意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「国立科学博物館クラウドファンディング」です。クラファンは一時的な対処法。研究にもっと力を。国立科学博物館は、運営資金の不足を解消するために8月にクラウドファンディングを立ち上げ、目標額の1億円を1日で達成し、2週間余りで7億円超の資金を集めました。“国立”と名前がついていますが、独立行政法人で、独自に運営を任されています。標本や資料は500万点に及び、展示されているのは約2万5000点。多くはつくば市にある収蔵庫に置かれています。化石や動物の骨、剥製、植物など、古く貴重な標本を保存・管理するには莫大なお金がかかり、コロナ禍や光熱費の高騰などにより資金に窮していました。大きな役割は、標本資料の収集と保管、展示・学習支援、調査研究などです。資金不足により、新しい事象が発見されても現場に行けないというような状況にも陥っていました。現在、日本の研究の現場は大変弱っており、文部科学省科学技術・学術政策研究所が調べた「科学技術指標2023」によると、他の論文に引用される回数をカウントする注目論文の数が、日本はイランに抜かれて13位になりました。かつては4位でしたが、20年の間に次第に順位を下げていったのです。イランは国際的に制裁を課せられているので、自前のインフラ、サービスを作る必要があり、科学分野に積極的に財政を投じてきました。それにより、研究者のレベルが底上げされ、日本を追い越していきました。クラウドファンディングは、資金集めの持続可能な方法ではありません。国がきちんと科学分野に投資できないのは問題だと思います。また、科学博物館側も所蔵品をツアー形式で見せたり、企業研修に使うなど、稼ぐ方法は見つけられると思います。研究者が経営につくのではなく、マーケティングやPRのプロを経営陣に呼ぶなど、改革の必要があるのではないでしょうか。すぐに成果に結びつく研究が求められがちですが、草の根的な基礎研究が国の将来を支えます。クラウドファンディングによって、科学博物館に関心を寄せる人が増えたことはすごく良かったと思います。国立科学博物館のクラファンは11月5日まで行っています。研究がその国の国力につながるという意識が広がることを願います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)が放送中。※『anan』2023年10月25日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年10月19日歌手の堀ちえみ(56)の夫・A氏が、パチンコ機業界大手企業B社の関連会社C社の代表取締役を解任されていたことがわかった。堀といえば、’19年にステージ4の舌がんが判明し、舌の約6割を切除する手術をしたほか、同年4月にも初期の食道がんが見つかり手術をしている。大手術から4年が経った今年2月には、闘病生活を乗り越え、手術後初となるライブが行われた。闘病生活などについて発信してきたAmebaブログ『hori-day』はブログランキング総合4位、フォロワー数は35万人を超える人気ぶりで(’23年10月16日時点)、今年12月には初のクリスマスディナーショーも控えている。そんな堀の闘病生活を献身的に支え、堀が自身のブログでも頻繁に感謝の思いを綴っているA氏は、’11年に堀とお互い再婚同士で結婚。’21年6月からはC社の代表取締役兼取締役を務め、「年収は数億円」とも囁かれていた。また、A氏が手掛けたパチンコ機が様々なパチンコメディアで表彰され、受賞者インタビューも受けていた“やり手”だったのだが、一部ではこんな噂も……。「実は、今年開催された、奥さんの堀ちえみさんの復帰コンサートのチケットを会社の経費で購入して人に配ったり、自社の社員にはチケット購入を強めに迫ったりするなど、奥さんを思うあまりか“公私混同”するような行為が問題視されていたようです。解任の理由もそのことだと言われています」(パチンコ業界関係者)C社の法人登記簿謄本を確認すると、確かに今年9月30日付で取締役「解任」、代表取締役「退任」の文字が。同社に事実関係を確認した。ーーA氏の解任は事実?「そうですね、はい」ーー解任の理由は?「プライバシーに関わる問題なので、お答えはしていません」ーー奥様の堀ちえみさんのコンサートチケットを経費で購入する、社員へチケットの購入を迫るなどの行為が問題視されたとも聞いているが?「お答えはできないです」ーー取締役は「退任」ではなくて「解任」になっている「そうですね。登記簿の方をご確認いただければと」ーー確認しています。退任じゃないということは、何かしら事情があるということですよね?「……そうですね」それ以上は、会社としてはプライバシーに関わることだから回答できないとしたが、チケットにまつわる疑惑について否定することもなかった。社長を“クビ”になったA氏だが、すでに新しい動きを見せている。なんと解任翌日の10月1日からAmebaで本名名義のブログを開設していたのだ。そこには、堀とのデートの様子などを綴っている。今後は妻にブログのやり方をサポートしてもらう番なのかも?
2023年10月16日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「認知戦」です。私たちも知らずに戦争の最前線に立たされています。認知戦とは、世論を操作したり、偽の情報を拡散して、人の認知領域に働きかける情報戦のこと。陸、海、空が第1~3の戦場、第4の戦場は宇宙、第5の戦場はサイバー空間。認知戦はその次の第6の戦場と呼ばれています。元をたどれば、プロパガンダ戦は昔からあります。第2次世界大戦時にはナチス・ドイツがラジオ局のトップに配下の人間を送り込み、ヒトラーは正しいという世論を形成しました。テレビ、ラジオ、新聞しかない時代はそれだけの労力を要しましたが、今は、インターネットやAIを使い、精巧なフェイクニュースを簡単に作れるようになっています。認知戦の恐ろしいところは、誰が主体となって仕掛けているのかが不明なまま、その国の政治指導者の決断を左右させていく大きなパワーを持っているということです。中国人民解放軍は、積極的に認知戦に関与しているといわれています。たとえば、台湾で不安を煽るような動画が拡散されました。「強盗に襲われました。みんなも気をつけて」と病院のベッドから自撮りした動画が拡散されます。一見認知戦と何の関係が?と思うかもしれません。しかし、こういう動画が大量に流されることにより、「台湾は治安が悪い」「今の政府に任せていたら、未来はないのではないか」という考えを刷り込んでいきます。これがフェイクニュースだと見破ったのは、台湾のCofactsというファクトチェックグループでした。選挙の直前など、ある一時期に膨大な量の動画が流されていたことで判明しました。カナダのトルドー首相は、2019年と2021年の総選挙に、中国、イラン、ロシアが介入した恐れがあると捜査を開始しました。アメリカでトランプ大統領が誕生した舞台裏ではロシアの関与が疑われています。私たちは認知戦の最前線に立たされているということを自覚してください。バズったニュースを目にしたときには、「誰発信?何目的?本当かな?」といったん立ち止まりましょう。知らず知らずに誰かに仕掛けられて、自分たちの政府を自分たちで倒すことになりかねない危険を孕んでいることを、どうか忘れないでください。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)が放送中。※『anan』2023年10月18日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年10月14日愛情のこもったそれぞれのお弁当秋の運動会シーズンに突入。藤本美貴さんは小学6年生の長男にとっては小学校最後の運動会ということで、リクエストに沿ったハンバーグ弁当を持って応援に駆けつけたそうです。ラップでくるんだおにぎりに、たっぷりのハンバーグ、たまごやき、きゅうり、かにかまとちくわ、シャインマスカットなどを三段の重箱に詰めた運動会のお弁当はとても美味しそう。ただ、藤本さんは「あのさ…お重の時…おかずの仕切りどーするのが正解なの?笑」と疑問を綴りました。「結局アルミホイル…♡笑」と、それぞれのおかずをアルミホイルで仕切っています。Instagramのコメント欄には「アルミホイルでいいと思う子供はおかずしか見てない(笑)」「カニカマそのままスタイル好きですお弁当見てたら親近感すぎます」と共感の声や、「私は紙コップに、やきそばやおかずを詰めてラップで蓋をしました」便利なアイデアが寄せられています。ナインティナイン・矢部浩之さんの妻である元TBSアナウンサー・青木裕子さんは、お子さんたちの運動会に「息子たちも夫も大好きなスパムむすび」をたくさん詰めた映えるお弁当をInstagramに投稿。「空手やサッカーの大会にはこれ!」と決めているといい、ご飯、ふりかけ少々、チーズ、よく焼いたスパムの順に重ね、海苔は食べるときに巻く「パリパリ派」なのだそう。三段お重の二段目は、ミートソースペンネ、たまごやき、小さいウインナー、ミニトマト、ブロッコリーといったおかずを食べやすいようにセットにして詰めています。三段目はデザートのシャインマスカットとチーズ、そして朝から揚げた鶏のからあげとハムとチーズのミニ春巻きが入っています。この春巻きは「次男が一番好きなおかず」だそうで、どれも見事にたいらげたよう。青木さんは「全部綺麗になくなって嬉しかった!!」と綴っていました。元AKB48・SDN48の大堀恵さんもブログに長女の運動会のお弁当を投稿。子どもの大好物を詰め込んだといい、鶏のからあげ、野菜の肉巻き、ソーセージ、たまごやき、ロールサンド、ホタテとアスパラ炒めなどが彩りよく詰められてとても美味しそう。おにぎりには、ポケットモンスターの「モンスターボール」を模したものもこっそり混ざっています。きっと、発見して歓声が上がったでしょうね。大堀さんは「リレーで力強く走る姿を見ることが出来て嬉しかったです」と長女の成長に目を細めつつ、「高学年のお姉様のダンスは毎年感動して泣いてしまうなぁ。。。子供達の成長が感じられる運動会、最高です!!!!」と感想も投稿。運動会では我が子だけでなく、たくさんの子どもたちの一生懸命頑張る姿を目にして、涙腺がゆるんでしまいますよね。「運動会弁当」おかずの仕切りに生野菜はアリ?藤本さんが「お重の時…おかずの仕切りどーするのが正解なの?」と書いていたように、大きなお弁当箱に複数の種類のおかずを詰めるとき、味が混ざったり見た目がぐちゃぐちゃになってしまわないように、いろいろな仕切りを活用しますよね。レタスなどの生野菜で仕切ると彩りが美しいですが、生野菜は水分が多いこと、加熱殺菌していないので雑菌が付いていることも考えられます。基本的にはアルミホイルやラップ、バランなどを使うほか、カップに入れて直接触れないようにしたり、仕切り付きのお弁当箱を利用するのもおすすめです。なお、彩りといえば、ミニトマトはカットせず入れられるので、生野菜ですがそのままお弁当に入れてもリスクの少ない野菜です。ただし、ヘタの部分に雑菌が多く付いているので、ヘタを取ってよく洗ってから詰めるのが安心です。
2023年10月10日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ワグネル」です。戦争の形に変化。民間軍事会社の需要が増える世界。ワグネルとはロシアの民間軍事会社(プライベート・ミリタリー・カンパニー)です。創設者のプリゴジン氏はもともとレストランやケータリングの事業を行っていましたが、プーチン大統領と特別な関係を築くことに成功し、巨大な軍事組織グループを起こし急拡大しました。ワグネルはウクライナ侵攻の第一線で戦っていましたが、プーチン大統領に都合よく使われていることに対して反発。6月にモスクワに向けて進軍、途中で撤退しました。仲裁を担ったのはベラルーシのルカシェンコ大統領といわれています。ワグネルを配下に収めておくことで、有事に対処できる力を得ようとしました。しかし、8月にプリゴジン氏を乗せた飛行機が墜落し、死亡が確認されました。今年の3月の時点で、ロシアには民間軍事会社が37社あります。日本では作れませんが、世界にはこうした会社が増えています。ロシアはこれまで民間軍事会社を使って侵略行為や非人道的行為をしてきましたが、国家の正規軍ではないので、「国はやっていない」と言い逃れできたんですね。また、マリを筆頭に多くのアフリカ諸国がワグネルを雇っていました。気候変動や紛争により治安が悪くなり、正規の治安部隊だけでは対処できなくなったときに民間軍事会社に頼るのです。それらの国は貧しいので、現金の代わりに鉱物資源の採掘権などを与え、ワグネルは巨大な資金源を得て、ますます力を持つようになっていきました。一方、今月にはイギリス政府はウクライナ侵攻での民間人の殺害などを理由に、ワグネルをテロ組織に指定する議案を議会に提出。所属したり支援することを禁じようとしています。現代の戦争は決して、国家と正規軍だけが行っているものではありません。兵器も民間のドローン技術や、スペースX社の「スターリンク」が通信を支えていたりします。戦争の形が、実戦とサイバー攻撃や認知戦のハイブリッドとなり、戦闘員が軍人なのか民間人なのか境界線がわからなくなってきています。世界の戦争の変化を私たちも知っておかないと、日本の安全保障を考えるのにピントのずれた議論をしてしまいかねません。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)が放送中。※『anan』2023年9月27日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年09月21日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「米俳優労組ストライキ」です。AI登場による人間の権利の問題。他人事ではない。アメリカの俳優の労働組合によるストライキが7月14日に始まりました。脚本家組合のストライキも5月から行われており、AP通信によると俳優労組の組合員のうち約6万5000人が参加。脚本家組合は約1万1500人。この2つの組合が同時にストライキを打つのは63年ぶりのことです。これにより俳優は撮影やプロモーション活動には参加できず、ハリウッドでは多くの撮影現場がストップしています。動画配信サービスの急速な拡大を受け、組合は、配信作品に対する報酬の引き上げを求めています。また、今回の交渉の大きなポイントはAIなんですね。AIの進歩により、さまざまなものが手軽に作れるようになってしまいました。アイデアを打ち込めば生成AIによって脚本ができてしまったり、俳優の写真データを複製することでいくらでも動画が作れるようになってしまいました。その動画の著作権は誰に帰属するのか。AIで作れるようになったことで、これまでなら受け入れられなかったような低い対価で仕事を受けざるをえない可能性も出てきます。ルール作りがまだできていないなか、技術だけがものすごい速さで発達してしまう危機感。人間が作るものへの権利をちゃんと保証してほしいと訴えているのです。生成AIに関する規制作りを求めて、組合は映画会社や配信会社と交渉を続けてきましたが決裂し、ストライキに入りました。本来は日本でもそうした議論が必要なのですが、まだ起きていません。また、これは映像業界だけの問題ではありません。コンサルティング会社マッキンゼーの生成AIに関するレポートによると、2030~2060年の間に半数以上の仕事が自動化されるそうです。まず、マーケティングやプログラミング、コンサルタント業やPR業などが変わるだろうといわれています。エンターテインメントはアメリカを支えてきた基幹産業の一つであり、アメリカの文化そのもの。それを破壊しないでくれ、という訴えはとてもよくわかります。人間の手で生み出すものにどういう報酬の仕組みを作るのか。皆で知恵を出し合っていかないといけないのだと思います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)が放送中。※『anan』2023年9月13日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年09月08日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「世界の難民情勢」です。想像を絶する数の難民が急増。世界安定の危機に。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)本部が6月に発表した年間報告書によると、2022年末の時点で、紛争や迫害などにより、故郷を追われて強制移動をさせられた人が1億840万人になりました。1年間で1910万人増え、これはこれまでで最大の増加になります。国境を越えて逃れた人を「難民」、国内で移動を強いられた人を「国内避難民」と呼びますが、1億840万人のうち6250万人は国内避難民で、全体の60%を占めます。国内で逃げているのなら、難民よりも安心のように感じるかもしれませんが、それは大きな間違いです。国外に逃げられるのは、それだけ経済力や人脈があったり、その距離を移動する余力のある人たち。それすらない人が住まいを追われて、命からがら別の地域に逃げています。その原因が紛争だった場合、激しい紛争地域は国連の支援チームも退避せざるを得ず、食糧や医療の支援を受けられないまま国内に留め置かれている膨大な数の人たちがいるのです。難民の数が急増した理由は、ウクライナ侵攻、スーダンの紛争、その他中東やアフリカ各地、ミャンマーなど、世界中で分断が深まっているためです。また、気候変動による干ばつや水害で移動せざるを得なくなった人もいます。難民の最大の受け入れ国はトルコで360万人。ドイツも210万人を受け入れています。徒歩で隣国に逃れるケースも多く、全難民の20%は貧困国に移動しています。つまり、逃げた先でも、十分な生活も支援も得づらい状況が生まれているんですね。移動先できちんとした職を得られず、生活基盤を築けない場合、武装勢力で働くほかに道がないという最悪の事態も発生しています。スーダンでは、紛争が落ち着いていた時期に教育支援を受けていた子どもたちが、戦闘が激しくなると、新たな戦闘員を確保するために武装勢力にリクルートされるという悲劇が起きています。それは世界的に戦争や紛争の可能性が高まるということで、先進国にとっても無関係な話ではありません。持続可能な世界のために、この難民問題には真正面から取り組む必要があると思います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)が放送中。※『anan』2023年8月30日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年08月25日世武裕子が、8月18日(金) Mazda Zoom-Zoomスタジアム広島にて行われたプロ野球JERAセントラル・リーグ公式戦「広島東洋カープ VS 読売ジャイアンツ」にて国歌斉唱を行った。マツダスタジアム創立年からカープファンとなり、カープがキッカケで広島に拠点を移すことになった世武裕子。特別な地となった広島で国歌を歌うことに世武は、「珍しく緊張していますが(笑)、正しく歌おうとせずに、気持ちに集中するような歌唱がしたいです」と語った。毎試合熱い試合を繰り広げるカープにとっての、大切なこの日の一戦。緊張感のある、祈りのような神聖で美しい歌声を轟かせ、満員御礼のスタジアムもぐっと引き込まれた。「苦しみや悲しみから救われたいと願う人に柔らかく寄り添い、肯定するような歌を歌いたい。短い時間だったけど、一球ずつ真剣勝負をしているプロ野球選手の皆さんのグランドに音楽家として立たせてもらい刺激を受けました。代え難い経験をさせてもらえました」と、イベントを振り返った。なお世武は、『あなたの生きている世界』春の東名阪リリースツアーに続いて、広島と隣県岡山でもコンサートを開催することが決定している。<ライブ情報>『あなたの生きている世界』リリースツアー 広島・岡山編■広島公演10月30日(月) 広島・Live Juke18:30 開場 / 19:00 開演前売:5,000円 / 当日:5,500円(全席自由席)■岡山公演11月1日(水) 岡山・城下公会堂19:00 開場 / 19:30 開演前売:5,000円 / 当日:5,500円※ドリンク代別600円<リリース情報>世武裕子『あなたの生きている世界2』発売中【収録曲】1. 「みらいのこども2023」世武裕子 セルフカバー2. 「Deep River 」宇多田ヒカル カバー3. 「やさしさに包まれたなら」荒井由実 カバー4. 「プラチナ」坂本真綾 カバー5. 「人間の森」森山直太朗 カバー6. 「テルーの唄」手嶌葵 カバー配信リンク:関連リンク世武裕子 公式HP:::『セちゃんねる』:
2023年08月21日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「改正入管法」です。難民認定率の低い日本。審査方法を再構築するべき。「出入国管理及び難民認定法」、通称「改正入管法」が6月に成立しました。この改正案は2年前に国会に提出されましたが、長期間入管で留め置かれたスリランカ人女性が、十分な治療を受けられずに亡くなったことを機に、日本の難民認定の制度が問題視され、廃案になりました。ところが、今国会でほぼ同じ内容の法案が再提出され、可決されたのです。改正入管法では、難民認定3回目以降の申請は「相当の理由」がなければ、本国への送還が可能になります。長期に留め置くのが問題なのであれば、帰っていただこうというスタンス。しかし、内戦や迫害など、本国にいては身に危険が及ぶため日本に逃げてきたかもしれない人に対して、強制送還することは正しい判断なのでしょうか?最も問題なのは、難民申請者が本当に難民なのか、不法入国者なのか、適切に判断できているのか不透明だということです。入管の難民認定審査(一次審査)で不認定となり、不服を申し立てた人を二次審査するのが難民審査参与員。法律や国際情勢に関する学識経験を有する人が任命されます。現在110名いますが、1人あたりの審査件数に大きな偏りがあることがわかりました。ほとんどの参与員が年間数件~40数件だったのに対し、NPO法人名誉会長だった柳瀬房子さんだけが’22年だけで1231件審査を行っており、「難民を探して認定したいと思っているのに、ほとんど確認できません」と発言。これに対し、ほかの参与員から異論が集中しました。難民審査は総合的な国際状況をもとに判断しなければなりませんし、申請者は自分を証明するものを何も持たずに逃げてきている場合もあり、本人を特定するのには時間もかかります。年間1000件以上の申請を的確に審査できるのでしょうか?難民申請中は働くこともできませんが、審査が長引けば家族を養うために違法でも働かなければ生きていけない矛盾も抱えています。日本は国連の難民条約に加入しており、難民を受け入れる立場です。今回、準難民というグレーゾーンを設けたことは評価できますが、その前に難民を審査する仕組みを立て直す必要があると思います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)が放送中。※『anan』2023年8月16日‐23日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年08月12日Netflix映画『ハート・オブ・ストーン』の日本版声優として、甲斐田裕子、津田健次郎、佐倉綾音が決定した。『ワンダーウーマン』『ワイルド・スピード』シリーズに出演したガル・ガドットが、敏腕スパイのレイチェル・ストーンに扮し、怒涛のアクションを繰り広げる本作。有能すぎて、MI6と世界平和のために活動する秘密組織チャーターの2つの組織に所属する超一流エージェント・レイチェルは、武装組織に仲間を殺され、組織の目的が世界中のシステムを操作できるテクノロジー[ハート]を手に入れることだと知る。奪われた[ハート]を奪還するため、レイチェルは敵組織の足取りを追うが、その背景には予想を超えた事態と驚愕の黒幕が待っていた――。そんなレイチェルの吹き替えを担当するのは、長年ガルの声を務めてきた甲斐田さん。「ダイアナとはまた違った、新たなレイチェル・ストーンというキャラクターが誕生しました。強さと正義感、人間的弱さと未熟さ。言葉にすると似てますが、いつもと一味違うガルの魅力が満載です。それを日本語でも再現できるよう、精一杯演じました」とキャラクターを解説。劇中で圧巻の戦闘スキルを発揮し、全編クライマックス級のアクションを見せるが、「前半で仲間を助けに戻った時の生身でのアクション。乗り物等を使ったアクションも盛り上がりますが、やっぱりガルのキレッキレの身のこなしを見てほしい」と注目ポイントも熱弁。また、誰にも言えない“秘密”を抱えるレイチェルの同僚パーカーを津田さん、悪組織の一員で、レイチェルと[ハート]を巡るバトルを繰り広げるケヤは佐倉さんが担当。津田さんは「またこうしてジェイミー・ドーナンさんの吹き替えをやらせて頂ける事を嬉しく思います」と喜び、「雪山での追跡シーンがあるのですが、スピード感とオリジナリティ溢れるアクションが満載で見応えのある映像になっています」と力説。佐倉さんは「本作のような迫力溢れる大規模なアクションを披露するキャラクターの役を実写吹替で演じるのは初めてだったので、とても新鮮な気持ちで臨みました」とふり返り、「アクションシーンはもちろんですが、腹の探り合いや本心のぶつけ合いといった、三者三様の過去を持った人間同士の掛け合いシーンもとても楽しく演じさせて頂きました」とコメントしている。Netflix映画『ハート・オブ・ストーン』は8月11日(金)より独占配信。(シネマカフェ編集部)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2023年08月02日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「異次元の少子化対策」です。子育て支援だけでなく、これから産む人の支援も!岸田政権は「異次元の少子化対策」を掲げ、6月に「こども未来戦略方針」を発表。2030年までを少子化傾向にストップかけるためのラストチャンスだとして、2024年度からの3年間に年間3.5兆円の予算を投入すると宣言しました。こども家庭庁もスタートし、少子化対策に特化して、大規模に財政的な手当をすると打ち出したのはとても評価できます。ただ、支援策の中身が、児童手当を所得制限なしにし、対象を高校生まで引き上げる。第3子以降は3万円を支給。親が働いているか否かを問わず、保育施設の利用を可能にする制度の導入を目指す。育児休業の給付金を増額するなど、「子育て支援」の政策が目立ちます。すでに子供のいる家庭で第2子、第3子を産むための対策にはなっても、ゼロから子供を産み育てようという人たちに対しての支援は足りないのではないかと懸念されます。これまでも子育て支援策を立ち上げてきましたが、少子化に歯止めはかかりませんでした。たとえば不妊治療費用の保険適用が限定的だったり、人工授精が法律上の夫婦間に限られていたり。「異次元」というからには、フランスのように婚外子の社会的偏見をなくすなど、社会で子供を育てるような意識で策を講じないと、状況を改善するのは難しいのではないかと思います。子供を産もうとしない背景には、雇用が不安定で、若年層に貯蓄の余裕がない、経済的不安が理由で結婚にも踏み切れないという現実もあると思います。ヨーロッパのように、働き方の支援や結婚制度そのものにも柔軟性を持たせることも考えたいです。参考になる一例として、兵庫県明石市は泉元市長の提言で、「こどもを核としたまちづくり」に舵を切り、子育て世帯が多く移り住む街に変貌を遂げました。子育てのために予算を投入することには反対意見もあり、効果が出るまでに6~7年かかったそうです。今、国の少子化対策のための財源は明確にされていません。今後3年間だけでなく長期的展望が必要となる政策。政権交代するごとに制度や支援がストップするようなことにならないよう、気をつけていただきたいと思います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)が放送中。※『anan』2023年8月2日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年07月28日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。 今回のテーマは「マイナトラブル」です。いったん立ち止まり、根本的に見直す勇気を持って。マイナンバーカードにまつわるトラブルが相次いで起きました。給付金などを受け取る公金受取口座に別人のものが登録されていた。住民票の写しを請求したら別人の証明書が発行された。マイナ保険証で他人の保険記録が見られるようになっていたなど、これらは登録時に人の手で行っているために起きたミスで、デジタル以前の問題です。発注の仕組みやオペレーション、誰がどこまで責任を負うのかというガバナンスのあり方が、日本のデジタル化を阻んでいるということを実感します。僕自身、自分の納税者番号と他人の銀行口座が紐付けられていたというトラブルに遭いました。確定申告の還付金がいつまでも入らず、税務署に問い合わせて問題が発覚。申告しなければ、登録ミスにも気づかれないというのも大きな問題です。2007年に起きた「消えた年金」問題のころから、同様の問題が繰り返し起きています。年金に関しては、その後「日本年金機構」を作り、管理を徹底しました。各役所も実際問題、現状の窓口業務だけで手一杯です。民間から人材を導入するなど抜本的な対処をしなければ、改善は難しいのではないかと思います。マイナンバーカードのシステムを使い、デジタルを活用し、さまざまな作業コストを下げ効率よく行うことには大賛成です。しかし、それを実現するには現場が追いついていないということを直視すべきでしょう。マイナンバー制度では、税金、保険証、免許証など幅広い国民情報を紐付けようとしています。諸外国での国民IDの紐付けに関する野村総研の調査によると、IDの利用範囲が広いのはアメリカやシンガポール、デンマークなど。しかし、以前アメリカでは詐欺により年間5兆円ほどの国民資産が奪われ、シンガポールでは2018年に150万人分の医療情報が盗まれました。一方フランスやドイツ、カナダはリスクを考え、IDの利用は限定的にしています。日本はサイバー攻撃の標的にもなっているので、安全保障の意味からもマイナンバーの運用には慎重になるべきです。システムを強固にするために1年かけて再点検するというような英断も必要ではないでしょうか。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)が放送中。※『anan』2023年7月26日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年07月21日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「フランス年金改革反対デモ」です。日本と似て非なる年金問題と最低賃金状況。1月より、フランスで年金改革に反対するストライキや抗議デモが続いています。この抗議運動は、年金支給開始の年齢を62歳から64歳に引き上げる改革法案が出されてから広がり、3月20日に強行採択された直後には、フランス全土で約110万人がデモに参加しました。日本では、警察官との衝突やパリ市内にあふれる大量のゴミなどの様子が報道されましたが、僕が現地で実際に見たのは、ほとんどが平和的な抗議運動でした。フランスも日本と同様に、高齢化により社会保障費が増大しています。2006年以降、貿易収支は赤字が続いており、稼ぐ力が弱まっています。財政が赤字に転じてしまうのを避けるための対策として、マクロン政権はここ数年、年金改革案を掲げていました。賃金が上がらず生活が苦しいというと、日本と同じ状況に見えますが、全く異なるのは、フランスでは物価変動に合わせて賃金を引き上げる制度があることです。ただ、同じ比率で上がっても、苦しい状態は続きます。さらなる賃上げを政府が決めることができる仕組みがあるので、その権限を使って賃金を上げてほしいと訴えています。それでも、フランスは昨年だけでも最低賃金を3回引き上げており、今年の1月にも引き上げて現在の最低賃金は時給で約1660円。1か月間フルタイムで働けば1709.28ユーロ(約25万円)です。フランスの労働組合(フランス労働総同盟CGT)は、1か月2000ユーロ(約29万円)への引き上げを要求しています。こうしてみると日本がいかに安く働かされているかがよくわかります。日本は社会保障費が上がり、年金受給開始は65歳。物価が高騰しても賃金は変わらず、実質下がり続けています。フランスでは年金受給年齢引き上げについて、お金だけの問題ではなく、豊かに過ごす第二の人生を奪わないでほしいと訴えていました。フランスの労働組合の結成率は日本よりも低く、CGTが中心になり、組合員以外の若者や高齢者、抗議に賛同する人たちが大勢デモに参加していました。「私の権利のために闘っているんです」という言葉がとても印象に残りました。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)が放送中。※『anan』2023年5月24日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年05月20日株式会社すばる舎(本社:東京都豊島区 、代表取締役社長:徳留慶太郎)は、5月10日(水)~5月24日(水)の期間に東京・札幌・大阪・福岡で「神田裕子先生出版記念・カサンドラゆるゆるお茶会」を、カサンドラ・ラボ主催のオンラインサロン『つばらつばら』様と共催いたします。書籍詳細ページ : 発達障害とグレーゾーン、そのパートナーや家族、同僚等のカサンドラ症候群を支援する団体「カサンドラ・ラボ」を主宰する神田裕子先生が、株式会社すばる舎にて『パートナーが発達障害かも?と思ったら読む本』を4月22日に刊行したのを記念し、著者の神田先生を交えた「ゆるゆるお茶会」を東京・札幌・大阪・福岡の4都市で開催いたします。詳細ページ : 開催場所・日時◆東京開催日時:2023年5月10日(水) 19:00〜21:00会場:アフタヌーンティー・ティールーム丸の内新丸ビル住所:東京都千代田区丸の内1-5-1新丸の内ビルディング 4階申し込み詳細: ◆札幌開催日時:2023年5月13日(土) 10:00〜12:00会場:CAFÉ YOSHIMI住所:北海道札幌市中央区北2条西4-1 赤れんがテラス B1F申し込み詳細: ◆大阪開催日時:2023年5月21日(日) 10:00〜12:00会場:カフェラ 大丸梅田店住所:大阪府大阪市北区梅田3-1-1大丸梅田店4F申し込み詳細: ◆福岡開催日時:2023年5月24日(水) 14:00〜16:00会場:オンザデッキバーラウンジ住所:福岡県福岡県福岡市博多区博多駅南1丁目9-18 ウィズザスタイルフクオカ 1F申し込み詳細: 本来はお茶会(カサラボカフェ)への参加は会員限定です。会員以外の方は初回1000円の会費を頂戴しますが、今回は無料!(お茶代等の実費のみ負担)そして‥なんと!本を持参の方には裕子先生のサインとプチ相談がついてきます。●2023年4月24日発売!Amazonで予約できます♪ ●期間限定で一部無料公開が始まりました! ゆるゆるお茶会では、次のような方々の参加をお待ちしています!□パートナーと会話が噛み合わない□なぜここでブチ切れるのか、わけが分からない□忘れ物が多い□ケンカになるとフリーズする□空気が読めない□かまってちゃんになる□ある日を境に態度が豹変した□こだわりが強い□ルーティンを崩されると嫌がる□ドタキャンが多い、またはドタキャンされるのを極度に嫌がるなど。対象は、恋人や夫婦、同僚どなたでもけっこうです。発達障害のグレーゾーンかもしれない‥何となくこの人って付き合うのが難しいと感じる‥私が発達障害かもしれない?と悩んでいたら、まずは裕子先生の本を読んでみてください。そして、直接会っていろいろ聞いてみたい!と思ったら‥ぜひ、お越しくださいね。裕子先生のプロフィールは カサンドラ・ラボのブログは 「つばらつばら」のメンバーがお待ちしています♪ 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年04月28日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「放送法の解釈問題」です。視聴者も監視して自由な報道を守っていこう。2015年に行われた、放送法第4条の「政治的公平」の解釈変更。その背景に政府の介入があったのではないかということが明らかになる総務省の行政文書が、3月、国会で立憲民主党の小西洋之議員により提示されました。放送法では、放送事業者が番組を放送、編集するにあたり「公安及び善良な風俗を害しない」「政治的に公平である」「報道は事実をまげないでする」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにする」ことが定められています。「政治的公平」に関しては、放送事業者の放送する番組全体で判断するということでしたが、’15年の参院総務委員会で当時の高市早苗総務相が、「一つの番組でも判断できる」という新解釈を示し、’16年には、公平さに欠けると判断された場合には電波停止もありうると表明しました。当時の安倍政権は勢いがあり、安保法制や特定秘密保護法、森友問題、憲法の解釈変更など、強権的に物事を進めており、反対勢力に攻撃していくような空気感がありました。今回、国会で公開された総務省の文書には、放送法の運用に関して政権側から解釈の変更を求めており、その仲介を促すような、当時の礒崎陽輔首相補佐官と高市総務相とのやりとりが残されていました。私たちのあずかり知らないところで、政権側が放送事業者に対して圧力を加えたのではないか、それを放送局も呑んでしまったのではないかというのが大きな問題になっています。それが本当ならば徹底的に抗議をすべきです。放送局側もたとえ圧力があったとしても、それに屈して番組をやめたり、論調を変える必要はそもそもないのではないでしょうか。ただ、制作者側からいうと、一つの番組で出演者全員が同意見というのは不健全だと思います。賛成も反対も多角的な意見を交わさなければ議論は深まりません。異なるそれぞれの立場から検証することが、メディアの役割なのではないかと思います。視聴者の皆さんには、メディアをしっかり監視し、誠実に報道している番組は応援していただけたら、メディアも頑張れると思います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)が放送中。※『anan』2023年4月26日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年04月21日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「統一地方選挙」です。自分の暮らしに直結する選挙。ぜひ見極めて。統一地方選挙とは、全国的に期日を統一して行われる選挙で、4年に一度行われます。あちこちでバラバラに好きなタイミングで行われると、コストもかさみますし、報道も追いつきません。総務省の管轄のもと、選挙事務や費用の節減を目的に法律で定められ、昭和22年4月に第1回の全地方公共団体で一斉に行われました。投票日は前後半に分かれており、今年の第20回統一地方選挙は、道府県や政令指定都市の議会の議員および首長の選挙が4月9日。それ以外の市と東京23区、町や村の議会の議員や首長の選挙は4月23日になります。国政選挙は、あと2年はない予定なので、岸田政権に対して国民が意思を伝える機会がなかなかありません。そんななか、注文をつけるとしたら、この統一地方選挙は非常に大きな要になります。もちろん、国政と違い統一地方選挙で与党が大敗したとしても、自民党内の権力争いに変化が起きる程度で、政権交代になるなど国の政治設計そのものが変わるわけではありません。しかし、物価高や少子化、社会保障費の増大、省エネ対策や教育のあり方など、暮らしの中で改善していかなければいけない問題はたくさんあります。統一地方選挙は、それらの問題に対処し、自分たちの暮らしを直接変えていく選挙です。ですから、積極的に関心を持っていただきたいと思います。いま、僕は統一地方選挙の候補者を取材していますが、「県内に母親の難病を治療できる病院がなく、隣県まで通っていた体験をもとに、自治体間で医療情報の連携が取れる仕組みを作りたい」と、県政にチャレンジする人や、「デジタル化の遅れを取り戻し、住みやすい町作りをしたい」と、市長選に立候補する人など様々です。自分の住む地域だけでなく、ほかの地域の困りごとを知ると、その知恵を生かし、問題解決を望めるかもしれません。危機感を持って、「これをやりたい」「ここを変えたい」と主張する候補者を選ぶといいと思います。逆に具体的な政策のない候補者は、前例踏襲型で現在と変わらない暮らしを続けることになりますから、不満を感じている人は見極めて投票してほしいと思います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~)が放送中。※『anan』2023年4月12日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年04月07日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ロシアのウクライナ侵攻から1年」です。誰が主導権を握り終結に向けて働きかけるのか。2月末で、ロシアによるウクライナ侵攻が始まって1年が経過しましたが、先行きは全く見通せない状況です。習近平国家主席は2月末に中国の立場を表明、和平案を示しました。中国は戦後の復興に関して建設的な役割を果たす用意があると提言。バイデン大統領はロシア寄りと非難しましたが、ゼレンスキー大統領は、和平に関心を持っていることを歓迎しつつも「ロシアのウクライナ領からの完全撤退を条件に盛り込まないと意味がない」「提案とは考えていない」と反応しました。ウクライナ情勢をめぐっては、今後、主導権がどこに移っていくのかが注目されています。国連総会の決議では、ロシアへの抗議に賛同する国が、1年前とあまり変わらず141か国。その他の国は基本的には親ロシアです。世界全体で見ると、西側のアライアンスは一部にすぎません。これまでも、ロシアと中国に拒否権を発動されて、ロシアへの制裁の足並みは揃わず。これからますます中国主導の国連になっていくことは想像に難くないでしょう。日本は世界のどのアライアンスに入るかが問われますが、中国は日本にとって最大の貿易相手国。一定の経済的結びつきを保ちながら、安保3文書で示したような反撃能力を保持し、伍していくことになりそうです。2月20日、バイデン大統領は絶妙なタイミングでキーウを電撃訪問。「ウクライナを攻撃するということは、アメリカを攻撃することなのだ」というメッセージを強く打ち出しました。翻って日本はロシアに対してもウクライナに対しても、目立った働きかけをしていません。唯一の被爆国として、核兵器の使用は絶対に避けるべきと声を大きくして、世界をリードしているわけでもありません。停戦に向け、人道支援国家としてもっと打ち出せることがあるのではないかと思います。昨年に比べ、ロシア・ウクライナに関するニュースは減少しています。日本にもウクライナから避難してきた方が2000人以上いらっしゃいます。長期滞在により、子供たちの教育の問題も起きています。人々の関心が薄まれば、報道はさらに減ります。ぜひ、関心を持ち続けてほしいと思います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~)が放送中。※『anan』2023年4月5日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年03月31日シンガーソング・ライターで映画音楽作曲家の世武裕子(せぶひろこ)が、4月26日(水)に“日本語を大切に歌う”ピアノ弾き語りアルバム『あなたの生きている世界1&2』をリリースする。リリースに伴い、東名阪のピアノ弾き語りライブを発表、オフィシャル先行がスタートした。世武裕子 チケット情報ピアニストとして圧倒的な表現力を持ち、Mr.childrenや森山直太朗のツアーサポートに参加するなど、多くのミュージシャンから信頼を得ると同時に、映画音楽作曲家として鈴木亮平主演・宮沢氷魚共演でも話題の映画『エゴイスト』(松永大司監督)の音楽をはじめ、数々の映画やドラマの劇伴、テーマソングを手掛け、日本の映画界に欠かせない存在となっている彼女。ニューアルバムには、2022年デジタルリリースされた『あなたの生きている世界1』と翌2023年デジタルリリースされた『あなたの生きている世界2』が収められ、アルバム作品としては2018年以来、実に5年ぶりのCDリリースとなる。“日本語を大切に歌う”ことをテーマに世武がセレクトしたセルフカバーを含む全11曲を収録。公私ともにメンバーと交流のあるサカナクションの『グッドバイ』や、自身も在住経験のある富士吉田市出身アーティスト・志村正彦(フジファブリック)作詞作曲の『若者のすべて』、森山直太朗『人間の森』、チームを愛するあまり広島に移住までしてしまった「広島東洋カープ」の応援歌『それ行けカープ』、人気アニメの楽曲『プラチナ』のほか、歌詞とアレンジが新たに生まれ変わった、10年前発表の自身の楽曲『みらいのこども2023』などが収録されている。またリリースライブは東名阪の3公演。いずれも「生ピアノ」での弾き語りを聴くことができる会場だ。多くのミュージシャンや映画関係者をピアノと歌で惹きつける「圧倒的な表現力」を生で感じることができるこの機会、ぜひ、会場で体験してほしい。チケットは3月26日(日)23:59までオフィシャル先行を受付中。『あなたの生きている世界』リリースツアー【愛知公演】▼6月7日(水) TOKUZO【大阪公演】▼7月11日(火) 心斎橋JANUS【東京公演】▼7月20日(木) めぐろパーシモンホール 小ホール
2023年03月17日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「大川小学校の教訓」です。東日本大震災から12年が経ちます。宮城県石巻市立大川小学校では、74人の児童と10人の教職員が津波の被害に遭い亡くなりました。12年前の3月11日に地震が起き、津波が来るからと授業は中断され、児童は校庭に集められました。子供たちは、いつも遊んでいる裏山に逃げようと先生に提案しましたが、指示が遅れておよそ50分間校庭にとどまり、あろうことか川のある方向に逃げてしまったために多くの児童が犠牲になってしまいました。なぜ指示が遅れたのか。裏山に逃げなかったのか。現場に行きご遺族のお話を伺い、実際に登らせていただいたのですが、学校のすぐ裏にあり、危険な場所でもないので、全速力で走ればすぐに逃げられたはずと思うと無念でなりません。学校ではその理由に関して回答しませんでした。犠牲になった児童のうち23人の保護者は、責任の所在や原因を明らかにし、二度と子供たちの命が失われることがないよう対策を取ってもらうために、市と県に対して2014年に訴訟を起こしました。裁判は長く続き、’19年10月に、市と県に約14億3600万円の支払いを命じる仙台高裁の控訴審判決が確定しました。学校を運営する行政の、防災に対する事前の不備を指摘し、原告の訴えが全面的に認められた形です。学校の教員には、住民よりもはるかに高いレベルの防災知識や経験が求められるということです。公開中のドキュメンタリー映画『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』では、真相を究明しようとした遺族の姿が見られます。小学校の近くには川が流れており、津波が川を遡ってきます。そして堤防が決壊して、被害が広がりました。のちに文科省の調査で、津波の浸水が予測されていた地域に位置する約4割の学校が、津波に対する避難訓練を実施していなかったことがわかりました。東日本大震災を機に、災害時に子供たちをどのようにして保護者に引き渡すかの防災マニュアルが作られました。大川小学校の亡くなった児童の親御さんや生き残った子供たちは、自らが語り部となり、事故の教訓を伝えようという取り組みが続けられています。この悲劇を忘れてはならないと思います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~)が放送中。※『anan』2023年3月15日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年03月11日安藤裕子がデビュー20 周年の記念日 である7月 9 日(日)に東京・LINE CUBE SHIBUYA でワンマンライブ 「安藤裕子 -20th anniversary- 我々 色ノ街」を開催する。安藤裕子は2003年「サリー」でデビュー。月桂冠のTVCMに「のうぜんかつら(リプライズ)」が起用され大きな話題を呼び、その後もTVアニメ『進撃の巨人』The Final Seasonのエンディングテーマ曲として「衝撃」が起用されるなど、物語に対する的確な心情描写が高く評価され、多くの映画、ドラマの主題歌も手がけている。今回の20周年記念ライブではデビューから現在までの楽曲が披露される。今回のライブでは、学割制度が導入され、当日入場時に学生証を提示すると2500円キャッシュバックされる。また、小学生以下を対象とした親子席も導入。そして当日来場者プレゼントとしてスライド缶ケースをプレゼント、安藤裕子ファンクラブ会員限定先行で当選された方にはオリジナルデザインチケットが送付されるといった特典が用意されている。オフィシャルファンクラブ「安藤裕子オフィシャルファンクラブ」では本日2月20日(月)19:00から本公演のチケット最速先行予約申し込みを受付。熱量の高い歌にのせる姿は聴き手の心を強く揺さぶり、オーディエンスに感情の渦を巻き起こす唯一無二の彼女のライブを是非チェックしてほしい。開催に向けて安藤裕子からコメントを発表。■安藤裕子コメントこんにちは。安藤裕子です。こんなご挨拶を何度書いたんでしょうか?今回のお知らせは私がこんなお知らせを20年ほどやっているという内容でおおよそハズレはないと思います。2003年7月9日私はデビュー致しました。なんだかずっとレコーディングしていてその日の記憶はありません。デビュー10周年もやはり曲作りの日々でその日を忘れていました。でも、20周年を前に私はいやにセンチメンタルです。ああ、20年。そんな風に思うんです。10年前もハローとグッバイを掲げて舞台に立った嘗ての渋谷公会堂。LINE CUBE。20年の節目に立てるのを幸せに思います。ありがとうね。私はずっと穏やかに変容を遂げていて、だからこそ出会いも別れもある。ずっと同じままではいられない。あの日私の瞳もきっと気付いていたと思う。それでも変わりゆく時代を、この日々を愛しています。新しく出会った人々に、そして古くからの友人に感謝しています。みんなは元気かな?太ったかな?痩せたかな?逢いたいね。いつかきっと、会えますように。お元気で。安藤裕子■ライブ情報タイトル:安藤裕子 -20th anniversary- 我々色ノ街日時:2023年7月9日(日)開場16:00開演17:00場所:LINE CUBE SHIBUYAチケット料金:前売り:全席指定 8,500円(税込) 、親子席:(大人)8,500円(税込)/(子供)3,500円(税込)親子席:2階席前方の着席指定席(座ったままご観覧いただくお席)となります。 購入枚数制限 4枚まで。購入枚数制限 4枚の、大人と子供の組み合わせは自由。【大人2枚/子供2枚】【大人3枚/子供1枚】【大人1枚/子供3枚】など 。親子席(子供)は、3歳〜12歳までのお子様が対象となります。親子席は、大人のみ、または子供のみではご購入いただけません。公演当日、お子様の年齢がわかる身分証(保険証など)を確認させていただく場合がございます。学割:【学生割引キャンペーン】公演当日、学生証のご提示で、2,500円をキャッシュバックいたします。学割ご希望の方も、全席指定のチケットをご購入ください。安藤裕子オフィシャルファンクラブ先行受付期間:2023年2月20日(月)19:00〜2023年3月5日(日)23:59申し込みURL: プレイガイド先行受付期間:2023年3月13日(水)12:00〜3月26日(日)23:59一般チケット受付期間:2023年4月1日(土)10:00〜公演に関する問い合わせ先:DISK GARAGE問い合わせフォーム 050-5533-0888(平日12:00~15:00)■リリース情報アルバム「Kongtong Recordings」発売中【読み】コントンレコーディングス【品番】PCCA.6075【価格】3,300円(税込) ■安藤裕子プロフィール1977年生まれ。シンガーソングライター。2003年ミニアルバム「サリー」でデビュー。2005年、月桂冠のTVCMに「のうぜんかつら(リプライズ)」が起用され、大きな話題となる。類い稀なソングライティング能力を持ち、独特の感性で選ばれた言葉たちを、囁くように、叫ぶように、熱量の高い歌にのせる姿は聴き手の心を強く揺さぶり、オーディエンスに感情の渦を巻き起こす。物語に対する的確な心情描写が高く評価され、多くの映画、ドラマの主題歌も手がけている。CDジャケット、グッズのデザインや、メイク、スタイリングまでを全て自身でこなし、時にはミュージックビデオの監督まで手がける多彩さも注目を集め、2014年には、大泉洋主演 映画「ぶどうのなみだ」でヒロイン役に抜擢され、デビュー後初めての本格的演技にもチャレンジした。2020年TVアニメ『進撃の巨人』The Final Seasonのエンディングテーマ曲として「衝撃」が決定し、今もなお国内外にて大きな反響となっている。11月には11枚目のオリジナルアルバム「Kongtong Recordings」をリリース。2023年7月9日(日)にデビュー20周年記念のワンマンライブ「安藤裕子 -20th anniversary- 我々色ノ街」を開催。■公式サイト▼安藤裕子オフィシャルサイト ▼安藤裕子オフィシャルTwitter ▼安藤裕子オフィシャルInstagram ▼安藤裕子オフィシャルYouTubeチャンネル 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年02月20日2023年2月9日朝、任天堂株式会社が定期的に新情報を公開している動画『Nintendo Direct(ニンテンドーダイレクト)』が配信。さまざまな新情報が解禁される中で、根強い人気を誇る『レイトンシリーズ』の新作が発表されました。PVとともに発表されたのは、ゲーム機『Nintendo Switch』向けソフトとして発売予定の『レイトン教授と蒸気の新世界』 。発売日は明かされていませんが、レイトン教授を主人公とした完全新作とのことです。2007年にゲーム機『ニンテンドーDS』用ソフトとして発売されて以来、魅力的なキャラクターや謎解きゲームが高い認識を博す、『レイトンシリーズ』。突然の新作発表に多くの人から喜ぶ声が上がる中、ある点に対し、心配する声が続出しています。それは、レイトン教授の相棒であるルークの声。これまでは俳優の堀北真希さんが演じていましたが、堀北さんは2017年をもって芸能界を引退しました。同シリーズを開発する株式会社レベルファイブは、新作について「レイトンとルークの新たな冒険が始まる」と述べています。新作を発表を受け、ファンからは堀北さんの復帰を望む声や、声優の交代の不安視する声が上がりました。・堀北さんの演じるルークは本当に素晴らしかった。引退が惜しまれる…。・完全に堀北さんの声のイメージが定着しているから、声優が交代するのは悲しいなあ。・どうやってルークを登場させるんだろう?大人に成長した姿なら、声が変わっても違和感がないかも。なお、主人公のレイトン教授は、俳優の大泉洋さんが声を演じています。『レイトンシリーズ』がこんなにも多くのファンに愛されるようになったのは、ゲームの出来がいいのはもちろんのこと、大泉さんと堀北さんの力でもあることでしょう。[文・構成/grape編集部]
2023年02月09日《堀北真希続投でお願いします!!》《ルークの声は堀北真希しかありえんのよ》《堀北真希の声好きだからまた聞きたいんだよな》2月9日の午前中、ツイッターで「堀北真希」がトレンド入り。人気ゲームであるレイトン教授シリーズの完全新作が発売されることが発表されたのだが、過去作品では、主要キャラクター・ルークの声優を堀北真希さん(34)が担当。堀北さんは’17年2月で芸能界を引退していることから、「ルークの声優はどうなるのか」というゲームファンの声が相次いだのだ。トレンド入りを受けて、“堀北真希復帰待望論”がゲームファン以外にも波及。次のような投稿も見られた。《堀北真希復帰してほしい》《声だけなら復帰してもよさそうなもんなのにな堀北真希》《堀北真希さんこのために芸能界復帰してくれ》《真希ちゃん絶対復帰しないと分かっていていながらもつい夢見てしまう……》堀北さんが引退してからもうすぐ満6年になるが、これまでもたびたび復帰を期待する声が上がってきた。「堀北さんの妹でモデルのNANAMIさんが注目を集めた際には姉妹共演を期待する声が上がりました。また、堀北さんがヒロインを演じた『野ブタ。をプロデュース』(’05年・日本テレビ系)が’20年に再放送された際にも“復帰してほしい”という声が多く上がっていましたね」(芸能関係者)’15年に電撃結婚した山本耕史(46)を妻として支えながら、現在は子育て中の堀北さん。復帰の可能性は低そうだが、果たして――。
2023年02月09日カンテレ・フジテレビ系春の月10ドラマは、柚月裕子の小説を原作とした痛快エンターテインメント「合理的にあり得ない ~探偵・上水流涼子の解明~」を放送。天海祐希が主演し、松下洸平と初タッグを組む。本作は、天海さん演じる頭脳明晰&変装の達人という女探偵・上水流涼子が、松下さん演じるIQ140の相棒・貴山伸彦とタッグを組み、様々な依頼を超大胆な方法で解決、あり得ない敵をあり得ない手段で葬っていくドラマ。「孤狼の血」で日本推理作家協会賞を受賞し、エンタメ界でいまもっとも注目される作家・柚月さんの「合理的にあり得ない 上水流涼子の解明」(講談社文庫)を、痛快にドラマチックに、ときにコミカルに映像化する。女探偵・上水流は、凄腕の弁護士として多くの事件を担当していたが、ある傷害事件をきっかけに弁護士資格を剥奪され、「探偵事務所 上水流エージェンシー」を立ち上げ、探偵業へと転身を遂げた。殺しと傷害以外の依頼は全て受けるスタンスだが、依頼料だけで200万円という破格のギャラ。その分、法律や常識を無視し、超大胆に事件を解決していく。一方の相棒・貴山は、偶然の出会いから「探偵事務所 上水流エージェンシー」で働くことに。多くの分野に精通しており、一見完璧にも見えるが、女性が苦手で上手く話せないという弱点も。2人が立ち向かうのは、理不尽な悪党たち。痛快に解決へと導いていくと同時に、それぞれが抱える過去の確執にも立ち向かうことに。貴山は家族との確執を、そして弁護士資格を剥奪されたきっかけである傷害事件の記憶が全くない上水流は、その真相を追い続ける。コメント●天海祐希原作がすごく面白かったので、ありがたい役だなと思いましたし、お相手が松下さんと伺ったので、それもすごく楽しみで光栄なことだと思いました。(松下さんは)人柄も役者としての力も、ものすごくポテンシャルが高いですし、パッと演じた私の芝居にもパパッと乗ってくれるので、演じていてとても楽しいです。どこか人を信用できないけれど、人を信じたいと思う2人が、結果として人を助けていくことになるという展開がすごく面白いと思います。淡々とした2人の歩調が合っていくというところを楽しみに見て欲しいです。●松下洸平探偵・上水流涼子という役を天海さんがやるのだと思うと、もう天海さんにしか見えなくて、そのバディとしてご一緒させていただけるのは、とても光栄ですし、嬉しかったです。シリアスなシーンも多い中で、ふざけたシーンでは天海さんが真剣にふざけてくださるので、僕は正直、笑いをこらえるのにいつも必死です。(貴山は)かなりクセが強いというか、つかみどころのない性格ですが、どこか人として隠している部分がある、人間味のある貴山をストーリーが進むごとに見せていきたいと思います。●原作者・柚月裕子この作品は自分が書いた小説のなかで、一番、楽しさを意識して書いたものです。ドラマはその上を行くとびっきりのエンターテインメントで、小説の世界がさらに大きくなっています。登場人物たちの背景もより深く作られていて「このあとどうなるの?」とドキドキハラハラしました。早く、動く涼子や貴山が観たくてたまりません。愉快で痛快で豪快。そして、胸がジーンとするような感動もあり、とても贅沢なドラマだと思います。ご覧になった方も、胸がスカッとすることに間違いはありません!私も登場人物たちの活躍を、ひとりのファンとして楽しませていただきます。「合理的にあり得ない ~探偵・上水流涼子の解明~」は4月、毎週月曜日22時~カンテレ・フジテレビ系にて放送。(cinemacafe.net)
2023年02月09日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「イラン“ヒジャブ”抗議デモ」です。ヒジャブを発端に広がる反政府運動。深刻な人権問題。昨年9月イランにて、ヒジャブ(スカーフ)のかぶり方が不適切と、22歳のクルド人女性マフサ・アミニさんが風紀警察に拘束され、3日後に死亡しました。これに対する抗議デモが拡大し、世界中のセレブリティが女性の自由と人権をSNSで訴えました。イランでは、9歳以上の女性は、国籍や宗教を問わず公共の場では、髪の毛を覆うヒジャブと体の線を隠す服の着用が法律で義務付けられています。事件のあと、イランの抗議デモは国内各地で膨れ上がり、当局はデモ参加者のうち、治安部隊に危害を与えた2人の男性を死刑に処し、2人目は公開処刑を行いました。昨年12月半ばの段階で約1万8000人が拘束され、治安部隊との衝突などにより約490人が亡くなっています。カタールで開かれたサッカーW杯では、イランの選手やサポーターがデモへの連帯を示し、国歌を歌いませんでした。国内でも、プロサッカー選手のアミル・ナスル・アザダニさんがデモに参加したことで拘束され、長期の懲役刑にあたる罪に問われています。イランの国民的俳優のタラネ・アリドゥスティさんは、抗議活動に加わった人を死刑にすることに異を唱え、反革命と暴動を支援する虚偽の情報を拡散した罪で、12月半ばに警察に逮捕されました(※1月4日に釈放)。10月にイスラムの女性に取材したところ、イスラム教の経典コーランでは、女性が男性を誘惑するようなきっかけを作ることが禁じられていますが、ヒジャブのかぶり方まで制約されているわけではないと話していました。つまりこれはとても政治的な意味合いの強い問題です。独裁的な政治家たちが国の統治を強めるために、ヒジャブに言いがかりをつけているのであり、イスラムの教えによるものではありません。民主的な運動で国家体制が崩れることを警戒する統治者が、締め付けを図っているのです。イスラム教そのものに対して、世界で誤解や偏見を生みかねないことを、その方は懸念されていました。イランの男性中心の政治の権力構造が、ヒジャブ着用の問題に表れているということに目を向けてほしいと思います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~)が放送中。※『anan』2023年2月8日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年02月04日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」の拡大版をお届け。堀潤さんがニュースを解説、五月女ケイ子さんが等身大の視点から読み砕きます。Q. 物価が上がる一方、賃金は上がらない。何が起こっているの?A. 日本が乗り遅れてしまった世界の出口戦略。スタグフレーションに陥っています。今、日本は物価高、燃料高に悩まされています。物価は高騰しているのに、先進国のなかでも日本だけ賃金が上がらず、さらに円はどんどん安くなっています。アメリカやヨーロッパに比べると、実感値として、2~3倍、モノの値段が開いている状況です。コロナ禍でなんとか持ち堪えていた日本経済もいよいよコロナ対策の補助金対応が弱くなり、2022年7‐9月期のGDPは4期ぶりにマイナス成長になりました。さらに社会保障費が増額され、2023年秋からはインボイス制度の導入も始まり、締め付けが厳しくなるので、税金の負担が多くなり、将来の展望が描きづらいというのが現状です。稼ぐ力がないので、金融緩和を終わらせることができない日本。2008年のリーマン・ショック以降、金利を低く抑え、貨幣の発行量を増やして、人々がお金を借りやすい状況にして、不景気を支えてきました。世界各国がこのような金融緩和政策をとってきたのですが、これをやり続けると貨幣の価値が暴落し、「多額のお金を出してもモノが買えない」というインフレが進んでしまいます。ある程度稼ぐ力がついてきたので、そろそろ終わらせていいだろうと、’22年の3月にアメリカが出口戦略(金融緩和の終了)を導入。ヨーロッパもそれに続きました。ところが日本だけ追随することができなかったのです。なぜなら、賃金が上がっていないから。この状態のまま金利を上げたら、途端にローンが支払えないなどの事態に陥り、日本経済は混乱します。また、日本企業の衰退も影響しています。自動車産業はガソリン車からEV車に取って代わろうとしていますし、世界に誇っていた大手家電メーカーも他国に追い抜かれ、半導体産業は台湾や中国、韓国に持っていかれ、日本はこれから何で食べていけばいいのか、先ゆきが見えません。日本の成長が見られず、円が買われなくなった。世界経済が不穏になったときには、リスク回避として安定した円が買われていたのですが、日本が成長しない国となれば円を持っていても仕方がないので、投資家たちは皆、手放すようになります。するとますます円の価値は下がってしまいます。これまでは、モノの値段が下がる企業の収益が下がる賃金が下がる(売れないので)さらにモノの値段を下げる、といったデフレスパイラルが起きていました。それを改善しようと、いまモノの値段を上げています。しかし、賃金は上がらないままなので、スタグフレーションという最も警戒しなければならない局面にさらされてしまいました。暮らしを立て直すには、投資、あるいは副業。新しく稼ぐ道を!賃金を上げるためには、需要、仕事を作らなければいけません。これまでは、公共事業を増やし、仕事を作って金回りをよくしました。しかし、オリンピックを招致しても、それはうまくいきませんでした。岸田政権では、デジタル田園都市国家構想といい、地方のデジタル化を進めて、一次産業や観光に付加価値をつけようとしています。ただ、それがどれほどの恩恵をもたらすのかはまだ見えていません。今後も賃金が上がる見込みはなかなかないので、国は個人に向けて、NISAやiDeCoのルールを緩和方向へ。限られた資産をうまく運用して将来に備えてほしいと呼びかけています。また、副業解禁の波は2023年以降も広がるでしょう。自分の専門的な技術を持って、業を起こしていく人たちがより増えていくと思います。金融機関も新しいベンチャー企業に融資しようという姿勢になっているので、アイデアと意欲がある人は、すぐに起業したほうがいいでしょう。働きながら、学び直しをして新たな技術を身につける、リスキリングの支援も国では始めています。AmazonやTwitter社での大量解雇がニュースになりましたが、それらの会社で技術を身につけた優秀な人材はほかの分野で新たな仕事を生みます。人材の流動性があるから、アメリカは成長できているのだと思います。日本の企業も学びと働く環境をセットに、新たなことを生み出そうとする人を優遇していこうというふうに変わっていくと思います。五月女解読員のひと言リスキリング。仕事を軸に持ちつつなら、「生まれ変わる」ほど大ごとじゃなく、自分をバージョンアップできる感じがしていいですね。私もイラストを軸に、職人に弟子入りしたり、エクセルで、事務処理も自分でできるようになりたいです。ほり・じゅんジャーナリスト。市民投稿型ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN Journalism」主宰。『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX)、『ABEMA Prime』(ABEMA)などに出演中。監督作に『わたしは分断を許さない』など。そおとめ・けいこイラストレーター。オンラインストア「五月女百貨店」では、面白楽しいオリジナルグッズを多数、販売中。LINEスタンプも各種展開。近著に細川徹との共著『桃太郎、エステヘ行く』(東京ニュース通信社)がある。※『anan』2022年12月28日‐2023年1月4日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2022年12月30日タレントのNANAMIさんが、2022年12月12日に自身のInstagramを更新。ロックバンド『SPiCYSOL』のメンバーである、AKUNさんと結婚したことを発表しました。共に過ごしていく中で彼の優しさや愛情に救われこれからの人生を共に過ごしたいと思いました。これから共に支え合い、優しさが溢れる、笑顔が絶えない明るい家庭を築いていきたいと思います。これまで以上にお仕事も邁進して参りますので今後ともよろしくお願い致します。nanami023ーより引用※写真は複数枚あります。左右にスライドしてご覧ください。 この投稿をInstagramで見る NANAMI(@nanami023)がシェアした投稿 NANAMIさんは、元俳優の堀北真希さんの実の妹。タレントとして活躍するNANAMIさんの結婚発表を、多くのファンが祝福しています。・おめでとうございます!美男美女カップルの誕生ですね…!・素敵な写真から、幸せなことが伝わってくる!・お幸せに過ごしてください!NANAMIさん、ご結婚おめでとうございます![文・構成/grape編集部]
2022年12月12日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「スピーキングテスト」です。受験科目に加えることが、英語力向上につながる?都立高校の入試の合否判定に、来年度から英語のスピーキングテスト導入の準備が進められていますが、受験生や親御さんらから中止を求める声が多く上がっています。都議会でも、立憲民主党や東京維新の会から、合否判定から除外する要請を盛り込んだ条例案が出されました。入試の中学校英語スピーキングテスト(ESAT‐J)は、日本人の英語能力を上げていきたいという理由から導入されました。英語能力を示すEFEPI(英語能力指数)の世界ランキングを見ると、2021年は日本は112か国中78位。前年は100か国中55位、2011年には44か国中14位でした。経済成長につれ海外留学が増えたことなどで、英語力が上がっている他国に日本がどんどん追い抜かれている状況が露わになっています。ESAT‐Jは、英文の音読や絵に描かれたシチュエーションに対する解答、自分の意見を述べることが求められ、タブレットに録音して答えます。このテストが、英語以前に、自分の思いを言葉に表すことが得意か否か、コミュニケーション能力を問うものにならないか。吃音や障害のある子供に対して不公平にならないかという問題が指摘されています。テストを受けないという選択肢もあるのですが、受けて低い点数をつけられるよりも受けないほうが受験に有利になる可能性も。また、ベネッセが実施しますが、一事業者が選定された経緯が不透明。解答した音声はフィリピンに送られ採点されます。AからFのグレードに分けられ点数がつきますが、1点の違いでもグレードが分かれてしまうこと、採点の正当性についても問題視されています。そもそも、受験にスピーキングテストを加えることで、日本人の英語力が上がるのでしょうか。それよりも、普段から、英語に触れられる機会を増やす、海外から来る外国人との交流を頻繁にする、留学や英会話スクールへの助成を入れるなど、ほかにもより効果的な方法はあるように思います。11月27日には本テストが実施されます。東京で導入されればこれは全国に広がる可能性も大きい。改めてきちんとした議論が必要だろうと思います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2022年11月30日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2022年11月25日世武裕子のソロ作品『あなたの生きている世界1』が素晴らしい。“日本語を歌う 弾き語り集”と題されたこの作品は、椎名林檎やサカナクションといった、彼女自身がリスペクトしてやまないアーティストたちの楽曲のカバー曲を含む、弾き語り集となっている。あえてカバー集と言わない理由は、ピアノと彼女の声だけで表現された楽曲が、原曲の輪郭をきっちり描きながらも、その奥にある彼女にしか触れることのできない世界をきっちり手掴みで聴き手に伝えてくれるからだ。この時代に生きる音楽家として、やらなければいけなかったことと語るこの作品について話を聞いた。音楽は誰のものでもないという前提に立ちながら、作った人に対する最大限のリスペクトを示したい――ご自身が歌唱する作品としては、オリジナルアルバム『Raw Scaramanga』以来4年ぶりとなります。この4年間について、創作における変化や音楽に対する考え方の変化などはありましたか?音楽的な意味合いでは、映画音楽などの劇伴ばかりを作っていたので、それはそれですごく充実していて楽しくて、でも自分の人生観とそうした仕事の流れみたいなものがどこかでズレてるなっていう感覚があったんですよね。いろんなことのちょっとしたボタンの掛け合わせなんでしょうけど、そこに気づいた4年間でした。――ズレ、ですか。劇伴音楽家のキャリアとしてはとても順調にやって来られたという実感がある一方で、ソロ音楽家としてはちょっと無理じゃない?みたいな感じで諦めた瞬間があったんですよ。音楽をやるには音楽業界にいなければならないので、そうすると「売れる・売れない」とかもそうですし、音楽業界のシステムとかに文句や愚痴を言うのは簡単じゃないですか。言っている瞬間は気持ち良かったりもするし。でも、これは私の性格なんでしょうけど、文句を言うからにはその先に変わるものを示していかないとどうしようもないって思うんですよね。で、その不毛なだけの場にいる時間が長くなって、嫌だとか怒っているっていうよりも、スッと興味が失くなっちゃったんですよ。ちょっとここから抜けたいかなって。それで劇伴の仕事を集中的にやって、もちろんこの世界も厳しくて広いんですけど、それでも私のやれることはあって、充実した仕事ができていたんです。好きなものを、それなりに自由に買えたりとか、認知度が高まったりとか。でもコロナ禍になって、そこでそれぞれの生き方に変化を余儀なくされた人がたくさんいたと思うんです。そういう現実を知った時に、あれ?ってなったというか。自分は順調にいってるからいいやっていうのはどうなんだろう?って。人として自分が歩いている道と、仕事がうまくいっていることとの差が開きすぎていると感じた――そこのズレですね。――なるほど。生きていくのに器用じゃなかったり、がんばっているのに仕事がうまくいかなかったり、周りの目や意見を気にしてなかなか自己主張ができなかったり、。そういうことが積もり積もって、生きることが苦痛になったり、鬱になったり、特に自分より若い人と接することが増えてきて、そうなんだ大変だね、頑張ってって言う感じに強烈な違和感があったんですよ。これまで必死に音楽をやってきて、もちろん自分ひとりだけでやれることなんてそんなになくて、いろんな人に助けられながらなんとかここまでやってこれた。気づけば中堅と言われるようなキャリアや年齢になって、じゃあ今、私がやれることってもっとあるはずだって思ったんですよね。そういうことの一環が、今回のソロアルバムを作ることに繋がっていきました。――カバーというのもそういう中から出てきたアイデアだったりしたんですか?最初は、フランスに移住することを考えていたんですよ。今年の春に劇伴作家のエージェントを探しにフランスに行って、結構手応えがあったんです。門前払いかもしれないなって思っていたんですけど、「君のオーケストレーションは面白いね」「声が良い」って評価してくれる反応があったりして。当たって砕けると思っていたので、うれしい誤算でした。それで日本に帰ってきて、これまでライブではカバーをやっていたので、フランスへ行く前にひとつカバーアルバムを作って、日本でやり切ってからフランスに行こうって考えたんです。最初の発端はそういう軽やかなきっかけだったんです。それで、さっきお話しした、ズレてるなっていう感覚の気づきというか、そこが腑に落ちたのって結構最近のことで。歌詞世界に向き合って、どういうことを表現していくかだけに集中して録っていく過程で、私が感じていた違和感と制作自体がシンクロしていったんですよね。――自分で生み出す音楽と人の作った音楽を表現することはまったく違う体験ですか?曲を作って表現する以外の方法では、例えばライブのやり方、音源の出し方、そういうことのすべてが音楽家の表現としてつながってくるんですよね。だからこそ、何もかもを人任せにできないっていう大変な仕事でもあるわけですけど。本来音楽って、これは人が作ったものです、これは自分の作ったものですって――権利的な話は一旦置いておいて――区別されるものではないというか、そういう世界にあるものではないと思っているんです。私はストラヴィンスキーがめちゃくちゃ好きですけど、彼の曲を弾いたりすることは、この曲を彼が作ったという尊さと何ら相反することじゃないというか。彼のものであることとみんなのものであることが矛盾しないというか。だから人の曲であっても自分の曲であっても、それを表現することに違いはないし、だからこの作品をカバーと呼ぶことをやめたんです。これはどうしても今伝えるべき言葉だと私が感じたものをやる、それだけですね。――世武さんは言葉に対してものすごく自覚的に音楽活動を続けて来られたと思うのですが、改めて今回の作品集に収録された曲を通して感じた音楽と言葉の関係というのは何でしょうか?人それぞれかもしれないんですけど、何かを理解しようと思ったら、私は言葉で表現されないとわからないって思っているんです。それが例えば家族や友人といったごく近しい人たちであっても。でも何かを言葉にすることってすごく難しいから、そこで、「わかるわけないし、まあいっか」って割り切ってしまうのって、すごく寂しいなって感じるんですよね。本当のところはわからないかもしれないけど、わかろうとはしたい。その過程こそが大事っていうか。日本語って、例えばフランス語に比べても抜けがあるというか、だからこそいろんな意味にとれる独特の難しさや良さがあるんですよね。言ってしまえば、ぼんやりしているんです。そこに音楽が合わさることで――音楽にはメロディやリズムがありますから――聴き方によっては、歌詞だけではよくわからないけどメロディやリズムに乗ると情景が浮かぶこともあるわけですよね。あと、別にこれは日本語に限ったことではないんですけど、歌詞を書いているアーティストにはその人にしか見えないものがあったり感じたりできるものがあるっていう、ある種の諦めみたいなものも作用しているように思えるんです。要するに才能があるから曲を書いた人の世界はすごくて、こっちの世界には何もないっていう。でも、曲を書いた人の世界もそれを聴いている人の世界も同じはずなんですよ。そこに何の違いもないんですよ。だからそれを伝えるのに、私は言葉にサウンドトラックをつける、という事をもっとやりたいと思いました。実際のサントラの場合、つけている音楽によって役者さんの表情がもっともっと良く見えるんですよ。逆に言えば、素晴らしい演技を音楽がぶち壊してしまうこともできるということなんですけど。ということは、言葉に対してもそのような熱意を持ったアプローチで向き合えば、もっとあぶりだせる世界があるんじゃないか、この曲ってこういうことを歌っている曲だと思っていたけど、その奥にさらにすごい世界があったんだっていうことに気づいてほしくて。そここそが、私がカバーをする時の絶対的なルールというか。音楽は誰のものでもないという前提に立ちながら、作った人に対する最大限のリスペクトを示せるところだと思っています。何を探しているのかもわからないまま何かを探しているじゃないですか、多かれ少なかれみんな――ここからは収録されている楽曲について、1曲ずつお聞きしていきたいと思います。まずは1曲目「若者のすべて」(フジファブリック)ですが、この曲が流れる街というものを、誰もが心の中に持っているんだろうなと聴きながら思いました。世武裕子「若者のすべて」これこそ日本の歌っていう感じですよね。志村(正彦)さんの地元の富士吉田に住んでいた時期があったんですけど、あの曲からふわーっと湯気みたいなものが出てきて街を作ったら富士吉田市になるんだろうなって。しかも、彼の実家のすぐそばのレジデンスに滞在していて。「若者のすべて」を聴きながらその街を歩いていると、やっぱりこの曲はここで生まれたんだなっていうのが感じられるんですよね。私はこの曲を長い間ライブなどでカバーをしてきたんですけど、志村さんはずっと若いままで、でも私を含めたこの曲を愛している人たちは当然年をとるし、その間にいろいろなことがあるわけで、そういう私たちのことを彼はどういう眼差しで見ているんだろう?その視点で歌ったらどうなるんだろう?っていうのが今回のアレンジのテーマになっています。もちろんそれは私の想像なんですけど、そうやって歌うことが、この曲の愛し方のひとつになって行けばいいなと思いました。――歌詞の言葉も、先ほどおっしゃったように日本語の良い意味でのぼんやりした感じじゃないと表現できない世界ですよね。そうですね。気持ちで情景が作られていく、小説みたいな豊かな世界を感じますね。――そして2曲目が世武さんの曲で、「君のほんの少しの愛で」(2015年のアルバム『WONDERLAND』に収録)ですが、この曲を今収録しようと思った理由は何ですか?世武裕子「君のほんの少しの愛で」これを書いた時に、すごくいい曲が作れたなと思ったんですよね。アルバムのリード曲でMVも作ったんですけど、大して売れなかったんですよ。でも、もっと聴かれていい曲だなと思っていて。聴かれていいっていうのは、いい曲だから聴いてよっていう話じゃなくて、この歌詞の言葉を必要としている人がもっといるはずだって思ったんです。もっと届けたかったっていう無念さみたいなものがものすごくあって。〈この世界は君のほんの少しの愛で泣きそうなほど輝いている〉っていう歌詞は、いろんな曲を書いてきていますけど、私の一番言いたいことって、ほぼここに集約されているんですよ。だから私はこの曲ができたことをきっかけに日本語で歌詞を書くことをあまりしなくなってしまい。急に聖人のようになろうとしたり、誰が見てもイケてるみたいな感じの人になろうとするのって、はっきり言ってキツイし、そうじゃなくて、ちょっとずつ無理のない程度に全員が優しくなれば世界はまったく違うものになっているはずなんですよね。ほんとに少しをみんなで、でいいんですよ。環境破壊のことや何にでもつながってくる話なんですけど。だからそれの人数を増やして行こうよテーマソング、みたいな感じ(笑)。何回言ったって言い足りないし、今回もそういう意味で、もう一回ちゃんと聴いてほしい。今回私が歌った他の曲がいいと思った人には、一度だけでも再生してみてほしい。そういう願いを込めて収録しました。――3曲目が「それ行けカープ(若き鯉たち)」(塩見大治郎)。一瞬、どうしてこの曲を!?と思うのですが、しかし普通に名曲というか、全然他の曲の並びであっても何らおかしくないというか。改めて、この曲のポイントはどこにありますか?カバーするという意味で言えば、結構難しい曲なんです。というのも、意外と長いし、しかもピアノ一本で歌うような曲ではないというか(笑)。だけど、あまり難しいことは考えずにやってみようかなと。今って尺が長かったりするとキャッチーじゃないからみんなに聴いてもらえないっていうようなことをあまりにも追いかけすぎている気がしていて。多くの人に聴いてもらいたいという気持ちがある一方で、でも作り手としてはそういうところばかりを意識していたら、創作の根本がズレてくる。だから長い曲ではあるけれど、ピアノと声だけで丁寧に構築していくということを一番に考えてやりました。世武裕子「それ行けカープ~若き鯉たち~」――実際の球場の音――歓声やアナウンスなど――が入っているのがとてもいい効果をあげていますね。今年は年間指定席を購入して、日本にいるときは毎日(広島東洋カープのホーム試合を)観に行っていました(笑)。音楽でも、「やっぱライブに行かなきゃわかんないよね」って感覚があると思うんですけど、球場ももちろんそうなんですよ。その感じを何とかして届けたくて、ハンディマイクを持ち込んで球場をうろうろしながら録ったんですけど。でもこれは、やっぱりカープが勝った試合じゃないと意味がない!と思って、何となくは録れないなと。とにかく何となくものを作るのが嫌なんで、ちゃんと勝った時の音と勝つまでの試合の経過をちょこちょこ録っていって、その素材をエンジニアの中村(涼真)くんに渡したんですよ。でも中村くんは最初、普通にいい感じで(音を)貼ってくれて。――はい(笑)。「これ、いい感じに貼ってくれてるんだけど、3回裏と7回表を逆に貼ったら、カープファンにはバレるよ。」って言って、雰囲気ではなくどこに何を何秒で貼るかっていうのを自分で一回やるわって(笑)。中村くんがやってくれたのって、音楽的にこの順序の方が盛り上がり感出るよねっていうことで、彼の音楽的な視点に、野球的な視点をぶつける面白い時間でした。最後はカープが勝ってみんなが歓声をあげて拍手して、アナウンスが入って、ギリギリ選手の名前を言うまでを使うっていう、ある意味今回の中で一番大変な曲だったかもしれません(笑)。――きっちりドキュメンタリーなんですね(笑)。そうそう。でも、1カ所だけフィクションがあってMazda Zoom-Zoom スタジアム広島にいると、電車の警笛が入るんですよ。試合中に「ポーッ」ていう音が聴こえるんですけど、あれは時間的には試合の前半なんです。でもその音は曲の最後に入れてます。勝った試合の雰囲気を電車が夢に次に運んでくれるっていうイメージの方が、夢があっていいかなって、だからそこだけは時間軸に嘘をつきました。――4曲目が椎名林檎さんの「ギブス」で、林檎さんの曲の中でもこの曲を選んだのはどうしてですか?世武裕子「ギブス」高校生くらいだったと思うんですけど、すごい人が出てきたなって衝撃があったんですよね、椎名さんの出現っていうのは。だからやるんだったら椎名さんのキャリアの初期の頃の曲がいいなと考えている時、ふと雨の日にこの「ギブス」のアレンジを思いついたんです。いわゆるアーティスト・椎名林檎の物語とは違う、もっとずっと若い日の、とても繊細な女の子がそこにいる気がして。それはもしかしたら、私が最初に話していたようなズレに近いものかも知れないし、ただの的外れな空想かも知れない。この感覚の出会いを形にしたかったです。椎名さんが実際にはどういう人かっていうのは全然知らないんですけどね(笑)。――〈ギュッとしていてね〉と呟く歌の主人公と実際に歌う人との間の空白が意識できるようなアレンジだなと思いました。もしかしたら椎名林檎という巨大なアーティストとしてのイメージと、実際に生きているひとりの女性との距離なのかも知れないですね。――最後がサカナクションの「グッドバイ」で、世武さんのアレンジからは“表現者の業”みたいなものを痛いほど感じたんですよね。世武裕子「グッドバイ」ああ。この曲って、全然ネガティブな意味じゃなくて、強烈に寂しい曲じゃないですか。――そうですね。たぶんそこが“業”っておっしゃった部分につながっていると思うんですけど。サカナクションの曲は何曲かカバーしたことがあるので、今回はどれをやろうか迷ったんですけど、この曲って特に、自分がサカナクションに共感できるところっていうのが特に色濃くあるんですよ。もう誰も踏み込めないカルマ的な孤独というか。だから終わり方も、あれは私の解釈なんですけど、実は迷ったんですよね。――プツッとした終わり方ですね。最初はもっとプツっとしてたんですよ。――そうなんですか。さすがに、何て言うか、縁起悪すぎるからやめようって(笑)。――なるほど(笑)。少し、柔らかくしました。最後まで迷ったんですけど、今までの私だったら表現者としてそのカッコよさの方を選んでたと思うんです。だけど、私が伝えたいのは、あなたの生きている世界は素晴らしいから、いろいろあるかもしれないけど、ちょっとでも楽しく生きて行こうよっていうことで、人の寂しさに対して、身もふたもないような幕切れをさせたくないと思ってやめました。――少し抽象的な質問になってしまうのですが、この曲になぞらえて聞くと、音楽をやる上で、答えを求める感覚というのは世武さんにはあるのですか?うーん、私はあんまりないかも。やっぱり探してる答えなんてないですから、生きてて。そもそも何を探しているのかもわからないまま何かを探しているじゃないですか、多かれ少なかれみんな。探していることに気づいた時がしんどいんですよね。自分が何かを探してしまっていることっていうのが。それがおそらくこの曲の切実さであり、だからこそすごく胸に来る人が多いんだと思うんですよ。私はそこを――作詞者である山口一郎が仕上がりの作品としてオブラートに包んだことを――あえて剥き出しにしたっていうのはあるんですよ、この曲に関しては。もちろん主観なんですけど。彼がなかなか見せてくれないところをもうちょっと見せてよっていう気持ち。それが彼にとっては不快なことなのかどうかはわからないですけど、アーティスト同士がそれぞれ生きている中で、そういう接触の仕方っていうのは、ひとつの面白さだなって私は思いますね。なぜならそこの根底にはやっぱり、尊敬があるからです。自分ではブレブレだったものが、やらなきゃいけないことが見つかってちょっとホッとしているというか――改めて弾き語りという表現方法について感じたことは何ですか?今回に関して言うと、大枠は決めているんですけど、細かくどう弾くかは決めていないという中でやりました。そこには大きくふたつの理由があるんですけど、まずはロマンチックじゃない方から言うと、細かく決めてやるのが面倒くさい(笑)。パンチインっていうレコーディング方法があるんですけど、要は箇所箇所で弾いて、それをつなげていくというやり方で、演奏力がそこまでなくてもできちゃうというか。いくらでも直せるんです。クリックを作って、テンポに合わせて弾いてっていうのを繰り返して、それを重ねて重ねてっていうのをこの業界に入ってから知って、私も10年以上ずっとやってきた。それは別に逃げというわけではなくて、特に劇伴っていうのはそうやって作っていかないと時間もないし、前作のオリジナルアルバム『Raw Scaramanga』なんかでは音を重ねる面白さを追求したっていうのもあったので。でもそれって確かに音楽を作る上での面白さでもあるんですけど、一方で演奏家としては致命的で、演奏力はどんどん落ちていくんですよね。ミスタッチをしても後でそこだけ直せばいいから。フレージングも細かく作っていくと意外とできちゃうんですよ、雰囲気で。だけど、1曲通してどういうダイナミズムで、構成で、例えばここにこういうフレージングを入れたから、時間の経過でこうなる、みたいな弾きながら考えていく表現者としての勝負どころが、手際良く仕事をしていく中でどんどん薄れていっちゃって、このままでは演奏家としてヤバいだろうっていう危機感があったんです。そこがもうひとつの大きな理由ですね。――そうすると今回の作品を通して自分の根本を見つめることになったということが言えるのでしょうか?そうですね。本当にようやくここ、という感覚があります。ちっちゃい頃から当たり前にピアノを弾いていたし、曲を作っていたから、ブレない人生みたいに見えているかもしれないけど、実はブレブレなんですよ。――そうなんですか?音楽をやることが当たり前だから、そういう意味では周りから見たら全然ブレてないだろうと思います。音楽でやりたいことをやって、好きに生きてるよねって。――あるいはそうかもしれません。だけど、ご飯食べているのと同じ感覚で私は音楽をやっているだけだから、例えば誰かと会った時に、「君って毎日ご飯食べてるの?マジでブレてないよね」って言わないじゃないですか(笑)。――はははは。それってブレるとかの話じゃないから。――生活ですからね。そうそう、それなんです、私にとって音楽をやることっていうのは。しかも器用にある程度何でもやれてしまう――これって劇伴作家特有の悩みでもあるんですけど――ちょっとジャズっぽいものも作れるし、ちょっとエレクトロっぽいものもできるし、オケも書けてピアノも弾けて、歌もそれなりには歌えます、みたいな。そうすると、いろんなことができちゃうから、いざ「何がしたいの?」ってなったら、音楽ができていたらまあいい、ってなるんですよ。だからロックミュージシャンとかで「もう俺これしかできない」っていう感じでやっている人って、なんか輝いて見える。もちろんその大変さっはあると思うんですけど。そういう中で、自分ではブレブレだったものが、やらなきゃいけないことが見つかってちょっとホッとしているというか。――それが今の世武さんなんですね。まあ、いつ死ぬかもしれないしな……っていうか、歳?(笑)。年齢的にもよく折り返しに来たなーなんて話をするんですけど、でもまずそれも奢りだなっていうか。何であと半分生きられるつもりでいるんだよって。仮にあと半分生きられたとしても、最初の半分と同じ体力や密度、スピード感の半分には絶対にならないよねって。私は基本的に自分だけはラッキーだとか、自分だけは病気しないだろうとかっていうふうには一切思わないタイプで、だからこそがんばって生きていけるんですね、きっと。――そして今回の作品のタイトルに「1」とついているので、「2」が控えているんですよね。もう全部録り終わっていて、「1」と「2」になっているんですけど、それが別に前編後編でもないよっていう感じです。「1」を録っている時は、そこまで自分の中で確信はなかったんですけど、それに気づいてから録っているのが「2」なので、より表現者としての向き合い度合いが高くて、すごい音が録れたっていう感覚があります。ペダルの切り際とか、鍵盤から指を離したときの微かな音とか、集中力の高いディープな音が録れたので、選曲も含めて次も期待してもらいたいです。Text:谷岡正浩<リリース情報>世武裕子『あなたの生きている世界1』Now On Sale世武裕子『あなたの生きている世界1』ジャケット【収録曲】1. 「若者のすべて」フジファブリック カバー2. 「君のほんの少しの愛で」世武裕子 セルフカバー3. 「それ行けカープ(若き鯉たち)」塩見大治郎 カバー4. 「ギブス」椎名林檎 カバー5. 「グッドバイ」サカナクション カバー配信リンク:<イベント出演情報>フランス映画祭2022横浜 オープニング・セレモニー12月1日(木) 横浜みなとみらいホール開演:18:30開会宣言: 石田ゆり子(フェスティバル・ミューズ)ピアノ演奏:世武裕子※ぴあアプリ会員15組30名様を抽選でご招待!応募受付は11月23日23:59まで詳細はこちら()イベント公式サイト:プロフィール世武裕子(セブヒロコ)葛飾区生まれ、広島在住。シンガーソングライター、映画音楽作曲家。Ecole Normale de Musique de Paris映画音楽学科を首席で卒業。以降、映画やテレビドラマ、数多くのCM音楽を手掛ける。2022年は、映画『Pure Japanese』『女子高生に殺されたい』や、WOWOWドラマ『椅子』Amazon Prime Videoドラマシリーズ『モダンラブ・東京』などの映画・ドラマ音楽を担当。2022年7月には、銀杏BOYZ「BABY BABY」ピアノ弾き語りカバー楽曲が、大塚製薬オロナミンC CM「湧きあがるものを信じる。夏」篇に起用される。11月9日には、ピアノ弾き語りシリーズ『あなたの生きている世界1』をリリースした。関連リンク公式HP:::『セちゃんねる』:
2022年11月21日シンガーソングライターで映画音楽作曲家の世武裕子が、ピアノ弾き語りシリーズ『あなたの生きている世界1』を本日11月9日に配信リリースした。本作は“日本語を大切に歌う”ことをテーマに、フジファブリック「若者のすべて」、椎名林檎「ギブス」、サカナクション「グッドバイ」などのカバー曲全5曲を収録。併せて、各楽曲に込めた世武のコメントも届いている。また、リリースに合わせてリニューアルされたYouTubeチャンネル『せチャンネル』では、本作をレコーディングしたスタジオからピアノを触りつつトークを繰り広げるなど、トークコンテンツも続々公開中。作品の中では見られない彼女の素顔や人となりを楽しめる動画はもちろん、今後は演奏動画も公開される予定だ。■世武裕子による各曲コメント1. 若者のすべて富士吉田市に住んでいた頃、フジファブリックを聴きながら、商店街をよく散歩していました。特に「若者のすべて」は格別で、街そのものが鳴っているような感覚になります。この曲の中で、あの頃の姿のまま生きている志村さんは、今この景色を、歳をとっていく私たちを、どういう想いで見ているんだろうなぁと思いながら、歌わせて頂きました。2. 君のほんの少しの愛で大切にしていて、分かち合いたい想いは沢山あるけれど、「君のほんの少しの愛で、この世界は泣きそうなほど輝いている」というフレーズは、自分の年齢や気分に関わらず、ずっと一番に伝えたいメッセージかも知れません。セルフカバーをしてみると、改めて、自分の望みが明確になりました。3. それ行けカープ(若き鯉たち)言わずもがな、広島の(いや、日本の!)誇る名曲。再始動する時は、必ず広島の歌を入れたいと思っていましたが、結局最初に選んだのはこの曲でした。ネタとか箸休めとかじゃなくて、真剣な渾身のカバーです。マツダスタジアム周辺をウロウロしながら仕上げました。どういう意味かは、ぜひ聴いて確認して下さい!4. ギブスデビューされた時、TVでパフォーマンスを観た時、短編映画『百色眼鏡』を出された時、東京事変を結成された時、、、色んな形で何度も何度も、驚きを持って作品を発表されてきた唯一無二の椎名林檎さん。完全な世界観がある人だからこそ、憧れや物真似みたいなカバーじゃなくて、もし主人公が違う選択をして生きていたらどういう歌になっただろうか?というテーマで、カバーさせてもらいました。5. グッドバイサカナクションとは長らく親交があり、以前は「ユリイカ」をカバーさせてもらったこともあります。「グッドバイ」も原曲は完璧なベストアンサーなのに、なぜか楽曲に誘われているような気がするというか、語られない主人公の心の奥底を引っ張り出したい、救い上げたいような気持ちにさせられます。孤独の中にも、世界の素晴らしさを分かち合いたいのかも知れません。<リリース情報>世武裕子『あなたの生きている世界1』Now On Sale世武裕子『あなたの生きている世界1』ジャケット【収録曲】1. 「若者のすべて」フジファブリック カバー2. 「君のほんの少しの愛で」世武裕子 セルフカバー3. 「それ行けカープ(若き鯉たち)」塩見大治郎 カバー4. 「ギブス」椎名林檎 カバー5. 「グッドバイ」サカナクション カバー配信リンク:<イベント出演情報>フランス映画祭2022横浜 オープニング・セレモニー12月1日(木) 横浜みなとみらいホール開演:18:30開会宣言: 石田ゆり子(フェスティバル・ミューズ)ピアノ演奏:世武裕子公式HP:関連リンク公式HP:::『セちゃんねる』:
2022年11月09日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「NPT会議決裂」です。核の危機感を持ち、橋渡しに、本気の姿勢を見せて。ウクライナでは、ロシア軍がヨーロッパ最大級のザポリージャ原子力発電所を占拠し、原発を盾に攻撃を強めています。本来、国際法により、原発は攻撃してはいけないと定められているのにもかかわらず、原発のある地域を舞台にした戦闘が続いています。国際原子力機関(IAEA)が現地に入り、誰が攻撃し、何が起きているのか、原発事故が起きないよう策をとっていますが、送電網が遮断されるなど、非常に深刻な事態に陥っています。8月にはNPT(核兵器不拡散条約)再検討会議がニューヨークで開かれました。ここでは、核兵器の不拡散だけではなく、現在のウクライナ情勢を背景に、原子力は平和利用のために使うことを盛り込んだ最終合意文書を作ろうとしましたが、ロシアは一貫して、「原発を攻撃していない。ロシアに非があるようなことを盛り込むのであれば、文書に署名できない」と主張。最終的に文書はまとまりませんでした。前回の検討会議でも、最終合意文書はまとまらず決裂しました。中東の非核化を求め合意を取ろうとしたのですが、土壇場になってアメリカが核保有国のイスラエルに配慮して、合意できないと言い出し否決されました。NPTは2回連続、核を持つ国は大きな脅威であり、保有国にしか交渉力がないことを見せつける結果になりました。核保有国も非保有国も一致団結しようと昨年、核兵器禁止条約が発効しました。しかし、核保有国は不参加。広島選挙区選出の岸田総理は両者をつなぐ橋渡しをしたいと話していましたが、核兵器禁止条約には参加せず。NPT再検討会議に乗り込んだものの、何か成果を残したわけではありません。いま、核兵器がいつ使われてもおかしくない緊張が続いていますが、その危機感が日本では共有されていないように思います。今年は、核兵器や原子力の平和利用の大きなターニングポイントとなる年になるはずでした。次のチャンスは、来年のG7。岸田総理の肝入りの企画で、広島で開催されます。核保有国に対し、「核が再び攻撃に使われるようなことがあってはならない」と、粘り強く交渉する姿勢をぜひ世界に打ち出してほしいと思います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2022年10月12日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2022年10月08日