っている。10月31日より舞台となる鹿児島にて先行公開された。この度解禁された場面写真や30秒及び60秒バージョンの予告映像には、鹿児島で400年以上にもおよぶ歴史と伝統を守り続けている川内大綱引のシーンが切り取られている。実際の祭りのシーンが起用され、迫力ある映像で物語を盛り上げている。また、武志が知英さん演じる韓国から来た研修医ジヒョンと抱き合う姿のほか、本作プロデューサーで武志の父親役の西田聖志郎や母・文子役の石野真子、妹・敦子役の比嘉愛未、敦子の交際相手役の中村優一らの姿も。佐々部監督が遺した、大切な人への愛の物語を予感させている。『大綱引の恋』は5月7日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:大綱引の恋 2021年全国公開予定(C)2020映画「大綱引の恋」フィルムパートナーズ
2021年01月18日映画『天国にちがいない』が、2021年1月29日(金)より全国公開。監督はエリア・スレイマン。19年カンヌ国際映画祭W受賞!名匠エリア・スレイマン10年ぶりの新作エリア・スレイマンは、イスラエル領ナザレ出身のパレスチナ人監督。2002年公開の映画『D.I』では、独特なユーモアと豊かなイマジネーションで世界に衝撃を与え、“現代のチャップリン”と評された名匠だ。エリア・スレイマンにとって実に10年ぶりの新作となる『天国にちがいない』は、監督としてだけでなく出演も果たした意欲作。故郷・パレスチナへの愛と苦悩、そして世界の混迷と人間の愛おしさを、軽やかな映像美で描いている。なお本作は、2019年カンヌ国際映画祭において特別賞と国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞)をダブルで受賞した。ストーリー新作の企画を売り込むため、故郷ナザレからパリ、ニューヨークへと旅に出たエリア・スレイマン監督。パリでは美しい景観に見惚れる一方、街を走る戦車、炊き出しに並ぶ大勢の人、救護されるホームレスを、ニューヨークでは、街で銃を持つ市民、上空を旋回するヘリコプター、セントラルパークで警官に追われ逃げ回る裸の天使を目の当たりにする。肝心の映画企画は友人のガエル・ガルシア・ベルナルのサポートもむなしく「パレスチナ色が弱い」とあっけなく断られてしまう。いかに遠くへ行こうとも、平和と秩序があるとされる街にいようとも、何かがいつも彼に故郷を想い起させる。まるで、どこに行っても同じー。果たして「私の“故郷”と呼べる場所とは何なのかー?」。公開を前に、3枚のポスタービジュアルが公開された。美しい海を眺めるシーン、パリの街角に放置された空き瓶の山やカフェのテラス席を管理する警官、セントラルパークの天使など、監督の鋭い風刺とイマジネーション豊かな映像美が垣間見える。また、3枚それぞれに添えられた「この世界は、かくも可笑しく愛おしい―。」とのキャッチコピーが、本作の独特な雰囲気を表している。【詳細】『天国にちがいない』公開日:2021年1月29日(金)監督:エリア・スレイマン脚本:エリア・スレイマン出演:エリア・スレイマン、ガエル・ガルシア・ベルナル、タリク・コプティ、アリ・スレイマン原題:It Must Be Heaven配給:アルバトロス・フィルム/クロックワークス
2020年11月01日