桜の花は目に麗しいだけでなく、味と香りも楽しめます。それが「桜の塩漬け」。数百円で手に入る「桜の塩漬け」を料理にあしらうだけでワンランク上のまるで料亭のような一皿に早変わり。凝ったものという印象ですが実は手軽に季節感と高級感を醸し出せる便利なアイテムなのです。そこで今回は、桜の塩漬けを使ったワンランクアップの「気分は料亭料理」をご紹介します。■鯛の和風カルパッチョ桜の季節に春を迎える鯛はおめでたい席にぴったり。塩昆布、貝われ菜、新玉ネギを合わせたら鯛に乗せ、ゴマ油と醤油で作ったソースをかけて「桜の塩漬け」を乗せます。桜の花があるだけでまるでお店のような仕上がりに。■白身魚の桜蒸しいつもの白身魚の蒸し物も「桜の塩漬け」を使った「桜蒸し」で品よく美しく見事に料亭風に。添えた菜の花とのコントラストも美しく、桜をバックに写真におさめておきたくなる一皿です。■手まり鯛めし焼いた鯛で炊き込んだ香ばしい鯛めしをラップで包んでミニおにぎりにした可愛い鯛めし。お花見にも喜ばれる一品です。上に乗せた桜の塩漬けと三つ葉がポイント。ラップで包むことでふわっと漂う桜の香りで幸せな気分に浸れます。【このレシピでの「桜の花の塩漬け」の使い方】・桜の花の塩漬けは水で振り洗いし、水に10分放って塩分を少し抜く。・キッチンペーパーで水気を押さえ、ひとつをみじん切りにする。■鍋で炊く!ふっくらおいしい鯛飯お鍋で炊きあげた鯛飯は、旬のえんどう豆とピンクの鯛と桜の花の塩漬けでスタイリッシュで映える一品に。崩してしまうのがもったいないくらいの美しさですね。■春の賑やかちらし寿司 手軽で華やか春のお祝い料理といえばやっぱり心躍る「ちらし寿司」。桜の花の塩漬けと枝豆で作ることで簡単に香り高くワンランク上のちらし寿司が完成します。さくらでんぷと錦糸卵でよりビューティフルに。■桜寒天入学、就職などのお祝いにもおすすめです。寒天液を2回に分けて流し入れる事で、小豆と桜の花がキレイな層を作ります。■桜の花のアイス桜の塩漬けがバニラアイスによく合って甘しょっぱいアイスに早変わり。簡単でおもてなしにもぴったりなデザートに。桜の花の塩漬けをあしらった料理で春の気分をたっぷり味わいましょう。日本の四季の移り変わりと共に日々のお料理を存分に楽しみたいですね。
2024年03月07日春を感じられる山菜のわらび。わらびにはどんな栄養素が含まれているかご存知でしょうか? 実は、わらびにはビタミンB2が豊富に含まれています。ビタミンB2には糖質や脂質、タンパク質の代謝を促すはたらきが望まれていますね。わらびは、すぐに傷んでしまうことが難点です。さらに、わらび料理にはつきものの「あく抜き」に尻込みすることはありませんか? あく抜きをしても、うまくあくが抜けない、溶けてしまったといった失敗の経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。わらびの正しい保存方法とあわせて、あく抜きのやり方や失敗したときの対処法をご紹介します。■わらびの保存方法とはわらびは鮮度が落ちやすいため、生のまま長期保存することは難しいです。買ってきたら冷蔵庫にそのまま入れることは避けて、早めにあく抜きをしましょう。保存には、冷蔵・冷凍・乾燥・塩漬け・瓶詰めと5種類の方法があります。・わらびってどんな食べ物?わらびとは、シダの仲間の一種です。山菜として若芽の部分を食べます。わらびは、春から初夏が旬です。九州は3月中旬ごろ、本州は4月中旬から5月のゴールデンウイークあたり、東北などでは6月中旬に旬を迎えます。新鮮なわらびには産毛がたくさんついています。また、柔らかくおいしいわらびを選ぶポイントは、茎の部分をチェックすることです。茎が太くて短いもの、茎の部分が緑色のものを選ぶようにしましょう。・保存の前にまずあく抜きをわらびはあく抜きをしてから保存しましょう。わらびのあくは強いため、十分にあく抜きをしてから調理する必要があります。・保存は冷蔵?それとも冷凍?わらびの保存は冷蔵・冷凍どちらでも可能です。どちらも比較的簡単に保存できます。冷蔵の場合、食感が損なわれずに楽しめる一方、あまり日持ちしないため1週間ほどで使い切る必要があります。冷凍の場合は、およそ2ヶ月保存ができます。ただし、冷凍によってわらびの食感が変化してしまいます。保存したい期間やわらびの量によって適した方法を選びましょう。・乾燥や調理して保存も可能わらびは、乾燥や塩漬け、瓶詰めにして保存することも可能です。冷蔵や冷凍よりも保存の手間はかかりますが、冷暗所でおよそ1年保存することができます。乾燥させると食感が変化しますが、濃縮されたわらびの旨味が楽しめます。塩漬けや瓶詰めにすると、わらびの食感は損なわれずに保存できますので、時間があるときにぜひ試してみてくださいね。■保存の前に!わらびのあく抜き方法わらびのあく抜き方法を解説します。あく抜きは思ったよりも簡単です。わらびをはじめとする山菜にはあくが多く含まれています。あくが残っていると、渋味や苦味の強い料理になってしまいます。木炭や重曹のようにアルカリ性のものを使ってあく抜きをしましょう。灰や木炭を使ったあく抜きの方法もありますが、ここではスーパーなどで手に入りやすい重曹を使ったあく抜きの方法をご紹介します。あく抜きのために、半日以上重曹水に浸しておく必要があります。献立に使うときは気をつけてくださいね。・あく抜きの下準備時間が経つと硬くなってしまうので、わらびを手に入れたら早めにあく抜きをします。あく抜きの前に、まずは下準備をしましょう。①水で洗うわらびを水で洗います。山菜のため、土や草などがついていることがありますので、しっかりと洗いましょう。②根元をカットするわらびの根元は硬いのでカットしましょう。わらびの頭の部分が開きすぎている場合は、あわせて頭の部分もカットします。・あく抜きのやり方 わらびのあく抜きには重曹を使います。食用の重曹を使うようにしましょう。①沸騰したお湯に重曹を入れる鍋に水を入れて火にかけます。沸騰したら重曹を加えます。重曹の量は水1Lに対して小さじ2杯です。わらびが完全に浸かる量の水を用意しましょう。②粗熱をとってわらびを入れる沸騰直後のお湯では熱すぎるため、鍋の粗熱を取ってからわらびを入れます。火傷に注意しましょう。上から落し蓋などをして、わらびが全部お湯に浸かるようにします。③半日以上そのままおく 半日~ひと晩ほどそのまま置きます。1時間に1回ほど、わらびの柔らかさを確認するといいですよ。④よく水洗いするわらびを取り出して流水でしっかりと水洗いしましょう。あくを抜いて水洗いした後は茹でずに食べられます。そのまま味付けをしてお浸しなどにしましょう。柔らかいわらびにしたい場合はあく抜き後に下茹でします。・あく抜きの注意点 アルミ製や銅製の鍋は重曹と相性が悪く、鍋が変色してしまうことがあります。あく抜きで使う鍋は、アルミ製や銅製以外のものを使って下さいね。お湯に重曹をいれると勢いよく発砲しますので、注意しましょう。・あく抜きに失敗したら?あくが抜けきれなかった…または、わらびが溶けちゃった! といった失敗をすることもありますよね。わらびのあく抜きに失敗したときの対処方法をご紹介しますので、捨てずに、ぜひ参考にしてみてください。あくが抜けていない場合あく抜きをしてもあくが少し残っている場合は、水に1日漬けておきましょう。水につけておく方法は以下の通りです。わらびを食べやすい大きさに切ります。切ることで断面からあくが抜けます容器にわらびとわらびが浸かる程度の水を入れます水が濁るので時々水を替えながら、1日水に漬けます苦味が多く、あくがたくさん残っている場合は、もう一度重曹を使ったあく抜きの方法を行いましょう。2回目なので、わらびが柔らかくなり過ぎないように注意してくださいね。1時間に1回ほどわらびの様子を確認しながら、半日ほどあく抜きをします。わらびを切ったときに、切り口がトロリとしていたらあく抜きの成功です。あくが多くて苦味が強いときは、お浸しなどのシンプルな料理より、天ぷらや炒め物などしっかりした味付けの料理が向いています。あく抜きがうまくできなかったときに試してみてくださいね。溶けてしまった場合あく抜きに失敗すると、わらびが溶けてドロドロになってしまうことがあります。あく抜きのお湯が熱すぎたり、重曹の量が多すぎたりすることが、柔らかくなってしまう原因です。柔らかすぎるとお浸しでは食感が悪く、煮物や炒め物のように加熱するとさらにドロドロになってしまいます。溶けてしまったわらびの対処方法は、とろみを生かした料理に活用することです。包丁で細かく叩いて、わさび醤油やめんつゆをかけると、長いものトロロのように楽しめます。ご飯にかけるのもおすすめです。叩いたわらびを山芋のようにお好み焼きに入れるとつなぎとして活用できますよ。溶けてしまったときも、捨てずに料理に生かしてくださいね。■わらびの保存方法ここで説明する方法は、冷蔵・冷凍、そして乾燥・塩漬け・瓶詰めです。保存したい期間だけでなく、食感の変化や保存方法の手軽さなどを加味して、適した方法を選んでみましょう。・冷蔵で保存するわらびの量が少なく、1週間程度で使い切ってしまう場合は、冷蔵庫保存が向いています。保存方法あく抜きをしたわらびを密封容器やジッパー付きの保存袋に入れます袋の中にわらびが浸かる量の水を入れます冷蔵庫に入れます。毎日水を交換しましょう保存期間冷蔵庫でわらびを保存する場合、保存期間は1週間が目安です。料理の際にも、そのまま使えます。・冷凍で保存するわらびが大量にあって、すぐには使い切れないときには、冷凍保存しましょう。わらびの食感は変化してしまいますが、長期保存ができます。保存方法あく抜きしたわらびを食べやすい長さにカットします1回分ずつラップに包み、ジッパー付きの保存袋に入れますしっかりと袋の空気を抜いてから、わらびが重ならないように平らにして冷凍庫に入れます保存期間保存期間はおよそ2ヶ月です。長期間保存すると水分が抜けてわらびが筋っぽくなってしまうので気をつけてください。解凍方法冷凍したわらびは凍ったまま料理に使いましょう。食感が変化しているので、お浸しなどよりも煮物や汁物などの加熱調理が向いています。・乾燥させて保存するわらびは乾燥させて保存することもできます。何日もかけて乾燥させたり、「より」の作業をしたりと手間がかかりますが、手間をかけた分、長期に渡って楽しめます。乾燥させるとカサが減るので、わらびがたくさんあって保存場所に困ったときにもおすすめの方法です。乾燥わらびは、旨味が濃縮されていて、生のわらびとまた違った食感を楽しめますよ。保存方法あく抜きをしたわらびを浅いザルにひろげて、風通しがよく、直射日光が当たる場所に干します。雨の日は忘れずに室内に入れましょう。ときどき、わらびの上下を返して全体が縮んで乾燥するまで干します。十分に乾燥していないと、わらびがカビてしまうことがありますのでしっかりと干しましょう。乾燥して濃い緑色くらいになったら、わらびを柔らかく仕上げるために「より」を行います。わらびを持って、両手をこすり合わせるようにしてもみます。完全に乾燥するまでに何度もよりましょう。カラカラに乾燥して見た目が黒く細長くなったら完成です。ジッパー付きの保存袋に入れて保存しましょう、あれば乾燥剤を入れると湿気を防げます。保存期間乾燥わらびの保存期間は約1年です。冷暗所で保存しましょう。しっかり乾燥させていないと傷んでしまうことがあるので気をつけてくださいね。使うときは水でもどしてから料理します。煮物やお浸しなどに使えますよ。・塩漬けして保存するわらびは塩漬けによる保存も可能です。1年程度保存ができます。食感や風味が損なわれにくい点が魅力です。漬物のようにたっぷりの塩を使いますので、料理の前には塩抜きが必要です。保存方法あく抜きをしたわらびの水気を拭き取ります。キッチンペーパーなどを使ってしっかりと拭きましょう。大きめの容器に塩を敷き詰め、塩の上にわらびが重ならないように並べていきます。わらびの上からさらに塩をかぶせて、わらびが潰れない程度の重さの重しをのせて、蓋をします。冷暗所で保存します。1~2日すると水が出ますので水を捨てます。さらに上から塩を足します。およそ1週間、水を捨てて塩を足す工程を繰り返します。保存期間塩漬けしたわらびの保存期間は最大で1年です。冷暗所で保存しましょう。そのままでは塩分が多くて食べられないので、料理の前に塩抜きを行います。塩抜きの方法は以下の通りです。鍋にわらびとひたひたの量の水を入れて火にかけます。沸騰したら火を止め、そのまま冷まします。冷めたら水を替えて10分ほど水にさらし、また水を替えます。少し食べてみて、塩気を感じないくらいまで水を替えてさらす工程を繰り返します。・瓶詰めして保存する少し手間がかかりますが、わらびを瓶詰めにすると、食感はそのままで長期間保存できます。瓶詰め保存では、瓶の中の空気を出して圧を下げる「脱気」と呼ばれる処理が必要です。保存方法あく抜きをしたわらびを瓶に入れ、瓶が満タンになるまで水を入れます。蓋は軽く締めておきましょう。鍋に瓶の高さの半分くらいまで湯を沸かして、瓶を入れます。再沸騰してから30分ほど瓶ごと煮ましょう。一度瓶を取り出してからきつく蓋を締めて、もう一度瓶を煮ます。瓶を取り出してから、瓶を逆さにして冷まします。瓶を鍋に入れたり取り出したりするときはトングや軍手を使い、火傷に注意しましょう。保存期間瓶の開封前ならおよそ1年保存できます。瓶を開封する前なら冷暗所で保存が可能です。開封したあとは常温で1週間、冷蔵庫であれば毎日水を替えると2週間保存が可能です。そのまま料理に使うことができますよ。■さまざまな保存方法を活用してわらびを長く楽しみましょう!これまでご紹介した方法のなかから、わらびの量や保存の手間を考え、適したものを選んでみましょう。乾燥や塩漬け・瓶詰めはやや手間がかかりますが、そのぶんおいしさはひとしおです。保存の過程も楽しんでいきたいですね。難しそうなイメージのあるあく抜きですが、やってみると意外と簡単なものです。あく抜きを失敗したときは、もう一度あく抜きをするほか、苦味やぬめりを生かした料理に応用してみましょう。せっかくのわらびを無駄なく食べていきたいですね。春の味覚であるわらびを上手に保存して、存分に味わってください!《参考》・ 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 ・ 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「ビタミンB2の働きと1日の摂取量」
2021年07月23日魚卵のなかでは圧倒的な知名度を誇る、いくら。寿司ネタとしてもとても人気がありますよね。そのいくらの賞味期限はどれくらいなのでしょうか?本記事では、いくらの賞味期限や賞味期限を長くする方法、また食べられないいくらの見分け方など、いくらについてのお役立ち情報をまとめました。筋子といくらの違いについても解説するので、ぜひ参考にしてください!■いくらの賞味期限いくらの賞味期限はどれくらいなのでしょうか?生いくらだけでなく、塩漬け、醤油漬け、筋子などさまざまなタイプについて解説していきましょう。生いくらに比べると何らかの手を加える方が、賞味期限は長くなります。ケースバイケースで使い分けできると良いかもしれませんね。・生いくらの賞味期限生いくらは、何も加工をしていないもののことをさします。常温のままだと1日が限界で、季節によっては1日以内で傷んで食べられなくなるので注意しましょう。具体的には、室温が20~30℃で細菌が発生してあっという間に繁殖します。すると体調不良を起こすおそれがあるので、絶対に食べてはいけません。冷蔵なら2~3日、冷凍の場合は、2週間~1ヶ月はもちます。ただし解凍したらすぐにでも食べるのがよいでしょう。・醤油漬けの賞味期限いくらは、醤油漬けにすると賞味期限が延びます。常温なら2日、冷蔵で2~5日、冷凍なら1年が目安になります。ただし解凍後は、4~7日くらいで消費するようにしてください。・塩漬けの賞味期限醤油漬けほどではありませんが、塩漬けにしても賞味期限が延びます。常温で1~2日、冷蔵なら3~4日、冷凍なら1年くらいが目安です。作り方は簡単、いくら100gに対して8~10gの塩を加えて混ぜるだけです。一晩おけば食べられます。塩の浸透圧でいくらの水分が出てきますから、いくらが少し小さくなりますが、そこを気にしなければおいしく食べられますよ。 ・筋子の賞味期限筋子は、冷蔵なら4日くらいが賞味期限です。冷凍すれば1~3ヶ月は持ちます。また筋子は塩漬けが人気で、冷蔵でも1週間くらいは持ちます。冷凍ならプラス1ヶ月は大丈夫でしょう。・いくらおにぎりの賞味期限いくらをおにぎりの具として使った場合は、賞味期限は半日~1日が限度です。とくに常温保存の場合は、一刻も早く消費するに越したことはありません。おにぎりは冷蔵してしまうとご飯が硬くなるのでおすすめしません。ましてや冷凍すると、いくらのような魚介系は味の劣化が激しくなるため、基本的には避けた方がよいでしょう。また、万が一冷凍したとしても電子レンジでの解凍はパサパサでまったくおいしくなくなるので絶対におすすめしません。まだ自然解凍の方が良いでしょう。・塩分濃度が低いと短い塩漬けにしても、いくらおにぎりにしてもポイントとなるのは塩分濃度です。つまり、塩の量が多いほどいくらも長持ちし、賞味期限は延びます。ただ、塩漬けなら塩の割合は、いくらに対して10%が限度です。それ以上は辛くなり過ぎるのでおいしく食べられなくなります。・酒を使っていると長いいくらは、酒を使うと賞味期限が延びます。醤油漬けにしても塩漬けにしても酒を使うと長持ちするのです。ただし、酒を使う場合は、事前に鍋などに入れて火にかけ、アルコールを飛ばした方が良いでしょう。■いくらを冷凍したときの賞味期限いくらをしっかりと長持ちさせたい場合は、冷凍保存がおすすめです。その長さは常温や冷蔵と比べても桁違いといって良いでしょう。ただし、いくらを買ってきて自宅で冷凍する場合と、冷凍した状態で売られているいくらとでは、賞味期限は異なってきます。その点をしっかり認識しておくことは大切でしょう。・自宅で冷凍した場合買ってきたいくらを自宅で冷凍する場合、賞味期限は2週間~1ヶ月が目安です。ただこれは、生いくらの場合であって、醤油漬けや塩漬けにすれば、賞味期限は1年ほどになります。筋子などのかたちで大量に贈り物として頂くことがあったときは、適当な量で小分けして冷凍すればいつでも食べられて良いかもしれませんね。・冷凍して販売されている場合冷凍した状態で市販されているいくらの場合、賞味期限は3週間から長いものだと2年半くらいまでのものもあります。メーカーや商品によってかなりのひらきがあるので、よく賞味期限や保存方法などをよく確かめて消費しましょう。・販売されているものはなぜ長持ち?販売されている冷凍のいくらが長持ちするのは、冷凍方法に秘密があります。業務用の冷凍庫は、一般的に-30℃~-40℃に温度設定されています。それに比べて一般家庭の冷凍庫は、-18℃が一般的です。さらに市販品の場合は、業者独自の冷凍技術を使って短時間で急速冷凍させて加工していることが多いです。そのため、市販の冷凍いくらの賞味期限が長くても、家庭用の冷凍庫の温度が高いため、あまり長期間保存しておくのは望ましくありません。賞味期限が1年以上となっていても、1~2ヶ月の間に消費する方が無難といえるでしょう。■いくらの賞味期限を長くする冷凍方法いくらは繊細な食材ですし、保存状態が悪いとあっという間に傷んでしまいます。かといって、大量に入手した際には、すべてを食べ切れないこともあるでしょう。そこで、いくらの賞味期限を少しでも長くする冷凍方法があるので紹介しましょう。決して難しいものではありません。ひと手間かけたり、習慣にすることで長持ちさせることができるので、ぜひ覚えておきましょう。・生のいくらは味付けするいくらにしても筋子にしても、生をそのまま冷凍するよりは、味付けする方が賞味期限が長くなります。具体的には、醤油漬けと塩漬けがおすすめです。どちらも醤油や塩以外にいくつかの調味料を加えるので、いくらが本来の味に比べて濃くなったり、甘味を増すこともあります。そのまま食べてもおいしいですが、ご飯にかけたりちらし寿司に添えるなど、料理のトッピングに使うと見た目が宝石のようにきれいですし、いっそうおいしさを引き立てることもできるでしょう。・『いくらの醤油漬け』の作り方いくらの醤油漬けの作り方を紹介しましょう。いくら100gに対して醤油大さじ1、酒大さじ1/2、みりん小さじ1/2を密閉容器にいっしょに入れる。ふたをしてしっかり密閉したら冷蔵庫に入れる。3~4時間ねかせたら完成。このレシピはもっとも手間がかからない時短レシピです。アルコールを飛ばすためにも醤油、酒、みりんを鍋などに入れて加熱し、ひと煮立ちさせてからイクラを入れてもより食べやすくなるでしょう。・密閉することが大切いくらはできるだけ空気に触れないようにした方が長持ちします。そのためには、ふた付きの容器などで密閉するのがよいでしょう。・瓶詰めにするのがおすすめいくらを長持ちさせるためには、瓶詰めにするのがおすすめです。ガラスは密閉率が高く、空気はもちろん外部からの細菌やゴミなどをシャットアウトすることができるので、いくらの保存にうってつけです。ただし、使う前にしっかりと消毒しておくことを忘れないでくださいね。せっかく瓶を使っても、それ自体が汚れていては不衛生になるので気をつけましょう。■解凍後のいくらの賞味期限は?冷凍したイクラを解凍した後、賞味期限はどれくらいなのでしょうか?せっかく冷凍して賞味期限を延ばしても、解凍した後の扱いが良くなければ、元も子もありません。しかも一度解凍したいくらは、劣化が激しくおいしくなくなるため、再解凍は絶対におすすめできません。もし解凍後に食べそこなった場合は、処分するしかなくなるので注意が必要です。・自宅で冷凍したもの自宅で冷凍したいくらは、解凍後は4日以内に食べ切るのが良いでしょう。解凍後はどんどん劣化していくので、4日というのは最長と考えて、できるだけ早くに食べるようにしてくださいね。ちなみに解凍方法は、常温で放置しておくと2~3時間で食べられるようになります。冷蔵庫の場合なら、4~12時間です。もし急ぐ場合は、ビニール袋などに入れて密閉したうえで、ボールなどに入れて流水にさらしましょう。・冷凍して販売されているもの冷凍して市販されているいくらは、解凍後は5~7日が賞味期限の目安です。いくらは解凍時でも冷蔵庫に入れておけば長持ちしそうに思うかもしれませんが、案外そうでもありません。とくに一般家庭の冷蔵庫は、開け閉めの回数が非常に多いため、そのたびに温度変化があるので、庫内は不安定な状態にあるといえます。すると気づかぬうちに思いのほかいくらが傷んでいることもあるので注意してくださいね。 ■食べられないいくらの見分け方いくらは、傷みやすいデリケートな食材です。そのため、食べられないいくらの見分け方を知っておく方が望ましいでしょう。いくらが傷んでくると、見た目や臭い、味などに特徴が現れます。具体的に見ていきましょう。・『賞味期限』と『消費期限』の違い基本的なことですが、『賞味期限』と『消費期限』には違いがあるのはご存知でしょうか?食べられるかどうかの大きな目安となるのが、これらの『期限』ですよね。食べられないいくらの見分け方の前に、その意味の違いを明らかにしておきましょう。『賞味期限は』は、その食材がおいしく食べることができる目安となる日付で、少しくらい過ぎても品質自体には問題ないという意味も含まれます。おもに日持ちしやすい保存食などに使用されることが多いです。一方、『消費期限』の方は、この日付を過ぎたら安全の保障ができません、といういわばデッドラインを意味します。つまり、この日以降は食べないで破棄してください、という意味を含むことを理解しておきましょう。そのため、いくらの場合も、冷蔵品などで『消費期限』が使われている例が多く、その日付は絶対に守るべき目安です。・未開封の袋が膨張している未開封のいくらの袋が膨張している場合は、食べない方が良いでしょう。これは細菌が発生したときに発せられるガスが原因のため、食べると体調不良を起こす危険があります。いくらは高級なため、ついもったいないと思うかもしれませんが、迷わず処分してください。・身崩れを起こしているいくらが身崩れを起こし、赤い汁がたくさん出ている場合も要注意です。新鮮でおいしいいくらは、玉がはっきりして独特のねっとり感を有します。お寿司屋さんでも新鮮なネタは一粒一粒がキラキラしていますよね。身崩れしているということは、いくらの力が抜けてしまっている証拠ですから、気をつけましょう。・異臭がする新鮮ないくらは、ほとんど匂いがしません。ところが傷みだすとどくとくの生臭さを放ちます。容器や袋を開けたときに、ツンと臭ったら食べない方が良いでしょう。・白く濁り糸を引く新鮮ないくらは、オレンジがかった琥珀色をしています。ところが、傷みだすと赤い汁がではじめて、やがて白く濁ってきます。これはいくらからでた水分が腐り出している証拠ですから、食べずに廃棄処分してください。・『酸っぱい』など味に違和感があるいくらを口に含んだ際に、酸っぱいと感じたら絶対に食べないようにしましょう。悪臭を放っていたり酸っぱい味のいくらを食べると、体調不良を起こすリスクが非常に高まります。命の危険さえ考えられるようなので、くれぐれも注意してくださいね。 ■賞味期限を過ぎたいくらは注意先ほど賞味期限と消費期限のちがいについて解説しました。賞味期限は、消費期限と比べると食べることに対して厳しく制限するものではありません。そのため、少しくらい過ぎても目くじらを立てるものではないといえます。しかし、こといくらについては、あまり楽観視もできません。・食中毒の可能性いくらは、とても傷みやすいデリケートな食材です。そのため理想をいえば、買ってきてすぐに食べるに越したことはありません。もし、傷んでいるいくらを食べると、嘔吐や下痢などの食中毒を引き起こす可能性があります。賞味期限を過ぎているなら、先ほど解説した食べられないいくらの見分け方を参考にして、少し厳しい目で判断してください。・常温で放置しないいくらは、常温での放置はご法度です。とくに20~30℃で細菌が発生して、あっという間に増殖していきます。冷凍したいくらを解凍する場合は別です。しかし、それも常温下では3時間までにとどめておきましょう。解凍する場合は、いくらが少し硬いと感じるくらいでも構いません。温かいご飯に乗せれば、すぐに柔らかくなるので長く放置しないように工夫してくださいね。・賞味期限を過ぎていなくてもよく確認いつもの癖で賞味期限さえ過ぎていなければ大丈夫、と過信してしまっている人は少なくないでしょう。しかも消費期限でないといういうことも安心材料にしてしまっているかもしれません。しかし、とくにいくらに関しては危険です。たとえ賞味期限が過ぎていなくても、見た目や臭い、味などをよく確認してから食べるようにしましょう。■いくらと筋子の違い最後にいくらと筋子のちがいについて具体的に解説しましょう。レシピなどを見ても、いくらと筋子が使い分けられている例があります。それぞれに特徴があり、下ごしらえの仕方も違ってくることがあるので、知っておくに越したことはないでしょう。・筋子は膜につつまれている筋子もいくらも鮭の卵です。しかし、筋子は鮭のお腹の中に入っていたままの状態でひと塊となっており、卵巣膜で包まれているのが特徴です。いくらとして使う際には、この卵巣膜をはがして、細かいカスも取り除く必要があります。3%の食塩水で洗ってから、40℃のぬるま湯に浸すと膜からほぐれていきます。料亭などでは、あえて筋子の状態で仕入れて、ほぐしていくらにするところから始める店も多いようです。・食感の違い筋子は、鮭のお腹の中に宿って間もない未熟な状態といえます。そのため、秋口あたりが旬といわれ、いくらよりも少し早くなります。未熟な状態のため、ばらしてしまうと崩れる可能性もあるので、膜で包んだまま食べることがあるのです。そのため、いくらに比べると柔らかくてねっとりした食感になります。プリプリしたいくらとは対照的といっても良いかもしれません。■いくらの賞味期限を知って無駄なく食べよういくらは大変デリケートな食材のため、賞味期限には敏感になっておく必要があります。しかし、保存方法を間違えず良い状態のまま食べることができれば、ほかに類を見ないプリプリとした食感が味わえる高級食材でもあります。そのまま食べても、ご飯にかけても、海鮮丼にぜいたく盛りしても、文句なしのおいしさを提供してくれることでしょう。くれぐれも常温保存だけは避け、冷蔵か場合によっては冷凍をし、必要に応じて解凍するのが安全といえます。見た目がキラキラしていて口の中で優しくとろける絶品いくらを、ぜひ堪能してくださいね!《参考》・ 農林水産省「食中毒の原因と種類」
2021年04月01日